JP2001097893A - 高純度有機化合物の製造方法 - Google Patents
高純度有機化合物の製造方法Info
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Abstract
製造過程でその沸点よりも低い温度で昇華を開始する昇
華性物質を不純物として含む粗有機化合物を、蒸留とい
う簡単な方法により昇華性物質の付着による悪影響を受
けることなく精製し、目的とする有機化合物を効率よく
得る方法を提供する。 【解決手段】 目的とする有機化合物の沸点より低い沸
点を有する化合物、例えば、カルボニル基含有化合物の
存在下に蒸留を行う。例えば、アダマンタン(昇華開始
温度室温以下)等の昇華性不純物を含む2−メチル−2
−アダマンチルメタクリレート(沸点92℃/0.3m
mHg)を蒸留するに際し、1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン(沸点225℃)の存在下に蒸留を行
う。
Description
性物質を含む粗有機化合物を効率よく蒸留精製すること
によって、高純度の有機化合物を製造する方法に関す
る。
沸点化合物を蒸留精製する場合、昇華性物質が昇華して
配管を閉塞する危険性があり、また、配管に付着した固
体の昇華性物質が後から留出してくる高沸点化合物に溶
解して、高沸点化合物の純度が上がらなくなるという問
題があり、蒸留精製は困難であった。
ってきており、特に半導体製造プロセスに使用する製品
には金属成分の低減が厳しく要求されている。また、こ
のような金属成分を効率よく除去できる精製法として
は、蒸留精製が適している。
リレートのポリマーは、半導体製造プロセスにおけるド
ライエッチング耐性が高いことが報告され(例えば特開
平5−265212号公報)、半導体用レジスト材料と
しての可能性が注目されている。これらアルキルアダマ
ンチル(メタ)アクリレートにおいても半導体用レジス
ト材料として使用する場合には金属成分が低減された高
純度のものが要求される。
ートは、一般にアダマンタンを原料に、アダマンタノン
を経てアルキルアダマンタノールを得、これと(メタ)
アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)ア
クリル酸の無水物、又は(メタ)アクリル酸ハロゲン化
物との反応により製造できることが知られている。しか
し、目的化合物であるアルキルアダマンチル(メタ)ア
クリレートは高沸点の化合物であり、未反応原料や反応
副生成物として混入しているアダマンタン、アダマンタ
ノン、アルキルアダマンタノール等は、目的化合物の沸
点より昇華開始温度(昇華点)の低い昇華性物質である
ことから、目的化合物を蒸留により効率よく精製するこ
とが困難であった。
に効率的な蒸留精製方法が知られていなかった、昇華性
物質を不純物として含む粗有機化合物について、効率的
な精製方法を採用して高純度の目的化合物を製造する方
法を提供することを目的とする。
解決すべく鋭意検討を行った。その結果、目的とする有
機化合物の沸点より低い沸点を有する化合物の存在下に
粗有機化合物を蒸留することにより、目的とする有機化
合物を効率よく精製できることを見出し、本発明を完成
するに至った。
沸点より低い温度で昇華する昇華性物質を不純物として
含む粗有機化合物を蒸留して高純度有機化合物を製造す
る方法において、該有機化合物の沸点より低い沸点を有
する化合物の存在下に該蒸溜を行ない、該有機化合物の
沸点より低い沸点を有する化合物の留出により、昇華し
て蒸留装置内部に付着した昇華性物質を洗い落とすか、
または、昇華性物質の蒸留装置内部への付着を防ぎ、次
いで留出する該有機化合物を回収することを特徴とする
高純度有機化合物の製造方法である。
機化合物の沸点より低い温度で昇華する昇華性物質(以
下、低温昇華性物質ともいう。)を含む粗有機化合物
(以下、被精製物ともいう。)を蒸留する。このとき被
精製物としては、低温昇華性物質を含む粗有機化合物で
あれば特に限定されない。例えば、(i)目的とする有
機化合物の沸点より低い温度で昇華する昇華性物質を原
料として化学反応により該有機化合物を合成して得られ
る、未反応原料が残存する反応液、(ii)或いは該反応
液から得られる粗生成物であって前記原料を不純物とし
