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JP2001098011A - 固体ポリオレフィン収容器及び固体ポリオレフィンの排出方法 - Google Patents

固体ポリオレフィン収容器及び固体ポリオレフィンの排出方法

Info

Publication number
JP2001098011A
JP2001098011A JP2000044229A JP2000044229A JP2001098011A JP 2001098011 A JP2001098011 A JP 2001098011A JP 2000044229 A JP2000044229 A JP 2000044229A JP 2000044229 A JP2000044229 A JP 2000044229A JP 2001098011 A JP2001098011 A JP 2001098011A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solid polyolefin
polyolefin
solid
container
purge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000044229A
Other languages
English (en)
Inventor
Naohiro Yamamoto
直弘 山本
Yutaka Sekine
裕 関根
Katsunori Tamai
克則 玉井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Polychem Corp
Original Assignee
Japan Polychem Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Polychem Corp filed Critical Japan Polychem Corp
Priority to JP2000044229A priority Critical patent/JP2001098011A/ja
Publication of JP2001098011A publication Critical patent/JP2001098011A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘着性ポリマーを収容した容器から該ポリマ
ーを安定的に排出しうる方法及び装置を提供することを
課題とする。 【解決手段】 パージ容器又はパウダー貯蔵槽として、
固体ポリオレフィン導入口と、テーブルフィーダーを設
けた固体ポリオレフィン排出口とを少なくとも備えた固
体ポリオレフィン収容器を用い、前記固体ポリオレフィ
ン排出口から前記テーブルフィーダーを通して固体ポリ
オレフィンを排出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体ポリオレフィ
ンを収容する容器、及び該容器から固体ポリオレフィン
を排出する方法に関する。詳しくは、重合で得られた固
体ポリオレフィンから未重合ガス状モノマーを分離する
工程もしくは造粒前のサイロ(貯蔵槽)に一次保管する
工程等において、容器から排出する際に閉塞がなく安定
的にポリマーを抜き出すための方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィンの重合槽から抜き出され
たポリマーは、通常、未重合ガス状モノマーを含む。こ
のため、製品化した固体ポリオレフィンを得るためには
両者を分離する必要があり、通常はガスパージ容器で分
離される。パージ容器で分離された固体ポリオレフィン
はパージ容器下部から排出され、必要に応じてサイロ等
の貯蔵槽に貯蔵・保管されたのち造粒され製品化され
る。よって、このような一連の工程において、パージ容
器及び/又は貯蔵槽から固体ポリオレフィンを排出する
工程が必要となる。
【0003】ガスパージ容器又はサイロ内からポリマー
を排出する方法としては、回転軸が水平となった横型の
回転供給機であるバルブ方式やロータリーフィーダー方
式が一般的である(ロータリーフィーダー方式の一例を
図2(c)に示す)。特に粉体性状が良好な場合は、ロ
ータリーフィーダーによる排出方法がコスト的に有利で
あり、装置の簡易さ及びメンテナンスの容易さという観
点からも有利である。ここで、ガスパージ容器は重合後
の未反応ガスと精製した固体ポリオレフィンとの分離を
兼ねた容器である。
【0004】例えば回転バルブ方式をポリマー排出に利
