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JP2001033944A - 平版印刷用の版 - Google Patents

平版印刷用の版

Info

Publication number
JP2001033944A
JP2001033944A JP11201543A JP20154399A JP2001033944A JP 2001033944 A JP2001033944 A JP 2001033944A JP 11201543 A JP11201543 A JP 11201543A JP 20154399 A JP20154399 A JP 20154399A JP 2001033944 A JP2001033944 A JP 2001033944A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrophilic polymer
photosensitive layer
weight
printing
hydrophilic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11201543A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuko Suzuki
祐子 鈴木
Tomoyoshi Sasagawa
知由 笹川
Hiroshi Mase
比呂志 間瀬
Toru Sato
徹 佐藤
Sumio Hirose
純夫 広瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP11201543A priority Critical patent/JP2001033944A/ja
Publication of JP2001033944A publication Critical patent/JP2001033944A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 基板上に直接又は他の層を介して、親水
性ポリマー、光吸収剤として特定のナフタロシアニン化
合物、及び必要により架橋剤を含有する感光性組成物を
含有する水に不溶の感光層を有する平版印刷用原版。 【効果】 本発明の印刷版は、光吸収剤に熱分解性に優
れた特定のナフタロシアニン化合物を用いるため、光の
照射により感光層の親水性ポリマーの親水性官能基が部
分的に分解し、該層が親インク化し、又は露光部周辺に
分解物が堆積することなしに感光層がアブレーションに
より除去されて親インク化し、明室での取り扱いがで
き、現像や、拭き取り等の操作が不要で、且つ感度、解
像度、戴刷性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は印刷用の版、明室で
も取り扱うことができ、版に直接レーザー光で描画で
き、感度に優れ、且つ現像や拭き取り等の操作が不要
で、解像度、網点再現性、耐刷性等の種々の印刷特性に
優れた平版印刷用の版、特に近赤外領域の光に感光し、
湿し水を用いる平版印刷用の版に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷、所謂オフセット印刷は紙への
印刷に於いて主流であり、広く用いられている。従来こ
のオフセット印刷で用いられる刷版は、印刷原稿を一旦
紙等に出力した後、この原稿を写真撮影して版下フィル
ムを作製し、この版下フィルムを通して感光性の刷版を
露光、現像することにより作られていた。しかし、近年
情報のデジタル化とレーザーの高出力化により刷版の作
製に於いて上記した版下フィルムを使用せずに、レーザ
ーを走査して直接刷版に描画して製版する方法、所謂C
TP(Computer To Plate)法が実用に供されている。
【0003】現在実用化されているCTP用の版として
は、500nm前後の可視光による光反応を用いたフォ
トポリマー型の刷版があるが、この版は勿論現像を必要
とするだけでなく、解像度が劣り、また、明室での取り
扱いができないという問題点がある。
【0004】そして、このような問題点を改良するため
に、特開平7−20629号公報には、近赤外線領域の
光による熱反応を用いた刷版が開示され、該版は既に市
場に供されている。しかしこの版は確かに明室で取り扱
うことができ、且つ解像度も優れ、熱処理することによ
り耐刷性にも優れるが、依然として現像処理を必要とし
ている。
【0005】更に、現像処理の不要な版としては、特開
平7−314934号公報に、チタン又はチタン酸化物
等の無機系の光吸収層の上にシリコーン樹脂の撥インク
層を積層した構成の版も開発されている。そして、該版
も市販されているが、この版はシリコーン樹脂層がイン
クをはじき非画線部となり、近赤外光の照射により画線
部が形成されるが、光の照射だけでは照射部のシリコー
ン樹脂層は除去されず、印刷に際しては光を照射した部
分のシリコーン樹脂を除去するために拭き取り操作を必
要とする。もしこのシリコーン樹脂の拭き取りが不十分
な場合は照射部にインクが十分に付着せず、画線部に欠
陥が生じ、うまく印刷できない。
【0006】また、例えば、特開平6−199064号
公報には、基板上にニトロセルロースにカーボンブラッ
