[go: up one dir, main page]

JP2000358357A - 渦電流減速装置 - Google Patents

渦電流減速装置

Info

Publication number
JP2000358357A
JP2000358357A JP11267716A JP26771699A JP2000358357A JP 2000358357 A JP2000358357 A JP 2000358357A JP 11267716 A JP11267716 A JP 11267716A JP 26771699 A JP26771699 A JP 26771699A JP 2000358357 A JP2000358357 A JP 2000358357A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnets
magnetic
braking
eddy current
magnet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11267716A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Kuwabara
徹 桑原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isuzu Motors Ltd filed Critical Isuzu Motors Ltd
Priority to JP11267716A priority Critical patent/JP2000358357A/ja
Publication of JP2000358357A publication Critical patent/JP2000358357A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dynamo-Electric Clutches, Dynamo-Electric Brakes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 案内筒の両側壁を強磁性体であるステンレス
鋼板から構成し、磁石と対向しない非磁性部分を熱処理
により形成する。 【解決手段】 回転軸2に結合した左右1対の制動円板
3の間に、断面長方形の内空部を有する不動の案内筒5
を配置する。多数の磁石12を周方向等間隔に支持した
少くとも1つの磁石支持輪8を、案内筒5の内空部に回
動可能に支持する。案内筒5の両側壁を強磁性体である
ステンレス鋼板から構成し、両側壁の磁石12と対向す
る磁性部分6をそのままとし、両側壁の磁石12と対向
しない部分を、温度800℃以上に加熱した後に急冷し
て非磁性または弱磁性のオーステナイト相にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば車両の摩擦ブ
レーキを補助する渦電流減速装置、特に構成が簡単で製
造が容易な強磁性板と一体の案内筒を備えた渦電流減速
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特公平6−101922号公報に開示さ
れるような、回転軸に結合した1対の制動円板の間に永
久磁石(以下単にこれを磁石という)を有する磁石支持
輪を備えた渦電流減速装置では、非制動時に磁石からの
磁界が外部へ洩れないように、磁石を覆う強磁性板(ポ
ールピース)をかなり厚く(一般的には10〜16m
m)しなければならい。このため、アルミニウム鋳物か
らなる案内筒に強磁性板を鋳込んだり、非磁性のステン
レス鋼板を円筒状に金型プレスにより成形したうえ周方
向等間隔に多数の開口を設け、該開口に強磁性板を嵌合
し溶接していた。前者の方法はアルミニウム鋳物へ強磁
性板の鋳込み不良率が高く、後者の方法は強磁性板の溶
接に手数が掛るので加工経費の削減が難しい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は上述の
問題に鑑み、案内筒の両側壁を強磁性体である厚肉のス
テンレス鋼板から構成し、該ステンレス鋼板の強磁性板
に相当する部分を残し、他の部分を熱処理して非磁性体
または弱磁性体にした、製造が簡単で安価な渦電流減速
装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の構成は回転軸に結合した1対の制動円板
