JP2001056098A - 天然ガスの吸着貯蔵方法およびこれに使用する吸着材 - Google Patents
天然ガスの吸着貯蔵方法およびこれに使用する吸着材Info
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- Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 実用天然ガスを使用しても、高い貯蔵密度を
確保することができる天然ガスの吸着貯蔵方法及びこれ
に使用する吸着材を提供する。 【解決手段】 インフラ側10において実用天然ガス中
のメタン、エタンの低炭素数成分とプロパン、ブタン等
の高炭素数成分とを分離し、低炭素数成分は第1吸着タ
ンク16に吸着貯蔵し、高炭素数成分は第2吸着タンク
18に吸着貯蔵する。これにより、高炭素数成分が吸着
材の細孔内で凝縮等を起こし、主成分である低炭素数成
分の吸着を妨げることを抑制でき、貯蔵密度を向上する
ことができる。
確保することができる天然ガスの吸着貯蔵方法及びこれ
に使用する吸着材を提供する。 【解決手段】 インフラ側10において実用天然ガス中
のメタン、エタンの低炭素数成分とプロパン、ブタン等
の高炭素数成分とを分離し、低炭素数成分は第1吸着タ
ンク16に吸着貯蔵し、高炭素数成分は第2吸着タンク
18に吸着貯蔵する。これにより、高炭素数成分が吸着
材の細孔内で凝縮等を起こし、主成分である低炭素数成
分の吸着を妨げることを抑制でき、貯蔵密度を向上する
ことができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然ガスの貯蔵方
法及びこれに使用する吸着材の改良に関する。
法及びこれに使用する吸着材の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、天然ガス等のガス燃料を比較
的低い圧力で大量に貯蔵するために、容器内に活性炭、
ゼオライト、シリカゲル等の吸着材を充填し、これに天
然ガス等を吸着貯蔵する方法が提案されている。
的低い圧力で大量に貯蔵するために、容器内に活性炭、
ゼオライト、シリカゲル等の吸着材を充填し、これに天
然ガス等を吸着貯蔵する方法が提案されている。
【0003】例えば、特開昭61−258961号公報
には、上述した吸着材を使用した貯蔵方法の車載用途へ
の応用例が開示されている。
には、上述した吸着材を使用した貯蔵方法の車載用途へ
の応用例が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の吸
着材を使用した天然ガスの貯蔵方法においては、純粋な
メタンを使用した場合には大きな吸着量を得ることがで
きるが、13A(メタンを主成分とし、これとエタン、
プロパン、ブタン等との混合ガス)等の実用天然ガスを
吸着貯蔵させると、貯蔵密度(V/V0)が大幅に低下
してしまう。これは、実用天然ガス中に含まれるプロパ
ン、ブタン等の高炭素数成分が、吸着材の細孔中で液化
する等により詰まり、主成分であるメタンの吸着量を減
少させるからであると考えられる。したがって、従来の
吸着貯蔵方法では実用化が困難であるという問題があっ
た。
着材を使用した天然ガスの貯蔵方法においては、純粋な
メタンを使用した場合には大きな吸着量を得ることがで
きるが、13A(メタンを主成分とし、これとエタン、
プロパン、ブタン等との混合ガス)等の実用天然ガスを
吸着貯蔵させると、貯蔵密度(V/V0)が大幅に低下
してしまう。これは、実用天然ガス中に含まれるプロパ
ン、ブタン等の高炭素数成分が、吸着材の細孔中で液化
する等により詰まり、主成分であるメタンの吸着量を減
少させるからであると考えられる。したがって、従来の
吸着貯蔵方法では実用化が困難であるという問題があっ
た。
【0005】本発明は、上記従来の課題に鑑みなされた
ものであり、その目的は、実用天然ガスを使用しても、
高い貯蔵密度(V/V0)を確保することができる天然
ガスの吸着貯蔵方法及びこれに使用する吸着材を提供す
ることにある。
ものであり、その目的は、実用天然ガスを使用しても、
高い貯蔵密度(V/V0)を確保することができる天然
ガスの吸着貯蔵方法及びこれに使用する吸着材を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、天然ガスの吸着貯蔵方法であって、低炭
素数成分と高炭素数成分とに天然ガスを分離し、低炭素
数成分は高圧で、高炭素数成分は低圧でそれぞれ独立し
て吸着材に吸着貯蔵することを特徴とする。
に、本発明は、天然ガスの吸着貯蔵方法であって、低炭
素数成分と高炭素数成分とに天然ガスを分離し、低炭素
数成分は高圧で、高炭素数成分は低圧でそれぞれ独立し
て吸着材に吸着貯蔵することを特徴とする。
【0007】また、上記天然ガスの吸着貯蔵方法におい
て、低炭素数成分を吸着貯蔵する吸着材を内蔵する第1
吸着タンクと、高炭素数成分を吸着貯蔵する吸着材を内
蔵する第2吸着タンクとを備え、第2吸着タンクに内蔵
された吸着材は前記第1吸着タンクに内蔵された吸着材
よりも細孔径が小さく設定され、天然ガスは前記第2吸
着タンクを経由して第1吸着タンクに供給されることを
特徴とする。
て、低炭素数成分を吸着貯蔵する吸着材を内蔵する第1
吸着タンクと、高炭素数成分を吸着貯蔵する吸着材を内
蔵する第2吸着タンクとを備え、第2吸着タンクに内蔵
された吸着材は前記第1吸着タンクに内蔵された吸着材
よりも細孔径が小さく設定され、天然ガスは前記第2吸
着タンクを経由して第1吸着タンクに供給されることを
特徴とする。
【0008】また、上記天然ガスの吸着貯蔵方法におい
て、第2吸着タンクは冷却手段を備えることを特徴とす
る。
て、第2吸着タンクは冷却手段を備えることを特徴とす
る。
【0009】また、上記天然ガスの吸着貯蔵方法におい
て、第2吸着タンクへ天然ガスを一時的に導入後、一度
圧力を低下させてから再度天然ガスを導入することを特
徴とする。
て、第2吸着タンクへ天然ガスを一時的に導入後、一度
圧力を低下させてから再度天然ガスを導入することを特
徴とする。
【0010】また、上記天然ガスの吸着貯蔵方法におい
て、貯蔵された天然ガスの脱離使用時には、第1吸着タ
ンクからの脱離ガスを第2吸着タンクに経由させて取り
出すことを特徴とする。
て、貯蔵された天然ガスの脱離使用時には、第1吸着タ
ンクからの脱離ガスを第2吸着タンクに経由させて取り
出すことを特徴とする。
【0011】また、天然ガスの吸着貯蔵方法であって、
吸着材を加熱し、加熱された吸着材に天然ガスを吸着さ
せることを特徴とする。
吸着材を加熱し、加熱された吸着材に天然ガスを吸着さ
せることを特徴とする。
【0012】また、上記天然ガスの吸着貯蔵方法におい
て、吸着材は20℃以上に加熱されることを特徴とす
る。
て、吸着材は20℃以上に加熱されることを特徴とす
る。
【0013】また、上記天然ガスの吸着貯蔵方法におい
て、天然ガスの吸着の進行とともに吸着材の温度を低下
させることを特徴とする。
て、天然ガスの吸着の進行とともに吸着材の温度を低下
させることを特徴とする。
【0014】また、天然ガスの吸着貯蔵に使用する吸着
材であって、賦活処理における高温処理の際に減圧処理
を施した活性炭であることを特徴とする。
材であって、賦活処理における高温処理の際に減圧処理
を施した活性炭であることを特徴とする。
【0015】また、上記吸着材において、活性炭は臭化
リチウムまたは塩化リチウムの添加された賦活処理剤に
て処理されたことを特徴とする。
リチウムまたは塩化リチウムの添加された賦活処理剤に
て処理されたことを特徴とする。
【0016】また、天然ガスの吸着貯蔵に使用する吸着
材であって、賦活処理において有機溶媒にて洗浄後、不
活性雰囲気中または水素雰囲気中で焼成した活性炭であ
ることを特徴とする。
材であって、賦活処理において有機溶媒にて洗浄後、不
活性雰囲気中または水素雰囲気中で焼成した活性炭であ
ることを特徴とする。
【0017】また、上記吸着材を使用した天然ガスの吸
着貯蔵方法であって、天然ガスの吸着の前に、ノルマル
パラフィンのみを吸着させることを特徴とする。
着貯蔵方法であって、天然ガスの吸着の前に、ノルマル
パラフィンのみを吸着させることを特徴とする。
【0018】また、上記吸着材を使用した天然ガスの吸
着貯蔵方法であって、天然ガスの吸着の前に、この天然
ガスから側鎖パラフィンを分離除去しておくことを特徴
とする。
着貯蔵方法であって、天然ガスの吸着の前に、この天然
ガスから側鎖パラフィンを分離除去しておくことを特徴
とする。
【0019】また、上記吸着材を使用した天然ガスの吸
着貯蔵方法であって、天然ガスの吸着の前に、この天然
ガスを、側鎖パラフィンを含まない第1成分と側鎖パラ
フィンを含む第2成分とに分離し、第1成分を吸着させ
てから第2成分を吸着させることを特徴とする。
着貯蔵方法であって、天然ガスの吸着の前に、この天然
ガスを、側鎖パラフィンを含まない第1成分と側鎖パラ
フィンを含む第2成分とに分離し、第1成分を吸着させ
てから第2成分を吸着させることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)を、図面に従って説明する。
実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0021】実施形態1.図1には、本発明に係る天然
ガスの吸着貯蔵方法の実施形態1を実施するための構成
が示される。図1において、インフラ側10において、
実用天然ガスである13Aを、メタン、エタンの低炭素
数成分とプロパン、ブタン等の高炭素数成分とに分離す
る。かかる分離は、天然ガスの温度と圧力とを制御する
ことにより実施できる。すなわち、十分に断熱されたタ
ンクの中で、天然ガスの温度を−50℃〜−100℃に
維持し、圧縮することにより高炭素数成分であるプロパ
ン、ブタン等が凝縮され液化される。また、低炭素数成
分であるメタン、エタンは気体状態に維持される。これ
により低炭素数成分と高炭素数成分とを分離することが
できる。
ガスの吸着貯蔵方法の実施形態1を実施するための構成
が示される。図1において、インフラ側10において、
実用天然ガスである13Aを、メタン、エタンの低炭素
数成分とプロパン、ブタン等の高炭素数成分とに分離す
る。かかる分離は、天然ガスの温度と圧力とを制御する
ことにより実施できる。すなわち、十分に断熱されたタ
ンクの中で、天然ガスの温度を−50℃〜−100℃に
維持し、圧縮することにより高炭素数成分であるプロパ
ン、ブタン等が凝縮され液化される。また、低炭素数成
分であるメタン、エタンは気体状態に維持される。これ
により低炭素数成分と高炭素数成分とを分離することが
できる。
【0022】このようにして分離された低炭素数成分と
高炭素数成分とは、図示しないポンプにて、カプラ12
を介して車両側14に供給される。この場合、メタン、
エタンの低炭素数成分は低炭素数成分を吸着貯蔵する吸
着材が内蔵された第1吸着タンク16に、またプロパ
ン、ブタン等の高炭素数成分は、高炭素数成分を吸着貯
蔵する吸着材が内蔵された第2吸着タンク18にそれぞ
れポンプで送られる。第1吸着タンク16には、約20
MPaの圧力で送られ、第2吸着タンク18には約1M
Pa以下かつ0.8MPa以上の圧力で送られる。
高炭素数成分とは、図示しないポンプにて、カプラ12
を介して車両側14に供給される。この場合、メタン、
エタンの低炭素数成分は低炭素数成分を吸着貯蔵する吸
着材が内蔵された第1吸着タンク16に、またプロパ
ン、ブタン等の高炭素数成分は、高炭素数成分を吸着貯
蔵する吸着材が内蔵された第2吸着タンク18にそれぞ
れポンプで送られる。第1吸着タンク16には、約20
MPaの圧力で送られ、第2吸着タンク18には約1M
Pa以下かつ0.8MPa以上の圧力で送られる。
【0023】上記第2吸着タンク18に吸着貯蔵される
成分は、主としてプロパン、ブタンである。また、第1
吸着タンク16に吸着貯蔵されるメタン、エタンガスは
十分に冷却されており、これにより充填時の吸着熱によ
る温度上昇が緩和される。
成分は、主としてプロパン、ブタンである。また、第1
吸着タンク16に吸着貯蔵されるメタン、エタンガスは
