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JP2001031763A - ポリアミド系エラストマー - Google Patents

ポリアミド系エラストマー

Info

Publication number
JP2001031763A
JP2001031763A JP11204486A JP20448699A JP2001031763A JP 2001031763 A JP2001031763 A JP 2001031763A JP 11204486 A JP11204486 A JP 11204486A JP 20448699 A JP20448699 A JP 20448699A JP 2001031763 A JP2001031763 A JP 2001031763A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyamide
weight
component
elastomer
polyether
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11204486A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiko Fujiwara
昭彦 藤原
Akihiro Niki
章博 仁木
Yasuhiro Nakatani
康弘 中谷
Hirotake Matsumoto
弘丈 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP11204486A priority Critical patent/JP2001031763A/ja
Publication of JP2001031763A publication Critical patent/JP2001031763A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブロック性が高く、耐油性、耐薬品性及び成
形加工性に優れ、特に、柔軟性と高温での機械的特性と
に優れたポリアミド系エラストマーを提供する。 【解決手段】 ポリアミド系エラストマーが、ポリアミ
ド成分が50〜99重量%、ポリエステル成分が50〜
1重量%であるポリアミド系共重合体(A)とポリエー
テル(B)とのブロック共重合体からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、良好な柔軟性を有
し、高温での機械的特性に優れたポリアミド系エラスト
マーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車、各種工業等の分野におい
て、耐油性、耐薬品性、柔軟性等に優れた素材が望まれ
ている。特に耐油性、耐ガソリン性が優れたホース、チ
ューブ用素材に対する要望が強い。現在、このような用
途にはNBR等の加硫ゴム、可塑化ナイロンが使用され
ている。しかしながら、最近、環境問題が非常に重要視
され、素材のリサイクル化への要望が高まるにつれて、
リサイクルができない素材の使用が忌避され、加硫ゴム
等の使用が制限を受けるようになってきた。また、加硫
ゴムはその製造工程においても不利な点が多い。
【0003】一方、可塑化ナイロンは、特開昭60−1
73047号公報に開示されているように、ナイロンに
柔軟性を付与した素材であるが、可塑剤との親和性の強
い溶媒中では可塑剤が抽出されることにより、物性が変
化するおそれがあった。また、ナイロンの可塑化には一
定の限界があるため、要求される柔軟性に対応できない
欠点があり、さらに、ガラス転移温度が高いため、低温
衝撃性、低温での伸び等の低温特性が不十分であった。
【0004】このような欠点を補う樹脂として、例え
ば、柔軟なナイロン系素材であるアミド系エラストマー
が提案されている。このアミド系エラストマーは熱可塑
性エラストマーの一種であり、常温ではゴム弾性を有
し、柔軟性に優れた材料であるが、ナイロンの融点以上
の高温では加硫ゴムと異なり溶融するため、通常のプラ
スチックと同様に射出成形や押出成形等の熱成形が可能
であり、しかもリサイクルにも適した材料である。
【0005】アミド系エラストマーは、いわゆる物理的
架橋を担うハードセグメントとしてポリアミドセグメン
トを有するため、ナイロンの特徴である耐油性、耐薬品
性、耐熱性等の物性に優れた材料である。このようなア
ミド系エラストマーとしては、例えば、ポリエーテルア
ミドやポリエステルアミドが知られている。
【0006】上記ポリエーテルアミドについては、例え
ば特開昭61−247732号公報に、分子量800〜
5000のポリエーテルセグメント存在下でカプロラク
