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JP2001121632A - 耐水ダンボール及びその製造方法 - Google Patents

耐水ダンボール及びその製造方法

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JP2001121632A
JP2001121632A JP30651299A JP30651299A JP2001121632A JP 2001121632 A JP2001121632 A JP 2001121632A JP 30651299 A JP30651299 A JP 30651299A JP 30651299 A JP30651299 A JP 30651299A JP 2001121632 A JP2001121632 A JP 2001121632A
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JP
Japan
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water
resin
resistant
paper
cardboard
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Pending
Application number
JP30651299A
Other languages
English (en)
Inventor
Michitoku Nakamoto
道徳 中元
Takeshi Yoshida
毅 吉田
Hiroshi Okamura
洋 岡村
Yoshinobu Yamazaki
順伸 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Goyo Paper Working Co Ltd
Original Assignee
Goyo Paper Working Co Ltd
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Publication date
Application filed by Goyo Paper Working Co Ltd filed Critical Goyo Paper Working Co Ltd
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  • Machines For Manufacturing Corrugated Board In Mechanical Paper-Making Processes (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用後に容易に抄紙原料にリサイクル可能な
耐水ダンボールを提供する。 【解決手段】 (A)ポリプロピレン系樹脂40〜75
重量部、及び(B)粘着性付与剤60〜25重量部から
なる樹脂組成物よりなる耐水層をライナー紙、中芯紙の
少なくとも1面に塗工した耐水ダンボール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用後に容易に抄
紙原料にリサイクルできる耐水ダンボール及びその製造
方法に関し、更に詳しくは、回収された際に、通常のダ
ンボール故紙と同様に、製紙会社のパルパーで離解さ
れ、抄紙され、再びダンボールに再利用可能な、耐水ダ
ンボール及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にダンボールは外面(印刷面)に、
ライナー紙(クラフトライナー紙を含む)、中層のフル
ート(波形形状)に圧縮強度を考慮した中芯紙、内面に
ライナー紙の3層構成となっている。特殊品として、中
層が2層(計5層)の高強度ダンボールもある。ダンボ
ールは生鮮食料品から工業生産された加工食品、機械部
品等まで、あらゆるものの物流の包材として膨大な量が
使用され、また、回収ルートが確立しているため、再び
ライナー紙、中芯紙にリサイクルされている。
【0003】しかし、その反面、水濡れに弱く、雨など
による外部からの水濡れや、収納された製品等の破損か
らの水濡れは、ともにダンボール箱の強度を極端に低下
させ、荷崩れ等の大トラブルを発生させる。
