[go: up one dir, main page]

JP2001078702A - まろやかさ、後味、うま味が増強された調味料 - Google Patents

まろやかさ、後味、うま味が増強された調味料

Info

Publication number
JP2001078702A
JP2001078702A JP2000045012A JP2000045012A JP2001078702A JP 2001078702 A JP2001078702 A JP 2001078702A JP 2000045012 A JP2000045012 A JP 2000045012A JP 2000045012 A JP2000045012 A JP 2000045012A JP 2001078702 A JP2001078702 A JP 2001078702A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seasoning
oil
fish
aftertaste
fats
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000045012A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoko Kobata
知子 木幡
Takeshi Koriyama
剛 郡山
Wonguso Suwijii
スウィジー・ウォングソ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissui Corp
Original Assignee
Nippon Suisan Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Suisan Kaisha Ltd filed Critical Nippon Suisan Kaisha Ltd
Priority to JP2000045012A priority Critical patent/JP2001078702A/ja
Publication of JP2001078702A publication Critical patent/JP2001078702A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Seasonings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 まろやかさ、後味、うま味の強さが増加され
た水産油脂(特に魚油)含有水中油型調味料の提供。 【解決手段】 油脂、好ましくは魚油または魚油を含有
する油脂とエキスを水中油型に乳化させた調味料であっ
て、呈味物質(天然物、好ましくは水産物、より好まし
くは魚類より抽出されたエキス。好ましくはヒスチジ
ン、カルノシン、アンセリン、バレニンといったイミダ
ゾール化合物を含む。)に油脂を含むことでまろやか
さ、後味、うま味が増強された調味料、特に魚類及び魚
類加工品用、後味の増加を必要とするスープ類用のも
の。上記の油脂が1重量%以上、好ましくは10重量%
以上の魚油、好ましくはそれを構成する脂肪酸のうちω
3系高度不飽和脂肪酸を10%以上含むものである。ポ
リグリセリン脂肪酸エステルからなる乳化剤が用いられ
ている。上記の呈味物質はグルタミン酸および/または
核酸系調味料を含んだうま味系調味料、さらにグルタチ
オンを含んだものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業場の利用分野】本発明は油脂を含むことを特徴と
するまろやかさ、後味、うま味が増強された水中油型調
味料およびその利用に関する。
【0002】
【従来の技術】従来各種料理のベースとして、畜肉エキ
ス、魚介類エキス、野菜エキス等のエキスが業務用を中
心として広く用いられている。これらのエキスの機能
は、食品に複雑な味と幅を与える、食品材料の不足を補
うなどとされている。しかし、実際に使用されるエキス
系調味料のうち、天然物から抽出されたエキスはその一
部分であり、その他の多くは蛋白分解物や各種アミノ酸
などを配合した加工品および代替品である。これらの加