クを分散した光吸収層とその上に親水層又は撥インク層
を積層してなる版が開示されている。この版は光吸収層
の熱分解により光吸収層とその上の親水層又は撥インク
層が取り除かれ、親インク性の基体表面を露呈させる、
所謂アブレーションによる露光方法である。この版は明
室でも取り扱うことができ、現像処理は不要であるが、
親水層又は撥インク層は光を吸収せず、光吸収層からの
熱により加熱される。そのために光吸収層及びその上の
親水層又は撥インク層の除去に多大なエネルギーを必要
とするため、露光に長い時間、又は高パワーを必要とす
るだけでなく、親水層や撥インク層が分解するには該層
の温度上昇が不十分で、該層は殆ど分解することはな
く、光吸収層の熱分解の際に発生する力により強引に吹
き飛ばされる。従って、除去された親水層又は撥インク
層に由来する微小な粉塵や光吸収層の分解物に由来する
粉塵が多量に版の露光部の周辺に飛散堆積し、未露光部
に於いては該粉塵の付着によりインクが付着しない性質
が低下して、地汚れや印刷欠陥を起こし、また、印刷中
に該粉塵が徐々に版から剥離し印刷物に転写されるとい
う欠点があった。
【0007】更に、特開昭60−52392号に、非吸
水性の樹脂膜の表面をスルホン化することにより親水化
して、該スルホン酸化された表層を光の照射により除去
するして親油化する版が開示されている。この場合はア
ブレーションによるが、極表層だけのアブレーションで
済むため、分解物の発生は極微量であり、この点からは
改良されてはいるが、この版は親水性が不十分で、地汚
れし易く、更に、スルホン化処理が煩雑、且つ危険性を
伴い製造上種々問題が有る。
【0008】アブレーションによらない版としては、U
S−3793033に、ヒドロキシエチルセルロースと
フェノール樹脂、及び光ラジカル発生剤からなる感光層
に光の照射による硬化により親油化する技術が開示され
ているが、親水性と光照射後の親油性のバランスが悪
く、綺麗な印刷ができない。
【0009】更に、特開平7−1850号公報には、親
水性樹脂中に該親水性樹脂中の親水基と反応する化合物
を含むマイクロカプセルを含有した感光層からなり、光
の照射によりマイクロカプセルを破壊して親水性樹脂中
の親水基を反応によりを親油化する技術が開示されてい
る。しかしこの方法は解像度を上げるにはマイクロカプ
セルの粒径を非常に小さくしなければならず、製造が非
常に困難であった。
【0010】また、樹脂等を含有する光吸収層を成膜し
た基板に別の基板を密着させて光を照射し、その際に発
生する熱により光吸収層等を他方の基板に転写する方法
も提案されてはいるが、この方法はゴミ等が付着したり
して基板同士を均一に密着させるのが困難であったり、
転写に多大なエネルギーを必要としたり、且つ、転写し
た光吸収層の強度が弱く印刷時に剥がれてしまうという
欠点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように従来のCT
P用の印刷版は上記した種々の問題点を抱えており、こ
のような問題点を改良したCTP用の版の開発が強く望
まれていた。即ち、本発明の課題は、明室で取り扱うこ
とができ、現像や拭き取り操作が不要で、且つ感度、解
像度、地汚れ、印刷欠陥等の種々の印刷特性に優れたC
TP用の印刷版、及びその版の感光層に用いられる感光
性組成物を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記した課
題を解決するために鋭意検討を行い、本発明を完成し
た。即ち、本発明は、(1)基板上に直接又は他の層を
介して、親水性ポリマー、下記一般式(1)で表される
ナフタロシアニン化合物、及び架橋剤を含有してなる感
光性組成物を含有する水に不溶の感光層を有する印刷用
原版、
【0013】
【化3】 〔式中、A1 〜A24は各々独立に、水素原子又はハロゲ
ン原子を表し、Mは2個の水素原子、2価の金属、3価
の金属誘導体、又は4価の金属誘導体を表す。〕 (2)親水性ポリマーが、アミド基、カルボキシル基、
及び水酸基から選ばれる親水性置換基を1種又は2種以
上側鎖に有するポリマーである(1)記載の印刷用原
版、(3)親水性ポリマーが、無置換又は置換のアミド
基を有する不飽和モノマーを重合して得られるものであ
る(2)記載の印刷用原版、(4)親水性ポリマー97
〜50重量%、架橋剤3〜50重量%、及び該親水性ポ
リマーと架橋剤100重量部に対して前記一般式(1)
で表されるナフタロシアニン化合物2〜20重量部を含
有する(1)〜(3)のいずれかに記載の印刷用原版、
(5)基板上に直接又は他の層を介して、親水性ポリマ
ー、及び下記一般式(1)で表されるナフタロシアニン
化合物を含有してなる感光性組成物を含有する水に不溶
の感光層を有する印刷用原版、
【0014】
【化4】 〔式中、A1 〜A24は各々独立に、水素原子又はハロゲ
ン原子を表し、Mは2個の水素原子、2価の金属、3価
の金属誘導体、又は4価の金属誘導体を表す。〕 (6)親水性ポリマーがポリビニルアルコール系ポリマ
ーである(5)記載の印刷用原版、(7)親水性ポリマ
ー100〜60重量%、架橋剤0〜40重量%、及び該
親水性ポリマーと架橋剤100重量部に対して前記一般
式(1)で表されるナフタロシアニン化合物2〜20重
量部を含有する(6)記載の印刷用原版、(8)(1)
