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JP2001055419A - 不飽和カルボン酸重合体とその製造法および生分解性ビルダー - Google Patents

不飽和カルボン酸重合体とその製造法および生分解性ビルダー

Info

Publication number
JP2001055419A
JP2001055419A JP11291984A JP29198499A JP2001055419A JP 2001055419 A JP2001055419 A JP 2001055419A JP 11291984 A JP11291984 A JP 11291984A JP 29198499 A JP29198499 A JP 29198499A JP 2001055419 A JP2001055419 A JP 2001055419A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
unsaturated carboxylic
carboxylic acid
acid polymer
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11291984A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Matsuo
松尾  茂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Petrochemical Co Ltd filed Critical Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority to JP11291984A priority Critical patent/JP2001055419A/ja
Priority to PCT/JP2000/003548 priority patent/WO2000077074A1/ja
Publication of JP2001055419A publication Critical patent/JP2001055419A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Detergent Compositions (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カルシウムイオンの捕捉能力に優れ、かつ
生分解性にも優れたビルダーとして有用性の高い不飽和
カルボン酸重合体とその製造法、該重合体からなるビル
ダー、該ビルダーと界面活性剤を主たる構成成分とする
固体粉末状または液体状の洗剤組成物および分散剤を提
供する。 【解決手段】アクリル酸とグリオキサールおよび/また
はマレイン酸のそれぞれの残基からなる繰返し単位を含
有し、数平均分子量500〜1,000,000の不飽
和カルボン酸重合体と、その製造法、該重合体からなる
ビルダ−、該ビルダーと界面活性剤を主たる構成成分と
する固体粉末状または液体状の洗剤組成物並びに該重合
体からなる分散剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な不飽和カル
ボン酸重合体とその製造法、およびこの重合体の用途に
関する。さらに詳しくは、生分解性に優れ、かつ洗剤用
ビルダーとして優れた性能を有する新規な不飽和カルボ
ン酸重合体と、その効率のよい製造法、ならびにこの重
合体を構成成分として用いた生分解性ビルダー、洗剤組
成物、液体洗剤組成物および分散剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、界面活性剤を主たる構成成分とす
る洗剤においては、界面活性剤の補助成分としてビルダ
ーを配合することにより、洗浄能力を高めることが行わ
れている。このビルダーとしては、水に添加した際にア
ルカリ性を示す無機化合物や、不飽和脂肪族カルボン酸
の重合体などが知られている。前者の例としては、ナト
リウムまたはカリウムの炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸
塩、ポリリン酸塩、ケイ酸塩およびゼオライトなどが挙
げられ、後者の例としては、ポリアクリル酸、ポリマレ
イン酸、ポリイタコン酸などが挙げられる。
【0003】これらのビルダーの中では、洗浄効果、経
済性および作業性などの面から、リン酸塩、ポリリン酸
塩及びゼオライトが多量に使用されている。しかしなが
ら、リン酸塩やポリリン酸塩は、湖沼や河川の富栄養化
の原因となり、また、ゼオライトは堆積するなど、環境
保護の面で種々の問題を有している。
【0004】したがって、少なくとも従来と同様にビル
ダーとしての性能、特にキレート能力(カルシウムイオ
ン捕捉能)に優れたものであると同時に、環境保護の面
から重要性の高い生分解性に優れていて、自然界に長期
間残存することのない、いわゆる環境にやさしい、しか
も経済的に有利なビルダーの開発が望まれている。
【0005】このような要請に応えて、特開平5−23
9127号公報においては、キレート能力と生分解性を
有するビルダーとしての使用に適した重合体として、そ
の重合体自体にはキレート能力は殆どないが、生分解性
を有する低分子量成分を含有する水溶性オリゴマー主鎖
同士を、ポリエチレングリコール、クエン酸、酒石酸等
の架橋剤により、生分解可能なエステル基又はアミド基
を介して結合して分子量を増大させた架橋重合体が提案
されている。ところが、この架橋重合体は、低分子量化
することで生分解性を高めているが、直鎖状のポリアク
リル酸自体は生分解され難く、生分解の困難な高分子量
の直鎖状ポリアクリル酸を少なからず含有することか
ら、生分解性が十分に高いものではない。また、この架