工品および代替品の機能は、天然エキスと比較してみる
と呈味が単純であるという欠点を有している。
【0003】次に天然エキスについて考えると、加工品
や代替品よりも呈味が複雑、コクがあってまろやかであ
る等の長所があるものの、これに加えてさらなるまろや
かさや後味の強さ等の特徴を与えればエキスそのものの
価値が向上し、より多くの用途に利用することが可能と
なる。一方、油脂について考えると、油脂が含まれてい
る食品や調味料はおいしいと言われる。例を挙げると、
脂がのった魚や肉類、アイスクリーム、ドレッシングな
どが当てはまる。これらは油脂が含まれることによる食
感の変化、独特の香気の付与(特に加熱時)が影響して
いると考えられている。例えば牛肉を用いたハンバーガ
ーパティのクックドフレーバーは、脂肪の種類によって
異なる(日畜会報、65、142−148参照)との報
告がある。また未加熱の油脂は食品に付着し、油脂によ
る口触りの滑らかさを与える(油化学、28、724、
1979参照)と報告されている。
【0004】油脂が呈味に及ぼす影響に関しては、油脂
は単独では無味に近いという報告(油脂,49,7,1
996)がある一方、近年になって油脂が直接的に呈味
に関するといった報告がなされている。しかしながら、
その内容は報告者によって一様ではない。すなわち、油
脂が含まれる食品、調味料などにおいて、油脂が味にど
のような影響を与えているのか、未だに不明な部分が多
い。特開平8−126482ではすり身晒し廃液に含ま
れる油脂の呈味効果に注目しているが、精製油ではその
効果が少ないことから、使用する油脂を晒し廃液から回
収されたものに限定している。特開平10−10864
1では油脂、特に魚介類の生産加工工程中で派生する油
脂の呈味に及ぼす影響に着目し、油中水型の調味料を提
案しているが、水産油脂の酸化安定性の低さ故に、安定
性の高い一般の植物油脂で希釈する必要があることか
ら、肝心の水産油脂の呈味に関する効果を完全に引き出
しているとは考えられない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はまろやかさ、
後味、うま味の強さが増加された水産油脂(特に魚油)
含有水中油型調味料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、油脂、好まし
くは魚油または魚油を含有する油脂とエキスを水中油型
に乳化させた調味料であって、呈味物質に油脂を含むこ
とでまろやかさ、後味、うま味が増強された調味料を要
旨としている。
【0007】上記の油脂が1重量%以上、好ましくは1
0重量%以上の魚油を含有するものであり、その場合、
本発明は、魚油または1重量%以上、好ましくは10重
量%以上の魚油を含有する油脂とエキスを水中油型に乳
化させた調味料であって、呈味物質に油脂を含むことで
まろやかさ、後味、うま味が増強された調味料である。
上記の魚油がそれを構成する脂肪酸のうちω3系高度不
飽和脂肪酸を10%以上含むものであり、その場合、本
発明は、それを構成する脂肪酸のうちω3系高度不飽和
脂肪酸を10%以上含む魚油、または1重量%以上、好
ましくは10重量%以上の該魚油を含有する油脂とエキ
スを水中油型に乳化させた調味料であって、呈味物質に
油脂を含むことでまろやかさ、後味、うま味が増強され
た調味料である。
【0008】本発明の調味料で用いる魚油は好ましくは
精製魚油である。また、本発明の調味料においては、ポ
リグリセリン脂肪酸エステルからなる乳化剤が用いられ
ている。さらにまた、本発明の調味料においては、上記
の呈味物質が天然物、好ましくは水産物、より好ましく
は魚類より抽出されたエキスである。上記のエキスはヒ
スチジン、カルノシン、アンセリン、バレニンといった
イミダゾール化合物を含むものである。また、上記の呈
味物質はグルタミン酸および/または核酸系調味料を含
んだうま味系調味料である。上記の呈味物質は、さらに
グルタチオンを含んだものである。また、本発明は調味
料が漬け魚、焼き魚、煮魚および/または練り製品用な
どの魚類及び魚類加工品用のものである。また、本発明
