JP2000509146A - 遅延クエンチングによりホルムアルデヒド固定を制御する方法および組成物 - Google Patents
遅延クエンチングによりホルムアルデヒド固定を制御する方法および組成物Info
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Abstract
(57)【要約】
細胞および組織標本のホルムアルデヒド固定をクエンチングするための方法および組成物。該組成物はホルムアルデヒド反応性剤を含む。ホルムアルデヒド反応性剤はホルムアルデヒドと反応して、細胞または組織標本の固定をクエンチングする。該方法は、ホルムアルデヒド固定液をこの組成物と接触させることを含む。
Description
【発明の詳細な説明】
遅延クエンチングによりホルムアルデヒド固定を制御する方法および組成物
関連出願
本願は、1996年4月12日に出願した米国特許出願シリアルNo.08/631,440号の
同時部分継続出願である。発明の分野
本発明は一般に、ホルムアルデヒドの溶液を使用する、生物学の研究または医
学実験のための細胞および組織標本の固定に関する。本発明は特に、そのような
標本の固定時間を化学的に制御するための方法および組成物に関する。発明の背景
固定は、広範囲の分析試験で使用するための細胞標本および組織標本を調製す
る最初の重要な段階である。いくつかの具体的試験としては、免疫組織化学(I
HC)、フロー免疫サイトメトリー、核酸プローブを用いたin situでのハイブリ
ッド形成(ISH)、in situでのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)およびPCR
が包含される。これらの試験は典型的には、特定のDNAもしくはRNAシーケ
ンス、ペプチド、タンパク質または他の種類の生体分子、薬物および一般的分析
物の検出に使用される。
固定は、標本において微細な細胞の構造および構成を安定化して、それらが次
の加工処理に耐え、回顧分析(retrospective analysis)のために保存されるよう
にする。固定した細胞標本および組織標本はまた、生化学またはヌクレオチドシ
ーケンス分析のための生合成分子を抽出するのに使用され得る。固定なしでは、
多種類の細胞標本および組織標本において生合成分子または環境分子を感度よく
検出し、位置測定し、かつ定量することは、不可能でないとしても困難であろう
。
良い固定液は、細胞および組織の成分を固めて、分解、腐敗および自己消化を
防がなければならない。固定液による組織の修飾の物理化学的プロセスは漸次的
かつ複合的であり、組織への拡散浸透および種々の潜在的な化学反応を含む。今
までに、理想的な固定剤は見出されていない。すなわち、細胞形態を完全に保存
し、なお、次の検出のためにそこでの分析種の反応性を変えないように標本組成
を修飾することのない固定液は見出されていない。この状態のゆえに、特定の固
定液の選択は一般に、多様な考慮を伴う。したがって、多くの固定液が現在使用
されている。
アルコールまたは他の有機溶媒を高含量で有する固定液は、特に穏やかな有機
酸で酸性化すると、沈殿および凝固によって組織標本を固める。そのような固定
液はいくつか利点を有する。まず、固定液が組織中の構成分子を共有結合的に修
飾しないので、組織中のほとんどの抗原の抗体に対する反応性は非常に高いまま
である。第2に、同じ理由のために、組織中の核酸が良い状態で容易に抽出され
得る。第3に、緩衝溶液中で組織を再水和することによって、固定液が組織から
完全に洗い流され得る。
しかしながら、そのような固定液は、1つの重大な欠点を有する。この欠点と
いうのは、アルコールまたは他の溶媒で固定した組織の顕微鏡的形態が、共有結
合する固定液を用いて固定した組織の形態ほど詳細ではないことである。
アルコールまたは他の溶媒に基づく固定液に対して、共有結合する固定液、例
えばホルムアルデヒドは、優れた細胞保存を提供する。ホルムアルデヒド(CH2
O)は、組織保存剤としてF.Blumによって1893年に最初に報告された(10Z.W
iss.Mikrosc.314)。その固定液は、安価で、使用が簡単で、首尾一貫した結果が
得られるので、現在組織病理学において最も広く使用されている。ほとんどの合
衆国および外国での研究および臨床実験室で見出されるホルムアルデヒドの処方
は、中性の緩衝ホルマリン(NBF)である。それはまた、「緩衝化された中性
のホルマリン」とも呼ばれ得る。R.Lillie、Histopathologic Tech.300(1948年
)参照。他のホルムアルデヒド処方は次のものを含む。10%ホルマリン;アルコ
ール性ホルマリン;酢酸カルシウムホルマリン;ボーインの流体(Bouin'Fluid
)(ピクリン酸または酢酸を含む、pH1.6);カジャル(Cajal)のホルマリン−臭
化アンモニウム;ホルマリン/アルコール/酢酸;パラホルムアルデヒド(重合
したホルムアルデヒド);およびホルモル−塩類(G.Clark、Staining Procedur
es
13-16(1981年))。
10%メタノール安定剤を含む市販の飽和水性ホルムアルデヒドストックをホル
マリンと呼ぶ。そのホルムアルデヒド濃度は、いくつかのやり方で表示できる。
特に、100%飽和、37%(重量/重量)、40%(重量/体積)または13.3M溶液と
して表示され得る。固定液のためのこのストックの通常使用する希釈は、体積比
で1:10(初期:最終)である。そのような希釈によって、3.7%(重量/重量)
、4.0%(重量/体積)または1.3Mホルムアルデヒドとしても表示され得る10%
飽和溶液を生じる。例えば、米軍病理学処方研究所[U.S.Armed Forced Instit
ute of Pathology Formulation(AFIP)]の標準NBF溶液は、pH6.8〜7.2のリ
ン酸緩衝液中でのホルマリンの1:10(体積:体積)希釈である(Laboratory M
ethods in Histotechnology)(Edona Prophetら編集、1992年))。
水性ホルムアルデヒドの化学は、特にJ.Walkerの論文、ホルムアルデヒド、
8章(1944年)にすっかり概説されている。ホルムアルデヒドは、水(>99.9%
、C.H.Foxら、33J.Histochem.Cytochem.845-853(1985年)による)とすみや
かに結合し、水和物、メチレングリコールを形成する気体である:
CH2O + H2O → CH2(OH)2
メチレングリコールは、大量プロセスによって重合し、パラホルムアルデヒド
(ポリオキシメチレングリコール)を形成することができ:
nCH2(OH)2 → (CH2O)n・H2O + (n-1)H2O
これは、ホルムアルデヒド固定液の処方においてホルマリンの代わりに時々使用
される。中性からアルカリ性の緩衝溶液中で、パラホルムアルデヒドはメチレン
グリコールに解重合し、これは脱水して活性カルボニルホルムアルデヒドと平衡
になる(Walker,上出、74-75頁)。このように、組織へのその効果は希釈したホル
マリンと同じである。
メチレングリコールは、組織標本温度とは逆比例する速度で、拡散によって組
織に速やかに浸透する。組織浸透は、ウサギの肝臓で、8時間で0.5cmと測定
された(W.T.Dempster、107 Am.J.Anal.59-72(1960年))。組織内でのメチ
レングリコールの脱水は、反応性のカルボニルホルムアルデヒドの有効レベルを
維持する。カルボニルホルムアルデヒドの固定反応は浸透の速度よりずっと
ゆっくりであり、温度依存性である。かくして、14Cホルムアルデヒドをラット
の腎臓のやや薄い(16μm)組織セクションに施与すると、結合反応が24時間か
けて進んで、平衡に達する(C.H.Foxら、33J.Histochem.Cytochem.845-853(198
5年))。
非常に反応性のある親電子性の種であるホルムアルデヒドは、組織中のタンパ
ク質および核酸と結合することによって、組織を固定する(Feldman、13 Prog.Nu
cleic Acid Res.Mol.Biol.1-49(1973年))。組織のホルムアルデヒドによる修飾
は、2つの速度論的に異なる段階で進む。最初の反応は、1級アミン類(リジン
)およびチオール類(システイン)および、核酸のピリミジンではなくプリン塩
基を修飾し、シッフ塩基ではないモノおよびジメチロール誘導体を形成する。反
応が、ヌクレオチド、核酸ポリマー、アミノ酸またはタンパク質を含むかどうか
にかかわらず、この段階は、24〜48時間内に平衡に達する。ホルムアルデヒドが
組織から除去されると、これらの不安定な付加物は速やかに逆戻りし得る。
次の反応は、組織に共有的に結合するメチロール誘導体が関与する。これらの
第2の反応は、洗浄しても逆戻りしないメチレン架橋を形成する。タンパク質に
おいては、第2の架橋反応は、最初に修飾した部位に隣接する1級アミド(グル
タミン、アルパラギン)、グアニジン基(アルギニン)およびチロシン環炭素等
のより反応性の低い官能基でメチレン架橋を経て生じる(H.Flraenkel-Conrat
&H.S.Olcott、70 J.Am.Chem.Soc'y 2673(1948年))。この反応は非常に漸
次的で、固定に少なくとも30日間かかり、比較的安定な共有架橋結合を生じる。
核酸では、第2の反応はまた、連鎖架橋を生じる。連鎖架橋のほかに、この反応
は、核酸とタンパク質との間の架橋結合を生じることができる。
これら第2の反応のすべてが、固定された組織においてマクロ分子内および分
子間で架橋結合の格子を生じる。すべての共有結合適修飾の網目の効果は、帯電
したタンパク質側鎖の通常の非共有結合パターンを妨げることによって、組織中
の生体ポリマーを部分的に変性させ、かつその立体配座を固くて曲がらない立体
配置に固定することである。すなわち、マクロ分子の二次構造は変えられない(
Masonら、39J.Histochem.Cytochem.225(1991年))が、その立体配座は固くて曲
がらない立体配置に固定される。
これら第2の架橋反応は、固定された組織に行われる分析試験に悪影響を及ぼ
す。例えば、固定された組織中のマクロ分子種(タンパク質、核酸)またはよリ
小さい分子(タンパク質付加物、薬剤、代謝産物、シグナル導入種、脂質等)の
選択的染色はしばしば、組織中の分析物に特異的にかつ高親和性で結合する抗体
を用いて行われる。核酸のシーケンス特異的検出においては、検出可能な相補的
なオリゴまたはポリヌクレオチドシーケンス(プローブ)が、ハイブリッド形成
のために使用され得る。サイトメトリーアッセイにおいては(例えば顕微鏡また
はフローサイトメトリーによって)インタクトな細胞構造で(in situ)ハイブリ
ッド形成を行なうことができる。しかしながら、固定された組織の内部の架橋結
合は、これらの試験で使用される大きなプローブ分子、特に抗体およびオリゴま
たはポリヌクレオチドが浸透するのを妨げる。これらのプローブ分子の接近の減
少は、アッセイ感度の損失へと転じる。
ハイブリッド形成はまた、(例えばゲルまたはブロットで)組成物アッセイのた
めに、組織または細胞から調製した可溶の抽出物で行なうことができる。固定液
による修飾によって、抽出効率または分析物の反応性のいずれかを妥協すること
