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JP2000512489A - 血管作用性アミン結合分子 - Google Patents

血管作用性アミン結合分子

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JP2000512489A JP09541799A JP54179997A JP2000512489A JP 2000512489 A JP2000512489 A JP 2000512489A JP 09541799 A JP09541799 A JP 09541799A JP 54179997 A JP54179997 A JP 54179997A JP 2000512489 A JP2000512489 A JP 2000512489A
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Abstract

(57)【要約】 本発明によって、10-7M未満の解離定数で血管作用性アミンに特異的に結合し、そしてMS-HBP1、FS-HBP1、FS-HBP2、およびD.RET6と同じタンパク質ファミリーに属する血管作用性アミン結合タンパク質(VABP)が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 血管作用性アミン結合分子 本発明は、血管作用性アミンの作用の調節における、血管作用性アミン結合分 子(VABM)およびそれらの使用に関する。本発明は、特に、寄生生物タンパク質に 由来するVABMまたはその誘導体に関する。本発明はまた、血管作用性アミンの検 出および定量化、ならびに動物およびヒトにおける寄生生物に起因する(とりわ け、家畜の外寄生生物に起因する)疾患および傷害の制御に関する。本発明はさ らに、疾患およびアレルギーの処置における血管作用性結合分子の使用に関する 。本発明はまた、VABMを産生するための組換えDNA技術の使用に関する。 ヒスタミンおよびセロトニンのような血管作用性アミンは、炎症のメディエー ターであり、そしてヒトを含む動物における特定の生理的プロセスのレギュレー ターである。ヒスタミンは、マスト細胞および好塩基球の分泌顆粒内に存在し、 そしてヒスチジンの脱炭酸により形成される。それはまた、麦角および植物中に 存在し、そしてヒスチジンまたはクエン酸から合成的に合成され得る。 ヒトにおけるヒスタミンの主要な作用は、胃液分泌の促進、ほとんどの平滑筋 の収縮、心臓の刺激、血管拡張および血管の透過性の増加である。免疫反応およ び炎症のプロセスにおけるその調節的役割に加えて、ヒスタミンはまた、体内の 多くのサイトカイン(炎症を調節するサイトカインを含む)の産生を調節し、そ してサイトカインレセプターの発現を妨害し得る。さらに、ヒスタミンは、創傷 の治癒を促進する。 ヒスタミンは、胃酸分泌の刺激因子として、そしてじんま疹および花粉症のよ うなI型過敏感反応のメディエーターとしての、主要な病態生理学的役割を担う 。ヒスタミンまたはそのレセプターはまた、自己免疫疾患(例えば、関節炎)に おいて、および腫瘍の成長において、直接的または間接的のいずれかで関与し得 る(Falus,1994)。 3つの主要な型(H1、H2、およびH3)がある特定のヒスタミンレセプターの影響 によりその活性を産生するヒスタミンは、選択的アンタゴニスト薬物およびアゴ ニスト薬物により区別される。ヒスタミンH1およびH2レセプターアンタゴニスト は臨床的な使用を有するが、現在、ヒスタミンH3レセプターアンタゴニストは、 主に研究用手段として使用される。 H1レセプターアンタゴニスト(抗ヒスタミン剤)は、アレルギー性鼻炎(花粉 症)、じんま疹、虫刺されおよび薬物過敏症を含む、アレルギー反応の処置のた めに広く使用される。鎮静作用またはムスカリンレセプターアンタゴニスト活性 を欠く薬剤が好ましい。H1レセプターアンタゴニストはまた、乗り物酔いまたは 悪心の他の原因(重症のつわりを含む)を予防するための、抗嘔吐薬として使用 される。いくつかの抗ヒスタミン剤のムスカリンレセプターアンタゴニスト作用 は、おそらく有効性に寄与するが、また副作用をも生じる。いくつかのH1レセプ ターアンタゴニストは、かなり強い鎮静剤であり、そしてこの作用のために使用 され得る。 H1レセプターアンタゴニストには、多数の所望されない効果が存在する。純粋 に抗ヒスタミン作用のために使用される場合、全てのCNS作用は望ましくない。 これらの鎮静作用または抗嘔吐作用のために使用される場合、めまい、耳鳴り、 および疲労のようなCNS作用のいくつかは望ましくない。過剰な投与量は興奮を 引き起こし得、そしで小児において痙攣を生じ得る。末梢性抗ムスカリン性作用 は、常に所望されない。口腔の乾燥がこれらに最も一般的であるが、視力障害、 便秘、および尿の滞留もまた生じ得る。薬物の薬理学的作用に関連しない、望ま しくない作用もまた観察される。従って、胃腸障害はかなり一般的であり、一方 、アレルギー性皮膚炎が、これらの薬物の局所的な適用に続いて生じ得る。 H2レセプターアンタゴニストは、しばしば胃酸分泌のインヒビターとして用い られる。それらは、消化性潰瘍の処置における選択の薬物として、ゾリンジャー -エリソン症候群の処置における第2系統の薬物として、および逆流食道炎を処 置するために使用される。望ましくない作用は、下痢、めまい、筋肉痛、一過性 の発疹、および高胃血(hyper-gastrinaemia)を含むことが報告されている。い くつかのH2レセプターアンタゴニストは、男性における女性化(gynaecomastia) 、および高齢者における錯乱を生じ得る。 これらの望ましくない副作用に加えて、いくつかのヒスタミンアンタゴニスト は、アルコールとともにまたは薬物とともに服用される場合、厄介である。例え ば、抗生物質および抗真菌剤と共に用いられた抗ヒスタミン剤のセルダン(Selda ne)は、生命を危うくする副作用を生じ得る。 ヒスタミンの作用を制御するために用いられる薬物は、常に効果的であるわけ ではない。これらの有効性が制限され得る理由は、(特に、特定の状態が、より 広範なレセプターの妨害を必要とする場合)これらの薬物のヒスタミンレセプタ ーのサブクラスにのみについての特異性に関連し得るからである。ヒスタミン結 合分子(HBM)は、全てのレセプターとのヒスタミン結合について競合し、そして そのため、特定の状態を処置するためにより適切であり得る。 ホルモンのセロトニン(5-ヒドロキシトリプトアミンとしてもまた知られる) は、血管収縮薬および神経伝達物質の両方である。それはまた、血管の透過性の 増大、毛細血管の膨張の誘導、および非血管性平滑筋の収縮を生じ得る。セロト ニンは、脳内および腸管組織内に存在し、そして松果体により、および血液の血 小板により産生される。セロトニンに関する病理学的局面は、異常な血圧、偏頭 痛、精神的疾患、呼吸器疾患および冠状動脈心疾患を含む。セロトニンのアゴニ ストおよびアンタゴニストは、これらのいくつかの疾患を処置するために使用さ れるが、またしばしば望ましくない副作用を有する。 従って、ヒトおよび動物の障害の処置のためのこれらの適用性を損ねる副作用 を生じない、血管作用性アミンの有効なアンタゴニストの重大な必要性が存在す る。 