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JP2001120222A - 過酸化脂質抑制用組成物およびその製造法 - Google Patents

過酸化脂質抑制用組成物およびその製造法

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Publication number
JP2001120222A
JP2001120222A JP34664399A JP34664399A JP2001120222A JP 2001120222 A JP2001120222 A JP 2001120222A JP 34664399 A JP34664399 A JP 34664399A JP 34664399 A JP34664399 A JP 34664399A JP 2001120222 A JP2001120222 A JP 2001120222A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
extract
composition
lipid peroxide
green tea
fermented
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34664399A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Usuki
孝一 臼杵
Takemichi Kanazawa
武道 金澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BIZEN KASEI KK
NOEVIR FOODS KK
WELLNESS FOODS KK
Original Assignee
BIZEN KASEI KK
NOEVIR FOODS KK
WELLNESS FOODS KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BIZEN KASEI KK, NOEVIR FOODS KK, WELLNESS FOODS KK filed Critical BIZEN KASEI KK
Priority to JP34664399A priority Critical patent/JP2001120222A/ja
Publication of JP2001120222A publication Critical patent/JP2001120222A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 過酸化脂質を効果的に抑制し得る組成物、該
組成物の製造法及び食用組成物を提供する。 【解決手段】 米糠類および大豆類を含む液体培地(p
H7.5〜10)に枯草菌を接種し、好気性雰囲気下で
培養し、該培養液を濾別して得られる発酵水溶液を凍結
乾燥して発酵エキスとなし、該発酵エキス、望ましくは
該発酵エキスの一部を緑茶エキスにおき換えたものにビ
ール酵母及び/又はほうじ茶エキスを含有せしめてなる
過酸化脂質抑制用組成物。また、該組成物を配合してな
る食用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の原材料を含
有してなる過酸化脂質抑制用組成物に係るものである。
より詳しくは、少なくとも米糠類および大豆類を含む発
酵原料を枯草菌で液体培養して得られる発酵エキスと、
ビール酵母および/またはほうじ茶エキスとを含有して
なる過酸化脂質抑制用組成物に関するものであり、ま
た、該組成物の製造法および利用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、塩分や脂肪の過剰摂取、ビタミン
やミネラルの不足が種々の疾病要因になることが明らか
になるにつれ、食品の栄養成分を適切に摂取することの
意義および必要性が広く認識されるようになった。そし
て、高齢者人口の増加と人々の健康意識の高まりを背景
にして、食生活パターンと疾病との関係が注目され、い
わゆる生活習慣病対策とりわけ各種疾病の予防の観点か
ら、さまざまな食品および食品原材料に含まれる生理活
性や薬理作用を有する成分の有効利用が試みられてい
る。
【0003】このなかで、生体中の過酸化脂質は血管障