になる。例えば、固定は、核酸の抽出効率または次の核酸増幅の効率に影響を及
ぼし得る。
同様に、抗体またはプローブの付着を引き起こす非共有結合力の1つは、水素
結合を生じる反対の電荷間のクーロンの引力であり、すなわち試験で反対に荷電
した基および分析物分子の対形成である。しかし、組織における側鎖の修飾およ
び架橋は、分析物が抗体または核酸プローブとこれらの非共有結合を形成する能
力を妨害し得る。かくして、施与されたリガンドとの特異的な非共有結合的相互
作用に関与するスルフヒドリル基および荷電アミノ側鎖のホルムアルデヒドによ
る修飾は、アッセイ感度に有害である。
大きな標的分析物、例えば多くの潜在するエピトープを含むタンパク質は、多
くの異なる抗体を用いて検出できる。異なるエピトープは、変性に対する感受性
の範囲を示して、ホルムアルデヒド固定に対して異なる極性および感度を有する
。広範なホルムアルデヒド固定の後、別のものではなく1つの抗体で検出可能な
標的分析物の多くの例がある。1つの極端な状態では、凍結切片組織にしか使用
で
きない多くの抗体がある。これらのいくつかは、抗体結合の前に酸アルコール中
での組織の短時間の後固定を許容することしかできない。
多くの他の抗体を用いると、のばされたホルムアルデヒド固定中に、抗原反応
性の連続的損失が見出される。広く発現された癌マーカータンパク質であるp53
は、例えば、ホルムアルデヒド中に6〜24時間固定されると、モノクローナル抗
体PAb1801に対するその反応性のすべてを徐々に失う(R.Silvestriniら、87J.Na
t.Cancer Inst.1020(1995年))。同様に、診断上重要な上皮細胞マーカータンパ
ク質のケラチンは、組織が24時間までホルムアルデヒド中に固定されると、モノ
クローナル抗ケラチン抗体と結合できなくなる(H.Battifora&M.Kopinski、34
J.Histochem.Cytochem.1095-1100(1986年))。
1日固定された組織に有効であり、より長い期間NBF中に貯蔵された組織に
はあまり有効でない他の抗体がある。腫瘍診断において普通に使用されるこれら
の抗体のいくつかは、リンパ球抗原、ビメンチン(vimentin)、デスミン(desmin)
、神経フィラメント、サイトケラチン、S100タンパク質、前立腺特異的抗原、
チログロブリンおよび癌胚抗原を含む(A.S.Leong&P.N.Gilham、4 Patholo
gy 266-268(1989年))。そのような抗体の他の例は、生物医学的文献に見出すこ
とができる。
このように、組織の固定時間を制御して、組織の形態の保存と抗原性の損失と
の間の妥協を達成することが重要である。一般的規則として、アルデヒド固定の
持続は、標本が広範囲の異なる抗体を用いて試験されるように、最小に保たれる
べきである。
免疫アッセイの結果の質および再現性がまた、組織の固定時間に依存する。現
今、固定は、固定液についてアルコールを物理的に交換することによって終わら
せる。LengおよびGilhamは、外科組織病理学標本を6時間以下の間固定すること
を推奨した。彼らによれば、外科病理学標本は通常、4〜24時間固定された後サ
ンプリングされる。しかし、実際には、外科切除の大部分はしばしば、将来の再
サンプリングのためにホルムアルデヒド中に保持され、これは3日以上後に起こ
り得る。
解剖標本は通常、都合によって、3〜14日間固定される。しかし、ある状況下
では、綿密に標本を監視して、好ましい固定時間を達成することは実験室職員に
は好都合ではない。これらの職員は、他の職務で手一杯で、かくして固定液を除
去すべきときに不在であり得る。
さらに、1つの集団内部で加工処理されない生検または死後の標本は、固定液
中で病理学実験室へと送られ得る。この輸送時間はしばしば、標本の全固定時間
に加える。また、金曜日に到着する標本は週末後まで加工処理され得ず、それに
よって全固定時間をより長くのばす。
さらに、実験室技術者は、所定の固定時間後に各試料を別々に加工処理するよ
りむしろ、多くの試料をバッチ式処理のために蓄積する。かくして、それぞれの
個々の試料の全固定時間の正確な記録は、質の制御標準化について後で参考にす
るために入手できない。
IHCを、知られていない時間固定された保管所のパラフィン切片に施与する
ときは、可変の染色が普通である。そのような変化は、固定敏感な推定の癌マー
カータンパク質、例えば最も広く発現された癌マーカータンパク質であるp53の
発現における回顧研究実験を混乱させる「隠された可変」であり得る(P.Hall
&D.Lane、172J.Pathol.1-4(1994年))。
免疫および遺伝の試験の組織病理学的施与に関連する重要な点は、その再現性
と質である。最近、カレッジ オブ アメリカン パソロジスツ および他のグ
ループは、食品医薬品局(FDA)に、米国で販売されたほぼ2,500の抗体をク
ラスII医療具に分類することを請願した(R.Stone、268 Science 494(1995年))
。FDAは、あるIHC試薬をクラスIIまたはクラスIII医療具として分類する
その意図を告知した。このことは、製品に、試験の正確さと精度(accuracy and
precision)を文書で証明することを要求するであろう(G.Graziano、10 Col.Am
.Pathologists 1 er seq.(1996年))。このように、FDAおよびこの分野の病理
学者は、免疫組織化学的方法のよりよい質の制御およびより大きい標準化の必要
性を認識している。
標的エピトープの固定から誘導される損失は、いくつかの技術を用いることに
より補償され得、これは、文献では、抗原「回復(retrieval)」、「回復(restorati
on)」、「非架橋」または「非マスキング」と呼ばれてきた。これらの技術は、
個々に加
工処理される薄い組織切片で行われる。しかしながら、これらの技術は、固定お
よび改善における制御されない変化によって、標準化の損失を必然的に改善する
。可変の固定時間は、可変のかつ知られていない量の非架橋/非マスキングを必
要として、もし実際に免疫反応性が不可逆的に失われないなら、免疫反応性の同
じレベルに達する。
ホルムアルデヒド固定によって隠された多くの抗原は、プロテアーゼ溶液を組
織切片に施与することによって再びさらされ得る(S.Hungら、35 Lab.Invest.38
3(1976年);H.Battifora & M.Kopinski、34 J.Histochem.Cytochem.1095-1
100(1986年))。しかしながら、ホルムアルデヒドにさらに長いことさらされると
、一定のレベルの免疫反応性を回収するように、より活発なタンパク質分解を要
した。タンパク質分解は、最小にされなければならない。というのは、大量のプ
ロテアーゼ消化は、組織の形態を退化させるからである。実際に、ホルムアルデ
ヒドにさらす長さは、種々の試料で変化し、タンパク質分解時間を標準化するこ
との非実用性を示唆する。種々の抗原が種々のプロテアーゼ処理を必要とする。
したがって、標準化と取り組むために、これは簡単な方法ではない。
マイクロ波の抗原回復が、M.E.Key、S.R.ShiおよびK.L.Kalraに
より米国特許第5,244,787号明細書(1993年9月14日)に、およびS.R.Shiら
、39J.Histochem.Cytochem.741-748(1991年)に開示された。この方法は、顕微
鏡スライド上の組織切片を、種々の決められたpHおよびイオン組成から選択さ
れる水性溶液中で沸騰させることを含む。Bankfalviら、174J.Pathol.223-228(
1994年)は、同程度に有効で、より好都合の方法は、水和した切片をオートクレ
ーブで処理することであることを見出した。種々の新規な方法学体系の現今の発
展は、S.R.Shi、R.J.Cote&C.Taylor(45J.Histochem.Cytochem327(1997
年))による概説に要約されており、ここでは、この分野でよりよい最適化および
標準化についての必要性が力説されている。
Cattorettiら、171J.Pathol.83-98(1993年)は、タンパク質分解を種々の溶液
中でのマイクロ波に対して比べた。彼らは、いくつかの抗原は、その処理の両方
ではなくいずれかから選択的に利益を得ることを見出した。著者らは、抗原非マ
スキング法の通常のメカニズムはタンパク質の変性に関係することを推論した。
しかし、種々のモノクローナル抗体を用いた免疫染色によるその後の検出可能性
へのホルムアルデヒドの有害な効果に、特定のタンパク質エピトープのアミノ酸
組成を関係付ける明らかな見本はなかった。この分野での他の人の発見(S.R
.Shiら、39J.Histochem.Cytochem.741-748(1991年);A.S.Leong&P.N.G
ilham、4 Pathology 266-268(1989年))と一致して、これらの著者は、すべてで
はなくいくつかのエピトープは、タンパク質分解または加熱のいずれかによる過
度固定(over-fixation)の後、完全に回収され得ることを見出した。そのための
抗原の回復が有効でない、いくつかの固定感受性抗原が存在するので、かつ過度
固定されたときだけ抗原回復から利益を得ることができる他の固定感受性抗原が
存在するので、これらの差異は、固定時間を標準化することによって抗原マスキ
ングの範囲を標準化する、完成した方法および組成物のこの分野での必要性を生
じさせる。
DNA含量は、ホルマリン固定したパラフィン包埋組織中の単細胞中で、また
はそこから回収した細胞中で測定されて、イメージ分析またはフローサイトメト
リーによって細胞増殖についてアッセイされ得る。ホルマリン過度固定は、プロ
ピディウム アイオダイドおよび他の蛍光のDNA結合染料の結合を減らすこと
によって、DNA含量の測定を妨げる。これはおそらく、それが、架橋されたD
NA‐ヒストン複合体を作るためである。細胞懸濁物または組織切片を用いる、
熱的な抗原回復がこの問題に適切である(W.R.Overton &J.P.McCoy、16
Cytometry 351-356(1994年);W.R.Overton&J.P.McCoy,26 Cytometry166-17
1(1996年))。
DNAまたはRNAは、遺伝分析のためのホルマリン固定された、パラフィン
包埋組織試料から抽出できる。これらは、定量され、次いでPCRを用いて増幅
されて、例えば発現または突然変異分析のために、遺伝子シーケンスの存在を測
定され得る。ホルマリン固定された、パラフィン包埋組織試料は、もし組織がN
BF中に約12-24時間固定されたなら、PCRシーケンス分析にのみ敏感に反応
する(J.J.O'Learyら、26 Histochem.J.337-346(1994年);C.E.Greerら
、95Am.J.Clin.Pathol.117-124(1991年);F.Karlsenら、71 Lab.Invest.604-61
1(1994年))。PCR in situ/in situPCR法が、保管所の中にある、ホ
ルマリン固定された、パラフィン包埋組織の遺伝分析に使用されて、例えば単細
胞中のウィルスおよび腫瘍遺伝子突然変異が検出される。24-48時間の制限され
た固定は、最良のin situでの増幅結果を与える(J.J.O7Learyら、26 Biochem.