【0004】水濡れ等による強度低下を防止したり、収
納された製品を吸湿から守ったり、また、逆に収納され
た製品の乾燥を防止する目的等から、耐水ダンボールが
各種提案され、実用化されている。例えば、ライナー紙
の抄紙時に薬剤を加え、耐水性の高い耐水紙を使用する
試みがある。しかし、この耐水紙は、回収され、パルパ
ーで離解されるときに、離解性が非常に悪く、少量が投
入されただけでパルパー運転条件が生産性の悪い状況に
なり、コストアップの要因となっている。また、各種耐
水剤を最内面に塗工した耐水ダンボールもある。しか
し、これらの耐水剤がパルパーでの離解時に薄い膜状に
分離するものは、製紙工程で製品へのシミなどの原因に
なり易い。また、塗工層が傷付きなどで破壊される危険
性が高い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の如き従来の欠点を解決し、故紙へリサイクルされる際
に、容易に離解できるポリプロピレン系樹脂組成物を用
いた耐水ダンボールを安価に提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、先に、ポ
リオレフィンに粘着性付与剤を多量配合することによ
り、ポリオレフィンの保有する優れた防湿性能を生かし
ながら、パルパー等で容易に離解可能な防湿紙が得られ
ることを見出し、特許出願済みである(特願平11−1
94060)。この防湿紙は、例えば新聞用紙など紙製
品の防湿包装紙として、外部環境からの透湿を防止する
目的で使用される。また、この防湿紙は乳化剤、成膜助
剤等の水溶性有害物質を全く含んでいないため、故紙再
生のため、リパルプ化した時の抄紙用水に溶け出す物質
が殆どなく、廃水への負荷を増大させないという利点も
有する。
【0007】本発明者らは、更に研究を進めた結果、特
定の樹脂組成物をダンボール用原紙に塗工し耐水層を形
成したものは、耐水性、防湿性に優れ、標準のコルゲー
トマシンで耐水ダンボールとすることができるととも
に、使用済みの耐水ダンボールは、標準離解機の標準条
件で容易に離解し、抄紙原料として活用可能であること
を見出し、本発明に到達した。
【0008】即ち、本発明の第1は、(A)ポリプロピ
レン系樹脂40〜75重量部、及び(B)粘着性付与剤
60〜25重量部からなる樹脂組成物よりなる耐水層を
ライナー紙、中芯紙の少なくとも1面に塗工した耐水ダ
ンボールである(請求項1)。
【0009】好ましい態様として、(A)ポリプロピレ
ン系樹脂が、結晶化度30%以上の結晶性ポリプロピレ
ン系樹脂である(請求項2)。好ましい態様として、
(B)粘着性付与剤が、石油樹脂、その水添樹脂、テル
ペン樹脂、及びテルペン系変性樹脂から選ばれた少なく
とも1種の粘着性付与剤である(請求項3)。好ましい
態様として、(A)ポリプロピレン系樹脂と(B)粘着
性付与剤との合計100重量部に、(C)酸化ポリプロ
ピレン系樹脂及び/又は酸基変性ポリプロピレン系樹脂
0〜20重量部が配合される(請求項4)。好ましい態
様として、組成物の比重が1.0以上となるように、
(C)無機フィラーが配合される(請求項5)。好まし
い態様として、上記耐水層の上に、更に(メタ)アクリ
ル系樹脂のコート層が設けられる(請求項6)。
【0010】本発明の第2は、ライナー紙と中芯紙とか
らダンボールを製造するに際し、請求項1〜5のいずれ
か1項に記載の樹脂組成物を前記ライナー紙、中芯紙の
少なくとも1面に塗工して耐水層を形成することを特徴
とする耐水ダンボールの製造方法である(請求項7)。
好ましい態様として、耐水層の上に、更に(メタ)アク
リル系のコート層を設ける(請求項8)。
【0011】
【発明の実施の態様】本発明に使用される(A)ポリプ
ロピレン系樹脂は、大別して、次の(イ)〜(ハ)の3
種類が挙げられる。
【0012】(イ)第1のタイプは、ポリプロピレン樹
脂として販売されている樹脂である。プロピレン単独重
合体のホモポリマータイプ、30mol%以下のエチレ
ン等との共重合体のランダムコポリマータイプ、ブロッ
ク共重合されたブロックコポリマータイプである。ま
た、他種ポリマーとのポリマーアロイのタイプもポリプ
ロピレン樹脂として販売されている。これらは全て本発
明に使用することができる。耐水層の機械的強度を高め
るためには、結晶化度30%以上のポリプロピレンホモ
ポリマーが好ましく、実質的に結晶化度100%の結晶
