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JP2000505667A - 石灰化抵抗性生体材料 - Google Patents

石灰化抵抗性生体材料

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JP2000505667A
JP2000505667A JP9527827A JP52782797A JP2000505667A JP 2000505667 A JP2000505667 A JP 2000505667A JP 9527827 A JP9527827 A JP 9527827A JP 52782797 A JP52782797 A JP 52782797A JP 2000505667 A JP2000505667 A JP 2000505667A
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biocompatible material
calcification
tissue
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JP9527827A
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シュローダー,リチャード,エフ.
オウグル,マシュー,エフ.
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セント ジュード メディカル,インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、少なくとも1つの結合外因性貯蔵構造を有し、貯蔵構造がそれに遊離可能に結合している多量の石灰化抑制剤を有している生体適合性材料を含む生物プロテーゼを特徴とする。貯蔵構造はタンパク質又は合成高分子であり得る。石灰化抑制剤には、一般的には、金属イオン及びホスファターゼ抑制剤が含まれる。二官能金属キレート剤は、外因性タンパク質に結合されて金属イオン類を送達することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の名称 石灰化抵抗性生体材料 発明の背景 本発明は、石灰化を低減させるための処理が施されているプロテーゼ用材料に 関する。より詳細には、本発明は緩徐に遊離される石灰化抑制剤類が結合されて いるプロテーゼ用材料に関する。 生物プロテーゼ類、即ち生物プロテーゼ用具類は、ヒト及び動物の損傷又は罹 患した臓器、組織及びその他の器官を修復又は置換するために使用される。生物 プロテーゼ類は一般に、代表的には長期間に渡って埋殖されるので生体適合性で なければならない。詳細には、生物プロテーゼ類には哺乳動物類組織その他から 構成される人工心臓、人工心臓弁、靭帯修復材料、血管修復材料、外科用パッチ 類を含むことができる。生物プロテーゼ類は天然又は合成材料の組み合わせから 構成することもできる。 石灰化、つまりカルシウム塩、特にリン酸カルシウム(ヒドロキシアパタイト )の沈積は移植可能な生物プロテーゼ類の製造に使用される一部の材料の内部及 び表面に発生する。これは、特に長期間に渡って、これらの医用生体材料類から 構成される医療用具の性能及び構造的完全性に影響を及ぼす。例えば、石灰化は ブタ大動脈弁又はウシ心膜から作られた生体心臓弁の臨床的不全の主要原因であ る。石灰化はさらに又、ポリウレタンのような合成材料から構成さ れた生物プロテーゼ類の性能にも重大な影響を及ぼす。 動物由来生体プロテーゼ心臓弁は損傷したヒトの心臓弁の置換物として極めて 重要であることから、これらの異種移植片の石灰化の影響には相当に大きな注目 が集まっている。天然材料から作られる生体プロテーゼ心臓弁は1960年代初期に 導入され、代表的にはブタ大動脈弁に由来するか、又はウシ心膜のような他の生 物学的材料から製造される。異種心臓弁は、代表的には免疫学的拒絶反応が発生 する可能性を低減させるために、移植前にグルタールアルデヒドを用いて固定さ れる。グルタールアルデヒドはタンパク質中の遊離アミノ基と反応して共有結合 を形成し、それによって近くにあるタンパク質を化学的に架橋結合する。 一般に、生体プロテーゼ心臓弁は移植から約7年後には衰弱し始め、20年後に おいても機能を保持している生体弁はほとんどない。劣化しつつある人工弁の置 換は、特に高齢者及び緊急置換術の状況においては、手術によるより一層のリス クを患者に負わせる。生物プロテーゼ類の不全は全年齢群の患者にとって問題で あるが、特に若年患者において顕著である。15歳以下の患者の場合は、置換され た生体プロテーゼ弁の50%以上が、石灰化のために5年以内に機能不全になる。 同様に、人工心臓におけるポリウレタン製嚢及びポリウレタン製弁における弁 尖(小葉)の石灰化も、臨床的に重大となる可能性がある。その他の天然及び/ 又は合成材料から作られた生物プロテー ゼ類は臨床的に重大な石灰化を示す。 その結果として、埋殖された医用生体材料類、特に人工弁上のカルシウムの沈 積を防止することには相当に大きな関心が集まっている。石灰化の防止に関する 研究は、埋殖前の医用生体材料の前処理に相当に大きな重点が置かれてきた。そ こで、カルシウム核形成を減少させることによって石灰化を低減させることを意 図して、組織を前処理するために洗浄剤や界面活性剤(例、ドデシル硫酸ナトリ ウム)、トルイジンブルー又はジホスフォネート類が使用されてきた。だがこれ らの物質は生物プロテーゼ用材料から埋殖物の周囲の体液内に比較的急速に洗い 流されてしまう傾向があるので、それらの有効性は限定されている。 