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JP2000355510A - 衣類用害虫防除剤および収納家具部材 - Google Patents

衣類用害虫防除剤および収納家具部材

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Publication number
JP2000355510A
JP2000355510A JP2000104534A JP2000104534A JP2000355510A JP 2000355510 A JP2000355510 A JP 2000355510A JP 2000104534 A JP2000104534 A JP 2000104534A JP 2000104534 A JP2000104534 A JP 2000104534A JP 2000355510 A JP2000355510 A JP 2000355510A
Authority
JP
Japan
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clothing
pest control
compound
agent
control agent
Prior art date
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Application number
JP2000104534A
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English (en)
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JP3748757B2 (ja
Inventor
Shigemasa Aoki
重正 青木
Tatsue Ito
達栄 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Earth Corp
Original Assignee
Earth Chemical Co Ltd
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Publication date
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First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=18003300&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2000355510(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Earth Chemical Co Ltd filed Critical Earth Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イガ、コイガ等の衣類用害虫に対して優れた
防除効果を示し、人体に対する安全性が高く、しかも適
切な揮散性を示す衣類用害虫防除剤を提供すること。 【解決手段】 次の一般式(1)で表される化合物を有
効成分として含有することを特徴とする衣類用害虫防除
剤。一般式(1) 【化3】 (但し、X1 ,X2 は塩素及び/又はメチル基を表わ
す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる衣類用害
虫防除剤に関し、更に詳しくは長期間有効でかつ安全な
衣類用害虫防除剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、衣類用害虫防除剤としてはパラジ
クロロベンゼン、ナフタリン、樟脳等の防除剤が広く用
いられている。これらは衣料に併置し、その昇華性蒸気
により衣料を害虫から守るものである。しかしながら、
これらの衣類用害虫防除剤は本来害虫の忌避を主な効果
とするものであり、特有の臭気を有する。そのため、こ
の臭気が保存衣料への移臭や着用時の不快感等となり、
衣料用害虫防除剤における課題となっていた。この様な
ことから最近無臭でしかも微量で効果を有する防除薬剤
が探索されている。
【0003】これらの条件を満たす防除薬剤として、現
在までに知られているものは、1−エチニル−2−メチ
ル−2−ペンテニル クリサンテマート(以下エムペン
トリンという)のみであるが、このものは害虫に対する
殺虫力は大きいものの長期間にわたる効力の持続が難し
く、その利用に際しては各種の除放化方法(特開平2−
196704号等)が示されている。
【0004】一方、特開昭63−203649号には新
しいピレスロイド系殺虫剤として(+)1R,3S−ト
ランス−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビ
ニル)−シクロプロパンカルボン酸 2,3,5,6−
テトラフルオロベンジルが示されており、この薬剤は家
