JP2001112515A - 成形面ファスナーとその製造方法 - Google Patents
成形面ファスナーとその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【目的】同一材質及び同一肉厚の基部シートであっても
柔軟性が増すと共に、例えば基部シートの裏面に接着剤
や粘着剤を塗布したとき、その接着強度が増加する成形
面ファスナーとその製造方法を提供する。 【解決手段】熱可塑性合成樹脂により連続して一体に成
形され、表面に多数の係合素子(4a)を有する係合面をも
つ平板状の基部シート(4b)からなる成形面ファスナー
(4) にあって、その成形と同時に半溶融状態にある前記
基部シート(4b)の裏面に多数の微小な突起 (2a′) をも
つ圧接ロール(2′) をもって押圧し、同基部シート(4b)
の裏面に多数の微小な溝(4c)を形成する。
柔軟性が増すと共に、例えば基部シートの裏面に接着剤
や粘着剤を塗布したとき、その接着強度が増加する成形
面ファスナーとその製造方法を提供する。 【解決手段】熱可塑性合成樹脂により連続して一体に成
形され、表面に多数の係合素子(4a)を有する係合面をも
つ平板状の基部シート(4b)からなる成形面ファスナー
(4) にあって、その成形と同時に半溶融状態にある前記
基部シート(4b)の裏面に多数の微小な突起 (2a′) をも
つ圧接ロール(2′) をもって押圧し、同基部シート(4b)
の裏面に多数の微小な溝(4c)を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は平板状基部シートの表面
に多数の係合素子を有する合成樹脂製の成形面ファスナ
ーとその製造方法に関し、更に詳しくは同一材質及び同
一厚さであっても柔軟性が確保されると共に、平板状基
部シート裏面に裏打ち材を接着する場合や粘着剤などを
塗布する場合に、その接着剤又は粘着剤との接合強度が
確保される成形面ファスナーとその連続製造方法に関す
る。
に多数の係合素子を有する合成樹脂製の成形面ファスナ
ーとその製造方法に関し、更に詳しくは同一材質及び同
一厚さであっても柔軟性が確保されると共に、平板状基
部シート裏面に裏打ち材を接着する場合や粘着剤などを
塗布する場合に、その接着剤又は粘着剤との接合強度が
確保される成形面ファスナーとその連続製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性の合成樹脂材料を使用して、平
板状の基部シートと、そのシート表面に立設された多数
の係合素子とを一体に成形した合成樹脂製の成形面ファ
スナーは、例えば米国特許第4,725,221号明細
書、米国特許第4,984,339号明細書、米国特許
第5,131,119号明細書等に開示されているよう
に既に広く知られている。
板状の基部シートと、そのシート表面に立設された多数
の係合素子とを一体に成形した合成樹脂製の成形面ファ
スナーは、例えば米国特許第4,725,221号明細
書、米国特許第4,984,339号明細書、米国特許
第5,131,119号明細書等に開示されているよう
に既に広く知られている。
【0003】一方、例えば実公昭55−55602号公
報によれば、前述のような成形面ファスナーの基部シー
トの裏面に繊維織物、フィラメント薄層等を基部シート
が溶融軟化状態にあるとき融着一体化し、或いは接着剤
により接合一体化して、基部シートの強度を増加させた
成形面ファスナーが開示されている。
報によれば、前述のような成形面ファスナーの基部シー
トの裏面に繊維織物、フィラメント薄層等を基部シート
が溶融軟化状態にあるとき融着一体化し、或いは接着剤
により接合一体化して、基部シートの強度を増加させた
成形面ファスナーが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】通常、上述の成形面フ
ァスナーの基部シートの裏面は平坦面からなり、例えば
これらの成形面ファスナーを被着物に対して縫着により
取り付けようとすると、多数の係合素子が直線状に並ぶ
係合素子列と係合素子列との間の基部シートに亀裂が生
じやすく、特にその縫着線に沿って簡単に裂断すること
が多いため、基部シートの厚みを通常よりも肉厚とする
