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JP2001117396A - 複合管状物 - Google Patents

複合管状物

Info

Publication number
JP2001117396A
JP2001117396A JP29519299A JP29519299A JP2001117396A JP 2001117396 A JP2001117396 A JP 2001117396A JP 29519299 A JP29519299 A JP 29519299A JP 29519299 A JP29519299 A JP 29519299A JP 2001117396 A JP2001117396 A JP 2001117396A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyimide resin
tubular
layer
composite tubular
tubular article
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29519299A
Other languages
English (en)
Inventor
Hajime Otani
肇 大谷
Yoshinari Takayama
嘉也 高山
Junichi Nakazono
淳一 中園
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP29519299A priority Critical patent/JP2001117396A/ja
Publication of JP2001117396A publication Critical patent/JP2001117396A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複合管状物全体の機械特性を大きく変化させ
ずに、駆動時に端部が破損しにくく、定着ベルト等に用
いた場合に耐久性に優れる複合管状物を提供する。 【解決手段】 ポリイミド系樹脂を主体とする管状層1
の両端部1aに、ポリイミド系樹脂を主体とし前記管状
層1より高い引張弾性率の補強層2を積層一体化してあ
る複合管状物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリイミド系樹脂
を主体としてなる複合管状物に関し、特に電子写真記録
装置に使用される定着ベルト等に有用なものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真方式にて記録媒体
(普通紙等)上に形成された転写画像(未定着トナー画
像)を熱定着する方法として、熱ローラとプレスローラ
とで加熱加圧を行う熱ローラ定着法と、定着ベルトを介
して加熱を行うベルト定着法とが知られている。
【0003】前者の熱ローラ定着法は、装置の小型化に
有利で確実な定着が行えるものの、熱ローラの昇温速度
が遅いため、定着作業ごとの待ち時間が長くなり、また
使用時間帯に常時加熱しておく方法も有るが、消費電力
が多くなるという欠点が有る。そこで、待ち時間の短縮
と省電力化が可能な、後者のベルト定着法が注目されて
いる。
【0004】このベルト定着法には、図1に示すように
駆動ローラ7で定着ベルト9を駆動する方式や、図2に
示すようにプレスローラ2を駆動して定着ベルト9を従
動させる方式などが存在する。具体的には、図1の方式
では、従動ローラ6、駆動ローラ7、及びヒータ8に定
着ベルト9を掛け渡すと共に、ヒータ8と対向させてプ
レスローラ2を配置しておき、駆動ローラ7により定着
ベルト9を駆動し、トナー4が仮着された転写紙3を定
着ベルト9とプレスローラ2との間に送り込んで、転写
紙3上にトナー4を溶融定着させる。また、図2の方式
では、ガイド部材10の外周に定着ベルト9を遊嵌して
摺動回転自在にすると共に、ヒータ8と対向させて駆動
可能なプレスローラ2を配置しておき、プレスローラ2
を駆動しつつその摩擦力により定着ベルト9を従動回転
させながら、転写紙3を定着ベルト9とプレスローラ2
との間に送り込んで定着を行う。そして、これらの方式
では、定着ベルト9の蛇行や片側への寄り移動を防止す
べく、駆動ローラ7やガイド部材10の両端部にフラン
ジ等を通常設けてある。
【0005】上記の定着ベルトとしては、ポリイミド樹
脂製管状内層と、フッ素樹脂製管状外層とから成る複合
