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JP2001101625A - 磁気抵抗効果型ヘッド及び磁気再生装置 - Google Patents

磁気抵抗効果型ヘッド及び磁気再生装置

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Publication number
JP2001101625A
JP2001101625A JP27847899A JP27847899A JP2001101625A JP 2001101625 A JP2001101625 A JP 2001101625A JP 27847899 A JP27847899 A JP 27847899A JP 27847899 A JP27847899 A JP 27847899A JP 2001101625 A JP2001101625 A JP 2001101625A
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JP
Japan
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magnetic
head
free layer
magnetization
layer
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JP27847899A
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Masatoshi Yoshikawa
川 将 寿 吉
Tomoki Funayama
山 知 己 船
Yuichi Osawa
沢 裕 一 大
Akio Hori
昭 男 堀
Takashi Koizumi
泉 隆 小
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気的な抵抗が低く且つ感度が高く効率の良
い磁化自由層を有するSV素子を搭載することにより高
出力化が可能なSVヘッド型の磁気抵抗効果ヘッド及び
磁気再生装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 SVヘッドの磁化自由層を、Ms・t
積の大きさにより中央部と端部(脇部)に分け、端部の
Ms・t積を中央部のそれよりも大きくする。端部のM
s・t積を大きくするには、磁化自由層に用いられる軟
磁性層のMsを高くするか、あるいは、膜厚を厚くする
ことが有効である。これにより、端部から効率的に中央
部に信号磁界を導くことができ、高感度化のために磁化
自由層の膜厚を薄くしても信号磁界を導入することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気抵抗効果型ヘ
ッド及び磁気再生装置に関する。より詳細には、本発明
は、磁気ヨークと磁気抵抗効果素子との磁気的な結合を
改善することにより高効率化させ高出力化した磁気抵抗
効果型ヘッド及びこれを用いた磁気再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録の高記録密度化が進み、
HDD(hard disc drive)では数Gbpsiを越える
高記録密度のシステムが実用化されており、さらなる高
記録密度化が要求されている。このような高記録密度な
磁気記録再生システムにおいては、再生ヘッドとして、
ある種の磁性体膜の電気抵抗が外部磁界により変化する
磁気抵抗効果(magnetoresistive effect)を利用し
た、「磁気抵抗効果ヘッド(以下、「MRヘッド」と称
する)」が注目されている。中でも、特に大きな磁気抵
抗効果を示すものとして、「スピンバルブ型磁気抵抗効
果素子(以下、「SV素子」と称する)」を搭載した
「スピンバルブ型磁気抵抗効果ヘッド(以下、「SVヘ
ッド」と称する)」が提案されている。
【0003】SV素子は、少なくとも1層以上の磁化固
着された磁化固着層(ピン層)と、磁化が自由に動ける
磁化自由層(フリー層)と、それらに挟まれる非磁性中
間層(スペーサ層)とからなる積層構造を有する素子で
ある。
【0004】以下に、従来のSVヘッドの代表例として
4種類の構造について説明する。
【0005】まず、図13及び図14は、従来のシール
ド型SVヘッドの構造を概念的に表す斜視図である。す
なわち、図13に表したヘッド100Aは、いわゆる
「横型」のSVヘッドであり、図14に表したヘッド1
00Bは、いわゆる「縦型」のSVヘッドである。
【0006】いずれのSVヘッドも、SV素子部102
と、その両端に設置されたセンス電流を通電するための
一対の電極103、103a、103bと、線記録密度
方向にSV素子部102の両側に設置されたシールド部
105とを有する。記録媒体200は、図示したように
ヘッドの下方に配置され、ヘッドとの間で相対的に移動
可能とされる。
【0007】また、センス電流は矢印Cで表され、SV
素子102の磁化固着層の磁化固着の方向は矢印Pで表
されている。
【0008】次に、図15及び図16は、従来の平面ヨ
ーク型SVヘッドの概略構造の斜視図を示す。すなわ
ち、図15に表したヘッド100Cは、いわゆる「横
型」のヨーク型SVヘッドであり、図16に表したヘッ
ド100Dは、いわゆる「縦型」のヨーク型SVヘッド
である。
【0009】図15に表した平面ヨーク型ヘッド100
Cは、同一平面上に形成され磁気ギャップを介して形成
された一対の磁気ヨーク107、107と、それらに磁
気的に結合した状態で配置されるSV素子部102と、
SV素子部の両端に配置される一対の電極103、10
