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JP2001016588A - 信号処理システム - Google Patents

信号処理システム

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Publication number
JP2001016588A
JP2001016588A JP18116399A JP18116399A JP2001016588A JP 2001016588 A JP2001016588 A JP 2001016588A JP 18116399 A JP18116399 A JP 18116399A JP 18116399 A JP18116399 A JP 18116399A JP 2001016588 A JP2001016588 A JP 2001016588A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coefficient
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signature information
frequency component
signature
Prior art date
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Pending
Application number
JP18116399A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshikazu Akama
俊和 赤間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
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Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP18116399A priority Critical patent/JP2001016588A/ja
Publication of JP2001016588A publication Critical patent/JP2001016588A/ja
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  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像データ(または音声データ)を高能率に
圧縮符号化する信号処理システムを提供する。 【解決手段】 画像データ(または音声データ)を複数
の周波数成分に分解して得られる係数を記憶する周波数
成分記憶手段(2)と、周波数成分記憶手段(2)から
係数を読み出す係数読み出し制御手段(3)と、読み出
し制御情報Cを生成する読み出し制御情報生成手段
(4)と、係数を符号化する係数符号化手段(5)を有
し、読み出し制御情報生成手段(4)の内部において、
各周波数成分のスキャン順を決定するスキャン順決定手
段(401)と、スキャン順の情報を記憶するスキャン
順テーブル(402)と、スキャン順の情報を符号化す
るスキャン順情報符号化手段(403)を有する構成と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像データや音声
データなどの情報を、高能率に圧縮符号化する信号処理
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、画像データや音声データなどの情
報を、高能率に圧縮符号化する信号システムが盛んに研
究されている。
【0003】「 信号処理システム 」は、システムL
SIや その他のハードウェア、またはコンピュータ上
で動作するソフトウェア、またはコンピュータに組み込
まれるハードウェア、またはソフトウェアとハードウェ
アの両方、という構成を取り、コンピュータ上で動作す
るソフトウェアの場合は、コンピュータのプロセッサ上
で動作するプログラムという形態となり、各種制御はC
PUで行われ、各種記憶手段はコンピュータ上のメモリ
やハードディスクなどで構成される。
【0004】更に、「 信号処理システム 」とは、信
号処理の方法そのものでもある。また、「 信号処理シ
ステム 」とは、コンピュータ上で動作するプログラム
を記録した記録媒体でもある。
【0005】これらの圧縮符号化に関する信号処理技術
は、画像データ(または音声データ)の蓄積や伝送に関
わるコストを削減することにつながり、産業の発展には
欠かすことのできない重要な技術である。その中でも画
像データ(または音声データ)を複数の周波数成分に分
解(以下、周波数分解)て圧縮符号化する信号処理技術
が世界中で盛んに研究されている。
【0006】周波数分解技術の代表的なものとして、離
散コサイン変換(以下、DCT)や、フーリエ変換、カ
ルーネン・レーべ変換、アダマール変換、ハ−ル変換、
ウェーブレット変換などの各種直交変換がある。
【0007】ビデオカメラなどで撮影した画像データ
や、写真などをスキャナなどの光学的読み取り手段によ
り、信号変換して得られる画像データは、例えば、時間
的(または空間的)に隣接する(近隣の)画素の値は類
似しているといったような、自然現象に基づく特徴を有
している。このような画像データの自然現象に基づく特
徴を利用することで、画像データの情報量を削減するこ
とが可能である。例えば、隣接する画素の値が類似して
いる画像データを各周波数成分に周波数分解すると、低
周波成分にエネルギーが集中するといった特徴があり、
そのため、低周波成分のデータを優先的に利用し、高周
波成分のデータを多少削減しても劣化が少ない圧縮符号
化が可能となる。また、音声データに関しても、周波数
や振幅が異なる複数の音波の合成であることから、音声
データに対しても周波数分解を行った後に、圧縮符号化
を行うことが可能である。
【0008】このように画像データ(または音声デー
タ)を周波数分解して圧縮符号化する信号処理技術の中
でも、MPEGやJPEGなどは世界の標準技術として
既に実用化されている。これらMPEGやJPEGなど
においては、入力される画像データを周波数分解する技
術として、DCTが用いられている。
【0009】以下、従来の信号処理システムについて、
例としてMPEGやJPEGで利用されている圧縮符号
化方法の概要を説明する。
【0010】図81に従来の信号処理システム(圧縮符
号化側)の構成を示す。なお、以下に示す信号処理シス
テムでは、入力信号を例として画像データとして説明す
る。(音声データも同様に処理することも可能である
が、以下の説明では省略する。)図81において、9
は、入力信号である画像データを複数の周波数成分に分
解する周波数分解手段で、10は、周波数分解後のデー
タ(以下、係数Aと呼ぶ)を量子化する量子化手段
で、2は、係数Aの量子化後のデータ(以下、係数Bと
呼ぶ)を記憶する周波数成分記憶手段 で、3は、周波
数成分記憶手段(2)にアドレス信号Dを与え、記憶さ
れている係数Bを読み出す係数読み出し制御手段 で、
450は、周波数成分記憶手段(2)から各係数Bを読
み出す順番(以下、スキャン順と呼ぶ)を固定の値とし
て予め記憶しておく固定スキャン順テーブル で、51
は、周波数成分記憶手段(2)から読み出される各係数
Bを圧縮符号化する係数符号化手段である。
【0011】以下の説明では、例として周波数分解手段
(9)は、DCTを行うものとし、固定スキャン順テー
ブル(450)は、ジグザグスキャンと呼ばれるスキャ
ン順が記憶されているものとし、係数符号化手段(5
1)は、ハフマン符号化を行うものとする。なお、固定
スキャン順テーブル(図81の450)は、ジグザグス
キャンに関して説明するが、MPEGにおいては、オル
タネートスキャンと呼ばれるスキャン順も定義されてい
る。しかしながら、オルタネートスキャンも予め固定で
準備されているものであるという点は、ジグザグスキャ
ンと同様であり、オルタネートスキャンに関しては以下
の説明では省略する。
【0012】図82と、図83に、従来の信号処理シス
テム(圧縮符号化側)の処理の流れを示す。以下、従来
の信号処理システム(圧縮符号化側)の動作について説
明する。図83に示すように、1フレームの原画像デー
タを8画素×8画素の原画像ブロックに分割し、各原画
像ブロックごとに、圧縮符号化の処理が行われる。原画
像ブロックのデータは、一般的に、輝度信号(Y)や、
色差信号(U、V)であるが、ここでは 輝度信号
(Y)のみについて説明する。この原画像の輝度信号
(Y)の値域は、一般的に「 0から255 」であ
る。MPEGの場合は、この「 0から255 」の値
を、そのまま入力信号として後の圧縮符号化処理を行う
が、JPEGの場合は、「 0から255 」の範囲で
ある各値から、128を引いた値を、入力信号として用
いる。このように、従来技術でも、入力信号の値域が
異なる場合があり得るが、以下では、例として入力信号
の値域を「 0から255 」として説明する。
【0013】<入力>まず、はじめに、1フレーム分の
原画像データのうち、1ブロック分(8画素×8画素)
のデータ(原画像ブロック)を入力する(図82のS0
01)。
【0014】<DCTおよび量子化>次に、周波数分解
手段(図81の9)において、入力された原画像ブロッ
クに対して、数1のようなDCT演算を施し(図82の
S002)、量子化手段(図81の10)においてDC
T後の各係数を量子化する(図82のS003)。な
お、ここでは例として、どの係数も、一律 量子化ステ
ップの値を1として量子化する。
【0015】
【数1】
【0016】数1において、f( i,j )は、図8
4の例のように 原画像ブロックf( i,j )であ
り、数1のF( n,m )は、原画像ブロックf(
i,j )に対して、DCT演算を施した結果であり、
図84の例の DCTブロックF( n,m )であ
る。なお、数1に示すように、DCT演算は、実数計算
である。図84の DCTブロックF( n,m )
は、厳密には、数1によってDCT演算を行った結果を
量子化ステップの値を1として量子化して、DCT演算
直後の実数に最も近い整数の値にして表現したものであ
る。
【0017】このDCTブロックF( n,m )にお
いて、水平周波数n、および垂直周波数mが ともにゼ
ロの位置の係数がDC成分であり、その他の係数がAC
成分である。このように、周波数分解手段(図81の
9)は、入力信号である原画像ブロックを、複数の周波
数成分(DC成分と、63個のAC成分)に分解する機
能を持つ。先にも述べたが、ビデオカメラなどで撮影し
た画像データや、写真などをスキャナなどの光学的読み
取り手段により、得られる画像データは、隣接する(近
隣の)画素の値は類似しているといったような、自然現
象に基づく特徴を有している。そのため、画像データを
各周波数成分に周波数分解すると、低周波成分にエネル
ギーが集中するといった特徴がある。
【0018】以上のように、量子化されたDCTブロッ
クの各係数は、周波数成分記憶手段(図81の2)に記
憶される。
【0019】<ジグザグスキャン>次に、固定スキャン
順テーブル(図81の450)に記憶されているジグザ
グスキャンのスキャン順に従い、図83の例のように、
周波数成分記憶手段(図81の2)に記憶されている量
子化後のDCTブロックを、読み出して1次元に並べる
(図82のS004)。
【0020】<ハフマン符号化>次に、1次元に並べら
れたDCTブロックの各係数(図83の1次元データ)
は、係数符号化手段(図81の51)によって、ハフマ
ン符号化される(図82のS005)。
【0021】以下、ここで行われるハフマン符号化につ
いて簡単に説明する。1次元データの中で、ゼロ係数の
連続数(以下、runと呼ぶ)と、非ゼロ係数の絶対値
(以下、ampと呼ぶ)と、非ゼロ係数が正と負の ど
ちらの符号(以下、signと呼ぶ)なのかを調べ、r
unとampとsignに対応したハフマン符号の表
(以下、ハフマンテーブルと呼ぶ)と照らし合わせなが
ら、「 runとampとsign 」の組み合わせか
ら、1つの符号を出力することで、圧縮符号化が行われ
る。
【0022】ここで用いるハフマンテーブルは、「 r
unとampとsign 」の組み合わせにおいて、頻
繁に出現するもの(出現頻度が高いもの)ほど、「 短
い符号 」で表現するように構成されるため、圧縮が可
能となる仕組みとなっている。一般的に、「 ampが
小さいもの(あるいはrunが小さいもの) 」ほど出
現頻度が高く、短い符号で表現されるようにハフマン符
号が構成される。表28にハフマンテーブルの例を示
す。
【0023】
【表1】
【0024】表28において、各符号の末尾の「 S
」は、signを表現するためのもの(以下、サイン
情報と呼ぶ)で、このサイン情報は、非ゼロ係数が正の
場合は「 ゼロ 」、非ゼロ係数が負の場合は「 1
」である。例えば、1次元データが、「 0,0,
0,−4 」の場合、ゼロが3個続くので、runの値
は「 3 」で、その後の非ゼロ係数が「 −4 」な
ので、ampの値は「 4 」で、非ゼロ係数が負なの
で、サイン情報(表28中のS)は「 1 」となる。
よって、表28の例では、1次元データ「 0,0,
0,−4 」は、「 0111 」という4bitのハ
フマン符号で表現されることになる。
【0025】以上が、1個の原画像ブロック(図83)
が圧縮符号化されるまでの一連である。この処理を、全
ブロックに対して行うこと(図82のS006)で、1
フレームの原画像(図83)を圧縮符号化することがで
きる。
【0026】次に、圧縮符号化されたデータを伸長復号
化(デコード)する処理について説明する。
【0027】図85に従来の信号処理システム(伸長復
号化側)の構成を示す。図85において、52は、係数
復号化手段 で、入力される圧縮符号化データのハフマ
ン符号を復号化するものであり、21は、周波数成分記
憶手段 で、係数復号化手段(52)での復号化により
得られる各周波数成分の係数を記憶するものであり、2
5は、周波数成分記憶手段(21)にアドレス信号Dを
与え、各係数の記憶(書きこみ)を制御する係数書き込
み制御手段 で、450は、周波数成分記憶手段(2
1) に係数を書き込む際の順番(スキャン順)を固定
の値として予め設定しておく固定スキャンテーブル
で、設定されているスキャン順の値は、圧縮符号化の際
に使用したものと同じである。720は、周波数成分記
憶手段(21)に記憶されている各係数に対して逆量子
化を行う逆量子化手段 で、709は、逆量子化後の係
数を用いて、各周波数成分を合成する周波数合成手段で
ある。なお、この例での、周波数合成手段(709)
は、逆DCTの演算を行うものである。
【0028】図86と、図87は従来の信号処理システ
ム(伸長復号化側)の処理の流れを示す。以下、従来の
信号処理システム(伸長復号化側)の動作について説明
する。
【0029】<ハフマン復号化>まず、係数復号化手段
(図85の52)において、入力される圧縮符号化デー
タのハフマン符号を復号化して、図87のように1次元
データを得る(図86のS001)。復号化は、表28
に示すようなハフマンテーブルを参照して「 runと
ampとsign 」の組み合わせを導き、1次元デー
タ(図87)を得る。
【0030】<ジグザグスキャン>次に、固定スキャン
順テーブル(図85の450)に記憶されているジグザ
グスキャンのスキャン順に従って、図87の例のよう
に、1次元データを2次元のDCTブロック(図87)
の各係数の位置に並べ替えて周波数成分記憶手段(図8
5の2)に書きこむ(図86のS002)。
【0031】<逆量子化>次に、DCTブロック(図8
7)は、逆量子化手段(図85の720)により、各係
数の逆量子化が行われる(図86のS003)。圧縮符
号化の際に、大きな量子化ステップ値を用いて量子化さ
れていた場合は、誤差が大きく、逆量子化後のDCTブ
ロックは、もとの(圧縮符号化の際の量子化前の)DC
Tブロックと全く同じ状態には復元することはできな
い。
【0032】<逆DCT>次に、周波数合成手段(図8
5の709)によって、逆量子化後のDCTブロック
(図87)に対して、数2に示す逆DCT演算を行い、
復元画像ブロック(図87)を得る(図86のS00
4)。
【0033】
【数2】
【0034】数2におけるF( n,m )は、例え
ば、図88のようなDCTブロックF(n,m )であ
り、数2のf( i,j )は、例えば、図88のよう
な DCTブロックF( n,m )に対して、逆DC
T演算を施した結果であり、復元画像ブロックf(i,
j )である。なお、数2に示すように、逆DCT演算
は実数計算であるが、図88の 復元画像ブロックf
( i,j )は、厳密には数2によって逆DCT演算
を行った結果を最も近い整数にして表現したものであ
る。この逆DCTは、複数の周波数成分(DC成分と、
63個のAC成分)の波形を合成して、復元画像を生成
するものである。ただし、DCTおよび逆DCTは、実
数計算であるが、これを整数化しているため、この時点
で僅かな誤差が生じる。そのため、図88のDCTブロ
ックF( n,m )に逆DCT演算を施して得られる
復元画像ブロックf( i,j )は、図84に示す原
画像ブロックf(i,j )と完全に同じ状態に復元さ
れるとは限らない。
【0035】以上の手順により、1個の復元画像ブロッ
クが得られる。この処理を、1フレーム分の全ての情報
の処理が完了するまで繰り返す(図86のS005)こ
とで、1フレームの復元画像データを得ることができ
る。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の信号処理シ
ステムにおける課題(以下の、第1から第5の課題)に
ついて説明する。
【0037】<第1の課題>上記従来の信号処理システ
ムの 第1の課題 は、固定スキャン順テーブル(図8
1の450)に予め記憶されている固定のジグザグスキ
ャンのスキャン順の値に従って、2次元の状態のデータ
を1次元に並べること(図82のS004)が、必ずし
も有効な圧縮手段ではないということである。以下に、
その理由を述べる。
【0038】図89、図90、図91に、それぞれ量子
化後のDCTブロックの例として、DCTブロック1、
DCTブロック2、DCTブロック3を示す。これら3
個のDCTブロックは、いずれも非ゼロ係数が同じ個数
づつ含まれる(1が4個、2が3個、3が3個、4が2
個、5が1個 )が、それぞれの値の存在位置(座標)
が異なる。
【0039】図89、図90、図91の、それぞれのD
CTブロックに対して、ジグザグスキャンのスキャン順
に従って、2次元の状態のデータを、1次元に並べる処
理を行う。このとき、最後の非ゼロ係数までを符号化
(エンコード)、「 以後は非ゼロ係数が存在しない
」ことを意味する符号(以下、この符号をEOBと呼
ぶ)を付与する。すなわち、各ブロックの情報として、
EOBまでが符号化され、以後のゼロ係数は符号化され
ない。DCTブロック1(図89)に対して、ジグザグ
スキャンを行い、1次元にデータを並べた結果、最後の
非ゼロ係数までにおいて、ゼロが0個、1が4個、2が
3個、3が3個、4が2個、5が1個であり、合計で、
13個の係数が存在する。よって、各係数Bの個数n
(B)と確率P(B)は、表29の通りであり、EOB
を除く合計の情報量は、約28.6[ bit ]であ
る。ここで情報量は、数3に従って計算した。なお、こ
の例の場合、数3のNは5である。
【0040】
【表2】
【0041】
【数3】
【0042】しかしながら、DCTブロック2(図9
0)、DCTブロック3(図91)には、このジグザグ
スキャンが圧縮手段としては、有効に機能しない。表3
0および表31に、それぞれ、DCTブロック2(図9
0)およびDCTブロック3(図91)に対してジグザ
グスキャンを行った結果の各係数Bの個数n(B)と確
率P(B)をまとめる。
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】DCTブロック2(図90)およびDCT
ブロック3(図91)では、非ゼロ係数は、DCTブロ
ック1(図89)と同じく、1が4個、2が3個、3が
3個、4が2個、5が1個であり、合計で13個存在す
る。しかしながら、ジグザグスキャンを行うことによっ
て、DCTブロック2(図90)と、DCTブロック3
(図91)では、それぞれゼロ係数を15個もサンプリ
ングしている点がDCTブロック1(図89)と異な
る。これは、DCTブロック1(図89)に比べて、D
CTブロック2(図90)と、DCTブロック3(図9
1)では、非ゼロ係数がブロック内の上の方に偏って存
在しているからである。DCTブロック2(図90)
と、DCTブロック3(図91)のEOBを除く情報量
は、どちらも、約56.5[ bit ]であり、DC
Tブロック1(図89)の情報量を大きく上回ってしま
っている。このように、ジグザグスキャンによって係数
をサンプリングすることは、DCTブロック1(図8
9)のように、非ゼロ係数がブロックの左上の方(水平
周波数も垂直周波数も低いところ)に集中しているとき
は有効であるが、DCTブロック2(図90)やDCT
ブロック3(図91)のように係数が左上に集中してい
ない場合などは、非常に大きな無駄が発生するという問
題を有している。
【0046】また、例えばMPEG2では、ジグザグス
キャン以外にも、別の順序でスキャンするオルタネート
スキャンが存在するが、これも、ジグザグスキャンと同
様で固定の値であるため、ジグザグスキャン同様に、必
ずしも そのブロックに適しているとは限らず、上記の
例のような無駄が生じることが考えられる。
【0047】<第2の課題>上記従来の信号処理システ
ムの 第2の課題 は、1次元に並べられたDCTブロ
ックの各係数(図83の1次元データ)を、係数符号化
手段(図81の51)によって、ハフマン符号化する処
理(図82のS005)において1個の非ゼロ係数に1
[ bit ]のサイン情報を使用しているため、符号
量が多くなってしまうということである。
【0048】例えば、一般的なテレビと同じくらいに、
1フレームの画像サイズが720×480画素で構成さ
れている場合は、1フレームあたり、5400個のDC
Tブロックが存在する。圧縮符号化後のデータの画質を
高品質にしたい場合(すなわち、画質劣化を少なくした
い場合)は、量子化の際の、量子化ステップの値は、小
さく設定される。その場合、量子化後のDCTブロック
のAC成分の各係数は、非ゼロになる可能性が高くな
る。例えば、全ての係数が非ゼロだったとすると、1フ
レーム全体で、 5400×63=340200[ bit ]=42.
525[ KByte] ものサイン情報が必要となる。このようにサイン情報の
ために多くの符号(コード)を要するという問題点があ
る。
【0049】<第3の課題>上記従来の信号処理システ
ムの 第3の課題 は、1次元に並べられたDCTブロ
ックの各係数(図83の1次元データ)を、係数符号化
手段(図81の51)によって、ハフマン符号化する処
理(図82のS005)において、使用されるハフマン
テーブルが、一般的にDCTブロックのAC成分の各係
数の振幅絶対値(amp)が小さいものほど短い符号
(コード)で表現されるように構成されているため振幅
絶対値(amp)が大きい係数が数符号化手段(図81
の51)に入力される頻度が高い場合、全体的に符号長
(コード長)が長くなってしまうという問題点がある。
【0050】<第4の課題>上記従来の信号処理システ
ムの 第4の課題 は、DCT演算などの周波数分解
は、実数演算であるにもかかわらず、整数化して圧縮符
号化を行うため、いったんDCT演算を施したブロック
に対して逆DCT演算を施しても、図84の原画像ブロ
ックf(i,j)と図88の復元画像ブロックf(i,
j)の例のように、原画像ブロックと復元画像ブロック
の間に誤差が生じてしまうという問題点がある。
【0051】<第5の課題>上記従来の信号処理システ
ムの 第5の課題 は、信号処理システム自体の物理的
な問題による動作ミスが生じた場合に、対応できないと
いうことである。例えば、信号処理システム(ハードウ
ェアあるいは信号処理を行うコンピュータ)の内部で使
用されている半導体部品などは、それを使用する温度条
件によっては正常動作しない場合がある。一般的に、半
導体部品などは、十分な耐温テストなどを得た後に製品
化され市場に出てくるものと思われる。よって、通常
は、かなり過酷な条件でも十分に正常動作するものと考
えられる。しかしながら、近年では、携帯電話やノート
パソコンなどのように、様々な電気製品を屋外の気温が
高い場所で使用する機会が増加してきている。このよう
に電気製品自体が、以前にもまして過酷な条件で使用さ
れるようになってきている。よって、瞬間的に、正常に
動作しないといったことも考えられる。このように自然
現象に基づく不具合が生じる可能性がある。上記従来の
信号処理システムによって、入力信号の圧縮符号化が行
われている最中に、瞬間的に正常動作しない事態が発生
した場合、圧縮符号化されたデータが意図しない構成と
なり、後に、伸長復号化(デコード)を行っても、正し
く復元できないという問題点を有している。
【0052】本発明は、上記の 第1から第5の課題
を解決することを目的とする。
【0053】
【課題を解決するための手段】上記の課題をを解決する
ために、本発明の信号処理システムでは、請求項1に記
載の発明においては、少なくとも画像データ(または音
声データ)を複数の周波数成分に分解して得られる係数
A(または、この係数Aを量子化した結果である係数
B)を入力とし、圧縮符号化データを出力する基本符号
化手段(1)を有し、基本符号化手段(1) の内部
に、少なくとも係数A(または係数B)を記憶する周波
数成分記憶手段(2) と、周波数成分記憶手段(2)
に記憶されている係数A(または係数B)のアドレス信
号Dを生成し、周波数成分記憶手段(2)から係数A
(または係数B)を読み出す係数読み出し制御手段
(3) と、少なくとも係数A(または係数B)を入力
とし、周波数成分記憶手段(2)に記憶されている係数
A(または係数B)を読み出すための 読み出し制御情
報Cを生成する読み出し制御情報生成手段(4) と、
係数A(または係数B)を符号化する係数符号化手段
(5)を有し、読み出し制御情報生成手段(4)の内部
において、入力される係数A(または係数B)より周波
数成分記憶手段(2)の中の各周波数成分のスキャン順
を決定するスキャン順決定手段(401) と、スキャ
ン順決定手段(401)により決定されたスキャン順の
情報(以下、スキャン順情報E)を記憶するスキャン順
テーブル(402) と、スキャン順情報E を符号化
するスキャン順情報符号化手段(403)を有し、少な
くともスキャン順情報Eを、読み出し制御情報Cとして
用い、係数読み出し制御手段(3)において、少なくと
も読み出し制御情報Cをもとに、アドレス信号Dを生成
する構成とする。
【0054】上記した構成により、スキャン順決定手段
(401)で、入力信号(画像データまたは音声デー
タ)の周波数分解後の係数A(または係数B)に適した
スキャン順テーブルを作成し、作成したスキャン順情報
Eに従って、各係数A(または係数B)を読み出してサ
ンプリングするため、固定スキャン順テーブルを用いる
従来技術に比べ、入力信号に適した符号化を行うことが
でき、全体的に情報量を削減できる。これによって、第
1の課題を解決することができる。
【0055】請求項2に記載の発明においては、少なく
とも画像データ(または音声データ)を複数の周波数成
分に分解して得られる係数A(または、この係数Aを量
子化した結果である係数B)を入力とし、圧縮符号化デ
ータを出力する基本符号化手段(1)を有し、基本符号
化手段(1) の内部に、少なくとも係数A(または係
数B)を記憶する周波数成分記憶手段(2) と、周波
数成分記憶手段(2)に記憶されている係数A(または
係数B)のアドレス信号Dを生成し、周波数成分記憶手
段(2)から係数A(または係数B)を読み出す係数読
み出し制御手段(3) と、少なくとも画像データ(ま
たは音声データ)の 複雑さ情報F を入力とし、周波
数成分記憶手段(2)に記憶されている係数A(または
係数B)を読み出すための 読み出し制御情報C を生
成する読み出し制御情報生成手段(4) と、係数A
(または係数B)を符号化する係数符号化手段(5)を
有し、読み出し制御情報生成手段(4)の内部におい
て、複雑さ情報Fより周波数成分記憶手段(2)の中の
各周波数成分を複数の 複雑さグループ に分類する複
雑さグループ分類手段(404) と、複雑さグループ
分類手段(404)により分類された 複雑さグループ
情報Gを記憶する複雑さグループ情報記憶手段(40
5) と、複雑さグループ情報G を符号化する複雑さ
グループ情報符号化手段(406)を有し、少なくとも
複雑さグループ情報Gを、読み出し制御情報Cとして用
い、係数読み出し制御手段(3)において、少なくとも
読み出し制御情報Cをもとに、アドレス信号Dを生成す
る構成とする。
【0056】上記した構成により、複雑さグループ分類
手段(404)で、入力信号(画像データまたは音声デ
ータ)、または入力信号を周波数分解後の係数A(また
は係数B)を、複数の複雑さグループに分類し、各複雑
さグループごとに周波数成分記憶手段(2)から係数A
(または係数B)の読み出しを行い、係数符号化手段
(5)で、読み出される係数A(または係数B)に対し
て統計処理を行い、係数A(または係数B)を符号化す
ることで、ある複雑さグループには、振幅絶対値(am
p)が大きい値を集め、ある複雑さグループには、振幅
絶対値(amp)が小さい値を集めるというように複雑
さグループごとに、偏りを持たせることができて、各グ
ループ内の情報量を削減することができる。
【0057】請求項3に記載の発明においては、少なく
とも画像データ(または音声データ)を複数の周波数成
分に分解して得られる係数A(または、この係数Aを量
子化した結果である係数B)を入力とし、圧縮符号化デ
ータを出力する基本符号化手段(1)を有し、基本符号
化手段(1) の内部に、少なくとも係数A(または係
数B)を記憶する周波数成分記憶手段(2) と、周波
数成分記憶手段(2)に記憶されている係数A(または
係数B)のアドレス信号Dを生成し、周波数成分記憶手
段(2)から係数A(または係数B)を読み出す係数読
み出し制御手段(3) と、係数A(または係数B)の
絶対値を得る絶対値変換手段(6) と、周波数成分の
各係数A(または係数B)の絶対値を符号化する係数符
号化手段(5) と、係数A(または係数B)を入力と
し、入力される係数A(または係数B)が、正なのか負
なのかを示す符号(以下、サイン情報)を処理するサイ
ン情報処理手段(7)を有し、サイン情報処理手段
(7)の内部において、係数A(または係数B)が非ゼ
ロかどうかを判定して、非ゼロの場合に、サイン情報を
抽出する非ゼロ判定サイン情報抽出手段(701)
と、サイン情報を記憶するサイン情報記憶手段(70
2) と、サイン情報に対して、統計処理を行い、サイ
ン情報を符号化するサイン情報符号化手段(703)を
有する構成とする。
【0058】上記した構成により、サイン情報処理手段
(7)内部で、非ゼロ判定サイン情報抽出手段(70
1)で、非ゼロ係数のサイン情報のみを取り出して、サ
イン情報符号化手段(703)で、サイン情報の統計処
理を行って圧縮符号化する。これによって、従来技術で
は、周波数分解後の各係数において1個の非ゼロ係数に
1[ bit ]のサイン情報を要し、入力信号(画像
データまたは音声データ)全体としては、非常に大きな
無駄が生じていたのに対し、サイン情報をまとめて圧縮
符号化することで、サイン情報に要する符号量を削減す
ることができる。これによって、第2の課題を解決す
る。
【0059】請求項4に記載の発明においては、少なく
とも画像データ(または音声データ)を複数の周波数成
分に分解して得られる係数A(または、この係数Aを量
子化した結果である係数B)を入力とし、圧縮符号化デ
ータを出力する基本符号化手段(1)を有し、基本符号
化手段(1) の内部に、少なくとも係数A(または係
数B)を記憶する周波数成分記憶手段(2) と、周波
数成分記憶手段(2)に記憶されている係数A(または
係数B)のアドレス信号Dを生成し、周波数成分記憶手
段(2)から係数A(または係数B)を読み出す係数読
み出し制御手段(3) と、少なくとも係数A(または
係数B)を入力とし、周波数成分記憶手段(2)に記憶
されている係数A(または係数B)を読み出すための
読み出し制御情報C を生成する読み出し制御情報生成
手段(4) と、係数A(または係数B)の絶対値を得
る絶対値変換手段(6) と、周波数成分の各係数A
(または係数B)の絶対値を符号化する係数符号化手段
(5) と、係数A(または係数B)を入力とし、入力
される係数A(または係数B)のサイン情報を処理する
サイン情報処理手段(7)を有し、読み出し制御情報生
成手段(4)の内部において、入力される係数A(また
は係数B)より周波数成分記憶手段(2)の中の各周波
数成分のスキャン順を決定するスキャン順決定手段(4
01) と、スキャン順決定手段(401)により決定
されたスキャン順の情報(以下、スキャン順情報E)を
記憶するスキャン順テーブル(402) と、スキャン
順情報E を符号化するスキャン順情報符号化手段(4
03)を有し、少なくともスキャン順情報Eを、読み出
し制御情報Cとして用い、係数読み出し制御手段(3)
において、少なくとも読み出し制御情報Cをもとに、ア
ドレス信号Dを生成する構成とし、サイン情報処理手段
(7)の内部において、係数A(または係数B)が非ゼ
ロかどうかを判定して、非ゼロの場合に、サイン情報を
抽出する非ゼロ判定サイン情報抽出手段(701)
と、サイン情報を記憶するサイン情報記憶手段(70
2) と、サイン情報に対して、統計処理を行い、サイ
ン情報を符号化するサイン情報符号化手段(703)を
有する構成とする。
【0060】上記した構成により、スキャン順決定手段
(401)で、入力信号(画像データまたは音声デー
タ)の周波数分解後の係数A(または係数B)に適した
スキャン順テーブルを作成し、作成したスキャン順情報
Eに従って、各係数A(または係数B)を読み出してサ
ンプリングするため、固定スキャン順テーブルを用いる
従来技術に比べ、符号化を行うゼロ係数の個数を削減す
ることができ、全体的に情報量を大幅に削減できる。ま
た、サイン情報処理手段(7)内部において、非ゼロ判
定サイン情報抽出手段(701)で、非ゼロ係数のサイ
ン情報のみを取り出して、サイン情報符号化手段(70
3)で、サイン情報の統計処理を行って圧縮符号化す
る。これによって、従来技術では、周波数分解後の各係
数において1個の非ゼロ係数に1[ bit ]のサイ
ン情報を要し、入力信号(画像データまたは音声デー
タ)全体としては、非常に大きな無駄が生じていたのに
対し、サイン情報をまとめて圧縮符号化することで、サ
イン情報に要する符号量を削減することができる。これ
によって、第1の課題と、第2の課題を同時に解決する
ことができる。
【0061】請求項5に記載の発明においては、少なく
とも画像データ(または音声データ)を複数の周波数成
分に分解して得られる係数A(または、この係数Aを量
子化した結果である係数B)を入力とし、圧縮符号化デ
ータを出力する基本符号化手段(1)を有し、基本符号
化手段(1) の内部に、少なくとも係数A(または係
数B)を記憶する周波数成分記憶手段(2) と、周波
数成分記憶手段(2)に記憶されている係数A(または
係数B)のアドレス信号Dを生成し、周波数成分記憶手
段(2)から係数A(または係数B)を読み出す係数読
み出し制御手段(3) と、少なくとも画像データ(ま
たは音声データ)の 複雑さ情報F を入力とし、周波
数成分記憶手段(2)に記憶されている係数A(または
係数B)を読み出すための 読み出し制御情報C を生
成する読み出し制御情報生成手段(4) と、係数A
(または係数B)の絶対値を得る絶対値変換手段(6)
と、周波数成分の各係数A(または係数B)の絶対値
を符号化する係数符号化手段(5) と、係数A(また
は係数B)を入力とし、入力される係数A(または係数
B)のサイン情報を処理するサイン情報処理手段(7)
を有し、読み出し制御情報生成手段(4)の内部におい
て、入力される 複雑さ情報F より周波数成分記憶手
段(2)の中の各周波数成分を複数の 複雑さグループ
に分類する複雑さグループ分類手段(404) と、
複雑さグループ分類手段(404)により分類された
複雑さグループ情報Gを記憶する複雑さグループ情報記
憶手段(405) と、複雑さグループ情報G を符号
化する複雑さグループ情報符号化手段(406)を有
し、少なくとも複雑さグループ情報Gを、読み出し制御
情報Cとして用い、係数読み出し制御手段(3)におい
て、少なくとも読み出し制御情報Cをもとに、アドレス
信号Dを生成する構成とし、サイン情報処理手段(7)
の内部において、係数A(または係数B)が非ゼロかど
うかを判定して、非ゼロの場合に、サイン情報を抽出す
る非ゼロ判定サイン情報抽出手段(701) と、サイ
ン情報を記憶するサイン情報記憶手段(702) と、
サイン情報に対して、統計処理を行い、サイン情報を符
号化するサイン情報符号化手段(703)を有する構成
とする。
【0062】上記した構成により、複雑さグループ分類
手段(404)で、入力信号(画像データまたは音声デ
ータ)、または入力信号を周波数分解後の係数A(また
は係数B)を、複数の複雑さグループに分類し、各複雑
さグループごとに周波数成分記憶手段(2)から係数A
(または係数B)の読み出しを行い、係数符号化手段
(5)で、読み出される係数A(または係数B)に対し
て統計処理を行い、係数A(または係数B)を符号化す
ることで、ある複雑さグループには、振幅絶対値(am
p)が大きい値を集め、ある複雑さグループには、振幅
絶対値(amp)が小さい値を集めるというように複雑
さグループごとに、偏りを持たせることができて、各グ
ループ内の情報量を削減することができる。また、サイ
ン情報処理手段(7)内部において、非ゼロ判定サイン
情報抽出手段(701)で、非ゼロ係数のサイン情報の
みを取り出して、サイン情報符号化手段(703)で、
サイン情報の統計処理を行って圧縮符号化する。これに
よって、従来技術では、周波数分解後の各係数において
1個の非ゼロ係数に1[ bit ]のサイン情報を要
し、入力信号(画像データまたは音声データ)全体とし
ては、非常に大きな無駄が生じていたのに対し、サイン
情報をまとめて圧縮符号化することで、サイン情報に要
する符号量を削減することができる。
【0063】請求項6に記載の発明においては、画像デ
ータ(または音声データ)の隣接するサンプル値の差分
( 以下、隣接サンプル差分値)を演算する隣接サンプ
ル差分演算手段(8) と、隣接サンプル差分値を複数
の周波数成分に分解して各周波数成分の係数Aを出力す
る周波数分解手段(9) と、少なくとも係数A(また
は、この係数Aを量子化した結果である係数B)を入力
とし、圧縮符号化データを出力する基本符号化手段
(1)を有し、基本符号化手段(1) の内部に、少な
くとも係数A(または係数B)を記憶する周波数成分記
憶手段(2) と、周波数成分記憶手段(2)に記憶さ
れている係数A(または係数B)のアドレス信号Dを生
成し、周波数成分記憶手段(2)から係数A(または係
数B)を読み出す係数読み出し制御手段(3) と、係
数A(または係数B)を符号化する係数符号化手段
(5)を有する構成とする。
【0064】上記した構成により、隣接サンプル差分演
算手段(8)で、画像データ(または音声データ)の隣
接するサンプル値の差分( 以下、隣接サンプル差分
値)を演算しておき、周波数分解手段(9)で、隣接サ
ンプル差分値を周波数分解することで、従来技術に比
べ、周波数分解後の各係数の振幅絶対値を小さくするこ
とができ、情報量を大幅に削減できる。これによって、
第3の課題を解決することができる。
【0065】請求項7に記載の発明においては、画像デ
ータ(または音声データ)そのもの、または、画像デー
タ(または音声データ)の隣接するサンプル値の差分
( 以下、隣接サンプル差分値)を原信号Hとし、原信
号Hを入力とし、原信号Hを複数の周波数成分に分解し
て各周波数成分の係数Aを出力する周波数分解手段
(9) と、周波数分解手段(9)より得られる係数A
を量子化して、量子化後の係数Bを出力する量子化手段
(10) と、少なくとも係数Bを入力とし、圧縮符号
化データを出力する基本符号化手段(1) と、圧縮符
号化データを記憶する圧縮符号化データ記憶手段(1
1) と、係数Bを逆量子化する逆量子化手段(13)
と、逆量子化された係数Bを周波数合成する周波数合
成手段(709) と、周波数合成手段(709) に
よる周波数合成結果を記憶する周波数合成結果記憶手段
(710) と、原信号Hと周波数合成結果との差分値
(以下、差分値M)を算出する差分値算出手段(16)
と、差分値Mを記憶する差分値記憶手段(17)
と、差分値Mを符号化して差分値符号化データを出力す
る差分値符号化手段(18) と、差分値符号化データ
を記憶する差分値符号化データ記憶手段(19) と、
圧縮符号化データ記憶手段(11) に記憶されている
圧縮符号化データと、差分値符号化データ記憶手段(1
9) に記憶されている差分値符号化データの、合計の
符号量(以下、合計符号量)を算出する合計符号量算出
手段(20) と、合計符号量を記憶する合計符号量記