〜(7)のいずれかに記載の印刷用原版に光を照射し
て、感光層を部分的に分解することにより、該感光層の
親水性が親インク性に変化した印刷版、(9)親油性の
表面上に感光層を有する(1)〜(7)のいずれかに記
載の印刷用原版、(10)(9)記載の印刷用原版に光
を照射して、感光層を除去した印刷版、(11)照射す
る光が750〜1100nmの波長である(8)又は
(10)記載の印刷版、(12)(1)〜(7)のいず
れかに記載の印刷用原版の感光層に含有される感光性組
成物、である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に於ける印刷用原版は、基
板上に直接又は他の層を介して、親水性ポリマー、前記
一般式(1)で表されるナフタロシアニン化合物、及び
必要により架橋剤を含有してなる感光性組成物を含有す
る水に不溶の感光層を有するものである。
【0016】まず、本発明に於ける印刷用原版の感光層
を形成する感光性組成物について説明する。感光性組成
物は親水性ポリマー、前記一般式(1)で表されるナフ
タロシアニン化合物、及び必要ならば架橋剤を含有して
なるものである。親水性ポリマーとしては、側鎖に親水
性置換基を有し、光の照射により発生する熱により該親
水性の側鎖が部分的に分解して、感光層の親水性が失わ
れ、親インク性に変化するもの、又は親水性ポリマーの
主鎖を含めて分解して基板の親油性表面を露呈するよう
なものであることが望まれる。
【0017】親水性ポリマーとしては、アミド基、カル
ボキシル基及びそのアルカリ金属又はアミン塩、水酸
基、スルホン酸基及びその塩、アミノ基及びその塩、ス
ルホンアミド基、リン酸基、ポリオキシエチレン基、ポ
リオキシプロピレン基等の親水性置換基を側鎖に有する
ポリマー、更にポリオキシエチレン系ポリマー、ポリオ
キシプロピレン系ポリマー、ポリオキシエチレン・ ポリ
オキシプロピレン系ポリマー、セルロース系ポリマー、
ゼラチン等が挙げられる。これらの親水性ポリマーの中
でも、本発明に於いては、感光性組成物を刷版の感光層
に用いた場合、感光層には耐水性が求められ、架橋等に
より水に不溶化する必要があり、この水に不溶化のし易
さ、露光した際の感光層の分解特性等の点から、該親水
性ポリマーは、アミド基、カルボキシル基、及び水酸基
から選ばれる親水性置換基を1種又は2種以上側鎖に有
するポリマーが好ましい。
【0018】これらの好ましいポリマーを具体例に説明
すると、アミド基を側鎖に有するポリマーとしては、無
置換又は置換のアミド基を有する不飽和モノマーを重合
して得られるホモポリマーやコポリマー及びこれらポリ
マーの種々の変性ポリマー(例えば加水分解ポリマー、
種々の化合物を付加したポリマー等)が挙げられる。無
置換又は置換のアミド基を有する不飽和モノマーとして
は、無置換又は置換の(メタ)アクリルアミド、イタコ
ン酸、フマル酸、マレイン酸等の二塩基酸のアミド化モ
ノマー、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムア
ミド、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。無置換又
は置換(メタ)アクリルアミドのより具体例としては、
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリル
アミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N
−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メ
タ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルア
ミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメチル(メタ)
アクリルアミド、スルホン酸プロピル(メタ)アクリル
アミド、(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられ
る。また、前記イタコン酸等の二塩基酸のアミド化モノ
マーの場合は一方のカルボキシル基がアミド化されたモ
ノアミド、両方のカルボキシル基がアミド化されたジア
ミド、更に一方のカルボキシル基がアミド化され、他方
のカルボキシル基がエステル化されたアミドエステルで
あってもよい。
【0019】カルボキシル基を側鎖に有するポリマーと
しては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸、
マレイン酸及びその無水物等の二塩基不飽和酸やこれら
二塩基不飽和酸のモノエステル、モノアミド等のカルボ
キシル基含有不飽和モノマーを重合して得られるホモポ
リマーやコポリマー及びこれらポリマーの種々の変性ポ
リマー等が挙げられる。これらのカルボキシル基を有す
るポリマーに於いては、該カルボキシル基は水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等の無機塩基やアミン類で中和
されていても良い。
【0020】水酸基を側鎖に有するポリマーとしては、
ポリビニルアルコール系ポリマー、及び水酸基を有する
不飽和モノマーを重合して得られるホモポリマーやコポ
