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JP2000344772A - カルバペネム誘導体、その用途およびその中間体化合物 - Google Patents

カルバペネム誘導体、その用途およびその中間体化合物

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Publication number
JP2000344772A
JP2000344772A JP10122499A JP12249998A JP2000344772A JP 2000344772 A JP2000344772 A JP 2000344772A JP 10122499 A JP10122499 A JP 10122499A JP 12249998 A JP12249998 A JP 12249998A JP 2000344772 A JP2000344772 A JP 2000344772A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
methyl
dioxolen
oxo
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP10122499A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Matsui
博 松井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyoto Pharmaceutical Industries Ltd
Original Assignee
Kyoto Pharmaceutical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyoto Pharmaceutical Industries Ltd filed Critical Kyoto Pharmaceutical Industries Ltd
Priority to JP10122499A priority Critical patent/JP2000344772A/ja
Priority to CA002330641A priority patent/CA2330641A1/en
Priority to RU2000130224/04A priority patent/RU2222540C2/ru
Priority to TR2000/03199T priority patent/TR200003199T2/xx
Priority to BR9910098-3A priority patent/BR9910098A/pt
Priority to IDW20002432A priority patent/ID27081A/id
Priority to SK1638-2000A priority patent/SK16382000A3/sk
Priority to US09/674,363 priority patent/US6410525B1/en
Priority to DE69932927T priority patent/DE69932927D1/de
Priority to AT99918272T priority patent/ATE337321T1/de
Priority to HU0101735A priority patent/HUP0101735A3/hu
Priority to YU66700A priority patent/YU66700A/sh
Priority to KR1020007012121A priority patent/KR100589030B1/ko
Priority to PCT/JP1999/002301 priority patent/WO1999057121A1/ja
Priority to AU36272/99A priority patent/AU760386B2/en
Priority to CZ20003954A priority patent/CZ292623B6/cs
Priority to PL99343728A priority patent/PL343728A1/xx
Priority to CNB998080306A priority patent/CN1163494C/zh
Priority to NZ508493A priority patent/NZ508493A/en
Priority to EP99918272A priority patent/EP1078927B1/en
Priority to TW088106898A priority patent/TW528750B/zh
Priority to CO99026262A priority patent/CO5011051A1/es
Priority to ARP990102033A priority patent/AR018335A1/es
Priority to NO20005480A priority patent/NO20005480L/no
Priority to BG105004A priority patent/BG105004A/xx
Publication of JP2000344772A publication Critical patent/JP2000344772A/ja
Ceased legal-status Critical Current

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  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 〔式中、R1 は、生体内で加水分解される修飾基、R2
およびR3 は同一または異なっていてもよく、それぞれ