ことが多い。また、例えば前記成形面ファスナーを接着
剤や粘着剤などを介して被着物に固着しようとすると、
接着剤などの塗布面が平坦面であるがため、その接合強
度が低く、繰り返し使用されると早期に成形面ファスナ
ー自体が接着剤或いは粘着剤から剥離しやすくなり、耐
久性に難がある。
ァスナーの基部シートの裏面は平坦面からなり、例えば
これらの成形面ファスナーを被着物に対して縫着により
取り付けようとすると、多数の係合素子が直線状に並ぶ
係合素子列と係合素子列との間の基部シートに亀裂が生
じやすく、特にその縫着線に沿って簡単に裂断すること
が多いため、基部シートの厚みを通常よりも肉厚とする
ことが多い。また、例えば前記成形面ファスナーを接着
剤や粘着剤などを介して被着物に固着しようとすると、
接着剤などの塗布面が平坦面であるがため、その接合強
度が低く、繰り返し使用されると早期に成形面ファスナ
ー自体が接着剤或いは粘着剤から剥離しやすくなり、耐
久性に難がある。
【0005】一方、上述のごとく成形面ファスナーに接
着剤又は粘着剤を介して繊維織物等を接合するにあたっ
て、その接合強度を確保すべく、成形を終えて半溶融状
態にある基部シート面に対して繊維織物等の圧接力を大
きくして、その内部に樹脂を十分に含浸させるようにす
るか、或いは接着剤の材質を選定すると共にその塗布量
を増加させるなどして対応しているが、接合面において
繊維織物等の内部に含浸する樹脂又は接着剤の量が増え
た状態で周辺繊維と接合固化するため、剛直化し柔軟性
が要求される製品には適用がむずかしい。
着剤又は粘着剤を介して繊維織物等を接合するにあたっ
て、その接合強度を確保すべく、成形を終えて半溶融状
態にある基部シート面に対して繊維織物等の圧接力を大
きくして、その内部に樹脂を十分に含浸させるようにす
るか、或いは接着剤の材質を選定すると共にその塗布量
を増加させるなどして対応しているが、接合面において
繊維織物等の内部に含浸する樹脂又は接着剤の量が増え
た状態で周辺繊維と接合固化するため、剛直化し柔軟性
が要求される製品には適用がむずかしい。
【0006】本発明はこうした課題を解決すべくなされ
たものであり、具体的には同一材質及び同一厚さの平板
状基材シートであっても柔軟性が確保されると共に、同
シート裏面に裏打ち材を接着する場合や粘着剤などを塗
布する場合に、繰り返し使用に対する耐久性が確保され
る成形面ファスナーとその連続製造方法を提供すること
を目的としている。
たものであり、具体的には同一材質及び同一厚さの平板
状基材シートであっても柔軟性が確保されると共に、同
シート裏面に裏打ち材を接着する場合や粘着剤などを塗
布する場合に、繰り返し使用に対する耐久性が確保され
る成形面ファスナーとその連続製造方法を提供すること
を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用効果】前記目的
は、本件請求項1〜6に記載された成形面ファスナー及
びその連続製造方法に係る発明により効果的に達成され
る。請求項1に係る発明は、平板状の基部シートの表面
に、多数の係合素子を立設した係合面を有する一体成形
面ファスナーにおいて、前記係合面とは反対側の前記基
部シートの裏面には多数の微小な溝が形成されてなるこ
とを特徴とする成形面ファスナーにある。基部シートの
裏面に多数の微小な溝を形成しているため、基部シート
自体の柔軟性が確保される上に、同基部シートの裏面に
接着剤或いは粘着剤を塗布したとき、その接着剤或いは
粘着剤の一部が前記筋状溝に侵入した状態で一体化する
ため、いわゆるアンカー効果により接着強度が増加す
る。
は、本件請求項1〜6に記載された成形面ファスナー及
びその連続製造方法に係る発明により効果的に達成され
る。請求項1に係る発明は、平板状の基部シートの表面
に、多数の係合素子を立設した係合面を有する一体成形
面ファスナーにおいて、前記係合面とは反対側の前記基
部シートの裏面には多数の微小な溝が形成されてなるこ
とを特徴とする成形面ファスナーにある。基部シートの
裏面に多数の微小な溝を形成しているため、基部シート
自体の柔軟性が確保される上に、同基部シートの裏面に
接着剤或いは粘着剤を塗布したとき、その接着剤或いは
粘着剤の一部が前記筋状溝に侵入した状態で一体化する
ため、いわゆるアンカー効果により接着強度が増加す