リマー及びこれらポリマーの種々の変性ポリマーが挙げ
られる。ポリビニルアルコール系ポリマーを更に詳細に
説明すると、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニル等の脂肪
酸ビニルモノマーのホモポリマーやコポリマーを完全又
は部分加水分解して得られるポリマー、及びこのポリマ
ーの部分ホルマール化、アセタール化、ブチラール化ポ
リマー等が挙げられる。また、水酸基を有する不飽和モ
ノマーとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート、及び、これらの(メ
タ)アクリレートにエチレンオキシド、プロピレンオキ
シド付加したモノマー、メチロール(メタ)アクリルア
ミドや該メチロール(メタ)アクリルアミドとメチルア
ルコールやブチルアルコールとの縮合物であるメトキシ
メチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド等が挙げられる。
【0021】尚、本発明に於ける前記“(メタ)アクリ
ル”、(メタ)アクリレート”、(メタ)アクロイル”
等の記載はそれぞれアクリルとメタクリル、アクリレー
トとメタアクリレート、アクリロイルとメタアクリロイ
ルの両者を意味する。
【0022】本発明に於ける印刷用原版は、基板上に感
光性組成物を含有する水に不溶の感光層を有する。感光
層を水に不溶にするには、通常は架橋剤を用いて親水性
ポリマーを三次元架橋する。また、親水性ポリマーとし
てポリビニルアルコールを用いる場合は膜を結晶化する
ことにより水に不溶化できる。前記架橋剤を用いる場合
は、親水性ポリマーに架橋剤と反応する架橋性官能基を
導入しなければならない。架橋性官能基の具体例として
は、用いる架橋剤の種類により異なるが、例えば、水酸
基、カルボキシル基及びそのアルカリ金属やアミン塩、
スルホン酸基及びそのアルカリ金属やアミン塩、リン酸
基及びそのアルカリ金属やアミン塩、アミド基、アミノ
基、イソシアナート基、グリシジル基、オキサゾリン基
等が挙げられる。これらの架橋性官能基を導入するには
これらの官能基を有する不飽和モノマー、例えば前記し
た水酸基を有する不飽和モノマー、カルボキシル基を有
する不飽和モノマーを、またスルホン酸基を有する不飽
和モノマーとしてはスルホン酸プロピル(メタ)アクリ
ルアミド等を、更に、グリシジル基を有する不飽和モノ
マーとしてはグリシジル(メタ)アクリレート等を共重
合すればよい。
【0023】更に、本発明の親水性ポリマーに於いて
は、前記親水性置換基を有する不飽和モノマー、架橋性
官能基を有する不飽和モノマー以外に、本発明の効果を
更に向上させるために、その他の共重合可能不飽和モノ
マーを共重合することもできる。共重合可能不飽和モノ
マーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベ
ンジル(メタ)アクリレート、イソポロニル(メタ)ア
クリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、シク
ロヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチ
ルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
酢酸ビニル等が挙げられる。
【0024】本発明の親水性ポリマーを架橋するのに用
いられる架橋剤としては、前記親水性ポリマーと架橋反
応して親水性ポリマーを水に不溶性にすることにより感
光層の耐水性を向上させるものであればよく、例えば、
親水性ポリマー中の架橋性官能基であるカルボキシル
基、スルホン酸基、水酸基、グリシジル基、場合によっ
てはアミド基と反応する公知の多価アルコール化合物
類、多価カルボン酸化合物やその無水物類、多価グリシ
ジル化合物(エポキシ樹脂)類、多価アミン化合物類、
ポリアミド樹脂類、多価イソシアナート化合物類(ブロ
ックイソシアナート類を含む)、オキサゾリン樹脂、ア
ミノ樹脂、グリオキザール等が挙げられる。本発明に於
いては前記した架橋剤の中でも、硬化速度と感光性組成
物の安定性や感光層の親水性と耐水性のバランス等から
公知の種々の多価グリシジル化合物(エポキシ樹脂)、
オキサゾリン樹脂、アミノ樹脂、多価アミン化合物やポ
リアミド樹脂等のエポキシ樹脂用の硬化剤、グリオキザ
ールが好ましい。アミノ樹脂としては、公知のメラミン
樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂やグリコールウ
リル樹脂等やこれら樹脂の変性樹脂、例えばカルボキシ
変性メラミン樹脂等が挙げられる。また、架橋反応を促
進するために、前記したグリシジル化合物を用いる際に
は3級アミン類を、アミノ樹脂を用いる場合は、パラト
ルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、塩化
アンモニウム等の酸性化合物を併用しても良い。
【0025】本発明の感光性組成物においては、光吸収
剤として、明室での取り扱いを可能にするために、75
0〜1100nmに吸収域を有し、且つ感度、分解特性
等に優れる点から下記一般式(1)記載のナフタロシア
ニン化合物を含有する。
【0026】
