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JP2001009979A - 積層フィルム - Google Patents

積層フィルム

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Publication number
JP2001009979A
JP2001009979A JP11248455A JP24845599A JP2001009979A JP 2001009979 A JP2001009979 A JP 2001009979A JP 11248455 A JP11248455 A JP 11248455A JP 24845599 A JP24845599 A JP 24845599A JP 2001009979 A JP2001009979 A JP 2001009979A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
water
thermoplastic resin
laminated
soluble polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11248455A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Umekawa
秀喜 梅川
Yoji Inui
洋治 乾
Yuzo Sugita
裕三 杉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP11248455A priority Critical patent/JP2001009979A/ja
Publication of JP2001009979A publication Critical patent/JP2001009979A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アンカーコート等の特別な接着層を用いないで
も、熱可塑性樹脂フィルムと、水溶性高分子等のガスバ
リア性を有する層とが強固な接着性で積層された積層フ
ィルムを得ること。 【解決手段】少なくとも片面がフレームプラズマ処理さ
れている熱可塑性樹脂フィルムと、水溶性高分子及び水
分散性の層状ケイ酸塩を含有する複合ポリマー層との積
層体であり、該処理面に該複合ポリマー層が積層されて
なる積層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、包装用フィルムと
して好適な積層フィルムに関するものであり、さらには
ガスバリアフィルムとして好適な積層フィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンフィルムやPETフィル
ム等の熱可塑性樹脂フィルムは、良好な加工適性、優れ
た機械強度、透明性、製袋性等の二次加工性等により、
包装用フィルムとして汎用されている。
【0003】さらに、ガスバリア性機能を付与させる目
的で、熱可塑性樹脂フィルムの表面に、塩化ビニリデン
系樹脂からなる層や、水溶性高分子等のガスバリア性を
有する層を積層することが行われている。
【0004】しかしながら、上記した塩化ビニリデン系
樹脂は、ガスバリア性には優れるものの、塩素系樹脂で
あるが故の、焼却性や廃棄性についてデメリットがあっ
た。
【0005】また、特開平4−345841号公報、特
開平8−99390号公報、特開平9−278968号
公報、特開平9−291251号公報等に開示されてい
る、水溶性高分子等のガスバリア性を有する層と熱可塑
性樹脂との積層フィルムにおいては、ガスバリア性には
優れるものの、上記熱可塑性樹脂とガスバリア性を有す
る層との間における接着性に関して必ずしも充分とは言
えず、特にポリプロピレンフィルム等の表面極性の低い
フィルムの場合、接着性不足が顕著なため、生産性の低
下や製品に不具合が生じる問題があった。したがって、
かかる接着性を改善するために、コストアップにつなが
るにも関わらず、アンカーコート剤等による接着層が一
般的に設けられている。また、アンカーコート剤は、一
般的に酢酸エチルやトルエン等の有機溶剤を使用するた
め、アンカーコート剤の使用頻度の増加は、作業環境や