石灰化を低減させるためのもう1つのアプローチは、化学的プロセスにより、 組織から反応性グルタールアルデヒド部分の少なくとも一部を除去することであ った。さらにまた別のアプローチには代替固定法の開発が含まれていたが、それ は、この固定プロセス自体が石灰化及びこれに伴なう機械的劣化の原因となるか も知れないという証拠が示されたからであった。さらに、移植された組織内に存 在する生育不能な細胞がカルシウム沈積の部位となっているので、移植前に組織 のコラーゲン−エラスチン基質から細胞物質を取り除くための様々なプロセスが 開発されてきた。 生物プロテーゼ類の石灰化を低減させるための重要な進展は、Al+3陽イオン 及びその他の多価陽イオンが石灰化を阻止すると いう事実の確定であった。生物プロテーゼ用材料は、埋殖前にAlCl3の酸性 水溶液を用いて処理された。処理溶液から取り出された後で一部のAl+3陽イオ ンは洗い流されてしまうが、相当に多量の陽イオンは長期間に渡って処理された 材料と結合したままに止まる。これはおそらく、陽イオンと生物プロテーゼ用材 料のある種の会合によるものであろう。生物プロテーゼ用材料内へのイオンの負 荷(loading)は限界値に達すると思われる。 会合したAl+3陽イオンはカルシウム沈積の大幅な抑制に寄与することが明ら かになっている。さらにその上、この作用は若年動物においては相当に長期間、 少なくとも数ヶ月間持続した。Fe+3塩を用いた処理も石灰化の低減の面で類似 の有効性を産み出すことが観察されている。 生物プロテーゼ類の石灰化にはアルカリホスファターゼが関与していると言わ れてきた。石灰化は、細胞破壊及びこれに対応する、細胞からのCa+2のポンプ アウトに起因する低い細胞内カルシウム濃度を維持する、細胞カルシウム調節の 中断に関連していると思われる。細胞損傷は、機械的損傷、極端なpH濃度、極 端なイオン濃度及び/又はグルタールアルデヒド処理のような化学的固定の結果 として生じる。細胞損傷は、生育不能な細胞内へのカルシウムの抑制されない流 入をもたらす。 生理学的には正常な骨格及び歯牙組織の石灰化と、生物プロテーゼ類の石灰化 のような病理学的石灰化とは、リン灰石ミネラルの初 期沈積を含む重要な類似性をもっている。これらのミネラル沈積物はカルシウム とリン酸塩類を含んでおり、ミネラル成長は初期沈積物によって産生した核で発 生する。骨発達における核形成は、高濃度のカルシウム結合リン脂質及び高活性 のホスファターゼ類、特にアルカリホスファターゼを有する構造(structure)で 発生する。アルカリホスファターゼ活性は特に小児において高く、これが若年患 者に埋殖された生物プロテーゼ類に対する深刻な石灰化問題の原因である可能性 がある。 ホスファターゼ活性は、AlCl3及びFeCl3と一緒に培養することによっ て抑制されることが明らかになっている。この結果は、石灰化を低減させること におけるAl+3及びFe+3陽イオンの作用がホスファターゼ活性の抑制に起因す ることを示唆している。その代わりに、又はこれに加えて、これらのイオン類は ヒドロキシアパタイト結晶格子内への置換によって作用し、結晶を不安定化させ ることによって成長を防止できる可能性もある。 発明の要約 一般に、本発明は少なくとも1つの結合外因性貯蔵構造を有し、前記貯蔵構造 がそれに遊離可能に結合した大量の石灰化抑制剤を有している生体適合性材料を 含む生物プロテーゼである事を特徴としている。生体適合性材料は天然組織を含 むことができる。天然組織はブタの心臓弁、大動脈根、壁、及び/又は弁尖;及 びウシの心膜組織、硬(脳)膜のような結合組織、同種移植組織、バイパスグラ フト、鍵、靭帯、皮膚パッチ、血管、ヒトの請帯組織及び骨から構成される群か ら選択することができる。その代わりに、又はこれに加えて、生体適合性材料は 重合体を含むことができる。 貯蔵構造は、フェリチンのようなタンパク質であってよい。貯蔵構造はまた合 成高分子であってよい。貯蔵構造と会合させられる石灰化抑制剤は金属陽イオン を含んでいる。金属陽イオンは、好ましくはAl+3、Fe+3、及びMg+2から構 成される群から選択される。石灰化抑制剤はさらに、二リン酸塩類及びホスファ ターゼ抑制剤類を含んでいる。ホスファターゼ抑制剤は、好ましくはリン酸塩イ オン類、Ga+3、La+3、ホウ酸塩イオン類、シュウ酸塩イオン類、シアン化物 イオン類、L−フェニルアラニン、尿素、過剰Zn+2、グリシン、プロピルアミ ン、ラバミソール及びヒ酸塩イオン類から構成される群から選択される。 生物プロテーゼにおいては、生体適合性材料への貯蔵構造の結合は好ましくは 主として共有結合である。その代わりに、生物プロテーゼは好ましくは多数の非 共有的相互作用を特徴とする生体適合性材料への貯蔵構造の結合をもっている。 外因性貯蔵構造は、好ましくはさらに標的(targeting)分子を含有している。 関連する観点においては、本発明は生体適合性材料の調製方法を特徴とするが 、この方法は生体適合性材料へ複数の外因性巨大分子貯蔵構造を結合させること を含んでおり、前記巨大分子貯蔵構造はそれに遊離可能に結合している多量の石 灰化抑制剤を有している。 好ましい方法では、前記の結合は前記生体適合性材料へ前記巨大分子貯蔵構造を 化学的に架橋結合させることによって実施される。他の好ましい実施態様では、 前記結合は粘着分子を使用した標的によって実施される。 別の好ましい方法では、本方法はさらに生体適合性材料を金属イオンと接触さ せるステップを含んでいる。 別の関連する観点では、生物プロテーゼは、それに遊離可能に結合している多 量の金属陽イオンを有している、結合二官能(二元機能型)キレート剤を有して いる生体適合性材料を含有している。 本発明の利点は、生体適合性材料の選択した部分へ石灰化抑制剤を指向させる 能力である。