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JP2001027699A - 多層膜反射鏡および反射光学系 - Google Patents

多層膜反射鏡および反射光学系

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Publication number
JP2001027699A
JP2001027699A JP11200271A JP20027199A JP2001027699A JP 2001027699 A JP2001027699 A JP 2001027699A JP 11200271 A JP11200271 A JP 11200271A JP 20027199 A JP20027199 A JP 20027199A JP 2001027699 A JP2001027699 A JP 2001027699A
Authority
JP
Japan
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layer
multilayer film
ray
multilayer
optical system
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11200271A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Shiraishi
雅之 白石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP11200271A priority Critical patent/JP2001027699A/ja
Publication of JP2001027699A publication Critical patent/JP2001027699A/ja
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • X-Ray Techniques (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟X線領域、特に、ピーク波長10.9nmを有す
るターゲットにXeを用いたレーザープラズマX線にお
いて高い反射率を有する多層膜反射鏡の提供。 【解決手段】 軟X線波長域における屈折率と真空の屈
折率との差が大きいRu12と前記差が小さいSrB6
層13を、Si基板11上に交互に積層して多層膜反射
鏡1を形成した。この多層膜反射鏡1は、周期長を5
6.3Å、Ru層12の層厚と周期長との比であるΓの
値を0.4、積層数を80層対としたときに、ターゲッ
トにXeを用いたレーザープラズマX線のピーク波長1
0.9nmにおいて高い反射率を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線望遠鏡、X線
レーザー、X線リソグラフィー等のX線装置に用いられ
る多層膜反射鏡および反射光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】物質の複素屈折率は式(1)で表される
が、X線領域においてはδ、kのいずれもが1に比べて
非常に小さいため、X線を用いる装置の光学系には反射
光学系が用いられる。
【数1】n=1−δ−i・k …(1) 式(1)において、i2=−1であり、虚部kは物質に
よるX線の吸収を表す。
【0003】しかし、全反射を利用した斜入射光学系の
場合には、全反射臨界角θcよりも小さい垂直に近い入
射角では反射率が非常に小さい。そのため、X線領域で
使用される反射光学系では、界面の振幅反射率の大きな
2種類の物質を交互に積層して多数の反射面を形成した
多層膜反射鏡が用いられている。各層の厚さは、光学干
渉理論に基づいて、各界面で反射された反射波の位相が
一致するように設定される。このとき、積層される物質
の一方には、使用X線波長における屈折率と真空の屈折
率(=1)との差が小さい物質が用いられ、他方の物質
には前記差の大きな物質が用いられる。
