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JP2001102649A - 積層型圧電アクチュエータ - Google Patents

積層型圧電アクチュエータ

Info

Publication number
JP2001102649A
JP2001102649A JP27809599A JP27809599A JP2001102649A JP 2001102649 A JP2001102649 A JP 2001102649A JP 27809599 A JP27809599 A JP 27809599A JP 27809599 A JP27809599 A JP 27809599A JP 2001102649 A JP2001102649 A JP 2001102649A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
actuator
piezoelectric actuator
laminated
silicone rubber
internal electrodes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27809599A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Setoguchi
剛 瀬戸口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP27809599A priority Critical patent/JP2001102649A/ja
Publication of JP2001102649A publication Critical patent/JP2001102649A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高温、高湿の環境下で大きな電圧を印可して繰
り返し作動する場合でも、水蒸気の透過を防止し、内部
電極材のマイグレーションを抑制させ、高信頼性の積層
型圧電アクチュエータを提供する。 【解決手段】複数の圧電体3と複数の内部電極5a、5
bとを交互に積層してなり、少なくとも2つの側面に内
部電極5a、5bの端部が交互に露出した積層体7と、
該積層体7の2つの側面にそれぞれ形成され、内部電極
5a、5bの端部を交互に接続する一対の外部電極とを
具備するアクチュエータ本体1の外周面に、水蒸気透過
率が15×10-9cc・cm/sec・cm2 ・cmH
g・ΔT以下の外装樹脂19を被覆した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層型圧電アクチ
ュエータに係わり、例えば、光学装置等の精密位置決め
装置や振動防止用の駆動素子、自動車用エンジンの燃料
噴射用の駆動素子等に使用される積層型圧電アクチュエ
ータに関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、圧電体は、電圧を印加することによ
り伸縮する逆圧電効果を有している。しかしながら、圧
電体1枚1枚の伸縮量は微量であることから、圧電体を
複数枚積層して形成した積層型圧電アクチュエータが作
製されていた。この積層型圧電アクチュエータは、圧電
体に電圧を印加して数〜数十μm伸長させ、アクチュエ
ータの駆動力源とするものである。
【0003】このような積層型圧電アクチュエータに
は、同時焼成タイプと、圧電板と電極薄板を交互に積層
したスタックタイプの2種類に分類されており、厚みの
薄い圧電板を多数枚積層することが比較的容易であるこ
とから、低電圧高変位化及び小型化が可能な同時焼成タ
イプの積層型圧電アクチュエータがその優位性を示しつ
つある。
【0004】同時焼成タイプの積層型圧電アクチュエー
タとして、例えば、特開平4−237172号公報に
は、アクチュエータ本体の側面に露出した内部電極の端
部に一層おきにガラスからなる絶縁層を被覆し、外部電
極には、絶縁層と同じピッチで、かつ絶縁層の断面より
やや大きい凹部を形成し、この凹部内に絶縁層を収容す
るようにして、かつ、凹部間の凸部に、絶縁層が形成さ
れていない内部電極の端部を導電性接着剤で接着するこ
とにより、外部電極と一方の内部電極との電気的接続を
確保し、他方の内部電極との絶縁性を確保した積層型圧
電アクチュエータが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、積層型圧電アク
チュエータは大きな変位量を確保した状態で、積層型圧
電アクチュエータの特徴である高応答性を利用するた
め、高い電圧を高周波数で印加し駆動を行うようになっ
ている。
【0006】このため、圧電板間に埋設された正極の内
部電極と負極の内部電極との間で、アクチュエータ本体
の表面を介しての沿面放電を起こしたり、更に、湿度の
高い環境下で駆動させた場合、内部電極材のエレクトロ
マイグレーションが発生し、ショートによる破損が発生
し易いという問題があった。このためアクチュエータ本