低級アルキル基を表す〕で示されるカルバペネム化合
物。 【効果】 本発明のカルバペネム化合物(I)は、経口
投与による消化管吸収性に優れており、かつ幅広い菌種
に対して十分な抗菌性を示すものであり、感染症(特
に、細菌感染症)予防・治療剤として極めて有用であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細菌感染症の予防
・治療剤等として有用な新規なカルバペネム化合物に関
する。更に詳細には、十分な抗菌性と経口吸収性を有す
る新規なカルバペネム化合物および当該化合物を有効成
分として含有する経口用抗菌剤、並びに当該カルバペネ
ム化合物製造用の中間体化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】これまでにカルバペネム骨格を有する多
くの化合物が感染症治療薬として見出され、その中から
優れた抗菌活性を有するいくつかのカルバペネム化合物
が実用化され、あるいは実用化のために開発が進められ
ている。例えば式(A)
【0003】
【化3】
【0004】で示されるカルバペネム化合物がすでに実
用化され、臨床に供されている。このカルバペネム化合
物は、幅広い抗菌スペクトラムと強い抗菌活性を有し、
しかも従来のカルバペネム化合物の欠点とされていた腎
デヒドロペプチダーゼに対する不安定性を克服したもの
であり、安定化剤を併用することなく単独で投与するこ
とが可能であるという優れた特徴を有する。
【0005】しかしながら、これらのカルバペネム化合
物は消化管からの吸収性に乏しく、臨床上注射剤として
投与されているに過ぎない。経口剤は注射剤に比べ、投
与が容易かつ簡便であり、臨床上その有用性は極めて高
い。そのため強力な抗菌活性と幅広い抗菌スペクトラム
を有し、且つ優れた消化管吸収性を有する経口投与用カ
ルバペネム化合物の開発が強く望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、優れ
た抗菌性および消化管からの吸収性を有するカルバペネ
ム化合物を提供することである。本発明の他の課題は、
当該カルバペネム化合物の用途を提供することである。
本発明のさらに他の課題は、当該カルバペネム化合物の
製造用に適した中間体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために鋭意研究を重ねてきた結果、下記の一般
式(I)で表される新規カルバペネム化合物が消化管吸
収性に優れ、しかもこれらの化合物が十分強力な抗菌性
を有し、経口用の抗菌剤として極めて有用なことを見出
し、さらに当該化合物の製造に利用される新規な中間体
化合物を見出して、本発明を完成するに至った。即ち、
本発明は、(1)一般式(I)
【0008】
【化4】
【0009】〔式中、R1 は生体内で加水分解される修
飾基を、R2 およびR3 は同一または異なっていてもよ
く、それぞれ低級アルキル基を表す〕で示されるカルバ
ペネム化合物、(2)R2 およびR3 が同一または異な
っていてもよく、それぞれ低級アルキル基である上記
(1)のカルバペネム化合物、(3)R1 がピバロイル
オキシメチル基である上記(1)のカルバペネム化合
物、(4)R1 がシクロヘキシルオキシカルボニルエチ
ル基である上記(1)のカルバペネム化合物、(5)R
1 がエトキシカルボニルエチル基である上記(1)のカ
ルバペネム化合物、(6)ピバロイルオキシメチル
(1R,5S,6S)−2−{(3S,5S)−[5−
N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−(5−メチル
−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチ
ルオキシカルボニル]ピロリジン−3−イルチオ}−6
−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカ
ルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、1−シク
ロヘキシルオキシカルボニルオキシエチル (1R,5
S,6S)−2−{(3S,5S)−[5−N,N−ジ
メチルアミノカルボニル−1−(5−メチル−2−オキ
ソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルオキシカ
ルボニル]ピロリジン−3−イルチオ}−6−[(1
R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン
−2−エム−3−カルボキシレート、1−エトキシカル
ボニルオキシエチル (1R,5S,6S)−2−
{(3S,5S)−[5−N,N−ジメチルアミノカル
ボニル−1−(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオ
キソレン−4−イル)メチルオキシカルボニル]ピロリ
ジン−3−イルチオ}−6−[(1R)−1−ヒドロキ
シエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カ
ルボキシレート、ピバロイルオキシメチル (1R,5
S,6S)−2−{(3S,5S)−[5−N,N−ジ
エチルアミノカルボニル−1−(5−メチル−2−オキ
ソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルオキシカ
ルボニル]ピロリジン−3−イルチオ}−6−[(1
R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン
−2−エム−3−カルボキシレート、およびピバロイル
オキシメチル (1R,5S,6S)−2−{(3S,
5S)−[5−N−エチル−N−メチルアミノカルボニ