タムの重合により製造する方法が開示されているが、ポ
リエーテルセグメントがかなりの割合で導入されている
ため、ナイロンが本来有する耐薬品性が低下し、耐薬品
性を特徴とする用途には使用できなかった。また、耐熱
性が低いため、150℃での連続使用に耐えることがで
きなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、ブロック性が高く、耐油性、耐薬品性及び成形加工
性に優れ、特に、柔軟性と高温での機械的特性とに優れ
たポリアミド系エラストマーを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のポリアミド系エ
ラストマーは、一般式(1)又は(2)で表されるポリ
アミド成分及び一般式(3)で表されるポリエステル成
分の繰り返しから構成され、前記ポリアミド成分が50
〜99重量%、前記ポリエステル成分が50〜1重量%
であるポリアミド系共重合体(A)と、一般式(4)で
表される繰り返し単位から構成されるポリエーテル
(B)とのブロック共重合体からなることを特徴とす
る。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明で用いられるポリアミド系共重合体
(A)は、一般式(1)又は(2)で表されるポリアミ
ド成分及び一般式(3)で表されるポリエステル成分の
繰り返しから構成される。
【0011】 −CO−R0 −CO−NH−R1 −NH− ・・・・・(1) −CO−R2 −NH−CO−R2 −NH− ・・・・・(2) −CO−R3 −CO−O−R4 − ・・・・・(3)
【0012】式中、R0 、R1 、R3 は炭素数2〜10
のアルキレン基、R2 は炭素数2〜15のアルキレン基
をそれぞれ示し、R4 は−R−O−(式中、Rは炭素数
2〜8のアルキレン基を示す)で表される繰り返し単位
から構成される、数平均分子量500〜5000の成分
を示す。
【0013】上記一般式(1)又は(2)で表されるポ
リアミド成分は、ジカルボン酸とジアミンとの重縮合、
ラクタムの重縮合、アミノ酸の重縮合等によって得るこ
とができる。上記ラクタムとしては、例えば、カプロラ
クタム、エナントラクタム、ドデカラクタム、ウンデカ
ノラクタム等が挙げられ、上記アミノ酸としては、例え
ば、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン
酸等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種
以上を併用してもよい。
【0014】上記ジカルボン酸としては、例えば、コハ
ク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、ドデカン酸等が挙げられ、これらのエステル誘導
体を用いてもよい。これらは単独で用いてもよく、二種
以上を併用してもよい。
【0015】上記ジアミンとしては、例えば、エチレン
ジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジア
ミン等が挙げられる。
【0016】上記ポリアミド成分としては、ポリアミド
(ナイロン)66が好ましい。
【0017】このようなポリアミド系共重合体(A)と
しては、例えば、上記ラクタムもしくはアミノ酸とポリ
エーテルとを反応させるか、上記ジカルボン酸及びジア
ミンとポリエーテルとを反応させることによって得られ
るポリエーテルアミド系エラストマーが使用可能であ
る。
【0018】本発明で用いられるポリエーテル(B)
は、一般式(4)で表される繰り返し単位から構成され
る。
【0019】−R5 −O− ・・・・・(4) 式中、R5 は炭素数2〜8のアルキレン基を示す。
【0020】このようなポリエーテル(B)としては、
例えば、ポリエチレングリコール、ポリ1,3−プロピ
レングリコール、ポリ1,2−プロピレングリコール、
ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレング
リコール等が挙げられる。これらの中でも、機械的特
性、耐候性に優れる点からポリテトラメチレングリコー
ルが好ましく、市販品としては、BASF社製「PTH
F」、三菱化学社製「PTMG」等が例示される。
【0021】上記ポリエーテル(B)の数平均分子量
は、500〜5000が好ましく、より好ましくは50
0〜2000である。数平均分子量が500未満の場合
は、得られるポリエステル系共重合体(A)のブロック
性が低下し融点が低くなるため、ポリアミド系エラスト
マーの高温での機械強度が低くなる。また、数平均分子
量が5000を超える場合は、ポリエーテル(B)との
相溶性が低いためポリアミド系エラストマーの重合度が
上がらず、十分な強度のエラストマーが得られない。
