JP2001001736A - 減衰力制御装置 - Google Patents
減衰力制御装置Info
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Landscapes
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- Feedback Control In General (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 車体の上下方向の振動抑制の制御性能を損な
うことなく、車体のピッチ運動及びロール運動も抑制す
る。 【解決手段】 ステップ102にて、車体のヒーブ方向
の振動を抑制するための第1目標減衰力が、スカイフッ
ク理論を用いた車両の単輪モデルに基づいて各輪毎に計
算される。ステップ104にて、車体のピッチ方向の振
動を抑制するための第2目標減衰力が、車両の前後輪モ
デルに基づいて各輪毎に計算される。ステップ106に
て、車体のロール方向の振動を抑制するための第3目標
減衰力が、車両の左右輪モデルに基づいて各輪毎に計算
される。そして、ステップ108にて、前記第1〜第3
目標減衰力のうちで絶対値の最大なものが各輪毎に選択
される。ステップ110〜116にて、各輪位置のダン
パの減衰力が前記選択された目標減衰力に設定される。
うことなく、車体のピッチ運動及びロール運動も抑制す
る。 【解決手段】 ステップ102にて、車体のヒーブ方向
の振動を抑制するための第1目標減衰力が、スカイフッ
ク理論を用いた車両の単輪モデルに基づいて各輪毎に計
算される。ステップ104にて、車体のピッチ方向の振
動を抑制するための第2目標減衰力が、車両の前後輪モ
デルに基づいて各輪毎に計算される。ステップ106に
て、車体のロール方向の振動を抑制するための第3目標
減衰力が、車両の左右輪モデルに基づいて各輪毎に計算
される。そして、ステップ108にて、前記第1〜第3
目標減衰力のうちで絶対値の最大なものが各輪毎に選択
される。ステップ110〜116にて、各輪位置のダン
パの減衰力が前記選択された目標減衰力に設定される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の各輪と車体
との間にそれぞれ設けた各ダンパの減衰力を制御する減
衰力制御装置に関する。
との間にそれぞれ設けた各ダンパの減衰力を制御する減
衰力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の減衰力制御装置における第1の
従来技術としては、スカイフック理論に基づいて実減衰
係数を決定、すなわち車体の上下方向速度と、車体の車
輪に対する上下方向の相対速度との比に応じて実減衰係
数を決定する減衰力制御装置が知られている(例えば、
特開平5−294122号公報)。この装置において
は、各輪位置毎の車体の上下方向速度を車体のロール運
動速度、ピッチ運動速度、ヒーブ運動速度及びワープ運
動速度に分解し、前後加速度の微分値に応じて変化する
ピッチゲインを前記分解したピッチ運動速度に乗算し、
横加速度の微分値に応じて変化するロールゲインを前記
分解したロール運動速度に乗算し、かつ定数ゲインをヒ
ーブ運動速度及びワープ運動速度にそれぞれ乗算し、こ
れらのゲイン調整されたロール運動速度、ピッチ運動速
度、ヒーブ運動速度及びワープ運動速度を各輪位置毎の
車体の上下方向速度に再合成し、同再合成した各輪位置
毎の車体の上下方向速度と各輪位置毎の車体の車輪に対
する相対速度との比に応じて実減衰係数を決定し、各輪
位置における車体の上下方向の振動を抑制するととも
に、車体のピッチング及びローリングも効果的に抑制す
るようにしている。
従来技術としては、スカイフック理論に基づいて実減衰
係数を決定、すなわち車体の上下方向速度と、車体の車
輪に対する上下方向の相対速度との比に応じて実減衰係
数を決定する減衰力制御装置が知られている(例えば、
特開平5−294122号公報)。この装置において
は、各輪位置毎の車体の上下方向速度を車体のロール運
動速度、ピッチ運動速度、ヒーブ運動速度及びワープ運
動速度に分解し、前後加速度の微分値に応じて変化する
ピッチゲインを前記分解したピッチ運動速度に乗算し、
横加速度の微分値に応じて変化するロールゲインを前記
分解したロール運動速度に乗算し、かつ定数ゲインをヒ
ーブ運動速度及びワープ運動速度にそれぞれ乗算し、こ
れらのゲイン調整されたロール運動速度、ピッチ運動速
度、ヒーブ運動速度及びワープ運動速度を各輪位置毎の
車体の上下方向速度に再合成し、同再合成した各輪位置
毎の車体の上下方向速度と各輪位置毎の車体の車輪に対
する相対速度との比に応じて実減衰係数を決定し、各輪
位置における車体の上下方向の振動を抑制するととも
に、車体のピッチング及びローリングも効果的に抑制す
るようにしている。
【0003】また、第2の従来技術としては、各輪位置
における車体の車輪に対する上下方向の相対変位量をそ
れぞれ検出し、車体のピッチング、ローリングなどを考
慮した車両の各種運動方程式に基づき前記相対変位量を
用いて各輪位置における車体の上下方向速度を計算する
とともに、前記相対変位量を微分することによって各輪
位置における車体の車輪に対する上下方向の相対速度を
計算し、前記各上下方向速度と前記各相対速度との比に
応じて実減衰係数を決めることにより、前記相対変位量
を検出するのみで、ダンパの減衰力をスカイフック理論
に基づいて制御するようにした減衰力制御装置も知られ
ている(特開平6−344743号公報)。
における車体の車輪に対する上下方向の相対変位量をそ
れぞれ検出し、車体のピッチング、ローリングなどを考
慮した車両の各種運動方程式に基づき前記相対変位量を
用いて各輪位置における車体の上下方向速度を計算する
とともに、前記相対変位量を微分することによって各輪
位置における車体の車輪に対する上下方向の相対速度を
計算し、前記各上下方向速度と前記各相対速度との比に
応じて実減衰係数を決めることにより、前記相対変位量
を検出するのみで、ダンパの減衰力をスカイフック理論
に基づいて制御するようにした減衰力制御装置も知られ
ている(特開平6−344743号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1及び第2の従来技術にあっては、車体のピッチ運動及
びロール運動に応じて、車体の上下方向の振動抑制制御
用のアルゴリズム自体すなわちスカイフック理論に基づ
くアルゴリズム自体を直接補正しているので、同補正に
より車体のピッチ及びロール方向の振動に対する抑制効
果は発揮されるが、本来的には車体の上下方向の振動を
抑制するために与えた設計仕様による減衰力制御の基本
性能を損なうことになってしまう。
1及び第2の従来技術にあっては、車体のピッチ運動及
びロール運動に応じて、車体の上下方向の振動抑制制御
用のアルゴリズム自体すなわちスカイフック理論に基づ
くアルゴリズム自体を直接補正しているので、同補正に
より車体のピッチ及びロール方向の振動に対する抑制効
果は発揮されるが、本来的には車体の上下方向の振動を
抑制するために与えた設計仕様による減衰力制御の基本
性能を損なうことになってしまう。
【0005】
【発明の大略】本発明は上記課題に対処するためになさ
れたもので、その目的は、車体の上下方向の振動を抑制
するための制御性能を確保しつつ、車体のピッチ運動及
び/又はロール運動に対する振動抑制効果も期待できる
減衰力制御装置を提供することにある。
れたもので、その目的は、車体の上下方向の振動を抑制
するための制御性能を確保しつつ、車体のピッチ運動及
び/又はロール運動に対する振動抑制効果も期待できる
減衰力制御装置を提供することにある。
【0006】上記目的を達成するために、本発明の第1
の構成上の特徴は、車両の各輪と車体との間にそれぞれ
設けた各ダンパの減衰力を制御する減衰力制御装置にお
いて、車両の単輪モデルに基づいて車体のヒーブ方向の
振動を抑制するための第1目標減衰力を各輪毎にそれぞ
れ計算する第1目標減衰力計算手段と、車両の前後輪モ
デルに基づいて車体のピッチ方向の振動を抑制するため
の第2目標減衰力を各輪毎にそれぞれ計算する第2目標
減衰力計算手段と、前記計算された各輪毎の第1及び第
2目標減衰力に基づいて最終的な目標減衰力を各輪毎に
それぞれ決定する最終目標減衰力決定手段と、前記決定
した最終的な各目標減衰力に応じた制御信号を前記各ダ
ンパにそれぞれ出力して同各ダンパによる減衰力を前記
決定した最終的な各目標減衰力にそれぞれ設定制御する
出力手段とを備えたことにある。この場合、例えば、前
記第1目標減衰力計算手段は車体の上下方向の運動状態
量に応じて第1目標減衰力を計算するものであり、前記
第2目標減衰力計算手段は車体のピッチ方向の運動状態
量に応じて第2目標減衰力を計算するものである。
の構成上の特徴は、車両の各輪と車体との間にそれぞれ
設けた各ダンパの減衰力を制御する減衰力制御装置にお
いて、車両の単輪モデルに基づいて車体のヒーブ方向の
振動を抑制するための第1目標減衰力を各輪毎にそれぞ
れ計算する第1目標減衰力計算手段と、車両の前後輪モ
デルに基づいて車体のピッチ方向の振動を抑制するため
の第2目標減衰力を各輪毎にそれぞれ計算する第2目標
減衰力計算手段と、前記計算された各輪毎の第1及び第
2目標減衰力に基づいて最終的な目標減衰力を各輪毎に
それぞれ決定する最終目標減衰力決定手段と、前記決定
した最終的な各目標減衰力に応じた制御信号を前記各ダ
ンパにそれぞれ出力して同各ダンパによる減衰力を前記
決定した最終的な各目標減衰力にそれぞれ設定制御する
出力手段とを備えたことにある。この場合、例えば、前
記第1目標減衰力計算手段は車体の上下方向の運動状態
量に応じて第1目標減衰力を計算するものであり、前記
第2目標減衰力計算手段は車体のピッチ方向の運動状態
量に応じて第2目標減衰力を計算するものである。
【0007】前記第1の構成上の特徴によれば、第1及
び第2目標減衰力計算手段がそれぞれ第1及び第2目標
減衰力を計算し、最終目標減衰力決定手段及び出力手段
の作用により、ダンパの減衰力が第1及び第2目標減衰
力に基づいて決定した最終的な目標減衰力に各輪毎に設
定制御される。この場合、第1目標減衰力は車両の単輪
モデルに基づいて車体のヒーブ方向の振動を抑制するた
めに計算されたものであり、また第2目標減衰力は車両
の前後輪モデルに基づいて車体のピッチ方向の振動を抑
制するために前記第1目標減衰力とは独立して計算され
たものであるので、第1目標減衰力がもつ本来的な車体
の上下方向の振動を抑制するための制御性能を確保しつ
つ、車体のピッチ運動に対する不足減衰力が補償される
ことになり、車体の上下振動が効果的に抑制されるとと
もに、併せて車体のピッチ運動に対する振動も抑制され
て、車両の乗り心地及び走行安定性が良好に保たれる。
び第2目標減衰力計算手段がそれぞれ第1及び第2目標
減衰力を計算し、最終目標減衰力決定手段及び出力手段
の作用により、ダンパの減衰力が第1及び第2目標減衰
力に基づいて決定した最終的な目標減衰力に各輪毎に設
定制御される。この場合、第1目標減衰力は車両の単輪
モデルに基づいて車体のヒーブ方向の振動を抑制するた
めに計算されたものであり、また第2目標減衰力は車両
の前後輪モデルに基づいて車体のピッチ方向の振動を抑
制するために前記第1目標減衰力とは独立して計算され
たものであるので、第1目標減衰力がもつ本来的な車体
の上下方向の振動を抑制するための制御性能を確保しつ
つ、車体のピッチ運動に対する不足減衰力が補償される
ことになり、車体の上下振動が効果的に抑制されるとと
もに、併せて車体のピッチ運動に対する振動も抑制され
て、車両の乗り心地及び走行安定性が良好に保たれる。
【0008】また、前記第1の構成上の特徴である最終
目標減衰力決定手段と出力手段とを、それぞれ前記計算
された第1及び第2目標減衰力のうちで大きな方の目標
減衰力を各輪毎にそれぞれ選択する選択手段と、前記選
択した各目標減衰力に応じた制御信号を前記各ダンパに
それぞれ出力して同各ダンパによる減衰力を前記選択し
た各目標減衰力にそれぞれ設定制御する出力手段とで構
成してもよい。
目標減衰力決定手段と出力手段とを、それぞれ前記計算
された第1及び第2目標減衰力のうちで大きな方の目標
減衰力を各輪毎にそれぞれ選択する選択手段と、前記選
択した各目標減衰力に応じた制御信号を前記各ダンパに
それぞれ出力して同各ダンパによる減衰力を前記選択し
た各目標減衰力にそれぞれ設定制御する出力手段とで構
成してもよい。
【0009】これによれば、選択手段及び出力手段の作
用により、ダンパの減衰力が第1及び第2目標減衰力の
うちで大きな方の目標減衰力に各輪毎に設定制御される
ので、車体のピッチ方向の振動がある程度大きくなった
ときにのみ、第1目標減衰力が第2目標減衰力よりも小
さいことを条件に、各輪位置のダンパの減衰力が車両の
前後輪モデルに基づいて車体のピッチ方向の振動を抑制
するための第2目標減衰力に設定される。そして、それ
以外の場合には、各輪位置のダンパの減衰力は、車両の
単輪モデルに基づいて車体のヒーブ方向の振動を抑制す
るための第1目標減衰力に設定される。したがって、こ
れによれば、第1目標減衰力計算手段によって計算され
た第1目標減衰力がもつ本来的な車体の上下方向の振動
を抑制するための制御性能をより的確に確保しつつ、車
体のピッチ運動に対する不足減衰力が補償されることに
なるので、車体の上下振動がより効果的に抑制されると
ともに、併せて車体のピッチ運動に対する振動も抑制さ
れて、車両の乗り心地及び走行安定性がより良好に保た
れる。
用により、ダンパの減衰力が第1及び第2目標減衰力の
うちで大きな方の目標減衰力に各輪毎に設定制御される
ので、車体のピッチ方向の振動がある程度大きくなった
ときにのみ、第1目標減衰力が第2目標減衰力よりも小
さいことを条件に、各輪位置のダンパの減衰力が車両の
前後輪モデルに基づいて車体のピッチ方向の振動を抑制
するための第2目標減衰力に設定される。そして、それ
以外の場合には、各輪位置のダンパの減衰力は、車両の
単輪モデルに基づいて車体のヒーブ方向の振動を抑制す
るための第1目標減衰力に設定される。したがって、こ
れによれば、第1目標減衰力計算手段によって計算され
た第1目標減衰力がもつ本来的な車体の上下方向の振動
を抑制するための制御性能をより的確に確保しつつ、車
体のピッチ運動に対する不足減衰力が補償されることに
なるので、車体の上下振動がより効果的に抑制されると
ともに、併せて車体のピッチ運動に対する振動も抑制さ
れて、車両の乗り心地及び走行安定性がより良好に保た
れる。
【0010】また、本発明の第2の構成上の特徴は、前
記第1の構成上の特徴における前記第2目標減衰力計算
手段を、車両の左右輪モデルに基づいて車体のロール方
向の振動を抑制するための第2目標減衰力を各輪毎にそ
れぞれ計算する第2目標減衰力計算手段に置換したこと
にある。この場合、例えば前記第2目標減衰力計算手段
は車体のロール方向の運動状態量に応じて第2目標減衰
力を計算するものである。
記第1の構成上の特徴における前記第2目標減衰力計算
手段を、車両の左右輪モデルに基づいて車体のロール方
向の振動を抑制するための第2目標減衰力を各輪毎にそ
れぞれ計算する第2目標減衰力計算手段に置換したこと
にある。この場合、例えば前記第2目標減衰力計算手段
は車体のロール方向の運動状態量に応じて第2目標減衰
力を計算するものである。
【0011】この第2の構成上の特徴においては、前記
第1の構成上の特徴における車体のピッチ方向の振動を
抑制するための第2目標減衰力が、車体のロール方向の
振動を抑制するための第2目標減衰力に置換されている
ので、第1目標減衰力がもつ本来的な車体の上下方向の
振動を抑制するための制御性能を確保しつつ、車体のロ
ール運動に対する不足減衰力が補償されることになり、
車体の上下振動が効果的に抑制されるとともに、併せて
車体のロール運動に対する振動も抑制されて、車両の乗
り心地及び走行安定性が良好に保たれる。
第1の構成上の特徴における車体のピッチ方向の振動を
抑制するための第2目標減衰力が、車体のロール方向の
振動を抑制するための第2目標減衰力に置換されている
ので、第1目標減衰力がもつ本来的な車体の上下方向の
振動を抑制するための制御性能を確保しつつ、車体のロ
ール運動に対する不足減衰力が補償されることになり、
車体の上下振動が効果的に抑制されるとともに、併せて
車体のロール運動に対する振動も抑制されて、車両の乗
り心地及び走行安定性が良好に保たれる。
【0012】さらに、本発明の第3の構成上の特徴は、
前記第1の構成上の特徴において、前記第2の構成上の
特徴である第2目標減衰力計算手段を、第3目標減衰力
を計算する第3目標減衰力計算手段として加えるととも
に、前記最終目標減衰力決定手段を、前記計算された各
輪毎の第1、第2及び第3目標減衰力に基づいて最終的
な目標減衰力を各輪毎にそれぞれ決定する最終目標減衰
力決定手段で置換したことにある。また、この場合も、
前記最終目標減衰力決定手段と出力手段とを、それぞれ
前記計算された第1、第2及び第3目標減衰力のうちで
最大の目標減衰力を各輪毎にそれぞれ選択する選択手段
と、前記選択した各目標減衰力に応じた制御信号を前記
各ダンパにそれぞれ出力して同各ダンパによる減衰力を
前記選択した各目標減衰力にそれぞれ設定制御する出力
手段とで構成してもよい。
前記第1の構成上の特徴において、前記第2の構成上の
特徴である第2目標減衰力計算手段を、第3目標減衰力
を計算する第3目標減衰力計算手段として加えるととも
に、前記最終目標減衰力決定手段を、前記計算された各
輪毎の第1、第2及び第3目標減衰力に基づいて最終的
な目標減衰力を各輪毎にそれぞれ決定する最終目標減衰
力決定手段で置換したことにある。また、この場合も、
前記最終目標減衰力決定手段と出力手段とを、それぞれ
前記計算された第1、第2及び第3目標減衰力のうちで
最大の目標減衰力を各輪毎にそれぞれ選択する選択手段
と、前記選択した各目標減衰力に応じた制御信号を前記
各ダンパにそれぞれ出力して同各ダンパによる減衰力を
前記選択した各目標減衰力にそれぞれ設定制御する出力
手段とで構成してもよい。
【0013】この第3の構成上の特徴においては、前記
第1及び第2の構成上の特徴における第1及び第2目標
減衰力に代えて、ダンプの減衰力は、独立して計算され
た第1〜第3目標減衰力に基づいて決定した目標減衰
力、例えば第1、第2及び第3目標減衰力のうちで最大
の目標減衰力に各輪毎に設定制御される。この場合、第
1目標減衰力は車両の単輪モデルに基づいて車体のヒー
ブ方向の振動を抑制するために計算されたものであり、
第2目標減衰力は車両の前後輪モデルに基づいて車体の
ピッチ方向の振動を抑制するために計算されものであ
り、第3目標減衰力は車両の左右輪モデルに基づいて車
体のロール方向の振動を抑制するために計算されたもの
であり、これらの第1〜第3目標減衰力はそれぞれ独立
して計算されたものである。したがって、この第3の構
成上の特徴によれば、第1目標減衰力計算手段によって
計算された第1目標減衰力がもつ本来的な車体の上下方
向の振動を抑制するための制御性能を確保しつつ、車体
のピッチ運動及びロール運動に対する不足減衰力が補償
されることになり、車体の上下振動が効果的に抑制され
るとともに、併せて車体のピッチ運動及びロール運動に
対する振動も抑制されて、車両の乗り心地及び走行安定
性が良好に保たれる。
第1及び第2の構成上の特徴における第1及び第2目標
減衰力に代えて、ダンプの減衰力は、独立して計算され
た第1〜第3目標減衰力に基づいて決定した目標減衰
力、例えば第1、第2及び第3目標減衰力のうちで最大
の目標減衰力に各輪毎に設定制御される。この場合、第
1目標減衰力は車両の単輪モデルに基づいて車体のヒー
ブ方向の振動を抑制するために計算されたものであり、
第2目標減衰力は車両の前後輪モデルに基づいて車体の
ピッチ方向の振動を抑制するために計算されものであ
り、第3目標減衰力は車両の左右輪モデルに基づいて車
体のロール方向の振動を抑制するために計算されたもの
であり、これらの第1〜第3目標減衰力はそれぞれ独立
して計算されたものである。したがって、この第3の構
成上の特徴によれば、第1目標減衰力計算手段によって
計算された第1目標減衰力がもつ本来的な車体の上下方
向の振動を抑制するための制御性能を確保しつつ、車体
のピッチ運動及びロール運動に対する不足減衰力が補償
されることになり、車体の上下振動が効果的に抑制され
るとともに、併せて車体のピッチ運動及びロール運動に
対する振動も抑制されて、車両の乗り心地及び走行安定
性が良好に保たれる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて説明すると、図1は同実施形態に係る車両の減衰
力制御装置を概略ブロック図により示している。
用いて説明すると、図1は同実施形態に係る車両の減衰
力制御装置を概略ブロック図により示している。
【0015】この車両は、左右前輪FW1,FW2及び
左右後輪RW1,RW2の各輪位置にて車体BD(図
3,5,7に示す)と車輪FW1,FW2,RW1,R
W2との間に設けられたサスペンション装置10A,1
0B,10C,10Dを備えている。これらのサスペン
ション装置10A,10B,10C,10Dは、車体B
Dと各輪FW1,FW2,RW1,RW2との間に設け
られて車体BDを各輪FW1,FW2,RW1,RW2
に対してそれぞれ弾性的に支持するばね11a,11
b,11c,11dと、これらのばね11a,11b,
11c,11dに並列に設けられて車体BDの各輪FW
1,FW2,RW1,RW2に対する振動をそれぞれ減
衰させるダンパ12a,12b,12c,12dとを備
えている。なお、これらのばね11a,11b,11
c,11d及びダンパ12a,12b,12c,12d
の各組は、それぞれショックアブソーバを構成するもの
である。ダンパ12a,12b,12c,12dはオリ
フィス開度を変更可能としており、減衰係数がそれぞれ
可変となっている。
左右後輪RW1,RW2の各輪位置にて車体BD(図
3,5,7に示す)と車輪FW1,FW2,RW1,R
W2との間に設けられたサスペンション装置10A,1
0B,10C,10Dを備えている。これらのサスペン
ション装置10A,10B,10C,10Dは、車体B
Dと各輪FW1,FW2,RW1,RW2との間に設け
られて車体BDを各輪FW1,FW2,RW1,RW2
に対してそれぞれ弾性的に支持するばね11a,11
b,11c,11dと、これらのばね11a,11b,
11c,11dに並列に設けられて車体BDの各輪FW
1,FW2,RW1,RW2に対する振動をそれぞれ減
衰させるダンパ12a,12b,12c,12dとを備
えている。なお、これらのばね11a,11b,11
c,11d及びダンパ12a,12b,12c,12d
の各組は、それぞれショックアブソーバを構成するもの
である。ダンパ12a,12b,12c,12dはオリ
フィス開度を変更可能としており、減衰係数がそれぞれ
可変となっている。
【0016】また、この車両は、各ダンパ12a,12
b,12c,12dの減衰係数(減衰力)を可変設定す
るための電気制御装置20を備えている。電気制御装置
20は、マイクロコンピュータ及びその周辺回路などか
らなり、内蔵のタイマにより所定の短時間毎に図2のプ
ログラム(図3,5,7のサブルーチンを含む)を繰り
返し実行して、各ダンパ12a,12b,12c,12
dのオリフィス開度を制御する。この電気制御装置20
には、ばね上加速度センサ21a〜21d、相対変位量
センサ22a〜22d、ピッチ角速度センサ23及びロ
ール角速度センサ24が接続されている。
b,12c,12dの減衰係数(減衰力)を可変設定す
るための電気制御装置20を備えている。電気制御装置
20は、マイクロコンピュータ及びその周辺回路などか
