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JP2001055276A - 電子レンジ用食品容器および電子レンジ用食品包装体 - Google Patents

電子レンジ用食品容器および電子レンジ用食品包装体

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Publication number
JP2001055276A
JP2001055276A JP11228540A JP22854099A JP2001055276A JP 2001055276 A JP2001055276 A JP 2001055276A JP 11228540 A JP11228540 A JP 11228540A JP 22854099 A JP22854099 A JP 22854099A JP 2001055276 A JP2001055276 A JP 2001055276A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container
microwave oven
side wall
food
bottom plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11228540A
Other languages
English (en)
Inventor
Ichiro Matsuno
一郎 松野
Yusuke Hayashi
祐介 林
Keisuke Shimizu
啓介 清水
Keitaku Sasaki
敬卓 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Snow Brand Milk Products Co Ltd
Original Assignee
Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Snow Brand Milk Products Co Ltd filed Critical Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority to JP11228540A priority Critical patent/JP2001055276A/ja
Publication of JP2001055276A publication Critical patent/JP2001055276A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 調理食品を電子レンジで加熱した際、その表
面から発生した蒸気を、容器底部の調理食品の昇温に利
用して、均一加熱と加熱時間の短縮に寄与する電子レン
ジ用食品容器と、その食品容器を用いた食品包装体を提
供すること。 【解決手段】 電子レンジで調理食品を加熱するための
マイクロ波透過性容器であって、底板と、底板の周縁か
ら上側に延びる側壁と、側壁の上縁に接合して容器を閉
蓋する蓋とを備える。側壁の少なくとも一部分を二重に
構成して、電子レンジで調理食品を加熱した時にその表
面から発生した蒸気を、底板の下面へ流下させるための
流路を形成すると共に、流路に連通して蒸気を取り込む
ための通気孔を容器の上部に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グラタン、ラザニ
ア、カレーライス等の調理食品(以下、特記しない限り
まとめて「調理食品」という。)を充填して、常温保
存、冷蔵保存、または、冷凍保存し、使用時にマイクロ
波によって加熱するための食品容器、並びに、その食品
容器を用いた食品包装体に関する。特に、本発明の食品
容器および食品包装体は、充填された調理食品を電子レ
ンジで加熱すると、均一に加熱できて、ムラのない加熱
を可能にすると共に、加熱時間の短縮を図ることができ
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、調理食品を容器に充填して冷
凍保存等し、これを使用時にそのまま電子レンジによっ
て加熱するだけで簡便に利用できる包装食品が市販され
ている。この包装食品に用いられている容器は、通常マ
イクロ波透過材料でつくられている。包装食品を電子レ
ンジで加熱した時、調理食品の表層部分や容器の側壁近
くに位置する調理食品の温度上昇は早いが、容器の底板
近くに位置する部分、特に底板の中央ほど調理食品の温
度上昇が遅く、全体として加熱ムラが発生する問題があ