と、該制動円板の間の非回転部分に配設されかつ断面長
方形の内空部を有する非磁性体からなる案内筒と、該案
内筒の内空部に回動可能に支持した少くとも1つの磁石
支持輪と、該磁石支持輪に周方向等間隔に支持した多数
の磁石と、前記案内筒の両側壁の前記各磁石と対向する
部分に配設した強磁性板とを有し、前記磁石からの磁界
により渦電流に基づく制動力を前記制動円板に発生させ
る渦電流減速装置において、前記案内筒の両側壁を強磁
性体であるステンレス鋼板から構成し、両側壁の前記磁
石と対向する部分により前記強磁性板を形成し、両側壁
の前記磁石と対向しない部分を、温度800℃以上に加
熱した後に急冷して非磁性または弱磁性のオーステナイ
ト相にしたことを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明では磁石の側面を覆う案内
筒の両側壁を強磁性体である厚肉のマルテンサイト系ス
テンレス鋼板またはフエライト系ステンレス鋼板から構
成し、両側壁の磁石と対向する部分をそのまま厚肉の磁
性部分とし、両側壁の磁石と対向しない部分を温度80
0℃以上に加熱した後に急冷して非磁性または弱磁性の
オーステナイト相にする。
【0006】両側壁の磁石と対向しない部分の内面と外
面の少くとも一方に軸方向の溝を設けて薄肉の非磁性部
分を形成する。薄肉部分を溝加工により形成する代り
に、鋳造または鍛造により、両側壁に厚肉部分と薄肉部
分を一体に形成してもよい。
【0007】
【実施例】図1は本発明による渦電流減速装置の正面断
面図、図2は同側面図、図3は同平面展開断面図であ
る。本発明による渦電流減速装置は例えば車両用変速機
の出力回転軸2に結合される1対の導体からなる制動円
板3と、制動円板3の間に配設される案内筒5と、案内
筒5の断面長方形の内空部に相対回動可能に支持した非
磁性体からなる内外1対の磁石支持輪8,10とを備え
ている。制動円板3はボス3aを回転軸2にスプライン
嵌合して固定され、ボス3aから放射状に延びる複数の
スポーク3bと、放射状に延びる複数の通風路3cを有
する制動円板3が、例えば鋳造により一体に形成され
る。制動円板3の外周縁部と内周縁部の強磁性板(ポー
ルピース)6と対向しない部分に、銅などの良伝導体か
らなる環状体23,24が結合される。各環状体23,
24は制動円板3の内部を流れる渦電流に径方向の広が
りをもたせ、制動トルクを増大させる。
【0008】案内筒5は左右1対の環状板からなる側壁
に非磁性体からなる外筒21と内筒22とを結合して構
成される。内筒22はボス5aから放射方向に延びる複
数のスポーク5bと一体に形成され、ボス5aが軸受4
により回転軸2に支持される。案内筒5は適当な手段に
より例えば変速機の歯車箱に固定される。案内筒5の両
側壁に強磁性板(ポールピース)としての多数の厚肉の
磁性部分6が周方向等間隔に形成される。多数の磁石1
2を結合する内側の磁石支持輪8は、案内筒5の内部に
軸受7により回動可能に支持される。多数の磁石13を
結合する外側の磁石支持輪10は、内側の磁石支持輪8
の外周壁に軸受9により回動可能に支持される。磁石支
持輪8,10の両側面に潤滑油を含浸させた薄い滑り板
14が支持される。
【0009】図2に示すように、内側の磁石支持輪8は
アルミニウムなどの非磁性体からなり、多数の扇形をな
す磁石12が厚肉の磁性部分6と対向しかつ厚肉の磁性
部分6に対する極性が周方向に交互に異なるように配設
される。好ましくは、磁石12は磁石支持輪8に鋳込ま
れる。外側の磁石支持輪10も同様に多数の磁石13が
厚肉の磁性部分6と対向して配設される。磁石支持輪1
0の外周壁に形成した部分歯車18に、案内筒5に固定
した電動機16のピニオン15が噛み合され、磁石支持
輪10は磁石13の配列ピツチpだけ正逆回動可能とさ
れる。しかし、磁石支持輪10の代りに、磁石支持輪8
を磁石12の配列ピツチpだけ正逆回動可能に構成して
もよい。厚肉の磁性部分6は内外1対の磁石12,13
の側面を覆う面積の扇形のものである。
【0010】図3に示すように、本発明では案内筒5の
両側壁を13クロム(Cr)系ステンレス鋼などの強磁性
体である厚肉のマルテンサイト系ステンレス鋼板または
フエライト系ステンレス鋼板から構成し、両側壁の内面
に磁石12,13と対向する厚肉の磁性部分6を残し、