る。
【0008】請求項2及び3に係る発明は、前記溝の溝
方向を規定しており、請求項2に係る発明にあっては前
記溝の溝方向が係合素子の列設方向又は同列設方向に直
交する方向、或いは列設方向と所定の角度をもって交差
する方向のいずれかの同一方向を向いており、請求項3
に係る発明は前記溝の方向がランダムであり、多方向を
向いている。これらの溝の向きによって、接着剤などが
剥離しやすいため、溝の向きは面ファスナーが適用され
る被着物の係脱方向によって、適宜選択されるものであ
る。
方向を規定しており、請求項2に係る発明にあっては前
記溝の溝方向が係合素子の列設方向又は同列設方向に直
交する方向、或いは列設方向と所定の角度をもって交差
する方向のいずれかの同一方向を向いており、請求項3
に係る発明は前記溝の方向がランダムであり、多方向を
向いている。これらの溝の向きによって、接着剤などが
剥離しやすいため、溝の向きは面ファスナーが適用され
る被着物の係脱方向によって、適宜選択されるものであ
る。
【0009】請求項4に係る発明は、平板状の基部シー
トの表面に多数の係合素子を一体に成形してなる合成樹
脂製面ファスナーの連続的な製造方法であって、周面に
多数の係合素子用キャビティを有するダイホイールを一
方向に駆動回転すること、駆動回転するダイホイールの
周面の一部に向けて、溶融樹脂導出手段により所定の巾
を有する溶融樹脂材料を連続的に供給すること、ダイホ
イールの周面に導入される溶融樹脂材料を所定の圧力を
もって前記係合素子用キャビティの内部に充填すると同
時に、前記周面に所定の肉厚を有する平板状基部シート
を連続的に成形すること、一体に成形された前記平板状
基部及び係合素子をダイホイールの回転と共に所定の角
度周回させること、前記周回の初期にて前記平板状基部
シートの前記係合素子の成形面とは反対側の裏面に、周
面にローレット加工が施された圧接ロールを圧接させて
回転させること、及び周回後の係合素子を前記キャビテ
ィ内より順次引き抜きながら、平板状基部と共に積極的
にダイホイールより離脱させることを含んでいることを
特徴としている。
トの表面に多数の係合素子を一体に成形してなる合成樹
脂製面ファスナーの連続的な製造方法であって、周面に
多数の係合素子用キャビティを有するダイホイールを一
方向に駆動回転すること、駆動回転するダイホイールの
周面の一部に向けて、溶融樹脂導出手段により所定の巾
を有する溶融樹脂材料を連続的に供給すること、ダイホ
イールの周面に導入される溶融樹脂材料を所定の圧力を
もって前記係合素子用キャビティの内部に充填すると同
時に、前記周面に所定の肉厚を有する平板状基部シート
を連続的に成形すること、一体に成形された前記平板状
基部及び係合素子をダイホイールの回転と共に所定の角
度周回させること、前記周回の初期にて前記平板状基部
シートの前記係合素子の成形面とは反対側の裏面に、周
面にローレット加工が施された圧接ロールを圧接させて
回転させること、及び周回後の係合素子を前記キャビテ
ィ内より順次引き抜きながら、平板状基部と共に積極的
にダイホイールより離脱させることを含んでいることを
特徴としている。
【0010】ここで本発明にとって最も重要で特徴ある
構成は、平板状基部及び係合素子がダイホイールの回転
と共に所定の角度周回するとき、前記平板状基部シート
の前記係合素子の成形面とは反対側の裏面に、周面にロ
ーレット加工が施された圧接ロールを圧接させて回転さ
せる点である。前記圧接ロールにて平板状基部シートの
肉厚を一定に制御すると同時に、その裏面に多数の微小
な溝を単独に形成する。ローレット加工にあたって、そ
の筋状突起の大きさや向き及び高さは任意に実現できる
ため、ロール周面に対するローレット加工も簡単であ
り、その加工による費用の増加は微々たるものであるた
め、生産コストに対する影響が少なく、しかも製造され
る面ファスナーは上述のとおり柔軟で且つ接着剤等との
必要十分な接合強度も得ることができる。
構成は、平板状基部及び係合素子がダイホイールの回転
と共に所定の角度周回するとき、前記平板状基部シート
の前記係合素子の成形面とは反対側の裏面に、周面にロ
ーレット加工が施された圧接ロールを圧接させて回転さ
せる点である。前記圧接ロールにて平板状基部シートの