本発明のもう1つの利点は、材料内での石灰化抑制剤の負荷を増加 させる可能性である。さらに本発明のもう1つの利点は、石灰化抑制剤のための 遊離時間を所望値に選択する能力である。さらにもう1つの利点は、適当な生理 学的条件下で、生体適合性材料を加工処理する能力である。 本発明は、生体適合性材料の微小環境内への遊離を、調整された期間中許容し ながら、広範囲の抗石灰化剤の使用を許容する。さらにもう1つの本発明の利点 は、石灰化抑制剤と直接に接触させた生体適合性材料の配置と外因性貯蔵構造と の組み合わせ使用である。 別の観点では、本発明は、少なくとも1つの結合外因性貯蔵構造を有している 生体適合性材料を含んでいる生物プロテーゼを含有しており、前記貯蔵構造は生 体適合性材料1g当たり約0.5mg以 上の、それに遊離可能に結合している金属陽イオンを集合的に有している。より 好ましくは、貯蔵構造は生体適合性材料1g当たり約10.0mg以上の金属陽 イオンを集合的に有している。さらにより好ましくは、貯蔵構造は生体適合性材 料1g当たり約15.0mg以上の金属陽イオンを集合的に有している。 別の観点では、本発明は少なくとも1つの結合外因性貯蔵構造を有する天然組 織を含んでいる生物プロテーゼを含んでいる。そして、前記貯蔵構造はそれに遊 離可能に結合している多量の石灰化抑制剤を有しており、天然組織は哺乳動物類 内への皮下移植の約2ヶ月後に結合外因性貯蔵構造を含有しない等価天然組織に 比較して、カルシウム沈積を95%以上低減させた。 別の観点では、本発明はフェリチンを天然組織へ結合させるステップを含む、 生物プロテーゼを製造する方法を含んでおり、このときフェリチンには、天然組 織1g当たり少なくとも0.5mgの金属陽イオンが存在するように、石灰化抑 制性金属陽イオンが負荷される。 別の観点では、本発明は、約6.0から8.5の間のpHで、生物プロテーゼ 用材料に石灰化抑制剤を化学的に結合させるステップを含む、生物プロテーゼを 製造する方法を含んでいる。 本発明の他の利点及び特徴は、下記の詳細な説明及び特許請求の範囲から明白 になるであろう。 発明の詳細な説明 本発明の生物プロテーゼは、石灰化抑制剤を貯蔵する結合構造を有する生体適 合性材料から構成される。これらの物質の貯蔵構造からの経時的な緩徐な遊離は 、生体適合性材料上へのカルシウム塩、特にリン酸カルシウムの沈積を抑制する 。石灰化抑制剤を含有している結合貯蔵構造の使用は、特定の貯蔵構造及び結合 石灰化抑制剤の選択を通して相当に大きな多様性を提供する。 石灰化と生物プロテーゼの劣化の間に明白な関連がある場合は、どんな程度で あっても、カルシウム沈積の抑制は有用である。好ましい度合いの抑制は、処理 されない生物プロテーゼに比較して、2ヶ月の間少なくとも約50から75%ま でカルシウム沈積を低減させる。より好ましい度合いの抑制は、カルシウム沈積 を少なくとも90%まで、さらにより好ましくは埋殖約2ヶ月後には少なくとも 95%まで低減させる。 貯蔵構造を備えた生体適合性材料を調製する方法においては、生理的条件に近 似する条件を使用することができる。貯蔵構造の選択及び生体適合性材料への貯 蔵構造の付着に依存して、生物プロテーゼ基質における石灰化抑制剤の量を相当 多量にすることができる。金属陽イオン類については、好ましい負荷は乾燥組織 1g当たり約0.5mg以上のイオン類、より好ましくは乾燥組織1g当たり約 10mg以上のイオン類、さらにより好ましくは乾燥組織1g当たり約15mg 以上のイオン類を有している。石灰化抑制剤は、一般的にはカルシウム形成を抑 制するように選択することができ、詳細 には、アルカリホスファターゼのようなヒドロキシアパタイト形成に対する酵素 性前駆物質の作用を抑制するように選択することができる。1又は2種以上の石 灰化抑制剤を保持する多種の様々な貯蔵構造を単一生物プロテーゼにおいて使用 することができる。 A.生体適合性材料 本出願の生物プロテーゼ(生物プロテーゼ製品)は、宿主のヒト又は動物の身 体内に埋殖(移植)される器具である。生物プロテーゼは1又は2種以上の生体 適合性材料から作られており、宿主内に長期間埋殖されるのに適合している。宿 主に免疫抑制剤療法を施すことが有用な場合があるが、この療法が必要とされな いことも多い。これらの生体適合性材料の少なくとも1つは結合貯蔵構造をもつ ことができる。貯蔵構造は多量の石灰化抑制剤(1種又は2種以上)を貯蔵して いる。 生体適合性材料は好ましくは生物学的材料又は高分子材料を含んでいる。一部 のプロテーゼ類は完全に金属成分から構成できるが、これらのプロテーゼ類は一 般には本発明には関連しない。本発明に含まれる生物プロテーゼは、生物学的材 料及び/又は合成ポリマーの部分を有する金属部分のような、材料の混合物から 構成される可能性がある。適切な生物プロテーゼ類は、制限無しに、人工心臓、 人工心臓弁、靭帯修復材料、バイパスグラフト、哺乳類組織から構成された外科 用パッチ、その他を含んでいる。 本発明で使用するための生物学的材料は、比較的無傷の組織並び に脱細胞化組織を含んでいる。これらの組織は、例えば心臓弁、大動脈根、壁、 及び弁尖のような心臓弁の部分、及び心膜パッチのような心膜組織、硬膜のよう な結合組織、同種移植組織、バイパスグラフト、鍵、靭帯、皮膚パッチ、血管、 軟骨、ヒト臍帯組織その他から入手することができる。一般に、これらの組織は 種々の動物種、代表的にはヒト、ウシ、ブタ、アザラシ及びカンガルーのような 哺乳類に由来するコラーゲン含有材料及び組織工学処理材料を含んでいる。組織 工学処理材料は、再形成(repopulate)された吸収性基質を含んでおり、これは 合成組織の形を取っている。しかし一般的には、生物学的組織は必ずしも軟組織 である必要はない。