例えば、特定のアレルゲンの影響をモニターするため、またはアレルギー性反 応のための特定のアンタゴニストの治療を指示するための、ヒスタミン(例えば 、食品生産物、種々の体液(例えば、血漿または尿)または細胞培養上清中)の 定量化の必要性もまた存在する。現在使用されるシステム(ラジオイムノアッセ イおよびELISA)は、ヒスタミンに対する抗体またはヒスタミン誘導体に対する 抗体を利用する。しかし、ヒスタミンはそれほど免疫原性ではなく、ヒスタミン に対する高親和性抗体を惹起することが困難である。そして、今日使用される定 量化システムの殆どはそれほど高感度ではないか、または測定されるべきヒスタ ミンの修飾(例えば、アシル化またはメチル化)が必要である。これらのような ア ッセイにおいて抗体の代わりのHBMの使用は、非修飾ヒスタミンを測定するため のより高感度のシステムを提供する。 抗ヒスタミン抗体を越えるHBMの別の利点は、特定の生物学的プロセスを研究 する場合に、HBMが、例えば、細胞培養からの遊離(非結合)ヒスタミンの除去 のための研究用手段として使用され得ることである。ほとんどの細胞上の抗体レ セプターの存在のために、抗体は、これらの細胞の正常な機能を妨害し得る。 マダニのような吸血性(blood-feeding)外寄生生物が、寄生生物の摂取への宿 主応答を免疫調節する多数の生活性タンパク質を産生し、それによって寄生生物 の吸血性を促進することは、公知である。このような免疫調節タンパク質は、マ ダニの血リンパおよび唾液により産生され、そして脊椎動物宿主免疫グロブリン へ結合する、免疫グロブリン結合タンパク質(IGBP)を含む(WangおよびNuttall,1 995)。それらはまた、サシガメ(triatomebug)Rhodnius prolixusの唾液性一酸化 窒素運搬ヘムタンパク質(ニトロファオリン)を含み、それらは一酸化窒素の運 搬に加え、ヒスタミンにも結合し得る(RibeiroおよびWalker,1994)。免疫調節 タンパク質はまた、蚊およびヒルのような他の吸血性寄生生物、ならびにヘビお よびクモのような毒産生動物により産生される。 本発明者らは、例えばマダニのような吸血性外奇生生物が、血管作用性アミン に結合し得るタンパク質(特に、ヒスタミンおよびセロトニン)を産生することを 見いだした。これらのタンパク質は、下記において血管作用性アミン結合タンパ ク質(VABP)と呼ばれる。 本発明者らは、マダニから、本明細書中でMS-HBP1、FS-HBP1、FS-HBP2、およ びD.RET6と名付けられ、そして互いに密接に関連する4つのVABPを単離している 。これらのタンパク質は完全に新規であり、そして以前に記載されたいずれのタ ンパク質にも有意な類似性を示さない。これらのタンパク質をコードするDNA配 列またはそのフラグメントは、同じかまたは異なる種由来の同じファミリーにお ける他の関連するタンパク質を単離するために使用され得る。 本発明は、10-7M未満の解離定数で血管作用性アミンに特異的に結合し、なら びに、MS-HBP1、FS-HBP1、FS-HBP2、およびD.RET6と同じタンパク質ファミリー に属する血管作用性アミン結合タンパク質(VABP)を提供する。 40%以上のアミノ酸が、4つのVABP単独のアラインメントにおいて同一残基とし て完全に保存される場合、タンパク質はこのファミリーに属すると考えられる。 そのタンパク質が、GCC pileup(Wisconsinパッケージのためのプログラムマニュ アル、1994年;ギャップ生成ペナルティ=2.50、ギャップ伸長ぺナルティ=0.05)コ マンドを用いて得られるアラインメントに含まれる場合、同一残基としてなお完 全に保存される。これらのタンパク質が、10-7M未満の解離定数により特徴づけ られる親和性でヒスタミンに結合し、そして配列モチーフ(D/E A W K/RおよびY/ CE/D L/I W)を含む、吸血性節足動物由来のタンパク質もまた、VABPファミリー のメンバーとして含まれる。 本発明のVABPは、天然の生物学的変異体(例えば、VABPが由来する種内の対立 変異体または地理的変異体)を含む。 本発明はまた、血管作用性アミン結合タンパク質またはVABPと同じタンパク質 ファミリーに属するタンパク質の機能的に等価な誘導体およびフラグメントを含 む。本発明のVABP、誘導体およびフラグメントは、本明細書で以下、血管作用性 アミン結合分子(VABM)といわれる。 本発明によるVABPは、10-7Mよりかなり低い解離定数値を有する、強力で特異 的な血管作用性アミノ結合体である。前記の高親和性ヒスタミンレセプターまた はセロトニンレセプターは、ヒスタミンまたはセロトニンにより標的化される細 胞膜の一部分を形成するタンパク質である(Falus 1994)。従って、それらは本 発明の非膜結合タンパク質と異なる。 本発明のVABPは、以上で考察される既知の免疫調節性タンパク質と無関係であ り、そして異なる作用方法を有する。本発明のVABPは、外来生物体から哺乳動物 宿主動物内へ分泌され、そして宿主の炎症応答および免疫応答のレギュレーター として機能する。吸血性外寄生生物の場合、このような炎症応答および免疫応答 は、そうでなければ寄生生物の吸血を阻害し得る。この機能は、VABPの血管作用 性アミンに特異的に結合する能力に由来する。 本発明のVABPは、吸血性寄生生物および毒ヘビおよび毒グモのような毒液産生 動物由来であり得る。好ましくは、本発明のVABPは吸血性外寄生生物由来である 。最も好ましくは、それらはマダニ由来である。 上記のように、本発明はまた、VABPの機能的に等価な誘導体およびフラグメン トを含む。「機能的に等価な」は、誘導体およびフラグメントが血管作用性アミ ンに結合する能力を保持すること、またはそれらが以上に規定されるようにVABP タンパク質ファミリーのメンバーを標的とするワクチンの開発において使用され 得るエピトープを含有することを示すために、本明細書中で使用される。誘導体 およびフラグメントは、単一のまたは複数のアミノ酸の置換、付加、挿入、およ び/もしくは欠失により、または1つ以上のアミノ酸の化学的修飾により(例え ば、グリコシル化形態の脱グリコシル化による)、天然のVABP由来であり得る。 例えば、誘導体は、そのアミノ末端もしくはカルボキシ末端でVABPに融合した 、または内部的にVABPに添加されたさらなるタンパク質もしくはポリペプチドを 含み得る。さらなるポリペプチドの目的はまた、VABMの検出、発現、分離、もし くは精製に役立ち得、または所望の場合VABPにさらなる性質を与え得る。潜在的 な融合パートナーの例は、β-ガラクトシダーゼ、グルタチオン-S-トランスフェ ラーゼ、ルシフェラーゼ、ポリヒスチジンタグ、T7ポリメラーゼフラグメントお よび分泌シグナルペプチドを含む。 本発明のVABMは、分子生物学およびタンパク質化学の既知の技術を使用して調 製され得る。例えば、VABMは化学的ペプチド合成により調製され得る。この技術 は、免疫原としての使用のためのVABP由来の短いペプチドの生成のために特に有 用である。VABMはまた、例えば、Sambrookら(1989)に記載されるように、部位 特異的変異誘発またはランダム変異誘発のような遺伝子工学の既知の技術を使用 して調製され得る。