ル−1−(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソ
レン−4−イル)メチルオキシカルボニル]ピロリジン
−3−イルチオ}−6−[(1R)−1−ヒドロキシエ
チル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボ
キシレートからなる群より選ばれる上記(1)のカルバ
ペネム化合物、(7)上記(1)の一般式(I)で表さ
れるカルバペネム化合物を有効成分として含有する抗菌
剤、(8)経口投与用である上記(7)の抗菌剤、
(9)一般式(II)
【0010】
【化5】
【0011】〔式中、R2 およびR3 は同一または異な
っていてもよく、それぞれ低級アルキル基を、R4 は水
素原子またはカルボキシル基の保護基を表す〕で示され
るカルバペネム化合物またはその塩、および(10)p
−ニトロベンジル (1R,5S,6S)−2−{(3
S,5S)−[5−N,N−ジメチルアミノカルボニル
−1−(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレ
ン−4−イル)メチルオキシカルボニル]ピロリジン−
3−イルチオ}−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチ
ル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキ
シレート、および(1R,5S,6S)−2−{(3
S,5S)−[5−N,N−ジメチルアミノカルボニル
−1−(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレ
ン−4−イル)メチルオキシカルボニル]ピロリジン−
3−イルチオ}−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチ
ル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン
酸ナトリウムからなる群より選ばれる上記(9)のカル
バペネム化合物に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本明細書で使用されてい
る各定義について説明する。R1 における「生体内で加
水分解される修飾基」としては、好ましくは腸管内また
は血中で加水分解されるものであり、例えば、置換基を
有していてもよいアリール基(例えば、フェニル基、ト
リル基、キシリル基、インダニル基等)、1−アルカノ
イルオキシアルキル基、1−アルコキシカルボニルオキ
シアルキル基、フタリジル基および5−メチル−2−オ
キソ−1,3−ジオキソレン−4−イルメチル基等が挙
げられる。なかでも、1−アルカノイルオキシアルキル
基、1−アルコキシカルボニルオキシアルキル基および
5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−
イルメチル基が好ましい。「置換基を有していてもよい
アリール基」とは、好ましくは無置換または1〜3個の
置換基により置換されていてもよいアリール基であり、
該置換基は同一または異なってもよい。置換基の具体例
としては、メチル基、エチル基等のアルキル基等が挙げ
られる。
【0013】「1−アルカノイルオキシアルキル基」に
おけるアルカノイル部分の炭素原子数は、好ましくは2
〜10個、より好ましくは2〜7個で、直鎖状、分枝鎖
状、環状のいずれでもよく、またアルキル部分の炭素原
子数は、好ましくは1〜3個、より好ましくは1または
2個である。「1−アルカノイルオキシアルキル基」と
しては、例えば、アセトキシメチル基、プロピオニルオ
キシメチル基、n−ブチリルオキシメチル基、イソブチ
リルオキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、n−
バレリルオキシメチル基、2−メチルブチリルオキシメ
チル基、イソバレリルオキシメチル基、n−ヘキサノイ
ルオキシメチル基、3−メチルバレリルオキシメチル
基、ネオヘキサノイルオキシメチル基、2−メチルヘキ
サノイルオキシメチル基、2,2−ジメチルバレリルオ
キシメチル基、ネオヘプタノイルオキシメチル基、シク
ロヘキサンカルボニルオキシメチル基、シクロヘキシル
アセトキシメチル基、1−アセトキシエチル基、1−プ
ロピオニルオキシエチル基、1−n−ブチリルオキシエ
チル基、1−イソブチリルオキシエチル基、1−n−バ
レリルオキシエチル基、1−ピバロイルオキシエチル
基、1−イソバレリルオキシエチル基、1−n−ヘキサ
ノイルオキシエチル基および1−シクロヘキサンカルボ
ニルオキシエチル基等が挙げられる。
【0014】「1−アルコキシカルボニルオキシアルキ
ル基」におけるアルコキシ部分の炭素原子数は、好まし
くは1〜10個、より好ましくは1〜7個で、直鎖状、
分枝鎖状、環状のいずれでもよく、またアルキル部分の
炭素原子数は、好ましくは1〜3個、より好ましくは1
または2個である。「1−アルコキシカルボニルオキシ
アルキル基」としては、例えば、1−メトキシカルボニ
ルオキシエチル基、1−エトキシカルボニルオキシエチ
ル基、1−n−プロポキシカルボニルオキシエチル基、
1−イソプロポキシカルボニルオキシエチル基、1−n
−ブトキシカルボニルオキシエチル基、1−sec−ブ
トキシカルボニルオキシエチル基、1−t−ブトキシカ
ルボニルオキシエチル基、1−ペンチルオキシカルボニ
ルオキシエチル基および1−シクロヘキシルオキシカル
ボニルオキシエチル基等が挙げられる。
【0015】R2 およびR3 における「低級アルキル
基」とは、炭素原子数1〜6個の直鎖状または分枝鎖状
のアルキル基をいい、例えば、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、
sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペ
ンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル
基、イソヘキシル基およびネオヘキシル基等が挙げられ
る。なかでも、メチル基、エチル基、プロピル基および
ブチル基が好ましい。
【0016】R4 における「カルボキシル基の保護基」
としては、例えば、t−ブチル基、t−アミル基、ベン
ジル基、p−ニトロベンジル基、p−メトキシベンジル
基、ジフェニルメチル基、p−ニトロフェニル基、メト
キシメチル基、エトキシメチル基、ベンジルオキシメチ
ル基、メチルチオメチル基、トリチル基、2,2,2−
トリクロロエチル基、トリメチルシリル基、ジフェニル
メトキシベンゼンスルホニルメチル基およびジメチルア
ミノエチル基等が挙げられる。なかでも、p−ニトロベ
ンジル基、p−メトキシベンジル基およびジフェニルメ
チル基が好ましい。
【0017】カルバペネム化合物(II)が、カルボキ
シル基を有している場合(R4 が水素原子である場合)
は、そのカルボキシル基において塩を形成することがで
きる。カルボキシル基における塩としては、例えば、ア
ルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩
等)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩、マ
グネシウム塩等)、有機塩基塩(例えば、トリエチルア
ミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、ピリジン塩等)等
が挙げられる。
【0018】本発明のカルバペネム化合物(I)または
カルバペネム化合物(II)のうち好ましいものの具体
例を挙げれば、以下の通りである。ピバロイルオキシメ
チル (1R,5S,6S)−2−{(3S,5S)−
[5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−(5−
メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イ
ル)メチルオキシカルボニル]ピロリジン−3−イルチ
オ}−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−
メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、
1−シクロヘキシルオキシカルボニルオキシエチル
(1R,5S,6S)−2−{(3S,5S)−[5−
N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−(5−メチル
−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチ
ルオキシカルボニル]ピロリジン−3−イルチオ}−6
−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカ
ルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、1−エト
キシカルボニルオキシエチル (1R,5S,6S)−
2−{(3S,5S)−[5−N,N−ジメチルアミノ
カルボニル−1−(5−メチル−2−オキソ−1,3−
ジオキソレン−4−イル)メチルオキシカルボニル]ピ
ロリジン−3−イルチオ}−6−[(1R)−1−ヒド
ロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3
−カルボキシレート、ピバロイルオキシメチル (1
R,5S,6S)−2−{(3S,5S)−[5−N,
N−ジエチルアミノカルボニル−1−(5−メチル−2
−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルオ
キシカルボニル]ピロリジン−3−イルチオ}−6−
[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカル
バペン−2−エム−3−カルボキシレート、ピバロイル
オキシメチル (1R,5S,6S)−2−{(3S,
5S)−[5−N−エチル−N−メチルアミノカルボニ
ル−1−(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソ
レン−4−イル)メチルオキシカルボニル]ピロリジン
−3−イルチオ}−6−[(1R)−1−ヒドロキシエ
チル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボ
キシレート、p−ニトロベンジル (1R,5S,6
S)−2−{(3S,5S)−[5−N,N−ジメチル
アミノカルボニル−1−(5−メチル−2−オキソ−
1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルオキシカルボ
ニル]ピロリジン−3−イルチオ}−6−[(1R)−
1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−
エム−3−カルボキシレート、および(1R,5S,6
S)−2−{(3S,5S)−[5−N,N−ジメチル
アミノカルボニル−1−(5−メチル−2−オキソ−
1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルオキシカルボ
ニル]ピロリジン−3−イルチオ}−6−[(1R)−
1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−
エム−3−カルボン酸ナトリウム等である。