磁石12,13と対向しない部分は薄肉の非磁性または
弱磁性部分6aとする。具体的には、薄肉の磁性部分6
aを温度800℃以上に加熱した後に急冷して非磁性ま
たは弱磁性のオーステナイト相にする。
【0011】次に、本発明による渦電流減速装置の作動
について説明する。1対の制動円板3が回転軸2と一緒
に回転されるのに対し、図1に示すように、非制動時、
内外の磁石12,13の厚肉の磁性部分6に対する極性
が異なる配列では、左右2対の厚肉の磁性部分6の間で
短絡的磁気回路zが生じ、制動円板3に磁界を及ぼさな
い。強磁性板としての1対の厚肉の磁性部分6は磁石1
2,13を両側から全面的に挟む状態にあるから、制動
円板3への洩れ磁束は殆ど生じず、制動円板3は引きず
りトルクを受けない。
【0012】制動時、電動機16により外側の磁石支持
輪10を磁石13の配列ピツチpだけ回動すると、図2
に示すように、内外の磁石12,13の厚肉の磁性部分
6に対する極性が同じになる。したがつて、図3に示す
ように、内外の磁石12と磁石13が等しく厚肉の磁性
部分6を経て制動円板3に磁界を及ぼす。回転する制動
円板3が磁界を横切る時、制動円板3に渦電流が発生
し、制動円板3が制動トルクを受ける。この時、各磁石
12から厚肉の磁性部分6、制動円板3、隣りの厚肉の
磁性部分6、隣りの磁石12、反対側の厚肉の磁性部分
6、反対側の制動円板3、隣りの厚肉の磁性部分6へと
磁気回路wが生じる。磁石13も左右1対の制動円板3
の間に同様の磁気回路を発生する。
【0013】上述のように、案内筒5の両側壁の厚肉の
磁性部分6は、内外の磁石支持輪8,10の磁石12,
13の配列ピツチpの回転差動により、回転軸2を含む
面で短絡的磁気回路zを形成する非制動状態と、案内筒
5の側壁から制動円板3に磁界を及ぼす磁気回路wを形
成する制動状態とに切り換える。
【0014】図4〜6に示すように、案内筒5の側壁の
厚肉の磁性部分6の径方向中央部の肉厚を、内外周縁部
よりも厚くすれば、径方向中央部の磁束密度が他に比べ
て密になるので、非制動時により効率的な短絡的磁気回
路zが形成され、制動円板3へ及ぶ洩れ磁束を一層効率
的に減じることができる。図4に示す変更実施例では、
厚肉の磁性部分6の径方向中央部の肉厚を厚くし、その
分だけ磁石12,13の互いに接する部分(軸受9に隣
接する部分)で薄くなるようにしたものである。図5に
示す変更実施例では、厚肉の磁性部分6を径方向中央部
の肉厚が厚く、内外周縁部の肉厚が薄くなるように階段
状にしたものであり、厚肉の磁性部分6の内面に対応し
て磁石12,13は断面T字形とされる。図6に示す変
更実施例では、厚肉の磁性部分6の内面が円弧状に突出
される。図7に示す変更実施例では、逆に厚肉の磁性部
分6の外面が山形に突出され、厚肉の磁性部分6の外面
に対応して、制動円板3にはV形の環状溝19が形成さ
れる。
【0015】図8〜10に示すように、案内筒5の強磁
性体である厚肉のマルテンサイト系ステンレス鋼板また
はフエライト系ステンレス鋼板からなる側壁は、厚肉の
磁性部分6が内外両面に突出し、薄肉の非磁性または弱
磁性部分6aが中間位置に存するように構成してもよ
い。また、制動時磁石12,13と1対の厚肉の磁性部
分6との間に生じる磁気回路w(図3を参照)は、制動
円板3の回転数が高くなるほど、制動円板3の矢印xで
示す回転方向へ引きずられた格好に歪むので、厚肉の磁
性部分6の平面断面の形状は図8に示す長方形にするよ
りも、図9,10に示すような形状が好ましい。図9に
示す実施例では、厚肉の磁性部分6の前端面(制動円板
3の回転方向前方の端面)の外面側を切除して傾斜面2
6aを形成し、同様に厚肉の磁性部分6の後端面の外面
側を切除して傾斜面26bを形成することにより、磁石
12,13からの磁束を絞つて(磁束密度を高めて)制
動円板3へ導き、制動トルクを高めることができる。図
10に示す実施例では、厚肉の磁性部分6の後端面の外
面側を制動円板3の矢印xで示す回転方向へ一層傾けて
傾斜面26bを形成することにより、制動円板3の高速
回転での磁石12,13からの磁束を厚肉の磁性部分6
の前端部へ絞り込むことができる。
【0016】図11,12に示す実施例では、案内筒5
の強磁性体である厚肉のマルテンサイト系ステンレス鋼
板またはフエライト系ステンレス鋼板からなる両側壁
に、多数の強磁性の厚肉の磁性部分6と薄肉の非磁性ま
たは弱磁性部分6aとが周方向に交互に形成される。厚