組織サンプルは、代表的には、組織を架橋結合させて固定さ れ、組織の酵素性劣化を防止することによって機械的安定化を生じさせているが 、サンプルの固定は必要ではない。細胞を固定させるためには代表的にはグルタ ールアルデヒドが使用されるが、エポキシド類及びその他の二官能アルデヒド類 のような他の固定剤を使用することもできる。 コラーゲン及びエラスチン構造基質のような細胞材料が取り除かれた構造基質 から主として構成される脱細胞化組織を製造することができる。脱細胞化プロセ スには、酵素類、その他の化学薬品及び物理的処理の適用を含めることができる 。例えば、その全体が参照によってここに組み込まれる同時係属出願の米国特許 出願第08/424,218号が参照される。 本発明の生物プロテーゼ類において使用するための生体適合性重合体材料は、 合成高分子並びに精製されて織成された生物学的重合体類を含んでいる。合成高 分子類には、ポリアミド類(ナイロン)、ポリエステル類、ポリスチレン、ポリ アクリレート類、ビニルポリマー類(例、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエ チレン、ポリプロピレン及びポリ塩化ビニル)、ポリカーボネート、ポリウレタ ン、ポリジメチルシロキサン、酢酸セルロース、ポリメチルメタクリレート、酢 酸ビニルエチレン、ポリスルホン、ニトロセルロース及び類似の共重合体類が含 まれる。これらの合成高分子材料は、基質すなわちマトリックスを形成するため にメッシュ状に織ることができる。その代わりに、合成高分子材料は選択された 形に成形若しくは鋳造することもできる。基質に適切に成形できる精製された生 物学的重合体には、多糖類(例、セルロース及びデンプン)、ポリアミノ酸、コ ラーゲン、ゼラチン及び腸線縫合糸が含まれる。 B.石灰化抑制剤 生物学的材料及び重合体材料は、材料の組成及び構造に依存して様々な度合い で、石灰化に対する感受性を示す。石灰化の機序は完全には解明されていないが 、骨形成に関連するカルシウム沈積との類似性を示している。ホスファターゼ類 、特にアルカリホスファターゼは病理学的石灰化プロセスにおいて重要な役割を 果たすと推定されてきた(R.J.Levyらの論文:25J.Biomedical Materials Resea rch 905-935頁(1991)を参照)。 本発明は、特定の生物プロテーゼの内側及び周囲の細胞レベルでの、調節され た方法による抗石灰化剤の導入または送達(delivery)を含んでいる。石灰化を 低減すなわち抑制するための有効性を保ちながら、少ない総量の活性剤を送達す ることことができる。量は少なくてよく、このためレシピエント(被移植者)に 対しては非毒性でありながら、反面、それらは活性組成を含有している生物プロ テーゼの局所環境に比較して相当に高い負荷を表すことができる。 石灰化抑制剤には、石灰化の核形成を抑制する化合物類並びにアルカリホスフ ァターゼ抑制剤類が含まれる(Levyらの米国特許第5,368,608号を参照 )。抗石灰化剤は、生物プロテーゼの有効寿命を有意に延長させるために長期間 に渡って遊離されるのが好ましい。背景濃度を超える抗石灰化剤の遊離は好まし くは数ヶ月間、より好ましくは数年間にわたるであろう。 Al+3、Mg+2及びFe+3イオンは石灰化抑制剤であることが証明されており 、時間制御された遊離方法で送達されると、生物プロテーゼ類の石灰化を低減さ せるのに有効である。Ga+3、La+3その他のような多価陽イオンも又、アルカ リホスファターゼのような酵素性前駆物質のヒドロキシアパタイト形成機能を抑 制することが知られている。本発明は、生体適合性材料内での多価陽イオンを含 む石灰化抑制剤の調節された会合及び緩徐な遊離を含んでいる。 ベリリウムは相当な毒性を持つが、Be+2イオンも又ホスファターゼを抑制す ることが知られている。その他のホスファターゼ抑制 剤類としてはリン酸塩イオン類、Ga+3、La+3、ホウ酸塩イオン類、シュウ酸 塩イオン類、シアン化物イオン類、L−フェニルアラニン、尿素、過剰Zn+2、 グリシン、プロピルアミン、ラバミソール及びヒ酸塩イオン類が含まれる。アル カリホスファターゼの機能は又Mg/Znイオン比率によっても影響を受ける。 その他の石灰化抑制剤には二リン酸塩類が含まれる。 C.外因性貯蔵構造 貯蔵構造は、石灰化抑制剤の貯蔵及び緩徐な遊離のために使用される。好まし い貯蔵構造は、天然若しくは合成タンパク質又は適当な合成高分子類のような顕 微鏡的巨大分子組成であろう。しかし、好ましい組成の集合が顕微鏡的である必 要はないことが理解されなければならない。外因性貯蔵構造によって貯蔵される 石灰化抑制剤は、一般には、多価金属陽イオンのようなあらゆる石灰化抑制剤で あってよい。「タンパク質」の用語は、ペプチド結合によって連結されているア ミノ酸だけではなく、炭水化物、核酸及び/又は脂質と共にアミノ酸を含有して いる共役タンパク質をも意味すると解されるべきである。 溶液中の有意な濃度のAl+3陽イオンを用いて処理された生物学的材料は、A l+3陽イオンと会合している。観察されたAl+3陽イオンと天然生物学的基質と の会合は、おそらく天然に発生するフェリチンとの結合によるものと考えられる 。フェリチンは、タンパク質1分子当たり鉄イオン数千個という、相当に多量の 鉄イオンを貯 蔵できる鉄貯蔵タンパク質である。フェリチンも又これに類似するが、より少な い量のAl+3及び他の非鉄イオンしか貯蔵することができない。天然に発生する フェリチンは、おそらく固定中に、タンパク質又は他の生物学的若しくは合成基 質へ架橋されるか、さもなければ結合される可能性がある。 天然のフェリチンは、Al+3、Fe+3、Mg+2その他のような陽イオンを極め て緩徐に局所環境内へ遊離するであろう。