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JP2001062811A - 乾式紙形成装置 - Google Patents

乾式紙形成装置

Info

Publication number
JP2001062811A
JP2001062811A JP24006799A JP24006799A JP2001062811A JP 2001062811 A JP2001062811 A JP 2001062811A JP 24006799 A JP24006799 A JP 24006799A JP 24006799 A JP24006799 A JP 24006799A JP 2001062811 A JP2001062811 A JP 2001062811A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
fiber
fibers
pulp
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP24006799A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyoshi Amano
博好 天野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP24006799A priority Critical patent/JP2001062811A/ja
Publication of JP2001062811A publication Critical patent/JP2001062811A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)
  • Preliminary Treatment Of Fibers (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙形成装置において、可能なかぎり水分を用
いないようにしてパルプから所定品質の紙を形成するこ
とができるようにする。 【解決手段】 繊維離解部10によりパルプ1の繊維を
水に混合せずに機械的に離解し、離解された繊維2を繊
維鬚出し部20により機械的に鬚出しをして、紙層形成
部30により鬚出しされた離解繊維2Aを互いに結合さ
せながら紙層を形成して、紙形成部40により、形成さ
れた紙層を圧縮,乾燥して紙2Bを形成するように構成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルプを離解させ
た離解繊維を鬚出しして紙層形成,紙形成を行なう紙形
成装置に関し、特に、水分(水以外の液体も含む)に頼
ることなく離解や鬚出しを行なう、乾式紙形成装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】木材から紙を製造するには、まず、木材
を加工して繊維の塊であるパルプ塊(単に、パルプとも
いう)を形成し、このパルプの繊維を離解して紙を形成
していく。従来の紙形成装置の場合、図6に示すよう
に、パルプ1を水の入った受入タンク102内に投入
し、この受入タンク102内でパルプ1及び水を攪拌す
ることによりパルプの繊維を離解する。その後、繊維が
多量の水に混合した状態で、繊維鬚出しや塵埃除去等の
処理行程を経て、原料流入管から原料箱104へと送給
される。なお、パルプ1は、例えば図7に示すように繊
維をシート状にしたものを重ねて一つの直方体(例えば
厚みが10cm程度)にしたパルプ塊の状態で受入タン
ク102内に投入される。
【0003】離解した紙の繊維(離解繊維)はこの原料
箱104の原料流出口105から、紙形成装置の紙層形
成部106へ送られる。このとき紙層形成部106へ送
られる離解繊維は、繊維1%で残りの99%が水と状態
である。そして、紙層形成部106では、原料流出口1
05から流出した離解繊維を長網装置107に載せて脱
水しながら紙層形成を連続的に行なう。この装置の場
合、紙層形成部106の出側では繊維が約20%で残り
の80%ほどが水の状態になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
紙形成装置では、上述のように、パルプの繊維を離解す
る際に多量の水を用いており、離解繊維は、繊維が1%
で残りの99%が水という極めて水分の多い状態とな
る。このように多量の水分を用いるのは、水が貴重な資