VABMはまた、有機化学技術を使用して合成的に調製され得、 VABPファミリーの任意のメンバーのヒスタミン結合部位を構造的および機能的に 模倣する分子を生じる。 本発明のVABMは、宿主細胞における発現により、組換え形態において調製され 得る。このような発現方法は当業者に周知であり、そして多くがSambrookら(19 89)により詳細に記載される。適切な発現ベクターは、選択宿主のために選択さ れ得る。ベクターは、宿主転写機構により認識される発現コントロール配列に作 動可能に連結された、VABMをコードする組換えDNA分子を含み得る。 適切な宿主は、E.coliのような通常使用される原核生物種、または高いレベ ルの組み換えタンパク質を発現するように作製され得、そして容易に大量に増殖 され得やすい真核生物酵母を含む。インビトロで増殖する細胞株もまた、宿主と して昆虫細胞の使用を含むバキュロウイルス発現系のようなウイルス駆動の発現 系を使用する場合、特に適切である。VABMはまた、例えば、昆虫幼生または哺乳 動物組織において、インビボで発現され得る。 なおさらなる局面により、本発明は、哺乳動物におけるヒスタミンに結合し、 それによりその作用を調節し、その病理学的効果を制御するようなVABMの使用を 提供する。 本発明はまた、抗炎症剤としての本発明のVABMの使用を含む。好ましくは、VA BMは、不活性キャリア(単数または複数)を含む薬学的組成物として提供される 。VABMは、組成物の単独作用成分を構成し得、または昆虫、ヘビ、もしくはサソ リの刺傷または皮膚炎に冒された皮膚への局所投与のためのクリームの成分のよ うな治療的パッケージの部分を形成し得る。タンパク質はまた、結合成分の徐放 を提供するため、クリーム、オイル、パウダーまたは丸剤においてヒスタミンお よびヒスタミン関連化合物についてのキャリア分子として使用され得る。 本発明はまた、ヒスタミンレベル(例えば、血液、鼻腔洗浄溶液、組織産物ま たは食品)の定量化のための、本発明のVABMの使用を含む。VABMは、試験される べきサンプル(例えば、放射標識されたヒスタミン、抗VABM抗体、またはアルカ リホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、もしくはルシフェラーゼのような酵素) においてヒスタミンの正確な定量化を可能にする検出手段と共に、キットの一部 分として供給され得る。このようなキットは、放射免疫アッセイ、シンチレーシ ョン近接アッセイ、またはELISAキットに類似するが、ヒスタミンに対するまた はヒスタミンアナログに対する抗体の代わりに結合分子としてVABMを用いる。本 発明の1つの局面は、本発明のVABMを取り込むこのようなキットを含む。 本発明のVABMはまた、血管作用性アミンの検出のために使用され得る。当該分 野に共通の任意の技術は、このような検出方法において使用され得、そしてブロ ッティング技術(Towbinら、1979)、ゲル遅延、またはアフィニティークロマト グラフィーの使用を含み得る。VABP全体、または単に活性な結合フラグメントが 、基質を検出するために使用され得る。別の実施態様では、VABPは、検出を容易 に するために、アルカリホスファターゼ、ルシフェラーゼ、またはペルオキシダー ゼのような別のタンパク質に遺伝子的または合成的のいずれかで融合され得る。 本発明はまた、(体組織、血液、または食品からの)ヒスタミンの除去、単離 、または抽出のために使用され得る支持体に結合するヒスタミン結合体としての 、本発明のVABMの使用を含む。この支持体は、ゲル、磁気ビーズおよび他のビー ズ、ミクロスフェア、結合カラム、および樹脂のような任意の適切な不活性物質 を含み得る。 本発明はまた、炎症、炎症関連プロセス、または血管作用性アミンの他の生理 学的効果(例えば、胃潰瘍の炎症におけるヒスタミンの役割または免疫反応にお けるその役割)の研究における手段としてVABMの使用を含む。例えば、VABMは、 細胞培養または炎症性動物組織において、これらの系においてヒスタミンまたは セロトニンの重要性を研究するために、ヒスタミンまたはセロトニン枯渇のため に使用され得る。 後生動物の寄生生物、特に節足動物および蠕虫はまた、ヒトおよび獣医学にお いて主要な影響を有する感染性疾患および他の傷害性効果の供給源である。節足 動物および蠕虫寄生生物の制御は、現在、ダニ駆除薬および抗蠕虫薬のような化 学薬品の使用に主に依存する。ワクチン技術の使用を介する、免疫学的な制御の 手段を使用するための試みが行われている。強力なワクチン候補として、ある感 染防御抗体を同定することにおいていくらか成功しているが、今のところ幾つか のみが商業的成果に至っており、最も目立つのは、ウシ肺線虫Dictyocaulus viv iparousおよびウシマダニBoophilus microplusについてである。これらの開発に もかかわらず、後生動物の寄生生物ワクチンの、および特に節足動物および/ま たは蠕虫属の広域にわたって使用され得るワクチンの継続的な必要性が、依然と して存在する。 従って、本発明はまた、上で定義されたように、後生動物の寄生生物ワクチン としての使用のための免疫原として、および特に節足動物および他の後生動物の 寄生生物により引き起こされる疾患の制御における感染防御抗体として、VABMの 使用を提供する。ワクチン接種のための適切な候補は、後生動物の寄生生物、特 にマダニに対する防御を必要とする、ウシ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ネコ、および 他の動物のような家畜を含む。ワクチンは、当該分野に周知の型のアジュバンド を含み得る。 本発明のVABMをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子は、本発明のさら なる局面を形成する。これらの分子は、DNA、cDNA、およびRNA、ならびに合成核 酸種を含む。 4つの特定のVABPをコードするcDNAが、例として本明細書中に開示され、そし てこれらのアミノ酸配列を図1〜4に示す(ヌクレオチドおよびアミノ酸を、そ れらの標準的な1文字略語で与える)。 本発明による好ましい核酸分子は、図1〜4および6に示すヌクレオチド配列 あるいはそれらと縮重しているかもしくは実質的に相同な配列、または上記配列 にハイブリダイズする配列の任意の1つ、またはそれらの任意のVABMコード部分 に同一もしくは相補的なヌクレオチド配列を含む。「実質的に相同」とは、少な くとも60%の配列相同性を提示する配列を意味する。本発明による核酸配列は、 1本鎖もしくは2本鎖のDNA、cDNA、またはRNAであり得る。好ましくは、核酸配 列は、DNAを含む。 本発明の範囲内に含まれる「ハイブリダイズする配列」は、ストリンジェント で無い条件(室温にて6×SSC/50%ホルムアミド)下でこれらが結合し、そして 低いストリンジェンシーの条件(2×SSC、室温、または2×SSC、42℃)下また はより高いストリンジェンシーの条件(例えば、2×SSC、65℃)下で洗浄され る配列である(ここで、SSC=0.15M NaCl、0.015Mクエン酸ナトリウム、pH7.2 )。 本発明はまた、本発明のDNA配列を含むクローニングおよび発現ベクターを含 む。