本発明の貯蔵構造は、生体適合性材料 (外因性フェリチン)の内部に既に存在するフェリチンのようなあらゆる天然発 生構造に追加されるか、又はその代替物として使用される。この方法で、本処理 の有効性は、外部源(外因性フェリチンのような外因性貯蔵構造)から供給され る貯蔵構造の使用を通して強化することができる。 本発明の範囲内の適当なタンパク質貯蔵構造類は、フェリチン、トランスフェ リン、ヘモグロビン、メタロチエン、ミオグロビン、セルロプラスミン及びヘモ シアニンのような金属結合タンパク質類、並びに金属結合能力を発生させるため に二官能キレート剤が添加された改変(修飾)タンパク質を含んでいる。フェリ チンは、大きな貯蔵能力を備えているために好ましい金属結合タンパク質である 。アポフェリチン(結合金属を含まないフェリチンタンパク質)は分子量が約4 50,000の24本のサブニットからなるタンパク質である。もっとも、この 分子量はフェリチンが単離された種に依存して変動する。相違する数のサブユニ ットを備えた関連タンパク質 であるイソフェリチン類も又本発明の範囲内にある。 フェリチンの核は約2,000から約4,500の間の鉄イオンを貯蔵するこ とができる。例えば、ウマ脾フェリチンは、ヒト・フェリチン中の約2,500 個の鉄イオンに比較して、約4,500個の鉄イオンを結合することができる。 鉄は、酸化第二鉄又はヒドロキシリン酸第二鉄として核内に貯蔵される。フェリ チンは又、Al、Mg、Be、Cu、Zn、V、Tb、Cdなどの金属のイオン を含む他の金属イオンを大量に結合することができる。これらの非鉄イオンの結 合は、中等度の量の鉄イオンの同時の結合によって増強される。鉄イオン又は非 鉄金属イオンの結合はイン・ビトロ(試験管内)及びイン・ビボ(生体内)の両 方において発生する。一般に、貯蔵構造類はイン・ビトロで予備負荷されたか、 又は血液供給からの鉄イオンのようなイン・ビボの陽イオンで負荷された組織へ 結合させることができる。 特定貯蔵構造は、その貯蔵能力及び貯蔵された石灰化抑制剤の遊離速度に基づ いて選択することができる。例えば、フェリチン又は他の金属結合タンパク質は 一般に、本発明において有用であるとして関心を持たれる金属イオン内で飽和さ れる必要はない。フェリチンは、相当に濃縮されたAlCl3溶液で精製フェリ チンを培養することによって、例えばAl+3を充填されることができる。タンパ ク質への結合は加熱及びpH調整によって加速することができる。十分に長時間 の培養の後、溶液をイオン交換樹脂の上を通過させるか、 又はサイズ排除膜を通すことによって、遊離金属は取り除くことができる。 天然に発生する金属貯蔵タンパク質を使用する代わりに、金属結合能力を作り 出すために他のタンパク質を改変することができる。好ましいタンパク質は、免 役グロブリン類のように高分子量を有するものである。タンパク質に金属単離化 合物を共有結合させることができる。 ポリアミノカルボキシレート又はポリアミノホスフォネートのような二官能キ レート剤を、金属単離化合物としてのタンパク質へ結合させることによって、有 意な金属結合能力を作り出すことができる。好ましい二官能キレート剤は、ブロ モアセトアミド、マレイミド、イニドエステル、チオフタルイミド、N−ヒドロ キシスクシニミルエステル、ピリジルジスルフィド、アジ化フィニル、o−アシ ルイソウレア、ジアゾニウムヒドラジン、カルボニルヒドラジン、アミノヒドラ ジン、アシルヒドラジン、ジアゾニウムセミカルバジド、カルボニルセミカルバ ジド、アミノセミカルバジド、アシルセミカルバジド、チオセミカルバジド、及 び12から16の原子環を有する環状ポリアミノカルボキシレート類及び環状ポ リアミノホスフォネート類のような求電子性及び求核性部分を含んでいる。特定 のキレート剤を選択することにより、結合金属イオンの所望の遊離速度を得るこ とができる。 二官能キレート剤は、一般には従来方法によって、タンパク質に 共有結合させることができる。代表的には、共有結合はタンパク質の選択された アミノ酸残基とキレート剤に含まれる特定の官能基との間で形成されるであろう 。タンパク質に結合するキレート剤の数は構造及び反応条件に依存するであろう 。 好ましいのは、各タンパク質へ少なくとも1種の二官能キレート剤を結合させ ることであり、より好ましいのは、各タンパク質へ複数の二官能キレート剤を結 合させることである。金属イオンは、タンパク質へのキレート剤の共有結合前、 結合時、又は結合後のいずれかの時点にキレート剤へ結合させることができる。 反応条件はプロセスの選択順序に影響を及ぼす可能性がある。 金属貯蔵タンパク質の使用の代替策は、金属陽イオンを貯蔵するための合成有 機金属重合体の使用である。例えば、クエン酸第二鉄のアルカリ溶液は核を包囲 しているクエン酸塩とともに水酸化第二鉄の核を有する重合体を形成することが できる(T.G.Spiroらの論文:89 J.Amer.Chem.Soc.5555-5559頁(1967)を参照 )。有機金属重合体のもう1つの例はビニルフェロセンであるが、これは炭素鎖 に沿った芳香族環の間に多数のFe+2イオンを含有している。ポリエステル類、 ポリアミド類、ポリ尿素類及びポリウレタン類を含有しているセレニウムも又よ く知られており、これも本発明に好適である。一般的に、これらの有機金属重合 体の大多数は特性が明らかにされており、所望の金属イオン及び遊離速度に基づ いて選択することができる。 適当な外因性貯蔵構造は、金属イオン類の貯蔵に適した構造には限定されない 。抗石灰化、特にホスファターゼ抑制剤には非金属化合物が含まれる。有機物質 の貯蔵のための好ましい巨大分子貯蔵構造は合成高分子である。 所望の石灰化抑制化合物は重合体鎖内の単量体であるか、又は重合体の側基に 結合されることができる。