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JP2000509913A - レーザ装置 - Google Patents

レーザ装置

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JP2000509913A
JP2000509913A JP10531768A JP53176898A JP2000509913A JP 2000509913 A JP2000509913 A JP 2000509913A JP 10531768 A JP10531768 A JP 10531768A JP 53176898 A JP53176898 A JP 53176898A JP 2000509913 A JP2000509913 A JP 2000509913A
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インターナシヨナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーシヨン
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Abstract

(57)【要約】 コヒーレントな光波の基本モードと少なくとも1つの高次横モードとが存在する縦方向光導波路を含むレーザ素子。光導波路において、高次横モードの相対強度最大値と基本モードの相対強度最大値とが異なる位置に配置された位置の少なくともほぼ近くに、少なくとも1つの損失要素を配置する。損失要素は高次横モードを減衰させる。

Description

【発明の詳細な説明】 レーザ装置 技術分野 本発明は、レーザ装置に関し、より詳細には、電流が供給されるとレーザ・キ ャビティ内部にコヒーレントな定在光波を生じさせる活性媒体を有する半導体レ ーザ・ダイオードに関する。 半導体レーザ・ダイオードは、コンパクトなサイズのためと、その技法が付随 する電子回路の技法に対応しているために、多様な情報処理システムで応用され ている。半導体レーザ・ダイオードは、データ通信、光記憶、オプティカル・プ リンティングなどの分野で使用されている。最も一般的に使用されているのは、 III/V族化合物材料である。特に、AlGaAsおよびInGaAs/Ga Asレーザが広く使用されているが、現今では他の材料も使用される。 高出力を有する半導体レーザの需要が高まっている。このようなデバイスは、 高出力のレーザ発生源を使用した場合に増幅器の数を削減することができる通信 回線での使用にきわめて適している。高出力レーザ・ダイオードは、たとえば、 ある種の医療システムや材料の切断に使用される工具でも使用することができる 。 米国特許第5349596号は、非対称半導体ヘテロ構造 レーザ・キャビティおよびそのキャビティを備えたレーザを対象としている。こ の非対称設計は、外部ポンピング・レーザの動作しきい値の低下につながると考 えられる。 エルビウムがドープされたファイバ増幅器をポンプするために、たとえば98 0nm近い波長のレーザ光を発する高出力InGaAs/GaAs量子井戸レー ザが広く使用されている。単一モード・ファイバへの結合が必要なこのような応 用分野では、レーザ・ダイオードからの最大使用可能出力は、出力ビーム品質が 低下する出力レベルである。 弱屈折率導波型リッジ導波路レーザは、一般には高次横モードのカットオフ付 近に設計されている。このような構造では、光損傷しきい値を大幅に下回る出力 レベルで回折限界基本モード動作から非回折限界モード動作への遷移が観察され 、したがって、基本モード動作からのこの逸脱は、レーザのパフォーマンスにお ける制約要因となる。出力対電流特性は、開口数が小さい検出器によって測定し た場合、一般に、非回折限界動作への遷移点でキンクを示す。したがって、最大 基本モード出力を、「一次出力」または「キンク出力」とも呼ぶ。出力をキンク 出力を超えて増大させると、レーザはしばしば基本モード動作に戻る。同様の効 果は、他の半導体レーザでも観察することができる。 上記で概説したように、現在の半導体レーザの大きな問題点は、基本モード動 作からの逸脱を示し、それによって、多くの高出力応用分野で使用できないこと である。本発明の主 な目的は、改良された、より信頼性の高い半導体ダイオード・レーザと、そのよ うなレーザの設計および製作方法を提供することである。 シェマン(Schemmann)等の「Kink power in weakly index guided semicondu ctor lasers」(Appl.Phys.Letters 66(8)、1995年2月20日、pp920-922)と いう論文には、キンク出力のレーザ長に対する依存について記載されている。最 適回折限界出力は、適切なレーサ長を選定することによって得られると予測され ている。 米国特許第5438585号では、従来のファブリー・ペロ・キャビティと平 板井戸分布屈折率分離閉じ込めヘテロ構造(QWGRINSCH)活性領域とを 使用した単一回折限界ファーフィールド・ローブで高い光出力を出す半導体レー ザ・ダイオードが記載されている。レーザの活性領域にアンチガイド領域を光結 合する。一実施形態では、アンチガイド領域は、有効屈折率に横変動があり、こ れが発散媒体を形成し、それによって高次光モードが共振キャビティで高い損失 を生じる。 米国特許第5394424号には、レーザ動作のための基本横モードを安定し て生じさせるように保証するための活性層上の上部クラッド層と、活性層の発行 領域に並置された上部クラッド層から突出したうね状のクラッド層とを有する半 導体レーザ素子が記載されている。 