【0019】カルバペネム化合物(I)およびカルバペ
ネム化合物(II)は、以下の製法1〜5のいずれかの
方法により製造することができる。
【0020】
【化6】
【0021】〔式中、R1 、R2 およびR3 は前記と同
義であり、Xは塩素、臭素またはヨウ素等のハロゲン原
子、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキ
シ、プロパンスルホニルオキシおよびブタンスルホニル
オキシ等のアルカンスルホニルオキシ基、フェニルスル
ホニルオキシおよびトリルスルホニルオキシ等のアリー
ルスルホニルオキシ基等の脱離基を表す。〕
【0022】化合物(I)は、反応を阻害しない溶媒
(例えば、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロ
フラン、クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチレン、
ベンゼン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキ
シド等、またはこれらの混合物)に化合物(IIa)を
溶解し、塩基の存在下にて、約1〜5倍モル量、好まし
くは約1〜2倍モル量の化合物(III)と反応させる
ことにより得られる。使用される塩基としては特に限定
はないが、好ましくは炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウ
ム等の無機塩基またはトリエチルアミン、ジイソプロピ
ルエチルアミン等の有機塩基等が挙げられる。反応温度
は特に限定はされないが、副反応を抑えるために比較的
低温で行うのが望ましく、通常は−30〜40℃、好ま
しくは−10〜10℃で行われる。反応時間は主に反応
温度、反応試薬の種類等によって異なるが、通常30分
〜10数時間である。
【0023】化合物(IIa)は、必要に応じてその反
応性誘導体(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のア
ルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、
トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、ピリ
ジン塩等)に導き、化合物(III)と反応させること
もできる。
【0024】
【化7】
【0025】〔式中、R1 、R2 およびR3 は前記と同
義であり、Yは塩素、イミダゾール−1−イル、p−ニ
トロフェニルオキシおよび2−フェニルアセトニトリル
−2−イル−イミノオキシ基等の脱離基を表す。〕
【0026】化合物(I)は、反応を阻害しない溶媒
(例えば、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロ
フラン、クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチレン、
ベンゼン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキ
シド等、またはこれらの混合物)に化合物(IV)を溶
解し、約1〜5倍モル量、好ましくは約1〜2倍モル量
の化合物(V)と反応させることにより得られる。尚、
化合物(IV)は製法1と同様にして、特開昭60−2
33076号公報等に記載のカルボン酸と化合物(II
I)とを反応させることにより得られる。本反応は、塩
基の存在下においても行うことができる。使用される塩
基としては特に限定はないが、好ましくは炭酸水素ナト
リウム、炭酸カリウム等の無機塩基またはトリエチルア
ミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基が挙げ
られる。反応温度は特に限定はされないが、副反応を抑
えるために比較的低温で行うのが望ましく、通常は−3
0〜40℃、好ましくは−10〜10℃で行われる。反
応時間は主に反応温度、反応試薬の種類等によって異な
るが、通常30分〜10数時間である。
【0027】
【化8】
【0028】〔式中、R2 、R3 およびR4 は前記と同
義であり、R5 はメタンスルホニル、エタンスルホニ
ル、プロパンスルホニルまたはブタンスルホニル等のア
ルカンスルホニル基、フェニルスルホニルまたはトリル
スルホニル等のアリールスルホニル基、ジメチルホスホ
リル、ジエチルホスホリル、ジイソプロピルホスホリル
またはジブチルホスホリル等のジアルキルホスホリル基
またはジフェニルホスホリルまたはジトリルホスホリル
等のジアリールホスホリル基を表す。〕
【0029】化合物(II)は、反応を阻害しない溶媒
(例えば、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロ
フラン、クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチレン、
ベンゼン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキ
シド等、またはこれらの混合物)に特開平8−1267
6号公報等に記載の化合物(VI)を溶解し、塩基の存
在下、約1〜5倍モル量、好ましくは約1〜3倍モル量
のメルカプト化合物(VII)と反応させることにより
得られる。使用される塩基としては特に限定はないが、
好ましくは炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等の無機
塩基またはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルア
ミン等の有機塩基が挙げられる。反応温度は特に限定は
されないが、副反応を抑えるために比較的低温で行うの
が望ましく、通常は−30〜40℃、好ましくは−10