【化5】 〔式中、A1 〜A24は各々独立に、水素原子又はハロゲ
ン原子を表し、Mは2個の水素原子、2価の金属、3価
の金属誘導体、又は4価の金属誘導体を表す。〕 前記一般式(1)に於けるA1 〜A24で表されるハロゲ
ン原子の具体例としては、塩素、臭素、沃素原子が挙げ
られ、Mで表される金属又は金属誘導体の具体例として
は、Mg、Co、Ni、Cu、Zn、Pd、Pb、F
e、Al−Cl、VO、TiO等が挙げられ、Mg−ナ
フタロシアニン、Cu−ナフタロシアニン、Ni−ナフ
タロシアニン、Pd−ナフタロシアニン、VO−ナフタ
ロシアニン、Co−塩素化ナフタロシアニン、Zn−臭
素化ナフタロシアニン、Pb−塩素化ナフタロシアニ
ン、Fe−臭素化ナフタロシアニン、TiO−塩素化ナ
フタロシアニン等が挙げられる。
【0027】本発明の前記一般式(1)で表されるナフ
タロシアニン化合物は加熱すると、溶融することなしに
400℃前後で多量の発熱を伴いながら急激に分解が起
こる。即ち、これらのナフタロシアニン化合物は400
℃弱の高温までは分解せず光を吸収し続けるため、該化
合物が分解する以前に感光層の親水性ポリマーの親水性
置換基の分解が起り、感光層の親水性を親油(インク)
性に変えることができる。また、該ナフタロシアニン化
合物が分解するまで光を照射すると、該分解により生じ
る熱にも助けられ、感光層の親水性ポリマーは容易に分
解し、ガス化する。そのため、分解物の堆積も少ない。
【0028】本発明に用いられる前記したナフタロシア
ニン化合物は溶剤に不溶であり、感光性組成物に用いる
場合は分散して用いられる。分散した際の該化合物の粒
子径は、刷版の感光層の膜厚、解像度によるが、通常は
平均で0.5 μm以下が好ましい。分散する方法は、例え
ばサンドミル、ペイントシェーカー、3本ロール、及び
スラリーを加圧下に高速で衝突させる方法等がある。
【0029】本発明に於いては光吸収剤として前記ナフ
タロシアニン化合物以外に、他の光吸収剤を併用いても
よい。併用できる光吸収剤としては、シアニン系化合
物、ポリメチン系化合物、フタロシアニン系化合物、前
記した以外のナフタロシアニン系化合物、アントラシア
ニン系化合物、ポルフィリン系化合物、アゾ系化合物、
ベンゾキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、ジチオ
ール金属錯体類、ジアミンの金属錯体類、ニグロシン、
カーボンブラック等が挙げられる。
【0030】本発明の感光性組成物に於いて、親水性ポ
リマー、光吸収剤、及び架橋剤の使用割合は刷版の感光
層の親水性と耐水性のバランスや種々の印刷特性の点か
ら、固形分で親水性ポリマー100〜40重量%、架橋
剤0〜60%、及び光吸収剤は前記親水性ポリマーと架
橋剤の固形分の合計100重量部に対し2〜20重量部
である。そして、親水性ポリマーがポリビニルアルコー
ル系以外の場合は親水性ポリマー97〜50重量%、架
橋剤3〜50重量%が好ましく、更に好ましくは親水性
ポリマー90〜60重量%、架橋剤は10〜40重量%
である。また、親水性ポリマーがポリビニルアルコール
系の場合は親水性ポリマー100〜60重量%、架橋剤
0〜40重量%が好ましく、更に好ましくは親水性ポリ
マー100〜70重量%、架橋剤は0〜30重量%であ
る。また、光吸収剤が2重量部未満の場合は感度が低く
て好ましくなく、20重量部を越えても特に優れる点は
なく、経済性で不利になり好ましくない。
【0031】本発明に於いては、刷版の感光層の露光部
の親水性から親油(インク)性へ変化のし易さ、親水性
と耐水性のバランスや種々の印刷特性の点から、親水性
ポリマーは、アミド基、カルボキシル基、及び水酸基を
有する不飽和モノマーの部分が30〜100重量%、架
橋性官能基を有する不飽和モノマーの部分が0〜60重
量%、及びその他の不飽和モノマーの部分が0〜50重
量%からなるポリマーが好ましく、更に好ましくは、ア
ミド基、カルボキシル基、及び水酸基を有する不飽和モ
ノマーの部分が40〜100重量%、架橋性官能基を有
する不飽和モノマーの部分が0〜50重量%、及びその
他の不飽和モノマーの部分が0〜50重量%である。但
し、親水性置換基がアミド基だけの場合は、アミド基を
有する不飽和モノマーの部分が40〜97重量%、架橋
性官能基を有する不飽和モノマーの部分が3〜50重量
%、及びその他の不飽和モノマーの部分が0〜50重量
%からなるポリマーが好ましく、更に好ましくは、アミ
ド基を有する不飽和モノマーの部分が50〜95重量
%、架橋性官能基を有する不飽和モノマーの部分が5〜
40重量%、及びその他の不飽和モノマーの部分が0〜
50重量%である。尚、アミド基、カルボキシル基、水
酸基、及びスルホン酸基を有する不飽和モノマーは、親
水性置換基を有する不飽和モノマーであり、且つ架橋性
官能基を有する不飽和モノマーでもあるが、前記の親水
性ポリマーの組成に於いては、アミド基、カルボキシル
基、水酸基、及びスルホン酸基を有する不飽和モノマー
は親水性置換基を有する不飽和モノマーとみなし、架橋
性官能基を有する不飽和モノマーとしては計算しないも
のとする。
【0032】本発明の平版印刷用原版に於いては基板に
前記した感光性組成物を含有する水に不溶性の感光層を
設けてなるが、この際用いられる基板の具体例としては