米国特許第4761791号には、レーザ活性領域に沿っ たリッジの横および場合によってはリッジの上に、不連続構造を有する単一縦モ ード・ダイオード・レーザが記載されている。この不連続構造は、リッジの長さ 、またはそれぞれ横領域の長さのかなりの部分にわたって、所期の効果を生じさ せるのに十分な頻度で分散して配置される。個々の不連続部の長手方向の寸法は 、それぞれのレーザ放射波長の半波長から最大3波長までの範囲である。 発明の目的および利点 請求する本発明は、周知の半導体レーザ・ダイオードの欠点を改善することを 意図している。 請求項1に記載の特徴を有する半導体レーザ素子は、少なくとも1つの高次横 モードが基本モードよりも強く減衰する。これによって、この高次横モードと基 本モードとの間の結合が弱くなり、それによって、半導体レーザ素子のキンク出 力が増大する。 従属請求項に記載の手段によって、請求項1に記載の半導体レーザ素子の様々 な改善および修正が可能である。 高次横モードが相対的最大値を有する箇所に損失要素を配置すれば有利である 。これは、その箇所に高次横モードの最大振幅があり、それによって減衰の可能 性が高くなるためである。 伝導層よりも光導波路の近くに達する伝導層の突出部を含む光波減衰材料の形 態の損失要素の実施形態は、いかなる場 合でもすでに存在する層、たとえばレーザ素子の端子として使用される接続層を 伝導層として使用することができるという利点がある。 損失要素が、互いに所定の距離を置いて配置されたいくつかの損失要素部分を 含む場合、各損失要素部分の中間、すなわち基本モードの相対最大値がある箇所 では減衰が起こらないため、達成可能な減衰がより選択的になる。 光導波路に存在するモードのうちの縦モード次数の差に依存して損失要素を配 置すれば有利であることがわかる。これは、この差によって、伝搬モードの相対 最大値の位置が互いに最も異なる箇所が自動的に決まるからである。光導波路に おける基本モードと最初の高次モードとの縦モード次数の差を、本明細書ではm と略記する。 損失要素を、光励起電荷キャリヤのトラップの役割を果たす1つまたは複数の 飽和性光吸収領域を含むように設計すれば、これらの飽和性光吸収領域を形成す るために周知のエピタキシャル核成長プロセスを使用することができるという利 点がある。さらに、飽和性領域としてどのような飽和性吸収材料でも選択可能で あり、したがって、たとえばプロセスの複雑性や材料の価格など異なる条件に適 するように選定することができる。 飽和性光吸収領域(たとえば量子ドット)の局所閉じ込めによって、電荷キャ リヤが隣接領域に流れ込むのが防止される。したがって、基本モードによって飽 和した吸収がその空 間分解能を保持し、それによって、厳密に非飽和光吸収領域の位置、特に、基本 モード強度が低く、飽和性吸収損失要素がなかったとすればより弱い高次モード 強度最大値が現れることになる位置においてのみ光を減衰させる精度が保持され る。 反射面のうちの1つの反射面の離調反射率が、たとえばブロードエリア多モー ドにおける横モード次数を安定させる損失要素と組合わさって、有利な方式で横 モードの数を減少させる役割を果たす。 図面の説明 以下に、本発明について、特定の実施形態および本発明の教示により製作され た素子のパフォーマンス特性が図示された図面を参照しながら詳述する。 第1図は、様々な電流レベルにおけるレーザ・ダイオードの測定ファーフィー ルド強度分布を示すプロットである。 第2図は、開口数の小さい検出器によって測定された、レーザ・ダイオードの 出力と電流の関係(実線)およびレーザ・ダイオードの出力の変動と電流との関 係(破線)を示すプロットである。 第3図は、共通のm数値によって規定された様々な密度クラスタの推測領域を 使用した、キンク出力とFWHM@P=30mWとの関係を示す図の形で数千個 のレーザ・ダイオードの入口点の密度を示す等高線プロットである。 第4a図は、utot=u0+u1のスーパーモードのエネルギーの流れを示す略 図である。 第4b図は、utot=u0+iu1のスーパーモードのエネルギーの流れを示す 略図である。 第5a図は、m=3の半導体レーザ素子の最初のキンクにおけるスペクトル積 分電界発光強度差を示す図である。 第5b図は、m=4の半導体レーザ素子の最初のキンクにおけるスペクトル積 分電界発光強度差を示す図である。 第5c図は、m=5の半導体レーザ素子の最初のキンクにおけるスペクトル積 分電界発光強度差を示す図である。 第6a図は、本発明によるレーザ素子の第1の実施形態を示す前面断面図であ る。 第6b図は、第6a図の素子の上面図である。 第6c図は、第6a図の素子の側面図である。 第7図は、リッジ導波路レーザ素子の様々なモード次数差mの存在を説明する 図である。 第8a図は、キャビティに沿った基本モードの周期性を示す略図である。 第8b図は、キャビティに沿った一次横モードの周期性を示す略図である。 第8c図は、第8a図の基本モードと第8c図の一次横モードのコヒーレント な重ね合わせを示す略図である。 第9図は、本発明によるレーザ素子の第2の実施形態を示す透視図である。 上記の各図は、図がわかりやすいように、必ずしも実寸で示してあるとは限ら ず、各寸法間の関係も実際の一様な縮尺で示してあるとは限らない。略語(a. u.)は、「恣意的単位」を意味し、図中の情報が、記載されている点または曲 線の絶対値とはあまり関係がなく、他の図示されている点または曲線と関係した それぞれの点または曲線の相対的な差で記載されているという意味で使用してい る。 