十分に冷却されており、これにより充填時の吸着熱によ
る温度上昇が緩和される。
【0024】このように、天然ガスは低炭素数成分と高
炭素数成分とに分離してそれぞれ別のタンクに貯蔵し、
使用時にはそれぞれのタンクから脱離させる。この場
合、第1吸着タンクからは20MPa〜0.8MPa程
度の圧力範囲で低炭素数成分が脱離されるので、第2吸
着タンクから取り出される高炭素数成分はコンプレッサ
にて昇圧しながら脱離させる。あるいは、熱交換器20
にて第2吸着タンク内のガス温度を100〜300℃に
昇温し、その蒸気圧を第1吸着タンクに合わせるよう制
御するのも好適である。
炭素数成分とに分離してそれぞれ別のタンクに貯蔵し、
使用時にはそれぞれのタンクから脱離させる。この場
合、第1吸着タンクからは20MPa〜0.8MPa程
度の圧力範囲で低炭素数成分が脱離されるので、第2吸
着タンクから取り出される高炭素数成分はコンプレッサ
にて昇圧しながら脱離させる。あるいは、熱交換器20
にて第2吸着タンク内のガス温度を100〜300℃に
昇温し、その蒸気圧を第1吸着タンクに合わせるよう制
御するのも好適である。
【0025】このように、低炭素数成分と高炭素数成分
とを分離して吸着貯蔵すると、従来の圧縮天然ガス(C
NG)における貯蔵密度(V/V0)が、20MPaの
貯蔵圧力の場合に240〜280であるのに対し、第1
吸着タンクでV/V0=350であり、第1吸着タンク
と第2吸着タンクを合わせた場合にも330程度の値を
得ることができる。これは、吸着材表面あるいは細孔内
部で液化し、吸着材の細孔をつぶしてV/V0を悪化さ
せやすい高炭素数成分を低炭素数成分から分離させ、メ
タン等の低炭素数成分のV/V0を高くできるととも
に、加熱等の操作により、高炭素数成分の貯蔵密度の低
下も抑制できるからである。
とを分離して吸着貯蔵すると、従来の圧縮天然ガス(C
NG)における貯蔵密度(V/V0)が、20MPaの
貯蔵圧力の場合に240〜280であるのに対し、第1
吸着タンクでV/V0=350であり、第1吸着タンク
と第2吸着タンクを合わせた場合にも330程度の値を
得ることができる。これは、吸着材表面あるいは細孔内
部で液化し、吸着材の細孔をつぶしてV/V0を悪化さ
せやすい高炭素数成分を低炭素数成分から分離させ、メ
タン等の低炭素数成分のV/V0を高くできるととも
に、加熱等の操作により、高炭素数成分の貯蔵密度の低
下も抑制できるからである。
【0026】また、低炭素数成分と高炭素数成分とを分
離すれば、吸着貯蔵を繰り返すうちに脱離しにくい高炭
素数成分のみが吸着材の細孔内に残留し、これによって
低炭素数成分の貯蔵密度が低下するという問題も解消す
ることができる。
離すれば、吸着貯蔵を繰り返すうちに脱離しにくい高炭
素数成分のみが吸着材の細孔内に残留し、これによって
低炭素数成分の貯蔵密度が低下するという問題も解消す
ることができる。
【0027】なお、第1吸着タンク16及び第2吸着タ
ンク18にそれぞれ吸着貯蔵された低炭素数成分と高炭
素数成分とは、使用時にバッファタンク22で再び混合
され、レギュレータ24で圧力調整された後にエンジン
側へ供給される。
ンク18にそれぞれ吸着貯蔵された低炭素数成分と高炭
素数成分とは、使用時にバッファタンク22で再び混合
され、レギュレータ24で圧力調整された後にエンジン
側へ供給される。
【0028】図2には、本実施形態に係る天然ガスの吸
着貯蔵方法を実施するための装置の変形例が示される。
図2において、図示しないインフラ側から実用天然ガス
である13Aがカプラ12を介して車両側に供給され
る。車両側には、プロパン、ブタン等の液化石油ガス
(LPG)が、0.2〜1MPa程度で凝縮され液状で
保持された第2吸着タンク18が設けられており、上記
13Aガスがこの第2吸着タンク18に導入される。導
入された13Aガスは、液化石油ガス中をバブリングさ
れ、13A中のプロパン、ブタン等の高炭素数成分が液
化石油ガス中にとけ込んで分離される。
着貯蔵方法を実施するための装置の変形例が示される。
図2において、図示しないインフラ側から実用天然ガス
である13Aがカプラ12を介して車両側に供給され
る。車両側には、プロパン、ブタン等の液化石油ガス
(LPG)が、0.2〜1MPa程度で凝縮され液状で
保持された第2吸着タンク18が設けられており、上記
13Aガスがこの第2吸着タンク18に導入される。導
入された13Aガスは、液化石油ガス中をバブリングさ
れ、13A中のプロパン、ブタン等の高炭素数成分が液
化石油ガス中にとけ込んで分離される。
【0029】また、第2吸着タンク18により吸着され
ない低炭素数成分であるエタンを含んだメタンガスは、
第1吸着タンク16に導入され、ここに収容されている
吸着材により吸着貯蔵される。
ない低炭素数成分であるエタンを含んだメタンガスは、
第1吸着タンク16に導入され、ここに収容されている
吸着材により吸着貯蔵される。
【0030】以上のようにして、高炭素数成分を第2吸
着タンク18に貯蔵し、低炭素数成分を第1吸着タンク
16に吸着貯蔵することにより、図1に示された実施形
態と同様の効果を奏することができる。なお、第1吸着
タンク16及び第2吸着タンク18に貯蔵されたガスを
燃料として使用する場合には、図1の場合と同様にバッ
ファタンク22で低炭素数成分と高炭素数成分とが混合
され、レギュレータ24で圧力調整された後エンジン側
へ供給される。この場合、特に高炭素数成分を貯蔵する
第2吸着タンク18には、図1と同様に冷水及び温水を
通すことのできる熱交換器20が設けられており、必要
に応じて温水で加熱しながらエンジン側へ供給すること
が可能となる。また、13Aガスを導入する前に冷却し
ておけば、液化石油ガスの蒸気圧が下がるため、更に第
2吸着タンク18による分離を効率的に行わせることが
できる。
着タンク18に貯蔵し、低炭素数成分を第1吸着タンク
16に吸着貯蔵することにより、図1に示された実施形
態と同様の効果を奏することができる。なお、第1吸着
タンク16及び第2吸着タンク18に貯蔵されたガスを
燃料として使用する場合には、図1の場合と同様にバッ
ファタンク22で低炭素数成分と高炭素数成分とが混合
され、レギュレータ24で圧力調整された後エンジン側
へ供給される。この場合、特に高炭素数成分を貯蔵する
第2吸着タンク18には、図1と同様に冷水及び温水を
通すことのできる熱交換器20が設けられており、必要
に応じて温水で加熱しながらエンジン側へ供給すること
が可能となる。また、13Aガスを導入する前に冷却し
ておけば、液化石油ガスの蒸気圧が下がるため、更に第
2吸着タンク18による分離を効率的に行わせることが
できる。
【0031】なお、図2においては、第1吸着タンク1
6と第2吸着タンク18とを車両側14に搭載する例が
示されているが、これらはインフラ側であるガス供給ス
タンドに設置してもよい。
6と第2吸着タンク18とを車両側14に搭載する例が
示されているが、これらはインフラ側であるガス供給ス
タンドに設置してもよい。
【0032】図3には、図2に示された第2吸着タンク
16の例が示される。第2吸着タンク16の内部には、
液化石油ガス26が保持されており、この液状の液化石
油ガス26内にバブラー28が設けられている。13A
ガスはこのバブラー28を介して液化石油ガス26中に
バブリングされる。これにより、プロパン、ブタン等の
高炭素数成分が液化石油ガス26中に溶解され、メタ
ン、エタン等の低炭素数成分のみが気相にあらわれ、こ
の低炭素数成分が次工程である第1吸着タンク16に送
られる。
16の例が示される。第2吸着タンク16の内部には、
液化石油ガス26が保持されており、この液状の液化石
油ガス26内にバブラー28が設けられている。13A
ガスはこのバブラー28を介して液化石油ガス26中に
バブリングされる。これにより、プロパン、ブタン等の
高炭素数成分が液化石油ガス26中に溶解され、メタ
ン、エタン等の低炭素数成分のみが気相にあらわれ、こ
の低炭素数成分が次工程である第1吸着タンク16に送
られる。
【0033】図4には、本実施形態に係る天然ガスの吸
着貯蔵方法を実施するための他の変形例が示される。図
4において、第2吸着タンク18には、その内部に吸着
材が充填されたチューブ状の耐圧配管30が設けられて
いる。外部からカプラ12を介して導入された13Aガ
スは、まず第2吸着タンク18の耐圧配管30中を流
れ、ここでプロパン、ブタン等の高炭素数成分が吸着さ
れる。これにより、メタン、エタン等の低炭素数成分と
プロパン、ブタン等の高炭素数成分とが分離される。こ
のようにして分離された低炭素数成分は、第1吸着タン
ク16に導入され、ここに保持されている吸着材により
吸着貯蔵される。
着貯蔵方法を実施するための他の変形例が示される。図
4において、第2吸着タンク18には、その内部に吸着
材が充填されたチューブ状の耐圧配管30が設けられて
いる。外部からカプラ12を介して導入された13Aガ
スは、まず第2吸着タンク18の耐圧配管30中を流
れ、ここでプロパン、ブタン等の高炭素数成分が吸着さ
れる。これにより、メタン、エタン等の低炭素数成分と
プロパン、ブタン等の高炭素数成分とが分離される。こ
のようにして分離された低炭素数成分は、第1吸着タン
ク16に導入され、ここに保持されている吸着材により
吸着貯蔵される。
【0034】上記耐圧配管30中に充填される吸着材
は、その細孔径が第1吸着タンク16に内蔵された吸着
材よりも小さく設定されている。例えば、細孔容積率が
0.3cc/cc以上であり、かつその細孔径が10Å
以下、好適には7Å以下であることが望ましい。このよ
うに細孔径の小さい吸着材では、細孔内部における相互
作用を大きくできるため、高温下でも高い効率で高炭素
数成分を吸着でき、高炭素数成分と低炭素数成分との分
離を効率よく行うことができる。ただし、耐圧配管30
中に充填された吸着材の細孔径の分布のピークが5Å程
度まで小さくなると、吸着材の骨格の占める割合が増え
るため貯蔵密度V/V0が低下するので、上記細孔径の
分布のピークとしては7Å〜10Åの範囲が望ましい。
は、その細孔径が第1吸着タンク16に内蔵された吸着
材よりも小さく設定されている。例えば、細孔容積率が
0.3cc/cc以上であり、かつその細孔径が10Å
以下、好適には7Å以下であることが望ましい。このよ
うに細孔径の小さい吸着材では、細孔内部における相互
作用を大きくできるため、高温下でも高い効率で高炭素
数成分を吸着でき、高炭素数成分と低炭素数成分との分
離を効率よく行うことができる。ただし、耐圧配管30
中に充填された吸着材の細孔径の分布のピークが5Å程
度まで小さくなると、吸着材の骨格の占める割合が増え
るため貯蔵密度V/V0が低下するので、上記細孔径の
分布のピークとしては7Å〜10Åの範囲が望ましい。
【0035】以上のように、耐圧配管30中に充填した
吸着材に高炭素数成分を吸着させると、圧力を高くした
場合でも室温付近の温度で凝縮させることができる。一
般に、プロパン、ブタン等の液化石油ガスでは、圧力を
5〜8MPa程度まで上昇させると、温度にもよるが、
超臨界状態に移行して液状態が維持できなくなる。した
がって、第2吸着タンク18を経由して13Aガスを第
1吸着タンク16まで送る際に、一旦凝縮した高炭素数
成分が気化し、第1吸着タンク16に混入するおそれが
ある。これに対して、前述のような細孔径を有する吸着
材に高炭素数成分を吸着させると、例えば10℃程度の
冷水で冷却した条件では3〜10気圧程度の圧力でも凝
縮状態を維持することができる。また、上記のように一
旦凝縮が生じると、その後に導入された13A中の高炭
素数成分も液体に吸収され、効率よく高炭素数成分と低
炭素数成分とを分離することができる。この場合、第2
吸着タンク18の温度変化をなるべく抑えるために、第
2吸着タンクを断熱構造とすることが望ましい。また、
高炭素数成分の液化をより効率的に行うために、第2吸
着タンク18には冷却手段を備えるのが好適である。図
4の例でも、第2吸着タンク18は耐圧配管30の外側
を冷水が流れる構造となっており、これが上記冷却手段
として機能する。
吸着材に高炭素数成分を吸着させると、圧力を高くした
場合でも室温付近の温度で凝縮させることができる。一