害をひきおこし、動脈硬化症、虚血性心疾患、心筋梗
塞、脳梗塞等の病因になることが知られている。生体内
において過酸化脂質が生成する機序は、細胞膜や血中リ
ポ蛋白質を構成する不飽和脂肪酸が紫外光線や鉄などの
金属の触媒作用により脂質ラジカルを形成し、これに酸
素が結合して生じるものである。通常、過酸化脂質は、
生体代謝系において、これを破壊する酵素すなわちグル
タチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン還元酵素によ
り分解されて無毒化されるが、過多の運動、ストレス、
喫煙、飲酒、外傷や加齢等によって生体内に蓄積され、
過剰な過酸化脂質の存在は前記疾病の原因になるといわ
れている。
【0004】過酸化脂質が血管内皮細胞の配列を乱し、
内皮細胞の損傷をまねくことはよく知られている。すな
わち、正常な低密度リポ蛋白質(以下、LDLという)
をウサギの血管内に注入しても動脈血管の内皮細胞は傷
害を受けないが、過酸化LDLを注入すると動脈血管内
皮細胞の配列の乱れとともに血管内壁から該細胞が剥離
する現象が起こる。動脈硬化症の初期の変化として血管
内皮細胞の同様の傷害が観察されている。また、正常な
LDLはプロスタサイクリンによる血小板凝集抑制能を
阻害しないが、過酸化LDLはこれを阻害ないしは亢進
させ、動脈血管内壁に血小板が凝集して付着させやすく
し、過酸化LDLの平滑筋細胞への取り込みを促進し、
結果として血管内壁へコレステロールやその他の脂質の
沈着、血管の内壁肥厚と狭窄、血流の悪化、ひいては狭
心症などの発症をまねく。さらに、過酸化LDLはマク
ロファージにとり込まれて泡沫細胞を形成し、粥状動脈
硬化をひきおこし、これにコラーゲンやカルシウムが沈
着して動脈の内壁を固くし、いわゆる動脈硬化症を発症
させやすい。過酸化脂質は、このような過酸化LDLの
作用のほかにもコラーゲン線維の変性や皮膚の老化、白
内障、骨粗鬆症等にも関与しているといわれている。
【0005】このように種々の病因となる過酸化脂質の
生成を抑制するものとしてビタミンC(アスコルビン
酸)、ビタミンE(トコフェロール)、β−カロチン等
のいわゆる抗酸化剤が知られているが、安全性や副作用
の面で難点があり、また生体内におけるこれらの効果は
さほど期待できない。また、前記の過酸化脂質分解酵素
系にあるグルタチオンペルオキシダーゼを活性化させる
ためには微量栄養元素のセレンが必須であり、グルタチ
オン還元酵素にはビタミンB誘導体が不可欠であり、
これらを食物などから大量に摂取しても副作用の点や生
体内代謝における有効性の点等から自ずと限界がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
発明では、生体の細胞や組織に傷害を及ぼし、血管障害
などをひきおこし、老化や各種疾病の原因になると考え
られている過酸化脂質を強力かつ効果的に抑制でき、と
りわけ血中LDLの過酸化を抑制し得る、安全性の点で
懸念のない過酸化脂質抑制用組成物およびその製造法を
提供し、さらには前記過酸化脂質を効率的に抑制し得る
食用組成物を提供することを目的とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題の過酸化脂質抑
制用組成物は、米糠類および大豆類を含む発酵原料を枯
草菌で液体培養して得られる発酵エキスと、ビール酵母
および/またはほうじ茶エキスとを含有してなる組成物
によって達成される。ここで、発酵エキスは、少なくと
も米糠類および大豆類を含み、pH7.5〜10に調整
した液体培地に枯草菌を接種し、好気性雰囲気下で培養
し、該培養液を濾別して得られる発酵水溶液を凍結乾燥
させたものが好ましい。枯草菌はバチルス ナットウ
(Bacillus natto)等のいわゆる納豆菌
を用いることが望ましい。また、より好ましくは、発酵
エキスが前記のもののほかに緑茶を水および/またはエ
タノールで抽出して得られる緑茶エキスをさらに含むも
のである。発酵エキスと緑茶エキスとの割合は、乾物す
なわち固形物の重量比で発酵エキス/緑茶エキス=1/
0.01〜1/0.5であることが望ましい。なお、前
記過酸化脂質は血中の過酸化LDLを対象とするのが好
適である。
【0008】前記課題の過酸化脂質抑制用組成物の製造
法は、少なくとも米糠類および大豆類を含み、pH7.