て含むもの、又は(iii)化学反応により有機化合物を
合成する際に副生成物として生成し、該有機化合物の沸
点より低い温度で昇華する昇華性物質を含む反応液、或
いは(iv)該反応液から得られる粗生成物であって前記
副生成物を不純物として含むものなどが使用される。
て昇華性の合成原料や反応副生物が不可避的に混入する
ような有機化合物としては、アルキルアダマンチルエス
テルを挙げることができる。アルキルアダマンチルエス
テルの合成反応においては、昇華性物質であるアダマン
タン、アダマンタノン、アルキルアダマンタノール等の
合成原料や合成反応における副生成物が生成物中に不可
避的に混入する。このような合成反応において得られる
粗有機化合物は、本発明における蒸溜の対象物として好
適である。
常圧における沸点が100℃以上、1mmHgの減圧下
で40℃以上であるような高沸点の化合物であり、この
ような有機化合物の沸点と低温昇華性物質の昇華開始温
度との差が10℃以上、特に20〜100℃である場合
に、本発明の方法は特に好適である。
タノンを経てアルキルアダマンタノールを得、これと
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、
(メタ)アクリル酸の無水物、又は(メタ)アクリル酸
ハロゲン化物等との反応によりアルキルアダマンチル
(メタ)アクリレート等のアルキルアダマンチルエステ
ルが製造される。この場合、得られる反応液あるいは該
反応液から得られる粗製品は、一般に、未反応原料や反
応副生成物であるアダマンタン、アダマンタノン、アル
キルアダマンタノール等を不純物として含んでおり、こ
れらの不純物は蒸留時の真空度にもよるが、一般に目的
化合物であるアルキルアダマンチルエステルの沸点より
昇華開始温度が100℃〜10℃程度低い低温昇華性物
質である。この様な反応液等から目的化合物を蒸溜によ
り精製する方法として本発明の方法を特に好適に採用す
ることができる。
チルエステルは、下記一般式(1)
のアルキル基であり、R4は水素原子又はメチル基であ
る。)で示される。
1〜6のアルキル基であり、R4は水素原子又はメチル
基である。R3で示されるアルキル基を具体的に例示す
れば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘ
キシル基等の直鎖アルキル基;及びイソプロピル基、第
3級ブチル基、ネオペンチル基等の分岐アルキル基を挙
げることができる。特に、半導体用レジストの原料とし
て有用であり、特に高純度化が重要であるという観点か
ら、前記一般式(2)で示されるもの中でもR3がメチ
ル基、エチル基、またはブチル基であり、R4が水素ま
たはメチル基であるものが好適である。
する有機化合物及び低温華性物質以外の物質(以下、第
三物質ともいう。)、例えば、昇華性を有さない物質、
或いは昇華性を有していても昇華開始温度が目的とする
有機化合物の沸点よりも高い物質を含んでいてもよい。
通常、第三物質となり得る化合物としては、目的とする
有機化合物の合成時に用いる原料、副生成物、溶媒など
が挙げられる。
が、蒸留効率などの点から目的とする有機化合物と低温
昇華性物質との総重量を基準として、目的とする有機化
合物が50〜99重量%、特に70〜99重量%である
のが好適である。また、第三物質を含む場合には、該第
三物質の含有量は前記総重量を100重量部としたとき
に50重量部以下、特に30重量部以下であるのが好適
である。
を、目的とする有機化合物の沸点より低い沸点を有する
化合物(以下、蒸溜助剤ともいう。)の存在下に行い、
目的とする有機化合物を精製する。
蒸留装置内部に凝固して付着する。蒸留助剤は、その沸
点に応じて低温昇華性物質の昇華と同時かまたは相前後
して留出し、蒸留装置内部に付着した低温昇華性物質を
洗い流すか、または、低温昇華性物質の蒸留装置内部へ
の付着を抑制する作用を有する。したがって、蒸留助剤
によって低温昇華性物質が排出された後に、留出する目
的とする有機化合物を回収することによって、目的とす
る有機化合物を高純度で回収することができる。
よりも低い沸点を有するものであれば、どのような化合
物であってもよい。蒸留助剤の沸点は低温昇華性物質の
昇華開始温度以上であってもよく、また、未満であって
もよい。蒸留助剤の沸点が低温昇華性物質の昇華開始温