肉厚を一定に制御すると同時に、その裏面に多数の微小
な溝を単独に形成する。ローレット加工にあたって、そ
の筋状突起の大きさや向き及び高さは任意に実現できる
ため、ロール周面に対するローレット加工も簡単であ
り、その加工による費用の増加は微々たるものであるた
め、生産コストに対する影響が少なく、しかも製造され
る面ファスナーは上述のとおり柔軟で且つ接着剤等との
必要十分な接合強度も得ることができる。
【0011】請求項5に係る発明は、前記溶融樹脂導出
手段がダイホイールの周面と前記基部シートのほぼ肉厚
に相当する間隙をおいて同ダイホイールの回転軸に向け
て溶融樹脂材料を連続射出する連続射出ノズルであっ
て、この発明ではダイホイールの周面に導入される溶融
樹脂は所要の粘度に設定された完全な溶融状態にある樹
脂材料であるため、溶融樹脂が係合素子成形用キャビテ
ィ内に侵入しやすく、係合素子を完全な形態をもって成
形しやすく、以降の圧接ロールによる押圧により設定ど
おりの基部シート厚と微小な溝の形成が実現される。
手段がダイホイールの周面と前記基部シートのほぼ肉厚
に相当する間隙をおいて同ダイホイールの回転軸に向け
て溶融樹脂材料を連続射出する連続射出ノズルであっ
て、この発明ではダイホイールの周面に導入される溶融
樹脂は所要の粘度に設定された完全な溶融状態にある樹
脂材料であるため、溶融樹脂が係合素子成形用キャビテ
ィ内に侵入しやすく、係合素子を完全な形態をもって成
形しやすく、以降の圧接ロールによる押圧により設定ど
おりの基部シート厚と微小な溝の形成が実現される。
【0012】請求項6に係る発明にあっては、前記圧接
ロールがダイホイールの回転軸線と平行に前記基部シー
トの肉厚に相当する間隙をもって配され、同ダイホイー
ルの回転に同調して駆動回転し、前記溶融樹脂導出手段
として前記圧接ロールと前記ダイホイールとの間に形成
される前記間隙に向けて溶融樹脂材料を押し出す連続押
出ダイが採用される。この発明にあっては、係合素子及
び平板状基部シートの成形と同時に同基部シートの裏面
に多数の微小溝を連続して形成するため、圧接ロールの
周面に施された筋状突起の押圧力により基部シートの溶
融樹脂の一部が係合素子成形用キャビティに押し込まれ
やすくなり、所望の形態をもつ係合素子を確実に成形で
きる。
ロールがダイホイールの回転軸線と平行に前記基部シー
トの肉厚に相当する間隙をもって配され、同ダイホイー
ルの回転に同調して駆動回転し、前記溶融樹脂導出手段
として前記圧接ロールと前記ダイホイールとの間に形成
される前記間隙に向けて溶融樹脂材料を押し出す連続押
出ダイが採用される。この発明にあっては、係合素子及
び平板状基部シートの成形と同時に同基部シートの裏面
に多数の微小溝を連続して形成するため、圧接ロールの
周面に施された筋状突起の押圧力により基部シートの溶
融樹脂の一部が係合素子成形用キャビティに押し込まれ
やすくなり、所望の形態をもつ係合素子を確実に成形で
きる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図示実施例に基づいて具体的に説明する。図1は本発
明の代表的な実施例である成形面ファスナーの部分斜視
図であり、図2は同面ファスナーの裏面図である。
を図示実施例に基づいて具体的に説明する。図1は本発
明の代表的な実施例である成形面ファスナーの部分斜視
図であり、図2は同面ファスナーの裏面図である。
【0014】本発明の成形面ファスナー4は従来公知の
製造装置を利用して連続的に製造できる。図3はその公
知の典型的な製造装置の一例を示す概略側面図である。
なお、前記製造装置としては、例えば国際公開WO87
/06522号公報に開示された製造装置を利用するこ
ともできる。更に、以下の説明では係合素子の一例とし
てJ字状のフック片4aを挙げているが、本発明におけ
る係合素子としては他の形態、例えばT字状、Y字状、
逆L状、双葉状等の形態をもつ係合素子も含まれる。
製造装置を利用して連続的に製造できる。図3はその公
知の典型的な製造装置の一例を示す概略側面図である。
なお、前記製造装置としては、例えば国際公開WO87
/06522号公報に開示された製造装置を利用するこ
ともできる。更に、以下の説明では係合素子の一例とし
てJ字状のフック片4aを挙げているが、本発明におけ