このような発現ベクターは、本発明の核酸分子にインフレームで連結された 適切な転写および翻訳の制御配列(例えば、エンハンサ一エレメント、プロモー ター-オペレーター領域、終結停止配列、mRNA安定性配列、開始コドンおよび終 止コドン、またはリボゾーム結合部位)を組み込む。 さらに、組換えタンパク質を特定の宿主から分泌させることは、好都合であり 得る。従って、このようなベクターのさらなる成分は、分泌シグナル配列および プロセシング配列をコードする核酸配列を含み得る。 本発明によるベクターは、プラスミドおよびウイルス(バクテリオファージお よび真核生物ウイルスの両方を含む)を含む。多くのこのようなベクターおよび 発現系が当該分野で周知であり、そして証明される。特に適切なウイルスベクタ ーは、バキュロウイルス、アデノウイルス、およびワクシニアウイルスに基づく ベクターを含む。 種々の技術が公知であり、そして本発明によるベクターを原核生物または真核 生物の細胞内へ導入するために用いられ得る。適切な形質転換またはトランスフ ェクションの技術は、文献(Sambrookら,1989)に十分に記載される。真核生物 細胞では、発現系は、系の必要性に従って、一過性(例えば、エピソーム性)ま たは永続性(染色体組込み)のいずれかであり得る。 本発明による核酸分子はまた、トランスジェニック動物を作製するために用い られ得る。これは、体細胞の改変によるか、または遺伝性の改変を具体化するた めの生殖系列(germ line)療法により局所的に実施され得る。 それゆえ、本発明はまた、上記で定義されるように、本発明による核酸分子を 含む、形質転換もしくはトランスフェクトされた原核生物もしくは真核生物の宿 主細胞またはトランスジェニック生物を含む。 本発明のさらなる局面は、本発明のVABMを調製するための方法を提供する。こ の方法は、本発明による核酸分子を含む宿主細胞を、上記タンパク質が発現され る条件下で培養する工程、およびこのようにして産生された上記タンパク質を回 収する工程を含む。 本文中で言及した全ての文献は、本明細書中に参考として援用される。 本発明の種々の局面および実施態様は、ここで、マダニ、とりわけマダニRhip icephalus appendiculatusから単離されたVABPを特に参照して、実施例としてさ らに詳細に記載される。詳細の変更は、本発明の範囲から逸脱することなくなさ れ得ることが認識される。 図の簡単な説明 図1は、FS-HBP1の配列であり、使用された配列決定プライマーおよび配列決 定ストラテジーを示している。 図2は、FS-HBP2の配列であり、使用された配列決定プライマーおよび配列決 定ストラテジーを示している。 図3は、MS-HBP1の配列であり、使用された配列決定プライマーおよび配列決 定ストラテジーを示している。 図4は、D.RET6の配列であり、使用された配列決定プライマーおよび配列決定 ストラテジーを示している。 図5は、ヒスタミン結合カラムで精製された、マダニからの唾液腺抽出物を示 すクーマシー染色した12% SDS-PAGEゲルである。精製前(レーンA)および精 製後(レーンB;1=FS-HBP1、2=FS-HBP2)の雌性マダニの唾液腺抽出物;精 製前(レーンC)および精製後(レーンD;3=MS-HBP1)の雄性マダニの唾液 腺抽出物。分子量マーカーを示す。 図6は、GCG Wisconsinパッケージのパイルアップおよびプリティープロット コマンド(pileup and prettyplot command)を用いて作製した、VABPの4つのc DNA推定アミノ酸配列のアラインメントを示す。 図7は、組換えにより産生されたVABPを示すクーマシー染色した12% SDS-PAG Eゲルである。レーンA、rMS-HBP1;レーンB、rFS-HBP2;レーンC、rFS-HBP1 。分子量マーカーは、上から下へと、66、48.5、29、18.4、および14.2kDaを示 す。 図8は、雌性および雄性のマダニから採取した唾液腺抽出物のウェスタンブロ ットである。 図9は、精製VABPのヒスタミン結合特性を例示する、飽和曲線およびScatchar dプロットを示す。 図10は、モルモット回腸で実施した収縮阻害実験を示すグラフである。使用し た略語:H=ヒスタミン(1.25nmol);洗浄液=クレブス溶液。約2nmolのFS-HB P2を添加した;約4nmol(モノマー量)のMS-HBP1を用いた。 実施例 マダニ マダニを、Jonesら,(1988)に従って育てた。ウサギで飼育した成体Dermace nt er reticularisを除く3つ全ての発育段階のRhipicephalus appendiculatusおよ びDermacenter reticularisを、Dunkin Hartleyモルモットで飼育した。飼育し ない場合、全てのマダニを、21℃および85〜90%相対湿度にて維持した。 実施例1:タンパク質の同定 唾液腺を、3日間モルモットで飼育した雌性成体R.appendiculatus試料から 切り出した。雄性マダニを、4日間飼育した。腺を、リン酸緩衝化生理食塩水( PBS;pH7.4)中でホモジナイズし、細胞細片を10,000gにて3分間の遠心分離に より除去し、次いで上清を、400mlヒスタミン-アガロース懸濁液(Sigma)を含 むカラムにアプライした。非結合タンパク質を、5%グリセロールを含有する10 ml PBSでカラムから洗い流し、次いで結合したタンパク質を、PBS中の100mMヒス タミン(2ml)を用いて溶出し得た。溶出液を、centricon 3超遠心分離ユニッ ト(Amicon)を用いて濃縮した。 抽出物を、12% SDS-PAGEゲルに流した。これにより、雌性マダニ由来の2つ の主要なタンパク質および雄性マダニ由来の1つの主要なタンパク質を同定した (図5を参照のこと)。これらのタンパク質を、雌特異的ヒスタミン結合タンパ ク質1および2(female-specific histamine binding proteins 1 and 2)(FS -HBP1およびFS-HBP2)、ならびに雄特異的ヒスタミン結合タンパク質1(male-s pecific histamine binding proteins 1 and 2)(MS-HBP1)と称した。MS-HBP1 は、雌性組織においては決して検出されなかったが、雄および亜成虫の唾液腺な らびに幼虫の全身ホモジネートには明らかに存在した。 実施例2:遣伝子のクローニング 1)cDNAライブラリー構築 実施例1の3つのタンパク質をコードするcDNAをクローン化するために、cDNA ライブラリーを構築した。モルモットで2日間飼育した20匹の雄および20匹の雌 の成体R.appendiculatus試料から唾液腺を摘出した。腺を、ドライアイス中の エッペンドルフチューブ中に収集した。メッセンジャーRNAを、FastTrack mRNA 単離キット(Invitrogen)を用いて単離した。 cDNAの合成およびλ Zap IIベクター中へのその一方向性の挿入のために、Zap cDNA合成キット(Stratagene)を用いた。λベクター中への挿入の前に、cDNAを Sephacryl S-400(Pharmacia)カラムにより分画した。DNAライブラリー(d2-I と称する)を、低分子量cDNA(約100〜2,000塩基対の範囲)を用いて構築した。 より高分子量の画分を用いて、第2のライブラリー(d2-II)を構築した。