3から構成される。
【0010】また、図16に表した縦型のヨーク型SV
ヘッド100Dは、フロントヨーク107Aと、バック
ヨーク107Bと、ボトムヨーク107Cと、フロント
ヨークとバックヨークとに磁気的に結合されたSV素子
102と、その両端に設置された一対の電極103A、
103Bとからなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図13乃至図
16に例示ような従来のSVヘッドは、いずれの構造に
おいても、記録媒体200の記録密度を高密度化する
と、十分な出力が得られなくなるという問題を有してい
た。
【0012】図17は、図13乃至図16に表したSV
ヘッドに設けられるSV素子102の構造を表す概念斜
視図である。同図に表したように、SV素子102は、
磁化自由層102Aと、磁化固着層102Cと、それら
に挟まれる非磁性中間層102Bとにより構成されてい
る。そして、これらいずれの層も、平面且つ均一な膜厚
の薄膜状に形成されている。
【0013】記録媒体200の高記録密度化が進展する
に従い、書き込まれる記録ビットのサイズが小さくなる
ために、記録ビットからの信号磁界すなわち磁気ヘッド
側からいうと媒体検出磁界が非常に小さくなる。これに
対して、SVヘッドでは、SV素子の磁化自由層102
Aの膜厚を薄くすることにより外部磁界に対する感度を
向上させる必要がある。また、出力を上げるために非磁
性中間層102Bの膜厚を薄くすることも検討されてい
る。
【0014】磁化自由層102Aが薄くなるほど、SV
素子102そのものの感度は向上する。しかし、膜厚が
薄くなると磁化自由層102Aの磁気的抵抗が増加する
ため、SVヘッドにおいてSV素子部102に侵入する
信号磁界の侵入効率が低下する。従って、図13乃至図
14に例示したようなシールド型SVヘッド100A、
100Bの場合には、磁気的抵抗の相対的な差から、媒
体からの信号磁界のほとんどがシールド部105に吸い
上げられることになる。つまり、SV素子部102には
十分な信号磁界が侵入せず、SVヘッドの出力が低下す
るという問題が生ずる。
【0015】同様の問題は、ヨーク型ヘッドの場合にも
生ずる。すなわち、図15乃至図16に例示したヨーク
型磁気抵抗効果ヘッド100C、100Dは、いずれの
場合も記録信号磁界を磁気ヨークから間接的にSV素子
102に導かなければならない。従って、SV素子の磁
化自由層102Aの膜厚を薄くするとSV素子102の
磁気的抵抗が非常に高くなり、磁気ヨークからSV素子
102の感磁部に磁束がほとんど入らずに、磁気ヨーク
とSV素子の間で信号磁界が漏洩してしまい、ヘッドと
して出力の向上が望めない。
【0016】以上詳述したように、従来のSVヘッドで
は、高密度化に伴うSV素子の磁化自由層厚が薄膜化に
より磁気的な抵抗が増大し、十分な信号磁界をSV素子
のセンス部に導くことが困難となり、SVヘッドの高出
力は望めなかった。
【0017】本発明は、かかる課題の認識に基づいてな
されたものである。すなわち、その目的は、磁気的な抵
抗が低く且つ感度が高く効率の良い磁化自由層を有する
SV素子を搭載することにより高出力化が可能なSVヘ
ッド型の磁気抵抗効果ヘッド及び磁気再生装置を提供す
ることにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の磁気抵抗効果型ヘッドは、磁気記録媒体か
らの信号磁界を検出する磁気抵抗効果型ヘッドであっ
て、磁化固着層と、磁化自由層と、前記磁化固着層と前
記磁化自由層との間に設けられた非磁性中間層と、を有
する磁気抵抗効果素子と、前記磁気抵抗効果素子の両端
に接続された一対の電極と、を備え、前記信号磁界は前
記磁気抵抗効果素子の脇部から中央部に流入し、前記磁
気抵抗効果素子の前記脇部における前記磁化自由層の膜
厚が前記中央部における膜厚よりも厚くされたことを特
徴とする。
【0019】または、本発明の磁気抵抗効果型ヘッド
は、磁気記録媒体からの信号磁界を検出する磁気抵抗効
果型ヘッドであって、磁化固着層と、磁化自由層と、前
記磁化固着層と前記磁化自由層との間に設けられた非磁
性中間層と、を有する磁気抵抗効果素子と、前記磁気抵
抗効果素子の両端に接続された一対の電極と、を備え、
前記信号磁界は前記磁気抵抗効果素子の脇部から中央部
に流入し、前記磁気抵抗効果素子の前記脇部においては
前記磁化自由層は第1の飽和磁化を有する材料により形
成され、前記磁気抵抗効果素子の前記中央部においては
前記磁化自由層は前記第1の飽和磁化よりも小さい第2
の飽和磁化を有する材料により形成されたことを特徴と
する。
【0020】または、本発明の磁気抵抗効果型ヘッド
は、磁気記録媒体からの信号磁界を検出する磁気抵抗効
果型ヘッドであって、磁化固着層と、磁化自由層と、前
記磁化固着層と前記磁化自由層との間に設けられた非磁
性中間層と、を有する磁気抵抗効果素子と、前記磁気抵
抗効果素子の両端に接続された一対の電極と、を備え、
前記信号磁界は前記磁気抵抗効果素子の脇部から中央部
に流入し、前記磁気抵抗効果素子の前記脇部においては
前記磁化自由層を構成する材料の飽和磁化とその膜厚と
の積が第1の値を有し、前記磁気抵抗効果素子の中央部
においては前記磁化自由層を構成する材料の飽和磁化と
その膜厚との積が前記第1の値よりも小さい第2の値を
有することを特徴とする。
【0021】図2に例示したものは、本発明の磁気抵抗
効果型ヘッドの磁気抵抗効果素子の概略構造の斜視図で
ある。同図に表したように磁気抵抗効果素子は、軟磁性
体からなる磁化自由層と、磁化固着層と、それらに挟ま
れる非磁性中間層から基本的には構成される。磁化固着
層は反強磁性体膜、あるいは、硬磁性体膜により磁化方