廃液処理等の問題を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、熱可塑性樹脂フィルムに、水溶性高分子等のガ
スバリア性を有する層を積層させる際に、アンカーコー
ト等の特別な接着層を用いないでも強固な接着性で積層
された積層フィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく、熱可塑性樹脂フィルムと、水溶性高分子
等のガスバリア性を有する層との強固な接着性を得るた
めに、鋭意研究を重ねてきた。
【0008】その結果、水溶性高分子等のガスバリア性
を有する層を積層させる、熱可塑性樹脂フィルムの表面
にフレームプラズマ処理を行うことにより、上記課題が
解決できることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】即ち、本発明は、少なくとも片面がフレー
ムプラズマ処理されている熱可塑性樹脂フィルムと、水
溶性高分子及び水分散性の層状ケイ酸塩を含有する複合
ポリマー層との積層体であり、該処理面に該複合ポリマ
ーが積層されてなる積層フィルムである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる熱可塑性樹脂
フィルムとしては、特に限定されず公知のフィルムを用
いることができる。かかるフィルムの原料樹脂である熱
可塑性樹脂としては、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペ
ンテン等α−オレフィンの単独重合体、または前記した
2種以上のα−オレフィンのランダムまたはブロック共
重合体、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリ
ル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルとの1種
または2種以上のランダムまたはブロック共重合体、さ
らにこれら重合体の混合物などのポリオレフィン系樹
脂;石油樹脂、テルペン樹脂などの炭化水素系樹脂;ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹
脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロ
ン12、ナイロン610、ナイロン6/66、ナイロン
66/610、ナイロンMXDなどポリアミド系樹脂;
ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリ
スチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチ
レン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリア
クリロニトリルなどのスチレン、アクリロニトリル系樹
脂;ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体などの水素結合性樹脂;ポリカーボネート樹
脂;ポリケトン樹脂;ポリメチレンオキシド樹脂;ポリ
スルホン;ポリイミド;ポリアミドイミドなどが挙げら
れる。これらは一種または二種以上を混合して用いるこ
とができる。
【0011】これらの中で、透明性、二次加工性等を勘
案すると、ポリオレフィン系樹脂もしくはポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル系樹脂
が好ましく、さらに防湿性を勘案するとポリエチレン、
ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂がより好ましく、
ポリプロピレンが特に好ましい。
【0012】上記したポリプロピレンとしては、プロピ
レン単独重合体、プロピレンとプロピレン以外のエチレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メ
チル−1−ペンテン等のα−オレフィンとのランダムま
たはブロック共重合体、さらにこれら重合体の混合物が
挙げられ、その中でも、プロピレン単独重合体、プロピ
レン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレ
ン−ブテン三元共重合体が好適である。