【0022】上記ポリアミド系共重合体(A)は、例え
ば下記の方法によって重合することができる。まず、ジ
カルボン酸、ジアミン及びポリエーテル(B)を、触媒
の存在下で230℃に加熱してエステル交換反応を行っ
た後、引き続いて、270℃に昇温、減圧下で重縮合反
応を行うことにより、ポリアミド系共重合体(A)を得
る。
【0023】上記ポリアミド系共重合体(A)の構成成
分中、ポリアミド成分が占める割合は50〜99重量%
となされ、好ましくは70〜95重量%である。ポリア
ミド成分が50重量%より少なくなると、ポリアミド系
共重合体(A)の融点が低く、ポリアミド系エラストマ
ーの高温での機械強度に悪影響を与える。また、ポリア
ミド成分が99重量%を超える場合は、ポリエーテル
(B)との相溶性が低いため、得られるポリアミド系エ
ラストマーの重合度が上がらず、十分な強度を有するも
のが得られない。
【0024】本発明のポリアミド系エラストマーは、上
記ポリアミド系共重合体(A)とポリエーテル(B)と
のブロック共重合体からなる。このようなブロック共重
合体は、上記ポリアミド系共重合体(A)及びポリエー
テル(B)を、一般式(5)〜(10)で表されるいず
れか1種のウレタン結合成分(C)によって結合させる
ことにより得られる。
【0025】 −NH−CO−NH−R6 −NH−CO−O− ・・・・・(5) −CO−NH−R7 −NH−CO−O− ・・・・・(6) −O−CO−NH−R8 −NH−CO−O− ・・・・・(7) −NH−CO−NH−R9 −NH−CO−NH−・・・・・(8) −NH−CO−NH−R10−NH−CO− ・・・・・(9) −CO−NH−R11−NH−CO− ・・・・・(10)
【0026】式中、R6 〜R11は炭素数2〜15のアル
キレン基、フェニレン基又はメチレン基もしくはアルキ
レン基とフェニル基とが結合した官能基を示す。
【0027】上記ウレタン結合成分(C)によって結合
されたブロック共重合体は、上記ポリアミド系共重合体
(A)及びポリエーテル(B)とジイソシアネート化合
物とを反応させることにより得られる。
【0028】上記ポリエーテルの数平均分子量は、50
0〜5000が好ましく、より好ましくは500〜20
00である。数平均分子量が500未満の場合は、得ら
れるポリアミド系共重合体(A)のブロック性が低下し
融点が低くなり、ポリアミド系エラストマーの高温での
機械強度が低くなる。また、数平均分子量が5000を
超える場合は、ポリエーテル(B)との相溶性が低いた
めポリアミド系エラストマーの重合度が上がらず、十分
な強度のエラストマーが得られない。
【0029】上記ジイソシアネート化合物としては、同
一分子内に2個のイソシアネート基を有する化合物であ
れば、その構造は特に限定されず、生成したポリアミド
系エラストマーの流動性が保たれる範囲で、3個以上の
イソシアネート基を有する化合物が用いられてもよい。
【0030】上記ジイソシアネート化合物としては、例
えば、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、ト
リレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネー
ト、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシア
ネート;1,2−エチレンジイソシアネート、1,3−
プロピレンジイソシアネート、1,4−ブタンジイソシ
アネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、
1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シ
クロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、水素添加した4,4'-ジフェニルメタンジイソ
シアネート等の脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられ
る。
【0031】本発明のブロック共重合体において、ポリ
エーテル(B)の配合量は、少なくなると十分な柔軟性
を有するポリアミド系エラストマーが得られず、多くな
ると高温で十分な機械的強度を有するポリアミド系エラ
ストマーが得られないので、ポリアミド系共重合体
(A)100重量部に対して50〜600重量部が好ま
しく、より好ましくは100〜300重量部である。
【0032】また、ウレタン結合成分(C)の配合量
は、少なくなるとポリアミド系エラストマーは高分子量
体にならないため機械的強度が低くなり、多くなるとポ
リアミド系エラストマーに十分な柔軟性が得られないの
で、ポリアミド系共重合体(A)100重量部に対して