性のポリプロピレンホモポリマーが最も好適に使用され
る。また、ポリプロレン樹脂のMFR(JIS K72
10、230℃)は、1〜1000(g/10分)の範
囲が適しており、フィルム用、ラミネート用、射出成形
用などとして供給されるものが好適に使用される。ま
た、ポリプロピレン系樹脂の改質用に利用されるプロピ
レン成分が50mol%以上の非晶性〜低結晶性ポリプ
ロピレン系共重合樹脂も、本発明に使用することができ
る。
【0013】(ロ)第2のタイプは、結晶性ポリプロピ
レン系樹脂を、過酸化物及び/又は熱で分解した、いわ
ゆる分解型ポリプロピレンワックスである。例えば、結
晶性ポリプロピレンホモポリマー又はエチレンとのラン
ダムコポリマー、ブロックコポリマーを原料に、粘度平
均分子量40000以下の、結晶化度50%以上の、溶
融粘度(180℃)5Pa・s(5000cps)以下
のものが供給されている。このタイプのものも本発明に
使用することができるが、多量に使用すると、耐水層の
強度の低下が起こるため、その使用量は(A)成分の総
量の3分の1以下に限定されるのが好ましく、10重量
部以下がより好ましい。但し、このタイプのものは、樹
脂組成物の溶融粘度を低下させ、紙基材へ塗工が容易に
するという作用を有するため、コーターを使用する塗工
方法では、上記限定された量の範囲内で使用することは
好ましい。
【0014】(ハ)第3のタイプは、低晶性又は非晶性
のポリプロピレン系樹脂で、アモルファスポリアルファ
オレフィン(APAO)として製造・販売されている。
APAOの使用は、耐水層の柔軟性を増し、耐水性ダン
ボール製罐の際の折り曲げ時の耐水層の破壊を防止する
ことができる。しかし、APAOを大量に使用すると、
耐水層表面の粘着性が高まり、耐ブロッキング性が劣る
傾向があるので、(A)成分の総量の1/2以下が好ま
しい。従って、APAOを大量に使用した耐水層が最外
面及び/又は最内面に存在する場合は、後記するよう
に、耐水層の上に(メタ)アクリル系樹脂のコート層を
設け、ブロッキング性を改善することが好ましい。
【0015】ポリプロピレン系樹脂は、単独でまたは2
種以上組み合わせて使用される。ポリプロピレン系樹脂
の使用量は40〜75重量部である。40重量部未満で
は耐水層の強度が不足し、紙容器を製造する過程で、耐
水層が破壊される危険がある。一方、75重量部を越え
ると、離解性が悪化する。
【0016】本発明に使用される(B)粘着性付与剤と
しては、官能基を有するものとして、ロジン、変性ロジ
ン、及びこれらのエステル化合物、アルキルフェノール
樹脂、ロジン及びアルキルフェノール変性キシレン樹
脂、テルペンフェノール樹脂などが挙げられ、また官能
基を有しないものとして、テルペン系樹脂、スチレン系
樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロンインデン樹脂などが
あり、これらのいずれを選択してもよく、また2種以上
を混合して使用してもよい。これらの中で、ポリプロピ
レンとの相溶性があり、高温での溶解時に略透明溶液と
なる点で、石油樹脂、その水添樹脂、テルペンフェノー
ル共重合樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水素化テルペ
ン樹脂が好適に使用される。粘着性付与剤の使用量は2
5〜60重量部である。
【0017】本発明の樹脂組成物に、(C)酸化ポリプ
ロピレン系樹脂及び/又は酸基変性ポリプロピレン系樹
脂を配合することができる。酸化ポリプロピレン系樹脂
及び/又はカルボン酸変性ポリプロピレン系樹脂を配合
すると、コルゲートマシンで、でんぷん糊で接着され
るとき、耐水層の接着性が改善される、(メタ)アク
リル系樹脂のコート層との接着性が改善される、ダン
ボール製罐の折り曲げ時の耐水層の破壊が減少できる、
などの効果が期待される。酸化ポリプロピレン系樹脂及
び/又は酸基変性ポリプロピレン系樹脂の使用量は、0
〜20重量部である。20重量部を越えると、故紙再生
時の離解性が悪化する。
【0018】本発明の樹脂組成物に(D)無機フィラー
を配合し、該組成物の比重を1.0以上にすることは、
本発明の耐水ダンボールが故紙として離解された時に、
パルプ液中の浮き樹脂を減少させ、リサイクルされた紙
を均一にするために好ましい。無機フィラーとしては特