庭内で発生する又は衛生有害生物もしくは貯蔵製品の有
害生物としての有害動物、特に昆虫の防除に適している
ことが示され、有害生物としてシミ類としてレピスマ・
サッカリナ、直翅目としてコバネゴキブリ、ワモンゴキ
ブリ、レウコフェア・アデラエ、チャバネゴキブリ、ア
ケータ・ドメスチクス、ハサミムシ類としてはホルフィ
クラ・アウリクラリス、シロアリ類としてはレチクリテ
ルメス種、シラミ類ではヒトジラミ、半翅目ではナンキ
ンムシ、ロドニウム・プロリクスス、トリアトマ・イン
フェスタンス、鱗翅目ではスジコナマダラメイガ、ハチ
ミツガ、甲虫目ではアノビウム・ブンクタトゥム、コナ
ナガシンクイムシ、ヒロトルペス・バジュルス、ノコギ
リヒラタムシ、コクゾウムシ、トゥロゴデルマ種、アン
トレヌス種、ヒラタキクイムシ種、ニプトゥス・ホロレ
ウクス、セマルヒョウホンムシ、コクヌスストモドキ
種、膜翅目ではイエヒメアリ、ラシウス・ニゲル、スズ
メバチ、双翅目ではアエデス・エギプテイ、ハマダラカ
種、アカイエカ種、イエバエ種、ヒメエイバエ種、オオ
クロバエ種、キンバエ種、オビキンバエ種、サシバエ種
およびアブ種、隠翅目ではネズミノミ、ナガノミ種が挙
げられているが、衣類に食害を与えるヒロズコガ科のイ
ガ、コイガに対する作用は全く知られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】衣類用害虫防除剤とし
ては、衣類害虫に対する防除効果、食害防止効果が強力
である一方、その毒性が低い事、更に長期間にわたる前
記効果の持続が要求される。しかし従来から知られてい
る衣類用害虫防除剤としてのパラジクロルベンゼン、ナ
フタリン、樟脳等は薬剤単価が安い事より多量の薬剤を
用いて長期間にわたる効力持続を行っている為、毒性が
高くなるが、その効果も充分でなかった。
【0006】一方、これまでハエ、カなどに対する一般
的な家庭用殺虫剤として知られているピレスロイド化合
物は低毒性であり、特にエムペントリンは既に衣類用害
虫防除剤として使用されているが、長期間衣類用害虫防
除剤として利用するには樹脂あるいはマイクロカプセル
に封入する等の除放化の為の煩雑な処理を必要とすると
同時に、高価な製剤となっている。
【0007】このため衣類害虫に対して長期間有効でか
つ毒性が低い化合物を見出し、有用な衣類用害虫防除剤
を開発することが望まれていた。
【0008】本発明は、衣類用害虫、特にイガ、コイガ
等に対して優れた防除効力を示し、かつ長期間効力を持
続しうるピレスロイド系衣類用害虫防除剤を提供する事
を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、多数のピ
レスロイド化合物、特にピレスロイド系殺虫剤として知
られた化合物を含めて、その衣類用害虫の代表であるイ
ガ、コイガに対する防除効果を研究した結果、本発明を
完成した。
【0010】すなわち本発明は、次の一般式(1)で表
わされる化合物を有効成分として含有することを特徴と
する衣類用害虫防除剤によって、上記目的を達成した。 一般式(1)
【化2】 (但し、X1 ,X2 は塩素及び/又はメチル基を表わ
す)
【0011】本発明の衣類用害虫防除剤の有効成分であ
る前記一般式(1)で表わされる化合物は、X1 ,X2
がいずれも塩素又はメチル基であるもの、あるいはいず
れか一方が塩素で、他方がメチル基であるものがある
が、その一つの化合物についても多くの光学異性体、幾
何異性体を有しているが、それらの中で特に好ましい化
合物は、(+)1R,3S−トランス−2,2−ジメチ
ル−3(2,2−ジクロロビニル)−シクロプロパンカ
ルボン酸2,3,5,6−テトラフルオロベンジル(以
下「化合物(1)」という)である。その外、(−)1
R−シス/トランス−2,2−ジメチル−3(2,2−
ジクロロビニル)−シクロプロパンカルボン酸2,3,
5,6−テトラフルオロベンジルや、(±)1R,S−
シス/トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル
−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸 2,
3,5,6−テトラフルオロベンジル(以下「化合物
(2)」という)も使用できる。
【0012】本発明の衣類用害虫防除剤は、イガ、コイ
ガ等の衣類害虫に対して優れた防除効果を発揮でき、し
かもその有効成分が、適切な蒸気圧つまり従来高揮散ピ
レスロイド化合物の蒸気圧(通常×10-3mmHg/30℃
のオーダー)と一般のピレスロイド化合物の蒸気圧(通
常×10-5mmHg/30℃のオーダー)のほぼ中間である
2.7×10-4mmHg/25℃(外挿値)を有するため、
常温においてガス効果および持続効果が充分期待でき、
更に実質的に無臭でかつ毒性も極めて低いという卓越し
た諸性能を具備する。特に本発明の防除剤の有効防除濃
度は、後述する試験例に示す通り、既に利用されている
衣類用ピレスロイド系防除剤であるエムペントリンとほ
ぼ同等の含浸量の基材でエムペントリンより有効である