向が一方向に固着される。最近では、2層の軟磁性層の
間に非磁性中間層を積層した反平行型磁化固着層があ
る。本発明のSVヘッドの磁化自由層は、Ms・t積の
大きさにより中央部と端部(または「脇部」)に分けら
れる。端部のMs・t積は、中央部のそれよりも大き
い。端部のMs・t積を大きくするには、磁化自由層に
用いられる軟磁性層のMsを高くするか、あるいは、膜
厚を厚くすることが有効である。これにより、端部から
効率的に中央部に信号磁界を導くことができる。
【0022】ここで、図2にも表したように中央部と端
部は、ある傾斜を有する部分を経て接続されることが好
ましい。これにより、媒体からの信号磁界を効率的に感
磁部に導ける。
【0023】さらに中央部のみが感磁部となるように一
対の電極を中央部に設置するのが好ましい。これによ
り、磁化自由層に導かれる磁束の密度が高く、磁化自由
層の磁化回転が大きい部分を感磁部として規定でき、S
Vヘッドの出力の向上につながる。
【0024】さらに中央部の透磁率は端部の透磁率より
大きいかあるいは略同一であることが好ましい。これに
より、効率的に吸い上げられた信号磁界をシールド部に
逃がさずに、効率的に感磁部となる中央部に導ける。
【0025】ここで、本発明の実施の形態として、前記
磁気抵抗効果素子が、同一平面上に磁気ギャップを介し
て対向するように形成された一対の磁気ヨークに磁気的
に結合するよう配置されているものとすることができ
る。
【0026】さらに、前記磁化自由層の両端部が磁気的
等方性を有するものとすることがてきる。
【0027】このタイプの磁気抵抗効果型ヘッドの場
合、媒体からの信号磁界は磁気ヨークを通して間接的に
SV素子部に導かれる。従って、磁気ヨークの低磁気的
抵抗化および高透磁率化はもちろんのこと、磁気ヨーク
からいかにしてSV素子部に引き込めるかが重要とな
る。従って、SV素子部の磁化自由層の両端のMs・t
積を大きくすることにより磁気的抵抗を下げることが可
能となるので好ましい。さらに磁気ヨークとのオーバー
ラップ部分は、Ms・t積が大きいことが好ましい。
【0028】また、磁化自由層端部の磁気異方性を等方
的にすることにより、さらにSV素子方向への磁気的抵
抗を低減でき、効率的に磁気ヨークからの信号磁界をS
V素子部に導くことが可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施の形態について説明する。
【0030】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施の形態にかかる磁気ヘッドを表す概念図であ
る。すなわち、同図(a)は、本発明による平面ヨーク
型磁気抵抗効果型ヘッドの概略構造を表す一部透視平面
図であり、同図(b)はそのA−A線断面図である。
【0031】磁気抵抗効果型ヘッド10Aは、AlOx
・Ti・C(アルチック)等からなる基板11A上に形
成される。基板11Aの上にはAlOxからなる絶縁層
11Bが形成される。この絶縁層11Bの上には、磁気
ギャップ15を介して、磁性体からなる一対の磁気ヨー
ク17、17が形成される。この一対の磁気ヨークは、
基板11Aの主面と平行な同一面上に形成される。一対
の磁気ヨーク17、17は、例えばNiFe合金、アモ
ルファスCoZrNb合金などの軟磁性体の単層からな
るものとするか、または、これら軟磁性膜と反強磁性体
膜とからなる積層膜からなるものとすることができる。
磁気ヨーク17の磁気異方性は、一方向異方性かあるい
は等方性となるように制御されている。
【0032】SV素子12は、一対の磁気ヨーク17、
17に磁気的に結合するように一部分が磁気ヨーク17
にオーバーラップして配置される。
【0033】図2は、本実施形態の磁気ヘッドに搭載さ
れるSV素子12を表す斜視概念図である。
【0034】同図に表したようにSV素子12は、基本
的には、磁化自由層(フリー層)12A、非磁性中間層
(スペーサ層)12B、磁化固着層(ピン層)12Cに
より形成される。磁化自由層12Aは軟磁性体からな
り、磁化固着層12Cは反強磁性体膜あるいは硬磁性体
膜により磁化方向が一方向に固着される。また、磁化固
着層12Cの構成として、2層の軟磁性層の間に第2の
非磁性中間層を積層した反平行型の構造も採用すること
ができる。
【0035】本発明のSVヘッドの磁化自由層12A
は、Ms・t積(飽和磁化と膜厚との積)の大きさによ
り中央部Cと端部(または「脇部」)Eとに分けられ
る。端部EにおけるMs・t積は、中央部Cのそれより
も大きい。本実施形態においては、図1及び図2に表し
たように、端部(脇部)Eにおいて磁化自由層12Aの
膜厚を厚くした場合を例示した。これ以外にも、後に詳
述するように、端部Eにおいて磁化自由層12AのMs
を大きくしても良い。または、これらの方策を組み合わ
せても良い。
【0036】図1に表したように、両端部EのMs・t
積が大きい部分は、磁気ヨーク17とオーバーラップし
ている。これにより、端部Eから効率的に中央部に信号
磁界を導くことができる。
【0037】一方、中央部Cにおいては、磁化自由層1
2Aの膜厚は薄く且つ一定とされている。これにより、
信号磁界に対する感度を上げることができる。
【0038】また、図1乃至図2にも表したように、S
V素子12の中央部Cと端部Eは、傾斜を有する部分を
経て接続されることが好ましい。これにより、信号磁界
を磁気ヨーク17から効率的に中央部Cすなわち感磁部
に導ける。
【0039】一方、両端部Eにおける磁気異方性は、N
iFe/IrMnのような強磁性体膜/反強磁性体膜の
積層膜により等方性を有するものとすることが望まし
い。このようにすれば、Ms・t積を大きくしただけの