般に、プロパン、ブタン等の液化石油ガスでは、圧力を
5〜8MPa程度まで上昇させると、温度にもよるが、
超臨界状態に移行して液状態が維持できなくなる。した
がって、第2吸着タンク18を経由して13Aガスを第
1吸着タンク16まで送る際に、一旦凝縮した高炭素数
成分が気化し、第1吸着タンク16に混入するおそれが
ある。これに対して、前述のような細孔径を有する吸着
材に高炭素数成分を吸着させると、例えば10℃程度の
冷水で冷却した条件では3〜10気圧程度の圧力でも凝
縮状態を維持することができる。また、上記のように一
旦凝縮が生じると、その後に導入された13A中の高炭
素数成分も液体に吸収され、効率よく高炭素数成分と低
炭素数成分とを分離することができる。この場合、第2
吸着タンク18の温度変化をなるべく抑えるために、第
2吸着タンクを断熱構造とすることが望ましい。また、
高炭素数成分の液化をより効率的に行うために、第2吸
着タンク18には冷却手段を備えるのが好適である。図
4の例でも、第2吸着タンク18は耐圧配管30の外側
を冷水が流れる構造となっており、これが上記冷却手段
として機能する。
【0036】以上のように、高炭素数成分を凝縮させる
と液体の密度が高いうえに、もともと13Aガス中に含
まれる高炭素数成分はプロパンとブタンと合わせても5
〜8%程度であるので、第2吸着タンク18の容量とし
ては、第1吸着タンク16の約3%〜5%程度の容量で
よい。これにより、車両のスペース効率を向上させるこ
とができる。本装置では、第1吸着タンク16内の耐圧
配管30の温度を、ガスの使用時に上昇させる必要があ
るが、上述のとおり第1吸着タンク16の容量が小さく
できるので、使用する熱量が少量で済み、このために熱
交換器のスペースとして使用する容積を小さくすること
ができる。これによってもスペースの有効利用を図るこ
とができる。
と液体の密度が高いうえに、もともと13Aガス中に含
まれる高炭素数成分はプロパンとブタンと合わせても5
〜8%程度であるので、第2吸着タンク18の容量とし
ては、第1吸着タンク16の約3%〜5%程度の容量で
よい。これにより、車両のスペース効率を向上させるこ
とができる。本装置では、第1吸着タンク16内の耐圧
配管30の温度を、ガスの使用時に上昇させる必要があ
るが、上述のとおり第1吸着タンク16の容量が小さく
できるので、使用する熱量が少量で済み、このために熱
交換器のスペースとして使用する容積を小さくすること
ができる。これによってもスペースの有効利用を図るこ
とができる。
【0037】耐圧配管30として30mmφのステンレ
ス材料製チューブを使用した場合に、貯蔵密度の評価を
行った結果、第1吸着タンク16でV/V0=300〜
350、第2吸着タンク18でV/V0=350〜40
0の値が得られた。この場合の第1吸着タンク16及び
第2吸着タンク18のトータルのV/V0=320〜3
70であった。
ス材料製チューブを使用した場合に、貯蔵密度の評価を
行った結果、第1吸着タンク16でV/V0=300〜
350、第2吸着タンク18でV/V0=350〜40
0の値が得られた。この場合の第1吸着タンク16及び
第2吸着タンク18のトータルのV/V0=320〜3
70であった。
【0038】また、本変形例を使用した場合、13Aガ
スの吸着脱離を10回繰り返した場合の貯蔵密度の低下
率は5%以内にとどまった。
スの吸着脱離を10回繰り返した場合の貯蔵密度の低下
率は5%以内にとどまった。
【0039】本変形例においては、第2吸着タンク18
の耐圧配管30中に13Aガスを1〜3MPa程度導入
した後、0.3〜0.5MPa程度までガスを解放する
ことも好適である。これにより、耐圧配管30内の温度
が低下し、より高炭素数成分を凝縮させやすくなる。耐
圧配管30から解放されたガスは、例えば図4に示され
る排気タンク32に取り出す。このような工程により、
耐圧配管30中の温度は約10〜30℃程度低下する。
この場合、耐圧配管30から排気タンク32に解放され
るガス成分としては、低炭素数成分が多くなるので、耐
圧配管30中に残る成分としてはプロパン、ブタン等の
高炭素数成分の濃度が高くなる。この濃縮効果と、前述
した温度低下の効果により、より確実に高炭素数成分の
凝縮を行わせることができる。
の耐圧配管30中に13Aガスを1〜3MPa程度導入
した後、0.3〜0.5MPa程度までガスを解放する
ことも好適である。これにより、耐圧配管30内の温度
が低下し、より高炭素数成分を凝縮させやすくなる。耐
圧配管30から解放されたガスは、例えば図4に示され
る排気タンク32に取り出す。このような工程により、
耐圧配管30中の温度は約10〜30℃程度低下する。
この場合、耐圧配管30から排気タンク32に解放され
るガス成分としては、低炭素数成分が多くなるので、耐
圧配管30中に残る成分としてはプロパン、ブタン等の
高炭素数成分の濃度が高くなる。この濃縮効果と、前述
した温度低下の効果により、より確実に高炭素数成分の
凝縮を行わせることができる。
【0040】排気タンク32に戻したガスは、その後の
充填工程において、コンプレッサ34により再度車両側
14に戻す。
充填工程において、コンプレッサ34により再度車両側
14に戻す。
【0041】本変形例において、第1吸着タンク16及
び第2吸着タンク18からそれぞれ低炭素数成分及び高
炭素数成分を取り出して使用する場合には、図1の場合
と同様にバッファタンク22で混合し、レギュレータ2
4で圧力調整をしてエンジン側へ供給する。この場合、
第2吸着タンク18から高炭素数成分を取り出すには、
脱離用コンプレッサ35で高炭素数成分を吸着材から脱
離させる。またこの場合、エンジンから供給される温水
により第2吸着タンク18内を80℃程度に加熱しなが
ら脱離を行う。この脱離用コンプレッサ35では、高炭
素数成分を1〜1.5MPa程度まで昇圧し、バッファ
タンク22に供給する。
び第2吸着タンク18からそれぞれ低炭素数成分及び高
炭素数成分を取り出して使用する場合には、図1の場合
と同様にバッファタンク22で混合し、レギュレータ2
4で圧力調整をしてエンジン側へ供給する。この場合、
第2吸着タンク18から高炭素数成分を取り出すには、
脱離用コンプレッサ35で高炭素数成分を吸着材から脱
離させる。またこの場合、エンジンから供給される温水
により第2吸着タンク18内を80℃程度に加熱しなが
ら脱離を行う。この脱離用コンプレッサ35では、高炭
素数成分を1〜1.5MPa程度まで昇圧し、バッファ
タンク22に供給する。
【0042】上述のように、第2吸着タンク18を温水
にて80℃程度まで加熱しつつ、第2吸着タンク18内
の耐圧配管30内の圧力が0.05MPa〜0.1MP
a程度まで低下したところで第2吸着タンク18からの
高炭素数成分の脱離を停止する。前述のように、第2吸
着タンク18の容積は、第1吸着タンク16に比べて小
さいので、脱離用コンプレッサ35の運転時間は短くで
きる。また、通常の自動車用エンジンに対する供給であ
れば、脱離用コンプレッサ35の出力は50〜100W
程度で十分である。以上のことから、脱離用コンプレッ
サ35で消費されるエネルギは、全燃焼エネルギの約1
〜2%程度にとどめることができる。
にて80℃程度まで加熱しつつ、第2吸着タンク18内
の耐圧配管30内の圧力が0.05MPa〜0.1MP
a程度まで低下したところで第2吸着タンク18からの
高炭素数成分の脱離を停止する。前述のように、第2吸
着タンク18の容積は、第1吸着タンク16に比べて小
さいので、脱離用コンプレッサ35の運転時間は短くで
きる。また、通常の自動車用エンジンに対する供給であ
れば、脱離用コンプレッサ35の出力は50〜100W
程度で十分である。以上のことから、脱離用コンプレッ
サ35で消費されるエネルギは、全燃焼エネルギの約1
〜2%程度にとどめることができる。
【0043】図5には、本実施形態に係る天然ガスの吸
着貯蔵方法を実施するための更に他の変形例が示され
る。図5において、実用天然ガスである13Aガスが第
2吸着タンク18中の耐圧配管30に導入され、ここで
高炭素数成分が吸着分離された後、メタン、エタンの低
炭素数成分のみがインフラ10側に戻される。インフラ
10側では、プロパン、ブタン等の高炭素数成分をトラ
ップ36で除去した後、低炭素数成分を一旦バッファタ
ンク38に導入し、コンプレッサ34により10〜20
MPaの圧力まで昇圧する。このようにして昇圧された
低炭素数成分は、再び車両側14に導入され、第1吸着
タンク16にて吸着材により吸着貯蔵される。本変形例
では、第1吸着タンク16に導入される低炭素数成分の
圧力が10〜20MPa程度まで昇圧されているので、
第1吸着タンク16における貯蔵密度V/V0をより高
くすることができる。
着貯蔵方法を実施するための更に他の変形例が示され
る。図5において、実用天然ガスである13Aガスが第
2吸着タンク18中の耐圧配管30に導入され、ここで
高炭素数成分が吸着分離された後、メタン、エタンの低
炭素数成分のみがインフラ10側に戻される。インフラ
10側では、プロパン、ブタン等の高炭素数成分をトラ
ップ36で除去した後、低炭素数成分を一旦バッファタ
ンク38に導入し、コンプレッサ34により10〜20
MPaの圧力まで昇圧する。このようにして昇圧された
低炭素数成分は、再び車両側14に導入され、第1吸着
タンク16にて吸着材により吸着貯蔵される。本変形例
では、第1吸着タンク16に導入される低炭素数成分の
圧力が10〜20MPa程度まで昇圧されているので、
第1吸着タンク16における貯蔵密度V/V0をより高
くすることができる。
【0044】以上説明した各実施形態では、第1吸着タ
ンク16に吸着された低炭素数成分と第2吸着タンク1
8に吸着貯蔵された高炭素数成分とをバッファタンク2
2で混合してエンジン側へ供給していたが、これら2つ
のタンクを遮断し、独立して使用することも好適であ
る。これにより、高炭素数成分と低炭素数成分との混合
比率を必要に応じて制御することが可能となる。
ンク16に吸着された低炭素数成分と第2吸着タンク1
8に吸着貯蔵された高炭素数成分とをバッファタンク2
2で混合してエンジン側へ供給していたが、これら2つ
のタンクを遮断し、独立して使用することも好適であ
る。これにより、高炭素数成分と低炭素数成分との混合
比率を必要に応じて制御することが可能となる。
【0045】図6には、本実施形態に係る天然ガスの吸
着貯蔵方法を実施するための更に他の変形例が示され
る。図6において、吸着貯蔵された低炭素数成分及び高
炭素数成分をエンジン側へ供給する場合には、第1吸着
タンク16に吸着貯蔵された低炭素数成分を高炭素数成
分を吸着貯蔵する第2吸着タンク18に経由させ、低炭
素数成分と高炭素数成分とを混合しつつ供給する。この
ような方式により、非常に単純な構造で、かつ燃料ガス
を取り出すためのエネルギをほとんど使用せずにエンジ
ンへの燃料ガスの供給が可能となる。この場合、図6に
示されるように、脱離用コンプレッサ35を使用して燃
料ガスのエンジンへの供給を行ってもよい。
着貯蔵方法を実施するための更に他の変形例が示され
る。図6において、吸着貯蔵された低炭素数成分及び高
炭素数成分をエンジン側へ供給する場合には、第1吸着
タンク16に吸着貯蔵された低炭素数成分を高炭素数成
分を吸着貯蔵する第2吸着タンク18に経由させ、低炭
素数成分と高炭素数成分とを混合しつつ供給する。この
ような方式により、非常に単純な構造で、かつ燃料ガス
を取り出すためのエネルギをほとんど使用せずにエンジ
ンへの燃料ガスの供給が可能となる。この場合、図6に
示されるように、脱離用コンプレッサ35を使用して燃
料ガスのエンジンへの供給を行ってもよい。
【0046】以上の本変形例では、低炭素数成分と高炭
素数成分とは、第1吸着タンク16からの低炭素数成分
を第2吸着タンク18内に通過させるだけでよいので、
第2吸着タンク18内の高炭素数成分をガス化する必要
がなく、燃料ガスを取り出すためのエネルギを上述のよ
うに低減することができる。
素数成分とは、第1吸着タンク16からの低炭素数成分
を第2吸着タンク18内に通過させるだけでよいので、
第2吸着タンク18内の高炭素数成分をガス化する必要