らなり、内蔵のタイマにより所定の短時間毎に図2のプ
ログラム(図3,5,7のサブルーチンを含む)を繰り
返し実行して、各ダンパ12a,12b,12c,12
dのオリフィス開度を制御する。この電気制御装置20
には、ばね上加速度センサ21a〜21d、相対変位量
センサ22a〜22d、ピッチ角速度センサ23及びロ
ール角速度センサ24が接続されている。
【0017】ばね上加速度センサ21a〜21dは、各
輪FW1,FW2,RW1,RW2位置において車体B
D(ばね上部材)にそれぞれ組み付けられ、同各輪FW
1,FW2,RW1,RW2位置における車体BDの絶
対空間に対する上下方向の加速度xpb1'',xpb2'',x
pb3'',xpb4''をそれぞれ検出して、同上下加速度x
pb1'',xpb2'',xpb3'',xpb4''を表す検出信号を出
力する。なお、上下加速度xpb1'',xpb2'',
xpb3'',xpb4''は、上方向を正とするとともに下方向
を負とする。相対変位量センサ22a〜22dは、各輪
FW1,FW2,RW1,RW2位置における車体BD
(ばね上部材)と車輪FW1,FW2,RW1,RW2
(ばね下部材)との間にそれぞれ組み付けられ、同各輪
FW1,FW2,RW1,RW2位置における車体BD
の各輪FW1,FW2,RW1,RW2に対する上下方
向の相対変位量xpw1−xpb1,xpw2−xpb2,xpw3−
xpb3,xpw4−xpb4をそれぞれ検出して、同変位量x
pw1−xpb1,xpw2−xpb2,xpw3−x pb3,xpw4−x
pb4を表す検出信号を出力する。なお、これらの相対変
位量xpw1−xpb1,xpw2−xpb2,xpw3−xpb3,x
pw4−xpb4は、所定の基準変位量に対する変位量であ
り、小さくなる方向(ダンパの縮み方向)を正とすると
ともに大きくなる方向(ダンパの伸び方向)を負とす
る。
輪FW1,FW2,RW1,RW2位置において車体B
D(ばね上部材)にそれぞれ組み付けられ、同各輪FW
1,FW2,RW1,RW2位置における車体BDの絶
対空間に対する上下方向の加速度xpb1'',xpb2'',x
pb3'',xpb4''をそれぞれ検出して、同上下加速度x
pb1'',xpb2'',xpb3'',xpb4''を表す検出信号を出
力する。なお、上下加速度xpb1'',xpb2'',
xpb3'',xpb4''は、上方向を正とするとともに下方向
を負とする。相対変位量センサ22a〜22dは、各輪
FW1,FW2,RW1,RW2位置における車体BD
(ばね上部材)と車輪FW1,FW2,RW1,RW2
(ばね下部材)との間にそれぞれ組み付けられ、同各輪
FW1,FW2,RW1,RW2位置における車体BD
の各輪FW1,FW2,RW1,RW2に対する上下方
向の相対変位量xpw1−xpb1,xpw2−xpb2,xpw3−
xpb3,xpw4−xpb4をそれぞれ検出して、同変位量x
pw1−xpb1,xpw2−xpb2,xpw3−x pb3,xpw4−x
pb4を表す検出信号を出力する。なお、これらの相対変
位量xpw1−xpb1,xpw2−xpb2,xpw3−xpb3,x
pw4−xpb4は、所定の基準変位量に対する変位量であ
り、小さくなる方向(ダンパの縮み方向)を正とすると
ともに大きくなる方向(ダンパの伸び方向)を負とす
る。
【0018】ピッチ角速度センサ23は、車体BDの重
心位置近傍に組み付けられたレートセンサで構成されて
おり、車体BDのピッチ方向の角速度Pa'を検出して同
角速度Pa'を表す検出信号を出力する。ロール角速度セ
ンサ24は、車体BDの重心位置近傍に組み付けられた
レートセンサで構成されており、車体BDのロール方向
の角速度Ra'を検出して同角速度Ra'を表す検出信号を
出力する。
心位置近傍に組み付けられたレートセンサで構成されて
おり、車体BDのピッチ方向の角速度Pa'を検出して同
角速度Pa'を表す検出信号を出力する。ロール角速度セ
ンサ24は、車体BDの重心位置近傍に組み付けられた
レートセンサで構成されており、車体BDのロール方向
の角速度Ra'を検出して同角速度Ra'を表す検出信号を
出力する。
【0019】次に、上記のように構成した車両の減衰力
制御装置の動作について説明すると、図示しないイグニ
ッションスイッチの投入後、電気制御装置20は、図2
のプログラムを所定の短時間毎に繰り返し実行し始め
る。このプログラムの実行はステップ100にて開始さ
れ、ステップ102,104,106にて第1〜第3減
衰力計算ルーチンをそれぞれ実行する。
制御装置の動作について説明すると、図示しないイグニ
ッションスイッチの投入後、電気制御装置20は、図2
のプログラムを所定の短時間毎に繰り返し実行し始め
る。このプログラムの実行はステップ100にて開始さ
れ、ステップ102,104,106にて第1〜第3減
衰力計算ルーチンをそれぞれ実行する。
【0020】第1減衰力計算ルーチンは、図3に詳細に
示されており、車両の単輪モデルに基づいて車体BDの
ヒーブ方向(上下方向)の振動を抑制するための各ダン
パ12a,12b,12c,12dによる第1目標減衰
力を計算するものである。
示されており、車両の単輪モデルに基づいて車体BDの
ヒーブ方向(上下方向)の振動を抑制するための各ダン
パ12a,12b,12c,12dによる第1目標減衰
力を計算するものである。
【0021】この第1減衰力計算ルーチンについて説明
する前に、第1目標減衰力の計算方法について説明して
おく。図4は、車両における単輪の1自由度モデルを示
している。図中、Mbは、車体BDの質量である。xpb
は、絶対空間における車体BD(ばね上部材)の基準位
置に対する上下方向の変位量である。xpwは、絶対空間
における車輪W(ばね下部材)の基準位置に対する上下
方向の変位量である。これらの変位量xpb,xpwは、い
ずれも上方向を正とする。Ksは、ばね11a,11
b,11c,11dを代表して示すばね11のばね定数
である。Csは、各ダンパ12a,12b,12c,1
2dを代表して示すダンパ12の減衰係数である。Csk
は、スカイフック理論に基づいてスカイフックさせた仮
想的なダンパ12Aの減衰係数であり、予め適当に定め
られた定数である。
する前に、第1目標減衰力の計算方法について説明して
おく。図4は、車両における単輪の1自由度モデルを示
している。図中、Mbは、車体BDの質量である。xpb
は、絶対空間における車体BD(ばね上部材)の基準位
置に対する上下方向の変位量である。xpwは、絶対空間
における車輪W(ばね下部材)の基準位置に対する上下
方向の変位量である。これらの変位量xpb,xpwは、い
ずれも上方向を正とする。Ksは、ばね11a,11
b,11c,11dを代表して示すばね11のばね定数
である。Csは、各ダンパ12a,12b,12c,1
2dを代表して示すダンパ12の減衰係数である。Csk
は、スカイフック理論に基づいてスカイフックさせた仮
想的なダンパ12Aの減衰係数であり、予め適当に定め
られた定数である。
【0022】まず、ダンパ12に代えて仮想的なダンパ
12Aを用いた仮想モデルについて考える。車体BDの
上下加速度をxpb''とするとともに、同車体BDの上下
速度をxpb'とすると、仮想モデルのヒーブ方向の車体
BDの運動方程式は下記数1のように表される。
12Aを用いた仮想モデルについて考える。車体BDの
上下加速度をxpb''とするとともに、同車体BDの上下
速度をxpb'とすると、仮想モデルのヒーブ方向の車体
BDの運動方程式は下記数1のように表される。
【0023】
【数1】Mbxpb''=Ks(xpw−xpb)−Cskxpb’ また、現実のダンパ12を用いた実モデルについて考え
ると、同実モデルの上下方向の運動方程式は下記数2の
ように表される。
ると、同実モデルの上下方向の運動方程式は下記数2の
ように表される。
【0024】
【数2】 Mbxpb''=Ks(xpw−xpb)+Cs(xpw'−xpb') 前記数1,2より、下記数3が導かれる。そして、この
数3で規定される関係により、スカイフック理論に基づ
いてダンパ12(又はダンパ12A)によって車体BD
に付与される理想的な減衰力Fdは下記数4で表され
る。
数3で規定される関係により、スカイフック理論に基づ
いてダンパ12(又はダンパ12A)によって車体BD
に付与される理想的な減衰力Fdは下記数4で表され
る。
【0025】
【数3】Cs(xpw'−xpb')+Cskxpb'=0
【0026】
【数4】Fd=Cs(xpw'−xpb')=−Cskxpb' 次に、第1減衰力計算ルーチンについて説明すると、同
ルーチンの実行は図3のステップ150にて開始され、
ステップ152にてばね上加速度センサ21a〜21d
から各輪FW1,FW2,RW1,RW2位置における
車体BDの上下加速度xpb1'',xpb2'',xpb3'',x
pb4''をそれぞれ入力する。次に、ステップ154にて
前記入力した上下加速度xpb1'',xpb2'',xpb3'',
xpb4''を積分することにより、各輪FW1,FW2,
RW1,RW2位置における車体BDの上下速度
xpb1',xpb2',xpb3',xpb4'をそれぞれ計算する。
ルーチンの実行は図3のステップ150にて開始され、
ステップ152にてばね上加速度センサ21a〜21d
から各輪FW1,FW2,RW1,RW2位置における
車体BDの上下加速度xpb1'',xpb2'',xpb3'',x
pb4''をそれぞれ入力する。次に、ステップ154にて
前記入力した上下加速度xpb1'',xpb2'',xpb3'',
xpb4''を積分することにより、各輪FW1,FW2,
RW1,RW2位置における車体BDの上下速度
xpb1',xpb2',xpb3',xpb4'をそれぞれ計算する。
【0027】次に、ステップ156にて、前記計算した
各上下速度xpb1',xpb2',xpb3',xpb4'に予め適当
に定めたスカイフック減衰係数Cskをそれぞれ乗算する
下記数5の演算の実行により、各ダンパ12a,12
b,12c,12dによる第1目標減衰力Fd1,Fd2,
Fd3,Fd4をそれぞれ計算する。
各上下速度xpb1',xpb2',xpb3',xpb4'に予め適当
に定めたスカイフック減衰係数Cskをそれぞれ乗算する
下記数5の演算の実行により、各ダンパ12a,12
b,12c,12dによる第1目標減衰力Fd1,Fd2,
Fd3,Fd4をそれぞれ計算する。
【0028】
【数5】Fdi=−Cskxpbi' ただし、前記数5中の「i」は、1〜4の正数である。
また、この例では、各輪FW1,FW2,RW1,RW
2共通のスカイフック減衰係数Cskを用いるようにした
が、前輪FW1,FW2と後輪RW1,RW2とで異な
る値を用いるようにしてもよい。そして、ステップ15
8にて、この第1減衰力計算ルーチンの実行を終了す
る。
また、この例では、各輪FW1,FW2,RW1,RW
2共通のスカイフック減衰係数Cskを用いるようにした
が、前輪FW1,FW2と後輪RW1,RW2とで異な
る値を用いるようにしてもよい。そして、ステップ15
8にて、この第1減衰力計算ルーチンの実行を終了す
る。
【0029】第2減衰力計算ルーチンは、図5に詳細に
示されており、車両の前後輪モデルに基づいて車体BD
のピッチ方向の振動を抑制するための各ダンパ12a,
12b,12c,12dによる第2目標減衰力を計算す
るものである。
示されており、車両の前後輪モデルに基づいて車体BD
のピッチ方向の振動を抑制するための各ダンパ12a,
12b,12c,12dによる第2目標減衰力を計算す
るものである。
【0030】この第2減衰力計算ルーチンについて説明
する前に、第2目標減衰力の計算方法について説明して
おく。図6は、車両における前後輪の2自由度モデルを
示している。図中、xbfは、前輪FW1,FW2位置に
おける車体BD(ばね上部材)の基準位置に対する上下
方向の変位量である。xbrは、後輪RW1,RW2位置
における車体BD(ばね上部材)の基準位置に対する上
下方向の変位量である。xwfは、前輪FW1,FW2
(ばね下部材)の基準位置に対する上下方向の変位量で
ある。xwrは、後輪RW1,RW2(ばね下部材)の基
準位置に対する上下方向の変位量である。これらの変位
量xbf,xwf,xbr,xwrは、いずれも上方向を正とす
る。Ksfは、前輪FW1,FW2位置におけるばね11
a,11bを代表して示すばね11fのばね定数であ
る。Ksrは、後輪RW1,RW2位置におけるばね11
c,11dを代表して示すばね11rのばね定数であ
る。Csfは、前輪FW1,FW2位置におけるダンパ1
2a,12bを代表して示すダンパ12fの減衰係数で
ある。Csrは、後輪RW1,RW2位置におけるダンパ
12c,12dを代表して示すダンパ12rの減衰係数
である。Cpは、車体BDのピッチ方向の振動を抑制す
るための仮想的なダンパ12pの減衰係数であり、予め
適当に定められた定数である。
する前に、第2目標減衰力の計算方法について説明して
おく。図6は、車両における前後輪の2自由度モデルを
示している。図中、xbfは、前輪FW1,FW2位置に
おける車体BD(ばね上部材)の基準位置に対する上下
方向の変位量である。xbrは、後輪RW1,RW2位置
における車体BD(ばね上部材)の基準位置に対する上
下方向の変位量である。xwfは、前輪FW1,FW2
(ばね下部材)の基準位置に対する上下方向の変位量で
ある。xwrは、後輪RW1,RW2(ばね下部材)の基
準位置に対する上下方向の変位量である。これらの変位
量xbf,xwf,xbr,xwrは、いずれも上方向を正とす
る。Ksfは、前輪FW1,FW2位置におけるばね11
a,11bを代表して示すばね11fのばね定数であ
る。Ksrは、後輪RW1,RW2位置におけるばね11
c,11dを代表して示すばね11rのばね定数であ
る。Csfは、前輪FW1,FW2位置におけるダンパ1
2a,12bを代表して示すダンパ12fの減衰係数で
ある。Csrは、後輪RW1,RW2位置におけるダンパ
12c,12dを代表して示すダンパ12rの減衰係数
である。Cpは、車体BDのピッチ方向の振動を抑制す
るための仮想的なダンパ12pの減衰係数であり、予め
適当に定められた定数である。
【0031】まず、現実のダンパ12f,12rに代え
て仮想的なダンパ12pを用いた仮想モデルについて考
える。車体BDの上下加速度をxpb''とするとともに、
車体BDのピッチ方向の角加速度及び角速度をそれぞれ
Pa'',Pa'とすると、仮想モデルのヒーブ方向及びピ
ッチ方向の車体BDの各運動方程式は下記数6,7のよ
うにそれぞれ表される。なお、これらのピッチ方向の角
加速度Pa''及び角速度Pa'は、共に車体BDの前輪F
W1,FW2側が上昇し、後輪RW1,RW2側が下降
する回転方向を正とする。
て仮想的なダンパ12pを用いた仮想モデルについて考
える。車体BDの上下加速度をxpb''とするとともに、
車体BDのピッチ方向の角加速度及び角速度をそれぞれ
Pa'',Pa'とすると、仮想モデルのヒーブ方向及びピ
ッチ方向の車体BDの各運動方程式は下記数6,7のよ
うにそれぞれ表される。なお、これらのピッチ方向の角
加速度Pa''及び角速度Pa'は、共に車体BDの前輪F
W1,FW2側が上昇し、後輪RW1,RW2側が下降
する回転方向を正とする。
【0032】
【数6】 Mbxpb''=Ksf(xwf−xbf)+Ksr(xwr−xbr)
【0033】
【数7】IpPa''=−LfKsf(xwf−xbf)+LrK
sr(xwr−xbr)−CpPa' ただし、Ipは車体BDのピッチ方向の慣性モーメント
であり、Lfは前輪車軸と重心点間距離であり、Lrは後
輪車軸と重心点間距離である。
sr(xwr−xbr)−CpPa' ただし、Ipは車体BDのピッチ方向の慣性モーメント
であり、Lfは前輪車軸と重心点間距離であり、Lrは後
輪車軸と重心点間距離である。
【0034】また、現実のダンパ12f,12rを用い
た実モデルについて考えると、同実モデルのヒーブ方向
及びピッチ方向の車体BDの各運動方程式は下記数8,
9のようにそれぞれ表される。
た実モデルについて考えると、同実モデルのヒーブ方向
及びピッチ方向の車体BDの各運動方程式は下記数8,
9のようにそれぞれ表される。
【0035】
【数8】
【0036】
【数9】
【0037】前記数6〜9より、下記数10,11が導
かれる。
かれる。
【0038】
【数10】 Csf(xwf'−xbf')+Csr(xwr'−xbr')=0
【0039】
【数11】LfCsf(xwf'−xbf')−LrCsr(xwr'−x
br')+CpPa'=0 そして、これらの数10,11で規定される関係によ
り、車体BDのピッチ方向の振動を抑制するために前輪
用ダンパ12f及び後輪用ダンパ12r(又はダンパ1
2p)によって車体BDに付与される理想的な減衰力P
Ff,PFrは下記数12,13で表される。
br')+CpPa'=0 そして、これらの数10,11で規定される関係によ
り、車体BDのピッチ方向の振動を抑制するために前輪
用ダンパ12f及び後輪用ダンパ12r(又はダンパ1
2p)によって車体BDに付与される理想的な減衰力P
Ff,PFrは下記数12,13で表される。
【0040】
【数12】 PFf=Csf(xwf'−xbf')=CpPa'/(Lf+Lr)
【0041】
【数13】 PFr=Csr(xwr'−xbr')=−CpPa'/(Lf+Lr) 次に、第2減衰力計算ルーチンについて説明すると、同
ルーチンの実行は図5のステップ160にて開始され、
ステップ162にてピッチ角速度センサ23から車体B
Dのピッチ角速度Pa'を入力する。次に、ステップ16
4にて、車体BDのピッチ方向の振動を抑制するための
理想的かつ予め適当に定めた減衰係数C p、前記入力し
たピッチ角速度Pa'、及び予め定められていて前輪及び
後輪車軸と重心点間の各距離Lf,Lrを用いた下記数1
4,15の演算の実行により、車体BDのピッチ方向の
振動を抑制するために前輪用ダンパ12f及び後輪用ダ
ンパ12rの各目標減衰力PFf,PFrをそれぞれ計算
する。
ルーチンの実行は図5のステップ160にて開始され、
ステップ162にてピッチ角速度センサ23から車体B
Dのピッチ角速度Pa'を入力する。次に、ステップ16
4にて、車体BDのピッチ方向の振動を抑制するための
理想的かつ予め適当に定めた減衰係数C p、前記入力し
たピッチ角速度Pa'、及び予め定められていて前輪及び
後輪車軸と重心点間の各距離Lf,Lrを用いた下記数1
4,15の演算の実行により、車体BDのピッチ方向の
振動を抑制するために前輪用ダンパ12f及び後輪用ダ
ンパ12rの各目標減衰力PFf,PFrをそれぞれ計算
する。
【0042】
【数14】PFf=CpPa'/(Lf+Lr)
【0043】
【数15】PFr=−CpPa'/(Lf+Lr) 次に、ステップ166にて、前記計算した前輪用ダンパ
12fの目標減衰力PFfを左右前輪FW1,FW2用
の第2目標減衰力PFd1,PFd2としてそれぞれ設定す
るとともに、前記計算した後輪用ダンパ12rの目標減
衰力PFrを左右後輪RW1,RW2用の第2目標減衰
力PFd3,PFd4としてそれぞれ設定する。そして、ス
テップ168にて、この第2減衰力計算ルーチンの実行
を終了する。
12fの目標減衰力PFfを左右前輪FW1,FW2用
の第2目標減衰力PFd1,PFd2としてそれぞれ設定す
るとともに、前記計算した後輪用ダンパ12rの目標減
衰力PFrを左右後輪RW1,RW2用の第2目標減衰
力PFd3,PFd4としてそれぞれ設定する。そして、ス
テップ168にて、この第2減衰力計算ルーチンの実行
を終了する。
【0044】第3減衰力計算ルーチンは、図7に詳細に
示されており、車両の左右輪モデルに基づいて車体BD
のロール方向の振動を抑制するための各ダンパ12a,
12b,12c,12dによる第3目標減衰力を計算す
るものである。
示されており、車両の左右輪モデルに基づいて車体BD
のロール方向の振動を抑制するための各ダンパ12a,
12b,12c,12dによる第3目標減衰力を計算す
るものである。
【0045】この第3減衰力計算ルーチンについて説明
する前に、第3目標減衰力の計算方法について説明して
おく。図8は、車両における左右輪の2自由度モデルを
示している。図中、xbmは、右輪FW2,RW2位置に
おける車体BD(ばね上部材)の基準位置に対する上下
方向の変位量である。xbhは、左輪FW1,RW1位置
における車体BD(ばね上部材)の基準位置に対する上
下方向の変位量である。xwmは、右輪FW2,RW2
(ばね下部材)の基準位置に対する上下方向の変位量で
ある。xwhは、左輪FW1,RW1(ばね下部材)の基
準位置に対する上下方向の変位量である。これらの変位
量xbm,xwm,xbh,xwhは、いずれも上方向を正とす
る。Ksは、右輪FW2,RW2位置におけるばね11
b,11dを代表して示すばね11mのばね定数である
とともに、左輪FW1,RW1位置におけるばね11
a,11cを代表して示すばね11hのばね定数であ
る。Csは、右輪FW2,RW2位置におけるダンパ1
2b,12dを代表して示すダンパ12mの減衰係数で
あるとともに、左輪FW1,RW1位置におけるダンパ
12a,12cを代表して示すダンパ12hの減衰係数
である。Crは、車体BDのロール方向の振動を抑制す
るための仮想的なダンパ12rの減衰係数であり、予め
適当に定められた定数である。
する前に、第3目標減衰力の計算方法について説明して
おく。図8は、車両における左右輪の2自由度モデルを
示している。図中、xbmは、右輪FW2,RW2位置に
おける車体BD(ばね上部材)の基準位置に対する上下
方向の変位量である。xbhは、左輪FW1,RW1位置
における車体BD(ばね上部材)の基準位置に対する上
下方向の変位量である。xwmは、右輪FW2,RW2
(ばね下部材)の基準位置に対する上下方向の変位量で
ある。xwhは、左輪FW1,RW1(ばね下部材)の基
準位置に対する上下方向の変位量である。これらの変位
量xbm,xwm,xbh,xwhは、いずれも上方向を正とす
る。Ksは、右輪FW2,RW2位置におけるばね11
b,11dを代表して示すばね11mのばね定数である
とともに、左輪FW1,RW1位置におけるばね11
a,11cを代表して示すばね11hのばね定数であ
る。Csは、右輪FW2,RW2位置におけるダンパ1
2b,12dを代表して示すダンパ12mの減衰係数で
あるとともに、左輪FW1,RW1位置におけるダンパ
12a,12cを代表して示すダンパ12hの減衰係数
である。Crは、車体BDのロール方向の振動を抑制す
るための仮想的なダンパ12rの減衰係数であり、予め
適当に定められた定数である。
【0046】まず、ダンパ12m,12hに代えて仮想
的なダンパ12rを用いた仮想モデルについて考える。
車体BDの上下加速度をxpb''とするとともに、車体B
Dのロール方向の角加速度及び角速度をそれぞれ
Ra'',Ra'とすると、仮想モデルのヒーブ方向及びロ
ール方向の車体BDの各運動方程式は下記数16,17
のようにそれぞれ表される。なお、これらの角加速度R
a''及び角速度Ra'は、共に車体BDの左輪FW1,R
W1側が上昇し、右輪FW2,RW2側が下降する回転
方向を正とする。
的なダンパ12rを用いた仮想モデルについて考える。
車体BDの上下加速度をxpb''とするとともに、車体B
Dのロール方向の角加速度及び角速度をそれぞれ
Ra'',Ra'とすると、仮想モデルのヒーブ方向及びロ
ール方向の車体BDの各運動方程式は下記数16,17
のようにそれぞれ表される。なお、これらの角加速度R
a''及び角速度Ra'は、共に車体BDの左輪FW1,R
W1側が上昇し、右輪FW2,RW2側が下降する回転
方向を正とする。
【0047】
【数16】 Mbxpb''=Ks(xwm−xbm)+Ks(xwh−xbh)
【0048】
【数17】IrRa''=(Ks+K)(xwh−xbh−xwm+x