【0004】また、多層膜反射鏡は垂直にX線を反射す
ることも可能なので、垂直反射を利用した光学系では、
全反射を利用した斜め入射光学系より収差を小さくする
ことができる。さらに、多層膜反射鏡は式(2)で表さ
れるブラッグ条件を満たすときだけX線を強く反射する
ので、波長選択性という性質を点を有している。
【数2】2d・sinθ=m・λ …(2) 式(2)において、dは多層膜の周期長、θは斜入射
角、λはX線の波長、mは次数である。
【0005】多層膜反射鏡に用いられる多層膜の例とし
ては、W(タングステン)とC(炭素)とを交互に積層
したW/C多層膜や、Mo(モリブデン)とCとを積層
したMo/C多層膜などが従来から知られている。な
お、これらの多層膜はスパッタリングや真空蒸着やCV
D(Chmical Vapor Deposition)等の薄膜形成技術によ
り形成される。
【0006】このような多層膜反射鏡に用いられる多層
膜の中でも、Mo/Si多層膜はSiのL吸収端(波長
12.6nm)の長波長側で高い反射率を示し、13nm付近の波
長において60%以上の反射率(直入射)を有する多層
膜を比較的容易に作製することができる。また、Mo/
Be多層膜では、波長11.1nmにあるBe(ベリリウム)
のK吸収端の長波長側で高い反射率を示すことが知られ
ており、この場合にも13nm付近の波長において60%以
上の反射率を有する多層膜を比較的容易に作製すること
ができる。
【0007】このようなMo/Si多層膜やMo/Be
多層膜による反射鏡は、X線望遠鏡やX線レーザー共振
器などの研究分野で使用されており、EUVL(Extrem
e Ultraviolet Lithography)と呼ばれる軟X線を用い
た縮小投影リソグラフィー技術への応用が期待されてい
る。このEUVL用の軟X線光源としては、放射光の他
にレーザープラズマX線などが知られている。レーザー
プラズマX線とは、真空中で気体状または固体状のター
ゲットにレーザー光を照射することで気体または固体が
プラズマ状態となり、このプラズマから発生するX線の
ことを言う。発生するX線のスペクトルは、用いられる
ターゲットの種類に固有のスペクトルとなる。
【0008】レーザープラズマX線では、ターゲットに
固体を用いた場合にデブリ(debris)と呼ばれる飛散粒
子が発生し、光学系にダメージを与えるという問題があ
る。そのため、ガスをターゲットに用いたレーザープラ
ズマX線が最近注目されており、例えば、ガスターゲッ
トとしてXe(キセノン)ガスを用いた研究が行われて
いる(Glenn D. Kubiak, et al., SPIE vol.3331,199
8)。レーザープラズマX線のターゲットにXeガスを用
いた場合、波長10.9nm付近でX線強度が最も強くなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、波長1
0.9nmはSiおよびBeのそれぞれの吸収端の短波長側
であるため、Si,BeのX線吸収が大きくなり、Mo
/Si多層膜およびMo/Be多層膜のいずれの場合に
も高い反射率を得ることができない。通常、Mo/Si
多層膜およびMo/Be多層膜ではそれぞれ13nm付近、
11nm付近の波長のX線が用いられるため、ピーク波長1
0.9nmのレーザープラズマX線を用いた場合には、ピー
ク波長から外れた波長の光を利用することになる。レー
ザープラズマX線では、13nm付近および11nm付近の波長
のX線強度は、ピーク強度(ピーク波長でのX線強度)
の数分の1しかないため、光源強度を有効に活用できな
いという欠点があった。また、Mo/Be多層膜につい
ては、BeおよびBe化合物は毒性が強く取り扱いが厄
介であるという問題がある。
【0010】本発明の目的は、軟X線領域、特に、Xe
ガスを用いたレーザープラズマX線のピーク波長である
波長10.9nmのX線において、高い反射率を有する多層膜
反射鏡および反射光学系を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】発明の実施の形態を示す
図1に対応付けて説明する。 (1)請求項1の発明は、軟X線波長域における屈折率