用する技術は、特開平1−178507、特開平5−1
86512、特開平6−206926、特開平9−12
4726などに開示がある。しかしながら、これらの実
施例は粉体性状が良好である場合に限られている。一
方、粒状ポリマーが粘着性のポリマーである場合、未反
応ガスの回収方法として、特開平5−186512、特
開平6−206926、特開平9−124726にガス
パージ方式が記載されているものの、ガスパージ容器か
らのポリマー排出方法については何ら開示がない。
【0005】回転バルブ方式やロータリーフィーダー方
式は、ポリマー排出の推進力をそれ自身がもつ重力だけ
に依存している。したがって、、パウダーが凝集性すな
わち粘着性を持つ場合は該パウダーの流動性が著しく低
下するため、回転バルブの空間、又はロータリーフィー
ダーの羽根と羽根の間の空間において、パウダー凝集物
によりポリマーの移送が困難になり、最終的には移送が
不可能になる。同じ現象が、サイロ下部やパージ容器下
部に設置されたロータリーフィーダーにおいても発生す
る。この傾向は、ポリマーの粘着性が高くなるほど顕著
である。ここで、粘着性ポリマーとは、一般に、粘着温
度より低い温度では粒状であるが粘着温度より高い温度
では凝集するポリマーである。
【0006】このように、粘着性ポリマーの排出を安定
的に行うための充分に満足できる方法は未だ確立されて
いないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、粘着性ポリ
マーを安定的に排出しうる方法及び装置を提供すること
を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を行った結果、固体ポリオレフィンを排出する工程にお
いて、固体ポリオレフィン収容器下部に設置されたテー
ブルフィーダーを用いることにより、上記課題を解決で
きることを見出した結果、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、固体ポリオレフィン
導入口と、テーブルフィーダーを設けた固体ポリオレフ
ィン排出口とを少なくとも備えた固体ポリオレフィン収
容器であって、前記固体ポリオレフィン排出口から前記
テーブルフィーダーを通して固体ポリオレフィンを排出
できるようにしたことを特徴とする、固体ポリオレフィ
ン収容器を提供する。
【0010】また、本発明は、ポリオレフィンの重合装
置における、重合された固体ポリオレフィンと未重合ガ
ス状モノマーとを分離するためのパージ容器である、前
記固体ポリオレフィン収容器を提供する。
【0011】また、本発明は、前記固体ポリオレフィン
導入口及び固体ポリオレフィン排出口に加え、さらにパ
ージガス導入口と、固体ポリオレフィン非通過性のスク
リーンを設けたガス排出口とを備えたパージ容器である
ことを特徴とする、前記固体ポリオレフィン収容器を提
供する。
【0012】また、本発明は、固体ポリオレフィンを貯
蔵又は保管するための貯蔵槽である、前記固体ポリオレ
フィン収容器を提供する。また、本発明は、前記テーブ
ルフィーダーが、羽根回転型であることを特徴とする、
前記固体ポリオレフィン収容器を提供する。
【0013】また、本発明は、前記いずれかの固体ポリ
オレフィン収容器から該固体ポリオレフィンを排出する
方法であって、該固体ポリオレフィンを前記テーブルフ
ィーダーを通して排出する工程を含む、固体ポリオレフ
ィンの排出方法を提供する。
【0014】また、本発明は、前記固体ポリオレフィン
が、粘着性ポリマーであることを特徴とする、前記固体
ポリオレフィンの排出方法を提供する。また、本発明
は、前記固体ポリオレフィンが、プロピレンブロックコ
ポリマーであることを特徴とする、前記固体ポリオレフ
ィンの排出方法を提供する。
【0015】また、本発明は、前記プロピレンブロック
コポリマーが、以下に示す式(I)を満たすものである
ことを特徴とする、前記固体ポリオレフィンの排出方法
を提供する。
【0016】
【数2】 Mw/10000<15+A×100 ・・・(I)
【0017】(式(I)中、Aはプロピレンブロックコ
ポリマーのゴム分率を表し、Mwは冷キシレン可溶分の
重量平均分子量を表す。ただし「冷キシレン可溶分」な
る用語はここでは次のように定義する。すなわち、試料
2gを300mLの沸騰キシレンに完全に溶解させ、そ
れを23℃まで冷却させたときのキシレン可溶分をい
う。)
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。本発明の固体ポリオレフィン収容器は、固体ポ
リオレフィン導入口と、テーブルフィーダーを設けた固