事より、エムペントリン以上にイガ、コイガ等の衣類害
虫に低濃度で有効である。
【0013】従って本発明の衣類用害虫防除剤はエムペ
ントリンより少量の使用量で充分な防除効果を発揮で
き、しかも同程度の使用量では有効期間の延長を可能と
することを示唆している。
【0014】本発明の衣類用害虫防除剤は、上記有効成
分化合物をそのまま防除効果を要求される場所、例えば
和ダンス、洋服ダンス、整理ダンス、衣裳箱等の衣類を
収納する目的に用いられる各種の収納家具内に適用する
こともできるが、通常好ましくは適当な担体その他の賦
形剤を用いて、例えば粉末、顆粒、錠剤、棒状、板状等
の固剤形態又は乳剤、分散剤、懸濁剤、噴霧剤、エアゾ
ール剤、油剤等の液剤形態に調製し、之等各形態に応じ
た方法により衣料害虫の防除に適用される。
【0015】液剤の形態に調製するに当り用い得る担体
(希釈剤)としては例えば水、エチルアルコール等のア
ルコール類、酢酸エチル等のエステル類、ジクロロエタ
ン等のハロゲン化炭化水素類、アセトン、メチルエチル
ケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン
等のエーテル類、ヘキサン、ケロシン、パラフィン、石
油ベンジン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン
等の芳香族炭化水素類等を例示できる。また液剤には通
常の乳化剤乃至分散剤、展着剤、湿潤剤、安定剤、噴射
剤等を添加配合することができ、更に通常の塗膜形成剤
を配合して塗料や接着剤等の形態とすることもできる。
用いられる各添加剤としては、例えばニトロセルロー
ス、アセチルセルロース、メチルセルロース、アセチル
ブチルセルロース等のセルロース誘導体、酢酸ビニル樹
脂等のビニル系樹脂、アルキッド系樹脂、ユリア系樹
脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系
樹脂、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ゴム等の
ゴム、ポリビニルアルコール等の各種の塗膜形成剤;石
けん類、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリ
オキシエチレン脂肪アルコールエーテル、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレン
アルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル、脂肪酸グリセリド、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、高級アルコールの硫酸エステル、ドデシルベンゼン
スルホン酸ソーダ等のアルキルアリルスルホン酸塩等の
界面活性剤;液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテ
ル、フルオロカーボン等の噴射剤;カゼイン、ゼラチ
ン、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース(CM
C)等を例示できる。
【0016】また固剤の形態に調製するに当り用いられ
る担体としては、代表的には例えばケイ酸、カオリン、
活性炭、タルク、炭酸カルシウム、陶磁器粉等の各種鉱
物質粉末や、木粉、豆粉、小麦粉、でんぷん等の各種植
物質粉末やシクロデキストリン等の包接化合物を例示で
きる。更に固剤の形態に調製するに当っては、例えばト
リシクロデカン、シクロドデカン、2,4,6−トリイ
ソプロピル−1,3,5−トリオキサン、トリオキサ
ン、トリメチレンノルボルネン、パラジクロルベンゼ
ン、ナフタリン、樟脳等の昇華性担体を用いて、之等担
体と有効成分化合物を溶融混合又は擂潰混合後成型して
昇華性固剤とすることもできる。また上記固剤には、有
効成分化合物をプラスチックスに練り込んだ樹脂成型物
の形態も包含される。
【0017】また本発明の衣類用害虫防除剤は、例えば
ポリビニルアルコールやCMC等を用いたスプレードラ
イ缶、ゼラチン、ポリビニルアルコール、アルギン酸等
を用いた液中硬化法、コアセルベーション法等に従いマ
イクロカプセル化した形態に調製したり、サイクロデキ
ストリンで包接したり、ベンジリデン−D−ソルベトー
ル、カラギーナン等のゲル化剤を用いてゲルの形態に調
製することもできる。
【0018】かくして調製される各種形態を有する本発
明の衣類用害虫防除剤は、特に制限はなくまた各形態に
応じて適宜に決定できるが、通常有効成分化合物を約8
0%(重量、以下同じ)までの範囲、より好ましくは
0.1〜65%の範囲で含有しているのが好ましい。ま
た本発明の防除剤は、必要に応じて各種の共力剤や安定
性向上のための酸化防止剤やその他の添加剤を添加する
ことができる。ここで好ましい共力剤としては例えばピ
ペロニルブトキサイド、イソボルニルチオシアネート、
リーセン、S−421等を、酸化防止剤としてはブチル
ヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、
トコフェロール、γ−オリザノール等を、夫々例示でき
る。之等の添加量は限定的ではないが有効成分化合物の
10倍量まで、通常1/50〜10倍量とするのが適当
である。またその他の添加剤としては、例えばパラクロ
ロメタキシレート(PCMX)、BCA、サリチル酸、
安息香酸、ソルビン酸、1−オキシ−3−メチル−4−
イソプロピルベンゼン,O.P.P.、ヒノキチオール
等の揮散性防菌・防黴剤や着色・着香料等を例示でき
る。その他の添加剤としての上記揮散性防菌・防黴剤は
通常製剤に対し70%まで、好ましくは0.1〜50%
とするのが適当である。更に本発明防除剤は、公知の衣
類用害虫防除剤と混合して用いることも可能である。
【0019】本発明防除剤は、その使用に当っては、防
除効果を要求される場所、例えば衣類収納家具内に、適
当な包装剤例えば公知の各種の起毛状、クレープ状、網
状、層状の紙、不織布、布等で包装するか又は包装する
ことなく、投入したり、噴霧、塗布、貼り付け等により
適用することができる。殊に本発明の有効成分化合物は
実質的に無臭であるため、これが直接衣類に接触される
如く適用することも可能である。
【0020】また本発明の衣類用害虫防除剤、例えばこ
れを予め適当なシート状基材に塗布、含浸、噴霧、滴
下、混練等により保持させて、該基材に保持された形態
で、目的とする場所に適用することもできる。この際用
いられるシート状基材としては、例えばポリエチレン、
ポリプロピレン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニリデン、ポリエステル等の合成樹脂シート、動植物
質又は無機質繊維体シート(紙、布、不織布、皮革
等)、之等合成樹脂と無機質繊維または粉体との混合シ
ートまたは混紡布、上記合成樹脂と動植物繊維との混紡
布または不織布及び上記各種シートの積層シートを例示
できる。
【0021】更に本発明の衣類用害虫防除剤は、これを
収納家具部材とする木材例えばキリ、ペンシルシダ、ク
ス、イチイ、モミ、トドマツ、ツガ、ジョンコン、ジェ
ルトン、アガチス、スギ、オニグルミ、ブナ、ミズナ
ラ、ケヤキ、ハルニレ、ミズメ等、プラスチックス例え
ば塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、及び段ボール等に予め塗布、含浸、噴霧、滴下、混
練等により保持させて利用することができる。上記にお
いて好適な保持手段としては、例えば家具部材に、有効
成分化合物及び常温でゲル化又は結晶化乃至固化する液
体を別々に又は予め混合後常圧下、減圧下又は加圧下に
含浸させる方法を例示できる。
【0022】用いられる常温でゲル化する液体としては
通常のゲル化剤例えばジベンジリデン−D−ソルビトー
ルを、また常温で結晶化乃至固化する液体としては、例
えばアセトアニリド、イソフタル酸ジメチル、酢酸マグ
ネシウム、テレフタル酸ジメチル、無水マレイン酸、ラ
ウリン酸、ステアリルアルコール、石油系固形パラフィ
ン、動植物系固体ロウ、四ホウ酸ナトリウム(10水
塩)、硫酸アルミニウムナトリウム、硫酸マグネシウム
(6水塩)、リン酸水素二ナトリウム(5水塩)等を夫
々例示できる。
【0023】かくして適用される本発明の衣類用害虫防
除剤は強力な効力、適度な揮散性を有し、効力持続期間
を必要に応じ可変出来ると共に、安定性の良さと相まっ
て収納家具材等では数十年の効力持続も容易になし得、
また粉、粒体、昇華製剤等の剤型とする時には短期用と
して少量有効に揮散させ得る。更に臭いもほとんど感じ
られず、無臭または好みの付香も出来、且つ長い間タン
ス内に入れていた洋服もタンスから出して直ちに着用出
来る等、数々の利点を有しており、工業的に利用価値の
高いものである。
【0024】
【作用】本発明で用いる前記の一般式(1)で表わされ
る化合物は、衣類用害虫に対するきわめて優れた防除効
果を発揮する。また、この化合物は従来のピレスロイド
系化合物に比して長時間にわたるガス化作用とピレスロ
イド系化合物に共通な低毒性を併せ持つものである。
【0025】
【実施例】以下、実施例及び試験例により本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0026】実施例1 化合物No. 1を100mmψ×3mmパルプ製厚紙に3mg/
cm2 となるよう塗布し、マット状防除シートを製造し
た。 実施例2 化合物No. 2を20mmψ×0.5mmパルプ製厚紙に1mg
/cm2 となるよう含浸し、マット状防除シートを製造し
た。 実施例3 化合物No. 2化合物No. 1を当重量部づつ配合したアセ
トン溶液を用いて、20mmψ×0.5mmパルプ製厚紙に
有効成分量が1mg/cm2 となるよう含浸し、マット状防
除シートを製造した。
【0027】試験例1 有効成分である化合物No. 1を表1記載の各含有量とな
るように、直径20mmのNo. 2の濾紙(東洋濾紙社製)
にアセトン溶液として含浸させ風乾後、約450ml容量