体の側面には、耐水性と耐電圧性を兼ね備えた外装樹脂
を被覆する必要があった。
【0007】しかし、この外装樹脂のヤング率が高い場
合、積層型圧電アクチュエータを高変位にて高速駆動す
ると、外装樹脂とアクチュエータ本体間に隙間ができた
り、外装樹脂にクラックが発生し、沿面放電や内部電極
材のマイグレーションが生じるという問題があった。
【0008】これらを解決する手段として、特開平5−
160458号公報及び特開平5−218516号公報
に開示された積層型圧電アクチュエータでは、シリコー
ン樹脂を被覆し、内部電極材のマイグレーションを抑制
している。しかしながら、シリコーン樹脂は水蒸気透過
率が15×10-9cc・cm/sec・cm2 ・cmH
g・ΔTよりも大きいため、積層型圧電アクチュエータ
を高温、多湿の環境下に置いた場合、シリコーン樹脂が
水蒸気を透過し、積層型圧電アクチュエータを駆動する
と内部電極材のマイグレーションを起こすという問題が
あった。
【0009】本発明は、高温、高湿の環境下で大きな電
圧を印可して繰り返し作動する場合でも、水蒸気の透過
を抑制し、沿面放電や内部電極材のマイグレーションを
抑制し、高信頼性の積層型圧電アクチュエータを提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の積層型圧電アク
チュエータは、複数の圧電体と複数の内部電極とを交互
に積層してなり、少なくとも2つの側面に前記内部電極
の端部が交互に露出した積層体と、該積層体の2つの側
面にそれぞれ形成され、前記内部電極の端部を交互に接
続する一対の外部電極とを具備するアクチュエータ本体
の外周面に、水蒸気透過率が15×10-9cc・cm/
sec・cm2 ・cmHg・ΔT以下の外装樹脂を被覆
したものである。
【0011】このような構成を採用することにより、高
温、高湿度化の環境下でも外装樹脂により水蒸気の浸入
を防止することができ、内部電極材のマイグレーション
を抑制することが可能となる。
【0012】また、本発明の積層型圧電アクチュエータ
は、アクチュエータ本体の側面と外装樹脂との間にシリ
コーンゴム層が形成されており、該シリコーンゴム層が
外装樹脂により外部に露出しないように被覆されている
ことが望ましい。水蒸気透過率が15×10-9cc・c
m/sec・cm2 ・cmHg・ΔT以下の外装樹脂は
一般に高ヤング率材料であるため、積層型圧電アクチュ
エータの変位の発生を阻害する傾向にあるが、シリコー
ンゴム層は低ヤング率材料であるため、変位量が低下す
ることがない。また、シリコーンゴム層により正極側の
内部電極と、他の負極側の内部電極との絶縁性を確保し
て、沿面放電を抑制でき、これにより、高い電圧を圧電
体に印加し、大きい変位量を確保することができる。
【0013】さらに、本発明の積層型圧電アクチュエー
タでは、シリコーンゴム層中に炭素を含有することが望
ましい。シリコーンゴム層は一般に耐熱性が低く、高温
になるとヤング率が高くなり、変位に追従できなくなっ
てひび割れたり、粉砕されてしまい、異なる極性の内部
電極間の絶縁性を確保できなくなり、沿面放電が生じ易
くなるが、シリコーンゴム層中に炭素を含有することに
より、シリコーンゴム層の耐熱性を向上することがで
き、ヤング率が高くなることを防止でき、沿面放電を防
止できる。このような外装樹脂としてはテフロン(登録
商標)であることが望ましく、ディッピング法により塗
布形成されることが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明の積層型圧電アクチ
ュエータのアクチュエータ本体の斜視図であり、図2
(a)は図1のA−A線に沿う断面図、図2(b)は図
1のB−B線に沿う断面図である。
【0015】図1において、符号1は四角柱状のアクチ
ュエータ本体を示すもので、このアクチュエータ本体1
は、複数の圧電体3と複数の内部電極5を交互に積層し
て構成された積層体7を具備している。
【0016】内部電極5の端部は積層体7の4側面に露
出しており、また、内部電極5の上下両側に位置する圧
電体3は反対の向きに分極処理されている。
【0017】内部電極5は積層順に交互に第1内部電極
5aまたは第2内部電極5bとされ、第1内部電極5a
と第2内部電極5bに異なる電位を与えることによっ
て、圧電体3に厚さ方向の電界を印加できる。
【0018】圧電体3は、例えば、チタン酸ジルコン酸
鉛Pb(Zr,Ti)O3 (以下PZTと略す)或い
は、チタン酸バリウムBaTiO3 を主成分とする圧電
セラミック材料などが使用されるが、これらに限定され
るものではなく、圧電性を有するセラミックスであれば
何れでも良い。なお、この圧電体材料としては、圧電歪
み定数d33が高いものが望ましい。また、圧電体3の厚
み、つまり内部電極5a、5b間の距離は、小型化およ
び高い電界を印加するという点から0.05〜0.25
mmであることが望ましい。
【0019】積層体7の対向する側面には、導電性耐熱
接着層9a、9bがそれぞれ形成され、これらの導電性
耐熱接着層9a、9bには、金属板からなる導電性部材
10a、10bが接合されている。導電性耐熱接着層9