5〜10に調整した液体培地に枯草菌を接種し、好気性
雰囲気下で培養し、該培養液を濾別して得られる発酵水
溶液を凍結乾燥して発酵エキスとなし、該発酵エキスに
ビール酵母および/またはほうじ茶エキスを含有せしめ
ることによって達成される。この製造法においては、発
酵水溶液または発酵エキスに、緑茶を水および/または
エタノールで抽出して得られる緑茶抽出液または該抽出
液を乾燥して得られる緑茶エキスを、固形物の重量比が
発酵エキス/緑茶エキス=1/0.01〜1/0.5と
なるように混合することが望ましい。なお、前記過酸化
脂質は血中過酸化LDLが好適な対象である。
【0009】さらに、前記課題の食用組成物は、前述の
過酸化脂質抑制用組成物を配合してなる食用組成物によ
って達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】まず、本発明の過酸化脂質抑制用
組成物について以下にさらに詳述する。本発明の過酸化
脂質抑制用組成物は、米糠類および大豆類を含む発酵原
料を枯草菌で液体培養して得られる発酵エキスと、ビー
ル酵母および/またはほうじ茶エキスとを含有してなる
ものである。
【0011】発酵原料として用いる米糠類は、米糠、脱
脂米糠、米胚芽、脱脂米胚芽等であり、これらの1種ま
たは2種以上を用いることができる。また、大豆類とし
ては大豆、大豆粉、高変性および低変性の脱脂大豆、大
豆粕、これらの加水分解物、大豆蛋白、大豆ペプチド等
を例示でき、これらの1種または2種以上を使用でき
る。米糠類と大豆類との割合は、米糠類/大豆類=1/
0.1〜1/0.5(重量比、以下同様)、より好まし
くは1/0.1〜1/0.3である。この範囲を外れて
大豆類が少ないと本発明の所望の効果が低下し、逆に多
すぎると培養時間が長期化する。この他の発酵原料とし
てグルコース、シュークロース等の炭素源、アミノ酸等
の窒素源、ビタミン、ミネラル等を適宜に併用してもさ
しつかえない。
【0012】本発明に係る発酵エキスは次のようにして
得ることができる。すなわち、前記発酵原料に加水して
pHを7.5〜10、より好ましくは8.5〜9.5に
調整し、滅菌後、枯草菌(Bacillus subt
ilis)、望ましくは納豆菌(Bacillus n
atto)を接種し、通気、攪拌しながら、約40〜4
5℃にて24〜72時間培養して、該培養液から残渣を
濾別して発酵水溶液を得る。ついで、必要に応じて限外
濾過、減圧濃縮等の濃縮処理を施し、望ましくは凍結乾
燥処理によって水分を除去して発酵エキスを調製する。
なお、発酵水溶液からの水分除去においては、加熱や空
気との接触頻度を可及的に少なくする手段を選択するこ
とが重要である。例えば、加熱空気との接触が比較的多
い噴霧乾燥処理を施して得られる発酵エキスでは、本発
明の所望の効果が低下する。
【0013】前記発酵エキスに、緑茶葉を水および/ま
たはエタノールで抽出して得られる緑茶エキスをさらに
含有せしめると、過酸化脂質の抑制能が一層高まる。こ
こに、発酵エキスと緑茶エキスとの割合は、乾物すなわ
ち固形物の重量比で発酵エキス/緑茶エキス=1/0.
01〜1/0.5であることが望ましい。さらに好適に
は1/0.1〜1/0.5である。発酵エキス1重量部
に対して緑茶エキスが0.01重量部未満では過酸化脂
質抑制能は向上せず、また、0.5重量部を超えて併用
しても所望の効果がさらに高められるものではなく、風
味を損なう原因にもなる。
【0014】本発明の過酸化脂質抑制用組成物は、前記
発酵エキス、より好ましくは前記発酵エキスに前述のよ
うに緑茶エキスを含有せしめたものと、ビール酵母およ
び/またはほうじ茶エキスとを含有してなるものであ
る。ビール酵母は公知のものを使用できる。ほうじ茶エ
キスは、ほうじ茶葉を水および/またはエタノールで抽
出して得られる抽出液から抽出溶媒を除去して得ること