体ポリオレフィン排出口とを少なくとも備えたものであ
る。また、本発明の方法は、前記固体ポリオレフィン収
容器に収容された固体ポリオレフィンを、前記テーブル
フィーダーを通して排出する工程を含む固体ポリオレフ
ィンの排出方法である。
【0019】本発明の固体ポリオレフィン収容器の一例
の模式図を図1に示す。以下、本発明を図面に従って説
明する。なお、図1(a)は本発明の固体ポリオレフィ
ン収容器の最も簡単な例であり、パウダー貯蔵槽等に用
いられるものである。図1(b)は、さらにパージガス
導入口及びガス排出口を設けたものであり、パージ容器
等に用いられるものである。
【0020】本発明の固体ポリオレフィン収容器は、収
容器本体(図1中、2。以下同様)の上部に固体ポリオ
レフィン導入口1を、下部に固体ポリオレフィン排出口
3を少なくとも備えている。本発明では、前記固体ポリ
オレフィン排出口3にテーブルフィーダーが設けられて
いることを特徴とする。ここで、テーブルフィーダー
は、粉粒体の供給機の一種であり、「化学工業便覧」
(昭和63年3月18日発行:丸善株式会社)にも分類
して記載されているように、回転軸が水平のロータリー
フィーダーとは異なる、回転軸が垂直の縦軸回転型フィ
ーダーである。テーブルフィーダーの方式には(A)底
面回転型、(B)羽根回転型、などがある。図2にテー
ブルフィーダーの一例を示す。図2中、(a)は底面回
転型のテーブルフィーダーの一例であり、(b)は羽根
回転型のテーブルフィーダー(ペーレフィーダー)の一
例である。なお、図2中(c)に従来の固体ポリオレフ
ィン排出に用いられたロータリーフィーダーの一例を示
す。
【0021】本発明では、このような垂直軸型のテーブ
ルフィーダーを用いることにより、水平軸型のフィーダ
ーを用いた場合に比べて、より安定的に固体ポリオレフ
ィンを排出することができる。特に固体ポリオレフィン
が粘着性ポリマーである場合、本発明の効果が顕著に発
揮される。
【0022】本発明で利用されるテーブルフィーダーの
方式は特に限定されないが、好ましくは羽根回転型テー
ブルフィーダーがよい。羽根回転型テーブルフィーダー
の具体的な構造は、例えば(株)アイピーシー社発行の
「粉粒体精密供給技術」にも詳しく記載されている。羽
根回転型テーブルフィーダーは、強制的にポリマーを掻
き出して排出口に送り出すので、固体ポリオレフィンの
排出がより容易であり、特に粘着性ポリマーの排出に好
適である。このような羽根回転型テーブルフィーダーと
しては、例えば図3に示した装置(椿本興業(株)製、
商品名「つばきサークルフィーダー」)などのような市
販品を使用することができ、これらを固体ポリオレフィ
ン排出口に取り付ければよい。
【0023】本発明の固体ポリオレフィン収容器の好ま
しい例として、ポリオレフィンの重合プロセス、好まし
くは気相重合プロセスにおいて用いられる、重合された
固体ポリオレフィンと未重合ガス状モノマーとを分離す
るためのパージ容器を挙げることができる。
【0024】ポリオレフィンの重合プロセスの一例(ポ
リプロピレンの気相重合プロセス)を図4に示す。ポリ
プロピレンの一般的な気相重合プロセスでは、まず原料
プロピレンガス及びエチレンガスと触媒とを前段重合槽
へ供給してプロピレンの単独重合又はランダム共重合を
行い、プロピレンホモポリマー又はランダムコポリマー
を製造する。次いで、必要ならば前段重合槽で得られた
生成物を後段重合槽へ移送し、そこでプロピレンとエチ
レンとの共重合を行うことにより、プロピレン・エチレ
ンブロックコポリマーを製造する。前段重合槽及び後段
重合槽は複数であっても構わない。このようにして得ら
れたポリマー(固体ポリマー)は、通常未重合のガス状
モノマーを含むため、パージビン(パージ容器)に移送
され、ここで未重合ガス状モノマーを除去される。
【0025】かかるパージ容器の好ましいものは、前述
した本発明の固体ポリオレフィン収容器において、容器
本体2に、前記固体ポリオレフィン導入口1及び固体ポ
リオレフィン排出口3に加え、さらにパージガス導入口
4と、固体ポリオレフィン非通過性のスクリーン6を設
けたガス排出口5とを備えたものである。図2(b)に
本発明のパージ容器の一例の模式図を示す。
【0026】前段重合槽もしくは後段重合槽から排出さ
れる固体ポリマーは、該固体ポリマー及び未重合モノマ
ーに対して不活性な搬送用ガスによってパージ容器の上
部にある固体ポリオレフィン導入口1からパージ容器2
内に導入される。一方、該固体ポリマー及び未重合モノ
マーに対して不活性なパージガスを、パージ容器底部に