度以上であれば、低温昇華性物質の昇華と同時に、また
は昇華の後に蒸留助剤が留出し、留出する蒸留助剤によ
って蒸留装置内部に付着した低温昇華性物質を洗い流す
ことができる。蒸留助剤の沸点が低温昇華性物質の昇華
開始温度未満であっても、低温昇華性物質の昇華前に留
出する蒸留助剤によって低温昇華性物質の蒸留装置内部
への付着を防止することができる。その結果、目的化合
物を高純度で蒸溜することができる。
のであることが、高純度の有機溶媒を高回収率で得るこ
とができるために好ましい。
留助剤を用いた場合には、蒸留が進んで有機化合物が留
出し、蒸留助剤と混合した場合でも、蒸留助剤が容易に
取り除けるので有機化合物を高純度で得ることができ
る。例えば、有機化合物が水に不溶の場合、水溶性の蒸
留助剤を用いれば、留出液を水洗いすることにより容易
に有機化合物を得ることができる。また、有機化合物が
水、酸性水溶液、またはアルカリ性水溶液に易溶の場
合、非水溶性の蒸留助剤を用いることにより、留出液を
それぞれ水、酸性水溶液、またはアルカリ性水溶液に溶
解し、分液操作等により蒸留助剤を除いてから、必要に
応じて中和操作をし、水を取り除くことにより容易に有
機化合物を得ることができる。さらに、有機化合物が水
に不溶で、酸またはアルカリに安定であれば、酸性また
はアルカリ性の蒸留助剤を用いることもでき、この場合
にはそれぞれアルカリ性水溶液または酸性水溶液で洗浄
することにより容易に有機化合物を得ることができる。
物及び低温昇華性物質の種類に応じて適宜決定すればよ
いが、カルボニル基を含有する化合物は、効率よく低温
昇華性物質の付着を抑制することが可能であり、被生成
物中の有機化合物の含有量が低い場合であっても、目的
とする有機化合物を高い純度で得ることが可能である。
を具体的に例示すれば、例えば、n−ブチルフェニルエ
ーテル、ジヘキシルエーテル等のエーテル類;ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレ
ングリコール、ジプロピレングリコール等のポリアルキ
レングリコール類;ジメチルスルホキシドやスルホラン
等のスルホキシドやスルホン類;ヘキサメチルりん酸ト
リアミド等のりん酸アミド類;ベンジルイソプロピルケ
トン、イソプロピルフェニルケトン、ヘプタノフェノ
ン、メチルシクロヘキサノン等の非環状または環状のケ
トン類;デカナール、ベンツアルデヒド等のアルデヒド
類;ジエチレングリコールジアセテート、フェニルアセ
テート等のエステル類;ジメチルホルムアミド、ジプロ
ピルホルムアミド、N−ベンジルアセトアミド、アセト
アニリド、1−ホルミルピペリジン、1−アセチルピペ
リジン、N−ホルミルモルホリン、N,N−ジエチルア
セトアセトアミド等の非環状のアミド類;イプシロン−
カプロラクタム、2−ピロリジノン、N−メチルピロリ
ジノン、1−メチル−2−ピロリドン、1−メチル−2
−ピペリドン、2−ピペリドン、2−ピロリドン、N−
メチル−4−ピペリドン等の環状アミド類;テトラエチ
ルウレア、1,3−ジエチルウレア、1,1−ジエチル
ウレア等の非環状のウレア類;1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−3,4,5,6
−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、エチレン
ウレア、テトラヒドロ−2−ピリミジノン等の環状ウレ
ア類;フタルイミド、スクシンイミド等のイミド類;無
水シクロヘキサンジカルボン酸等の酸無水物類;カルバ
ミック酸メチルエステル等のウレタン類;ラクチド類;
等が挙げられる。これら蒸留助剤は単独で用いてもよい
し、複数種類を混合して用いてもよい。
(2)
のアルキル基であり、Aは−CH2−または>N−R
2(R2は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であ
る。)であり、nは1〜6の整数である。)で示される
環状ウレア類又は環状アミド類は、被精製物である粗有
機化合物に含まれる低温昇華性物質に対して特に良好な
溶解性を示すことから、目的とする有機化合物を高純
度、高回収率で得ることができ、特に好ましい。
に独立した水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であ