憶手段(21)を有し、基本符号化手段(1) の内部
に、係数Bを記憶する周波数成分記憶手段(2) と、
周波数成分記憶手段(2)に記憶されている係数Bのア
ドレス信号Dを生成し、周波数成分記憶手段(2)から
係数Bを読み出す係数読み出し制御手段(3) と、周
波数成分記憶手段(2)から読み出される係数Bを符号
化する係数符号化手段(5)を有し、合計符号量記憶手
段(21) において、量子化手段(10)および逆量
子化手段(13)で使用された量子化情報に対応する合
計符号量を記憶する機能を有し、合計符号量記憶手段
(21)に記憶されている複数の合計符号量の値の中か
ら最小値を求め、合計符号量が最小となる量子化情報
(以下、最小量子化情報)を決定する最小符号量決定手
段(26) と、最小量子化情報を符号化して符号化量
子化情報データを出力する量子化情報符号化手段(2
7)を有し、最小量子化情報に対応する圧縮符号化デー
タ(以下、選択データR)と、最小量子化情報に対応す
る差分値符号化データ(以下、選択データT)を選択
し、選択データRと選択データTおよび符号化量子化情
報データを、最終的な圧縮符号化データとして出力する
選択出力手段(28)を有する構成とする。
【0066】上記した構成により、量子化情報(量子化
ステップやbitシフト量)を変えながら、圧縮符号化
データと差分値符号化データを得て、これらの合計の符
号量が最小となる量子化情報と、対応する圧縮符号化デ
ータ(基本符号化手段(1)の出力)と差分値符号化デ
ータ(差分値符号化手段(18)の出力)を、最終的な
圧縮符号化データとして出力することで、常に少ない符
号量で、かつ無損失で、入力信号(画像データまたは音
声データ)を圧縮符号化することができる。これによっ
て、第4の課題を解決することができる。
【0067】請求項8に記載の発明においては、少なく
とも画像データ(または音声データ)そのもの、また
は、画像データ(または音声データ)を符号化している
データを入力信号Wとし、入力信号Wを記憶する入力信
号記憶手段(29) と、入力信号Wの符号化(または
形式変換)を行い、符号化変換信号を出力する符号化変
換手段(30) と、符号化変換信号を記憶する符号化
変換信号記憶手段(31) と、符号化変換信号の復号
化(または形式逆変換)を行い、復号化逆変換信号を出
力する復号化逆変換手段(32) と、復号化逆変換信
号を記憶する復号化逆変換信号記憶手段(33) と、
復号化逆変換手段(32)における符号化変換信号の復
号化(または形式逆変換)の処理のエラーを検出し、エ
ラーの有無を示す第1エラー信号を出力するエラー検出
手段(34) と、入力信号Wと復号化逆変換信号を比
較して変化量を求め、変化量が所定値を超えている場合
をエラー状態とし、エラー状態かどうかを示す第2エラ
ー信号を出力する比較演算手段(35) と、第1エラ
ー信号、または第2エラー信号がエラー状態かどうかを
示す信号を出力し、また、第1エラー信号、または第2
エラー信号がエラー状態である場合は、入力信号Wを選
択して出力し、第1エラー信号と第2エラー信号が、エ
ラー状態でない場合は、符号化変換信号を選択して出力
する選択出力手段(36)を有する構成とする。
【0068】上記した構成により、選択出力手段(3
6)で、第1エラー信号、または第2エラー信号がエラ
ー状態である場合は、入力信号Wを選択して出力し、第
1エラー信号と第2エラー信号が、エラー状態でない場
合は、符号化変換信号を選択して出力することにより、
入力信号Wの符号化(または形式変換)の最中に信号処
理システム自体の物理的な問題による瞬間的な動作ミス
が生じた場合でも、出力信号から原信号(入力信号W)
を復元することが可能となる。これによって、第5の課
題を解決することができる。
【0069】請求項9に記載の発明は、請求項5に記載
の信号処理システムにおいて、読み出し制御情報生成手
段(4)に、係数A(または係数B)を入力する構成と
し、読み出し制御情報生成手段(4)の内部において、
入力される係数A(または係数B)より周波数成分記憶
手段(2)の中の各周波数成分のスキャン順を決定する
スキャン順決定手段(401) と、スキャン順決定手
段(401)により決定されたスキャン順の情報(以
下、スキャン順情報E)を記憶するスキャン順テーブル
(402) と、スキャン順情報E を符号化するスキ
ャン順情報符号化手段(403)を有し、少なくともス
キャン順情報Eを、読み出し制御情報Cとして用い、係
数読み出し制御手段(3)において、少なくとも読み出
し制御情報Cをもとに、アドレス信号Dを生成する構成
とする。
【0070】上記した構成は、請求項1と請求項5を合
わせたようなものであり、請求項1と請求項5で得られ
る効果を同時に実現できるものである。そのため、請求
項1単独、あるいは請求項5単独の構成以上に情報量を
削減することができる。
【0071】請求項10に記載の発明は、請求項1に記
載の信号処理システムにおいて、スキャン順決定手段
(401)の内部に、係数A(または係数B)に関し
て、各周波数成分ごとのゼロ係数(または非ゼロ係数)
の個数を集計するゼロ係数カウント手段(410)
と、ゼロ係数カウント手段(410)で集計した各周波
数成分ごとのゼロ係数の個数を比較して、ゼロ係数の個
数が少ない(または非ゼロ係数の個数が多い)周波数成
分のスキャン順を優先的に順位付けする優先順位決定手
段(411)を有する構成とする。
【0072】上記した構成により、ゼロ係数の個数が少
ない(または非ゼロ係数の個数が多い)周波数成分の係
数A(または係数B)を優先的にスキャンして(読み出
して)サンプリングするため、固定スキャン順テーブル
を用いる従来技術に比べ、符号化を行うゼロ係数の個数
を削減することができ、全体的に情報量を大幅に削減で
きる。
【0073】請求項11に記載の発明は、請求項4に記
載の信号処理システムにおいて、スキャン順決定手段
(401)の内部に、係数A(または係数B)に関し
て、各周波数成分ごとのゼロ係数(または非ゼロ係数)
の個数を集計するゼロ係数カウント手段(410)
と、ゼロ係数カウント手段(410)で集計した各周波
数成分ごとのゼロ係数の個数を比較して、ゼロ係数の個
数が少ない(または非ゼロ係数の個数が多い)周波数成
分のスキャン順を優先的に順位付けする優先順位決定手
段(411)を有する構成とする。
【0074】上記した構成により、請求項4単独の効果
に加えて、ゼロ係数の個数が少ない(または非ゼロ係数
の個数が多い)周波数成分の係数A(または係数B)を
優先的にスキャンして(読み出して)サンプリングする
ため、固定スキャン順テーブルを用いる従来技術に比
べ、符号化を行うゼロ係数の個数を削減することがで
き、全体的に情報量を大幅に削減できる。
【0075】請求項12に記載の発明は、請求項9に記
載の信号処理システムにおいて、スキャン順決定手段
(401)の内部に、係数A(または係数B)に関し
て、各周波数成分ごとのゼロ係数(または非ゼロ係数)
の個数を集計するゼロ係数カウント手段(410)
と、ゼロ係数カウント手段(410)で集計した各周波
数成分ごとのゼロ係数の個数を比較して、ゼロ係数の個
数が少ない(または非ゼロ係数の個数が多い)周波数成
分のスキャン順を優先的に順位付けする優先順位決定手
段(411)を有する構成とする。
【0076】上記した構成により、請求項9単独の効果
に加えて、ゼロ係数の個数が少ない(または非ゼロ係数
の個数が多い)周波数成分の係数A(または係数B)を
優先的にスキャンして(読み出して)サンプリングする
ため、固定スキャン順テーブルを用いる従来技術に比
べ、符号化を行うゼロ係数の個数を削減することがで
き、全体的に情報量を大幅に削減できる。
【0077】請求項13に記載の発明は、請求項1、ま
たは請求項10に記載の信号処理システムにおいて、ス
キャン順決定手段(401)の内部に、係数A(または
係数B)に関して、各周波数成分ごとの係数の強度を求
める係数強度演算手段(412) と、少なくとも各周
波数成分ごとの係数の強度の値を入力として、各周波数
成分ごとの係数の強度の値を比較して、係数の強度の値
が大きい周波数成分のスキャン順を優先的に順位付けす
る優先順位決定手段(411)を有し、優先順位決定手
段(411) に、各周波数成分ごとのゼロ係数の個数
が入力される場合において、まずは係数の強度の値を比
較して、係数の強度の値が大きい周波数成分のスキャン
順を優先的に順位付けして、係数の強度の値が同じ大き
さの周波数成分が複数存在する場合は、ゼロ係数(また
は非ゼロ係数)の個数を比較して、ゼロ係数の個数が少
ない(または非ゼロ係数の個数が多い)周波数成分のス
キャン順を優先的に順位付けする構成とする。
【0078】上記した構成により、請求項1単独、請求
項10単独の効果に加えて、係数の強度の値が大きい周
波数成分の係数A(または係数B)を優先的にスキャン
して(読み出して)サンプリングするため、固定スキャ
ン順テーブルを用いる従来技術に比べ、符号化を行うゼ
ロ係数の個数を削減することができるだけでなく、強度
の値が大きい係数を(スキャン順の)前半に集める(偏
らせる)ことができるため、全体的に情報量を大幅に削
減できる。
【0079】請求項14に記載の発明は、請求項4、ま
たは請求項11に記載の信号処理システムにおいて、ス
キャン順決定手段(401)の内部に、係数A(または
係数B)に関して、各周波数成分ごとの係数の強度を求
める係数強度演算手段(412) と、少なくとも各周
波数成分ごとの係数の強度の値を入力として、各周波数
成分ごとの係数の強度の値を比較して、係数の強度の値
が大きい周波数成分のスキャン順を優先的に順位付けす
る優先順位決定手段(411)を有し、優先順位決定手
段(411) に、各周波数成分ごとのゼロ係数の個数
が入力される場合において、まずは係数の強度の値を比
較して、係数の強度の値が大きい周波数成分のスキャン
順を優先的に順位付けして、係数の強度の値が同じ大き
さの周波数成分が複数存在する場合は、ゼロ係数(また
は非ゼロ係数)の個数を比較して、ゼロ係数の個数が少
ない(または非ゼロ係数の個数が多い)周波数成分のス
キャン順を優先的に順位付けする構成とする。
【0080】上記した構成により、請求項4単独、請求
項11単独の効果に加えて、係数の強度の値が大きい周
波数成分の係数A(または係数B)を優先的にスキャン
して(読み出して)サンプリングするため、固定スキャ
ン順テーブルを用いる従来技術に比べ、符号化を行うゼ
ロ係数の個数を削減することができるだけでなく、強度
の値が大きい係数を(スキャン順の)前半に集める(偏
らせる)ことができるため、全体的に情報量を大幅に削
減できる。
【0081】請求項15に記載の発明は、請求項9、ま
たは請求項12に記載の信号処理システムにおいて、ス
キャン順決定手段(401)の内部に、係数A(または
係数B)に関して、各周波数成分ごとの係数の強度を求
める係数強度演算手段(412) と、少なくとも各周
波数成分ごとの係数の強度の値を入力として、各周波数
成分ごとの係数の強度の値を比較して、係数の強度の値
が大きい周波数成分のスキャン順を優先的に順位付けす
る優先順位決定手段(411)を有し、優先順位決定手
段(411) に、各周波数成分ごとのゼロ係数の個数
が入力される場合において、まずは係数の強度の値を比
較して、係数の強度の値が大きい周波数成分のスキャン
順を優先的に順位付けして、係数の強度の値が同じ大き
さの周波数成分が複数存在する場合は、ゼロ係数(また
は非ゼロ係数)の個数を比較して、ゼロ係数の個数が少
ない(または非ゼロ係数の個数が多い)周波数成分のス
キャン順を優先的に順位付けする構成とする。
【0082】上記した構成により、請求項9単独、請求
項12単独の効果に加えて、係数の強度の値が大きい周
波数成分の係数A(または係数B)を優先的にスキャン
して(読み出して)サンプリングするため、固定スキャ
ン順テーブルを用いる従来技術に比べ、符号化を行うゼ
ロ係数の個数を削減することができるだけでなく、強度
の値が大きい係数を(スキャン順の)前半に集める(偏
らせる)ことができるため、全体的に情報量を大幅に削
減できる。
【0083】請求項16に記載の発明は、請求項1、ま
たは請求項10、または請求項13に記載の信号処理シ
ステムにおいて、読み出し制御情報生成手段(4)に、
画像データ(または音声データ)の 複雑さ情報F を
入力する構成とし、読み出し制御情報生成手段(4)の
内部において、入力される 複雑さ情報F より周波数
成分記憶手段(2)の中の各周波数成分を複数の 複雑
さグループ に分類する複雑さグループ分類手段(40
4) と、複雑さグループ分類手段(404)により分
類された 複雑さグループ情報Gを記憶する複雑さグル
ープ情報記憶手段(405) と、複雑さグループ情報
G を符号化する複雑さグループ情報符号化手段(40
6)を有し、少なくとも複雑さグループ情報Gを、読み
出し制御情報Cとして用い、係数読み出し制御手段
(3)において、少なくとも読み出し制御情報Cをもと
に、アドレス信号Dを生成する構成とする。
【0084】上記した構成により、請求項1単独、請求
項10単独、請求項13単独の効果に加えて、複雑さグ
ループ分類手段(404)で、入力信号(画像データま
たは音声データ)、または入力信号を周波数分解後の係
数A(または係数B)を、複数の複雑さグループに分類
し、各複雑さグループごとに周波数成分記憶手段(2)
から係数A(または係数B)の読み出しを行い、係数符
号化手段(5)で、読み出される係数A(または係数
B)に対して統計処理を行い、係数A(または係数B)
を符号化することで、ある複雑さグループには、振幅絶
対値(amp)が大きい値を集め、ある複雑さグループ
には、振幅絶対値(amp)が小さい値を集めるという
ように複雑さグループごとに、偏りを持たせることがで
きて、各グループ内の情報量を削減することができる。
【0085】請求項17に記載の発明は、請求項1、ま
たは請求項10、または請求項13、または請求項16
に記載の信号処理システムにおいて、読み出し制御情報
生成手段(4)の内部に、係数A(または係数B)の値
から、どの周波数成分にエネルギーが偏っているかを判
定して、偏り状況を示す情報(以下、係数分布情報)を
出力する係数分布判定手段(407) と、係数分布情
報を記憶する係数分布情報記憶手段(408) と、係
数分布情報を符号化する係数分布情報符号化手段(40
9)を有し、スキャン順決定手段(401)において、
係数分布情報ごとにスキャン順を決定し、スキャン順テ
ーブル(402)において、係数分布情報ごとのスキャ
ン順情報Eを記憶する構成とする。
【0086】上記した構成により、請求項1単独、請求
項10単独、請求項13単独、請求項16単独の効果に
加えて、係数分布に応じて最適のスキャン順で各係数A
(または係数B)を読み出してサンプリングするため、
固定スキャン順テーブルを用いる従来技術に比べ、入力
信号に適した符号化を行うことができ、全体的に情報量
を削減できる。
【0087】請求項18に記載の発明は、請求項4、ま
たは請求項9、または請求項11、または請求項12、
または請求項14、または請求項15、に記載の信号処
理システムにおいて、読み出し制御情報生成手段(4)
の内部に、係数A(または係数B)の値から、どの周波
数成分にエネルギーが偏っているかを判定して、偏り状
況を示す情報(以下、係数分布情報)を出力する係数分
布判定手段(407) と、係数分布情報を記憶する係
数分布情報記憶手段(408) と、係数分布情報を符
号化する係数分布情報符号化手段(409)を有し、ス
キャン順決定手段(401)において、係数分布情報ご
とにスキャン順を決定し、スキャン順テーブル(40
2)において、係数分布情報ごとのスキャン順情報Eを
記憶する構成とする。
【0088】上記した構成により、請求項4単独、請求
項9単独、請求項11単独、請求項12単独、請求項1
4単独、請求項15単独の効果に加えて、係数分布に応
じて最適のスキャン順で各係数A(または係数B)を読
み出してサンプリングするため、固定スキャン順テーブ
ルを用いる従来技術に比べ、入力信号に適した符号化を
行うことができ、全体的に情報量を削減できる。
【0089】請求項19に記載の発明は、請求項3、ま
たは請求項4、または請求項5、または請求項9、また
は請求項11、または請求項12、または請求項14、
または請求項15、または請求項18に記載の信号処理
システムにおいて、サイン情報処理手段(7) の内部
に、周波数成分記憶手段(2)の中の各周波数成分の係
数のうち、周波数分解の単位内での各係数のエネルギー
の強さ(以下、強度)を測定し、各係数の強度の順位
(以下、係数強度順位)を判定する係数強度順位判定手
段(704) と、係数強度順位を記憶する係数強度順
位テーブル(705) と、係数強度順位の高い係数か
ら優先的に、サイン情報の推定を行い、推定結果から、
新たなサイン情報を生成して出力するサイン情報推定手
段(706)を有し、非ゼロ判定サイン情報抽出手段
(701)において、各係数が非ゼロかどうかを判定
し、非ゼロの場合のみ、サイン情報推定手段(706)
内の処理を実行する構成とする。
【0090】上記した構成により、請求項3単独、請求
項4単独、請求項5単独、請求項9単独、請求項11単
独、請求項12単独、請求項14単独、請求項15単
独、請求項18単独の効果に加えて、係数強度順位の高
い係数から優先的に、サイン情報の推定を行い、推定結
果から、新たなサイン情報を生成して符号化するため、
サイン情報の符号化効率がより良くなる。
【0091】請求項20に記載の発明は、請求項19に
記載の信号処理システムにおいて、サイン情報処理手段
(7) に関し、サイン情報推定手段(706) の内
部に、周波数成分記憶手段(2)の中の各周波数成分の
係数に対して、仮のサイン情報(以下、仮サイン情報)
と、必要に応じて真のサイン情報(以下、真サイン情
報)を設定するサイン情報設定手段(707) と、サ
イン情報設定手段(707)により、仮サイン情報と、
必要に応じて真サイン情報が設定された各係数(以下、
サイン情報付き係数)を記憶するサイン情報付き係数記
憶手段(708) と、サイン情報付き係数の各周波数
成分を合成し、サイン情報付き周波数合成結果を出力す
る周波数成分合成手段(709) と、サイン情報付き
周波数合成結果を記憶する周波数合成結果記憶手段(7
10) と、各仮サイン情報が設定されているサイン情
報付き周波数合成結果に対応した第1のサイン情報推定
パラメータ(以下、第1サイン情報推定パラメータ)を
演算する第1サイン情報推定パラメータ演算手段(71
1) と、第1サイン情報推定パラメータを記憶する第
1サイン情報推定パラメータ記憶手段(712) と、
各仮サイン情報に対応した第1サイン情報推定パラメー
タの値から、どの仮サイン情報が真のサイン情報かを推
定し、推定したサイン情報と真のサイン情報とが一致し
ているかどうかを示す一致不一致情報を、新たなサイン
情報として出力する第1サイン情報生成手段(713)
を有し、サイン情報設定手段(707)において、仮サ
イン情報が真のサイン情報かどうかの推定が完了した係
数に関して、真のサイン情報を設定する機能を有し、真
サイン情報が設定されている係数(以下、真サイン情報
付き係数)による周波数合成結果(以下、真サイン周波
数合成結果)と、仮サイン情報が設定されている係数
(以下、仮サイン情報付き係数)による周波数合成結果
(以下、仮サイン周波数合成結果)との差分の絶対値の
和を第1変化量とし、真サイン情報付き係数と、仮サイ
ン情報付き係数の混合状態での周波数合成結果(以下、
混合周波数合成結果)に関して、混合周波数合成結果の
波形の、波形の中心軸と、波形で囲まれた領域におけ
る、波形と、波形の中心軸との差分の絶対値の和を第1
類似度とし、第1サイン情報推定パラメータ演算手段
(711) において、第1変化量、または第1類似度
を第1サイン情報推定パラメータとして演算し、第1サ
イン情報生成手段(713) において、各仮サイン情
報に対応する第1サイン情報推定パラメータが第1変化
量の場合は、第1サイン情報推定パラメータの値が小さ
いときの仮サイン情報を真のサイン情報だと推定し、各
仮サイン情報に対応する第1サイン情報推定パラメータ
が第1類似度の場合は、第1サイン情報推定パラメータ
の値が大きいときの仮サイン情報が真のサイン情報であ
ると推定する構成とする。
【0092】上記した構成により、請求項19単独の効
果に加えて、係数強度順位の高い係数から優先的に、サ
イン情報の推定を行うにあたって、周波数成分合成手段
(709)を利用する構成であるため、従来の復号手段
(デコーダ)と共用で、機能を実現することができる。
【0093】請求項21に記載の発明は、請求項19に
記載の信号処理システムにおいて、サイン情報処理手段
(7) に関し、サイン情報推定手段(706) の内
部に、周波数成分記憶手段(2)の中の各周波数成分の
係数に対して、仮のサイン情報(以下、仮サイン情報)
と、必要に応じて真のサイン情報(以下、真サイン情
報)を設定するサイン情報設定手段(707) と、サ
イン情報設定手段(707)により、仮サイン情報と、
必要に応じて真サイン情報が設定された各係数(以下、
サイン情報付き係数)を記憶するサイン情報付き係数記
憶手段(708) と、サイン情報付き係数の各周波数
成分を合成し、サイン情報付き周波数合成結果を出力す
る周波数成分合成手段(709) と、サイン情報付き
周波数合成結果を記憶する周波数合成結果記憶手段(7
10) と、各仮サイン情報が設定されているサイン情
報付き周波数合成結果に対応した第1のサイン情報推定
パラメータ(以下、第1サイン情報推定パラメータ)を
演算する第1サイン情報推定パラメータ演算手段(71
1) と、第1サイン情報推定パラメータを記憶する第
1サイン情報推定パラメータ記憶手段(712) と、
各仮サイン情報が設定されているサイン情報付き周波数
合成結果に対応した第2のサイン情報推定パラメータ
(以下、第2サイン情報推定パラメータ)を演算する第
2サイン情報推定パラメータ演算手段(714) と、
第2サイン情報推定パラメータを記憶する第2サイン情
報推定パラメータ記憶手段(715) と、第1サイン
情報推定パラメータと第2サイン情報推定パラメータを
用いて、各仮サイン情報が設定されているサイン情報付
き周波数合成結果に対応した第3のサイン情報推定パラ
メータ(以下、第3サイン情報推定パラメータ)を演算
する第3サイン情報推定パラメータ演算手段(716)
と、第3サイン情報推定パラメータを記憶する第3サ
イン情報推定パラメータ記憶手段(717) と、各仮
サイン情報に対応した第3サイン情報推定パラメータの
値から、どの仮サイン情報が真のサイン情報かを推定
し、推定したサイン情報と真のサイン情報とが一致して
いるかどうかを示す一致不一致情報を、新たなサイン情
報として出力する第2サイン情報生成手段(718)を
有し、サイン情報設定手段(707)において、仮サイ
ン情報が真のサイン情報かどうかの推定が完了した係数
に関して、真のサイン情報を設定する機能を有し、真サ
イン情報が設定されている係数(以下、真サイン情報付
き係数)による周波数合成結果(以下、真サイン周波数
合成結果)と、仮サイン情報が設定されている係数(以
下、仮サイン情報付き係数)による周波数合成結果(以
下、仮サイン周波数合成結果)との差分の絶対値の和を
第1変化量とし、真サイン情報付き係数と、仮サイン情
報付き係数の混合状態での周波数合成結果(以下、混合
周波数合成結果)に関して、混合周波数合成結果の波形
の、波形の中心軸と、波形で囲まれた領域における、波
形と、波形の中心軸との差分の絶対値の和を第1類似度
とし、混合周波数合成結果の波形が、所定の値域を は
み出す 領域における、波形と、値域との差分の絶対値
の和を相違度とし、第1サイン情報推定パラメータ演算
手段(711) において、第1変化量、または第1類
似度を第1サイン情報推定パラメータとして演算し、第
2サイン情報推定パラメータ演算手段(714) にお
いて、相違度を第2サイン情報推定パラメータとして演
算し、第1変化量または相違度に正規化係数をかけて正
規化し、正規化済みの第1変化量に正規化済みの相違度
を加算した値を第2変化量とし、第1類似度または相違
度に正規化係数をかけて正規化し、正規化済みの第1類
似度に正規化済みの相違度を減算した値を第2類似度と
し、第3サイン情報推定パラメータ演算手段(716)
において、第2変化量、または第2類似度を第3サイ
ン情報推定パラメータとして演算し、第2サイン情報生
成手段(718) において、各仮サイン情報に対応す
る第3サイン情報推定パラメータが第2変化量の場合
は、第3サイン情報推定パラメータの値が小さいときの
仮サイン情報を真のサイン情報だと推定し、各仮サイン
情報に対応する第3サイン情報推定パラメータが第2類
似度の場合は、第3サイン情報推定パラメータの値が大
きいときの仮サイン情報が真のサイン情報であると推定
する構成とする。
【0094】上記した構成により、請求項19単独の効
果に加えて、係数強度順位の高い係数から優先的に、サ
イン情報の推定を行うにあたって、周波数成分合成手段
(709)を利用する構成であるため、従来の復号手段
(デコーダ)と共用で、機能を実現することができる。
また、相違度を利用することで、混合周波数合成結果の
波形が、所定の値域をはみ出す場合に、サイン情報を誤
推定することを減らすことができる。そのため、推定結
果が正解である確率が高くなり、符号化効率を高めるこ
とができる。
【0095】請求項22に記載の発明は、請求項19に
記載の信号処理システムにおいて、サイン情報処理手段
(7) に関し、サイン情報推定手段(706) の内
部に、周波数成分記憶手段(2)の中の各周波数成分の
係数に対して、仮のサイン情報(以下、仮サイン情報)
と、必要に応じて真のサイン情報(以下、真サイン情
報)を設定するサイン情報設定手段(707) と、サ
イン情報設定手段(707)により、仮サイン情報と、
必要に応じて真サイン情報が設定された各係数(以下、
サイン情報付き係数)を記憶するサイン情報付き係数記
憶手段(708) と、サイン情報付き係数の各周波数
成分を合成し、サイン情報付き周波数合成結果を出力す
る周波数成分合成手段(709) と、サイン情報付き
周波数合成結果を記憶する周波数合成結果記憶手段(7
10) と、各仮サイン情報が設定されているサイン情
報付き周波数合成結果に対応した第1のサイン情報推定
パラメータ(以下、第1サイン情報推定パラメータ)を
演算する第1サイン情報推定パラメータ演算手段(71
1) と、第1サイン情報推定パラメータを記憶する第
1サイン情報推定パラメータ記憶手段(712) と、
各仮サイン情報が設定されているサイン情報付き周波数
合成結果に対応した第2のサイン情報推定パラメータ
(以下、第2サイン情報推定パラメータ)を演算する第
2サイン情報推定パラメータ演算手段(714) と、
第2サイン情報推定パラメータを記憶する第2サイン情
報推定パラメータ記憶手段(715) と、第1サイン
情報推定パラメータと第2サイン情報推定パラメータを
用いて、各仮サイン情報が設定されているサイン情報付
き周波数合成結果に対応した第3のサイン情報推定パラ
メータ(以下、第3サイン情報推定パラメータ)を演算
する第3サイン情報推定パラメータ演算手段(716)
と、第3サイン情報推定パラメータを記憶する第3サ
イン情報推定パラメータ記憶手段(717) と、各仮
サイン情報に対応した第3サイン情報推定パラメータの
値から、真のサイン情報の組み合わせと一致する仮サイ
ン情報の組み合わせに対して、新たなサイン情報を付与
して、新たなサイン情報を出力する第3サイン情報生成
手段(719)を有し、サイン情報設定手段(707)
において、仮サイン情報が真のサイン情報かどうかの推
定が完了した係数に関して、真のサイン情報を設定する
機能を有し、真サイン情報が設定されている係数(以
下、真サイン情報付き係数)による周波数合成結果(以
下、真サイン周波数合成結果)と、仮サイン情報が設定
されている係数(以下、仮サイン情報付き係数)による
周波数合成結果(以下、仮サイン周波数合成結果)との
差分の絶対値の和を第1変化量とし、真サイン情報付き
係数と、仮サイン情報付き係数の混合状態での周波数合
成結果(以下、混合周波数合成結果)に関して、混合周
波数合成結果の波形の、波形の中心軸と、波形で囲まれ
た領域における、波形と、波形の中心軸との差分の絶対
値の和を第1類似度とし、混合周波数合成結果の波形
が、所定の値域を はみ出す領域における、波形と、値
域との差分の絶対値の和を相違度とし、第1サイン情報
推定パラメータ演算手段(711) において、第1変
化量、または第1類似度を第1サイン情報推定パラメー
タとして演算し、第2サイン情報推定パラメータ演算手
段(714) において、相違度を第2サイン情報推定
パラメータとして演算し、第1変化量または相違度に正
規化係数をかけて正規化し、正規化済みの第1変化量に
正規化済みの相違度を加算した値を第2変化量とし、第
1類似度または相違度に正規化係数をかけて正規化し、
正規化済みの第1類似度に正規化済みの相違度を減算し
た値を第2類似度とし、第3サイン情報推定パラメータ
演算手段(716) において、第2変化量、または第
2類似度を第3サイン情報推定パラメータとして演算
し、第3サイン情報生成手段(719) において、各
仮サイン情報に対応する第3サイン情報推定パラメータ
が第2変化量の場合は、第3サイン情報推定パラメータ
の値が小さい仮サイン情報の組み合わせを優先的に、同
一シンボルを多く含むコード(以下、第1コード)とす
るか、または、第3サイン情報推定パラメータの値が小
さい仮サイン情報の組み合わせを優先的に、短いコード
(以下、第2コード)とし、真のサイン情報の組み合わ
せと一致する仮サイン情報の組み合わせに対応する第1
コード、または第2コードを、新たなサイン情報として
出力し、各仮サイン情報に対応する第3サイン情報推定
パラメータが第2類似度の場合は、第3サイン情報推定
パラメータの値が大きい仮サイン情報の組み合わせを優
先的に、第1コードとするか、または、第3サイン情報
推定パラメータの値が大きい仮サイン情報の組み合わせ
を優先的に、第2コードとし、真のサイン情報の組み合
わせと一致する仮サイン情報の組み合わせに対応する第
1コード、または第2コードを、新たなサイン情報とし
て出力する構成とする。
【0096】上記した構成により、請求項19単独の効
果に加えて、係数強度順位の高い係数から優先的に、サ
イン情報の推定を行うにあたって、周波数成分合成手段
(709)を利用する構成であるため、従来の復号手段
(デコーダ)と共用で、機能を実現することができる。
また、相違度を利用することで、混合周波数合成結果の
波形が、所定の値域をはみ出す場合に、サイン情報を誤
推定することを減らすことができる。そのため、推定結
果が正解である確率が高くなり、符号化効率を高めるこ
とができる。更に、複数の係数の仮サイン情報の組み合
わせから、新たなサイン情報を生成するため、単独の係
数のサイン情報を処理するのに比べて、情報量を削減す
ることが可能となる。
【0097】請求項23に記載の発明は、請求項20、
または請求項21、または請求項22に記載の信号処理
システムにおいて、サイン情報推定手段(706) の
内部において、係数Bまたはサイン情報付き係数に対し
て、逆量子化を行う逆量子化手段(720)を有し、少
なくとも逆量子化済みのサイン情報付き係数を周波数成
分合成手段(709)に入力して、各周波数成分の合成
を行う構成とする。
【0098】上記した構成により、請求項20単独、請
求項21単独、請求項22単独の効果に加えて、逆量子
化手段(720) によって逆量子化されたサイン情報
付き係数を用いてサイン情報の推定を行うため、量子化
時の誤差の影響を受けにくく、より高い精度でサイン情
報の推定ができ、符号化効率を高めることができる。
【0099】請求項24に記載の発明は、請求項20、
または請求項21、または請求項22、または請求項2
3に記載の信号処理システムにおいて、周波数成分合成
手段(709) が高bit精度で演算することを特徴
とする。
【0100】上記した構成により、請求項20単独、請
求項21単独、請求項22単独、請求項23単独の効果
に加えて、量子化時の誤差の影響を受けにくく、より高
い精度でサイン情報の推定ができ、符号化効率を高める
ことができる。
【0101】請求項25に記載の発明は、請求項1、ま
たは請求項2、または請求項3、または請求項4、また
は請求項5、または請求項6、または請求項9、または
請求項10、または請求項11、または請求項12、ま
たは請求項13、または請求項14、または請求項1
5、または請求項16、または請求項17、または請求
項18、または請求項19、または請求項20、または
請求項21、または請求項22、または請求項23、ま
たは請求項24に記載の信号処理システムにおいて、係
数符号化手段(5) が入力される各係数を複数のグル
ープに分類し、各グループごとに統計処理と符号化処理
を行うことを特徴とする。
【0102】上記した構成により、請求項1単独、請求
項2単独、請求項3単独、請求項4単独、請求項5単
独、請求項6単独、請求項9単独、請求項10単独、請
求項11単独、請求項12単独、請求項13単独、請求
項14単独、請求項15単独、請求項16単独、請求項
17単独、請求項18単独、請求項19単独、請求項2
0単独、請求項21単独、請求項22単独、請求項23
単独、請求項24単独の効果に加えて、各グループによ
って、係数の振幅(または振幅の絶対値)の大きさが偏
っている場合などに、符号化効率を高めることができ
る。
【0103】請求項26に記載の発明は、請求項3、ま
たは請求項4、または請求項5、または請求項9、また
は請求項11、または請求項12、または請求項14、
または請求項15、または請求項18、または請求項1
9、または請求項20、または請求項21、または請求
項22、または請求項23、または請求項24に記載の
信号処理システムにおいて、サイン情報符号化手段(7
03) が入力される各係数を複数のグループに分類
し、各グループごとに統計処理と符号化処理を行うこと
を特徴とする。
【0104】上記した構成により、請求項3単独、請求
項4単独、請求項5単独、請求項9単独、請求項11単
独、請求項12単独、請求項14単独、請求項15単
独、請求項18単独、請求項19単独、請求項20単
独、請求項21単独、請求項22単独、請求項23単
独、請求項24単独の効果に加えて、各グループによっ
て、サイン情報として、ゼロ(または1)の値が偏って
(集中して)存在している場合などに、符号化効率を高
めることができる。
【0105】請求項27に記載の発明は、請求項6に記
載の信号処理システムにおいて、周波数分解手段(9)
の出力である係数Aを量子化して係数Bとして出力する
量子化手段(10)を有し、係数Bを周波数成分記憶手
段(2)に記憶する構成とする。
【0106】上記した構成により、係数Aを量子化する
ことにより、更に符号量を削減することができる。
【0107】請求項28に記載の発明は、請求項6、ま
たは請求項7に記載の信号処理システムにおいて、基本
符号化手段(1) が請求項1、または請求項2、また
は請求項3、または請求項4、または請求項5、または
請求項9、または請求項10、または請求項11、また
は請求項12、または請求項13、または請求項14、
または請求項15、または請求項16、または請求項1
7、または請求項18、または請求項19、または請求
項20、または請求項21、または請求項22、または
請求項23、または請求項24、または請求項25、ま
たは請求項26、または請求項27、に記載のものと同
じ構成であることを特徴とする。
【0108】上記した構成により、請求項1、または請
求項2、または請求項3、または請求項4、または請求
項5、または請求項9、または請求項10、または請求
項11、または請求項12、または請求項13、または
請求項14、または請求項15、または請求項16、ま
たは請求項17、または請求項18、または請求項1
9、または請求項20、または請求項21、または請求
項22、または請求項23、または請求項24または請
求項25、または請求項26、または請求項27の構成
のものに、更に請求項6に記載の隣接サンプル差分値を
得ることによる符号量の削減効果や、請求項7に記載の
構成で、最小の符号量で無損失圧縮を可能とする効果が
得られる。
【0109】
【発明の実施の形態】<第1の実施の形態>以下に、上
記従来の信号処理システムの 第1の課題 を解決する
ための、本発明の 第1の実施の形態 について説明す
る。
【0110】上記従来の信号処理システムの 第1の課
題 は、固定スキャン順テーブル(図81の450)に
予め記憶されている固定のジグザグスキャンのスキャン
順の値に従って、2次元の状態のデータを1次元に並べ
ること(図82のS004)が、必ずしも有効な圧縮手
段ではないということである。この本発明の第1の実施
の形態では、それぞれ入力信号(この例では画像デー
タ)に適したオリジナルのスキャン順テーブルを作成
し、このオリジナルのスキャン順テーブルを用いて圧縮
符号化を行うことで、上記従来の信号処理システムの第
1の課題 を解決するものである。
【0111】図1に、本発明の第1の実施の形態の信号
処理システム(圧縮符号化側)の構成を示す。図1にお
いて、9は、入力信号である画像データを複数の周波数
成分に分解する周波数分解手段で、10は、周波数分解
後のデータ(以下、係数Aと呼ぶ)を量子化する量子化
手段 で、1は、係数Aの量子化後のデータ(以下、係
数Bと呼ぶ)を入力とし、圧縮符号化データを出力する
基本符号化手段 で、基本符号化手段(1) の内部
の、2は、係数Aの量子化後のデータ(係数B)を記憶
する周波数成分記憶手段 で、3は、周波数成分記憶手
段(2)にアドレス信号Dを与え、記憶されている係数
Bを読み出す係数読み出し制御手段 で、4は、係数B
を入力とし、周波数成分記憶手段(2)に記憶されてい
る係数A(または係数B)を読み出すための 読み出し
制御情報C を生成する読み出し制御情報生成手段
で、5は、周波数成分記憶手段(2)から読み出される
係数Bを符号化する係数符号化手段 で、読み出し制御
情報生成手段(4)の内部において、401は、入力さ
れる係数Bより周波数成分記憶手段(2)の中の各周波
数成分のスキャン順を決定するスキャン順決定手段
で、402は、スキャン順決定手段(401)により決
定されたスキャン順の情報(以下、スキャン順情報E)
を記憶するスキャン順テーブル で、403は、スキャ
ン順情報E を符号化するスキャン順情報符号化手段
で、スキャン順決定手段(401)の内部において、4
10は、係数A(または係数B)に関して、各周波数成
分ごとのゼロ係数(または非ゼロ係数)の個数を集計す
るゼロ係数カウント手段 で、411は、ゼロ係数カウ
ント手段(410)で集計した各周波数成分ごとのゼロ
係数の個数を比較して、ゼロ係数の個数が少ない(また
は非ゼロ係数の個数が多い)周波数成分のスキャン順を
優先的に順位付けする優先順位決定手段 で、スキャン
順情報Eを、読み出し制御情報Cとして用い、係数読み
出し制御手段(3)において、読み出し制御情報Cをも
とに、アドレス信号Dを生成する構成をとる。
【0112】以下の説明では、例として周波数分解手段
(9)は、DCTを行うものとし、係数符号化手段
(5)は、ハフマン符号化を行うものとする。
【0113】以下、本発明の第1の実施の形態の信号処
理システム(圧縮符号化側)の動作について図2と図3
を用いて説明する。まず、これから圧縮符号化を行う対
象の原画像フレームに適したオリジナルのスキャン順テ
ーブルを作成するための処理を行う。
【0114】<入力>まず、はじめに、1フレーム分の
原画像データのうち、1ブロック分(8画素×8画素)
のデータ(原画像ブロック)を入力する(図2のS00
1)。
【0115】<DCTおよび量子化>次に、周波数分解
手段(図1の9)において、入力された原画像ブロック
に対して、数1のようなDCT演算を施し(図2のS0
02、図3のS100)、量子化手段(図1の10)に
おいて、DCT後の各係数(DCTブロック)を量子化
する(図2のS003、図3のS101)。そして、量
子化後のDCTブロックを周波数成分記憶手段(図1の
2)に記憶する(図2のS004、図3のS102)。
なお、ここでは例として、どの係数も、一律 量子化ス
テップとして1を適用して量子化する。このDCTと量
子化の処理は、先に述べた従来の信号処理システムと同
じである。
【0116】<ゼロ係数の個数の集計>ここで、ゼロ係
数カウント手段(図1の410)では、量子化後のDC
Tブロックの各成分ごとに対応したゼロ係数カウンタを
持ち、各成分の係数がゼロである場合は、ゼロ係数カウ
ンタをインクリメントして、各成分ごとのゼロ係数の個
数を集計(カウント)する(図2のS005、図3のS
103)。例えば、図4と図5に示すように、DCTブ
ロック2とDCTブロック3の2つのDCTブロックが
あるとする。これらのDCTブロックの中で、座標
(n,m)の各AC成分の係数のゼロの個数をカウント
する。DCTブロック2における座標(1、0)の係数
は、5(非ゼロ) であり、座標(1、0)の ゼロの
個数は、0個 である。DCTブロック3における座標
(1、0)の係数も、DCTブロック2と同じく 5
(非ゼロ)であり、DCTブロック2とDCTブロック
3の座標(1、0)のゼロの個数は合計で 0個であ
る。このように、DCTブロック2とDCTブロック3
の各座標(n,m)のゼロの個数をカウントした結果
は、図6のようになる。
【0117】上記の一連の処理(図2のS001とS0