る係合素子としては他の形態、例えばT字状、Y字状、
逆L状、双葉状等の形態をもつ係合素子も含まれる。
【0015】図3の製造装置例によれば、連続射出ノズ
ル1より所定の樹脂圧をもって溶隔樹脂がダイホイール
2の周面に向けて連続的に射出される。ダイホイール2
は図3の矢印で示す方向へ駆動回転しており、溶融樹脂
はダイホイール2の周面にシート状に付着した状態で基
部シート4bを成形しながらダイホイール2の回転と共
に周回する。この周回に伴い溶隔樹脂は冷却されて固化
する。一方、ダイホイール2の周面には面ファスナー4
の係合素子たるフック片4aを成形するためのフック片
成形用キャビティ3が多数形成されており、このフック
片成形用キャビティ3に前記基部シート4bの成形と同
時に溶隔樹脂が充填され、前記基部シート4bに多数の
フック片4aを立設した状態で一体に成形される。基部
シート4bと基部シート4b上に立設する多数のフック
片4aとからなる面ファスナー4はダイホイール2を所
定の角度を周回し、その間に冷却されて所定の部位でダ
イホイール周面からフック片4aをフック片成形用キャ
ビティ3から抜き取りながら剥離され、引取ロール5,
6によって前方へと移送される。
ル1より所定の樹脂圧をもって溶隔樹脂がダイホイール
2の周面に向けて連続的に射出される。ダイホイール2
は図3の矢印で示す方向へ駆動回転しており、溶融樹脂
はダイホイール2の周面にシート状に付着した状態で基
部シート4bを成形しながらダイホイール2の回転と共
に周回する。この周回に伴い溶隔樹脂は冷却されて固化
する。一方、ダイホイール2の周面には面ファスナー4
の係合素子たるフック片4aを成形するためのフック片
成形用キャビティ3が多数形成されており、このフック
片成形用キャビティ3に前記基部シート4bの成形と同
時に溶隔樹脂が充填され、前記基部シート4bに多数の
フック片4aを立設した状態で一体に成形される。基部
シート4bと基部シート4b上に立設する多数のフック
片4aとからなる面ファスナー4はダイホイール2を所
定の角度を周回し、その間に冷却されて所定の部位でダ
イホイール周面からフック片4aをフック片成形用キャ
ビティ3から抜き取りながら剥離され、引取ロール5,
6によって前方へと移送される。
【0016】図示例にあっては、本発明の成形面ファス
ナー4において最も特徴とする構成部分をなす基部シー
ト4bの裏面に筋状溝を形成すべく、溶融樹脂射出ノズ
ル1の近傍であって上記ダイホイール2の回転方向の下
流側周面に対峙させて、ダイホイール2の軸線と平行な
回転軸を有する圧接ロール2′が配設されている。この
圧接ロール2′はダイホイール2の回転と同期して回転
する。また同圧接ロール2′は、例えば図示せぬ流体圧
シリンダーとリンク機構とを組み合わせた基部シート裏
面に所定の押圧力をもって押圧するための押圧機構によ
り、ダイホイール2の周面に対して離接方向に移動可能
とされ、その周面には図4に示すように多数の微細な筋
状突起2a′が形成されている。
ナー4において最も特徴とする構成部分をなす基部シー
ト4bの裏面に筋状溝を形成すべく、溶融樹脂射出ノズ
ル1の近傍であって上記ダイホイール2の回転方向の下
流側周面に対峙させて、ダイホイール2の軸線と平行な
回転軸を有する圧接ロール2′が配設されている。この
圧接ロール2′はダイホイール2の回転と同期して回転
する。また同圧接ロール2′は、例えば図示せぬ流体圧
シリンダーとリンク機構とを組み合わせた基部シート裏
面に所定の押圧力をもって押圧するための押圧機構によ
り、ダイホイール2の周面に対して離接方向に移動可能
とされ、その周面には図4に示すように多数の微細な筋
状突起2a′が形成されている。
【0017】圧接ロール2′の周面の前記筋状突起2
a′は通常のローレット加工により形成される。なお、
図4に示す圧接ロール2′にあっては、前記筋状突起2
a′がロール周面の軸線方向に直線的に延びて形成され
ているが、例えば図2(A)〜(C)に示すように周方
向又は軸線に平行に、或いはランダムな方向にそれぞれ
延びて形成されることもあり、更には図示を省略したが
円周方向と所定の角度をもって互いに交差する方向に延
びて形成されることもある。
a′は通常のローレット加工により形成される。なお、