場合よりもさらにSV素子の中央部Cすなわち感磁部方
向への磁気的抵抗を小さくすることができる。
【0040】SV素子12の両端には、センス電流を通
電するための一対の電極13、13が電気的に接続され
設置されている。電極13は、Ta(タンタル),Cu
(銅),Au(金),Ti(チタン),W(タングステ
ン)等の材料からなる。一対の電極13、13の間隔に
よって「感磁部」が規定される。感磁部は、一対の磁気
ヨーク17、17よりも内側に設定されるように電極1
3、13を配置するのがよい。但し、さらなる高出力を
確保する場合はその限りではない。
【0041】さらに、SV素子の磁化自由層12Aに発
生する磁区を制御するため、すなわち磁化自由層12A
を単磁区化するために、SV素子12の両端には磁気バ
イアス膜18、18が設けられている。
【0042】図3は、バイアス膜18の作用を説明する
概念図である。本実施形態の平面ヨーク型磁気抵抗効果
型ヘッドにおいては、磁気バイアス膜18は、磁化自由
層12Aと磁気的に結合し、図中にMで表した方向にバ
イアス磁界を印加することによって磁化自由層12Aの
磁区の発生を抑制しバルクハウゼンノイズの発生を防ぐ
役割を有する。
【0043】また、ここで、磁化固着層12Cの磁化固
着方向とセンス電流iの通電方向が略平行となるように
磁化固着層12Cの磁化固着方向が設定されている。こ
のようにすれば、センス電流iによる磁界Hiがバイア
ス点に影響を及ぼすことがなくなり、センス電流として
大電流を通電できるために出力を上げることができる。
【0044】さらに、図3に表したように、本発明の磁
気抵抗効果型ヘッドにおいては、センス電流iはセンス
電流磁界Hiが磁気バイアス膜18の磁化方向Mと同じ
になるように通電される。これと逆方向に通電すると、
磁気バイアス膜18の効果を打ち消すように、磁化自由
層12Aにセンス電流磁界Hiが作用し、バイアス効果
が薄れてしまう。その結果として、磁化自由層12Aに
磁区が形成され、バルクハウゼンノイズが発生しやすく
なる。
【0045】これに対して、図3に表した方向にセンス
電流iを通電すると、バルクハウゼンノイズを抑制でき
ると共に、磁化固着層12Cにかかる磁気バイアス磁界
を打ち消すように作用し、磁化固着層磁化方向を安定化
する効果も得られる。
【0046】磁気バイアス膜18は、硬磁性体からな
り、例えばFe・Co・Oからなる硬磁性フェライト膜
やCoPt・SiOx等の高電気抵抗膜あるいは絶縁膜
を用いることが望ましい。磁気バイアス膜18は、その
上に形成する電極13と電気的に絶縁することが望まし
い。両者の絶縁を確保する方法としては、磁気バイアス
膜18の上にAlOx等からなる図示しない絶縁膜を形
成するか、あるいは、電極13との接触部分をFIB
(focused ion beam)等の加工方法を用いて切断する方
法がある。
【0047】再び図1に戻って説明すると、SV素子1
2は、磁気ヨーク17上のABS面(anti-bearing sur
face:媒体対向面)から所定の距離だけ後退させた磁気
ギャップ上に形成される。これによりABS面上にSV
素子12が露出することがなく、磁気ヘッド10Aが記
録媒体上を走行する場合、媒体と接触して磨耗により削
り落とされることがなくなる。また、媒体と接触したと
きに発生する熱によるヘッドの出力変動、すなわち、サ
ーマルアスペリティを回避できる。
【0048】図4は、本発明の磁気ヘッドと従来の磁気
ヘッドにおいて、磁気ヨークからSV素子に信号磁界が
流入する様子を概念的に表す斜視図である。同図(b)
に表した従来の磁気ヘッドにおいては、SV素子102
の磁化自由層102Aの膜厚は均一であり、高感度化の
ために磁化自由層の膜厚を薄くすると、磁気的な抵抗が
増加して、磁気ヨーク207からの信号磁界Hの流入が
妨げられて、外部に漏洩してしまう。
【0049】これに対して、本発明の磁気ヘッドにおい
ては、磁気ヨーク17との接触部において磁化自由層1
2AのMs・t積が大きくされている。つまり、磁気的
抵抗が低くされているため、図4(a)に表したよう
に、磁気ヨーク17からの信号磁界Hの流入を妨げるこ
とがない。磁気的な抵抗が低い端部Eにおいて磁化自由
層12Aに流入した信号磁界Hは、Ms・t積の傾斜部
を介して円滑に中央部Cすなわち感磁部に導入される。
その結果として、磁化自由層を高感度化させつつ、信号
磁界Hを十分に取り込んで高出力を確保することができ
る。
【0050】本発明者の検討の結果、本発明の平面ヨー
ク型磁気抵抗効果型ヘッドと従来のSV素子を用いた平
面ヨーク型磁気抵抗ヘッドの出力を比較した場合、従来
のヘッドの場合よりも1.5倍以上の出力が得られるこ
とが確認できた。
【0051】次に、本実施形態の磁気抵抗効果型ヘッド
の作成方法について説明する。
【0052】図5は、本実施形態の磁気抵抗効果型ヘッ
ドの要部製造工程を表す概略工程図である。すなわち、
図5(a)〜(d)は、それぞれ各工程における平面図
とそのA−A線断面図を表す。
【0053】磁気抵抗効果型ヘッドの製造にあたって
は、まず、図5(a)に表したように、基板上に磁気ヨ
ークとなるべき材料を堆積する。具体的には、AlOx
・Ti・C(アルチック)等からなる基板11A上にA
lOxなどからなる絶縁層11Bを形成し、その上に、
磁気ヨーク層17aを蒸着法あるいはスパッタリング法
などの方法により成膜する。磁気ヨーク層17aとして
は、例えば、Ta/NiFe/IrMn/NiFeから
なる積層膜を用いることができる。
【0054】次に、図5(b)に表したように、磁気ヨ
ーク層17aをパターニングする。具体的には、フォト
リソグラフィ技術により、磁気ヨーク層17aの上に磁
気ヨーク17のパターンのレジストマスクを形成し、ド