源であることを考えると好ましいことではない。また、
大量の水を移動させるためのエネルギ消費も大きくなっ
てしまう。
【0005】さらに、多量の水分を除去しようとする
と、紙形成ラインや紙形成の処理時間が長くなりやす
く、多量の水分を用いることはこの点でも好ましくな
い。もちろん、繊維鬚出した離解繊維から紙層を形成す
るには、鬚出した繊維を相互に結合することが必要であ
り、このためには、通常は水分を全く用いないわけには
いかず、離解時等の水分を減らしながら、製紙品質を確
保できるようにすることが望まれている。
【0006】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、可能なかぎり水分(水以外の液体も含む)を用い
ないようにしてパルプから所定品質の紙を形成すること
ができるようにした、乾式紙形成装置を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の乾式紙形成装置は、パルプの繊維を水に混合
させることなく機械的加工により離解させる繊維離解部
と、該繊維離解部により離解された繊維を機械的加工に
より鬚出しする繊維鬚出し部と、該繊維鬚出し部により
鬚出しされた離解繊維を互いに結合させながら紙層を形
成する紙層形成部と、該紙層形成部により形成された紙
層を圧縮,乾燥して紙を形成する紙形成部とからなるこ
とを特徴としている。
【0008】請求項2記載の本発明の乾式紙形成装置
は、請求項1記載の装置において、該繊維離解部には、
内部に該パルプを供給される回転胴と、該回転胴の内周
に設けられ該回転胴の回転時に該回転胴の内部で該パル
プに運動を与える多数の爪と、該回転胴の内部に設けら
れて該回転胴の内部の該パルプに振動を与える振動板と
が設けられていることを特徴としている。
【0009】請求項3記載の本発明の乾式紙形成装置
は、請求項1又は2記載の装置において、該紙層形成部
には、該繊維鬚出し部で鬚出しされた離解繊維を紙層形
成ラインに案内する案内板と、該紙層形成ラインの下面
を形成するように設けられ鬚出しされた該離解繊維を載
せて移動させる移動毛布と、該紙層形成ラインの上方に
設けられて該離解繊維に該離解繊維の相互の結合を助け
るための水分を付与する水分付与機構とが設けられてい
ることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明すると、図1〜図5は本発明の一実
施形態としての乾式紙形成装置を示すもので、図1はそ
の全体構成を示す模式的構成図(一部は斜視図)、図2
はその繊維離解部を示す模式的な側面図、図3はその繊
維鬚出し部を示す模式図、図4はその紙層形成部及び紙
形成部を示す模式な斜視図、図5はその紙形成部を示す
模式な斜視図である。
【0011】まず、この乾式紙形成装置の全体構成を説
明すると、この乾式紙形成装置は、図1に示すように、
パルプ塊(単に、パルプともいう)1の繊維を離解する
繊維離解部10と、離解した繊維2を鬚出しする繊維鬚
出し部20と、鬚出しされた離解繊維2を結合して紙層
形成する紙層形成部30と、形成された紙層を加熱,加
圧して紙を形成する紙形成部40とから構成される。以
下、これらの各部を説明する。
【0012】繊維離解部10は、図2に示すように、回
転シリンダ(回転胴)12と、回転シリンダ12に接続
された送風機13と、回転シリンダ12を回動させる回
転シリンダ駆動装置14と、回転シリンダ12の内部に
設けられた振動板17及び微振動板18と、回転シリン
ダ12の内周に突設された多数の爪19とをそなえ、パ
ルプ1の繊維を水に混合させることなく、機械的加工に
より離解させるようになっている。
【0013】回転シリンダ12については、図1では水
平に設置しているが、図2示すように、先端部外周に嵌
装された下部受台15Aと後端部外周に嵌装された上部
受台15Bとにより軸心回りに回転自在に枢支して、先
端のパルプ出口12Bの方が後端のパルプ入口12Aよ
りも下方に位置するように傾斜して設置することが好ま
しい。このように回転シリンダ12を傾斜して設置する
と、搬送コンベア11を通じて回転シリンダ12内に投
入されたパルプ1を自重によりパルプ入口12Aからパ
ルプ出口12Bへと移動しやすくすることができる。
【0014】送風機13は、例えば図示しないファンを
そなえ、送風ダクト13Aを通じて回転シリンダ12内
に風を送り、回転シリンダ12内のパルプ1をパルプ入
口12Aからパルプ出口12Bへと移動させるものであ
る。したがって、回転シリンダ12に投入されたパルプ