る。
【0003】この加熱ムラは、冷凍食品を電子レンジで
加熱した時に特に顕著にあらわれる。その原因は、電子
レンジのマグネトロンから発せられるマイクロ波の特性
によるといわれている。すなわち、冷凍食品は、−18℃
以下の温度で保存されるのが一般的であり、含有される
水分は氷の状態で存在する。氷に対するマイクロ波の誘
電率は、水に比べてはるかに低く、融解させて水の状態
になるまでに相当のエネルギーを要する。しかし、一旦
融解して水になると、マイクロ波の誘電率は急激に上が
って、氷の状態より約400倍昇温されやすくなるといわ
れている。このため、容器に充填された冷凍食品を電子
レンジで加熱した場合、マイクロ波が照射されやすい表
層部分や側壁近くに位置する氷が、先に融解して水の状
態になり、その部分だけが選択的に加熱促進される。一
方、底板の中央近くに位置する氷は、なかなか融解しな
い。その結果、熱い部分と冷たい部分が生じて加熱ムラ
が起こるのである。そして、全体を必要な温度まで加熱
すると、先に融解した部分が過加熱状態になり、風味的
にも組織的にも好ましくない調理食品になってしまう。
【0004】このような事情から、調理食品を電子レン
ジで加熱した時、できるだけ加熱ムラを抑制する容器が
種々開発されている。例えば、温度上昇が遅い部分、特
に容器の底板の中央近くに位置する部分の温度上昇を早
めるために、その部分を上げ底にした構造のものや、ま
た、容器の周囲壁面(側壁)または少なくともその内表
面(内面)、あるいはリム(フランジ)や隅部等をマイ
クロ波反射材料または不透過材料で被覆し、底面(底
板)をマイクロ波透過材料で形成する食品パッケージ
(特公昭59-6789号公報)が開示されている。
【0005】さらには、容器の蓋体(蓋)の頂部に通気
孔(排気口)や排出弁を設けて、温度上昇が早い調理食
品の表層部分から生じる水蒸気を排出することによっ
て、上層部分の過加熱を防止して均一な加熱に寄与させ
る電子レンジ用食品容器(特開昭61ー173028号公報、特
開平8ー324653号公報)も提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、電子レン
ジで調理食品を均一に加熱するための容器が種々開発さ
れているが、上記の底板中央部分を上げ底にした容器の
場合には、上げ底部分の調理食品の嵩が少なくなる。そ
のため、上げ底部分の温度上昇はある程度早まるが、均
一な加熱といった観点からは依然として加熱ムラが解消
されない上に、調理食品の充填量が少なくなる割には、
容器が嵩張る問題もある。
【0007】また、上記の特公昭59-6789号公報が開示
する容器は、側壁あるいはフランジと容器の隅部を、マ
イクロ波不透過材料で単に被覆しただけであるため、被
覆された部位の調理食品の極端な温度上昇は抑制される
が、調理食品の表層部分の過加熱は防止できない。ま
た、容器の中央部分、特に底板の中央近くに位置する部
分に対するマイクロ波の作用が依然として小さいままな
ので、全体を均一に加熱させて加熱ムラのない調理食品
を得ることができないという問題がある。
【0008】さらに、上記の特開昭61ー173028号公報や
特開平8ー324653号公報が開示している容器は、調理食品
の表面から発生した水蒸気を、蓋の頂部に設けた排気口
から排出するため、上層部分の極端な過加熱は避けられ
るが、容器の側壁近くに位置する調理食品の過加熱は避
けらない。また、全体を必要な温度まで加熱するのに時
間がかかる上、依然として加熱ムラを解消するものでは
ない。このように、従来の電子レンジ用食品容器は、い
ずれも、容器内に均等に収納された調理食品を、域差な
く均一に加熱することができないため、使用様態が制限
されるといった問題がある。
【0009】本発明は、上述の問題点を鑑みて創出され
たものであり、その目的は、容器の底部に充填されてい
る調理食品の加熱を促進して、全体として均一な加熱を
図ることである。すなわち、本発明は、調理食品を電子
レンジで加熱した際、調理食品の表面から発生した蒸気
を、容器底部の調理食品の昇温に有効利用して、均一加
熱と加熱時間の短縮に寄与する電子レンジ用食品容器、
並びに、その食品容器を用いた食品包装体を提供するこ
とを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、以下のような電子レンジ用食品容器
と、その電子レンジ用食品容器を用いた食品包装体を提
供する。すなわち、本発明の電子レンジ用食品容器は、
電子レンジで調理食品を加熱するためのマイクロ波透過
性容器であって、底板と、底板の周縁から上側に延びる