詳細な説明 第1図には、100〜250mAの様々なレベルの動作電流Iにおけるレーザ ・ダイオード、具体的にはひずみInGaAs/GaAs単一量子井戸リッジ・ レーザ素子の測定横ファーフィールド角強度分布のプロットが示されている。強 度は、光出力Pとして示されており、低い値の動作電流Iの場合に角度α=0度 において出力ピークを示し、角度αが大きくなるにつれて出力Pが対称的に減少 する様子が図示されている。この例のひずみInGaAs/GaAs単一量子井 戸リッジ・レーザ素子は、150mWを超える回折限界出力を有し、特定の出力 レベルにおいてレーザ・ビームの横ステアリングに伴う回折限界基本モード動作 からの逸脱を示す。この例では、横ファーフィールドのステアリングは、210 〜230mAの動作電流Iの値で見られる。より高い動作電流Iの場合、レーザ 素子は第2のキンクが発生するまで基本動作モードに戻る。レーザ素子の出力P は、加熱などの他の 限界決定効果によってパフォーマンスが低下するまでいくつかのキンクを示す。 多くの半導体レーザ素子は、回折限界基本モード動作から非回折限界動作への 遷移を示す。場合によっては、基本モード動作からのこの逸脱はレーザ・パフォ ーマンスにおける制限要因になることがある。 この動作は、基本モードと、活性領域における局所加熱によって生じるレーザ 素子の横屈折率プロフィールの変形によってレーザ・キャビティに追加的に導か れる横高次モードとの共鳴結合によって説明される。高次横モードは、中位の出 力レベルですでに導かれることがある。ファーフィールドの横ステアリングは、 基本モードと高次横モードとの位相固定重ね合わせを仮定することによって説明 することができる。 開口数(NA)の小さい検出器によって測定された、対応する出力と電力特性 との関係を、第2図の図に示す。図には、出力Pと共に、出力と電流特性との関 係の平滑化二次微分として規定された出力の変動varが図示されている。小N A検出器は基本モード動作からの逸脱に対してきわめて感度が高いため、ビーム ・ステアリングは出力と電流特性との関係および出力Pの変動varの強い増大 における「キンク」として観察することができる。 レーザ光を単一モード・ファイバ結合するためには、最初のキンクより下の特 性の線形部分しか使用することができない。したがって、「線形出力」または「 キンク出力」は、最 大使用可能回折限界出力Pとして、またはより正確には、出力Pの変動が所定の 値、たとえば0.2mWを超えない最大出力として定義される。キンクは、検出 器として積分球光度計を使用しても観察することができるが、一般により弱くな る。これは、基本モードで放出される出力だけでなく、全放出出力Pもキンクを 受けることを意味する。 複数のレーザ素子の二次元ヒストグラムの形の統計値例を第3図に示す。この 図では、等高線が図示されており、各等高線は一定の点密度を示し、各点は、こ の例では1つのレーザ素子の30mWの出力およびキンク出力値におけるFWH M(半値全幅最大)値を表す。所定の出力P値で測定されたレーザ素子の横ファ ーフィールドのFWHMを、レーザ素子のリッジ高の等価値として使用すること ができる。一様な点密度がある領域が図の固定した領域にあるということは、キ ンク出力の値がランダムな値ではないことを示している。それに対して、導波路 リッジの高さに対するキンクの規則的な鋸歯状の依存関係が発生する。この高さ は、横ファーフィールドの幅に直接関係する。すなわち平坦なレーザ・リッジに よってモード閉じ込めがより強力になり、横ファーフィールド角度がより大きく なる。出力が高くなると、熱効果が横ファーフィールドと導波路幾何形状との相 関関係に影響を与える。 リッジ幾何形状と実効屈折率neffの熱変形とに対するキンク出力の規則的依 存によって、異なるクラスタ、すなわち、 点密度のより低い領域によって囲まれた高点密度の領域の区別が可能になる。ク ラスタは、伝搬横モードの縦モード次数の差mを共通して有する理論上存在する 領域の実験的に判明済みの証拠を示す。これらの領域は普遍的特性を有し、これ はそれらの領域がプロセス・ランごとにその位置を変えないことを意味する。し たがって、リッジ深さに対するキンク・レベルの依存は、導波路幾何形状の基本 特性である。 レーザ・キャビティにおける伝搬モードのモード次数mの差の数値mを、第3 図の4つのクラスタの各クラスタに割り当てることができる。左から2番目のク ラスタ内のレーザ素子はm=3のキンクを有し、3番目のクラスタ内のレーザ素 子はm=4のキンクを有し、4番目のクラスタ内のレーザ素子はm=5のキンク を有する。したがって、全クラスタは、その領域内に含まれるすべてのレーザ素 子について、特定の共通のm数値のキンクが発生する領域である。実際には、ク ラスタは第3図で破線によって図示されているその上限まで続く。第3図では各 レーザ素子の最初のキンクだけを調べたため、実験により導き出されたクラスタ の見かけの上限は人為的なものである。第3図の各クラスタは、単純に次に低い m数値を有する次のクラスタの始まりによって終わる。これは、レーザ素子は出 力が増大するとm数値が増大する一連のキンクを示すという実験による観察とも 一致している。 キンクは、横ビーム・ステアリングおよび増大する自然放出で現れるだけでな く、レーザ波長の分割とシフトにも現れ る。通常、キンク箇所には、まずレーザ波長の分割がある。次に、短い方の波長 を持つ分岐が「消滅」し、レーザはより長い波長で発振する。キンク出力より上 の出力レベルで、波長は再びその通常値を有する。 以下の項では、横モード結合について、観察されたキンク動作およびクラスタ の説明を示す。 