10〜100重量部が好ましく、より好ましくは30〜
70重量部である。
【0033】本発明のポリアミド系エラストマーにおい
て、ポリアミド系共重合体(A)、ポリエーテル(B)
及びウレタン結合成分(C)の量を満足するためには、
ポリアミド系共重合体(A)、ポリエーテル(B)及び
ウレタン結合成分(C)を、上記重量比で溶融混合する
ことにより、反応させればよい。
【0034】上記溶融混合の好ましい方法としては、例
えば、押出機内で溶融混合する方法が挙げられ、好まし
い溶融混合温度は180〜280℃である。溶融混合温
度が、180℃未満ではポリアミド系共重合体(A)が
溶融しないため反応が困難であり、280℃を超えると
ポリアミド系共重合体(A)及びウレタン結合成分
(C)が分解して、十分な強度のポリアミド系エラスト
マーを得ることができなくなる。
【0035】本発明においては、上記ポリアミド系共重
合体(A)及びポリエーテル(B)と、ウレタン結合成
分 (C)との溶融混合時に触媒を用いることができる。
上記触媒としては、例えば、ジアシル第一錫、テトラア
シル第二錫、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジラウ
レート、ジメチル錫マレート、錫ジオクタノエート、錫
テトラアセテート、トリエチレンアミン、ジエチレンア
ミン、トリエチルアミン、ナフテン酸金属塩、オクチル
酸金属塩、トリイソブチルアルミニウム、テトラブチル
チタネート、酢酸カルシウム、二酸化ゲルマニウム、三
酸化アンチモン等が挙げられ、これらは単独で用いられ
てもよく、二種以上が併用されてもよい。
【0036】上記ポリアミド系エラストマーには、安定
剤が使用されてよく、例えば、1,3,5−トリメチル
−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス{2−
〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル
フェニル)−プロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエ
チル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]
ウンデカン等のヒンダードフェノール系酸化防止剤;ト
リス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイ
ト、トリラウリルホスファイト、2−t−ブチル−α−
(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−ク
メニルビス(p−ノニルフェニル)ホスファイト、ジミ
リスチル3,3'-チオジプロピオネート、ジステアリル
3,3'-チオジプロピオネート、ペンタエリスチリルテ
トラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジトリ
デシル3,3'-チオジプロピオネート等の熱安定剤など
が挙げられる。
【0037】本発明のエステル系エラストマーは、製造
時又は製造後に実用性を損なわない範囲で、繊維、無機
充填剤、難燃剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、無機物、
高級脂肪酸塩等の添加剤を添加してもよい。
【0038】上記繊維としては、例えば、ガラス繊維、
炭素繊維、ボロン繊維、炭化けい素繊維、アルミナ繊
維、アモルファス繊維、シリコン・チタン・炭素系繊維
等の無機繊維;アラミド繊維等の有機繊維等が挙げられ
る。上記無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウ
ム、酸化チタン、マイカ、タルク等が挙げられる。上記
難燃剤としては、例えば、ヘキサブロモシクロドデカ
ン、トリス−(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェー
ト、ペンタブロモフェニルアリルエーテル等が挙げられ
る。
【0039】上記紫外線吸収剤としては、例えば、p−
tert−ブチルフェニルサリシレート、2−ヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシ−2'-カルボキシベンゾフェノン、2,4,5−
トリヒドロキシブチロフェノン等が挙げられる。
【0040】上記帯電防止剤としては、例えば、N,N
−ビス(ヒドロキシエチル)アルキルアミン、アルキル
アリルスルホネート、アルキルスルファネート等が挙げ
られる。上記無機物としては、例えば、硫酸バリウム、
アルミナ、酸化珪素等が挙げられる。上記高級脂肪酸塩
としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ステアリ