肉の磁性部分6と同数の磁石12,12aを支持する左
右1対の磁石支持輪8,8aは、案内筒5の内空部に軸
受7,7aにより回動可能に支持される。磁石支持輪
8,8aの外側面に潤滑油を含浸した薄い滑り板14が
結合され、厚肉の磁性部分6に摺接可能とされる。右側
の磁石支持輪8aはアルミニウムなどの非磁性体からな
り、厚肉の磁性部分6と同数の扇形をなす磁石12a
が、厚肉の磁性部分6と対向しかつ厚肉の磁性部分6に
対する極性が周方向に交互に異なるように配設される。
好ましくは、磁石12aは磁石支持輪8aに鋳込まれ
る。左側の磁石支持輪8も同様に、厚肉の磁性部分6と
同数の扇形をなす磁石12が、厚肉の磁性部分6と対向
しかつ厚肉の磁性部分6に対する極性が周方向に交互に
異なるように配設される。磁石支持輪8aは図2に示し
たものと同様の手段により、磁石12aの配列ピツチだ
け正逆回動可能とされる。図示してないが、各厚肉の磁
性部分6は磁石12,12aとほぼ同形のものである。
他の構成は図1の実施例と同様である。
【0017】非制動時、左側の磁石支持輪8を固定し、
右側の磁石支持輪8aを磁石12aの配列ピツチだけ回
動すると、相対向する磁石12,12aの極性が同じに
なり、磁気回路が相殺されるので、制動円板3に磁界を
及ぼさない。制動時、1対の磁石支持輪8,8aは相対
向する左右の磁石12,12aの極性が逆になる位置に
保持される。したがつて、左右の磁石12,12aが一
体的に厚肉の磁性部分6を経て制動円板3に垂直な磁界
を及ぼす。回転する制動円板3が磁界を横切る時、制動
円板3に渦電流が発生し、制動円板3が制動トルクを発
生する。この時、図12に示すように、例えば、磁石1
2,12aから厚肉の磁性部分6、制動円板3、隣りの
厚肉の磁性部分6、隣りの磁石12a,12、反対側の
厚肉の磁性部分6、反対側の制動円板3、隣りの厚肉の
磁性部分6、元の磁石12,12aへと磁気回路wが生
じる。
【0018】上述の実施例において、右側の磁石支持輪
8aを固定し、左側の磁石支持輪8を電動機16または
流体圧アクチユエータにより磁石12の配列ピツチだけ
正逆回動するようにしてもよい。
【0019】図13〜15に示す実施例では、案内筒5
の強磁性体である厚肉のマルテンサイト系ステンレス鋼
板またはフエライト系ステンレス鋼板からなる両側壁
に、多数の厚肉の磁性部分6と薄肉の非磁性または弱磁
性部分6aとが周方向交互に形成される。磁石支持輪8
は案内筒5の内空部に軸受7により回動可能に支持され
る。磁石支持輪8には多数の磁石12が周方向等間隔に
結合される。磁石12は各厚肉の磁性部分6に2つずつ
対向され、かつ厚肉の磁性部分6に対する極性が周方向
に2つずつ異なるように配設される。磁石支持輪8の両
側面に潤滑油を含浸させた薄い滑り板14が結合され、
厚肉の磁性部分6に摺接可能とされる。図2に示したも
のと同様に、磁石支持輪8の外周壁に形成した部分歯車
に、案内筒5に固定した電動機のピニオンが噛み合さ
れ、磁石支持輪8は磁石12の配列ピツチpだけ正逆回
動可能とされる。他の構成は図1の実施例と同様であ
る。
【0020】非制動時、共通の厚肉の磁性部分6に対す
る2つの磁石12の極性が互いに異なる配列では、図1
4に示すように、左右1対の厚肉の磁性部分6の間で短
絡的磁気回路zが生じ、制動円板3に磁界を及ぼさな
い。制動時、磁石支持輪8を磁石12の配列ピツチpだ
け回動すると、共通の厚肉の磁性部分6に対向する2つ
の磁石12の極性が同じになる。したがつて、図15に
示すように、2つの磁石12が等しく厚肉の磁性部分6
を経て制動円板3に磁界を及ぼす。回転する制動円板3
が磁界を横切る時、制動円板3に渦電流が発生し、制動
円板3が制動トルクを受ける。この時、磁石12から厚
肉の磁性部分6、制動円板3、隣りの厚肉の磁性部分
6、隣りの磁石12、反対側の厚肉の磁性部分6、反対
側の制動円板3、隣りの厚肉の磁性部分6、元の磁石1
2へと磁気回路wが生じる。
【0021】図16に示す実施例は、図13〜15に示
す実施例において周方向に並ぶ2つの同極性の磁石12
を1つにしたものである。案内筒5の強磁性体である厚
肉のマルテンサイト系ステンレス鋼板またはフエライト
系ステンレス鋼板からなる両側壁に、多数の厚肉の磁性
部分6と薄肉の非磁性または弱磁性部分6aとが周方向
に交互に形成される。各厚肉の磁性部分6に対向して1