安定した非対称ファーフィールドは、基礎モードと高次横モードのコヒーレン トな、すなわち位相固定された重ね合わせによって説明することができる。レー ザ素子が単色光を放射する場合のこの2つのモードのコヒーレシトな重ね合わせ の存在のための必要条件は、2つのモードの周波数νの縮退、すなわちである。 さらに、レーザ・キャビティ内に定在波を生じさせることができるためには、 2つのモードがレーザ・キャビティと共振していなければならない。 上記の各式は、レーザ・キャビティ長L、2つのモードの 縦モード次数l0、l1、および実効屈折率ne 0およびne 1を使用する。モード次 数mは、小さい整数であり、たとえばm=1、2、3、4などである。式[1] 〜[2b]から、以下のようにコヒーレント・スーパーモードの形成のための必 要条件が得られる。 実効屈折率ne 0とne 1の差は、以下の整倍数でなければならない。 したがって、原理的に混成スーパーモードは理論上存在しない。導波路は、条 件[3]を満たす実効屈折率ne 0およびne 1を有する2つのモードを導かなけれ ばならない。この条件は「低温」導波路の場合は満たされないが、光導波路の局 所的加熱により、2つのモードの実効屈折率ne 0およびne 1を条件[3]が満た されるまでシフトさせることができる。満たされた時点で、基本モードは、高次 横モードにエネルギーを共鳴伝達し、キンクが発生する。電流を増大させ、それ と共に出力Pを増大させると、さらに、光導波路がより強力に加熱され、実効屈 折率ne 0およびne 1がさらにシフトし、条件[3]は満たされなくなる。その後 、共鳴結合はなくな り、レーザ素子は基本モード動作に戻る。 2つのモードは同じ周波数νで発振し、同じ自由空間波長を有するが、異なる 実効屈折率ne 0およびne 1のためにレーザ・キャビティ内部の波長は異なる。ビ ート長Λは以下の式によって求められる。 ビート長Λは、その後で2つのモードが2πの位相差角を有する長さである。 式[2a」〜[4]の結果として直接、以下の式になる。 したがって、2つのモードの定在波パターンの重ね合わせの場合、その2つの モードの半ビート長Λ/2がレーザ・キャビティ内に「収まる」ことが必要であ る。レーザ・キャビティ内の定在波強度分布を考慮すると、2つのモード間の相 対的位相を恣意的に選定することができる。すなわちスーパーモードの振幅uto t は、複素振幅u0およびu1と恣意的複素定数cを使用して以下のように書くこ とができる。 反射面のうちの1つから始まって、ビート長Λの4分の1の後に、高次横モー ドは基本モードと比較してπ/2の位相 シフトを有し、したがってそのモード・ピークは基本モードのモード・ピークの 間に現れる。いくつかの波長の平均をとると、強度分布はレーザ・キャビティに 沿って均一であるが、基本モードの強度分布と比較すると広がっている。スーパ ーモードの最大強度の位置が導波路の一方の側から他方の側まで移動する実数の cの場合にはそうではない。この重ね合わせでは非対称なニアフィールドになる のに対し、虚数のcでは対称なニアフィールドになる。 第4a図に、実数のcによる重ね合わせのエネルギーの流れを示し、第4b図 に虚数のcによる重ね合わせのエネルギーの流れを示す。両図に示すモードはm =2に対応する。キャビティ長Lcは半ビート長Λ/2の整数倍数であることが 明らかになる。また、実数のcでは対称ファーフィールドになるのに対し、虚数 のcでは非対称なファーフィールドになり、したがってビーム・ステアリングに なることもわかる。したがって、キンクは虚数のcによる2つのモードのコヒー レントな重ね合わせの結果である。この結果、キンクにおけるニアフィールドは 対称のままである。 第4a図に示すモードは、utot=u0+u1に対応し、その結果として非対称 ニアフィールドおよび対称ファーフィールドが生じるのに対し、第4b図に示す モードはutot=u0+iu1に対応し、対称ニアフィールドおよび非対称ファー フィールドが生じる。 したがって、キンクはコヒーレントな位相固定重ね合わせ、 すなわち2つの横モードのスーパーモードの結果である。2つのモードが縮退さ れる条件、すなわち2つのモードが同じ周波数νで発振する条件である。その場 合、共振結合が起こり、基本モードから高次横モードにエネルギーが共鳴伝達さ れ、その結果、横シフトされたファーフィールド強度分布が生じる。キンクは、 2つのモードの縦モード次数の差であるm数値によって特徴づけることができる 。 横ステアリングの方向がある。utot=u0−iu1モードは、レーザ・キャビ ティ内部でutot=u0+iu1モードと全く同じ強度分布を生じさせるが、他方 の側へのファーフィールド・ステアリングが生じ、このスーパーモードは第4b 図に示すものとは逆に伝わる。これは、ステアリングの方向はレーザ素子ごとに ランダムに異なるが、1つのレーザ素子については一定しているという実験結果 と一致する。 キンクにおいて、ニアフィールドは対称を維持すると予想される。ニアフィー ルドは、第1図に示すファーフィールドの大きな横ステアリングと比較して、一 方の側へのシフトをわずかしか示さないことを観察することができる。これによ って、主として虚数の定数cの仮定が立証される。しかし、ニアフィールドのわ ずかなシフトは、定数cが純虚数ではなく、小さい実数部を含むことを示してい る。 あらゆるレーザについて、キンクにおけるレーザ・キャビティに沿った電界発 光強度の増大を観察することができる。