bm)T/2−CrRa' ただし、Irは車体BDのロール方向の慣性モーメント
であり、Kはスタビライザのばね定数であり、Tは車両
のトレッドである。
bm)T/2−CrRa' ただし、Irは車体BDのロール方向の慣性モーメント
であり、Kはスタビライザのばね定数であり、Tは車両
のトレッドである。
【0049】また、現実のダンパ12m,12hを用い
た実モデルについて考えると、同実モデルのヒーブ方向
及びロール方向の車体BDの各運動方程式は下記数1
8,19のようにそれぞれ表される。
た実モデルについて考えると、同実モデルのヒーブ方向
及びロール方向の車体BDの各運動方程式は下記数1
8,19のようにそれぞれ表される。
【0050】
【数18】
【0051】
【数19】 前記数16〜19より、下記数20,21が導かれる。
【0052】
【数20】Cs(xwh'−xbh'+xwm'−xbm')=0
【0053】
【数21】Cs(xwh'−xbh'−xwm'+xbm')T/2+
CrRa'=0 そして、これらの数20,21で規定される関係によ
り、車体BDのロール方向の振動を抑制するために右輪
用ダンパ12m及び左輪用ダンパ12h(又はダンパ1
2r)によって車体BDに付与される理想的な減衰力は
下記数22,23で表される。
CrRa'=0 そして、これらの数20,21で規定される関係によ
り、車体BDのロール方向の振動を抑制するために右輪
用ダンパ12m及び左輪用ダンパ12h(又はダンパ1
2r)によって車体BDに付与される理想的な減衰力は
下記数22,23で表される。
【0054】
【数22】RFm=Cs(xwm'−xbm')=CrRa'/T
【0055】
【数23】RFh=Cs(xpwh'−xpbh')=−CrRa'/
T 次に、第3減衰力計算ルーチンについて説明すると、同
ルーチンの実行は図7のステップ170にて開始され、
ステップ172にてロール角速度センサ24から車体B
Dのロール角速度Ra'を入力する。次に、ステップ17
4にて、車体BDのロール方向の振動を抑制するための
理想的かつ予め適当に定めたな減衰係数Cr、前記入力
したロール角速度Ra'、及び予め定められていて車両の
トレッドTを用いた下記数24,25の演算の実行によ
り、車体BDのロール方向の振動を抑制するために右輪
用ダンパ12m及び左輪用ダンパ12hの各目標減衰力
RFm,RFhをそれぞれ計算する。
T 次に、第3減衰力計算ルーチンについて説明すると、同
ルーチンの実行は図7のステップ170にて開始され、
ステップ172にてロール角速度センサ24から車体B
Dのロール角速度Ra'を入力する。次に、ステップ17
4にて、車体BDのロール方向の振動を抑制するための
理想的かつ予め適当に定めたな減衰係数Cr、前記入力
したロール角速度Ra'、及び予め定められていて車両の
トレッドTを用いた下記数24,25の演算の実行によ
り、車体BDのロール方向の振動を抑制するために右輪
用ダンパ12m及び左輪用ダンパ12hの各目標減衰力
RFm,RFhをそれぞれ計算する。
【0056】
【数24】RFm=CrRa'/T
【0057】
【数25】RFh=−CrRa'/T 次に、ステップ176にて、前記計算した右輪用ダンパ
12mの目標減衰力RFmを右輪FW2,RW2用の第
3目標減衰力RFd2,RFd4としてそれぞれ設定すると
ともに、前記計算した左輪用ダンパ12hの目標減衰力
RFhを左輪FW1,RW1用の第3目標減衰力RFd
1,RFd3としてそれぞれ設定する。そして、ステップ
178にて、この第3減衰力計算ルーチンの実行を終了
する。
12mの目標減衰力RFmを右輪FW2,RW2用の第
3目標減衰力RFd2,RFd4としてそれぞれ設定すると
ともに、前記計算した左輪用ダンパ12hの目標減衰力
RFhを左輪FW1,RW1用の第3目標減衰力RFd
1,RFd3としてそれぞれ設定する。そして、ステップ
178にて、この第3減衰力計算ルーチンの実行を終了
する。
【0058】ふたたび、図2のプログラムの説明に戻る
と、前記ステップ102〜106の処理による第1目標
減衰力Fd1,Fd2,Fd3,Fd4、第2目標減衰力PFd1,P
Fd2,PFd3,PFd4及び第3目標減衰力RFd1,RFd2,
RFd3,RFd4の計算後、ステップ108にて同第1〜
第3目標減衰力のうちで絶対値の最大なものを各輪FW
1,FW2,RW1,RW2毎に選択する。すなわち、
左前輪FW1用の第1〜第3目標減衰力Fd1,PFd1,R
Fd1の各絶対値|Fd1|,|PFd1|,|RFd1|をそ
れぞれ比較して、これらの絶対値|Fd1|,|PFd1
|,|RFd1|のうちで最大である値に対応した第1〜
第3目標減衰力Fd1,PFd1,RFd1のいずれか一つをダ
ンパ12aの目標減衰力F1として設定する。この左前
輪FW1用の処理と同様な処理を右前輪FW2、左後輪
RW1及び右後輪RW2についても順次行い、ダンパ1
2b,12c、12dの各目標減衰力Fi(ただし、i
は2〜4の整数)を順次決定する。
と、前記ステップ102〜106の処理による第1目標
減衰力Fd1,Fd2,Fd3,Fd4、第2目標減衰力PFd1,P
Fd2,PFd3,PFd4及び第3目標減衰力RFd1,RFd2,
RFd3,RFd4の計算後、ステップ108にて同第1〜
第3目標減衰力のうちで絶対値の最大なものを各輪FW
1,FW2,RW1,RW2毎に選択する。すなわち、
左前輪FW1用の第1〜第3目標減衰力Fd1,PFd1,R
Fd1の各絶対値|Fd1|,|PFd1|,|RFd1|をそ
れぞれ比較して、これらの絶対値|Fd1|,|PFd1
|,|RFd1|のうちで最大である値に対応した第1〜
第3目標減衰力Fd1,PFd1,RFd1のいずれか一つをダ
ンパ12aの目標減衰力F1として設定する。この左前
輪FW1用の処理と同様な処理を右前輪FW2、左後輪
RW1及び右後輪RW2についても順次行い、ダンパ1
2b,12c、12dの各目標減衰力Fi(ただし、i
は2〜4の整数)を順次決定する。
【0059】次に、ステップ110にて、相対変位量セ
ンサ22a〜22dから相対変位量xpw1−xpb1,x
pw2−xpb2,xpw3−xpb3,xpw4−xpb4をそれぞれ入
力し、ステップ112にて、同入力した各相対変位量x
pw1−xpb1,xpw2−xpb2,x pw3−xpb3,xpw4−x
pb4をそれぞれ微分演算することにより、車体BDの各
輪FW1,FW2,RW1,RW2に対する相対速度x
pw1'−xpb1',xpw2'−x pb2',xpw3'−xpb3',x
pw4'−xpb4'をそれぞれ計算する。
ンサ22a〜22dから相対変位量xpw1−xpb1,x
pw2−xpb2,xpw3−xpb3,xpw4−xpb4をそれぞれ入
力し、ステップ112にて、同入力した各相対変位量x
pw1−xpb1,xpw2−xpb2,x pw3−xpb3,xpw4−x
pb4をそれぞれ微分演算することにより、車体BDの各
輪FW1,FW2,RW1,RW2に対する相対速度x
pw1'−xpb1',xpw2'−x pb2',xpw3'−xpb3',x
pw4'−xpb4'をそれぞれ計算する。
【0060】前記ステップ112の処理後、ステップ1
14にて、相対速度−減衰力テーブルを参照することに
より、前記ステップ108の処理によって決定した各目
標減衰力F1,F2,F3,F4と、前記ステップ112の処
理によって計算した相対速度xpw1'−xpb1',xpw2'−
xpb2',xpw3'−xpb3',xpw4'−xpb4'xpw'−xp b'
とに対応したダンパ12a,12b,12c、12dの
各オリフィス開度OP1,OP2,OP3,OP4をそれぞれ
決定する。なお、相対速度−減衰力テーブルはマイクロ
コンピュータに予め内蔵されたもので、図9に示すよう
な相対速度xpw'−xpb'に対するダンパ12a,12
b,12c、12dの減衰力Fの変化特性をオリフィス
開度OP毎に表すデータを記憶しているものである。そ
して、前記各オリフィス開度OP1,OP2,OP3,OP4
の決定にあたっては、図9のグラフ上において減衰力F
iと相対速度xpwi'−xpbi'(ただし、iは1〜4の整
数)とで決まる点が最も近いカーブがそれぞれ検索さ
れ、同検索されたカーブに対応した開度OPが減衰力と
相対速度との各組毎にそれぞれ選定される。
14にて、相対速度−減衰力テーブルを参照することに
より、前記ステップ108の処理によって決定した各目
標減衰力F1,F2,F3,F4と、前記ステップ112の処
理によって計算した相対速度xpw1'−xpb1',xpw2'−
xpb2',xpw3'−xpb3',xpw4'−xpb4'xpw'−xp b'
とに対応したダンパ12a,12b,12c、12dの
各オリフィス開度OP1,OP2,OP3,OP4をそれぞれ
決定する。なお、相対速度−減衰力テーブルはマイクロ
コンピュータに予め内蔵されたもので、図9に示すよう
な相対速度xpw'−xpb'に対するダンパ12a,12
b,12c、12dの減衰力Fの変化特性をオリフィス
開度OP毎に表すデータを記憶しているものである。そ
して、前記各オリフィス開度OP1,OP2,OP3,OP4
の決定にあたっては、図9のグラフ上において減衰力F
iと相対速度xpwi'−xpbi'(ただし、iは1〜4の整
数)とで決まる点が最も近いカーブがそれぞれ検索さ
れ、同検索されたカーブに対応した開度OPが減衰力と
相対速度との各組毎にそれぞれ選定される。
【0061】前記ステップ114の処理後、ステップ1
16にて前記決定したOP1,OP2,OP3,OP4をそれ
ぞれ表す各制御信号をダンパ12a,12b,12c、
12dに出力して、各ダンパ12a,12b,12c、
12dのオリフィス開度を前記オリフィス開度OP1,O
P2,OP3,OP4にそれぞれ設定制御する。その結果、
各ダンパ12a,12b,12c、12dは、前記決定
した目標減衰力F1,F2,F3,F4を発生することにな
る。
16にて前記決定したOP1,OP2,OP3,OP4をそれ
ぞれ表す各制御信号をダンパ12a,12b,12c、
12dに出力して、各ダンパ12a,12b,12c、
12dのオリフィス開度を前記オリフィス開度OP1,O
P2,OP3,OP4にそれぞれ設定制御する。その結果、
各ダンパ12a,12b,12c、12dは、前記決定
した目標減衰力F1,F2,F3,F4を発生することにな
る。
【0062】以上のように、上記実施形態によれば、第
1減衰力計算ルーチン(図3)の処理により、車体のヒ
ーブ方向の振動を抑制するための第1目標減衰力Fd1,
Fd2,Fd3,Fd4が、スカイフック理論を用いた車両の単
輪モデルに基づいて各輪毎にそれぞれ計算される。第2
減衰力計算ルーチン(図5)の処理により、車体のピッ
チ方向の振動を抑制するための第2目標減衰力PFd1,
PFd2,PFd3,PFd4が、車両の前後輪モデルに基づい
て各輪毎にそれぞれ計算される。第3減衰力計算ルーチ
ン(図7)の処理により、車体のロール方向の振動を抑
制するための第3目標減衰力RFd1,RFd2,RFd3,R
Fd4が、車両の左右輪モデルに基づいて各輪毎にそれぞ
れ計算される。そして、図2のステップ108の処理に
より、前記第1〜第3目標減衰力のうちで絶対値の最大
なものが各輪FW1,FW2,RW1,RW2位置毎に
それぞれ目標減衰力F1,F2,F3,F4として選択され、
ステップ110〜116の処理により、各輪FW1,F
W2,RW1,RW2位置の各ダンパ12a,12b,
12c、12dの各減衰力が前記目標減衰力F1,F2,F
3,F4にそれぞれ設定制御される。すなわち、ステップ
110〜116の処理により、各ダンパ12a,12
b,12c、12dの各減衰係数が、それぞれ前記目標
減衰力F1,F2,F3,F4に対応した目標減衰係数にそれ
ぞれ設定制御される。
1減衰力計算ルーチン(図3)の処理により、車体のヒ
ーブ方向の振動を抑制するための第1目標減衰力Fd1,
Fd2,Fd3,Fd4が、スカイフック理論を用いた車両の単
輪モデルに基づいて各輪毎にそれぞれ計算される。第2
減衰力計算ルーチン(図5)の処理により、車体のピッ
チ方向の振動を抑制するための第2目標減衰力PFd1,
PFd2,PFd3,PFd4が、車両の前後輪モデルに基づい
て各輪毎にそれぞれ計算される。第3減衰力計算ルーチ
ン(図7)の処理により、車体のロール方向の振動を抑
制するための第3目標減衰力RFd1,RFd2,RFd3,R
Fd4が、車両の左右輪モデルに基づいて各輪毎にそれぞ
れ計算される。そして、図2のステップ108の処理に
より、前記第1〜第3目標減衰力のうちで絶対値の最大
なものが各輪FW1,FW2,RW1,RW2位置毎に
それぞれ目標減衰力F1,F2,F3,F4として選択され、
ステップ110〜116の処理により、各輪FW1,F
W2,RW1,RW2位置の各ダンパ12a,12b,
12c、12dの各減衰力が前記目標減衰力F1,F2,F
3,F4にそれぞれ設定制御される。すなわち、ステップ
110〜116の処理により、各ダンパ12a,12
b,12c、12dの各減衰係数が、それぞれ前記目標
減衰力F1,F2,F3,F4に対応した目標減衰係数にそれ
ぞれ設定制御される。
【0063】その結果、車体BDのピッチ又はロール方
向の振動がある程度大きくなったときにのみ、第1目標
減衰力Fd1,Fd2,Fd3,Fd4が第2目標減衰力PFd1,P
Fd2,PFd3,PFd4又は第3目標減衰力RFd1,RFd2,
RFd3,RFd4よりも小さいことを条件に、各輪FW
1,FW2,RW1,RW2位置のダンパ12a,12
b,12c、12dの減衰力が車両の前後輪又は左右輪
モデルに基づいて車体のピッチ又はロール方向の振動を
抑制するための第2目標減衰力PFd1,PFd2,PFd3,
PFd4又は第3目標減衰力RFd1,RFd2,RFd3,RFd
4に設定され、それ以外の場合には、ダンパ12a,1
2b,12c,12dの減衰力は、車両の単輪モデルに
基づいて車体のヒーブ方向の振動を抑制するための第1
目標減衰力Fd1,Fd2,Fd3,Fd4に設定される。したが
って、この実施形態によれば、第1目標減衰力Fd1,Fd
2,Fd3,Fd4がもつ本来的な車体BDの上下方向の振動
を抑制するための制御性能を確保しつつ、車体BDのピ
ッチ運動及びロール運動に対する不足減衰力が補償され
ることになるので、車体BDの上下振動が効果的に抑制
されるとともに、併せて車体BDのピッチ運動及びロー
ル運動に対する振動も抑制され、車両の乗り心地及び走
行安定性が良好に保たれる。
向の振動がある程度大きくなったときにのみ、第1目標
減衰力Fd1,Fd2,Fd3,Fd4が第2目標減衰力PFd1,P
Fd2,PFd3,PFd4又は第3目標減衰力RFd1,RFd2,
RFd3,RFd4よりも小さいことを条件に、各輪FW
1,FW2,RW1,RW2位置のダンパ12a,12
b,12c、12dの減衰力が車両の前後輪又は左右輪
モデルに基づいて車体のピッチ又はロール方向の振動を
抑制するための第2目標減衰力PFd1,PFd2,PFd3,
PFd4又は第3目標減衰力RFd1,RFd2,RFd3,RFd
4に設定され、それ以外の場合には、ダンパ12a,1
2b,12c,12dの減衰力は、車両の単輪モデルに
基づいて車体のヒーブ方向の振動を抑制するための第1
目標減衰力Fd1,Fd2,Fd3,Fd4に設定される。したが
って、この実施形態によれば、第1目標減衰力Fd1,Fd
2,Fd3,Fd4がもつ本来的な車体BDの上下方向の振動
を抑制するための制御性能を確保しつつ、車体BDのピ
ッチ運動及びロール運動に対する不足減衰力が補償され
ることになるので、車体BDの上下振動が効果的に抑制
されるとともに、併せて車体BDのピッチ運動及びロー
ル運動に対する振動も抑制され、車両の乗り心地及び走
行安定性が良好に保たれる。
【0064】なお、上記実施形態においては、第1〜第
3目標減衰力のうちで絶対値の最大なものが各輪FW
1,FW2,RW1,RW2位置毎にそれぞれ目標減衰
力F1,F2,F3,F4として選択されるようにした。しか
し、車体BDのロール運動がそれほど問題にならない場
合には、第3目標減衰力の計算を省略して、第1目標減
衰力Fd1,Fd2,Fd3,Fd4と第2目標減衰力PFd1,PF
d2,PFd3,PFd4とのうちで絶対値の大きな方の減衰力
を各輪FW1,FW2,RW1,RW2位置毎にそれぞ
れ目標減衰力F1,F2,F3,F4として選択するようにし
てもよい。これによっても、第1目標減衰力Fd1,Fd2,
Fd3,Fd4がもつ本来的な車体BDの上下方向の振動を
抑制するための制御性能を確保しつつ、車体BDのピッ
チ運動に対する不足減衰力が補償されることになるの
で、車体BDの上下振動が効果的に抑制されるととも
に、併せて車体BDのピッチ運動に対する振動も抑制さ
れ、車両の乗り心地及び走行安定性が良好に保たれる。
3目標減衰力のうちで絶対値の最大なものが各輪FW
1,FW2,RW1,RW2位置毎にそれぞれ目標減衰
力F1,F2,F3,F4として選択されるようにした。しか
し、車体BDのロール運動がそれほど問題にならない場
合には、第3目標減衰力の計算を省略して、第1目標減
衰力Fd1,Fd2,Fd3,Fd4と第2目標減衰力PFd1,PF
d2,PFd3,PFd4とのうちで絶対値の大きな方の減衰力
を各輪FW1,FW2,RW1,RW2位置毎にそれぞ
れ目標減衰力F1,F2,F3,F4として選択するようにし
てもよい。これによっても、第1目標減衰力Fd1,Fd2,
Fd3,Fd4がもつ本来的な車体BDの上下方向の振動を
抑制するための制御性能を確保しつつ、車体BDのピッ
チ運動に対する不足減衰力が補償されることになるの
で、車体BDの上下振動が効果的に抑制されるととも
に、併せて車体BDのピッチ運動に対する振動も抑制さ
れ、車両の乗り心地及び走行安定性が良好に保たれる。
【0065】また、車体BDのピッチ運動がそれほど問
題にならない場合には、第2目標減衰力の計算を省略し
て、第1目標減衰力Fd1,Fd2,Fd3,Fd4と第3目標減
衰力RFd1,RFd2,RFd3,RFd4とのうちで絶対値の
大きな方の減衰力を各輪FW1,FW2,RW1,RW
2位置毎にそれぞれ目標減衰力F1,F2,F3,F4として
選択するようにしてもよい。これによっても、第1目標
減衰力Fd1,Fd2,Fd3,Fd4がもつ本来的な車体BDの
上下方向の振動を抑制するための制御性能を確保しつ
つ、車体BDのロール運動に対する不足減衰力が補償さ
れることになるので、車体BDの上下振動が効果的に抑
制されるとともに、併せて車体BDのロール運動に対す
る振動も抑制され、車両の乗り心地及び走行安定性が良
好に保たれる。
題にならない場合には、第2目標減衰力の計算を省略し
て、第1目標減衰力Fd1,Fd2,Fd3,Fd4と第3目標減
衰力RFd1,RFd2,RFd3,RFd4とのうちで絶対値の
大きな方の減衰力を各輪FW1,FW2,RW1,RW
2位置毎にそれぞれ目標減衰力F1,F2,F3,F4として
選択するようにしてもよい。これによっても、第1目標
減衰力Fd1,Fd2,Fd3,Fd4がもつ本来的な車体BDの
上下方向の振動を抑制するための制御性能を確保しつ
つ、車体BDのロール運動に対する不足減衰力が補償さ
れることになるので、車体BDの上下振動が効果的に抑
制されるとともに、併せて車体BDのロール運動に対す
る振動も抑制され、車両の乗り心地及び走行安定性が良
好に保たれる。
【0066】また、上記実施形態においては第1〜第3
目標減衰力のうちで絶対値が最大なものを最終的な目標
減衰力としたが、これらの第1〜第3目標減衰力の各絶
対値の大小関係を判定して、各絶対値が大きくなるにし
たがって重み付けを大きくして第1〜第3目標減衰力を
加算合成したり、第1〜第3目標減衰力のうちの大きい
方から2つの目標減衰力を抽出して加算合成したり、同
抽出した2つの目標減衰力を大きい方の重み付けを大き
くして加算合成したりして、第1〜第3の目標減衰力に
基づいて最終的な目標減衰力を決定するようにしてもよ
い。また、前記変形例においては、第1及び第2目標減
衰力のうちで絶対値の大きな方、又は第1及び第3目標
減衰力のうちで絶対値の大きな方を最終的な目標減衰力
として決定するようにしたが、前記各2つの目標減衰力
のうちで絶対値の大きい方の重み付けを大きくしてそれ
ぞれ加算合成することにより、第1及び第2目標減衰
力、又は第1及び第3目標減衰力に基づいて最終的な目
標減衰力を決定するようにしてもよい。これによって
も、独立して計算された第1〜第3目標減衰力、第1及
び第2目標減衰力、又は第1及び第3目標減衰力に基づ
いて最終的な目標減衰力が決定されるので、第1目標減
衰力がもつ本来的な車体の上下方向の振動を抑制するた
めの制御性能を確保しつつ、車体のピッチ運動及びロー
ル運動に対する不足減衰力が補償されることになり、車
体の上下振動が効果的に抑制されるとともに、併せて車
体のピッチ運動及びロール運動に対する振動も抑制され
て、車両の乗り心地及び走行安定性が良好に保たれる。
目標減衰力のうちで絶対値が最大なものを最終的な目標
減衰力としたが、これらの第1〜第3目標減衰力の各絶
対値の大小関係を判定して、各絶対値が大きくなるにし
たがって重み付けを大きくして第1〜第3目標減衰力を
加算合成したり、第1〜第3目標減衰力のうちの大きい
方から2つの目標減衰力を抽出して加算合成したり、同
抽出した2つの目標減衰力を大きい方の重み付けを大き
くして加算合成したりして、第1〜第3の目標減衰力に
基づいて最終的な目標減衰力を決定するようにしてもよ
い。また、前記変形例においては、第1及び第2目標減
衰力のうちで絶対値の大きな方、又は第1及び第3目標
減衰力のうちで絶対値の大きな方を最終的な目標減衰力
として決定するようにしたが、前記各2つの目標減衰力
のうちで絶対値の大きい方の重み付けを大きくしてそれ
ぞれ加算合成することにより、第1及び第2目標減衰
力、又は第1及び第3目標減衰力に基づいて最終的な目
標減衰力を決定するようにしてもよい。これによって
も、独立して計算された第1〜第3目標減衰力、第1及
び第2目標減衰力、又は第1及び第3目標減衰力に基づ
いて最終的な目標減衰力が決定されるので、第1目標減
衰力がもつ本来的な車体の上下方向の振動を抑制するた
めの制御性能を確保しつつ、車体のピッチ運動及びロー
ル運動に対する不足減衰力が補償されることになり、車
体の上下振動が効果的に抑制されるとともに、併せて車
体のピッチ運動及びロール運動に対する振動も抑制され
て、車両の乗り心地及び走行安定性が良好に保たれる。
【0067】また、上記実施形態においては、各輪FW
1,FW2,RW1,RW2位置における車体BDの絶
対空間に対する上下方向の運動状態量として車体BDの
上下加速度xpb1'',xpb2'',xpb3'',xpb4''をそれ
ぞれ検出するようにしたが、各輪FW1,FW2,RW
1,RW2位置における車体BDの同絶対空間に対する
上下速度xpb1',xpb2',xpb3',xpb4'を検出するよ
うにしてもよいし、各輪FW1,FW2,RW1,RW
2位置における車体BDの同絶対空間に対する上下方向
の変位量xpb1,xpb2,xpb3,xpb4を検出して上下速
度xpb1',xpb 2',xpb3',xpb4'を算出するようにし
てもよい。また、各輪FW1,FW2,RW1,RW2
位置における車体BD(ばね上部材)の各輪FW1,F
W2,RW1,RW2に対する上下方向の相対変位量x
pw1−xpb1,xpw2−xpb2,xpw 3−xpb3,xpw4−x
pb4に関しても、相対速度xpw1'−xpb1',xpw2'−x
pb2',xpw3'−xpb3',xpw4'−xpb4'を検出したり、
相対加速度xpw1''−xpb1'',xpw2''−xpb2'',x
pw3''−xpb3'',xpw4''−xpb4''を検出して、相対速