02とS003とS004とS005、図3のS100
とS101とS102とS103)を全ての原画像ブロ
ックに対して終了したかを判定し(図2のS006)、
全ての原画像ブロックの処理が終了するまで繰り返す。
【0118】<スキャン順テーブルの作成>例えば、全
ての原画像ブロックが、図4と図5に示すDCTブロッ
ク2とDCTブロック3の2個だけだったとする。その
場合、各座標(n,m)のゼロの個数をカウントした結
果(すなわち、図1のゼロ係数カウント手段(410)
の数値)は、図6のようになる。このゼロ係数カウント
手段(図1の410)の値(図6)に対して、優先順位
決定手段(図1の411)によって、ゼロの個数が少な
い座標の係数からサンプリングするようなスキャン順を
決定し、スキャン順テーブル(図1の402)に記憶す
る(図2のS007)。この場合の、スキャン順テーブ
ルは図7のようになる。なお、ゼロの個数が同じである
周波数成分がいくつも存在するが、その場合の優先順位
の決め方は限定されないものとする。
【0119】次に、スキャン順テーブル(図1の40
2)に記憶されているスキャン順の情報(例えば、座標
値)を、スキャン順情報符号化手段(図1の403)に
よって、符号化して出力信号として出力する(図2のS
008)。ここで行うスキャン順情報の符号化は、単に
座標値を2進数表現した値を出力しても良いし、あるい
は、画像データや音声データでは、低周波成分には非ゼ
ロ係数が出現しにくいため、低周波成分に近い座標値ほ
ど短い符号となるような可変長符号として出力するなど
の方法を用いても良い。
【0120】<スキャンの実行および符号化>次に、作
成したスキャン順テーブル(図1の402)に記憶され
ているスキャン順に従って、読み出し制御手段(図1の
3)で、周波数成分記憶手段(図1の2)のアドレス信
号Dを生成し、周波数成分記憶手段(図1の2)から、
量子化後のDCTブロックの各係数を最後の非ゼロ係数
まで読み出す(図2のS009)。例として、図7に示
すスキャン順テーブルを用いて、DCTブロック2とD
CTブロック3をスキャンした状態を、それぞれ図8
と、図9に示す。この結果、DCTブロック2(図8)
は、ゼロ係数が1個、その他の非ゼロ係数は合計13個
で、表1のようになり、DCTブロック3(図9)は、
ゼロ係数が2個、その他の非ゼロ係数は合計13個であ
り、表2のようになる。これらに対して、係数符号化手
段(図1の5)で、符号化を行う(図2のS010)。
この処理を全てのDCTブロックに対して行う(図2の
S009、S010、S011)。このときの、符号化
方法は、従来のハフマン符号を適用しても良いし、統計
処理を行った後に、最適の符号を導いてから符号化を行
っても良い。
【0121】
【表5】
【0122】
【表6】
【0123】ここで、数3に従って、情報量(EOBを
除く)を計算すると、DCTブロック2(図8)が、約
33.8[ bit ]、DCTブロック3(図9)
が、約37.1[ bit ]となり上記従来の第1の
課題で示した固定スキャンテーブル(図81の450)
のジグザグスキャン順でスキャンした例では、DCTブ
ロック2(図90)、DCTブロック3(図91)の情
報量は、どちらも、約56.5[ bit ]であっ
た。よって、本実施の形態(本発明の第1の実施の形
態)では、上記に示すような構成で、各座標(n,m)
の ゼロ係数の個数 をカウントし、ゼロ係数が少ない
位置の係数からスキャンすることで、情報量を削減でき
る。
【0124】なお、本実施の形態(本発明の第1の実施
の形態)では、スキャン順の情報(例えば、座標値)
を、スキャン順情報符号化手段(図1の403)によっ
て、符号化して出力信号として出力する(図2のS00
8)ため、この分の情報量がオーバーヘッドになるが、
このオーバーヘッドに対して、各DCTブロックから削
減できた情報量の方が多ければ良く、1フレーム全体で
多くのDCTブロックが存在するような場合(例えば5
400個のDCTブロックが存在)は、オーバーヘッド
は、1ブロックあたりの平均では、十分無視できるほど
小さなものとなり得る。
【0125】<第2の実施の形態>次に、上記従来の信
号処理システムの 第1の課題 を解決するための、本
発明の 第2の実施の形態 について説明する。
【0126】本発明の第1の実施の形態では、周波数分
解して量子化後のDCTブロックの各座標(n,m)の
「 ゼロ係数の個数 」をカウントし、ゼロ係数が少な
い座標の係数からスキャンすることで、情報量を削減し
たが、以下に説明する本発明の第2の実施の形態におい
ては、周波数分解して量子化後のDCTブロックの各座
標(n,m)ごとの「 係数の強度 」を求め、強度の
値が大きい座標の係数からスキャンすることにより、本
発明の第1の実施の形態以上の情報量の削減を可能とす
るものである。
【0127】なお、本実施の形態で用いる、「 係数の
強度 」とは、その周波数成分のエネルギーの強さを意
味し、例えば、座標(n,m)の係数の絶対値(または
係数の2乗値)であったり、複数のDCTブロックにお
ける同一座標(n,m)の係数の絶対値(または係数の
2乗値)の和であったり、あるいは、複数のDCTブロ
ックにおける同一座標(n,m)の係数の絶対値(また
は係数の2乗値)の個数であったりする。以下では、例
として係数の強度を、複数のDCTブロックにおける同
一座標(n,m)の係数の絶対値の和として説明を行
う。
【0128】図10に、本発明の第2の実施の形態の信
号処理システム(圧縮符号化側)の構成を示す。図10
において、9は、周波数分解手段で、10は、量子化手
段 で、1は、基本符号化手段 で、基本符号化手段
(1) の内部の、2は、周波数成分記憶手段 で、3
は、係数読み出し制御手段 で、4は、読み出し制御情
報生成手段 で、読み出し制御情報生成手段(4)の内
部において、401は、スキャン順決定手段 で、40
2は、スキャン順テーブル で、403は、スキャン順
情報符号化手段 で、スキャン順情報Eを、読み出し制
御情報Cとして用い、係数読み出し制御手段(3)にお
いて、読み出し制御情報Cをもとに、アドレス信号Dを
生成する構成をとる。以上は、先に述べた本発明の第1
の実施の形態と同様の働きをする。本発明の第1の実施
の形態と異なる点は、スキャン順決定手段(401)の
内部において、係数A(または係数B)に関して、各周
波数成分ごとの係数の強度を求める係数強度演算手段
(412) と、優先順位決定手段(411)を有し
て、優先順位決定手段(411)で、少なくとも各周波
数成分ごとの係数の強度の値を入力として、各周波数成
分ごとの係数の強度の値を比較して、係数の強度の値が
大きい周波数成分のスキャン順を優先的に順位付けする
ことと、係数符号化手段(5) において、係数を複数
のグループに分けて、グループごとに符号化処理を行う
点である。
【0129】以下の説明では、例として周波数分解手段
(9)は、DCTを行うものとし、係数符号化手段
(5)は、ハフマン符号化を行うものとする。
【0130】以下、本発明の第2の実施の形態の信号処
理システム(圧縮符号化側)の動作について図11を用
いて説明する。まず、これから圧縮符号化を行う対象の
原画像フレームに適したオリジナルスキャンテーブルを
作成するための処理を行う。
【0131】<入力>まず、はじめに、1フレーム分の
原画像データのうち、1ブロック分(8画素×8画素)
のデータ(原画像ブロック)を入力する(図11のS0
01)。
【0132】<DCTおよび量子化>次に、周波数分解
手段(図10の9)において、入力された原画像ブロッ
クに対して、数1のようなDCT演算を施し(図11の
S002)、量子化手段(図10の10)において、D
CT後の各係数(DCTブロック)を量子化する(図1
1のS003)。そして、量子化後のDCTブロックを
周波数成分記憶手段(図10の2)に記憶する(図11
のS004)。なお、ここでは例として、どの係数も、
一律 量子化ステップとして1を適用して量子化する。
このDCTと量子化の処理は、先に述べた従来の信号処
理システムと同じである。
【0133】<強度の演算>次に、係数強度演算手段
(図10の412)では、量子化後のDCTブロックの
各成分ごとに対応した係数の強度を演算する(図11の
S005)。先に述べたように、本実施の形態(本発明
の第2の実施の形態)では、例として、係数の強度を、
複数のDCTブロックにおける同一座標(n,m)の係
数の絶対値の和とする。例えば、図4と図5に示すよう
に、DCTブロック2とDCTブロック3の2つのDC
Tブロックがあるとする。これらのDCTブロックは本
発明の第1の実施の形態での説明で用いたものと同じも
のである。これらのDCTブロックの中で、座標(n,
m)の各AC成分の係数の強度を演算する。( すなわ
ち、同一座標(n,m)の係数の絶対値の和を得る。)
DCTブロック2(図4)における座標(1、0)の係
数の絶対値は、 5 で、DCTブロック3(図5)に
おける座標(1、0)の係数の絶対値は、 5で、DC
Tブロック2(図4)とDCTブロック3(図5)の座
標(1、0)の係数の絶対値の和 は、 10 であ
る。このようにして得られるDCTブロック2(図4)
とDCTブロック3(図5)の各座標(n,m)の強度
の値(係数の絶対値の和)は、図12のようになる。
【0134】上記の一連の処理(図11のS001とS
002とS003とS004とS005)を全ての原画
像ブロックに対して終了したかを判定し(図11のS0
06)、全ての原画像ブロックの処理が終了するまで繰
り返す。
【0135】<スキャン順テーブルの作成>例えば、全
ての原画像ブロックが、図4と図5に示すDCTブロッ
ク2とDCTブロック3の2つだけだったとする。その
場合、各座標(n,m)の係数の強度は、図12のよう
になる。この係数の強度の値(図12)に対して、優先
順位決定手段(図10の411)によって、強度の値
(係数の絶対値の和)が大きい係数から優先的にサンプ
リングするようなスキャン順を決定し、スキャン順テー
ブル(図10の402)に記憶する(図11のS00
7)。この場合の、スキャン順テーブルは図13のよう
になる。
【0136】ここで、スキャン順テーブル(図10の4
02)に記憶されているスキャン順の情報(例えば、座
標値)を、スキャン順情報符号化手段(図10の40
3)によって、符号化して出力信号として出力する(図
11のS008)。ここで行うスキャン順情報の符号化
は、単に座標値を2進数表現した値を出力しても良い
し、あるいは、画像データや音声データでは、低周波成
分には非ゼロ係数が出現しにくいため、低周波成分に近
い座標値ほど短い符号となるような可変長符号として出
力するなどの方法を用いても良い。
【0137】<スキャンの実行および符号化>次に、作
成したスキャン順テーブル(図10の402)に記憶さ
れているスキャン順に従って、読み出し制御手段(図1
0の3)で、周波数成分記憶手段(図10の2)のアド
レス信号Dを生成し、周波数成分記憶手段(図10の
2)から、量子化後のDCTブロックの各係数を最後の
非ゼロ係数まで読み出す(図11のS009)。例とし
て、図13に示すスキャン順テーブルを用いて、DCT
ブロック2とDCTブロック3をスキャンした状態を、
それぞれ図14と、図15に示す。この結果、DCTブ
ロック2(図14)は、ゼロ係数が1個、その他の非ゼ
ロ係数は合計13個で、表1のようになり、DCTブロ
ック3(図15)は、ゼロ係数が2個、その他の非ゼロ
係数は合計13個であり、表2のようになる。この表1
と表2に示す集計結果は、本発明の第1の実施の形態で
の結果と同じになるが、本実施の形態(本発明の第2の
実施の形態)では、このまま符号化を行うのではなく、
係数符号化手段(図10の5)で、スキャン順で1次元
に並べた係数を複数のグループにグループ分けして、各
グループごとに符号化を行う(図11のS010)。D
CTブロック2(図14)を上記で求めたスキャン順で
1次元に並べると、「5,4,3,4,3,3,2,
1,2,2,0,1,1,1 」となる。これらを、
「 上グループ 」と「 下グループ 」にグループ分
けを行う。例えば、上から6個までを「 上グループ
」とし、それ以後を「 下グループ」にすると、「
上グループ 」は、「 5,4,3,4,3,3 」、
「 下グループ 」は、 「 2,1,2,2,0,
1,1,1 」となる。「 上グループ 」の集計結果
を表3に、「 下グループ 」の集計結果を表4に示
す。
【0138】
【表7】
【0139】
【表8】
【0140】各グループごとに数3に従って、情報量
(EOBを除く)を求めると「 上グループ 」は「
約8.8[ bit ] 」、「 下グループ 」は
「 約11.2[ bit ] 」で、これらを合計し
てDCTブロック2(図14)全体での情報量を求める
と、「 約20.0[ bit ] 」となる。これ
は、上記従来の第1の課題で説明した図90の例( 約
56.5[ bit] )と、本発明の第1の実施の形
態で説明した図8の例( 約33.8[bit ] )
の いずれよりも、良い結果となる。その理由は、グル
ープ分けを行わない場合だと、状態数が5状態(係数の
値が0と1と2と3と4と5の5状態)であるのに対し
て、「 上グループ 」と「 下グループ 」にグルー
プ分けすることによって、「上グループ 」には「 大
きな値が集中 」して、「 下グループ 」には「小さ
い値が集中 」することにより、各グループにおいて、
それぞれのグループ内での状態数( 「 上グループ
」では、係数の値が3と4と5の 3状態。「 下グ
ループ 」では、係数の値が0と1と2の 3状態。)
を削減することができるからである。
【0141】以上の処理(図11のS009、S01
0、S011)を全てのDCTブロックに対して行う。
このときの、符号化方法は、従来のハフマン符号を適用
しても良いし、統計処理を行った後に、最適の符号を導
いてから符号化を行っても良い。
【0142】以上のように、本実施の形態(本発明の第
2の実施の形態)では、上記の構成で、各座標(n,
m)の「 係数の強度 」を演算し、強度の値が大きい
座標の係数から優先的にスキャンすることで、情報量を
削減できる。
【0143】なお、上記の構成に限らず、係数強度演算
手段(図10の412)だけでなく、本発明の第1の実
施の形態 で示したゼロ係数カウント手段(図1の41
0)を備え、「 係数の強度 」と、「 ゼロ係数の個
数 」の両方を用いてスキャン順を決定しても良い。例
えば、「 係数の強度 」が同じになる周波数成分が複
数存在する場合に、「 ゼロ係数の個数 」が少ない周
波数成分を優先的なスキャン順とするような方法を取っ
ても良い。
【0144】なお、本実施の形態(本発明の第2の実施
の形態)では、スキャン順の情報(例えば、座標値)
を、スキャン順情報符号化手段(図10の403)によ
って、符号化して出力信号として出力する(図11のS
008)ため、この分の情報量がオーバーヘッドになる
が、このオーバーヘッドに対して、各DCTブロックか
ら削減できた情報量の方が多ければ良く、1フレーム全
体で多くのDCTブロックが存在するような場合(例え
ば5400個のDCTブロックが存在)は、オーバーヘ
ッドは、1ブロックあたりの平均では、十分無視できる
ほど小さなものとなり得る。
【0145】<第3の実施の形態>次に、上記従来の信
号処理システムの 第1の課題 を解決するための、本
発明の 第3の実施の形態 について説明する。
【0146】本発明の第1の実施の形態では、周波数分
解して量子化後のDCTブロックの各座標(n,m)の
「 ゼロ係数の個数 」をカウントし、ゼロ係数が少な
い座標の係数から優先的にスキャンすることで、情報量
を削減し、本発明の第2の実施の形態では、周波数分解
して量子化後のDCTブロックの各座標(n,m)ごと
の「 係数の強度 」を求め、強度の値が大きい座標の
係数から優先的にスキャンすることにより、情報量を削
減した。上記の本発明の第1、第2の実施の形態に前処
理として、係数分布の判定処理を加えることでより実用
的とすることができる。本発明の第3の実施の形態で
は、例として、本発明の第2の実施の形態に前処理とし
て、係数分布の判定処理を加えることでより実用的とな
ることを説明する。
【0147】図16に、本発明の第3の実施の形態の信
号処理システム(圧縮符号化側)の構成を示す。図16
において、9は、周波数分解手段で、10は、量子化手
段 で、1は、基本符号化手段 で、基本符号化手段
(1) の内部の、2は、周波数成分記憶手段 で、3
は、係数読み出し制御手段 で、4は、読み出し制御情
報生成手段 で、読み出し制御情報生成手段(4)の内
部において、401は、スキャン順決定手段 で、40
2は、スキャン順テーブル で、403は、スキャン順
情報符号化手段 で、スキャン順情報Eを、読み出し制
御情報Cとして用い、係数読み出し制御手段(3)にお
いて、読み出し制御情報Cをもとに、アドレス信号Dを
生成し、また、スキャン順決定手段(401)の内部の
412は、係数強度演算手段 で、411は、優先順位
決定手段 で、以上は、基本的に先に述べた本発明の第
2の実施の形態と同様の働きをする。本発明の第2の実
施の形態と異なる点は、読み出し制御情報生成手段
(4)の内部に、係数A(または係数B)の値から、ど
の周波数成分にエネルギーが偏っているかを判定して、
偏り状況を示す情報(以下、係数分布情報)を出力する
係数分布判定手段(407) と、係数分布情報を記憶
する係数分布情報記憶手段(408) と、係数分布情
報を符号化する係数分布情報符号化手段(409)を有
し、スキャン順決定手段(401)において、係数分布
情報ごとにスキャン順を決定し、スキャン順テーブル
(402)において、係数分布情報ごとのスキャン順情
報Eを記憶する構成としている点である。
【0148】以下の説明では、例として周波数分解手段
(9)は、DCTを行うものとし、係数符号化手段
(5)は、ハフマン符号化を行うものとする。
【0149】以下、本発明の第3の実施の形態の信号処
理システム(圧縮符号化側)の動作について図17を用
いて説明する。
【0150】<入力>まず、はじめに、1フレーム分の
原画像データのうち、1ブロック分(8画素×8画素)
のデータ(原画像ブロック)を入力する(図17のS0
01)。
【0151】<DCTおよび量子化>次に、周波数分解
手段(図16の9)において、入力された原画像ブロッ
クに対して、数1のようなDCT演算を施し(図17の
S002)、量子化手段(図16の10)においてDC
T後の各係数(DCTブロック)を量子化する(図17
のS003)。そして、量子化後のDCTブロックを周
波数成分記憶手段(図16の2)に記憶する(図17の
S004)。なお、ここでは例として、どの係数も、一
律 量子化ステップとして1を適用して量子化する。
このDCTと量子化の処理は、先に述べた従来の信号処
理システムと同じである。以上の処理(図17のS00
1とS002とS003とS004)は、本発明の第2
の実施の形態と同様であるが、以下の処理が異なる。
【0152】<係数分布の判定>ここで、係数分布判定
手段(図16の407)では、量子化後の各DCTブロ
ックが、どの周波数成分にエネルギーが偏っているかを
判定して、偏り状況を示す情報(以下、係数分布情報)
を出力して、係数分布情報を係数分布情報記憶手段(図
16の408)に記憶する(図17のS005)。この
係数分布判定の処理は、注目しているDCTブロック
が、例えば、図18に示すような、領域Aと領域Bのど
ちらに、エネルギーが偏っているか(係数が分布してい
るか)を判定するものである。具体的には、注目してい
るDCTブロックの中で、領域Aの係数の絶対値(また
は2乗値)の和と、領域Bの係数の絶対値(または2乗
値)の和を計算し、係数の絶対値(または2乗値)の和
が大きい方の領域にエネルギーが偏っている(係数が分
布している)と判定する。( ただし、これは例であ
り、必ずしも領域Aおよび領域Bの全ての係数を使う必
要はなく、代表的ないくつかの係数の絶対値(または2
乗値)の和で判定しても良い。) 例えば、図4に示すDCTブロック2の場合だと、領域
Aの係数の絶対値の和が25で、領域Bの係数の絶対値
の和が 3であり、このDCTブロック2(図4)の場
合は、領域Aにエネルギーが偏っている(係数が分布し
ている)と判定し、このようなDCTブロックを係数分
布グループAとして分類する。( もし、領域Bにエネ
ルギーが偏っている(係数が分布している)場合は、D
CTブロックを係数分布グループBとして分類する。
) このようにグループ分けを行う。注目しているDCTブ
ロックを どちらのグループにグループ分けしたかを識
別するために、各DCTブロックごとに1[ bit
]の係数分布情報を準備する。例えば、係数分布グル
ープAの場合は、係数分布情報をゼロ(1[ bit
])とし、係数分布グループBの場合は、係数分布情
報を1(1[ bit ])とする。これらの係数分布
情報は、係数分布情報記憶手段(図16の408)に記
憶される。このような係数分布グループのグループ分け
を前処理として行った後に、係数分布グループごとのス
キャン順テーブルを作成するために、以下の処理を行
う。なお、以下の処理は、本発明の第1の実施の形態
と、第2の実施の形態といずれの処理を行っても良い
が、以下では例として、第2の実施の形態と同様の処理
(強度の演算など)を行うものとする。なお、上記の例
では係数分布の判定を、直接DCTブロックの係数を用
いて行ったが、周波数分解を行う前の入力信号(原画像
データ)の輪郭形状から、DCTブロックの係数分布を
推定するような手法を用いても良く、例えば、周波数分
解を行う前の入力信号(原画像データ)に対して、水平
方向の画素の差分を計算し、差分(の絶対値)が大きい
場合は、このDCTブロックは係数分布グループAに分
類し、垂直方向の画素の差分を計算し、差分(の絶対
値)が大きい場合は、このDCTブロックは係数分布グ
ループBに分類しても、上記の例のように、直接DCT
ブロックの係数から係数分布の判定を行った場合と お
よそ同様な判定結果を得ることができる。
【0153】<強度の演算>次に、係数強度演算手段
(図16の412)では、量子化後のDCTブロックの
各成分ごとに対応した係数の強度を演算する(図17の
S006)。本発明の第2の実施の形態と異なる点は、
係数分布グループごとのスキャン順テーブルを作成する
ために、係数分布判定手段(図16の407)から、係
数分布情報を得て、係数分布グループA用の強度の演算
と、係数分布グループB用の強度の演算を別々に行う。
【0154】上記の一連の処理(図17のS001とS
002とS003とS004とS005とS006)を
全ての原画像ブロックに対して終了したかを判定し(図
17のS007)、全ての原画像ブロックの処理が終了
するまで繰り返す。
【0155】<係数分布情報の符号化>次に、係数分布
情報符号化手段(図16の409)によって、各DCT
ブロックに対応する係数分布情報の符号化を行う(図1
7のS008)。もし、1フレーム全体で5400個の
DCTブロックが存在する場合、係数分布情報記憶手段
(図16の408)に記憶されている係数分布情報は、
5400[bit ]存在する。この情報をそのまま非
圧縮で符号化しても良いし、あるいは、2値信号として
ハフマン符号化や算術符号化などの圧縮符号化を行って
も良い。係数分布情報は、(非圧縮の場合)1個のDC
Tブロックに対して1[ bit]あり、これがオーバ
ーヘッドになるが、例えば、1個のDCTブロックあた
りで、1[ bit ]以上の情報量の削減ができれ
ば、このオーバーヘッドは問題とならない。むしろ、入
力信号である画像データ(または音声データ)は例え
ば、係数分布グループAのDCTブロックばかりで構成
されているとは限らないため、係数分布グループのグル
ープ分けを行って、それぞのグループごとのスキャン順
テーブルを作成し、以後の処理で、各DCTブロック
は、適するスキャン順テーブルを用いてスキャンした後
に符号化されることで、情報量を削減することが可能に
なる。
【0156】<スキャン順テーブルの作成>次に、係数
分布グループごとのスキャン順テーブルを作成する。す
でに、係数分布グループごと(上記の例では、係数分布
グループAと、係数分布グループB)の係数の強度の演
算が終了している(図17のS006)。優先順位決定
手段(図16の411)によって、強度の値(係数の絶
対値の和)が大きい係数からサンプリングするような
(係数分布グループごとの)スキャン順を決定し、スキ
ャン順テーブル(図16の402)に記憶する(図17
のS009)。すなわち、この例では、係数分布グルー
プA用のスキャン順テーブルと、係数分布グループB用
のスキャン順テーブルが作成されることになる。ここ
で、スキャン順テーブル(図16の402)に記憶され
ているスキャン順の情報(例えば、座標値)を、スキャ
ン順情報符号化手段(図16の403)によって、符号
化して出力信号として出力する(図17のS010)。
ここで行うスキャン順情報の符号化は、単に座標値を2
進数表現した値を出力しても良いし、あるいは、画像デ
ータや音声データでは、低周波成分には非ゼロ係数が出
現しにくいため、低周波成分に近い座標値ほど短い符号
となるような可変長符号として出力するなどの方法を用
いても良い。
【0157】<スキャンの実行および符号化>次に、量
子化後の各DCTブロックが係数分布グループAなのか
係数分布グループBなのかによって、係数分布グループ
A用のスキャン順テーブルと、係数分布グループB用の
スキャン順テーブルの、いずれかを選択し(図17のS
011)、スキャン順に従って、読み出し制御手段(図
16の3)で、周波数成分記憶手段(図16の2)のア
ドレス信号Dを生成し、周波数成分記憶手段(図16の
2)から、量子化後のDCTブロックの各係数を最後の
非ゼロ係数まで読み出す(図17のS012)。そし
て、係数符号化手段(図16の5)で、スキャン順で1
次元に並べた係数を符号化する(図17のS013)。
【0158】以上の処理(図17のS011、S01
2、S013、S014)を全てのDCTブロックに対
して行う。このときの、符号化方法は、従来のハフマン
符号を適用しても良いし、統計処理を行った後に、最適
の符号を導いてから符号化を行っても良い。
【0159】以上のように、本実施の形態(本発明の第
3の実施の形態)では、上記の構成にすることで、入力
信号である画像データ(または音声データ)が、係数分
布グループAのDCTブロックばかりで構成されている
とは限らないような状態でも、係数分布グループのグル
ープ分けを行って、それぞのグループごとのスキャン順
テーブルを作成し、以後の処理で、各DCTブロック
は、適するスキャン順テーブルを用いてスキャンした後
に符号化することで、それぞれのDCTブロックが過剰
にゼロ係数をサンプリングしてしまうことを防ぐことが
でき、情報量を削減することが可能になる。
【0160】なお、係数分布グループのグループ分け
は、図18の領域Aと領域Bのような形状に限ることは
なく、様々な形状に分割して対応しても良い。
【0161】<第4の実施の形態>次に、上記従来の信
号処理システムの 第1の課題 を解決するための、本
発明の 第4の実施の形態 について説明する。
【0162】本発明の第1の実施の形態では、周波数分
解して量子化後のDCTブロックの各座標(n,m)の
「 ゼロ係数の個数 」をカウントし、ゼロ係数が少な
い座標の係数から優先的にスキャンすることで、情報量
を削減し、本発明の第2の実施の形態では、周波数分解
して量子化後のDCTブロックの各座標(n,m)ごと
の「 係数の強度 」を求め、強度の値が大きい座標の
係数から優先的にスキャンすることにより、情報量を削
減した。本発明の第3の実施の形態では、本発明の第
1、及び第2の実施の形態に前処理として、係数分布の
判定処理を加えることでより実用的となる例を示した。
上記の第1、第2、第3の実施の形態に、更に前処理と
して、複雑さグループに分類する処理を加えることで、
より効果的に情報量を削減できる。本発明の第4の実施
の形態では、例として、本発明の第2の実施の形態に前
処理として、複雑さグループに分類する処理を加えるこ
とでより効果的に情報量を削減できることを説明する。
【0163】図19に、本発明の第4の実施の形態の信
号処理システム(圧縮符号化側)の構成を示す。図19
において、9は、周波数分解手段で、10は、量子化手
段 で、1は、基本符号化手段 で、基本符号化手段
(1) の内部の、2は、周波数成分記憶手段 で、3
は、係数読み出し制御手段 で、4は、読み出し制御情
報生成手段 で、読み出し制御情報生成手段(4)の内
部において、401は、スキャン順決定手段 で、40
2は、スキャン順テーブル で、403は、スキャン順
情報符号化手段 で、スキャン順情報Eを、読み出し制
御情報Cとして用い、係数読み出し制御手段(3)にお
いて、読み出し制御情報Cをもとに、アドレス信号Dを
生成し、また、スキャン順決定手段(401)の内部の
412は、係数強度演算手段 で、411は、優先順位
決定手段 で、以上は、基本的に先に述べた本発明の第
2の実施の形態と同様の働きをする。本発明の第2の実
施の形態と異なる点は、画像データ(または音声デー
タ)の「 複雑さ 」を演算して、複雑さ情報Fを出力
する複雑さ判定手段(40)を有し、読み出し制御情報
生成手段(4)に、画像データ(または音声データ)の
複雑さ情報Fを入力する構成とし、読み出し制御情報
生成手段(4)の内部において、入力される 複雑さ情
報F より周波数成分記憶手段(2)の中の各周波数成
分を複数の 複雑さグループ に分類する複雑さグルー
プ分類手段(404) と、複雑さグループ分類手段
(404)により分類された 複雑さグループ情報Gを
記憶する複雑さグループ情報記憶手段(405) と、
複雑さグループ情報G を符号化する複雑さグループ情
報符号化手段(406)を有し、少なくとも複雑さグル
ープ情報Gを、読み出し制御情報Cとして用い、係数読
み出し制御手段(3)において、少なくとも読み出し制
御情報Cをもとに、アドレス信号Dを生成する構成とし
ている点である。
【0164】以下の説明では、例として周波数分解手段
(9)は、DCTを行うものとし、係数符号化手段
(5)は、ハフマン符号化を行うものとする。
【0165】以下、本発明の第4の実施の形態の信号処
理システム(圧縮符号化側)の動作について図20を用
いて説明する。
【0166】<入力>まず、はじめに、1フレーム分の
原画像データのうち、1ブロック分(8画素×8画素)
のデータ(原画像ブロック)を入力する(図20のS0
01)。
【0167】<DCTおよび量子化>次に、周波数分解
手段(図19の9)において、入力された原画像ブロッ
クに対して、数1のようなDCT演算を施し(図20の
S002)、量子化手段(図19の10)において、D
CT後の各係数(DCTブロック)を量子化する(図2
0のS003)。そして、量子化後のDCTブロックを
周波数成分記憶手段(図19の2)に記憶する(図20
のS004)。なお、ここでは例として、どの係数も、
一律 量子化ステップとして1を適用して量子化する。
このDCTと量子化の処理は、先に述べた従来の信号処
理システムと同じである。
【0168】以上の処理(図20のS001とS002
とS003とS004)は、本発明の第2の実施の形態
と同様であるが、以下の処理が異なる。
【0169】<複雑さグループの分類>ここで、複雑さ
判定手段(図19の40)で、周波数成分記憶手段(図
19の2)に記憶されている量子化後のDCTブロック
のAC成分の各係数の絶対値の和を求め、この値を 複
雑さ情報F として出力する。複雑さグループ分類手段
(図19の404)では、入力される 複雑さ情報Fに
より、量子化後の各DCTブロックを、複数の 複雑さ
グループ に分類して、複雑さグループ情報Gを出力し
て、複雑さグループ情報Gを複雑さグループ情報記憶手
段(図19の405)に記憶する(図20のS00
5)。上記の複雑さ判定手段(図19の40)では、例
として、周波数成分記憶手段(図19の2)に記憶され
ている量子化後のDCTブロックのAC成分の各係数の
絶対値の和の値を 複雑さ情報F としたが、そもそも
複雑さ情報Fとは、注目している原画像ブロック(ある
いは、DCTブロック)の「 複雑さ 」を意味する情
報であり、原画像ブロックの各画素の輝度(あるいは
色)が被写体の輪郭(エッジ)などにより、大きく変化
する場合などは複雑である( 複雑さ が強い)とし、
もし、原画像ブロックの各画素の輝度(あるいは色)が
変化が小さい場合などは、単調である( 複雑さ が弱
い)とする。よって、複雑さ情報F は、例えば、原画
像ブロックの各画素値の2乗和aや、原画像ブロックの
各画素値の分散値bや、DCTブロック( または量子
化後のDCTブロック)の各係数の2乗和cや、DCT
ブロック( または量子化後のDCTブロック)の一部
の係数の絶対値d、あるいは全部の係数の絶対値和e
や、これら 2乗和aや、分散値bや、2乗和cや、絶
対値dや、絶対値和e、 の値を大きさ別にクラス分け
する場合の、そのクラスの番号(以下、クラスナンバ
ー)などで表現するようにしても良い。以上の、複雑さ
情報Fにより、量子化後の各DCTブロックを、複数の
複雑さグループ に分類する処理において、複雑さが
強いグループ(以下、複雑グループと呼ぶ) と 複雑
さが弱いグループ(以下、単調グループと呼ぶ)の2つ
のグループにグループ分けしたとする。その際、注目し
ているDCTブロックをどちらのグループにグループ分
けしたかを識別するために、各DCTブロックごとに1
[ bit ]の複雑さグループ情報Gを準備する。例
えば、単調グループの場合は、複雑さグループ情報Gを
ゼロ(1[ bit])とし、複雑グループの場合は、
複雑さグループ情報Gを1(1[ bit])とする。
これらの複雑さグループ情報Gは、複雑さグループ情報
記憶手段(図19の405)に記憶される。このような
複雑さグループのグループ分けを前処理として行った後
に、複雑さグループごとのスキャン順テーブルを作成す
るために以下の処理を行う。なお、以下の処理は、本発
明の第1の実施の形態、第2の実施の形態のいずれの処
理を行っても良いし、また、本発明の第3の実施の形態
の係数分布グループのグループ分けの処理と併用しても
良いが、以下では例として、第2の実施の形態と同様の
処理(強度の演算など)を行うものとする。なお、上記
の例では複雑さ情報Fを求める処理を、直接DCTブロ
ックの係数を用いて行ったが、周波数分解を行う前の入
力信号(画像データ)の原画像ブロックの各画素値の2
乗和aや、原画像ブロックの各画素値の分散値bや、D
CTブロック( または量子化後のDCTブロック)の
各係数の2乗和cや、DCTブロック( または量子化
後のDCTブロック)の一部の係数の絶対値d、あるい
は全部の係数の絶対値和eや、これら 2乗和aや、分
散値bや、2乗和cや、絶対値dや、絶対値和e、の値
を大きさ別にクラス分けする場合の、そのクラスの番号
(以下、クラスナンバー)を用いても良い。
【0170】<強度の演算>次に、係数強度演算手段
(図19の412)では、量子化後のDCTブロックの
各成分ごとに対応した係数の強度を演算する(図20の
S006)。本発明の第2の実施の形態と異なる点は、
複雑さグループごとのスキャン順テーブルを作成するた
めに、複雑さグループ分類手段(図19の404)か
ら、複雑さグループ情報Gを得て、複雑グループ用の強
度の演算と、単調グループ用の強度の演算を別々に行
う。
【0171】上記の一連の処理(図20のS001とS
002とS003とS004とS005とS006)を
全ての原画像ブロックに対して終了したかを判定し(図
20のS007)、全ての原画像ブロックの処理が終了
するまで繰り返す。
【0172】<複雑さグループ情報の符号化>次に、複
雑さグループ情報符号化手段(図19の406)によっ
て、各DCTブロックに対応する複雑さグループ情報G
の符号化を行う(図20のS008)。もし、1フレー
ム全体で5400個のDCTブロックが存在する場合、
複雑さグループ情報記憶手段(図19の405)に記憶
されている複雑さグループ情報Gは、5400[ bi
t ]存在する。この情報をそのまま非圧縮で符号化し
ても良いし、あるいは、2値信号としてハフマン符号化
や算術符号化などの圧縮符号化を行っても良い。複雑さ
グループ情報Gは、(非圧縮の場合)1個のDCTブロ
ックに対して1[bit ]あり、これがオーバーヘッ
ドになるが、1個のDCTブロックあたりで、1[ b
it ]以上の情報量の削減ができる場合は、このオー
バーヘッドは問題とならない。複数の複雑さグループに
分類した後に符号化を行うことで、オーバーヘッドが問
題とならないくらいに、符号化の効率が良くなることを
後に説明する。
【0173】<スキャン順テーブルの作成>次に、複雑
さグループごとのスキャン順テーブルを作成する。すで
に、複雑さグループごと(上記の例では、単調グループ
と、複雑グループ)の係数の強度の演算が終了している
(図20のS006)。優先順位決定手段(図19の4
11)によって、強度の値(係数の絶対値の和)が大き
い係数からサンプリングするような(複雑さグループご
との)スキャン順を決定し、スキャン順テーブル(図1
9の402)に記憶する(図20のS009)。すなわ
ち、この例では、単調グループ用のスキャン順テーブル
と、複雑グループ用のスキャン順テーブルが作成される
ことになる。次に、スキャン順テーブル(図19の40
2)に記憶されているスキャン順の情報(例えば、座標
値)を、スキャン順情報符号化手段(図19の403)
によって、符号化して出力信号として出力する(図20
のS010)。ここで行うスキャン順情報の符号化は、
単に座標値を2進数表現した値を出力しても良いし、あ
るいは、画像データや音声データでは、低周波成分には
非ゼロ係数が出現しにくいため、低周波成分に近い座標
値ほど短い符号となるような可変長符号として出力する
などの方法を用いても良い。
【0174】<スキャンの実行および符号化>次に、量
子化後の各DCTブロックが単調グループなのか複雑グ
ループなのかによって、単調グループ用のスキャン順テ
ーブルと複雑グループ用のスキャン順テーブルの、いず
れかを選択し(図20のS011)、スキャン順に従っ
て、読み出し制御手段(図19の3)で、周波数成分記
憶手段(図19の2)のアドレス信号Dを生成し、周波
数成分記憶手段(図19の2)から、量子化後のDCT
ブロックの各係数を最後の非ゼロ係数まで読み出す(図
20のS012)。そして、係数符号化手段(図19の
5)で、スキャン順で1次元に並べた係数を、複雑さグ
ループごとに符号化する(図20のS013)。
【0175】以上の処理(図20のS011、S01
2、S013、S014)を全てのDCTブロックに対
して行う。このときの、符号化方法は、従来のハフマン
符号を適用しても良いし、統計処理を行った後に、最適
の符号を導いてから符号化を行っても良い。
【0176】以上のように、複雑さグループごとにグル
ープ分けして、符号化を行うことのメリットを説明す
る。単調グループでは、AC成分の係数の絶対値として
小さい値が集中し、複雑グループでは、AC成分の係
数の絶対値として 大きい値が集中することで、各グル
ープの情報量を削減することができる。図21の例で
は、DCTブロック1、DCTブロック2、DCTブロ
ック3、DCTブロック4に対して、本発明の第2の実
施の形態と同様の方法でスキャンテーブルを作成し、図
13と同様の順番で処理を行うスキャンテーブルを用い
た場合、複雑さのグループ分けを行わずに、DCTブロ
ック1、DCTブロック2、DCTブロック3、DCT
ブロック4を混在の場合、表5のような結果となり、数
3に従って、情報量(EOBを除く)を求めると、約1
62.8[ bit]となる。それに対して、複雑さの
グループ分けを行い、図21に示すように、DCTブロ
ック1、とDCTブロック3は、複雑さグループ に分
類し、DCTブロック2、とDCTブロック4は、単調
グループ に分類し、各グループごとの結果を集計する
と、それぞれ、表6と表7のような結果となり、各グル
ープごとに数3に従って、情報量(EOBを除く)を求
めると、それぞれ約57.2[ bit]と、約48.
1[ bit ]となり、2つのグループの合計の情報
量は、約105.2[ bit ]となる。このよう
に、複雑さに応じて各ブロックを分類することにより情
報量を大幅に削減することができる。
【0177】
【表9】
【0178】
【表10】
【0179】
【表11】
【0180】<第5の実施の形態>次に、上記従来の信
号処理システムの 第2の課題 を解決するための、本
発明の 第5の実施の形態 について説明する。
【0181】上記従来の信号処理システムの 第2の課
題 は、1次元に並べられたDCTブロックの各係数
(図83の1次元データ)を、係数符号化手段(図81
の51)によって、ハフマン符号化する処理(図82の
S005)において、1個の非ゼロ係数に1[ bit
]のサイン情報を使用しているため、符号量が多くな
ってしまうということである。例えば、1フレームの画
像サイズが720×480画素で構成されている場合
は、1フレームあたり、5400個のDCTブロックが
存在する。圧縮符号化後のデータの画質を高品質にした
い場合(すなわち、画質劣化を少なくしたい場合)は、
量子化の際の、量子化ステップの値は、小さく設定され
る。その場合、量子化後のDCTブロックのAC成分の
各係数は、非ゼロになる可能性が高くなる。例えば、全
ての係数が非ゼロだったとすると、1フレーム全体で、
5400×63=340200[ bit ]=42.