管状物(特開平3−130149号公報)や、ポリイミ
ド樹脂製管状内層とフッ素ゴム製またはシリコーンゴム
製の管状外層からなる複合管状物(特開平5−1549
63号公報)が知られている。これらの管状物は薄くて
熱容量が小さく、ヒータの加熱により直ちに定着可能温
度に達するので、ベルト定着法では、熱ロール定着法に
比べ待ち時間を短縮できる等の利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如きベルト定着法では、熱の移動を早くすべく定着ベル
トの厚みを薄くしているため、駆動中に定着ベルトの端
部に負荷がかかり定着ベルトが破損するという新たな問
題を引き起こしている。この現象は、駆動ローラやガイ
ド部材の両端部に設けたフランジによって、定着ベルト
の蛇行等を防止する際、蛇行等の力に対する反力が、フ
ランジにより定着ベルトの端部に負荷され、その力によ
って端部が破損等したものと考えられる。
【0007】この問題を定着ベルトの厚みを増加させず
に解消する方法として、定着ベルト全体の機械特性を高
める方法が考えられるが、次のような問題が生じる。例
えば図2の方式の定着ベルトでは、駆動時にニップ部近
傍である程度変形を受けるため、全体の弾性率が高すぎ
ると、変形による応力が他の部分に伝達して、ガイド部
材との圧接力を高めて摩擦力を大きくし、定着ベルトの
回転に支障をきたし易い。このため定着ベルト全体の機
械特性は、ある程度上限が定められており、これは図1
の方式の場合にも同様である。
【0008】一方、上記のような定着ベルトの端部の破
損等を防止すべく、定着ベルト自体の物性を部分的に変
更したものは、現在まで存在しなかった。また、上記ベ
ルト端部の破損等の問題は、上記の如き定着ベルトに限
られず、厚みの薄い各種の樹脂ベルト(管状物)に共通
の課題である。
【0009】そこで、本発明の目的は、上記の如き事情
に鑑みて、複合管状物全体の機械特性を大きく変化させ
ずに、駆動時に端部が破損しにくく、定着ベルト等に用
いた場合に耐久性に優れる複合管状物を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく、定着ベルトの端部に生じる破損のメカニ
ズムについて更に詳細に検討したところ、破損の前に端
部の変形が生じており、その変形は端部の外側への曲げ
や座屈であるため、最初に生じる端部の引張力に対する
変形が起こりにくい(又は小さい)ほど、即ち、端部の
引張弾性率が高いほど、破損が生じにくいことを見出し
た。本発明はかかる知見に基づき、更に検討を加えてな
されたものである。
【0011】即ち、本発明の複合管状物は、ポリイミド
系樹脂を主体とする管状層の両端部に、ポリイミド系樹
脂を主体とし前記管状層より高い引張弾性率の補強層を
積層一体化してあるものである。
【0012】上記において、前記管状層の両端部の厚み
を薄くし、その部分に他の部分と総厚みが等しくなるよ
うに、前記補強層を積層一体化してあることが好まし
い。
【0013】また、前記管状層のASTM−882によ
る引張弾性率が7846N/mm2未満であると共に、
前記補強層のASTM−882による引張弾性率が78
46〜10788N/mm2 であり、定着ベルトに使用
するものであることが好ましい。
【0014】[作用効果]本発明の複合管状物による
と、その両端部により高い引張弾性率の補強層を有する
ため、駆動時の破損の前に生じる端部の初期の変形を起
こしにくくして、駆動時の破損等を効果的に防止するこ
とができる。また、管状層に積層一体化して補強層を設
けており、しかも両者が同種の樹脂を主体とするため、
両者の接合力も高くなり、補強層の分離等による補強効
果の低下なども生じにくい。従って、複合管状物全体の
機械特性を大きく変化させずに、駆動時に端部が破損し
にくく、定着ベルト等に用いた場合に耐久性に優れる複
合管状物を提供することができる。因みに、引張弾性率
が管状層より低く、引張強度だけが高い補強層を形成し
た場合、初期の変形を有効に防止できないため、端部の
破損防止には有効ではなかった。
【0015】前記管状層の両端部の厚みを薄くし、その
部分に他の部分と総厚みが等しくなるように、前記補強
層を積層一体化してある場合、複合管状物の軸方向で内
径および外径を等しくできるので、ロールやガイド部材
を特に変更する必要がなく、また、定着等の機能にも支
障をきたしにくい。
【0016】前記管状層のASTM−882による引張
弾性率が7846N/mm2 未満であると共に、前記補