側壁と、側壁の上縁に接合して容器を閉蓋する蓋とを備
える。そして、側壁の少なくとも一部分が二重に構成さ
れ、電子レンジで調理食品を加熱した時にその表面から
発生した蒸気を、底板の下面へ流下させるための流路を
形成すると共に、流路に連通して蒸気を取り込むための
通気孔を、容器の上部に設けたことを特徴とする。本発
明の電子レンジ用食品包装体は、前記の電子レンジ用食
品容器に調理食品を充填して電子レンジにより加熱した
時、調理食品の表面から発生した蒸気を通気孔から取り
込んで流路を流下させて底板の下面へ誘導し、容器底部
に充填されている調理食品の加熱を促進させることを特
徴とするものである。ここで、この電子レンジ用食品包
装体を合成樹脂製フィルムで被覆すると共に、容器底面
のほぼ中央に相応する位置の合成樹脂製フィルムに、蒸
気を排出する排気孔を設けてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を詳細
に説明する。本発明は、マイクロ波透過性の電子レンジ
用食品容器と、その容器に調理食品が充填され、使用時
に電子レンジによって加熱される食品包装体に関するも
のである。容器は、ガラス、陶器、紙を主材として合成
樹脂がコーティングされた複合材、あるいは合成樹脂等
のマイクロ波透過材料からなるが、経済性を考慮すると
合成樹脂製の容器が特に好ましい。好適に使用できる合
成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアクリロ・ニトリル・ブタジエン・スチレン等
の熱可塑性の合成樹脂が挙げられる。これらの樹脂をシ
ート状に成形した後、真空成形、圧空成形、圧縮成形に
よって、あるいは樹脂を溶融した後射出成形によって容
器が成形される。
【0012】調理食品が収納される部分は、底板とこの
底板の周縁から上側に延びる側壁からなる。底板または
側壁には、必要に応じて下側に延びる3〜10mm程度の高
さの脚部を備える。この脚部は、底板の下面から下側に
延設させてもよいし、側壁から連続的に垂下延伸させて
設けてもよい。脚部があると、底板が電子レンジの底面
から離れて配置されるので、蒸気の誘導の他に、電子レ
ンジの底面で上方へ反射されたマイクロ波を底板の下面
へ誘導することも可能になる。側壁の上縁には、マイク
ロ波透過材料からなる蓋が接合されて、容器が閉蓋され
る。側壁の上端に、必要に応じて水平(底板と平行)に
広がるフランジ(鍔)を設け、調理食品が充填された
後、または冷凍前もしくは冷凍後に、このフランジに蓋
を貼着してもよい。
【0013】本発明では、上記のようにして適宜の形状
に成形される容器の側壁の少なくとも一部分を二重に構
成して、蒸気を流下させるための流路を形成する。この
流路は、後述するように、電子レンジで加熱した際に調
理食品の表面から発生した蒸気を、底板の下面へ誘導す
るためのもので、側壁全域に設けても、または必要な幅
で部分的に設けてもよい。側壁全域に流路を設ける場合
には、第2の側壁を、フランジ全周から連続的に垂下延
伸させて二重側壁とし、流路を側壁の一部に設ける場合
には、側壁の外側に上下にわたって適宜な幅で膨出させ
て設ける。いずれの場合も、流路を容器の底下まで延長
して、底板を覆って二重底にしてもよい。底板の全域を
覆った二重底の場合には、最底部に蒸気を排出する排気
口を設ける。
【0014】上記のようにして側壁に蒸気を流下させる
ための流路を設けた容器の上部に、蒸気を取り込むため
の通気孔を任意の大きさで流路に連通させて設ける。
【0015】本発明では、上記の容器に調理食品を充填
した後、マイクロ波透過材料からなる蓋を施蓋して食品
包装体とする。調理食品の充填高さは、通気孔より若干
下側の位置までとする。この食品包装体を電子レンジで
加熱すると、充填された調理食品の上層部分の温度上昇
が早いために、その表面から蒸気、特に水蒸気が発生す
る。その蒸気は、容器のヘッドスペースを満した後に通
気孔から取り込まれて流路を流下して底板下面に達し、
マイクロ波と共に容器底部に充填されている調理食品の
加熱を促進する。このように、容器底部の調理食品の加
熱が、蒸気の有効利用によって促進されることで、全体
として均一な加熱が可能になると共に、加熱時間の短縮
が図られる。
【0016】本発明では、さらに上記の食品包装体全体
を、合成樹脂製フィルムで被覆すると共に、容器底面の
ほぼ中央に相応する位置の合成樹脂製フィルムに、蒸気
を排出する排気孔を設けた食品包装体とすることができ
る。この食品包装体を電子レンジで加熱すると、調理食