525[ KByte ]ものサイン情報が必要とな
る。このようにサイン情報のために多くの符号(コー
ド)を要するという問題点(第2の課題)がある。
【0182】この第2の課題を解決するために、本発明
の第5の実施の形態では、サイン情報を まとめて符号
化することで、サイン情報の符号量を削減するものであ
る。サイン情報以外の係数については、単なる絶対値と
してサイン情報を除いて、従来技術や、既に説明した本
発明の第1、第2、第3、第4の実施の形態と同様の処
理で符号化を行えば良い。本発明の第5の実施の形態で
は、例として、サイン情報は、サイン情報処理手段(後
述)で処理するものとし、サイン情報を除く係数の絶対
値部分は、本発明の第2の実施の形態と同様の処理を行
うものとして説明する。
【0183】図22に、本発明の第5の実施の形態の信
号処理システム(圧縮符号化側)の構成を示す。図22
において、9は、周波数分解手段で、10は、量子化手
段 で、1は、基本符号化手段 で、基本符号化手段
(1) の内部の、2は、周波数成分記憶手段 で、3
は、係数読み出し制御手段 で、4は、読み出し制御情
報生成手段 で、読み出し制御情報生成手段(4)の内
部において、401は、スキャン順決定手段 で、40
2は、スキャン順テーブル で、403は、スキャン順
情報符号化手段 で、スキャン順情報Eを、読み出し制
御情報Cとして用い、係数読み出し制御手段(3)にお
いて、読み出し制御情報Cをもとに、アドレス信号Dを
生成し、また、スキャン順決定手段(401)の内部の
412は、係数強度演算手段 で、411は、優先順位
決定手段 で、以上は、基本的に先に述べた本発明の第
2の実施の形態と同様の働きをする。本発明の第2の実
施の形態と異なる点は、基本符号化手段(1)の内部
に、周波数成分の各係数を絶対値に変換する絶対値変換
手段(6) と、周波数成分の各係数を入力とし、入力
される係数のサイン情報を処理するサイン情報処理手段
(7)を有し、絶対値に変換された周波数成分の各係数
に対して、係数符号化手段(5)で、統計処理を行い、
係数を符号化することとし、サイン情報処理手段(7)
の内部において、入力される係数が非ゼロかどうかを判
定して、非ゼロの場合に、サイン情報を抽出する非ゼロ
判定サイン情報抽出手段(701) と、サイン情報を
記憶するサイン情報記憶手段(702) と、サイン情
報に対して、統計処理を行い、サイン情報を符号化する
サイン情報符号化手段(703)を有する構成としてい
る点である。
【0184】以下の説明では、例として周波数分解手段
(9)は、DCTを行うものとし、係数符号化手段
(5)は、ハフマン符号化を行うものとする。
【0185】以下、本発明の第5の実施の形態の信号処
理システム(圧縮符号化側)の動作について図23を用
いて説明する。
【0186】<入力>まず、はじめに、1フレーム分の
原画像データのうち、1ブロック分(8画素×8画素)
のデータ(原画像ブロック)を入力する(図23のS0
01)。
【0187】<DCTおよび量子化>次に、周波数分解
手段(図22の9)において、入力された原画像ブロッ
クに対して、数1のようなDCT演算を施し(図23の
S002)、量子化手段(図22の10)において、D
CT後の各係数(DCTブロック)を量子化する(図2
3のS003)。そして、量子化後のDCTブロックを
周波数成分記憶手段(図22の2)に記憶する(図23
のS004)。なお、ここでは例として、どの係数も、
一律 量子化ステップとして1を適用して量子化する。
このDCTと量子化の処理は、先に述べた従来の信号処
理システムと同じである。
【0188】<強度の演算>次に、係数強度演算手段
(図22の412)では、量子化後のDCTブロックの
各成分ごとに対応した係数の強度を演算する(図23の
S005)。
【0189】上記の一連の処理(図23のS001とS
002とS003とS004とS005)を全ての原画
像ブロックに対して終了したかを判定し(図23のS0
06)、全ての原画像ブロックの処理が終了するまで繰
り返す。
【0190】<スキャン順テーブルの作成>次に、優先
順位決定手段(図22の411)によって、強度の値
(係数の絶対値の和)が大きい係数から優先的にサンプ
リングするようなスキャン順を決定し、スキャン順テー
ブル(図22の402)に記憶する(図23のS00
7)。ここで、スキャン順テーブル(図22の402)
に記憶されているスキャン順の情報(例えば、座標値)
を、スキャン順情報符号化手段(図22の403)によ
って、符号化して出力信号として出力する(図23のS
008)。ここで行うスキャン順情報の符号化は、単に
座標値を2進数表現した値を出力しても良いし、あるい
は、画像データや音声データでは、低周波成分には非ゼ
ロ係数が出現しにくいため、低周波成分に近い座標値ほ
ど短い符号となるような可変長符号として出力するなど
の方法を用いても良い。
【0191】<スキャンの実行および符号化>次に、作
成したスキャン順テーブル(図22の402)に記憶さ
れているスキャン順に従って、読み出し制御手段(図2
2の3)で、周波数成分記憶手段(図22の2)のアド
レス信号Dを生成し、周波数成分記憶手段(図22の
2)から、量子化後のDCTブロックの各係数を最後の
非ゼロ係数まで読み出す(図23のS009)。この読
み出された係数を絶対値変換手段(図22の6)によ
り、絶対値に変換し(図23のS010)、絶対値に変
換後の各係数を係数符号化手段(図22の5)で、符号
化する(図23のS011)。すなわち、この符号化処
理(図23のS011)は、サイン情報を除く係数の絶
対値部分にのみ施される。なお、係数の絶対値を得る処
理は、周波数成分記憶手段(図22の2)に記憶する前
に行っておいてもよく、その場合は周波数成分記憶手段
(図22の2)に各係数を、絶対値とサイン情報に分け
て記憶しておいても良い。
【0192】<サイン情報の処理>次に、スキャン順の
読み出し処理(図23のS009)によって、読み出さ
れる係数に対して、非ゼロ判定サイン情報抽出手段(図
22の701)で、係数がゼロかどうかを判定し、非ゼ
ロの場合のみ、そのサイン情報を抽出し(図23のS0
12)、サイン情報を、サイン情報記憶手段(図22の
702)に記憶する(図23のS013)。
【0193】以上の処理(図23のS009、S01
0、S011、S012、S013)を全てのDCTブ
ロックに対して行う(図23のS014)。これによっ
て、全ての非ゼロ係数のサイン情報が、サイン情報記憶
手段(図22の702)に記憶されることになる。
【0194】<サイン情報の符号化>次に、サイン情報
記憶手段(図22の702)に記憶されている全ての非
ゼロ係数のサイン情報に対して、サイン情報符号化手段
(図22の703)によって、統計処理を行い、全ての
サイン情報を圧縮して符号化する(図23のS01
5)。この符号化の処理は、統計処理を行って、専用の
ハフマンテーブルを作成してハフマン符号化を行った
り、算術符号化を行ったり、いかなる符号化方法を用い
ても良い。
【0195】以上のように、本実施の形態(本発明の第
5の実施の形態)では、上記の構成にすることで、従来
技術では、1個の非ゼロ係数に1[ bit ]のサイ
ン情報を使用していて符号量が多くなってしまうという
第2の課題を解決する。
【0196】上記のように、サイン情報をまとめて符号
化することで情報量が削減できることを以下の例で説明
する。図24に原画像ブロックの例を示す。この例にお
いて原画像の各画素の輝度値の値域は、「 0から25
5 」である。図25に、原画像ブロック(図24)に
対して数1のようなDCT演算を施し、最も近い整数に
なるように量子化した例を示す。図25のDCTブロッ
クにおいて、AC成分の63個の係数が全て非ゼロであ
るため、上記従来の信号処理システムでは、サイン情報
が63[ bit ]必要だったが、本実施の形態(本
発明の第5の実施の形態)のように、これらのサイン情
報を集めて、まとめて統計処理を行い、圧縮符号化す
る。DCTブロック(図25)では、正の係数(AC成
分)が28個、負の係数(AC成分)が35個、存在す
る。これらのサイン情報の情報量を数3に従って、求め
ると、約62.4[ bit ]となる。1個のDCT
ブロック単独で見ると、約0.6[ bit ]という
僅かな符号量の削減であるが、一般的なテレビのように
1フレーム全体で、5400個ものDCTブロックが存
在する場合は、1フレーム全体で、3240[ bit
]もの符号量が削減できることになる。
【0197】<第6の実施の形態>次に、上記従来の信
号処理システムの 第2の課題 を解決するための、本
発明の 第6の実施の形態 について説明する。
【0198】既に述べた本発明の第5の実施の形態で
は、サイン情報処理手段(図22の7)により、サイン
情報を まとめて符号化することで、サイン情報の符号
量を削減し、第2の課題を解決した。本発明の第6の実
施の形態では、サイン情報処理手段(図22の7)の内
部に、各サイン情報を推定する機能を持たせ、サイン情
報を推定した後に、符号化することで、サイン情報の符
号量を削減するものである。
【0199】入力信号である画像データは、ビデオカメ
ラなどで撮影したしたものや、写真などをスキャナで信
号変換して得たものであり、いずれも光学的読み取り手
段により、信号変換して得られるものである。このよう
に入力信号(画像データ)は、光学的な自然現象に基づ
き生成されている。そのため、被写体の輪郭(エッジ)
の形状などの情報が、そのまま入力信号(画像データ)
の数値に反映される。これらの入力信号(画像データ)
を周波数分解した後に符号化する、従来および本発明の
信号処理システムにおいては、被写体の輪郭(エッジ)
の形状により、周波数分解後の、いずれかの周波数成分
にエネルギーが偏るという特徴がある。例えば、被写体
の輪郭(エッジ)が複雑な形状をしていれば、高周波成
分にエネルギーが集中したり、輪郭(エッジ)が単調な
形状をしていれば、低周波成分にエネルギーが集中した
りする。言いかえれば、エネルギーが集中している周波
数成分こそ、その入力信号(画像データ)の特徴を よ
く反映し、入力信号(画像データ)の情報を多く含んで
いるのである。このような入力信号(画像データ)の特
徴を鑑みて、本発明の第6の実施の形態では、以下の図
26のような構成により、サイン情報の符号量の削減を
行う。なお、本発明の第5の実施の形態と同様に、サイ
ン情報以外の係数については、単なる絶対値としてサイ
ン情報を除いて従来技術や、既に説明した本発明の第
1、第2、第3、第4の実施の形態と同様の処理で符号
化を行えば良いが、本発明の第6の実施の形態では、例
として、サイン情報を除く係数の絶対値部分は、本発明
の第2の実施の形態と同様の処理を行うものとして説明
する。
【0200】以下、図26を用いて、本発明の第6の実
施の形態の構成について説明する。図26において、9
は、周波数分解手段で、10は、量子化手段 で、1
は、基本符号化手段 で、基本符号化手段(1) の内
部の、2は、周波数成分記憶手段 で、3は、係数読み
出し制御手段 で、4は、読み出し制御情報生成手段
で、読み出し制御情報生成手段(4)の内部において、
401は、スキャン順決定手段 で、402は、スキャ
ン順テーブル で、403は、スキャン順情報符号化手
段 で、スキャン順情報Eを、読み出し制御情報Cとし
て用い、係数読み出し制御手段(3)において、読み出
し制御情報Cをもとに、アドレス信号Dを生成し、ま
た、スキャン順決定手段(401)の内部の412は、
係数強度演算手段 で、411は、優先順位決定手段
で、以上は、基本的に先に述べた本発明の第2の実施の
形態と同様の働きをする。本発明の第2の実施の形態と
異なる点は、基本符号化手段(1)の内部に、周波数成
分の各係数を絶対値に変換する絶対値変換手段(6)
と、周波数成分の各係数を入力とし、入力される係数の
サイン情報を処理するサイン情報処理手段(7)を有
し、絶対値に変換された周波数成分の各係数に対して、
係数符号化手段(5)で、統計処理を行い、係数を符号
化することとし、サイン情報処理手段(7)の内部に、
周波数成分記憶手段(2)の中の各周波数成分の係数の
うち、周波数分解の単位内(DCTブロック内)での各
係数のエネルギーの強さ(以下、強度)を測定し、各係
数の強度の順位(以下、係数強度順位)を判定する係数
強度順位判定手段(704) と、係数強度順位を記憶
する係数強度順位テーブル(705) と、各係数がゼ
ロかどうかを判定し、非ゼロの場合のみ、サイン情報を
抽出する非ゼロ判定サイン情報抽出手段(701)と、
係数強度順位の高い係数から優先的に、サイン情報の推
定を行い、推定結果から、新たなサイン情報を生成して
出力するサイン情報推定手段(706)を有し、サイン
情報推定手段(706) の内部に、周波数成分記憶手
段(2)の中の各周波数成分の係数に対して、仮のサイ
ン情報(以下、仮サイン情報)と、必要に応じて真のサ
イン情報(以下、真サイン情報)を設定するサイン情報
設定手段(707) と、サイン情報設定手段(70
7)により、仮サイン情報と、必要に応じて真サイン情
報が設定された各係数(以下、サイン情報付き係数)を
記憶するサイン情報付き係数記憶手段(708) と、
サイン情報付き係数の各周波数成分を合成し、サイン情
報付き周波数合成結果を出力する周波数成分合成手段
(709) と、サイン情報付き周波数合成結果を記憶
する周波数合成結果記憶手段(710) と、各仮サイ
ン情報が設定されているサイン情報付き周波数合成結果
に対応した第1のサイン情報推定パラメータ(以下、第
1サイン情報推定パラメータ)を演算する第1サイン情
報推定パラメータ演算手段(711) と、第1サイン
情報推定パラメータを記憶する第1サイン情報推定パラ
メータ記憶手段(712) と、各仮サイン情報に対応
した第1サイン情報推定パラメータの値から、どの仮サ
イン情報が真のサイン情報かを推定し、推定したサイン
情報と真のサイン情報とが一致しているかどうかを示す
一致不一致情報を、新たなサイン情報として出力する第
1サイン情報生成手段(713)を有し、サイン情報設
定手段(707)において、仮サイン情報が真のサイン
情報かどうかの推定が完了した係数に関して、真のサイ
ン情報を設定する機能を有し、真サイン情報が設定され
ている係数(以下、真サイン情報付き係数)による周波
数合成結果(以下、真サイン周波数合成結果)と、仮サ
イン情報が設定されている係数(以下、仮サイン情報付
き係数)による周波数合成結果(以下、仮サイン周波数
合成結果)との差分の絶対値の和を第1変化量とし、真
サイン情報付き係数と、仮サイン情報付き係数の混合状
態での周波数合成結果(以下、混合周波数合成結果)に
関して、混合周波数合成結果の波形の、波形の中心軸
と、波形で囲まれた領域における、波形と、波形の中心
軸との差分の絶対値の和を第1類似度とし、第1サイン
情報推定パラメータ演算手段(711) において、第
1変化量、または第1類似度を第1サイン情報推定パラ
メータとして演算し、第1サイン情報生成手段(71
3) において、各仮サイン情報に対応する第1サイン
情報推定パラメータが第1変化量の場合は、第1サイン
情報推定パラメータの値が小さいときの仮サイン情報を
真のサイン情報だと推定し、各仮サイン情報に対応する
第1サイン情報推定パラメータが第1類似度の場合は、
第1サイン情報推定パラメータの値が大きいときの仮サ
イン情報が真のサイン情報であると推定する構成として
いる点である。
【0201】以下の説明では、例として周波数分解手段
(9)は、DCTを行うものとし、係数符号化手段
(5)は、ハフマン符号化を行うものとする。
【0202】以下、本発明の第6の実施の形態の信号処
理システム(圧縮符号化側)の動作について図27を用
いて説明する。
【0203】<入力>まず、はじめに、1フレーム分の
原画像データのうち、1ブロック分(8画素×8画素)
のデータ(原画像ブロック)を入力する(図27のS0
01)。
【0204】<DCTおよび量子化>次に、周波数分解
手段(図26の9)において、入力された原画像ブロッ
クに対して、数1のようなDCT演算を施し(図27の
S002)、量子化手段(図26の10)においてDC
T後の各係数(DCTブロック)を量子化する(図27
のS003)。そして、量子化後のDCTブロックを周
波数成分記憶手段(図26の2)に記憶する(図27の
S004)。なお、ここでは例として、どの係数も、一
律 量子化ステップとして1を適用して量子化する。こ
のDCTと量子化の処理は、先に述べた従来の信号処理
システムと同じである。
【0205】<強度の演算>次に、係数強度演算手段
(図26の412)では、量子化後のDCTブロックの
各成分ごとに対応した係数の強度を演算する(図27の
S005)。
【0206】上記の一連の処理(図27のS001とS
002とS003とS004とS005)を全ての原画
像ブロックに対して終了したかを判定し(図27のS0
06)、全ての原画像ブロックの処理が終了するまで繰
り返す。
【0207】<スキャン順テーブルの作成>次に、優先
順位決定手段(図26の411)によって、強度の値
(係数の絶対値の和)が大きい係数からサンプリングす
るようなスキャン順を決定し、スキャン順テーブル(図
26の402)に記憶する(図27のS007)。ここ
で、スキャン順テーブル(図26の402)に記憶され
ているスキャン順の情報(例えば、座標値)を、スキャ
ン順情報符号化手段(図26の403)によって、符号
化して出力信号として出力する(図27のS008)。
ここで行うスキャン順情報の符号化は、単に座標値を2
進数表現した値を出力しても良いし、あるいは、画像デ
ータや音声データでは、低周波成分には非ゼロ係数が出
現しにくいため、低周波成分に近い座標値ほど短い符号
となるような可変長符号として出力するなどの方法を用
いても良い。
【0208】<スキャンの実行および符号化>次に、作
成したスキャン順テーブル(図26の402)に記憶さ
れているスキャン順に従って、読み出し制御手段(図2
6の3)で、周波数成分記憶手段(図26の2)のアド
レス信号Dを生成し、周波数成分記憶手段(図26の
2)から、量子化後のDCTブロックの各係数を最後の
非ゼロ係数まで読み出す(図27のS009)。この読
み出された係数を絶対値変換手段(図26の6)によ
り、絶対値に変換し(図27のS010)、絶対値に変
換後の各係数を係数符号化手段(図26の5)で、符号
化する(図27のS011)。すなわち、この符号化処
理(図27のS011)は、サイン情報を除く係数の絶
対値部分にのみ施される。なお、係数の絶対値を得る処
理は、周波数成分記憶手段(図26の2)に記憶する前
に行っておいてもよく、その場合は周波数成分記憶手段
(図26の2)に各係数を、絶対値とサイン情報に分け
て記憶しておいても良い。
【0209】<サイン情報の処理>次に、スキャン順の
読み出し処理(図27のS009)によって、読み出さ
れる係数に対して、係数強度順位判定手段(図26の7
04)で、1個のDCTブロック内で、各係数のエネル
ギーの強さ(以下、強度)を測定し、各係数の強度の順
位(以下、係数強度順位)を判定する(図27のS01
2)。そして、係数強度順位の値を係数強度順位テーブ
ル(図26の705)に記憶する(図27のS01
3)。先にも述べたように、被写体の輪郭(エッジ)が
複雑な形状をしていれば、高周波成分にエネルギーが集
中したり、輪郭(エッジ)が単調な形状をしていれば、
低周波成分にエネルギーが集中したりする。エネルギー
が集中している周波数成分こそ、その入力信号(画像デ
ータ)の特徴を よく反映し、入力信号(画像データ)
の情報を多く含んでいるのであり、上記の処理(図27
のS012)は、DCTブロック内の どの周波数成分
にエネルギーが集中しているかを判定するものである。
この処理(図27のS012)における強度とは、具体
的には、各係数の絶対値や、各係数の2乗値の大きさで
ある。例として、本実施の形態では、強度を、係数の絶
対値とする。なお、この強度順位の判定は、注目してい
るDCTブロック内のAC成分に対してのみ行う。例え
ば、本発明の第5の実施の形態での説明で使用したもの
と同じDCTブロック(図25)の場合、AC成分のう
ちで強度の値が1番大きい係数(以下、係数A1と呼
ぶ)は、座標(1,0)の「 −784 」である。2
番目に強度の値が大きい係数(以下、係数A2と呼ぶ)
は、座標(3,0)の「 212 」である。3番目に
強度の値が大きい係数(以下、係数A3と呼ぶ)は、座
標(5,0)の「 −103 」である。4番目に強度
の値が大きい係数(以下、係数A4と呼ぶ)は、座標
(2,4)の「 71 」と、座標(4,1)の「 −
71 」で強度の大きさが同じ係数が2個存在する。こ
のような場合は、どちらを優先的に順位付けしても良い
が、この例では、座標(2,4)の「 71 」を4番
目(係数A4)とする。このように、強度の大きい順
に、順位付けを行っていき、係数強度順位を決定し、そ
の順位に応じた座標(n,m)の情報を係数強度順位テ
ーブル(図26の705)に記憶しておく。
【0210】次に、非ゼロ判定サイン情報抽出手段(図
26の701)によって、各係数が非ゼロかどうかを判
定し(図27のS014)、各係数が非ゼロの場合、サ
イン情報推定手段(図26の706)によって、各係数
のサイン情報が正なのか負なのかの推定を行う(図27
のS015からS023)。このサイン情報の推定処理
(図27のS015からS023)において、先に求め
た、係数強度順位に従って、強度順位が高い(強度の値
が大きい)係数の情報を手がかりとして、強度順位が低
い(強度の値が小さい)係数のサイン情報の推定を行
う。すなわち、DCTブロック(図25)の例では、例
えば、強度順位が高い係数A1から係数A62までの6
2個の係数の情報を手がかりに、最も強度順位が低い係
数A63(図25の座標(4,0)の「 −2 」)の
みのサイン情報の推定を行う。(この例では、強度順位
が高い係数A1から係数A62までの62個の係数のサ
イン情報の推定は行わない。)そのため、まず、サイン
情報設定手段(図26の707)では、係数A1から係
数A62までのAC成分には、真のサイン情報を設定し
(図27のS015)、このDCTブロック(以下、基
準DCTブロックと呼ぶ)をサイン情報付き係数記憶手
段(図26の708)に記憶する(図27のS01
6)。同時に、サイン情報設定手段(図26の707)
では、サイン情報の推定を行う係数A63のAC成分
に、仮のサイン情報として正のサイン情報を設定し(図
27のS015)、このDCTブロック(以下、DCT
ブロック0と呼ぶ)をサイン情報付き係数記憶手段(図
26の708)に記憶する(図27のS016)。ま
た、サイン情報設定手段(図26の707)では、サイ
ン情報の推定を行う係数A63のAC成分に、仮のサイ
ン情報として負のサイン情報を設定し(図27のS01
5)、このDCTブロック(以下、DCTブロック1と
呼ぶ)をサイン情報付き係数記憶手段(図26の70
8)に記憶する(図27のS016)。すなわち、サイ
ン情報付き係数記憶手段(図26の708)には、基準
DCTブロックと、DCTブロック0と、DCTブロッ
ク1の、3個のDCTブロックが記憶される。それぞれ
のDCTブロックを、図28、図29、図30に示す。
【0211】次に、サイン情報付き係数記憶手段(図2
6の708)に記憶されている 基準DCTブロック
(図28)と、DCTブロック0(図29)と、DCT
ブロック1(図30)の、3個のDCTブロックに対し
て、周波数合成手段(図26の709)により、数2の
逆DCT演算を施し(図27のS017)、それぞれの
周波数合成結果(逆DCT結果)を周波数合成結果記憶
手段(図26の710)に記憶する(図27のS01
8)。なお、上記の逆DCT演算(図27のS017)
を施す前に、それぞれのDCTブロックに対して、逆量
子化を行う構成とすることが望ましいが、上記の一連で
は、例として量子化ステップを1としており、ここでは
逆量子化の処理は省略した。( 逆量子化手段を具備
し、逆量子化を行っても良い。)なお、逆DCTは実数
計算であり、小数点以下の値が存在するが、通常は、実
数計算した結果を整数化して取り扱う。このときに、小
数点以下の値が切り捨てられることで、実際の演算結果
に対する誤差が生じる。この誤差ができるだけ小さくな
るように、上記の逆DCT演算(図27のS017)
は、例として、逆DCT結果を10000倍してより高
いbit精度の整数値として出力するものとする。基準
DCTブロック(図28)の逆DCT結果を10000
倍したもの(以下、基準逆DCTブロックと呼ぶ)を図
31に、DCTブロック0(図29)の逆DCT結果を
10000倍したもの(以下、逆DCTブロック0と呼
ぶ)を図32に、DCTブロック1(図30)の逆DC
T結果を10000倍したもの(以下、逆DCTブロッ
ク1と呼ぶ)を図33に示す。
【0212】基準逆DCTブロック(図31)は、最も
強度順位が低い係数A63(図25の座標(4,0)の
「 −2 」)以外の、全てのAC成分の情報を含むた
め、原画像ブロック(図24)の輪郭(エッジ)形状
と、非常に類似した形状を成す。図36に、原画像ブロ
ック(図24)の輪郭(エッジ)形状を示す。これは、
原画像ブロック(図24)の各画素から、原画像ブロッ
ク(図24)の画素の平均値(約122)を引いたもの
である。図37に、基準逆DCTブロック(図31)の
値を10000分の1したものを示す。これは、原画像
ブロック(図24)の輪郭(エッジ)形状(図36)と
比較するために、基準逆DCTブロック(図31)の値
を10000分の1して、スケールを合わせたものであ
る。図38に、原画像ブロック(図24)の輪郭(エッ
ジ)形状(図36)から、基準逆DCTブロック(図3
1)の値の10000分の1(図37)の対応する座標
の値を引いたものを示す。図38に示すように、原画像
ブロック(図24)の輪郭(エッジ)形状(図36)
と、基準逆DCTブロック(図31)の値の10000
分の1(図37)では、差分が小さく、基準逆DCTブ
ロック(図31)は、原画像ブロック(図24)と、ほ
ぼ等しい輪郭(エッジ)形状を成していることが分か
る。今、係数A63のサイン情報を推定しようとしてい
るが、係数A63は、もともと原画像ブロック(図2
4)を周波数分解して得られるものであり、係数A63
に仮に正のサイン情報を設定した場合の逆DCTブロッ
ク0(図32)と、係数A63に仮に負のサイン情報を
設定した場合の逆DCTブロック1(図33)の、どち
らが、基準逆DCTブロック(図31)と類似した形状
をしているかを調べることで、係数A63のサイン情報
を推定することが可能となる。このような考え方に基づ
き、第1サイン情報推定パラメータ演算手段(図26の
711)で、第1サイン情報推定パラメータとして、第
1変化量の演算を行い(図27のS019)、演算結果
を第1サイン情報推定パラメータ記憶手段(図26の7
12)に記憶する(図27のS020)。
【0213】上記で演算される第1変化量は、真サイン
情報が設定されている係数(以下、真サイン情報付き係
数)による周波数合成結果(以下、真サイン周波数合成
結果)と、仮サイン情報が設定されている係数(以下、
仮サイン情報付き係数)による周波数合成結果(以下、
仮サイン周波数合成結果)との差分の絶対値の和である
と定義する。具体的には、上記の例では、係数A63に
仮に正のサイン情報を設定した場合の逆DCTブロック
0(図32)と、基準逆DCTブロック(図31)との
各画素の差分の絶対値の和を、「 正の第1変化量 」
とし、係数A63に仮に負のサイン情報を設定した場合
の逆DCTブロック1(図33)と、基準逆DCTブロ
ック(図31)との各画素の差分の絶対値の和を、「負
の第1変化量 」とし、この「 正の第1変化量 」
と、「 負の第1変化量 」の値を、第1サイン情報推
定パラメータ記憶手段(図26の712)に記憶する
(図27のS020)。上記の例では、「 正の第1変
化量 」の値は「 66771562 」で、「負の第
1変化量 」の値は「 66771558 」である。
基準逆DCTブロックと、逆DCTブロック0(仮に正
と設定)と、逆DCTブロック1(仮に負と設定)を、
それぞれ波形とし、第1変化量を概念的なイメージで表
すと、それぞれ図34と図35のようになる。すなわ
ち、基準逆DCTブロックと、逆DCTブロック0の波
で囲まれた領域の大きさ(図34)が、「 正の第1変
化量 」であり、基準逆DCTブロックと、逆DCTブ
ロック1の波で囲まれた領域の大きさ(図35)が、
「 負の第1変化量 」である。
【0214】次に、第1サイン情報生成手段(図26の
713)において、「 正の第1変化量 」と「 負の
第1変化量 」の大きさを比較し、第1変化量が「 小
さい 」方のサイン情報を係数A63の真のサイン情報
だと推定する。推定結果が正解であれば、新たなサイン
情報として「 ゼロ(1[ bit ]) 」を出力
し、推定結果が不正解であれば、新たなサイン情報とし
て「 1(1[ bit ]) 」を出力し、「 正の
第1変化量 」と「 負の第1変化量 」の大きさが等
しい場合は、「推定不能 」だとして、係数A63の真
のサイン情報そのものを出力する(図27のS02
1)。上記の例では、「 正の第1変化量 」の値は
「 66771562 」で、「 負の第1変化量 」
の値は「 66771558 」であるため、係数A6
3のサイン情報は「 負 」であると推定する。これは
正解である。そのため、新たなサイン情報として「 ゼ
ロ(1[ bit ]) 」を出力する。第1サイン情
報生成手段(図26の713)から出力されるサイン情
報は、サイン情報記憶手段(図26の702)に記憶さ
れる(図27のS022)。
【0215】以上の処理(図27のS014からS02
2)を1個のDCTブロック内の全ての係数に対して終
了するまで繰り返す(図27のS023)。上記の例で
は、最後の係数(係数A63)のみのサイン情報を推定
する。
【0216】上記の処理(図27のS009からS02
3)を全てのDCTブロックに対して完了するまで繰り
返す(図27のS024)。
【0217】最後に、サイン情報記憶手段(図26の7
02)に記憶されているサイン情報を、サイン情報符号
化手段(図26の703)によって、圧縮符号化する
(図27のS025)。この符号化処理(図27のS0
25)は、上記の例のように、各DCTブロックにおい
て、強度順位が高い係数A1から係数A62までの62
個の係数の情報を手がかりに、最も強度順位が低い係数
A63のみサイン情報の推定を行った場合、強度順位が
高い係数A1から係数A62までの62個の係数で構成
される基準逆DCTブロックが、原画像ブロックと、ほ
ぼ等しい輪郭(エッジ)形状を成すため、推定結果が正
解である確率が高くなる。そうすると正解を意味するサ
イン情報の値として「 0 」が多くなり、各DCTブ
ロックの係数A63ばかりを集めて、統計処理を行って
符号化すると、符号量を少なくすることができる。その
他の係数A1から係数A63は、別途、まとめて符号化
を行う。サイン情報を圧縮符号化する方法は、従来のハ
フマン符号化や、算術符号化など、いかなる符号化方法
を用いても良い。
【0218】<第7の実施の形態>次に、上記従来の信
号処理システムの 第2の課題 を解決するための、本
発明の 第7の実施の形態 について説明する。
【0219】既に述べた本発明の第5の実施の形態で
は、サイン情報処理手段(図22の7)により、サイン
情報を まとめて符号化することで、サイン情報の符号
量を削減し、第2の課題を解決した。本発明の第6の実
施の形態では、各DCTブロックにおいて、強度順位が
高い係数A1から係数A62までの62個の係数の情報
を手がかりに、最も強度順位が低い係数A63のサイン
情報の推定を行い、推定により新たに生成された係数A
63のサイン情報を集めて まとめて符号化すること
で、サイン情報の符号量を削減し、第2の課題を解決し
た。本発明の第7の実施の形態では、本発明の第6の実
施の形態と同様に、各DCTブロックにおいて、強度順
位が高い係数の情報を手がかりに、強度順位が低い係数
のサイン情報の推定を行って符号化するものであるが、
本発明の第6の実施の形態と異なる点は、最も強度順位
が低い係数A63のみのサイン情報の推定を行うのでは
なく、係数A1から係数A63の全ての係数のサイン情
報の推定を行って符号化することで、大幅にサイン情報
の符号量を削減するものである。また、本発明の第6の
実施の形態では、第1サイン情報推定パラメータとし
て、第1変化量を利用し、第1サイン情報生成手段(図
26の713)では、第1変化量が小さいときのサイン
情報を正解だと推定したが、これと同様の意味である
が、本発明の第7の実施の形態では、第1サイン情報推
定パラメータとして、第1類似度を利用し、第1類似度
が大きいときのサイン情報を正解だと推定するものであ
る。
【0220】入力信号である画像データは、ビデオカメ
ラなどで撮影したしたものや、写真などをスキャナで信
号変換して得たものであり、いずれも光学的読み取り手
段により、信号変換して得られるものである。このよう
に入力信号(画像データ)は、光学的な自然現象に基づ
き生成されている。そのため、被写体の輪郭(エッジ)
の形状などの情報が、そのまま入力信号(画像データ)
の数値に反映される。これらの入力信号(画像データ)
を周波数分解した後に符号化する 従来および本発明の
信号処理システムにおいては、被写体の輪郭(エッジ)
の形状により、周波数分解後の、いずれかの周波数成分
にエネルギーが偏るという特徴がある。例えば、被写体
の輪郭(エッジ)が複雑な形状をしていれば、高周波成
分にエネルギーが集中したり、輪郭(エッジ)が単調な
形状をしていれば、低周波成分にエネルギーが集中した
りする。言いかえれば、エネルギーが集中している周波
数成分こそ、その入力信号(画像データ)の特徴を よ
く反映し、入力信号(画像データ)の情報を多く含んで
いるのである。このような入力信号(画像データ)の特
徴を鑑みて、本発明の第7の実施の形態では、本発明の
第6の実施の形態と同様に、以下の図39のような構成
により、サイン情報の符号量の削減を行う。なお、本発
明の第5、第6の実施の形態と同様に、サイン情報以外
の係数については、単なる絶対値としてサイン情報を除
いて、従来技術や、既に説明した本発明の第1、第2、
第3、第4の実施の形態と同様の処理で符号化を行えば
良いが、本発明の第7の実施の形態では、例として、サ
イン情報を除く係数の絶対値部分は、本発明の第2の実
施の形態と同様の処理を行うものとして説明する。
【0221】以下、図39を用いて、本発明の第7の実
施の形態の構成について説明する。図39において、9
は、周波数分解手段で、10は、量子化手段 で、1
は、基本符号化手段 で、基本符号化手段(1) の内
部の、2は、周波数成分記憶手段 で、3は、係数読み
出し制御手段 で、4は、読み出し制御情報生成手段
で、読み出し制御情報生成手段(4)の内部において、
401は、スキャン順決定手段 で、402は、スキャ
ン順テーブル で、403は、スキャン順情報符号化手
段 で、スキャン順情報Eを、読み出し制御情報Cとし
て用い、係数読み出し制御手段(3)において、読み出
し制御情報Cをもとに、アドレス信号Dを生成し、ま
た、スキャン順決定手段(401)の内部の412は、
係数強度演算手段 で、411は、優先順位決定手段
で、以上は、基本的に先に述べた本発明の第2の実施の
形態と同様の働きをする。本発明の第2の実施の形態と
異なる点は、基本符号化手段(1)の内部に、周波数成
分の各係数を絶対値に変換する絶対値変換手段(6)
と、周波数成分の各係数を入力とし、入力される係数の
サイン情報を処理するサイン情報処理手段(7)を有
し、絶対値に変換された周波数成分の各係数に対して、
係数符号化手段(5)で、統計処理を行い、係数を符号
化することとし、サイン情報処理手段(7)の内部に、
周波数成分記憶手段(2)の中の各周波数成分の係数の
うち、周波数分解の単位内(DCTブロック)での各係
数のエネルギーの強さ(以下、強度)を測定し、各係数
の強度の順位(以下、係数強度順位)を判定する係数強
度順位判定手段(704) と、係数強度順位を記憶す
る係数強度順位テーブル(705) と、各係数がゼロ
かどうかを判定し、非ゼロの場合のみ、サイン情報を抽
出する非ゼロ判定サイン情報抽出手段(701)と、係
数強度順位の高い係数から優先的に、サイン情報の推定
を行い、推定結果から、新たなサイン情報を生成して出
力するサイン情報推定手段(706)を有し、サイン情
報推定手段(706) の内部に、周波数成分記憶手段
(2)の中の各周波数成分の係数に対して、仮のサイン
情報(以下、仮サイン情報)と、必要に応じて真のサイ
ン情報(以下、真サイン情報)を設定するサイン情報設
定手段(707) と、サイン情報設定手段(707)
により、仮サイン情報と、必要に応じて真サイン情報が
設定された各係数(以下、サイン情報付き係数)を記憶
するサイン情報付き係数記憶手段(708) と、サイ
ン情報付き係数の各周波数成分を合成し、サイン情報付
き周波数合成結果を出力する周波数成分合成手段(70
9) と、サイン情報付き周波数合成結果を記憶する周
波数合成結果記憶手段(710) と、各仮サイン情報
が設定されているサイン情報付き周波数合成結果に対応
した第1のサイン情報推定パラメータ(以下、第1サイ
ン情報推定パラメータ)を演算する第1サイン情報推定
パラメータ演算手段(711) と、第1サイン情報推
定パラメータを記憶する第1サイン情報推定パラメータ
記憶手段(712) と、各仮サイン情報に対応した第
1サイン情報推定パラメータの値から、どの仮サイン情
報が真のサイン情報かを推定し、推定したサイン情報と
真のサイン情報とが一致しているかどうかを示す一致不
一致情報と、どの仮サイン情報が真のサイン情報かを推
定できない場合は、推定できない状態を示す推定不能情
報を、新たなサイン情報として出力する第1サイン情報
生成手段(713)を有し、サイン情報設定手段(70
7)において、仮サイン情報が真のサイン情報かどうか
の推定が完了した係数に関して、真のサイン情報を設定
する機能を有し、真サイン情報が設定されている係数
(以下、真サイン情報付き係数)による周波数合成結果
(以下、真サイン周波数合成結果)と、仮サイン情報が
設定されている係数(以下、仮サイン情報付き係数)に
よる周波数合成結果(以下、仮サイン周波数合成結果)
との差分の絶対値の和を第1変化量とし、真サイン情報
付き係数と、仮サイン情報付き係数の混合状態での周波
数合成結果(以下、混合周波数合成結果)に関して、混
合周波数合成結果の波形の、波形の中心軸と、波形で囲
まれた領域における、波形と、波形の中心軸との差分の
絶対値の和を第1類似度とし、第1サイン情報推定パラ
メータ演算手段(711) において、第1変化量、ま
たは第1類似度を第1サイン情報推定パラメータとして
演算し、第1サイン情報生成手段(713) におい
て、各仮サイン情報に対応する第1サイン情報推定パラ
メータが第1変化量の場合は、第1サイン情報推定パラ
メータの値が小さいときの仮サイン情報を真のサイン情
報だと推定し、各仮サイン情報に対応する第1サイン情
報推定パラメータが第1類似度の場合は、第1サイン情
報推定パラメータの値が大きいときの仮サイン情報が真
のサイン情報であると推定する構成としている点であ
る。
【0222】以下の説明では、例として周波数分解手段
(9)は、DCTを行うものとし、係数符号化手段
(5)は、ハフマン符号化を行うものとする。
【0223】以下、本発明の第7の実施の形態の信号処
理システム(圧縮符号化側)の動作について図40を用
いて説明する。
【0224】<入力>まず、はじめに、1フレーム分の
原画像データのうち、1ブロック分(8画素×8画素)
のデータ(原画像ブロック)を入力する(図40のS0
01)。
【0225】<DCTおよび量子化>次に、周波数分解
手段(図39の9)において、入力された原画像ブロッ
クに対して、数1のようなDCT演算を施し(図40の
S002)、量子化手段(図39の10)において、D
CT後の各係数(DCTブロック)を量子化する(図4
0のS003)。そして、量子化後のDCTブロックを
周波数成分記憶手段(図39の2)に記憶する(図40
のS004)。なお、ここでは例として、どの係数も、
一律 量子化ステップとして1を適用して量子化する。
このDCTと量子化の処理は、先に述べた従来の信号処
理システムと同じである。
【0226】<強度の演算>次に、係数強度演算手段
(図39の412)では、量子化後のDCTブロックの
各成分ごとに対応した係数の強度を演算する(図40の
S005)。
【0227】上記の一連の処理(図40のS001とS
002とS003とS004とS005)を全ての原画
像ブロックに対して終了したかを判定し(図40のS0
06)、全ての原画像ブロックの処理が終了するまで繰
り返す。
【0228】<スキャン順テーブルの作成>次に、優先
順位決定手段(図39の411)によって、強度の値
(係数の絶対値の和)が大きい係数からサンプリングす
るようなスキャン順を決定し、スキャン順テーブル(図
39の402)に記憶する(図40のS007)。ここ
で、スキャン順テーブル(図39の402)に記憶され
ているスキャン順の情報(例えば、座標値)を、スキャ
ン順情報符号化手段(図39の403)によって、符号
化して出力信号として出力する(図40のS008)。
ここで行うスキャン順情報の符号化は、単に座標値を2
進数表現した値を出力しても良いし、あるいは、画像デ
ータや音声データでは、低周波成分には非ゼロ係数が出
現しにくいため、低周波成分に近い座標値ほど短い符号
となるような可変長符号として出力するなどの方法を用
いても良い。
【0229】<スキャンの実行および符号化>次に、作
成したスキャン順テーブル(図39の402)に記憶さ
れているスキャン順に従って、読み出し制御手段(図3
9の3)で、周波数成分記憶手段(図39の2)のアド
レス信号Dを生成し、周波数成分記憶手段(図39の
2)から、量子化後のDCTブロックの各係数を最後の
非ゼロ係数まで読み出す(図40のS009)。この読
み出された係数を絶対値変換手段(図39の6)によ
り、絶対値に変換し(図40のS010)、絶対値に変
換後の各係数を係数符号化手段(図39の5)で、符号
化する(図40のS011)。すなわち、この符号化処
理(図40のS011)は、サイン情報を除く係数の絶
対値部分にのみ施される。なお、係数の絶対値を得る処
理は、周波数成分記憶手段(図39の2)に記憶する前
に行っておいてもよく、その場合は周波数成分記憶手段
(図39の2)に各係数を、絶対値とサイン情報に分け
て記憶しておいても良い。
【0230】<サイン情報の処理>次に、スキャン順の
読み出し処理(図40のS009)によって、読み出さ
れる係数に対して、係数強度順位判定手段(図39の7
04)で、1個のDCTブロック内で、各係数のエネル
ギーの強さ(以下、強度)を測定し、各係数の強度の順
位(以下、係数強度順位)を判定する(図40のS01
2)。そして、係数強度順位の値を係数強度順位テーブ
ル(図39の705)に記憶する(図40のS01
3)。先にも述べたように、被写体の輪郭(エッジ)が
複雑な形状をしていれば、高周波成分にエネルギーが集
中したり、輪郭(エッジ)が単調な形状をしていれば、
低周波成分にエネルギーが集中したりする。エネルギー
が集中している周波数成分こそ、その入力信号(画像デ
ータ)の特徴を よく反映し、入力信号(画像データ)
の情報を多く含んでいるのであり、上記の処理(図40
のS012)は、DCTブロック内の どの周波数成分
にエネルギーが集中しているかを判定するものである。
この処理(図40のS012)における強度とは、具体
的には、各係数の絶対値や、各係数の2乗値の大きさで
ある。例として、本実施の形態(本発明の第7の実施の
形態)では、強度を、係数の絶対値とする。なお、この
強度順位の判定は、注目しているDCTブロック内のA
C成分に対してのみ行う。例えば、本発明の第5の実施
の形態での説明で使用したものと同じDCTブロック
(図25)の場合、AC成分のうちで強度の値が1番大
きい係数(以下、係数A1と呼ぶ)は、座標(1,0)
の「 −784 」である。2番目に強度の値が大きい
係数(以下、係数A2と呼ぶ)は、座標(3,0)の
「 212 」である。3番目に強度の値が大きい係数
(以下、係数A3と呼ぶ)は、座標(5,0)の「 −
103 」である。4番目に強度の値が大きい係数(以
下、係数A4と呼ぶ)は、座標(2,4)の「 71
」と、座標(4,1)の「 −71 」で強度の大き
さが同じ係数が2個存在する。このような場合は、どち
らを優先的に順位付けしても良いが、この例では、座標
(2,4)の「 71 」を4番目(係数A4)とす
る。このように、強度の大きい順に、順位付けを行って
いき、係数強度順位を決定し、その順位に応じた座標
(n,m)の情報を係数強度順位テーブル(図39の7
05)に記憶しておく。以上の処理(図40のS001
からS013)は、先に述べた本発明の第6の実施の形
態と同じであるが、以下の処理が異なる。
【0231】次に、非ゼロ判定サイン情報抽出手段(図
39の701)によって、各係数が非ゼロかどうかを判