設けられた前記パージガス導入口4からパージ容器2内
に供給し、パージ容器内で固体ポリマーとパージガスと
を向流的に接触させる。パージガス中に水分を含んでい
てもよい。これにより、パージ容器内には、パージガ
ス、搬送用ガス及び未重合ガス状モノマーを含有するガ
ス流れと、未重合ガス状モノマー含有量が減少した固体
ポリマー流れとが生じる。パージガス、搬送用ガス及び
未重合ガス状モノマーを含有するガス流れは、パージ容
器上部に設けられたガス排出口5より排出される。前記
ガス排出口には、固体ポリオレフィン非通過性のスクリ
ーン6が備えられている。
【0027】一方、パージガスとの接触により未重合ガ
ス状モノマー含有量が減少した固体ポリマーは、パージ
容器底部に設けられた固体ポリオレフィン排出口3か
ら、テーブルフィーダーを通して排出される。排出され
た固体ポリオレフィンは、そのまま造粒工程へ誘導され
製品化されるか、あるいは一旦パウダー貯蔵槽へ誘導さ
れ貯蔵又は保管された後、造粒工程へ誘導されて製品化
される。
【0028】なお、使用される搬送用ガス及びパージガ
スは、好ましくは窒素であるが、固体ポリマー及び未重
合モノマーに対して実質的に不活性なガスであれば他の
いかなるガスを用いることもできる。また、酸素が実質
的に除去されているものが好ましい。また、必要ならば
水分を含んでいてもよい。
【0029】このようなポリプロピレン気相重合プロセ
スをはじめとして、上述したパージ容器を用いる様々な
重合プロセスが、東京化学同人社発行の「化学プロセ
ス」(第1版)第182〜194頁、等に記載されてい
る。前記「化学プロセス」の図15.6、図15.7、
図15.8には「パージビン」が記載されている。本発
明のパージ容器は、これらの容器のいずれにも好適に用
いることができる。
【0030】本発明の固体ポリオレフィン収容器は、ま
た、製造された固体ポリオレフィンを一時的に貯蔵又は
保管するための貯蔵槽(サイロ)としても好適に用いる
ことができる。すなわち、例えば上記図4に示す重合プ
ロセスにおいては、排出された固体ポリオレフィンは、
一旦パウダー貯蔵槽へ誘導して貯蔵又は保管した後、該
貯蔵槽から固体ポリオレフィンを排出して造粒工程へ誘
導し、製品化する。この際固体ポリオレフィンは、貯蔵
槽底部に設けられた固体ポリオレフィン排出口から、テ
ーブルフィーダーを通して排出される。
【0031】かかる貯蔵槽の例として、上記「化学プロ
セス」中、図15.2、図15.3には、造粒機又は押
出機の前に、「貯蔵槽」(「パウダー貯蔵槽」)が記載
されている。これらの設備に本発明の固体ポリオレフィ
ン収容器を使用することができる。前記貯蔵槽は、気相
重合プロセスだけでなく、スラリー重合プロセス、バル
ク重合プロセス、高圧重合プロセス等にも用いることが
できる。
【0032】上述したように、本発明の固体ポリオレフ
ィン排出方法は、オレフィン重合プロセスで用いられる
パージ容器又は貯蔵槽に好ましく適用されるが、その中
でも、気相重合で生成した固体ポリオレフィンと未重合
モノマーを分離するために用いられるパージ容器(パー
ジビン)におけるポリオレフィンの抜き出し工程に適用
すると効果が大きい。
【0033】本発明の排出方法に適した固体ポリオレフ
ィンは、特に限定されるものではなく、種々の既知の技
術によって製造された固体ポリオレフィンが適用され、
また固体ポリオレフィンの製造に用いられる触媒系も特
に限定されないが、好ましくは粘着性ポリマーと呼ばれ
る凝集しやすい非易流動性のポリマーが挙げられる。す
なわち、本発明の方法は、かかる粘着性ポリマーに適用
した場合に特に有効である。
【0034】固体ポリオレフィンのパウダーが凝集性す
なわち粘着性を持つ場合は該パウダーの流動性が著しく
低下するため、パウダー凝集物によりポリマーの移送が
困難になる傾向にあり、従来の水平軸型フィーダーで
は、固体ポリオレフィン排出口において閉塞による排出
トラブルが発生しやすくなる。ここで、粘着性ポリマー
とは、一般に、粘着温度より低い温度では粒状であるが
粘着温度より高い温度では凝集するポリマーである。ま
た、粘着温度とは、流動床におけるポリマーの粒子が凝
集することにより流動が停止する温度である。凝集は自
然に発生し、あるいは短時間の沈降の際に起こり得る。
【0035】前記粘着性ポリマーの例には、エチレン・
プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンターポ
リマーゴム、ポリブタジエンゴム、高ゴム含量プロピレ
ンブロックコポリマー、ポリ(1−ブテン)、超低密度
(低モジュラス)ポリエチレン即ちエチレン・ブテンゴ