J.337-346(1994年))。このように、固定の過度にのばされた期間は、これらの
タイプの試験ならびに上記した他の試験の結果に悪影響を及ぼし得る。
組織のホルムアルデヒド結合における量的な変化は、IHC処置において回顧
的に評価することが難しい。Battiforaは、NBF中での固定の範囲に比例して
免疫反応性の徐々の損失に供される、部分的に固定感受性の抗原が内部対照とし
て役立つことを提案した。Battiforaは、96 Am.J.Clin.Pathiol.669-671(1991
年)にて、いたるところにある内皮のマーカーであるビメンチンを用いて彼が提
案した「普遍的な代用エピトープ(universal surrogate epitope)」について切
片を染色することによって、固定した組織中で抗体結合の平均減少を較正するこ
とを提案した。しかしながら、この方法は、全体の質の制御のための標準化され
た固定の必要性と直接には取り組まない。
上記を考慮して、従来、固定液から細胞または組織標本を物理的に除去する必
要なしに、または標本の固定時間を綿密に監視する必要なしに、またはその両方
なしに、第2の架橋反応が生じるのを防ぐ方法および組成物の必要性がある。ま
た、固定液中の細胞または組織標本の経済的なバッチ処理ができ、同時に、綿密
な監視の必要なしにそれらの標本の固定時間を標準化する方法および組成物のこ
の分野での必要性がある。さらに、高い経済的コストなしに組織の固定時間に関
して質の制御のレベルを上げることによって、分析的試験方法例えばIHCおよ
びISHをより感度よくし、首尾一貫したものにする方法および組成物のこの分
野での必要性がある。
したがって、本発明の目的は、固定液から組織を物理的に除去する必要なしに
、または組織標本の固定時間を綿密に監視する必要なしに、またはその両方なし
に、第2の架橋反応が生じるのを防ぐ方法および組成物を提供することである。
本発明の目的はさらに、固定液中の細胞または組織標本の経済的なバッチ処理が
でき、同時に、綿密な監視の必要なしにそれらの標本の固定時間を標準化する方
法および組成物を提供することである。本発明の目的はさらに、組織標本の固定
におい
て重要な変化しやすいもの、例えばホルムアルデヒドを用いた固定の時間を標準
化する方法および組成物を提供することである。
本発明のこれらのおよび他の目的は、以下の要約、詳細な説明および添付の図
面を参考にして容易に理解されよう。発明の要約
本発明は、上記の目的のすべてを達成し、細胞および組織標本の過度の固定に
関連する問題を解決する。それらの問題は、望まないメチレン架橋結合の形成お
よび抗原活性の損失を含む。本発明は、ホルムアルデヒド反応性剤を有する固定
液をクエンチング(quenching)させることによって、生物試料のホルムアルデヒ
ド固定を制御するための方法および組成物を提供することによって、これらの問
題を解決する。
その組成物の観点での1つにおいて、本発明は、ホルムアルデヒド反応性剤お
よび発泡剤を含む組成物に関する。
組成物の観点での別のものにおいて、本発明は、コアおよびコアを取り巻くコ
ーティング層を含む組成物に関する。コアはホルムアルデヒド反応性剤を含む。
1の実施態様において、ホルムアルデヒド反応性剤は尿素である。別の実施態
様において、ホルムアルデヒド反応性剤はアンモニウム塩である。
本発明はさらに、成分のキットに関する。キットの観点での1つにおいて、本
発明は、少なくとも1の上記した組成物および生物組織固定のための体積較正さ
れた容器を含むキットに関する。
キットの観点での別のものにおいて、本発明は、少なくとも1の上記した組成
物および、少なくとも1の、固定液のpHを中和するための補助的組成物を含む
成分のキットに関する。補助的組成物は、コアおよびコアを取り巻くコーティン
グ層を含む。コアは固定液のpHを中和するために添加剤を含む。
方法の観点での1つにおいて、本発明は、ホルムアルデヒドを含む固定液をク
エンチングさせるための方法に関する。この方法は、固定液を少なくとも1の上
記した組成物と接触させることを含む。
方法の観点での別のものにおいて、本発明は、生物試料を固定するための方法
に関する。この方法は、試料をホルムアルデヒドを含む固定液と接触させること
を含む。この方法はさらに、固定液を少なくとも1の上記した組成物と接触させ
ることを含む。
方法の観点でのなお別のものにおいて、本発明は、生物試料を固定液試薬にさ
らすことを調節する方法に関する。この方法は、生物試料を固定液試薬に所定の
時間さらすことを含む。この方法はさらに、固定液試薬および生物試料を、生物
試料の固定を実質的に止めるのに十分な量の固定液クエンチング試薬と接触させ
ることを含む。
更なる観点において、本発明は、上記した方法によって作られた生物試料に関
する。図面の簡単な説明
図1Aおよび1Bは、中性の緩衝ホルムアルデヒド(NBF)で18時間固定さ
れ、次いでエタノール中に29日間置かれた組織試料を示す。
図1Cは、NBF中に30日間保持された組織試料を示す。
図1Dは、NBF中で18時間固定され、次いで等モル量の尿素を用いてクエン
チングされ、さらに29日間保存された組織試料を示す。
図2Aは、標準としてNBFの希釈を用いた、アセチルアセトンとの反応によ
るホルムアルデヒドについてのアッセイの較正を示す。
図2Bは、NBF中で尿素と21時間反応させた4回の反応におけるオリジナル
のホルムアルデヒド濃度の百分率を示す。
図3Aは、NBF中で12時間固定された組織試料を示す。
図3Bは、NBF中で48時間固定された組織試料を示す。
図3Cは、NBF中で48時間固定された別の組織試料を示す。
図4Aは、NBF中で1週間固定された組織試料を示す。
図4Bは、NBF中で1週間固定された別の組織試料を示す。
図5は、酢酸アンモニウムとの反応における時間外の、オリジナルのホルムア
ルデヒド濃度の百分率を示す。発明の詳細な説明
本発明は一般に、ホルムアルデヒド反応性剤を用いて固定液をクエンチングさ
せることによって、生物試料のホルムアルデヒド固定を制御するための方法およ
び組成物に関する。しかしながら、本発明を詳細に議論する前に、以下の用語を
まず定義する。
「錠剤」という語は、凝集性の塊を意昧する。錠剤は、常にではなく典型的に
は、凝集性の固体に圧縮された粉末を含む。
「カプセル」という語は、固体または液体物質が外部の抑制力によって閉じ込
められるシステムを述べるために使用される。カプセルは、常にではなく典型的
には、通常ゼラチンでできたカプセル殻中に置かれた粉末または液体を含む。
「コーティング層」という語は、デリバリーシステムの外部表面に施与された
層を述べるために使用される。この層は、常にではなく典型的には、コーティン
グ層内に閉じ込められた活性成分の拡散速度を変え、または活性成分に悪影響を
与える種々の環境因子から活性成分を保護するように設計される。
本発明はいくつかの面を有する。最初の面では、本発明はホルムアルデヒドを
含む固定液をクエンチングさせるための組成物に関する。クエンチング組成物は
、ホルムアルデヒド反応性剤および発泡剤を含む。
この組成物は、コーティングされていない錠剤の形状であり得る。コーティン
グされていない錠剤は、ホルムアルデヒド反応性剤が固定液と接触するとすぐに
拡散するようにし、そうすると、ホルムアルデヒド反応性剤がホルムアルデヒド
と反応し、かつホルムアルデヒドの固定液挙動をクエンチングさせ始める。本発
明のコーティングされていない錠剤は、生物試料を物理的に除去しまたは浴溶液
を変えることなしに、固定液をクエンチングさせる方法を考慮する。
ホルムアルデヒド反応性剤は、以下の基準に合う任意の化学薬品であり得る:
(1)室温以下の温度で約1時間以内に水に溶解して、少なくとも約0.25Mの濃度
になる;(2)ほぼ中性のpHで室温以下の温度で水性溶液中でホルムアルデヒド
と反応して、安定で、かつ組織構成成分に対しては比較的非反応性である化合物
(群)を形成する;(3)溶液のpHを大きく下げたり上げたりしない;(4)侵食性
、毒性、刺激性、または発癌性がせいぜいわずかである;かつ(5)錠剤、ペレッ
ト
またはカプセルに組み込まれ得ること。
1の実施態様において、ホルムアルデヒド反応性剤は尿素(カルバミド;カル
ボニルジアミド;またはH2NCONH2)である。それは、上記した必須の特性
のすべてを有する。尿素は水に非常に溶解性であり、室温以下の温度で中性pH
(7.2〜7.6)でホルムアルデヒドと非常に反応性である。重要なことに、尿素と
ホルムアルデヒドとの反応は、固定液のpHを変えない。尿素ならびにホルムア
ルデヒドとの反応により形成された化合物は組織構成成分、例えばタンパク質お
よび核酸と反応性ではない。尿素は非侵食性で、非毒性で、非発癌性で、非刺激
性でかつ臭いがない。最終的にそれは、錠剤として圧縮調剤および表面コーティ
ングされやすい。
上記したように、尿素は中性のpHで室温にて水性溶液中で、ホルムアルデヒ
ドと速やかに縮合する(J.F.Walker、Formaldehyde 110,208-209(1944年))。
等モル比の反応体が使用されると、反応生成物はモノメチル尿素である:
H2NCONH2 + CH2O → H2NCONHCH2OH
1:2のモル比では、形成される反応生成物はジメチロール尿素である:
H2NCONH2 + 2CH2O →
HOCH2−NHCONH−CH2OH
1:2のモル比では、ホルムアルデヒドの平衡残留濃度は比較的高い。したがっ
て、尿素対ホルムアルデヒドのモル比約1:1〜約2:1が好ましい。
好ましくは、無水の超高純度等級の尿素が、本発明の組成物中のホルムアルデ
ヒド反応性剤として使用される。組成物はブリスタタイプのパッケージ中に保存
され得る。あるいは、デシケータを含むディスペンサー中に保存され得る。
1の実施態様において、ホルムアルデヒド反応性物質はアンモニウム塩である
。アンモニウム(NH4 +)塩は、水に非常に溶解性であり、便利に濃縮され、ア
ンモニア(NH3)分子の安定な供給源である。アンモニアは、室温以下の温度
で中性pH(約7.2〜7.6)でホルムアルデヒドと非常に反応性である。ホルムア
ルデヒドと典型的なアンモニウム塩との反応の速い速度が、実施例17、図5に示
され
る。
アンモニウム塩は典型的には、組織構成成分例えばタンパク質および核酸と有
意には反応しない。アンモニウム塩のほとんどが通常、非侵食性で、非毒性で、
非発癌性であり、非常に穏やかな臭いを有する。いくつかのアンモニウム塩は、
他のものより錠剤として圧縮調剤されやすく、錠剤への均質な表面コーティング
の施与をされやすい。アンモニウム塩の例としては、制限されることはないが、
重炭酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム、安息香酸アンモニウム、アルギ
ン酸アンモニウム、重酒石酸アンモニウム、二塩基性クエン酸アンモニウム、塩
化アンモニウム、グルコン酸アンモニウム、吉草酸アンモニウム、アンモニウム
チオシアネート、一塩基リン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、硝酸アンモニ
ウム、硫酸アンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、プルプル酸アンモニウ
ム、酒石酸アンモニウム、馬尿酸アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、臭化アン
モニウム、フッ化アンモニウム、炭酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、酢
酸アンモニウム等を含む。
アンモニアとホルムアルデヒドとの主な反応生成物は、ヘキサメチレンテトラ
ミン(1,3,5,7-テトラアザトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン:同義語:HMTA,
メテンアミン、ヘキサミン)[100-97-0](C6H12N4;F.W.140.2;メルク
インデックス第11版、1989年、モノグラフ#5879)である。HMTAは安定で、
非常に水溶性で、わずかに塩基性の3級アミン含有化合物で、ダイヤモンド様の
構造を有する。
6CH2O(水性) +4NH3 → C6H12N4 + 6H2O
HMTAの形成および特性は、J.F.Walkerの論文(Fnrmaldehyde、レイン
ホールド、ニューヨーク、第3版、1964年、第19章、511〜551頁)に記載されて
いる。反応は速く(図5)、等モルのアンモニウムおよびホルムアルデヒドを反応
させたとき、少なくとも90%のホルムアルデヒドを消費する。
固定中の組織の収縮は、組織における微細構造の正確な測定についての問題を
引き起こし得る。そのために、固定中に組織の収縮を避けるについては、固定液
の浸透力の軽減が有益である。1モルのHMTA当たり6モル当量の炭素および
4モル当量の窒素の組込みは、加えたアンモニウム塩および賦形剤の浸透力を実
質的に相殺する、全浸透力の低下を与える。
反応のpHは可変であり、これは反応される入手可能なアンモニウムイオンの