強層のASTM−882による引張弾性率が7846〜
10788N/mm2 であり、定着ベルトに使用するも
のである場合、定着ベルトの両端部が適度に補強される
と共に、その中間部がベルト定着法に適度な可撓性を有
するものとなる。逆に、管状層の引張弾性率が7846
N/mm2 以上になると、紙に対するインク(トナー
等)の定着性が低下する傾向がある。従って、更に好ま
しくは管状層の引張弾性率が7640N/mm2 未満で
ある。一方、補強層の引張弾性率が7846/mm2
満では、十分な補強効果が得にくく、10788N/m
2 を超えると、末端にひびが発生し易くなる傾向があ
る。従って、更に好ましくは補強層の引張弾性率が、8
000〜10780N/mm2 の範囲である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。なお、図3(a)〜(c)は、本発明の複合
管状物の例を示すものであり、部分断面で表示した要部
正面図である。
【0018】本発明の複合管状物は、図3(a)〜
(c)に示すように、ポリイミド系樹脂を主体とする管
状層1の両端部1aに、ポリイミド系樹脂を主体とし管
状層1より高い引張弾性率の補強層2を積層一体化した
ものである。これらは何れも管状層1の両端部1aの厚
みを薄くし、その部分に他の部分と総厚みが等しくなる
ように、補強層2を積層一体化した例である。
【0019】図3(a)に示す例は、管状層1の両端部
1aの外周に補強層2を設けたものであり、図3(b)
に示す内周に補強層2を設ける例と比較して、周囲から
両端部1a締め付けて補強する効果が大きい。図3
(c)に示す例は、複合管状物の両端が補強層2のみで
形成されているものであり、駆動時の破損防止効果が最
も大きくなる。
【0020】上記以外にも、管状層1の両端部1aの厚
みを薄くせずに、補強層2を外周又は内周に積層一体化
した複合管状物、図3(a)〜(c)において管状層1
の両端部1aの厚みを軸方向で変化させた複合管状物な
どが例示される。
【0021】また、複合管状物における管状層および補
強層の厚みや比率も任意に設定できる。通常、総厚で5
〜200μmの範囲に設定するのが好ましく、更に15
〜150μmが好ましい。また、図3(a)〜(c)に
示す複合管状物において、積層部分の補強層2の厚みの
比率は、全体の20〜80%が好ましい。また、補強層
2の長さは5〜60mmが好ましい。
【0022】本発明の複合管状物は、例えば、以下の工
程で作製することができる。以下、管状層1を形成する
ポリイミド系樹脂を可撓性ポリイミド樹脂と、補強層2
を形成するポリイミド系樹脂を高弾性ポリイミド樹脂と
略称する。
【0023】1.可撓性ポリイミド樹脂のポリアミド酸
溶液の作製 2.可撓性ポリイミド樹脂の中間体の管状物の作製 3.高弾性ポリイミド樹脂のポリアミド酸溶液の作製 4.高弾性ポリイミド樹脂の中間体の管状物の作製 5.2及び4で得られた管状物を用いた複合管状物の作
製 具体的には、まず、金属製等の丸棒の表面に、あらかじ
め作製しておいた可撓性ポリイミド樹脂の原料となるポ
リアミド酸(ポリイミド前駆体)溶液を塗布し、次い
で、低温で加熱して溶媒および閉環水を除去し、可撓性
ポリイミド樹脂の中間体の管状物の作製する。その際、
後述の実施例のように2回に分けてポリアミド酸溶液の
塗布と加熱を行うことにより、図3に示す複合管状物の
ように、管状層の両端部の厚みを薄くすることができ
る。なお、図3(b)に示す複合管状物のように、内径
を大きくして管状層の両端部の厚みを薄くする場合、丸
棒の代わりに円筒を用いて、その内周面に2回に分けて
ポリアミド酸溶液の塗布と加熱を行えばよい。
【0024】一方、金属製等の丸棒の表面にあらかじめ
作製しておいた高弾性ポリイミド樹脂の原料となるポリ
アミド酸(ポリイミド前駆体)溶液を塗布し、次いで、
低温で加熱して溶媒および閉環水を除去し、高弾性ポリ
イミド樹脂の中間体の管状物の作製する。その際、上記
と同様に2回に分けてポリアミド酸溶液の塗布と加熱を
行うことにより、図3(c)に示す複合管状物のよう
に、補強層の端部の厚みを薄くすることができる。
【0025】次に、作製した可撓性ポリイミド樹脂の中
間体の管状物の両端に高弾性ポリイミド樹脂の中間体の
管状物を嵌め込み、加熱してイミド転化させることによ
りポリイミド樹脂の複合管状物を作製することができ
る。
【0026】この方法において、先ず、金属、ガラス、
セラミックス等の耐熱性材料からなる丸棒の外表面にポ
リアミド酸溶液を塗布する。丸棒の外表面へのポリアミ