アルミ板、鋼板、ステンレス板、銅板等の金属板やこれ
ら金属の合金板、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ABS樹脂、
酢酸セルロース等のプラスチックフィルムや紙、アルミ
箔ラミネートした紙、金属蒸着紙、プラスチックフィル
ムラミネート紙等が挙げられる。これらの基板の厚さは
特に制限はないが通常100〜500μm程度である。
また、これらの基板は密着性の改良等のために酸化処
理、リン酸亜鉛処理、サンドブラスト処理、コロナ放電
処理等の表面処理を施してもよい。また、感光層との密
着性を改良したり、熱の拡散を防止したりするためにポ
リマーで処理しても良い。また、露光により感光層を除
去する刷版の場合は、該基板表面を親油(インク)性に
しなければならず、基板表面の親油性が不十分の場合は
親油性のポリマーを塗布した後、感光層を設ける。
【0033】前記基板に感光層を設けるには、本発明の
感光性組成物を含有する溶液を基板に塗布し、乾燥、硬
化すればよい。塗布する方法としては塗布する溶液の粘
度や塗布速度等によって異なるが、通常例えば、ロール
コーター、ブレードコーター、グラビアコーター、カー
テンフローコーター、ダイコーターやスプレー法等を用
いれば良い。この際、塗布溶液の消泡のためや、塗布膜
の平滑化のために塗布溶液に消泡剤、レベリング剤、ハ
ジキ防止剤、カップリング剤等の各種添加剤を用いても
良い。また、感光層の耐水性等の特性を改良するために
有機や無機のフィラーを用いてもよい。感光性組成物の
溶液を塗布した後、加熱して乾燥及び親水性ポリマーを
架橋する。加熱温度は通常50〜200℃程度である。
感光層の親水性ポリマーとしてポリビニルアルコールを
用いて、該ポリマーを結晶化することにより水に不溶化
する場合は、130℃以上で乾燥し除冷するのが好まし
い。該感光層の膜厚は特に制限はないが、通常0.5〜
10μm程度が好ましい。
【0034】本発明の印刷用原版に於いては、感光層を
成膜した後、該感光層を保護するために感光層の上にフ
ィルムを積層しても良い。
【0035】次に本発明の感光層に関して詳しく説明す
る。本発明の平版印刷用の版は湿し水を用いるオフセッ
ト印刷用の版であり、従って感光層は親水性と、耐水性
(湿し水に溶けないこと)が求められる。そして露光に
より光を照射した部分の感光層は部分的に分解し、親水
性から親油(インク)性に変化する。従って、露光後に
は現像や拭き取り等の操作を必要としない。また、露光
部の感光層が除去される場合でも、感光層自体が光を吸
収して発熱し、且つ前記したようなガス化して分解し易
いポリマーを用いているので、分解物の堆積量は極く少
なく、この場合も露光後には現像や拭き取り等を必要と
しない。
【0036】本発明の水に不溶の感光層は印刷に際し
て、未露光部は湿し水が付着することによりインクをは
じく。水が付着してインクをはじく性質は基本的には該
層の表面だけに要求されるが、該層を親水性ポリマーか
らなる場合は感光層が水を吸収することによってインク
をはじくようになる。一方、露光部においては水は付着
せずにインクが付着することが求められる。これらの点
からは該感光層の吸水率は15〜100%程度が好まし
い。該吸水率が15%未満の場合は水の付着が不十分で
地汚れし、他方、100%を越える場合は吸水すること
により該感光層が膨潤し、該感光層と基板又は接着剤等
のポリマー層との界面に大きな応力が発生して感光層の
剥離が生じたりして好ましくなく、これらの点から吸水
率は20〜80%が更に好ましい。尚、吸水率の測定は
感光層を室温で水に1時間浸漬した後表面の水を拭き取
った際の重量をWwet とし、このサンプルを100℃で
1時間乾燥した際の重量をWdry とすると、吸水率=
(Wwet −Wdry )/Wdry である。尚、測定に於い
ては実際の刷版の感光層の膜厚は非常に薄いので、成膜
した基板のまま測定しても、また別途測定し易いように
基板により厚い膜を形成した後基板から剥離して測定す
ることもできる。
【0037】本発明に於いては感光層が露光により部分
的に分解した際に、ガスを発生して、感光層が発泡する
こともある。そして露光部の感光層は発泡により未露光
部よりも隆起することもある。感光層が発泡により隆起
している場合でも、印刷を開始すると印圧により該隆起
は減少したり、無くなることもある。
【0038】本発明の印刷原版の露光に用いられる光の
波長は750〜1100nmであり、この波長域の中
で、光吸収剤の吸収波長域に合致する光を用いればよ
い。露光に用いる光源としては、使用がし易すく、高出
力の光源が適している。この点からはレーザー、特に7
50〜1100nmの波長域に発振波長を有するレーザ
ーが好ましく、例えば830nmの高出力半導体レーザ
ーや1064nmのYAGレーザーが好ましく、これら
のレーザーを搭載した露光機は所謂サーマル用プレート
セッター(露光機)として既に市場に供されている。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例を示す。 [実施例1〜3] (親水性ポリマーの合成)1000ccのフラスコに水400 g
を入れ、窒素をバブリングして溶存酸素を除去した後、
80℃に昇温する。窒素ガスをフラスコに流しながら、ア