橋重合体の製造工程においても、オリゴマーを重合する
工程と架橋する工程との2段階で行う必要があり、特定
の架橋剤を用いる必要もあることから、製造工程が煩雑
であるという難点を有している。
【0006】また、特開昭50−80377号公報にお
いては、アクリル酸に対してアクロレインを共重合させ
た共重合体をビルダーとして使用することが提案されて
いるが、キレート能力と生分解性がいずれも十分でな
く、経済性の面においても満足すべきものでないことか
ら、実用化されるに至っていない。
【0007】一方、洗剤の分野においては、液体洗剤
が、従来から多用されてきた粉末洗剤に較べて衣類など
の汚染部分に直接塗布できるなどの利点があることから
全自動洗濯機により好適なものとして使用されている。
【0008】ところで、この液体洗剤においては、粉末
洗剤にはない各成分の相分離や沈殿濁りという液体洗剤
の安定性の問題がある。これらの問題を解消するため、
使用する界面活性剤の種類やその組合せ、また、アルカ
リ剤の種類や水分の含有割合の精密なコントロールが必
要となる。さらに、ゼオライトなどの水に不溶性の物質
や金属イオン封鎖剤、ポリマーの分散剤などのビルダー
物質を配合すると、この液体洗剤の安定性をさらに阻害
するようになる。そこで、このような問題の解決のため
に、p−トルエンスルホン酸塩などのハイドロトロープ
剤や、エチレングリコール、プロピレングリコール、エ
タノールなどの溶媒を添加することが提案されている
が、粉末洗剤に対する配合割合に較べて充分な量での配
合は困難であった。さらには、界面活性剤の濃度をより
高めて製品をコンパクト化する試みがなされており、こ
のような濃厚液体洗剤に対しては、従来から用いられて
きたビルダーを洗浄力の向上を図るに充分な分量で配合
するのが困難であるという問題がある。
【0009】そこで、キレート能力に優れるとともに高
い生分解性を有し、粉末洗剤と液体洗剤のいずれの洗剤
に対しても充分な配合割合において、安定性よく配合す
ることのできるビルダーの開発が要望されている。
【0010】また、無機顔料分散剤の分野では、ポリア
クリル酸ソーダなどが分散スラリー液の粘度低下や粘度
安定性の向上のために用いられているが、ポリアクリル
酸に生分解性がないことから、上記ビルダーと同様、生
分解性を有していて長期間残存することがなく、しかも
経済的に有利な分散剤の開発が望まれている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、キレート能
力に優れ、かつ生分解性を有する経済的に有利な不飽和
カルボン酸重合体と、その効率のよい製造法、この重合
体を構成成分として含有するビルダー、該ビルダーと界
面活性剤を含む洗剤組成物、液体洗剤および無機顔料な
どの分散剤を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、分子鎖中に特定
の化学構造を有する不飽和カルボン酸重合体が、キレー
ト能力に優れ、かつ生分解性を有し、しかも簡単なプロ
セスで効率よく製造することができるので経済的にも有
利であることを見出し、さらにこの重合体がビルダーと
して有用性が高く、洗剤用組成物や分散剤として有用性
が高いことを見出し、かかる知見に基づいて本発明を完
成するに至った。
【0013】すなわち、本発明の要旨は、下記のとおり
である。 〔1〕(a)下記一般式〔1〕、
【0014】
【化6】
【0015】〔式〔1〕中、Xは水素原子、アルカリ金
属原子またはアンモニウム基を示し、Rは水素原子また
はメチル基を示す〕で表される繰返し単位50〜97モ
ル%と、(b)下記一般式〔2〕、
【0016】
【化7】
【0017】で表される繰返し単位3〜50モル%とか
らなり、数平均分子量が500〜1,000,000で
ある不飽和カルボン酸重合体。 〔2〕(a)下記一般式〔1〕、
【0018】
【化8】
【0019】〔式〔1〕中、Xは水素原子、アルカリ金
属原子またはアンモニウム基を示し、Rは水素原子また
はメチル基を示す〕で表される繰返し単位3〜90モル
%と、(b)下記一般式〔2〕、
【0020】
【化9】
【0021】で表される繰返し単位3〜50モル%、お
よび(c)下記一般式〔3〕、
【0022】
【化10】
【0023】〔式〔3〕中、Xは上記式〔1〕中のXと
同一の意味を有する〕で表される繰返し単位0.1〜5
0モル%とからなり、数平均分子量が500〜1,00
0,000である不飽和カルボン酸重合体。 〔3〕アクリル酸またはメタクリル酸とグリオキサール
を、ラジカル開始剤の存在下、30〜120℃において
重合することを特徴とする前記〔1〕に記載の不飽和カ
ルボン酸重合体の製造法。 〔4〕アクリル酸またはメタクリル酸と、マレイン酸ま
たはフマル酸およびグリオキサールを、ラジカル開始剤
の存在下、30〜120℃において重合することを特徴
とする前記〔2〕に記載の不飽和カルボン酸重合体の製
造法。 〔5〕前記〔1〕または〔2〕に記載の不飽和カルボン
酸重合体を構成成分として含有する生分解性ビルダー。 〔6〕前記〔1〕または〔2〕に記載の不飽和カルボン
酸重合体と界面活性剤を構成成分として含有する洗剤組
成物。 〔7〕前記〔1〕または〔2〕に記載の不飽和カルボン
酸重合体と界面活性剤および水を構成成分として含有す
る液体洗剤組成物。 〔8〕前記〔1〕または〔2〕に記載の不飽和カルボン
酸重合体をアルカリで中和した重合体からなる分散剤。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の不飽和カルボン酸重合体
は、前記一般式〔1〕で表される繰返し単位50〜97
モル%と一般式〔2〕で表される繰返し単位3〜50モ
ル%とからなり、数平均分子量が500〜1,000,
000である不飽和カルボン酸重合体である。さらに、