【0013】また、上記ポリプロピレンの製造方法は、
公知の方法が何ら制限なく使用でき、例えば、TiCl3
担持型TiCl3、メタロセン系触媒等の公知のポリプ
ロピレン用重合触媒を用いて、上記した単量体を重合す
る方法が挙げられる。また、上記触媒を用いて重合した
後、過酸化物などで分解する方法を行っても良い。
【0014】上記ポリプロピレンの示差走査熱測定(以
下、DSCと記す)におけるピークトップの測定値は、
フィルムの耐熱性を勘案すると、130〜165℃であ
ることが好ましく、135〜165℃であることがより
好ましい。また、メルトフローレート(以下、MFRと
記す)は、押出性を勘案すると、0.1〜10g/10
分であることが好ましく、0.5〜5g/10分である
ことがより好ましい。
【0015】また、上記ポリプロピレンには、本発明の
効果を阻害しない程度、他の樹脂を混合することができ
る。混合する樹脂としては、特に制限されないが、一般
的にはポリエチレン、ポリブテン等のポリオレフィン樹
脂、ポリオレフィン系ワックス、ポリオレフィン系エラ
ストマー、または石油樹脂、テルペン樹脂等の炭化水素
系樹脂、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エステル、
アクリル酸モノマー等との共重合体、またはこれらの重
合体の二種以上の混合物を挙げることができる。
【0016】本発明で用いられる熱可塑性樹脂フィルム
は、単層フィルムでも積層フィルムでも良い。具体的
に、ポリプロピレンを原料樹脂として用いた場合で例示
すると、プロピレン単独重合体を主成分とした単層フィ
ルム、プロピレン単独重合体を主成分とした層と、プロ
ピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとのランダム
共重合体を主成分とした層との積層フィルム等が挙げら
れる。
【0017】本発明で用いられる熱可塑性樹脂フィルム
は、未延伸、一軸延伸または二軸延伸フィルムのいずれ
でも良いが、機械的性質、二次加工性等を勘案すると、
二軸延伸フィルムであることが好ましい。
【0018】本発明で用いられる熱可塑性樹脂フィルム
の製造方法としては、公知の方法が制限なく使用でき
る。具体的には、溶液キャスト法,Tダイ法,チューブ
ラー法、カレンダー法など公知の方法が採用される。ま
た、延伸フィルムの場合、さらに公知の延伸方法が採用
される。上記延伸方法としては、公知の方法が何ら制限
なく採用でき、例えば、ロール一軸延伸、圧延、逐次二
軸延伸、同時二軸延伸、チューブラー延伸等が挙げら
れ、これらの延伸方法の中で、厚薄精度や機械物性等を
勘案すると、逐次二軸延伸、同時二軸延伸が好ましい。
【0019】本発明で用いられる熱可塑性樹脂フィルム
の厚みは、特に制限されないが、一般的には1〜500
μmの範囲で適宜選択される。
【0020】本発明で用いられる熱可塑性樹脂フィルム
には、必要に応じて帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッ
キング剤、酸化防止剤、光安定剤、結晶核剤、滑剤、滑
り性付与及びアンチブロッキング性付与を目的とした界
面活性剤等の公知の添加剤を、本発明の効果を阻害しな
い程度配合しても良い。
【0021】本発明で用いられる熱可塑性樹脂フィルム
は、包装用途、特にガスバリアフィルムとして好適に使
用されることを勘案すると、透明であることが好まし
い。具体的には、ヘイズ値が15%以下であることが好
ましく、10%以下であることがより好ましい。
【0022】本発明においては、上記熱可塑性樹脂フィ
ルムの少なくとも片面の、水溶性高分子及び水分散性の
層状ケイ酸塩を含有する複合ポリマー層を積層する面
に、フレームプラズマ処理を行なう必要がある。
【0023】上記フレームプラズマ処理は、天然ガス、
LPG、プロパンガス、ブタンガス等をバーナー等によ
り燃焼させた時に生じる火炎内のイオン化したプラズマ
を、熱可塑性樹脂フィルムの表面に吹き付ける処理であ
る。
【0024】なお、かかるフレームプラズマ処理の処理
強度は、単位時間(min)、単位バーナー長さ(m)
当たりのバーナー出力(kcal/m・min)により
表される火炎のエネルギー、フィルム走行速度(m/m
in)、フィルム幅(m)、該フィルムの処理に使用し
たバーナー長さ(フィルム幅と同じ長さ)(m)から、