と真空の屈折率との差が大きい物質で形成される第1の
層12と、前記差が小さい物質で形成される第2の層1
3とから成る層対を、基板11上に複数積層して成る多
層膜反射鏡1に適用され、第2の層13を形成する物質
として、ホウ化ストロンチウムを用いたことにより上述
の目的を達成する。 (2)請求項2の発明は、請求項1に記載の多層膜反射
鏡1において、第1の層12を形成する物質として、ル
テニウムを用いたものである。 (3)請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記
載の多層膜反射鏡において、層対の層厚である周期長、
および第1の層12と第2の層13との層厚比を調整し
て、多層膜の反射率の中心波長が略10.9nmとなるように
したものである。 (4)請求項4の発明は、ターゲットにキセノンを用い
たレーザプラズマX線源を用いる装置の反射光学系に適
用され、請求項3に記載の多層膜反射鏡を複数有するこ
とにより上述の目的を達成する。
【0012】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段の項では、本発明を分かり易くする
ために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本
発明が発明の実施の形態に限定されるものではない。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図5および図9を参
照して本発明の実施の形態を説明する。多層膜反射鏡の
反射率を高めるためには、多層膜に使用する材料の選択
が最も重要であり、各界面での反射率が高くなるような
材料を用いるのが良い。垂直入射の場合における多層膜
界面での振幅反射率rは、多層膜を構成する二つの物質
の屈折率をそれぞれn1=1−δ1−i・k1,n2=1−δ2
−i・k2としたとき、フレネルの式(3)で与えられ
る。
【数3】 r=(n2−n1)/(n2+n1) ={(δ1−δ2+i(k1−k2)}/{(δ1+δ2−2)+i(k1−k2)} …(3) ここで、i2=−1、kは物質の吸収を表す定数である。
多層膜反射鏡に用いられる物質にはkの小さな(吸収の
小さな)ものが用いられるため、δ≫kとなり、式
(3)は次式(4)のように近似することができる。
【数4】 r=(δ1−δ2)/(δ1+δ2−2) …(4) したがって、多層膜界面での反射率を高くするために
は、δの差(=δ1−δ2)が大きい物質の組み合わせを用
いるのが良い。
【0014】本発明者は、上述した条件、すなわち、物
質のkの値が小さく、かつ、二つの物質のδの差が大き
なものについて多数の物質の組み合わせを検討した結
果、δの小さな物質としてSrB6(ホウ化ストロンチ
ウム)やY(イットリウム)を用い、δの大きな物質と
してRu(ルテニウム)やRh(ロジウム)を用いる
と、軟X線領域、特に、ターゲットにXe(キセノン)
を用いたレーザープラズマX線のピーク波長10.9nmに対
して高い反射率を有する多層膜反射鏡を製造する上で好
ましいことが判明した。
【0015】特に、以下の,に示す物質の組み合わ
せで形成された多層膜は、ターゲットにXeを用いたレ
ーザープラズマX線のピーク波長10.9nmに対して高い反
射率を有することが分かった。 SrB6(ホウ化ストロンチウム)とRu(ルテニウ
ム)とによる多層膜 Y(イットリウム)とRuとによる多層膜 図1はSrB6とRuとを用いたRu/SrB6多層膜反
射鏡1の断面図であり、Si基板やガラス基板等の基板
11上にRu層12とSrB6層13とを交互に積層し
たものである。
【0016】ここで、基板上に上記の多層膜を形成する
際には、多層膜の最上層の物質として酸化等の化学変化
を起こしにくい物質を選ぶのが好ましく、そうすること
によって多層膜反射鏡の経時変化を低減することができ
る。Ru/SrB6多層膜の場合にはSrB6層を最上層
にするのが好ましく、Ru/Y多層膜の場合にはRu層
を最上層にするのが好ましい。
【0017】図2はターゲットにXeを用いたレーザー