本発明の不飽和カルボン酸重合体は、前記一般式〔1〕
で表される繰返し単位3〜90モル%と一般式〔2〕で
表される繰返し単位3〜50モル%および一般式〔3〕
で表される繰返し単位0.1〜50モル%とからなり、
数平均分子量が500〜1,000,000である不飽
和カルボン酸重合体である。そして、この一般式〔1〕
で表される繰返し単位におけるXが示すアルカリ金属と
しては、リチウム、ナトリウムおよびカリウムが挙げら
れる。
【0025】つぎに、本発明の不飽和カルボン酸重合体
における上記一般式〔1〕と一般式〔2〕で表される繰
返し単位の含有割合は、一般式〔1〕で表される繰返し
単位50〜97モル%、好ましくは50〜70モル%に
対して、一般式〔2〕で表される繰返し単位が3〜50
モル%、好ましくは30〜50モル%である。これは、
一般式〔2〕で表される繰返し単位の含有割合が3モル
%未満の不飽和カルボン酸重合体では、生分解性の低下
を招くからであり、また、この一般式〔2〕で表される
繰返し単位の含有割合が50モル%を超える不飽和カル
ボン酸重合体では、分子量が低下してビルダーとしての
機能に劣るものとなるからである。
【0026】また、上記一般式〔1〕と一般式〔2〕お
よび一般式〔3〕で表される繰返し単位からなる不飽和
カルボン酸重合体におけるこれらの含有割合は、一般式
〔1〕で表される繰返し単位と一般式〔3〕で表される
繰返し単位との合計が、50〜95モル%、好ましくは
50〜70モル%に対して、一般式〔2〕で表される繰
返し単位が3〜50モル%、好ましくは30〜50モル
%である。ここで、一般式〔1〕で表される繰返し単位
と一般式〔3〕で表される繰返し単位との含有割合は、
前者:後者がモル比において40〜90:10〜60で
あるものが好ましい。さらに、この三元系の不飽和カル
ボン酸重合体中の一般式〔2〕で表される繰返し単位の
含有割合は、上記二元系の不飽和カルボン酸重合体にお
ける場合と同様な理由から、各繰返し単位の含有割合を
上記範囲内とするのが望ましいのである。
【0027】そして、この不飽和カルボン酸重合体の数
平均分子量については、500〜1,000,000の
範囲、好ましくは1,000〜100,000の範囲、
さらに好ましくは1,000〜50,000の範囲であ
る。それは、この数平均分子量が500未満であると、
これをビルダーとして用いる際にキレート能力が十分に
得られず、一方、これが1,000,000を超えるも
のでは、生分解性の低下を招くようになるからである。
【0028】また、本発明の不飽和カルボン酸重合体
は、上記一般式〔1〕と一般式〔2〕またはさらに一般
式〔3〕で表される繰返し単位を特定割合で含有するも
のであるが、さらに、これら一般式で表される繰返し単
位以外の構造単位を、本発明の目的を阻害しない範囲に
おいて導入してもよい。このような構造単位を導入する
ことのできる不飽和化合物としては、イタコン酸、クロ
トン酸、α−ヒドロキシアクリル酸、ビニルスルホン
酸、アリルスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、酢
酸ビニル、アクリルアミド、アクロレイン、ヒドロキノ
ン、レゾルシノール、カテコール、ベンゾキノンなどが
挙げられる。
【0029】つぎに、上記不飽和カルボン酸重合体の製
造法については、アクリル酸またはメタクリル酸とグリ
オキサールを、ラジカル開始剤の存在下、30〜120
℃において重合する方法によることができる。また、上
記三元系の不飽和カルボン酸重合体を製造する場合に
は、アクリル酸またはメタクリル酸と、マレイン酸また
はフマル酸およびグリオキサールを、ラジカル開始剤の
存在下、30〜120℃において重合する方法により行
えばよい。そして、これらアクリル酸またはメタクリル
酸と、マレイン酸またはフマル酸との使用比率は、モル
比において40〜90:10〜60の範囲内とするのが
好ましい。さらに、これらアクリル酸やメタクリル酸、
マレイン酸、フマル酸は、酸の形態の他、その無水物を
用いてもよく、さらにアルカリ金属塩やアンモニウム塩
を用いてもよい。また、グリオキサールは、水溶液とし
て反応に用いてもよく、その場合の濃度は、10〜40
重量%、より好ましいのは40重量%程度のものであ
る。さらに、このグリオキサールは、その環状をなす三
量体を用いてもよい。
【0030】そして、この反応を行う際の重合系の液性
は、pH4〜10の範囲が望ましく、その調整には塩基
を用いるのが好ましい。このような塩基としては、水酸
化ナトリウムや水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなど
を用いることができるが、好ましいのは水酸化ナトリウ
ムである。
【0031】また、アクリル酸またはメタクリル酸とグ
リオキサールとの重合反応に使用するラジカル開始剤と
しては、例えば過酸化水素と還元剤の組合せからなるラ
ジカル開始剤が好適に用いられる。この還元剤として
は、二価の鉄イオンや銅イオン、亜鉛イオン、コバルト
イオンなどの金属イオン、アスコルビン酸、還元糖など
を用いることができる。このラジカル開始剤の使用割合
は、アクリル酸またはメタクリル酸とグリオキサール、
マレイン酸またはフマル酸を加えた原料全体に対して、
0.1〜100重量%、好ましくは0.5〜50重量%
である。
【0032】また、ここで用いるラジカル開始剤とし
て、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−
ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカル
ボニトリル、テトラメチルチウラムジスルフィドなどを
用いてもよい。これら化合物の使用割合は、原料全体に
対して、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重