ライエッチングにより磁気ヨーク層17aをエッチング
し、レジストを除去する。ここで、磁気ギャップ15の
間隙は微細であるので、FIB等で加工することが望ま
しい。その後、磁気ギャップ15にSiOx等の非磁性
絶縁体を埋め込み、平坦化を行う。
【0055】次に、図5(c)に表したように、磁化自
由層12Aの一部12AEを形成する。具体的には、ま
ず、SV素子12の端部Eの磁化自由層の一部となるべ
き軟磁性層Ta/IrMn/NiFeを成膜する。そし
て、磁化自由層の中央部Cにあたる部分を選択的にエッ
チング除去する。例えば、フォトリソグラフィー技術に
より磁化自由層12Aの両端をレジストマスクで覆い、
この状態でイオンミリングやリアクティブイオンエッチ
ング等のドライエッチングを施すことによって、図5
(c)に表したように、両端部Eにのみ磁化自由層の一
部を残すことができる。
【0056】次に、図5(d)に表したように、SV膜
を成膜する。SV膜の積層構造は、例えばNiFe/C
oFe/Cu/CoFe/PtMn/Taとすることが
できる。SV膜を堆積した後、フォトリソグラフィーと
ドライエッチングによりパターニングして、SV素子1
2を形成する。
【0057】この後、図示しない磁気バイアス膜18を
成膜、パターニングし、さらに電極13をリフトオフ法
によって形成する。
【0058】以上のウェーハ工程終了後、270℃−1
0時間のSV素子磁化固着層固着アニール、200℃−
5時間の磁気ヨークおよび磁化自由層端部の等方化アニ
ールを行い、最後に磁気バイアス膜の磁化固着層磁化方
向と略直角な方向への着磁を行うことにより、磁気ヘッ
ドが完成する。
【0059】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態について説明する。
【0060】図6は、本発明の第2の実施の形態にかか
る磁気ヘッドを表す概念図である。すなわち、同図
(a)は、本発明による平面ヨーク型磁気抵抗効果型ヘ
ッドの概略構造を表す一部透視平面図であり、同図
(b)はそのA−A線断面図である。図6については、
図1乃至図5に関して前述した部分と同一の部分には同
一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0061】本実施形態の磁気抵抗効果型ヘッド10B
も、基板11A上に絶縁層11Bが形成され、その上
に、磁気ギャップ15を介して一対の磁気ヨーク17、
17が形成され、その上に形成されたSV素子22、電
極13、13及びバイアス膜18、18を有する。
【0062】本実施形態においても、SV素子22は、
基本的に磁化自由層22A、非磁性中間層22B及び磁
化固着層22Cを積層した構成を有する。但し、本実施
形態においては、磁化自由層22Aの両端部(両脇部)
Eは、膜厚が厚くされる代わりに、飽和磁化Msが高い
材料により形成されている。つまり、磁化自由層22A
は、両端部EはMsが相対的に高い材料により形成さ
れ、中央部CはMsが相対的に低い材料により形成され
ている。具体的には、例えば、磁化自由層22Aの両端
部EをCo90Fe10(Ms=1.8キロガウス)により
形成し、中央部CをNi80Fe20(Ms=1キロガウ
ス)により形成することができる。
【0063】このようにMsの高い材料を用いることに
よっても、磁気抵抗を下げることができる。その結果と
して、磁化自由層22Aの膜厚を薄くしても、磁気ヨー
ク17からの信号磁界の流入を妨げることがなくなる。
つまり、磁気的な抵抗が低い端部(脇部)Eにおいて磁
気ヨーク17から磁化自由層22Aに信号磁界を円滑に
流入させ、中央部Cすなわち感磁部に導入することがで
きる。その結果として、磁化自由層を薄膜化して高感度
化させつつ、信号磁界を十分に取り込んで高出力を確保
することができる。
【0064】次に、本実施形態の磁気抵抗効果型ヘッド
10Bの製造方法について説明する。
【0065】図7は、本実施形態の磁気抵抗効果型ヘッ
ド10Bの要部製造工程を表す工程断面図である。
【0066】同図(a)に表した状態は、図5(c)に
表した状態に対応する。すなわち、第1実施形態に関し
て前述したように、基板11Aの上に絶縁層11Bを形
成し、さらに磁気ヨーク17と磁気ギャップ15を形成
する。そして、この上に、磁化自由層の端部22AEと
して、Co90Fe10などのMsの高い材料を堆積し、パ
ターニングする。
【0067】次に、図7(b)に表したように、Ni80
Fe20などのMsの低い材料を堆積する。
【0068】次に、図7(c)に表したように、表面を
平坦化する。具体的には、CMP(chmical mechanical
etching:化学機械研磨)などの方法によりそのままエ
ッチングしても良く、または、中央部Cをマスキングし
て端部Eの上の層22AEエッチング除去しても良い。
【0069】次に、図7(d)に表したように、非磁性
中間層22Bと磁化固着層22Cをこの順に堆積する。
この後に、第1実施形態に関して前述したような工程を
施すことにより、磁気ヘッドが完成する。
【0070】以上説明したように、本実施形態によって
も、磁気的な抵抗が低い端部Eにおいて磁気ヨーク層か
ら磁化自由層に信号磁界を円滑に流入させ、中央部Cす
なわち感磁部に導入することかできる。その結果とし
て、磁化自由層を高感度化させつつ、信号磁界を十分に
取り込んで高出力を確保することができる。
【0071】さらに、本実施形態によれば、磁化自由層
の膜厚を一定にすることも可能となる。つまり、SV素
子22の表面に段差が形成されることを防ぎ、電極13
の「段切れ」などの問題を解消することもできる。
【0072】(第3の実施の形態)次に、本発明の第3