ン酸バリウム、パルミチン酸ナトリウム等が挙げられ
る。
【0041】本発明のポリアミド系エラストマーは、そ
のほかの熱可塑性樹脂、ゴム成分と混合してその性質を
改質して使用してもよい。上記熱可塑性樹脂としては、
例えば、ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリス
チレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリスルフォン、ポリエステル等が挙げられる。
【0042】上記ゴム成分としては、例えば、天然ゴ
ム、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、
ポリイソプレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体、エチレン−プロピレン共重合体(EPM、EPD
M)、ポリクロロプレン、ブチルゴム、アクリルゴム、
シリコンゴム、ウレタンゴム、オレフィン系熱可塑性エ
ラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、塩ビ系
熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマ
ー、アミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
【0043】本発明のポリアミド系エラストマーは、一
般に用いられるプレス成形、押出成形、射出成形、ブロ
ー成形等の成形法により成形体とすることができる。成
形温度はポリアミド系エラストマーの融点、成形方法に
よって異なるが160〜280℃が適している。成形温
度が、160℃未満であると、ポリアミド系エラストマ
ーの流動性が低いので均一な成形品が得られず、280
℃を超えると、ポリアミド系エラストマーが分解し、強
度が充分なエラストマーを得ることができない。
【0044】本発明のポリアミド系エラストマーを用い
て得られた成形品は、例えば、自動車部品、電気及び電
子部品、工業部品、スポーツ用品、メディカル用品等に
好適に用いられる。
【0045】自動車部品としては、例えば、等速ジョイ
ントブーツ、ラックアンドオピニオヨンブーツ等のブー
ツ類;ボールジョイントシール;安全ベルト部品;バン
パーフェイシア;エンブレム;モール等が挙げられる。
上記電気及び電子部品としては、例えば、電線被覆材、
ギア類、ラバースイッチ、メンブレンスイッチ、タクト
スイッチ、O−リング等が挙げられる。上記工業部品と
しては、例えば、油圧ホース、コイルチューブ、シール
材、パッキン、Vベルト、ロール、防振制振材料、ショ
ックアブソーバー、カップリング、ダイヤフラム等が挙
げられる。
【0046】上記スポーツ用品としては、例えば、靴
底、球技用ボール等が挙げられる。上記メディカル用品
としては、例えば、メディカルチューブ、輸血パック、
カテーテル等が挙げられる。上記用途の他、弾性繊維、
弾性シート、複合シート、ホットメルト接着剤、他の樹
脂とのアロイ用素材等としても好適に用いることができ
る。
【0047】
【作用】通常、異なるポリマー成分は相溶性が不十分な
ため、互いに反応させることは困難であるが、本発明の
ポリアミド系エラストマーにおいては、ハードセグメン
トであるポリアミド成分にソフトセグメントであるポリ
エーテル成分を共重合させて得られるポリアミド系共重
合体(A)と、ソフトセグメント構成成分であるポリエ
ーテル(B)を用いることによって、相溶性が向上し反
応性が極めて向上するものと考えられる。この結果、ハ
ードセグメント成分とソフトセグメントのブロック性が
高いエラストマーが生成する。
【0048】ポリアミド系エラストマーにおいては、ポ
リアミド成分によって形成される結晶が架橋点を構成す
ることによりエラストマーとしての特性を示す。本エラ
ストマーは、ポリアミドリッチな部分とポリエーテルリ
ッチな部分から構成されており、従来の同程度の柔軟性
を示すポリアミド系エラストマーによりもポリアミド成
分が結晶化し易く、強固な架橋点が形成される。さらに
ポリエーテルリッチな部分が存在することにより架橋点
間分子量が増大する。その結果、良好な柔軟性を示し、
高温での機械的特性に優れたエラストマー材料となる。
【0049】
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて、本発明を
更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限
定されるものではない。
【0050】(実施例1)アジピン酸100重量部、数
平均分子量が約650のポリテトラメチレングリコール