一部分を変える。ほぼ定量的な反応を成し遂げるために、反応は、約6.7〜約7.0
の範囲のpHに緩衝されなければならない。アンモニウムではなくアンモニアが
反応種であると、水素イオン(H+)が水に分け与えられ、それでpHは反応中
に減少する傾向がある。
6CH2O(水性) +4NH3 → C6H12N4 + 6H2O +4H+
この反応は通常、反応したホルムアルデヒド1モル当たり2/3モルの水素イ
オンを与えることができる。NBFはホスフェート緩衝液を、通常約0.075Mで含
み、これは反応されるべきホルムアルデヒドの濃度(1.3M)より遥かに低い。
この反応は固定液のpHを下げる傾向にあるので、緩衝液を供給して、反応のp
Hを中和することができる。好ましい面においては、緩衝剤は、ホルムアルデヒ
ド反応性剤において内在する構成成分である。このように、錠剤の内容および製
作の困難性が最小にされる。かくして、アンモニウム塩のアニオンが緩衝剤とし
て機能し得る。
7つの異なるアンモニウム塩を直接比較すると、pHは、特に中性より下で、
残余のホルムアルデヒド濃度に強く関連することを示す。重炭酸塩または炭酸塩
をアンモニウムのクエンチング反応に加えると、pHは上がり、反応は終了へと
さらに進む(実施例18)。
錠剤を作り、任意的にそれにコーティングするのに使用される製作工程におい
ては、ある困難性が錠剤の大きさに比例し得る。しかし、最大可能な大きさの錠
剤が、固定液のより大きい体積をクエンチングさせるのに使用されるのが好まし
い。反応性のアンモニウム塩の内在緩衝剤としての重炭酸アンモニウムの使用は
、経済的でかつ効率的である。というのは、それは、1つのアンモニウム塩およ
び1つの補助的な緩衝剤を使用するときに比べて、物質の使用を減らすからであ
る。かくして、本発明の好ましい組成物は、第1の緩衝剤として重炭酸アンモニ
ウムを含む。しかし、組成物が他の公知の緩衝剤を含むことができることは理解
され
るべきである。
本発明にしたがい組み込まれることができる他のホルムアルデヒド反応性剤の
例は、アミノ酸、例えばグリシンおよびその誘導体、例えばグリシンエチルエス
テルハイドロクロライド、アラニン、アスパラギン等;タンパク質例えばコラー
ゲン、ゼラチン、カゼイン等;尿素過酸化水素(カルバメートパーオキシド);チ
オ尿素;カルバミン酸エステル(ウレタン);シアナミド、ジシアナミドおよびメ
ラミン;重亜硫酸ナトリウム;硫化水素;アルカリ溶液中の糖類例えばフラクト
ースおよびグルコース;マロン酸エステル;フェニルヒドラジン;アニリン;固
体ヒドラジン ジヒドロクロライド、ヘミサルフェート、サルフェート、(酸性
化剤)およびヒドロキシルアミン(酸性化剤)である。
使用されるホルムアルデヒド反応性剤の量は、クエンチングされることが要求
されるホルムアルデヒドの量および組成物それ自体の所望の大きさに依存して変
わり得る。全体で、ホルムアルデヒド反応性剤対ホルムアルデヒドのモル比は、
約0.8:1〜約2:1にすべきであり、好ましくは約0.8:1.0〜1.5:1.0の範囲
にすべきである。好ましくは、使用されるホルムアルデヒド反応性剤の量は、固
定液中で約0.25M以下の残余ホルムアルデヒド濃度にするような量である。残余
ホルムアルデヒド濃縮物は、処理された組織において固定液のレベルを保持する
ことおよび腐敗または疾病を引き起こす微生物を抑制することの両方の目的に役
立つ。
組成物中の発泡剤は、ホルムアルデヒド反応性剤が、固定液中で水と接触する
と、クエンチングし分散することを促進する。当分野で公知の任意の発泡剤が本
発明の組成物において使用できる。典型的な発泡剤は、穏やかな有機酸およびカ
ーボネート化合物の組合せを含む。典型的な穏やかな有機酸としては、クエン酸
、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸およびコハク酸を含む。典型的なカ
ーボネート化合物としては、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム
、重炭酸カリウム、ナトリウムセスキカーボネート、ナトリウムグリシンカーボ
ネート、L−リジンカーボネート、アルギニンカーボネートおよび無定形炭酸カ
ルシウムを含む。これらの物質は、当分野で公知の技術を用いて、混合されかつ
製造されることができる。例えばPharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Vol.1
、
H.A.Liverman、L.Lachman、およびJ.B.Schwartzによる(マルセルデ
ッカー、ニューヨーク、N.Y.)を見よ。
本発明の好ましい態様において、アンモニウムイオンは、ホルムアルデヒド固
定液との反応においてプロトンを放出することによって、内在性の穏やかな有機
酸として機能する。このように、本発明の方法および組成物における好ましい発
泡性カーボネート化合物は、アンモニウム塩の固有の重炭酸アニオンである。
4NH4HCO3 → 4NH4 + + 4HCO3−(水性)
6CH2O + 4NH4 + → C6H12N4 + 6H2O +4H+
4H+ + 4HCO3 - → 4H2CO3 →
4CO2(気体) + 4H2O
アンモニウム塩の固有の重炭酸アニオンの使用は、反応性のアンモニウム塩、
補助的な穏やかな酸、および補助的な重炭酸塩と比べて、物質のより経済的で有
効な使用を提供し、これは組成物のコスト、大きさおよび製造の困難性を減少さ
せる。
ホルムアルデヒドとの反応によって放出される二酸化炭素ガスは、固定液の閉
じられた容器に圧力を生じさせ得る。気体の圧力は、閉じられた容器の漏れ、こ
ぼれまたは破壊すら引き起こすことができる。この潜在する危険を軽減するため
に、2つの方法を使用する。方法の1つは、気体が透過できるが水は不透過性で
ある口を有する容器に固定液をまとめることである。容器に口を付ける方法は当
業者に良く知られている。
あるいは、反応において放出される気体の体積を、重炭酸アンモニウムの全部
でなく一部を第2のアンモニウム塩で置きかえることにより、良好なレベルに減
らすことができる。第2のアンモニウム塩はアルカリ固有のpHに対してほぼ中
性で、中性pHのあたりに適切な緩衝容量を有していなければならない。例とし
ては、二塩基性リン酸アンモニウムおよびリン酸ジアンモニウムを含む。好まし
い組成物においては、アンモニウム塩の混合物は、重炭酸アンモニウム(NH4
HCO3、F.W.84.0)およびリン酸水素アンモニウム(二塩基性;(NH4
)2HPO4;F.W.132.1)である。
種々のアンモニウム塩は、特有の物理的テクスチャー、コンシステンシーおよ
び吸湿性を有する。これらの特性は、ホルムアルデヒド反応性剤、緩衝剤または
発泡剤としての有用性にかかわらず、錠剤を調剤し、成形する目的のために、種
々のアンモニウム塩の潜在的有用性に影響を与え得る。例えば、酢酸アンモニウ
ムが本発明に従い使用できるが、それは非常に吸湿性であり、通常の湿度条件下
では大気の水分の重量分を吸収しそうである。かくして、酢酸アンモニウムの処
方の水分含量は錠剤の製作中に制御するのが困難であり得、乾燥錠剤が比較的不
安定であり得る。さらなる例として、ホウ酸アンモニウムが本発明に従い使用で
きるが、それは、比較的滑らかな粗く顆粒状のコンシステンシーのゆえに、凝集
性の錠剤に圧縮するのが比較的困難である。さらにホウ酸アンモニウムは、要求
されるより固定液中の溶解性が低い。本発明の組成物において好ましい2つのア
ンモニウム塩、重炭酸アンモニウムおよびリン酸アンモニウムは、吸湿性でない
が水溶性であり、賦形剤と共に適当に調剤されると、凝集性の安定な錠剤へ圧縮
されやすい。
ホルムアルデヒド反応性剤の好ましい組成物は、出発重炭酸塩イオン対出発ホ
スフェート(二塩基性)アニオンのモル比約80:20〜約60:40の範囲で含むアンモ
ニウム塩の混合物を組み込む。これは、それぞれ4NH4CHO3:(NH4)2H
PO4のモル比約4:1〜約1.4:1の範囲に同等である。これらの剤のこれらの
比の使用は、アンモニウムイオンのモル対ホルムアルデヒドのモルの比約1:1
以上を用いて反応が進められるとすれば、反応後のpHをpH約6.7〜約7.3の許
容範囲にする(実施例18)。
本発明に従いホルムアルデヒドクエンチングのためのアンモニウム塩を含む組
成物の使用は、好ましくは固定液のpHを実質的に変えてはならない。あるいは
、組成物は、固定液のpHを上げるかまたは下げるように変えられ得る。より低
いpHでホルムアルデヒドのほとんどを反応させる目的のために、ホルムアルデ
ヒド反応性剤対ホルムアルデヒドのモル比は増加されなければならない。反応p
Hは、任意の補助的な緩衝剤および/またはアンモニウム塩の任意の内在的アニ
オンを用いることによって変えられ得る。好ましくは、アンモニウム塩の種類か
ら選ばれたホルムアルデヒド反応性剤の異なる混合物を使用することによって、
反
応pHはもっとも経済的に変えられ得る。
好ましくは、本発明の組成物に使用されるすべての化学薬品は、調剤前に無水
でなければならず、ACS等級かそれ以上でなければならない。組成物は、ブリ
スタタイプのパッケージ中に保存され得る。あるいは、デシケータを含むディス
ペンサー中に保存され得る。
1の実施態様において、クエンチング組成物は、コアおよび、コアを取り巻く
1またはそれ以上のコーティング層を含む。コアは、上記したホルムアルデヒド
反応性剤の1またはそれ以上を含む。好ましくは、組成物は、コーティングされ
た錠剤またはカプセルの形状である。コーティングされた錠剤またはカプセルを
作るために、当分野で公知の任意の方法が使用できる。
コアのための典型的な錠剤処方は、充填剤/結合剤、滑沢剤および1またはそ
れ以上の活性成分を含む。活性成分は好ましくは、約50〜約75重量%の範囲の量
で存在する。充填剤は好ましくは、約20〜約48重量%の範囲の量で存在する。滑
沢剤は、好ましくは、約2〜5重量%の範囲の量で存在する。適当な充填剤の例
としては、微晶質のセルロース、ブドウ糖、ラクトースおよびマンニトールを含
む。適当な滑沢剤の例としては、ナトリウムラウリルサルフェート、安息香酸ナ
トリウム、ポリエチレングリコール(PEG8000)、ステアリン酸マグネシウムお
よびナトリウムステアリルフマレートを含む。
錠剤および/またはカプセルは、一般に容認された製造の実施に従って製造さ
れ得る。例えば、活性成分および充填剤をまず適当なブレンダーで、完全な混合
を確実にするのに十分な時間ブレンドする。次に、滑沢剤を混合物に加え、適当
な時間、例えば5分間ブレンドする。標準の打錠機および打錠用具を用いて圧縮
することにより、錠剤が形成され得る。
コーティング層は、大気の水分との接触により早熟な分解からコアを保護する
ため、または遅らせた放出プロファイルを提供するためまたはその両方のために
役立ち得る。かくして、コーティング層の目的に依存して、層は、厚さならびに
組成を変えることができる。
もし遅らせた放出プロファイルが望ましいなら、コーティング層は、固定液と
接触したら、コア内容物の即座の湿潤を防がなければならない。しかしながら、
水がコアに達すると、コーティング層は速やかにばらばらになり、固定液中に溶
解するか、または固定液から容易に除去することができる空のコーティング殼を
残さなければならない。かくしてコーティング層は、所望の時間でコア中のホル
ムアルデヒド反応性剤を放出して、ホルムアルデヒド固定液と反応し、組織標本
の固定を止めるような物質および厚さを持たなければならない。
好ましくは、コーティング層は、室温で測定したときに約1分〜約36時間水に
不浸透性である。室温測定は、より高い温度でのより速い効果およびより低い温
度でのよりゆっくりとした効果に言い換える。コーティング層がホルムアルデヒ
ド固定液を放出しなければならない特定の時間は、固定される標本に依存する。
というのは、種々の標本が、種々の速度で固定液による拡散浸透を受け、組織中
の種々の分析物が種々の時間の固定で架橋を受けるからである。
本発明での使用に適当な典型的なコーティング層物質としては、天然ポリマー
、合成ポリマーまたは変性した天然のポリマーを含む。これらのポリマーの例と
しては、ジメチルアミノエチルメタクリレート、メチルアクリレート酸エステル
コポリマー、エチルアクリレート‐メチルメタクリレートコポリマー、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ナトリウムカルボキシメ
チルセルロース、ポリビニルピロリドングリコール、セルロースアセテートフタ
レートおよびポリエチレングリコールを含む。他の例としては、シェラック、シ
リコーンエラストマー、ワックスおよび脂肪を含む。当分野で良く知られている
ように、これらの物質はしばしば、可塑剤例えば多価アルコール、酢酸エステル
、フタル酸エステルおよびグリセリドと共に使用される。これらのコーティング
物質は、当分野で公知の方法を用いて施与され得る。例えば、ファーマシューテ
ィカル ドーセッジ フォームズ(Pharmaceutical Dosage Forms):Tablets,Vol.