クリルアミド90g、アクリル酸30g、水77gからなるモ
ノマー溶液と過硫酸カリ0.5 gを水50gに溶解した開始
剤の水溶液を、内温を80℃に維持しながら、別々に3時
間に渡り連続滴下した。滴下終了後80℃で2時間重合を
続けた後、更に90℃で2時間重合した、最後に水150 g
加えた後、アンモニア水溶液でpHを4.5 に調整して親
水性ポリマーの水溶液を合成した。このポリマーの水溶
液は粘度が38000mPa・s 、固形分は15重量%であった。
【0040】(感光性組成物)次に上記親水性ポリマー
を固形分で80重量部、架橋剤としてサイメル350 (三
井サイテック(株)製のメチル化メラミン樹脂)を固形
分で20重量部、硬化促進剤としてパラトルエンスルホ
ン酸1重量部、及び水20重量部からなる溶液に表1に
示した光吸収剤7重量部を混合し、サンドミルに10時
間かけてナフタロシアニン化合物を粉砕、分散して感光
性組成物を作った。ナフタロシアニン化合物の平均粒径
は0.2 μmであった。
【0041】
【表1】
【0042】(印刷原版の作成)0.2 μmのポリエステ
ルフィルムに上記感光性組成物をブレードコーターを用
いて塗布した後、120 ℃で1時間乾燥し、2μmの膜厚
の感光層を成膜して印刷用原版を作成した。
【0043】(評価)印刷特性を評価するために、この
版に830nmの半導体レザー光を集光しながら光を走
査して情報の記録を行った。レーザー光を照射した部分
は青色から灰色に変色した。感度は略 250mJ/cm2 であ
った。この版の断面を顕微鏡で観察を行ったところ、い
ずれの実施例でも露光部の感光層は発泡し、未記録部よ
り隆起していた。また、露光部の周辺を顕微鏡で観察し
ても分解物は堆積していなかった。この露光した版を湿
し水を用いるオフセット印刷機にセットして印刷を行っ
た。実施例1〜3の印刷版は光の未照射部にはインクが
全く付かず、一方、照射部にはインクが十分に付着し、
且つ、分解物によると思われる印刷欠陥もなく、綺麗な
印刷ができた(以後該特性を印刷性と称す)。また、解
像度、耐刷性にも優れていた。尚、いずれの版も通常の
明室下で取り扱っても全く問題は生じなかった。
【0044】[実施例4〜6、比較例1及び2]実施例
1の親水性ポリマーの合成に於いて、アクリルアミドの
代わりに表2に示した不飽和モノマーを用い、更に開始
剤の過硫酸カリの代わりに水溶性アゾ系開始剤であるV
−50(和光純薬(株)製品)を用い、重合溶液のpH
をトリエチルアミンで常に8〜9に維持しながら、実施
例1と同じ方法で親水性ポリマーを合成した。次に表2
に示した重量部の親水性ポリマー、表2に示した種類と
重量部の架橋剤、及び水20重量部からなる溶液に、光
吸収剤としてNi- ナフタロシアニン化合物5重量部を
用いて、実施例1と同じ方法で感光性組成物を作った。
表2に於ける配合量は固形分の重量部を表す。
【0045】次に接着性向上のために予めプライマーと
して2μmの厚さのエスレックBM−2(ブチラール樹
脂、積水化学(株)の製品)を塗布した0.2 mmの厚さ
のアルミ板に感光性組成物を塗布し、160 ℃で1時間乾
燥し、3μmの厚さの感光層を有する印刷用原版を作成
した。この版を用いて、発振波長が810nmの半導体
レーザーを用いる以外は実施例1と同じ方法で露光し、
露光部の観察及び印刷評価を行った。感度(mJ/cm2)は
実施例4から順に、230 、250 、210 、230 、210 であ
り、いずれの版も露光部の感光層は発泡して未露光部よ
りも隆起していた。また、露光部の周辺には分解物等の
飛沫は観察されなかった。印刷の評価結果は、実施例4
〜6の版は印刷性及び耐刷性に優れていたが、比較例1
及び2の版は地汚れが激しく、綺麗な印刷はできなかっ
た。また、いずれの版も通常の明室下で取り扱っても全
く問題は生じなかった。
【0046】
【表2】
【0047】[実施例7〜9]実施例1に於いて、アク
リル酸60g、ヒドロキシエチルアクリレート20g、
アクリロニトリル30g、エチルアクリレート10g、
及び水77gからなるモノマー溶液を用いる以外は実施
例1と同じ方法で親水性ポリマーを作った。この親水性
ポリマーを固形分で70重量部に表3に示した架橋剤を
固形分で30重量部と光吸収剤を10重量部用いて感光
性組成物を作り、実施例4と同じ方法で印刷用原版を作
成し、露光及び印刷評価を行った。感度(mJ/cm2)は実
施例7から順に、190 、210 、200 であり、いずれの版
も露光部の感光層は発泡して未露光部よりも隆起してい
た。また、露光部の周辺には分解物等の飛沫は観察され
なかった。印刷の評価結果は、いずれの版も印刷性及び
耐刷性に優れていた。
【0048】
【表3】
【0049】[実施例10及び11]親水性ポリマーと
して完全ケン化ポリビニルアルコールと架橋剤としてグ
リオキザールを表4に示した重量部、及び光吸収剤とし
てVO−ナフタロシアニン化合物10重量部からなる固
形分が20重量%の水性液を用いて、実施例1と同じ方
法で感光性組成物を作り、実施例4で用いたブチラール
樹脂を塗布したアルミ板に乾燥後の感光層の膜厚が1μ
mになるように塗布し、150℃で30分間加熱乾燥し
た後、室温で除冷して、印刷用原版を作成した。架橋剤
を用いない場合もポリビニルアルコールが結晶化したた
めに感光層は水に不溶であった。
【0050】