量%である。これらラジカル開始剤の使用割合は、上記
範囲未満であると未反応の単量体が残留する場合があ
り、また上記の範囲を超えてもそれに見合う効果は得ら
れないからである。
【0033】さらに、この不飽和カルボン酸重合体の製
造にあたっては、通常、無溶媒または水溶媒を用いる。
溶媒として、非水溶媒を用いてもよい。この非水溶媒と
しては、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミド、酢酸エチル、N−メチルピロリドン、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、ジオキサンなどが用いられ
る。この反応では、無溶媒において重合するのが好まし
いが、非水溶媒を用いる場合には、アセトンが好まし
い。
【0034】そして、この場合の反応条件は、大気圧〜
0.98MPa、好ましくは大気圧〜0.49MPaに
おいて、30〜120℃、好ましくは40〜120℃の
範囲から適宜選定することができる。また、重合時間に
ついては、原料化合物の種類や重合温度により左右され
るが、通常、1〜24時間、好ましくは3〜12時間で
ある。
【0035】このようにして得られた不飽和カルボン酸
重合体からなる本発明の生分解性ビルダーは、キレート
能力に優れるとともに、生分解性を有し、洗浄剤ビルダ
ーとして好適に用いることができる。
【0036】また、この不飽和カルボン酸重合体を界面
活性剤と併用することによって、生分解性を有する洗剤
組成物を得ることができる。このような界面活性成分と
しては、例えば陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面
活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤などを
用いることができる。
【0037】上記の陰イオン性界面活性剤としては、例
えば脂肪酸石ケン、アルキルエーテルカルボン酸塩、N
−アシルアミノ酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、
アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコ
ハク酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級
アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、
脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、アルキル
エーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩
などが好適に用いられる。
【0038】また、陽イオン性界面活性剤としては、脂
肪族アミン塩、脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコ
ニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミ
ダゾリニウム塩などが好適である。
【0039】さらに、非イオン性界面活性剤としては、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステ
ル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モ
ノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリ
オキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアル
キルアミン、アルキルアミンオキシドなどが好ましい。
【0040】そして、両性界面活性剤としては、例えば
カルボキシベタイン型化合物、アミノカルボン酸塩、イ
ミダゾリニウムベタインなどが好適である。
【0041】そして、この洗剤組成物における上記ビル
ダーと界面活性剤の配合割合は、固体粉末状の洗剤組成
物を製造する際には、この洗剤組成物の全量に対して、
ビルダーが2〜20重量%であり、界面活性剤が20〜
60重量%であるとともに、残部の20〜78重量%が
酵素、漂白剤、無機系ビルダー(例えばゼオライト、炭
酸ナトリウム)などを適宜配合してなるものが好適に用
いられる。
【0042】また、液体洗剤組成物の製造に際しては、
この洗剤組成物の全量に対して、ビルダーが0.1〜2
0重量%、好ましくは1〜10重量%、界面活性剤が2
0〜80重量%、好ましくは30〜60重量%であり、
さらに水が10〜60重量%、好ましくは20〜50重
量%であるとともに、これら主たる構成成分に、各種の
添加剤を配合してなるものが好適に用いられる。
【0043】このような添加剤としては、例えば、ポリ
エチレングリコール、カルボキシメチルセルロースなど
のポリマー、ポリビニルピロリドンなどの色移り防止
剤、クエン酸、ジグリコール酸、燐酸などの金属捕捉
剤、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属珪酸塩、アルカ
ノールアミンなどのアルカリ剤、プロテアーゼ、セルラ
ーゼ、リパーゼなどの酵素、塩化カルシウム、ギ酸、ホ
ウ酸などの酵素安定剤、シリコーンなどの消泡剤、エタ
ノールなどの低級アルコールやベンゼンスルホン酸塩、
p−トルエンスルホンスルホン酸塩などのアルキルベン
ゼンスルホン酸塩、プロピレングリコールやポリエチレ
ングリコールなどのグリコール類、安息香酸、尿素など
の可溶化剤、ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化
クレゾール、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム
などの酸化防止剤、蛍光染料、香料、抗菌防腐剤などが
挙げられる。
【0044】また、本発明の不飽和カルボン酸重合体
は、常法によりアルカリ、例えば水酸化ナトリウムや水
酸化カリウムの水溶液で中和することによって、不飽和
カルボン酸単量体を主鎖とする数平均分子量が1,00
0〜100,000の親水性重合体として得られる。こ
の重合体もその化学構造から、生分解性に優れているの
で、紙などのコーティング剤に用いられる炭酸カルシウ
ム、クレイなどの無機顔料用の分散剤として有用性の高
いものである。
【0045】このようなコーティング剤を調製するにあ
たっては、炭酸カルシウムやクレイなどの無機顔料10
0重量部に対して、この分散剤を0.05〜2.0重量
部の割合で添加し、これを水中に分散することにより得
ることができる。そして、この分散剤を用いることによ
って、コーティング剤を低粘度でしかも高流動性にする
ことができる。この場合、分散剤を単独で用いてもよい
し、これに他の配合剤、例えばポリビニルアルコールな
どを併用してもよい。
【0046】また、本発明の不飽和カルボン酸重合体
は、キレート能力に優れることから、冷却水系、ボイラ
ー水系等の装置におけるスケールの付着防止剤としても
有用性の高いものである。
【0047】
〔実施例1〕
(1)不飽和カルボン酸重合体の製造 攪拌装置、熱電対を備えた容量500ミリリットルのセ
パラブルフラスコに、アクリル酸72.0gと、水酸化
ナトリウム40.0g、グリオキサールの40重量%濃
度の水溶液29.02g(16.7モル%)、塩化第一
鉄4水和塩50mgおよび水50gを入れた。 つぎ
に、このフラスコを100℃に加熱して、攪拌しなが
ら、これに濃度60重量%の過酸化水素水56.6g
を、8時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間
にわたり、加熱下に攪拌して反応を続けた。
【0048】この反応終了後、得られた反応生成物を凍
結乾燥することによって、固体の重合体114g(収率
97%)を得た。
【0049】ここで得られた重合体について、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、
ポリアクリル酸を標準物質として測定した数平均分子量
は、13,700であった。また、この重合体の重量平
均分子量は、87,800であった。
【0050】そして、この重合体についての13C−NM
Rによる測定結果において、180ppmにジケトンに
由来する吸収が認められ、また、 1H−NMRによる測
定結果では、1.2〜3.0ppmに重合体の主鎖に基
づく吸収、および3.1ppmにジケトンと相互作用し
ているメチン基のプロトンに由来する吸収が確認され
た。これら結果および原料仕込み比から、この重合体の
化学構造は、下記のとおりであると認められた。
【0051】
【化11】
【0052】(2)カルシウムイオン捕捉能の評価 上記(1)で得られた重合体20mgを、内容積100
ミリリットルのビーカーに入れ、ついで、これに塩化カ
ルシウム0.1規定、塩化カリウム0.1規定、アンモ
ニア0.4規定とを含有するカルシウムイオン濃度40
ppmの水溶液100gを入れて、これらを溶解させ
た。つぎに、カルシウムイオン電極を用いて、この水溶
液中の二価のカルシウムイオン濃度を測定し、この重合
体1gによって捕捉される炭酸カルシウム(単位;m
g)に換算し、この値をカルシウムイオン捕捉能力とし
た。このようにして測定の結果、上記(1)で得られた
重合体のカルシウムイオン捕捉能は、165mg/gで
あった。
【0053】(3)生分解性の評価 上記(1)で得られた重合体につき、JIS規格K69
50に準じて、重合体の活性汚泥による28日間の分解
率を測定し、TOC(全有機炭素量)から算出した。
【0054】このようにして測定の結果、上記(1)で
得られた重合体の生分解率は、40%であった。これら
結果をまとめて第1表に示す。
【0055】〔実施例2〕 (1)不飽和カルボン酸重合体の製造 攪拌装置、熱電対を備えた容量500ミリリットルのセ
パラブルフラスコに、無水マレイン酸98.0gと、ア
クリル酸72.0g、水酸化ナトリウム80.0g、水
50g、塩化第一鉄4水和塩50mgおよびグリオキサ
ールの40重量%濃度の水溶液58.04g(16.7
モル%)を入れ、室温において30分間攪拌した後、オ
イルバス上で100℃に加熱した。
【0056】ついで、このフラスコ内の液体を攪拌しな
がら、これに濃度60重量%の過酸化水素水56.6g
を、8時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間
にわたり加熱下に攪拌して反応を続けた。この反応終了
後、得られた反応生成物を凍結乾燥することによって、
固体の重合体218g(収率92%)を得た。
【0057】ここで得られた重合体について、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、
ポリアクリル酸を標準物質として測定した数平均分子量
は、2,830であった。また、この重合体の重量平均
分子量は、42,600であった。
【0058】そして、この重合体についての13C−NM
Rによる測定結果において、180ppmにジケトンに
由来する吸収が認められ、また、 1H−NMRによる測
定結果では、1.2〜3.0ppmに重合体の主鎖に基
づく吸収、および3.1ppmにジケトンと相互作用し
ているメチン基のプロトンに由来する吸収が確認され
た。これら結果および原料仕込み比から、この重合体の
化学構造は、下記のとおりであると認められた。
【0059】
【化12】
【0060】(2)カルシウムイオン捕捉能の評価 上記(1)で得られた重合体のカルシウムイオン捕捉能