ム又はヘキセン含有ターポリマー、並びに低密度エチレ
ン・プロピレン・エチリデンノルボルネンターポリマー
が包含される。
【0036】これらのうち、より好ましいものはプロピ
レン・エチレンブロックコポリマー等のプロピレンブロ
ックコポリマーであり、特に好ましいものは、以下に示
す式(I)を満たすプロピレンブロックコポリマーであ
る。
【0037】
【数3】 Mw/10000<15+A×100 ・・・(I)
【0038】ただし、上記式(I)中、Aはプロピレン
ブロックコポリマーのゴム分率を表し、Mwは冷キシレ
ン可溶分の重量平均分子量を表す。なお、「冷キシレン
可溶分」なる用語はここでは次のように定義する。すな
わち、試料2gを300mLの沸騰キシレンに完全に溶
解させ、それを23℃まで冷却させたときのキシレン可
溶分をいう。
【0039】かかる式(I)を満たすプロピレンブロッ
クコポリマーは、ゴム分率が高く粘着性の高いポリマー
であり、本発明の方法を用いることにより、格段に排出
工程が安定し、排出口における閉塞等のトラブルが解消
される。上記式(I)を満たすプロピレンブロックコポ
リマーは、従来公知の一般的な製造方法において、例え
ば重合時のエチレン等のコモノマー成分の比率を適宜調
整する等の方法により得ることができる。
【0040】
【実施例】以下に、本発明を実施例により更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、これ
ら実施例によって制約を受けるものではない。なお、以
下の実施例では、説明を容易にするために固体ポリオレ
フィンとしてポリプロピレンブロックコポリマーを用い
ているが、本発明で適用できる固体ポリオレフィンがこ
れに限定されないことは言うまでもない。
【0041】
【測定方法】(1)プロピレンブロックコポリマーのゴ
ム分率A プロピレオンブロッックコポリマーのゴム分率Aは、次
のようにして測定する。すなわち、試料2gを300m
Lの沸騰キシレンに完全に溶解させ、それを23℃まで
冷却させたときのキシレン可溶分(冷キシレン可溶分)
の重量を測定し、可溶分の全試料に対する割合をゴム分
率Aとした。 (2)冷キシレン可溶分の重量平均分子量Mw Waters社製ゲル・パーミエイション・クロマトグ
ラフ150C GPC/ALCを用い、o−ジクロルベ
ンゼンを溶媒として測定温度140℃にて、ポリプロピ
レン換算の重量平均分子量Mwを算出した。
【0042】
【実施例1】本実施例で用いた重合反応系及び後処理系
は、パージ容器としてその底部にテーブルフィーダーを
設置したものを用いた以外は、図4に記載した装置に準
じた系で行った。また、テーブルフィーダーとしては、
椿本興業(株)製、商品名「つばきサークルフィーダ
ー」を使用した。
【0043】まず、気相流動床反応器を用い、第1反応
器でプロピレンホモ重合を、次いで第2反応器でプロピ
レン・エチレン共重合を行い、プロピレンブロックコポ
リマーを20.0t/hrで製造した。該ポリマーのゴ
ム分率(A)は0.20であり、冷キシレン可溶分の分
子量(Mw)は26万であった。図2(b)に示すパー
ジ容器を用い、固体ポリオレフィン導入口から前記ポリ
マーを導入し、下部のガス導入口から窒素ガスを導入し
てガスパージを行い、一方で固体ポリオレフィン排出口
から固体のプロピレンブロックコポリマーを排出した。
192時間連続運転を行ったがパージ容器からのパウダ
ーの排出は安定に推移し、閉塞トラブルは発生しなかっ
た。
【0044】
【実施例2】実施例1と同様の気相流動床反応器を用
い、第1反応器でプロピレンホモ重合を、次いで第2反
応器でプロピレン・エチレン共重合を行い、プロピレン
ブロックコポリマーを18.0t/hrで製造した。該
ポリマーのゴム分率(A)は0.28であり、冷キシレ
ン可溶分の分子量(Mw)は27万であった。パージ容
器での運転条件を表1に示す。144時間連続運転を行
ったが、パージ容器からのパウダーの排出は安定に推移
し、閉塞トラブルは発生しなかった。
【0045】
【実施例3】実施例1と同様の気相流動床反応器を用
い、第1反応器でプロピレンホモ重合を、次いで第2反
応器でプロピレン・エチレン共重合を行い、プロピレン
ブロックコポリマーを12.0t/hrで製造した。該
ポリマーのゴム分率(A)は0.55であり、冷キシレ
ン可溶分の分子量(Mw)は60万であった。54時間
連続運転を行ったが、パージ容器からのパウダーの排出
は安定に推移し、閉塞トラブルは発生しなかった。
【0046】
【比較例1】排出する装置をロータリーフィーダータイ
プにした以外は実施例1と同様に行った。運転を開始し