プラズマX線のスペクトル強度を示す図であり、縦軸は
X線強度、横軸は波長をそれぞれ表す。レーザープラズ
マX線のピーク波長は10.9nmであり、その波長における
X線強度(ピーク強度)はMo/Si多層膜で利用され
る波長13.1nm付近の強度の約7.9倍になっている。さ
らに、Mo/Be多層膜で利用される11.4nm付近の波長
のX線強度と比較した場合でも1.7倍となっている。
そこで、多層膜の反射ピーク波長をXeを用いたレーザ
ープラズマX線のピーク波長10.9nmに合わせることで、
光源からのレーザープラズマX線を有効に利用すること
ができる。
【0018】次いで、軟X線を使用した縮小投影露光装
置の光学系に、上述したRu/SrB6多層膜反射鏡を
用いた場合について説明する。図3は軟X線露光装置の
概略構成を、光学系を中心に示したものである。この露
光装置はステップ・アンド・スキャン方式により露光動
作を行う投影露光装置であり、反射型マスク5に描画さ
れた回路パターンの一部の像を投影光学系6を介してウ
ェハ8上に投影しつつ、マスク5とウェハ8とを投影光
学系6に対して一次元方向(ここではY軸方向)に相対
走査することにより、マスク5の回路パターンの全体を
ウェハ8上の複数のショット領域(1ステップ領域)の
各々にステップ・アンド・スキャン方式で転写する。
【0019】図3に示す装置では、照明光学系3は2つ
のミラー3a,3bで構成され、投影光学系6は4つの
ミラー6a〜6dで構成されている。したがって、図3
の露光装置は、6枚のミラーと1枚の反射型マスク5と
で構成される反射光学系を備えている。各ミラー3a,
3b,6a〜6dには、上述したRu/SrB6多層膜
が形成されている。2はレーザープラズマX線を発生す
る光源であり、光源2から出射されたX線は、反射鏡3
a,3bにより反射されて、ケーラー照明によりレチク
ルステージ4に支持された反射型マスク5上に照射され
る。
【0020】図9は反射鏡3aの平面図であり、反射鏡
3aは、反射型マスク5への照明領域と相似形を有した
凹面反射面95を複数有した反射鏡である。これらの反
射面95はどれも同じ焦点距離を有し、2次光源を形成
して反射鏡3aにより平行光となり反射型マスク5上に
照射される。
【0021】反射型マスク5上にはRu/SrB6多層
膜から成る反射膜パターンが設けられており、この反射
膜パターンはウェハ8上へ転写すべきパターンに対応し
たパターン形状を有している。このマスク5により反射
されてマスク5のパターン情報を含むX線は、投影光学
系6に入射する。
【0022】投影光学系6は、凹面形状の第1ミラー6
a、凸面形状の第2ミラー6b、凹面形状の第3ミラー
6cおよび凹面形状の第4ミラー6dで構成されてお
り、それぞれの光軸が共軸となるように配置されてい
る。なお、各ミラー6a〜6dは、それらにより形成さ
れる往復光路を遮断しないような形状とされており、第
3ミラー6cの位置には、不図示の開口絞りが設けられ
ている。
【0023】マスク5で反射されたX線は、第1ミラー
6a〜第4ミラー6dにより順次反射されて、ウェハ8
上の露光領域内に所定倍率β(例えば、|β|=1/
4,1/5,1/6)でマスク5のパターンの縮小像を
形成する。なお、マスク5はレチクルステージ4により
少なくともY方向に沿って移動可能とされ、ウェハ8は
XYZの三方向に沿って移動可能なウェハステージ7に
より支持されている。露光動作の際には、マスク5およ
びウェハ8を、投影光学系6の縮小倍率により定まる所
定の速度比で互いに逆方向に移動させる。これによりウ
ェハ8上の所定のショット領域内には、マスク5のパタ
ーンが走査露光される。
【0024】次に、光源に図2に示すようなスペクトル
を有するXeをターゲットにしたレーザープラズマX線
源を用い、光学系3,6および反射型マスク5の多層膜
にMo/Si多層膜(50層対)を用いた場合と、Ru
/SrB6多層膜(80層対)を用いた場合とを比較す
る。これらの多層膜が理論反射率(垂直入射)を有する
と仮定して考えると、Mo/Si多層膜の反射率は7
5.2%、Ru/SrB6多層膜の反射率は62.4%
である。光学系3,6および反射型マスク5は7枚のミ