パッ ケージングは、製造者の取扱説明書に従って、Packagene(Promega)パッケージ ング抽出物を利用した。各ライブラリーの約1.5×106プラーク形成単位(PFU) を、XL-1 Blue細胞(Stratagene)中で増幅した。 Dermacenter reticularisライブラリーを、ウサギにおいて3日間吸血させた 成体メス由来の唾液腺mRNAを用いて構築した。Lambda Zap IIキットの代わりにZ ap Express(予め消化されたベクター)Cloningキット(Stratagene)を使用し たことを除いて、mRNAの単離およびcDNAライブラリー構築は、d2-IIライブラリ ーについて先に記載されるようであった。 2a)d2-II cDNAライブラリーのスクリーニング ファージミドを、Shortら(1988)によって記載されるように、ライブラリー 画分からインビボで切り出し、そしてXL1-Blue細胞(Stratagene)中で二本鎖pB luescript SK(-)プラスミドを作製するために使用した。コロニーを、青色/白 色コロニー選択のために、5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-ガラクトピラ ノシド(X-Gal、Melford Laboratories,UK)およびイソプロピル-β-D-チオガ ラクトピラノシド(IPTG、Novabiochem)を補充したアンピシリン含有LB寒天プ レート上にプレートアウトした。白色コロニーから、約75個のプラスミドを配列 決定のために選択した。DNAインサートのサイズは、PvuIIでの消化および1%ア ガロースゲルでの電気泳動によって決定したように、250〜1000塩基対の範囲で あった。 クローンFS-HBP1、FS-HBP2、およびMS-HBP1を得、そして部分的に配列決定し た。次いで、d2-IIライブラリーを、ジゴキシゲニン標識プローブ(Boehringer Mannheim)を用いるプラークリフトのDNAハイブリダイゼーション(Sambrookら 、1989)によってさらなるクローンについてスクリーニングした。プローブをも と のクローンからの精製したインサートを使用するランダムプライマー標識によっ て構築し、そしてアルカリホスファターゼ結合抗ジゴギシゲニン抗血清(Boehri nger Mannheim)を使用して検出した。もとのクローンの各々について、3つの さらなるクローンを単離し、そして配列決定した。 2b)Dermacenter reticularis cDNAライブラリーのスクリーニング 最初に、DNAプローブを構築した。Dermacenterライブラリーの画分をZap Expr essベクター中に挿入せず、代わりに縮重プライマー5'-AAYGGNGARCAYCARGAYGCNT GGAA(正方向)および5'-KTRTMRTCNGTNRYCCANARYTCRTA(逆方向)を使用して、P CRに供した。これらのプライマーをFS-HBP1、FS-HBP2、およびMS-HBP1 cDNAなら びにタンパク質における保存的なドメインに基いた。 PCRは、95℃での30秒融解工程、50℃での30秒プライマーアニーリングエ程、 および72℃での30秒伸長工程(TaqポリメラーゼはPerkin Elmerから、デオキシ ヌクレオチドはPharmaciaから)を有する35サイクルからなった。予想されるサ イズ(約400塩基対)の単一のDNAバンドを得た。それをジゴキシゲニンで標識し 、(上記の)ライブラリーをスクリーニングした。D.RET6は、いくつかの陽性ク ローンの1つであった。 3)配列決定 FS-HBP1、FS-HBP2、MS-HBP1、およびD.RET6のインサートの全コード鎖および 非コード鎖を配列決定した。プラスミドをGoodおよびFeinstein(1992)に従っ て一晩の培養物から精製し、アルカリ変性(MierendorfおよびPfeffer、1987) し、Sangerのジデオキシ媒介チェーンターミネーション反応(SangerおよびCoul son、1975)によって配列決定した。配列決定ストラテジーを、図1〜4に示す 。 3a)FS-HBP1 図1に示すように、もとのクローンをpBluescript SK(-)ポリリンカー領域に 隣接するT3(正方向)およびT7(逆方向)プライマー部位から配列決定した。さ らに、サブクローンXVIIIa(もとのインサートのヌクレオチド221〜770を含む) およびXVIIIb(ヌクレオチド509〜770)をT3部位(図においてT3aおよびT3bによ って示される反応)から配列決定した。サブクローンXVIIIc(1〜221)およびX VIIId(1〜509)をT7部位(T7cおよびT7d)から配列決定した。 XviiiaをもとのクローンのpstI(インサートの221位および上流ポリリンカー 領域での切断)消化、続いて再連結によって作製した;XviiibをXbaI(インサー トの509位および上流での切断)消化によって作製した。XviiicおよびXviiidを 、それぞれPstIおよびXbaIと一緒にEcoRI(インサートの上流を切断)を使用し 、そしてpBluescript(SK-)プラスミド中へ切り出された断片を連結して得た。シ グナル配列を図中に太宇で記し、そしてシグナル切断部位を垂直方向の矢印(↑) によって示した。下線を付けた配列もまた、発現させたタンパク質のアミノ末端 配列によって得た。 3b)FS-HBP2 図2は、クローンFS-HBP2のcDNA配列および推定アミノ酸配列を示す。もとの クローンをT3(正方向)およびT7(逆方向)プライマー部位から配列決定した。 それらは、52-1のHincII(254位での切断、反応をT3bおよびT7aによって示す) での消化によって得た2つのサブクローン(52aおよび52b)であった。52a(ヌ クレオチド1〜254を含む)の構築のために、HincIIIをXhoI(インサートのポリ リンカー下流を切断)との組合せ、および52b(ヌクレオチド254〜793)の構築 のために、SmaI(上流を切断)との組合わせで使用した。消化の後、T4ポリメラ ーゼ(New England Biolabs)で平滑末端化し、そしてプラスミドを再び連結し た。最後に、本発明者らは、図中の下線を付けた配列と同一または相補的な、正 方向(→)インサート特異的プライマーおよび逆方向(←)インサート特異的プ ライマーを使用した。 ポリAテイルをイタリックで示し、推定ポリアデニル化シグナルに二重の下線 を付けた。シグナル配列を太字で示し、シグナル切断を垂直の矢印(↑)によっ て示す。下線を付した配列もまた、発現させたタンパク質のアミノ末端配列決定 によって得た。 3c)MS-HBP1 図3は、クローンMS-HBP1のcDNA配列および推定アミノ酸配列を示す。クロー ンをpBluescript SK(-)ポリリンカー領域に隣接するT3(正方向)およびT7(逆 方向)プライマー部位から配列決定した。さらに、本発明者らは、図中の下線を 付けた配列と同一または相補的な、正方向(→)インサート特異的プライマーお よび逆方向(←)インサート特異的プライマーを使用した。 三重線は推定Nグリコシル化部位を示す。イタリックはポリAテイルを示し、 そして二重線は推定ポリアデニル化シグナルを示す。シグナル配列を太字で示し 、シグナル切断を垂直の矢印(↑)によって示す。