1は、送風機13による風と、上述のような回転シリン
ダ12の傾斜とによって、パルプ入口12Aからパルプ
出口12Bへと移動するようになっている。このよう
に、回転シリンダ12内に投入されたパルプ1は送風機
13の風で強制的にパルプ出口12Bへ駆動されるの
で、図1に示すように回転シリンダ12を水平に設置し
ても、十分に機能する。
【0015】回転シリンダ12をその軸心回りに回動さ
せる回転シリンダ駆動装置14は、回転シリンダ12と
は別体に設置されたモータ14A,減速機構14B,第
1ギヤ14Cと、回転シリンダ12の外周に装備され第
1ギヤ14Cと噛合する第2ギヤ14Dとからなり、モ
ータ14Aの回転が減速機構14Bで減速され且つ回転
力を増幅されて第1ギヤ14Cに伝えられ、第2ギヤ1
4Dを通じて回転シリンダ12を回転駆動するようにな
っている。
【0016】また、振動板17は、一端(先端)を振動
板固定支持装置17Aに結合されて支持され、他端(後
端)を振動発生装置16に結合されており、振動発生装
置16に駆動されて振動するようになっている。また、
微振動板18は微振動発生装置18Aに駆動されて微振
動するようになっている。このような振動板17の振動
や微振動板18の微振動は、回転シリンダ12内のパル
プ1に振動を与えてパルプ1の離解を促進させようとす
るものである。
【0017】なお、ここでは、振幅が比較的大きく振動
数は比較的小さい(低周波)振動で作動する振動板17
と振幅が比較的小さく振動数は比較的大きい(高周波)
振動で作動する微振動板18との2種類の振動板を設け
ているが、例えば強,中,弱,微の4種類の振動板を設
置するなど、振動の強さ(振幅の大小)が互いに異なる
振動板や、振動数が互いに異なる振動板を多数の設置し
てもよい。これにより、パルプ1に多様な振動を与える
ことができ、パルプ1の離解を促進することができる。
【0018】また、振動板の一部または全部を、振動特
性(振動の強さや振動数)を可変のものに構成して、パ
ルプ塊1の種類などに応じて与える振動の特性を変えた
り、また、同一のパルプ塊1に対して振動特性を変化さ
せつつ加振させるようにしても、パルプ1に多様な振動
を与えることができ、パルプ1の離解を促進しうる。こ
のような振動特性可変の振動板の場合、一種類の振動板
のみを1つ又は複数設置するようにしてもよい。
【0019】回転シリンダ12の内周に多数突設された
爪19は、回転シリンダ12の回動時に回転シリンダ1
2内でパルプ1に運動を与えて、パルプ1の離解を促進
させるものである。この爪19は、その先端形状が角
形,丸形,平形,円錐形のもの等各種のもので、且つ、
先端が曲がったものや先端が回転シリンダ12の軸心に
向かう方向等に向かって或いは軸心方向や軸心に向かう
方向に対して適当に傾斜した方向等に向かって直線状に
形成されたものなどを、長短各種用意し、これらを取替
可能の構造としている。
【0020】これにより、離解を行なうパルプ塊1の種
類(材質や形状)や形成しようとする紙の特徴などに応
じて、これらの種々の爪19の中から最適なものを選択
して使用するようになっている。もちろん、パルプ塊1
の種類や形成しようとする紙の特徴などが特定されてい
れば、爪19をこのような取替可能とはせずに最適形状
の爪を固定して設けてもよい。
【0021】このような構成により、繊維離解部10で
は、回転シリンダ12内に投入されたパルプ1が、送風
機13の風及び回転シリンダ12の傾斜により、パルプ
入口12Aからパルプ出口12Bへと移動する際に、回
転シリンダ駆動装置14による回転シリンダ12に応じ
て回転シリンダ12内周の多数の爪19により回転シリ
ンダ内で運動をし、且つ、振動板17の振動や微振動板
18の微振動により振動を与えられ離解され離解繊維2
となって、離解繊維案内流路21Aを通じて次工程の繊
維鬚出し部20へと送られるようになっている。
【0022】繊維鬚出し部20は、図3に示すように、
離解繊維入口21と離解繊維案内流路21Aと鬚出し部
本体20Aと送給管27とをそなえ、離解繊維2はこの
順で移動しながら鬚出しを行なわれる。特に、鬚出し部
本体20Aは、ケース24内に互いに対向する2つの表
面溝付きロール22,23をそなえ、離解繊維入口2
1,離解繊維案内流路21Aを通じて風によって送られ
てきた離解繊維2を表面溝付きロール22,23の相互
間を通過させて、水に頼らない機械的加工により、いわ
ゆる鬚出しを行なうようになっている。
【0023】なお、離解繊維2の1本は一般に長さ0.