てから20時間後ロータリーフィーダーにて閉塞が発生
し、ポリマーの連続的な排出が不可能となり、運転停止
に至った。
【0047】
【発明の効果】本発明の装置及び方法によれば、プロピ
レンブロックコポリマーのような凝集しやすい粘着性ポ
リマーでも、パウダー貯蔵槽やパージ容器の下部からポ
リマーを排出する際の閉塞による排出トラブルがなく、
安定的にポリマーの排出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の固体ポリオレフィン収容器の一例の
模式図を示す図である。
【図2】 テーブルフィーダーの一例を示す図である。
(a)は底面回転型テーブルフィーダーの一例であり、
(b)は羽根回転型テーブルフィーダーの一例であり、
(c)はロータリーフィーダーの一例である。
【図3】 本発明で用いられる羽根回転型テーブルフィ
ーダーの一例を示す図である。
【図4】 本発明の固体ポリオレフィン収容器を使用し
うるポリオレフィンの重合プロセスの一例(ポリプロピ
レンの気相重合プロセス)を示す図である。
【符号の説明】
1.固体ポリオレフィン導入口 2.容器本体 3.固体ポリオレフィン排出口 4.パージガス導入口 5.ガス排出口 6.スクリーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉井 克則 茨城県鹿島郡神栖町東和田17番地−1 三 菱化学鹿島事業所内 Fターム(参考) 3E070 AA19 AB15 GA06 GA20 VA03 WF18 WG06 4J011 AA01 DB28 4J100 AA02Q AA03P AA04P AA04Q AA16R AS00R AS02P AS15R CA01 CA04 CA05 DA01 DA44 GB18

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体ポリオレフィン導入口と、テーブル
    フィーダーを設けた固体ポリオレフィン排出口とを少な
    くとも備えた固体ポリオレフィン収容器であって、前記
    固体ポリオレフィン排出口から前記テーブルフィーダー
    を通して固体ポリオレフィンを排出できるようにしたこ
    とを特徴とする、固体ポリオレフィン収容器。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィンの重合装置における、重
    合された固体ポリオレフィンと未重合ガス状モノマーと
    を分離するためのパージ容器である、請求項1記載の固
    体ポリオレフィン収容器。
  3. 【請求項3】 前記固体ポリオレフィン導入口及び固体
    ポリオレフィン排出口に加え、さらにパージガス導入口
    と、固体ポリオレフィン非通過性のスクリーンを設けた
    ガス排出口とを備えたパージ容器であることを特徴とす
    る、請求項2記載の固体ポリオレフィン収容器。
  4. 【請求項4】 固体ポリオレフィンを貯蔵又は保管する
    ための貯蔵槽である、請求項1記載の固体ポリオレフィ
    ン収容器。
  5. 【請求項5】 前記テーブルフィーダーが、羽根回転型
    であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記
    載の固体ポリオレフィン収容器。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の固体ポ
    リオレフィン収容器から該固体ポリオレフィンを排出す
    る方法であって、該固体ポリオレフィンを前記テーブル
    フィーダーを通して排出する工程を含む、固体ポリオレ
    フィンの排出方法。
  7. 【請求項7】 前記固体ポリオレフィンが、粘着性ポリ
    マーであることを特徴とする、請求項6記載の固体ポリ
    オレフィンの排出方法。
  8. 【請求項8】 前記固体ポリオレフィンが、プロピレン
    ブロックコポリマーであることを特徴とする、請求項7
    記載の固体ポリオレフィンの排出方法。
  9. 【請求項9】 前記プロピレンブロックコポリマーが、
    以下に示す式(I)を満たすものであることを特徴とす
    る、請求項8記載の固体ポリオレフィンの排出方法。 【数1】 Mw/10000<15+A×100 ・・・(I) (式(I)中、Aはプロピレンブロックコポリマーのゴ
    ム分率を表し、Mwは冷キシレン可溶分の重量平均分子
    量を表す。)
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