下記式(1)により算出される。
【0025】
【数1】
【0026】上記フレームプラズマ処理による処理強度
は、熱可塑性樹脂フィルムの種類によって多少異なる
が、一般的には1〜15kcal/m2の範囲から適宜
選択され、2〜10kcal/m2であることが好まし
い。
【0027】処理強度が1kcal/m2より低い場合
は、水溶性高分子及び水分散性の層状ケイ酸塩を含む複
合ポリマー層との接着性が低下するために好ましくな
く、15kcal/m2より高い場合は、熱可塑性樹脂
フィルムが、熱収縮等によるシワの発生や、冷却不良が
原因と考えられる端部が熱収縮により厚くなる現象(以
下、耳立ち現象と記す)が発生し易くなるために好まし
くない。
【0028】上記フレームプラズマ処理において、フレ
ームの内炎の先端から被処理物である熱可塑性樹脂フィ
ルム表面との距離は、処理レベルの安定性等を勘案する
と、1〜5mmであることが好ましく、1〜3mmであ
ることがより好ましい。
【0029】また、フレームプラズマ処理は、フィルム
の片面を冷却ロールを接触させた状態で、該フィルムの
反対面に、フィルムが走行状態でフレームプラズマを吹
き付ける方法が一般的である。その際の冷却ロールの温
度としては、室温〜60℃の範囲から適宜選択され、3
0〜45℃であることが好ましい。
【0030】フレームプラズマ処理した熱可塑性樹脂フ
ィルムの該処理面の濡れ指数は、、35〜65mN/m
であることが好ましく、40〜60mN/mであること
がより好ましく、45〜60mN/mであることがさら
に好ましい。濡れ指数が35mN/mより小さい場合
は、水溶性高分子及び水分散性の層状ケイ酸塩を含む複
合ポリマー層との接着性が低下するために好ましくな
く、65mN/mより大きい場合は、フィルムの熱収縮
によるシワが発生するためや、基材フィルム同士のブロ
ッキングが発生するために好ましくない。
【0031】フレームプラズマ処理した熱可塑性樹脂フ
ィルムの該処理面の表面粗さ(Ra値)は、接着性を勘
案すると、0.5〜100nmであることが好ましく、
1〜80nmであることがより好ましく、2〜50nm
であることがさらに好ましい。
【0032】また、本発明において、熱可塑性樹脂フィ
ルムの水溶性高分子及び水分散性の層状ケイ酸塩を含有
する複合ポリマー層を積層する面に、本発明の効果を損
なわない範囲で、前記フレームプラズマ処理以外の他の
表面処理を施しても良い。他の表面処理として、具体的
には、コロナ放電処理、励起不活性ガスによるプラズマ
処理、電子線照射処理、紫外線照射処理等が挙げられ
る。これらの中で、コロナ放電処理が好ましく、さらに
窒素及び/または炭酸ガス雰囲気下でのコロナ処理が好
ましい。上記表面処理を併用する場合の処理の順序は、
特に限定されないが、フレームプラズマ処理を最後に施
すことが好ましい。
【0033】本発明の積層フィルムは、上記したフレー
ムプラズマ処理した熱可塑性樹脂フィルム層と、下記に
示す水溶性高分子及び水分散性の層状ケイ酸塩を含有す
る複合ポリマー層とを、該処理面側に該複合ポリマー層
を積層することにより得られる。
【0034】熱可塑性樹脂フィルムと該複合ポリマー層
との積層の態様は、特に限定されず、例えば、熱可塑性
樹脂フィルムの片面のみにフレームプラズマ処理を行な
った場合には、該処理面に該複合ポリマー層を積層すれ
ば良く、熱可塑性樹脂フィルムの両面にフレームプラズ
マ処理を行なった場合には、片面もしくは両面に該複合
ポリマー層を積層すれば良い。
【0035】本発明において使用される水溶性高分子及
び水分散性の層状ケイ酸塩を含有する複合ポリマー層
は、水溶性高分子及び水分散性の層状ケイ酸塩から構成
された組成物からなる複合層であり、また、該組成物
は、それぞれが互いに分散混合された状態であっても、
さらに架橋剤等により架橋された状態であっても良い。
【0036】本発明に使用される水溶性高分子は、常温
で水に完全に溶解もしくは微分散可能な高分子である。
具体的に例示すると、ポリビニルアルコール及びその誘
導体、一酸化炭素−エチレン系共重合体からなるポリケ
トンを還元して得たポリアルコール、カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロ
ース誘導体、酸化でんぷん、エーテル化でんぷん、デキ
ストリン等のでんぷん類、ポリビニルピロリドン、ポリ