度xpw1'−xpb1',xpw2'−xpb2',xpw3'−xpb3',
xpw4'−xpb4'を計算するようにしてもよい。
1,FW2,RW1,RW2位置における車体BDの絶
対空間に対する上下方向の運動状態量として車体BDの
上下加速度xpb1'',xpb2'',xpb3'',xpb4''をそれ
ぞれ検出するようにしたが、各輪FW1,FW2,RW
1,RW2位置における車体BDの同絶対空間に対する
上下速度xpb1',xpb2',xpb3',xpb4'を検出するよ
うにしてもよいし、各輪FW1,FW2,RW1,RW
2位置における車体BDの同絶対空間に対する上下方向
の変位量xpb1,xpb2,xpb3,xpb4を検出して上下速
度xpb1',xpb 2',xpb3',xpb4'を算出するようにし
てもよい。また、各輪FW1,FW2,RW1,RW2
位置における車体BD(ばね上部材)の各輪FW1,F
W2,RW1,RW2に対する上下方向の相対変位量x
pw1−xpb1,xpw2−xpb2,xpw 3−xpb3,xpw4−x
pb4に関しても、相対速度xpw1'−xpb1',xpw2'−x
pb2',xpw3'−xpb3',xpw4'−xpb4'を検出したり、
相対加速度xpw1''−xpb1'',xpw2''−xpb2'',x
pw3''−xpb3'',xpw4''−xpb4''を検出して、相対速
度xpw1'−xpb1',xpw2'−xpb2',xpw3'−xpb3',
xpw4'−xpb4'を計算するようにしてもよい。
【0068】また、上記実施形態においては、車体BD
のピッチ方向の角速度Pa'を検出するためにレートセン
サで構成したピッチ角速度センサ23を設けるようにし
たが、車体BDの前部と後部における上下方向の各変位
量の差により前記角速度Pa'を検出するようにしてもよ
い。また、車体BDのロール方向の角速度Ra'を検出す
るためにレートセンサで構成したロール角速度センサ2
4に代えて、車体BDの左部と右部における上下方向の
各変位量の差により前記角速度Ra'を検出するようにし
てもよい。
のピッチ方向の角速度Pa'を検出するためにレートセン
サで構成したピッチ角速度センサ23を設けるようにし
たが、車体BDの前部と後部における上下方向の各変位
量の差により前記角速度Pa'を検出するようにしてもよ
い。また、車体BDのロール方向の角速度Ra'を検出す
るためにレートセンサで構成したロール角速度センサ2
4に代えて、車体BDの左部と右部における上下方向の
各変位量の差により前記角速度Ra'を検出するようにし
てもよい。
【0069】さらに、各種運動状態量をそれぞれ直接的
に検出するばね上加速度センサ21a〜21d、相対変
位量センサ22a〜22d、ピッチ角速度センサ23及
びロール角速度センサ24の一部に代えて、オブザーバ
を用いて前記各種運動状態量のうちの一部を推定するこ
とにより同一部の運動状態量を検出するようにしてもよ
い。
に検出するばね上加速度センサ21a〜21d、相対変
位量センサ22a〜22d、ピッチ角速度センサ23及
びロール角速度センサ24の一部に代えて、オブザーバ
を用いて前記各種運動状態量のうちの一部を推定するこ
とにより同一部の運動状態量を検出するようにしてもよ
い。
【0070】次に、上記第1減衰力計算ルーチンの各種
変形例について説明する。この各種変形例は、前記第1
目標減衰力Fd1,Fd2,Fd3,Fd4を、非線形なプラント
を扱えて周波数領域で設計仕様を与えることができる制
御理論に基づいて計算するものである。また、以下の説
明では車両の単輪モデルを前提としているので、各輪F
W1,FW2,RW1,RW2のうちの一輪のみに着目
し、前記第1目標減衰力Fd1,Fd2,Fd3,Fd4を代表し
た第1目標減衰力Fdのみを計算する実施形態について
説明する。なお、他の車輪に対しても、同様に第1目標
減衰力を計算できるものである。まず、各種変形例の説
明の前に同変形例に係る車両の単輪モデルについて説明
しておく。
変形例について説明する。この各種変形例は、前記第1
目標減衰力Fd1,Fd2,Fd3,Fd4を、非線形なプラント
を扱えて周波数領域で設計仕様を与えることができる制
御理論に基づいて計算するものである。また、以下の説
明では車両の単輪モデルを前提としているので、各輪F
W1,FW2,RW1,RW2のうちの一輪のみに着目
し、前記第1目標減衰力Fd1,Fd2,Fd3,Fd4を代表し
た第1目標減衰力Fdのみを計算する実施形態について
説明する。なお、他の車輪に対しても、同様に第1目標
減衰力を計算できるものである。まず、各種変形例の説
明の前に同変形例に係る車両の単輪モデルについて説明
しておく。
【0071】a.モデル まず、サスペンション装置のモデルを考えて、同装置の
状態空間表現を図る。図10は、車両の車輪一輪当たり
のサスペンション装置の機能図である。Mbは車体(ば
ね上部材)BDの質量であり、Mwは車輪WH(厳密に
はロアアームなどを含むばね下部材)の質量であり、K
tはタイヤTRのばね定数である。Ksはばね11のばね
定数であり、Cs0は同サスペンション装置内に設けたダ
ンパの減衰係数Csのうちの線形部分(以下、線形減衰
係数という)であり、Cvは同減衰係数Csのうちの非線
形部分(以下、非線形減衰係数という)である。これら
の線形減衰係数Cs0と非線形減衰係数Cvとの合計が、
ダンパ12の総合的な減衰係数である(Cs=Cs0+
Cv)。RDは路面であり、車体BD、車輪WH及び路
面RDの各変位量をxpb,xpw,xprとすれば、下記数
26,27の運動方程式が成立する。
状態空間表現を図る。図10は、車両の車輪一輪当たり
のサスペンション装置の機能図である。Mbは車体(ば
ね上部材)BDの質量であり、Mwは車輪WH(厳密に
はロアアームなどを含むばね下部材)の質量であり、K
tはタイヤTRのばね定数である。Ksはばね11のばね
定数であり、Cs0は同サスペンション装置内に設けたダ
ンパの減衰係数Csのうちの線形部分(以下、線形減衰
係数という)であり、Cvは同減衰係数Csのうちの非線
形部分(以下、非線形減衰係数という)である。これら
の線形減衰係数Cs0と非線形減衰係数Cvとの合計が、
ダンパ12の総合的な減衰係数である(Cs=Cs0+
Cv)。RDは路面であり、車体BD、車輪WH及び路
面RDの各変位量をxpb,xpw,xprとすれば、下記数
26,27の運動方程式が成立する。
【0072】
【数26】
【0073】
【数27】
【0074】なお、上記数26,27及び後述する各数
式における記号「'」は1回微分を表し、記号「''」は
2回微分を表している。
式における記号「'」は1回微分を表し、記号「''」は
2回微分を表している。
【0075】このサスペンション装置における制御入力
uは非線形減衰係数Cvである。そこで、路面外乱w1を
路面速度xpr'とするとともに、非線形減衰係数Cvを制
御入力uとしてサスペンション装置を状態空間表現する
と、下記数28のようになる。
uは非線形減衰係数Cvである。そこで、路面外乱w1を
路面速度xpr'とするとともに、非線形減衰係数Cvを制
御入力uとしてサスペンション装置を状態空間表現する
と、下記数28のようになる。
【0076】
【数28】xp'=Apxp+Bp1w1+Bp2(xp)u ただし、上記数28中、xp,Ap,Bp1,Bp2(xp)は
下記数29〜32のとおりである。
下記数29〜32のとおりである。
【0077】
【数29】
【0078】
【数30】
【0079】
【数31】
【0080】
【数32】
【0081】この変形例におけるサスペンション装置の
特性向上の目標は、車体BD(ばね上部材)の振動に大
きく影響する車体BDの上下速度xpb'(以下、ばね上
速度xpb'という)、車両の乗り心地に大きく影響する
車体BDの上下加速度xpb''(以下、ばね上加速度
xpb''という)及び車輪WHの振動に大きく影響する車
体BDに対する車輪WHの上下相対速度xpw'−xpb'
(以下、相対速度xpw'−xp b'という)を同時に抑制す
ることである。したがって、評価出力zpとして、ばね
上速度xpb'、ばね上加速度xpb''及び相対速度xpw'−
xpb'を用いる。また、サスペンション装置において
は、ばね上加速度xpb''と、車体BDに対する車輪WH
の相対変位量xpw−xpb(以下、単に相対変位量xpw−
xpbという)とを検出し易いので、基本的には観測出力
ypをばね上加速度xpb''及び相対変位量xpw−xpbと
する。また、観測出力ypには観測ノイズw2が含まれて
いるとし、これを状態空間表現すると、下記数33,3
4のようになる。
特性向上の目標は、車体BD(ばね上部材)の振動に大
きく影響する車体BDの上下速度xpb'(以下、ばね上
速度xpb'という)、車両の乗り心地に大きく影響する
車体BDの上下加速度xpb''(以下、ばね上加速度
xpb''という)及び車輪WHの振動に大きく影響する車
体BDに対する車輪WHの上下相対速度xpw'−xpb'
(以下、相対速度xpw'−xp b'という)を同時に抑制す
ることである。したがって、評価出力zpとして、ばね
上速度xpb'、ばね上加速度xpb''及び相対速度xpw'−
xpb'を用いる。また、サスペンション装置において
は、ばね上加速度xpb''と、車体BDに対する車輪WH
の相対変位量xpw−xpb(以下、単に相対変位量xpw−
xpbという)とを検出し易いので、基本的には観測出力
ypをばね上加速度xpb''及び相対変位量xpw−xpbと
する。また、観測出力ypには観測ノイズw2が含まれて
いるとし、これを状態空間表現すると、下記数33,3
4のようになる。
【0082】
【数33】zp=Cp1xp+Dp12(xp)u
【0083】
【数34】yp=Cp2xp+Dp21w2+Dp22(xp)u ただし、上記数33,34中のzp,yp,Cp1,,D
p12(xp),Cp2,Dp21,Dp22(xp)は、それぞれ下記
数35〜41のとおりである。
p12(xp),Cp2,Dp21,Dp22(xp)は、それぞれ下記
数35〜41のとおりである。
【0084】
【数35】
【0085】
【数36】
【0086】
【数37】
【0087】
【数38】
【0088】
【数39】
【0089】
【数40】
【0090】
【数41】
【0091】しかし、上記サスペンション装置の状態空
間表現は、前記数28に示すように係数Bp2(xp)に状
態量xpが含まれているので、双線形システムとなる。
双線形システムでは、原点x=oでは制御入力uを変え
てもBp2(o)=oとなるため、原点付近では不可制御で
ある。したがって、線形制御理論では前記サスペンショ
ン装置の制御系の設計はできず、同制御系の設計を非線
形H∞制御理論を用いて、所望の制御性能が得られるよ
うに、すなわちばね上速度xpb'、ばね上加速度xpb''
及び相対速度xpw'−xpb'を抑える制御系を設計するこ
とを試みる。以下、この第1目標減衰力Fdを計算する
ための各種変形例に係る本発明に係る非線形H∞制御系
の各種設計例及び第1目標減衰力Fdの具体的計算例に
ついて説明する。
間表現は、前記数28に示すように係数Bp2(xp)に状
態量xpが含まれているので、双線形システムとなる。
双線形システムでは、原点x=oでは制御入力uを変え
てもBp2(o)=oとなるため、原点付近では不可制御で
ある。したがって、線形制御理論では前記サスペンショ
ン装置の制御系の設計はできず、同制御系の設計を非線
形H∞制御理論を用いて、所望の制御性能が得られるよ
うに、すなわちばね上速度xpb'、ばね上加速度xpb''
及び相対速度xpw'−xpb'を抑える制御系を設計するこ
とを試みる。以下、この第1目標減衰力Fdを計算する
ための各種変形例に係る本発明に係る非線形H∞制御系
の各種設計例及び第1目標減衰力Fdの具体的計算例に
ついて説明する。
【0092】b.第1変形例 b1.非線形H∞状態フィードバック制御系の設計例 まず、非線形H∞状態フィードバック制御系の設計につ
いて試みるために、評価出力zpと制御入力uに周波数
重みを加えた図11に示すような状態フィードバック制
御系の一般化プラントを想定する。この場合、周波数重
みとは、重みの大きさが周波数に応じて変化する重みで
あり、伝達関数で与えられる動的な重みのことである。
この周波数重みを用いることにより、制御性能を上げた
い周波数帯域の重みを大きくし、制御性能を無視してよ
い周波数帯域に関しては重みを小さくすることが可能と
なる。さらに、評価出力zp及び制御入力uに周波数重
みWs(s),Wu(s)をかけた後、非線形な重み関数とし
て状態量xの関数a1(x),a2(x)をかける。非線形重
みa1(x),a2(x)は、リカッチ方程式に帰結して解を
得るために、下記数42,43により規定される特性を
有する。
いて試みるために、評価出力zpと制御入力uに周波数
重みを加えた図11に示すような状態フィードバック制
御系の一般化プラントを想定する。この場合、周波数重
みとは、重みの大きさが周波数に応じて変化する重みで
あり、伝達関数で与えられる動的な重みのことである。
この周波数重みを用いることにより、制御性能を上げた
い周波数帯域の重みを大きくし、制御性能を無視してよ
い周波数帯域に関しては重みを小さくすることが可能と
なる。さらに、評価出力zp及び制御入力uに周波数重
みWs(s),Wu(s)をかけた後、非線形な重み関数とし
て状態量xの関数a1(x),a2(x)をかける。非線形重
みa1(x),a2(x)は、リカッチ方程式に帰結して解を
得るために、下記数42,43により規定される特性を
有する。
【0093】
【数42】a1(x)>0,a2(x)>0
【0094】
【数43】a1(o)=a2(o)=1 この非線形重みによって、より積極的にL2ゲインを抑
えるような制御系の設計が可能となる。このシステムの
状態空間表現は、下記数44のようになる。
えるような制御系の設計が可能となる。このシステムの
状態空間表現は、下記数44のようになる。
【0095】
【数44】xp'=Apxp+Bp1w1+Bp2(xp)u ここで、評価出力zpにかかる周波数重みWs(s)の状態
空間表現を下記数45,46のように表す。
空間表現を下記数45,46のように表す。
【0096】
【数45】xw'=Awxw+Bwzp
【0097】
【数46】zw=Cwxw+Dwzp なお、xwは周波数重みWs(s)の状態量を表し、zwは
周波数重みWs(s)の出力を表しており、Aw,Bw,
Cw,Dwは制御仕様により定まる定数行列である。これ
らの定数行列Aw,Bw,Cw,Dwは、乗員の乗り心地
(ゴツゴツ感)を良好にするためにばね上加速度xb''
に対するゲインを3〜8Hz程度の周波数領域で下げ
(図12(A))、車体BDの共振を抑制するためにばね
上速度xb'に対するゲインを0.5〜1.5Hz程度の
周波数領域で下げ(図12(B))、車輪WHの共振を避
けるために相対速度xw'−xb'に対するゲインを10〜
14Hz程度の周波数領域で下げるように決定される
(図12(C))。そして、これらの各ゲインを下げる周
波数領域が重ならない、すなわち互いに干渉しないよう
にして、評価出力zpを構成するばね上加速度xb''、ば
ね上速度xb'及び相対速度xw'−xb'の各要素が独立し
て制御されるようにしている。
周波数重みWs(s)の出力を表しており、Aw,Bw,
Cw,Dwは制御仕様により定まる定数行列である。これ
らの定数行列Aw,Bw,Cw,Dwは、乗員の乗り心地
(ゴツゴツ感)を良好にするためにばね上加速度xb''
に対するゲインを3〜8Hz程度の周波数領域で下げ
(図12(A))、車体BDの共振を抑制するためにばね
上速度xb'に対するゲインを0.5〜1.5Hz程度の
周波数領域で下げ(図12(B))、車輪WHの共振を避
けるために相対速度xw'−xb'に対するゲインを10〜
14Hz程度の周波数領域で下げるように決定される
(図12(C))。そして、これらの各ゲインを下げる周
波数領域が重ならない、すなわち互いに干渉しないよう
にして、評価出力zpを構成するばね上加速度xb''、ば
ね上速度xb'及び相対速度xw'−xb'の各要素が独立し
て制御されるようにしている。
【0098】また、制御入力uにかかる周波数重みW
u(s)の状態空間表現を下記数47,48のように表
す。
u(s)の状態空間表現を下記数47,48のように表
す。
【0099】
【数47】xu'=Auxu+Buu
【0100】
【数48】zu=Cuxu+Duu なお、xuは周波数重みWu(s)の状態量を表し、zuは
周波数重みWu(s)の出力を表しており、Au,Bu,
Cu,Duは制御仕様による定数行列である。これらの定
数行列Au,Bu,Cu,Duは、減衰係数を制御する電気
アクチュエータの応答性を考慮するために、制御入力u
に対するゲインが同アクチュエータの周波数特性に合わ
せて高周波数領域で抑えられるように決定される(図1
2(D))。
周波数重みWu(s)の出力を表しており、Au,Bu,
Cu,Duは制御仕様による定数行列である。これらの定
数行列Au,Bu,Cu,Duは、減衰係数を制御する電気
アクチュエータの応答性を考慮するために、制御入力u
に対するゲインが同アクチュエータの周波数特性に合わ
せて高周波数領域で抑えられるように決定される(図1
2(D))。
【0101】このとき、非線形H∞状態フィードバック
制御系における一般化プラントの状態空間表現は下記数
49〜51のようになる。
制御系における一般化プラントの状態空間表現は下記数
49〜51のようになる。
【0102】
【数49】x'=Ax+B1w1+B2(x)u
【0103】
【数50】z1=a1(x)(C11x+D121(x)u)
【0104】
【数51】z2=a2(x)(C12x+D122u) ただし、前記数49〜51中のx,A,B1,B2(x),
C11,D121(x),C12,D122は、下記数52〜59の
とおりである。
C11,D121(x),C12,D122は、下記数52〜59の
とおりである。
【0105】
【数52】
【0106】
【数53】
【0107】
【数54】
【0108】
【数55】
【0109】
【数56】C11=[DwCp1 Cw o]
【0110】
【数57】D121(x)=[DwDp12(xp)]
【0111】
【数58】C12=[o o Cu]
【0112】
【数59】D122=Du 次に、リカッチ方程式に基づいて解を求めるために、下
記数60により規定される条件のもとで、前記数49〜
51により表された一般化プラントの状態空間表現を書
き換えると下記数60〜63のようになる。
記数60により規定される条件のもとで、前記数49〜
51により表された一般化プラントの状態空間表現を書
き換えると下記数60〜63のようになる。
【0113】
【数60】DwDp12(x)=0
【0114】
【数61】x'=Ax+B1w+B2(x)u
【0115】
【数62】z1=a1(x)C11x
【0116】
【数63】 z2=a2(x)C12x+a2(x)D122u ここで、Aは減衰力制御系を表す安定な行列であるか
ら、前記一般化プラントに対して、「閉ループシステ
ムが内部指数安定」、かつ「路面外乱w1から評価出
力zまでのL2ゲインがある正定数γ以下である」を満
たす非線形H∞状態フィードバック制御則u=k(x)を
設計することを試みる。
ら、前記一般化プラントに対して、「閉ループシステ
ムが内部指数安定」、かつ「路面外乱w1から評価出
力zまでのL2ゲインがある正定数γ以下である」を満
たす非線形H∞状態フィードバック制御則u=k(x)を
設計することを試みる。
【0117】前記非線形H∞状態フィードバック制御則
u=k(x)は、次の条件が成立するならば求まる。すな
わち、 D122 -1が存在し、ある正定数γが与えられるとき、
この正定数γに対して下記数64のリカッチ方程式を満
たす正定対称解Pが存在し、かつ 非線形重みa1(x),a2(x)が下記数65の制約条件
を満たすならば、閉ループシステムを内部安定にし、か
つL2ゲインをγ以下とする制御則u=k(x)の一つは
下記数66で与えられる。
u=k(x)は、次の条件が成立するならば求まる。すな
わち、 D122 -1が存在し、ある正定数γが与えられるとき、
この正定数γに対して下記数64のリカッチ方程式を満
たす正定対称解Pが存在し、かつ 非線形重みa1(x),a2(x)が下記数65の制約条件
を満たすならば、閉ループシステムを内部安定にし、か
つL2ゲインをγ以下とする制御則u=k(x)の一つは
下記数66で与えられる。
【0118】
【数64】
【0119】
【数65】
【0120】
【数66】
【0121】ここで、前記数66の制約条件を満たす非
線形重みa1(x),a2(x)を下記数67,68に例示し
ておく。
線形重みa1(x),a2(x)を下記数67,68に例示し
ておく。
【0122】
【数67】
【0123】
【数68】
【0124】なお、前記数67,68中のm1(x)は任
意の正定関数である。そして、コンピュータによる演算
の結果、前記のような正定対称解Pを求めることができ
た。そして、前記数68を用いると前記数66は下記数
69のように変形される。
意の正定関数である。そして、コンピュータによる演算
の結果、前記のような正定対称解Pを求めることができ
た。そして、前記数68を用いると前記数66は下記数
69のように変形される。
【0125】
【数69】
【0126】これらのことは、非線形H∞制御理論を用
いて制御系を設計するためには、一般的にハミルトン・
ヤコビ不等式とよばれる偏微分不等式を解かなければな
らないが、前記のように非線形重みa1(x),a2(x)に
前記数65の制約条件を与えることにより、ハミルトン
・ヤコビ不等式を解く代わりにリカッチ不等式を解くこ
とによって制御則が設計できることを示している。リカ
ッチ不等式は、マトラブ(Matlab)等の公知のソフトウ
ェアを用いることにより簡単に解を求めることができる
ので、この方法によれば、簡単に正定対称解Pを見つけ
ることができるとともに、制御則u=k(x)も導出する
ことができる。
いて制御系を設計するためには、一般的にハミルトン・
ヤコビ不等式とよばれる偏微分不等式を解かなければな
らないが、前記のように非線形重みa1(x),a2(x)に
前記数65の制約条件を与えることにより、ハミルトン
・ヤコビ不等式を解く代わりにリカッチ不等式を解くこ
とによって制御則が設計できることを示している。リカ
ッチ不等式は、マトラブ(Matlab)等の公知のソフトウ
ェアを用いることにより簡単に解を求めることができる
ので、この方法によれば、簡単に正定対称解Pを見つけ
ることができるとともに、制御則u=k(x)も導出する
ことができる。
【0127】また、前記D122はリカッチ不等式には現
れず、非線形重みに対する制約条件及び制御則のみに関
係している。このことは、D122を用いた制御則の調整
が、リカッチ不等式を解き直すことなくある程度可能で
あることを示している。すなわち、前記制御則の調整は
制御入力uに対するスケーリングを行うことを意味し、
制御入力uのスケーリングを10倍にするとD122が1
/10倍になり、前記数66のB2(x)項は100倍、
C12の項は10倍になる。
れず、非線形重みに対する制約条件及び制御則のみに関
係している。このことは、D122を用いた制御則の調整
が、リカッチ不等式を解き直すことなくある程度可能で
あることを示している。すなわち、前記制御則の調整は
制御入力uに対するスケーリングを行うことを意味し、
制御入力uのスケーリングを10倍にするとD122が1
/10倍になり、前記数66のB2(x)項は100倍、
C12の項は10倍になる。
【0128】次に、非線形重みの役割について確認する
ために、双線形システムの非線形重みを用いない一般化
プラントを想定して、上述した非線形重みを用いた一般
化プラントとの比較をしておく。すなわち、前記非線形
重みa1(x),a2(x)をそれぞれa1(x)=1,a2(x)