品の表面から発生した蒸気は、通気孔から取り込まれ流
路を経由して、排気孔から集中的に排出される。そのた
め、高温の蒸気が容器底板の中央に多く接触するので、
容器底面の中央近くに位置する調理食品の加熱が特に促
進されて、より短時間に均一な加熱を可能にする。
【0017】
【実施例】以下に、本発明による電子レンジ用食品容
器、並びに、その食品容器を用いた食品包装体の実施例
を4例、図面に基づいて説明し、比較例との対照試験結
果を示す。
【0018】実施例1:図1(イ)は、本発明による電
子レンジ用食品容器の第1実施例を示す斜視図であり、
図1(ロ)は、図1(イ)におけるX−X’断面図であ
る。楕円形の底板(10)に対して、その周縁(10
d)から上側に側壁(20)が延びている。底板(1
0)の内面(10a)の広さが長径125mm×短径115mm、
側壁(20)の内面(20a)の高さが20mmであり、そ
の有効容量は220mlである。側壁(20)の上端は、フ
ランジ(22)を介して、第2側壁(40)に連続して
いる。第2側壁(40)は、フランジ(22)の全周か
ら垂下延伸して二重側壁をなし、底板(10)より低い
位置まで延びている。そのため、この容器は、第2側壁
(40)の底板(10)より低い部分である脚部(4
1)で立脚する。脚部(41)の高さは3〜10mm程度が
好適である。
【0019】フランジ(22)は、側壁(20)の上端
からフランジ上面(24)に向かって、径の広がるフラ
ンジ斜面(23)を備える。そのフランジ斜面(23)
の一部分は、長径方向へ凹みフランジ斜面凹部(23
a)を形成している。そして、フランジ斜面凹部(23
a)には、円形の通気孔(30)が貫通している。図で
は、フランジ斜面凹部(23a)が長径上に二つ設けら
れ、通気孔(30)が1個づつ設けられているが、フラ
ンジ斜面凹部(23a)と通気孔(30)の数は任意で
あり、また、通気孔(30)をフランジ斜面(23)あ
るいは側壁(20)の上部に設置してもよい。なお、こ
の容器は、シート成形による製造に適している。
【0020】上記構成の容器に、グラタン200gを充填し
た後、図示しない蓋でシールし、−18℃に冷凍処理をし
て食品包装体とした。さらに、この食品包装体の全面
を、図示しない合成樹脂製のフィルムで被覆し、底板
(10)の中央(10c)に相応する位置の合成樹脂製
フィルムに、直径約10mmの蒸気排気孔を開けて排気口
(80)とした。
【0021】このように、第1実施例の容器には、容器
の上部であるフランジ斜面凹部(23a)に通気孔(3
0)が備わり、第2側壁(40)によって二重側壁をな
し、第2側壁(40)の脚部(41)で立脚するので、
底板(10)の上面(10a)から下面(10b)まで
連通している。そのため、電子レンジにより加熱された
調理食品の表面から発生した蒸気は、通気孔(30)を
通過し、側壁(20)の外面(20b)と、フランジ
(22)の外面(22a)、第2側壁(40)の内面
(40a)で囲まれた流路(70)を経て流下し、底板
(10)の下面(10b)へ誘導される。これによっ
て、容器底部に充填された調理食品の加熱が促進され
て、後述の試験例に示す通り、調理食品がムラなく均一
に加熱されると共に、加熱時間が短縮される。
【0022】実施例2:図2(イ)は、本発明による電
子レンジ用食品容器の第2実施例を示す斜視図であり、
図2(ロ)は、図2(イ)におけるX−X’断面図であ
る。第1実施例容器と同様、底板(10)の周縁(10
d)から上側に、側壁(20)と凹部側壁(20’)が
延びている。底板(10)は、長径方向に凹みのある略
楕円形であり、その底板(10)の凹み部分から、凹部
側壁(20’)が延びている。凹部側壁(20’)の上
端は、底板(10)に平行に広がる第2側壁段部(4
2)を介して、第2側壁(40)に連続する。第2側壁
(40)は、側壁(20)に滑らかに連続し、底板(1
0)の凹み部分を補なって、両者(20)(40)で滑
らかな楕円環が形成されている。側壁(20)及び第2
側壁(40)の上端には、フランジ(22)が底板(1
0)に平行に広がり、側壁(20)及び第2側壁(4
0)の下端は、底板(10)より低い位置まで延びて脚
部(21)(41)をなしている。
【0023】第2側壁段部(42)の中程には、通気孔
(30)が設けられる。通気孔(30)は、充填される
内容物によっては通気孔(30)に入り込むことがある
ので、スリットによって馬蹄形の曲線状に形成されてい
る。凹部側壁(20’)の外面(20’b)と第2側壁
(40)の内面(40a)とで囲まれた空間は中空であ
り、流路(70)を形成する。また、通気孔(30)か