がなく、燃料ガスを取り出すためのエネルギを上述のよ
うに低減することができる。
【0047】実施形態2.従来より、吸着材を使用して
天然ガス等を吸着貯蔵する場合には、吸着熱が発生する
ために吸着材あるいは吸着させる燃料ガスを冷却するこ
とが行われていた。このように、冷却工程を設けても、
メタン単体の吸着の場合には吸着特性に悪影響を及ぼさ
ないが、実用天然ガスである13Aのようにプロパン、
ブタンのような高炭素数成分を含んでいる場合には、温
度を低くすると吸着材の細孔内部等で凝縮が発生し、細
孔内がふさがれてガス拡散が妨げられ、結果的に貯蔵密
度が低下するという問題があった。例えば、圧縮天然ガ
ス(CNG)の貯蔵密度が20MPa時でV/V0=2
40〜280程度であるのに対して純メタンを吸着させ
た場合にV/V0=300〜400程度を達成できる吸
着材を開発したとしても、実用天然ガスである13Aを
用いると、前述した高炭素数成分の凝縮等によりV/V
0=200〜250程度まで低下してしまう。この高炭
素数成分の凝縮は、特に充填初期の低圧力時において顕
著であった。
天然ガス等を吸着貯蔵する場合には、吸着熱が発生する
ために吸着材あるいは吸着させる燃料ガスを冷却するこ
とが行われていた。このように、冷却工程を設けても、
メタン単体の吸着の場合には吸着特性に悪影響を及ぼさ
ないが、実用天然ガスである13Aのようにプロパン、
ブタンのような高炭素数成分を含んでいる場合には、温
度を低くすると吸着材の細孔内部等で凝縮が発生し、細
孔内がふさがれてガス拡散が妨げられ、結果的に貯蔵密
度が低下するという問題があった。例えば、圧縮天然ガ
ス(CNG)の貯蔵密度が20MPa時でV/V0=2
40〜280程度であるのに対して純メタンを吸着させ
た場合にV/V0=300〜400程度を達成できる吸
着材を開発したとしても、実用天然ガスである13Aを
用いると、前述した高炭素数成分の凝縮等によりV/V
0=200〜250程度まで低下してしまう。この高炭
素数成分の凝縮は、特に充填初期の低圧力時において顕
著であった。
【0048】以上のような問題を解決するために、本発
明者らが検討した結果、充填時に吸着材の温度を予め所
定の温度まで上昇させておくか、あるいは充填するが燃
料ガスを予め加熱しておくと、上記高炭素数成分の凝縮
が抑制され、貯蔵密度を純メタンの場合と同程度まで向
上できることがわかった。この場合、吸着材の温度とし
ては20℃以上、できれば30℃程度以上とすることが
好適である。また、吸着材への燃料ガスの吸着により圧
力上昇するにしたがって上記温度を徐々に下げ、最終的
には20℃未満とするのが望ましい。
明者らが検討した結果、充填時に吸着材の温度を予め所
定の温度まで上昇させておくか、あるいは充填するが燃
料ガスを予め加熱しておくと、上記高炭素数成分の凝縮
が抑制され、貯蔵密度を純メタンの場合と同程度まで向
上できることがわかった。この場合、吸着材の温度とし
ては20℃以上、できれば30℃程度以上とすることが
好適である。また、吸着材への燃料ガスの吸着により圧
力上昇するにしたがって上記温度を徐々に下げ、最終的
には20℃未満とするのが望ましい。
【0049】以上に述べた本実施形態の方法により、活
性炭を吸着材としてこれに13Aガスを吸着させた場合
の結果が表1に示される。
性炭を吸着材としてこれに13Aガスを吸着させた場合
の結果が表1に示される。
【0050】
【表1】 上記表1には、本案の他に吸着材の加熱を行わない従来
方法の場合及び純メタンを使用した場合の結果も示され
る。表1において、充填成功率は、吸着材に凝縮がおこ
らず、充填途中で13Aガスの吸着が行えなくなる状態
が発生しない場合をいう。表1に示されるように、本案
すなわち吸着材の温度を充填初期に30℃まで加熱する
方法では、充填成功率が50%であった。これに対して
加熱を行わない従来方法では全てのケースで充填が成功
しなかった。本案の50%という成功率は純メタンの場
合に比べて半分程度であるが、加熱を全く行わない場合
に比べて改良されていることがわかる。また、充填が成
功した場合には、貯蔵密度がV/V0=230〜350
程度となり、純メタンの場合を超える結果となってい
る。この貯蔵密度は、表1に示されるCNGの15MP
aの圧力における貯蔵密度よりも向上されている。な
お、上述の方法では、予め吸着材を加熱する方法を採っ
たが、吸着される13Aガスを予め加熱することによっ
ても同様の結果が得られる。
方法の場合及び純メタンを使用した場合の結果も示され
る。表1において、充填成功率は、吸着材に凝縮がおこ
らず、充填途中で13Aガスの吸着が行えなくなる状態
が発生しない場合をいう。表1に示されるように、本案
すなわち吸着材の温度を充填初期に30℃まで加熱する
方法では、充填成功率が50%であった。これに対して
加熱を行わない従来方法では全てのケースで充填が成功
しなかった。本案の50%という成功率は純メタンの場
合に比べて半分程度であるが、加熱を全く行わない場合
に比べて改良されていることがわかる。また、充填が成
功した場合には、貯蔵密度がV/V0=230〜350
程度となり、純メタンの場合を超える結果となってい
る。この貯蔵密度は、表1に示されるCNGの15MP
aの圧力における貯蔵密度よりも向上されている。な
お、上述の方法では、予め吸着材を加熱する方法を採っ
たが、吸着される13Aガスを予め加熱することによっ
ても同様の結果が得られる。
【0051】以上に述べた天然ガスの吸着貯蔵方法で
は、吸着材または吸着される天然ガスを加熱することに
より凝縮の発生を防止していた。この方法の他に、吸着
材に吸着貯蔵する際に吸着材の間の空隙に天然ガスを流
動させながら吸着させても、吸着材の細孔内あるいは表
面における天然ガスの凝縮を抑制することができる。図
7には、このような天然ガスの吸着貯蔵方法を実施する
ための例が示される。
は、吸着材または吸着される天然ガスを加熱することに
より凝縮の発生を防止していた。この方法の他に、吸着
材に吸着貯蔵する際に吸着材の間の空隙に天然ガスを流
動させながら吸着させても、吸着材の細孔内あるいは表
面における天然ガスの凝縮を抑制することができる。図
7には、このような天然ガスの吸着貯蔵方法を実施する
ための例が示される。
【0052】図7において、系内を一旦真空までひいた
後、実用天然ガス13Aをレギュレータ24を介し逆止
弁40を経由してバッファタンク42に導入する。バッ
ファタンクの圧力が所定圧力例えば1MPa〜3MPa
程度まで達した後に、循環用ポンプ44を作動させ、バ
ッファタンク42と天然ガスを吸着貯蔵するための吸着
材が収容されたNG用タンク46との間で天然ガスの循
環を行う。このようにして、天然ガスを循環させながら
NG用タンク46に天然ガスの吸着貯蔵を行わせると、
充填作業中に吸着材の間隙を天然ガスが常に流動した状
態となるので、細孔内あるいは吸着材表面での天然ガス
の凝縮を防止でき、貯蔵密度の低下を防止できる。この
ような循環状態でNG用タンク46への天然ガスの吸着
貯蔵を行わせ、この圧力が所定の圧力例えば3MPa以
上となれば、これ以後天然ガスの凝縮が発生するおそれ
がなくなるので、循環用ポンプ44を停止してもよい。
後、実用天然ガス13Aをレギュレータ24を介し逆止
弁40を経由してバッファタンク42に導入する。バッ
ファタンクの圧力が所定圧力例えば1MPa〜3MPa
程度まで達した後に、循環用ポンプ44を作動させ、バ
ッファタンク42と天然ガスを吸着貯蔵するための吸着
材が収容されたNG用タンク46との間で天然ガスの循
環を行う。このようにして、天然ガスを循環させながら
NG用タンク46に天然ガスの吸着貯蔵を行わせると、
充填作業中に吸着材の間隙を天然ガスが常に流動した状
態となるので、細孔内あるいは吸着材表面での天然ガス
の凝縮を防止でき、貯蔵密度の低下を防止できる。この
ような循環状態でNG用タンク46への天然ガスの吸着
貯蔵を行わせ、この圧力が所定の圧力例えば3MPa以
上となれば、これ以後天然ガスの凝縮が発生するおそれ
がなくなるので、循環用ポンプ44を停止してもよい。
【0053】このような方法によりNG用タンク46へ
の天然ガスの吸着貯蔵を行わせた結果、貯蔵密度V/V
0としては前述した表1の場合と同様にV/V0=230
〜350程度の値となり、また充填成功率としてほぼ1
00%を達成することができた。なお、図7に示された
バッファタンク42及び循環用ポンプ44は、自動車
側、インフラ側のいずれに設置してもよい。
の天然ガスの吸着貯蔵を行わせた結果、貯蔵密度V/V
0としては前述した表1の場合と同様にV/V0=230
〜350程度の値となり、また充填成功率としてほぼ1
00%を達成することができた。なお、図7に示された
バッファタンク42及び循環用ポンプ44は、自動車
側、インフラ側のいずれに設置してもよい。
【0054】以上に述べた方法のほか、NG用タンク4
6への天然ガスの吸着貯蔵の初期段階における凝縮を防
止する方法としては、充填初期に純メタンを導入する方
法も考えられる。すなわち、まず純メタンをNG用タン
ク46に1MPaあるいは3MPa程度まで導入し、こ
れ以上の圧力で13Aガスを導入する。一般に、吸着材
の細孔内及び表面での天然ガスの凝縮は、充填初期の低
い圧力の段階で発生しやすいので、上記のように充填初
期のみ凝縮を起こさない純メタンを使用することによ
り、凝縮による貯蔵密度の低下を抑制することができ
る。
6への天然ガスの吸着貯蔵の初期段階における凝縮を防
止する方法としては、充填初期に純メタンを導入する方
法も考えられる。すなわち、まず純メタンをNG用タン
ク46に1MPaあるいは3MPa程度まで導入し、こ
れ以上の圧力で13Aガスを導入する。一般に、吸着材
の細孔内及び表面での天然ガスの凝縮は、充填初期の低
い圧力の段階で発生しやすいので、上記のように充填初
期のみ凝縮を起こさない純メタンを使用することによ
り、凝縮による貯蔵密度の低下を抑制することができ
る。
【0055】この方法では、純メタンから13Aガスへ
の切替圧力が高いほど凝縮の危険性が減少する代わりに
13Aガスの吸着量が減少するので、トータルの熱量が
低下する。従って、凝縮の発生しやすさと燃料ガスとし
ての必要な熱量とを勘案して初期の純メタンの充填圧力
を決定する。
の切替圧力が高いほど凝縮の危険性が減少する代わりに
13Aガスの吸着量が減少するので、トータルの熱量が
低下する。従って、凝縮の発生しやすさと燃料ガスとし
ての必要な熱量とを勘案して初期の純メタンの充填圧力
を決定する。
【0056】表2には、以上に述べた純メタンを初期に
導入する方法でNG用タンク46に13Aガスを充填し
た場合の結果が示される。
導入する方法でNG用タンク46に13Aガスを充填し
た場合の結果が示される。
【0057】
【表2】 表2に示されるように、この方法では、1MPa程度ま
で純メタンを充填すれば表1に示された結果に比べ十分
に高い成功率が得られており、さらに純メタンから13
Aガスへの切替圧力が高いほど充填成功率も高くなって
いる。また、この場合の貯蔵密度は、純メタンの場合及
びCNG(15MPa)の場合と比べて十分に高い値と
なっている。
で純メタンを充填すれば表1に示された結果に比べ十分
に高い成功率が得られており、さらに純メタンから13
Aガスへの切替圧力が高いほど充填成功率も高くなって
いる。また、この場合の貯蔵密度は、純メタンの場合及
びCNG(15MPa)の場合と比べて十分に高い値と
なっている。
【0058】さらに、NG用タンク46への吸着貯蔵の
際に天然ガスの凝縮を防止させる方法として、本発明者
らが検討した結果、充填時に天然ガスの導入配管、レギ
ュレータ24等のインフラ側設備とNG用タンク46等
の自動車側の設備の全てを一定の温度範囲の室内に置
き、その温度を20〜40℃の範囲で均温化するのが効
果的であることを見いだした。この場合、13Aの組成
のみならず、ブタンの含有量を通常の13Aよりも上昇
させていっても高い凝縮抑制効果を見出せた。
際に天然ガスの凝縮を防止させる方法として、本発明者
らが検討した結果、充填時に天然ガスの導入配管、レギ
ュレータ24等のインフラ側設備とNG用タンク46等
の自動車側の設備の全てを一定の温度範囲の室内に置