図4に示す圧接ロール2′にあっては、前記筋状突起2
a′がロール周面の軸線方向に直線的に延びて形成され
ているが、例えば図2(A)〜(C)に示すように周方
向又は軸線に平行に、或いはランダムな方向にそれぞれ
延びて形成されることもあり、更には図示を省略したが
円周方向と所定の角度をもって互いに交差する方向に延
びて形成されることもある。
【0018】かかる成形面ファスナー4の製造装置によ
れば、上述のようにダイホイール2の回転と共に成形さ
れ、未だ完全な固化状態にない半溶融状態にある軟質の
面ファスナー4の裏面(成形中の表面)に前記圧接ロー
ル2′が押圧回転して、同面ファスナー4の裏面(成形
中の表面)に多数の筋状溝4cを形成する。この筋状溝
4cを確実に成形するには、前記圧接ロール2′を加熱
状態におくことも可能である。
れば、上述のようにダイホイール2の回転と共に成形さ
れ、未だ完全な固化状態にない半溶融状態にある軟質の
面ファスナー4の裏面(成形中の表面)に前記圧接ロー
ル2′が押圧回転して、同面ファスナー4の裏面(成形
中の表面)に多数の筋状溝4cを形成する。この筋状溝
4cを確実に成形するには、前記圧接ロール2′を加熱
状態におくことも可能である。
【0019】こうして得られる本発明の成形面ファスナ
ー4は、例えば図1に示すようにその表面に多数のフッ
ク片4aが一体に立設されると共に、その裏面には図2
(B)に示すように幅方向に延びる多数の溝4cが形成
されている。この筋状溝4cは、図2(A)に示すよう
に成形面ファスナー4の長手方向に、或いは図2(C)
に示すようにランダムな方向に、或いは図示を省略した
が互いが交差する方向に形成されることもある。
ー4は、例えば図1に示すようにその表面に多数のフッ
ク片4aが一体に立設されると共に、その裏面には図2
(B)に示すように幅方向に延びる多数の溝4cが形成
されている。この筋状溝4cは、図2(A)に示すよう
に成形面ファスナー4の長手方向に、或いは図2(C)
に示すようにランダムな方向に、或いは図示を省略した
が互いが交差する方向に形成されることもある。
【0020】かかる構成を備えた本発明の成形面ファス
ナー4によれば、従来と同一の肉厚を有する基部シート
4bであっても、その裏面に多数の微小溝4cが形成さ
れてることにより、柔軟性が増し、特に同面ファスナー
4の裏面に接着剤や粘着剤を塗布しても、その柔軟性の
低下は少なく、しかも接着剤や粘着剤が前記溝4cに侵
入して固化されるため、いわゆるアンカー効果が発揮さ
れて接着強度或いは粘着強度が増加する。
ナー4によれば、従来と同一の肉厚を有する基部シート
4bであっても、その裏面に多数の微小溝4cが形成さ
れてることにより、柔軟性が増し、特に同面ファスナー
4の裏面に接着剤や粘着剤を塗布しても、その柔軟性の
低下は少なく、しかも接着剤や粘着剤が前記溝4cに侵
入して固化されるため、いわゆるアンカー効果が発揮さ
れて接着強度或いは粘着強度が増加する。
【0021】図5は本発明装置の第2実施例を示してお
り、同図によればダイホイール2と圧接ロール2′とが
上下に平行に配され、その間隙を上記基部シート4bの
肉厚に等しく設定され、その間隙に向けて押出機1′の
Tダイ1a′からシート状の溶融樹脂が押し出される。
前記圧接ロール2′の周面にはローレット加工が施され
ており、ダイホイール2と圧接ロール2′との間に導入
される溶融樹脂の一部は、ダイホイール2の周面に形成
された係合素子成形用キャビティ3に圧入され、ダイホ
イール2と圧接ロール2′との間の間隙を通して基部シ
ート4bがフック片4aと共に一体に成形される。
り、同図によればダイホイール2と圧接ロール2′とが
上下に平行に配され、その間隙を上記基部シート4bの
肉厚に等しく設定され、その間隙に向けて押出機1′の
Tダイ1a′からシート状の溶融樹脂が押し出される。
前記圧接ロール2′の周面にはローレット加工が施され
ており、ダイホイール2と圧接ロール2′との間に導入
される溶融樹脂の一部は、ダイホイール2の周面に形成
された係合素子成形用キャビティ3に圧入され、ダイホ
イール2と圧接ロール2′との間の間隙を通して基部シ
ート4bがフック片4aと共に一体に成形される。
【0022】このとき、前記基部シート4bのフック片
4aが成形されていない反対の面には、圧接ロール2′