3、H.A.Lieberman、L.Lachman、およびJ.B.Schwartzによる(マルセ
ル デッカー、ニューヨークN.Y.)を見よ。好ましいコーティング層物質は
、ポリメタクリレートポリマー、エチルセルロースおよびポリ(オルトエステル
)ポリマーである。ポリメタクリレートポリマーは好ましくは、アンモニアメタ
クリレートコポリマーと組合せて使用される。
1の実施態様において、錠剤は、サブコーティングとして設計され得る第1の
層に囲まれたコアを含む。サブコーティングは、どのような次のコーティング層
の施与中にもどんな湿気感受性の物質をも保護するために使用され得る。サブコ
ーティング物質が処方されて、次のものを含み得る:コーティング剤例えばヒド
ロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ポビ
ドン(povidone)、シェラックマルトース/デキストリン等;可塑剤例えばポリデ
キストロース、レシチン、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリエチルシ
トレート、トリアセチン等;および任意的に、アジュバント例えば、アルギネー
ト、ビスマス、カラギーナン、アカシア(アラビアゴム)、トラガカントゴム、レ
シチン等を含みうる懸濁剤を含むことができる。サブコートの処方における使用
に適した市販の入手可能な製品は、OPADRY(商標)であり、カラーコン(C
olorcon)、ペンシルバニアから市販に入手可能で、これはヒドロキシプロピルメ
チルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリデキストロース、アルギン酸ナ
トリウム、レシチンおよびトリアセチンからできている。
ホルムアルデヒド反応性剤が尿素であるとき、および組成物がポリメタクリレ
ートポリマーでコーティングされているとき、組成物がさらに穏やかな有機酸を
含むのが好ましい。典型的には、ポリメタクリレートポリマーは、持続放出のた
めに使用される。すなわち、それらは、延ばされた時間にわたって、ゆっくりと
薬剤を放出するように設計される。しかし、弱酸の組成物への組込みは、一旦水
がコーティング層を通過し、コアを湿らせると、放出速度を促進する。このこと
は、ナリサワらによって、lI Pharm.Res.111-116(1994年)に開示された。この目
的のために適当な酸としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、酢酸、
グルタール酸、およびコハク酸を含む。好ましくは、穏やかな有機酸はコハク酸
である。上記に挙げた酸は、二溶液補助(disolution aid)として機能する剤の例
である。
アルカリ性pHに対して中性で、尿素とホルムアルデヒドの反応生成物は固定
液に溶解できる。しかし、数日後、白い沈殿の薄い層が生じ、接触する表面を覆
う。
非常に低いpH値では、不溶性のポリ縮合生成物または樹脂が沈殿する。樹脂
形成の問題を避けるために、クエンチング組成物のコアは、酸性の固定液のpH
を中和する化合物を任意的に含むことができる。中和する化合物は、塩基または
緩衝剤であり得る。例えば、クエンチング組成物のコアは二塩基性リン酸ナトリ
ウムを含んで、ボウイン溶液(Bouin'solution)を中和することができる。
好ましい態様において、コーティングされた錠剤をホルムアルデヒド固定液中
に置くと、計画された遅延があり、その後、固定液は錠剤のコアへ入リコアと反
応し始めなければならない。加圧されたCO2気体の少しの体積が最初に生じ、
なお無傷の錠剤コーティングの内部に閉じ込められる。十分な量のこの気体の放
出は次に、コーティングが開裂し、単一のものから成る錠剤から分離することの
観察によって証明されるように、錠剤の残留コーティングの突然の破壊を引き起
こす。かくして、本発明に従い、コーティングはパンと開き、1回の破裂でコア
内容物の速やかな暴露を引き起こして、ホルムアルデヒドのクエンチングが始ま
るときの時間をはっきりと規定する。
組成物はまた、水溶性ポリマー例えばポリメタクリレートタイプのポリマーま
たはセルロースアセテートフタレートを用いてコーティングされ得る。これらの
コーティングされた錠剤をホルムアルデヒド固定液中に置くと、ポリマーは水和
し、かつ溶解し始める。結局、ある期間の後、コーティングの構造の完全無欠さ
が、コアが固定液に速やかに暴露される点まで減らされるのに十分なポリマーが
溶解する。コアの速やかな暴露は、コアの発泡性の性質によって促進される。
このように、本発明の好ましい組成物はアンモニウムの重炭酸塩を含み、これ
はホルムアルデヒド反応性剤のコーティングからの一気の放出を引き起こし、内
在する緩衝剤としてふるまい、ホルムアルデヒドとの反応において主な活性種で
あり、かつ発泡剤としてふるまう。
クエンチング組成物の可能な大きさには限りがあるので、そのコア中に中和化
合物および賦形剤のみを含む第2の別のコーティングされた組成物が、クエンチ
ング組成物と共同で使用され得る。もちろん、第2の組成物の使用は、クエンチ
ング組成物の使用に対して補助的である。
第2の/補助的組成物のコーティング層は、クエンチング組成物のコーティン
グ層と同じ材料から作られ得る。また、別の物質からできていることもできる。
好ましくは、第2の/補助的組成物のコーティング層は、クエンチング組成物の
コーティング層より短い遅延放出プロファイルを有する。これによって、第2の
/補助的組成物中の中和化合物が、クエンチング組成物がホルムアルデヒド反応
性剤を放出する前に固定液のpHを中和することができる。
もちろん、固定液のpHおよび温度に依存して、クエンチング組成物ならびに
第2の/補助的組成物のコーティング層物質は、所望の遅延放出プロファイルを
達成するように、変わり得る。
上記したように、尿素とホルムアルデヒドとのクエンチング反応は、温度依存
性ならびにpH依存性である。例えば、尿素とホルムアルデヒドとのクエンチン
グ反応は、4℃では24℃より10倍遅い。図2Bを見よ。そのような温度では、ク
エンチングの全時間は約24時間である。このように、試料を低温でホルムアルデ
ヒドで固定すると、遅延放出プロファイルを有するクエンチング組成物の使用は
必要ない。すなわち、尿素を届けるために、コーティングされた錠剤またはカプ
セルを使用する必要がない。発泡剤を含む尿素組成物は固定液に直接届けられ、
同時に試料が固定液中に置かれる。その点で、固定とクエンチングの両方が起こ
っている。
アンモニウム塩とホルムアルデヒドとのクエンチング反応は、温度依存性なら
びにpH依存性である。例えば、酢酸アンモニウムとホルムアルデヒドとのクエ
ンチング反応は、4℃では24℃より3倍遅い。図5を見よ。
ホルムアルデヒド反応性剤とホルムアルデヒドとのクエンチング反応は温度依
存性なので、本発明のクエンチング組成物は種々の厚さを有するコーティング層
を有し得ることが企図される。コーティング層の厚さは固定液の温度に依存する
。さらに、本発明のクエンチング組成物はコーティング層なしで使用され得るが
、クエンチング組成物は、大気の湿気による減成および劣化からホルムアルデヒ
ド反応性剤を保護するためだけに、そこに薄いコーティング層を有するのが好ま
しい。
1面において、本発明は、成分のキットに関する。キットは、少なくとも1の
上記したホルムアルデヒドクエンチング組成物および、体積較正された容器(こ
の中に組織試料が固定され得る)を含む。容器は、パーケージされたクエンチン
グ組成物でクエンチングされ得るホルムアルデヒド固定液の特定量を計量するよ
うに設計される。任意的に、容器は特定量の固定液であらかじめ満たされる。
キットは、使用者が、規定されたホルムアルデヒド反応性剤対ホルムアルデヒ
ドのモル比を使用するのに好都合にし、この比は好ましくは、約0.8:1〜約2:
1である。キットに供給されるクエンチング組成物中のホルムアルデヒド反応性
剤の量は、規定された体積の水中で少なくとも1.3M溶液を作るのに十分でなけ
ればならない。
種々の組織標本が、固定を達成するために種々の量のホルムアルデヒドならび
にクエンチングまでの種々の時間を必要とするので、キットは、種々の大きさの
容器および、ホルムアルデヒド反応性剤の種々の投薬量を有するクエンチング組
成物を有することが企図される。1つの大体積の固定液をクエンチングするため
に、1以上のクエンチング組成物がまた使用され得る。好ましくは、1つの大体
積の固定液をクエンチングするために、2またはそれ以上のクエンチング組成物
が使用される。さらに、キット中のクエンチング組成物は、固定されるべき標本
に依存して、種々の遅延放出プロファイルを有することができる。
発泡性化合物を組み込む本発明の処方は、穴のない容器の内部に気体圧力を生
じさせる。したがって、本発明の好ましいキットデザインは、締りばめのふた(c
lose-fitting lid)を有する容器を有する。ふたは、小さい半透過性のメンブラ
ンフィルター(membrane filter)が取り付けられている口に合わせられ得る。フ
ィルターは、疎水性の微孔性膜タイプであることができ、これは、過度の圧力に
なった気体を排出させるが、通常の大気圧では水および気体を保持する。例えば
、それは、次の物質から成ることができる:ポリテトラフルオロエチレン(PT
FE;ゴア‐テックス(商標))、ポリプロピレン、アクリルコポリマー、または
ポリビニルジフルオライド(PVDF)。
キットの観点で、別のものにおいては、本発明は、上記したホルムアルデヒド
クエンチング組成物の少なくとも1つ、および上記した第2の/補助的組成物の
少なくとも1つを含む、成分のキットに関する。特に、第2の/補助的組成物は
、補助的なコアおよび補助的コアを取り囲む補助的コーティング層を含む。コア