ができる。抽出溶媒の除去にあたっては、ほうじ茶エキ
ス成分が熱履歴をできるだけ受けず、また、空気と接触
する頻度を可能な限り少なくすることが望ましい。この
ための手段としては減圧乾燥や凍結乾燥を選択するのが
よい。
【0015】本発明に係る発酵エキスと、ビール酵母お
よび/またはほうじ茶エキスとの割合は、乾燥物あたり
の重量比で、好ましくは発酵エキス:ビール酵母および
/またはほうじ茶エキス=1:0.1〜10であり、よ
り好ましくは1:0.5〜5であり、最も好ましくは
1:0.5〜3である。前記範囲を外れると、発酵エキ
スとビール酵母および/またはほうじ茶エキスとの併用
による相乗効果が発現されず、本発明の所望の効果は小
さい。また、ビール酵母とほうじ茶エキスとの割合は、
任意の比率でさしつかえないが、好適にはほうじ茶エキ
ス:ビール酵母=1:0〜5、より好ましくは1:0〜
1である。この範囲を外れてビール酵母の割合を増やし
ても、所望の効果がさらに顕著に増大するものではな
い。なお、前述のように、発酵エキスの一部を緑茶エキ
スに置き換えることが望ましい。
【0016】本発明の過酸化脂質抑制用組成物は、本発
明の所望の効果を阻害しない範囲および程度であれば、
前記の必須原料のほかに他の公知の成分あるいは原材料
を適宜に併用してもよい。これらの例としてアスコルビ
ン酸、アミノ酸、ペプチド、蛋白質およびこの分解物、
各種糖質、澱粉およびこの分解物、ミネラル類、トコフ
ェロール、フィトステロール、カテキン、フラボノイ
ド、アントシアニン等のポリフェノール類等およびこれ
らの誘導体を挙げることができるが、本発明はこれらに
限定されるものではない。本発明の過酸化脂質抑制用組
成物は粉末状、顆粒状あるいは液体状となすことができ
る。なお、本発明の過酸化脂質抑制用組成物はとりわけ
血中の過酸化LDLの抑制に著効を奏し、このために利
用することが産業上有用である。
【0017】本発明の過酸化脂質抑制用組成物を製造す
るには次に述べる方法によるのが望ましい。すなわち、
発酵原料として少なくとも前記の米糠類および大豆類を
含み、好ましくは米糠類/大豆類=1/0.1〜1/
0.5(重量比)、より好ましくは1/0.1〜1/
0.3とし、必要に応じてグルコース、シュークロース
等の炭素源、アミノ酸等の窒素源、ビタミン、ミネラル
等を併用し、該発酵原料に加水してpHを7.5〜1
0、より好ましくは8.5〜9.5に調整する。つい
で、これを滅菌後、枯草菌、望ましくは納豆菌を接種
し、通気かつ適宜に攪拌しながら、約40〜45℃で2
4〜72時間培養し、該培養液から残渣を濾別して発酵
水溶液を得る。次に、必要に応じて限外濾過、減圧濃縮
等の濃縮処理を施し、好ましくは凍結乾燥処理によって
水分を除いて発酵エキスを調製する。かくして得られる
発酵エキスにビール酵母および/またはほうじ茶エキス
を前述のような割合で含有せしめることにより、本発明
の過酸化脂質抑制用組成物を製造する。
【0018】なお、前記方法において、発酵水溶液また
は発酵エキスに対して、別途に緑茶葉を水またはエタノ
ールで抽出して得られる緑茶抽出液またはこれを乾燥処
理、望ましくは凍結乾燥して得られる緑茶エキスを、各
固形物の重量比として発酵エキス/緑茶エキス=1/
0.01〜1/0.5となるように混合して、乾燥処理
が必要な場合には好ましくは凍結乾燥処理することによ
って、本発明の所望の効果がより一層強く発現される過
酸化脂質抑制用組成物を製造することができる。
【0019】本発明によって得られる過酸化脂質抑制用
組成物の機能および効果を評価するには公知の方法を利
用できる。すなわち、一般の油脂や食品の過酸化物価を
測定する場合に用いられるヨウ素(ヨードメトリー)
法、血液や生体組織中の過酸化脂質とチオバルビツール
酸との反応性を利用し、また、標準物質としてテトラメ