つの磁石12が、厚肉の磁性部分6に対する極性が周方
向に交互に異なるように磁石支持輪8に結合される。磁
石支持輪8を磁石12の半配列ピツチだけ回動すること
により、案内筒5の左右1対の厚肉の磁性部分6に周方
向に並ぶ2つの磁石12が部分的に対向して短絡的磁気
回路zを形成する非制動位置と、案内筒5の左右1対の
厚肉の磁性部分6に1つの磁石12が全面的に対向して
左右1対の制動円板3の間に磁気回路wを形成する制動
位置とに切り換わる。
【0022】図17,18に示す実施例では、案内筒5
の両側壁を肉厚が均一のマルテンサイト系ステンレス鋼
板またはフエライト系ステンレス鋼板から構成し、磁石
12,13と対向する部分6をそのまま残し、磁石1
2,13と対向しない部分6aを温度800℃以上に加
熱した後に急冷することにより、非磁性または弱磁性の
オーステナイト相に構成したものである。案内筒5の両
側壁において、磁石12,13と対向する磁性とすべき
部分6と、磁石12,13と対向しない非磁性または弱
磁性とすべき部分6aとを視認できるように、磁石1
2,13と対向する部分6と磁石12,13と対向しな
い部分6aの境目に、径方向に延びる溝34または径方
向に並ぶ複数の刻印ないしくぼみを加工するのが好まし
い。
【0023】回転軸2に結合した左右1対の制動円板3
の間に配設される不動の案内筒5は、外筒21と内筒2
2の両端にマルテンサイト系ステンレス鋼板またはフエ
ライト系ステンレス鋼板を結合して断面長方形の内空部
を構成される。案内筒5の内空部には、可動の磁石支持
筒13と不動の磁石支持筒12とが収容される。
【0024】図18に示すように、側壁6は厚さが均一
の磁性体であるマルテンサイト系ステンレス鋼板または
フエライト系ステンレス鋼板からなり、磁石12,13
に対向しない磁性部分6aを温度800℃以上に加熱し
た後、高温状態から急冷することにより非磁性または弱
磁性のオーステナイト相にする。したがつて、側壁の磁
性部分6に同極性の磁石12,13が対向する制動位置
では、1対の制動円板3の間に磁気回路wが形成され、
図17に示すように、側壁の磁性部分6に異極性の磁石
12,13が対向する非制動位置では、1対の側壁の磁
性部分6の間に短絡的磁気回路zが生じ、制動円板3に
は磁界を及ぼさない。
【0025】図19,20に示す実施例でも、案内筒5
の側壁を磁性体であるマルテンサイト系ステンレス鋼板
またはフエライト系ステンレス鋼板から構成し、側壁の
磁石13,12に対向しない磁性部分6aを温度800
℃以上に加熱した後、高温状態から急冷することにより
非磁性または弱磁性のオーステナイト相にするものであ
るが、マルテンサイト系ステンレス鋼板またはフエライ
ト系ステンレス鋼板からなる側壁が厚く、磁石13,1
2に対向しない非磁性または弱磁性部分6aの熱処理が
困難な場合に、予め熱処理した複数(図示の実施例では
3枚)の比較的薄いマルテンサイト系ステンレス鋼板ま
たはフエライト系ステンレス鋼板6Aを重ね合せて側壁
を構成し、案内筒5に結合するようにしたものである。
【0026】図20に示すように、周方向等間隔に配設
される磁石13と磁石13との間には、アルミニウムな
どの非磁性体を鋳込む代わりに、予めブロツク状に成形
した磁石13と磁石13の両面に軟磁性板31を重ね合
せ、さらに軟磁性板31と軟磁性板31との間に非磁性
板32を介装し、これらを内外1対の筒体からなる磁石
支持筒10の内部に嵌挿する。この場合、軟磁性板31
の軸方向寸法を他のものに比べて長くしてもよい。磁石
支持筒8についても同様に磁石12と軟磁性板と非磁性
板とを組み合せ、内外1対の筒体からなる磁石支持筒1
0の内部に嵌挿する。
【0027】図11に示す形式の渦電流減速装置や図1
3に示す形式の渦電流減速装置についても、案内筒5の
両側壁に1つまたは複数の肉厚が均一な磁性体であるマ
ルテンサイト系ステンレス鋼板またはフエライト系ステ
ンレス鋼板を用い、側壁の磁石13,12と対向しない
部分を温度800℃以上の高温状態から急冷することに
より、非磁性または弱磁性のオーステナイト相に変態さ
せることができる。
【0028】
【発明の効果】本発明は上述のように、回転軸に結合し
た1対の制動円板と、該制動円板の間の非回転部分に配
設されかつ断面長方形の内空部を有する非磁性体からな
る案内筒と、該案内筒の内空部に回動可能に支持した少
くとも1つの磁石支持輪と、該磁石支持輪に周方向等間