は、固定液のpHを中和するための添加剤を含む。コアは任意的に、固定液をク
エン
チングさせるためのホルムアルデヒド反応性剤をまた含む。その多の実施態様は
、上記した本発明のキットと同じであり得る。
方法の観点での1つにおいて、本発明は、ホルムアルデヒドを含む固定液をク
エンチングさせる方法に関する。この方法は、固定液を少なくとも1の上記した
クエンチング組成物と接触させることを含む。
本発明の方法において、種々のホルムアルデヒド固定液が使用できる。典型的
なホルムアルデヒド固定液としては、NBF、パラホルムアルデヒド、および上
記した他のものを含む。
方法の好ましい実施態様においては、クエンチング組成物が、大量の固定液中
に、生物標本と同時に置かれる。遅延の後、クエンチング組成物が溶解し、ホル
ムアルデヒド反応性剤を分散させる。この剤は次に、ホルムアルデヒドのほとん
どと共有的に反応し、これを不活性化する。
別の方法の観点では、本発明は、生物試料を固定するための方法に関する。こ
の方法は、試料をホルムアルデヒド含有固定液と接触して、組織を固定すること
を含む。この方法はさらに、固定液を、上記したホルムアルデヒドクエンチング
組成物の少なくとも1と接触させて、直ちに、または設定した時間後にホルムア
ルデヒドをクエンチングさせる。
生物試料は、単細胞、組織、生物体、ウィルス、および細胞外組成物であり得
る。
好ましくは、試料体積は、固定液の約20%体積未満である。
本発明を用いて調製した生物試料、またはそれから調製した抽出物に直接、実
施するとき、よりよい感度および質の制御をもって、種々の分析試験を行なうこ
とができる。これらの試験は、免疫アッセイ(例えばIHC、フロー イムノサ
イトメトリー、ELISA、免疫沈降、イムノブロッティング(immunoblotting)
)、増幅なしの核酸の定量および配列のためのアッセイ(例えばin situでのハイ
ブリッド形成、定量)または増幅法を用いたもの(例えばPCR、in situ/in si
tuでのPCR、溶液PCR、リガーゼ連鎖反応、ストランド置換増幅)、クロマ
トグラフ法(例えば気相または液相分析物移動)、電気泳動法(キャピラリー、粘
着性ゲル)、測光法(例えばUV、可視または赤外分光測光法、蛍光測定法)お
よび分
子組成の分析のための他の方法(例えば質量分光法、NMR)のカテゴリーを含
む。
別の方法の観点においては、本発明は、生物試料の固定液試薬に対する暴露を
調節する方法に関する。この方法は、生物試料を固定液試薬に所定の時間暴露す
ることを含む。この方法はさらに、生物試料の固定を実質的に止めるのに十分な
量の固定液クエンチング試薬で、固定液試薬と生物試料とを接触させることを含
む。
好ましくは、生物試料が固定液試薬にさらされる時間の長さは、生物試料が、
劣化および腐敗から十分に安定化されるが、固定液試薬へののばされた暴露の特
性を有することはないような長さである。
なおさらに好ましくは、生物試料が固定液試薬にさらされる時間の長さは、生
物試料が、劣化および腐敗から十分に安定化されるが、実質的な妨害なしに生物
学的に試験され得るような長さである。
固定時間を厳密な質の制御に供したことにより、固定され安定化された生物試
料は、他の同様に固定された試料と一緒に次の加工処理のためにバッチ式に処理
されて、さらなる経済的な規模を達成できる。
本発明はさらに、上記した方法に従って処理された生物試料に関する。
実施例
以下の実施例は、本発明をさらに説明するためのものであり、本発明の範囲を
不当に限定するものとして解釈されるべきではない。
実施例1
コア1の直接圧縮処方
滑沢剤、崩壊剤、コハク酸および尿素を含むコアを作った。特定の成分および
その重量パーセントを以下の表1に示す。
表1
1.尿素 76重量%
2.Avicel1 10重量%
3.コハク酸 10重量%
4.AcDiSol2 3.5重量%
5.ステアリン酸 0.5重量%
1 Avicelは、微晶質セルロースの商標、N.F.
2 AcDiSolは、クロスカルメロース(Croscarmellose)の商標、N.F.
完全な混合を確実にするのに十分な時間、成分1〜3をまず、適当なブレンダ
ー中でブレンドした。次に成分5を混合物に加え、5分間ブレンドした。標準打
錠機および打錠用具を用いて圧縮により錠剤を成形した。
実施例2
コア2の直接圧縮処方
滑沢剤、崩壊剤および尿素を含むコアを作った。特定の成分およびその重量パ
ーセントを以下の表2に挙げた。
表2
1.尿素 86重量%
2.Avicel1 10重量%
3.Ac-Di-Sol2 3.5重量%
4.ステアリン酸 0.5重量%
1 Avicelは、微晶質セルロースの商標、N.F.
2 Ac-Di-Solは、クロスカルメロースの商標、N.F.
完全な混合を確実にするのに十分な時間、成分1〜3をまず、適当なブレンダ
ー中でブレンドした。次に成分4を加え、5分間ブレンドした。標準打錠機およ
び打錠用具を用いて錠剤を圧縮した。
実施例3
ポリメタクリレートポリマーでのコーティング
実施例1に記載した錠剤をコーティングするためにポリメタクリレートポリマ
ーを使用した。このポリマーは、コハク酸のような弱酸と相互作用して、遅延放
出プロファイルを与える。錠剤へコーティングした処方物は、ポリメタクリレー
トポリマー、タルク、TECおよび水を含む。特定の成分およびその重量パーセ
ントを以下の表3に示す。
表3
1.Eudragit RS 30D1 40重量%
2.タルク 6重量%
3.TEC2 1重量%
4.水 53重量%1 Eudragit RS 30Dは、アンモニアメタクリレートコポリマーを含有す
るポリメタクリレートポリマーの商標
2 TECは、クエン酸トリエチルの省略
成分1〜4を混合して水性懸濁液を調製し、次いで、標準パンコーティングま
たは流動床技術を用いて、錠剤に噴霧した。
実施例4
弱酸およびポリメタクリレートポリマーでのコーティング
実施例2に記載した錠剤をまず、以下の表4に処方したような結合剤溶液中に
溶解した弱有機酸の層でスプレーコーティングした。次に、上記の表3に記載し
たようなポリメタクリレートポリマー処方物からなる第2の層を有機酸層の上に
噴霧した。このポリマーは弱酸と相互作用して遅延放出プロファイルを与える。
表4
1.コハク酸 33重量%
2.スクロース 33重量%
4.水 33重量%
成分1および2を水に溶かし、次に、標準パンコーティングまたは流動床技術
を用いて、実施例2に記載した錠剤に噴霧した。
実施例5
ポリ(オルトエステル)ポリマーでのコーティング
この実施例では、クエンチング剤のための制御放出マトリックスとして、ポリ
(オルトエステル)ポリマーを使用した。薬剤はポリマーマトリックスの侵食を
介して放出される。この侵食は、水によるポリマーの加水分解により引き起こさ
れる。
以下の表5に示した成分1および2を一緒に混合し、次いで硬質ゼラチンカプ
セルに充填した。
表5
1.尿素 50重量%
2.ポリ(オルトエステル)1 50重量%1 分子量 約5000
実施例6
発泡剤処方
発泡錠剤の処方物を以下の表6に示す。基本錠剤処方物は、重炭酸ナトリウム
、クエン酸および尿素から成る。
表6
1.クエン酸、無水(顆粒状) 40重量%
2.重炭酸ナトリウム(顆粒状) 40重量%
3.尿素 19重量%
4.水 1重量%
成分1〜3を十分にブレンドし、混合しながら迅速に水を加えた。作業可能な
湿った塊が形成されるまで混合を続けた。この塊を10メッシュのふるいにかけた
。この物質を、コンベクションオーブン中で70℃にて2時間トレー乾燥し、次い
で冷却し、オーブンから取り出した。次にそれを16メッシュのふるいにかけた。
この物質を次に、十分量の滑沢剤と混合し、標準打錠機および打錠用具を用いて
錠剤に圧縮した。
得られた錠剤を次に、実施例3に記載したコーティング溶液および手順を用い
て、スプレーコーティングした。
実施例7
活性成分の効力
ラットの回腸を、切除後すぐに、中性の緩衝化ホルムアルデヒド(NBF)中に
置いた。図1Aおよび1Bでは、この組織を18時間固定し、次いでエタノール中
に29日間置いた。図1Cでは、組織をNBF中に30日間保持した。図1Dでは、組
織を18時間固定した。次に、等モル量の尿素をNBFに加えた。この混合物中に組
織をさらに29日間入れたままにしておいた。すべての組織をパラフィンに包埋し
、5μmの厚さの切片とした。
その後、組織抗原ビメンチンのための免疫組織化学染色を、標準モノクローナ
ル抗体V9(図1A、1Cおよび1D)またはイソタイプ適合コントロールモノク
ローナル抗体(図1B)を用いて、標本に対して行った。これに続いて、第二試
薬、西洋ワサビペルオキシダーゼポリマーと結合したウサギ抗マウス抗体を用い
て、検出を行った。ペルオキシダーゼ基質としてジアミノベンジジンおよび過酸
化水素を用いて発色させた(DAKO Envision System)。
ビメンチンのための免疫組織化学染色は、ホルムアルデヒドに30日間浸漬した
標本については染色感度がきわめて弱いことを示した。ホルムアルデヒドおよび
尿素中に保持した標本は、免疫反応性を失わず、ほんの短時間固定したものに似
ていた。
これらの実験の結果は、免疫組織化学においてホルムアルデヒドを尿素でクエ
ンチングすることの効力を明確に示している。尿素対ホルムアルデヒドの最適モ
ル比は必ずしも1:1ではない。しかしながら、この実験は、そのような比が記
載されたように使用されるときに真の効力を証明する。
実施例8
尿素とホルムアルデヒドとの化学反応
尿素(顆粒状)を標準NBFと反応させて、化学反応の速度および平衡の程度を
決定した。図2Aおよび2Bにそれぞれ示した、ホルムアルデヒドキャリブレータ
ーおよび反応残留物は、T.Nashの分光測光法(55 Biochem.J.416-421(1953))