=1とし、また簡単化のために直交条件を満たすとして
C12=o,D122=Iとする。前記数61〜63により
表される状態空間表現は下記数70〜72のようにな
る。
ために、双線形システムの非線形重みを用いない一般化
プラントを想定して、上述した非線形重みを用いた一般
化プラントとの比較をしておく。すなわち、前記非線形
重みa1(x),a2(x)をそれぞれa1(x)=1,a2(x)
=1とし、また簡単化のために直交条件を満たすとして
C12=o,D122=Iとする。前記数61〜63により
表される状態空間表現は下記数70〜72のようにな
る。
【0129】
【数70】x'=Ax+B1w+B2(x)u
【0130】
【数71】z1=C11x
【0131】
【数72】z2=u これにより、一般化プラントの制御則u=k(x)は下記
数73のように表される。
数73のように表される。
【0132】
【数73】u=B2 T(x)Px ただし、Pは下記数74のリカッチ不等式を満たす正定
対称解である。
対称解である。
【0133】
【数74】
【0134】一方、前記数70〜72で表される一般化
プラントの原点近傍における線形近似システムは、下記
数75〜77のようになる。
プラントの原点近傍における線形近似システムは、下記
数75〜77のようになる。
【0135】
【数75】x'=Ax+B1w
【0136】
【数76】z1=C11x
【0137】
【数77】z2=u 前記数74のリカッチ不等式は、この一般化プラントに
対して閉ループシステムが内部安定であり、L2ゲイン
がγ以下であることを意味している。すなわち、双線形
システムのL2ゲインは図13に示す原点(x=o)で
の値によって決まってしまうのである。これは、原点で
は双線形システムがB2(o)=oであるので、制御入力
uが働かず原点近傍ではL2ゲインを改善できないから
である。また、制御入力uをu=oとした一般化プラン
ト(数70〜72)も線形近似した一般化プラント(数
75〜77)と一致するので、数74のリカッチ不等式
は、一般化プラント(数70〜72)に対して制御入力
uがu=oの場合も、閉ループシステムが内部安定であ
り、L2ゲインがγ以下であることを意味している。す
なわち、状態量xが大きくなって制御入力uが効果を発
揮するようになっても、制御出力を下記数78,79と
する一般化プラント(数70〜72)に対して制御系を
設計した場合、制御入力uをかけてもL2ゲインがg0よ
り大きくならないことを保証しているだけである。
対して閉ループシステムが内部安定であり、L2ゲイン
がγ以下であることを意味している。すなわち、双線形
システムのL2ゲインは図13に示す原点(x=o)で
の値によって決まってしまうのである。これは、原点で
は双線形システムがB2(o)=oであるので、制御入力
uが働かず原点近傍ではL2ゲインを改善できないから
である。また、制御入力uをu=oとした一般化プラン
ト(数70〜72)も線形近似した一般化プラント(数
75〜77)と一致するので、数74のリカッチ不等式
は、一般化プラント(数70〜72)に対して制御入力
uがu=oの場合も、閉ループシステムが内部安定であ
り、L2ゲインがγ以下であることを意味している。す
なわち、状態量xが大きくなって制御入力uが効果を発
揮するようになっても、制御出力を下記数78,79と
する一般化プラント(数70〜72)に対して制御系を
設計した場合、制御入力uをかけてもL2ゲインがg0よ
り大きくならないことを保証しているだけである。
【0138】
【数78】z1=C11x
【0139】
【数79】z2=u すなわち、制御出力が前記数78,79のように表され
る場合、制御性能が制御入力uを用いることによって向
上しているかもしれないが、u=oの場合と変わらない
かもしれないのである。そこで、制御出力z1,z2に非
線形重みa1(x),a2(x)を用いて下記数80,81と
することによって原点よりも離れたところでは、非線形
重みによって図13のg1の線に表されるように、プラ
ントのL2ゲインを原点レベルを表すX軸に漸近するよ
うに抑え込む制御系が設計可能となる。
る場合、制御性能が制御入力uを用いることによって向
上しているかもしれないが、u=oの場合と変わらない
かもしれないのである。そこで、制御出力z1,z2に非
線形重みa1(x),a2(x)を用いて下記数80,81と
することによって原点よりも離れたところでは、非線形
重みによって図13のg1の線に表されるように、プラ
ントのL2ゲインを原点レベルを表すX軸に漸近するよ
うに抑え込む制御系が設計可能となる。
【0140】
【数80】z1=a1(x)C11x
【0141】
【数81】z2=a2(x)u また、この制御では、ダンパ12の減衰係数Csを線形
減衰係数Cs0と非線形減衰係数Cvとに分けて、同非線
形減衰係数Cvを制御入力uとして制御系を設計した。
そして、図14(A)に示すように、線形減衰係数Cs0を
ダンパ12の最小減衰力特性線(最大オリフィス開度に
対応)と、最大減衰力特性線(最小オリフィス開度に対
応)とのほぼ中央付近に設定するとともに、制御入力u
のゲインを周波数に応じて制御するようにして、減衰係
数Csが線形減衰係数Cs0を挟んだ両側で変化するとと
もに、同減衰係数による減衰力が前記最小減衰力特性線
と最大減衰力特性線との間に納まるようにした。したが
って、ダンパ12の設計仕様に合わせて非線形減衰係数
Cvを簡単に決定できるとともに、実際のダンパ12に
より実現可能な範囲内で減衰力制御を行うことができ、
意図した減衰力制御を行うことができる。なお、比較の
ために、図14(B)にスカイフック理論に基づいてダン
パ12の減衰係数を制御した場合のリサージュ波形図を
示してあるが、この場合には、実際のダンパ12により
実現可能な範囲内で制御を行うことができず、意図した
減衰力の制御が不能である。
減衰係数Cs0と非線形減衰係数Cvとに分けて、同非線
形減衰係数Cvを制御入力uとして制御系を設計した。
そして、図14(A)に示すように、線形減衰係数Cs0を
ダンパ12の最小減衰力特性線(最大オリフィス開度に
対応)と、最大減衰力特性線(最小オリフィス開度に対
応)とのほぼ中央付近に設定するとともに、制御入力u
のゲインを周波数に応じて制御するようにして、減衰係
数Csが線形減衰係数Cs0を挟んだ両側で変化するとと
もに、同減衰係数による減衰力が前記最小減衰力特性線
と最大減衰力特性線との間に納まるようにした。したが
って、ダンパ12の設計仕様に合わせて非線形減衰係数
Cvを簡単に決定できるとともに、実際のダンパ12に
より実現可能な範囲内で減衰力制御を行うことができ、
意図した減衰力制御を行うことができる。なお、比較の
ために、図14(B)にスカイフック理論に基づいてダン
パ12の減衰係数を制御した場合のリサージュ波形図を
示してあるが、この場合には、実際のダンパ12により
実現可能な範囲内で制御を行うことができず、意図した
減衰力の制御が不能である。
【0142】また、ダンパ12の減衰力(減衰係数)が
複数段のいずれかに段階的に切り換えるように構成され
ている場合には、線形減衰係数Cs0の設定において、同
線形減衰係数Cs0により決定される減衰力が、同減衰力
の小さい範囲で前記ダンパ12の複数段のうちの所定の
1つの段により発生される減衰力にほぼ等しくなるよう
に、前記線形減衰係数Cs0を設定する。この種のサスペ
ンション装置においては、減衰力の小さい範囲では減衰
力の相対速度に対する線形性は強く、すなわち計算され
る非線形減衰係数Cvが「0」である可能性が高い。し
たがって、ダンパ12においては前記所定の1つの段に
維持される可能性が高くて減衰係数の切り換え頻度が低
くなるので、ダンパ12の耐久性が高く保たれる。
複数段のいずれかに段階的に切り換えるように構成され
ている場合には、線形減衰係数Cs0の設定において、同
線形減衰係数Cs0により決定される減衰力が、同減衰力
の小さい範囲で前記ダンパ12の複数段のうちの所定の
1つの段により発生される減衰力にほぼ等しくなるよう
に、前記線形減衰係数Cs0を設定する。この種のサスペ
ンション装置においては、減衰力の小さい範囲では減衰
力の相対速度に対する線形性は強く、すなわち計算され
る非線形減衰係数Cvが「0」である可能性が高い。し
たがって、ダンパ12においては前記所定の1つの段に
維持される可能性が高くて減衰係数の切り換え頻度が低
くなるので、ダンパ12の耐久性が高く保たれる。
【0143】b2.具体的計算例 次に、上記非線形H∞状態フィードバック制御則を用い
た第1目標減衰力Fdの具体的計算例について説明す
る。
た第1目標減衰力Fdの具体的計算例について説明す
る。
【0144】この場合、電気制御装置20には、図1に
破線で示すように、ばね上加速度センサ21a,21
b,21c,21d、相対変位量センサ22a,22
b,22c,22d、ピッチ角速度センサ23及びロー
ル角速度センサ24に加えて、各輪FW1,FW2,R
W1,RW2毎に設けたタイヤ変位量センサ25a,2
5b,25c,25d及びばね下加速度センサ26a,
26b,26c,26dが接続されている。ただし、以
降の説明では、各輪FW1,FW2,RW1,RW2を
代表して一輪のみの第1目標減衰力Fdを計算する例を
示すので、タイヤ変位量センサ25a,25b,25
c,25dを単にタイヤ変位量センサ25として説明す
るとともに、ばね下加速度センサ26a,26b,26
c,26dを単にばね下加速度センサ26として説明す
る。また、ばね上加速度センサ21a,21b,21
c,21d及び相対変位量センサ22a,22b,22
c,22dに関しても、単にばね上加速度センサ21及
び相対変位量センサ22としてそれぞれ説明する。
破線で示すように、ばね上加速度センサ21a,21
b,21c,21d、相対変位量センサ22a,22
b,22c,22d、ピッチ角速度センサ23及びロー
ル角速度センサ24に加えて、各輪FW1,FW2,R
W1,RW2毎に設けたタイヤ変位量センサ25a,2
5b,25c,25d及びばね下加速度センサ26a,
26b,26c,26dが接続されている。ただし、以
降の説明では、各輪FW1,FW2,RW1,RW2を
代表して一輪のみの第1目標減衰力Fdを計算する例を
示すので、タイヤ変位量センサ25a,25b,25
c,25dを単にタイヤ変位量センサ25として説明す
るとともに、ばね下加速度センサ26a,26b,26
c,26dを単にばね下加速度センサ26として説明す
る。また、ばね上加速度センサ21a,21b,21
c,21d及び相対変位量センサ22a,22b,22
c,22dに関しても、単にばね上加速度センサ21及
び相対変位量センサ22としてそれぞれ説明する。
【0145】タイヤ変位量センサ25は、路面変位xpr
とばね下変位xpwとの相対変位量であるタイヤTRの変
位量xpr−xpwを検出するもので、例えばタイヤの変形
度を検出する歪センサ、タイヤの空気圧を検出する圧力
センサなどの出力に基づいて前記タイヤ変位量xpr−x
pwを検出する。ばね下加速度センサ26は、車輪WHに
固定され、車輪WHの上下方向の加速度であるばね下加
速度xpw''を検出する。また、電気制御装置20内のマ
イクロコンピュータは、内蔵のタイマにより所定の短時
間毎に図15の第1減衰力計算ルーチンを実行すること
により、第1目標減衰力Fdを計算する。
とばね下変位xpwとの相対変位量であるタイヤTRの変
位量xpr−xpwを検出するもので、例えばタイヤの変形
度を検出する歪センサ、タイヤの空気圧を検出する圧力
センサなどの出力に基づいて前記タイヤ変位量xpr−x
pwを検出する。ばね下加速度センサ26は、車輪WHに
固定され、車輪WHの上下方向の加速度であるばね下加
速度xpw''を検出する。また、電気制御装置20内のマ
イクロコンピュータは、内蔵のタイマにより所定の短時
間毎に図15の第1減衰力計算ルーチンを実行すること
により、第1目標減衰力Fdを計算する。
【0146】この第1減衰力計算ルーチンの実行はステ
ップ200にて開始され、ステップ202にて、タイヤ
変位量センサ25、相対変位量センサ22、ばね上加速
度センサ21及びばね下加速度センサ26から、タイヤ
変位量xpr−xpw、相対変位量xpw−xpb、ばね上加速
度xpb''及びばね下加速度xpw''を表す各検出信号を入
力する。そして、ステップ204にて、ばね上加速度x
pb''及びばね下加速度xpw''をそれぞれ時間積分するこ
とによりばね上速度xpb'及びばね下速度xpw'を計算す
るとともに、相対変位量xpw−xpbを時間微分すること
により相対速度xpw'−xpb'を計算する。
ップ200にて開始され、ステップ202にて、タイヤ
変位量センサ25、相対変位量センサ22、ばね上加速
度センサ21及びばね下加速度センサ26から、タイヤ
変位量xpr−xpw、相対変位量xpw−xpb、ばね上加速
度xpb''及びばね下加速度xpw''を表す各検出信号を入
力する。そして、ステップ204にて、ばね上加速度x
pb''及びばね下加速度xpw''をそれぞれ時間積分するこ
とによりばね上速度xpb'及びばね下速度xpw'を計算す
るとともに、相対変位量xpw−xpbを時間微分すること
により相対速度xpw'−xpb'を計算する。
【0147】次に、ステップ206にて、相対速度
xpw'−xpb'を用いた上記数32,38と同じ下記数8
2,83の演算によりBp2(xp),Dp12(xp)を計算す
るとともに、これらのBp2(xp),Dp12(xp)を用いた
上記数55と同じ下記数84の演算によりB2(x)を計
算する。
xpw'−xpb'を用いた上記数32,38と同じ下記数8
2,83の演算によりBp2(xp),Dp12(xp)を計算す
るとともに、これらのBp2(xp),Dp12(xp)を用いた
上記数55と同じ下記数84の演算によりB2(x)を計
算する。
【0148】
【数82】
【0149】
【数83】
【0150】
【数84】
【0151】なお、前記数82,83中のMw,Mbは、
それぞれ車輪WHの質量及び車体BDの質量である。ま
た、前記数84中のBw,Buは、上記数45,47にて
設定した周波数重みWs(s),Wu(s)に関する係数行列
であって、予めマイクロコンピュータ内に記憶されてい
る定数行列である。
それぞれ車輪WHの質量及び車体BDの質量である。ま
た、前記数84中のBw,Buは、上記数45,47にて
設定した周波数重みWs(s),Wu(s)に関する係数行列
であって、予めマイクロコンピュータ内に記憶されてい
る定数行列である。
【0152】前記ステップ206の処理後、ステップ2
08にて、ステップ202の処理により入力され又はス
テップ204の処理により計算されたこの変形例の制御
目標であり、上記数35により規定される評価出力zp
(ばね上速度xpb'、ばね上加速度xpb''及び相対速度
xpw'−xpb')を用いて、上記数45と同じ下記数85
の演算式に基づいて周波数重みの状態変数xwを計算す
る。
08にて、ステップ202の処理により入力され又はス
テップ204の処理により計算されたこの変形例の制御
目標であり、上記数35により規定される評価出力zp
(ばね上速度xpb'、ばね上加速度xpb''及び相対速度
xpw'−xpb')を用いて、上記数45と同じ下記数85
の演算式に基づいて周波数重みの状態変数xwを計算す
る。
【0153】
【数85】xw'=Awxw+Bwzp なお、前記数85中のAw,Bwは、上記数45にて設定
した周波数重みWs(s)に関する係数行列であって、予
めマイクロコンピュータ内に記憶されている定数行列で
ある。
した周波数重みWs(s)に関する係数行列であって、予
めマイクロコンピュータ内に記憶されている定数行列で
ある。
【0154】次に、ステップ210にて、上記数47,
52,69と同じ数86〜88を用いて、制御入力uに
関する周波数重みの状態変数xu、拡張した状態量x及
び制御入力uを計算する。
52,69と同じ数86〜88を用いて、制御入力uに
関する周波数重みの状態変数xu、拡張した状態量x及
び制御入力uを計算する。
【0155】
【数86】xu'=Auxu+Buu
【0156】
【数87】
【0157】
【数88】
【0158】前記数86中のAu,Buは、上記数47に
て設定した周波数重みWu(s)に関する係数行列であっ
て、予めマイクロコンピュータ内に記憶されている定数
行列である。また、前記88中のD122は、上記数59
で定義され、かつ上記数48にて設定した周波数重みW
u(s)に関する係数行列であって、予めマイクロコンピ
ュータ内に記憶されている定数行列である。m1(x)
は、任意の正定数関数であり、同関数に関するアルゴリ
ズムが予めマイクロコンピュータ内に記憶されているも
のである。なお、この正定数関数m1(x)を正の定数、
例えば「1.0」に設定しておいてもよい。C11は、上
記数37,56により定義され、すなわち車体の質量M
w及び車体の質量Mbと、ばね11のばね定数Ksと、ダ
ンパ12の線形減衰係数Cs0と、上記数46にて設定し
た周波数重みWs(s)に関する係数行列Cw,Dwとによ
り規定され、予めマイクロコンピュータ内に記憶されて
いる定数行列である。B2(x)は、前記ステップ206
にて計算された行列である。Pは、上記数64,65を
満たす正定対称解であり、予めマイクロコンピュータ内
に記憶されている定数行列である。C12は、上記数58
により規定され、上記数48にて設定した周波数重みW
u(s)に関する係数行列Cuを含む予めマイクロコンピュ
ータ内に記憶されている定数行列である。
て設定した周波数重みWu(s)に関する係数行列であっ
て、予めマイクロコンピュータ内に記憶されている定数
行列である。また、前記88中のD122は、上記数59
で定義され、かつ上記数48にて設定した周波数重みW
u(s)に関する係数行列であって、予めマイクロコンピ
ュータ内に記憶されている定数行列である。m1(x)
は、任意の正定数関数であり、同関数に関するアルゴリ
ズムが予めマイクロコンピュータ内に記憶されているも
のである。なお、この正定数関数m1(x)を正の定数、
例えば「1.0」に設定しておいてもよい。C11は、上
記数37,56により定義され、すなわち車体の質量M
w及び車体の質量Mbと、ばね11のばね定数Ksと、ダ
ンパ12の線形減衰係数Cs0と、上記数46にて設定し
た周波数重みWs(s)に関する係数行列Cw,Dwとによ
り規定され、予めマイクロコンピュータ内に記憶されて
いる定数行列である。B2(x)は、前記ステップ206
にて計算された行列である。Pは、上記数64,65を
満たす正定対称解であり、予めマイクロコンピュータ内
に記憶されている定数行列である。C12は、上記数58
により規定され、上記数48にて設定した周波数重みW
u(s)に関する係数行列Cuを含む予めマイクロコンピュ
ータ内に記憶されている定数行列である。
【0159】また、このステップ210の制御入力uの
周波数重みに関する状態変数xu、拡張した状態量x及
び制御入力uの計算においては、各値に初期値を与え
て、各値xu,x,uが収束するまで上記数85〜88
からなる演算を繰り返し行って、各値xu,x,uを決
定する。
周波数重みに関する状態変数xu、拡張した状態量x及
び制御入力uの計算においては、各値に初期値を与え
て、各値xu,x,uが収束するまで上記数85〜88
からなる演算を繰り返し行って、各値xu,x,uを決
定する。
【0160】前記ステップ210の処理後、ステップ2
12にて、制御入力uは非線形減衰係数Cvに等しいの
で、線形減衰係数Cs0と制御入力uとを加算する下記数
89の演算によりダンパ12の総合的な目標減衰係数C
sを計算する。そして、ステップ216にてこの第1減
衰力計算ルーチンの実行を終了する。
12にて、制御入力uは非線形減衰係数Cvに等しいの
で、線形減衰係数Cs0と制御入力uとを加算する下記数
89の演算によりダンパ12の総合的な目標減衰係数C
sを計算する。そして、ステップ216にてこの第1減
衰力計算ルーチンの実行を終了する。
【0161】
【数89】Cs=Cs0+Cv=Cs0+u 次に、ステップ214にて、前記計算した目標減衰係数
Cに前記ステップ204の処理により計算した相対速度
xpw'−xpb'を乗算する下記数90の演算により第1目
標減衰力Fdを計算する。
Cに前記ステップ204の処理により計算した相対速度
xpw'−xpb'を乗算する下記数90の演算により第1目
標減衰力Fdを計算する。
【0162】
【数90】Fd=Cs(xpw'−xpb') c.第2変形例 c1.非線形H∞出力フィードバック制御系の設計例 次に、上記非線形H∞状態フィードバック制御系の設計
を一歩進めて、状態量xp(タイヤ変位量xpr−xpw、
相対変位量xpw−xpb、ばね下速度xpw'、ばね上加速
度xpb'')の一部(例えば、タイヤ変位量xpr−xpw及
びばね下速度xpw'、又はタイヤ変位量xpr−xpw、相
対変位量xpw−xpb及びばね下速度xpw')を制御系内
に含んだ形のオブザーバで推定し、同推定値を用いて制
御系として非線形H∞出力フィードバック制御系の設計
を試みる。この場合、評価出力zpと制御入力uに周波
数重みを加えた図16に示すような出力フィードバック
制御系の一般化プラントを想定する。この場合、評価出
力zpに周波数重みWs(s)をかけた後、非線形な重み関
数としてa1(x,x^)をかけるとともに、制御入力uに
周波数重みWu(s)をかけた後、非線形な重み関数とし
てa2(x,x^)をかける。この非線形な重み関数a1(x,
x^),a2(x,x^)は、下記数91,92に示す特性を
有する。これにより、より積極的にL2ゲインを抑える
ような制御系の設計が可能となる。なお、x^は前記の
ように一部に推定値を含む状態量を表す。
を一歩進めて、状態量xp(タイヤ変位量xpr−xpw、
相対変位量xpw−xpb、ばね下速度xpw'、ばね上加速
度xpb'')の一部(例えば、タイヤ変位量xpr−xpw及
びばね下速度xpw'、又はタイヤ変位量xpr−xpw、相
対変位量xpw−xpb及びばね下速度xpw')を制御系内
に含んだ形のオブザーバで推定し、同推定値を用いて制
御系として非線形H∞出力フィードバック制御系の設計
を試みる。この場合、評価出力zpと制御入力uに周波
数重みを加えた図16に示すような出力フィードバック
制御系の一般化プラントを想定する。この場合、評価出
力zpに周波数重みWs(s)をかけた後、非線形な重み関
数としてa1(x,x^)をかけるとともに、制御入力uに
周波数重みWu(s)をかけた後、非線形な重み関数とし
てa2(x,x^)をかける。この非線形な重み関数a1(x,
x^),a2(x,x^)は、下記数91,92に示す特性を
有する。これにより、より積極的にL2ゲインを抑える
ような制御系の設計が可能となる。なお、x^は前記の
ように一部に推定値を含む状態量を表す。
【0163】
【数91】a1(x,x^)>0,a2(x,x^)>0
【0164】
【数92】a1(o,o)=a2(o,o)=1 このシステムの状態空間表現も、評価出力zpにかかる
周波数重みWs(s)の状態空間表現も、制御入力uにか
かる周波数重みWu(s)の状態空間表現も、上述した状
態フィードバック制御系の場合と同様に、下記数93〜
97のように表される。
周波数重みWs(s)の状態空間表現も、制御入力uにか
かる周波数重みWu(s)の状態空間表現も、上述した状
態フィードバック制御系の場合と同様に、下記数93〜
97のように表される。
【0165】
【数93】xp'=Apxp+Bp1w1+Bp2(xp)u
【0166】
【数94】xw'=Awxw+Bwzp
【0167】
【数95】zw=Cwxw+Dwzp
【0168】
【数96】xu'=Auxu+Buu
【0169】
【数97】zu=Cuxu+Duu なお、状態変数xw、評価関数zw、定数行列Aw,Bw,