定し(図40のS014)、各係数が非ゼロの場合、サ
イン情報推定手段(図39の706)によって、各係数
のサイン情報が正なのか負なのかの推定を行う(図40
のS015からS023)。このサイン情報の推定処理
(図40のS015からS023)において、先に求め
た、係数強度順位に従って、強度順位が高い(強度の値
が大きい)係数の情報を手がかりとして、強度順位が低
い(強度の値が小さい)係数のサイン情報の推定を行
う。DCTブロック(図25)の例に対して、先に述べ
た本発明の第6の実施の形態では、強度順位が高い係数
A1から係数A62までの62個の係数の情報を手がか
りに、最も強度順位が低い係数A63(図25の座標
(4,0)の「 −2」)のみのサイン情報の推定を行
ったが、本発明の第7の実施の形態では、強度順位が高
い係数A1から順に、係数A63までの全ての係数のサ
イン情報の推定を行う。
【0232】まず、サイン情報設定手段(図39の70
7)では、DC成分に真のサイン情報を設定し、サイン
情報の推定を行う係数A1のAC成分(図25の座標
(1,0)の「 −784 」)に、仮のサイン情報と
して正のサイン情報を設定し(図40のS015)、こ
のDCTブロック(以下、DCTブロック0と呼ぶ)を
サイン情報付き係数記憶手段(図39の708)に記憶
する(図40のS016)。また、サイン情報設定手段
(図39の707)では、DC成分に真のサイン情報を
設定し、サイン情報の推定を行う係数A1のAC成分
(図25の座標(1,0)の「 −784 」)に、仮
のサイン情報として負のサイン情報を設定し(図40の
S015)、このDCTブロック(以下、DCTブロッ
ク1と呼ぶ)をサイン情報付き係数記憶手段(図39の
708)に記憶する(図40のS016)。すなわち、
サイン情報付き係数記憶手段(図39の708)には、
DCTブロック0と、DCTブロック1の、2個のDC
Tブロックが記憶される。それぞれのDCTブロック
を、図41、図42に示す。
【0233】次に、サイン情報付き係数記憶手段(図3
9の708)に記憶されているDCTブロック0(図4
1)と、DCTブロック1(図42)の、2個のDCT
ブロックに対して、周波数合成手段(図39の709)
により、数2の逆DCT演算を施し(図40のS01
7)、それぞれの周波数合成結果(逆DCT結果)を周
波数合成結果記憶手段(図39の710)に記憶する
(図40のS018)。なお、上記の逆DCT演算(図
40のS017)を施す前に、それぞれのDCTブロッ
クに対して、逆量子化を行う構成とすることが望ましい
が、上記の一連では、例として量子化ステップを1とし
ており、ここでは逆量子化の処理は省略した。( 逆量
子化手段を具備し、逆量子化を行っても良い。)なお、
逆DCTは実数計算であり、小数点以下の値が存在する
が、通常は、実数計算した結果を整数化して取り扱う。
このときに、小数点以下の値が切り捨てられることで、
実際の演算結果に対する誤差が生じる。この誤差ができ
るだけ小さくなるように、上記の逆DCT演算(図40
のS017)は、例として、逆DCT結果を10000
倍してより高いbit精度の整数値として出力するもの
とする。DCTブロック0(図41)の逆DCT結果を
10000倍したもの(以下、逆DCTブロック0と呼
ぶ)を図43に、DCTブロック1(図42)の逆DC
T結果を10000倍したもの(以下、逆DCTブロッ
ク1と呼ぶ)を図44に示す。
【0234】次に、第1サイン情報推定パラメータ演算
手段(図39の711)で、第1サイン情報推定パラメ
ータとして、第1類似度の演算を行い(図40のS01
9)、演算結果を第1サイン情報推定パラメータ記憶手
段(図39の712)に記憶する(図40のS02
0)。上記で演算される第1類似度は、仮サイン情報が
設定されている係数(以下、仮サイン情報付き係数)に
よる周波数合成結果(以下、仮サイン周波数合成結果)
の波形と、この波形の中心軸(この例では平均値)との
差分の絶対値の和であると定義する。具体的には、上記
の例では、係数A1に仮に正のサイン情報を設定した場
合の逆DCTブロック0(図43)の波形と、この波形
の中心軸(この例では平均値)との差分の絶対値の和
を、「 正の第1類似度 」とし、係数A1に仮に負の
サイン情報を設定した場合の逆DCTブロック1(図4
4)の波形と、この波形の中心軸(この例では平均値)
との差分の絶対値の和を、「負の第1類似度 」とし、
この「 正の第1類似度 」と、「 負の第1類似度
」の値を、第1サイン情報推定パラメータ記憶手段
(図39の712)に記憶する(図40のS020)。
上記の例では、「 正の第1類似度 」の値は「 56
832328 」で、「 負の第1類似度 」の値は
「 56832328 」で、どちらも等しい値であ
る。逆DCTブロックの波形と、第1類似度の関係を概
念的なイメージで表すと図45のようになる。
【0235】次に、第1サイン情報生成手段(図39の
713)において、「 正の第1類似度 」と「 負の
第1類似度 」の大きさを比較し、第1類似度が「 大
きい」方のサイン情報を係数A1の真のサイン情報だと
推定する。推定結果が正解であれば、新たなサイン情報
として「 ゼロ(1[ bit ]) 」を出力し、推
定結果が不正解であれば、新たなサイン情報として「
1(1[ bit ]) 」を出力し、「 正の第1類
似度 」と「 負の第1類似度 」の大きさが等しい場
合は、「推定不能 」だとして、係数A1の真のサイン
情報そのものを出力する(図40のS021)。上記の
例では、「 正の第1類似度 」の値は「 56832
328 」で、「 負の第1類似度 」の値は「 56
832328 」で、どちらも等しい値であり、係数A
1のサイン情報は「 推定不能 」であり、サイン情報
として、真のサイン情報そのものを出力する。すなわち
係数A1の真のサイン情報は負であるため、負を意味す
る「 1(1[ bit ]) 」を出力する。第1サ
イン情報生成手段(図39の713)から出力されるサ
イン情報は、サイン情報記憶手段(図39の702)に
記憶される(図40のS022)。
【0236】本実施の形態(本発明の第7の実施の形
態)では、第1サイン情報推定パラメータとして、第1
類似度を用い、第1類似度が「 大きい 」方のサイン
情報を真のサイン情報だと推定したが、この本発明の第
7の実施の形態の推定処理は、先の本発明の第6の実施
の形態で、第1サイン情報推定パラメータとして、第1
変化量を用い、第1変化量が「小さい 」方のサイン情
報を真のサイン情報だと推定した処理と、表現の仕方が
異なるだけで、実質的には全く同等の意味を持つ。その
理由について、図46を参照して説明する。図46に、
本発明の第6の実施の形態の説明で用いた基準逆DCT
ブロックと、DCTブロック0との和と差、および基準
逆DCTブロックと、DCTブロック1との和と差、の
例を示す。基準逆DCTブロックの各画素の値を「
a,b,c,d 」とし、DCTブロック0(正の波)
の各画素を「 e,f,g,h 」とすると、基準逆D
CTブロックと、DCTブロック0(正の波)の各画素
の和(この和の絶対値の和が正の第1類似度)と、各画
素の差(この差の絶対値の和が正の第1変化量)は、そ
れぞれ、図46に示すとおりになる。また、図46の下
の表では、DCTブロック1(負の波)の各画素は、
「 −e,−f,−g,−h 」であり、基準逆DCT
ブロックと、DCTブロック1(負の波)の各画素の和
(この和の絶対値の和が負の第1類似度)と、各画素の
差(この差の絶対値の和が負の第1変化量)を示してい
るが、正の第1類似度と、負の第1変化量は同じ値であ
り、また、正の第1変化量と、負の第1類似度は同じ値
である。この例から分かるように、第1サイン情報推定
パラメータとして、第1類似度を用い、第1類似度が
「 大きい 」方のサイン情報を真のサイン情報だと推
定した本発明の第7の実施の実施の形態の推定処理は、
第1サイン情報推定パラメータとして、第1変化量を用
い、第1変化量が「 小さい 」方のサイン情報を真の
サイン情報だと推定した本発明の第6の実施の形態の推
定処理と、表現の仕方が異なるだけで、実質的には全く
同等の意味を持つ。
【0237】以上で、最も強度順位が高い係数A1のサ
イン情報の推定処理が完了したので、次に、非ゼロ判定
サイン情報抽出手段(図39の701)で、係数A2
(図25の座標(3,0)の「 212 」)が非ゼロ
かどうかを判定し、非ゼロであるので、以下のサイン情
報の推定を行う。
【0238】まず、サイン情報設定手段(図39の70
7)では、DC成分に真のサイン情報を設定し(既に設
定済みなのでそのまま利用すれば良い)、既にサイン情
報の推定が完了した係数A1(図25の座標(1,0)
の「 −784 」)に、真のサイン情報として負のサ
イン情報を設定し、これからサイン情報の推定を行う係
数A2(図25の座標(3,0)の「 212 」)
に、仮のサイン情報として正のサイン情報を設定し(図
40のS015)、このDCTブロック(以下、DCT
ブロック0と呼ぶ)をサイン情報付き係数記憶手段(図
39の708)に記憶する(図40のS016)。ま
た、サイン情報設定手段(図39の707)では、DC
成分に真のサイン情報を設定し(既に設定済みなのでそ
のまま利用すれば良い)、既にサイン情報の推定が完了
した係数A1(図25の座標(1,0)の「 −784
」)に、真のサイン情報として負のサイン情報を設定
し、これからサイン情報の推定を行う係数A2(図25
の座標(3,0)の「 212 」)に、仮のサイン情
報として負のサイン情報を設定し(図40のS01
5)、このDCTブロック(以下、DCTブロック1と
呼ぶ)をサイン情報付き係数記憶手段(図39の70
8)に記憶する(図40のS016)。すなわち、サイ
ン情報付き係数記憶手段(図39の708)には、DC
Tブロック0と、DCTブロック1の、2個のDCTブ
ロックが記憶される。それぞれのDCTブロックを、図
47、図48に示す。
【0239】以上のように新たに更新されたDCTブロ
ック0(図47)と、DCTブロック1(図48)に対
して、以下、図40のS016からS022の処理を行
う。
【0240】サイン情報付き係数記憶手段(図39の7
08)に記憶されているDCTブロック0(図47)
と、DCTブロック1(図48)の、2個のDCTブロ
ックに対して、周波数合成手段(図39の709)によ
り、数2の逆DCT演算を施し(図40のS017)、
それぞれの周波数合成結果(逆DCT結果)を周波数合
成結果記憶手段(図39の710)に記憶する(図40
のS018)。なお、上記の逆DCT演算(図40のS
017)を施す前に、それぞれのDCTブロックに対し
て、逆量子化を行う構成とすることが望ましいが、上記
の一連では、例として量子化ステップを1としており、
ここでは逆量子化の処理は省略した。( 逆量子化手段
を具備し、逆量子化を行っても良い。) なお、逆DCTは実数計算であり、小数点以下の値が存
在するが、通常は、実数計算した結果を整数化して取り
扱う。このときに、小数点以下の値が切り捨てられるこ
とで、実際の演算結果に対する誤差が生じる。この誤差
ができるだけ小さくなるように、上記の逆DCT演算
(図40のS017)は、例として、逆DCT結果を1
0000倍して、より高いbit精度の整数値として出
力するものとする。DCTブロック0(図47)の逆D
CT結果を10000倍したもの(以下、逆DCTブロ
ック0と呼ぶ)を図49に、DCTブロック1(図4
8)の逆DCT結果を10000倍したもの(以下、逆
DCTブロック1と呼ぶ)を図50に示す。
【0241】次に、第1サイン情報推定パラメータ演算
手段(図39の711)で、第1サイン情報推定パラメ
ータとして、第1類似度の演算を行い(図40のS01
9)、演算結果を第1サイン情報推定パラメータ記憶手
段(図39の712)に記憶する(図40のS02
0)。上記で演算される第1類似度は、仮サイン情報が
設定されている係数(以下、仮サイン情報付き係数)に
よる周波数合成結果(以下、仮サイン周波数合成結果)
の波形と、この波形の中心軸(この例では平均値)との
差分の絶対値の和であると定義する。具体的には、上記
の例では、係数A2に仮に正のサイン情報を設定した場
合の逆DCTブロック0(図49)の波形と、この波形
の中心軸(この例では平均値)との差分の絶対値の和
を、「 正の第1類似度 」とし、係数A2に仮に負の
サイン情報を設定した場合の逆DCTブロック1(図5
0)の波形と、この波形の中心軸(この例では平均値)
との差分の絶対値の和を、「負の第1類似度 」とし、
この「 正の第1類似度 」と、「 負の第1類似度
」の値を、第1サイン情報推定パラメータ記憶手段
(図39の712)に記憶する(図40のS020)。
上記の例では、「 正の第1類似度 」の値は「 62
228808 」で、「 負の第1類似度 」の値は
「 51435816 」である。
【0242】次に、第1サイン情報生成手段(図39の
713)において、「 正の第1類似度 」と「 負の
第1類似度 」の大きさを比較し、第1類似度が「 大
きい」方のサイン情報を係数A2の真のサイン情報だと
推定する。推定結果が正解であれば、新たなサイン情報
として「 ゼロ(1[ bit ]) 」を出力し、推
定結果が不正解であれば、新たなサイン情報として「
1(1[ bit ]) 」を出力し、「 正の第1類
似度 」と「 負の第1類似度 」の大きさが等しい場
合は、「推定不能 」だとして、係数A2の真のサイン
情報そのものを出力する(図40のS021)。上記の
例では、「 正の第1類似度 」の値は「 62228
808 」で、「 負の第1類似度 」の値は「 51
435816 」で、「 正の第1類似度 」の方が大
きいため、真のサイン情報は「 正 」だと推定する。
この推定結果は正解であり、新たなサイン情報として正
解を意味する「ゼロ(1[ bit ]) 」を出力す
る。第1サイン情報生成手段(図39の713)から出
力されるサイン情報は、サイン情報記憶手段(図39の
702)に記憶される(図40のS022)。
【0243】以上の処理(図40のS014からS02
2)を1個のDCTブロック内の全ての係数に対して終
了するまで、あるいは、強度順位が高い順に処理して最
後の非ゼロ係数まで繰り返す(図40のS023)。
(図25のDCTブロックの例では、ゼロ係数が存在し
ないので、係数A63まで処理を繰り返すことにな
る。)
【0244】以上のように、DCTブロック(図25)
の全ての係数(係数A1から係数A63)までのサイン
情報の推定を行った場合の、各係数の座標(n,m)、
各係数の値、正の第1類似度、負の第1類似度、推定結
果、推定結果が正解(○)か不正解(×)か、新たに生
成されたサイン情報(正解の場合0、不正解の場合1、
推定不能の場合、そのままのサイン情報として正の場合
0で負の場合1)を表8と表9と表10に示す。
【0245】
【表12】
【0246】
【表13】
【0247】
【表14】
【0248】上記の処理(図40のS009からS02
3)を全てのDCTブロックに対して完了するまで繰り
返す(図40のS024)。
【0249】最後に、サイン情報記憶手段(図39の7
02)に記憶されているサイン情報を、サイン情報符号
化手段(図39の703)によって、圧縮符号化する
(図40のS025)。この符号化処理(図40のS0
25)は、上記の例のように、各DCTブロックにおい
て、強度順位が高い係数から順に、強度順位が高い係数
の情報を手がかりに、強度順位が低い係数のサイン情報
の推定を行うことでサイン情報の値として「 0 」が
多くなるため、サイン情報を集めて、統計処理を行って
符号化すると、符号量を少なくすることができる。サイ
ン情報を圧縮符号化する方法は、従来のハフマン符号化
や、算術符号化など、いかなる符号化方法を用いても良
い。
【0250】また、表11に、DCTブロック(図2
5)のサイン情報の推定の集計結果として、総数(係数
の総数)、正解(個数と、総数中に占める割合) 、不
正解(個数と、総数中に占める割合)、推定不能(個数
と、総数中に占める割合)、サイン情報0(サイン情報
として0を用いた個数と、総数中に占める割合)、サイ
ン情報1(サイン情報として1を用いた個数と、総数中
に占める割合)、サイン情報の情報量(bit数と、総
bit数(63bit)に占める割合)を示す。この結
果、従来技術では、もともと、サイン情報には、1個の
係数につき、1[bit ]を使用していたので、係数
A1から係数A63のサイン情報として、63[ bi
t ]必要だったが、これを、上記のように、サイン情
報を推定して新たなサイン情報として扱うことで、情報
量が約49.9[ bit ]となり、もともとの情報
量に対して、約13.1[ bit ](約20.8
%)もの情報量の削減ができることになる。
【0251】
【表15】
【0252】すなわち、既に述べた本発明の第6の実施
の形態と同様の考え方に基づき、強度順位が高い係数
(振幅絶対値が大きい係数)から順に、サイン情報の推
定を行って、次の係数のサイン情報の推定の手がかりと
して利用することで、多くの係数のサイン情報を推定す
ることが可能で、推定結果を圧縮符号化することで、サ
イン情報としては、無損失のままで、サイン情報に必要
な符号量を大幅に削減できる。
【0253】<第8の実施の形態>次に、上記従来の信
号処理システムの 第2の課題 を解決するための、本
発明の 第8の実施の形態 について説明する。
【0254】既に述べた本発明の第5の実施の形態で
は、サイン情報処理手段(図22の7)により、サイン
情報を まとめて符号化することで、サイン情報の符号
量を削減し、第2の課題を解決した。本発明の第6の実
施の形態では、各DCTブロックにおいて、強度順位が
高い係数A1から係数A62までの62個の係数の情報
を手がかりに、最も強度順位が低い係数A63のサイン
情報の推定を行い、推定を行った係数A63のサイン情
報を集めて まとめて符号化することで、サイン情報の
符号量を削減し、第2の課題を解決した。本発明の第7
の実施の形態では、各DCTブロックにおいて、強度順
位が高い係数の情報を手がかりに、最も強度順位が低い
係数A63だけでなく、係数A1から係数A63の全て
の係数のサイン情報の推定を行って符号化することで、
大幅にサイン情報の符号量を削減し、第2の課題を解決
した。また、本発明の第7の実施の形態では、第1サイ
ン情報推定パラメータとして、第1類似度を利用し、第
1類似度が大きいときのサイン情報を正解だと推定し
た。本発明の第8の実施の形態では、本発明の第7の実
施の形態と同様に、第1サイン情報推定パラメータとし
て、第1類似度を利用するが、更に、第2サイン情報推
定パラメータとして、相違度(詳細は後述する)という
値を用いることで、本発明の第7の実施の形態よりも、
大幅にサイン情報の符号量を削減し、第2の課題を解決
するものである。
【0255】入力信号である画像データは、ビデオカメ
ラなどで撮影したしたものや、写真などをスキャナで信
号変換して得たものであり、いずれも光学的読み取り手
段により、信号変換して得られるものである。このよう
に入力信号(画像データ)は、光学的な自然現象に基づ
き生成されている。そのため、被写体の輪郭(エッジ)
の形状などの情報が、そのまま入力信号(画像データ)
の数値に反映される。これらの入力信号(画像データ)
を周波数分解した後に符号化する従来および本発明の信
号処理システムにおいては、被写体の輪郭(エッジ)の
形状により、周波数分解後の、いずれかの周波数成分に
エネルギーが偏るという特徴がある。例えば、被写体の
輪郭(エッジ)が複雑な形状をしていれば、高周波成分
にエネルギーが集中したり、輪郭(エッジ)が単調な形
状をしていれば、低周波成分にエネルギーが集中したり
する。言いかえれば、エネルギーが集中している周波数
成分こそ、その入力信号(画像データ)の特徴を よく
反映し、入力信号(画像データ)の情報を多く含んでい
るのである。このような入力信号(画像データ)の特徴
を鑑みて、本発明の第8の実施の形態では、以下の図5
1のような構成により、サイン情報の符号量の削減を行
う。なお、本発明の第5、第6、第7の実施の形態と同
様に、サイン情報以外の係数については、単なる絶対値
としてサイン情報を除いて、従来技術や、既に説明した
本発明の第1、第2、第3、第4の実施の形態と同様の
処理で符号化を行えば良いが、本発明の第8の実施の形
態では、例として、サイン情報を除く係数の絶対値部分
は、本発明の第2の実施の形態と同様の処理を行うもの
として説明する。
【0256】以下、図51を用いて、本発明の第8の実
施の形態の構成について説明する。図51において、9
は、周波数分解手段で、10は、量子化手段 で、1
は、基本符号化手段 で、基本符号化手段(1) の内
部の、2は、周波数成分記憶手段 で、3は、係数読み
出し制御手段 で、4は、読み出し制御情報生成手段
で、読み出し制御情報生成手段(4)の内部において、
401は、スキャン順決定手段 で、402は、スキャ
ン順テーブル で、403は、スキャン順情報符号化手
段 で、スキャン順情報Eを、読み出し制御情報Cとし
て用い、係数読み出し制御手段(3)において、読み出
し制御情報Cをもとに、アドレス信号Dを生成し、ま
た、スキャン順決定手段(401)の内部の412は、
係数強度演算手段 で、411は、優先順位決定手段
で、以上は、基本的に先に述べた本発明の第2の実施の
形態と同様の働きをする。本発明の第2の実施の形態と
異なる点は、基本符号化手段(1)の内部に、周波数成
分の各係数を絶対値に変換する絶対値変換手段(6)
と、周波数成分の各係数を入力とし、入力される係数の
サイン情報を処理するサイン情報処理手段(7)を有
し、絶対値に変換された周波数成分の各係数に対して、
係数符号化手段(5)で、統計処理を行い、係数を符号
化することとし、サイン情報処理手段(7)の内部に、
周波数成分記憶手段(2)の中の各周波数成分の係数の
うち、周波数分解の単位内(DCTブロック)での各係
数のエネルギーの強さ(以下、強度)を測定し、各係数
の強度の順位(以下、係数強度順位)を判定する係数強
度順位判定手段(704) と、係数強度順位を記憶す
る係数強度順位テーブル(705) と、各係数がゼロ
かどうかを判定し、非ゼロの場合のみ、サイン情報を抽
出する非ゼロ判定サイン情報抽出手段(701)と、係
数強度順位の高い係数から優先的に、サイン情報の推定
を行い、推定結果から、新たなサイン情報を生成して出
力するサイン情報推定手段(706)を有し、サイン情
報推定手段(706) の内部に、周波数成分記憶手段
(2)の中の各周波数成分の係数に対して、仮のサイン
情報(以下、仮サイン情報)と、必要に応じて真のサイ
ン情報(以下、真サイン情報)を設定するサイン情報設
定手段(707) と、サイン情報設定手段(707)
により、仮サイン情報と、必要に応じて真サイン情報が
設定された各係数(以下、サイン情報付き係数)を記憶
するサイン情報付き係数記憶手段(708) と、サイ
ン情報付き係数の各周波数成分を合成し、サイン情報付
き周波数合成結果を出力する周波数成分合成手段(70
9) と、サイン情報付き周波数合成結果を記憶する周
波数合成結果記憶手段(710) と、各仮サイン情報
が設定されているサイン情報付き周波数合成結果に対応
した第1のサイン情報推定パラメータ(以下、第1サイ
ン情報推定パラメータ)を演算する第1サイン情報推定
パラメータ演算手段(711) と、第1サイン情報推
定パラメータを記憶する第1サイン情報推定パラメータ
記憶手段(712) と、各仮サイン情報が設定されて
いるサイン情報付き周波数合成結果に対応した第2のサ
イン情報推定パラメータ(以下、第2サイン情報推定パ
ラメータ)を演算する第2サイン情報推定パラメータ演
算手段(714) と、第2サイン情報推定パラメータ
を記憶する第2サイン情報推定パラメータ記憶手段(7
15) と、第1サイン情報推定パラメータと第2サイ
ン情報推定パラメータを用いて、各仮サイン情報が設定
されているサイン情報付き周波数合成結果に対応した第
3のサイン情報推定パラメータ(以下、第3サイン情報
推定パラメータ)を演算する第3サイン情報推定パラメ
ータ演算手段(716) と、第3サイン情報推定パラ
メータを記憶する第3サイン情報推定パラメータ記憶手
段(717) と、各仮サイン情報に対応した第3サイ
ン情報推定パラメータの値から、どの仮サイン情報が真
のサイン情報かを推定し、推定したサイン情報と真のサ
イン情報とが一致しているかどうかを示す一致不一致情
報を、新たなサイン情報として出力する第2サイン情報
生成手段(718)を有し、サイン情報設定手段(70
7)において、仮サイン情報が真のサイン情報かどうか
の推定が完了した係数に関して、真のサイン情報を設定
する機能を有し、真サイン情報が設定されている係数
(以下、真サイン情報付き係数)による周波数合成結果
(以下、真サイン周波数合成結果)と、仮サイン情報が
設定されている係数(以下、仮サイン情報付き係数)に
よる周波数合成結果(以下、仮サイン周波数合成結果)
との差分の絶対値の和を第1変化量とし、真サイン情報
付き係数と、仮サイン情報付き係数の混合状態での周波
数合成結果(以下、混合周波数合成結果)に関して、混
合周波数合成結果の波形の、波形の中心軸と、波形で囲
まれた領域における、波形と、波形の中心軸との差分の
絶対値の和を第1類似度とし、混合周波数合成結果の波
形が、所定の値域を はみ出す領域における、波形と、
値域との差分の絶対値の和を相違度とし、第1サイン情
報推定パラメータ演算手段(711) において、第1
変化量、または第1類似度を第1サイン情報推定パラメ
ータとして演算し、第2サイン情報推定パラメータ演算
手段(714) において、相違度を第2サイン情報推
定パラメータとして演算し、第1変化量または相違度に
正規化係数をかけて正規化し、正規化済みの第1変化量
に正規化済みの相違度を加算した値を第2変化量とし、
第1類似度または相違度に正規化係数をかけて正規化
し、正規化済みの第1類似度に正規化済みの相違度を減
算した値を第2類似度とし、第3サイン情報推定パラメ
ータ演算手段(716) において、第2変化量、また
は第2類似度を第3サイン情報推定パラメータとして演
算し、第2サイン情報生成手段(718) において、
各仮サイン情報に対応する第3サイン情報推定パラメー
タが第2変化量の場合は、第3サイン情報推定パラメー
タの値が小さいときの仮サイン情報を真のサイン情報だ
と推定し、各仮サイン情報に対応する第3サイン情報推
定パラメータが第2類似度の場合は、第3サイン情報推
定パラメータの値が大きいときの仮サイン情報が真のサ
イン情報であると推定する構成としている点である。
【0257】以下の説明では、例として周波数分解手段
(9)は、DCTを行うものとし、係数符号化手段
(5)は、ハフマン符号化を行うものとする。
【0258】以下、本発明の第8の実施の形態の信号処
理システム(圧縮符号化側)の動作について図52を用
いて説明する。
【0259】<入力>まず、はじめに、1フレーム分の
原画像データのうち、1ブロック分(8画素×8画素)
のデータ(原画像ブロック)を入力する(図52のS0
01)。
【0260】<DCTおよび量子化>次に、周波数分解
手段(図51の9)において、入力された原画像ブロッ
クに対して、数1のようなDCT演算を施し(図52の
S002)、量子化手段(図51の10)において、D
CT後の各係数(DCTブロック)を量子化する(図5
2のS003)。そして、量子化後のDCTブロックを
周波数成分記憶手段(図51の2)に記憶する(図52
のS004)。なお、ここでは例として、どの係数も、
一律 量子化ステップとして1を適用して量子化する。
このDCTと量子化の処理は、先に述べた従来の信号処
理システムと同じである。
【0261】<強度の演算>次に、係数強度演算手段
(図51の412)では、量子化後のDCTブロックの
各成分ごとに対応した係数の強度を演算する(図52の
S005)。
【0262】上記の一連の処理(図52のS001とS
002とS003とS004とS005)を全ての原画
像ブロックに対して終了したかを判定し(図52のS0
06)、全ての原画像ブロックの処理が終了するまで繰
り返す。
【0263】<スキャン順テーブルの作成>次に、優先
順位決定手段(図51の411)によって、強度の値
(係数の絶対値の和)が大きい係数から優先的にサンプ
リングするようなスキャン順を決定し、スキャン順テー
ブル(図51の402)に記憶する(図52のS00
7)。ここで、スキャン順テーブル(図51の402)
に記憶されているスキャン順の情報(例えば、座標値)
を、スキャン順情報符号化手段(図51の403)によ
って、符号化して出力信号として出力する(図52のS
008)。ここで行うスキャン順情報の符号化は、単に
座標値を2進数表現した値を出力しても良いし、あるい
は、画像データや音声データでは、低周波成分には非ゼ
ロ係数が出現しにくいため、低周波成分に近い座標値ほ
ど短い符号となるような可変長符号として出力するなど
の方法を用いても良い。
【0264】<スキャンの実行および符号化>次に、作
成したスキャン順テーブル(図51の402)に記憶さ
れているスキャン順に従って、読み出し制御手段(図5
1の3)で、周波数成分記憶手段(図51の2)のアド
レス信号Dを生成し、周波数成分記憶手段(図51の
2)から、量子化後のDCTブロックの各係数を最後の
非ゼロ係数まで読み出す(図52のS009)。この読
み出された係数を絶対値変換手段(図51の6)によ
り、絶対値に変換し(図52のS010)、絶対値に変
換後の各係数を係数符号化手段(図51の5)で、符号
化する(図52のS011)。すなわち、この符号化処
理(図52のS011)は、サイン情報を除く係数の絶
対値部分にのみ施される。なお、係数の絶対値を得る処
理は、周波数成分記憶手段(図51の2)に記憶する前
に行っておいてもよく、その場合は周波数成分記憶手段
(図51の2)に各係数を、絶対値とサイン情報に分け
て記憶しておいても良い。
【0265】<サイン情報の処理>次に、スキャン順の
読み出し処理(図52のS009)によって、読み出さ
れる係数に対して、係数強度順位判定手段(図51の7
04)で、1個のDCTブロック内で、各係数のエネル
ギーの強さ(以下、強度)を測定し、各係数の強度の順
位(以下、係数強度順位)を判定する(図52のS01
2)。そして、係数強度順位の値を係数強度順位テーブ
ル(図51の705)に記憶する(図52のS01
3)。先にも述べたように、被写体の輪郭(エッジ)が
複雑な形状をしていれば、高周波成分にエネルギーが集
中したり、輪郭(エッジ)が単調な形状をしていれば、
低周波成分にエネルギーが集中したりする。エネルギー
が集中している周波数成分こそ、その入力信号(画像デ
ータ)の特徴を よく反映し、入力信号(画像データ)
の情報を多く含んでいるのであり、上記の処理(図52
のS012)は、DCTブロック内の どの周波数成分
にエネルギーが集中しているかを判定するものである。
この処理(図52のS012)における強度とは、具体
的には、各係数の絶対値や、各係数の2乗値の大きさで
ある。例として、本実施の形態(本発明の第8の実施の
形態)では、強度を、係数の絶対値とする。なお、この
強度順位の判定は、注目しているDCTブロック内のA
C成分に対してのみ行う。例えば、本発明の第5の実施
の形態での説明で使用したものと同じDCTブロック
(図25)の場合、AC成分のうちで強度の値が1番大
きい係数(以下、係数A1と呼ぶ)は、座標(1,0)
の「 −784 」である。2番目に強度の値が大きい
係数(以下、係数A2と呼ぶ)は、座標(3,0)の
「 212 」である。3番目に強度の値が大きい係数
(以下、係数A3と呼ぶ)は、座標(5,0)の「 −
103 」である。4番目に強度の値が大きい係数(以
下、係数A4と呼ぶ)は、座標(2,4)の「 71
」と、座標(4,1)の「 −71 」で強度の大き
さが同じ係数が2個存在する。このような場合は、どち
らを優先的に順位付けしても良いが、この例では、座標
(2,4)の「 71 」を4番目(係数A4)とす
る。このように、強度の大きい順に、順位付けを行って
いき、係数強度順位を決定し、その順位に応じた座標
(n,m)の情報を係数強度順位テーブル(図51の7
05)に記憶しておく。
【0266】次に、非ゼロ判定サイン情報抽出手段(図
51の701)によって、各係数が非ゼロかどうかを判
定し(図52のS014)、各係数が非ゼロの場合、サ
イン情報推定手段(図51の706)によって、各係数
のサイン情報が正なのか負なのかの推定を行う(図52
のS015からS026)。このサイン情報の推定処理
(図52のS015からS026)において、先に求め
た、係数強度順位に従って、強度順位が高い(強度の値
が大きい)係数の情報を手がかりとして、強度順位が低
い(強度の値が小さい)係数のサイン情報の推定を行
う。DCTブロック(図25)の例に対して、先に述べ
た本発明の第6の実施の形態では、強度順位が高い係数
A1から係数A62までの62個の係数の情報を手がか
りに、最も強度順位が低い係数A63(図25の座標
(4,0)の「 −2」)のみのサイン情報の推定を行
ったが、本発明の第8の実施の形態は、本発明の第7の
実施の形態と同様に、強度順位が高い係数A1から順
に、係数A63までの全ての係数のサイン情報の推定を
行うものである。
【0267】まず、サイン情報設定手段(図51の70
7)では、DC成分に真のサイン情報を設定し、サイン
情報の推定を行う係数A1のAC成分(図25の座標
(1,0)の「 −784 」)に、仮のサイン情報と
して正のサイン情報を設定し(図52のS015)、こ
のDCTブロック(以下、DCTブロック0と呼ぶ)を
サイン情報付き係数記憶手段(図51の708)に記憶
する(図52のS016)。また、サイン情報設定手段
(図51の707)では、DC成分に真のサイン情報を
設定し、サイン情報の推定を行う係数A1のAC成分
(図25の座標(1,0)の「 −784 」)に、仮
のサイン情報として負のサイン情報を設定し(図52の
S015)、このDCTブロック(以下、DCTブロッ
ク1と呼ぶ)をサイン情報付き係数記憶手段(図51の
708)に記憶する(図52のS016)。すなわち、
サイン情報付き係数記憶手段(図51の708)には、
DCTブロック0と、DCTブロック1の、2個のDC
Tブロックが記憶される。それぞれのDCTブロック
を、図53、図54に示す。
【0268】次に、サイン情報付き係数記憶手段(図5
1の708)に記憶されているDCTブロック0(図5
3)と、DCTブロック1(図54)の、2個のDCT
ブロックに対して、周波数合成手段(図51の709)
により、数2の逆DCT演算を施し(図52のS01
7)、それぞれの逆DCT結果を周波数合成結果記憶手
段(図51の710)に記憶する(図52のS01
8)。なお、上記の逆DCT演算(図52のS017)
を施す前に、それぞれのDCTブロックに対して、逆量
子化を行う構成とすることが望ましいが、上記の一連で
は、例として量子化ステップを1としており、ここでは
逆量子化の処理は省略した。( 逆量子化手段を具備
し、逆量子化を行っても良い。) なお、逆DCTは実数計算であり、小数点以下の値が存
在するが、通常は、実数計算した結果を整数化して取り
扱う。このときに、小数点以下の値が切り捨てられるこ
とで、実際の演算結果に対する誤差が生じる。この誤差
ができるだけ小さくなるように、上記の逆DCT演算
(図52のS017)は、例として、逆DCT結果を1
0000倍してより高いbit精度の整数値として出力
するものとする。DCTブロック0(図53)の逆DC
T結果を10000倍したもの(以下、逆DCTブロッ
ク0と呼ぶ)を図55に、DCTブロック1(図54)
の逆DCT結果を10000倍したもの(以下、逆DC
Tブロック1と呼ぶ)を図56に示す。
【0269】次に、第1サイン情報推定パラメータ演算
手段(図51の711)で、第1サイン情報推定パラメ
ータとして、第1類似度の演算を行い(図52のS01
9)、演算結果を第1サイン情報推定パラメータ記憶手
段(図51の712)に記憶する(図52のS02
0)。上記で演算される第1類似度は、仮サイン情報が
設定されている係数(以下、仮サイン情報付き係数)に
よる周波数合成結果(以下、仮サイン周波数合成結果)
の波形と、この波形の中心軸(この例では平均値)との
差分の絶対値の和であると定義する。具体的には、上記
の例では、係数A1に仮に正のサイン情報を設定した場
合の逆DCTブロック0(図55)の波形と、この波形
の中心軸(この例では平均値)との差分の絶対値の和
を、「 正の第1類似度 」とし、係数A1に仮に負の
サイン情報を設定した場合の逆DCTブロック1(図5
6)の波形と、この波形の中心軸(この例では平均値)
との差分の絶対値の和を、「負の第1類似度 」とし、
この「 正の第1類似度 」と、「 負の第1類似度
」の値を、第1サイン情報推定パラメータ記憶手段
(図51の712)に記憶する(図52のS020)。
上記の例では、「 正の第1類似度 」の値は「 56
832328 」で、「 負の第1類似度 」の値は
「 56832328 」で、どちらも等しい値であ
る。逆DCTブロックの波形と、第1類似度の関係を概
念的なイメージで表すと図57のようになる。
【0270】以上の処理(図52のS014からS02
0)は、本発明の第7の実施の形態と全く同じ処理であ
るが、以下の処理が異なる。
【0271】次に、第2サイン情報推定パラメータ演算
手段(図51の714)で、第2サイン情報推定パラメ
ータとして、相違度の演算を行い(図52のS02
1)、演算結果を第2サイン情報推定パラメータ記憶手
段(図51の715)に記憶する(図52のS02
2)。上記で演算される相違度は、仮サイン情報が設定
されている係数(以下、仮サイン情報付き係数)による
周波数合成結果(以下、仮サイン周波数合成結果)の波
形が、所定の値域を はみ出す領域における、波形と値
域との差分の絶対値の和であると定義する。上記の例で
は、入力される原画像データの値域は、「 0から25
5 」としている。ただし、逆DCTブロック0(図5
5)と逆DCTブロック1(図56)は、いずれも、逆
DCT演算の際に、10000倍の値としているため、
ここでは、レンジを合わせるために、値域も10000
倍の値(0から2550000)として扱う。係数A1
に仮に正のサイン情報を設定した場合の逆DCTブロッ
ク0(図55)の波形が、所定の値域(この例では「
0から2550000 」)を はみ出す領域におけ
る、波形と値域(この例では「 0から2550000
」)との差分の絶対値の和を、「 正の相違度 」と
し、係数A1に仮に負のサイン情報を設定した場合の逆
DCTブロック1(図56)の波形が、所定の値域(こ
の例では「 0から2550000 」)を はみ出す
領域における、波形と値域(この例では「 0から25
50000 」)との差分の絶対値の和を、「 負の相
違度 」とし、この「 正の相違度 」と、「 負の相
違度 」の値を、第2サイン情報推定パラメータ記憶手
段(図51の715)に記憶する(図52のS02
2)。上記の例では、「 正の相違度 」の値は「 1
348784 」で、「 負の相違度 」の値は「 1
348784 」で、どちらも等しい値である。逆DC
Tブロックの波形と、相違度の関係を概念的なイメージ
で表すと図58のようになる。
【0272】先に述べた本発明の第7の実施の形態で
は、第1サイン情報推定パラメータ(第1類似度または
第1変化量)のみを用いて、サイン情報の推定を行った
が、本実施の形態(本発明の第8の実施の形態)では、
第2サイン情報推定パラメータ(相違度)の情報を併用
することで、本発明の第7の実施の形態以上に、サイン
情報の推定の精度を高め、最終的にサイン情報の符号量
を大幅に削減するものである。その理由は、以下の通り
である。本発明の第7の実施の形態では、第1類似度の
値が大きい方のサイン情報を正解だと推定した。これ
は、図57に示すように、波形が中心軸から遠ざかるほ
ど正解であると推定していることになる。しかしなが
ら、もともと原画像データの値域が「 0から255
」と定められている状況において、この値域を極端に
はみ出す場合は、そのサイン情報は、不自然であると
考えられる。よって、この値域をはみ出す量を相違度と
して、第1類似度(または第1変化量)と相違度の両方
の情報を考慮して、サイン情報の推定を行うことで、よ
り正確な推定結果を得ることができる。具体的には、第
1サイン情報推定パラメータが、第1変化量の場合は、
第1変化量または相違度に正規化係数をかけて正規化
し、正規化済みの第1変化量に正規化済みの相違度を加
算した値を第2変化量とし、第1サイン情報推定パラメ
ータが、第1類似度の場合は、第1類似度または相違度
に正規化係数をかけて正規化し、正規化済みの第1類似
度に正規化済みの相違度を減算した値を第2類似度と
し、第3サイン情報推定パラメータ演算手段(図51の
716) において、第2変化量、または第2類似度を
第3サイン情報推定パラメータとして演算し(図52の
S023)、第2サイン情報生成手段(図51の71
8) において、各仮サイン情報に対応する第3サイン
情報推定パラメータが第2変化量の場合は、第3サイン
情報推定パラメータの値が小さいときの仮サイン情報を
真のサイン情報だと推定し、各仮サイン情報に対応する
第3サイン情報推定パラメータが第2類似度の場合は、
第3サイン情報推定パラメータの値が大きいときの仮サ
イン情報が真のサイン情報であると推定し、推定結果が
正解であれば、新たなサイン情報として「 ゼロ(1
[ bit ]) 」を出力し、推定結果が不正解であ
れば、新たなサイン情報として「 1(1[ bit
]) 」を出力し、推定不能の場合は、係数A1の真
のサイン情報そのものを出力する(図52のS02
5)。
【0273】本実施の形態(本発明の第8の実施の形
態)では、第3サイン情報推定パラメータとして、第2
類似度を演算するが、具体的には、第1類似度と相違度
を正規化するために、正の第1類似度と負の第1類似度
の和(以下、第1類似度の和 と呼ぶ)と、正の相違度
と負の相違度の和(以下、相違度の和 と呼ぶ)を求
め、正規化係数αとして、第1類似度の和と相違度の和
の比(=第1類似度の和/相違度の和)を求める。そし
て、第2類似度として、第1類似度から、α倍した相違
度の値を引いた値(=第1類似度−α×相違度)を求め
る。上記の例(係数A1)では、正規化係数αの値は、
「 42 」となり、「 正の第2類似度(=正の第1
類似度−α×正の相違度) 」の値は「 183400
」で、「 負の第2類似度(=負の第1類似度−α×
負の相違度) 」の値は「 183400 」で、どち
らも等しい値であり、係数A1のサイン情報は「 推定
不能 」であり、サイン情報として、真のサイン情報を
出力する。すなわち係数A1の真のサイン情報は負であ
るため、負を意味する「 1(1[bit ]) 」を
出力する。
【0274】もし、第3サイン情報推定パラメータとし
て、第2変化量を演算する場合は、正の第1変化量と負
の第1変化量の和(以下、第1変化量の和 と呼ぶ)
と、相違度の和(=正の相違度と負の相違度の和)を求
め、正規化係数αとして、第1変化量の和と相違度の和
の比(=第1変化量の和/相違度の和)を求める。そし
て、第2変化量として、第1変化量に、α倍した相違度
の値を加算した値(=第1変化量+α×相違度)を求め
れば良い。
【0275】なお、上記において、正規化係数αを求め
る際に、相違度の和をそのまま用いても良いが、量子化
誤差や、全ての係数を使用していないなどの理由で、逆
DCTブロックのサイン情報が正しくても、多少は値域
を はみ出すことがあり得る。そのため、正規化係数α
を求める際に、相違度の値を少し小さくなるように調整
(減算、あるいは、1未満の係数を掛ける)したり、あ
るいは、正規化係数α自体を、少し小さい値になるよう
に調整(減算、あるいは、1未満の係数を掛ける)して
おいても良い。
【0276】第2サイン情報生成手段(図51の71
8)から出力されるサイン情報は、サイン情報記憶手段
(図51の702)に記憶される(図52のS02
6)。
【0277】本実施の形態(本発明の第8の実施の形
態)では、第3サイン情報推定パラメータとして、第2
類似度を用い、第2類似度が「 大きい 」方のサイン
情報を真のサイン情報だと推定したが、第3サイン情報
推定パラメータとして、第2変化量を用いる場合は、第
2変化量が「 小さい 」方のサイン情報を真のサイン
情報だと推定する処理と、表現の仕方が異なるだけで、
実質的には全く同等の意味を持つ。
【0278】以上で、最も強度順位が高い係数A1のサ
イン情報の推定処理が完了したので、次に、非ゼロ判定
サイン情報抽出手段(図51の701)で、係数A2
(図25の座標(3,0)の「 212 」)が非ゼロ
かどうかを判定し、非ゼロであるので、以下のサイン情
報の推定を行う。
【0279】まず、サイン情報設定手段(図51の70
7)では、DC成分に真のサイン情報を設定し(既に設
定済みなのでそのまま利用すれば良い)、既にサイン情
報の推定が完了した係数A1(図25の座標(1,0)
の「 −784 」)に、真のサイン情報として負のサ
イン情報を設定し、これからサイン情報の推定を行う係