力を、実施例1の(2)と同様にして測定した結果、2
70mg/gであった。 (3)生分解性の評価 上記(1)で得られた重合体の生分解率を実施例1の
(3)と同様にして測定した結果、40%であった。こ
れら結果を第1表に示す。
【0061】〔実施例3〕 (1)不飽和カルボン酸重合体の製造 実施例2の(1)において添加したグリオキサールの4
0重量%濃度の水溶液の量を、29.0g(9.1モル
%)に変更した他は、実施例2の(1)と同様にして、
不飽和カルボン酸重合体を得た。
【0062】ここで得られた重合体の数平均分子量は、
4,550であった。また、この重合体の重量平均分子
量は、31,780であった。
【0063】また、この重合体の13C−NMRおよび 1
H−NMRの測定結果は、実施例2の(1)と同一であ
った。 (2)カルシウムイオン捕捉能の評価 上記(1)で得られた重合体のカルシウムイオン捕捉能
力を、実施例1の(2)と同様にして測定した結果、2
55mg/gであった。 (3)生分解性の評価 上記(1)で得られた重合体の生分解率を実施例1の
(3)と同様にして測定した結果、31%であった。こ
れら結果を第1表に示す。
【0064】〔実施例4〕 (1)不飽和カルボン酸重合体の製造 実施例2の(1)において添加したグリオキサールの4
0重量%濃度の水溶液の量を、116g(28.5モル
%)に変更した他は、実施例2の(1)と同様にして、
不飽和カルボン酸重合体を得た。
【0065】ここで得られた重合体の数平均分子量は、
2,650であった。また、この重合体の重量平均分子
量は、25,500であった。また、この重合体の13
−NMRおよび 1H−NMRの測定結果は、実施例2の
(1)と同一であった。
【0066】(2)カルシウムイオン捕捉能の評価 上記(1)で得られた重合体のカルシウムイオン捕捉能
力を、実施例1の(2)と同様にして測定した結果、2
30mg/gであった。 (3)生分解性の評価 上記(1)で得られた重合体の生分解率を実施例1の
(3)と同様にして測定した結果、51%であった。こ
れら結果を第1表に示す。
【0067】〔実施例5〕 (1)不飽和カルボン酸重合体の製造 攪拌装置、熱電対を備えた容量500ミリリットルのセ
パラブルフラスコに、無水マレイン酸98.0gと、水
酸化ナトリウム80.0g、水50g、塩化第一鉄4水
和塩10mgを入れた。つぎに、このフラスコを100
℃に加熱して、攪拌しながら、これに濃度60重量%の
過酸化水素水56.6g、アクリル酸72.0gおよび
グリオキサールの40重量%濃度の水溶液58.04g
(16.7モル%)を、それぞれ5時間かけて滴下し
た。滴下終了後、さらに1時間にわたり加熱下に攪拌し
て反応を続けた。この反応終了後、得られた反応生成物
を凍結乾燥することによって、固体の重合体228g
(収率96%)を得た。
【0068】ここで得られた重合体について、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、
ポリアクリル酸を標準物質として測定した数平均分子量
は、1,750であった。また、この重合体の重量平均
分子量は、10,300であった。また、この重合体の
13C−NMRおよび 1H−NMRの測定結果は、実施例
2の(1)と同一であった。
【0069】(2)カルシウム捕捉能力の評価 上記(1)で得られた重合体のカルシウムイオン捕捉能
を、実施例1の(2)と同様にして測定した結果、23
0mg/gであった。 (3)生分解性の評価 上記(1)で得られた重合体の生分解率を実施例1の
(3)と同様にして測定した結果、46%であった。こ
れら結果を第1表に示す。
【0070】〔実施例6〕 (1)不飽和カルボン酸重合体の製造 攪拌装置、熱電対、還流冷却器を備えた容量500ミリ
リットルのセパラブルフラスコに、無水マレイン酸9
8.0g、アクリル酸72.0gと、水酸化ナトリウム
80.0g、水50g、塩化第一鉄4水和塩50mg、
グリオキサールの40重量%濃度の水溶液29.02g
(16.7モル%)およびヒドロキノン11.1gを入
れ、室温において30分間攪拌した。つぎに、このフラ
スコを100℃に加熱して、攪拌しながら、これに濃度
60重量%の過酸化水素水56.6gを8時間かけて滴
下した。滴下終了後、さらに1時間にわたり加熱下に攪
拌して反応を続けた。この反応終了後、得られた反応生
成物を凍結乾燥することによって、固体の重合体219
g(収率92%)を得た。
【0071】ここで得られた重合体について、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、
ポリアクリル酸を標準物質として測定した数平均分子量
は、2,260であった。また、この重合体の重量平均
分子量は、10,500であった。また、この重合体の
13C−NMRおよび 1H−NMRの測定結果は、実施例
1の(1)と同一の吸収が認められたほか、ベンゼン環
に由来する吸収も確認された。
【0072】(2)カルシウム捕捉能力の評価 上記(1)で得られた重合体のカルシウムイオン捕捉能
を、実施例1の(2)と同様にして測定した結果、24
0mg/gであった。 (3)生分解性の評価 上記(1)で得られた重合体の生分解率を実施例1の
(3)と同様にして測定した結果、32%であった。こ
れら結果を第1表に示す。
【0073】〔実施例7〕 (1)不飽和カルボン酸重合体の製造 攪拌装置、熱電対、還流冷却器を備えた容量500ミリ
リットルのセパラブルフラスコに、無水マレイン酸9
8.0g、アクリル酸72.0gと、水酸化ナトリウム
80.0g、水50g、塩化第一鉄4水和塩100m
g、グリオキサールの40重量%濃度の水溶液145g
(1.0モル)を入れ、室温において30分間攪拌し
た。つぎに、このフラスコを100℃に加熱して、攪拌
しながら、これに濃度60重量%の過酸化水素水56.