下線を付けた配列はまた発現 させたタンパク質のアミノ末端配列決定によって得た。 3d)D.RET6 クローンD.RET6のcDNAおよび推定アミノ酸配列を図4に示す。DNAインサート をpBK-CMVポリリンカー領域に隣接するT3(正方向)およびT7(逆方向)プライ マー部位から、そしてそれぞれ、図中で下線を付けた配列と同一または相補的な 正方向(→)インサート特異的プライマーおよび逆方向(←)インサート特的プ ライマーから配列決定した。推定シグナル配列を太字で示し、シグナル切断を垂 直の矢印(↑)によって示す。 3e)配列分析 配列データを、GCG配列分析ソフトウェア(Program Manual for the Wisconsi n Package,1994)を使用して分析した。タンパク質データベース検索を、BLAST ネットワークサービスを使用するNational Centre for Biotechnology Informat ion(NCBI)で行った。 VABPのcDNA推定アミノ酸配列のアラインメントを図6に示す。これを、GCGソ フトウェアのパイルアップおよびプリティプロットコマンドを使用して作製した 。成熟タンパク質は下線を付けたアミノ酸で始まる。これは、分泌されたVABPの N末端配列決定によって決定した(以下を参照のこと)。これは、先行する領域 はシグナル配列を表すことを示唆する。計算した分子量は、シグナル配列を除い て、 FS-HBP1については19 442であり、FS-HBP2については19 471であり、MS-HBP1に ついては21 026であり、そしてD.RET6については21 025である。計算された等電 点は、それぞれ、4.0、3.9、5.0、および4.6である。 MS-HBP1は、FS-HBP1と40%同一性(57%類似性)を有し、FS-HBP2とは43%(6 2%)、およびD.RET6とは32%(50%)を有する。FS-HBP1は、FS-HBP2と66%同一 性(78%類似性)およびD.RET6とは32%(49%)を有する。FS-HBP2は、D.RET6 と39%同一性および56%類似性を有する。これらの割合は、3のギャップの重み (gap weight)および0.1の長さの重み(length weight)を使用して、GCGソフ トウェアのベストフィットコマンド(Bestfit command)で得た。 推定二次構造は、4つのタンパク質について類似しており、α-ヘリックスが 分子のアミノ末端の半分において広くいきわたり、そして相対的に、カルボキシ ル末端の半分により多くのβ-シートおよびターンが広くいきわたる。FS-HBP1の (正に荷電した)ヒスタミンに対する低い親和性は、これらの位置の残基が結合 部位の一部を形成し得ることを示唆する。 実施例3:組換えタンパク質発現 1)クローンの構築 FS-HBP1、FS-HBP2、およびMS-HBP1を、Spodoptera frugiperda卵巣細胞(Sf21 )においてヒスチジンタグ化タンパク質(rFS-HBP1、rFS-HBP2、およびrMS-HBP1 )として発現させた。 His6タグを付加するために、FS-HBP1のコード領域を、まず、ポリメラーゼ連 鎖反応(PCR)を使用して増幅した。PCRは、95℃での30秒の融解工程、50℃での 30秒のプライマーアニーリング工程、および72℃での30秒の伸長工程を有する20 サイクルからなる。使用した正方向プライマーは、 5'-GCAGGAGCTCGGCACGAGであり; 逆方向プライマーは、 5'-TTTACTAGTGATGGTGATGATGATGGATCCCTTCTGGGAGGCAATCACTTであった。 プライマーを、SacI部位を開始コドンの上流に付加するようにように設計し、一 方終止コドンをBamHI部位で置換し、続いてTAG終止コドンを含む6つのヒスチジ ンコドンおよびSpeI部位で置換した。PCR産物をSacIおよびSpeIで消化した。後 者の酵素は、XbaIと適合性の突出を作り、これはフラグメントをpAcC129.1移入 ベクター(LivingstoneおよびJones、1989)のSacI部位とXbaI部位との間に連結 することを可能にする。これは、プラスミドpACC129.1-FS1.HISを生成する。従 って、このプラスミドは、FS-HBP1翻訳産物のカルボキシル末端に付加された配 列Gly-Ile-(His)6を含んだ。 このプラスミドpACC129.1-FS1.HISをまた、ヒスチジンタグ化FS-HBP2およびMS -HBP1の発現のために使用した。FS-HBP1 cDNAを、SacIおよびBamHIを用いて欠失 させ、従ってヒスチジンコドンをインタクトなままにした。上流のSacIおよび下 流のBglII部位(BglIIおよびBamHIは適合性の突出を作製する)を、FS-HBP2および MS-HBP1のコード領域にPCRによって付加した。PCRは、95℃での30秒の融解工程 、50℃での30秒のプライマーアニーリングエ程、および72度での30分の伸長工程 を有する20サイクルを含む。FS-HBP2の場合の正方向プライマーは:5'-AAGGAGCT CAGCATGAAGCTTCTCAT;逆方向プライマーは:5'-TATAGATCTCTAGGCAAGCACTTGTGで あった。 MS-HBP1の場合、正方向プライマーは:5'-GCAGGAGCTCGGCACGAGであり、そして 逆方向プライマーは:5'-TATAGATCTGGTTCTGAGCTGGTGCTGであった。 PCRに続いて、得られたcDNAをベクター中に挿入した。このようにして、Gln-I le-(HIS)6配列をMS-HBP1翻訳産物のカルボキシ末端に、そしてIle-(HIS)6をFS- HBP2翻訳産物に付加した。 バキュロウイルス発現系を、3つのタグ化ポリペプチドの発現のために用いた 。Spodoptera(Sf2l)細胞を、移入ベクターおよびバキュロウイルス(BacPak6;Clo ntech)でトランスフェクトした。組換えウイルスを、KittsおよびPossee(1993) に従って増幅した。VABPは、主にトランスフェクト細胞の培養培地ならびに唾液 において見出されるので、明らかに分泌産物である。 (成熟)FS-HBP2のコード領域もまた、pET-23a(+)発現ベクター中にクローン 化した。細菌発現されるFS-HBP2の短縮バージョンにおいて、図7における位置( a)〜(b)および(c)〜(d)の配列を欠失させた。N末端短縮タンパク質を、正方向 プライマ−5'-TATGGATCCTTCACTTGCGTGGGTGTTおよび逆方向プライマ−5'-TATAGCG GCCGCCCGGGCTAGTGATGGTGATGATGATを用いて、FS-HBP2を含むpACC129.1-HISプラス ミドでのPCRによって得た。PCR産物を、BamHIおよびNotIで切断し、そしてpET-2 3a(+)ベクターのBamHIとNotI部位との間に挿入した。 カルボキシ末端短縮の場合、完全なFS-HBP2コード領域を、正方向プライマー :5'-TATAGGATCCGGGAGCTCCAATCAGCCAGATTGGGCおよび逆方向プライマー:5'-TATA GCGGCCGCCCGGGCTAGTGATGGTGATGATGATを用いて、pET23a(+)ベクターに挿入した。 