数A2(図25の座標(3,0)の「 212 」)
に、仮のサイン情報として正のサイン情報を設定し(図
52のS015)、このDCTブロック(以下、DCT
ブロック0と呼ぶ)をサイン情報付き係数記憶手段(図
51の708)に記憶する(図52のS016)。ま
た、サイン情報設定手段(図51の707)では、DC
成分に真のサイン情報を設定し(既に設定済みなのでそ
のまま利用すれば良い)、既にサイン情報の推定が完了
した係数A1(図25の座標(1,0)の「 −784
」)に、真のサイン情報として負のサイン情報を設定
し、これからサイン情報の推定を行う係数A2(図25
の座標(3,0)の「 212 」)に、仮のサイン情
報として負のサイン情報を設定し(図52のS01
5)、このDCTブロック(以下、DCTブロック1と
呼ぶ)をサイン情報付き係数記憶手段(図51の70
8)に記憶する(図52のS016)。すなわち、サイ
ン情報付き係数記憶手段(図51の708)には、DC
Tブロック0と、DCTブロック1の、2個のDCTブ
ロックが記憶される。それぞれのDCTブロックを、図
59、図60に示す。
【0280】以下、新たに更新されたDCTブロック0
(図59)とDCTブロック1(図60)に対して、そ
れぞれ、図52のS016からS026の処理を行う。
【0281】サイン情報付き係数記憶手段(図51の7
08)に記憶されているDCTブロック0(図59)
と、DCTブロック1(図60)の、2個のDCTブロ
ックに対して、周波数合成手段(図51の709)によ
り、数2の逆DCT演算を施し(図52のS017)、
それぞれの逆DCT結果を周波数合成結果記憶手段(図
51の710)に記憶する(図52のS018)。な
お、上記の逆DCT演算(図52のS017)を施す前
に、それぞれのDCTブロックに対して、逆量子化を行
う構成とすることが望ましいが、上記の一連では、例と
して量子化ステップを1としており、ここでは逆量子化
の処理は省略した。( 逆量子化手段を具備し、逆量子
化を行っても良い。) なお、逆DCTは実数計算であり、小数点以下の値が存
在するが、通常は、実数計算した結果を整数化して取り
扱う。このときに、小数点以下の値が切り捨てられるこ
とで、実際の演算結果に対する誤差が生じる。この誤差
ができるだけ小さくなるように、上記の逆DCT演算
(図52のS017)は、例として、逆DCT結果を1
0000倍してより高いbit精度の整数値として出力
するものとする。DCTブロック0(図59)の逆DC
T結果を10000倍したもの(以下、逆DCTブロッ
ク0と呼ぶ)を図61に、DCTブロック1(図60)
の逆DCT結果を10000倍したもの(以下、逆DC
Tブロック1と呼ぶ)を図62に示す。
【0282】次に、第1サイン情報推定パラメータ演算
手段(図51の711)で、第1サイン情報推定パラメ
ータとして、第1類似度の演算を行い(図52のS01
9)、演算結果を第1サイン情報推定パラメータ記憶手
段(図51の712)に記憶する(図52のS02
0)。上記で演算される第1類似度は、仮サイン情報が
設定されている係数(以下、仮サイン情報付き係数)に
よる周波数合成結果(以下、仮サイン周波数合成結果)
の波形と、この波形の中心軸(この例では平均値)との
差分の絶対値の和であると定義する。具体的には、上記
の例では、係数A2に仮に正のサイン情報を設定した場
合の逆DCTブロック0(図61)の波形と、この波形
の中心軸(この例では平均値)との差分の絶対値の和
を、「 正の第1類似度 」とし、係数A2に仮に負の
サイン情報を設定した場合の逆DCTブロック1(図6
2)の波形と、この波形の中心軸(この例では平均値)
との差分の絶対値の和を、「 負の第1類似度 」と
し、この「 正の第1類似度 」と、「 負の第1類似
度 」の値を、第1サイン情報推定パラメータ記憶手段
(図51の712)に記憶する(図52のS020)。
上記の例では、「 正の第1類似度 」の値は「 62
228808 」で、「 負の第1類似度 」の値は
「 51435816 」である。
【0283】次に、第2サイン情報推定パラメータ演算
手段(図51の714)で、第2サイン情報推定パラメ
ータとして、相違度の演算を行い(図52のS02
1)、演算結果を第2サイン情報推定パラメータ記憶手
段(図51の715)に記憶する(図52のS02
2)。上記の例(係数A2の図61と図62)では、
「 正の相違度 」の値は「 53768 」で、「
負の相違度 」の値は「 6334496 」である。
【0284】次に、第3サイン情報推定パラメータ演算
手段(図51の716) において、第2類似度を第3
サイン情報推定パラメータとして演算し(図52のS0
23)、第2サイン情報生成手段(図51の718)
において、各仮サイン情報に対応する第3サイン情報推
定パラメータが第2変化量の場合は、第3サイン情報推
定パラメータの値が小さいときの仮サイン情報を真のサ
イン情報だと推定し、各仮サイン情報に対応する第3サ
イン情報推定パラメータが第2類似度の場合は、第3サ
イン情報推定パラメータの値が大きいときの仮サイン情
報が真のサイン情報であると推定し、推定結果が正解で
あれば、新たなサイン情報として「 ゼロ(1[ bi
t ]) 」を出力し、推定結果が不正解であれば、新
たなサイン情報として「 1(1[ bit ]) 」
を出力し、推定不能の場合は、係数A1の真のサイン情
報そのものを出力する(図52のS025)。上記の例
(係数A2の図61と図62)では、正規化係数αの値
は、「 17 」となり、「 正の第2類似度(=正の
第1類似度−α×正の相違度) 」の値は「 6131
4752 」で、「 負の第2類似度(=負の第1類似
度−α×負の相違度) 」の値は「 −5625061
6 」で「 正の第1類似度 」の方が大きいため、真
のサイン情報は「 正 」だと推定する。この推定結果
は正解であるため、新たなサイン情報として正解を意味
する「 ゼロ(1[ bit ]) 」を出力する。第
2サイン情報生成手段(図51の718)から出力され
るサイン情報は、サイン情報記憶手段(図51の70
2)に記憶される(図52のS026)。
【0285】以上の処理(図52のS014からS02
6)を1個のDCTブロック内の全ての係数に対して終
了するまで、あるいは、強度順位が高い順に処理して最
後の非ゼロ係数まで繰り返す(図52のS027)。
(図25のDCTブロックの例では、ゼロ係数が存在し
ないので、係数A63まで処理を繰り返すことにな
る。)
【0286】以上のように、DCTブロック(図25)
の全ての係数(係数A1から係数A63)までのサイン
情報の推定を行った場合の、各係数の座標(n,m)、
各係数の値、正の第2類似度、負の第2類似度、推定結
果、推定結果が正解(○)か不正解(×)か、新たに生
成されたサイン情報(正解の場合0、不正解の場合1、
推定不能の場合、そのままのサイン情報として正の場合
0で負の場合1)を表12と表13と表14に示す。
【0287】
【表16】
【0288】
【表17】
【0289】
【表18】
【0290】上記の処理(図52のS009からS02
7)を全てのDCTブロックに対して完了するまで繰り
返す(図52のS028)。
【0291】最後に、サイン情報記憶手段(図51の7
02)に記憶されているサイン情報を、サイン情報符号
化手段(図51の703)によって、圧縮符号化する
(図52のS029)。この符号化処理(図52のS0
29)は、上記の例のように、各DCTブロックにおい
て、強度順位が高い係数から順に、強度順位が高い係数
の情報を手がかりに、強度順位が低い係数のサイン情報
の推定を行うことでサイン情報の値として「 0 」が
多くなるため、サイン情報を集めて、統計処理を行って
符号化すると、符号量を少なくすることができる。サイ
ン情報を圧縮符号化する方法は、従来のハフマン符号化
や、算術符号化など、いかなる符号化方法を用いても良
い。また、表15に、DCTブロック(図25)のサイ
ン情報の推定の集計結果として、総数(係数の総数)、
正解(個数と、総数中に占める割合) 、不正解(個数
と、総数中に占める割合)、推定不能(個数と、総数中
に占める割合)、サイン情報0(サイン情報として0を
用いた個数と、総数中に占める割合)、サイン情報1
(サイン情報として1を用いた個数と、総数中に占める
割合)、サイン情報の情報量(bit数と、総bit数
(63bit)に占める割合)を示す。この結果、従来
技術では、もともと、サイン情報には、1個の係数につ
き、1[bit ]を使用していたので、係数A1から
係数A63のサイン情報として、63[ bit ]必
要だったが、これを、上記のように、サイン情報を推定
して新たなサイン情報として扱うことで、情報量が約3
7.3[ bit ]となり、もともとの情報量に対し
て、約25.7[ bit ](約40.8%)もの情
報量を削減できることになる。また、先に述べた本発明
の第7の実施の形態では、もともとの情報量に対して、
約13.1[ bit ](約20.8%)の情報量の
削減ができていたが、本発明の第8の実施の形態では、
第7の実施の形態よりも更に大幅に情報量を削減できた
ことになる。このように、上記のような構成で、第1類
似度(または第1変化量)と相違度の両方の情報を考慮
して、サイン情報の推定を行うことでサイン情報に必要
な符号量を大幅に削減することができる。
【0292】
【表19】
【0293】ここで、サイン情報記憶手段(図51の7
02)に記憶されているサイン情報を、サイン情報符号
化手段(図51の703)によって、圧縮符号化する処
理(図52のS029)において、表12と表13と表
14の各係数のサイン情報(表12と表13と表14の
右端の値)を複数のグループに分類し、各グループごと
に統計処理を行って符号化することで、更に大幅に情報
量を削減できる方法について述べる。表12と表13と
表14の各係数のサイン情報 の値を見ると、前半の方
(係数A1に近い方)では、推定不能や不正解が いく
つか存在するが、後半の方(係数A63に近い方)へ
いけばいくほど正解率が高くなっている。特に、係数A
29から係数A63までの、連続する35個の係数は、
全て、サイン情報の推定結果が正解である。これは、前
半では、サイン情報が既に分かっている係数が少ない
が、後半へ いけばいくほど、より多くの係数のサイン
情報が分かり、それらの情報を手がかりに、以後のサイ
ン情報を推定するようにしているため、後半の方が、原
画像に近い情報を手がかりとしてサイン情報を推定でき
ることになる。そのため、後半の方が、正確さ が増す
のである。この特徴を利用して、63個の係数のサイン
情報(表12と表13と表14の右端の値)をまとめ
て、圧縮符号化するのではなく、63個の係数のうち、
例えば、「 前半グループ(係数A1から係数A31ま
での、31個) 」と、「 後半グループ(係数A32
から係数A63までの、32個) 」というように、複
数のグループにに分けて、各グループごとに圧縮符号化
すると、更に 圧縮率が向上する。以下では、前半グル
ープと、後半グループの「 情報量 」を計算してみ
る。表16に前半グループの状況を、表17に後半グル
ープの状況をまとめる。この結果より、前半グループの
情報量は、約26.9[ bit ]で、後半グループ
の情報量は、0.0[ bit ]で、前半グループと
後半グループの合計の情報量は、約26.9[ bit
](約42.8%)である。これは、前半グループと
後半グループの合計は、もともと従来技術では、63
[ bit ]だったのに対して、約42.8%(半分
以下)の情報量となり、約57.2%ものサイン情報の
情報量を削減できたことになる。先に述べた表15のよ
うに、前半グループと後半グループの区別なく、圧縮符
号化を行う場合の情報量が、約37.3[ bit ]
だったので、このように、前半グループと後半グループ
とに分けて、圧縮符号化を行うと、情報量が約26.9
[ bit ]となり、このように複数のグループに分
けて各グループごとに圧縮符号化を行うことで、サイン
情報の情報量を大幅に削減することができる。
【0294】
【表20】
【0295】
【表21】
【0296】<第9の実施の形態>次に、上記従来の信
号処理システムの 第2の課題 を解決するための、本
発明の 第9の実施の形態 について説明する。
【0297】既に述べた本発明の第5の実施の形態で
は、サイン情報処理手段(図22の7)により、サイン
情報を まとめて符号化することで、サイン情報の符号
量を削減し、第2の課題を解決した。本発明の第6の実
施の形態では、各DCTブロックにおいて、強度順位が
高い係数A1から係数A62までの62個の係数の情報
を手がかりに、最も強度順位が低い係数A63のサイン
情報の推定を行い、推定を行った係数A63のサイン情
報を集めて まとめて符号化することで、サイン情報の
符号量を削減し、第2の課題を解決した。本発明の第7
の実施の形態では、各DCTブロックにおいて、強度順
位が高い係数の情報を手がかりに、最も強度順位が低い
係数A63だけでなく、係数A1から係数A63の全て
の係数のサイン情報の推定を行って符号化することで、
大幅にサイン情報の符号量を削減し、第2の課題を解決
した。また、本発明の第7の実施の形態では、第1サイ
ン情報推定パラメータとして、第1類似度を利用し、第
1類似度が大きいときのサイン情報を正解だと推定し
た。本発明の第8の実施の形態は、本発明の第7の実施
の形態と同様に、第1サイン情報推定パラメータとし
て、第1類似度(または第1変化量)を利用し、更に、
第2サイン情報推定パラメータとして、相違度を用いる
ことで、本発明の第7の実施の形態よりも、大幅にサイ
ン情報の符号量を削減し、第2の課題を解決した。本発
明の第9の実施の形態では、本発明の第8の実施の形態
と同様に、第1サイン情報推定パラメータとして、第1
類似度(または第1変化量)を利用し、また、第2サイ
ン情報推定パラメータとして、相違度を用いるが、強度
順位が高い順に、1個の係数ごとにサイン情報の推定を
行うのではなく、複数の係数のサイン情報をまとめて推
定することで、本発明の第8の実施の形態よりも、更に
サイン情報の符号量を削減し、第2の課題を解決するも
のである。
【0298】入力信号である画像データは、ビデオカメ
ラなどで撮影したしたものや、写真などをスキャナで信
号変換して得たものであり、いずれも光学的読み取り手
段により、信号変換して得られるものである。このよう
に入力信号(画像データ)は、光学的な自然現象に基づ
き生成されている。そのため、被写体の輪郭(エッジ)
の形状などの情報が、そのまま入力信号(画像データ)
の数値に反映される。これらの入力信号(画像データ)
を周波数分解した後に符号化する従来および本発明の信
号処理システムにおいては、被写体の輪郭(エッジ)の
形状により、周波数分解後の、いずれかの周波数成分に
エネルギーが偏るという特徴がある。例えば、被写体の
輪郭(エッジ)が複雑な形状をしていれば、高周波成分
にエネルギーが集中したり、輪郭(エッジ)が単調な形
状をしていれば、低周波成分にエネルギーが集中したり
する。言いかえれば、エネルギーが集中している周波数
成分こそ、その入力信号(画像データ)の特徴を よく
反映し、入力信号(画像データ)の情報を多く含んでい
るのである。このような入力信号(画像データ)の特徴
を鑑みて、本発明の第9の実施の形態では、以下の図6
3のような構成により、サイン情報の符号量の削減を行
う。なお、本発明の第5、第6、第7、第8の実施の形
態と同様に、サイン情報以外の係数については、単なる
絶対値としてサイン情報を除いて、従来技術や、既に説
明した本発明の第1、第2、第3、第4の実施の形態と
同様の処理で符号化を行えば良いが、本発明の第9の実
施の形態では、例として、サイン情報を除く係数の絶対
値部分は、本発明の第2の実施の形態と同様の処理を行
うものとして説明する。
【0299】以下、図63を用いて、本発明の第9の実
施の形態の構成について説明する。図63において、9
は、周波数分解手段で、10は、量子化手段 で、1
は、基本符号化手段 で、基本符号化手段(1) の内
部の、2は、周波数成分記憶手段 で、3は、係数読み
出し制御手段 で、4は、読み出し制御情報生成手段
で、読み出し制御情報生成手段(4)の内部において、
401は、スキャン順決定手段 で、402は、スキャ
ン順テーブル で、403は、スキャン順情報符号化手
段 で、スキャン順情報Eを、読み出し制御情報Cとし
て用い、係数読み出し制御手段(3)において、読み出
し制御情報Cをもとに、アドレス信号Dを生成し、ま
た、スキャン順決定手段(401)の内部の412は、
係数強度演算手段 で、411は、優先順位決定手段
で、以上は、基本的に先に述べた本発明の第2の実施の
形態と同様の働きをする。本発明の第2の実施の形態と
異なる点は、基本符号化手段(1)の内部に、周波数成
分の各係数を絶対値に変換する絶対値変換手段(6)
と、周波数成分の各係数を入力とし、入力される係数の
サイン情報を処理するサイン情報処理手段(7)を有
し、絶対値に変換された周波数成分の各係数に対して、
係数符号化手段(5)で、統計処理を行い、係数を符号
化することとし、サイン情報処理手段(7)の内部に、
周波数成分記憶手段(2)の中の各周波数成分の係数の
うち、周波数分解の単位内(DCTブロック)での各係
数のエネルギーの強さ(以下、強度)を測定し、各係数
の強度の順位(以下、係数強度順位)を判定する係数強
度順位判定手段(704) と、係数強度順位を記憶す
る係数強度順位テーブル(705) と、各係数がゼロ
かどうかを判定し、非ゼロの場合のみ、サイン情報を抽
出する非ゼロ判定サイン情報抽出手段(701)と、係
数強度順位の高い係数から優先的に、サイン情報の推定
を行い、推定結果から、新たなサイン情報を生成して出
力するサイン情報推定手段(706)を有し、サイン情
報推定手段(706) の内部に、周波数成分記憶手段
(2)の中の各周波数成分の係数に対して、仮のサイン
情報(以下、仮サイン情報)と、必要に応じて真のサイ
ン情報(以下、真サイン情報)を設定するサイン情報設
定手段(707) と、サイン情報設定手段(707)
により、仮サイン情報と、必要に応じて真サイン情報が
設定された各係数(以下、サイン情報付き係数)を記憶
するサイン情報付き係数記憶手段(708) と、サイ
ン情報付き係数の各周波数成分を合成し、サイン情報付
き周波数合成結果を出力する周波数成分合成手段(70
9) と、サイン情報付き周波数合成結果を記憶する周
波数合成結果記憶手段(710) と、各仮サイン情報
が設定されているサイン情報付き周波数合成結果に対応
した第1のサイン情報推定パラメータ(以下、第1サイ
ン情報推定パラメータ)を演算する第1サイン情報推定
パラメータ演算手段(711) と、第1サイン情報推
定パラメータを記憶する第1サイン情報推定パラメータ
記憶手段(712) と、各仮サイン情報が設定されて
いるサイン情報付き周波数合成結果に対応した第2のサ
イン情報推定パラメータ(以下、第2サイン情報推定パ
ラメータ)を演算する第2サイン情報推定パラメータ演
算手段(714) と、第2サイン情報推定パラメータ
を記憶する第2サイン情報推定パラメータ記憶手段(7
15) と、第1サイン情報推定パラメータと第2サイ
ン情報推定パラメータを用いて、各仮サイン情報が設定
されているサイン情報付き周波数合成結果に対応した第
3のサイン情報推定パラメータ(以下、第3サイン情報
推定パラメータ)を演算する第3サイン情報推定パラメ
ータ演算手段(716) と、第3サイン情報推定パラ
メータを記憶する第3サイン情報推定パラメータ記憶手
段(717) と、各仮サイン情報に対応した第3サイ
ン情報推定パラメータの値から、真のサイン情報の組み
合わせと一致する仮サイン情報の組み合わせに対して、
新たなサイン情報を付与して、新たなサイン情報を出力
する第3サイン情報生成手段(719)を有し、サイン
情報設定手段(707)において、仮サイン情報が真の
サイン情報かどうかの推定が完了した係数に関して、真
のサイン情報を設定する機能を有し、真サイン情報が設
定されている係数(以下、真サイン情報付き係数)によ
る周波数合成結果(以下、真サイン周波数合成結果)
と、仮サイン情報が設定されている係数(以下、仮サイ
ン情報付き係数)による周波数合成結果(以下、仮サイ
ン周波数合成結果)との差分の絶対値の和を第1変化量
とし、真サイン情報付き係数と、仮サイン情報付き係数
の混合状態での周波数合成結果(以下、混合周波数合成
結果)に関して、混合周波数合成結果の波形の、波形の
中心軸と、波形で囲まれた領域における、波形と、波形
の中心軸との差分の絶対値の和を第1類似度とし、混合
周波数合成結果の波形が、所定の値域を はみ出す領域
における、波形と、値域との差分の絶対値の和を相違度
とし、第1サイン情報推定パラメータ演算手段(71
1) において、第1変化量、または第1類似度を第1
サイン情報推定パラメータとして演算し、第2サイン情
報推定パラメータ演算手段(714) において、相違
度を第2サイン情報推定パラメータとして演算し、第1
変化量または相違度に正規化係数をかけて正規化し、正
規化済みの第1変化量に正規化済みの相違度を加算した
値を第2変化量とし、第1類似度または相違度に正規化
係数をかけて正規化し、正規化済みの第1類似度に正規
化済みの相違度を減算した値を第2類似度とし、第3サ
イン情報推定パラメータ演算手段(716) におい
て、第2変化量、または第2類似度を第3サイン情報推
定パラメータとして演算し、第3サイン情報生成手段
(719) において、各仮サイン情報に対応する第3
サイン情報推定パラメータが第2変化量の場合は、第3
サイン情報推定パラメータの値が小さい仮サイン情報の
組み合わせを優先的に、同一シンボルを多く含むコード
(以下、第1コード)とするか、または、第3サイン情
報推定パラメータの値が小さい仮サイン情報の組み合わ
せを優先的に、短いコード(以下、第2コード)とし、
真のサイン情報の組み合わせと一致する仮サイン情報の
組み合わせに対応する第1コード、または第2コード
を、新たなサイン情報として出力し、各仮サイン情報に
対応する第3サイン情報推定パラメータが第2類似度の
場合は、第3サイン情報推定パラメータの値が大きい仮
サイン情報の組み合わせを優先的に、第1コードとする
か、または、第3サイン情報推定パラメータの値が大き
い仮サイン情報の組み合わせを優先的に、第2コードと
し、真のサイン情報の組み合わせと一致する仮サイン情
報の組み合わせに対応する第1コード、または第2コー
ドを、新たなサイン情報として出力する構成としている
点である。
【0300】以下の説明では、例として周波数分解手段
(9)は、DCTを行うものとし、係数符号化手段
(5)は、ハフマン符号化を行うものとする。
【0301】以下、本発明の第9の実施の形態の信号処
理システム(圧縮符号化側)の動作について図64を用
いて説明する。
【0302】<入力>まず、はじめに、1フレーム分の
原画像データのうち、1ブロック分(8画素×8画素)
のデータ(原画像ブロック)を入力する(図64のS0
01)。
【0303】<DCTおよび量子化>次に、周波数分解
手段(図63の9)において、入力された原画像ブロッ
クに対して、数1のようなDCT演算を施し(図64の
S002)、量子化手段(図63の10)において、D
CT後の各係数(DCTブロック)を量子化する(図6
4のS003)。そして、量子化後のDCTブロックを
周波数成分記憶手段(図63の2)に記憶する(図64
のS004)。なお、ここでは例として、どの係数も、
一律 量子化ステップとして1を適用して量子化する。
このDCTと量子化の処理は、先に述べた従来の信号処
理システムと同じである。
【0304】<強度の演算>次に、係数強度演算手段
(図63の412)では、量子化後のDCTブロックの
各成分ごとに対応した係数の強度を演算する(図64の
S005)。
【0305】上記の一連の処理(図64のS001とS
002とS003とS004とS005)を全ての原画
像ブロックに対して終了したかを判定し(図64のS0
06)、全ての原画像ブロックの処理が終了するまで繰
り返す。
【0306】<スキャン順テーブルの作成>次に、優先
順位決定手段(図63の411)によって、強度の値
(係数の絶対値の和)が大きい係数からサンプリングす
るようなスキャン順を決定し、スキャン順テーブル(図
63の402)に記憶する(図64のS007)。ここ
で、スキャン順テーブル(図63の402)に記憶され
ているスキャン順の情報(例えば、座標値)を、スキャ
ン順情報符号化手段(図63の403)によって、符号
化して出力信号として出力する(図64のS008)。
ここで行うスキャン順情報の符号化は、単に座標値を2
進数表現した値を出力しても良いし、あるいは、画像デ
ータや音声データでは、低周波成分には非ゼロ係数が出
現しにくいため、低周波成分に近い座標値ほど短い符号
となるような可変長符号として出力するなどの方法を用
いても良い。
【0307】<スキャンの実行および符号化>次に、作
成したスキャン順テーブル(図63の402)に記憶さ
れているスキャン順に従って、読み出し制御手段(図6
3の3)で、周波数成分記憶手段(図63の2)のアド
レス信号Dを生成し、周波数成分記憶手段(図63の
2)から、量子化後のDCTブロックの各係数を最後の
非ゼロ係数まで読み出す(図64のS009)。この読
み出された係数を絶対値変換手段(図63の6)によ
り、絶対値に変換し(図64のS010)、絶対値に変
換後の各係数を係数符号化手段(図63の5)で、符号
化する(図64のS011)。すなわち、この符号化処
理(図64のS011)は、サイン情報を除く係数の絶
対値部分にのみ施される。なお、係数の絶対値を得る処
理は、周波数成分記憶手段(図63の2)に記憶する前
に行っておいてもよく、その場合は周波数成分記憶手段
(図63の2)に各係数を、絶対値とサイン情報に分け
て記憶しておいても良い。
【0308】<サイン情報の処理>次に、スキャン順の
読み出し処理(図64のS009)によって、読み出さ
れる係数に対して、係数強度順位判定手段(図63の7
04)で、1個のDCTブロック内で、各係数のエネル
ギーの強さ(以下、強度)を測定し、各係数の強度の順
位(以下、係数強度順位)を判定する(図64のS01
2)。そして、係数強度順位の値を係数強度順位テーブ
ル(図63の705)に記憶する(図64のS01
3)。先にも述べたように、被写体の輪郭(エッジ)が
複雑な形状をしていれば、高周波成分にエネルギーが集
中したり、輪郭(エッジ)が単調な形状をしていれば、
低周波成分にエネルギーが集中したりする。エネルギー
が集中している周波数成分こそ、その入力信号(画像デ
ータ)の特徴を よく反映し、入力信号(画像データ)
の情報を多く含んでいるのであり、上記の処理(図64
のS012)は、DCTブロック内の どの周波数成分
にエネルギーが集中しているかを判定するものである。
この処理(図64のS012)における強度とは、具体
的には、各係数の絶対値や、各係数の2乗値の大きさで
ある。例として、本実施の形態では、強度を、係数の絶
対値とする。なお、この強度順位の判定は、注目してい
るDCTブロック内のAC成分に対してのみ行う。例え
ば、本発明の第5の実施の形態での説明で使用したもの
と同じDCTブロック(図25)の場合、AC成分のう
ちで強度の値が1番大きい係数(以下、係数A1と呼
ぶ)は、座標(1,0)の「 −784 」である。2
番目に強度の値が大きい係数(以下、係数A2と呼ぶ)
は、座標(3,0)の「 212 」である。3番目に
強度の値が大きい係数(以下、係数A3と呼ぶ)は、座
標(5,0)の「 −103 」である。4番目に強度
の値が大きい係数(以下、係数A4と呼ぶ)は、座標
(2,4)の「 71 」と、座標(4,1)の「 −
71 」で強度の大きさが同じ係数が2個存在する。こ
のような場合は、どちらを優先的に順位付けしても良い
が、この例では、座標(2,4)の「 71 」を4番
目(係数A4)とする。このように、強度の大きい順
に、順位付けを行っていき、係数強度順位を決定し、そ
の順位に応じた座標(n,m)の情報を係数強度順位テ
ーブル(図63の705)に記憶しておく。
【0309】以上の処理(図64のS001からS01
3)は、先に述べた本発明の第8の実施の形態と同じで
ある。
【0310】次に、非ゼロ判定サイン情報抽出手段(図
63の701)によって、各係数が非ゼロかどうかを判
定し(図64のS014)、各係数が非ゼロの場合、サ
イン情報推定手段(図63の706)によって、各係数
のサイン情報が正なのか負なのかの推定を行う(図64
のS015からS026)。このサイン情報の推定処理
(図64のS015からS026)において、先に求め
た、係数強度順位に従って、強度順位が高い(強度の値
が大きい)係数の情報を手がかりとして、強度順位が低
い(強度の値が小さい)係数のサイン情報の推定を行
う。ただし、DCTブロック(図25)の例に対して、
先に述べた本発明の第6の実施の形態では、強度順位が
高い係数A1から係数A62までの62個の係数の情報
を手がかりに、最も強度順位が低い係数A63(図25
の座標(4,0)の「−2 」)のみのサイン情報の推
定を行ったが、本発明の第9の実施の形態は、本発明の
第7、第8の実施の形態と同様に、強度順位が高い係数
A1から順に、係数A63までの全ての係数のサイン情
報の推定を行うものである。また、本発明の第7、第8
の実施の形態では、強度順位が高い係数A1から順に、
係数A63まで、1個づつの係数のサイン情報の推定を
行ったが、本実施の形態(本発明の第9の実施の形態)
では、強度順位が高い係数から優先的に、複数の係数の
サイン情報をまとめて推定することで、更に、サイン情
報の情報量を削減するものである。以下では、例として
強度順位が高い順に、まとめて4個づつの係数のサイン
情報の推定を行う。ただし、係数は全部で63個あり、
4で割り切れないので、最後の方の係数A61、係数A
62、係数A63だけは3個まとめてサイン情報の推定
を行うことにする。
【0311】まず、強度順位が高い順に、係数A1から
係数A4の4個の係数に関して、まとめてサイン情報の
推定を行う。サイン情報設定手段(図63の707)で
は、DC成分に真のサイン情報を設定し、係数A1から
係数A4の4個の係数に、仮のサイン情報を設定する
(図64のS015)。係数A1から係数A4の4個の
係数に設定する仮のサイン情報の組み合わせは、16通
り(=2の4乗)存在する。この16通りの組み合わせ
を、サイン番号Nというもので管理することにする。例
えば、係数A1から係数A4の4個の全ての係数に、仮
のサイン情報として正のサイン情報を設定する場合、こ
の組み合わせを、「 サイン番号N=0000 」とし
て管理する。これは、図65に示すように、各係数に設
定した仮のサイン情報が正(=0)か負(=1)かを表
すものとする。サイン番号N=0000の場合の、仮の
サイン情報が設定されたDCTブロックをDCTブロッ
ク0000と呼ぶ。DCTブロック0000を図66に
示す。
【0312】サイン情報設定手段(図63の707)で
は、DC成分に真のサイン情報を設定し、係数A1から
係数A4の4個の係数に、16通りの全てのサイン番号
Nに対応した仮のサイン情報を設定し(図64のS01
5)、サイン情報付き係数記憶手段(図63の708)
に記憶する(図64のS016)。すなわち、サイン情
報付き係数記憶手段(図63の708)には、サイン番
号Nに対応した16個のDCTブロック(DCTブロッ
ク0000、DCTブロック0001、、、、、DCT
ブロック1111)が記憶される。
【0313】次に、サイン情報付き係数記憶手段(図6
3の708)に記憶されているサイン番号Nに対応した
16個のDCTブロック(DCTブロック0000、D
CTブロック0001、、、、、DCTブロック111
1)に対して、周波数合成手段(図63の709)によ
り、数2の逆DCT演算を施し(図64のS017)、
それぞれの逆DCT結果を周波数合成結果記憶手段(図
63の710)に記憶する(図64のS018)。な
お、上記の逆DCT演算(図64のS017)を施す前
に、それぞれのDCTブロックに対して、逆量子化を行
う構成とすることが望ましいが、上記の一連では、例と
して量子化ステップを1としており、ここでは逆量子化
の処理は省略した。( 逆量子化手段を具備し、逆量子
化を行っても良い。)なお、逆DCTは実数計算であ
り、小数点以下の値が存在するが、通常は、実数計算し
た結果を整数化して取り扱う。このときに、小数点以下
の値が切り捨てられることで、実際の演算結果に対する
誤差が生じる。この誤差ができるだけ小さくなるよう
に、上記の逆DCT演算(図64のS017)は、例と
して、逆DCT結果を10000倍してより高いbit
精度の整数値として出力するものとする。DCTブロッ
ク0000の逆DCT結果を10000倍したものを逆
DCTブロック0000と呼び、同様に、各DCTブロ
ック(DCTブロック0001、、、、、DCTブロッ
ク1111)の逆DCT結果を10000倍したものを
対応したサイン番号を用いて(逆DCTブロック000
1、、、、、逆DCTブロック1111)と呼ぶことに
する。DCTブロック0000(図66)の逆DCT結
果を10000倍したもの(以下、逆DCTブロック0
000と呼ぶ)を図67に示す。
【0314】次に、第1サイン情報推定パラメータ演算
手段(図63の711)で、16個の逆DCTブロック
(逆DCTブロック0000、逆DCTブロック000
1、、、、、逆DCTブロック1111)それぞれに対
して、第1サイン情報推定パラメータとして、第1類似
度の演算を行い(図64のS019)、演算結果を第1
サイン情報推定パラメータ記憶手段(図63の712)
に記憶する(図64のS020)。この第1類似度の演
算は先の本発明の第8の実施の形態で説明したものと全
く同じ処理である。また、第1サイン情報推定パラメー
タとして、第1変化量を用いても良いが、この実施の形
態では第1類似度を用いることにする。
【0315】次に、第2サイン情報推定パラメータ演算
手段(図63の714)で、16個の逆DCTブロック
(逆DCTブロック0000、逆DCTブロック000
1、、、、、、逆DCTブロック1111)それぞれに
対して、第2サイン情報推定パラメータとして、相違度
の演算を行い(図64のS021)、演算結果を第2サ
イン情報推定パラメータ記憶手段(図63の715)に
記憶する(図64のS022)。この相違度の演算は先
の本発明の第8の実施の形態で説明したものと全く同じ
処理である。
【0316】次に、第3サイン情報推定パラメータ演算
手段(図63の716)において、16個の逆DCTブ
ロック(逆DCTブロック0000、逆DCTブロック
0001、、、、、逆DCTブロック1111)それぞ
れに対して、第3サイン情報推定パラメータとして第2
変化量、または第2類似度を演算する(図64のS02
3)。本実施の形態(本発明の第9の実施の形態)で
は、第3サイン情報推定パラメータとして、第2類似度
を演算する。具体的には、第1類似度と相違度を正規化
するために、16個の逆DCTブロック(逆DCTブロ
ック0000、逆DCTブロック0001、、、、、逆
DCTブロック1111)それぞれの第1類似度の和
(以下、第1類似度の和 と呼ぶ)と、16個の逆DC
Tブロック(逆DCTブロック0000、逆DCTブロ
ック0001、、、、、逆DCTブロック1111)そ
れぞれの相違度の和(以下、相違度の和 と呼ぶ)を求
め、正規化係数αとして、第1類似度の和と相違度の和
の比(=第1類似度の和/相違度の和)を求める。そし
て、16個の逆DCTブロック(逆DCTブロック00
00、逆DCTブロック0001、、、、、逆DCTブ
ロック1111)それぞれに対応した第2類似度とし
て、第1類似度から、α倍した相違度の値を引いた値
(=第1類似度−α×相違度)を求める。すなわち、サ
イン番号Nに対応した16個の第2類似度の値が得られ
る。4個の係数(係数A1、係数A2、係数A3、係数
A4)に関するサイン番号Nごとの第2類似度を、表1
8にまとめる。表18の右端の値は、第2類似度の大き
さの順番を意味する「 大きさ順番号(第2類似度が最
大の場合0、最小の場合15) 」である。ただし、第
2類似度が同じ大きさの場合は、サイン番号Nが小さい
方の「 大きさ順番号 」を優先した。
【0317】
【表22】
【0318】上記の例では、第3サイン情報推定パラメ
ータとして、第2類似度を演算したが、代わりに第2変
化量を演算しても良い。もし、第3サイン情報推定パラ
メータとして、第2変化量を演算する場合は、16個の
逆DCTブロック(逆DCTブロック0000、逆DC
Tブロック0001、、、、逆DCTブロック111
1)それぞれの第1変化量の和(以下、第1変化量の和
と呼ぶ)と、16個の逆DCTブロック(逆DCTブ
ロック0000、逆DCTブロック0001、、、、、
逆DCTブロック1111)それぞれの相違度の和を求
め、正規化係数αとして、第1変化量の和と相違度の和
の比(=第1変化量の和/相違度の和)を求める。そし
て、16個の逆DCTブロック(逆DCTブロック00
00、逆DCTブロック0001、、、、、逆DCTブ
ロック1111)それぞれに対応した第2変化量とし
て、第1変化量に、α倍した相違度の値を加算した値
(=第1変化量+α×相違度)を求めれば良い。なお、
上記において、正規化係数αを求める際に、相違度の和
をそのまま用いても良いが、量子化誤差や、全ての係数
を使用していないなどの理由で、逆DCTブロックのサ
イン情報が正しくても、多少は値域を はみ出すことが
あり得る。そのため、正規化係数αを求める際に、相違
度の値を少し小さくなるように調整(減算、あるいは、
1未満の係数を掛ける)したり、あるいは、正規化係数
α自体を、少し小さい値になるように調整(減算、ある
いは、1未満の係数を掛ける)しておいても良い。
【0319】次に、第3サイン情報生成手段(図63の
719) において、各仮サイン情報に対応する第3サ
イン情報推定パラメータが第2変化量の場合は、第3サ
イン情報推定パラメータの値が小さい仮サイン情報の組
み合わせを優先的に、同一シンボルを多く含むコード
(以下、第1コード)とするか、または、第3サイン情
報推定パラメータの値が小さい仮サイン情報の組み合わ
せを優先的に、短いコード(以下、第2コード)とし、
真のサイン情報の組み合わせと、一致する仮サイン情報
の組み合わせに対応する第1コード、または第2コード
を、新たなサイン情報として出力し、各仮サイン情報に
対応する第3サイン情報推定パラメータが第2類似度の
場合は、第3サイン情報推定パラメータの値が大きい仮
サイン情報の組み合わせを優先的に、第1コードとする
か、または、第3サイン情報推定パラメータの値が大き
い仮サイン情報の組み合わせを優先的に、第2コードと
し、真のサイン情報の組み合わせと、一致する仮サイン
情報の組み合わせに対応する第1コード、または第2コ
ードを、新たなサイン情報として出力する(図64のS
025)。
【0320】本実施の形態(本発明の第9の実施の形
態)では、第3サイン情報推定パラメータを第2類似度
としており、上記の第3サイン情報生成手段(図63の
719)における処理(図64のS025)は、具体的
には、以下の例に示すような処理を行うものである。今
までに述べた本発明の第8の実施の形態と同様の考え方
をすると、表18において、第2類似度が大きいものほ
どサイン番号N(仮サイン情報の組み合わせ)が正解で
ある可能性が高いと考えられる。しかしながら、実際に
は、第2類似度が最も大きい場合が、正解であるとは限
らない。表18の例では、「 大きさ順番号 」が「
3 」のときのサイン番号N(仮サイン情報の組み合わ
せ)が正解である。この「 3(大きさ順番号) 」を
2進数で表現すると、「 0011 」となる。この
「 大きさ順番号 」の表現方法を工夫して同一シンボ
ルを多く含むコード(第1コード)で表現し、この第1
コードを、4個の係数(係数A1、係数A2、係数A
3、係数A4)の新しいサイン情報として用いるのであ
る。すなわち、今までに述べた本発明の第8の実施の形
態と同様の考え方に基づくと、第2類似度が大きいもの
ほどサイン番号N(仮サイン情報の組み合わせ)が正解
である可能性が高いと考えられ、すなわち、大きさ順番
号の数値が小さいものが正解である可能性が高いという
ことになる。よって、大きさ順番号の数値が小さいもの
ほどゼロ(あるいは1でも良いが、どちらか一方)が多
く出現するように第1コードを構成し、大きさ順番号に
対応する第1コードを新しいサイン情報として扱うので
ある。以下、第1コードの例を示す。「 大きさ順番号
」が「 0 」を、第1コードでは「 0000 」
(全てゼロ)とする。以後「 大きさ順番号 」が「
1 」を、第1コードで「 1000 」(1が1個)
とする。「 大きさ順番号 」が「 2 」を、第1コ
ードで「 0100 」(1が1個)とする。「 大き
さ順番号 」が「 3 」を、第1コードで「 001
0 」(1が1個)とする。これら大きさ順番号と第1
コードの対応を、表19にまとめる。
【0321】
【表23】
【0322】表18に示すように、4個の係数(係数A
1、係数A2、係数A3、係数A4)において、正しい
サイン情報の組み合わせは、サイン番号Nが「 101
1」のときである。このときの、大きさ順番号は、「
3 」であり、これを、2進数で表現すると、「 00
11 」となる。単純に、この「 0011 」を4個
の係数(係数A1、係数A2、係数A3、係数A4)の
サイン情報として扱うと、1が2[ bit ](2
個)も存在し、後々の圧縮符号化の際に、圧縮率が悪く
なる。そこで、大きさ順番号が小さいものほど、ゼロが
多く出現するような第1コード(表19の「 0010
」)に置きかえる。この場合、1が1[ bit ]
(1個)となり、大きさ順番号を、単純に2進数表現し
たときよりも、1の個数を減らすことができる。1の個
数が少なく、できるだけゼロが多い状態で、サイン情報
を表現できると後々の圧縮符号化の際に、圧縮率をより
良くすることができる。(なお、第1コードを用いる代
わりに、大きさ順番号が小さいものほど、短いコード
(第2コード)に置きかえるようにしても良い。)4個
の係数(係数A1、係数A2、係数A3、係数A4)の
大きさ順番号 を第1コードに置きかえて、新たにサ
イン情報を作成した結果を、表20にまとめる。表20
において、4個の係数(係数A1、係数A2、係数A
3、係数A4)の(新たに生成した)サイン情報「 0
010(4bit) 」を、上位bitから順番に記載
した。このように第3サイン情報生成手段(図63の7
19)で新たに生成したサイン情報は、サイン情報記憶
手段(図63の702)に記憶される(図64のS02
6)。
【0323】
【表24】
【0324】以上で、最も強度順位が高い係数1から係
数4までの4個の係数(係数A1、係数A2、係数A
3、係数A4)に対応したサイン情報の推定処理が完了
した。
【0325】次に、非ゼロ判定サイン情報抽出手段(図
63の701)で、係数A5から係数A8の4個の係数
が非ゼロかどうかを判定し、非ゼロであるので、以下の
サイン情報の推定を行う。
【0326】まず、サイン情報設定手段(図63の70
7)では、DC成分に真のサイン情報を設定し(既に設
定済みなのでそのまま利用すれば良い)、既にサイン情
報の推定が完了した係数A1から係数A4の4個の係数
に、真のサイン情報を設定し、これからサイン情報の推
定を行う係数A5から係数A8の4個の係数に、16通
りの全てのサイン番号Nに対応した仮のサイン情報を設
定し(図64のS015)、サイン情報付き係数記憶手
段(図63の708)に記憶する(図64のS01
6)。すなわち、サイン情報付き係数記憶手段(図63
の708)には、サイン番号Nに対応した16個のDC
Tブロック(DCTブロック0000、DCTブロック
0001、、、、、DCTブロック1111)が記憶さ
れることになる。
【0327】以下、係数A1から係数A4のときと同様
に、図64のS017からS026の処理を行う。
【0328】以上の処理(図64のS014からS02
6)を1個のDCTブロック内の全ての係数に対して終
了するまで、あるいは、強度順位が高い順に処理して最
後の非ゼロ係数まで繰り返す(図64のS027)。
(図25のDCTブロックの例では、ゼロ係数が存在し
ないので、係数A63まで処理を繰り返すことにな
る。)
【0329】以上のように、DCTブロック(図25)
の全ての係数(係数A1から係数A63)サイン情報を
作成した結果を、表21と表22と表23と表24に示
す。表21と表22と表23と表24において、強度順
位が高い順に、各係数(係数A1から係数A63)の座
標、係数の値、及び係数4個の組(例:係数A1、係数
A2、係数A3、係数A4。ただし、一番下の係数A6
1、係数A62、係数A63は、3個の組とする)にお
ける正解のサイン番号、正解のサイン番号に対応する第
2類似度、大きさ順番号(10進数表現)、サイン情報
(第1コード)、を示す。
【0330】
【表25】
【0331】
【表26】
【0332】
【表27】
【0333】
【表28】
【0334】上記の処理(図64のS009からS02