の実施の形態について説明する。
【0073】図8は、本発明の第3の実施の形態にかか
る磁気抵抗効果型ヘッドの要部を概念的に表す一部透視
斜視図である。すなわち、同図の磁気ヘッド10Cは、
SV素子を用いた横型磁気抵抗効果型ヘッドであり、媒
体200上に横方向に設けられたSV素子30と、その
両端に接続された一対の電極13、13とを有する。S
V素子30は、磁化自由層30Aと非磁性中間層30B
と磁化固着層30Cとを有し、ABS面側において磁化
自由層30A端部Eの膜厚が厚くされ、Ms・t積が大
きくされている。このようにすれば、媒体200からの
磁束を磁化自由層30Aに円滑に導入することが可能と
なる。つまり、磁化自由層30Aのより多くの信号磁界
を受けることが可能となる。
【0074】また、磁気ヘッド10Cにおいては、電極
13が磁化自由層30Aの膜厚が薄い部分すなわち低M
s・t積の部分に接続されている。このようにすれば、
磁化自由層30Aのうちで、膜厚が薄く感度が高い部分
を「感磁部」とすることができる。すなわち、磁化自由
層30Aのうちで膜厚の厚い端部は、信号磁界を集める
役割を果たし、膜厚が薄い部分は、集められた信号磁界
を電気信号に変換するための検出部としての役割を果た
す。
【0075】本実施形態は、縦型の磁気抵抗効果型ヘッ
ドについても同様に適用可能である。
【0076】図9は、本実施形態の変型例にかかる磁気
抵抗効果型ヘッドの要部を概念的に表す一部透視斜視図
である。すなわち、同図の磁気ヘッド10Dは、SV素
子を用いた縦型磁気抵抗効果型ヘッドであり、媒体20
0上に縦方向に設けられたSV素子40と、その両端に
接続された一対の電極13a、13bとを有する。
【0077】SV素子40は、磁化自由層40Aと非磁
性中間層40Bと磁化固着層40Cとを有し、ABS面
側において磁化自由層40A端部Eの膜厚が厚くされ、
Ms・t積が大きくされている。本変型例においても、
媒体200からの磁束を磁化自由層40Aに円滑に導入
することが可能となる。つまり、磁化自由層40Aのよ
り多くの信号磁界を受けることが可能となる。
【0078】また、磁気ヘッド10Dにおいても、電極
13a、13bが磁化自由層40Aの膜厚が薄い部分す
なわち低Ms・t積の部分に通電するように接続されて
いる。このようにすれば、磁化自由層40Aのうちで、
膜厚が薄く感度が高い部分を「感磁部」とすることがで
きる。すなわち、磁化自由層40Aのうちで膜厚の厚い
端部は、信号磁界を集める役割を果たし、膜厚が薄い部
分は、集められた信号磁界を電気信号に変換するための
検出部としての役割を果たす。
【0079】さらに、本変型例においては、ABS面側
の電極13bを接地することにより、記録媒体200と
接触した際にも静電破壊を起こすことが抑制される。さ
らに、熱拡散に優れるためにサーマルアスペリティにも
強くなる。
【0080】なお、図8及び図9においては、ABS面
側において磁化自由層の膜厚を厚くする具体例を表した
が、本発明はこれに限定されない。これ以外にも、例え
ば、第2実施形態に関して前述したように、ABS面側
において磁化自由層のMsが高くなるように材料を選択
しても良い。
【0081】または、ABS面側において磁化自由層の
Ms・t積が高くなるように磁化自由層の膜厚と材料と
を同時に変化させても良い。
【0082】(第4の実施の形態)次に、本発明の第4
の実施の形態として、本発明の磁気再生装置について説
明する。図1乃至図9に関して前述した本発明の磁気ヘ
ッドは、例えば、記録再生一体型の磁気ヘッドアセンブ
リに組み込まれ、磁気再生装置に搭載することができ
る。
【0083】図10は、このような磁気記録装置の概略
構成を例示する要部斜視図である。すなわち、本発明の
磁気記録再生装置150は、ロータリーアクチュエータ
を用いた形式の装置である。同図において、長手記録用
または垂直記録用磁気ディスク200は、スピンドル1
52に装着され、図示しない駆動装置制御部からの制御
信号に応答する図示しないモータにより矢印Aの方向に
回転する。磁気ディスク200は、長手記録用または垂
直記録用の記録層を有する記録媒体である。磁気ディス
ク200は、磁気ディスク200に格納する情報の記録
再生を行うヘッドスライダ153は、薄膜状のサスペン
ション154の先端に取り付けられている。ここで、ヘ
ッドスライダ153は、例えば、前述したいずれかの実
施の形態にかかる磁気ヘッドをその先端付近に搭載して
いる。
【0084】磁気ディスク200が回転すると、ヘッド
スライダ153の媒体対向面(ABS)は磁気ディスク
200の表面から所定の浮上量をもって保持される。
【0085】サスペンション154は、図示しない駆動
コイルを保持するボビン部などを有するアクチュエータ
アーム155の一端に接続されている。アクチュエータ
アーム155の他端には、リニアモータの一種であるボ
イスコイルモータ156が設けられている。ボイスコイ
ルモータ156は、アクチュエータアーム155のボビ
ン部に巻き上げられた図示しない駆動コイルと、このコ
イルを挟み込むように対向して配置された永久磁石およ
び対向ヨークからなる磁気回路とから構成される。
【0086】アクチュエータアーム155は、固定軸1
57の上下2箇所に設けられた図示しないボールベアリ
ングによって保持され、ボイスコイルモータ156によ
り回転摺動が自在にできるようになっている。
【0087】図11は、アクチュエータアーム155か
ら先の磁気ヘッドアセンブリをディスク側から眺めた拡
大斜視図である。すなわち、磁気ヘッドアッセンブリ1
60は、例えば駆動コイルを保持するボビン部などを有
するアクチュエータアーム151を有し、アクチュエー