PCR産物を、BamHIおよびNotIで切断し、そしてpET-23a(+)ベクターのBamHIとNot I部位との間に挿入した。次いで、このプラスミド(インサートを有する)を、 インバースプライマー:5'-TATATGGTACCCATCATCATCACCATCACおよび5'-ATATATGGT ACCGTTGTCGTAATCCGTAGTCを用いるPCRのテンプレートとして使用した。これは、 欠失されるべき領域を欠く完全なプラスミドの増幅を生じた。KpnI(プライマー はKpnI部位を含む)での切断の後に、再連結を行った。形質転換の前に、もとの 、増幅されていないプラスミドをDpnIでの消化により破壊した。全てのRCRは、9 5℃での30秒の融解工程、50℃での30秒のプライマーアニーリング工程、および7 2℃での30分の伸長工程を有する20サイクルからなる。 2)タンパク質生成および抗血清の産生 Sf21細胞の感染から60時間後に、培養培地を回収し、細胞および細胞破片を遠 心沈降(2,000g、10分)させ、そして上清を(NH4)2SO4沈降によって分画した。r FS-HBP1およびrFS-HBP2は、50〜80%(NH4)2SO4画分に、そしてMS-HBP1-Hisは65 〜100%画分に沈降された。ペレットを100%(NH4)2SO4中で洗浄し、PBSに再懸濁 し、そしてJanknechtら(1991)に従ってNi-アガロースカラム(Qiagen)で精製した 。ヒスチジンタグ化タンパク質を、イミダゾールを用いて溶出した。Centricon 10 concentrator(Amicon)を、溶出物を濃縮するためおよび緩衝液交換のために 用いた。精製タンパク質をPBS中で-20℃で貯蔵した。 ポリクローナル抗血清の産生のために、精製組換えタンパク質(150μl PBS 中、約2μg)を等量のMontanide ISA 50アジュバント(Seppic,France)と混合 し、そしてDunkin Hartleyモルモットに皮下注入した。この手順を、10日毎に繰 り返した。血清を、4回目の注入から10日後に採取した。 3)電気泳動およびウエスタンブロッティング 唾液腺(および他の組織)を、給餌期の異なる時点でマダニから摘出し、そし てPBS中でホモジナイズした。ホモジネートを10,000gで5分間遠心分離し、そし て上清をドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミド電気泳動(SDS-PAGE;Laemm li,1970)に供した。 図7は、rFS-HBP1、rFS-HBP2、およびrMS-HBP1を泳動した12%SDS-PAGEゲルを 示す。rFS-HBP1、およびrFS-HBP2は、それぞれアガロースにおいて約21および約 24kDaの見かけの分子量で泳動され、一方rMS-HBP2は、約22kDaで泳動された。 ウエスタンブロッティングのために、セミドライエレクトロブロッティング(K yhse-Anderson,1984)の手段により、AE-6675 Horizblot装置(Atto Corporation ,Japan)を用いて、タンパク質をニトロセルロース(Gelman Sciences)に転写した 。モルモットにおいて産生された抗血清(上記を参照のこと)を用いて、アルカ リホスファターゼ(Sigma)に結合したヤギ抗モルモット免疫グロブリンを組み合 わせて、FS-HBP1、FS-HBP2、およびMS-HBP1を同定した。ニトロブルーテトラゾ リウム塩および5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルリン酸(Blakeら、1984)を用い て、キナーゼ活性を可視化した。 タンパク質の最終的なアスパラギン結合糖化を、移動度シフトアッセイの手段 によって研究した。N-グリコシダーゼF(PNGaseF;New England Biolabs)(糖タ ンパク質からの公知の型のAsn-グリカン鎖の全てを加水分解するエンドグリコシ ダーゼ(Maleyら、1989))での処理の前および後に、唾液腺抽出物および組換え タンパク質サンプルを用いて、SDS-PAGEおよびイムノブロッティングを行った。 N-グリコシダーゼFでの処置に際して、MS-HBP1のみがSDS-PAGEゲルにおける移動 度において任意の下方シフトを示す。これはMS-HBP1が糖タンパク質であること を示す。この下方シフトは、分子量における2〜3kDaの変化に対応する。 図8は、成体給餌期の異なる時点で採取し、そして12%SDS-PAGEゲル上で展開 したメス(AおよびB)およびオス(c)マダニの唾液腺抽出物を含むウエスタ ンブロットを示す。抗FS-HBP1(A)および抗FS-HBP2(B)血清は、接触(p.a.)の1日 目〜3日目で陽性反応を示した。抗MS-HBP1血清(c)は、p.a.1日目から給餌期の 終わりまでMS-HBP1を検出した。 4)N末端配列決定 精製rFS-HBP1、rFS-HBP2、およびrMS-HBP1のアミノ末端配列を、Department o f Biochemistry of the University of OxfordのMRC ImmunochemistryUnitを AGEゲル上を泳動させ、そしてProBlott膜(Applied Biosystems,Warrington,En gland)上にエレクトロブロッティングした。膜を、クマシーブリリアントブルー で染色し、目的のバンドを切り出し、そしてMatsudaira(1987)に従って配列決定 した。エレクトロブロッティングしたサンプルを、Applied Biosystems「Mini-B lott」カートリッジ(ここに膜片を挿入した)を用いて、Applied Biosystems 49 4A「Procise」タンパク質シークエンサー(Perkin-Elmer,Applied Biosystems D ivision,Warrington,UK)に供した。膜結合サンプルのための製造者の推奨する プログラムを、配列決定のために使用した。 実施例4:タンパク質の特徴付け 1)ヒスタミン結合アッセイ 精製組換えタンパク質を、WarlowおよびBernard(1987)に記載されたヒスタミ ン結合アッセイに供した。この方法は、結合リガンド(放射標識ヒスタミン)を 含まないように分離するために、ポリエチレングリコール(MW8000)の添加および 遠心分離によるタンパク質沈降を使用する。全ての実験において、ヒスタミンの 代謝が起こらないことを保証するために、4時間のインキュベーション期間の後 に酢酸アンモニア溶媒系において薄層クロマトグラフィーを行った。 3H-ヒスタミンの飽和性結合を、3つ全てのrVABPについて得た(図9Ai、9Bi および9Ci)。Scatchardプロット(図9Aii、9Biiおよび9Cii)は、rMS-HBP( Kd=1.2×10-9M;SD=0.4;3回測定)について、およびrFS-HBP2について高い親和 性(Kd=1.7×10-9M;SD=0.9)を示した。しかしrFS-HBP1については低い親和性(Kd =7.8×10-9M;SD=1.5)を示し、これはヒスタミン結合が、このタンパク質の主要 な機能ではないことを示唆した。 rMS-HBP1の場合において、同時作用結合についてのいくつかの証拠が存在する 。