Cw,Dwも上記状態フィードバック制御系の場合と同じ
である。
Cw,Dwも上記状態フィードバック制御系の場合と同じ
である。
【0170】しかし、この非線形H∞出力フィードバッ
ク制御系における一般化プラントの状態空間表現は下記
数98〜101のようになる。
ク制御系における一般化プラントの状態空間表現は下記
数98〜101のようになる。
【0171】
【数98】x'=Ax+B1w+B2(x)u
【0172】
【数99】z1=a1(x,x^)(C11x+D121(x)u)
【0173】
【数100】z2=a2(x,x^)(C12x+D122u)
【0174】
【数101】y=C2x+D21w+D22(x)u ただし、前記数98〜101中のx,w,A,B1,B2
(x),C11,D121(x),C12,D122,C2,D21,D
22(x)は、下記数102〜113のとおりである。
(x),C11,D121(x),C12,D122,C2,D21,D
22(x)は、下記数102〜113のとおりである。
【0175】
【数102】
【0176】
【数103】
【0177】
【数104】
【0178】
【数105】
【0179】
【数106】
【0180】
【数107】C11=[DwCp1 Cw o]
【0181】
【数108】D121(x)=[DwDp12(xp)]
【0182】
【数109】C12=[o o Cu ]
【0183】
【数110】D122=Du
【0184】
【数111】C2=[Cp2 o o]
【0185】
【数112】D21=[o Dp21]
【0186】
【数113】D22(x)=Dp22(xp) 次に、リカッチ方程式に基づいて解を求めるために、下
記数114により規定される条件のもとで、前記数98
〜101により表された一般化プラントの状態空間表現
を書き換えると下記数115〜118のようになる。
記数114により規定される条件のもとで、前記数98
〜101により表された一般化プラントの状態空間表現
を書き換えると下記数115〜118のようになる。
【0187】
【数114】DwDp12(x)=o
【0188】
【数115】x'=Ax+B1w+B2(x)u
【0189】
【数116】z1=a1(x,x^)C11x
【0190】
【数117】z2=a2(x,x^)C12x+a2(x,x^)
D122u
D122u
【0191】
【数118】y=C2x+D21w+D22(x)u ここで、上記状態フィードバック制御系の場合と同様
に、前記一般化プラントに対して、「閉ループシステ
ムが内部指数安定」、かつ「wからzまでのL 2ゲイ
ンがある正定数γ以下である」を満たす非線形H∞出力
フィードバック制御則u=k(y)を設計することを試み
る。さらに、この非線形H∞出力フィードバック制御に
おいては、下記第1〜第3タイプに分けてそれぞれ説明
する。
に、前記一般化プラントに対して、「閉ループシステ
ムが内部指数安定」、かつ「wからzまでのL 2ゲイ
ンがある正定数γ以下である」を満たす非線形H∞出力
フィードバック制御則u=k(y)を設計することを試み
る。さらに、この非線形H∞出力フィードバック制御に
おいては、下記第1〜第3タイプに分けてそれぞれ説明
する。
【0192】c1−1)第1タイプの制御系の設計例 この第1タイプは、上記数106のB2(x)及び数11
3のD22(x)が既知関数すなわち少なくとも相対速度x
pw'−xpb'が観測可能であり、オブザーバゲインLは定
数行列である場合である。
3のD22(x)が既知関数すなわち少なくとも相対速度x
pw'−xpb'が観測可能であり、オブザーバゲインLは定
数行列である場合である。
【0193】前記非線形H∞出力フィードバック制御則
u=k(y)は、次の条件が成立するならば求まる。すな
わち、 D122 -1が存在し、γ1はγ1 2I−D21 TΘTΘD12>o
を満たす正定数であり、かつγ2は>1であり、下記数
119のオブザーバ(オブザーバゲイン)を設計するた
めのリカッチ不等式、及び下記数120のコントローラ
(制御器)を設計するためのリカッチ不等式を満たす正
定対称行列P,Q及び正定行列Θが存在し、さらに 非線形重みa1(x,x^),a2(x,x^)が下記数12
1,122の制約条件を満たすならば、下記数123と
する制御則の一つは下記数124,125で与えられ
る。
u=k(y)は、次の条件が成立するならば求まる。すな
わち、 D122 -1が存在し、γ1はγ1 2I−D21 TΘTΘD12>o
を満たす正定数であり、かつγ2は>1であり、下記数
119のオブザーバ(オブザーバゲイン)を設計するた
めのリカッチ不等式、及び下記数120のコントローラ
(制御器)を設計するためのリカッチ不等式を満たす正
定対称行列P,Q及び正定行列Θが存在し、さらに 非線形重みa1(x,x^),a2(x,x^)が下記数12
1,122の制約条件を満たすならば、下記数123と
する制御則の一つは下記数124,125で与えられ
る。
【0194】
【数119】
【0195】
【数120】
【0196】
【数121】γ2 2−a1(x,x^)2>0,γ2 2−a
2(x,x^)2>0
2(x,x^)2>0
【0197】
【数122】
【0198】
【数123】
【0199】
【数124】x'^=(A+LC2)x^+(B2(x)+LD22
(x))u−Ly
(x))u−Ly
【0200】
【数125】
【0201】ただし、オブザーバゲインLは下記数12
6のように表される。
6のように表される。
【0202】
【数126】L=−QC2 TΘTΘ また、「‖ ‖」はユークリッド・ノルムを表し、「‖
‖2」は2乗可積分関数空間L2上のノルムを表してい
て、f(t)∈L2に対して、下記数127で定義される
ものである。
‖2」は2乗可積分関数空間L2上のノルムを表してい
て、f(t)∈L2に対して、下記数127で定義される
ものである。
【0203】
【数127】
【0204】また、ΘはΘ-1が存在する正定行列であ
り、このΘを用いてオブザーバゲインLを調整すること
が可能である。また、上記状態フィードバック制御則の
場合と同様に、コントローラのゲインLはD122を用い
て調整することが可能である。さらに、γ1はオブザー
バのL2ゲインであり、γ2はコントローラのL2ゲイン
であり、閉ループシステムのL2ゲインはγ1とγ2の積
として決まる。したがって、オブザーバとコントローラ
をうまく調整してシステムのL2ゲインを決定しなけれ
ばならない。
り、このΘを用いてオブザーバゲインLを調整すること
が可能である。また、上記状態フィードバック制御則の
場合と同様に、コントローラのゲインLはD122を用い
て調整することが可能である。さらに、γ1はオブザー
バのL2ゲインであり、γ2はコントローラのL2ゲイン
であり、閉ループシステムのL2ゲインはγ1とγ2の積
として決まる。したがって、オブザーバとコントローラ
をうまく調整してシステムのL2ゲインを決定しなけれ
ばならない。
【0205】ここで、前記数121,122の制約条件
を満たす非線形重みa1(x,x^),a2(x,x^)を下記数
128,129に例示しておく。
を満たす非線形重みa1(x,x^),a2(x,x^)を下記数
128,129に例示しておく。
【0206】
【数128】
【0207】
【数129】
【0208】なお、前記数128,129中のm1(x,
x^)は任意の正定関数であり、εはε<1かつεγ2 2>
1である正定数である。そして、コンピュータによる演
算の結果、前記のような正定対称解Pを求めることがで
きた。そして、前記数128,129を用いると前記数
124,125は下記数130,131のように変形さ
れる。
x^)は任意の正定関数であり、εはε<1かつεγ2 2>
1である正定数である。そして、コンピュータによる演
算の結果、前記のような正定対称解Pを求めることがで
きた。そして、前記数128,129を用いると前記数
124,125は下記数130,131のように変形さ
れる。
【0209】
【数130】x'^=(A+LC2)x^+(B2(x)+LD22
(x))u−Ly
(x))u−Ly
【0210】
【数131】
【0211】その結果、この場合も、上記状態フィード
バック制御系の場合と同様にして、公知のソフトウェア
を用いることにより簡単に解を求めることができるの
で、この方法によれば、簡単に正定対称解Pを見つける
ことができるとともに、推定状態量x'^及び制御則u=
k(y)も導出することができる。
バック制御系の場合と同様にして、公知のソフトウェア
を用いることにより簡単に解を求めることができるの
で、この方法によれば、簡単に正定対称解Pを見つける
ことができるとともに、推定状態量x'^及び制御則u=
k(y)も導出することができる。
【0212】c1−2)第1タイプの具体的計算例 次に、前記タイプ1の制御則を用いた第1目標減衰力F
dの具体的計算例について説明する。この場合、タイヤ
変位量センサ25及びばね下加速度センサ26(図1に
おいて、タイヤ変位量センサ25a,25b,25c,
25d及びばね下加速度センサ26a,26b,26
c,26d)が省略されており、マイクロコンピュータ
は図15の第1減衰力計算ルーチンに代えて図17の第
1減衰力計算ルーチンを実行する。他の部分に関しては
上記第1変形例と同じである。
dの具体的計算例について説明する。この場合、タイヤ
変位量センサ25及びばね下加速度センサ26(図1に
おいて、タイヤ変位量センサ25a,25b,25c,
25d及びばね下加速度センサ26a,26b,26
c,26d)が省略されており、マイクロコンピュータ
は図15の第1減衰力計算ルーチンに代えて図17の第
1減衰力計算ルーチンを実行する。他の部分に関しては
上記第1変形例と同じである。
【0213】この場合も、図17の第1減衰力計算ルー
チンの実行はステップ200にて開始され、ステップ2
02aにて、相対変位量センサ22及びばね上加速度セ
ンサ21から相対変位量xpw−xpb及びばね上加速度x
pb''を表す各検出信号を入力し、ステップ204aにて
上記第1変形例の場合と同様に相対速度xpw'−xpb'及
びばね上速度xpb'を計算する。
チンの実行はステップ200にて開始され、ステップ2
02aにて、相対変位量センサ22及びばね上加速度セ
ンサ21から相対変位量xpw−xpb及びばね上加速度x
pb''を表す各検出信号を入力し、ステップ204aにて
上記第1変形例の場合と同様に相対速度xpw'−xpb'及
びばね上速度xpb'を計算する。
【0214】次に、ステップ206aにて、相対速度x
pw'−xpb'を用いた上記数32,38と同じ下記数13
2,133の演算によりBp2(xp),Dp12(xp)を計算
するとともに、これらのBp2(xp),Dp12(xp)を用い
た上記数106と同じ下記数134の演算によりB
2(x)を計算し、かつ相対速度xpw'−xpb'を用いた上
記数41,113と同じ下記数135,136の演算に
よりD22(x)を計算する。
pw'−xpb'を用いた上記数32,38と同じ下記数13
2,133の演算によりBp2(xp),Dp12(xp)を計算
するとともに、これらのBp2(xp),Dp12(xp)を用い
た上記数106と同じ下記数134の演算によりB
2(x)を計算し、かつ相対速度xpw'−xpb'を用いた上
記数41,113と同じ下記数135,136の演算に
よりD22(x)を計算する。
【0215】
【数132】
【0216】
【数133】
【0217】
【数134】
【0218】
【数135】
【0219】
【数136】D22(x)=Dp22(xp) なお、前記数132〜135中のMw,Mb,Bw,B
uは、上記第1変形例と同じ値又は定数行列である。
uは、上記第1変形例と同じ値又は定数行列である。
【0220】前記ステップ206aの処理後、ステップ
210aにて、上記数130,131と同じ数137,
138を用い、上記第1変形例の場合と同様にして推定
状態量x^及び制御入力uを計算する。
210aにて、上記数130,131と同じ数137,
138を用い、上記第1変形例の場合と同様にして推定
状態量x^及び制御入力uを計算する。
【0221】
【数137】x'^=(A+LC2)x^+(B2(x)+LD22
(x))u−Ly
(x))u−Ly
【0222】
【数138】
【0223】前記数137中のAは、マイクロコンピュ
ータ内に予め記憶されていて前記数104,30,37
により決定される定数行列である。Lは、マイクロコン
ピュータ内に予め記憶されていて前記数126により定
義された定数行列であって、正定対称行列Q、前記数3
9,111により定まる定数行列C2、及び正定行列Θ
により決まるオブザーバのゲインである。C2も、マイ
クロコンピュータ内に予め記憶されている前記定数行列
である。B2(x)及びD22(x)は前記ステップ206a
にて計算した行列である。また、yは観測値であって、
この第1タイプでは前記ステップ202aの処理により
入力した相対変位量xpw−xpb及び前記ステップ204
aの処理により計算したばね上速度xpb'である。
ータ内に予め記憶されていて前記数104,30,37
により決定される定数行列である。Lは、マイクロコン
ピュータ内に予め記憶されていて前記数126により定
義された定数行列であって、正定対称行列Q、前記数3
9,111により定まる定数行列C2、及び正定行列Θ
により決まるオブザーバのゲインである。C2も、マイ
クロコンピュータ内に予め記憶されている前記定数行列
である。B2(x)及びD22(x)は前記ステップ206a
にて計算した行列である。また、yは観測値であって、
この第1タイプでは前記ステップ202aの処理により
入力した相対変位量xpw−xpb及び前記ステップ204
aの処理により計算したばね上速度xpb'である。
【0224】また、前記数138中のD122は、上記数
110で定義され、かつ上記数48にて設定した周波数
重みWu(s)に関する係数行列であって、予めマイクロ
コンピュータ内に記憶されている定数行列である。γ2
は、前述したγ2>1なる正定数である。m1(x,x^)
は、任意の正定数関数であり、同関数に関するアルゴリ
ズムが予めマイクロコンピュータ内に記憶されているも
のである。なお、この正定数関数m1(x)を正の定数、
例えば「1.0」に設定しておいてもよい。C11は、上
記数37,107により定義され、すなわち車輪WHの
質量Mw及び車体BDの質量Mbと、ばね11のばね定数
Ksと、ダンパ12の線形減衰係数Cs0と、上記数46
にて設定した周波数重みWs(s)に関する係数行列Cw,
Dwとにより規定され、予めマイクロコンピュータ内に
記憶されている定数行列である。B 2(x)は、前記ステ
ップ206aにて計算された行列である。Pは、上記数
119,120を満たす正定対称解であり、予めマイク
ロコンピュータ内に記憶されている定数行列である。C
12は、上記数109により規定され、上記数48にて設
定した周波数重みWu(s)に関する係数行列Cuを含む予
めマイクロコンピュータ内に記憶されている定数行列で
ある。
110で定義され、かつ上記数48にて設定した周波数
重みWu(s)に関する係数行列であって、予めマイクロ
コンピュータ内に記憶されている定数行列である。γ2
は、前述したγ2>1なる正定数である。m1(x,x^)
は、任意の正定数関数であり、同関数に関するアルゴリ
ズムが予めマイクロコンピュータ内に記憶されているも
のである。なお、この正定数関数m1(x)を正の定数、
例えば「1.0」に設定しておいてもよい。C11は、上
記数37,107により定義され、すなわち車輪WHの
質量Mw及び車体BDの質量Mbと、ばね11のばね定数
Ksと、ダンパ12の線形減衰係数Cs0と、上記数46
にて設定した周波数重みWs(s)に関する係数行列Cw,
Dwとにより規定され、予めマイクロコンピュータ内に
記憶されている定数行列である。B 2(x)は、前記ステ
ップ206aにて計算された行列である。Pは、上記数
119,120を満たす正定対称解であり、予めマイク
ロコンピュータ内に記憶されている定数行列である。C
12は、上記数109により規定され、上記数48にて設
定した周波数重みWu(s)に関する係数行列Cuを含む予
めマイクロコンピュータ内に記憶されている定数行列で
ある。
【0225】前記ステップ210aの処理後、上記第1
変形例と同様なステップ212、214の処理により、
ダンパ12の総合的な目標減衰係数Csを計算するとと
もに第1目標減衰力Fdを計算して、ステップ216に
てこの第1減衰力計算ルーチンの実行を終了する。
変形例と同様なステップ212、214の処理により、
ダンパ12の総合的な目標減衰係数Csを計算するとと
もに第1目標減衰力Fdを計算して、ステップ216に
てこの第1減衰力計算ルーチンの実行を終了する。
【0226】c2−1)第2タイプの制御系の設計例 この第2タイプは、上記数106のB2(x)及び数11
3のD22(x)が未知関数すなわち相対速度xpw'−xpb'
が未知であり、オブザーバゲインLは定数行列である場
合である。
3のD22(x)が未知関数すなわち相対速度xpw'−xpb'
が未知であり、オブザーバゲインLは定数行列である場
合である。
【0227】この種の双線形システムではB2(x),D
22(x)はxの1次関数であり、これを考慮して前記数1
15〜118により表された一般化プラントを書き換え
ると、下記数139〜142のようになる。ただし、B
20,D220,d122は定数行列である。
22(x)はxの1次関数であり、これを考慮して前記数1
15〜118により表された一般化プラントを書き換え
ると、下記数139〜142のようになる。ただし、B
20,D220,d122は定数行列である。
【0228】
【数139】x'=Ax+B1w+B20xu
【0229】
【数140】z1=a1(x^)C11x
【0230】
【数141】z2=a2(x^)C12x+a2(x)d122u
【0231】
【数142】y=C2x+D21w+D220xu この一般化プラントに対して、非線形H∞出力フィード
バック制御則を設計することを試みる。オブザーバゲイ
ンLを定数行列とする場合、次の定理により出力フィー
ドバック制御則が設計できる。すなわち、 γ1はγ1 2I−D21 TΘTΘD12>oを満たす正定数で
あり、かつγ2はγ2>1である正定数であり、かつε1 2
−u2>0を満たす正定数εが存在するとき、下記数1
43のオブザーバ(オブザーバゲイン)を設計するため
のリカッチ不等式、及び下記数144のコントローラを
設計するためのリカッチ不等式を満たす正定対称行列
P,Q及び正定行列Θが存在し、さらに 非線形重みa1(x,x^),a2(x,x^)が下記数14
5,146の制約条件を満たすならば、下記数147と
する制御則の一つは下記数148,149で与えられ
る。
バック制御則を設計することを試みる。オブザーバゲイ
ンLを定数行列とする場合、次の定理により出力フィー
ドバック制御則が設計できる。すなわち、 γ1はγ1 2I−D21 TΘTΘD12>oを満たす正定数で
あり、かつγ2はγ2>1である正定数であり、かつε1 2
−u2>0を満たす正定数εが存在するとき、下記数1
43のオブザーバ(オブザーバゲイン)を設計するため
のリカッチ不等式、及び下記数144のコントローラを
設計するためのリカッチ不等式を満たす正定対称行列
P,Q及び正定行列Θが存在し、さらに 非線形重みa1(x,x^),a2(x,x^)が下記数14
5,146の制約条件を満たすならば、下記数147と
する制御則の一つは下記数148,149で与えられ
る。
【0232】
【数143】
【0233】
【数144】
【0234】
【数145】γ2 2−a1(x,x^)2>0,γ2 2−a
2(x,x^)2>0
2(x,x^)2>0
【0235】
【数146】
【0236】
【数147】‖[z1 T z2 T]T‖2≦γ1γ2‖w‖2
【0237】
【数148】x'^=(A+L(u)C2)x^+(B20+L
(u)D220)x^u−L(u)y
(u)D220)x^u−L(u)y
【0238】
【数149】
【0239】ただし、オブザーバゲインL(u)は下記数
150のように表される。
150のように表される。
【0240】
【数150】L(u)=−QC2 TΘTΘ また、ΘはΘ-1が存在する正定行列であり、このΘを用
いてオブザーバゲインL(u)を調整することが可能であ
る。また、上記状態フィードバック制御則の場合と同様
に、コントローラのゲインLはd122を用いて調整する
ことが可能である。
いてオブザーバゲインL(u)を調整することが可能であ
る。また、上記状態フィードバック制御則の場合と同様
に、コントローラのゲインLはd122を用いて調整する
ことが可能である。
【0241】ここで、前記数145,146の制約条件
を満たす非線形重みa1(x,x^),a2(x,x^)を下記数
151,152に例示しておく。
を満たす非線形重みa1(x,x^),a2(x,x^)を下記数
151,152に例示しておく。
【0242】
【数151】
【0243】
【数152】
【0244】なお、前記数151,152中のm1(x,
x^)は任意の正定関数であり、εはε<1かつεγ2 2>
1である正定数である。そして、コンピュータによる演
算の結果、前記のような正定対称解Pが求めることがで
きた。そして、前記数151,152を用いると前記数
148,149は下記数153,154のように変形さ
れる。
x^)は任意の正定関数であり、εはε<1かつεγ2 2>
1である正定数である。そして、コンピュータによる演
算の結果、前記のような正定対称解Pが求めることがで
きた。そして、前記数151,152を用いると前記数
148,149は下記数153,154のように変形さ
れる。
【0245】
【数153】x'^=(A+L(u)C2)x^+(B20+L
(u)D220)x^u−L(u)y
(u)D220)x^u−L(u)y
【0246】
【数154】
【0247】その結果、この場合も、上記状態フィード
バック制御系の場合と同様にして、公知のソフトウェア
を用いることにより簡単に解を求めることができるの
で、この方法によれば、簡単に正定対称解Pを見つける
ことができるとともに、推定状態量x'^及び制御則u=
k(y)も導出することができる。
バック制御系の場合と同様にして、公知のソフトウェア
を用いることにより簡単に解を求めることができるの
で、この方法によれば、簡単に正定対称解Pを見つける
ことができるとともに、推定状態量x'^及び制御則u=
k(y)も導出することができる。
【0248】c2−2)第2タイプの具体的計算例 次に、この第2タイプの制御則を用いた第1目標減衰力
Fdの計算例について説明する。この場合、上記第1タ
イプの場合の図6の相対変位量センサ22(図1の相対
変位量センサ22a,22b,22c,22d)を省略
するとともに、図17のステップ202a,204aに
よる相対変位量センサ22からの相対変位量xpw−xpb
の入力及び相対速度xpw'−xpb'の計算、並びにステッ
プ206aの演算処理を省略して、前記第2タイプの制
御則にしたがった演算を実行するものである。
Fdの計算例について説明する。この場合、上記第1タ
イプの場合の図6の相対変位量センサ22(図1の相対
変位量センサ22a,22b,22c,22d)を省略
するとともに、図17のステップ202a,204aに
よる相対変位量センサ22からの相対変位量xpw−xpb
の入力及び相対速度xpw'−xpb'の計算、並びにステッ
プ206aの演算処理を省略して、前記第2タイプの制
御則にしたがった演算を実行するものである。
【0249】この場合も、第1減衰力計算ルーチンは図
17のステップ200にて開始され、ステップ202a
にてばね上加速度xpb''を入力し、ステップ204aに
てばね上速度xpb'を計算し、ステップ210aにて上