ら離隔した位置の側壁(20)の脚部(21)は、切り
欠けられて排気口(80)を形成している。なお、図
は、凹部側壁(20’)が側壁(20)の内方に膨出し
た例であるが、側壁(20)の外方へ膨出させてもよ
く、さらに、筒状の側壁を底板上面(10a)から立垂
させて、周縁の側壁(20)に連続しない形態にしても
よい。この容器は、射出成形による製造に適している。
【0024】上記構成の容器に、グラタン200gを充填し
た後、フランジ(22)にシート状の蓋(60)でシー
ルし、−18℃に冷凍処理をして食品包装体とした。この
食品包装体の加熱結果を後述の試験例に示す。
【0025】実施例3:図3(イ)は、本発明による電
子レンジ用食品容器の第3実施例を示す斜視図であり、
図3(ロ)は、図3(イ)におけるX−X’断面図であ
る。この第3実施例容器は、二重の容器構造にしたもの
である。内側の容器は、第1実施例容器と同様、楕円形
の底板(10)の周縁(10d)から上側に側壁(2
0)が延び、その上端に、フランジ上面(24)が底板
(10)に平行に広がり、その周縁からフランジ垂下部
(25)が垂下延伸している。外側の容器も同様に、楕
円形の第2底板(50)の周縁(50d)から上側に第
2側壁(40)が延び、その上端に、第2側壁フランジ
(43)が備わる。そして、フランジ上面(24)とフ
ランジ垂下部(25)とで囲まれた空隙に第2側壁フラ
ンジ(43)が嵌合して、内側の容器が外側の容器内に
収納固定される。
【0026】側壁(20)の上部に通気孔(30)が貫
通し、第2側壁(40)の下部に排気口(80)が貫通
し、内側の容器と外側の容器との間の空隙が流路(7
0)となっている。
【0027】上記構成の容器に、グラタン200gを充填し
た後、フランジ上面(24)に図示しない蓋でシール
し、−18℃に冷凍処理をして食品包装体とした。この食
品包装体の加熱結果を後述の試験例に示す。
【0028】実施例4:図4(イ)は、本発明による電
子レンジ用食品容器の第4実施例を示す斜視図であり、
図4(ロ)は、図4(イ)におけるX−X’断面図であ
る。この第4実施例容器は、第2側壁(40)と、第2
底板(50)、蓋(60)とを1枚のシートで構成した
ものである。第1実施例容器と同様、楕円形の底板(1
0)の周縁(10d)から上側に側壁(20)が延び、
その上端には、フランジ(22)が底板(10)に平行
に広がる。1枚の合成紙等のシートを折ってこれを包囲
すると、第2側壁(40)が側壁(20)の外側に膨出
して流路(70)を形成する形態になる。側壁(20)
の上部の通気孔(30)と、脚部(21)に切り欠けら
れた通気口(21a)は、第2側壁(40)に面した位
置に上下に並んで配設される。
【0029】上記構成の容器に、グラタン200gを充填し
た後、−18℃に冷凍処理をして食品包装体とした。この
食品包装体の加熱結果を後述の試験例に示す。なお、上
記いずれの実施例の場合も、底板(10)での熱交換を
高めるために、底板(10)に熱交換用のフィンを設置
したり、凹凸を設けて面積を増やしてもよい。また、底
板(10)の下面(10b)へ導入した蒸気を、その中
央(10c)へ誘導する仕切を付設してもよい。
【0030】試験例:上記実施例1〜4の電子レンジ用
食品容器の効果を確認するために、各実施例で得られた
食品包装体を電子レンジ(三洋電機社製型式:EMO−
VA4)で5分30秒間加熱し、その温度変化を測定し
た。比較例として、蒸気の通気孔を備えない図5(イ)
(ロ)に示す従来型の容器を用いた。この容器は、図2
(イ)(ロ)に示した第2実施例容器から通気孔(3
0)と第2側壁(40)を取り除いたものに相当する。
これにグラタン200gを充填した後に施蓋し、−18℃に冷
凍処理をして食品包装体とした。そして、破裂防止のた
めに、蓋(60)に直径10mmの孔を開けた後、上記と同
じ電子レンジで6分間加熱し、同様に温度変化を測定し
た。温度の測定点は、図6の平面説明図に示す位置の調
理食品の内部であり、加熱後の温度は表1の通りであ
る。
【0031】
【0032】表1から明らかなように、各実施例で得ら
れた食品包装体は、中央部(T1)の温度が高い上、短
径方向周縁部(T2)および長径方向周縁部(T3)と
ほぼ同じ程度まで温度が上昇していて、全体として均一
に加熱されている。これに対して、比較例の食品包装体
は、各実施例で得られた食品包装体の加熱時間より30秒
間長く加熱しているのにもかかわらず、中央部分(T
1)の温度が低く、周縁部(T2)(T3)との間に大
きな温度差があり、加熱ムラが生じていることが明らか