【表4】
【0051】この原版を用いて実施例1で用いた露光機
で、200 mJ/cm2 と350 mJ/cm2 の2水準の露光条件で
露光し、露光部を観察し、印刷評価を行った。露光部の
断面観察からは実施例10及び11の版とも、露光条件
が200 mJ/cm2 の場合は露光部は発泡し、隆起していた
が、350 mJ/cm2 の場合は感光層が略アブレーションに
より除去されていた。また、いずれの版も露光部周辺に
は分解物等はほとんど観察されなかった。また、印刷の
評価結果は、いずれの版も印刷性及び耐刷性に優れてい
た。
【0052】
【発明の効果】親水性置換基を有する親水性ポリマー、
光吸収剤として特定のナフタロシアニン化合物及び必要
であれば架橋剤からなる感光性組成物を感光層に用いた
オフセット印刷版は750〜1100nmの領域の光に感
光して、良好な感度、解像度を有すると共に現像や拭き
取り等の操作を必要とせず、親水性と耐水性に優れ、且
つ、地汚れせず、優れた印刷性を有し、耐刷性にも優れ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 徹 東京都千代田区霞が関三丁目2番5号 三 井化学株式会社内 (72)発明者 広瀬 純夫 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA01 AA02 AA12 AB03 AC08 AD01 BH01 CB07 CB14 CB42 CB43 CB45 CB51 CC12 CC17 CC20 DA36 FA10 2H096 AA06 BA01 BA20 CA03 EA04 EA23 2H114 AA04 BA02 DA23 DA27 DA33 DA39 DA51 EA02 EA03 EA05 FA10

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に直接又は他の層を介して、親水
    性ポリマー、下記一般式(1)で表されるナフタロシア
    ニン化合物、及び架橋剤を含有してなる感光性組成物を
    含有する水に不溶の感光層を有する印刷用原版。 【化1】 〔式中、A1 〜A24は各々独立に、水素原子又はハロゲ
    ン原子を表し、Mは2個の水素原子、2価の金属、3価
    の金属誘導体、又は4価の金属誘導体を表す。〕
  2. 【請求項2】 親水性ポリマーが、アミド基、カルボキ
    シル基、及び水酸基から選ばれる親水性置換基を1種又
    は2種以上側鎖に有するポリマーである請求項1記載の
    印刷用原版。
  3. 【請求項3】 親水性ポリマーが、無置換又は置換のア
    ミド基を有する不飽和モノマーを重合して得られるもの
    である請求項2記載の印刷用原版。
  4. 【請求項4】 親水性ポリマー97〜50重量%、架橋
    剤3〜50重量%、及び該親水性ポリマーと架橋剤10
    0重量部に対して前記一般式(1)で表されるナフタロ
    シアニン化合物2〜20重量部を含有する請求項1〜3
    のいずれかに記載の印刷用原版。
  5. 【請求項5】 基板上に直接又は他の層を介して、親水
    性ポリマー、及び下記一般式(1)で表されるナフタロ
    シアニン化合物を含有してなる感光性組成物を含有する
    水に不溶の感光層を有する印刷用原版。 【化2】 〔式中、A1 〜A24は各々独立に、水素原子又はハロゲ
    ン原子を表し、Mは2個の水素原子、2価の金属、3価
    の金属誘導体、又は4価の金属誘導体を表す。〕
  6. 【請求項6】 親水性ポリマーがポリビニルアルコール
    系ポリマーである請求項5記載の印刷用原版。
  7. 【請求項7】 親水性ポリマー100〜60重量%、架
    橋剤0〜40重量%、及び該親水性ポリマーと架橋剤1
    00重量部に対して前記一般式(1)で表されるナフタ
    ロシアニン化合物2〜20重量部を含有する請求項6記
    載の印刷用原版。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の印刷用
    原版に光を照射して、感光層を部分的に分解することに
    より、該感光層の親水性が親インク性に変化した印刷
    版。
  9. 【請求項9】 親油性の表面上に感光層を有する請求項
    1〜7のいずれかに記載の印刷用原版。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の印刷用原版に光を照射
    して、感光層を除去した印刷版。
  11. 【請求項11】 照射する光が750〜1100nmの
    波長である請求項8又は10記載の印刷版。
  12. 【請求項12】 請求項1〜7のいずれかに記載の印刷
    用原版の感光層に含有される感光性組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007047792A (ja) * 2005-08-10 2007-02-22 Samsung Electro Mech Co Ltd 超薄型モバイルカメラ光学レンズシステムおよびこれを用いたイメージ結像方法

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