ド酸溶液の塗布は、ポリアミド酸溶液中に丸棒を浸漬し
て引き上げたり、あるいは、丸棒の片側にポリアミド酸
を塗布した後、これを筒状内で走行させたりするなど任
意の手段で行うことができる。そして、走行する時には
垂直に立てて行う自重走行のほか、圧縮空気やガス爆発
力を利用する方法、牽引ワイヤーを利用して丸棒あるい
は筒状体を引っ張る方法などが採用できる。
【0027】このようにして丸棒の表面にポリアミド酸
溶液を塗布した後、低温で加熱して、イミド転化で発生
する溶媒および閉環水を除去し、ポリイミド樹脂(可撓
性ポリイミドおよび高弾性ポリイミド)の中間体の管状
物の作製する。この時の加熱温度は、約80〜180℃
が好ましい。加熱時間は加熱温度に応じて設定するが、
通常、約20分〜60分が好ましい。
【0028】得られた可撓性ポリイミドの中間体の管状
物の両端に、高弾性ポリイミドの中間体の管状物を被
せ、約250℃〜400℃に昇温させてイミド転化を終
了させると同時に、先端部分で両者ポリイミドを接合さ
せる。このとき加温方法は多段加熱法を採用するのが好
ましい。加熱時間は加熱温度に応じて設定するが、通
常、約20分〜60分が好ましい。この多段加熱法を用
いれば、イミド転化に伴って発生する溶媒および閉環水
の蒸発に起因するポリイミド樹脂管状物へのボイドの発
生を防止できる。
【0029】そして、丸棒の表面に複合管状物を形成し
た後、この複合管状物を丸棒から剥離する。剥離作業
は、例えば、丸棒端部に予め小貫通孔を設けておき、ポ
リイミド樹脂複合管状物を形成した後、この孔に空気圧
送する方法により行うことができる。なお、丸棒の表面
には予めシリコーン樹脂などを塗布して離型処理してお
けば、ポリイミド複合管状物の離型作業性が向上する。
【0030】上記ポリイミド樹脂管状物の形成に用いら
れるポリアミド酸溶液は、例えば、テトラカルボン酸二
無水物とジアミンの略等モルを有機極性溶媒中で反応さ
せて得ることができる。
【0031】このテトラカルボン酸二無水物は、下記化
1で例示される。
【0032】
【化1】 式中、Rは4価の有機基であり、芳香族、脂肪族、環状
脂肪族、芳香族と脂肪族を組み合わせたもの、または、
それらの置換された基である。
【0033】そして、該テトラカルボン酸二無水物の具
体例としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,
4,4’−ベンゾフェンテトラカルボン酸二無水物、
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカ
ルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)スルホン二無水物、ぺリレン−3,
4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,
4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレ
ンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0034】また、テトラカルボン酸二無水物と反応さ
せるジアミンの具体例としては、4,4’−ジアミノジ
フェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエー
テル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’
−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベン
ジジン、4,4’−アミノジフェニルスルフィド、3,
3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノ
ナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレン
ジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビ
フェニル、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジ
ン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジア
ミノフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニル
スルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、
2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トルエン、ビ
ス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、
ビス(p−β−メチル−δ−アミノフェニル)ベンゼ
ン、ビス(p−1,1−ジメチル−5−アミノペンチ
ル)ベンゼン、l−イソプロピル−2,4−m−フェニ
レンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレ
ンジアミン、ジ(p−アミノシクロヘキシル)メタン、
ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オ
クタメチレンジアミン、ノナンメチレンジアミン、デカ
メチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレンジ
アミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−
ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノ
ドデカン、1,2−ビス−(3−アミノプロポキシ)エ
タン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メト
キシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサ
メチレンジアミン、2,5−ジメチルペンタメチレンジ
アミン、3−メチルペンタメチレンジアミン、5−メチ
ルノナメチレンジアミン、2,17−ジアミノエイコサ
ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,10
−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、1,12−ジ
アミノオクタデカン、2,2−ビス−[4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル]プロパン、ピペラジン、 H2 N(CH2 )O(CH2 )O(CH2 )NH2 、 H2 N(CH23 S(CH23 NH2 、 H2 N(CH23 N(CH3 )(CH2 )NH3 等が
挙げられる。
【0035】更に、テトラカルボン酸二無水物とジアミ
ンとを反応させる際に用いる有機極性溶媒の好ましい例
として、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミドなどのN,N−アルキルアミド類を挙
げることができる。これらは、蒸発、置換、拡散により
ポリアミド酸溶液から容易に除去できる。また、上記以
外の極性溶媒、例えば、N,N−ジエチルホルムアミ
ド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチル
メトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサ
メチルホスホルムアミド、N−メチル−2−ピロリド
ン、ピリジン、ジメチルスルホン、テトラメチレンスル
ホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等を使用するこ
とができ、これら有機極性溶媒は単独あるいは二種類以
上を併用してもよい。
【0036】なお、これら極性溶媒にクレゾール、フェ
ノール、キシレノール等のフェノール類、ベンゾニトリ
ル、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の一種以上を混合
することもできる。ただし、生成するポリアミド酸の加
水分解による低分子量化を防止するため、水の使用は避
けるのが好ましい。
【0037】なお、引張弾性率の異なるポリイミド樹脂
を得るために、上記の酸成分と反応させるジアミン成分
を任意に選択して配合して得てもよい。また、酸成分お
よびジアミン成分とも、それぞれ単独あるいは二種類以
上を併用してもよい。
【0038】上記テトラカルボン酸二無水物とジアミン
を有機極性溶媒中で約0.5〜10時間反応させること
によりポリアミド酸溶液が得られる。反応時におけるモ
ノマー濃度は種々の要因に応じて設定できるが、通常、
約5〜30重量%である。また、反応温度は80℃以下
に設定するのが好ましい(より好ましくは5〜60