所望の化合物が重合体に共有的又は非共有的のいずれ の態様で結合していても、重合体は、選択された速度で分解して所望の化合物を 産生するように設計されることができる。この分解は加熱プロセスによって、又 は生体内の化学的及び生化学的環境との相互作用を通して発生させることができ る。 D.外因性貯蔵構造の結合 生体適合性材料への外因性貯蔵構造の結合は、その材料内の特定の構造を標的 とする特異的結合相互作用を含むことができる。その代わりに、結合は、例えば 一般的な架橋剤との反応に起因する非特異的結合を含むことができる。一般的架 橋剤の使用は、普通は、生物プロテーゼ用材料内の特定の場所で、外因性貯蔵構 造が濃縮されることを妨害する。外因性貯蔵構造の結合は好ましくはほぼ生理学 的pHで、好ましくは約pH6からpH8.5の間で、さらにより好ましくはp H7.0からpH8.0の間で発生する。 非特異的結合のための方法の代表的な例ではグルタールアルデヒドを利用する が、グルタールアルデヒドはそれに含まれる2群のア ルデヒド(基)によってタンパク質を架橋する。外因性構造を生物プロテーゼ用 材料へ結合させる非特異的架橋結合は、組織の固定と同時に実施することができ る。その代わりに、外因性貯蔵構造を結合させるための非特異的架橋結合は、固 定プロセスの実施前又は完了後に、個別のステップとして実施することもできる 。 石灰化は特定の位置で開始する傾向があることが観察されているので、特定の 位置を標的にすることは有用である。適切な標的の例には、核膜、細胞質の位置 、血漿膜及び細胞外部位が含まれる。 標的にされる結合の特徴は共有的であることもでき、あるいは、例えば抗体− 抗原、特異的結合−タンパク質受容体及び酵素−基質会合を特徴とする水素結合 、ファンデルワールス相互作用及び分子転位のような、多数の非共有的相互作用 を含むこともできる。特定の位置を標的にする好ましい方法は、貯蔵構造へのリ ンカー(linker)の共有結合及び多数の非共有結合的相互作用による生物プロテ ーゼ用材料とリンカーとの会合を含んでいる。 ある特定の特異的受容体を有する細胞内又は細胞外部位を標的にするために、 多種多様な、市販で入手可能な抗体及びその他の特異的結合試薬をリンカー、つ まり標的分子として使用してもよい。その代わりに、生物学的材料の好ましい位 置にある細胞又は細胞外コンポーネント(cellular component)を従来型技術に よって単離することもできる。例えば、核膜あるいは、抗原又は抗原の群形成に 対応する核膜の特異的部分を単離することができる。単離された材 料はその後、ポリクローナル(poly clonal)又はモノクローナル(mono clonal )抗体を従来型技術によって産生させるために使用される。その結果として生じ た抗体は、生物プロテーゼ用材料に結合するように調製するために、外因性貯蔵 構造に共有結合させられる。 付加された抗体又は匹敵する標的分子を有する貯蔵構造は、本発明の目的に適 した「貯蔵構造」であると見なされる。抗体への化合物の結合は、特に該化合物 がタンパク質である場合は、技術的に明瞭に確立されている。鉄含量が高いため に、一般にフェリチンが抗体に結合させられて組織学分野における電子顕微鏡プ ローブとして役立たせられている。好ましい実施態様では、グルタールアルデヒ ドが反応性タンパク質、即ちフェリチン及び免役グロブリンを架橋させるために 使用される。 本発明の発明者らは、石灰化がしばしば核膜に近い場所で開始されることを証 明した。このため、好ましいアプローチには、核膜又は核膜の一部へ直接に指向 される抗体の使用を含んでいる。この方法では、貯蔵構造はカルシウム沈積の早 期事象に対して特に感受性の高い細胞構造を標的とされることができる。 E.結合処理 本発明の外因性貯蔵構造の結合は、金属塩溶液を用いる直接処理のプロセスと 組み合わせることができる。塩溶液の金属塩濃度は一般的には0.00001か ら0.1モルの間、より好ましくは0.001から0.1モルの間である。生体 適合性材料を金属塩溶 液に接触させるのは、貯蔵構造の生体適合性材料への結合の前、後又はその間に 行うことができる。生体内負荷のためには、鉄のような必要なイオン類の供給は 宿主の血液供給によって生じさせることができるであろう。適切な塩には、何ら の制約なしに、塩化アルミニウム、塩素酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、硫 酸カリウムアルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化第二鉄、硝酸第二鉄、臭化第 二鉄、エデト酸ナトリウム第二鉄、硫酸第二鉄及びギ酸第二鉄が含まれる。 金属塩はさらに又、生物プロテーゼに使用される重合体基質内に組み入れるこ ともできる。金属塩は、それらが重合体基質内に組み入れられるように、好まし くは重合ステップ中に添加される。この方法では、石灰化抑制剤はより長期間に 渡って、調節された速度で遊離される。その後、外因性貯蔵構造が重合体基質に 結合させられる。 好ましくは約0.00001Mから約0.1Mの間の濃度のカルシウムイオン ・キレート剤を、処理前に金属塩溶液に添加することができる。例えば、クエン 酸塩類及びクエン酸はAl+3及びFe+3イオンの石灰化抑制作用を相乗作用的に 増強することが明らかになった。同様に、エタンヒドロキシジホスフォネート( EHDP又はエチドロネート)及びアミノプロパンヒドロキシジホスフォネート を無制限に含むジホスフォネート塩類のような、その他のカルシウムイオンキレ ート剤も又、Al+3及びFe+3イオンの抗石灰化作用 における相乗作用的改善を生じさせる。特定の用途においては、これより高いか 、又は低い濃度で使用することができる。 