隔に支持した多数の磁石と、前記案内筒の両側壁の前記
各磁石と対向する部分に配設した強磁性板とを有し、前
記磁石からの磁界により渦電流に基づく制動力を前記制
動円板に発生させる渦電流減速装置において、前記案内
筒の両側壁を強磁性体であるステンレス鋼板から構成
し、両側壁の前記磁石と対向する部分により前記強磁性
板を形成し、両側壁の前記磁石と対向しない部分を、温
度800℃以上に加熱した後に急冷して非磁性または弱
磁性のオーステナイト相にしたものであり、構成が簡単
であるから案内筒の製造が容易になり、従来構造のもの
とほぼ同等の制動性能が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される渦電流減速装置の正面断面
図である。
【図2】同渦電流減速装置の要部を示す側面断面図であ
る。
【図3】同渦電流減速装置を展開して示す平面断面図で
ある。
【図4】渦電流減速装置の部分的変更実施例を示す正面
断面図である。
【図5】渦電流減速装置の部分的変更実施例を示す正面
断面図である。
【図6】渦電流減速装置の部分的変更実施例を示す正面
断面図である。
【図7】渦電流減速装置の部分的変更実施例を示す正面
断面図である。
【図8】本発明の第2実施例に係る渦電流減速装置にお
ける案内筒の左側壁を展開して示す平面断面図である。
【図9】本発明の第3実施例に係る渦電流減速装置にお
ける案内筒の左側壁を展開して示す平面断面図である。
【図10】本発明の第4実施例に係る渦電流減速装置に
おける案内筒の左側壁を展開して示す平面断面図であ
る。
【図11】本発明が適用される他の渦電流減速装置の正
面断面図である。
【図12】同渦電流減速装置を展開して示す平面断面図
である。
【図13】本発明が適用される他の渦電流減速装置の正
面断面図である。
【図14】同渦電流減速装置の非制動状態を展開して示
す平面断面図である。
【図15】同渦電流減速装置の制動状態を展開して示す
平面断面図である。
【図16】本発明が適用される他の渦電流減速装置を展
開して示す平面断面図である。
【図17】本発明の第5実施例に係る渦電流減速装置の
正面断面図である。
【図18】同渦電流減速装置を展開して示す平面断面図
である。
【図19】本発明の第6実施例に係る渦電流減速装置の
案内筒の正面断面図である。
【図20】同渦電流減速装置の案内筒を展開して示す平
面断面図である。
【符号の説明】
2:回転軸 3:制動円板 4:軸受 5:案内筒
6:磁性部分 6a:非磁性または弱磁性部分 8:磁
石支持輪 8a:磁石支持輪 9:軸受 10:磁石支
持輪 12,12a:磁石 13:磁石 14:滑り板
15:ピニオン16:電動機 18:部分歯車 1
9:環状溝 21:外筒 22:内筒 23:良伝導体
の環状体 24:良伝導体の環状体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸に結合した1対の制動円板と、該制
    動円板の間の非回転部分に配設されかつ断面長方形の内
    空部を有する非磁性体からなる案内筒と、該案内筒の内
    空部に回動可能に支持した少くとも1つの磁石支持輪
    と、該磁石支持輪に周方向等間隔に支持した多数の磁石
    と、前記案内筒の両側壁の前記各磁石と対向する部分に
    配設した強磁性板とを有し、前記磁石からの磁界により
    渦電流に基づく制動力を前記制動円板に発生させる渦電
    流減速装置において、前記案内筒の両側壁を強磁性体で
    あるステンレス鋼板から構成し、両側壁の前記磁石と対
    向する部分により前記強磁性板を形成し、両側壁の前記
    磁石と対向しない部分を、温度800℃以上に加熱した
    後に急冷して非磁性または弱磁性のオーステナイト相に
    したことを特徴とする渦電流減速装置。
  2. 【請求項2】前記案内筒の両側壁を強磁性体であるステ
    ンレス鋼板から構成し、両側壁の前記磁石と対向しない
    部分の内面と外面の一方に軸方向の溝を設けて薄肉に形
    成した、請求項1に記載の渦電流減速装置。
  3. 【請求項3】前記制動円板の前記強磁性板と対向しない
    内外周縁部の少くとも一方に、銅などの良伝導体からな
    る環状体を備えた、請求項1に記載の渦電流減速装置。