aと導電性部材10a、導電性耐熱接着層9bと導電性
部材10bにより、外部電極が構成されている。
【0020】導電性耐熱接着層9aには第1内部電極5
aの端部が接続され、第2内部電極5bの端部とは絶縁
され、また導電性耐熱接着層9bには第2内部電極5b
が接続され、第1内部電極5aの端部とは絶縁されてい
る。
【0021】即ち、第1内部電極5aの端部は積層体7
の側面に露出し、第2内部電極5bの端部は、凹溝11
内に充填された絶縁体13により、積層体7の側面に露
出していない。これにより、積層体7の側面に導電性耐
熱接着層9aを形成した際には、第1内部電極5aの端
部のみが導電性耐熱接着層9aと接続されることにな
る。
【0022】一方、第2内部電極5bの端部は積層体7
の側面に露出し、第1内部電極5aの端部は、凹溝11
内に充填された絶縁体13により、積層体7の側面に露
出していない。これにより、積層体7の側面に導電性耐
熱接着層9bを形成した際には、第2内部電極5bの端
部のみが導電性耐熱接着層9bと接続されることにな
る。
【0023】内部電極5a、5bは、積層体7の全ての
側面に露出しているが、そのうち2つの側面において、
内部電極5a、5b端部を含む圧電体3の端部1層おき
に凹溝11が形成され、該凹溝11内にガラス、エポキ
シ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリ
コーンゴム等の絶縁体13が充填されている。なお、該
絶縁体13は低ヤング率の材質、例えばシリコーンゴム
等が好ましい。
【0024】つまり、内部電極5a、5bは互い違いに
1層おきに絶縁され、絶縁されていない内部電極5a、
5bの他方の端部は、導電性耐熱接着層9a、9bによ
り接続され、この導電性耐熱接着層9a、9b上には金
属板からなる導電性部材10a、10bが積層され、こ
れらの導電性部材10a、10bにはリード線15がそ
れぞれ取り付けられている。
【0025】また、積層体7の積層方向の両端面には、
アクチュエータ本体1を機械的に保持し、発生する力を
外部へ伝達するための不活性部17が積層され、接合さ
れている。
【0026】そして、本発明の積層型圧電アクチュエー
タでは、アクチュエータ本体1の外周面には、図2に示
すように、シリコーンゴム層18が形成されており、こ
のシリコーンゴム層18を完全に被覆するように、水蒸
気透過率が15×10-9cc・cm/sec・cm2
cmHg・ΔT以下の外装樹脂19が被覆されている。
【0027】シリコーンゴム層18には炭素が含有され
ており、このように炭素を含有することにより、耐熱性
を向上することができる。炭素量は耐電圧性を維持する
という点から30重量%以下であることが望ましい。
【0028】また、水蒸気透過率が15×10-9cc・
cm/sec・cm2 ・cmHg・ΔT以下の外装樹脂
19としては、ナイロン、ポリエチレン、ポリカーボネ
ート等があるが、100℃以上の高温下に置かれること
から、耐熱性の高いテフロンが望ましい。
【0029】以上のように構成された積層型圧電アクチ
ュエータは、以下のプロセスにより製造される。先ず、
チタン酸ジルコン酸鉛Pb(Zr,Ti)O3 などの圧
電体セラミックスの仮焼粉末と、有機高分子からなるバ
インダーと、可塑剤とを混合したスラリーを作製し、ス
リップキャステイング法により、厚み50〜250μm
のセラミックグリーンシートを作製する。
【0030】このグリーンシートの片面に、内部電極5
a、5bとなる銀−パラジウムを主成分とする導電性ペ
ーストをスクリーン印刷法により1〜10μmの厚みに
印刷する。この導電性ペーストを乾燥させた後、導電性
ペーストが塗布された複数のグリーンシートを所定の枚
数だけ積層し、この積層体の積層方向の両端部に、導電
性ペーストが塗布されていないグリーンシートを積層す
る。
【0031】次に、これを50〜200℃で加熱を行い
ながら加圧を行い、一体化し、この後、所定の大きさに
切断した後、400〜800℃で5〜40時間、脱バイ
ンダが行われ、900〜1200℃で2〜5時間で本焼
成が行われ、積層体7を得る。この積層体7の4側面に
は、内部電極5a、5bの端部が露出している。
【0032】その後、該積層体7の2つの側面におい
て、内部電極5a、5b端部を含む圧電体3の端面に、
2つの側面において互い違いになるように、1層おきに
深さ50〜500μm、積層方向の幅50〜300μm
の凹溝11を形成し、該凹溝11にシリコーンゴムから
なる絶縁体13を充填し、内部電極5a、5bを互い違
いに1層おきに絶縁し、この側面に、導体(金属)を分
散させたポリイミド樹脂、Agガラス等を塗布して導電
性耐熱接着層9a、9bを形成し、この導電性耐熱接着
層9a、9b上には金属板からなる導電性部材10a、
10bを積層し、これらの導電性部材10a、10bに
リード線15を取り付ける。
【0033】この後、アクチュエータ本体1の外周面
に、例えば、デイッピング法によりシリコーンゴム層1
8を被覆し、更にその表面に低水蒸気透過率樹脂である
外装樹脂19をデイッピング法により被覆した後、0.