の周面に多数形成された微小な筋状突起2a′により多
数の微小な溝4cが形成される。この筋状溝4cが形成
されることにより、基部シート4bの全体が柔軟性を増
し、例えば前記筋状溝4cに方向性を与えずランダムに
配されて形成される場合には、基部シート4bの裂断に
も方向性がなくなり、多方向にほぼ等しい裂断強度が得
られる。また、もし面ファスナー4の裏面に接着剤や粘
着剤を塗布する場合には、上記実施例と同様にその柔軟
性の低下は少なく、接着剤や粘着剤が前記溝4cに侵入
して固化する、いわゆるアンカー効果が発揮されて接着
強度或いは粘着強度が保証される。
4aが成形されていない反対の面には、圧接ロール2′
の周面に多数形成された微小な筋状突起2a′により多
数の微小な溝4cが形成される。この筋状溝4cが形成
されることにより、基部シート4bの全体が柔軟性を増
し、例えば前記筋状溝4cに方向性を与えずランダムに
配されて形成される場合には、基部シート4bの裂断に
も方向性がなくなり、多方向にほぼ等しい裂断強度が得
られる。また、もし面ファスナー4の裏面に接着剤や粘
着剤を塗布する場合には、上記実施例と同様にその柔軟
性の低下は少なく、接着剤や粘着剤が前記溝4cに侵入
して固化する、いわゆるアンカー効果が発揮されて接着
強度或いは粘着強度が保証される。
【図1】本発明の成形面ファスナーの代表的な実施例を
示す部分斜視図である。
示す部分斜視図である。
【図2】同面ファスナーの裏面図である。
【図3】同面ファスナーの代表的な製造装置の概略を示
す側面図である。
す側面図である。
【図4】本発明装置における圧接ロールの周面形態例の
一部を拡大して示す斜視図である。
一部を拡大して示す斜視図である。
【図5】本発明の面ファスナー製造装置の他の実施例を
示す概略側面図である。
示す概略側面図である。
1 連続射出ノズル 1′ 押出機 1a′ Tダイ 2 ダイホイール 2′ 圧接ロール 2a′ 筋状突起 3 (フック片)係合素子成形用キャビティ 4 成形面ファスナー 4a フック片(係合素子) 4b 基部シート 4c 微小溝 5,6 引取ロール
Claims (6)
- 【請求項1】 平板状の基部シート(4b)の表面に、多数
の係合素子(4a)を立設した係合面を有する一体成形面フ
ァスナーにおいて、前記係合面とは反対側の前記基部シ
ート(4b)の裏面には多数の微小な溝(4c)が形成されてな
ることを特徴とする成形面ファスナー。 - 【請求項2】 前記溝(4c)の溝方向が一方向を向いてな
る請求項1記載の成形面ファスナー。 - 【請求項3】 前記溝(4c)の溝方向が多方向に向いてな
る請求項1記載の成形面ファスナー。 - 【請求項4】 平板状の基部シート(4b)の表面に多数の
係合素子(5) を一体に成形してなる合成樹脂製面ファス
ナーの連続的な製造方法であって、 周面に多数の係合素子成形用キャビティ(5) を有するダ
イホイール(2) を一方向に駆動回転すること、 駆動回転するダイホイール(2) の周面の一部に向けて、
溶融樹脂導出手段により所定の巾を有する溶融樹脂材料
(4) を連続的に供給すること、 ダイホイール(2) の周面に導入される溶融樹脂材料(4)
を所定の圧力をもって前記係合素子成形用キャビティ
(5) の内部に充填すると同時に、前記周面に所定の肉厚
を有する平板状基部シート(4b)を連続的に成形するこ
と、 一体に成形された前記平板状基部(4b)及び係合素子(4a)
をダイホイール(2) の回転と共に所定の角度周回させる
こと、 前記平板状基部シート(4b)の前記係合素子(4a)の成形面
とは反対側の裏面に、周面にローレット加工が施された
圧接ロール(2′) を圧接させて回転させること、及び周
回後の係合素子(4a)を前記キャビティ(5) 内より順次引
き抜きながら、平板状基部(4b)と共に積極的にダイホイ
ール(2) より離脱させること、を含んでなることを特徴
とする成形面ファスナーの連続製造方法。 - 【請求項5】 前記溶融樹脂導出手段がダイホイール
(2) の周面と前記基部シート(4b)のほぼ肉厚に相当する
間隙をおいて同ダイホイール(2) の回転軸に向けて溶融
樹脂材料(4) を射出する連続射出ノズル(1) である請求
項4記載の製造方法。 - 【請求項6】 前記圧接ロール(2′) がダイホイール