外因性貯蔵構造の選択は、金属塩溶液のと組み合わせ処理によって影響を受け ることがある。例えば、石灰化抑制剤の遊離速度を、より効果的な抑制又はより 長期間にわたる抑制を生じさせるように、組み合わせ処理において選択すること ができる。 F.陽イオン送達のための外因性タンパク質の使用 金属結合能力を作り出すように外因性タンパク質を改変できるのと同様の方法 で、外因性タンパク質を同様に改変することができる。例えば、生体適合性材料 は、金属イオンを貯蔵するように、二官能キレート剤に結合させることができる 。好ましい二官能キレート剤には、ブロモアセトアミド、マレイミド、イニドエ ステル、チオフタルイミド、N−ヒドロキシスクシニミルエステル、ピリジルジ スルフィド、アジ化フィニル、o−アシルイソウレア、ジアゾニウムヒドラジン 、カルボニルヒドラジン、アミノヒドラジン、アシルヒドラジン、ジアゾニウム セミカルバジド、カルボニルセミカルバジド、アミノセミアルバジド、アシルセ ミカルバジド、チオセミカルバジド類及び12から16個の原子環を有する環状 ポリアミノカルボキシレート類及び環状ポリアミノホスフォネート類のような求 電子性及び求核性部分が含まれる。特異的キレート剤は、結合金属イオンの所望 の遊離速度を生じさせるように選択することができる。 二官能キレート剤は、上記の項Cにおいて記載したような、外因 性タンパク質にそれらを結合させるのと同様の方法で、内因性タンパク質に共有 結合させることができる。生体適合性材料に結合させられる二官能キレート剤の 量は、材料中への石灰化抑制剤の所望の負荷を達成するように選択することがで きる。 実験例 本実験例は、塩化アルミニウムが負荷されている架橋結合フェリチンの生物プ ロテーゼ用材料に対する石灰化抑制効果を示すものである。 ウマ脾フェリチン(HSフェリチン)は、ミズーリ州セントルイスの(Saint Louis)シグマ・ケミカル社(Sigma Chemical Company)から入手した。HSフ ェリチンの100mg/ml溶液中の0.25ml量が、0.025gのKH2 PO4をも含有している0.1M塩化アルミニウム六水化物溶液1mlと一緒に 試験管に添加された。試験管はホイルで被覆され、インキュベーター内で150 RPMの速度で攪拌しながら68.2℃で23時間に渡って培養された。計54 本の試験管が調製された。 23時間の攪拌後、フェリチンは10,000ダルトンの孔サイズの透析膜( スペクトラ・ポア[Spectra Pour])を使用して、HEPES緩衝液に対して透 析された。透析は、原子発光分析法を使用して、アルミニウム濃度がベースライ ン値であると見なされるまで継続された。フェリチン分子1個当たり約250個 のアルミニウムイオンが結合させられたが、これはフェリチンがAl+3イオンで 飽和していないことを示していた。その後、使用準備が整うまで、透析管は0. 050Mリン酸塩緩衝液中に置かれた。 ブタ大動脈心臓弁は、動物を屠殺するためのUSDAガイドラインに従ってい る標準的供給業者から入手された。弁が剥離され、組織サンプルは弁尖部全体及 び無作為8mm大動脈根バイオプシ.用パンチから調製された。弁尖は約10m gの乾量を有し、大動脈根組織は約20mgの乾量を有していた。各組織サンプル はアルミニウム負荷フェリチンを含有する個別の透析バッグに入れられた。組織 サンプルを含有する透析バッグは、その後約1週間に渡り、室温で0.050M のHEPES生物学的緩衝液(pH7.4)(シグマ・ケミカル社製、ロット番 号75H5716)を用いて緩衝された0.5%グルタールアルデヒド溶液中に 入れられた。これに類似する組織サンプルが、アルミニウム負荷フェリチンを含 まないHSフェリチンを用いて調製された。 試験管内での陽イオンの送達を測定するために、フェリチン処理大動脈根及び 弁尖組織サンプルは、室温で約406時間に渡りHEPES中に置かれた。その 結果として生じた溶液は、ICP−AES(高周波誘導結合プラズマー原子発光 分光分析)を使用してアルミニウム及び鉄陽イオンについて分析された。両方の 陽イオンの微量(約0.01から0.35ppm)が溶液中で検出された。 処理された組織サンプルの石灰化に抵抗する能力を測定するために、生体内試 験が実施された。本試験では、フェリチン処理及びア ルミニウム負荷フェリチン処理の両方で処理された弁尖及び大動脈根組織サンプ ルが使用された。4種の各々について各9例、つまり計36例の処理サンプルが 使用された。さらに、18例の対照(control)組織サンプルも使用されたが、 それらのうちの9例はブタ大動脈弁尖組織で、残り9例はブタ大動脈根組織であ った。対照サンプルは、生体内試験の前にHEPES緩衝液を用いて緩衝された 0.5%のグルタールアルデヒド溶液を用いて架橋結合させられた。サンプルは 、汚染を防止するために、無菌法を用いて取り扱われた。 36例の処理サンプル及び18例の対照サンプルは、カラーコード縫合糸を用 いて、若年雄性ラットの背部の皮下に埋殖された。各タイプ9例ずつの2重サン プル中、3例は埋殖から21日後に切除され、残り6例は埋殖から63日後に切 除された。除去後、サンプルは分析前に0.9%生理食塩水(H2OにNaCl を溶解させたもの)中に入れられた。 各組織サンプルは生理食塩水から取り出され、半分に切片化された。組織サン プルの半分の片方部分は宿主(即ち、ラット)組織を取り除かれ、元素分析のた めに使用された。組織サンプルのもう一方の半分は10%ホルマリン液中に入れ られ、組織学検査のために保管された。 回収された組織の元素分析は、まず最初に組織を乾燥させることによって実施 された。乾燥した組織は濃硝酸中に溶解させられた。その結果として生じた溶液 はICP−AESを受けた。 