(BASF製「PTHF650」)36重量部、触媒と
してテトラブチルチタネート0.1重量部、安定剤とし
て1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン0.2重量部、及び、トリス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)ホスファイト0.2重量部を加え、反応系
を窒素下、230℃で1時間保ち、エステル交換反応を
行った。次いで、100℃に冷却後ヘキサメチレンジア
ミン73重量部を加え、窒素気流下で2時間かけて27
0℃まで昇温し270℃で30分間保った後、減圧操作
を行った。重合系は20分で2mmHg以下の減圧度に
達した。この状態で20分間重縮合反応を行った結果、
白色のポリアミド系共重合体150重量部が得られた。
【0051】このポリアミド系共重合体100重量部、
数平均分子量が約1000のポリテトラメチレングリコ
ール(BASF製「PTHF1000」)110重量
部、及び、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート
36重量部を、二軸押出機(ベルストルフ社製 L/D
=25)を用いて、240℃で混練(滞留時間200秒
間)し、ポリアミド系エラストマーのペレットを得た。
【0052】(実施例2)ポリテトラメチレングリコー
ルを16重量部、ヘキサメチレンジアミンを73重量部
それぞれ使用したこと以外は、実施例1と同様にしてポ
リアミド系エラストマーのペレットを得た。
【0053】(実施例3)ヘキサメチレンジアミンを8
8重量部使用したこと以外は、実施例1と同様にしてポ
リアミド系エラストマーのペレットを得た。
【0054】(実施例4)ポリテトラメチレングリコー
ルを32重量部、ヘキサメチレンジアミンを66重量部
それぞれ使用したこと以外は、実施例1と同様にしてポ
リアミド系エラストマーのペレットを得た。
【0055】(比較例1)アジピン酸100重量部、ヘ
キサメチレンジアミン80重量部、触媒としてテトラブ
チルチタネート0.1重量部、安定剤として1,3,5
−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン0.2重量
部、及び、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)
ホスファイト0.2重量部を加え、反応系を窒素下、2
時間かけて270℃まで昇温し、270℃で30分間保
った後減圧操作を行った。反応系は20分で2mmHg
以下の減圧度に達した。この状態で20分間重縮合反応
を行った結果、白色のポリアミド系共重合体130重量
部が得られた。次いで、このポリアミド系共重合体か
ら、実施例1と同様にしてポリアミド系エラストマーの
ペレットを得ようとしたが、得られなかった。
【0056】(比較例2)アジピン酸100重量部、数
平均分子量が約650のポリテトラメチレングリコール
(BASF製「PTHF650」)165重量部、触媒
としてテトラブチルチタネート0.1重量部、安定剤と
して1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン0.2重量部、及び、トリス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)ホスファイト0.2重量部を加え、
反応系を窒素、230℃で1時間保ちエステル交換反応
を行った。次いで、反応系を100℃に冷却後ヘキサメ
チレンジアミン50重量部を加え、窒素気流下、2時間
かけて270℃まで昇温し、270℃で30分間保った
後減圧操作を行った。重合系は20分で2mmHg以下
の減圧度に達した。この状態で20分間重縮合反応を行
った結果、無色透明のポリアミド系エラストマー250
重量部が得られた。
【0057】上記実施例及び比較例で得られたペレット
をプレス成形(プレス温度250℃)して2mm厚のシ
ートを作製した後、このシートを用いて下記項目の評価
を行い、その結果を表1に示した。 (1)デュロメータ硬さ(ショアD) JIS K 7215に準拠して、室温(23℃)で測
定した。 (2)永久圧縮ひずみ JIS K 6301に準拠して、120℃において圧
縮ひずみ量25%で測定した。 (3)引張強さ JIS K 6301に準拠し、室温(23℃)におけ
る引張強度を測定した。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】本発明のポリアミド系エラストマーは、
以上の構成であり、ブロック性が高いポため、良好な柔
軟性を有する共に、高温での機械的特性が優れる。従っ
て、特に、自動車分野のブーツ類やコントロールケーブ