アクリル酸、ポリメタクリル酸、またはそのエステル、
塩類及びそれらの共重合体等の水溶性ビニル系共重合
体、あるいはこれらの各種重合体のカルボキシル基等に
よる官能基変性重合体等が挙げられる。
【0037】これらの中で、ポリビニルアルコール系重
合体及びその誘導体が好ましく、さらに、けん化度75
モル%以上のポリビニルアルコール、全水酸基の40モ
ル%以下がアセタール化されているポリビニルアルコー
ル、ビニルアルコール単位が60モル%以上であるエチ
レン−ビニルアルコール共重合体(以下、EvOHと記
す)等の共重合ポリビニルアルコールがより好ましい。
上記ポリビニルアルコール及びその誘導体の重合度は、
ガスバリア性や加工性を勘案すると、100〜5000
であることが好ましく、500〜3000であることが
より好ましい。
【0038】本発明で用いられる水分散性の層状ケイ酸
塩は、水性の媒質中に漬けると膨潤して分散し、均一で
安定な水性分散液を成す性質を有するものである。かか
る層状ケイ酸塩は、通常、その膨潤性と関連して高い陽
イオン交換量を有しており、陽イオン交換量が50ミリ
当量/100g−ケイ酸塩以上、好ましくは70〜25
0ミリ当量/100g−ケイ酸塩のものが好ましい。な
お、陽イオン交換量の値は、シェレンベルガーとサイモ
ンの方法によって測定することができる。
【0039】上記水分散性の層状ケイ酸塩を具体的に例
示すると、モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトラ
イト、サポナイト、ノントロナイト、スチーブンサイト
等のスメクタイト;バーミキュライト;ベントナイト;
カネマイト、ケニアナイト、マカタイト等の二次元結晶
性のケイ酸ナトリウム等が挙げられ、これらの多くは天
然の粘土鉱物として産するが、化学合成法によって製造
されたものも制限なく使用できる。
【0040】たとえば、天然の雲母やフッ素雲母が水に
対して膨潤性がなく水に分散しないのに対して、化学的
に合成されたテトラシリシックマイカやテニオライト等
の合成雲母は水に良く分散することから、本発明におい
て、これら合成雲母も、水分散性の層状ケイ酸塩として
使用することができる。
【0041】上記の水分散性の層状ケイ酸塩は、一種類
を単独に用いても、二種類以上を混合して用いても良
い。
【0042】本発明で使用される組成物は、上記水溶性
高分子と水分散性の層状ケイ酸塩とを適宜選択して、混
合することにより得ることができる。上記水溶性高分子
と上記水分散性の層状ケイ酸塩との混合割合は、後述す
る、水溶性高分子と水分散性の層状ケイ酸塩との比率を
勘案し適宜決定すれば良い。
【0043】本発明の積層フィルムは、前述したように
フレームプラズマ処理した熱可塑性樹脂フィルム層の該
処理面に、上記した上記水溶性高分子と水分散性の層状
ケイ酸塩を含有する複合ポリマー層を積層させることが
必要である。
【0044】上記複合ポリマー層を積層させる方法とし
ては、特に制限されないが、高速で薄膜コートすること
を勘案すると、溶液または溶媒分散コーティング法によ
り、上記組成物よりなるコート液を、前記熱可塑性樹脂
フィルムに積層後、乾燥硬化する方法が好適である。
【0045】上記溶液または溶媒分散コーティング法
は、具体的に例示すると、各種溶媒に溶解または分散さ
せた水溶性高分子、水系溶媒中に分散させた層状ケイ酸
塩、及び必要に応じて架橋剤を加えた組成物よりなるコ
ート液を、グラビアコート、リバースコート、スプレー
コート、キッスコート、ダイコート、メタリングバーコ
ート、チャンバードクター併用グラビアコート、カーテ
ンコートする方法が好適である。
【0046】上記コーティング法において、インライン
コートやオフラインコートのどちらを採用しても良い
が、その中でも、乾燥条件の制御のし易さ、小回り等を
勘案するとオフラインコートが好ましい。
【0047】上記水溶性高分子を溶解または分散させる
溶媒としては、水または水/低級アルコール混合溶媒が
好適であり、接着性及び生産性を勘案すると、水/低級
アルコール混合溶媒を用いることがより好ましい。上記
低級アルコールとしては、炭素数が1〜3のアルコー
ル、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロピ
ルアルコール、またはイソプロピルアルコールが好まし