℃)。
【0039】このようにして有機極性溶媒中でテトラカ
ルボン酸二無水物とジアミンを反応させるとその進行に
伴い溶液粘度が上昇するが、対数粘度[η]が0.5以
上のポリアミド酸を得るのが好ましい。対数粘度[η]
が0.5以上のポリアミド酸を用いて形成されるポリイ
ミド樹脂管状物は耐熱性が特に優れているという利点が
ある。なお、上記対数粘度は毛細管粘度計を用いてポリ
アミド酸溶液と溶媒の落下時間を各々測定し、下記数式
(1)によって算出される値である。
【0040】 対数粘度[η]=(ln(t1 /t0 ))/c (1) (式中、t0 は溶媒の落下時間、t1 は溶液の落下時
間、cは溶液中におけるポリアミド酸の濃度(g/d
l)である。
【0041】本発明において、管状層より高い引張弾性
率の補強層を形成する方法としては、ポリイミド系樹脂
として引張弾性率の高いものを選択したり、上記の添加
剤の種類や量を変化させる方法が挙げられる。引張弾性
率の高いポリイミド系樹脂とするには、上記で例示した
テトラカルボン酸二無水物やジアミンのうち、ビフェニ
ル、p−フェニレン等の樹脂の剛直性を高める骨格を有
するものを選択したり、その成分を増量すればよい。
【0042】本発明の複合管状物は、特に、複写機、プ
リンタ(レーザープリンタ等)、ファクシミリ等の電子
写真記録装置の定着部に使用される定着ベルト、又はそ
の基材層として有用である。定着ベルトの基材層として
使用する場合、本発明の複合管状物には、更に、弾性体
層、離型層、保護層、摺動層、プライマー層などを適宜
形成することができる。また、定着ベルト以外にも、搬
送ベルト、中間転写ベルト、転写搬送ベルトやこれらの
基材層として使用可能である。
【0043】
【実施例】以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実
施例等について説明する。
【0044】〔実施例1〕 (可撓性ポリイミド樹脂のポリアミド酸溶液の作製)酸
成分として3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物を、アミン成分としてp−フェニレンジア
ミンと4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルの混合物
(モル比7:3)を準備し、両者の略等モルをN−メチ
ル−2−ピロリドン(NMP)に溶解(モノマー濃度2
0重量%)し、20℃で6時間反応させて回転粘度33
000ポアズ(温度20℃、B型粘度計で測定)、対数
粘度2.6のポリアミド酸溶液を作製した。次いて、7
0℃に加温してポリアミド酸溶液の粘度を3000ポア
ズに調整した。
【0045】(可撓性ポリイミド樹脂中間体の管状物の
作製)この粘度を調整したポリアミド酸溶液を表面が平
滑な直径49.4mm、長さ500mmステンレス製丸
棒の片端部に供給し、内径50.0mm、肉厚15m
m、長さ100mmの内周面が平滑なステンレス製シリ
ンダーを自重走行させ、ポリアミド酸溶液をステンレス
製丸棒の外周面に塗布した。その後、20分間で室温か
ら180℃まで加熱し溶媒の除去と閉環水の除去を行
い、室温まで冷却して溶媒および閉環水を除去したポリ
イミド樹脂中間体の管状物を形成した。得られたポリイ
ミド樹脂中間体の管状物は、外径49.6mm、厚み
0.1mm、長さ500mmであった。
【0046】次に、得られたポリイミド樹脂中間体の管
状物の両端に、内径49.6mm、厚み0.3mm、幅
50mmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製
の円筒状の成形物を被せマスキングした。
【0047】両端にPTFE成形品を被せた管状物のポ
リイミド樹脂中間体部分に、先ほど調整した粘度300
0ポアズのポリアミド酸溶液を塗布し、内径50.2m
m、肉厚15mm、長さ100mmの内周面が平滑なス
テンレス製シリンダーを自重走行させ、ポリアミド酸溶
液をポリイミド樹脂中間体部分の外周面に塗布した。そ
の後、20分間で室温から180℃まで加熱し溶媒の除
去、閉環水の除去を行い、室温まで冷却して溶媒および
閉環水を除去したポリイミド樹脂中間体の管状物を形成
した。この時のPTFE成形物を被せない部分のポリイ
ミド樹脂中間体の管状物は、外径49.8mm、厚み
0.2mm、長さ400mmであった。ちなみにPTF
E成形物を被せた部分のポリイミド樹脂中間体の管状物
の両端は、外径49.6mm、厚み0.1mm、長さ5
0mmであった。