5〜6.0mm,幅5〜70μm程度であり、鬚出しで
は、このような各繊維の表面からさらに微細な繊維を毛
羽立たせて、その後の紙層形成工程で、各離解繊維2の
毛羽立たせた微細繊維どうしが互いに絡みつきながら強
く結合するようしている。このような鬚出しは、各ロー
ル22,23の溝付きの外周面22B,23Bによって
離解繊維2を挟み付けて行なうが、2つのロール22,
23は、各回転速度の調整とロール22,23間の隙間
の調整とが行なえるようになっており、このロール2
2,23の回転速度調整やロール22,23間の隙間の
調整によって、鬚出し量や処理量(処理速度)を調整す
るようになっている。
【0024】なお、ケース24は、ロール22,23が
露出しないようにロール22,23を被覆して安全を図
るとともに、内部を流通する離解繊維2が外部に飛散し
ないように外部と遮蔽するためのものであり、箱型構造
としている。また、各ロール22,23の軸22A,2
3Aは、このケース24の外部に突出しており、各軸2
2A,23Aの一端は駆動装置26に接続され、この駆
動装置26により回転駆動されるようになっている。
【0025】また、ケース24内のロール22,23の
下流側には、左右からそれぞれ導管25,25が導入さ
れており、これらの導管25,25の開口は送給管27
内の下流方向へ向けられており、導管25,25には空
気が送給され、この空気により、鬚出しされた離解繊維
(以下、鬚出し離解繊維という)2Aが送給管27内を
次工程へ向けて送り出されるようになっている。
【0026】紙層形成部30は、図4に示すように、送
給管27の下流端の流出口27Aに設けられた案内板3
1と、紙層形成ラインLの下面を形成するように配設さ
れた移動毛布3と、紙層形成ラインLの上方に設けられ
た水分付与機構32とをそなえている。案内板31は、
紙層形成ラインLの入口上方に設けられ、移動毛布3に
次第に接近する案内面31Aをそなえており、この案内
面31Aを通じて、繊維鬚出し部20で鬚出しされた離
解繊維(鬚出し離解繊維)2Aが移動毛布3の上に安定
して均一な帯状に載っていくように案内する。
【0027】移動毛布3は、複数のロール33,34,
47に巻回された毛布状材料でできな帯状体であり、駆
動ロール(例えばロール33,34,47うちの一つ)
によって回転駆動されて次工程の方向(即ち、紙形成部
40方向)へ向けて移動するようになっている。鬚出し
離解繊維2Aは、この移動毛布3に載って移動しながら
紙層形成されていくようになっている。
【0028】そして、水分付与機構32は、移動毛布3
上に帯状に載った鬚出し離解繊維2Aの集合体に、水分
としての希釈澱粉(水に澱粉を溶かせたもので比較的低
濃度のもの)32Aをシャワー状に霧射するシャワーで
ある。このシャワー32は、各鬚出し離解繊維2Aに満
遍なく希釈澱粉をシャワー供給できるように、噴射パイ
プ32Bの下方に多数の噴射口32Cを形成されたもの
をそなえ、図示しない希釈澱粉供給系から噴射パイプ3
2B内に供給された希釈澱粉を噴射口32Cから霧射す
る。
【0029】このように、鬚出し離解繊維2Aの集合体
に希釈澱粉32Aを霧射しているが、これは、紙層形成
には、個々の繊維をシート状に形成するには水分を必要
とし、個々の繊維の結合を強め形成される紙の表裏の繊
維鬚の飛沫を防ぐためには澱粉等の粘着性のあるものを
必要とするためである。つまり、木材繊維をシート状に
形成するときには、個々の繊維が水素結合して形成され
るため、シート形成には水分が必要になる。また、澱粉
等の粘着性のあるものは、鬚出し離解繊維2Aの鬚出し
された繊維間の相互結合力を高めるとともに、形成され
る紙シートの表面や裏面の繊維鬚である微細繊維の飛沫
を防ぐように作用するのである。
【0030】このように霧射する希釈澱粉は、上述の説
明のように、水分により個々の繊維を結合するためや、
澱粉により個々の繊維を結合の強化や形成される紙シー
トの表面,裏面の繊維鬚である微細繊維の飛沫を防ぐた
めのものであり、霧射する量は極めて僅かなもので十分
である。なお、繊維をシート状に形成するには水以外の