き、その温度を20〜40℃の範囲で均温化するのが効
果的であることを見いだした。この場合、13Aの組成
のみならず、ブタンの含有量を通常の13Aよりも上昇
させていっても高い凝縮抑制効果を見出せた。
【0059】図8には、上記方法及び前述した他の方法
でNG用タンク46に吸着貯蔵を行わせた場合に、吸着
させるガス中のブタン濃度を上昇させていった場合の充
填成功率の推移が示される。図8では、Aとして上記均
温化法の結果が示され、Bとして前述した吸着材を加熱
する方法に初期段階でメタンを導入する方法を組み合わ
せた結果が示され、Cとして吸着材を加熱する方法のみ
によった場合の結果が示され、Dとして単に活性炭に吸
着させるだけの結果がそれぞれ示される。図8に示され
るように、設備を均温化する方法によれば、ブタンの濃
度が60%を超えても、なお80%以上の成功率を維持
することができている。なお、この場合のブタンとして
は、ノルマルブタンとイソブタンがそれぞれ50%ずつ
混合されたものを使用した。
でNG用タンク46に吸着貯蔵を行わせた場合に、吸着
させるガス中のブタン濃度を上昇させていった場合の充
填成功率の推移が示される。図8では、Aとして上記均
温化法の結果が示され、Bとして前述した吸着材を加熱
する方法に初期段階でメタンを導入する方法を組み合わ
せた結果が示され、Cとして吸着材を加熱する方法のみ
によった場合の結果が示され、Dとして単に活性炭に吸
着させるだけの結果がそれぞれ示される。図8に示され
るように、設備を均温化する方法によれば、ブタンの濃
度が60%を超えても、なお80%以上の成功率を維持
することができている。なお、この場合のブタンとして
は、ノルマルブタンとイソブタンがそれぞれ50%ずつ
混合されたものを使用した。
【0060】実施形態3.本実施形態は、吸着材の吸着
特性の改良に関するものである。本発明者らは、種々の
吸着材について、実用天然ガスである13Aを吸着させ
た場合の貯蔵密度と実施形態2で述べた充填成功率につ
いて調査した。この結果が図9に示される。図9におい
て、横軸には貯蔵密度(V/V0)が、縦軸には充填成
功率がそれぞれ示される。図9からわかるように、細孔
径ピークが8〜10Åであるカーボン系の層間化合物及
び細孔径ピークが20〜30Åであるシリカ系のFSM
(メソ多孔体)を使用した場合には、貯蔵密度V/V0
及び充填成功率共に高い結果が得られている。これに対
して、ゼオライトでは、細孔径のピークが5〜8Åであ
り、貯蔵密度V/V0を十分大きくすることができなか
った。また、活性炭を使用した場合には、貯蔵密度V/
V0の幅が広い範囲に分布すると共に、充填成功率を十
分高くすることができなかった。
特性の改良に関するものである。本発明者らは、種々の
吸着材について、実用天然ガスである13Aを吸着させ
た場合の貯蔵密度と実施形態2で述べた充填成功率につ
いて調査した。この結果が図9に示される。図9におい
て、横軸には貯蔵密度(V/V0)が、縦軸には充填成
功率がそれぞれ示される。図9からわかるように、細孔
径ピークが8〜10Åであるカーボン系の層間化合物及
び細孔径ピークが20〜30Åであるシリカ系のFSM
(メソ多孔体)を使用した場合には、貯蔵密度V/V0
及び充填成功率共に高い結果が得られている。これに対
して、ゼオライトでは、細孔径のピークが5〜8Åであ
り、貯蔵密度V/V0を十分大きくすることができなか
った。また、活性炭を使用した場合には、貯蔵密度V/
V0の幅が広い範囲に分布すると共に、充填成功率を十
分高くすることができなかった。
【0061】このように、既存の吸着材としては、層間
化合物及びFSMが優れていることがわかる。ただし、
これらの材料はそのコストが高いため、コスト低減の観
点からは活性炭の吸着能力を向上させることが望まし
い。そこで、本発明者らは、活性炭の吸着能力を向上す
るための賦活処理法について検討した。
化合物及びFSMが優れていることがわかる。ただし、
これらの材料はそのコストが高いため、コスト低減の観
点からは活性炭の吸着能力を向上させることが望まし
い。そこで、本発明者らは、活性炭の吸着能力を向上す
るための賦活処理法について検討した。
【0062】活性炭を製造するための賦活処理として
は、水蒸気を用いるガス賦活と、薬品を原料に加えてか
ら不活性ガス雰囲気中にて加熱し、炭化と賦活とを同時
に行う薬品賦活法とがある。この薬品賦活法に使用され
る薬品としては、例えば塩化亜鉛、リン酸、硫化カリウ
ム、水酸化カリウム、チオシアン酸カリウム等が用いら
れる。また、活性炭を製造するための原料としては、例
えばやしがら、木材、石炭等が使用される。
は、水蒸気を用いるガス賦活と、薬品を原料に加えてか
ら不活性ガス雰囲気中にて加熱し、炭化と賦活とを同時
に行う薬品賦活法とがある。この薬品賦活法に使用され
る薬品としては、例えば塩化亜鉛、リン酸、硫化カリウ
ム、水酸化カリウム、チオシアン酸カリウム等が用いら
れる。また、活性炭を製造するための原料としては、例
えばやしがら、木材、石炭等が使用される。
【0063】上記従来の賦活処理により製造された活性
炭においては、その細孔内部に水酸基等の官能基が多数
存在し、炭化水素を吸着した場合に、官能基と炭化水素
とが化学的に結合し、大きな吸着熱を発生させる。また
この官能基の数が多いと、特に高炭素数成分と細孔表面
との相互作用により高炭素数成分が細孔内で凝縮しやす
くなって、この高炭素数成分を含む実用天然ガスの吸着
時に貯蔵密度の低下の原因となる。そこで、本発明者ら
は、活性炭の細孔内部に存在する官能基の数を減少させ
ることのできる賦活処理法について検討した。このよう
な賦活処理法として以下のような薬品賦活法を改良した
方法が考えられる。
炭においては、その細孔内部に水酸基等の官能基が多数
存在し、炭化水素を吸着した場合に、官能基と炭化水素
とが化学的に結合し、大きな吸着熱を発生させる。また
この官能基の数が多いと、特に高炭素数成分と細孔表面
との相互作用により高炭素数成分が細孔内で凝縮しやす
くなって、この高炭素数成分を含む実用天然ガスの吸着
時に貯蔵密度の低下の原因となる。そこで、本発明者ら
は、活性炭の細孔内部に存在する官能基の数を減少させ
ることのできる賦活処理法について検討した。このよう
な賦活処理法として以下のような薬品賦活法を改良した
方法が考えられる。
【0064】まず、比重1.8程度の塩化亜鉛溶液を原
料に加えて含浸させ、これを空気に触れることなく60
0〜700℃にて加熱する。この加熱処理により、塩化
鉛の脱水作用によって原料中の水素と酸素とが水蒸気と
して放出され、多孔性構造の発達した炭素が形成され
る。本実施形態で特徴的な点は、上記のように原料を加
熱して高温処理を行う際に、真空引きも同時に行い、減
圧処理を施す点にある。この場合の真空引き圧力として
は、10-1トール(Torr)以下が望ましい。このよ
うな減圧処理を行うことにより、細孔内部の水蒸気の脱
離が促進され、この結果細孔内部の水酸基等の官能基を
減少させることができる。
料に加えて含浸させ、これを空気に触れることなく60
0〜700℃にて加熱する。この加熱処理により、塩化
鉛の脱水作用によって原料中の水素と酸素とが水蒸気と
して放出され、多孔性構造の発達した炭素が形成され
る。本実施形態で特徴的な点は、上記のように原料を加
熱して高温処理を行う際に、真空引きも同時に行い、減
圧処理を施す点にある。この場合の真空引き圧力として
は、10-1トール(Torr)以下が望ましい。このよ
うな減圧処理を行うことにより、細孔内部の水蒸気の脱
離が促進され、この結果細孔内部の水酸基等の官能基を
減少させることができる。
【0065】次いで、上記処理後の材料に塩酸を添加し
て塩化亜鉛を除去し、水洗により酸と塩基とを除去す
る。これを粉砕・乾燥し、本実施形態に係る活性炭とす
る。
て塩化亜鉛を除去し、水洗により酸と塩基とを除去す
る。これを粉砕・乾燥し、本実施形態に係る活性炭とす
る。
【0066】上記薬品としては、他にリン酸、リン酸ナ
トリウム、リン酸カルシウムも使用することができる。
これらを使用した場合の高温処理温度は、400〜60
0℃程度とする。また、水酸化カリウム、水酸化ナトリ
ウム等を使用する場合には、500℃での高温処理を行
う。さらに硫化カリウム、チオシアン酸カリウム等も使
用することができる。
トリウム、リン酸カルシウムも使用することができる。
これらを使用した場合の高温処理温度は、400〜60
0℃程度とする。また、水酸化カリウム、水酸化ナトリ
ウム等を使用する場合には、500℃での高温処理を行
う。さらに硫化カリウム、チオシアン酸カリウム等も使
用することができる。
【0067】表3には、上記本実施形態に係る薬品賦活
法で製造した活性炭及び従来の薬品賦活法、水蒸気賦活
法で製造した活性炭の評価結果が示される。また、比較
例として、水蒸気で賦活する際に本実施形態と同様に真
空引きを行い減圧処理を施した活性炭の評価結果も示さ
れる。なお、この場合に使用した活性炭の原料はやしが
らである。また、高温処理は700℃で行い、減圧処理
の真空度は10-1Torrとした。
法で製造した活性炭及び従来の薬品賦活法、水蒸気賦活
法で製造した活性炭の評価結果が示される。また、比較
例として、水蒸気で賦活する際に本実施形態と同様に真
空引きを行い減圧処理を施した活性炭の評価結果も示さ
れる。なお、この場合に使用した活性炭の原料はやしが
らである。また、高温処理は700℃で行い、減圧処理
の真空度は10-1Torrとした。
【0068】
【表3】 表3からわかるように、従来の水蒸気賦活法及び薬品賦
活法で製造した活性炭は、10MPaの圧力での13A
ガスの貯蔵密度V/V0は、130〜145であり、水
蒸気賦活法において真空引きを併用してもこの値は改善
されていない。
活法で製造した活性炭は、10MPaの圧力での13A
ガスの貯蔵密度V/V0は、130〜145であり、水
蒸気賦活法において真空引きを併用してもこの値は改善
されていない。
【0069】これに対して本実施形態の賦活法で製造し
た活性炭の場合は、13Aガスの貯蔵密度がV/V0=
220となっており、上記従来の賦活法により製造した
活性炭に比べ大幅に向上している。
た活性炭の場合は、13Aガスの貯蔵密度がV/V0=
220となっており、上記従来の賦活法により製造した
活性炭に比べ大幅に向上している。
【0070】また、表3にはブタン吸着時の吸着熱も示
されているが、吸着熱は前述したとおり官能基とブタン
等が化学結合する際に発生するものなので、官能基の数
が多いほど吸着熱が多くなる傾向にある。表3に示され
るように、従来の水蒸気賦活法、薬品賦活法では、その
値がほとんど変わらず、官能基の量がほぼ同じであると
考えられる。これに対し、薬品賦活法に真空引きを組み
合わせた本実施形態の賦活法によれば、この吸着熱が3
3kj/molとなり、従来法の約半分以下となってい
る。このことから、本実施形態の賦活法により製造した
活性炭では、官能基の量が従来の半分以下となっている
と考えられる。このため、13Aガス中の高炭素数成分
の凝縮が抑制され、上記のように貯蔵密度が向上したも
のと考えられる。
されているが、吸着熱は前述したとおり官能基とブタン
等が化学結合する際に発生するものなので、官能基の数
が多いほど吸着熱が多くなる傾向にある。表3に示され
るように、従来の水蒸気賦活法、薬品賦活法では、その
値がほとんど変わらず、官能基の量がほぼ同じであると
考えられる。これに対し、薬品賦活法に真空引きを組み
合わせた本実施形態の賦活法によれば、この吸着熱が3
3kj/molとなり、従来法の約半分以下となってい
る。このことから、本実施形態の賦活法により製造した
活性炭では、官能基の量が従来の半分以下となっている
と考えられる。このため、13Aガス中の高炭素数成分
の凝縮が抑制され、上記のように貯蔵密度が向上したも
のと考えられる。
【0071】上述した薬品賦活法の他に、高温処理時に
減圧処理を行う代わりに、塩酸による洗浄及び水洗を行
った後に真空引きを行い同時に加熱乾燥を行い、次に非
水系あるいは疎水性の有機溶媒を吸着させ、さらに真空
引きした後不活性ガス中にて焼成するという方法によっ
ても、活性炭の細孔内から水酸基等の官能基を減少させ