は調味料が後味の増加を必要とするスープ類である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者らは、まろやかさ、後
味、うま味の強さが増加された調味料を得るために種々
の検討を重ねた結果、特定の油脂とエキスを水中油型に
乳化させた調味料が高いまろやかさ、後味、うま味の強
さを有することを見いだした。なお、本発明に言う「ま
ろやかさ」とは酸味や苦味などの尖った味が抑えられ、
まるみを帯びている味を表現している。
【0010】上記の油脂がヨウ素価80以上、好ましく
は120以上の油脂、特に魚油または魚油を含有するも
の、好ましくは1重量%以上、より好ましくは10重量
%以上の魚油を含有するもの、特に魚油が精製魚油、あ
るいはマグロ油、カツオ油および/またはイワシ油であ
り、上記の魚油がそれを構成する脂肪酸のうちω3系高
度不飽和脂肪酸を10%以上含むものであり、本発明の
好ましい態様は、油脂とエキスを水中油型に乳化させた
調味料であって、呈味物質に油脂を含むこと、その油脂
がヨウ素価80以上、好ましくは120以上の油脂、特
に魚油または魚油を含有するもの、好ましくは1重量%
以上、より好ましくは10重量%以上の魚油を含有する
もの、特に魚油が精製魚油、あるいはマグロ油、カツオ
油および/またはイワシ油であり、上記の魚油がそれを
構成する脂肪酸のうちω3系高度不飽和脂肪酸を10%
以上含むものであることでまろやかさ、後味、うま味が
増強された調味料である。
【0011】上記の乳化剤がポリグリセリン脂肪酸エス
テルからなり、本発明の好ましい態様は、油脂とエキス
を水中油型に乳化させた調味料であって、乳化剤として
ポリグリセリン脂肪酸エステルを用い、呈味物質に油脂
を含むことでまろやかさ、後味、うま味が増強された調
味料である。
【0012】上記の呈味物質が天然物、特に水産物、好
ましくは魚類、具体的にはサケ類、カツオ類および/ま
たはマグロ類より抽出されたエキス、特にカルノシン、
アンセリン、バレニンといったイミダゾールジペプチド
を含んでいるエキスであり、本発明の好ましい態様は、
油脂とエキスを水中油型に乳化させた調味料であって、
呈味物質に油脂を含むこと、その呈味物質が天然物、特
に水産物、好ましくは魚類、具体的にはサケ類、カツオ
類および/またはマグロ類より抽出されたエキス、特に
カルノシン、アンセリン、バレニンといったイミダゾー
ルジペプチドを含んでいるエキスであることでまろやか
さ、後味、うま味が増強された調味料である。
【0013】上記の呈味物質がグルタミン酸および/ま
たは核酸系調味料を含んだうま味系調味料であり、好ま
しくはさらにグルタチオンを含んだものであり、その場
合、本発明は、油脂とエキスを水中油型に乳化させた調
味料であって、呈味物質に油脂を含むこと、その呈味物
質がグルタミン酸および/または核酸系調味料を含んだ
うま味系調味料であり、好ましくはさらにグルタチオン
を含んだものであることでまろやかさ、後味、うま味が
増強された調味料である。呈味物質がアミノ酸、蛋白加
水分解物を含んだもの、さらにこれらのエキスにグルタ
チオンを含むことにより、グルタチオンのコク味増強効
果が増強される。
【0014】調味料が魚類及び魚類加工品用、好ましく
は焼き魚、煮魚および/または練り製品用、さらに好ま
しくは西京漬け、味噌漬け、醤油漬け、味醂漬け、粕漬
けといった漬け魚用のものであり、その場合、本発明
は、油脂とエキスを水中油型に乳化させた調味料であっ
て、呈味物質に油脂を含むことでまろやかさ、後味、う
ま味が増強された魚類及び魚類加工品用、好ましくは焼
き魚、煮魚および/または練り製品用、さらに好ましく
は西京漬け、味噌漬け、醤油漬け、味醂漬け、粕漬けと
いった漬け魚用調味料である。また、調味料が後味の増
加を必要とするスープ類、特にコクを要求されるラーメ
ンスープや中華風スープ等に添加されるものであり、そ
の場合、本発明は、油脂とエキスを水中油型に乳化させ
た調味料であって、呈味物質に油脂を含むことでまろや
かさ、後味、うま味が増強された後味の増加を必要とす
るスープ類に添加される調味料である。
【0015】本発明で対象にする油脂の種類は問わない
が、ヨウ素価が80以上、好ましくは120以上、特に
後味、うま味の増強効果を見るとω3系の高度不飽和脂