液体を適用してもよく、澱粉に代えて他の粘着性のある
物質を用いるようにしてもよい。
【0031】紙形成部40は、図4,図5に示すよう
に、互いに対向するようにして対をなして設けられた加
熱ロール41と加圧ロール42とをそなえている。紙層
形成されたシート(紙シート)2Bは、移動毛布3上に
載ってこの加熱ロール41と加圧ロール42と間を通過
するが、このとき、紙シート2Bは、加熱ロール41に
接触することで加熱され、加圧ロール42により加熱ロ
ール41との間に圧接される。
【0032】加熱ロール41は、内部にヒータ等が装備
されるか又は内部に加熱媒体が導入されるようになって
おり、加熱ロール41の表面を所定温度に加熱して、加
熱ロール41の表面に圧接しながら移動する紙シートを
加熱して含有する水分を除去する。特に、加熱ロール4
1の下流で移動毛布3を案内するロール47は、紙シー
ト2Bを移動毛布3とともに加熱ロール41に移動方向
に長く(即ち、加熱ロール41の大きな中心角分だけ)
接触させるように、加熱ロール41と加圧ロール42と
の接触部よりも大きく離隔した位置に加熱ロール41に
接近(又は接触)するように配置されている。
【0033】また、加圧ロール42は、加圧部材43に
より加熱ロール41側に適当な押圧力で付勢されるよう
になっている。本実施形態では、加圧部材43の一端を
ピン44により枢支して、加圧部材43の他端にピン4
5を介してアクチュータ(ここでは、油圧シリンダ)4
6を接続しており、アクチュータ46の作動(油圧シリ
ンダの伸縮)によって、加圧ロール42の加熱ロール4
1側への圧接力を調整できるようになっている。なお、
加熱ロール41,加圧ロール42の上下配置は逆も考え
られる。
【0034】本発明の一実施形態としての乾式紙形成装
置は、上述のように構成されているので、以下のように
して、木材繊維のパルプ塊1から紙シート2Bを形成す
ることができる。まず、図1,図2に示すように、パル
プ塊1が、搬送コンベア11を通じて繊維離解部10の
回転シリンダ12内にパルプ入口12Aから投入される
と、回転する回転シリンダ12内で多数の爪19によっ
て運動しながら、振動板17及び微振動板18によって
振動を与えられて、離解していく。パルプ塊1はこのよ
うに離解しながら、送風機13の風によってパルプ出口
12Bへと移動して、離解繊維案内流路21Aを通じて
次工程の繊維鬚出し部20へと送られる。このとき、回
転シリンダ12の傾斜もパルプ塊1及び離解繊維2の移
動を助ける。
【0035】離解繊維2は、繊維鬚出し部20におい
て、図1,図3に示すように、離解繊維入口21から離
解繊維案内流路21Aを通じて鬚出し部本体20Aへと
送られ、この鬚出し部本体20Aで、表面溝付きロール
22,23の相互間を通過する過程で、いわゆる鬚出し
を行なわれる。なお、このとき、ロール22,23の回
転速度調整やロール22,23間の隙間の調整によっ
て、鬚出し量や処理量(処理速度)を調整する。そし
て、鬚出しされた離解繊維(鬚出し離解繊維)2Aは送
給管27から次工程の紙層形成部30へ送り出される。
【0036】紙層形成部30では、図1,図4に示すよ
うに、案内板31の案内により、鬚出し離解繊維2Aを
移動毛布3の上に安定して均一な帯状に載せていき、移
動毛布3上に帯状に載った鬚出し離解繊維2Aの集合体
に、水分付与機構32により希釈澱粉32Aをシャワー
状に霧射して、鬚出し離解繊維2Aに水分と澱粉とを供
給する。この際の水分は必要最小限に止める。水分供給
により個々の繊維の結合が促進され、澱粉により各繊維
間の相互結合力が高められるとともに、形成される紙シ
ートの表面や裏面の繊維鬚である微細繊維の飛沫が防止
される。
【0037】さらに、紙層形成された紙シートは、図
1,図4,図5に示すように、紙形成部40に送られ
て、加熱ロール41と加圧ロール42とによる加熱,圧
縮される。そして、圧縮により繊維間結合力を増強さ
れ、加熱により水分付与機構32により付与された水分
を蒸発させる乾燥が行なわれて、所定の紙シート2Bが