第5a図、第5b図、および第5c図に 、それぞれm=3、 4、5の半導体レーザ素子の最初のキンクとキンクよりわずかに下の電流Iとに おけるキャビティの縦軸xに沿った電界発光強度の相違を示す。これらの測定値 は、2つのモード間のビートを直接示しており、損失要素の理想的位置の正確な 予測を可能にする。 第5a図で、第1の相対強度差最大値は約230μmにおいて見られる。ただ し、キャビティ長Lcはすべての図で750μmである。第2の相対強度差最大 値は約500μmにおいて見られる。これは、これらの位置において2つのモー ドが同相であるという事実に対応している。したがって、これらの位置からシフ トした4分の1ビート長は、2つのモードが最も位相外れした位置にある。した がって、損失要素10を配置する最良の場所a、b、cがある。 m=4の場合について、第5b図に電界発光強度差の交互の最大値と最小値を 示す。この場合、4個の配置可能損失要素10のための4箇所の場所a、b、c 、dを表す4個の最小値が現れている。第5c図はm=5の場合の規則を立証し ており、したがって5箇所の場所a、b、c、d、eになる。場所eの上の最小 値は他の最小値ほど明らかではないという事実は、この場所が、散光の増大によ り測定電界発光強度差のひずみが起こる反射面14に最も近くにあるという事実 に由来する。 したがって、m数値によって、損失要素10を配置する具体的な基礎が得られ る。 本発明により、伝搬スーパーモードのキャビティ内強度分布の知識に基づいて 、高次横モードに損失をもたらし、したがってスーパーモードを安定させると同 時に、基本モードには影響を与えない損失要素が配置されるという点で、レーザ 素子のキンク動作を向上させることができる。この手法は、キンクを移動させず に、キンクを低減し、最良の場合はキンクをなくす。 以下では、損失要素を有する半導体レーザ素子の例を示し、説明する。 第6a図および第6b図に、本発明による半導体レーザ素子の第1の実施形態 を示す。第6c図に、それぞれ屈折率nの半導体レーザの構成側面図を示す。第 6a図は、第6b図に示す切断面A−Aに沿ったレーザ素子の図である。 この例のレーザ素子は、注入型レーザ・ダイオードであり、層状構造を有し、 中央層として量子井戸帯1を含む平行六面体バーの全体的形態を有する。量子井 戸帯1は、その上側上で上部半導体閉じ込め帯2によって閉じ込められている。 上部閉じ込め帯2の組成は、ギャップ・エネルギーが上面から量子井戸帯1に向 かって減少するようにその上面から量子井戸帯1との界面に向かって変化してい る。上部半導体閉じ込め帯2の屈折率は、逆にその上面から量子井戸帯1に向か って大きくなる。量子井戸帯1はその下側上で下部半導体閉じ込め帯3によって 閉じ込められており、下部閉じ込め帯3の組成は、下面から量子井戸帯1との界 面に向かってギャップ ・エネルギーが減少するようにその下面から量子井戸帯1との界面に向かって変 化している。下部半導体閉じ込め帯3の屈折率は逆にその下面から量子井戸帯1 との界面に向かって増大する。下部半導体閉じ込め帯3の下面に隣接して、下部 クラッド層4が配置され、下部クラッド層4は、隣接する下部半導体閉じ込め帯 3の屈折率と共通の界面において最大限等しくなるような組成を有する。電荷キ ャリヤを閉じ込めるために、量子井戸帯1は隣接する閉じ込め帯2、3より低い ギャップ・エネルギーを有する量子井戸によって構成されている。量子井戸帯1 の屈折率は、ランダム性とすることができ、隣接帯2、3の屈折率よりも低くす ることさえできる。上部閉じ込め帯2の上に、縦リッジ12を含む上部クラッド 層5が配置されている。量子井戸帯1は、光閉じ込めおよび導光にはわずかしか 関与せず、導光は閉じ込め帯2、3とクラッド層4、5によって保証される。下 部クラッド層4は半導体基板17上に配置されている。 この平行六面体バーは、4つの垂直面によって限られており、そのうちの2面 は特定の反射特性を持たないが、第3の面は反射面14であり、第4の面はレー ザ・ビーム出口面の役割を果たす半透明反射面13である。反射面14と半透明 反射面13との間の距離はキャビティ長Lcである。リッジ12は底部幅Wcを有 し、反射面14から半透明反射面13まで延びている。上部クラッド層5は、い くつかの立方形状の穴をさらに含み、穴の縦軸はリッジ12の縦軸に対して垂直 に なっており、ここでは例示として4つの穴から成るグループにグループ化されて いる。これらのグループは、リッジ12の左右に対に配置されている。さらに、 上部クラッド層5は、分離材料から成る埋込み層とも呼ぶ被覆層6によってリッ ジ12の高さまで覆われている。被覆層6は、立方形状の穴も示している。この レーザ素子は、リッジ12および被覆層6上に配置され、第1の接触要素9に接 続された第1の電気導体層7をさらに含む。電気導体層7のうちの穴のグループ 中に突出した部分は、そこに光波減衰損失要素10を形成しており、この損失要 素10は、いくつかの損失要素部分を含み、各損失要素部分が1つの充填された 穴である。したがって、ここではリッジ12に沿って4箇所に損失要素10が設 けられ、その位置は伝搬モードの縦モード次数の差mに応じて選定される。 反対側では、半導体基板17が、第2の接触要素11に接続された第2の電気 導体層8に取り付けられている。閉じ込め帯2、3は量子井戸帯1と共に、厚さ Hcの光導波路15を形成し、光導波路15は活性領域として量子井戸帯1を有 するレーザ・キャビティとして機能する。レーザ・キャビティは、レーザ・キャ ビティ長Lc、レーザ・キャビティ高Hc、およびレーザ・キャビティ幅Wcを有 するファブリー・ペロ型である。 このレーザ素子は電気的にポンピングされる。