のマヨネーズ瓶(ガラス製)中に底面より約8cmの所に
吊り下げた。次にイガ30日令幼虫10頭と2×2cmの
ウール布を1枚入れた90メッシュのナイロンゴウズ袋
(4×4cm)を容器底部に設置し、密封後25℃下暗所
に放置する。2週間後容器を開封し、イガの死虫数を測
定した。上記試験を2回行い、表1中には平均死虫率と
して示す。尚、表1中には比較としてほぼ同じ濃度のエ
ムペントリンを用いて同一試験を行った結果を併記す
る。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明の衣類用害虫防除剤は、従来のピ
レスロイド系防除剤に比べて、イガ、コイガ等の衣類害
虫に対して優れた防除効果を示し、しかも適切な蒸気圧
で長期間有効でかつ、家庭内で手軽に適用できる優れた
ものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年4月28日(2000.4.2
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 衣類用害虫防除剤および収納家具部材
【特許請求の範囲】
【化1】 (但し、X1 ,X2 は塩素及び/又はメチル基を表わ
す)
【化2】 (但し、X 1 ,X 2 は塩素及び/又はメチル基を表わ
す)
【化3】 (但し、X 1 ,X 2 は塩素及び/又はメチル基を表わ
す)
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる衣類用害
虫防除剤に関し、更に詳しくは長期間有効でかつ安全な
衣類用害虫防除剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、衣類用害虫防除剤としてはパラジ
クロロベンゼン、ナフタリン、樟脳等の防除剤が広く用
いられている。これらは衣料に併置し、その昇華性蒸気
により衣料を害虫から守るものである。しかしながら、
これらの衣類用害虫防除剤は本来害虫の忌避を主な効果
とするものであり、特有の臭気を有する。そのため、こ
の臭気が保存衣料への移臭や着用時の不快感等となり、
衣料用害虫防除剤における課題となっていた。この様な
ことから最近無臭でしかも微量で効果を有する防除薬剤
が探索されている。
【0003】これらの条件を満たす防除薬剤として、現
在までに知られているものは、1−エチニル−2−メチ
ル−2−ペンテニル クリサンテマート(以下エムペン
トリンという)のみであるが、このものは害虫に対する
殺虫力は大きいものの長期間にわたる効力の持続が難し
く、その利用に際しては各種の除放化方法(特開平2−
196704号等)が示されている。
【0004】一方、特開昭63−203649号には新
しいピレスロイド系殺虫剤として(+)1R,3S−ト
ランス−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビ
ニル)−シクロプロパンカルボン酸 2,3,5,6−
テトラフルオロベンジルが示されており、この薬剤は家
庭内で発生する又は衛生有害生物もしくは貯蔵製品の有
害生物としての有害動物、特に昆虫の防除に適している
ことが示され、有害生物としてシミ類としてレピスマ・
サッカリナ、直翅目としてコバネゴキブリ、ワモンゴキ
ブリ、レウコフェア・アデラエ、チャバネゴキブリ、ア
ケータ・ドメスチクス、ハサミムシ類としてはホルフィ
クラ・アウリクラリス、シロアリ類としてはレチクリテ
ルメス種、シラミ類ではヒトジラミ、半翅目ではナンキ
ンムシ、ロドニウム・プロリクスス、トリアトマ・イン
フェスタンス、鱗翅目ではスジコナマダラメイガ、ハチ
ミツガ、甲虫目ではアノビウム・ブンクタトゥム、コナ
ナガシンクイムシ、ヒロトルペス・バジュルス、ノコギ
リヒラタムシ、コクゾウムシ、トゥロゴデルマ種、アン
トレヌス種、ヒラタキクイムシ種、ニプトゥス・ホロレ
ウクス、セマルヒョウホンムシ、コクヌスストモドキ
種、膜翅目ではイエヒメアリ、ラシウス・ニゲル、スズ
メバチ、双翅目ではアエデス・エギプテイ、ハマダラカ
種、アカイエカ種、イエバエ種、ヒメエイバエ種、オオ
クロバエ種、キンバエ種、オビキンバエ種、サシバエ種
およびアブ種、隠翅目ではネズミノミ、ナガノミ種が挙
げられているが、衣類に食害を与えるヒロズコガ科のイ
ガ、コイガに対する作用は全く知られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】衣類用害虫防除剤とし
ては、衣類害虫に対する防除効果、食害防止効果が強力
である一方、その毒性が低い事、更に長期間にわたる前
記効果の持続が要求される。しかし従来から知られてい
る衣類用害虫防除剤としてのパラジクロルベンゼン、ナ
フタリン、樟脳等は薬剤単価が安い事より多量の薬剤を
用いて長期間にわたる効力持続を行っている為、毒性が
高くなるが、その効果も充分でなかった。
【0006】一方、これまでハエ、カなどに対する一般
的な家庭用殺虫剤として知られているピレスロイド化合
物は低毒性であり、特にエムペントリンは既に衣類用害
虫防除剤として使用されているが、長期間衣類用害虫防