形成される。なお、形成される紙シート2Bの水分含有
率は3〜8%程度とする。
【0038】このようにして、本乾式紙形成装置では、
水分(水以外の液体も含む)を使用することなく、機械
的な加工によりパルプ1の離解と離解繊維2の鬚出しと
を行なった上で、紙層形成時には少量の水分のみを用い
て紙層形成を行なうので、紙形成に要する水分量を大幅
に削減することができ、水の大量使用に伴う種々の施設
(水処理施設や水供給施設等)の負担を軽減することが
でき、地球環境上も好ましく、また、水を移動させるた
めのエネルギ消費も大幅に抑制することができる。
【0039】また、水分の除去が簡単になるので、紙形
成ラインの短縮化(即ち、装置の縮小化)及び紙形成処
理時間の短縮化を促進することができる利点もある。し
かも、鬚出した離解繊維から紙層を形成する際には、水
分付与機構としてのシャワー32によって希釈澱粉32
Aを鬚出し離解繊維2に供給することで、水分により各
繊維間の結合が促進され、澱粉等の粘着力のあるものに
より、各繊維間の相互結合力の強化と形成される紙シー
トの表面や裏面の微細繊維の飛沫の発生防止を図ること
ができ、十分に製紙品質を確保することができる。
【0040】なお、本発明は、上述の各実施形態に限定
されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で
種々変更して実施しうるものである。例えば、繊維の離
解時に、機械的加工に加えて水分加入が効果的であれ
ば、小量の水分を加入することも考えられる。しかし、
いずれにしても繊維の離解はパルプ塊に機械的に力を加
えることが主体となり、ここで加える水分は補助的なも
のであるため、水分を使用を抑えてパルプ1の離解と離
解繊維2の鬚出しとを行なうことになり、水分の使用削
減による上述のような効果が得られることは言うまでも
ない。また、本実施形態では特に説明していないが、繊
維鬚出しの前後等に、塵埃除去等の処理を行なうことも
好ましい。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の乾式紙形成装置によれば、パルプの繊維を水に混
合することなく機械的加工により離解させ、また、離解
された繊維を水分に頼らずに機械的加工により鬚出しす
るため、紙形成に要する水分量を大幅に削減することが
できる。したがって、水の大量使用に伴う水資源関係
(水処理施設や水供給施設等)の負担を軽減することが
でき、地球環境上も好ましく、また、水を移動させるた
めのエネルギ消費も大幅に抑制することができる。ま
た、水分の除去が簡単になるので、紙形成ラインの短縮
化(装置の縮小化)及び紙形成処理時間の短縮化を促進
することができる利点もある。
【0042】請求項2記載の本発明の乾式紙形成装置に
よれば、パルプ繊維の離解を水を使用しなくても容易に
且つ確実に行なうことができるようになる。請求項3記
載の本発明の乾式紙形成装置によれば、少量な水分(水
以外の液体も含む)を付与するだけで適切に紙層形成を
行なうことができ、紙形成に要する水分量を大幅に削減
しながら、所定の製紙品質を確保することができる。し
たがって、水分量の大幅な削減により、水資源関係の負
担を軽減することができ、水を移動させるためのエネル
ギ消費も大幅に抑制することができ、さらに、水分の除
去が簡単になるので、紙形成ラインの短縮化(装置の縮
小化)及び紙形成処理時間の短縮化を促進することがで
きる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての乾式紙形成装置の
全体構成を示す模式的構成図であり、一部は斜視図とし
て示している。
【図2】本発明の一実施形態としての乾式紙形成装置の
繊維離解部を示す模式的な側面図である。
【図3】本発明の一実施形態としての乾式紙形成装置の
繊維鬚出し部を示す模式図であり、(a)は平面図、
(b)は側断面図である。
【図4】本発明の一実施形態としての乾式紙形成装置の
紙層形成部及び紙形成部を示す模式な斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態としての乾式紙形成装置の