元素分析測定で得られた数値は下記の表にまとめられている。これらの数値は 3回(21日間)又は6回(63日間)の測定の平均値である。 これらの結果は、アルミニウム負荷フェリチンを用いて処理した後の弁尖及び 大動脈根組織の各々について、21日間の埋殖後には、石灰化が約2.0%及び 1.8%に低減したことを示している。一方フェリチン処理の場合は、カルシウ ム濃度(level)は弁尖及び大動脈根組織の各々について11.6%及び17. 8%に低減された。埋殖から63日(約2ヶ月)後には、アルミニウム負荷フェ リチン処理の場合は、4.6%及び1.6%への石灰化の低減が弁尖及び大動脈 根組織各々について観察された。カルシウム濃度は、63日 間の埋殖後には、弁尖及び大動脈根組織各々について29.8%及び46.2% に低減した。従って、天然(部分的に鉄負荷された)フェリチン、及び特にアル ミニウム負荷フェリチンを原因とする石灰化の顕著な低減が明らかにされた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV, MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 オウグル,マシュー,エフ. アメリカ合衆国 55105 ミネソタ州、セ ント ポール、ジュリエット アベニュー 2053

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 少なくとも1つの結合外因性貯蔵構造を有しており、前記貯蔵構造がそれ に遊離可能に結合している多量の石灰化抑制剤を有している生体適合性材料より なる生物プロテーゼ。 2. 前記生体適合性材料が天然組織よりなる、請求項1に記載の生物プロテー ゼ。 3. 前記天然組織がブタの心臓弁、大動脈根、壁、弁尖及びウシの心膜組織、 硬膜のような結合組織、同種移植組織、バイパスグラフト、鍵、靭帯、皮膚パッ チ、血管、ヒトの請帯組織及び骨から構成される群から選択された、請求項2に 記載の生物プロテーゼ用材料。 4. 前記生体適合性材料が重合体よりなる、請求項1に記載の生物プロテーゼ 。 5. 前記貯蔵構造がタンパク質よりなる、請求項1に記載の生物プロテーゼ。 6. 前記タンパク質がフェリチンよりなる、請求項5に記載の生物プロテーゼ 。 7. 前記貯蔵構造が合成高分子よりなる、請求項1に記載の生物プロテーゼ。 8. 前記石灰化抑制剤が金属陽イオンよりなる、請求項1に記載の生物プロテ ーゼ。 9. 前記金属陽イオンがAl+3、Fe+3及びMg+2から構成され る群から選択された、請求項8に記載の生物プロテーゼ。 10. 前記石灰化抑制剤がニリン酸塩よりなる、請求項1に記載の生物プロテ ーゼ。 11. 前記石灰化抑制剤がホスファターゼ抑制剤よりなる、請求項1に記載の 生物プロテーゼ。 12. 前記ホスファターゼ抑制剤がリン酸塩イオン類、Ga+3、La+3、ホウ 酸塩イオン類、シュウ酸塩イオン類、シアン化物イオン類、L−フェニルアラニ ン、尿素、過剰Zn+2、グリシン、プロピルアミン、ラバミソール及びヒ酸塩イ オン類から構成される群から選択された、請求項11に記載の生物プロテーゼ。 13. 前記貯蔵構造の前記生体適合性材料への結合の性質が主として共有結合 である、請求項1に記載の生物プロテーゼ。 14. 前記貯蔵構造の前記生体適合性材料への結合が多数の非共有結合的相互 作用によって特徴付けられる、請求項1に記載の生物プロテーゼ。 15. 前記外因性貯蔵構造がさらに標的分子を含んでいる、請求項1に記載の 生物プロテーゼ。 16. 生体適合性材料を調製する方法であって、前記方法が多数の外因性巨大 分子貯蔵構造を前記生体適合性材料に結合する段階を含んでおり、前記巨大分子 貯蔵構造がそれに遊離可能に結合している多量の石灰化抑制剤を有している方法 。 17. 前記結合が、前記巨大分子貯蔵構造を前記生体適合性材料 に化学的に架橋させることによって実施される、請求項16に記載の方法。 18. さらに生体適合性材料を金属イオンと接触させる段階を含んでいる、請 求項16に記載の方法。 19. 遊離可能に結合している多量の金属陽イオンを有している結合二官能キ レート剤を有している生体適合性材料よりなる生物プロテーゼ。 20. 少なくとも1つの結合外因性貯蔵構造を有する生体適合性材料よりなり 、前記貯蔵構造がそれに遊離可能に結合している生体適合性材料1g当たり約0 .5mg以上の金属陽イオンを集合的に有している生物プロテーゼ。 21. 前記貯蔵構造が生体適合性材料1g当たり約10.0mgより多い金属 陽イオンを集合的に有している、請求項20に記載の生物プロテーゼ。 22. 前記貯蔵構造が生体適合性材料1g当たり約15.0mgより多い金属 陽イオンを集合的に有している、請求項20に記載の生物プロテーゼ。 23. 少なくとも1つの結合外因性貯蔵構造を有する天然組織よりなり、前記 貯蔵構造がそれに遊離可能に結合している多量の石灰化抑制剤を有しており、さ らに前記天然組織は、哺乳類動物内に皮下埋殖されてから約2ヶ月後に前記結合 外因性貯蔵構造を含まない等価の天然組織と比較して、カルシウム沈積を95% 以上低減させ られた生物プロテーゼ。 24. フェリチンを天然組織に結合させる段階よりなる生物プロテーゼの製造 方法であって、前記フェリチンに、前記天然組織1g当たり少なくとも0.5m gの金属陽イオンが存在するように、石灰化抑制性金属陽イオンを負荷させられ る、生物プロテーゼの製造方法。 25. 約6.0から約8.5の間のpHで、石灰化抑制剤を生物プロテーゼ用 材料へ共有結合又は非共有結合させる段階よりなる生物プロテーゼの製造方法。
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