肪酸に富む魚油が最も望ましい。このことは油脂を形成
している脂肪酸の種類によって呈味に対する効果が異な
ってくるためと考えられる。また油脂の精製度は問わな
いが、市販されている食品用油脂として精製されている
レベルであれば問題がない。調味料中の油脂量としては
1%以上、好ましくは5%以上である。油脂量を増やす
ことで呈味に対する影響がより明らかとなる。油脂量が
1%未満の場合、油脂の種類にもよるが呈味に対する効
果が得られにくい。
【0016】本発明を調味料として流通するためには、
油脂とエキスが均一でなければならない。したがって油
脂とエキスを均一に水中油型もしくは油中水型に乳化す
ることが必要である。均一にするだけならば使用する乳
化形態、乳化剤、および乳化方法は油脂とエキスが均一
になればどのようなものでもかまわないが、ここで魚油
は酸化に対して非常に不安定であることを考慮する必要
がある。すなわち、酸化安定性の面から、水中油型乳化
物、特に乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルを
用いた水中油型乳化物であることが望ましい。
【0017】本発明に使用されるエキスは、天然物から
抽出されたもの、特にカルノシン、アンセリン、バレニ
ンといったイミダゾールジペプチドを含んでいるものが
油脂の酸化を抑制するといった効果から、好ましい。ま
た、水産物から抽出されたものが油脂の添加による味へ
の効果が大きいため好ましい。水産物のうち、サケ類、
カツオ、マグロ類は上記ペプチドを豊富に含んでいるた
め、最も好ましい。エキスの抽出方法は種々あるが、ど
のような方法を用いてもかまわない。もっとも一般的な
のは熱水抽出であるが、他にもエタノール抽出、酸また
はアルカリ抽出して中和する方法などがある。抽出後、
濃縮した液状エキスが一般的であるが、さらにその液状
エキスに本発明に従い、油脂を添加して、噴霧乾燥等に
より粉末化、造粒した形態で用いることもできる。液状
エキスに他のエキスをブレンドしたり、他の調味料を添
加したものを用いても構わない。
【0018】このようにして油脂とエキスを乳化して得
られた調味料は、エキス単体で味わったときとくらべ
て、呈味の強さは変わらずに酸味が減少し、甘味が増加
するすなわちまろやかさが増加していること、また先味
が減少して後味、うま味が増加していることが容易に感
じられる。本発明に使用される調味料はHAP、HV
P、酵母エキスといったアミノ酸系調味料や、それにう
ま味物質であるグルタミン酸、核酸関連物質(IMP、
GMP、AMP)を添加した物が、うま味を増強する、
後味を増強するといった油脂の呈味に対する効果から、
好ましい。また、上記の調味料にコク味増強物質である
グルタチオンが添加された物はグルタチオンとの相乗効
果により最も好ましい。油脂とエキス、または調味料を
含む液を水中油型に乳化させた調味料において、呈味物
質に油脂を含むことでまろやかさ、後味、うま味が増強
された調味料となる。
【0019】本調味料を食品に使用することにより、ま
ろやかさ、後味、うま味がより強くなるが、効果が顕著
に現れる食品としては焼き魚、漬け魚、煮魚、練り製品
といった魚類加工品があげられる。特に元来油脂含量の
少ないたら類、サワラ、ブナサケ、アジ等を原料魚に使
用した漬け魚の漬け床に添加した場合にその効果は大き
い。
【0020】
【作用】油脂とエキスを乳化した調味料とすることで、
後味、うま味と先味のバランスが先味が弱く後味、うま
味が強い、酸味が減って甘味が増えている調味料とな
る。その調味料を用いることで、呈味ののびる(強くて
持続する)水産練り製品を製造することができる。魚油
(マグロ油)は他の油脂と比較してまろやかさと後味だ
けでなく、うま味も特異的に増強する。呈味物質として
うま味物質(グルタミン酸、核酸系調味料)を含む場
合、魚油(マグロ油)の効果は相乗的に増加する。うま
味の増強効果は魚油に含まれるEPA、DHAであると
思われる。
【0021】
【実施例】本発明の詳細を実施例で説明する。本願発明
はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
【0022】実施例1 冷凍メバチマグロ中トロから水抽出したエキス(ex.