3H-ヒスタミン(約0.3pmol;11,200cpm)および過剰量のrMS-HBP1(約100pmol)を 含むサンプルを少量のヒスタミン(0.5pmol)に補充した場合、結合放射リガンド の有意な増大が測定された(6,840±150cpmに比較して7,560±110cpm;5回測定) 。これは、増強された結合能力を示す。同時作用結合は、MS-HBP1のダイマーま たはポリマー特性に一致する。実際に、MS-HBP1は、分子間ジスルフィド架橋を 形成するようである;泳動緩衝液から還元剤が除外された場合、SDSゲル上でよ り低い移動度を有する。2つのFS-HBPは、還元剤の非存在下におけるより高い移 動度によって示唆されるように、分子内ジスルフィド結合のみを有するようであ る。 競合実験(三連で行った)において、一連のヒスタミン様化合物[ヒスタミン 、イミダゾール、セロトニン、ドーパミン、H1レセプターβアゴニストヒスタミ ン、H1アンタゴニストのクロロフェニラミン(chlorpheniramin)およびピリルア ミン、H2アゴニストジマプリット、H2アンタゴニストのラニチジンおよびシメチ ジン]を、rVABPの各々に1000倍量(結合部位から95%以上の3Hヒスタミンを非放 射性(cold)ヒスタミンに置換する量)で添加した。ヒスタミン様化合物は、放射 性リガンドの置換をほとんどまたは全く生じなかった。これは、VABPがヒスタミ ンに特異的に、そしてH1およびH2レセプターとは異なる様式で結合することを示 した。 pET-23a(+)ベクター中のFS-HBP2を、AD494(DE3)pLysS細菌(Novagen)において 発現させた。細菌発現させたFS-HBP2は、バキュロウイルス系において発現させ たFS-HBP2よりも、ヒスタミンにいくらか低い親和性(Kd=0.6〜0.9×10-8M)で結 合する。N末端の45アミノ酸またはC末端の28アミノ酸のいずれかを欠損するタ ンパク質の短縮バージョン(上記を参照のこと)は、ヒスタミンに全く結合しな い。これは、FS-HBP2の全体の構造がヒスタミン結合に重要であり、そして結合 部位は、αヘリックスまたはβシートのどこかに位置する一続きの連続アミノ酸 よりも、分散した残基によって決定されているようであることを示唆する。 2)収縮阻害 収縮阻害実験(図10)を、通気したクレブス溶液を含む10mlチャンバーに吊し たモルモット回腸で行った。収縮(ピークとして記録した)を、1.25nmolヒスタ ミン(H)をチャンバーに添加することにより誘導した。ピークに達した後、ヒス タミンをクレブス溶液(W)から洗い流し、回腸を弛緩させた。収縮を、ヒスタミ ンと共に約2nmol rFS-HBP2(F2)を添加することにより、実質的に減少させた。 約2nmolのrFS-HBIは、有意な効果を有さなかった(データ示さず)。ヒスタミ ンと共に添加した約4nmol(モノマー量)のrFS-HB01(M)は、過剰のヒスタミン( xH)を添加した後でさえも、収縮を完全に阻害した。 rMS-HBP1およびrFS-BP2タンパク質は、ヒスタミンと競合するに十分に強い、 モルモット回腸のH1レセプターへの結合体である(図10を参照のこと)。rFS-HB P1の比較的低い親和性に一致して、rFS-HBP1では回腸収縮の阻害は、ほとんどま たは全く観察されなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG, US,UZ,VN,YU (72)発明者 ナタル,パトリシア アン イギリス国 オーエックス14 4エヌピー オクソン,カルハム,マノー ファーム 1

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.10-7M未満の解離定数で血管作用性アミンに特異的に結合し、そしてMS-HBP1 、FS-HBP1、FS-HBP2、およびD.RET6と同じタンパク質ファミリーに属する血管作 用性アミン結合タンパク質(VABP)。 2.吸血外寄生生物、クモ、サソリ、ヘビ、または有毒動物に由来する、請求項 1に記載のVABP。 3.マダニに由来する、請求項1に記載のVABP。 4.マダニRhipicephalus appendiculatusまたはDermacenter reticularisに由 来する、請求項1に記載のVABP。 5.ヒスタミンに特異的に結合する、請求項1〜4のいずれかに記載のVABP。 6.FS-HBP1、FS-HBP2、MS-HBP1、およびD.RET6のいずれかのVABP。 7.請求項1〜6に記載のいずれかのVABPのいずれかに、機能的に等価な誘導体 またはフラグメント。 8.組換え形態で発現される請求項1〜7のいずれかに記載のVABP、誘導体、ま たはフラグメント(VABM)。 9.前記VABPが、遺伝的または化学的に1つ以上のペプチドまたはポリペプチド に融合される、請求項7または8に記載のVABM。 10.樹脂のような支持体に結合される、請求項1〜9のいずれかに記載のVABM 。 11.請求項1〜9のいずれかに記載のVABMをコードする核酸分子、またはその ようなVABMコード分子とハイブリダイズする核酸分子。 12.DNA、cDNA、またはRNAを含む、請求項11に記載の核酸。 13.DNAを含む、請求項11または12に記載の核酸。 14.請求項11〜13のいずれかに記載の核酸分子を含むクローニングベクタ ーまたは発現ベクター。 15.ウイルスベースである、請求項14に記載のベクター。 16.バキュロウイルスベースである、請求項15に記載のベクター。 17.請求項14〜16のいずれかに記載のベクターで形質転換されたか、また はトランスフェクトされた宿主細胞。 18.請求項11〜13のいずれかに記載の核酸分子によって形質転換されてい るトランスジェニック動物。 19.請求項1〜9のいずれかに記載のタンパク質を調製する方法であって、該 方法は、宿主細胞において請求項14〜16のいずれかに記載のベクターを発現 させる工程、該宿主細胞を該タンパク質が発現される条件下で培養する工程、お よび、このように産生された該タンパク質を回収する工程を包含する、方法。 20.請求項1〜10のいずれかに記載のVABMおよび検出手段を含む、ヒトまた は動物の体液中のヒスタミンレベルの定量化に適切なキット。 21.治療における使用のための請求項1〜10のいずれかに記載のVABM。 22.ヒトまたは動物における血管作用性アミンの結合における使用のための、 請求項1〜10のいずれかに記載のVABM。 23.ヒトまたは動物におけるヒスタミンの結合における使用のための、請求項 1〜10のいずれかに記載のVABM。 24.ヒトまたは動物における血管作用性アミンの検出のための、請求項1〜1 0のいずれかに記載のVABMの使用。 25.ヒトまたは動物におけるヒスタミンの検出のための、請求項1〜10のい ずれかに記載のVABMの使用。 26.ワクチンにおける請求項1〜10のいずれかに記載のVABMの使用。 27.抗ヒスタミン剤としての使用のための、請求項1〜10のいずれかに記載 のVABM。 28.抗炎症薬物としての使用のための、請求項1〜10のいずれかに記載のVA BM。 29.ヒトまたは動物における炎症の治療のための薬物の製造において、薬学的 受容可能なキャリアと併用する請求項1〜10のいずれかに記載のVABMの使用。
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