を用いて測定した。この方法は、アセチルアセトンで形成された化合物の吸光度
を405nmで測定することを含む。残留ホルムアルデヒドについてのアッセイは、
図2Aに示したように、NBFの連続希釈物を測定することによって、直線性を確認
した。
NBF中の尿素およびホルムアルデヒドを、3つの異なるモル比および2つの
温度で反応させた。図2Bにおいて、このデータは、示された時間で、反応物中
に測定された残留ホルムアルデヒド濃度を示す。データを出発濃度で除して、10
0%をかけて、残っているオリジナル濃度のパーセントを表した。
図2Bの24℃での反応のデータは、反応の動的速度が、尿素:ホルムアルデヒ
ドモル比1:1および1.5:1では比較的速いことを示す。平衡では、オリジナ
ル濃度の90%以上がクエンチングされた。これは、ホルムアルデヒドの残留濃度
約0.12M(0.33%、重量/体積)および尿素の残留濃度、1:1で約0.13Mまたは
1.5:1で0.2Mに等しい。
平衡の濃度は、少なくとも39日間安定であった。これらのデータもまた、クエ
ンチングの速度が4℃では24℃でよりも約10倍遅いことを示す。実施例9
コア3の直接圧縮処方
滑沢剤、崩壊剤、コハク酸、重炭酸アンモニウムおよびリン酸水素アンモニウ
ムからコアを製造した。特定の成分およびその重量パーセントを以下の表7に示
す。
表7
1.重炭酸アンモニウム 44重量%
2.リン酸水素アンモニウム 32重量%
3.Avicel1 10重量%
4.コハク酸 10重量%
5.AcDiSol2 3.5重量%
6.ステアリン酸 0.5重量%
1 Avicelは、微晶質セルロースの商標、N.F.
2 AcDiSolは、クロスカルメロース(Croscarmellose)の商標、N.F.
完全な混合を確実にするのに十分な時間、成分1〜4をまず、適当なブレンダ
ー中でブレンドした。次に成分5および6を混合物に加え、5分間ブレンドした
。標準打錠機および打錠用具を用いて圧縮により錠剤を成形した。
実施例10
コア4の直接圧縮処方
滑沢剤、崩壊剤、重炭酸アンモニウムおよびリン酸水素アンモニウムからコア
を製造した。特定の成分およびその重量パーセントを以下の表8に示す。
表8
1.重炭酸アンモニウム 32重量%
2.リン酸水素アンモニウム 18重量%
3.マンニトール 45重量%
4.粉末PEG 8000 5重量%
完全な混合を確実にするのに十分な時間、成分1〜3をまず、適当なブレンダ
-中でブレンドした。次に成分4を混合物に加え、5分間ブレンドした。標準打
錠機および打錠用具を用いて圧縮により錠剤を成形した。
実施例11
コア5の湿式造粒圧縮処方
滑沢剤、充填剤/結合剤および活性成分からコアを製造した。処方物を圧縮の
前に湿式造粒し、特定の成分およびその重量パーセントを以下の表9に示す。
表9
1.重炭酸アンモニウム 35重量%
2.リン酸水素アンモニウム 25重量%
3.微晶質セルロース 39重量%
4.ステアリン酸マグネシウム 1重量%
完全な混合を確実にするのに十分な時間、成分1〜3をまず、適当なブレンダ
-中でブレンドした。次に適当な顆粒化液体を加えて、良好な顆粒を形成し、次
いで乾燥した。次に、顆粒に成分4を加え、5分間ブレンドした。標準打錠機お
よび打錠用具を用いて圧縮により錠剤を成形した。
実施例12
弱酸およびポリメタクリレートポリマーでのコーティング
実施例10に記載した錠剤をまず、以下の表10に処方したような結合剤溶液中に
溶解した弱有機酸の層でスプレーコーティングした。次に、上記の表3に記載し
たようなポリメタクリレートポリマー処方物からなる第2の層を有機酸層の上に
噴霧した。このポリマーは、弱酸と相互作用して、遅延放出プロファイルを与え
る。
表10
1.コハク酸 33重量%
2.スクロース 33重量%
3.水 33重量%
成分1および2を水に溶解し、次いで標準パンコーティングまたは流動床技術
を用いて、実施例10に記載した錠剤に噴霧した。
実施例13
ポリ(オルトエステル)ポリマーでのコーティング
この実施例では、クエンチング剤のための制御された放出マトリックスとして
ポリ(オルトエステル)ポリマーを使用した。薬剤はポリマーマトリックスの侵
食により放出される。この侵食は、水によるポリマーの加水分解により引き起こ
される。
以下の表11に示した成分1〜3を一緒に混合し、次いで硬質ゼラチンカプセル
に充填した。
表11
1.重炭酸アンモニウム 29重量%
2.リン酸水素アンモニウム 21重量%
3.ポリ(オルトエステル)1 50重量%
1 分子量 約5000
実施例14
ヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマー系でのサブコーティング
この実施例では、ヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマーのサブコート
を、主コートを施与する前に上記の実施例のいずれかに施与した。サブコーティ
ングは主コートの前に施与される保護コーティングである。サブコートは、主コ
ートの施与中に湿気に敏感な物質を保護し、よって湿気に敏感な物質のコーティ
ングを可能にする。サブコーティング物質は、標準パンまたは流動床コーティン
グ技術を用いて施与することができる。特定の成分およびその重量パーセントを
以下の表12に示す。
表12
1.Opadry溶液1 3〜7.5重量%
2.水 97〜92.5重量%1 5% Opadry(Colorcon(ペンシルバニア)から市販)を含む。
0padry粉末を水に溶かし(5%)、70〜80℃の温度で噴霧器を用いて錠剤にゆ
っくりと施与した。標準パンまたは流動床コーティング技術を用いて、典型的に
は、3〜10固体重量%のOpadryのコーティングレベルを錠剤に施与した。
実施例15
エチルセルロースシュードラテックスポリマー系でのコーティング
エチルセルロースシュードラテックス(pseudo-latex)ポリマーを用いて、実施
例14に記載したようにあらかじめサブコートしておいた錠剤をコーティングした
。錠剤にコーティングした処方物は、水中のエチルセルロースシュードラテック
スおよび可塑剤を含む。特性の成分およびその懸濁物固体を、パーセントで、以
下の表13に示す。
表13
1. エチルセルロースシュードラテックス 11重量%
2.クエン酸トリエチル 4重量%
3.水 85重量%
成分1〜3を混合して水性懸濁液を形成し、次いで、標準パンまたは流動床コ
ーティング技術を用いて錠剤に噴霧した。
実施例16
活性成分の効力
この実施例で使用されるクエンチング錠剤は、0.5gの重炭酸アンモニウム、0.
19gの二塩基性リン酸アンモニウムおよび0.34gのアビセル(Avicell)およびステ
アリン酸マグネシウムからできていて、コーティングは、0.03gのOpadry(ヒド
ロキシプロピルメチルセルロース)からなる。1つのクエンチング錠剤を、1:
1のアンモニウム:ホルムアルデヒドのモル比を形成する9.0mLのNBFに添加した
。
癌腫および子宮組織試料の新鮮な外科標本を集め、帯片に分割し、これを直ち
にNBF中に置いた。図3Aでは、組織を12時間固定した。図3Bおよび3Cでは、組
織を48時間固定した。図4Aおよび4Bでは、組織を1週間固定した。図3Bおよ
び4Bでは、組織を1日固定したとき、クエンチング錠剤を加え、組織をそれぞ
れさらに36時間または6.5日間この混合物中に入れておいた。次に、すべての組
織を脱水し、パラフィンに包埋して5μmの厚さの切片とした。
異なるモノクローナル抗体を使用して免疫組織化学染色を行って、2つの核抗
原を検出した。かかる抗原は、エストゲンレセプター(DAKO社、カーピンテリア
、カリフォルニア州から入手可能な、モノクローナル抗体ER−1D5)および
腫瘍サプレッサータンパク質p53(DAK0社、カーピンテリア、カリフォルニアか
ら入手可能な、モノクローナル抗体DO−7)である。この後、第2の試薬、ビ
オチンと結合したウサギ抗マウス抗体(Sigma)セントルイス、ミズーリ州から
入手可能)を添加した。次に、アビジンとビオチン化西洋ワサビペルオキシダー
ゼの複合体(ABC試薬;Vector Laboratories)を用いて検出試薬を加えた。ペル
オキシダーゼ基質としてジアミノベンジジンおよび過酸化水素を用いて、発色さ
せた。ホルムアルデヒドおよびアンモニウム塩中に保持した標本は、免疫反応性
をあまり失わず、短時間しか固定しなかったものと似ている。
図3Aでは、12時間のみの固定後のエストロゲンレセプターについての免疫組
織化学染色は、最小固定での染色の基準強度を示した。図3Bでは、ホルムアル
デヒドクエンチング錠剤コアを24時間後に加え、標本を合計48時間固定液中に保
持したとき、染色強度および染色されたすべての細胞の画分が類似していた。図
3Cにおいては、ホルムアルデヒドクエンチング錠剤を加えることなしに48時間
ホルムアルデヒド中に浸漬した標本について、染色があまり強くなく、かつ細胞
カウント数が著しく低かった。
図4Aでは、p53についての免疫組織化学染色は、ホルムアルデヒドクエンチ
ング錠剤コアを24時間後に加え、標本を1週間固定液中に保持したとき、染色が
強いことを示した。図4Bでは、ホルムアルデヒドクエンチング錠剤を加えるこ
となしに1週間ホルムアルデヒド中に浸漬した標本について、染色はあまり強く
なく、かつ細胞カウント数が著しく低かった。
この実験の結果ははっきりと、免疫組織化学においてアンモニウム塩でホルム
アルデヒドをクエンチングすることの効力を示す。実施例17
緩衝化アンモニウム塩およびホルムアルデヒドの化学反応
酢酸アンモニウム(NH4C2.3H2O)を標準NBFと反応させて、この化学反応
の速度および平衡の程度を決定した。図2Aおよび5にそれぞれ示した、ホルム
アルデヒドキャリブレーターおよび反応残留物は、T.Nashの分光測光法(55 Bio
chem.J.416-421(1953))を用いて測定した。この方法は、405nmで、アセチルア
セトンで形成された化合物の吸光度を測定することを含む。残留ホルムアルデヒ
ドについてのアッセイは、図2Aに示したように、NBFの連続希釈物(≦0.0004X
)を測定することによって、直線性を確認した。
酢酸アンモニウムおよびNBF中のホルムアルデヒド(補助的な炭酸ナトリウ
ムでさらに緩衝化されている)を、2つの温度およびアンモニウム:ホルムアル
デヒドのモル比1.5:1で反応させた。図5において、データは、示された時間
で、反応物中に測定された残留ホルムアルデヒド濃度を示す。データを出発濃度
で除して、100%をかけて、残存するオリジナル濃度のパーセントを表した。図
5のデータは、反応の動的速度が、22℃で、約1分の非常に速い半減期を有し、
30分以内で平衡に達することを示す。4℃(氷上)で得られたデータは、約3分
の半減期を示し、これもなお非常に速い。両平衡において、オリジナルのホルム
アルデヒド濃度の少なくとも90%がクエンチングされた。10%の残留濃度は、約
0.12M(0.33%、重量/体積)に等しい。反応生成物の高度に希釈された試料中
のホルムアルデヒドの90%以上の反応を正確に測定するこのアッセイ法の能力は
、独立して確認されなかった。実際の残留ホルムアルデヒド濃度は、出発濃度の
10%以下だろう。
実施例18
8種のアンモニウム塩およびホルムアルデヒドの化学反応
8種の異なるアンモニウム塩を、アンモニウム対ホルムアルデヒドのモル比1
:1で、中性の緩衝化ホルマリンと1時間反応させ、次いで残留ホルムアルデヒ
ド濃度を、T.Nashの分光測光法(55 Biochem.J.416-421(1953))を用いて測定
した。>12時間後、較正したpHメータを用いて平衡でのpHを測定した。データ
を出発濃度で除して、100%をかけて、残っているオリジナル濃度のパーセント
を表した。
表14 *アニオンのモル比
** 四ホウ酸アンモニウムは反応後に不溶性の沈殿を残した。
表14のデータは、pH1.5〜約pH5.0の範囲にわたり、ホルムアルデヒドのク
エンチングの反応の程度とpHとの間に、逆の関係が存在することを示す。これ
は予想されたとおりである。というのは、ホルムアルデヒドと実際に反応するの
はアンモニア種(NH3)であり、ほとんどのアンモニウムイオン(NH4 +)は酸性
溶液中に存在するからである。酢酸塩反応のpHを中和するための、補助的な重
炭
酸ナトリウム緩衝剤の添加は、ホルムアルデヒド濃度を低下させた。ホルムアル
デヒドの消費は、約pH6.0〜pH7.0の間で漸近線に接近すると思われる。しか
し、上記したように、実際の残留ホルムアルデヒド濃度は、出発濃度の10%以下
だろう。
この表のデータはさらに、化合物の種類として考えられる多くのアンモニウム
塩が、本発明においては、適当な緩衝剤も存在するという条件で、ホルムアルデ
ヒド反応性剤として働くのに十分であることを示す。
重炭酸アンモニウムは、ホルムアルデヒドのクエンチングについて特に高い能
力を有する。というのは、重炭酸塩は、反応のpHを有効に中和するからである。
ホウ酸アンモニウムは、比較的アルカリ性の緩衝剤であるが、固定液中に不溶性
の残渣を残した。
ここに記載した好ましい実施態様に対する他の変更および修飾が、本発明の真
の精神および範囲によって達成されることが意図される。この真の精神および範
囲は、先の明細書に照らして解釈されるべき添付の請求の範囲によって規定され
る。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ
,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU
,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,
CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G
B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG
,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,
LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N
O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG
,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,
UZ,VN,YU
(72)発明者 ジェームス,ウィリアム,エム.