る。該アルキル基を具体的に例示すれば、メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等の直鎖ア
ルキル基;及びイソプロピル基、第3級ブチル基、ネオ
ペンチル基等の分岐アルキル基が挙げられる。
ば、イプシロン−カプロラクタム、2−ピロリジノン、
N−メチルピロリジノン、1−メチル−2−ピロリド
ン、1−メチル−2−ピペリドン、2−ピペリドン、2
−ピロリドン、N−メチル−4−ピペリドン等の環状ア
ミド類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、
1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2
(1H)−ピリミジノン、エチレンウレア、テトラヒド
ロ−2−ピリミジノン等の環状ウレア類を挙げることが
できる。
機化合物が沸騰を開始する前に、昇華して蒸留装置内部
に付着した低温昇華性物質を洗い流せるか、または低温
昇華性物質の蒸留装置内部への付着を防止できるような
態様であれば特に限定されない。例えば、蒸留を開始す
る前に蒸留助剤を予め被精製物と混合しても良いし、蒸
留を開始してから蒸留釜に直接、或いは蒸留塔、蒸留
管、乾留ラインに供給してもよい。
低温昇華性物質の洗浄効果の他に、例えば、蒸留助剤を
添加して被精製物の粘度を下げたり、有機化合物が常温
で固体である場合には、溶液化や懸濁液化したりするこ
とにより取扱を容易にする効果もある。さらに蒸留操作
中(特に留出液を冷却するときに)に固体が析出するこ
となく効率よく蒸留精製を行うことが出来るようになる
という効果も期待できる。前記洗浄効果の他にこの様な
効果を期待する場合には、有機化合物の沸点に近い沸点
を持つ液体を第二の蒸留助剤として被精製物に添加する
のが好適である。
留装置から全て洗い流されるに必要十分な量を加えれば
よく、不純物の量や蒸留助剤への溶解性等を勘案して加
える量を決定すれば良いが、通常は、被精製物中に含ま
れる低温昇華性物質1重量部に対して0.1〜100重
量部、好ましくは1〜20重量部の範囲である。
在下での蒸留方式は特に限定されず、単蒸留または分別
蒸留が用いられ、分別蒸留の場合、分留管としては、ビ
グルー型、同心円筒型、回転バンド型、充填カラム等の
薄膜式分留管や泡鐘型、多孔板型等のプレート式分留管
が好適に用いられ、特に減圧蒸留を行う場合は圧力損失
の少ない薄膜式分留管が好適に用いられる。また、クー
ゲルロールや薄膜蒸留等の公知の蒸留方式が何ら制限無
く採用できる。また、温度や圧力、還流比などの蒸留条
件も特に限定されず、被精製物の組成、蒸留助剤の種類
及び添加量、最終的に得られる有機化合物の純度等に応
じて適宜決定すればよい。
さらに詳細に述べるが、本発明はこれらの実施例によっ
て何ら制限されるものではない。
温以下)2.1重量%、2−メチレンアダマンタン(昇
華開始温度30℃)5.3重量%、2−アダマンタノン
(昇華開始温度50℃)4.5重量%、2−メチル−2
−アダマンタノール(昇華開始温度60℃)1.2重量
%を含む純度72重量%の2−メチル−2−アダマンチ
ルメタクリレート(沸点92℃/0.3mmHg)1重
量部に、0.05重量部の1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノン(沸点225℃)を加え、減圧下蒸留を行
った。
型還流分留装置を用い、ガラスキャピラリーで空気を導
入しながら、真空度0.3mmHgで行った。初めに不
純物として混入していたアダマンタン等は蒸留装置にわ
ずかに付着したが、1,3−ジメチル−2−イミダゾリ
ジノンが留出するにつれて徐々に溶解、剥離して、閉塞
等を起こさなかった。初留をカットし、2−メチル−2
−アダマンチルメタクリレートが留出し始めた時点で本
留を取りはじめた。本留分を集めたところ2−メチル−
2−アダマンチルメタクリレートを純度97.7重量%
で得ることができた。
ル−2−イミダゾリジノンの代わりにN−メチルピロリ
ジノン(沸点81℃/10mmHg)を0.3重量部用
いた他は実施例1に準じて蒸留を行った。初めに蒸留装
置内に付着した昇華性不純物は、N−メチルピロリジノ
ンが留出するにつれて徐々に溶解、剥離して、閉塞等を
起こさなかった。本留において2−メチル−2−アダマ