【0048】(高弾性ポリイミド樹脂のポリアミド酸溶
液の作製)酸成分として3,3’4,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物を、アミン成分としてp−フ
ェニレンジアミンの略等モルをN−メチル−2−ピロリ
ドン(NMP)に溶解(モノマー濃度20重量%)し、
20℃で6時間反応させて回転粘度33000ポアズ
(温度20℃、B型粘度計で測定)、対数粘度2.6の
ポリアミド酸溶液を作製した。次いて、70℃に加温し
てポリアミド酸溶液の粘度を3000ポアズに調整し
た。
【0049】(高弾性ポリイミド樹脂中間体の管状物の
作製)この粘度を調整したポリアミド酸溶液を表面が平
滑な直径49.6mm、長さ500mmステンレス製丸
棒の片端部に供給し、内径50.2mm、肉厚15m
m、長さ100mmの内周面が平滑なステンレス製シリ
ンダーを自重走行させ、ポリアミド酸溶液をステンレス
製丸棒の外周面に塗布した。その後、20分間で室温か
ら180℃まで加熱し溶媒の除去、閉環水の除去を行
い、室温まで冷却して溶媒および閉環水を除去したポリ
イミド樹脂中間体の管状物を形成した。得られたポリイ
ミド樹脂中間体の管状物は、外径49.8mm、厚み
0.1mm、長さ500mmであった。この管状物の長
さを可撓性ポリイミド樹脂中間体の管状物の両端に被せ
るために長さを50mmに切断して、円筒状に作製し
た。
【0050】(ポリイミド樹脂の複合管状物の作製)可
撓性ポリイミド樹脂中間体の管状物の両端に高弾性ポリ
イミド樹脂中間体の管状物をはめ込み、70℃から30
0℃まで0.8℃/分の速度で昇温した。その後、30
0℃で60分間加熱して、溶媒の除去とイミド化を行
い、室温まで冷却して、両端部分が高弾性ポリイミド樹
脂が被覆した可撓性ポリイミド樹脂の管状物を得た。得
られた管状物は外径49.72mm、厚み0.16m
m、長さ500mmであった。ちなみに、引張弾性率
は、可撓性ポリイミド樹脂で構成された部分は、784
0N/mm2 、また、高弾性ポリイミド樹脂で構成され
た部分の引張弾性率は、10780N/mm2 であっ
た。なお、引張弾性率の測定は、アメリカ規格ASTM
−882に準じた。
【0051】得られた複合管状物を用いて、図1に示す
ような構造の耐久性試験装置で耐久性を確認したとこ
ろ、試験時間500時間を超えても複合管状物の破損は
見られなかった。
【0052】〔比較例1〕実施例1で作製した可撓性ポ
リイミド樹脂のポリアミド酸溶液で、外径49.72m
m、厚み0.16mm、長さ500mmの単層の管状物
を作製し、耐久性を確認したところ、試験時間150時
間付近で管状物の端部の破損が確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベルト定着法による定着機構の一例を示す模式
【図2】ベルト定着法による定着機構の他の例を示す模
式図
【図3】本発明の複合管状物の例を示す、部分断面で表
示した要部正面図
【符号の説明】
1 管状層 1a 両端部 2 補強層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中園 淳一 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA23 BA11 BE03 4F100 AK49A AK49B AS00B BA25 BA26 DA11 DB01 EH46 EH462 EJ42 EJ422 GB41 JK01 JK02B JK07B JL00 YY00B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミド系樹脂を主体とする管状層の
    両端部に、ポリイミド系樹脂を主体とし前記管状層より
    高い引張弾性率の補強層を積層一体化してある複合管状
    物。
  2. 【請求項2】 前記管状層の両端部の厚みを薄くし、そ
    の部分に他の部分と総厚みが等しくなるように、前記補
    強層を積層一体化してある請求項1記載の複合管状物。
  3. 【請求項3】 前記管状層のASTM−882による引
    張弾性率が7846N/mm2 未満であると共に、前記
    補強層のASTM−882による引張弾性率が7846
    〜10788N/mm2 であり、定着ベルトに使用する
    ものである請求項1又は2に記載の複合管状物。
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