に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、マイカ、タル
ク、シリカ、硫酸バリウムなどが挙げられ、これらは単
独で又は2種以上組み合わせて用いられる。一般的に無
機フィラーの比重は2.4以上であるため、樹脂組成物
に5重量部以上配合することが好ましい。樹脂組成物の
比重の上限は特に制限されないが、余り大きいと水懸濁
状態でパルプとの混合性が却って低下するため、20重
量部以下程度が好ましい。
【0019】本発明の樹脂組成物には、更に酸化防止剤
などの安定剤や粘度調整剤、ブロッキング防止剤、帯電
防止剤等の添加剤を配合してもさしつかえない。
【0020】ライナー紙及び/又は中芯紙に本発明の樹
脂組成物からなる耐水層を形成した後、更にその耐水層
の上に(メタ)アクリル系樹脂のコート層を設けること
ができる。コート層は、耐水層のブロッキング性の防止
に有効であることから、特に、最外面及び/又は最内面
に耐水層を形成するときに特に有効である。(メタ)ア
クリル系樹脂としては、アクリル酸エステル及び/又は
メタアクリル酸エステルを50重量部以上含有する、
(メタ)アクリル酸、スチレンなどとの共重合樹脂が好
適に使用される。不純物の少ない点から、溶剤に溶解さ
れた溶液状のものが好ましい。特に、水−アルコール混
合溶剤系に溶解された共重合樹脂が好ましい。ポリプロ
ピレン系樹脂の耐水層の上に各種コーターで塗工後、溶
媒を乾燥により除去し、コート層を形成する。コート層
の厚みは、0.1〜3.0g/m2であり、必ずしも、
全面を均一厚みでカバーできていなくても効果は変わら
ない。このコート層の(メタ)アクリル系樹脂に添加剤
として、例えば、滑り防止剤としての無機フィラー、耐
ブロッキング改良剤としての少量のワックス類、静電気
除去のための帯電防止剤、表面外観改良のための艶消し
剤などを添加することができる。これらは必要に応じ、
適宜組み合わせて使用される。
【0021】本発明の耐水ダンボールは、次の方法で製
造される。 (1)ライナー紙、中芯紙の少なくとも1面、即ち、ラ
イナー紙、中芯紙のいずれか1面に塗工等により耐水性
のある耐水層が設けられる。最内面、最外面に限定され
ず、例えば、2枚のライナー紙の対向する内面の1面又
は両面に耐水層を設け、通常のコルゲートマシンでダン
ボール製缶時のでんぷん糊で接着加工することができ
る。従って、用途に合わせ、最も好ましい位置に耐水層
を設けることができる。勿論、片面のみならず、必要に
応じ、両面に耐水層を設けてもよい。中芯紙に塗工する
ことも可能であるが、塗工後フルート加工を行うことか
ら、通常、特別な場合を除き採用されない。各々の塗工
量は所望の性能により適宜決定すればよいが、通常、1
0〜50g/m2 程度が好ましい。塗工方法は、ロール
コーター、スロットオリフィスコーター、エクストルー
ジョンコーターなどのコーター類使用のコーティング方
式とTダイ使用のラミネート方式などが可能であるが、
これらに限定されず、いかなる方法を用いてもよい。
【0022】(2)通常のコルゲートマシンに、上紙
(ダンボール表面)、下紙(ダンボール内面)、フルー
トとなる中芯紙を設置し、通常通りの製造方法でフルー
ト加工、でんぷん糊付け、乾燥させる。印刷、製缶も通
常通りに行われる。
【0023】
【実施例】以下に本発明を実施例を挙げて更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。尚、以下の記載において、部は特に断らない
限り、重量部を示す。
【0024】実施例1 (A)成分としてポリプロピレン樹脂〔ホモポリマー、
MFR(JIS K7210)=60g/10分、融点
157℃〕(A1)30部、アモルファスポリプロピレ
ン(ホモポリマー、重量平均分子量70000)(A
2)30部、B)成分としてテルペンフェノール共重合
樹脂(環球式軟化点145℃、酸価1以下、数平均分子
量1000)40部、及び安定剤としてヒンダードフェ
ノール系酸化防止剤(融点110〜125℃)0.5部
からなる樹脂組成物を210〜220℃に加熱し、材料
の全てが溶解したところで各成分が均一に混合する様に
十分に撹拌し、その後放置して脱泡した。得られた溶融
状態の樹脂組成物を予め加熱しておいたマイヤーバーを
使用して、200g/m2 のライナー紙の表層面に、2
0g/m2 塗工して耐水層を形成した(実施例1−
1)。また、別途同じライナー紙の裏面に、同じく20