タアーム155の一端にはサスペンション154が接続
されている。
【0088】サスペンション154の先端には、図1乃
至図9に関して前述したいずれかの再生用磁気抵抗効果
型ヘッドを具備するヘッドスライダ153が取り付けら
れている。記録用ヘッドを組み合わせても良い。サスペ
ンション154は信号の書き込みおよび読み取り用のリ
ード線164を有し、このリード線164とヘッドスラ
イダ153に組み込まれた磁気ヘッドの各電極とが電気
的に接続されている。図中165は磁気ヘッドアッセン
ブリ160の電極パッドである。
【0089】ここで、ヘッドスライダ153の媒体対向
面(ABS)と磁気ディスク200の表面との間には、
所定の浮上量が設定されている。
【0090】図12(a)は、浮上量が所定の正の値の
場合のヘッドスライダ153と磁気ディスク200との
関係を表す概念図である。同図に例示したように、通
常、多くの磁気記録装置においては、磁気ヘッド10を
搭載したスライダ153は、磁気ディスク200の表面
から所定の距離だけ浮上した状態で動作する。本発明に
おいては、このような「浮上走行型」の磁気記録装置に
おいても、従来よりも高分解能且つ高出力で低ノイズの
再生を行うことができる。すなわち、図1乃至図9に関
して前述したいずれかの磁気抵抗効果型ヘッドを採用す
ることにより、SV素子の感度を上げつつ信号磁界を円
滑に導入させることができる。つまり、従って、磁気デ
ィスク200の記録密度を上げて媒体磁化が小さくなっ
た場合でも、高感度且つ高出力で低ノイズの再生が可能
となる。
【0091】一方、記録密度がさらに上がると、浮上高
を低下させて、より磁気ディスク200に近いところを
滑空させて情報を読み取る必要が生ずる。例えば、1イ
ンチ平方あたり30G(ギガ)ビット程度の記録密度を
得るためには、もはや、浮上にしていることによるスペ
ーシングロスが大きくなり過ぎ、極低浮上によるヘッド
10と磁気ディスク200とのクラッシュの問題も無視
できなくなる。
【0092】そのため、磁気ヘッド10と磁気ディスク
200とを逆に積極的に接触させて、走行させる方式も
考えられる。
【0093】図12(b)は、このような「接触走行
型」のヘッドスライダ153と磁気ディスク200との
関係を表す概念図である。本発明の磁気ヘッドにおいて
も、媒体との接触面にDLC(Diamond-Like-Carbon)
潤滑膜などを設けることにより「接触走行型」のスライ
ダに搭載することが可能である。従って、図12(b)
に例示したような「接触走行型」の磁気再生装置におい
ても、高密度化により縮小された記録ビットからの微小
な信号磁界を確実に入力し、高い感度で検出することに
より低ノイズで安定した再生を行うことができるように
なる。
【0094】以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施
の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの
具体例に限定されるものではない。例えば、磁気抵抗効
果素子は、磁化自由層と非磁性中間層と磁化固着層とを
有していれば、具体例として挙げたものの他にも、当業
者が選択しうるあらゆる構造、材料から選択して用いる
ことが可能である。
【0095】同様に、磁気ヘッドを構成する各要素の材
料や形状などに関しても、具体例として前述したものに
は限定されず、当業者が選択しうる範囲のすべてを同様
に用いて同様の効果を奏し得る。
【0096】また、磁気再生装置に関しても、再生のみ
を実施するものでも、記録・再生を実施するものあって
も良く、また、媒体は、ハードディスクには限定され
ず、その他、フレキシブルディスクや磁気カードなどの
あらゆる磁気記録媒体を用いることが可能である。さら
に、磁気記録媒体を装置から取り外し可能した、いわゆ
る「リムーバブル」の形式の装置であっても良い。
【0097】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
記録媒体からの信号磁界を効率的にSV素子の磁化自由
層に導くことが可能となり、微小な記録ビットからの微
弱な信号磁界を確実に再生することができるようにな
る。その結果として、磁気記録媒体の記録密度を大幅に
向上することを可能とする磁気抵抗効果型ヘッド及びそ
れを用いた磁気再生装置を提供することが可能となり、
磁気記録関連産業上のメリットは非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる磁気ヘッド
を表す概念図である。すなわち、同図(a)は、本発明
による平面ヨーク型磁気抵抗効果型ヘッドの概略構造を
表す一部透視平面図であり、同図(b)はそのA−A線
断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態の磁気ヘッドに搭載され
るSV素子12を表す斜視概念図である。
【図3】バイアス膜18の作用を説明する概念図であ
る。
【図4】本発明の磁気ヘッドと従来の磁気ヘッドにおい
て、磁気ヨークからSV素子に信号磁界が流入する様子
を概念的に表す斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態の磁気抵抗効果型ヘッド
の要部製造工程を表す概略工程図である。すなわち、図
5(a)〜(d)は、それぞれ各工程における平面図と
そのA−A線断面図を表す。
【図6】本発明の第2の実施の形態にかかる磁気ヘッド
を表す概念図である。すなわち、同図(a)は、本発明
による平面ヨーク型磁気抵抗効果型ヘッドの概略構造を
表す一部透視平面図であり、同図(b)はそのA−A線