除剤として利用するには樹脂あるいはマイクロカプセル
に封入する等の除放化の為の煩雑な処理を必要とすると
同時に、高価な製剤となっている。
【0007】このため衣類害虫に対して長期間有効でか
つ毒性が低い化合物を見出し、有用な衣類用害虫防除剤
を開発することが望まれていた。
【0008】本発明は、衣類用害虫、特にイガ、コイガ
等に対して優れた防除効力を示し、かつ長期間効力を持
続しうるピレスロイド系衣類用害虫防除剤を提供する事
を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、多数のピ
レスロイド化合物、特にピレスロイド系殺虫剤として知
られた化合物を含めて、その衣類用害虫の代表であるイ
ガ、コイガに対する防除効果を研究した結果、本発明を
完成した。
【0010】すなわち本発明は、次の一般式(1)で表
される化合物をエムペントリンと混合して用いることを
特徴とする衣類用害虫防除剤によって、上記目的を達成
した。 一般式(1)
【化4】 (但し、X1 ,X2 は塩素及び/又はメチル基を表わ
す)また、本発明は、前記一般式(1)で表される化合
物を昇華性担体と混合して昇華性固剤の形態で使用する
ことを特徴とする衣類用害虫防除剤によっても、上記目
的を達成した。さらに、本発明は、前記一般式(1)で
表される化合物を保持したことを特徴とする収納家具部
材をも提供するものである。
【0011】本発明の衣類用害虫防除剤の有効成分であ
る前記一般式(1)で表わされる化合物は、X1 ,X2
がいずれも塩素又はメチル基であるもの、あるいはいず
れか一方が塩素で、他方がメチル基であるものがある
が、その一つの化合物についても多くの光学異性体、幾
何異性体を有しているが、それらの中で特に好ましい化
合物は、(+)1R,3S−トランス−2,2−ジメチ
ル−3(2,2−ジクロロビニル)−シクロプロパンカ
ルボン酸2,3,5,6−テトラフルオロベンジル(以
下「化合物(1)」という)である。その外、(−)1
R−シス/トランス−2,2−ジメチル−3(2,2−
ジクロロビニル)−シクロプロパンカルボン酸2,3,
5,6−テトラフルオロベンジルや、(±)1R,S−
シス/トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル
−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸 2,
3,5,6−テトラフルオロベンジル(以下「化合物
(2)」という)も使用できる。
【0012】本発明の衣類用害虫防除剤は、イガ、コイ
ガ等の衣類害虫に対して優れた防除効果を発揮でき、し
かも前記一般式(1)で表される化合物が、適切な蒸気
圧つまり従来高揮散ピレスロイド化合物の蒸気圧(通常
×10-3mmHg/30℃のオーダー)と一般のピレスロイ
ド化合物の蒸気圧(通常×10-5mmHg/30℃のオーダ
ー)のほぼ中間である2.7×10-4mmHg/25℃(外
挿値)を有するため、常温においてガス効果および持続
効果が充分期待でき、更に実質的に無臭でかつ毒性も極
めて低いという卓越した諸性能を具備する。特に前記一
般式(1)で表される化合物の有効防除濃度は、後述す
る試験例に示す通り、既に利用されている衣類用ピレス
ロイド系防除剤であるエムペントリンとほぼ同等の含浸
量でエムペントリンより有効である事より、エムペント
リン以上にイガ、コイガ等の衣類害虫に低濃度で有効で
ある。
【0013】従って本発明における前記一般式(1)で
表される化合物はエムペントリンより少量の使用量で充
分な防除効果を発揮でき、しかも同程度の使用量では有
効期間の延長を可能とすることを示唆している。
【0014】本発明の衣類用害虫防除剤は、そのまま防
除効果を要求される場所、例えば和ダンス、洋服ダン
ス、整理ダンス、衣裳箱等の衣類を収納する目的に用い
られる各種の収納家具内に適用することもできるが、通
常好ましくは適当な担体その他の賦形剤を用いて、例え
ば粉末、顆粒、錠剤、棒状、板状等の固剤形態又は乳
剤、分散剤、懸濁剤、噴霧剤、エアゾール剤、油剤等の
液剤形態に調製し、之等各形態に応じた方法により衣料
害虫の防除に適用される。
【0015】液剤の形態に調製するに当り用い得る担体
(希釈剤)としては例えば水、エチルアルコール等のア
ルコール類、酢酸エチル等のエステル類、ジクロロエタ
ン等のハロゲン化炭化水素類、アセトン、メチルエチル
ケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン
等のエーテル類、ヘキサン、ケロシン、パラフィン、石
油ベンジン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン
等の芳香族炭化水素類等を例示できる。また液剤には通
常の乳化剤乃至分散剤、展着剤、湿潤剤、安定剤、噴射
剤等を添加配合することができ、更に通常の塗膜形成剤
を配合して塗料や接着剤等の形態とすることもできる。
用いられる各添加剤としては、例えばニトロセルロー