100ml/魚肉100g)90gに乳化剤0.5gを
加え、さらにマグロ油10gを加えてディスパーサーに
て30秒間混合撹拌し、調味料を得た。
【0023】実施例2 実施例1で調製されたエキス70gに乳化剤0.5gを
加え、さらにマグロ油30gを加えてディスパーサーに
て30秒間混合撹拌し、調味料を得た。
【0024】比較例1 実施例1で調製されたエキス90gに乳化剤0.5gを
加え、さらに大豆油10gを加えてディスパーサーにて
30秒間混合撹拌し、調味料を得た。
【0025】比較例2 実施例1で調製されたエキス90gに乳化剤0.5gを
加え、さらに豚脂10gを加えてディスパーサーにて3
0秒間混合撹拌し、調味料を得た。
【0026】実施例3 BRIX40に調整した市販濃縮カツオエキスに乳化剤
として2重量%のポリグリセリン脂肪酸エステルを溶解
し、水相を得た。この水相と等重量の実施例1で使用し
たマグロ油を加えホモミキサーにて均一に乳化し、マグ
ロ油添加エキスを得た。このマグロ油添加エキスを以下
の配合で西京漬け用漬け床に加え、これにサワラの切身
を漬け込み冷蔵下2日間漬けた。なお、漬け床1kgに
つき、等重量のサワラの切り身をつけ込んだ。漬け込ん
だサワラの表面の調味を拭い、焼成後、官能評価に供し
た。なお、比較としてカツオエキスを等量添加した(マ
グロ油を含まない)漬け床にて漬け込まれたサワラを同
様に焼成し、官能評価に供した。 西京漬け用漬け床組成 白味噌 50% みりん 30% マグロ油添加カツオエキス 20%
【0027】実施例4 市販焼き肉用たれに10%の割合で実施例1で使用した
マグロ油を加え、ロボクープにて均一に混合、乳化し、
マグロ油添加たれを得た。このマグロ油添加たれに、牛
内臓(腸;ホルモン)を漬け込み冷蔵下10日間保存し
た。漬け込んだ内臓を、焼成後、ホルモン焼きとして官
能評価に供した。なお、比較としてたれのみ(マグロ油
を含まない)で漬け込まれた内臓を同様に焼成し、官能
評価に供した。
【0028】比較例3 実施例1で調製されたエキス100gに乳化剤0.5g
を加え、ディスパーサーにて30秒間混合撹拌した。
【0029】実施例5 実施例1〜2、比較例1〜3で得られた調味料について
官能評価を行った。その結果を表1に示した。官能評価
は熟練したパネル9名にて実施した。先味・後味を合わ
せて100、甘味・塩味・酸味・苦味・旨味・その他の
味を合わせて100となるよう回答させたものである。
表には後味の強さ、甘味の強さ、および酸味の強さの結
果を抜粋して示した。さらにまろやかさについても表1
にあわせて示した。
【0030】
【表1】 ────────────────────────────── 後味の強さ 甘味の強さ 酸味の強さ まろやかさ ────────────────────────────── 実施例1 58 22 32 〇 ────────────────────────────── 実施例2 58 30 24 ◎ ────────────────────────────── 比較例1 48 26 28 △ ────────────────────────────── 比較例2 48 21 34 △ ────────────────────────────── 比較例3 30 7 49 × ──────────────────────────────
【0031】実施例1、2はいずれも比較例1〜3より
も後味が強く、甘味が増加、酸味が減少していることが
わかる。なかでも実施例2は効果が著しかった。また、
まろやかさは実施例1、2は比較例1〜3よりも良好な
結果であり、特に実施例2が顕著に良い結果であった。
さらに実施例1、実施例2における調味料の特徴につい
てパネルに自由記述させたところ「味のバランスがよ
い」「エキス感が強く、品質的に優れている」等の表現
が見られた。
【0032】実施例6 実施例3で得られたサワラ西京漬けについて官能評価を
実施した。結果は、以下のとおりであった。マグロ油添
加エキスを用いたものはカツオエキス単独に比べ、3点
識別法により有意に識別され、うま味、後味が強く、か
つ軟らかい肉質であった。
【0033】実施例7 実施例4で得られたホルモン焼きについて官能評価結果
を実施した。結果は、以下のとおりであった。マグロ油
添加たれを用いたものはたれ単独に比べ、3点識別法に
より有意に識別され、甘み、後味、うま味が強く、かつ
軟らかい肉質であった。また、パネルの自由意見として
マグロ油添加たれの方がまろやかであるとの評価が得ら
れた。
【0034】実施例8 甘味、塩味、酸味、苦味、うま味といった基本5味を有
する代表的な化合物の水溶液(乳化剤0.5%含有)に
各油脂含量が10%となるように加え、ディスパーサー
にて乳化した。油脂未添加水溶液と油脂添加乳化物のそ
れぞれの基本味の強さをIndowらのτスケールを用いて
表した結果を図1に記した。分散分析の結果、酸味を示
す乳酸、ヒスチジン乳酸塩、苦みを示すロイシン、硫酸
キニーネ、うま味を示すグルタミン酸Na(MSG)、イ
ノシン酸Na(IMP)+MSGにおいて油脂種による違