ることができる。この場合に、上述した高温処理の際に
減圧処理を行うという工程も併存させれば、さらに高い
効果を得ることができる。なお、上記有機溶媒として
は、例えばパラフィン等が望ましい。また、上記不活性
雰囲気中で処理した後の活性炭表面にはラジカルが存在
する可能性が高いため、長期の使用により不純物の水酸
基、カルボニル基等が再付着するおそれもある。このよ
うな場合には、水素雰囲気下で同じ処理を行ってもよ
く、この場合においても同様な結果を得ることができ
る。
減圧処理を行う代わりに、塩酸による洗浄及び水洗を行
った後に真空引きを行い同時に加熱乾燥を行い、次に非
水系あるいは疎水性の有機溶媒を吸着させ、さらに真空
引きした後不活性ガス中にて焼成するという方法によっ
ても、活性炭の細孔内から水酸基等の官能基を減少させ
ることができる。この場合に、上述した高温処理の際に
減圧処理を行うという工程も併存させれば、さらに高い
効果を得ることができる。なお、上記有機溶媒として
は、例えばパラフィン等が望ましい。また、上記不活性
雰囲気中で処理した後の活性炭表面にはラジカルが存在
する可能性が高いため、長期の使用により不純物の水酸
基、カルボニル基等が再付着するおそれもある。このよ
うな場合には、水素雰囲気下で同じ処理を行ってもよ
く、この場合においても同様な結果を得ることができ
る。
【0072】表4には、やしがらを原料とした場合に、
本案により製造した活性炭及び本案と前述した高温処理
の際に減圧処理を行う方法(高温処理時真空引き法)を
併存させて製造した活性炭の吸着特性の評価結果が示さ
れる。また、比較例として従来の薬品賦活法及び前述し
た高温処理時真空引き法による活性炭の評価結果も示さ
れる。なお、表4の本案において、活性炭に吸着させる
有機溶媒はブタンであり、ゲージ圧力0.1MPaにて
常温で導入し吸着させた。また、その後の真空引き処理
は1Torr程度の真空とした。
本案により製造した活性炭及び本案と前述した高温処理
の際に減圧処理を行う方法(高温処理時真空引き法)を
併存させて製造した活性炭の吸着特性の評価結果が示さ
れる。また、比較例として従来の薬品賦活法及び前述し
た高温処理時真空引き法による活性炭の評価結果も示さ
れる。なお、表4の本案において、活性炭に吸着させる
有機溶媒はブタンであり、ゲージ圧力0.1MPaにて
常温で導入し吸着させた。また、その後の真空引き処理
は1Torr程度の真空とした。
【0073】
【表4】 表4からわかるように、本案のみの場合にも、ブタン吸
着時の吸着熱から、高温処理時真空引きを行った薬品賦
活法と同程度に官能基が減少していることがわかる。ま
た、13Aガスの10MPaの圧力での貯蔵密度V/V
0も同程度の値となっている。このような本案に、高温
処理時真空引き処理を併用した場合には、さらに官能基
が減り、13Aガスの貯蔵密度V/V0が増大してい
る。
着時の吸着熱から、高温処理時真空引きを行った薬品賦
活法と同程度に官能基が減少していることがわかる。ま
た、13Aガスの10MPaの圧力での貯蔵密度V/V
0も同程度の値となっている。このような本案に、高温
処理時真空引き処理を併用した場合には、さらに官能基
が減り、13Aガスの貯蔵密度V/V0が増大してい
る。
【0074】前述した高温処理時真空引きを行う場合に
は、10-1Torr以下の高真空とするので、真空ポン
プの付加が大きくなり、また大量に排出される水のトラ
ップ処理も困難である。そこで、この減圧処理の圧力を
より高い圧力に設定できれば活性炭の製造工程を容易化
することができる。
は、10-1Torr以下の高真空とするので、真空ポン
プの付加が大きくなり、また大量に排出される水のトラ
ップ処理も困難である。そこで、この減圧処理の圧力を
より高い圧力に設定できれば活性炭の製造工程を容易化
することができる。
【0075】本発明者らが検討した結果、薬品賦活に使
用する塩化亜鉛等に臭化リチウムまたは塩化リチウムを
添加すると上記減圧処理時の真空圧力をより高い圧力に
設定しても十分大きな効果が得られることが見いだせ
た。これは、臭化リチウムまたは塩化リチウムには吸水
性があり、活性炭の細孔内の水分を除去する効果がある
からと思われる。この場合、臭化リチウムまたは塩化リ
チウムの添加量は、塩化亜鉛に対して10〜50t%程
度が望ましい。
用する塩化亜鉛等に臭化リチウムまたは塩化リチウムを
添加すると上記減圧処理時の真空圧力をより高い圧力に
設定しても十分大きな効果が得られることが見いだせ
た。これは、臭化リチウムまたは塩化リチウムには吸水
性があり、活性炭の細孔内の水分を除去する効果がある
からと思われる。この場合、臭化リチウムまたは塩化リ
チウムの添加量は、塩化亜鉛に対して10〜50t%程
度が望ましい。
【0076】表5には、塩化亜鉛を使用した通常の薬品
賦活処理すなわち高温処理の際に減圧処理を行わない賦
活処理において、塩化亜鉛に上記割合で臭化リチウムま
たは塩化リチウムを添加した方法により製造された活性
炭の評価結果及び本案と高温処理時真空引き法とを併用
した方法により製造された活性炭の評価結果が示され
る。
賦活処理すなわち高温処理の際に減圧処理を行わない賦
活処理において、塩化亜鉛に上記割合で臭化リチウムま
たは塩化リチウムを添加した方法により製造された活性
炭の評価結果及び本案と高温処理時真空引き法とを併用
した方法により製造された活性炭の評価結果が示され
る。
【0077】
【表5】 表5からわかるように、単に本案のみを薬品賦活処理に
適用しただけでは、充分な官能基の減少効果及び13A
ガスの貯蔵密度V/V0の向上効果は得られなかった。
しかしながら、本案を高温処理時真空引き法と組み合わ
せた場合、真空圧力を10-2Torrとしても10To
rrとしても製造された活性炭の吸着性能に差はなかっ
た。すなわち、薬品賦活処理に使用される塩化亜鉛に対
して10〜50wt%程度の臭化リチウムあるいは塩化
リチウムを添加すれば、高温処理時真空引きのための真
空圧力をより高い圧力に設定することができ、活性炭の
製造工程の容易化を図ることができる。
適用しただけでは、充分な官能基の減少効果及び13A
ガスの貯蔵密度V/V0の向上効果は得られなかった。
しかしながら、本案を高温処理時真空引き法と組み合わ
せた場合、真空圧力を10-2Torrとしても10To
rrとしても製造された活性炭の吸着性能に差はなかっ
た。すなわち、薬品賦活処理に使用される塩化亜鉛に対
して10〜50wt%程度の臭化リチウムあるいは塩化
リチウムを添加すれば、高温処理時真空引きのための真
空圧力をより高い圧力に設定することができ、活性炭の
製造工程の容易化を図ることができる。
【0078】次に、前述した従来の水蒸気賦活法あるい
は薬品賦活法によって製造した活性炭の場合には、天然
ガスの貯蔵密度V/V0が低いだけでなく、吸着脱離工
程を繰り返していくと、貯蔵密度V/V0が次第に低下
するという問題がある。これに対して、水蒸気賦活ある
いは薬品賦活を行った後、最終プロセスとして水素雰囲
気中で200〜500℃にて熱処理を行うと繰り返し吸
着脱離を行った後も貯蔵密度V/V0の低減割合を小さ
くすることができる。表6には、水蒸気賦活法及び薬品
賦活法において、その最終工程に上記プロセスを実施し
た場合の活性炭について、20サイクルの吸着脱離を繰
り返した場合の貯蔵密度V/V0の低減割合が示され
る。
は薬品賦活法によって製造した活性炭の場合には、天然
ガスの貯蔵密度V/V0が低いだけでなく、吸着脱離工
程を繰り返していくと、貯蔵密度V/V0が次第に低下
するという問題がある。これに対して、水蒸気賦活ある
いは薬品賦活を行った後、最終プロセスとして水素雰囲
気中で200〜500℃にて熱処理を行うと繰り返し吸
着脱離を行った後も貯蔵密度V/V0の低減割合を小さ
くすることができる。表6には、水蒸気賦活法及び薬品
賦活法において、その最終工程に上記プロセスを実施し
た場合の活性炭について、20サイクルの吸着脱離を繰
り返した場合の貯蔵密度V/V0の低減割合が示され
る。
【0079】
【表6】 表6からわかるように、本案プロセスを実施すれば、水
蒸気賦活法及び薬品賦活法のいずれの場合にも、貯蔵密
度の低減割合を向上させることができる。
蒸気賦活法及び薬品賦活法のいずれの場合にも、貯蔵密
度の低減割合を向上させることができる。
【0080】なお、上述のように、水素雰囲気中におけ
る熱処理により繰り返し吸着脱離後の貯蔵密度の低減割
合を小さくすることができるが、長期間使用していくと
やはり貯蔵密度V/V0は低下していく。そこで、10
0℃以上好適には200℃以上の温度で10-3Torr
以上の高真空で数時間の処理を行い、この後、純度9
9.9%以上の高純度メタンを吸着させた後脱離させ
る。この脱離は大気圧程度までの脱離で充分である。こ
のような高純度メタンの吸着脱離を3回以上行うと、吸
着材の初期の吸着性能をほぼ回復することができる。こ
れは、吸着材の表面がメタンでリンスされ、ブタン等の
吸着が抑制されてその凝縮が抑制されるからと考えられ
る。
る熱処理により繰り返し吸着脱離後の貯蔵密度の低減割
合を小さくすることができるが、長期間使用していくと
やはり貯蔵密度V/V0は低下していく。そこで、10
0℃以上好適には200℃以上の温度で10-3Torr
以上の高真空で数時間の処理を行い、この後、純度9
9.9%以上の高純度メタンを吸着させた後脱離させ
る。この脱離は大気圧程度までの脱離で充分である。こ
のような高純度メタンの吸着脱離を3回以上行うと、吸
着材の初期の吸着性能をほぼ回復することができる。こ
れは、吸着材の表面がメタンでリンスされ、ブタン等の
吸着が抑制されてその凝縮が抑制されるからと考えられ
る。
【0081】図10には、高温処理の際に減圧処理を施
し、さらに有機溶媒にて洗浄後不活性ガス中にて焼成を
行った改良された活性炭に本案の高純度メタンによる処
理を行った場合と行わなかった場合の吸着脱離の繰り返
しに対する貯蔵密度V/V0の変化が示される。また、
比較例として従来の活性炭に対して何らの処理も行わな
い場合の結果も併せて示される。
し、さらに有機溶媒にて洗浄後不活性ガス中にて焼成を
行った改良された活性炭に本案の高純度メタンによる処
理を行った場合と行わなかった場合の吸着脱離の繰り返
しに対する貯蔵密度V/V0の変化が示される。また、
比較例として従来の活性炭に対して何らの処理も行わな
い場合の結果も併せて示される。
【0082】図10に示されるように、従来材料及び本
案の適用のない改良された活性炭のいずれでも、吸着脱
離の繰り返しと共に貯蔵密度V/V0が低下している。
これに対して、本案の高純度メタン処理を20サイクル
に1度ずつ実施した場合には、ほぼ初期の吸着能力を維
持することができている。
案の適用のない改良された活性炭のいずれでも、吸着脱
離の繰り返しと共に貯蔵密度V/V0が低下している。
これに対して、本案の高純度メタン処理を20サイクル
に1度ずつ実施した場合には、ほぼ初期の吸着能力を維
持することができている。
【0083】実施形態4.上記実施形態3の方法で製造
した活性炭は、その吸着能力が高く、13A等の実用天
然ガスの貯蔵密度V/V0を大きくすることができる。
しかし、この活性炭に13Aを吸着貯蔵させた後脱離さ
せると、脱離量に大きなばらつきが生じることがある。
本発明者らが検討した結果、ノルマルパラフィン系の炭
化水素に比べイソパラフィン系の炭化水素の方が脱離量
を小さくすることが判明した。
した活性炭は、その吸着能力が高く、13A等の実用天
然ガスの貯蔵密度V/V0を大きくすることができる。
しかし、この活性炭に13Aを吸着貯蔵させた後脱離さ
せると、脱離量に大きなばらつきが生じることがある。
本発明者らが検討した結果、ノルマルパラフィン系の炭
化水素に比べイソパラフィン系の炭化水素の方が脱離量
を小さくすることが判明した。
【0084】図11には、各種パラフィン系炭化水素の
活性炭への充填率が示される。この場合、各種パラフィ
ン系炭化水素をノルマル型と側鎖型(イソ型)とに分離
し、室温で活性炭に吸着させた後、脱離してくる量を測
定し、活性炭の細孔内が各成分の液体で満たされる量を
100%とした場合の、上記脱離量の割合を充填率とし
た。吸着させるときの圧力は、プロパンとブタンで0.