ス、アセチルセルロース、メチルセルロース、アセチル
ブチルセルロース等のセルロース誘導体、酢酸ビニル樹
脂等のビニル系樹脂、アルキッド系樹脂、ユリア系樹
脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系
樹脂、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ゴム等の
ゴム、ポリビニルアルコール等の各種の塗膜形成剤;石
けん類、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリ
オキシエチレン脂肪アルコールエーテル、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレン
アルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル、脂肪酸グリセリド、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、高級アルコールの硫酸エステル、ドデシルベンゼン
スルホン酸ソーダ等のアルキルアリルスルホン酸塩等の
界面活性剤;液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテ
ル、フルオロカーボン等の噴射剤;カゼイン、ゼラチ
ン、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース(CM
C)等を例示できる。
【0016】また固剤の形態に調製するに当り用いられ
る担体としては、代表的には例えばケイ酸、カオリン、
活性炭、タルク、炭酸カルシウム、陶磁器粉等の各種鉱
物質粉末や、木粉、豆粉、小麦粉、でんぷん等の各種植
物質粉末やシクロデキストリン等の包接化合物を例示で
きる。更に固剤の形態に調製するに当っては、例えばト
リシクロデカン、シクロドデカン、2,4,6−トリイ
ソプロピル−1,3,5−トリオキサン、トリオキサ
ン、トリメチレンノルボルネン、パラジクロルベンゼ
ン、ナフタリンおよび樟脳から選ばれる昇華性担体を用
いて、之等担体と前記一般式(1)で表される化合物を
溶融混合又は擂潰混合後成型して昇華性固剤とすること
もできる。また上記固剤には、有効成分化合物をプラス
チックスに練り込んだ樹脂成型物の形態も包含される。
【0017】また本発明の衣類用害虫防除剤は、例えば
ポリビニルアルコールやCMC等を用いたスプレードラ
イ缶、ゼラチン、ポリビニルアルコール、アルギン酸等
を用いた液中硬化法、コアセルベーション法等に従いマ
イクロカプセル化した形態に調製したり、サイクロデキ
ストリンで包接したり、ベンジリデン−D−ソルベトー
ル、カラギーナン等のゲル化剤を用いてゲルの形態に調
製することもできる。
【0018】かくして調製される各種形態を有する本発
明の衣類用害虫防除剤は、特に制限なく各形態に応じて
適宜に決定できるが、通常前記一般式(1)で表される
化合物を約80%(重量、以下同じ)までの範囲、より
好ましくは0.1〜65%の範囲で含有しているのが好
ましい。また本発明の防除剤は、必要に応じて各種の共
力剤や安定性向上のための酸化防止剤やその他の添加剤
を添加することができる。ここで好ましい共力剤として
は例えばピペロニルブトキサイド、イソボルニルチオシ
アネート、リーセン、S−421等を、酸化防止剤とし
てはブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシ
トルエン、トコフェロール、γ−オリザノール等を、夫
々例示できる。之等の添加量は限定的ではないが有効成
分化合物の10倍量まで、通常1/50〜10倍量とす
るのが適当である。またその他の添加剤としては、例え
ばパラクロロメタキシレート(PCMX)、BCA、サ
リチル酸、安息香酸、ソルビン酸、1−オキシ−3−メ
チル−4−イソプロピルベンゼン,O.P.P.、ヒノ
キチオール等の揮散性防菌・防黴剤や着色・着香料等を
例示できる。その他の添加剤としての上記揮散性防菌・
防黴剤は通常製剤に対し70%まで、好ましくは0.1
〜50%とするのが適当である。本発明防除剤は、前記
一般式(1)で表される化合物を公知の衣類用害虫防除
である前記エムペントリンと混合して用いるのが好ま
しい
【0019】本発明防除剤は、その使用に当っては、防
除効果を要求される場所、例えば衣類収納家具内に、適
当な包装剤例えば公知の各種の起毛状、クレープ状、網
状、層状の紙、不織布、布等で包装するか又は包装する
ことなく、投入したり、噴霧、塗布、貼り付け等により
適用することができる。殊に本発明における前記一般式
(1)で表される化合物は実質的に無臭であるため、こ
れが直接衣類に接触される如く適用することも可能であ
る。
【0020】また本発明の衣類用害虫防除剤、例えばこ
れを予め適当なシート状基材に塗布、含浸、噴霧、滴
下、混練等により保持させて、該基材に保持された形態
で、目的とする場所に適用することもできる。この際用
いられるシート状基材としては、例えばポリエチレン、