g/m 2 塗工して耐水層を形成した(実施例1−2)。
【0025】作成した試料について、透湿度、耐水度、
水による離解性、耐ブロッキング性、でんぷん糊接着性
を下記の方法により評価した。結果は表1に示したよう
に、透湿度、耐水度は耐水ダンボールとして充分な結果
であった。離解性は良好で、加熱時に樹脂のにじみ出し
は認められなかった。ただし、ブロッッキング性は若干
認められた。でんぷん糊接着性は紙層破壊し、コルゲー
トマシンに適用できた。
【0026】(1)透湿度 カップ法(JIS Z 0208)に基づいて透湿度を
測定する。透湿カップに、実施例1−1の試料は耐水層
を内側にセットするが、他はすべて耐水層を外側にセッ
トする。耐水ダンボールの透湿度は、使用用途により一
概に言えないが、高い耐湿性を要求される場合は、透湿
度は、50g/m2 ・24h程度以下である。
【0027】(2)耐水度 JIS L 1092 の耐水度試験A法(低水圧法)
に準ずる装置を用い、静水圧法の方法で耐水度を測定し
た。100cmを越えると、充分耐水性がある。
【0028】(3)離解性 熊谷理機工業株式会社製標準パルプ離解機を用い、塗工
された試料から約1.5cm角に切断したサンプルを2L
の水に対して40g(パルプ濃度:2重量%)投入し
て、3000回転/分、30分間撹拌後、パルプ溶液及
び抄紙したものの樹脂分散性を下記の基準で目視により
判定する。 ○:抄紙された紙に樹脂の存在がほとんど認められな
い。 ×:抄紙された紙に、細かく分散されていない樹脂が付
着・存在する。
【0029】(4)樹脂のにじみ出し 加熱による樹脂のにじみ出しの評価については、抄紙・
乾燥した紙をギヤオーブン内で150℃、1分間加熱し
て、樹脂のにじみ出しの有無を下記の基準で目視により
判定する。 ○:樹脂のにじみ出しが見られない。 ×:樹脂のにじみ出しが相当見られる。
【0030】(5)耐ブロッキング性 塗工された試料の一辺5cmの正方形に切断したサンプ
ル10枚の表裏を重ね、0.2MPa(2kg/c
2 )荷重下、50℃で16時間放置する。室温に戻し
た後、サンプルを1枚ずつ手で剥がし、ブロッキングの
状態を下記の基準で判定する。 ○:容易に1枚ずつ剥がれ、殆ど音がしない。 △:剥がすときに、僅かに音がする。 ×:剥がすと、塗工層の一部が剥離する、または、簡単
には剥がせない。
【0031】(6)でんぷん糊接着性 市販のでんぷん糊を塗工層(耐水層)の上に薄く塗り、
この面に裏面を合わせて乾燥させる。乾燥後、手で剥が
して判定する。 ○:剥がすと、紙層破壊する。 ×:樹脂層で剥がれ、接着強度が低い。
【0032】実施例2 実施例1−1で作成したライナー紙の耐水層の上にメタ
アクリル系樹脂のコート層を2g/m2 の厚みで設け
た。メタアクリル系樹脂の組成は、メチルメタアクリレ
ート80部、エチルアクリレート15部、アクリル酸5
部がイソプロピルアルコール中で重合されたものを使用
した。少量のアンモニア水溶液の存在下で、イソプロピ
ルアルコールと水で希釈して20%濃度の溶液とし、マ
イヤーバーで10g/m2 塗工し、90℃、2分乾燥さ
せた。コート層を設けたことにより、耐ブロッキング性
は改良された。
【0033】実施例3 (A)成分としてポリプロピレン樹脂〔ホモポリマー、
MFR(JIS K7210)=5g/10分、融点1
57℃〕(A3)60部、(B)成分としてC5系石油
樹脂(水添品)(環球式軟化点105℃、ヨウ素価30
(g/100g)、数平均分子量1000)(B2)40部から
なる組成物を、2軸混練機を用い、210℃で混練、冷
却、ペレタイズし、組成物のペレットを得た。このペレ
ットを、ラミネートマシンを使用し、200g/m2
ライナー紙の表層面に、膜厚が20g/m2 となるよう
押出成形した。Tダイの設定温度は、220℃であっ
た。性能評価は、実施例1と同様に評価した。結果は、
表1記載の通り、耐水ダンボール用の性能に優れ、容易
に離解できた。
【0034】実施例4〜6 表1に示したように組成を変更した組成物を用いた以外
は実施例1と同様にして試料を作成し、性能を評価し
た。結果は表1に示すように、透湿度、耐水度、離解
性、耐ブロッキング性及び糊接着性に優れていた。尚、
実施例1〜3で使用していない材料の詳細は、以下の通
りである。 (A4)分解型ポリプロピレンワックス:ポリエチレン成分
10%含有の結晶性ポリプロピレンランダムコポリマー