断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態の磁気抵抗効果型ヘッド
10Bの要部製造工程を表す工程断面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態にかかる磁気抵抗効
果型ヘッドの要部を概念的に表す一部透視斜視図であ
る。
【図9】本発明の第3実施形態の変型例にかかる磁気抵
抗効果型ヘッドの要部を概念的に表す一部透視斜視図で
ある。
【図10】本発明の磁気記録装置の概略構成を例示する
要部斜視図である。
【図11】アクチュエータアーム155から先の磁気ヘ
ッドアセンブリをディスク側から眺めた拡大斜視図であ
る。
【図12】(a)は、浮上量が所定の正の値の場合のヘ
ッドスライダ153と磁気ディスク200との関係を表
す概念図であり、(b)は、このような「接触走行型」
のヘッドスライダ153と磁気ディスク200との関係
を表す概念図である。
【図13】従来の「横型」のシールド型SVヘッドの構
造を概念的に表す斜視図である。
【図14】従来の「縦型」のシールド型SVヘッドの構
造を概念的に表す斜視図である。
【図15】従来の「横型」のヨーク型SVヘッドを表す
斜視図である。
【図16】従来の「縦型」のヨーク型SVヘッドを表す
斜視図である。
【図17】図13乃至図16に表したSVヘッドに設け
られるSV素子102の構造を表す概念斜視図である。
【符号の説明】
10A〜10D、100A〜D 磁気抵抗効果型ヘッド 11A 基板 11B 絶縁膜 12、22、30、40102 スピンバルブ素子(S
V素子) 12A、22A、30A、40A、102A 磁化自由
層(フリー層) 12B、22B、30B、40B、102B 非磁性中
間層(スペーサ層) 12C、22C、30C、40C、102C 磁化固着
層(ピン層) 13、103 電極 15 磁気ギャップ 17、107 磁気ヨーク 18 磁気バイアス部 150 磁気記録再生装置 152 スピンドル 153 ヘッドスライダ 154 サスペンション 155 アクチュエータアーム 156 ボイスコイルモータ 160 磁気ヘッドアセンブリ 200 媒体(磁気記録ディスク)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大 沢 裕 一 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 株式会 社東芝川崎事業所内 (72)発明者 堀 昭 男 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 株式会 社東芝川崎事業所内 (72)発明者 小 泉 隆 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 株式会 社東芝川崎事業所内 Fターム(参考) 5D034 BA05 BA09 BA16 BA18 BA30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気記録媒体からの信号磁界を検出する磁
    気抵抗効果型ヘッドであって、 磁化固着層と、磁化自由層と、前記磁化固着層と前記磁
    化自由層との間に設けられた非磁性中間層と、を有する
    磁気抵抗効果素子と、 前記磁気抵抗効果素子の両端に接続された一対の電極
    と、 を備え、 前記信号磁界は前記磁気抵抗効果素子の脇部から中央部
    に流入し、 前記磁気抵抗効果素子の前記脇部における前記磁化自由
    層の膜厚が前記中央部における膜厚よりも厚くされたこ
    とを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッド。
  2. 【請求項2】磁気記録媒体からの信号磁界を検出する磁
    気抵抗効果型ヘッドであって、 磁化固着層と、磁化自由層と、前記磁化固着層と前記磁
    化自由層との間に設けられた非磁性中間層と、を有する
    磁気抵抗効果素子と、 前記磁気抵抗効果素子の両端に接続された一対の電極
    と、 を備え、 前記信号磁界は前記磁気抵抗効果素子の脇部から中央部
    に流入し、 前記磁気抵抗効果素子の前記脇部においては前記磁化自
    由層は第1の飽和磁化を有する材料により形成され、 前記磁気抵抗効果素子の前記中央部においては前記磁化
    自由層は前記第1の飽和磁化よりも小さい第2の飽和磁
    化を有する材料により形成されたことを特徴とする磁気
    抵抗効果型ヘッド。
  3. 【請求項3】磁気記録媒体からの信号磁界を検出する磁
    気抵抗効果型ヘッドであって、 磁化固着層と、磁化自由層と、前記磁化固着層と前記磁
    化自由層との間に設けられた非磁性中間層と、を有する
    磁気抵抗効果素子と、 前記磁気抵抗効果素子の両端に接続された一対の電極
    と、 を備え、 前記信号磁界は前記磁気抵抗効果素子の脇部から中央部
    に流入し、 前記磁気抵抗効果素子の前記脇部においては前記磁化自
    由層を構成する材料の飽和磁化とその膜厚との積が第1
    の値を有し、 前記磁気抵抗効果素子の前記中央部においては前記磁化
    自由層を構成する材料の飽和磁化とその膜厚との積が前
    記第1の値よりも小さい第2の値を有することを特徴と
    する磁気抵抗効果型ヘッド。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1つに記載の磁気
    抵抗効果型ヘッドを備え、 磁気記録媒体に格納された磁化情報を再生可能とした磁
    気再生装置。
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