ポリプロピレン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニリデン、ポリエステル等の合成樹脂シート、動植物
質又は無機質繊維体シート(紙、布、不織布、皮革
等)、之等合成樹脂と無機質繊維または粉体との混合シ
ートまたは混紡布、上記合成樹脂と動植物繊維との混紡
布または不織布及び上記各種シートの積層シートを例示
できる。
【0021】更に本発明にかかる前記一般式(1)で表
される化合物は、これを収納家具部材とする木材例え
ばキリ、ペンシルシダ、クス、イチイ、モミ、トドマ
ツ、ツガ、ジョンコン、ジェルトン、アガチス、スギ、
オニグルミ、ブナ、ミズナラ、ケヤキ、ハルニレ、ミズ
メ等、プラスチックス例えば塩化ビニル樹脂、塩素化ポ
リエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、及び段ボール等に予め塗布、
含浸、噴霧、滴下、混練等により保持させて利用するこ
とができる。上記において好適な保持手段としては、
家具部材に、前記一般式(1)で表される化合物及び
常温でゲル化又は結晶化乃至固化する液体を別々に又は
予め混合後常圧下、減圧下又は加圧下に含浸させる方法
が挙げられる
【0022】用いられる常温でゲル化する液体としては
通常のゲル化剤例えばジベンジリデン−D−ソルビトー
ルを、また常温で結晶化乃至固化する液体としては、例
えばアセトアニリド、イソフタル酸ジメチル、酢酸マグ
ネシウム、テレフタル酸ジメチル、無水マレイン酸、ラ
ウリン酸、ステアリルアルコール、石油系固形パラフィ
ン、動植物系固体ロウ、四ホウ酸ナトリウム(10水
塩)、硫酸アルミニウムナトリウム、硫酸マグネシウム
(6水塩)、リン酸水素二ナトリウム(5水塩)等を夫
々例示できる。
【0023】かくして適用される本発明の衣類用害虫防
除剤は強力な効力、適度な揮散性を有し、効力持続期間
を必要に応じ可変出来ると共に、安定性の良さと相まっ
て収納家具材等では数十年の効力持続も容易になし得、
また粉、粒体、昇華製剤等の剤型とする時には短期用と
して少量有効に揮散させ得る。更に臭いもほとんど感じ
られず、無臭または好みの付香も出来、且つ長い間タン
ス内に入れていた洋服もタンスから出して直ちに着用出
来る等、数々の利点を有しており、工業的に利用価値の
高いものである。
【0024】
【作用】本発明で用いる前記の一般式(1)で表わされ
る化合物は、衣類用害虫に対するきわめて優れた防除効
果を発揮する。また、この化合物は従来のピレスロイド
系化合物に比して長時間にわたるガス化作用とピレスロ
イド系化合物に共通な低毒性を併せ持つものである。
【0025】
【実施例】以下、参考例及び試験例により本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれらの参考例に限定される
ものではない。
【0026】参考例1 化合物No. 1を100mmψ×3mmパルプ製厚紙に3mg/
cm2 となるよう塗布し、マット状防除シートを製造し
た。参考 例2 化合物No. 2を20mmψ×0.5mmパルプ製厚紙に1mg
/cm2 となるよう含浸し、マット状防除シートを製造し
た。参考 例3 化合物No. 2化合物No. 1を重量部づつ配合したアセ
トン溶液を用いて、20mmψ×0.5mmパルプ製厚紙に
有効成分量が1mg/cm2 となるよう含浸し、マット状防
除シートを製造した。
【0027】試験例1 有効成分である化合物No. 1を表1記載の各含有量とな
るように、直径20mmのNo. 2の濾紙(東洋濾紙社製)
にアセトン溶液として含浸させ風乾後、約450ml容量
のマヨネーズ瓶(ガラス製)中に底面より約8cmの所に
吊り下げた。次にイガ30日令幼虫10頭と2×2cmの
ウール布を1枚入れた90メッシュのナイロンゴウズ袋
(4×4cm)を容器底部に設置し、密封後25℃下暗所
に放置する。2週間後容器を開封し、イガの死虫数を測
定した。上記試験を2回行い、表1中には平均死虫率と
して示す。尚、表1中には比較としてほぼ同じ濃度のエ
ムペントリンを用いて同一試験を行った結果を併記す
る。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、前記一般式(1)で表
される化合物を、従来のピレスロイド系防除剤であるエ
ムペントリンまたは昇華性担体と混合して用いることに
より、あるいは収納家具部材に保持させることにより
イガ、コイガ等の衣類害虫に対して優れた防除効果を示
し、しかも適切な蒸気圧で長期間有効でかつ、家庭内で
手軽に適用できるという効果がある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の一般式(1)で表される化合物を有効
    成分として含有することを特徴とする衣類用害虫防除
    剤。 一般式(1) 【化1】 (但し、X1 ,X2 は塩素及び/又はメチル基を表わ
    す)
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