1MPa、その他の成分ではそれぞれの飽和蒸気圧とし
た。
活性炭への充填率が示される。この場合、各種パラフィ
ン系炭化水素をノルマル型と側鎖型(イソ型)とに分離
し、室温で活性炭に吸着させた後、脱離してくる量を測
定し、活性炭の細孔内が各成分の液体で満たされる量を
100%とした場合の、上記脱離量の割合を充填率とし
た。吸着させるときの圧力は、プロパンとブタンで0.
1MPa、その他の成分ではそれぞれの飽和蒸気圧とし
た。
【0085】図11に示されるように、ブタンからオク
タンまでのパラフィンでは、いずれもノルマル型の方が
側鎖型よりも充填率が大幅に大きくなっている。また、
ノナン、デカン等のサイズの大きい分子ではノルマル型
と側鎖型との差はあまりなかった。
タンまでのパラフィンでは、いずれもノルマル型の方が
側鎖型よりも充填率が大幅に大きくなっている。また、
ノナン、デカン等のサイズの大きい分子ではノルマル型
と側鎖型との差はあまりなかった。
【0086】このように、ブタンからオクタンの間のパ
ラフィンにおいて、充填率に差が出るのは、側鎖型のパ
ラフィン(イソパラフィン)では、活性炭への吸着中に
液化がおこりやすく、前述した充填成功率が低下し、十
分な吸着量が得られないことに原因がある。そこで、1
3A等の実用天然ガスを吸着貯蔵する際には、その前に
ブタンからオクタンまでのノルマルパラフィンのみを吸
着させ、その後に13Aを吸着させれば、吸着時の液化
による充填の不成功が抑制でき、安定した吸着貯蔵を行
わせることができる。なお、図11に示されたプロパン
では、充填率が最も高くなっているが、パラフィンに含
まれる単位量当たりのエネルギ量は炭素数が増えるほど
増加するので、13Aの充填前に吸着材に吸着させるノ
ルマルパラフィンとしては、なるべく炭素数の多いもの
が望ましい。
ラフィンにおいて、充填率に差が出るのは、側鎖型のパ
ラフィン(イソパラフィン)では、活性炭への吸着中に
液化がおこりやすく、前述した充填成功率が低下し、十
分な吸着量が得られないことに原因がある。そこで、1
3A等の実用天然ガスを吸着貯蔵する際には、その前に
ブタンからオクタンまでのノルマルパラフィンのみを吸
着させ、その後に13Aを吸着させれば、吸着時の液化
による充填の不成功が抑制でき、安定した吸着貯蔵を行
わせることができる。なお、図11に示されたプロパン
では、充填率が最も高くなっているが、パラフィンに含
まれる単位量当たりのエネルギ量は炭素数が増えるほど
増加するので、13Aの充填前に吸着材に吸着させるノ
ルマルパラフィンとしては、なるべく炭素数の多いもの
が望ましい。
【0087】実用天然ガスである13Aは、メタンを主
成分とし、これにエタン、プロパン、ブタン等が含まれ
ている。したがって、上記のような炭素数の多いノルマ
ルパラフィンを事前に吸着させる代わりに、13A中に
含まれる側鎖パラフィン(主としてイソブタン)を分離
除去し、側鎖パラフィンを含まない13Aを活性炭に吸
着貯蔵させても上記効果を得ることができる。
成分とし、これにエタン、プロパン、ブタン等が含まれ
ている。したがって、上記のような炭素数の多いノルマ
ルパラフィンを事前に吸着させる代わりに、13A中に
含まれる側鎖パラフィン(主としてイソブタン)を分離
除去し、側鎖パラフィンを含まない13Aを活性炭に吸
着貯蔵させても上記効果を得ることができる。
【0088】図12には、実施形態3で製造した改良型
の活性炭に室温で20MPaの圧力で13A及びイソブ
タンを除いた13Aを吸着貯蔵した場合の貯蔵密度V/
V0の結果が示される。また、比較例として、13Aの
圧縮ガス(CNG)のV/V0も示される。図12から
わかるように、イソブタンを除いた13Aでは、イソブ
タンを含む13A及びCNGのいずれよりも貯蔵密度V
/V0が向上できる。
の活性炭に室温で20MPaの圧力で13A及びイソブ
タンを除いた13Aを吸着貯蔵した場合の貯蔵密度V/
V0の結果が示される。また、比較例として、13Aの
圧縮ガス(CNG)のV/V0も示される。図12から
わかるように、イソブタンを除いた13Aでは、イソブ
タンを含む13A及びCNGのいずれよりも貯蔵密度V
/V0が向上できる。
【0089】ただし、上記13Aから除去したイソブタ
ンを有効利用できないので、イソブタンを除いた13A
の使用量を極力減らせる方法が望ましい。本発明者らが
検討した結果、13Aの吸着貯蔵を行わせる際に、その
初期段階すなわち1MPaよりも低い圧力の段階で側鎖
パラフィンが存在すると充填成功率に大きな影響を及ぼ
し、結果的に貯蔵密度V/V0が低下するが、1MPa
以上の圧力では側鎖パラフィンが存在しても問題ないこ
とが判明した。
ンを有効利用できないので、イソブタンを除いた13A
の使用量を極力減らせる方法が望ましい。本発明者らが
検討した結果、13Aの吸着貯蔵を行わせる際に、その
初期段階すなわち1MPaよりも低い圧力の段階で側鎖
パラフィンが存在すると充填成功率に大きな影響を及ぼ
し、結果的に貯蔵密度V/V0が低下するが、1MPa
以上の圧力では側鎖パラフィンが存在しても問題ないこ
とが判明した。
【0090】したがって、13Aを側鎖パラフィンを含
まない第1成分と、側鎖パラフィンを除去していないす
なわち側鎖パラフィンを含む第2成分(通常の13A)
とに分離し、この第1成分を1MPaの圧力まで吸着貯
蔵させた後、第2成分である通常の13Aを吸着貯蔵さ
せれば、高い貯蔵密度を確保できるとともに、イソブタ
ンを無駄にしないですむ。なおこの際、上記第1成分を
生成するために除去されたイソブタンは、第2成分に混
合して高圧で吸着貯蔵させることも可能である。これに
より、吸着材に吸着貯蔵された成分組成を全体として1
3Aと同じ成分組成とすることができる。
まない第1成分と、側鎖パラフィンを除去していないす
なわち側鎖パラフィンを含む第2成分(通常の13A)
とに分離し、この第1成分を1MPaの圧力まで吸着貯
蔵させた後、第2成分である通常の13Aを吸着貯蔵さ
せれば、高い貯蔵密度を確保できるとともに、イソブタ
ンを無駄にしないですむ。なおこの際、上記第1成分を
生成するために除去されたイソブタンは、第2成分に混
合して高圧で吸着貯蔵させることも可能である。これに
より、吸着材に吸着貯蔵された成分組成を全体として1
3Aと同じ成分組成とすることができる。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
低炭素数成分と高炭素数成分とを分離してからそれぞれ
独立して吸着材に吸着貯蔵するので、炭素数に応じた最
適な吸着環境とでき、貯蔵密度を向上できる。
低炭素数成分と高炭素数成分とを分離してからそれぞれ
独立して吸着材に吸着貯蔵するので、炭素数に応じた最
適な吸着環境とでき、貯蔵密度を向上できる。
【0092】また、高炭素数成分を吸着する吸着材の細
孔径を小さく設定することにより、より高炭素数成分を
吸着しやすくでき、実用天然ガスを通過させただけで、
簡易に高炭素数成分の分離吸着が可能となる。
孔径を小さく設定することにより、より高炭素数成分を
吸着しやすくでき、実用天然ガスを通過させただけで、
簡易に高炭素数成分の分離吸着が可能となる。
【0093】また、高炭素数成分を吸着貯蔵するタンク
に冷却手段を備えることにより、高炭素数成分を凝縮で
き、高炭素数成分と低炭素数成分との分離を促進でき
る。
に冷却手段を備えることにより、高炭素数成分を凝縮で
き、高炭素数成分と低炭素数成分との分離を促進でき
る。
【0094】また、天然ガスを高炭素数成分を吸着貯蔵
するタンクへ一旦導入後、圧力を低下させることによ
り、高炭素数成分の凝縮核を確実に形成させることがで
きる。
するタンクへ一旦導入後、圧力を低下させることによ
り、高炭素数成分の凝縮核を確実に形成させることがで
きる。
【0095】また、低炭素数成分を吸着貯蔵するタンク
から脱離させる際に、高炭素数成分を吸着貯蔵するタン
クを経由させることにより、分離した成分の混合を容易
に行うことができる。
から脱離させる際に、高炭素数成分を吸着貯蔵するタン
クを経由させることにより、分離した成分の混合を容易
に行うことができる。
【0096】また、吸着材へ天然ガスを吸着貯蔵する際
に吸着材を加熱することにより、低炭素数成分と高炭素
数成分とを分離しなくても高炭素数成分の凝縮を抑制で
き、貯蔵密度を向上できる。
に吸着材を加熱することにより、低炭素数成分と高炭素
数成分とを分離しなくても高炭素数成分の凝縮を抑制で
き、貯蔵密度を向上できる。
【0097】また、上記加熱温度を吸着の進行とともに
低下させれば、温度上昇による吸着量の低下を抑制する
ことができる。
低下させれば、温度上昇による吸着量の低下を抑制する
ことができる。
【0098】また、吸着材を製造するための賦活処理に
おける高温処理時に減圧処理も併用すれば吸着材内部の
水酸基が減少し、これと高炭素数成分とが結合すること
により高炭素数成分が凝縮することを抑制できる。
おける高温処理時に減圧処理も併用すれば吸着材内部の
水酸基が減少し、これと高炭素数成分とが結合すること
により高炭素数成分が凝縮することを抑制できる。
【0099】また、賦活処理用の薬品に臭化リチウム又
は塩化リチウムを添加することにより、脱水効果を大き
くでき、吸着材の細孔内部の水酸基を更に減少できる。
は塩化リチウムを添加することにより、脱水効果を大き
くでき、吸着材の細孔内部の水酸基を更に減少できる。
【0100】また、活性炭を有機溶媒にて洗浄後、不活
性雰囲気中または水素雰囲気中で焼成すると、吸着材の
細孔内部の水酸基を減少できる。
性雰囲気中または水素雰囲気中で焼成すると、吸着材の
細孔内部の水酸基を減少できる。
【0101】また、吸着材に天然ガスを吸着させる前
に、まずノルマルパラフィンをあらかじめ吸着させるこ
とにより貯蔵密度を向上できる。
に、まずノルマルパラフィンをあらかじめ吸着させるこ
とにより貯蔵密度を向上できる。
【0102】また、天然ガス中から側鎖パラフィンを除
去したもののみを吸着材に吸着させれば、貯蔵密度を更
に向上できる。
去したもののみを吸着材に吸着させれば、貯蔵密度を更
に向上できる。
【0103】また、低圧における吸着時には側鎖パラフ
ィンを含まない天然ガスを使用し、圧力が上昇後側鎖パ
ラフィンを含む天然ガスを吸着させれば、貯蔵密度を向
上させることができる。
ィンを含まない天然ガスを使用し、圧力が上昇後側鎖パ
ラフィンを含む天然ガスを吸着させれば、貯蔵密度を向
上させることができる。
【図1】 本発明に係る天然ガスの吸着貯蔵方法の実施
形態1を実施するための構成を示す図である。
形態1を実施するための構成を示す図である。
【図2】 上記実施形態1を実施するための構成の変形
例を示す図である。
例を示す図である。
【図3】 図2に示された第2吸着タンクの例を示す図
である。
である。
【図4】 上記実施形態1を実施するための構成の他の
変形例を示す図である。
変形例を示す図である。
【図5】 上記実施形態1を実施するための構成のさら
に他の変形例を示す図である。
に他の変形例を示す図である。
【図6】 上記実施形態1を実施するための構成のさら
に他の変形例を示す図である。
に他の変形例を示す図である。
【図7】 本発明に係る天然ガスの吸着貯蔵方法の実施
形態2を実施するための構成を示す図である。
形態2を実施するための構成を示す図である。
【図8】 各種方法で吸着材に天然ガスを吸着させた場
合の、ガス中のブタン濃度の変化と充填成功率との関係
を示す図である。
合の、ガス中のブタン濃度の変化と充填成功率との関係
を示す図である。
【図9】 各種吸着材と充填成功率との関係を示す図で
ある。
ある。
【図10】 吸着脱離の繰り返し数と貯蔵密度との関係
を示す図である。
を示す図である。
【図11】 各種オレフィンにおけるノルマル型と側鎖
型との充填率を比較する図である。
型との充填率を比較する図である。
【図12】 吸着材に天然ガスを吸着する場合に、イソ
ブタンを除去したものと除去しないものとの貯蔵密度の
比較を示す図である。
ブタンを除去したものと除去しないものとの貯蔵密度の
比較を示す図である。
10 インフラ側、12 カプラ、14 車両側、16
第1吸着タンク、18 第2吸着タンク、20 熱交
換器、22 バッファタンク、24 レギュレータ、2
6 液化石油ガス、28 バブラー、30 耐圧配管、