トキシプロパンあるいはテトラエトキシプロパンを用い
て螢光スペクトル分析するTBA法(八木法)および同
別法、組織の磨砕液をドデシル硫酸ナトリウムで可溶化
させ、n−ブタノール/ピリジン混液を用いて抽出処理
し、同様に吸光度測定する方法等がある。これらのう
ち、血中過酸化脂質の分析には市販の過酸化脂質測定用
キットを用いるのが簡便である。
【0020】本発明では、前述のように、米糠類および
大豆類を含む発酵原料を枯草菌で液体培養して得られる
発酵エキスと、ビール酵母および/またはほうじ茶エキ
スとを必須成分として含む過酸化脂質抑制用組成物が提
供されるが、さらにこれを配合してなる組成物も提供さ
れる。この組成物の態様としては食用組成物が好適であ
る。
【0021】すなわち、本発明の過酸化脂質抑制用組成
物をそのまま液状、ゲル状あるいは固形状の食品、例え
ば清涼飲料、ジュース、茶、ドレッシング、スープ、ゼ
リー、プリン、ヨーグルト、ふりかけ、ガム、キャンデ
ィー、ケーキミックス、粉末状または液体状の乳製品、
パン、クッキー等に添加したり、適宜に澱粉、デキスト
リン、乳糖等の賦型剤や色素、香料等とともに粉末、顆
粒、錠剤等に加工したり、ゼラチン等の被覆材を用いて
カプセルに成形加工して健康食品や栄養補助食品等とし
て利用できる。なお、本発明の食用組成物はこれらの例
示に限定されるものではない。また、食用組成物におい
て、本発明の過酸化脂質抑制用組成物の配合量は、当該
食用組成物の種類や状態等により一律に規定しがたい
が、概ね0.1〜50重量%、より好ましくは1〜30
重量%である。配合量が0.1重量%未満では経口摂取
による所望の効果が小さく、50重量%を超えると食用
組成物の種類によっては風味を損なったり、当該食用組
成物を調製できなくなる場合がある。なお、本発明の過
酸化脂質抑制用組成物それ自体は、香ばしい風味を有し
ており、これをそのまま食用組成物として食用に供して
もさしつかえない。
【0022】
【実施例】実施例1 米糠10kgおよび脱脂大豆3kgの混合物に苦汁1.
3kgと水250リットルを加え、pHを9.0に調整
し、121℃で30分間滅菌処理した後、室温まで冷却
した。ついで、これに納豆菌(バチルス ナットウ、成
瀬発酵化学研究所製)18gを接種し、通気(0.3
V/V/M)しながらゆるやかに撹拌して40℃にて4
8時間培養した。この培養物を圧搾濾過し、濾液に活性
炭を加えて脱色、脱臭処理を施し、淡黄色で透明な発酵
水溶液を得た。さらに、この発酵水溶液を凍結乾燥処理
して発酵エキス13kgを得た。一方、市販のほうじ茶
葉10kgに70容量%エタノール水溶液150リット
ルを加え、適宜にゆるやかに撹拌して40〜50℃にて
6時間抽出処理した後、残渣を濾別して抽出液を得、さ
らにこれを凍結乾燥してほうじ茶エキス3.5kgを得
た。前記の発酵エキス、ほうじ茶エキスおよび市販のビ
ール酵母(キリンビール(株)製)を以下に述べる配合
割合(重量比)で十分に混合して過酸化脂質抑制用組成
物(試料1−1〜1−5)を試作した。すなわち、発酵
エキス:ビール酵母:ほうじ茶エキス=1:0:0.5
(試料1−1)、1:1.25:1(試料1−2)、
1:0.5:1(試料1−3)、1:1:4(試料1−
4)および1:1:0(試料1−5)である。
【0023】実施例2 市販の緑茶葉10kgに35容量%エタノール水溶液1
00リットルを加え、適宜にゆるやかに撹拌しながら4
0〜50℃にて6時間抽出処理した後、残渣を濾別して
抽出液を得、さらにこれを噴霧乾燥して緑茶エキス3k
gを得た。実施例1に記載の試料1−2において、発酵
エキスを発酵エキス:緑茶エキス=1:0.05、1:
0.1、1:0.25または1:0.5の重量割合で混
合した混合エキスに代え、このほかは同様にして各過酸
化脂質抑制用組成物(試料2−1、2−2、2−3また
は2−4)を試作した。