記数153,154と同じ数155,156を用い、相
対速度xpw'−xpb'の推定を含む推定状態量x'^及び制
御入力uを計算する。
17のステップ200にて開始され、ステップ202a
にてばね上加速度xpb''を入力し、ステップ204aに
てばね上速度xpb'を計算し、ステップ210aにて上
記数153,154と同じ数155,156を用い、相
対速度xpw'−xpb'の推定を含む推定状態量x'^及び制
御入力uを計算する。
【0250】
【数155】x'^=(A+L(u)C2)x^+(B20+L
(u)D220)x^u−L(u)y
(u)D220)x^u−L(u)y
【0251】
【数156】
【0252】前記数155,156中のA,L,C2,
γ2,m1(x,x^),C11,P,C12に関しては前記第
1タイプの場合と同じである。また、B20,D220,d
122は、マイクロコンピュータ内に予め記憶されていて
前述した適当な定数行列である。また、この場合、yは
観測値であって前記ステップ204aの処理により計算
したばね上速度xpb'である。
γ2,m1(x,x^),C11,P,C12に関しては前記第
1タイプの場合と同じである。また、B20,D220,d
122は、マイクロコンピュータ内に予め記憶されていて
前述した適当な定数行列である。また、この場合、yは
観測値であって前記ステップ204aの処理により計算
したばね上速度xpb'である。
【0253】前記ステップ210aの処理後、上記第1
タイプと同様なステップ212,214の処理により、
ダンパ12の総合的な目標減衰係数Csを計算するとと
もに第1目標減衰力Fdを計算する。ただし、この場
合、ステップ214の第1目標減衰力Fdの計算では、
ステップ210aにて計算した推定相対速度xpw'^−x
p b'^を利用する。 c3−1)第3タイプの制御系の設計例 この第3タイプも、上記数106のB2(x)及び数11
3のD22(x)が未知関数すなわち相対速度xpw'−xpb'
が未知であり、オブザーバゲインLは関数行列である場
合である。
タイプと同様なステップ212,214の処理により、
ダンパ12の総合的な目標減衰係数Csを計算するとと
もに第1目標減衰力Fdを計算する。ただし、この場
合、ステップ214の第1目標減衰力Fdの計算では、
ステップ210aにて計算した推定相対速度xpw'^−x
p b'^を利用する。 c3−1)第3タイプの制御系の設計例 この第3タイプも、上記数106のB2(x)及び数11
3のD22(x)が未知関数すなわち相対速度xpw'−xpb'
が未知であり、オブザーバゲインLは関数行列である場
合である。
【0254】この第3タイプにおいても、上記第2タイ
プの数139〜142により表された一般化プラントに
対して、非線形H∞出力フィードバック制御則を設計す
ることを試みる。オブザーバゲインLを制御入力uの関
数とする場合、次の定理により出力フィードバック制御
則が設計できる。すなわち、 γ1はγ1 2I−D21 TΘTΘD12>oを満たす正定数で
あり、かつγ2はγ2>1である正定数であり、かつε1 2
−u2>0を満たす正定数εが存在するとき、下記数1
57のオブザーバ(オブザーバゲイン)を設計するため
のリカッチ不等式、及び下記数158のコントローラを
設計するためのリカッチ不等式を満たす正定対称行列
P,Q及び正定行列Θが存在し、さらに 非線形重みa1(x,x^),a2(x,x^)が下記数15
9,160の制約条件を満たすならば、下記数161と
する制御則の一つは下記数162,163で与えられ
る。
プの数139〜142により表された一般化プラントに
対して、非線形H∞出力フィードバック制御則を設計す
ることを試みる。オブザーバゲインLを制御入力uの関
数とする場合、次の定理により出力フィードバック制御
則が設計できる。すなわち、 γ1はγ1 2I−D21 TΘTΘD12>oを満たす正定数で
あり、かつγ2はγ2>1である正定数であり、かつε1 2
−u2>0を満たす正定数εが存在するとき、下記数1
57のオブザーバ(オブザーバゲイン)を設計するため
のリカッチ不等式、及び下記数158のコントローラを
設計するためのリカッチ不等式を満たす正定対称行列
P,Q及び正定行列Θが存在し、さらに 非線形重みa1(x,x^),a2(x,x^)が下記数15
9,160の制約条件を満たすならば、下記数161と
する制御則の一つは下記数162,163で与えられ
る。
【0255】
【数157】
【0256】
【数158】
【0257】
【数159】γ2 2−a1(x,x^)2>0,γ2 2−a
2(x,x^)2>0
2(x,x^)2>0
【0258】
【数160】
【0259】
【数161】‖[z1 T z2 T]T‖2≦γ1γ2‖w‖2
【0260】
【数162】x'^=(A+L1C2)x^+(B20+L
2D220)x^u−(L1+L2u)y
2D220)x^u−(L1+L2u)y
【0261】
【数163】
【0262】ただし、オブザーバゲインL(u)は下記数
164のように表される。
164のように表される。
【0263】
【数164】L(u)=−QC2 TΘTΘ−uQD220 TΘTΘ
=L1+uL2 また、前記数164中のL1,L2は下記数165,16
6のように表される。
=L1+uL2 また、前記数164中のL1,L2は下記数165,16
6のように表される。
【0264】
【数165】L1=−QC2 TΘTΘ
【0265】
【数166】L2=−QD220 TΘTΘ また、ΘはΘ-1が存在する正定行列であり、このΘを用
いてオブザーバゲインL(u)を調整することが可能であ
る。また、上記状態フィードバック制御則の場合と同様
に、コントローラのゲインLはd122を用いて調整する
ことが可能である。
いてオブザーバゲインL(u)を調整することが可能であ
る。また、上記状態フィードバック制御則の場合と同様
に、コントローラのゲインLはd122を用いて調整する
ことが可能である。
【0266】ここで、前記数159,160の制約条件
を満たす非線形重みa1(x,x^),a2(x,x^)を下記数
167,168に例示しておく。
を満たす非線形重みa1(x,x^),a2(x,x^)を下記数
167,168に例示しておく。
【0267】
【数167】
【0268】
【数168】
【0269】なお、前記数167,168中のm1(x,
x^)は任意の正定関数であり、εはε<1かつεγ2 2>
1である正定数である。そして、コンピュータによる演
算の結果、前記のような正定対称解Pを求めることがで
きた。そして、前記数167,168を用いると前記数
162,163は下記数169,170のように変形さ
れる。
x^)は任意の正定関数であり、εはε<1かつεγ2 2>
1である正定数である。そして、コンピュータによる演
算の結果、前記のような正定対称解Pを求めることがで
きた。そして、前記数167,168を用いると前記数
162,163は下記数169,170のように変形さ
れる。
【0270】
【数169】x'^=(A+L1C2)x^+(B2x^+L2D
22x^)u−L(u)y
22x^)u−L(u)y
【0271】
【数170】
【0272】その結果、この場合も、上記状態フィード
バック制御系の場合と同様にして、公知のソフトウェア
を用いることにより簡単に解を求めることができるの
で、この方法によれば、簡単に正定対称解Pを見つける
ことができるとともに、推定状態量x'^及び制御則u=
k(y)も導出することができる。 c3−2)第3タイプの具体的計算例 次に、この第3タイプの制御則を用いた第1目標減衰力
Fdの具体的計算例について説明する。この場合の構成
は、上記第2タイプの場合と同じである。
バック制御系の場合と同様にして、公知のソフトウェア
を用いることにより簡単に解を求めることができるの
で、この方法によれば、簡単に正定対称解Pを見つける
ことができるとともに、推定状態量x'^及び制御則u=
k(y)も導出することができる。 c3−2)第3タイプの具体的計算例 次に、この第3タイプの制御則を用いた第1目標減衰力
Fdの具体的計算例について説明する。この場合の構成
は、上記第2タイプの場合と同じである。
【0273】この場合も、第1減衰力計算ルーチンの実
行は図17のステップ200にて開始され、前記第1タ
イプと同様なステップ202a,204aの処理後、ス
テップ210aにて上記数169,170と同じ数17
1,172を用い、上記第2タイプの場合と同様にして
推定状態量x'^及び制御入力uを計算する。
行は図17のステップ200にて開始され、前記第1タ
イプと同様なステップ202a,204aの処理後、ス
テップ210aにて上記数169,170と同じ数17
1,172を用い、上記第2タイプの場合と同様にして
推定状態量x'^及び制御入力uを計算する。
【0274】
【数171】x'^=(A+L1C2)x^+(B2x^+L2D
22x^)u−L(u)y
22x^)u−L(u)y
【0275】
【数172】
【0276】前記数171,172中のA,C2,
B20,,D220,γ2,m1(x,x^),C1 1,d122,
P,C12に関しては前記第2タイプの場合と同じであ
る。また、L,L1,L2は、前記数164〜166によ
り規定されるゲインである。さらに、この場合も、yは
観測値であって前記ステップ204aの処理により計算
したばね上速度xpb'である。
B20,,D220,γ2,m1(x,x^),C1 1,d122,
P,C12に関しては前記第2タイプの場合と同じであ
る。また、L,L1,L2は、前記数164〜166によ
り規定されるゲインである。さらに、この場合も、yは
観測値であって前記ステップ204aの処理により計算
したばね上速度xpb'である。
【0277】前記ステップ210aの処理後、上記第2
タイプと同様なステップ212、214の処理により、
ダンパ12の総合的な目標減衰係数Csを計算するとと
もに第1目標減衰力Fdを計算して、ステップ216に
てこの第1減衰力計算ルーチンの実行を終了する。
タイプと同様なステップ212、214の処理により、
ダンパ12の総合的な目標減衰係数Csを計算するとと
もに第1目標減衰力Fdを計算して、ステップ216に
てこの第1減衰力計算ルーチンの実行を終了する。
【0278】d.第3変形例 d1.カルマンフィルタベースの非線形H∞制御系の設
計 上記aのモデルに対して、双線形項Bp2(xp),Dp2(x
p)が既知すなわち相対速度xpw'−xpb'を観測可能とす
ることを条件に、オブザーバにカルマンフィルタを用い
た場合の出力フィードバック系の設計を試みる。
計 上記aのモデルに対して、双線形項Bp2(xp),Dp2(x
p)が既知すなわち相対速度xpw'−xpb'を観測可能とす
ることを条件に、オブザーバにカルマンフィルタを用い
た場合の出力フィードバック系の設計を試みる。
【0279】なお、この第3変形例における符号も上記
第2変形例の場合と同じであり、プラントに関する係数
及び変数にはサフィックスpが付けられている。サスペ
ンション装置の状態空間表現は、下記数173,174
により表される。
第2変形例の場合と同じであり、プラントに関する係数
及び変数にはサフィックスpが付けられている。サスペ
ンション装置の状態空間表現は、下記数173,174
により表される。
【0280】
【数173】xp'=Apxp+Bp1w1+Bp2(xp)u
【0281】
【数174】yp=Cpxp+Dp1w2+Dp2(xp)u t→∞の場合のカルマンフィルタは、Dp1=Iの場合、
下記数175のように表される。
下記数175のように表される。
【0282】
【数175】xo'=Apxo+Bp2u+K(Cpxo+D
p2(xp)u−y) ただし、xo,xo'はカルマンフィルタにおける推定状
態量であり、フィルタゲインKは下記数176のとおり
である。
p2(xp)u−y) ただし、xo,xo'はカルマンフィルタにおける推定状
態量であり、フィルタゲインKは下記数176のとおり
である。
【0283】
【数176】K=−ΣCp TW-1 また、推定誤差共分散Σは、下記数177のリカッチ方
程式の正定対称解である。
程式の正定対称解である。
【0284】
【数177】ApΣ+ΣAp T+Bp1VBp1 T−ΣCp TW-1
CpΣ=o ただし、Vはw1の共分散行列であり、Wはw2の共分散
行列である。
CpΣ=o ただし、Vはw1の共分散行列であり、Wはw2の共分散
行列である。
【0285】このシステムの一般化プラントのブロック
線図は図18に示すとおりであり、この場合に、オブザ
ーバの出力である「推定状態量xoに周波数重みW(s)
をかけたもの」と、「制御入力uに周波数重みWu(s)
をかけたもの」とを評価出力zに用いている。すなわ
ち、ここでは、カルマンフィルタを検出器として使っ
て、そのカルマンフィルタの出力を小さくするように制
御系を設計している。この点が、上記第1及び第2変形
例とは異なるが、状態推定がうまく行われれば同第1及
び第2変形例と同等な性能が得られると考えられる。図
18のブロック線図で与えられるシステムの状態空間表
現は、下記数178〜184の通りである。
線図は図18に示すとおりであり、この場合に、オブザ
ーバの出力である「推定状態量xoに周波数重みW(s)
をかけたもの」と、「制御入力uに周波数重みWu(s)
をかけたもの」とを評価出力zに用いている。すなわ
ち、ここでは、カルマンフィルタを検出器として使っ
て、そのカルマンフィルタの出力を小さくするように制
御系を設計している。この点が、上記第1及び第2変形
例とは異なるが、状態推定がうまく行われれば同第1及
び第2変形例と同等な性能が得られると考えられる。図
18のブロック線図で与えられるシステムの状態空間表
現は、下記数178〜184の通りである。
【0286】
【数178】xp'=Apxp+Bp1w1+Bp2(xp)u
【0287】
【数179】xo'=Apxo+Bp2(xp)u+L(C2xo+
Dp2(xp)u−y)
Dp2(xp)u−y)
【0288】
【数180】y=Cpxp+Dp1w2+Dp2(xp)u
【0289】
【数181】xw'=Awxw+BwCsxo
【0290】
【数182】z1=a1(xp,xo,xw,xu)(Cwxw+
DwCsxo)
DwCsxo)
【0291】
【数183】xu'=Auxu+Buu
【0292】
【数184】z2=a2(xp,xo,xw,xu)(Cuxu+
Duu) ただし、xpはシステムの状態量、数178はシステム
の状態空間表現、xoは推定状態量、数179はオブザ
ーバの状態空間表現、yは観測出力、xwは周波数重み
の状態を表す。評価出力z1,z2には、後に設計する非
線形重みがかけられている。
Duu) ただし、xpはシステムの状態量、数178はシステム
の状態空間表現、xoは推定状態量、数179はオブザ
ーバの状態空間表現、yは観測出力、xwは周波数重み
の状態を表す。評価出力z1,z2には、後に設計する非
線形重みがかけられている。
【0293】このシステムに対して、「閉ループシステ
ムが内部指数安定」かつ「wからzまでのL2ゲインが
ある正定数γ以下」を満たすオブザーバの状態をフィー
ドバック制御する制御則u=k(xo)を設計する。そし
て、このシステムでは下記数185に示すように、周波
数重みWs(s)に対する入力がxoとなっていることが特
徴である。
ムが内部指数安定」かつ「wからzまでのL2ゲインが
ある正定数γ以下」を満たすオブザーバの状態をフィー
ドバック制御する制御則u=k(xo)を設計する。そし
て、このシステムでは下記数185に示すように、周波
数重みWs(s)に対する入力がxoとなっていることが特
徴である。
【0294】
【数185】
【0295】はじめに、誤差変数を下記数186のよう
に定義すると、誤差システムは下記数187,188の
ようになる。
に定義すると、誤差システムは下記数187,188の
ようになる。
【0296】
【数186】xe=xp−xo
【0297】
【数187】xe'=(Ap+LCp)xe+Bp1w1+LDp
w2
w2
【0298】
【数188】
【0299】さらに、yeに対して逆行列が存在する定
数行列Θ(スケーリング行列)をかけて前記数187,
188により表された誤差システムを変形すると、同変
形されたシステムは下記数189,190のようにな
る。
数行列Θ(スケーリング行列)をかけて前記数187,
188により表された誤差システムを変形すると、同変
形されたシステムは下記数189,190のようにな
る。
【0300】
【数189】xpe'=(Ap+LCp)xpe+Bp1w1+LD
pw2
pw2
【0301】
【数190】ye~=ΘCpxe+ΘDp1w2 この変形した誤差システムに対して、ある正定数γ1が
存在して外乱入力w=[w1 T w2 T]からye~までのL
2ゲインがγ1以下(‖ye~‖2≦γ1‖w‖2)となるよ
うにオブザーバゲインLを設計することを考える。
存在して外乱入力w=[w1 T w2 T]からye~までのL
2ゲインがγ1以下(‖ye~‖2≦γ1‖w‖2)となるよ
うにオブザーバゲインLを設計することを考える。
【0302】ここで、γ1はγ1I−Dp1 TΘTΘDp1>o
を満たす正定数とすれば、‖ye~‖ 2≦γ1‖w‖2とな
るLは下記数191で与えられる。
を満たす正定数とすれば、‖ye~‖ 2≦γ1‖w‖2とな
るLは下記数191で与えられる。
【0303】
【数191】L=−QCp TΘTΘ ただし、Qは下記数192のリカッチ方程式を満たす正
定対称行列である。
定対称行列である。
【0304】
【数192】
【0305】なお、ここで解く前記数192のリカッチ
方程式はプラントの次数であり、上記第1及び第2変形
例の一般化プラントの次数より小さいことに注意を要す
る。
方程式はプラントの次数であり、上記第1及び第2変形
例の一般化プラントの次数より小さいことに注意を要す
る。
【0306】次に、オブザーバに関する上記数179を
書き換えると、下記数193のようになる。
書き換えると、下記数193のようになる。
【0307】
【数193】
【0308】この数193により表されたオブザーバを
用いてある正定数γ2が存在してオブザーバ誤差ye^か
ら評価出力zまでのL2ゲインがγ2以下(‖z‖2≦γ2
‖y e~‖2)となるようにコントローラを設計すること
を考える。ここで、前記数193により表されたオブザ
ーバを用いて周波数重みに関する状態変数xw,xuを合
わせた一般化プラントを構成すると、同プラントの状態
空間表現は下記数194〜196のようになる。
用いてある正定数γ2が存在してオブザーバ誤差ye^か
ら評価出力zまでのL2ゲインがγ2以下(‖z‖2≦γ2
‖y e~‖2)となるようにコントローラを設計すること
を考える。ここで、前記数193により表されたオブザ
ーバを用いて周波数重みに関する状態変数xw,xuを合
わせた一般化プラントを構成すると、同プラントの状態
空間表現は下記数194〜196のようになる。
【0309】
【数194】xk'=Axk+B2(xp)u+L1Θ-1ye~
【0310】
【数195】z1=a1(xp,xk)C11xk
【0311】
【数196】z2=a2(xp,xk)C12xk+a2(xp,x
k)D12u ただし、前記数194〜196における各変数行列及び
定数行列は、下記数197〜204のおりである。
k)D12u ただし、前記数194〜196における各変数行列及び
定数行列は、下記数197〜204のおりである。
【0312】
【数197】
【0313】
【数198】
【0314】
【数199】
【0315】
【数200】
【0316】
【数201】
【0317】
【数202】C11=[DwCs Cw o]
【0318】
【数203】C12=[o o Cu ]
【0319】
【数204】D12=Du なお、ここで定義した状態量xkには状態量xpが含まれ
ていない。
ていない。
【0320】このとき、D12 -1が存在するとすれば、下
記数205のリカッチ不等式の正定対称解Pが存在し、
さらに非線形重みa1(xp,xk),a2(xp,xk)が下記数
206を満たせば、ある正定数γ2が存在して‖z‖2≦
γ2‖ye‖2となるコントローラは下記数207で与え
られる。
記数205のリカッチ不等式の正定対称解Pが存在し、
さらに非線形重みa1(xp,xk),a2(xp,xk)が下記数
206を満たせば、ある正定数γ2が存在して‖z‖2≦
γ2‖ye‖2となるコントローラは下記数207で与え
られる。
【0321】
【数205】
【0322】
【数206】
【0323】
【数207】
【0324】よって、下記数208,209を満足する
オブザーバ及びコントローラが設計できる。
オブザーバ及びコントローラが設計できる。
【0325】
【数208】‖ye~‖2≦γ1‖w‖2
【0326】
【数209】‖z‖2≦γ2‖ye~‖2 これらのことから、下記数210,211のリカッチ方
程式及び不等式を満たす正定対称行列Q,Pが存在する
ことがわかる。
程式及び不等式を満たす正定対称行列Q,Pが存在する
ことがわかる。
【0327】
【数210】
【0328】
【数211】
【0329】そして、非線形重みa1(xp,xk),a2(x
p,xk)が下記数212の制約条件を満たすとすれば、下
記数213となる制御則は下記数214,215で与え
られる。
p,xk)が下記数212の制約条件を満たすとすれば、下
記数213となる制御則は下記数214,215で与え
られる。
【0330】
【数212】
【0331】
【数213】‖z‖2≦γ1γ2‖w‖2
【0332】
【数214】xk'=(A+L1C2)xk+(B2(xp)+L1
Dp2(xp))u−L1y
Dp2(xp))u−L1y
【0333】
【数215】
【0334】ここで、カルマンフィルタを設計するため
に用いた前記数177のリカッチ方程式と、前記数19
2のリカッチ方程式とを比較すると、共分散行列V,W
を下記数216,217のように規定すれば、両リカッ
チ方程式の正定対称解ΣとQは一致する。
に用いた前記数177のリカッチ方程式と、前記数19
2のリカッチ方程式とを比較すると、共分散行列V,W
を下記数216,217のように規定すれば、両リカッ
チ方程式の正定対称解ΣとQは一致する。
【0335】
【数216】W-1=ΘTΘ
【0336】
【数217】
【0337】すなわち、カルマンフィルタを設計した時
に用いた共分散行列V,Wを用いて、前記数216,2
17を満たすΘ,γ1を選べば、ここで設計し下記数2
18により表されたオブザーバはカルマンフィルタと一
致する。
に用いた共分散行列V,Wを用いて、前記数216,2
17を満たすΘ,γ1を選べば、ここで設計し下記数2
18により表されたオブザーバはカルマンフィルタと一
致する。
【0338】
【数218】xo'=Axo+B2(xp)u+L(C2xo+D
p2(xp)u−y) ここで、前記数212の制約条件を満たす非線形重みa
1(xp,xk),a2(xp,xk)を下記数219,220に例
示しておく。
p2(xp)u−y) ここで、前記数212の制約条件を満たす非線形重みa
1(xp,xk),a2(xp,xk)を下記数219,220に例
示しておく。
【0339】
【数219】
【0340】
【数220】
【0341】なお、前記数219,220中のm1(x,
x^)は任意の正定関数である。そして、コンピュータに
よる演算の結果、前記のような正定対称解Pを求めるこ
とができた。そして、前記数219,220を用いると
前記数214,215は下記数221,222のように
変形される。
x^)は任意の正定関数である。そして、コンピュータに
よる演算の結果、前記のような正定対称解Pを求めるこ
とができた。そして、前記数219,220を用いると
前記数214,215は下記数221,222のように
変形される。
【0342】
【数221】xk'=(A+L1C2)xk+(B2(xp)+L1