7)を、全てのDCTブロックに対して完了するまで繰
り返す(図64のS028)。
【0335】最後に、サイン情報記憶手段(図63の7
02)に記憶されているサイン情報を、サイン情報符号
化手段(図63の703)によって、圧縮符号化する
(図64のS029)。この符号化処理(図64のS0
29)は、上記の例のように、各DCTブロックにおい
て、強度順位が高い係数から順に、強度順位が高い係数
の情報を手がかりに、強度順位が低い係数のサイン情報
の推定を行うことでサイン情報の値として「 0 」が
多くなるため、サイン情報を集めて、統計処理を行って
符号化すると、符号量を少なくすることができる。サイ
ン情報を圧縮符号化する方法は、従来のハフマン符号化
や、算術符号化など、いかなる符号化方法を用いても良
い。また、表25に、DCTブロック(図25)のサイ
ン情報の推定の集計結果として、総数(係数の総数)、
サイン情報0(サイン情報として0を用いた個数と、総
数中に占める割合)、サイン情報1(サイン情報として
1を用いた個数と、総数中に占める割合)、サイン情報
の情報量(bit数と、総bit数(63bit)に占
める割合)を示す。この結果、従来技術では、もとも
と、サイン情報には、1個の係数につき、1[bit
]を使用していたので、係数A1から係数A63のサ
イン情報として、63[ bit ]必要だったが、こ
れを、上記のように、サイン情報を推定して新たなサイ
ン情報として扱うことで、情報量が約34.6[ bi
t ]となり、もともとの情報量に対して、約28.4
[ bit ](約45.1%)もの情報量を削減でき
ることになる。また、先に述べた本発明の第8の実施の
形態では、もともとの情報量に対して、約25.7[
bit ](約40.8%)の情報量の削減ができてい
たが、本実施の形態(本発明の第9の実施の形態)で
は、第8の実施の形態よりも更に大幅に情報量を削減で
きたことになる。
【0336】
【表29】
【0337】このように、上記のような構成で、第1類
似度(または第1変化量)と相違度の両方の情報を考慮
して、複数の係数のサイン情報をまとめて推定すること
で、サイン情報に必要な符号量を大幅に削減することが
できる。なお、上記では、AC成分の係数を「 4個づ
つ 」まとめてサイン情報の推定を行う例を示したが、
この、まとめて推定する係数の個数は、4個に限る必要
が無いことは言うまでもない。
【0338】ここで、サイン情報記憶手段(図63の7
02)に記憶されているサイン情報を、サイン情報符号
化手段(図63の703)によって、圧縮符号化する処
理(図64のS029)において、表19の各係数のサ
イン情報(表19の右端の値)を複数のグループに分類
し、各グループごとに統計処理を行って符号化すること
で、更に大幅に情報量を削減できる方法について述べ
る。表21と表22と表23と表24の各係数のサイン
情報 の値を見ると、前半の方(表21と表22と表2
3と表24の係数A1に近い方)では、サイン情報(第
1コード)として「 1 」の値が いくつか存在する
が、後半の方(表21と表22と表23と表24の係数
A63に近い方)へ いけばいくほどサイン情報(第1
コード)として「 ゼロ 」の値が出現する頻度が高く
なっている。特に、係数A28から係数A63までの、
連続する36個の係数は、全て、サイン情報(第1コー
ド)の値が「 ゼロ 」である。これは、前半では、サ
イン情報が既に分かっている係数が少ないが、後半へ
いけばいくほど、より多くの係数のサイン情報が分か
り、それらの情報を手がかりに、以後のサイン情報を推
定するようにしているため、後半の方が、原画像に近い
情報を手がかりとしてサイン情報を推定できることにな
る。そのため、後半の方が、正確さ が増し、第2類似
度の 大きさ順番号 が小さい(ゼロに近い)ものが正
解である確率が高くなるからである。この特徴を利用し
て、63個の係数のサイン情報(表21と表22と表2
3と表24の右端の値)をまとめて、圧縮符号化するの
ではなく、63個の係数のうち、例えば、「 前半グル
ープ(係数A1から係数A31までの、31個) 」と
「 後半グループ(係数A32から係数A63までの、
32個) 」というように、複数のグループに分けて各
グループごとに、圧縮符号化すると、更に 圧縮率が向
上する。以下では、前半グループと、後半グループの
「 情報量 」を計算してみる。表26に前半グループ
の状況を、表27に後半グループの状況をまとめる。こ
の結果より、前半グループの情報量は、約25.5[
bit ]で、後半グループの情報量は、0.0[ b
it ]で、前半グループと後半グループの合計の情報
量は、約25.5[ bit ](約40.5%)であ
る。これは、前半グループと後半グループの合計は、も
ともと従来技術では、63[ bit]だったのに対し
て、約40.5%(半分以下)の情報量となり、約5
9.5%ものサイン情報の情報量を削減できたことにな
る。先に述べた表25のように、前半グループと後半グ
ループの区別なく、圧縮符号化を行う場合の情報量が、
約34.6[ bit ]だったので、このように、前
半グループと後半グループとに分けて、圧縮符号化を行
うと、情報量が約25.5[ bit ]となり、この
ように複数のグループにに分けて、各グループごとに圧
縮符号化を行うことで、サイン情報の情報量を大幅に削
減することができる。また、先に述べた本発明の第8の
実施の形態でも同様に前半グループと後半グループとに
分けて、圧縮符号化を行った場合が、約26.9[ b
it ]になったが、これと比べても本実施の形態(本
発明の第9の実施の形態)の方が、約1.4[bit
]の情報量を削減できており、先に述べた、本発明の
第5、第6、第7、第8のいずれの実施の形態よりも、
良い結果となっている。
【0339】
【表30】
【0340】
【表31】
【0341】<第10の実施の形態>次に、上記従来の
信号処理システムの 第3の課題 を解決するための、
本発明の 第10の実施の形態 について説明する。
【0342】上記従来の信号処理システムの 第3の課
題 は、1次元に並べられたDCTブロックの各係数
(図83の1次元データ)を、係数符号化手段(図81
の51)によって、ハフマン符号化する処理(図82の
S005)において使用されるハフマンテーブルが、一
般的に、DCTブロックのAC成分の各係数の振幅絶対
値(amp)が小さいものほど短い符号(コード)で表
現されるように構成されているため振幅絶対値(am
p)が大きい係数が、係数符号化手段(図81の51)
に入力される頻度が高い場合は、全体的に符号長(コー
ド長)が長くなってしまうということである。本発明の
第10の実施の形態では、それぞれ入力信号(この例で
は画像データ)に対して、周波数分解を行う前に、前処
理として、隣接するサンプル(この例では画素値)の差
分値を得て、この差分値に対して周波数分解を行って、
圧縮符号化をすることで、上記従来の信号処理システム
の第3の課題 を解決するものである。
【0343】図68に本発明の第10の実施の形態の信
号処理システム(圧縮符号化側)の構成を示す。図68
において、8は、入力信号である画像データの隣接する
サンプル値(画素値)の差分( 以下、隣接サンプル差
分値)を演算する隣接サンプル差分演算手段 で、9
は、隣接サンプル差分値を複数の周波数成分に分解して
各周波数成分の係数Aを出力する周波数分解手段 で、
10は、周波数分解後のデータ(以下、係数Aと呼ぶ)
を量子化する量子化手段 で、1は、係数Aの量子化後
のデータ(以下、係数Bと呼ぶ)を入力とし、圧縮符号
化データを出力する基本符号化手段 で、基本符号化手
段(1) の内部の、2は、係数Aの量子化後のデータ
(以下、係数Bと呼ぶ)を記憶する周波数成分記憶手段
で、3は、周波数成分記憶手段(2)にアドレス信号
Dを与え、記憶されている係数Bを読み出す係数読み出
し制御手段 で、450は、周波数成分記憶手段(2)
から各係数Bを読み出す順番(以下、スキャン順と呼
ぶ)を固定の値として予め記憶しておく固定スキャン順
テーブル で、51は、周波数成分記憶手段(2)から
読み出される各係数Bを圧縮符号化する係数符号化手段
である。
【0344】以下の説明では、例として周波数分解手段
(9)は、DCTを行うものとし、固定スキャン順テー
ブル(450)は、ジグザグスキャンと呼ばれるスキャ
ン順が記憶されているものとし、係数符号化手段(5
1)は、ハフマン符号化を行うものとする。入力信号
(画像データ)の、値域は、例として「 0から255
」として説明する。
【0345】以下、本発明の第10の実施の形態の信号
処理システム(圧縮符号化側)の動作について図69を
用いて説明する。
【0346】<前処理>まず、はじめに、隣接サンプル
差分演算手段(図68の8)において、入力信号である
画像データの1フレーム分の全ての隣接するサンプル値
(画素値)の差分( 以下、隣接サンプル差分値)を演
算し、隣接サンプル差分値を隣接サンプル差分値記憶手
段(図68の37)に記憶する(図69のS001)。
自然画像などでは、近隣の画素間(特に隣接する画素
間)では、画素値が非常に類似しているという特徴があ
る。そのため、近隣の画素間で、差分値(隣接サンプル
差分値)を得ると、差分値(隣接サンプル差分値)の絶
対値の値は小さくなる。差分値(隣接サンプル差分値)
の絶対値が小さいということは、周波数分解を行った後
の各係数の振幅絶対値が小さくなることを意味する。そ
れは、DCTなどの直交変換では、DCTを行う前のブ
ロックの画素値の2乗の和と、DCTを行った後のブロ
ックの各係数の2乗の和は等しくなるからである。その
ため、差分値(隣接サンプル差分値)を得た後に、これ
ら隣接サンプル差分値に対して周波数分解(以下の例で
はDCT)を行って符号化すると、DCTブロックのA
C成分の各係数の振幅絶対値(amp)が小さくなるた
め、最終的に符号量を削減することができる。上記の隣
接サンプル差分値を演算する処理(図69のS001)
は、具体的には図70の例のように行う。例えば、入力
信号(原画像データ)の1ブロック分の画素値(原画像
ブロック)が図71のようだったとする。この原画像ブ
ロック(図71)に対して、図70に示すような順番
で、隣接サンプル差分値を演算した結果を、図72に示
す。図70の例では、水平方向には、座標x0の画素
(図71)から 座標x1の画素(図71)の値を引い
た値を、図72の座標x1の位置に記憶する。次に、座
標x1の画素(図71)から 座標x2の画素(図7
1)の値を引いた値を、図72の座標x2の位置に記憶
する。このような処理を、右端まで繰り返す。(この例
では、1ブロック分しか示していないが、この処理を、
1フレームの画面の右端まで行えば良い。)これを、各
行に対して行う。図70に示すように、左端の値だけ、
座標y0の画素(図71)から 座標y1の画素(図7
1)の値を引いた値を、図72の座標y1の位置に記憶
する。次に、座標y1の画素から 座標y2の画素の値
を引いた値を、図72の座標y2の位置に記憶する。こ
のような処理を、一番下まで繰り返す。(この例では、
1ブロック分しか示していないが、この処理を、1フレ
ームの画面の一番下まで行えば良い。)以上の処理にお
いて、1ブロック分だけに着目してみると、隣接サンプ
ル差分値記憶手段(図68の37)に、図72に示す隣
接サンプル差分値が記憶されることになる。
【0347】<ブロックの入力>隣接サンプル差分値記
憶手段(図68の37)から、1ブロック分(8画素×
8画素)の隣接サンプル差分値(例として、図72の
値)を読み出し、周波数分解手段(図68の9)に入力
する(図69のS002)。
【0348】<DCTおよび量子化>次に、周波数分解
手段(図68の9)において、入力された1ブロック分
(8画素×8画素)の隣接サンプル差分値(図72)に
対して、数1のようなDCT演算を施し(図69のS0
03)、量子化手段(図68の10)においてDCT後
の各係数(DCTブロック)を量子化して、量子化後の
DCTブロックを周波数成分記憶手段(図68の2)に
記憶する(図69のS004)。なお、ここでは例とし
て、どの係数も、一律 量子化ステップとして1を適用
して量子化する。このDCTと量子化の処理は、先に述
べた従来の信号処理システムと同じである。入力された
1ブロック分(8画素×8画素)の隣接サンプル差分値
(図72)に対して、DCTを行った結果を、図73に
示す。この隣接サンプル差分値(図72)に対するDC
T結果(図73)において、AC成分の2乗の和は、
「 247452 」で、AC成分の絶対値の和は、
「2612 」である。参考のために、隣接サンプル差
分値を取らずに、原画像ブロック(図71)に対して直
接DCTを行った結果を図74に示す。(このように原
画像ブロックに対して直接DCTを行うような手法は、
MPEGのイントラピクチャなどで利用されている。)
この原画像ブロック(図71)に対するDCT結果(図
74)において、AC成分の2乗の和は、「 7353
04 」で、AC成分の絶対値の和は、「 2720
」である。また、参考のために、隣接サンプル差分値
を取らずに、原画像ブロック(図71)の全画素から一
律「 128を引いた 」結果を図75に示し、この図
75の値に対してDCTを行った結果を図76に示す。
(このように原画像ブロックの全画素から一律「 12
8を引いた 」値に対してDCTを行うような手法は、
JPEGで利用されている。)この原画像ブロック(図
71)の各画素から一律「 128引いた 」値(図7
5)に対するDCT結果(図76)において、AC成分
の2乗の和は、「 735381 」で、AC成分の絶
対値の和は、「 2721 」である。以上の結果から
分かるように、本実施の形態(本発明の第10の実施の
形態)のように、隣接サンプル差分値に対してDCTを
行った結果(図73)の場合、MPEGのような処理を
行った結果(図74)や、JPEGのような処理を行っ
た結果(図76)の いずれよりも、AC成分の2乗の
和と、AC成分の絶対値の和の値が小さくなっており、
後のハフマン符号化において、符号量を削減できること
が分かる。
【0349】<ジグザグスキャン>次に、固定スキャン
順テーブル(図68の450)に記憶されている、ジグ
ザグスキャンのスキャン順に従い、周波数成分記憶手段
(図68の2)に記憶されている量子化後のDCTブロ
ックを、読み出して1次元に並べる(図68のS00
5)。
【0350】<ハフマン符号化>次に、1次元に並べら
れたDCTブロックの各係数に対して、係数符号化手段
(図68の51)によって、ハフマン符号化を行う(図
69のS006)。
【0351】以上の処理(図69のS002からS00
6)を、全ブロックに対して行う(図69のS007)
ことで、1フレームのデータを圧縮符号化することがで
きる。以上の処理において、図69のS003からS0
06は、従来の信号処理システムと全く同じ処理であ
る。
【0352】以上のような構成で、隣接サンプル差分値
を得た後に、周波数分解を行って符号化することで、周
波数分解後の各係数の絶対値の大きさを小さくすること
ができるため、従来技術に比べて符号量を削減すること
ができる。なお、上記の隣接サンプル差分値を得る処理
は、例であり、隣接する画素間の差分値を得る順序は、
図70の例に限る必要は無い。また、図68における基
本符号化手段(1)の内部の構成は、この例に限る必要
はなく、先の本発明の第1から第9の実施の形態の構成
を利用しても良い。
【0353】<第11の実施の形態>次に、上記従来の
信号処理システムの 第4の課題 を解決するための、
本発明の第11の実施の形態 について説明する。
【0354】上記従来の信号処理システムの 第4の課
題 は、DCT演算などの周波数分解は、実数演算であ
るにもかかわらず、整数化して圧縮符号化を行うため、
いったんDCT演算を施したブロックに対して逆DCT
演算を施しても、図84の原画像ブロックf(i,j)
と図88の復元画像ブロックf(i,j)の例のよう
に、原画像ブロックと復元画像ブロックの間に誤差が生
じてしまうということである。( すなわち、原画像と
全く同じ復元画像を得ることができない。) 本発明の第11の実施の形態では、それぞれ入力信号
(この例では原画像ブロック)に対して、周波数分解を
行った後に、いったん周波数合成を行って、復元画像ブ
ロックを得て、原画像ブロックと復元画像ブロックの差
分値を符号化する機能を有し、周波数分解後の係数を符
号化した結果と、差分値を符号化した結果の合計の符号
量が最小となる量子化ステップ値を導き、そのときの符
号と量子化ステップ値を出力することで、上記従来の信
号処理システムの 第4の課題 を解決するものであ
る。
【0355】図77に本発明の第11の実施の形態の信
号処理システム(圧縮符号化側)の構成を示す。図77
において、画像データ(または音声データ)そのもの、
または、画像データ(または音声データ)の隣接するサ
ンプル値の差分( 以下、隣接サンプル差分値)を原信
号Hとし、9は、原信号Hを入力とし、複数の周波数成
分に分解して各周波数成分の係数Aを出力する周波数分
解手段 で、10は、周波数分解手段(9)より得られ
る係数Aを量子化して、量子化後の係数Bを出力する量
子化手段 で、1は、少なくとも、係数Bを入力とし、
圧縮符号化データを出力する基本符号化手段 で、11
は、圧縮符号化データを記憶する圧縮符号化データ記憶
手段 で、13は、係数Bを逆量子化する逆量子化手段
で、709は、逆量子化された係数Bを周波数合成す
る周波数合成手段 で、710は、周波数合成手段(7
09) による周波数合成結果を記憶する周波数合成結
果記憶手段 で、16は、原信号Hと、周波数合成結果
との差分値(以下、差分値M)を算出する差分値算出手
段 で、17は、差分値Mを記憶する差分値記憶手段
で、18は、差分値Mを符号化して差分値符号化データ
を出力する差分値符号化手段 で、19は、差分値符号
化データを記憶する差分値符号化データ記憶手段 で、
20は、圧縮符号化データ記憶手段(11) に記憶さ
れている圧縮符号化データと、差分値符号化データ記憶
手段(19) に記憶されている差分値符号化データ
の、合計の符号量(以下、合計符号量)を算出する合計
符号量算出手段 で、21は、合計符号量を記憶する合
計符号量記憶手段 で、基本符号化手段(1) の内部
の、2は、少なくとも、係数Bを記憶する周波数成分記
憶手段 で、3は、周波数成分記憶手段(2)に記憶さ
れている係数Bのアドレス信号Dを生成し、周波数成分
記憶手段(2)から係数Bを読み出す係数読み出し制御
手段 で、5は、周波数成分記憶手段(2)から読み出
される係数Bを符号化する係数符号化手段 で、合計符
号量記憶手段(21) において、量子化手段(10)
および逆量子化手段(13)で使用された量子化情報に
対応する合計符号量を記憶する機能を有し、26は、合
計符号量記憶手段(21)に記憶されている複数の合計
符号量の値の中から最小値を求め、合計符号量が最小と
なる量子化情報(以下、最小量子化情報)を決定する最
小符号量決定手段 で、27は、最小量子化情報を符号
化して符号化量子化情報データを出力する量子化情報符
号化手段 で、28は、最小量子化情報に対応する圧縮
符号化データ(以下、選択データR)と、最小量子化情
報に対応する差分値符号化データ(以下、選択データ
T)を選択し、選択データRと選択データTおよび符号
化量子化情報データを、最終的な圧縮符号化データとし
て出力する選択出力手段 である。
【0356】以下の説明では、例として周波数分解手段
(9)は、DCTを行うものとし、周波数合成手段(7
09)は、逆DCTを行うものとし、差分値符号化手段
(18)と、係数符号化手段(5)は、ハフマン符号化
を行うものとする。
【0357】以下、本発明の第11の実施の形態の信号
処理システム(圧縮符号化側)の動作について図78を
用いて説明する。
【0358】<入力>まず、はじめに、1フレーム分の
原画像データのうち、1ブロック分(8画素×8画素)
のデータ(原画像ブロック)を入力する(図78のS0
01)。
【0359】<DCT>次に、周波数分解手段(図77
の9)において、入力された原画像ブロックに対して、
数1のようなDCT演算を施す(図78のS002)。
【0360】<量子化>次に、量子化手段(図77の1
0)において量子化ステップ値を「 1 」に設定する
(図78のS003)。この量子化ステップ値を量子化
情報とする。そして、DCT後の各係数(DCTブロッ
ク)を量子化して、量子化後のDCTブロックを周波数
成分記憶手段(図77の2)に記憶する(図78のS0
04)。なお、本実施の形態(本発明の第11の実施の
形態)では、同一のDCTブロックに対して、複数の量
子化ステップ値での量子化および符号化を行い、その際
に、全体として符号量が最小となる量子化ステップ値
(最小量子化情報)を決定し、最小量子化情報に対応し
た符号を出力するものである。ここでは例として、同一
のDCTブロックに対して、量子化ステップ値が「
1」での量子化と、量子化ステップ値が「 2 」での
量子化を行うが、そのために、上記の処理(図78のS
003)では、まず量子化ステップ値を「 1」に設定
して量子化を行っている。また、量子化情報を、bit
シフト量と考えて扱っても良い。例えば、量子化ステッ
プ値が「 2 」の場合、2進数の値を、「 右へ1b
itシフト 」したことと同じであり、このように、
bitシフト量として扱うことも可能である。また、量
子化ステップ値としては、「 1 」より小さい数値を
用いても良い。例えば「 0.5 」を用いる場合、b
itシフト量で考えると、「 左へ1bitシフト 」
したことと同じである。
【0361】<符号化>次に、読み出し制御手段(図7
7の3)で、周波数成分記憶手段(図77の2)のアド
レス信号Dを生成し、周波数成分記憶手段(図77の
2)から、量子化後のDCTブロックの各係数を読み出
し、この読み出された係数を係数符号化手段(図77の
5)で、符号化する(図78のS005)。そして、符
号化されたデータ(圧縮符号化データ)を、圧縮符号化
データ記憶手段(図77の11)に記憶する(図78の
S006)。この時点では、圧縮符号化データ記憶手段
(図77の11)には、量子化ステップ値が「 1 」
の場合に対応した圧縮符号化データが記憶されることに
なる。
【0362】<復元画像ブロックの生成>次に、逆量子
化手段(図77の13)によって、量子化後のDCTブ
ロックの各係数を逆量子化する(図78のS007)。
量子化ステップ値が「 1 」であるので「 1倍 」
する。次に、周波数合成手段(図77の709)によっ
て、逆量子化後のDCTブロックに対して、数2に示す
逆DCT演算を行い、復元画像ブロックを得る(図78
のS008)。そして、復元画像ブロックを周波数合成
結果記憶手段(図77の710)に記憶する(図78の
S009)。この時点では、周波数合成結果記憶手段
(図77の710)には、量子化ステップ値が「 1
」の場合に対応した復元画像ブロックが記憶されるこ
とになる。
【0363】<差分値の取得>次に、差分値算出手段
(図77の16)により、原画像ブロックと、量子化ス
テップ値が「 1 」の場合に対応した復元画像ブロッ
クの各画素の差分値を算出し(図78のS010)、差
分値記憶手段(図77の17)に記憶する(図78のS
011)。そして、差分値符号化手段(図77の18)
により、差分値を符号化して差分値符号化データを得て
(図78のS12)、差分値符号化データ記憶手段(図
77の19)に記憶する(図78のS013)。この時
点で、差分値符号化データ記憶手段(図77の19)に
は、量子化ステップ値が「 1 」の場合に対応した差
分値符号化データが記憶されることになる。この差分値
の符号化は、ハフマン符号化や、算術符号化などの符号
化方法を用いても良い。
【0364】<合計符号量の算出>次に、合計符号量算
出手段(図77の20)によって、量子化ステップ値が
「1 」の場合に対応した圧縮符号化データと、量子化
ステップ値が「 1 」の場合に対応した差分値符号化
データの合計の符号量を算出し(図78のS014)、
合計符号量記憶手段(図77の21)に記憶する(図7
8のS015)。この時点で、合計符号量記憶手段(図
77の21)には、量子化ステップ値が「1 」の場合
に対応した合計符号量が記憶されることになる。
【0365】上記の処理(図78のS003からS01
5)が量子化ステップ値が「 1」の場合の処理であ
る。なお、本実施の形態では例として同一のDCTブロ
ックに対して、量子化ステップ値を「 1 」での量子
化と、量子化ステップ値を「 2 」での量子化を、行
うので、量子化ステップ値が「 1 」の場合の処理し
か済んでいないので、次は、量子化ステップ値を「 2
」に設定し、図78のS003からS015の処理を
行う。ここまでの処理が済んだ時点で、合計符号量記憶
手段(図77の21)には、量子化ステップ値が「 1
」の場合に対応した合計符号量と、量子化ステップ値
が「 2 」の場合に対応した合計符号量が記憶されて
いる。
【0366】次に、最小符号量決定手段(図77の2
6)によって、合計符号量記憶手段(図77の21)に
記憶されている複数の合計符号量を比較し、最小の合計
符号量と、最小の合計符号量に対応した量子化ステップ
値(最小量子化情報)を決定する(図78のS01
7)。そして、量子化情報符号化手段(図77の27)
によって、最小量子化情報を符号化して符号化量子化情
報データとして出力する(図78のS018)。そし
て、選択出力手段(図77の28)によって、圧縮符号
化データ記憶手段(図77の11)に記憶されている圧
縮符号化データと、差分値符号化データ記憶手段(図7
7の19)に記憶されている差分値符号化データの中か
ら、それぞれ、最小量子化情報に対応した圧縮符号化デ
ータと、最小量子化情報に対応した差分値符号化データ
を選択して、最終的な圧縮符号化データとして出力す
る。また、符号化量子化情報データも出力する。
【0367】以上の処理(図78のS001からS01
9)を全てのブロックに対して行う。
【0368】なお、量子化ステップ値として大きな値を
用いると、量子化後の係数の値が小さくなるため、圧縮
符号化データ(図77の11)に記憶される圧縮符号化
データの符号量は少なくなるが、量子化による誤差が大
きくなるため、差分値符号化データ記憶手段(図77の
19)に記憶される差分値符号化データの符号量が多く
なる可能性がある。また、逆に、量子化ステップ値とし
て小さな値を用いると、量子化による誤差が小さくなる
ため、差分値符号化データ記憶手段(図77の19)に
記憶される差分値符号化データの符号量が少なくなる可
能性があるが、量子化後の係数の値が大きくなるため圧
縮符号化データ(図77の11)に記憶される圧縮符号
化データの符号量は多くなる可能性がある。しかしなが
ら、本実施の形態(本発明の第11の実施の形態)では
図77に示した構成により、入力信号を無損失で圧縮符
号化でき、かつ、圧縮符号化データ記憶手段(図77の
11)に記憶されている圧縮符号化データと、差分値符
号化データ記憶手段(図77の19)に記憶されている
差分値符号化データの中から、常に、合計の符号量が最
小となる出力信号を得ることができる。なお、基本符号
化手段(図77の1)の内部の構成は、これに限る必要
はなく、既に述べた他の実施の形態(本発明の第1から
第10の実施の形態)の基本符号化手段と同様の構成に
しても良い。また、隣接サンプル差分演算手段を設け、
入力信号の隣接サンプル差分値を得て、これを原信号H
として用いても良い。
【0369】<第12の実施の形態>次に、上記従来の
信号処理システムの 第5の課題 を解決するための、
本発明の 第12の実施の形態 について説明する。
【0370】上記従来の信号処理システムの 第5の課
題 は、信号処理システム自体の物理的な問題による動
作ミスが生じた場合に、対応できないということであ
る。例えば、信号処理システム(ハードウェアあるいは
信号処理を行うコンピュータ)の内部で使用されている
半導体部品などは、それを使用する温度条件によっては
正常動作しない場合がある。一般的に、半導体部品など
は、十分な耐温テストなどを得た後に製品化され市場に
出てくるものと思われる。よって、通常は、かなり過酷
な条件でも十分に正常動作するものと考えられる。しか
しながら、近年では、携帯電話やノートパソコンなどの
ように、様々な電気製品を屋外で使用する機会が増加し
てきている。このように電気製品自体が、以前にもまし
て過酷な条件で使用されるようになってきている。よっ
て、瞬間的に、正常に動作しないといったことも考えら
れる。このように自然現象に基づく不具合が生じる可能
性がある。上記従来の信号処理システムによって、入力
信号の圧縮符号化が行われる最中に、瞬間的に正常動作
しない場合、圧縮符号化されたデータが意図しない構成
となり、後に、伸長復号化(デコード)を行っても、正
しく復元できないという問題点(第5の課題)を有して
いた。この本発明の第12の実施の形態では、入力信号
を符号化(あるいは形式変換)を行った後に、一時的に
復号化(あるいは形式の逆変換)を行い、この復号化
(あるいは形式の逆変換)の処理中(あるいは処理結
果)にエラーが発生する場合は、入力信号そのものを出
力し、エラーが存在しない場合は、符号化(あるいは形
式変換)された信号(符号化変換信号)を出力すること
で、上記従来の信号処理システム 第5の課題 を解決
するものである。
【0371】図79に、本発明の第12の実施の形態の
信号処理システム(圧縮符号化側)の構成を示す。図7
9において、少なくとも、画像データ(または音声デー
タ)そのもの、または、画像データ(または音声デー
タ)を符号化しているデータを入力信号Wとし、29
は、入力信号Wを記憶する入力信号記憶手段 で、30
は、入力信号Wの符号化(または形式変換)を行い、符
号化変換信号を出力する符号化変換手段 で、31は、
符号化変換信号を記憶する符号化変換信号記憶手段
で、32は、符号化変換信号の復号化(または形式逆変
換)を行い、復号化逆変換信号を出力する復号化逆変換
手段 で、33は、復号化逆変換信号を記憶する復号化
逆変換信号記憶手段 で、34は、復号化逆変換手段
(32)における符号化変換信号の復号化(または形式
逆変換)の処理のエラーを検出し、エラーの有無を示す
第1エラー信号を出力するエラー検出手段 で、35
は、入力信号Wと復号化逆変換信号を比較して変化量を
求め、変化量が所定値を超えている場合をエラー状態と
し、エラー状態かどうかを示す第2エラー信号を出力す
る比較演算手段 で、36は、第1エラー信号、または
第2エラー信号がエラー状態かどうかを示す信号を出力
し、また、第1エラー信号、または第2エラー信号がエ
ラー状態である場合は、入力信号Wを選択して出力し、
第1エラー信号と第2エラー信号が、エラー状態でない
場合は、符号化変換信号を選択して出力する選択出力手
段 である。
【0372】以下、本発明の第12の実施の形態の信号
処理システム(圧縮符号化側)の動作について図80を
用いて説明する。
【0373】まず、はじめに入力信号Wを入力信号記憶
手段(図79の29)に記憶する(図80のS00
1)。
【0374】次に、符号化変換手段(図79の30)に
よって、入力信号Wの符号化(または形式変換)を行
い、符号化変換信号を出力する(図80のS002)。
そして、符号化変換信号を符号化変換信号記憶手段(図
79の31)に記憶する(図80のS003)。
【0375】次に、復号化逆変換手段(図79の32)
によって、符号化変換信号の復号化(または形式逆変
換)を行い、復号化逆変換信号を出力する(図80のS
004)。この符号化変換信号の復号化(または形式逆
変換)の処理中にエラーが発生するかどうかをエラー検
出手段(図79の34)によってチェックしてエラーの
有無を知らせるための第1エラー信号を出力する(図8
0のS005)。この符号化変換信号の復号化(または
形式逆変換)の処理中のエラーとは、具体的には、例え
ば、符号化変換信号がDCT係数をハフマン符号化した
ものである場合に、ハフマン符号を復号化した際に、D
CTの各係数が所定の数より多く検出されるなどの問題
が発生するようなケースを想定する。そしてエラーが検
出されたら選択出力手段(図79の36)で、エラーが
有ることを示す信号を出力し、また、入力信号Wを選択
して出力する(図80のS006)。もし、図80のS
005において、エラーが無い場合は、復号化逆変換信
号記憶手段(図79の33)に、復号化逆変換信号を記
憶する(図80のS007)。
【0376】次に、比較演算手段(図79の35)で、
入力信号Wと復号化逆変換信号を比較して変化量を求
め、変化量が所定値を超えている場合をエラー状態と
し、エラー状態かどうかを示す第2エラー信号を出力す
る(図80のS008)。本実施の形態(本発明の第1
2の実施の形態)で求める変化量とは、入力信号Wを画
像データだとすると、例えば、入力信号Wと復号化逆変
換信号において、それぞれの画素の差分値の絶対値の和
とする。この変化量の値が極端に大きい場合は、符号化
変換の処理(図80のS002)が正常に行えなかった
ものと判断できる。そのため、変化量と所定値を比較す
ることでエラーの有無を判定する。第2エラー信号がエ
ラー状態かどうかを判定し(図80のS009)、エラ
ー状態の場合は、選択出力手段(図79の36)で、エ
ラーが有ることを示す信号を出力し、また、入力信号W
を選択して出力する(図80のS006)。第2エラー
信号がエラー状態かどうかを判定し(図80のS00
9)、エラー状態でない場合は、選択出力手段(図79
の36)で、エラーが無いことを示す信号を出力し、ま
た、符号化変換信号を選択して出力する(図80のS0
10)。
【0377】上記のような構成と動作により、本発明の
第12の実施の形態では、入力信号Wを符号化(あるい
は形式変換)を行った後に、一時的に復号化(あるいは
形式の逆変換)を行い、この復号化(あるいは形式の逆
変換)の処理中(あるいは処理結果)にエラーが発生す
る場合は、入力信号そのものを出力し、エラーが存在し
ない場合は、符号化(あるいは形式変換)された信号
(符号化変換信号)を出力することで、上記従来の信号
処理システム 第5の課題 を解決することができる。
【0378】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の信号処理システムは、以下の第1から第5の効果を奏
する。
【0379】<第1の効果>本発明の信号処理システム
の 第1の効果 は、 入力信号(画像データまたは音
声データ)の周波数分解後の係数に適したスキャン順テ
ーブルを作成し、作成したスキャン順テーブルに従っ
て、係数をサンプリングするため、固定スキャン順テー
ブルを用いる従来技術に比べ、符号化を行うゼロ係数の
個数を削減することができ、全体的に情報量を大幅に削
減できるということである。また、前処理として、入力
信号(画像データまたは音声データ)の「 複雑さ」
や、「 係数分布 」のグループ分けを行うことで、更
に情報量を削減する効果もある。
【0380】<第2の効果>本発明の信号処理システム
の 第2の効果 は、 従来技術では、周波数分解後の
各係数において1個の非ゼロ係数に1[ bit ]の
サイン情報を要し、入力信号(画像データまたは音声デ
ータ)全体としては、非常に大きな無駄が生じていたの
に対し、サイン情報をまとめて圧縮符号化したり、ある
いは、各係数が正であるか負であるかを推定する手法を
用いた後に、圧縮符号化を行うことで、これらの符号量
(情報量)を大幅に削減できるということである。
【0381】<第3の効果>本発明の信号処理システム
の 第3の効果 は、 隣接する画像データ(または音
声データ)が類似しているという特徴を利用し、隣接サ
ンプルとの差分値を得た後に、周波数分解を行うこと
で、従来技術に比べ、周波数分解後の各係数の振幅絶対
値を小さくすることができ、情報量を大幅に削減できる
ということである。
【0382】<第4の効果>本発明の信号処理システム
の 第4の効果 は、 周波数分解は、実数演算である
ため、単純に整数化して圧縮符号化を行うと周波数合成
で復元した画像が原画像に対して大きな誤差が生じると
いう従来技術に比べ、周波数分解後の量子化ステップを
変化させ、周波数分解後の係数の符号化結果と、復元画
像と原画像の差分の符号化結果の合計の符号量が最小と
なる量子化ステップを検知し、その量子化ステップに対
応した符号化結果を出力することで、常に少ない符号量
で、かつ無損失で入力信号を圧縮符号化することができ
るということである
【0383】<第5の効果>本発明の信号処理システム
の 第5の効果 は、 信号処理システム自体の物理的
な問題による瞬間的な動作ミスが生じた場合に、従来技
術では復元不可能な圧縮符号化データを出力していたの
に対し、圧縮符号化中に、一時的に伸長復号化(デコー
ド)を行い、圧縮符号化データが復元可能かどうかのチ
ェックを行い、エラーが発生する場合は、原信号(入力
信号)を出力することで、出力信号から原信号(入力信
号W)を復元することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の信号処理システム
の構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の信号処理システム
の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態の信号処理システム
の動作の概要を示す図である。
【図4】DCTブロックの例(DCTブロック2)を示
す図である。
【図5】DCTブロックの例(DCTブロック3)を示
す図である。
【図6】DCTブロックの各周波数成分のゼロ係数の個
数を示す図である。
【図7】DCTブロックの各周波数成分の係数のスキャ
ン順を示す図である。
【図8】DCTブロック2の各周波数成分の係数のスキ
ャンの様子を示す図である。
【図9】DCTブロック3の各周波数成分の係数のスキ
ャンの様子を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態の信号処理システ
ムの構成図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態の信号処理システ
ムの動作を示すフローチャートである。
【図12】DCTブロックの各周波数成分の強度の値を
示す図である。
【図13】DCTブロックの各周波数成分の係数の強度
の値とスキャン順を示す図である。
【図14】DCTブロック2の各周波数成分の係数のス
キャンの様子を示す図である。
【図15】DCTブロック3の各周波数成分の係数のス
キャンの様子を示す図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態の信号処理システ
ムの構成図である。
【図17】本発明の第3の実施の形態の信号処理システ
ムの動作を示すフローチャートである。
【図18】DCTブロック内を2つの領域(領域Aと領
域B)に分類する例を示す図である。
【図19】本発明の第4の実施の形態の信号処理システ
ムの構成図である。
【図20】本発明の第4の実施の形態の信号処理システ
ムの動作を示すフローチャートである。
【図21】DCTブロックを複雑グループと単調グルー
プの2つのグループに分類する例を示す図である。
【図22】本発明の第5の実施の形態の信号処理システ
ムの構成図である。
【図23】本発明の第5の実施の形態の信号処理システ
ムの動作を示すフローチャートである。
【図24】原画像ブロックを示す図である。
【図25】DCTブロックを示す図である。
【図26】本発明の第6の実施の形態の信号処理システ
ムの構成図である。
【図27】本発明の第6の実施の形態の信号処理システ
ムの動作を示すフローチャートである。
【図28】基準DCTブロックを示す図である。
【図29】係数A63を正としたDCTブロック0を示
す図である。
【図30】係数A63を負としたDCTブロック1を示
す図である。
【図31】基準逆DCTブロックを示す図である。
【図32】逆DCTブロック0を示す図である。
【図33】逆DCTブロック1を示す図である。
【図34】第1変化量が大きい状態の概念的イメージを
示す図である。
【図35】第1変化量が小さい状態の概念的イメージを
示す図である。
【図36】原画像ブロックの輪郭(エッジ)形状を示す
図である。
【図37】基準逆DCTブロックの各値を10000分
の1した状態を示す図である。
【図38】原画像ブロックの輪郭(エッジ)形状と基準
逆DCTブロック(10000分の1)の差分を示す図
である。
【図39】本発明の第7の実施の形態の信号処理システ
ムの構成図である。
【図40】本発明の第7の実施の形態の信号処理システ
ムの動作を示すフローチャートである。
【図41】係数A1を正としたDCTブロック0を示す
図である。
【図42】係数A1を負としたDCTブロック1を示す
図である。
【図43】逆DCTブロック0を示す図である。
【図44】逆DCTブロック1を示す図である。
【図45】第1類似度の概念的イメージを示す図であ
る。
【図46】正/負の第1類似度と、負/正の第1変化量
が同じ値であることを示す図である。
【図47】係数A2を正としたDCTブロック0を示す
図である。
【図48】係数A2を負としたDCTブロック1を示す
図である。
【図49】逆DCTブロック0を示す図である。
【図50】逆DCTブロック1を示す図である。
【図51】本発明の第8の実施の形態の信号処理システ
ムの構成図である。
【図52】本発明の第8の実施の形態の信号処理システ
ムの動作を示すフローチャートである。
【図53】係数A1を正としたDCTブロック0を示す
図である。
【図54】係数A1を負としたDCTブロック1を示す
図である。
【図55】逆DCTブロック0を示す図である。
【図56】逆DCTブロック1を示す図である。
【図57】第1類似度の概念的イメージを示す図であ
る。
【図58】相違度の概念的イメージを示す図である。
【図59】係数A2を正としたDCTブロック0を示す
図である。
【図60】係数A2を負としたDCTブロック1を示す
図である。
【図61】逆DCTブロック0を示す図である。
【図62】逆DCTブロック1を示す図である。
【図63】本発明の第9の実施の形態の信号処理システ
ムの構成図である。
【図64】本発明の第9の実施の形態の信号処理システ
ムの動作を示すフローチャートである。
【図65】サイン番号Nと各係数の符号(サイン情報)
との対応を示す図である。
【図66】係数A1、係数A2、係数A3、係数A4、
を正としたDCTブロック0000を示す図である。
【図67】逆DCTブロック0000を示す図である。
【図68】本発明の第10の実施の形態の信号処理シス
テムの構成図である。
【図69】本発明の第10の実施の形態の信号処理シス
テムの動作を示すフローチャートである。
【図70】隣接サンプル差分値の演算の方向を示す図で
ある。
【図71】原画像ブロックを示す図である。
【図72】隣接サンプル差分値を示す図である。
【図73】隣接サンプル差分値に対するDCT結果を示
す図である。
【図74】原画像ブロックに対するDCT結果を示す図
である。
【図75】原画像ブロックの各値から128を引いた値
を示す図である。
【図76】原画像ブロックの各値から128を引いた値
に対するDCT結果を示す図である。
【図77】本発明の第11の実施の形態の信号処理シス
テムの構成図である。
【図78】本発明の第11の実施の形態の信号処理シス
テムの動作を示すフローチャートである。
【図79】本発明の第12の実施の形態の信号処理シス
テムの構成図である。
【図80】本発明の第12の実施の形態の信号処理シス
テムの動作を示すフローチャートである。
【図81】従来の信号処理システム(圧縮符号化側)の
構成図である。
【図82】従来の信号処理システム(圧縮符号化側)の
動作を示すフローチャートである。
【図83】従来の信号処理システム(圧縮符号化側)の
動作の概要を示す図である。
【図84】原画像ブロックとDCTブロックを示す図で
ある。
【図85】従来の信号処理システム(伸長復号化側)の
構成図である。
【図86】従来の信号処理システム(伸長復号化側)の
動作を示すフローチャートである。
【図87】従来の信号処理システム(伸長復号化側)の
動作の概要を示す図である。
【図88】DCTブロックと復元画像ブロックを示す図
である。
【図89】DCTブロックの例(DCTブロック1)を
示す図である。
【図90】DCTブロックの例(DCTブロック2)を
示す図である。
【図91】DCTブロックの例(DCTブロック3)を
示す図である。
【符号の説明】