い。水/アルコールの混合比率は、重量比で100/0
〜20/80の範囲から適宜選択される。
【0048】また、上記コート液中には、熱可塑性樹脂
フィルムへのコート適性を高めるため、コート液の安定
性が阻害されない範囲で、他の水溶性有機化合物を添加
しても良い。具体的には、溶媒として使用される上記低
級アルコール以外に、エチレングリコール、プロピレン
グリコール等のグリコール類;メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、n−ブチルセロソルブ等のグリコール誘
導体;グリセリン、ワックス類等の多価アルコール類;
ジオキサン、トリオキサン等のエーテル類;酢酸エチル
等のエステル類;メチルエチルケトン等のケトン類;水
性イソシアネート、ポリエチレンイミン、エポキシ樹脂
等の水性アンカーコート剤が挙げられる。
【0049】上記コート液の調整方法は、特に制限され
ず、例えば、水溶性高分子を溶媒に均一に溶解もしくは
分散させた後、該水溶性高分子以外の成分を均一に溶解
もしくは分散させた液状物とを混合させる方法等が挙げ
られる。
【0050】また、上記コート液の調整に際して、上記
水分散性の層状ケイ酸塩を、水溶性高分子を溶媒に均一
に溶解もしくは分散させた液状物に、そのまま添加して
して調整しても良い。
【0051】熱可塑性樹脂フィルム上にコートした後
の、上記コート液の乾燥硬化方法としては、公知の乾燥
硬化方法が特に制限なく使用できる。具体的には、熱ロ
ール接触法、熱媒(空気、オイル等)接触法、赤外線加
熱法、マイクロ波加熱法等の一種または二種以上が挙げ
られる。
【0052】これらの中で、フィルム外観等の仕上がり
や乾燥効率等を勘案すると、加熱空気接触法や赤外線加
熱法が好ましい。乾燥硬化温度としては、バリア性や乾
燥効率等を勘案すると、基材フィルムの融点以下の温度
範囲において、100〜(基材フィルム融点−10)℃
であることが好ましく、110〜(基材フィルム融点−
10)℃であることがより好ましく、120〜(基材フ
ィルム融点−15)℃であることがさらに好ましい。上
記乾燥硬化温度が100℃より低い場合は、酸素バリア
性や防湿性が低下するために好ましくなく、上記乾燥硬
化温度が(基材フィルム融点−10)℃より高い場合は
基材フィルムの熱収縮によると考えられるカールやシワ
等の外観不良が発生するために好ましくない。
【0053】乾燥時間としては、バリア性や乾燥効率等
を勘案すると、5秒〜10分であることが好ましく、1
0秒〜5分であることがより好ましい。
【0054】上記乾燥硬化の前後に、必要に応じて、紫
外線、X線、電子線等の高エネルギー線照射を施しても
良く、高エネルギー線照射により重合する成分が配合さ
れている場合において、該高エネルギー線照射を施すこ
とが好適である。
【0055】本発明の積層フィルムの複合ポリマー中に
おける、水溶性高分子と水分散性の層状ケイ酸塩との配
合割合(水溶性高分子/層状ケイ酸塩 wt%/wt
%)は、ガスバリア性を勘案すると、5/95〜80/
20であることが好ましく、10/90〜70/30で
あることがより好ましい。上記配合割合が5/95より
小さい場合は、ガスバリア性が低下するために好ましく
なく、80/20より大きい場合はガスバリア性の湿度
依存性が低下するために好ましくない。
【0056】また、本発明における上記複合ポリマーの
厚みは、特に制限されず、目的とする用途・性能を勘案
して適宜設定すればよく、通常、0.1〜10μmの範
囲が好適である。
【0057】本発明の積層フィルムは、上記した構成で
あれば、特に制限されず、例えば、該積層フィルムの表
面に、さらに、アクリル系、ポリオールポリエステル
系、ポリウレタン系、常温ガラス系等のコート層、印刷
層、並びにヒートシール性等を付与する目的で、ポリオ
レフィン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体等のシー
ラント層等を積層しても良い。
【0058】本発明の積層フィルムの用途としては、特
に制限されないが、ガスバリアフィルム等の食品包装用
フィルムとして好適である。
【0059】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例を掲げて説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。なお、以下の実施例及び比較例における樹脂及