(2) の回転軸線と平行に前記基部シートの肉厚に相当す
る間隙をもって配され、同ダイホイール(2) の回転に同
調して駆動回転し、前記溶融樹脂導出手段が前記圧接ロ
ール(2′) と前記ダイホイール(2) との間に形成される
前記間隙に向けて溶融樹脂材料(4) を押し出す連続押出
ダイ (1a′) である請求項4記載の連続製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29280199A JP2001112515A (ja) | 1999-10-14 | 1999-10-14 | 成形面ファスナーとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29280199A JP2001112515A (ja) | 1999-10-14 | 1999-10-14 | 成形面ファスナーとその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001112515A true JP2001112515A (ja) | 2001-04-24 |
Family
ID=17786532
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29280199A Pending JP2001112515A (ja) | 1999-10-14 | 1999-10-14 | 成形面ファスナーとその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001112515A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010253183A (ja) * | 2009-04-28 | 2010-11-11 | Three M Innovative Properties Co | 面ファスナ用係合雌材及びその製造方法 |
JP2018130265A (ja) * | 2017-02-15 | 2018-08-23 | 株式会社内藤ハウス | 面ファスナ及びこの面ファスナを用いた壁面施工法 |
JP2019213869A (ja) * | 2010-10-18 | 2019-12-19 | フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド | 鼻カニューレ、導管及び固定システム |
-
1999
- 1999-10-14 JP JP29280199A patent/JP2001112515A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010253183A (ja) * | 2009-04-28 | 2010-11-11 | Three M Innovative Properties Co | 面ファスナ用係合雌材及びその製造方法 |
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JP2021166728A (ja) * | 2010-10-18 | 2021-10-21 | フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド | 鼻カニューレ、導管及び固定システム |
US11376388B2 (en) | 2010-10-18 | 2022-07-05 | Fisher & Paykel Healthcare Limited | Nasal cannula, conduit and securement system |
JP7546837B2 (ja) | 2010-10-18 | 2024-09-09 | フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド | 鼻カニューレ、導管及び固定システム |
JP2018130265A (ja) * | 2017-02-15 | 2018-08-23 | 株式会社内藤ハウス | 面ファスナ及びこの面ファスナを用いた壁面施工法 |
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