6gを8時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時
間にわたり加熱下に攪拌して反応を続けた。この反応終
了後、得られた反応生成物を凍結乾燥することによっ
て、固体の重合体306g(収率100%)を得た。
【0074】ここで得られた重合体について、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、
ポリアクリル酸を標準物質として測定した数平均分子量
は、1,880であった。また、この重合体の重量平均
分子量は、21,700であった。また、この重合体の
13C−NMRおよび 1H−NMRの測定結果は、実施例
2の(1)と同一の吸収が認められた。
【0075】(2)カルシウム捕捉能力の評価 上記(1)で得られた重合体のカルシウムイオン捕捉能
を、実施例1の(2)と同様にして測定した結果、24
0mg/gであった。 (3)生分解性の評価 上記(1)で得られた重合体の生分解率を実施例1の
(3)と同様にして測定した結果、52%であった。こ
れら結果を第1表に示す。
【0076】
【表1】
【0077】〔実施例8〕 (1)洗剤組成物の調製 実施例1の(1)において得られた重合体を水溶液とし
た後、水酸化ナトリウムを加えてその液性をpH10に
調整して、これをビルダーとして用いた。
【0078】ついで、このビルダー20重量部に対し
て、界面活性剤として、直鎖アルキルベンゼンスルホン
酸ナトリウム〔第2表中、LASと略記〕20重量部と
アルキル硫酸ナトリウム〔第2表中、ASと略記〕5重
量部、この他の添加剤としてケイ酸ナトリウム10重量
部、ポリエチレングリコール〔第2表中では、PEGと
略記〕2重量部、炭酸ナトリウム15重量部、硫酸ナト
リウム5重量部、水23重量部を配合して、洗剤組成物
を調製した。 (2)洗剤組成物の洗浄力評価 つぎに、上記(1)で得られた洗剤組成物の洗浄力の評
価試験を行った。ここで用いた人工汚垢としては、下記
組成のものを調製した。
【0079】 有機汚垢成分 :69.7重量部 焼成粘度 :29.8重量部 カーボンブラック: 0.5重量部 また、この有機汚垢成分としては、下記に示す各物質を
所定の割合で含有するものを用いた。
【0080】 ついで、この人工汚垢を用い、水溶媒系湿式法にて清浄
布から汚染布を作成し、これを5cm×5cmに裁断し
て、反射率が38〜43%のものを作製し、洗浄前の表
面反射率を測定後、下記条件において洗浄試験を行っ
た。
【0081】 試験機 :Terg-O-Tometer 回転数 :120rpm 水の硬度 :90ppm(CaCO3 換算) 洗液量 :900ミリリットル 洗浄温度 :30℃ 洗剤濃度 :0.067% 浴比 :30倍 洗浄時間 :10分間 すすぎ時間:3分を2回 乾燥 :濾紙にはさんでアイロン乾燥 つぎに、洗浄後の布(洗浄布)の表面反射率を測定し、
次式から洗浄力を求めた。
【0082】洗浄力(%)=〔(汚垢布のK/S−洗浄
布のK/S)/(汚垢布のK/S−清浄布のK/S)〕
×100 〔この式において、K/S=(1−R)2 /2R (Kub
elka-Munk の式)であり、Rは、布の表面反射率を示
す。〕 このようにして洗剤組成物の洗浄力の評価を行った結
果、上記(1)で得られた洗剤組成物の洗浄力は、66
%であった。この洗剤組成物の組成と洗浄力の評価結果
を第2表に示す。
【0083】〔実施例9〜13〕 (1)洗剤組成物の調製 実施例2〜6において得られた重合体を用いた他は、実
施例8の(1)と同様にして、洗剤組成物を調製した。 (2)洗剤組成物の洗浄力評価 つぎに、上記(1)で得られた洗剤組成物について、実
施例8の(2)と同様にして、その洗浄力の評価試験を
行った。これら洗剤組成物の組成と洗浄力の評価結果を
第2表に示す。
【0084】〔比較例1〕 (1)洗剤組成物の調製 ビルダーとして、A型ゼオライト20重量部を用い、こ
れに対して、界面活性剤として、直鎖アルキルベンゼン
スルホン酸ナトリウム20重量部とアルキル硫酸ナトリ
ウム10重量部を用い、この他の添加剤として珪酸ナト
リウム10重量部、ポリエチレングリコール2重量部、
炭酸ナトリウム15重量部、硫酸ナトリウム5重量部お
よび水18重量部を配合して、洗剤組成物を調製した。
【0085】(2)洗剤組成物の洗浄力評価 つぎに、上記(1)で得られた洗剤組成物について、実
施例8の(2)と同様にして、その洗浄力の評価試験を
行った。この洗剤組成物の組成と洗浄力の評価結果を第
2表に示す。
【0086】
【表2】
【0087】〔実施例14〜16〕 (1)液体洗剤組成物の調製 ビルダーとして実施例7で得られた重合体、界面活性剤
としてポリオキシエチレンアルキルエーテルおよび直鎖
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、可溶化剤とし
てモノエタノールアミンとエタノールおよびプロピレン
グリコール、酸化防止剤として亜硫酸ナトリウム並びに
水を、第3表に示す配合割合で用い、これらを混合して
液体洗剤組成物を調製した。
【0088】(2)液体洗剤組成物の評価 上記(1)で得られた液体洗剤組成物について、その保
存安定性と、洗浄力について評価した。保存安定性の評
価は、上記の液体洗剤組成物それぞれについて、内容積
100ミリリットルのガラス瓶に入れて密栓をし、つい
で、このガラス瓶を10℃の恒温槽に入れて静置し、7
日間の保存期間終了後に、ガラス瓶内の液体洗剤組成物
を目視により観察して、下記の基準によって評価した。
【0089】 分離、沈殿および白濁がないもの;○ わずかに白濁、沈殿のあるもの ;△ 分離、沈殿および白濁のあるもの;× また、洗浄力については、実施例8の(2)と同様にし
て評価した。これら液体洗剤組成物の組成と洗浄力の評
価結果を第3表に示す。
【0090】〔比較例2〜3〕第3表に示すとおりに各