びフィルム物性、表面処理法等については下記の方法に
より行った。 (1)DSCによる主ピークの測定 約5〜6mgの試料を秤量後、アルミパンに封入し、示
差熱量計にて20ml/minの窒素気流中で室温から
235℃まで昇温し、この温度で10分間保持し、次い
で10℃/minで室温まで冷却する。この後、昇温速
度10℃/minで得られる融解曲線より、主ピークを
測定した。 (2)MFR JIS K7210に準拠して測定した。 (3)透明性(ヘーズ) JIS K6714に準拠して測定した。 (4)コロナ放電処理 春日電機社製コロナ放電処理機を使用したテスト機を用
い、以下の条件で表面処理を行った。空気雰囲気下のコ
ロナ放電処理も、同様の処理機により行った。
【0060】 導入気体 ;窒素または窒素/炭酸ガス 酸素濃度 ;5容量%以下 フィルム走行速度 ;100m/分 電極 ;アルミ3型電極 電極−フィルム間距離;2.0mm ジェネレータ ;春日電気社製 AGI−200 処理前ロール温度 ;65℃ 有効処理幅 ;1,000mm (5)フレームプラズマ処理 フリン・バーナー社(米)製フレームプラズマ処理テス
ト機を用い、以下の条件で表面処理を行った。
【0061】 燃料 ;天然ガス(空気混合) バーナー出力 ;500〜1300kcal/インチ・hr (バーナー幅1インチ、1時間当たりの燃焼カロリー) フレーム内炎−フィルム表面間距離;2mm フィルム走行速度 ;100m/分 冷却ロール温度 ;38℃ 有効処理幅 ;600mm (6)ブロッキング 2枚の基材フィルム(12×12cm)の表面処理面と
反対面を重ね合わせ、全面に10kgの荷重をかけた状
態で、50℃、湿度90%RHの雰囲気下24時間放置
した。幅30mm、長さ40mmの重なり部分とチャッ
クの掴みしろ(上下チャックにそれぞれフィルム1枚づ
つ掴む)が残るようにサンプルを切り出し、引張試験機
(引張速度;100mm/分、チャック間距離40m
m)によりせん断剥離強度を測定し、表1に従いブロッ
キング性を評価した。
【0062】
【表1】
【0063】(7)表面粗さ(Ra) デジタルインスツルメンツ社製、走査型プローブ顕微鏡
(NanoScopeIIIa)を用い、以下の条件で測
定し、数回の平均値により中心線表面粗さを求めた。
【0064】 モード ;タッピングモードAFM 走査範囲 ;10μm×10μm 探針半径 ;5〜10nm 探針材質 ;単結晶シリコン 走査速度 ;1.5Hz カンチレバーの自由振幅;1.5V カンチレバーのセットポイント;1.1〜1.3V カンチレバーの共振周波数;300kHz (8)酸素バリア性 JIS K7126 B法に準じて、酸素透過率測定装
置(Mocon社製;OX−TRAN100)を用いて
測定した。測定条件は、相対湿度50%、25℃で行っ
た。 (9)接着性 バーコーターにて熱可塑性樹脂フィルム表面に、コート
層厚み約1μm(乾燥時)となるようにマニュアルコー
トし、乾燥させた。室温で1日以上放置後、得られた積
層体のコート面の中央部分を、Xカットテープ法(JI
S K5400)に準じ、表2に従い評価した。
【0065】
【表2】
【0066】(10)シール強度 積層体のシーラント面同士を5×200mmのヒートシ
ールバーを用い、150℃においてヒートシールした。
ヒートシール圧力1kg/cm2、ヒートシール時間
1.0秒の条件でシールした試料から15mm幅のサン
プルを切り取り、引張試験機を用い、引張速度100m
m/分、サンプル長40mm(チャック間)で引張強度
を測定し、シール強度とした。結果は5サンプルの平均
値とした。 実施例1 表3に示す組成の樹脂をTダイ押出機を用いて、280
℃で加熱溶融下シート状に押出し、チルロール上で冷却
固化した後、加熱ロール延伸機により5倍に縦延伸し、
続いてテンター横延伸機により8倍に横延伸した。その
後、フィルムの片面にフレームプラズマ処理(処理強
度;6.8kcal/m2)を行ない、20μmの表面
処理熱可塑性樹脂フィルムを得た。
【0067】また、モンモリロナイト(クニミネ工業、
クニピア−F)をイオン交換水に4重量部になるように
分散させ、層状ケイ酸塩分散液(A液)を得た。ポリビ
ニルアルコール(日本合成化学工業製、ゴーセノールN