いが危険率5%の有意差を持って確認された。中でもマ
グロ油はうま味を示すMSG,IMP+MSGにおいて
大豆油、コーン油はうま味の強度を低下(MSG)、又
は維持した(IMP+MSG)に過ぎなかったのに対
し、うま味を維持(MSG)、増強(IMP+MSG)
した。
【0035】実施例9 蛋白加水分解物水溶液(BRIX45、乳化剤0.5
%)HAPに10%マグロ油を添加し、30秒間ディス
パーサーにて撹拌混合し乳化した。また、添加加水分解
物に0.2%試薬の還元型グルタチオンを加え、溶解し
た水溶液HAP+GSHを調製し、同様に乳化した。よ
く訓練された官能検査パネル15名を用い、比較例のサ
ンプルHAPの評価を0点とした時の各サンプルを−4
〜+4点の順位法により評価した。その結果を表3に示
す。マグロ油を添加した乳化物は未添加水溶液に比べ後
味、甘味、うま味が強まった。
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】うま味が強い、後味と先味のバランスが
先味が弱く後味が強い、酸味が減って甘味が増えている
調味料を提供することができる。例えば、呈味ののびる
(強くて持続する)水産練り製品を製造できるまろやか
さ、後味、うま味が増強された調味料を提供することが
できる。本発明の調味料を用いて、後味、うま味が増強
された魚類及び魚類加工品、具体的には焼き魚、煮魚お
よび/または練り製品、より具体的には西京漬け、味噌
漬け、醤油漬け、味醂漬け、粕漬けといった漬け魚を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例8のマグロ油、大豆油、コーン油の呈味
強度を測定した結果を示す図面である。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油脂とエキスを水中油型に乳化させた調
    味料であって、呈味物質に油脂を含むことでまろやか
    さ、後味、うま味が増強された調味料。
  2. 【請求項2】 上記の油脂が魚油または魚油を含有する
    油脂である請求項1の調味料。
  3. 【請求項3】 上記の油脂が1重量%以上の魚油を含有
    するものである請求項2の調味料。
  4. 【請求項4】 上記の油脂が10重量%以上の魚油を含
    有するものである請求項3の調味料。
  5. 【請求項5】 上記の魚油がそれを構成する脂肪酸のう
    ちω3系高度不飽和脂肪酸を10%以上含むものである
    請求項2、3または4の調味料。
  6. 【請求項6】 上記の魚油が精製魚油である請求項2、
    3または4の調味料。
  7. 【請求項7】 ポリグリセリン脂肪酸エステルからなる
    乳化剤が用いられている請求項1ないし6のいずれかの
    調味料。
  8. 【請求項8】 上記の呈味物質が天然物より抽出された
    エキスである請求項1ないし7のいずれかの調味料。
  9. 【請求項9】 上記のエキスがヒスチジン、カルノシ
    ン、アンセリン、バレニンといったイミダゾール化合物
    を含んでいる請求項8の調味料。
  10. 【請求項10】 上記の呈味物質がグルタミン酸および
    /または核酸系調味料を含んだうま味系調味料である請
    求項1ないし9のいずれかの調味料。
  11. 【請求項11】 上記の呈味物質が、さらにグルタチオ
    ンを含んだものである請求項8、9または10の調味
    料。
  12. 【請求項12】 上記の天然物が水産物である請求項8
    ないし11のいずれかの調味料。
  13. 【請求項13】 上記の水産物が魚類である請求項12
    の調味料。
  14. 【請求項14】 調味料が魚類及び魚類加工品用のもの
    である請求項1ないし13のいずれかの調味料。
  15. 【請求項15】 調味料が漬け魚、焼き魚、煮魚および
    /または練り製品用のものである請求項14の調味料。
  16. 【請求項16】 調味料が後味の増加を必要とするスー
    プ類である請求項1ないし15のいずれかの調味料。
JP2000045012A 1999-07-12 2000-02-22 まろやかさ、後味、うま味が増強された調味料 Pending JP2001078702A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000045012A JP2001078702A (ja) 1999-07-12 2000-02-22 まろやかさ、後味、うま味が増強された調味料

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19746499 1999-07-12
JP11-197464 1999-07-12
JP2000045012A JP2001078702A (ja) 1999-07-12 2000-02-22 まろやかさ、後味、うま味が増強された調味料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001078702A true JP2001078702A (ja) 2001-03-27