成分を配合して液体洗剤組成物を調製し、前記実施例1
4〜16と同様にその評価をした。なお、これら比較例
においては、有機ビルダーとして、アクリル酸−マレイ
ン酸共重合体(第3表中、PAMと略記する)を使用し
た。これら液体洗剤組成物の組成と洗浄力の評価結果を
第3表に示す。
【0091】
【表3】
【0092】〔実施例17〕 (1)分散液の調製 実施例1の(1)において得られた重合体をその濃度が
10ppmとなるように、かつ活性白土をその濃度が1
重量%となるように、ともに水に溶解させた分散液を調
製した。 (2)分散性能の評価 この分散液100ミリリットルを10分間攪拌した後、
100ミリリットルのメスシリンダーに入れて、14時
間静置した。つぎに、この分散液の上澄み5ミリリット
ルを採取して、波長400nmの光源を用いて、吸光度
を測定し、その値を上記重合体の分散性能の指標として
評価した。この重合体を分散剤として用いた場合の吸光
度は、0.128であった。なお、ブランクテストにお
いては、吸光度は、0.000であった。この分散性能
の評価結果を第4表に示す。
【0093】〔実施例18〜22〕 (1)分散液の調製 実施例2の(1)〜実施例6の(1)において得られた
重合体を分散剤として用いた他は、実施例17の(1)
と同様にして分散液の調製をした。 (2)分散性能の評価 上記(1)で調製した分散液につき、実施例17の
(2)と同様にして、分散剤の分散性能の評価をした。
評価結果を第4表に示す。
【0094】
【表4】
【0095】
【発明の効果】本発明の不飽和カルボン酸重合体は、カ
ルシウムイオン捕捉能力に優れ、かつ生分解性にも優れ
ていることから、洗剤用ビルダーとして有用性が高く、
また界面活性成分に配合することによって洗浄力が高く
かつ生分解性を有する固体粉末または液体の洗剤組成物
が得られ、さらに生分解性を有する分散剤を得ることも
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D077 AB10 AB20 AC05 BA02 BA07 BA13 CA03 CA12 CA13 CA15 DB06Y DC02Z DC10Z DC28Z DD03Y DD10Y DD17Y DD20Y DE02Y DE06Y DE10Y 4H003 AB19 AB27 BA12 DA01 EA12 EA15 EA16 EB30 EB32 EB36 ED02 FA03 FA04 4J100 AJ02P AJ09Q AK03P AK08P AK19Q AK20Q CA01 CA04 JA15 JA57

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)下記一般式〔1〕、 【化1】 〔式〔1〕中、Xは水素原子、アルカリ金属原子または
    アンモニウム基を示し、Rは水素原子またはメチル基を
    示す〕で表される繰返し単位50〜97モル%と、
    (b)下記一般式〔2〕、 【化2】 で表される繰返し単位3〜50モル%とからなり、数平
    均分子量が500〜1,000,000である不飽和カ
    ルボン酸重合体。
  2. 【請求項2】 (a)下記一般式〔1〕、 【化3】 〔式〔1〕中、Xは水素原子、アルカリ金属原子または
    アンモニウム基を示し、Rは水素原子またはメチル基を
    示す〕で表される繰返し単位3〜90モル%と、(b)
    下記一般式〔2〕、 【化4】 で表される繰返し単位3〜50モル%、および(c)下
    記一般式〔3〕、 【化5】 〔式〔3〕中、Xは上記式〔1〕中のXと同一の意味を
    有する〕で表される繰返し単位0.1〜50モル%とか
    らなり、数平均分子量が500〜1,000,000で
    ある不飽和カルボン酸重合体。
  3. 【請求項3】 アクリル酸またはメタクリル酸とグリオ
    キサールを、ラジカル開始剤の存在下、30〜120℃
    において重合することを特徴とする請求項1に記載の不
    飽和カルボン酸重合体の製造法。
  4. 【請求項4】 アクリル酸またはメタクリル酸とマレイ
    ン酸またはフマル酸およびグリオキサールを、ラジカル
    開始剤の存在下、30〜120℃において重合すること
    を特徴とする請求項2に記載の不飽和カルボン酸重合体
    の製造法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載の不飽和カルボ
    ン酸重合体を構成成分として含有する生分解性ビルダ
    ー。
  6. 【請求項6】 請求項1または2に記載の不飽和カルボ
    ン酸重合体と界面活性剤を構成成分として含有する洗剤
    組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1または2に記載の不飽和カルボ
    ン酸重合体と界面活性剤および水を構成成分として含有
    する液体洗剤組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1または2に記載の不飽和カルボ
    ン酸重合体をアルカリで中和した重合体からなる分散
    剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002076597A1 (fr) * 2001-03-22 2002-10-03 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Tensioactif et procede de production et d'utilisation associe

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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