ンチルメタクリレートの留出と共にN−メチルピロリジ
ノンは混ざり合ってしまったが、留出液を純水で洗浄す
ることにより、2−メチル−2−アダマンチルメタクリ
レートを純度95.8重量%で得ることができた。
アダマンタノン2.1重量%、2−エチル−2−アダマ
ンタノール(昇華開始温度60℃)0.9重量%含む純
度82重量%の2−エチル−2−アダマンチルメタクリ
レート(沸点96℃/0.2mmHg)1重量部に対
し、0.1重量部のテトラエチルウレア(沸点214
℃)と0.1重量部の1,3−ジメチル−3,4,5,
6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(沸点2
32℃)を加え、減圧下蒸留を行った。
型還流分留装置を用い、ガラスキャピラリーで空気を導
入しながら、真空度0.2mmHgで減圧蒸留した。
となく蒸留は進行し、本留の留出液をヘキサンに溶解
し、純水で洗浄した後にヘキサンを留去することにより
2−エチル−2−アダマンチルメタクリレートを純度9
6.5重量%で得ることができた。なお、この2−エチ
ル−2−アダマンチルメタクリレートを室温で放置する
と結晶になった。
アダマンタノン1.1重量%、2−ブチル−2−アダマ
ンタノール(昇華開始温度70℃)0.4重量%を含む
純度79重量%の2−ブチル−2−アダマンチルメタク
リレート(沸点103℃/0.2mmHg)1重量部に
対し、0.1重量部の1,3−ジメチル−3,4,5,
6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(沸点2
32℃)を加え、実施例3と同様にして減圧下蒸留を行
った。
となく蒸留は進行し、本留の留出液をヘキサンに溶解
し、純水で洗浄し、続いてヘキサンを留去することによ
り2−ブチル−2−アダマンチルメタクリレートを純度
97.5重量%で得ることができた。
温以下)0.05重量%、2−アダマンタノン(昇華開
始温度50℃)2.5重量%、2−メチル−2−アダマ
ンタノール(昇華開始温度60℃)3.8重量%を含む
純度78重量%の2−メチル−2−アダマンチルメタク
リレート(沸点92℃/0.3mmHg)1重量部に、
0.1重量部のジエチレングリコール(沸点245℃)
を加え、減圧下蒸留を行った。
型還流分留装置を用い、ガラスキャピラリーで空気を導
入しながら、真空度0.3mmHgで減圧蒸留した。初
めに不純物として混入していた2−アダマンタノンや2
−メチル−2−アダマンタノールが昇華して蒸留装置の
壁に付着したが、ジエチレングリコールが留出するにつ
れて徐々に溶解、剥離して、閉塞等を起こさなかった。
初留をカットし、2−メチル−2−アダマンチルメタク
リレートが留出し始めた時点で本留を取りはじめたとこ
ろ、ジエチレングリコールは2−メチル−2−アダマン
チルメタクリレートと混ざり合わず、ジエチレングリコ
ールが下層に分離した。これを分液することにより2−
メチル−2−アダマンチルメタクリレートを純度97.
6重量%で得ることができた。
コールの代わりにN−メチルピロリジノン(沸点81℃
/10mmHg)を用いた他は実施例5に準じて蒸留を
行った。初めに蒸留装置内に付着した昇華性不純物は、
N−メチルピロリジノンが留出するにつれて徐々に溶
解、剥離して、閉塞等を起こさなかった。本留において
2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートの留出と
共にN−メチルピロリジノンは混ざり合ってしまった
が、留出液を純水で洗浄することにより、2−メチル−
2−アダマンチルメタクリレートを純度97.0重量%
で得ることができた。
アダマンタノン2.0重量%、2−エチル−2−アダマ
ンタノール(昇華開始温度60℃)0.8重量%含む純
度86重量%の2−エチル−2−アダマンチルメタクリ
レート(沸点96℃/0.2mmHg)1重量部に対
し、0.1重量部のジエチレングリコール(沸点245
℃)と0.1重量部のテトラエチレングリコール(沸点
314℃)を加え、減圧下蒸留を行った。
型還流分留装置を用い、ガラスキャピラリーで空気を導
入しながら、真空度0.2mmHgで減圧蒸留した。
となく蒸留は進行し、本留留出液をヘキサンに溶解し、
純水で洗浄した後にヘキサンを留去することにより2−
エチル−2−アダマンチルメタクリレートを純度96.