(結晶化度60%)を熱分解して得られたもの。粘度平
均分子量21000、環球式軟化点154℃。 (C) 無水マレイン酸変性ポリプロピレン:軟化点154
℃、酸価26、数平均分子量40000。 (D) 炭酸カルシウム:白石工業(株)カルシテック ブ
リリアント15(平均粒子径0.15mμ、立方形コロ
イドタイプ。)
【0035】比較例1〜3 表1に示したように組成を変更した組成物を用いた以外
は、実施例1と同様にして試料を得た。結果は表1に示
すように、透湿度、離解性、耐ブロッキング性、糊接着
性の少なくともいずれかの点に難点を有するものであっ
た。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】叙上の通り、特定のポリプロピレン系樹
脂組成物を、(クラフト)ライナー紙、中芯紙の少なく
とも1面に塗工して耐水層を形成し、要すれば、更に耐
水層の上に(メタ)アクリル系樹脂のコート層を設けた
本発明の耐水ダンボールは、使用後に故紙として、抄紙
原料に戻すことができる。また、既存のコルゲートマシ
ンを使用することができ、耐水層をライナー紙、中芯紙
の任意の面に設けることができるため、用途に最適な構
成の耐水ダンボールを安価に且つ大量に供給することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡村 洋 大阪府大阪市住之江区安立4丁目13番18号 五洋紙工株式会社内 (72)発明者 山崎 順伸 大阪府大阪市住之江区安立4丁目13番18号 五洋紙工株式会社内 Fターム(参考) 3E078 AA20 BB24 BB35 BB36 BB44 BB45 4F100 AA01H AA13H AK01A AK01C AK07A AK07C AK25D AK25E AK33 AK80G AL01 AL05A AL05C BA02 BA03 BA04 BA05 BA06 BA07 BA10A BA10C BA10D BA10E CA16 CA23 DG10B EH46 EH462 GB15 JA11A JB07A JB07C JD07 YY00A

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリプロピレン系樹脂40〜75
    重量部、及び(B)粘着性付与剤60〜25重量部から
    なる樹脂組成物よりなる耐水層をライナー紙、中芯紙の
    少なくとも1面に塗工した耐水ダンボール。
  2. 【請求項2】 (A)ポリプロピレン系樹脂が、結晶化
    度30%以上の結晶性ポリプロピレン系樹脂である請求
    項1記載の耐水ダンボール。
  3. 【請求項3】 (B)粘着性付与剤が、石油樹脂、その
    水添樹脂、テルペン樹脂、及びテルペン系変性樹脂より
    なる群から選ばれた少なくとも1種の粘着性付与剤であ
    る請求項1記載の耐水ダンボール。
  4. 【請求項4】 (A)ポリプロピレン系樹脂と(B)粘
    着性付与剤との合計100重量部に、(C)酸化ポリプ
    ロピレン系樹脂及び/又は酸基変性ポリプロピレン系樹
    脂0〜20重量部が配合された請求項1記載の耐水ダン
    ボール。
  5. 【請求項5】 組成物の比重が1.0以上となるよう
    に、(D)無機フィラーが配合された請求項1記載の耐
    水ダンボール。
  6. 【請求項6】 耐水層の上に、更に(メタ)アクリル系
    樹脂のコート層を設けた請求項1記載の耐水ダンボー
    ル。
  7. 【請求項7】 ライナー紙と中芯紙とからダンボールを
    製造するに際し、請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    樹脂組成物を前記ライナー紙、中芯紙の少なくとも1面
    に塗工して耐水層を形成することを特徴とする耐水ダン
    ボールの製造方法。
  8. 【請求項8】 耐水層の上に、更に(メタ)アクリル系
    のコート層を設ける請求項7記載の耐水ダンボールの製
    造方法。
JP30651299A 1999-10-28 1999-10-28 耐水ダンボール及びその製造方法 Pending JP2001121632A (ja)

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