32 排気タンク、34 コンプレッサ、35 脱離用
コンプレッサ、36 トラップ、38バッファタンク、
40 逆止弁、42 バッファタンク、44 循環用ポ
ンプ、46 NG用タンク。
第1吸着タンク、18 第2吸着タンク、20 熱交
換器、22 バッファタンク、24 レギュレータ、2
6 液化石油ガス、28 バブラー、30 耐圧配管、
32 排気タンク、34 コンプレッサ、35 脱離用
コンプレッサ、36 トラップ、38バッファタンク、
40 逆止弁、42 バッファタンク、44 循環用ポ
ンプ、46 NG用タンク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E072 AA03 EA01 GA30 4G046 HC03 HC04 HC05 HC08 HC09 HC12 4G066 AA05B AA13D AA32B AA34D AA50D CA51 DA04 FA12 FA18 FA22 FA40 GA01 GA14 GA16
Claims (14)
- 【請求項1】 低炭素数成分と高炭素数成分とに天然ガ
スを分離し、低炭素数成分は高圧で、高炭素数成分は低
圧でそれぞれ独立して吸着材に吸着貯蔵することを特徴
とする天然ガスの吸着貯蔵方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の天然ガスの吸着貯蔵方法
において、低炭素数成分を吸着貯蔵する吸着材を内蔵す
る第1吸着タンクと、高炭素数成分を吸着貯蔵する吸着
材を内蔵する第2吸着タンクとを備え、前記第2吸着タ
ンクに内蔵された吸着材は前記第1吸着タンクに内蔵さ
れた吸着材よりも細孔径が小さく設定され、天然ガスは
前記第2吸着タンクを経由して前記第1吸着タンクに供
給されることを特徴とする天然ガスの吸着貯蔵方法。 - 【請求項3】 請求項2記載の天然ガスの吸着貯蔵方法
において、前記第2吸着タンクは冷却手段を備えること
を特徴とする天然ガスの吸着貯蔵方法。 - 【請求項4】 請求項3記載の天然ガスの吸着貯蔵方法
において、前記第2吸着タンクへ天然ガスを一時的に導
入後、一度圧力を低下させてから再度天然ガスを導入す
ることを特徴とする天然ガスの吸着貯蔵方法。 - 【請求項5】 請求項2から請求項4のいずれか一項記
載の天然ガスの吸着貯蔵方法において、貯蔵された天然
ガスの脱離使用時には、前記第1吸着タンクからの脱離
ガスを前記第2吸着タンクに経由させて取り出すことを
特徴とする天然ガスの吸着貯蔵方法。 - 【請求項6】 吸着材を加熱し、加熱された吸着材に天
然ガスを吸着させることを特徴とする天然ガスの吸着貯
蔵方法。 - 【請求項7】 請求項6記載の天然ガスの吸着貯蔵方法
において、前記吸着材は20℃以上に加熱されることを
特徴とする天然ガスの吸着貯蔵方法。 - 【請求項8】 請求項6または請求項7記載の天然ガス
の吸着貯蔵方法において、天然ガスの吸着の進行ととも
に前記吸着材の温度を低下させることを特徴とする天然
ガスの吸着貯蔵方法。 - 【請求項9】 天然ガスの吸着貯蔵に使用する吸着材で
あって、賦活処理における高温処理の際に減圧処理を施
した活性炭であることを特徴とする吸着材。 - 【請求項10】 請求項9記載の吸着材において、前記
活性炭は臭化リチウムまたは塩化リチウムの添加された
賦活処理剤にて処理されたことを特徴とする吸着材。 - 【請求項11】 天然ガスの吸着貯蔵に使用する吸着材
であって、賦活処理において有機溶媒にて洗浄後、不活
性雰囲気中または水素雰囲気中で焼成した活性炭である
ことを特徴とする吸着材。 - 【請求項12】 請求項9から請求項11のいずれか一
項記載の吸着材を使用した天然ガスの吸着貯蔵方法であ
って、天然ガスの吸着の前に、ノルマルパラフィンのみ
を吸着させることを特徴とする天然ガスの吸着貯蔵方
法。 - 【請求項13】 請求項9から請求項11のいずれか一
項記載の吸着材を使用した天然ガスの吸着貯蔵方法であ
って、天然ガスの吸着の前に、この天然ガスから側鎖パ
ラフィンを分離除去しておくことを特徴とする天然ガス
の吸着貯蔵方法。 - 【請求項14】 請求項9から請求項11のいずれか一
項記載の吸着材を使用した天然ガスの吸着貯蔵方法であ
って、天然ガスの吸着の前に、この天然ガスを、側鎖パ
ラフィンを含まない第1成分と側鎖パラフィンを含む第
2成分とに分離し、前記第1成分を吸着させてから前記
第2成分を吸着させることを特徴とする天然ガスの吸着
貯蔵方法。
Priority Applications (9)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11231716A JP2001056098A (ja) | 1999-08-18 | 1999-08-18 | 天然ガスの吸着貯蔵方法およびこれに使用する吸着材 |
BR0009253-3A BR0009253A (pt) | 1999-03-05 | 2000-03-03 | Processo para armazenar gás natural poradsorção e agente de adsorção para uso nomesmo |
ARP000100944A AR018473A1 (es) | 1999-03-05 | 2000-03-03 | Un metodo de almacenamiento por adsorcion de gas natural y adsorbente para utilizar en el mismo |
EP00906677A EP1167861A4 (en) | 1999-03-05 | 2000-03-03 | METHOD FOR STORING NATURAL GAS BY ADSORPTION AND ASSOCIATED ADSORBENT AGENT |
PCT/JP2000/001285 WO2000053971A1 (fr) | 1999-03-05 | 2000-03-03 | Procede de stockage de gaz naturel par adsorption et agent adsorbant associe |
RU2001126937/06A RU2230251C2 (ru) | 1999-03-05 | 2000-03-03 | Способ хранения природного газа при помощи адсорбции и адсорбирующее вещество для использования в способе |
CN00806232A CN1111665C (zh) | 1999-03-05 | 2000-03-03 | 通过吸附储藏天然气的方法和用于其中的吸附剂 |
EP06124222A EP1759760A3 (en) | 1999-03-05 | 2000-03-03 | Adsorbent for the adsorption and storage of natural gas and use thereof |
US09/945,707 US6613126B2 (en) | 1998-09-30 | 2001-09-05 | Method for storing natural gas by adsorption and adsorbing agent for use therein |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11231716A JP2001056098A (ja) | 1999-08-18 | 1999-08-18 | 天然ガスの吸着貯蔵方法およびこれに使用する吸着材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001056098A true JP2001056098A (ja) | 2001-02-27 |
Family
ID=16927907
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11231716A Pending JP2001056098A (ja) | 1998-09-30 | 1999-08-18 | 天然ガスの吸着貯蔵方法およびこれに使用する吸着材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001056098A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002327897A (ja) * | 2001-05-01 | 2002-11-15 | Osaka Gas Co Ltd | 天然ガスの吸着貯蔵装置および吸着貯蔵方法 |
JP2002356318A (ja) * | 2001-05-31 | 2002-12-13 | Inoac Corp | 活性炭多孔体の製造方法 |
JP2003035399A (ja) * | 2000-08-11 | 2003-02-07 | Osaka Gas Co Ltd | 天然ガスの吸着貯蔵装置および吸着貯蔵方法 |
JP2017048866A (ja) * | 2015-09-02 | 2017-03-09 | 株式会社豊田中央研究所 | ガス貯蔵装置 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5036264Y1 (ja) * | 1970-07-18 | 1975-10-22 | ||
JPS6474400A (en) * | 1987-09-16 | 1989-03-20 | Mishigan Consolidated Gas Co | Sorption storage method and device for multicomponent gas |
JPH09210295A (ja) * | 1996-01-31 | 1997-08-12 | Tokyo Gas Co Ltd | ガスの貯蔵方法 |
JPH09323016A (ja) * | 1996-06-07 | 1997-12-16 | Osaka Gas Co Ltd | ガス分離方法、ガス分離装置及びガス分離材 |
-
1999
- 1999-08-18 JP JP11231716A patent/JP2001056098A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS5036264Y1 (ja) * | 1970-07-18 | 1975-10-22 | ||
JPS6474400A (en) * | 1987-09-16 | 1989-03-20 | Mishigan Consolidated Gas Co | Sorption storage method and device for multicomponent gas |
JPH09210295A (ja) * | 1996-01-31 | 1997-08-12 | Tokyo Gas Co Ltd | ガスの貯蔵方法 |
JPH09323016A (ja) * | 1996-06-07 | 1997-12-16 | Osaka Gas Co Ltd | ガス分離方法、ガス分離装置及びガス分離材 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2003035399A (ja) * | 2000-08-11 | 2003-02-07 | Osaka Gas Co Ltd | 天然ガスの吸着貯蔵装置および吸着貯蔵方法 |
JP2002327897A (ja) * | 2001-05-01 | 2002-11-15 | Osaka Gas Co Ltd | 天然ガスの吸着貯蔵装置および吸着貯蔵方法 |
JP2002356318A (ja) * | 2001-05-31 | 2002-12-13 | Inoac Corp | 活性炭多孔体の製造方法 |
JP2017048866A (ja) * | 2015-09-02 | 2017-03-09 | 株式会社豊田中央研究所 | ガス貯蔵装置 |
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A521 | Written amendment |
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