1 基本符号化手段 2 周波数成分記憶手段 21 周波数成分記憶手段 25 係数書きこみ制御手段 3 係数読み出し制御手段 4 読み出し制御情報生成手段 401 スキャン順決定手段 402 スキャン順テーブル 403 スキャン順情報符号化手段 404 複雑さグループ分類手段 405 複雑さグループ情報記憶手段 406 複雑さグループ情報符号化手段 407 係数分布判定手段 408 係数分布情報記憶手段 409 係数分布情報符号化手段 410 ゼロ係数カウント手段 411 優先順位決定手段 412 係数強度演算手段 450 固定スキャン順テーブル 5 係数符号化手段 51 係数符号化手段 52 係数復号化手段 6 絶対値変換手段 7 サイン情報処理手段 701 非ゼロ判定サイン情報抽出手段 702 サイン情報記憶手段 703 サイン情報符号化手段 704 係数強度順位判定手段 705 係数強度順位テーブル 706 サイン情報推定手段 707 サイン情報設定手段 708 サイン情報付き係数記憶手段 709 周波数合成手段 710 周波数合成結果記憶手段 711 第1サイン情報推定パラメータ演算手段 712 第1サイン情報推定パラメータ記憶手段 713 第1サイン情報生成手段 714 第2サイン情報推定パラメータ演算手段 715 第2サイン情報推定パラメータ記憶手段 716 第3サイン情報推定パラメータ演算手段 717 第3サイン情報推定パラメータ記憶手段 718 第2サイン情報生成手段 719 第3サイン情報生成手段 720 逆量子化手段 8 隣接サンプル差分演算手段 9 周波数分解手段 10 量子化手段 11 圧縮符号化データ記憶手段 13 逆量子化手段 16 差分値算出手段 17 差分値記憶手段 18 差分値符号化手段 19 差分値符号化データ記憶手段 20 合計符号量算出手段 21 合計符号量記憶手段 26 最小符号量決定手段 27 量子化情報符号化手段 28 選択出力手段 29 入力信号記憶手段 30 符号化変換手段 31 符号化変換信号記憶手段 32 復号化逆変換手段 33 復号化逆変換信号記憶手段 34 エラー検出手段 35 比較演算手段 36 選択出力手段 37 隣接サンプル差分値記憶手段 40 複雑さ判定手段 C 係数読み出し制御情報 D アドレス信号 E スキャン順情報 F 複雑さ情報 G 複雑さグループ情報 H 原信号

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも画像データ(または音声デー
    タ)を複数の周波数成分に分解して得られる係数A(ま
    たは、この係数Aを量子化した結果である係数B)を入
    力とし、圧縮符号化データを出力する基本符号化手段
    (1)を有し、基本符号化手段(1) の内部に、少な
    くとも係数A(または係数B)を記憶する周波数成分記
    憶手段(2) と、周波数成分記憶手段(2)に記憶さ
    れている係数A(または係数B)のアドレス信号Dを生
    成し、周波数成分記憶手段(2)から係数A(または係
    数B)を読み出す係数読み出し制御手段(3) と、少
    なくとも係数A(または係数B)を入力とし、周波数成
    分記憶手段(2)に記憶されている係数A(または係数
    B)を読み出すための 読み出し制御情報C を生成す
    る読み出し制御情報生成手段(4) と、係数A(また
    は係数B)を符号化する係数符号化手段(5)を有し、
    読み出し制御情報生成手段(4)の内部において、入力
    される係数A(または係数B)より周波数成分記憶手段
    (2)の中の各周波数成分のスキャン順を決定するスキ
    ャン順決定手段(401) と、スキャン順決定手段
    (401)により決定されたスキャン順の情報(以下、
    スキャン順情報E)を記憶するスキャン順テーブル(4
    02) と、スキャン順情報E を符号化するスキャン
    順情報符号化手段(403)を有し、少なくともスキャ
    ン順情報Eを、読み出し制御情報Cとして用い、係数読
    み出し制御手段(3)において、少なくとも読み出し制
    御情報Cをもとに、アドレス信号Dを生成する構成とす
    ることを特徴とする信号処理システム。
  2. 【請求項2】 少なくとも画像データ(または音声デー
    タ)を複数の周波数成分に分解して得られる係数A(ま
    たは、この係数Aを量子化した結果である係数B)を入
    力とし、圧縮符号化データを出力する基本符号化手段
    (1)を有し、基本符号化手段(1) の内部に、少な
    くとも係数A(または係数B)を記憶する周波数成分記
    憶手段(2) と、周波数成分記憶手段(2)に記憶さ
    れている係数A(または係数B)のアドレス信号Dを生
    成し、周波数成分記憶手段(2)から係数A(または係
    数B)を読み出す係数読み出し制御手段(3) と、少
    なくとも画像データ(または音声データ)の 複雑さ情
    報F を入力とし、周波数成分記憶手段(2)に記憶さ
    れている係数A(または係数B)を読み出すための 読
    み出し制御情報C を生成する読み出し制御情報生成手
    段(4) と、係数A(または係数B)を符号化する係
    数符号化手段(5)を有し、読み出し制御情報生成手段
    (4)の内部において、複雑さ情報Fより周波数成分記
    憶手段(2)の中の各周波数成分を複数の 複雑さグル
    ープ に分類する複雑さグループ分類手段(404)
    と、複雑さグループ分類手段(404)により分類され
    た 複雑さグループ情報Gを記憶する複雑さグループ情
    報記憶手段(405) と、複雑さグループ情報G を
    符号化する複雑さグループ情報符号化手段(406)を
    有し、少なくとも複雑さグループ情報Gを、読み出し制
    御情報Cとして用い、係数読み出し制御手段(3)にお
    いて、少なくとも読み出し制御情報Cをもとに、アドレ
    ス信号Dを生成する構成とすることを特徴とする信号処
    理システム。
  3. 【請求項3】 少なくとも画像データ(または音声デー
    タ)を複数の周波数成分に分解して得られる係数A(ま
    たは、この係数Aを量子化した結果である係数B)を入
    力とし、圧縮符号化データを出力する基本符号化手段
    (1)を有し、基本符号化手段(1) の内部に、少な
    くとも係数A(または係数B)を記憶する周波数成分記
    憶手段(2) と、周波数成分記憶手段(2)に記憶さ
    れている係数A(または係数B)のアドレス信号Dを生
    成し、周波数成分記憶手段(2)から係数A(または係
    数B)を読み出す係数読み出し制御手段(3) と、係
    数A(または係数B)の絶対値を得る絶対値変換手段
    (6) と、周波数成分の各係数A(または係数B)の
    絶対値を符号化する係数符号化手段(5) と、係数A
    (または係数B)を入力とし、入力される係数A(また
    は係数B)が、正なのか負なのかを示す符号(以下、サ
    イン情報)を処理するサイン情報処理手段(7)を有
    し、サイン情報処理手段(7)の内部において、係数A
    (または係数B)が非ゼロかどうかを判定して、非ゼロ
    の場合に、サイン情報を抽出する非ゼロ判定サイン情報
    抽出手段(701) と、サイン情報を記憶するサイン
    情報記憶手段(702) と、サイン情報に対して、統
    計処理を行い、サイン情報を符号化するサイン情報符号
    化手段(703)を有する構成とすることを特徴とする
    信号処理システム。
  4. 【請求項4】 少なくとも画像データ(または音声デー
    タ)を複数の周波数成分に分解して得られる係数A(ま
    たは、この係数Aを量子化した結果である係数B)を入
    力とし、圧縮符号化データを出力する基本符号化手段
    (1)を有し、基本符号化手段(1) の内部に、少な
    くとも係数A(または係数B)を記憶する周波数成分記
    憶手段(2) と、周波数成分記憶手段(2)に記憶さ
    れている係数A(または係数B)のアドレス信号Dを生
    成し、周波数成分記憶手段(2)から係数A(または係
    数B)を読み出す係数読み出し制御手段(3) と、少
    なくとも係数A(または係数B)を入力とし、周波数成
    分記憶手段(2)に記憶されている係数A(または係数
    B)を読み出すための 読み出し制御情報C を生成す
    る読み出し制御情報生成手段(4) と、係数A(また
    は係数B)の絶対値を得る絶対値変換手段(6) と、
    周波数成分の各係数A(または係数B)の絶対値を符号
    化する係数符号化手段(5) と、係数A(または係数
    B)を入力とし、入力される係数A(または係数B)の
    サイン情報を処理するサイン情報処理手段(7)を有
    し、読み出し制御情報生成手段(4)の内部において、
    入力される係数A(または係数B)より周波数成分記憶
    手段(2)の中の各周波数成分のスキャン順を決定する
    スキャン順決定手段(401) と、スキャン順決定手
    段(401)により決定されたスキャン順の情報(以
    下、スキャン順情報E)を記憶するスキャン順テーブル
    (402) と、スキャン順情報E を符号化するスキ
    ャン順情報符号化手段(403)を有し、少なくともス
    キャン順情報Eを、読み出し制御情報Cとして用い、係
    数読み出し制御手段(3)において、少なくとも読み出
    し制御情報Cをもとに、アドレス信号Dを生成する構成
    とし、サイン情報処理手段(7)の内部において、係数
    A(または係数B)が非ゼロかどうかを判定して、非ゼ
    ロの場合に、サイン情報を抽出する非ゼロ判定サイン情
    報抽出手段(701) と、サイン情報を記憶するサイ
    ン情報記憶手段(702) と、サイン情報に対して、
    統計処理を行い、サイン情報を符号化するサイン情報符
    号化手段(703)を有する構成とすることを特徴とす
    る信号処理システム。
  5. 【請求項5】 少なくとも画像データ(または音声デー
    タ)を複数の周波数成分に分解して得られる係数A(ま
    たは、この係数Aを量子化した結果である係数B)を入
    力とし、圧縮符号化データを出力する基本符号化手段
    (1)を有し、基本符号化手段(1) の内部に、少な
    くとも係数A(または係数B)を記憶する周波数成分記
    憶手段(2) と、周波数成分記憶手段(2)に記憶さ
    れている係数A(または係数B)のアドレス信号Dを生
    成し、周波数成分記憶手段(2)から係数A(または係
    数B)を読み出す係数読み出し制御手段(3) と、少
    なくとも画像データ(または音声データ)の 複雑さ情
    報F を入力とし、周波数成分記憶手段(2)に記憶さ
    れている係数A(または係数B)を読み出すための 読
    み出し制御情報C を生成する読み出し制御情報生成手
    段(4) と、係数A(または係数B)の絶対値を得る
    絶対値変換手段(6) と、周波数成分の各係数A(ま
    たは係数B)の絶対値を符号化する係数符号化手段
    (5) と、係数A(または係数B)を入力とし、入力
    される係数A(または係数B)のサイン情報を処理する
    サイン情報処理手段(7)を有し、読み出し制御情報生
    成手段(4)の内部において、入力される 複雑さ情報
    F より周波数成分記憶手段(2)の中の各周波数成分
    を複数の 複雑さグループ に分類する複雑さグループ
    分類手段(404) と、複雑さグループ分類手段(4
    04)により分類された 複雑さグループ情報Gを記憶
    する複雑さグループ情報記憶手段(405) と、複雑
    さグループ情報G を符号化する複雑さグループ情報符
    号化手段(406)を有し、少なくとも複雑さグループ
    情報Gを、読み出し制御情報Cとして用い、係数読み出
    し制御手段(3)において、少なくとも読み出し制御情
    報Cをもとに、アドレス信号Dを生成する構成とし、サ
    イン情報処理手段(7)の内部において、係数A(また
    は係数B)が非ゼロかどうかを判定して、非ゼロの場合
    に、サイン情報を抽出する非ゼロ判定サイン情報抽出手
    段(701) と、サイン情報を記憶するサイン情報記
    憶手段(702) と、サイン情報に対して、統計処理
    を行い、サイン情報を符号化するサイン情報符号化手段
    (703)を有する構成とすることを特徴とする信号処
    理システム。
  6. 【請求項6】 画像データ(または音声データ)の隣接
    するサンプル値の差分( 以下、隣接サンプル差分値)
    を演算する隣接サンプル差分演算手段(8) と、隣接
    サンプル差分値を複数の周波数成分に分解して各周波数
    成分の係数Aを出力する周波数分解手段(9) と、少
    なくとも係数A(または、この係数Aを量子化した結果
    である係数B)を入力とし、圧縮符号化データを出力す
    る基本符号化手段(1)を有し、基本符号化手段(1)
    の内部に、少なくとも係数A(または係数B)を記憶
    する周波数成分記憶手段(2) と、周波数成分記憶手
    段(2)に記憶されている係数A(または係数B)のア
    ドレス信号Dを生成し、周波数成分記憶手段(2)から
    係数A(または係数B)を読み出す係数読み出し制御手
    段(3) と、係数A(または係数B)を符号化する係
    数符号化手段(5)を有する構成とすることを特徴とす
    る信号処理システム。
  7. 【請求項7】 画像データ(または音声データ)そのも
    の、または、画像データ(または音声データ)の隣接す
    るサンプル値の差分( 以下、隣接サンプル差分値)を
    原信号Hとし、原信号Hを入力とし、原信号Hを複数の
    周波数成分に分解して各周波数成分の係数Aを出力する
    周波数分解手段(9) と、周波数分解手段(9)より
    得られる係数Aを量子化して、量子化後の係数Bを出力
    する量子化手段(10) と、少なくとも係数Bを入力
    とし、圧縮符号化データを出力する基本符号化手段
    (1) と、圧縮符号化データを記憶する圧縮符号化デ
    ータ記憶手段(11) と、係数Bを逆量子化する逆量
    子化手段(13) と、逆量子化された係数Bを周波数
    合成する周波数合成手段(709) と、周波数合成手
    段(709) による周波数合成結果を記憶する周波数
    合成結果記憶手段(710) と、原信号Hと周波数合
    成結果との差分値(以下、差分値M)を算出する差分値
    算出手段(16) と、差分値Mを記憶する差分値記憶
    手段(17) と、差分値Mを符号化して差分値符号化
    データを出力する差分値符号化手段(18) と、差分
    値符号化データを記憶する差分値符号化データ記憶手段
    (19) と、圧縮符号化データ記憶手段(11) に
    記憶されている圧縮符号化データと、差分値符号化デー
    タ記憶手段(19) に記憶されている差分値符号化デ
    ータの、合計の符号量(以下、合計符号量)を算出する
    合計符号量算出手段(20) と、合計符号量を記憶す
    る合計符号量記憶手段(21)を有し、基本符号化手段
    (1) の内部に、係数Bを記憶する周波数成分記憶手
    段(2) と、周波数成分記憶手段(2)に記憶されて
    いる係数Bのアドレス信号Dを生成し、周波数成分記憶
    手段(2)から係数Bを読み出す係数読み出し制御手段
    (3) と、周波数成分記憶手段(2)から読み出され
    る係数Bを符号化する係数符号化手段(5)を有し、合
    計符号量記憶手段(21) において、量子化手段(1
    0)および逆量子化手段(13)で使用された量子化情
    報に対応する合計符号量を記憶する機能を有し、合計符
    号量記憶手段(21)に記憶されている複数の合計符号
    量の値の中から最小値を求め、合計符号量が最小となる
    量子化情報(以下、最小量子化情報)を決定する最小符
    号量決定手段(26) と、最小量子化情報を符号化し
    て符号化量子化情報データを出力する量子化情報符号化
    手段(27)を有し、最小量子化情報に対応する圧縮符
    号化データ(以下、選択データR)と、最小量子化情報
    に対応する差分値符号化データ(以下、選択データT)
    を選択し、選択データRと選択データTおよび符号化量
    子化情報データを、最終的な圧縮符号化データとして出
    力する選択出力手段(28)を有する構成とすることを
    特徴とする信号処理システム。
  8. 【請求項8】 少なくとも画像データ(または音声デー
    タ)そのもの、または、画像データ(または音声デー
    タ)を符号化しているデータを入力信号Wとし、入力信
    号Wを記憶する入力信号記憶手段(29) と、入力信
    号Wの符号化(または形式変換)を行い、符号化変換信
    号を出力する符号化変換手段(30) と、符号化変換
    信号を記憶する符号化変換信号記憶手段(31) と、
    符号化変換信号の復号化(または形式逆変換)を行い、
    復号化逆変換信号を出力する復号化逆変換手段(32)
    と、復号化逆変換信号を記憶する復号化逆変換信号記
    憶手段(33) と、復号化逆変換手段(32)におけ
    る符号化変換信号の復号化(または形式逆変換)の処理
    のエラーを検出し、エラーの有無を示す第1エラー信号
    を出力するエラー検出手段(34) と、入力信号Wと
    復号化逆変換信号を比較して変化量を求め、変化量が所
    定値を超えている場合をエラー状態とし、エラー状態か
    どうかを示す第2エラー信号を出力する比較演算手段
    (35) と、第1エラー信号、または第2エラー信号
    がエラー状態かどうかを示す信号を出力し、また、第1
    エラー信号、または第2エラー信号がエラー状態である
    場合は、入力信号Wを選択して出力し、第1エラー信号
    と第2エラー信号が、エラー状態でない場合は、符号化
    変換信号を選択して出力する選択出力手段(36)を有
    する構成とすることを特徴とする信号処理システム。
  9. 【請求項9】 読み出し制御情報生成手段(4)に、係
    数A(または係数B)を入力する構成とし、読み出し制
    御情報生成手段(4)の内部において、入力される係数
    A(または係数B)より周波数成分記憶手段(2)の中
    の各周波数成分のスキャン順を決定するスキャン順決定
    手段(401) と、スキャン順決定手段(401)に
    より決定されたスキャン順の情報(以下、スキャン順情
    報E)を記憶するスキャン順テーブル(402) と、
    スキャン順情報E を符号化するスキャン順情報符号化
    手段(403)を有し、少なくともスキャン順情報E
    を、読み出し制御情報Cとして用い、係数読み出し制御
    手段(3)において、少なくとも読み出し制御情報Cを
    もとに、アドレス信号Dを生成する構成とすることを特
    徴とする請求項5に記載の信号処理システム。
  10. 【請求項10】 スキャン順決定手段(401)の内部
    に、係数A(または係数B)に関して、各周波数成分ご
    とのゼロ係数(または非ゼロ係数)の個数を集計するゼ
    ロ係数カウント手段(410) と、ゼロ係数カウント
    手段(410)で集計した各周波数成分ごとのゼロ係数
    の個数を比較して、ゼロ係数の個数が少ない(または非
    ゼロ係数の個数が多い)周波数成分のスキャン順を優先
    的に順位付けする優先順位決定手段(411)を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号処理システム。
  11. 【請求項11】 スキャン順決定手段(401)の内部
    に、係数A(または係数B)に関して、各周波数成分ご
    とのゼロ係数(または非ゼロ係数)の個数を集計するゼ
    ロ係数カウント手段(410) と、ゼロ係数カウント
    手段(410)で集計した各周波数成分ごとのゼロ係数
    の個数を比較して、ゼロ係数の個数が少ない(または非
    ゼロ係数の個数が多い)周波数成分のスキャン順を優先
    的に順位付けする優先順位決定手段(411)を有する
    ことを特徴とする請求項4に記載の信号処理システム。
  12. 【請求項12】 スキャン順決定手段(401)の内部
    に、係数A(または係数B)に関して、各周波数成分ご
    とのゼロ係数(または非ゼロ係数)の個数を集計するゼ
    ロ係数カウント手段(410) と、ゼロ係数カウント
    手段(410)で集計した各周波数成分ごとのゼロ係数
    の個数を比較して、ゼロ係数の個数が少ない(または非
    ゼロ係数の個数が多い)周波数成分のスキャン順を優先
    的に順位付けする優先順位決定手段(411)を有する
    ことを特徴とする請求項9に記載の信号処理システム。
  13. 【請求項13】 スキャン順決定手段(401)の内部
    に、係数A(または係数B)に関して、各周波数成分ご
    との係数の強度を求める係数強度演算手段(412)
    と、少なくとも各周波数成分ごとの係数の強度の値を入
    力として、各周波数成分ごとの係数の強度の値を比較し
    て、係数の強度の値が大きい周波数成分のスキャン順を
    優先的に順位付けする優先順位決定手段(411)を有
    し、優先順位決定手段(411) に、各周波数成分ご
    とのゼロ係数の個数が入力される場合において、まずは
    係数の強度の値を比較して、係数の強度の値が大きい周
    波数成分のスキャン順を優先的に順位付けして、係数の
    強度の値が同じ大きさの周波数成分が複数存在する場合
    は、ゼロ係数(または非ゼロ係数)の個数を比較して、
    ゼロ係数の個数が少ない(または非ゼロ係数の個数が多
    い)周波数成分のスキャン順を優先的に順位付けする構
    成とすることを特徴とする請求項1、または請求項10
    に記載の信号処理システム。
  14. 【請求項14】 スキャン順決定手段(401)の内部
    に、係数A(または係数B)に関して、各周波数成分ご
    との係数の強度を求める係数強度演算手段(412)
    と、少なくとも各周波数成分ごとの係数の強度の値を入
    力として、各周波数成分ごとの係数の強度の値を比較し
    て、係数の強度の値が大きい周波数成分のスキャン順を
    優先的に順位付けする優先順位決定手段(411)を有
    し、優先順位決定手段(411) に、各周波数成分ご
    とのゼロ係数の個数が入力される場合において、まずは
    係数の強度の値を比較して、係数の強度の値が大きい周
    波数成分のスキャン順を優先的に順位付けして、係数の
    強度の値が同じ大きさの周波数成分が複数存在する場合
    は、ゼロ係数(または非ゼロ係数)の個数を比較して、
    ゼロ係数の個数が少ない(または非ゼロ係数の個数が多
    い)周波数成分のスキャン順を優先的に順位付けする構
    成とすることを特徴とする請求項4、または請求項11
    に記載の信号処理システム。
  15. 【請求項15】 スキャン順決定手段(401)の内部
    に、係数A(または係数B)に関して、各周波数成分ご
    との係数の強度を求める係数強度演算手段(412)
    と、少なくとも各周波数成分ごとの係数の強度の値を入
    力として、各周波数成分ごとの係数の強度の値を比較し
    て、係数の強度の値が大きい周波数成分のスキャン順を
    優先的に順位付けする優先順位決定手段(411)を有
    し、優先順位決定手段(411) に、各周波数成分ご
    とのゼロ係数の個数が入力される場合において、まずは
    係数の強度の値を比較して、係数の強度の値が大きい周
    波数成分のスキャン順を優先的に順位付けして、係数の
    強度の値が同じ大きさの周波数成分が複数存在する場合
    は、ゼロ係数(または非ゼロ係数)の個数を比較して、
    ゼロ係数の個数が少ない(または非ゼロ係数の個数が多
    い)周波数成分のスキャン順を優先的に順位付けする構
    成とすることを特徴とする請求項9、または請求項12
    に記載の信号処理システム。
  16. 【請求項16】 読み出し制御情報生成手段(4)に、
    画像データ(または音声データ)の 複雑さ情報F を
    入力する構成とし、読み出し制御情報生成手段(4)の
    内部において、入力される 複雑さ情報F より周波数
    成分記憶手段(2)の中の各周波数成分を複数の 複雑
    さグループ に分類する複雑さグループ分類手段(40
    4) と、複雑さグループ分類手段(404)により分
    類された 複雑さグループ情報Gを記憶する複雑さグル
    ープ情報記憶手段(405) と、複雑さグループ情報
    G を符号化する複雑さグループ情報符号化手段(40
    6)を有し、少なくとも複雑さグループ情報Gを、読み
    出し制御情報Cとして用い、係数読み出し制御手段
    (3)において、少なくとも読み出し制御情報Cをもと
    に、アドレス信号Dを生成する構成とすることを特徴と
    する 請求項1、または請求項10、または請求項13
    に記載の信号処理システム。
  17. 【請求項17】 読み出し制御情報生成手段(4)の内
    部に、係数A(または係数B)の値から、どの周波数成
    分にエネルギーが偏っているかを判定して、偏り状況を
    示す情報(以下、係数分布情報)を出力する係数分布判
    定手段(407) と、係数分布情報を記憶する係数分
    布情報記憶手段(408) と、係数分布情報を符号化
    する係数分布情報符号化手段(409)を有し、スキャ
    ン順決定手段(401)において、係数分布情報ごとに
    スキャン順を決定し、スキャン順テーブル(402)に
    おいて、係数分布情報ごとのスキャン順情報Eを記憶す
    る構成とすることを特徴とする 請求項1、または請求
    項10、または請求項13、または請求項16に記載の
    信号処理システム。
  18. 【請求項18】 読み出し制御情報生成手段(4)の内
    部に、係数A(または係数B)の値から、どの周波数成
    分にエネルギーが偏っているかを判定して、偏り状況を
    示す情報(以下、係数分布情報)を出力する係数分布判
    定手段(407) と、係数分布情報を記憶する係数分
    布情報記憶手段(408) と、係数分布情報を符号化
    する係数分布情報符号化手段(409)を有し、スキャ
    ン順決定手段(401)において、係数分布情報ごとに
    スキャン順を決定し、スキャン順テーブル(402)に
    おいて、係数分布情報ごとのスキャン順情報Eを記憶す
    る構成とすることを特徴とする 請求項4、または請求
    項9、または請求項11、または請求項12、または請
    求項14、または請求項15に記載の信号処理システ
    ム。
  19. 【請求項19】 サイン情報処理手段(7) の内部
    に、周波数成分記憶手段(2)の中の各周波数成分の係
    数のうち、周波数分解の単位内での各係数のエネルギー
    の強さ(以下、強度)を測定し、各係数の強度の順位
    (以下、係数強度順位)を判定する係数強度順位判定手
    段(704) と、係数強度順位を記憶する係数強度順
    位テーブル(705) と、係数強度順位の高い係数か
    ら優先的に、サイン情報の推定を行い、推定結果から、
    新たなサイン情報を生成して出力するサイン情報推定手
    段(706)を有し、非ゼロ判定サイン情報抽出手段
    (701)において、各係数が非ゼロかどうかを判定
    し、非ゼロの場合のみ、サイン情報推定手段(706)
    内の処理を実行する構成とすることを特徴とする 請求
    項3、または請求項4、または請求項5、または請求項
    9、または請求項11、または請求項12、または請求
    項14、または請求項15、または請求項18に記載の
    信号処理システム。
  20. 【請求項20】 サイン情報処理手段(7) に関し、
    サイン情報推定手段(706) の内部に、周波数成分
    記憶手段(2)の中の各周波数成分の係数に対して、仮
    のサイン情報(以下、仮サイン情報)と、必要に応じて
    真のサイン情報(以下、真サイン情報)を設定するサイ
    ン情報設定手段(707) と、サイン情報設定手段
    (707)により、仮サイン情報と、必要に応じて真サ
    イン情報が設定された各係数(以下、サイン情報付き係
    数)を記憶するサイン情報付き係数記憶手段(708)
    と、サイン情報付き係数の各周波数成分を合成し、サ
    イン情報付き周波数合成結果を出力する周波数成分合成
    手段(709) と、サイン情報付き周波数合成結果を
    記憶する周波数合成結果記憶手段(710) と、各仮
    サイン情報が設定されているサイン情報付き周波数合成
    結果に対応した第1のサイン情報推定パラメータ(以
    下、第1サイン情報推定パラメータ)を演算する第1サ
    イン情報推定パラメータ演算手段(711) と、第1
    サイン情報推定パラメータを記憶する第1サイン情報推
    定パラメータ記憶手段(712) と、各仮サイン情報
    に対応した第1サイン情報推定パラメータの値から、ど
    の仮サイン情報が真のサイン情報かを推定し、推定した
    サイン情報と真のサイン情報とが一致しているかどうか
    を示す一致不一致情報を、新たなサイン情報として出力
    する第1サイン情報生成手段(713)を有し、サイン
    情報設定手段(707)において、仮サイン情報が真の
    サイン情報かどうかの推定が完了した係数に関して、真
    のサイン情報を設定する機能を有し、真サイン情報が設
    定されている係数(以下、真サイン情報付き係数)によ
    る周波数合成結果(以下、真サイン周波数合成結果)
    と、仮サイン情報が設定されている係数(以下、仮サイ
    ン情報付き係数)による周波数合成結果(以下、仮サイ
    ン周波数合成結果)との差分の絶対値の和を第1変化量
    とし、真サイン情報付き係数と、仮サイン情報付き係数
    の混合状態での周波数合成結果(以下、混合周波数合成
    結果)に関して、混合周波数合成結果の波形の、波形の
    中心軸と、波形で囲まれた領域における、波形と、波形
    の中心軸との差分の絶対値の和を第1類似度とし、第1
    サイン情報推定パラメータ演算手段(711) におい
    て、第1変化量、または第1類似度を第1サイン情報推
    定パラメータとして演算し、第1サイン情報生成手段
    (713) において、各仮サイン情報に対応する第1
    サイン情報推定パラメータが第1変化量の場合は、第1
    サイン情報推定パラメータの値が小さいときの仮サイン
    情報を真のサイン情報だと推定し、各仮サイン情報に対
    応する第1サイン情報推定パラメータが第1類似度の場
    合は、第1サイン情報推定パラメータの値が大きいとき
    の仮サイン情報が真のサイン情報であると推定すること
    を特徴とする 請求項19に記載の信号処理システム。
  21. 【請求項21】 サイン情報処理手段(7) に関し、
    サイン情報推定手段(706) の内部に、周波数成分
    記憶手段(2)の中の各周波数成分の係数に対して、仮
    のサイン情報(以下、仮サイン情報)と、必要に応じて
    真のサイン情報(以下、真サイン情報)を設定するサイ
    ン情報設定手段(707) と、サイン情報設定手段
    (707)により、仮サイン情報と、必要に応じて真サ
    イン情報が設定された各係数(以下、サイン情報付き係
    数)を記憶するサイン情報付き係数記憶手段(708)
    と、サイン情報付き係数の各周波数成分を合成し、サ
    イン情報付き周波数合成結果を出力する周波数成分合成
    手段(709) と、サイン情報付き周波数合成結果を
    記憶する周波数合成結果記憶手段(710) と、各仮
    サイン情報が設定されているサイン情報付き周波数合成
    結果に対応した第1のサイン情報推定パラメータ(以
    下、第1サイン情報推定パラメータ)を演算する第1サ
    イン情報推定パラメータ演算手段(711) と、第1
    サイン情報推定パラメータを記憶する第1サイン情報推
    定パラメータ記憶手段(712) と、各仮サイン情報
    が設定されているサイン情報付き周波数合成結果に対応
    した第2のサイン情報推定パラメータ(以下、第2サイ
    ン情報推定パラメータ)を演算する第2サイン情報推定
    パラメータ演算手段(714) と、第2サイン情報推
    定パラメータを記憶する第2サイン情報推定パラメータ
    記憶手段(715) と、第1サイン情報推定パラメー
    タと第2サイン情報推定パラメータを用いて、各仮サイ
    ン情報が設定されているサイン情報付き周波数合成結果
    に対応した第3のサイン情報推定パラメータ(以下、第
    3サイン情報推定パラメータ)を演算する第3サイン情
    報推定パラメータ演算手段(716) と、第3サイン
    情報推定パラメータを記憶する第3サイン情報推定パラ
    メータ記憶手段(717) と、各仮サイン情報に対応
    した第3サイン情報推定パラメータの値から、どの仮サ
    イン情報が真のサイン情報かを推定し、推定したサイン
    情報と真のサイン情報とが一致しているかどうかを示す
    一致不一致情報を、新たなサイン情報として出力する第
    2サイン情報生成手段(718)を有し、サイン情報設
    定手段(707)において、仮サイン情報が真のサイン
    情報かどうかの推定が完了した係数に関して、真のサイ
    ン情報を設定する機能を有し、真サイン情報が設定され
    ている係数(以下、真サイン情報付き係数)による周波
    数合成結果(以下、真サイン周波数合成結果)と、仮サ
    イン情報が設定されている係数(以下、仮サイン情報付
    き係数)による周波数合成結果(以下、仮サイン周波数
    合成結果)との差分の絶対値の和を第1変化量とし、真
    サイン情報付き係数と、仮サイン情報付き係数の混合状
    態での周波数合成結果(以下、混合周波数合成結果)に
    関して、混合周波数合成結果の波形の、波形の中心軸
    と、波形で囲まれた領域における、波形と、波形の中心
    軸との差分の絶対値の和を第1類似度とし、混合周波数
    合成結果の波形が、所定の値域を はみ出す 領域にお
    ける、波形と、値域との差分の絶対値の和を相違度と
    し、第1サイン情報推定パラメータ演算手段(711)
    において、第1変化量、または第1類似度を第1サイ
    ン情報推定パラメータとして演算し、第2サイン情報推
    定パラメータ演算手段(714) において、相違度を
    第2サイン情報推定パラメータとして演算し、第1変化
    量または相違度に正規化係数をかけて正規化し、正規化
    済みの第1変化量に正規化済みの相違度を加算した値を
    第2変化量とし、第1類似度または相違度に正規化係数
    をかけて正規化し、正規化済みの第1類似度に正規化済
    みの相違度を減算した値を第2類似度とし、第3サイン
    情報推定パラメータ演算手段(716) において、第
    2変化量、または第2類似度を第3サイン情報推定パラ
    メータとして演算し、第2サイン情報生成手段(71
    8) において、各仮サイン情報に対応する第3サイン
    情報推定パラメータが第2変化量の場合は、第3サイン
    情報推定パラメータの値が小さいときの仮サイン情報を
    真のサイン情報だと推定し、各仮サイン情報に対応する
    第3サイン情報推定パラメータが第2類似度の場合は、
    第3サイン情報推定パラメータの値が大きいときの仮サ
    イン情報が真のサイン情報であると推定することを特徴
    とする 請求項19に記載の信号処理システム。
  22. 【請求項22】 サイン情報処理手段(7) に関し、
    サイン情報推定手段(706) の内部に、周波数成分
    記憶手段(2)の中の各周波数成分の係数に対して、仮
    のサイン情報(以下、仮サイン情報)と、必要に応じて
    真のサイン情報(以下、真サイン情報)を設定するサイ
    ン情報設定手段(707) と、サイン情報設定手段
    (707)により、仮サイン情報と、必要に応じて真サ
    イン情報が設定された各係数(以下、サイン情報付き係
    数)を記憶するサイン情報付き係数記憶手段(708)
    と、サイン情報付き係数の各周波数成分を合成し、サ
    イン情報付き周波数合成結果を出力する周波数成分合成
    手段(709) と、サイン情報付き周波数合成結果を
    記憶する周波数合成結果記憶手段(710) と、各仮
    サイン情報が設定されているサイン情報付き周波数合成
    結果に対応した第1のサイン情報推定パラメータ(以
    下、第1サイン情報推定パラメータ)を演算する第1サ
    イン情報推定パラメータ演算手段(711) と、第1
    サイン情報推定パラメータを記憶する第1サイン情報推
    定パラメータ記憶手段(712) と、各仮サイン情報
    が設定されているサイン情報付き周波数合成結果に対応
    した第2のサイン情報推定パラメータ(以下、第2サイ
    ン情報推定パラメータ)を演算する第2サイン情報推定
    パラメータ演算手段(714) と、第2サイン情報推
    定パラメータを記憶する第2サイン情報推定パラメータ
    記憶手段(715) と、第1サイン情報推定パラメー
    タと第2サイン情報推定パラメータを用いて、各仮サイ
    ン情報が設定されているサイン情報付き周波数合成結果
    に対応した第3のサイン情報推定パラメータ(以下、第
    3サイン情報推定パラメータ)を演算する第3サイン情
    報推定パラメータ演算手段(716) と、第3サイン
    情報推定パラメータを記憶する第3サイン情報推定パラ
    メータ記憶手段(717) と、各仮サイン情報に対応
    した第3サイン情報推定パラメータの値から、真のサイ
    ン情報の組み合わせと一致する仮サイン情報の組み合わ
    せに対して、新たなサイン情報を付与して、新たなサイ
    ン情報を出力する第3サイン情報生成手段(719)を
    有し、サイン情報設定手段(707)において、仮サイ
    ン情報が真のサイン情報かどうかの推定が完了した係数
    に関して、真のサイン情報を設定する機能を有し、真サ
    イン情報が設定されている係数(以下、真サイン情報付
    き係数)による周波数合成結果(以下、真サイン周波数
    合成結果)と、仮サイン情報が設定されている係数(以
    下、仮サイン情報付き係数)による周波数合成結果(以
    下、仮サイン周波数合成結果)との差分の絶対値の和を
    第1変化量とし、真サイン情報付き係数と、仮サイン情
    報付き係数の混合状態での周波数合成結果(以下、混合
    周波数合成結果)に関して、混合周波数合成結果の波形
    の、波形の中心軸と、波形で囲まれた領域における、波
    形と、波形の中心軸との差分の絶対値の和を第1類似度
    とし、混合周波数合成結果の波形が、所定の値域を は
    み出す領域における、波形と、値域との差分の絶対値の
    和を相違度とし、第1サイン情報推定パラメータ演算手
    段(711) において、第1変化量、または第1類似
    度を第1サイン情報推定パラメータとして演算し、第2
    サイン情報推定パラメータ演算手段(714) におい
    て、相違度を第2サイン情報推定パラメータとして演算
    し、第1変化量または相違度に正規化係数をかけて正規
    化し、正規化済みの第1変化量に正規化済みの相違度を
    加算した値を第2変化量とし、第1類似度または相違度
    に正規化係数をかけて正規化し、正規化済みの第1類似
    度に正規化済みの相違度を減算した値を第2類似度と
    し、第3サイン情報推定パラメータ演算手段(716)
    において、第2変化量、または第2類似度を第3サイ
    ン情報推定パラメータとして演算し、第3サイン情報生
    成手段(719) において、各仮サイン情報に対応す
    る第3サイン情報推定パラメータが第2変化量の場合
    は、第3サイン情報推定パラメータの値が小さい仮サイ
    ン情報の組み合わせを優先的に、同一シンボルを多く含
    むコード(以下、第1コード)とするか、または、第3
    サイン情報推定パラメータの値が小さい仮サイン情報の
    組み合わせを優先的に、短いコード(以下、第2コー
    ド)とし、真のサイン情報の組み合わせと一致する仮サ
    イン情報の組み合わせに対応する第1コード、または第
    2コードを、新たなサイン情報として出力し、各仮サイ
    ン情報に対応する第3サイン情報推定パラメータが第2
    類似度の場合は、第3サイン情報推定パラメータの値が
    大きい仮サイン情報の組み合わせを優先的に、同一シン
    ボルを多く含むコード(以下、第1コード)とするか、
    または、第3サイン情報推定パラメータの値が大きい仮
    サイン情報の組み合わせを優先的に、短いコード(以
    下、第2コード)とし、真のサイン情報の組み合わせと
    一致する仮サイン情報の組み合わせに対応する第1コー
    ド、または第2コードを、新たなサイン情報として出力
    する構成とすることを特徴とする 請求項19に記載の
    信号処理システム。
  23. 【請求項23】 サイン情報推定手段(706) の内
    部において、係数Bまたはサイン情報付き係数に対し
    て、逆量子化を行う逆量子化手段(720)を有し、少
    なくとも逆量子化済みのサイン情報付き係数を周波数成
    分合成手段(709)に入力して、各周波数成分の合成
    を行う構成とすることを特徴とする 請求項20、また
    は請求項21、または請求項22に記載の信号処理シス
    テム。
  24. 【請求項24】 周波数成分合成手段(709) が高
    bit精度で演算することを特徴とする 請求項20、
    または請求項21、または請求項22、または請求項2
    3に記載の信号処理システム。
  25. 【請求項25】 係数符号化手段(5) が入力される
    各係数を複数のグループに分類し、各グループごとに統
    計処理と符号化処理を行うことを特徴とする 請求項
    1、または請求項2、または請求項3、または請求項
    4、または請求項5、または請求項6、または請求項
    9、または請求項10、または請求項11、または請求
    項12、または請求項13、または請求項14、または
    請求項15、または請求項16、または請求項17、ま
    たは請求項18、または請求項19、または請求項2
    0、または請求項21、または請求項22、または請求
    項23、または請求項24に記載の信号処理システム。
  26. 【請求項26】 サイン情報符号化手段(703) が
    入力される各係数を複数のグループに分類し、各グルー
    プごとに統計処理と符号化処理を行うことを特徴とする
    請求項3、または請求項4、または請求項5、または
    請求項9、または請求項11、または請求項12、また
    は請求項14、または請求項15、または請求項18、
    または請求項19、または請求項20、または請求項2
    1、または請求項22、または請求項23、または請求
    項24に記載の信号処理システム。
  27. 【請求項27】 周波数分解手段(9)の出力である係
    数Aを量子化して係数Bとして出力する量子化手段(1
    0)を有し、係数Bを周波数成分記憶手段(2)に記憶
    する構成とすることを特徴とする 請求項6に記載の信
    号処理システム。
  28. 【請求項28】 基本符号化手段(1) が請求項1、
    または請求項2、または請求項3、または請求項4、ま
    たは請求項5、または請求項9、または請求項10、ま
    たは請求項11、または請求項12、または請求項1
    3、または請求項14、または請求項15、または請求
    項16、または請求項17、または請求項18、または
    請求項19、または請求項20、または請求項21、ま
    たは請求項22、または請求項23、または請求項2
    4、または請求項25、または請求項26、または請求
    項27、に記載のものと同じ構成であることを特徴とす
    る 請求項6、または請求項7に記載の信号処理システ
    ム。
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