L−05)をイオン交換水80重量部、IPA20重量
部の混合溶液に4重量部になるように分散させ水溶性高
分子溶液(B液)を得た。上記A液とB液をそれぞれ等
量混合し、コート液とした。
【0068】次いで、得られた表面処理熱可塑性樹脂フ
ィルムの表面処理面に、上記コート液をバーコーターに
より厚み1μm(乾燥時)となるようにコートし、12
0℃で2分間乾燥硬化した。得られた積層フィルムの評
価結果を表5に示した。 実施例2、3、比較例1、2 表4に示す表面処理熱可塑性樹脂フィルムを使用した以
外は、実施例1と同様にして積層体を得、評価した。結
果を表5に示した。 実施例4 実施例1で得られた積層フィルムの水溶性高分子及び水
分散性の層状ケイ酸塩を含有する複合ポリマー層面に、
バーコーターを用いてアンカーコート剤(東洋モートン
社製TM329/CAT−8B 100重量部/100
重量部を、酢酸エチル溶剤にて、不揮発分が10重量%
となるよう調整)を、乾燥重量で2g/m2となるよう
にコートした後、90℃で乾燥させた。
【0069】さらに、上記アンカーコート層上に40μ
mの無延伸LLDPEフィルムをドライラミネートし
て、積層体を得た。結果を表5に示した。 実施例5 40μmの無延伸LLDPEフィルムの代わりに、25
μmのシーラントCPP(融点140℃、エチレン含量
3モル%、1−ブテン含量1モル%のプロピレン−エチ
レン−1−ブテン三元ランダム共重合体フィルム)を使
用すること以外は、実施例4と同様にして積層体を得
た。結果を表5に示した。 比較例3 表4に示す表面処理熱可塑性樹脂フィルムを使用した以
外は、実施例4と同様にして積層体を得、評価した。結
果を表5に示した。 比較例4 表4に示す表面処理熱可塑性樹脂フィルムを使用した以
外は、実施例5と同様にして積層体を得、評価した。結
果を表5に示した。
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性樹脂フィルム
のフレームプラズマ処理面に、水溶性高分子及び水分散
性の層状ケイ酸塩を含有する複合ポリマー層を積層させ
た積層フィルムは、熱可塑性樹脂フィルム/該複合ポリ
マー層間の接着性に優れたものとなる。
【0074】さらに、シーラント等を積層した積層体と
することで、ヒートシール性等を付与でき、特に比較的
高いヒートシール強度を必要とする用途においても、充
分なシール強度が付与される。従って、本発明の積層フ
ィルムは、ガスバリアフィルムとして好適であるだけで
なく、広く食品包装用フィルムとして有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F073 AA01 AA17 BA06 BA07 BA08 BA10 BA11 BA17 BA18 BA19 BA20 BA23 BA24 BA26 BA27 BA29 BA31 BA32 BA34 BB01 CA01 EA01 EA02 EA11 EA52 EA65 4F100 AA03B AK01A AK01B AK07A AK64A AL03A AL05B BA02 BA10A BA10B BA15 CC00B EJ61A GB15 GB23 JB09B JB16A JD02 JK06 JM01B

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも片面がフレームプラズマ処理さ
    れている熱可塑性樹脂フィルムと、水溶性高分子及び水
    分散性の層状ケイ酸塩を含有する複合ポリマー層との積
    層体であり、該処理面に該複合ポリマー層が積層されて
    なる積層フィルム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005324373A (ja) * 2004-05-12 2005-11-24 Dainippon Printing Co Ltd バリア性フィルムおよびそれを使用した積層材
JP2005349769A (ja) * 2004-06-11 2005-12-22 Daicel Chem Ind Ltd 積層フィルム
JP5163488B2 (ja) * 2006-09-08 2013-03-13 凸版印刷株式会社 積層体

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