1〜3kVの分極電圧を印加し、圧電体3を分極処理す
ることで、最終的な積層型圧電アクチュエータが得られ
る。外装樹脂19は、この外装樹脂19が溶融した樹脂
溜中に、アクチュエータ本体1を浸漬し(デイッピング
法)、外周面に塗布することが望ましい。
【0034】以上のように構成された積層型圧電アクチ
ュエータでは、水蒸気透過率が15×10-9cc・cm
/sec・cm2 ・cmHg・ΔT以下の外装樹脂19
により、アクチュエータ本体1を被覆したので、高温、
高湿度化の環境下でも外装樹脂19により、外部からの
水蒸気の浸入を防止することができ、内部電極材のマイ
グレーションを抑制し、高信頼性を確保することができ
る。
【0035】また、アクチュエータ本体1と外装樹脂1
9との間に、低ヤング率のシリコーンゴム層18を介装
したので、一般に高ヤング率材料である外装樹脂19に
よる変位量の抑制を防止できるとともに、正極側の内部
電極5aと、他の負極側の内部電極5bとの絶縁性を確
保して沿面放電を抑制でき、これにより、高い電圧を圧
電板に印加し、大きい変位量を確保することができる。
【0036】さらに、シリコーンゴム層18中に炭素を
含有せしめることにより、シリコーンゴム層18の耐熱
性を向上でき、高温におけるヤング率上昇を防止し、ひ
び割れ等を防止して沿面放電を防止できる。
【0037】尚、本発明の積層型圧電アクチュエータ
は、四角柱、六角柱、円柱等、どのような柱体であって
も構わないが、切断の容易性から四角柱状が望ましい。
【0038】
【実施例】チタン酸ジルコン酸鉛Pb(Zr,Ti)O
3 などの圧電体セラミックスの仮焼粉末と、有機高分子
からなるバインダーと、可塑剤とを混合したスラリーを
作製し、スリップキャステイング法により、厚み150
μmのセラミックグリーンシートを作製した。
【0039】このグリーンシートの片面に内部電極5
a、5bとなる銀−パラジウムを主成分とする導電性ペ
ーストを、スクリーン印刷法により5μmの厚みに印刷
し、導電性ペーストを乾燥させた後、導電性ペーストが
塗布された複数のグリーンシートを100枚積層し、そ
の積層方向の両端部に、導電性ペーストが塗布されてい
ないグリーンシートをそれぞれ10枚積層した。
【0040】次に、これを100℃で加熱を行いながら
加圧を行い一体化し、10mm×10mmの大きさに切
断した後、800℃で10時間の脱バインダを行い、1
130℃で2時間で本焼成を行い、積層体7を得た。
【0041】その後、該積層体7の2つの側面におい
て、内部電極5a、5b端部を含む圧電体3の端面に、
該2つの側面において互い違いになるように、1層おき
に深さ100μm、積層方向の幅50μmの凹溝11を
形成し、その内部にシリコーンゴムを充填した。この
後、積層体7の2つの側面に導電性ポリイミド樹脂を塗
布して、絶縁されていない内部電極5a、5bの他方の
端部を導電性ポリイミド樹脂からなる導電性耐熱接着層
9a、9bで接続し、この導電性耐熱接着層9a、9b
に厚み0.5mmの銀箔からなる導電性部材10a、1
0bを密着させた状態で200℃で加熱硬化させ、外部
電極を形成した。
【0042】この後、正極用外部電極、負極用外部電極
にリード線15を接続し、アクチュエータ本体1の外周
面に、デイッピング法によりシリコーンゴム層18を被
覆し、更にその表面に、テフロン(水蒸気透過率:2.