アメリカ合衆国 20878 メリーランド州,
ダーネスタウン,スカーレット オーク
ドライブ 13133
(72)発明者 ホーグ,ステファン,ダブル.
アメリカ合衆国 21228 メリーランド州,
ケイトンズビル,ビターナット コート
2
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.ホルムアルデヒド固定液およびホルムアルデヒド固定液のクエンチングに有 効な量の少なくとも1種のアンモニウム塩を含んでなる組成物。 2.アンモニウム塩が、重炭酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム、安息香 酸アンモニウム、アルギン酸アンモニウム、重酒石酸アンモニウム、クエン酸 アンモニウム(二塩基性)、塩化アンモニウム、グルコン酸アンモニウム、吉 草酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、リン酸アンモニウム(一塩基 性)、酢酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、スルファミ ン酸アンモニウム、プルプル酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、馬尿酸ア ンモニウム、ヨウ化アンモニウム、臭化アンモニウム、フッ化アンモニウム、 炭酸アンモニウム、クエン酸アンモニウムおよび酢酸アンモニウムからなる群 より選択される、請求項1記載の組成物。 3.前記組成物が発泡剤を含む、請求項1記載の組成物。 4.発泡剤がアンモニウム塩の固有のアニオンである、請求項3記載の組成物。 5.前記組成物が緩衝剤を含む、請求項1記載の組成物。 6.緩衝剤がアンモニウム塩の固有のアニオンである、請求項5記載の組成物。 7.アンモニウム塩が重炭酸アンモニウムである、請求項4記載の組成物。 8.緩衝剤が重炭酸アンモニウムである、請求項5記載の組成物。 9.ホルムアルデヒド反応性剤および発泡剤を含んでなるクエンチング組成物。 10.ホルムアルデヒド反応性剤が、尿素、アンモニウム塩、アミノ酸、尿素過酸 化水素、チオ尿素、カルバミン酸エステル、シアナミド、ジシアナミド、メラ ミン、重亜硫酸ナトリウム、硫化水素、アルカリ溶液中の糖類、マロン酸エス テル、フェニルヒドラジン、アニリン、固体ヒドラジンおよびヒドロキシルア ミンからなる群より選択される、請求項9記載のクエンチング組成物。 11.ホルムアルデヒド反応性剤が尿素である、請求項9記載のクエンチング組成 物。 12.ホルムアルデヒド反応性剤がアンモニウム塩である、請求項9記載のクエン チング組成物。 13.ホルムアルデヒド反応性剤および発泡剤が1種以上のアンモニウム塩である 、請求項9記載のクエンチング組成物。 14.ホルムアルデヒド含有固定液をクエンチングするための組成物であって、ホ ルムアルデヒド反応性剤を含むコアおよび該コアを取り囲むコーティング層を 含んでなる組成物。 15.ホルムアルデヒド反応性剤が尿素である、請求項14記載のホルムアルデヒド 含有固定液をクエンチングするための組成物。 16.ホルムアルデヒド反応性剤がアンモニウム塩である、請求項14記載のホルム アルデヒド含有固定液をクエンチングするための組成物。 17.前記コアが発泡剤を含む、請求項14記載のホルムアルデヒド含有固定液をク エンチングするための組成物。 18.発泡剤が重炭酸ナトリウムおよび重炭酸アンモニウムからなる群より選択さ れる、請求項17記載のホルムアルデヒド含有固定液をクエンチングするための 組成物。 19.前記コアが溶解助剤を含む、請求項14記載のホルムアルデヒド含有固定液を クエンチングするための組成物。 20.溶解助剤が、二酸化炭素ガス、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、酢 酸、グルタル酸およびコハク酸からなる群より選択される、請求項19記載のホ ルムアルデヒド含有固定液をクエンチングするための組成物。 21.前記コアがpH中和剤を含む、請求項14記載のホルムアルデヒド含有固定 液をクエンチングするための組成物。 22.pH中和剤が緩衝剤または塩基である、請求項21記載のホルムアルデヒド 含有固定液をクエンチングするための組成物。 23.pH中和剤がアンモニウム塩である、請求項21記載のホルムアルデヒド含 有固定液をクエンチングするための組成物。 24.ホルムアルデヒド反応性剤が重炭酸アンモニウムおよび二塩基性リン酸アン モニウムを含む、請求項14記載のホルムアルデヒド含有固定液をクエンチング するための組成物。 25.重炭酸アンモニウムおよび二塩基性リン酸アンモニウムからのアニオンのモ ル比が約50:50〜約90:10の範囲である、請求項24記載のホルムアルデヒド含 有固定液をクエンチングするための組成物。 26.ポリメチルアクリレート、エチルセルロースおよびポリ(オルト)エステル からなる群より選択される物質から前記コーティングが形成される、請求項14 記載のホルムアルデヒド含有固定液をクエンチングするための組成物。 27.前記コーティングが少なくとも第1の層および第2の層を含み、第1層は、 第2層の施与に先立ちコア中の感湿性物質を保護するためのサブコーティング である、請求項14記載のホルムアルデヒド含有固定液をクエンチングするため の組成物。 28.サブコーティングがヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む、請求項27 記載のホルムアルデヒド含有固定液をクエンチングするための組成物。 29.ホルムアルデヒド含有固定液をクエンチングする方法であって、該固定液を 、尿素および発泡剤を含む組成物と接触させることを含んでなる方法。 30.ホルムアルデヒド含有固定液をクエンチングする方法であって、該固定液を 、アンモニウム塩を含む組成物と接触させることを含んでなる方法。 31.アンモニウム塩が発泡剤として作用する、請求項30記載のホルムアルデヒド 含有固定液をクエンチングする方法。 32.アンモニウム塩が、重炭酸アンモニウム、二塩基性リン酸アンモニウムおよ びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項30記載のホルムアルデヒ ド含有固定液をクエンチングする方法。 33.ホルムアルデヒド含有固定液をクエンチングする方法であって、該固定液を コア含有組成物と接触させることを含み、該コアがコーティングを有し、かつ 該コアがホルムアルデヒド反応性剤を含む方法。 34.ホルムアルデヒド反応性剤が、尿素、アンモニウム塩、アミノ酸、尿素過酸 化水素、チオ尿素、カルバミン酸エステル、シアナミド、ジシアナミド、メラ ミン、重亜硫酸ナトリウム、硫化水素、アルカリ溶液中の糖類、マロン酸エス テル、フェニルヒドラジン、アニリン、固体ヒドラジンおよびヒドロキシルア ミンからなる群より選択される、請求項33記載の方法。 35.接触後に、前記固定液が約0.25M以下のホルムアルデヒド残留濃度を有する 、請求項33記載の方法。 36.生物学的試料を固定するための方法であって、 試料をホルムアルデヒド含有固定液と接触させること;および 該固定液を、尿素であるところのホルムアルデヒド反応性剤を含む組成物と 接触させること; を含んでなる方法。 37.前記試料が単細胞、組織、生物体、ウィルスおよび細胞外組成物からなる群 より選択される、請求項36記載の方法。 38.前記組成物がさらに発泡剤を含む、請求項36記載の方法。 39.生物学的試料を固定するための方法であって、 試料をホルムアルデヒド含有固定液と接触させること;および 該固定液を、ホルムアルデヒド反応性剤を含有するコアを含む組成物と接触 させること、ただし該コアがコーティングを有するものであること; を含んでなる方法。 40.ホルムアルデヒド反応性剤が尿素である、請求項39記載の方法。 41.ホルムアルデヒド反応性剤がアンモニウム塩である、請求項39記載の方法。 42.前記コアが発泡剤を含む、請求項39記載の方法。 43.発泡剤が重炭酸ナトリウムおよび二塩基性重炭酸アンモニウムからなる群よ り選択される、請求項42記載の方法。 44.請求項36記載の方法により調製された生物学的試料。 45.請求項39記載の方法により調製された生物学的試料。 46.組織のホルムアルデヒド固定に関して使用されるキットであって、 ホルムアルデヒド含有固定液をクエンチングするための第1の組成物であっ て、ホルムアルデヒド反応性剤を含有するコアおよび該コアを取り囲むコーテ ィングを含む組成物;および 該固定液のpHを中和するための第2の組成物; を含んでなるキット。
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