したがって、レーザは2つのタ イプのドーピング、すなわちnドーピング とpドーピングを示し、これらはp−n接合と、さらに2つの接触電極9、11 を形成する。この2つの電極接触部9、11は、活性領域1を通る電流を伝える ように機能し、この電流が誘導電荷キャリヤ再結合を生じさせる。電荷キャリヤ は活性帯に注入され、そこで再結合して発光を生じさせる。GRINSCH(分 布屈折率分離閉じ込めヘテロ構造)とは、レーザ素子が分布屈折率導波路と、キ ャリヤおよび光の別個の閉じ込め機構とを有することを意味する。分離層6は、 電流をリッジ12に限定し、光導波路15上の導体層7の減衰効果を少なくする 役割を果たす。 MBEの場合の原子ビームまたは分子ビームを発生する噴出セルの温度を変更 することによって、またはビームの組成の連続的変更によって、組成の変化を得 ることができる。 レーザ素子の活性帯は、ここでは対称な組成段階変化構造の中心に配置された 量子井戸帯1によって構成されている。量子井戸帯1は、隣接する閉じ込め帯2 、3を下回るエネルギー・ギャップを有する半導体材料の薄い層である。組成の 段階的変化には、ギャップの段階的変化と光屈折率段階的変化が含まれる。ギャ ップ段階的変化は、注入電流によって供給されるキャリヤの収集効率を向上させ る。屈折率段階的変化は、活性帯1上に導波光モードを集中させることを可能に する。これによって、利得帯(量子井戸)と導波光モードの最適重ね合わせが得 られる。 損失要素10は、高次横モードを減衰させる。ここでは損 失要素10の材料はきわめて有効な光波減衰材料であることが知られている金属 である。第6b図には、基本モードと、減衰させる第1の高次横モードの縦モー ド次数の差mがm=2である例が図示されている。したがって、基本モードの縦 モード次数はたとえば2001であり、第1の高次横モードの縦モード次数はた とえば2003である。したがって、第1の高次横モードと基本モードの相対強 度最大値が互いに最も離れて現れる位置が光導波路に沿って2箇所ある。これは 、第1の高次横モードを減衰させることができると同時に、この減衰が基本モー ドに与える影響を最小限にすることができる最適な場所である。リッジ12の両 側と、この2つの位置のそれぞれの位置に、損失要素10の1つを配置する。m に比較して縦モード次数がきわめて高いため、損失要素10は1つの減衰要素か ら成るだけでなく、いくつかの損失要素部分を含み、これらの損失要素部分は、 この例では分離されたストライプの形で実施されている。2つのモードの相対最 大値の完全な重なりと2つのモードの相対最大値の完全な分離との間の移行部は 、長ければ長いほど差mが小さくなる距離にあり、一般には、すなわち、実際の レーザ素子の場合には、基本モードの隣接する2つの強度最大値間の距離よりも はるかに大きい。したがって、1つの位置における第1の高次横モードの相対最 大値だけでなく、基本モードの相対最大値からかなり離れた隣接する相対最大値 も減衰させることが可能である。これは、損失要素10を、光導波路に沿って一 列に 配置され、2つのモードの相対強度最大値が互いに最も離れた位置の付近に配置 されたいくつかの分離要素部分に分けることによって実現される。しかし、損失 要素部分の間の空間によって基本モードに作用する減衰(これは通常は望ましく ない結果である)も生じさせることになるために損失要素部分が互いに分離され ていない場合は悪化させることになる。損失要素部分の数の選定は、特定のレー ザ素子の効果の最適化の問題である。損失要素10を形成する光波減衰材料は、 導体層7と同じ材料である必要はなく、導体層7に接続されている必要もない。 損失要素10のための穴を形成する適切な方法は、集束イオン・ビーム・エッチ ングである。 これらの様々な層の材料の一例は、基板17はGaAsであり、クラッド層4 、5はAl0.3Ga0.7As、閉じ込め帯2、3はAl0.1Ga0.9As、量子井戸 帯1はIn0.1Ga0.9Asである。導体層7は金から成ることができ、分離層は Si34またはSiOxとすることができる。 一般に、損失要素は、たとえば基本モードと第1の高次モードの重なり合いの 定在波パターンに従って配置される。 第7図に、2つの異なるリッジ設計の高次モードの存在の開始を示す。 左側には、3つの異なる状態におけるフラットリッジ設計による第1のレーザ 素子の実効屈折率neffの略図がリッジ12までの断面で図示されている。右側 には、3つの状態におけるハイリッジ設計による第2のレーザ素子の実効屈折率 neff の略図が図示されている。したがって、縦座標はリッジ高さまたは横ファー フィールド角度Θを表し、横軸は出力Pを表す。 出力Pが高いと自動的に活性領域の温度が高くなる。温度の上昇によって、実 効屈折率プロフィールが変形する。すなわち、人為的に高められる。図からわか るように、リッジが高い方が2つのモード間に多くの空間が残され、これはそれ ぞれのモード次数の差mと等価である。したがって、温度の上昇につれて、基本 モードと第1の高次横モードとの間の差mが大きくなる。したがって、レーザ素 子は、出力Pを上昇させている間に異なる次数mになる。これは、出力Pの上昇 による異なるキンク・レベルの存在があるという立証である。 出力Pを増大させることによって、第7図の第1のレーザ素子は、2つのモー ドの実効屈折率neffの差を拡大させる屈折率プロフィールの熱変形により、ま ずm=2のキンクに達し、次にm=3でもう一つのキンクに達する。第2のレー ザ素子は、より高いリッジを有し、これは、m=2の重ね合わせにとって高過ぎ る2つのモードの屈折率neffの最小差があることをすでに示している。