Family

ID=26510375

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000045012A Pending JP2001078702A (ja) 1999-07-12 2000-02-22 まろやかさ、後味、うま味が増強された調味料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001078702A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010004784A1 (ja) 2008-07-10 2010-01-14 株式会社J-オイルミルズ 飲食品の呈味向上剤
WO2011005113A1 (en) * 2009-07-06 2011-01-13 Smartfish As Composition comprising bioactive amino acids and/or peptides and marine oil in a stable oil-in-water emulsion, and the use of said composition as a functional or therapeutic composition
EP2345334A1 (en) 2003-07-09 2011-07-20 J-Oil Mills, Inc. Full-bodied taste enhancer containing product of decomposition of long-chain highly unsaturated fatty acid or containing extract therefrom
WO2012039275A1 (ja) 2010-09-24 2012-03-29 アサヒグループホールディングス株式会社 加熱反応調味料の製造方法、調味料及び飲食品
JP2012085564A (ja) * 2010-10-18 2012-05-10 Hagoromo Foods Corp 抗う蝕性調味料の製造方法、抗う蝕性調味料、及び抗う蝕剤
JP2015073464A (ja) * 2013-10-08 2015-04-20 太陽化学株式会社 多価不飽和脂肪酸含有油脂組成物
WO2015159885A1 (ja) * 2014-04-16 2015-10-22 高砂香料工業株式会社 優れた呈味を有する魚節類エキス及びその製造方法
JP2018011537A (ja) * 2016-07-20 2018-01-25 池田食研株式会社 乳化調味料の製造方法
WO2018105367A1 (ja) * 2016-12-07 2018-06-14 マルハニチロ株式会社 魚介類エキスからの成分を有効成分として含む塩味増強用調味料及びその用途
US11382980B2 (en) 2013-10-08 2022-07-12 Taiyo Kagaku Co., Ltd. Oil/fat composition containing polyunsaturated fatty acid

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2345334A1 (en) 2003-07-09 2011-07-20 J-Oil Mills, Inc. Full-bodied taste enhancer containing product of decomposition of long-chain highly unsaturated fatty acid or containing extract therefrom
WO2010004784A1 (ja) 2008-07-10 2010-01-14 株式会社J-オイルミルズ 飲食品の呈味向上剤
AU2010269242B2 (en) * 2009-07-06 2014-05-22 Smartfish As Composition comprising bioactive amino acids and/or peptides and marine oil in a stable oil-in-water emulsion, and the use of said composition as a functional or therapeutic composition
WO2011005113A1 (en) * 2009-07-06 2011-01-13 Smartfish As Composition comprising bioactive amino acids and/or peptides and marine oil in a stable oil-in-water emulsion, and the use of said composition as a functional or therapeutic composition