ラーから成る反射光学系を構成しており、この反射光学
系を通過したX線の強度を図2に示したレーザープラズ
マX線のスペクトル強度を考慮して計算すると、Mo/
Si多層膜を用いた場合の強度を100とすると、Ru
/SrB6多層膜を用いた場合の強度は114となる。
【0025】図4は7枚のミラー(例えば、図3のミラ
ー3a,3b,6a,6b,6c,6dおよびマスク
5)から成る反射光学系の反射率およびX線強度を示す
図であり、横軸はX線の波長を、縦軸の左側目盛が反射
率を、縦軸の右側目盛が強度を表している。図4におい
て、MS1およびMS2は、Mo/Si多層膜の場合の反射
率、およびその多層膜反射鏡を7枚用いた反射光学系を
通過したときのX線強度を示している。一方、RS1およ
びRS2は、Ru/SrB6多層膜の場合の反射率、および
その多層膜反射鏡を7枚用いた反射光学系を通過したと
きのX線強度を示している。また、点線で示した曲線X
e−LPXはXeをターゲットにしたレーザープラズマ
X線のスペクトル強度を示している。
【0026】図4に示すように、Mo/Si多層膜を用
いた反射光学系は波長13.1nm付近のX線だけが反射さ
れ、Ru/SrB6多層膜を用いた反射光学系では波長1
0.9nm付近のX線だけが反射される。反射率MS1,RS1を
比較するとMo/Si多層膜を用いたほうが大きいが、
レーザープラズマX線のスペクトル強度は波長13.1nm付
近にピークがあるため、X線強度に関してはRS2の方がM
S2より大きくなる。反射光学系を通過するX線の強度は
曲線RS2,MS2と横軸とで囲まれる領域の面積で表され、
上述したようにMo/Si多層膜の場合を100とする
とRu/SrB6多層膜の場合は114となる。
【0027】現在、Mo/Si多層膜で反射率の高いも
としては約67.5%のものが得られている(C.Montca
lm, et al.,SPIE vol. 3331,1998)。そこで、上述の反
射光学系に反射率67.5%のMo/Si多層膜を用い
て得られるX線強度と同等のX線強度をRu/SrB6
多層膜で得るためには、Ru/SrB6多層膜の反射率
Aは次式(5)で計算される。
【数5】 A=0.624×(0.675/0.752)/(1.141/7) …(5) 式(5)からAは0.55となり、Ru/SrB6多層
膜の反射率が55%あれば反射率67.5%のMo/S
i多層膜を用いた場合と同等のX線強度が得られる。
【0028】この反射率55%はRu/SrB6多層膜
の理想反射率62.4%より低いので、55%以上の反
射率を有するRu/SrB6多層膜を作製すれば、Mo
/Si多層膜を用いた場合より反射X線強度が高い光学
系(7枚ミラーの光学系)を得ることができる。また、
Mo/Si多層膜反射鏡で使用している波長13.1nmのX
線より短い波長10.9nmを有するX線が用いられるため、
より微細なパターンを投影することが可能となる。
【0029】上述した比較では、Mo/Si多層膜とし
て波長13.1nmに反射率のピークを有する一般的な多層膜
を例に説明したが、計算によれば図5に示すような波長
10.9nmにピークを有するMo/Si多層膜も可能であ
る。このMo/Si多層膜は周期長55.63Å、Mo
層の層厚と周期長との比であるΓの値は0.4であり、
積層数は50層対である。波長10.9nmでの反射率(理想
反射率)は30.1%となる。この反射率は上述したR
u/SrB6多層膜の理想反射率より低いので、X線強
度の点ではRu/SrB6多層膜の方が有利であり、光
学系を構成するミラーの枚数が増えるほど有利性が増
す。
【0030】ところで、Ru/SrB6多層膜の積層数
を変えたときの理論反射率を計算すると、50層対で6
0.5%、80層対で62.4%、100層対で62.
5%であった。このことから、反射率は80層対でほぼ
飽和すると考えられる。
【0031】なお、ターゲットにXeを用いたレーザプ
ラズマX線源を光源に用いなければならない場合には、
以下の実施例で示すY(イットリウム)をSrB6の代
わりに用いても構わない。このイットリウムという物質
も吸収端が10.9nmより短い波長であるので、10.