【0024】試験例 試作した各過酸化脂質抑制用組成物の血中過酸化脂質抑
制活性をつぎに述べる方法により評価した。すなわち、
表1に示すような、実施例1および2において試作した
本発明の各過酸化脂質抑制用組成物(資料1−1〜1−
5および試料2−1〜2−4)、比較試験物(試料C−
1〜C−7)および対照物(澱粉)の各々をカプセル充
てん機に供給して内容物が300mgのカプセルを調製
した。20〜50才の喫煙習慣のある健康な男女ボラン
ティアを対象にして、医師の指導の下、前記カプセル1
種類につき5名の割合で、それぞれ1日あたり6カプセ
ルを毎食間2回に分けて摂食してもらい、この用量およ
び用法を6週間続けた。各カプセルの摂食前、摂食後3
週間目および6週間目にそれぞれEDTA添加の試験管
に採血し、直ちに血漿を分離した後、超遠心分離法(H
atch,F.T.およびLees,R.S.,Adv
anced Lipid Research,,1
(1968)参照)によりLDL(密度:1.006〜
1.064の画分)を分離し、ついで該画分LDLを5
00倍(容量)の生理食塩水で48時間透析して過酸化
LDL測定用試料とした。この試料を1000倍(容
量)の0.5μM CuClを含む生理食塩水で透析
し、該透析12時間後の過酸化脂質量を市販の過酸化脂
質測定用キット(八木別法)により分析した。この結果
を表2に示す。同表において、各数値は平均値±標準誤
差を示す(p<0.05)。
【0025】
【表1】
【0026】注1 発酵エキスは発酵水溶液を凍結乾燥
させたもの。 注2 発酵エキスは発酵水溶液を噴霧乾燥させたもの。
【0027】
【表2】
【0028】表2のデータから、本発明に係る発酵エキ
スとビール酵母および/またはほうじ茶エキスとを含ん
でなる組成物は、これを経口摂取することにより、血中
LDLが過酸化されにくくなり、過酸化脂質を低減させ
る能力に優れていることが明らかになった。とりわけ、
本発明に係る発酵エキスは前述のように培養して得られ
る発酵水溶液を凍結乾燥処理して得られるものが望まし
く、また、該発酵エキスはこれの一部を緑茶エキスで置
き換えたものが望ましく、さらに、これらの高い過酸化
脂質抑制活性は本発明に係る発酵エキス、緑茶エキス、
ビール酵母、ほうじ茶エキスの各々を単独で用いる場合
や発酵エキスおよび緑茶エキスの混合物、ビール酵母お
よびほうじ茶エキスの混合物の場合等と比較して極めて
顕著な相乗効果である。
【0029】実施例3 本発明の粉末状過酸化脂質抑制用組成物(試料1−2)
10kgに15重量%還元麦芽水飴(マルチトール)水
溶液を噴霧し、高速撹拌造粒機(フカエパウレック社
製、ハイスピードミキサー)に供して造粒化した後、乾
燥、篩過(10〜80タイラー・メッシュ)して顆粒状
の食用組成物を試作した。これは風味、食感ともに良好
であり、過酸化脂質とりわけ血中のLDLが過酸化され
ることを抑制し、過酸化脂質を低減させ、この過酸化脂
質によって誘発される各種疾患の予防用食品として好適
に利用され得るものである。
【0030】実施例4 本発明の粉末状過酸化脂質抑制用組成物(試料2−3)
20gを市販の牛乳1リットルに添加し、十分に混合し
て均質な飲料物を試作した。このものは通常の牛乳と比
較して風味、色あい、食感等の食品適性に遜色なく、生
体内の過酸化脂質およびこれに関係する種々の疾病の予
防のための飲料として利用され得る。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、米糠類および大豆類を
含む発酵原料を納豆菌等の枯草菌で液体培養して得られ
る発酵エキスと、ビール酵母および/またはほうじ茶エ
キスとを含有してなる過酸化脂質抑制用組成物が提供さ
れる。この組成物は過酸化脂質とりわけ血中LDLの過
酸化を抑制し、過酸化脂質を低減する活性に優れ、該活