EP3375436A1 (en) * 2009-07-06 2018-09-19 Smartfish AS Composition comprising bioactive amino acids and/or peptides and marine oil in a stable oil-in-water emulsion, and the use of said composition as a functional or therapeutic composition
CN102711731A (zh) * 2009-07-06 2012-10-03 飞鱼有限公司 在稳定的水包油乳剂中包含生物活性氨基酸和/或肽以及海洋生物油的组合物,以及所述组合物作为功能性或治疗性组合物的用途
WO2012039275A1 (ja) 2010-09-24 2012-03-29 アサヒグループホールディングス株式会社 加熱反応調味料の製造方法、調味料及び飲食品
JP2012085564A (ja) * 2010-10-18 2012-05-10 Hagoromo Foods Corp 抗う蝕性調味料の製造方法、抗う蝕性調味料、及び抗う蝕剤
JP2015073464A (ja) * 2013-10-08 2015-04-20 太陽化学株式会社 多価不飽和脂肪酸含有油脂組成物
US11382980B2 (en) 2013-10-08 2022-07-12 Taiyo Kagaku Co., Ltd. Oil/fat composition containing polyunsaturated fatty acid
WO2015159885A1 (ja) * 2014-04-16 2015-10-22 高砂香料工業株式会社 優れた呈味を有する魚節類エキス及びその製造方法
CN106455649A (zh) * 2014-04-16 2017-02-22 高砂香料工业株式会社 具有优异的呈味的鱼干类提取物及其制造方法
JP2018011537A (ja) * 2016-07-20 2018-01-25 池田食研株式会社 乳化調味料の製造方法
WO2018105367A1 (ja) * 2016-12-07 2018-06-14 マルハニチロ株式会社 魚介類エキスからの成分を有効成分として含む塩味増強用調味料及びその用途
JP2018093732A (ja) * 2016-12-07 2018-06-21 マルハニチロ株式会社 魚介類エキスからの成分を有効成分として含む塩味増強用調味料及びその用途

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4308316B2 (ja) 飲食品の塩味様呈味増強方法及び塩味様呈味増強剤
CN111867396B (zh) 咸味和/或辛香感增强剂
JP4876259B2 (ja) 魚醤油の製造方法
JP7367747B2 (ja) コク味付与機能を有する組成物
JP4657924B2 (ja) 長鎖高度不飽和脂肪酸及び/又はそのエステル体から成るコク味向上剤の利用方法
JP2001078702A (ja) まろやかさ、後味、うま味が増強された調味料
WO2012169627A1 (ja) 豚肉風味向上剤
CN106262576B (zh) 咸味增强剂
JP7315519B2 (ja) 油脂由来風味付与剤の製造方法
JP3952821B2 (ja) 減塩食品の製造方法
JPH11169131A (ja) 食品の塩から味、酸味、香りをマスキングする方法
JP4404213B2 (ja) 調味液油脂混合物
JP7031120B2 (ja) コク味を付与するための組成物
JP7248918B2 (ja) 塩味増強剤
JP2003144046A (ja) 調味油脂組成物及びこれを用いてなる加工食品
US20120088024A1 (en) Taste-improving agent for potassium salt or potassium salt-containing food or drink
JP6983007B2 (ja) イソアミルアルコール高含有調味料組成物およびその製造方法
JP4997365B1 (ja) 塩味増強剤による塩味増強法及び食塩含有飲食品の減塩方法
JP3234580B2 (ja) 液状調味料及びその製法
JP2020000132A (ja) フォアグラ風味増強剤および調味料
JPH07114644B2 (ja) 風味改良剤
WO2022203034A1 (ja) 畜肉風味付与剤
WO2023190557A1 (ja) 塩味増強剤
JP6907607B2 (ja) 肉質香増強剤
JPH10108641A (ja) 魚肉練り製品用乳化調味料組成物及びその製造方法並びに魚肉練り製品

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20030423

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050517