9nmでの反射率はMo/Si多層膜から成る反射鏡より
も良い。また、ルテニウムの代わりに、ほぼ同じ光学定
数を有するロジウム(Rh)を用いても良い。
【0032】
【実施例】(実施例1)本実施例の多層膜反射鏡では上
述した図1に示すRu/SrB6多層膜と同一構造を有
しており、Si基板11上にRu層12とSrB6層1
3とを交互に積層したRu/SrB6多層膜を、Ru,
SrB6の各ターゲットを用いてイオンビームスパッタ
リングにより形成したものである(図1参照)。Ru/
SrB6多層膜の周期長は56.3Å、Ru層の層厚と
周期長との比であるΓの値は0.4であり、積層数は8
0層対とした。図6は、このRu/SrB6多層膜の反
射率(計算値)を波長に関して示したものであり、波長
10.9nmにおける反射率は62.4%である。また、作製
したRu/SrB6多層膜の垂直入射の軟X線反射率を
放射光を用いて実測したところ、反射率57%が得られ
た。この値は、軟X線縮小リソグラフィーに用いる多層
膜反射鏡として充分なものである。
【0033】(実施例2)図7に実施例2の多層膜反射
鏡9の断面図を示す。この多層膜反射鏡9は、Si基板
91上にY層92とRu層93とを交互に積層したRu
/Y多層膜を、Ru,Yの各ターゲットを用いてイオン
ビームスパッタリングにより形成したものである。Ru
/Y多層膜の周期長は56.2Å、Ru層の層厚と周期長
との比であるΓの値は0.4であり、積層数は80層対
とした。図8はRu/Y多層膜の反射率(計算値)を波
長に関して示したものであり、波長10.9nmにおける反射
率は63.8%である。また、作製したRu/Y多層膜
の垂直入射の軟X線反射率を放射光を用いて実測したと
ころ、反射率56%が得られた。この値は、軟X線縮小
リソグラフィーに用いる多層膜反射鏡として充分なもの
である。
【0034】なお、多層膜反射鏡に用いるホウ化ストロ
ンチウムに関して、その化学量論比はSr:B=1:6
のものだけに限られるものでは無い。実際、成膜時にお
ける膜物質の化学量論比は、この値から変動しても光学
的には大きな影響が無い。
【0035】以上説明した実施の形態と特許請求の範囲
の要素との対応において、Ru層12および93は第1
の層を、SrB6層13およびY層92は第2の層をそ
れぞれ構成する。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜請求項
3の発明によれば、軟X線領域おいて高い反射率を有す
る多層膜反射鏡を得ることができる。特に請求項3の発
明では、ターゲットにXeを用いたレーザープラズマX
線のピーク波長10.9nmのX線に対して高い反射率を有し
ているので、例えば、ターゲットにXeを用いたレーザ
ープラズマX線を光源として用いる露光装置では、光源
からのX線を有効に利用することができる。また、請求
項4の発明によれば、ターゲットにXeを用いたレーザ
ープラズマX線源からのX線を有効に利用できる反射光
学系が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による多層膜反射鏡の断面図。
【図2】ターゲットにXeを用いたレーザープラズマX
線のスペクトル強度を示す図。
【図3】本発明による多層膜反射鏡を光学系に用いた露
光装置の概略図。
【図4】7枚のミラーから成る反射光学系の反射率およ
びX線強度を示す図。
【図5】波長10.9nmに反射ピークを有するMo/Si多
層膜の理想反射率を示す図。
【図6】Ru/SrB6多層膜の理想反射率を示す図。
【図7】実施例2の多層膜反射鏡9の断面図。
【図8】Ru/Y多層膜の理想反射率を示す図。
【図9】反射鏡3aの概要図。
【符号の説明】
1,9 多層膜反射鏡 2 光源 3 照明光学系 4 レチクルステージ 5 反射型マスク 6 投影光学系 7 ウェハステージ 8 ウェハ 11,91 Si基板 12,93 Ru層 13 SrB6層 92 Y層 95 凹面反射面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟X線波長域における屈折率と真空の屈
    折率との差が大きい物質で形成される第1の層と、前記
    差が小さい物質で形成される第2の層とから成る層対
    を、基板上に複数積層して成る多層膜反射鏡において、 前記第2の層を形成する物質として、ホウ化ストロンチ
    ウムまたはイットリウムを用いたことを特徴とする多層
    膜反射鏡。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の多層膜反射鏡におい
    て、 前記第1の層を形成する物質として、ルテニウムまたは
    ロジウムを用いたことを特徴とする多層膜反射鏡。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の多層膜
    反射鏡において、 前記層対の層厚である周期長、および前記第1の層と前
    記第2の層との層厚比を調整して、多層膜の反射率の中
    心波長が略10.9nmとなるようにしたことを特徴とする多
    層膜反射鏡。
  4. 【請求項4】 ターゲットにキセノンを用いたレーザプ
    ラズマX線源を用いる装置の反射光学系において、 請求項3に記載の多層膜反射鏡を複数有することを特徴
    とする反射光学系。
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