ル、電気分野のドライヤ用ソフトコーム等の用途に好適
に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 弘丈 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内 Fターム(参考) 4J001 DA01 DA02 DA04 DB05 DC02 DC03 DC05 DC12 EA06 EA07 EA08 EA16 EA17 EB04 EB05 EB06 EB07 EB08 EB09 EC04 EC05 EC06 EC07 EC08 EC09 ED63 ED64 ED65 FA03 FA05 FB03 FB05 FC03 FC05 GA11 HA01 HA02 HA04 HA05 JA02 JA05 JA07 JA10 JA12 JA15 JA18 JB13 JB25 JB32 JB33 JC02 4J034 BA07 DB03 DG01 DL02 DL03 DL04 DL09 HA01 HA07 HA08 HC03 HC12 HC13 HC17 JA06 RA02 RA03 RA08 RA09 RA11 RA12 RA14 RA15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)又は(2)で表されるポリ
    アミド成分及び一般式(3)で表されるポリエステル成
    分の繰り返しから構成され、前記ポリアミド成分が50
    〜99重量%、前記ポリエステル成分が50〜1重量%
    であるポリアミド系共重合体(A)と、一般式(4)で
    表される繰り返し単位から構成されるポリエーテル
    (B)とのブロック共重合体からなることを特徴とする
    ポリアミド系エラストマー。 −CO−R0 −CO−NH−R1 −NH− ・・・・・(1) −CO−R2 −NH−CO−R2 −NH− ・・・・・(2) −CO−R3 −CO−O−R4 − ・・・・・(3) −R5 −O− ・・・・・(4) 〔式中、R0 、R1 、R3 は炭素数2〜10のアルキレ
    ン基、R2 は炭素数2〜15のアルキレン基、R5 は炭
    素数2〜8のアルキレン基をそれぞれ示し、R4は−R
    −O−(式中、Rは炭素数2〜8のアルキレン基を示
    す)で表される繰り返し単位から構成される、数平均分
    子量500〜5000の成分を示す〕
  2. 【請求項2】 ポリアミド成分がポリアミド66である
    ことを特徴とする請求項1記載のポリアミド系エラスト
    マー。
  3. 【請求項3】 ブロック共重合体が、ポリアミド系共重
    合体(A)及びポリエーテル(B)を一般式(5)〜
    (10)で表されるいずれか1種のウレタン結合成分
    (C)に結合させたものからなり、ポリアミド系共重合
    体(A)100重量部、ポリエーテル(B)50〜60
    0重量部及びウレタン結合成分(C)10〜100重量
    部を含有することを特徴とする請求項1又は2記載のポ
    リアミド系エラストマー。 −NH−CO−NH−R6 −NH−CO−O− ・・・・・(5) −CO−NH−R7 −NH−CO−O− ・・・・・(6) −O−CO−NH−R8 −NH−CO−O− ・・・・・(7) −NH−CO−NH−R9 −NH−CO−NH−・・・・・(8) −NH−CO−NH−R10−NH−CO− ・・・・・(9) −CO−NH−R11−NH−CO− ・・・・・(10) 〔式中、R6 〜R11は炭素数2〜15のアルキレン基、
    フェニレン基又はメチレン基もしくはアルキレン基とフ
    ェニル基とが結合した官能基を示す〕
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007084822A (ja) * 2005-09-16 2007-04-05 Arkema France ポリアミドブロックとポリエーテルブロックとを有する耐老化性コポリマー
CN100426132C (zh) * 2004-06-11 2008-10-15 精工爱普生株式会社 显示装置及其调光方法
EP4163320A1 (fr) 2015-06-26 2023-04-12 Arkema France Peba pour adherence directe sur tpe

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JP2007084822A (ja) * 2005-09-16 2007-04-05 Arkema France ポリアミドブロックとポリエーテルブロックとを有する耐老化性コポリマー
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