したが って、その最初のスパーモードはm=3で発生する。したがって第7図の左側の レーザは、第3図の最初のクラスタに入れることができ、右側のレーザは2番目 のクラスタに入れることができる。 第8a図から第8c図に、基本モードと高次横モードとのコヒーレントな重ね 合わせを説明する理論略図が図示されて いる。 第8a図に、活性帯1における基本モードの光強度分布の図を示す。楕円はこ のモードの相対最大値を囲む領域を示している。図からわかるように、基本モー ドは、リッジ12の縦軸に関して対称であり、直交方向に1つの相対最大値しか 示さない。この例では、キャビティ長Lcに沿って合計7個の相対最大値を数え ることができる。 第8b図に、活性帯1における第1の高次横モードの光強度分布の略図を示す 。このモードもリッジ12の縦軸に関して対称であるが、直交方向に2つの相対 最大値を示す。この例では、キャビティ長Lcに沿って合計9個の相対最大値を 数えることができる。レーザ・キャビティに沿った相対最大値の数の差は縦モー ド次数の差mであり、したがってこの場合はm=2である。図示されていないの は、第1の高次横モードの相対最大値の大きさが、基本モードの相対最大値の大 きさより小さいことである。 第8c図に、虚数定数cによる2つのモードの重ね合わせの推定図を示す。2 箇所で、高次横モードの相対最大値が分離された領域16を形成している。この 領域は、損失要素10の減衰効果が高次横モードにのみ作用し、基本モードには 作用しないため損失要素10を配置する最適な場所である。しかし、半波長だけ 離れた隣接する位置も、重ね合わせモードの相対最大値が互いの間の距離がまだ 十分に大きく、それによって第1の高次横モードの減衰が基本モードに極度の影 響を与えないため、きわめて好適な場所である。したがって、この場合も各損失 要素10が、互いに所定の距離だけ離して配置された(この例では)3つの損失 要素部分から成るグループとして実施される。したがって、最適な場所は、損失 要素10を配置するおおよその位置を表し、隣接する場所はやはり減衰が可能な 良好な位置を表す。したがって、モードの相対最大値がレーザ・キャビティの縦 軸に沿った異なる位置を有するすべての場所が、損失要素10、損失要素部分を それぞれ、高次横モードを基本モードよりも強く減衰させるように配置すること ができる場所である。損失要素10が配置された場所における2つ以上のモード の相対最大値の分離が大きければそれだけ、基本モードの安定化のための減衰の 効果が高くなる。 第9図に、本発明による半導体レーザ素子の他の実施形態を示す。図が見やす いように、レーザ素子の選択された部分、すなわち、閉じ込め帯2、3、量子井 戸帯1、リッジ12を有するおよびクラッド層5のみが図示されている。上部ク ラッド層5はこの例では、損失要素10を含み、各損失要素10は1組の可飽和 減衰領域を含む。これらの各領域は隣接領域から電子的に分離された位置にある 。これらの領域は、量子ドットの形で示すことができる。この例ではこれらの量 子ドットは、電荷キャリヤの生成により光を吸収する、上部クラッド層5内の領 域であり、キャリヤは次にこれらの量子ドット内に捕獲される。量子ドットは、 吸収がより弱いかまた はまったく吸収しない上部クラッド層5の材料によって互いに分離されているた め、吸収は局所的に限定されたままであり、したがって、生成された電荷は流れ 出すことができない。量子ドットの配置位置を限定することによって、光吸収を 空間的に制御することができる。したがって、高次横モードの相対強度最大値が 基本モードの相対最大値から離れている位置を損失要素10の配置場所として選 択することによって、高次横モードを減衰させることができる。可飽和光吸収領 域の分離は、それらの領域を吸収がより弱いかまたはまったく吸収しない周囲材 料内に埋め込むことによって実現することができる。 量子ドットは、固有飽和性を有するため、量子ドットを上述の選択位置に限定 しない他の実施形態も可能である。実際には、量子ドットは、リッジ12上のあ らゆる場所に配置可能であり、それによって当然ながら基本モードと高次横モー ドの両方のモードを減衰させることができる。前述のように、高次横モードの相 対最大値の大きさは、基本モードの相対最大値の大きさよりも小さいため、たと えば減衰が基本モードを消滅させず、高次横モードを大幅に減衰させるように量 子ドットの濃度を決定することによって、可飽和吸収を調整することができる。 言い換えると、大規模には、損失要素10は基本モードと高次モードの強度最 大値の空間的分離が大きい位置に配置することができる。小規模には、基本モー ドは、吸収飽和が、 減衰によって基本モードを消滅させず、高次横モードを大幅に減衰させる効果を もたらすことによって、損失要素部分の形成に寄与する。 一般に、損失要素10は様々な形態で実施することができる。リッジ12の側 部に配置する必要はない。リッジの上部に配置することもでき、リッジ12内の 半導体層またはその他の層のうちの1層に埋め込むこともできる。具体的には、 量子ドットは、イオン・ボンバードメントやリソグラフィなどの共通のプロセス ・ステップ、または、「ストランスキー−クラスタノフ(Stranski-Krastanov) 」成長と呼ばれるエピタキシャル成長中の自己組織化核成長プロセスを使用して 製作することができる。可飽和量子ドットの可能な材料はInGaAsまたはI nAsである。 損失要素10は、いくつかの高次横モードのために同時に配置し、それに応じ て複数の高次横モードを減衰させるようにすることもできる。その場合、損失要 素10の場所は、単一高次横モードの場所の重ね合わせとして選定することがで きる。 