3重量%で得ることができた。なお、この2−エチル−
2−アダマンチルメタクリレートを室温で放置すると結
晶になった。
アダマンタノン1.0重量%、2−ブチル−2−アダマ
ンタノール(昇華開始温度70℃)0.5重量%を含む
純度85重量%の2−ブチル−2−アダマンチルメタク
リレート(沸点103℃/0.2mmHg)1重量部に
対し、0.1重量部のテトラエチレングリコール(沸点
314℃)を加え、実施例7と同様にして減圧下蒸留を
行った。
となく蒸留は進行し、本留の留出液をヘキサンに溶解
し、純水で洗浄し、続いてヘキサンを留去することによ
り2−ブチル−2−アダマンチルメタクリレートを純度
97.5重量%で得ることができた。
温以下)0.1重量%、2−メチレンアダマンタン(昇
華開始温度40℃)12.4重量%、2−アダマンタノ
ン(昇華開始温度50℃)6.3重量%、2−メチル−
2−アダマンタノール(昇華開始温度60℃)2.7重
量%を含む純度65重量%の2−メチル−2−アダマン
チルメタクリレート(沸点92℃/0.3mmHg)1
重量部に、0.1重量部の1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノン(沸点225℃)を加え、減圧下蒸留を行
った。
型還流分留装置を用い、ガラスキャピラリーで空気を導
入しながら、真空度0.3mmHgで行った。初めに不
純物として混入していたアダマンタン等は昇華して一部
蒸留装置の壁に付着したが、1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノンが留出するにつれて徐々に溶解、剥離し
て、閉塞等を起こさなかった。初留をカットし、2−メ
チル−2−アダマンチルメタクリレート純度が80%を
越えた時点で本留を取りはじめた。本留分を集めたとこ
ろ2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートを純度
97.7重量%で得ることができた。
ル−2−イミダゾリジノンの代わりに表1に示す各種蒸
留助剤を用いた他は実施例9に準じて蒸留を行った。本
留分に蒸留助剤が混合している場合には、本留留出液を
ヘキサンに溶解し、純水で洗浄した後にヘキサンを留去
することにより目的物を得た。
が多量に含まれている場合においてもカルボニル基を含
有する化合物を蒸留助剤として用いた場合には効果的に
低温昇華性物質の付着を抑制することが可能であった。
ダマンチルメタクリレートに何も加えずにそのまま減圧
蒸留を行ったところ、蒸留装置の冷却管が昇華性固体で
閉塞し、蒸留できなかった。
ダマンチルメタクリレートに何も加えずにそのまま減圧
蒸留を行ったところ、蒸留装置の冷却管が昇華性固体で
閉塞し、蒸留できなかった。
に昇華して配管などに付着する昇華性物質を、昇華性物
質の昇華と同時に、またはそれに続いて留出する蒸留助
剤によって溶解または剥離させることができ、配管の閉
塞や有機化合物への溶解を避けることができる。また有
機化合物に蒸留助剤が混入しても容易に除去可能である
ことから、効率よく有機化合物を蒸留精製することが可
能となる。
あった昇華性物質を不純物として含む高沸点化合物を容
易に蒸留精製することが可能になった。本発明の製造方
法を採用することにより、半導体用レジスト材料として
の用途が期待される高純度アルキルアダマンチルエステ
ルを容易に得ることも可能である。
Claims (1)
- 【請求項1】 目的とする有機化合物の沸点より低い温
度で昇華する昇華性物質を不純物として含む粗有機化合
物を蒸留して高純度有機化合物を製造する方法におい
て、該有機化合物の沸点より低い沸点を有する化合物の
存在下に該蒸溜を行ない、該有機化合物の沸点より低い
沸点を有する化合物の留出により、昇華して蒸留装置内
部に付着した昇華性物質を洗い落とすか、または、昇華
性物質の蒸留装置内部への付着を防ぎ、次いで留出する
該有機化合物を回収することを特徴とする高純度有機化
合物の製造方法。
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