JP11267716A 1999-04-13 1999-09-21 渦電流減速装置 Withdrawn JP2000358357A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11267716A JP2000358357A (ja) 1999-04-13 1999-09-21 渦電流減速装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-105216 1999-04-13
JP10521699 1999-04-13
JP11267716A JP2000358357A (ja) 1999-04-13 1999-09-21 渦電流減速装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000358357A true JP2000358357A (ja) 2000-12-26

Family

ID=26445549

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11267716A Withdrawn JP2000358357A (ja) 1999-04-13 1999-09-21 渦電流減速装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000358357A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004102778A1 (ja) * 2003-05-19 2004-11-25 Isuzu Motors Limited 渦電流式減速装置
CN100426638C (zh) * 2003-05-19 2008-10-15 五十铃自动车株式会社 涡电流式减速器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004102778A1 (ja) * 2003-05-19 2004-11-25 Isuzu Motors Limited 渦電流式減速装置
CN100426638C (zh) * 2003-05-19 2008-10-15 五十铃自动车株式会社 涡电流式减速器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000358357A (ja) 渦電流減速装置
JP3690486B2 (ja) 渦電流減速装置
JP3765290B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP3755717B2 (ja) 渦電流減速装置
JP2000299974A (ja) 渦電流減速装置
JP2000299976A (ja) 渦電流減速装置
JP3885606B2 (ja) 永久磁石式渦電流減速装置
JP3690471B2 (ja) 渦電流減速装置
JP3706891B2 (ja) 渦電流減速装置
JP3285059B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP2000308330A (ja) 渦電流減速装置
JP3809771B2 (ja) 渦電流減速装置
JP2000245134A (ja) 渦電流減速装置
JP3285067B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP3959895B2 (ja) 渦電流減速装置
JPH0515141A (ja) 永久磁石式渦電流減速装置
JP3882410B2 (ja) 渦電流減速装置
JP2001327154A (ja) 渦電流減速装置
JP2585789Y2 (ja) 渦電流式減速装置
JP3959594B2 (ja) 渦電流減速装置
JPH0564306A (ja) 渦電流式減速装置
JP3233166B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP2002354781A (ja) 渦電流減速装置
JP2000358355A (ja) 渦電流減速装置
JP2000116109A (ja) 渦電流減速装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060331

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20070509