である。この中央部分を必要な温度(60℃程度)まで上
昇させるには、さらに1分間程度の加熱を要し、その間
に周縁部(T2)(T3)が必要以上に加熱され、組織
的に好ましいものではなくなった。
【0033】表1および観察の結果から、本発明の電子
レンジ用容器に、例えばグラタン等の調理食品を充填し
て電子レンジで加熱すると、加熱後3分30秒程度経過後
に、調理食品の表層部が加熱されその表面から蒸気が発
生し、その蒸気が通気孔(30)から取り込まれて流路
(70)を経由して底板(10)の下面(10a)に達
する。その蒸気が、残りの約2分間、底部の調理食品を
マイクロ波と共に加熱することから温度上昇が加速さ
れ、加熱時間の短縮と均一な加熱を可能すると考察され
る。
【0034】
【発明の効果】本発明の電子レンジ用食品容器は、上部
に蒸気の通気孔を設けると共に側壁に流路を設けている
ため、この容器を用いた食品包装体は、電子レンジで加
熱すると、ヘッドスペースに発生した蒸気が通気孔から
取り込まれて流路を経由して底板の下面へ誘導される。
そのため、蒸気が有効に利用されて、容器底部に充填さ
れた調理食品の加熱を促進し、加熱時間の短縮および均
一な加熱を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)本発明による電子レンジ用食品容器の第
1実施例を示す斜視図 (ロ)同、X−X’断面図
【図2】(イ)本発明による電子レンジ用食品容器の第
2実施例を示す斜視図 (ロ)同、X−X’断面図
【図3】(イ)本発明による電子レンジ用食品容器の第
3実施例を示す斜視図 (ロ)同、X−X’断面図
【図4】(イ)本発明による電子レンジ用食品容器の第
4実施例を示す斜視図 (ロ)同、X−X’断面図
【図5】(イ)比較例の電子レンジ用食品容器を示す斜
視図 (ロ)同、X−X’断面図
【図6】電子レンジ用食品包装体における温度の測定点
を示す平面説明図
【符号の説明】
10 底板 10a 底板の上面 10b 底板の下面 10c 底板の中央 10d 底板の周縁 20 側壁 20’ 凹部側壁 20a 側壁の内面 20b 側壁の外面 20’b 凹部側壁の外面 21 側壁の脚部 21a 側壁脚部の通気口 22 フランジ 22a フランジの外面 23 フランジ斜面 23a フランジ斜面凹部 24 フランジ上面 25 フランジ垂下部 30 通気孔 40 第2側壁 40a 第2側壁の内面 40b 第2側壁の外面 41 第2側壁の脚部 42 第2側壁の段部 43 第2側壁フランジ 50 第2底板 50d 第2底板の周縁 60 蓋 70 流路 80 排気口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 啓介 東京都小平市花小金井南町1−6−2シャ トレーポポ510 (72)発明者 佐々木 敬卓 埼玉県狭山市青柳63新狭山ハイツ14−305 Fターム(参考) 4B035 LC12 LE11 LP16 LP45 LT16

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子レンジで調理食品を加熱するための
    マイクロ波透過性容器であって、底板と、底板の周縁か
    ら上側に延びる側壁と、側壁の上縁に接合して容器を閉
    蓋する蓋とを備え、 側壁の少なくとも一部分を二重に構成して、電子レンジ
    で調理食品を加熱した時にその表面から発生した蒸気
    を、底板の下面へ流下させるための流路を形成すると共
    に、 流路に連通して蒸気を取り込むための通気孔を、容器の
    上部に設けたことを特徴とする電子レンジ用食品容器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子レンジ用食品容器
    に調理食品を充填して電子レンジにより加熱した時、調
    理食品の表面から発生した蒸気を通気孔から取り込んで
    流路を流下させて底板の下面へ誘導し、容器底部に充填
    されている調理食品の加熱を促進させることを特徴とす
    る電子レンジ用食品包装体。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の電子レンジ用食品包装
    体を合成樹脂製フィルムで被覆すると共に、容器底面の
    ほぼ中央に相応する位置の合成樹脂製フィルムに、蒸気
    を排出する排気孔を設けた電子レンジ用食品包装体。
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