性は単に前記発酵エキス、ビール酵母、ほうじ茶エキス
の各々の過酸化脂質抑制能と比較して顕著な相乗効果を
奏するものである。また、かかる効果は、前記発酵エキ
スの一部を緑茶エキスに置き換えることによってさらに
増大する。また、本発明によれば、前記発酵原料を含
み、pH7.5〜10の液体培地に枯草菌を接種し、好
気性雰囲気下で培養し、該培養液を濾別して得られる発
酵水溶液を凍結乾燥処理することを特徴とする方法によ
って得られる発酵エキスを用いることによって、前記効
果を奏する過酸化脂質抑制用組成物の製造方法が提供さ
れる。さらに、本発明によれば、前記過酸化脂質抑制用
組成物を配合してなる食用組成物を提供できる。この食
用組成物は、経口接取することにより体内の過酸化脂質
を低減させ、したがって過酸化脂質に起因する各種疾患
の予防用食品として利用され得るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金澤 武道 青森県弘前市長坂町18−10 Fターム(参考) 4B018 MD49 MD58 MD59 MD81 MD88 ME06 MF01 MF13

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 米糠類および大豆類を含む発酵原料を枯
    草菌で液体培養して得られる発酵エキスと、ビール酵母
    および/またはほうじ茶エキスとを含有してなる過酸化
    脂質抑制用組成物。
  2. 【請求項2】 発酵エキスが、少なくとも米糠類および
    大豆類を含み、pH7.5〜10に調整した液体培地に
    枯草菌を接種し、好気性雰囲気下で培養し、該培養液を
    濾別して得られる発酵水溶液を凍結乾燥させたものであ
    る請求項1に記載の過酸化脂質抑制用組成物。
  3. 【請求項3】 枯草菌が納豆菌である請求項1または2
    に記載の過酸化脂質抑制用組成物。
  4. 【請求項4】 発酵エキスがさらに緑茶を水および/ま
    たはエタノールで抽出して得られる緑茶エキスを含むも
    のである請求項1または2に記載の過酸化脂質抑制用組
    成物。
  5. 【請求項5】 発酵エキスと緑茶エキスとの割合が、発
    酵エキス/緑茶エキス=1/0.01〜1/0.5(乾
    物重量比)である請求項4に記載の過酸化脂質抑制組成
    物。
  6. 【請求項6】 過酸化脂質が血中低密度リポ蛋白質であ
    る請求項1〜5のいずれか1項に記載の過酸化脂質抑制
    用組成物。
  7. 【請求項7】 少なくとも米糠類および大豆類を含み、
    pH7.5〜10に調整した液体培地に枯草菌を接種
    し、好気性雰囲気下で培養し、該培養液を濾別して得ら
    れる発酵水溶液を凍結乾燥して発酵エキスとなし、該発
    酵エキスにビール酵母および/またはほうじ茶エキスを
    含有せしめることを特徴とする過酸化脂質抑制用組成物
    の製造法。
  8. 【請求項8】 発酵水溶液または発酵エキスに、緑茶を
    水および/またはエタノールで抽出して得られる緑茶抽
    出液または該抽出液を乾燥して得られる緑茶エキスを、
    固形物の重量比が発酵エキス/緑茶エキス=1/0.0
    1〜1/0.5となるように混合することを特徴とする
    請求項7に記載の過酸化脂質抑制用組成物の製造法。
  9. 【請求項9】 過酸化脂質が血中低密度リポ蛋白質であ
    る請求項7または8に記載の過酸化脂質抑制用組成物の
    製造法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の
    過酸化脂質抑制用組成物を配合してなる食用組成物。
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