94×10-9cc・cm/sec・cm2 ・cmHg・
ΔT)からなる低水蒸気透過率の2種類の外装樹脂19
を、デイッピング法によりそれぞれアクチュエータ本体
1に被覆した後、1kVの分極電圧を印加し、アクチュ
エータ本体1全体を分極処理して本発明の積層型圧電ア
クチュエータを作製した。また、ポリカーボネイト(水
蒸気透過率:1.0×10-9cc・cm/sec・cm
2 ・cmHg・ΔT)からなる外装樹脂19を形成した
積層型圧電アクチュエータも作製した。尚、水蒸気透過
率は、JIS K 7126に基づき測定した。
【0043】また、比較の為に同条件にてアクチュエー
タ本体1を作製し、その外周面にシリコーンゴム層(水
蒸気透過率:40×10-9cc・cm/sec・cm2
・cmHg・ΔT)のみを形成した積層型圧電アクチュ
エータも作製した。
【0044】得られた積層型圧電アクチュエータの耐久
性を比較するために、雰囲気温度100℃、湿度90
%、印加荷重300kgf下で、0Vから+200Vの
直流電界を50Hzの周波数にて1×109 回印加する
耐久試験を行った。
【0045】その結果、本発明の2種類の試料では変位
量15μmで1×109 回でも問題無く駆動したのに対
して、比較用の積層型圧電アクチュエータータでは、変
位量が14μmであったものの、1×107 回にて駆動
しなくなった。この比較用の積層型圧電アクチュエータ
の外周面を観察した結果、負極の多数の内部電極周辺が
黒く変色しており、その一部分が陽極とショートしてい
るのが確認された。
【0046】また、本発明者は、炭素20重量%を分散
含有したシリコーンゴム、並びに、炭素を含有しない従
来のシリコーンゴムについて、これらのシリコーンゴム
を230℃の雰囲気中に放置し、ヤング率の変化を測定
した。この結果を図3に示す。この図3より、従来の炭
素を含有しないシリコーンゴムでは、時間の経過ととも
にヤング率が高くなっているのに対して、炭素を含有す
る本発明のシリコーンゴムでは、1000時間経過後で
もヤング率が変化しないことが判る。従って、本発明に
用いられる炭素を含有するシリコーンゴムでは耐熱性が
良好であり、高温においてもひび割れや粉砕が発生しな
いことが判る。
【0047】尚、変位量の測定は、試料を防振台上に固
定し、試料上面にアルミニウム箔を張り付けて、レーザ
ー変位計により、素子の中心部及び周囲部3箇所で測定
した値の平均値で評価した。
【0048】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の積層型圧電
アクチュエータでは、アクチュエータ本体の外周面に、
水蒸気透過率が15×10-9cc・cm/sec・cm
2 ・cmHg・ΔT以下の外装樹脂を被覆したので、高
温、高湿度化の環境下でも外装樹脂により水蒸気の浸入
を防止することができ、内部電極材のマイグレーション
を抑制することができ、高信頼性を確保することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層型圧電アクチュエータを示す斜視
図である。
【図2】(a)は、図1のA−A線に沿う断面図、
(b)は図1のB−B線に沿う断面図である。
【図3】シリコーンゴムについて230℃に放置した時
間と、ヤング率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・アクチュエータ本体 3・・・圧電体 5a、5b・・・内部電極 7・・・積層体 18・・・シリコーンゴム層 19・・・外装樹脂

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の圧電体と複数の内部電極とを交互に
    積層してなり、少なくとも2つの側面に前記内部電極の
    端部が交互に露出した積層体と、該積層体の2つの側面
    にそれぞれ形成され、前記内部電極の端部を交互に接続
    する一対の外部電極とを具備するアクチュエータ本体の
    外周面に、水蒸気透過率が15×10-9cc・cm/s
    ec・cm2 ・cmHg・ΔT以下の外装樹脂を被覆し
    たことを特徴とする積層型圧電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】アクチュエータ本体の側面と外装樹脂との
    間には、シリコーンゴム層が形成されており、該シリコ
    ーンゴム層が外部に露出しないように外装樹脂により被
    覆されていることを特徴とする請求項1記載の積層型圧
    電アクチュエータ。
  3. 【請求項3】シリコーンゴム層は炭素を含有することを
    特徴とする請求項2記載の積層型圧電アクチュエータ。
  4. 【請求項4】外装樹脂がテフロンからなることを特徴と
    する請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の積層型圧
    電アクチュエータ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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