以上、本発明について、特定のリッジ・レーザ・ダイオードに適用されるもの として詳述した。しかし、本発明は、使用する化合物半導体には関係なく、他の レーザ・ダイオード構造にも同様に適用可能であるものと理解されたい。また、 プロセスおよび素子のパラメータは本明細書の上記で示したものとは異なってい てもよい。量子井戸帯1は、1つの量子 井戸に限定する必要はなく、複数量子井戸(MQW)構造を含むこともできる。 類似した態様の本提案の概念は、多モード・ブロード・エリア・レーザ素子に も適用可能である。その場合、損失要素によって、発振するのに十分な利得を有 する伝搬横高次モードの数が少なくなる。これは、損失要素10によってすべて のモードについて縦モード次数を決定することができ、安定させることができる ためである。これにより、基本モードと比較して高次モードの周波数または自由 空間波長が縮小し、周波数が増大する。したがって、高次横モードの周波数を、 量子井戸帯が生じさせる光利得が少ない領域にシフトさせることができる。高次 横モードの減少はファーフィールド角度を減少させ、レーザ光輝度を増加させる 。ブロード・エリア・レーザの出力は、フィラメンテーションの開始によってし ばしば制約される。フィラメンテーションはレーザ・ビームの自己収束であり、 その後に破壊的な光学ミラー損傷が起こる。損失要素が光利得のスペクトル形状 と共に引き起こす高次モード選択によって、横フィールドひずみが安定化し、フ ィラメンテーションのしきい値が上昇する。レーザ素子を最適化することによっ て、基本モード・ブロードエリア・レーザの製作も可能である。このために、反 射面のうちの1つの反射面、具体的にはビーム出口面の反対側の面の離調反射率 によって、レーザ素子の利得曲線の波長選択性を強化することができる。反射面 の反射率最大値をより長い波長に移動す ることによって、高次モードのより短い波長における反射率が少なくなり、それ によってそれらの高次モードの損失が増大する。 リッジ12の縦軸方向の損失要素10、それぞれ損失要素部分のサイズは、損 失要素10によって達成可能な効果に関する最も重要なサイズである。このサイ ズを、キャビティ内のモードの波長の4分の1より小さく選定することが、適切 な効果を得るのに有効な規則であると考えられる。 原則として、損失要素、それぞれ損失要素部分のこの寸法および縦方向の位置 は、損失要素、それぞれ損失要素部分が高次モードに与える影響が最大化され、 基本モードへの影響が最小化されるように選定する必要がある。これによって、 様々な損失要素、それぞれ損失要素部分のサイズ、形状、位置、および材料また は飽和度あるいはその両方が互いに異なるように選定することもできることが明 らかになる。損失要素部分は、この場合も、達成する安定化効果を最適化する企 図に従って互いに接続または分離された個々の要素で構成することができる。 本明細書に記載の本発明の実施形態はすべて、全体または細部を互いに組み合 わせることもできる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.少なくとも部分的に反射する面(13、14)によってその対向し合う両端 部において終端された縦光導波路(15)を含み、前記光導波路(15)が光導 波路(15)内部でコヒーレントな光波の基本モードと少なくとも1つの高次横 モードとを発生させる電荷キャリア再結合のための誘導可能な活性領域(1)を 含むレーザ素子であって、少なくとも1つの損失要素(10)が前記光導波路( 15)における、前記高次横モードの相対強度最大値と前記基本モードの相対強 度最大値とが異なる位置にある位置の少なくともほぼ近くに配置され、前記損失 要素(10)が前記高次横モードを減衰させることを特徴とする、レーザ素子。 2.前記損失要素(10)が、前記損失要素(10)がなければ前記光導波路の 高次横モードの相対強度最大値が配置されることになる場所に配置されたことを 特徴とする、請求項1に記載のレーザ素子。 3.前記損失要素(10)が、導体層(6)の突出部分を含む光波減衰材料を含 み、前記突出部分が前記導体層(6)よりも前記光導波路(15)の近くに達し ていることを特徴とする、請求項1または2に記載のレーザ素子。 4.前記損失要素(10)が、互いからの所定の距離に配置されたいくつかの損 失要素部分を含むことを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の レーザ素子。 5.前記損失要素(10)の位置が、前記光導波路(15)内に存在する前記基 本モードと前記高次横モードの縦モード次数の差(m)に応じて選定されること を特徴とする、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のレーザ素子。 6.前記損失要素(10)が、より弱い吸収周囲材料または非吸収周囲材料内に 埋め込まれた1つまたは複数の可飽和光吸収領域を含むことを特徴とする、請求 項1ないし5のいずれか一項に記載のレーザ素子。 7.吸収効果を局所的に閉じ込めるために前記可飽和光吸収領域が互いに分離さ れていることを特徴とする、請求項6に記載のレーザ素子。 8.前記少なくとも部分的に反射する面(13、14)のうちの少なくとも1つ の面が離調反射率を有することを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか一項 に記載のレーザ素子。
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