紙形成部を示す模式な斜視図である。
【図6】従来の紙形成装置の要部構成を示す模式的斜視
図である。
【図7】紙形成装置に投入されるパルプの一例を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1 パルプ塊(パルプ) 2 離解繊維 2A 鬚出し離解繊維 2B 紙シート 3 移動毛布 10 繊維離解部 11 搬送コンベア 12 回転シリンダ(回転胴) 12A パルプ入口 12B パルプ出口 13 送風機 14 回転シリンダ駆動装置 14A モータ 14B 減速機構 14C 第1ギヤ 14D 第2ギヤ 15A 下部受台 15B 上部受台 16 振動発生装置 17 振動板 17A 振動板固定支持装置 18 微振動板 18A 微振動発生装置 19 爪 20 繊維鬚出し部 21 離解繊維入口 21A 離解繊維案内流路 20A 鬚出し部本体 22,23 表面溝付きロール 22A,23A ロール軸 22B,23B ロールの溝付きの外周面 24 ケース 25 導管 26 駆動装置 27 送給管 27A 流出口 30 紙層形成部 31 案内板 32 水分付与機構 31A 案内面 33,34,47 ロール 32A 希釈澱粉 32B 噴射パイプ 32C 噴射口 40 紙形成部 41 加熱ロール 42 加圧ロール 43 加圧部材 44,45 ピン 46 アクチュータ(油圧シリンダ)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルプの繊維を水に混合させることなく
    機械的加工により離解させる繊維離解部と、 該繊維離解部により離解された繊維を機械的加工により
    鬚出しする繊維鬚出し部と、 該繊維鬚出し部により鬚出しされた離解繊維を互いに結
    合させながら紙層を形成する紙層形成部と、 該紙層形成部により形成された紙層を圧縮,乾燥して紙
    を形成する紙形成部とからなることを特徴とする、乾式
    紙形成装置。
  2. 【請求項2】 該繊維離解部には、内部に該パルプを供
    給される回転胴と、該回転胴の内周に設けられ該回転胴
    の回転時に該回転胴の内部で該パルプに運動を与える多
    数の爪と、該回転胴の内部に設けられて該回転胴の内部
    の該パルプに振動を与える振動板とが設けられているこ
    とを特徴とする、請求項1記載の乾式紙形成装置。
  3. 【請求項3】 該紙層形成部には、該繊維鬚出し部で鬚
    出しされた離解繊維を紙層形成ラインに案内する案内板
    と、該紙層形成ラインの下面を形成するように設けられ
    鬚出しされた該離解繊維を載せて移動させる移動毛布
    と、該紙層形成ラインの上方に設けられて該離解繊維に
    該離解繊維の相互の結合を助けるための水分を付与する
    水分付与機構とが設けられていることを特徴とする、請
    求項1又は2記載の乾式紙形成装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006314891A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 Misawa Homes Co Ltd 木材粉砕粉製造装置および木材粉砕粉製造方法、木質様成形品製造装置および木質様成形品製造方法
JP2016124211A (ja) * 2015-01-05 2016-07-11 セイコーエプソン株式会社 シート製造装置およびシート製造方法
JP2016169449A (ja) * 2015-03-12 2016-09-23 山田 菊夫 水解性パルプ積繊シート、及び水解性パルプ積繊シートの製造方法
JP2020033688A (ja) * 2019-11-07 2020-03-05 山田 菊夫 水解性パルプ積繊シート、ウェットワイプ、及び水解性パルプ積繊シートの製造方法

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