Dp2(xp))u−L1y
Dp2(xp))u−L1y
【0343】
【数222】
【0344】その結果、この場合も、上記状態フィード
バック制御系の場合と同様にして、公知のソフトウェア
を用いることにより簡単に解を求めることができるの
で、この方法によれば、簡単に正定対称解Pを見つける
ことができるとともに、状態量x'及び制御則u=k
(y)も導出することができる。
バック制御系の場合と同様にして、公知のソフトウェア
を用いることにより簡単に解を求めることができるの
で、この方法によれば、簡単に正定対称解Pを見つける
ことができるとともに、状態量x'及び制御則u=k
(y)も導出することができる。
【0345】d2.具体的計算例次に、カルマンフィル
タベースの制御則を用いた第1目標減衰力Fdの具体的
計算例について説明する。この場合の構成も、上記第2
変形例の第1タイプの場合と同じである。
タベースの制御則を用いた第1目標減衰力Fdの具体的
計算例について説明する。この場合の構成も、上記第2
変形例の第1タイプの場合と同じである。
【0346】また、この場合も、第1減衰力計算ルーチ
ンの実行は図17のステップ200にて開始され、前記
第2変形例の第1タイプと同様なステップ202a,2
04a,210aの処理を実行する。ただし、この場合
には、ステップ210aにて上記数221,222と同
じ下記数223,224を用い、上記第2変形例の第1
タイプの場合と同様にして状態量xk'及び制御入力uを
計算する。
ンの実行は図17のステップ200にて開始され、前記
第2変形例の第1タイプと同様なステップ202a,2
04a,210aの処理を実行する。ただし、この場合
には、ステップ210aにて上記数221,222と同
じ下記数223,224を用い、上記第2変形例の第1
タイプの場合と同様にして状態量xk'及び制御入力uを
計算する。
【0347】
【数223】xk'=(A+L1C2)xk+(B2(xp)+L1
Dp2(xp))u−L1y
Dp2(xp))u−L1y
【0348】
【数224】
【0349】前記数223中のAは、マイクロコンピュ
ータ内に予め記憶されていて前記数198,185,3
0,47により決定される定数行列である。L1は、マ
イクロコンピュータ内に予め記憶されていて前記数20
0,191,192により定義された定数行列であっ
て、正定対称行列Q、定数行列Cp、前記数39,11
1により定まる定数行列C2、及び正定行列Θにより決
まるオブザーバのゲインである。C2も、マイクロコン
ピュータ内に予め記憶されている前記定数行列である。
B2(xp)は前記数199,32,47により決定される
定数行列である。Dp2(xp)は前記数38により決定さ
れる定数行列である。また、yは観測値であって、前記
ステップ202aの処理により入力した相対変位量xpw
−xpb及び前記ステップ204aの処理により計算した
ばね上速度xpb'である。
ータ内に予め記憶されていて前記数198,185,3
0,47により決定される定数行列である。L1は、マ
イクロコンピュータ内に予め記憶されていて前記数20
0,191,192により定義された定数行列であっ
て、正定対称行列Q、定数行列Cp、前記数39,11
1により定まる定数行列C2、及び正定行列Θにより決
まるオブザーバのゲインである。C2も、マイクロコン
ピュータ内に予め記憶されている前記定数行列である。
B2(xp)は前記数199,32,47により決定される
定数行列である。Dp2(xp)は前記数38により決定さ
れる定数行列である。また、yは観測値であって、前記
ステップ202aの処理により入力した相対変位量xpw
−xpb及び前記ステップ204aの処理により計算した
ばね上速度xpb'である。
【0350】また、前記数224中のD12は、上記数2
04で定義され、かつ上記数48にて設定した周波数重
みWu(s)に関する係数行列であって、予めマイクロコ
ンピュータ内に記憶されている定数行列である。m1(x
p,xk)は、任意の正定数関数であり、同関数に関する
アルゴリズムが予めマイクロコンピュータ内に記憶され
ているものである。なお、この正定数関数m1(xp,
xk)を正の定数、例えば「1.0」に設定しておいても
よい。C11は、上記数202により定義されて、前記数
185にて設定した周波数重みWs(s)に関する係数行
列Cw,Dw,Csにより規定され、予めマイクロコンピ
ュータ内に記憶されている定数行列である。B2(xp)は
前記数199,32,47により決定される定数行列で
ある。Pは、上記数211を満たす正定対称解であり、
予めマイクロコンピュータ内に記憶されている定数行列
である。C12は、上記数203により規定され、上記数
48にて設定した周波数重みWu(s)に関する係数行列
Cuを含む予めマイクロコンピュータ内に記憶されてい
る定数行列である。
04で定義され、かつ上記数48にて設定した周波数重
みWu(s)に関する係数行列であって、予めマイクロコ
ンピュータ内に記憶されている定数行列である。m1(x
p,xk)は、任意の正定数関数であり、同関数に関する
アルゴリズムが予めマイクロコンピュータ内に記憶され
ているものである。なお、この正定数関数m1(xp,
xk)を正の定数、例えば「1.0」に設定しておいても
よい。C11は、上記数202により定義されて、前記数
185にて設定した周波数重みWs(s)に関する係数行
列Cw,Dw,Csにより規定され、予めマイクロコンピ
ュータ内に記憶されている定数行列である。B2(xp)は
前記数199,32,47により決定される定数行列で
ある。Pは、上記数211を満たす正定対称解であり、
予めマイクロコンピュータ内に記憶されている定数行列
である。C12は、上記数203により規定され、上記数
48にて設定した周波数重みWu(s)に関する係数行列
Cuを含む予めマイクロコンピュータ内に記憶されてい
る定数行列である。
【0351】前記ステップ210aの処理後、上記第1
変形例及び第2変形例の第1タイプと同様なステップ2
12,214の処理により、ダンパ12の総合的な目標
減衰係数Csを計算するとともに第1目標減衰力Fdを計
算して、ステップ216にてこの第1減衰力計算ルーチ
ンの実行を終了する。
変形例及び第2変形例の第1タイプと同様なステップ2
12,214の処理により、ダンパ12の総合的な目標
減衰係数Csを計算するとともに第1目標減衰力Fdを計
算して、ステップ216にてこの第1減衰力計算ルーチ
ンの実行を終了する。
【0352】f.その他の変形例 また、上記第1〜第3変形例においては、一般化プラン
トの状態空間表現における状態量として、タイヤ変位量
xpr−xpw、相対変位量xpw−xpb、ばね下速度xpw'
及びばね上速度xpb'を用いるようにしたが、前記状態
空間表現が可能であれば、車体BD及び車輪WHの上下
方向の運動に関する他の物理量を利用することもでき
る。また、上記第2変形例の第1タイプ及び第3変形例
においてはタイヤ変位量xpr−xpw及びばね下速度
xpw'の検出を省略して推定するようにし、上記第2変
形例の第2及び第3タイプにおいてはさらに相対変位量
xpw−xpb(相対速度xpw'−xpb')の検出をも省略し
て推定するようにしたが、制御則の多少の変更により他
の状態変数の検出を省略して推定することも可能であ
る。
トの状態空間表現における状態量として、タイヤ変位量
xpr−xpw、相対変位量xpw−xpb、ばね下速度xpw'
及びばね上速度xpb'を用いるようにしたが、前記状態
空間表現が可能であれば、車体BD及び車輪WHの上下
方向の運動に関する他の物理量を利用することもでき
る。また、上記第2変形例の第1タイプ及び第3変形例
においてはタイヤ変位量xpr−xpw及びばね下速度
xpw'の検出を省略して推定するようにし、上記第2変
形例の第2及び第3タイプにおいてはさらに相対変位量
xpw−xpb(相対速度xpw'−xpb')の検出をも省略し
て推定するようにしたが、制御則の多少の変更により他
の状態変数の検出を省略して推定することも可能であ
る。
【0353】また、上記第1〜第3変形例の評価出力z
pにおいては、3種類の物理量、すなわち車体BDの共
振に影響するものとしてばね上速度xpb'を、車輪WH
の共振に影響するものとして相対速度xpw'−xpb'を、
車両の乗り心地の悪化(ゴツゴツ感)に影響するものと
してばね上加速度xpb''を用いるようにしたが、これら
のいずれか1種類又は2種類を評価出力zpとして用い
るようにしてもよい。さらに、前記車体BDの共振に影
響するものとして、ばね上速度xpb'に代えて、ばね上
加速度xpb''、ばね上変位量xpbなどの車体BDの運動
に関係の深い物理量を用いるようにしてもよい。車輪W
Hの共振に影響するものとして、相対速度xpw'−xpb'
に代えて、ばね下速度xpw'、タイヤ変位量xpr−xpw
などの車輪WHの運動に関係の深い物理量を用いるよう
にしてもよい。
pにおいては、3種類の物理量、すなわち車体BDの共
振に影響するものとしてばね上速度xpb'を、車輪WH
の共振に影響するものとして相対速度xpw'−xpb'を、
車両の乗り心地の悪化(ゴツゴツ感)に影響するものと
してばね上加速度xpb''を用いるようにしたが、これら
のいずれか1種類又は2種類を評価出力zpとして用い
るようにしてもよい。さらに、前記車体BDの共振に影
響するものとして、ばね上速度xpb'に代えて、ばね上
加速度xpb''、ばね上変位量xpbなどの車体BDの運動
に関係の深い物理量を用いるようにしてもよい。車輪W
Hの共振に影響するものとして、相対速度xpw'−xpb'
に代えて、ばね下速度xpw'、タイヤ変位量xpr−xpw
などの車輪WHの運動に関係の深い物理量を用いるよう
にしてもよい。
【0354】また、上記各種変形例においては、非線形
なプラントを扱えて周波数領域で設計仕様を与えること
ができる制御理論として非線形H∞制御理論を適用する
ようにしたが、前記制御理論として線形マトリクス不等
式(Linear Matrix Inequality)制御理論を拡張した双
線形マトリクス不等式(Bilinear Matrix Inequality)
制御理論を用いるようにしてもよい。
なプラントを扱えて周波数領域で設計仕様を与えること
ができる制御理論として非線形H∞制御理論を適用する
ようにしたが、前記制御理論として線形マトリクス不等
式(Linear Matrix Inequality)制御理論を拡張した双
線形マトリクス不等式(Bilinear Matrix Inequality)
制御理論を用いるようにしてもよい。
【0355】上記各種変形例によれば、車輪WH(ばね
下部材)の車体BD(ばね上部材)に対する相対速度x
pw'−xpb'と、同相対速度xpw'−xpb'に応じて変化す
る減衰係数Csとの積により与えられる第1目標減衰力
Fd=Cs (xpw'−xpb')を扱う双線形制御システムに
おいても、設計時に与えた制御仕様(ノルム条件)を満
たし、かつ制御入力(非線形減衰係数Cv)が連続的に
変化して、制御に違和感を与えない良好な減衰力制御装
置が実現される。また、上記した各種変形例は、車体B
Dの共振に影響する車体BDの上下速度xpb'、車輪W
Hの共振に影響する車輪WHの車体BDに対する相対速
度xpw'−xpb'、及び乗り心地に悪化(ゴツゴツ感)に
影響する車体BDの上下加速度xpb''を評価出力とする
一般化プラントを想定して第1目標減衰力Fdを計算す
るものであって、前記上下速度xpb'、相対速度xpw'−
xpb'及び上下加速度xpb''に対して所定の周波数重み
を付与するので、周波数帯域に応じて同上下速度
xpb'、相対速度xpw'−xpb'及び上下加速度xpb''を
車両への悪影響をより良好に抑制するように制御するこ
とができる。これにより、これらの各種変形例によれ
ば、車両の走行安定性及び乗り心地がより良好となる第
1目標減衰力Fdが計算されることになる。
下部材)の車体BD(ばね上部材)に対する相対速度x
pw'−xpb'と、同相対速度xpw'−xpb'に応じて変化す
る減衰係数Csとの積により与えられる第1目標減衰力
Fd=Cs (xpw'−xpb')を扱う双線形制御システムに
おいても、設計時に与えた制御仕様(ノルム条件)を満
たし、かつ制御入力(非線形減衰係数Cv)が連続的に
変化して、制御に違和感を与えない良好な減衰力制御装
置が実現される。また、上記した各種変形例は、車体B
Dの共振に影響する車体BDの上下速度xpb'、車輪W
Hの共振に影響する車輪WHの車体BDに対する相対速
度xpw'−xpb'、及び乗り心地に悪化(ゴツゴツ感)に
影響する車体BDの上下加速度xpb''を評価出力とする
一般化プラントを想定して第1目標減衰力Fdを計算す
るものであって、前記上下速度xpb'、相対速度xpw'−
xpb'及び上下加速度xpb''に対して所定の周波数重み
を付与するので、周波数帯域に応じて同上下速度
xpb'、相対速度xpw'−xpb'及び上下加速度xpb''を
車両への悪影響をより良好に抑制するように制御するこ
とができる。これにより、これらの各種変形例によれ
ば、車両の走行安定性及び乗り心地がより良好となる第
1目標減衰力Fdが計算されることになる。
【図1】 車両の減衰力制御装置の概略ブロック図であ
る。
る。
【図2】 図1の電気制御装置にて実行されるプログラ
ムのフローチャートである。
ムのフローチャートである。
【図3】 図2の第1減衰力計算ルーチンの詳細フロー
チャートである。
チャートである。
【図4】 車両の単輪モデル図である。
【図5】 図2の第2減衰力計算ルーチンの詳細フロー
チャートである。
チャートである。
【図6】 車両の前後輪モデル図である。
【図7】 図2の第3減衰力計算ルーチンの詳細フロー
チャートである。
チャートである。
【図8】 車両の左右輪モデル図である。
【図9】 相対速度−減衰力テーブル内のデータ特性を
示すグラフである。
示すグラフである。
【図10】 変形例に係り、車両における他の単輪モデ
ル図である。
ル図である。
【図11】 第1目標減衰力を計算するための第1変形
例に係り、非線形H∞状態フィードバック制御系の一般
化プラントのブロック図である。
例に係り、非線形H∞状態フィードバック制御系の一般
化プラントのブロック図である。
【図12】 (A)〜(C)は評価出力としてのばね上加速
度、ばね上速度及び相対速度に対する周波数重みをそれ
ぞれ表すグラフであり、(D)は制御入力としての非線形
減衰係数に対する周波数重みを表すグラフである。
度、ばね上速度及び相対速度に対する周波数重みをそれ
ぞれ表すグラフであり、(D)は制御入力としての非線形
減衰係数に対する周波数重みを表すグラフである。
【図13】 非線形H∞制御理論に基づく制御の作用効
果を表すイメージ図である。
果を表すイメージ図である。
【図14】 (A)は第1目標減衰力を計算するための変
形例に係る減衰力制御における減衰力−相対速度(F−
V)特性を表すリサージュ波形図であり、(B)は従来の
スカイフック制御における減衰力−相対速度(F−V)
特性を表すリサージュ波形図である。
形例に係る減衰力制御における減衰力−相対速度(F−
V)特性を表すリサージュ波形図であり、(B)は従来の
スカイフック制御における減衰力−相対速度(F−V)
特性を表すリサージュ波形図である。
【図15】 第1目標減衰力を計算するための第1変形
例に係る第1減衰力計算ルーチンのフローチャートであ
る。
例に係る第1減衰力計算ルーチンのフローチャートであ
る。
【図16】 第1目標減衰力を計算するための第2変形
例に係り、非線形H∞出力フィードバック制御系の一般
化プラントのブロック図である。
例に係り、非線形H∞出力フィードバック制御系の一般
化プラントのブロック図である。
【図17】 第1目標減衰力を計算するための第2,3
変形例に係る第1減衰力計算ルーチンのフローチャート
である。
変形例に係る第1減衰力計算ルーチンのフローチャート
である。
【図18】 第1目標減衰力を計算するための第3変形
例に係り、カルマンフィルタベースの非線形H∞制御系
の一般化プラントのブロック図である。
例に係り、カルマンフィルタベースの非線形H∞制御系
の一般化プラントのブロック図である。
FW1,FW2…左右前輪(ばね下部材)、RW1,R
W2…左右後輪(ばね下部材)、BD…車体(ばね上部
材)、10A〜10D…サスペンション装置、11,1
1a〜11d,11f,11r,11m,11h…ば
ね、12,12a〜12d,12f,12r,12m,
12h…ダンパ、20…電気制御装置(マイクロコンピ
ュータ)、21a〜21d…ばね上加速度センサ、22
a〜22d…相対変位量センサ、23…ピッチ角速度セ
ンサ、24…ロール角速度センサ、25,25a〜25
d…タイヤ変位量センサ、26,26a〜26d…ばね
下加速度センサ。
W2…左右後輪(ばね下部材)、BD…車体(ばね上部
材)、10A〜10D…サスペンション装置、11,1
1a〜11d,11f,11r,11m,11h…ば
ね、12,12a〜12d,12f,12r,12m,
12h…ダンパ、20…電気制御装置(マイクロコンピ
ュータ)、21a〜21d…ばね上加速度センサ、22
a〜22d…相対変位量センサ、23…ピッチ角速度セ
ンサ、24…ロール角速度センサ、25,25a〜25
d…タイヤ変位量センサ、26,26a〜26d…ばね
下加速度センサ。
Claims (9)
- 【請求項1】車両の各輪と車体との間にそれぞれ設けた
各ダンパの減衰力を制御する減衰力制御装置において、 車両の単輪モデルに基づいて車体のヒーブ方向の振動を
抑制するための第1目標減衰力を各輪毎にそれぞれ計算
する第1目標減衰力計算手段と、 車両の前後輪モデルに基づいて車体のピッチ方向の振動
を抑制するための第2目標減衰力を各輪毎にそれぞれ計
算する第2目標減衰力計算手段と、 前記計算された各輪毎の第1及び第2目標減衰力に基づ
いて最終的な目標減衰力を各輪毎にそれぞれ決定する最
終目標減衰力決定手段と、 前記決定した最終的な各目標減衰力に応じた制御信号を
前記各ダンパにそれぞれ出力して同各ダンパによる減衰
力を前記決定した最終的な各目標減衰力にそれぞれ設定
制御する出力手段とを備えたことを特徴とする減衰力制
御装置。 - 【請求項2】車両の各輪と車体との間にそれぞれ設けた
各ダンパの減衰力を制御する減衰力制御装置において、 車両の単輪モデルに基づいて車体のヒーブ方向の振動を
抑制するための第1目標減衰力を各輪毎にそれぞれ計算
する第1目標減衰力計算手段と、 車両の前後輪モデルに基づいて車体のピッチ方向の振動
を抑制するための第2目標減衰力を各輪毎にそれぞれ計
算する第2目標減衰力計算手段と、 前記計算された第1及び第2目標減衰力のうちで大きな
方の目標減衰力を各輪毎にそれぞれ選択する選択手段
と、 前記選択した各目標減衰力に応じた制御信号を前記各ダ
ンパにそれぞれ出力して同各ダンパによる減衰力を前記
選択した各目標減衰力にそれぞれ設定制御する出力手段
とを備えたことを特徴とする減衰力制御装置。 - 【請求項3】前記第1目標減衰力計算手段は車体の上下
方向の運動状態量に応じて第1目標減衰力を計算するも
のであり、前記第2目標減衰力計算手段は車体のピッチ
方向の運動状態量に応じて第2目標減衰力を計算するも
のである前記請求項1又は請求項2に記載の減衰力制御
装置。 - 【請求項4】車両の各輪と車体との間にそれぞれ設けた
各ダンパの減衰力を制御する減衰力制御装置において、 車両の単輪モデルに基づいて車体のヒーブ方向の振動を
抑制するための第1目標減衰力を各輪毎にそれぞれ計算
する第1目標減衰力計算手段と、 車両の左右輪モデルに基づいて車体のロール方向の振動
を抑制するための第2目標減衰力を各輪毎にそれぞれ計
算する第2目標減衰力計算手段と、 前記計算された各輪毎の第1及び第2目標減衰力に基づ
いて最終的な目標減衰力を各輪毎にそれぞれ決定する最
終目標減衰力決定手段と、 前記決定した最終的な各目標減衰力に応じた制御信号を
前記各ダンパにそれぞれ出力して同各ダンパによる減衰
力を前記決定した最終的な各目標減衰力にそれぞれ設定
制御する出力手段とを備えたことを特徴とする減衰力制
御装置。 - 【請求項5】車両の各輪と車体との間にそれぞれ設けた
各ダンパの減衰力を制御する減衰力制御装置において、 車両の単輪モデルに基づいて車体のヒーブ方向の振動を
抑制するための第1目標減衰力を各輪毎にそれぞれ計算
する第1目標減衰力計算手段と、 車両の左右輪モデルに基づいて車体のロール方向の振動
を抑制するための第2目標減衰力を各輪毎にそれぞれ計
算する第2目標減衰力計算手段と、 前記計算された第1及び第2目標減衰力のうちで大きな
方の目標減衰力を各輪毎にそれぞれ選択する選択手段
と、 前記選択した各目標減衰力に応じた制御信号を前記各ダ
ンパにそれぞれ出力して同各ダンパによる減衰力を前記
選択した各目標減衰力にそれぞれ設定制御する出力手段
とを備えたことを特徴とする減衰力制御装置。 - 【請求項6】前記第1目標減衰力計算手段は車体の上下
方向の運動状態量に応じて第1目標減衰力を計算するも
のであり、前記第2目標減衰力計算手段は車体のロール
方向の運動状態量に応じて第2目標減衰力を計算するも
のである前記請求項4又は請求項5に記載の減衰力制御
装置。 - 【請求項7】車両の各輪と車体との間にそれぞれ設けた
各ダンパの減衰力を制御する減衰力制御装置において、 車両の単輪モデルに基づいて車体のヒーブ方向の振動を
抑制するための第1目標減衰力を各輪毎にそれぞれ計算
する第1目標減衰力計算手段と、 車両の前後輪モデルに基づいて車体のピッチ方向の振動
を抑制するための第2目標減衰力を各輪毎にそれぞれ計
算する第2目標減衰力計算手段と、 車両の左右輪モデルに基づいて車体のロール方向の振動
を抑制するための第3目標減衰力を各輪毎にそれぞれ計
算する第3目標減衰力計算手段と、 前記計算された各輪毎の第1、第2及び第3目標減衰力
に基づいて最終的な目標減衰力を各輪毎にそれぞれ決定
する最終目標減衰力決定手段と、 前記決定した最終的な各目標減衰力に応じた制御信号を
前記各ダンパにそれぞれ出力して同各ダンパによる減衰
力を前記決定した最終的な各目標減衰力にそれぞれ設定
制御する出力手段とを備えたことを特徴とする減衰力制
御装置。 - 【請求項8】車両の各輪と車体との間にそれぞれ設けた
各ダンパの減衰力を制御する減衰力制御装置において、 車両の単輪モデルに基づいて車体のヒーブ方向の振動を
抑制するための第1目標減衰力を各輪毎にそれぞれ計算
する第1目標減衰力計算手段と、 車両の前後輪モデルに基づいて車体のピッチ方向の振動
を抑制するための第2目標減衰力を各輪毎にそれぞれ計
算する第2目標減衰力計算手段と、 車両の左右輪モデルに基づいて車体のロール方向の振動
を抑制するための第3目標減衰力を各輪毎にそれぞれ計
算する第3目標減衰力計算手段と、 前記計算された第1、第2及び第3目標減衰力のうちで
最大の目標減衰力を各輪毎にそれぞれ選択する選択手段
と、 前記選択した各目標減衰力に応じた制御信号を前記各ダ
ンパにそれぞれ出力して同各ダンパによる減衰力を前記
選択した各目標減衰力にそれぞれ設定制御する出力手段
とを備えたことを特徴とする減衰力制御装置。 - 【請求項9】前記第1目標減衰力計算手段は車体の上下
方向の運動状態量に応じて第1目標減衰力を計算するも
のであり、前記第2目標減衰力計算手段は車体のピッチ
方向の運動状態量に応じて第2目標減衰力を計算するも
のであり、前記第3目標減衰力計算手段は車体のロール
方向の運動状態量に応じて第3目標減衰力を計算するも
のである前記請求項7又は請求項8に記載の減衰力制御
装置。
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JP11286599 | 1999-04-20 | ||
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