〜10℃で行われる。反応時間は主に反応温度、反応試
薬の種類等によって異なるが、通常30分〜10数時間
である。化合物(II)を合成する際の出発原料である
化合物(VII)は以下のようにして得られる。
【0030】
【化9】
【0031】〔式中、R2 、R3 およびYは前記と同義
であり、R6 はチオール基の保護基を、R7 はアミノ基
の保護基を表す。〕
【0032】化合物(VII)は、特開昭60−233
076号公報等に記載の化合物(IX)のアミノ保護基
であるR7 を自体公知の方法にて除去し化合物(X)に
導き、化合物(X)と化合物(V)とを製法2と同様に
して反応させ、化合物(XI)に導いた後、次いでチオ
ール基の保護基であるR6 を自体公知の方法にて除去す
ることにより合成することができる。チオール基および
アミノ基の保護基としては、一般にこの分野の技術にお
いて用いられる保護基が使用できる。
【0033】
【化10】
【0034】〔式中、R2 、R3 、R4 およびYはそれ
ぞれ前記と同義である。〕
【0035】化合物(II)は、製法2と同様にして特
開昭60−233076号公報等に記載の化合物(VI
II)と化合物(V)とを反応させることにより得られ
る。
【0036】このようにして得られたカルバペネム化合
物(II)は、必要に応じて常法に従って、カルボキシ
ル基の保護基を除去することによって、R4 が水素原子
であるカルボン酸誘導体に変換することができる。保護
基の除去法はその種類によって異なるが、一般にこの分
野の技術で知られている方法によって除去することがで
きる。
【0037】
【化11】
【0038】〔式中、R1 、R2 、R3 およびR5 は前
記と同義である。〕
【0039】化合物(I)は、反応を阻害しない溶媒
(例えば、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロ
フラン、クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチレン、
ベンゼン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキ
シド等、またはこれらの混合物)に化合物(XII)を
溶解し、塩基の存在下、約1〜5倍モル量、好ましくは
約1〜3倍モル量のメルカプト化合物(VII)と反応
させることにより得られる。使用される塩基としては特
に限定はないが、好ましくは炭酸水素ナトリウム、炭酸
カリウム等の無機塩基またはトリエチルアミン、ジイソ
プロピルエチルアミン等の有機塩基が挙げられる。反応
温度は特に限定はされないが、副反応を抑えるために比
較的低温で行うのが望ましく、通常は−30〜40℃、
好ましくは−10〜10℃で行われる。反応時間は主に
反応温度、反応試薬の種類等によって異なるが、通常3
0分〜10数時間である。
【0040】カルバペネム化合物(I)またはカルバペ
ネム化合物(II)は、必要に応じて常法、例えば、再
結晶法、分取用薄層クロマトグラフィー、カラムクロマ
トグラフィー等によって精製することができる。また必
要に応じてその塩として精製することができる。
【0041】本発明の目的とする化合物(I)および化
合物(II)の好ましい立体配位は、次の化合物(I
a)および化合物(IIb)である。
【0042】
【化12】
【0043】〔式中、R1 、R2 およびR3 はそれぞれ
前記と同義である。〕
【0044】
【化13】
【0045】〔式中、R2 、R3 およびR4 はそれぞれ
前記と同義である。〕
【0046】カルバペネム化合物(I)は、経口投与す
ることによって速やかに血中へ吸収されて、その代謝物
として一般式(IV)においてR1 が水素原子であるカ
ルバペネム化合物となり、高い血中濃度を示す。従っ
て、カルバペネム化合物(I)を含有する感染症予防・
治療剤は、経口投与によって上述の通り優れた作用を有
するものであり、通常は経口剤として投与される。
【0047】当該感染症予防・治療剤は、自体公知の手
段に従って医薬用賦形剤で希釈することにより製造する
ことができる。賦形剤としては、例えば、デンプン、乳
糖、砂糖、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等が使用
される。
【0048】当該感染症予防・治療剤には、所望により
さらに他の添加剤を配合してもよく、例えば結合剤(例
えばデンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース
等)、滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム、タル
ク等)、崩壊剤(例えばカルボキシメチルセルロースカ
ルシウム、タルク等)等が好ましい添加剤として挙げら
れる。諸成分を混合した後、混合物を自体公知の手段に
従い、例えば、カプセル剤、錠剤、細粒剤、顆粒剤、ド
ライシロップ等経口投与に適した剤型に製剤化すること
によって、経口投与用の感染症予防・治療剤が製造され
る。
【0049】カルバペネム化合物(I)の投与量は、投
与対象、症状、その他によって異なるが、例えば成人の
化膿性疾患に対して投与する場合は、例えば1回量約1
〜40mg/kg体重程度を1日1〜4回程度経口投与
する。
【0050】また、当該カルバペネム化合物(I)は、
他の抗菌活性物質、例えば抗菌剤(ペニシリン類、アミ
ノグリコシド類、セファロスポリン類等)または細菌感
染による全身的な症状の治療薬(解熱剤、鎮痛剤、消炎
剤等)と併用してもよい。
【0051】次に実施例を挙げて本発明化合物の物性お
よび製造法を具体的に説明するが、本発明はこれらによ
って限定されるものではない。
【0052】
【実施例】実施例1 p−ニトロベンジル (1R,5S,6S)−2−
{(3S,5S)−[5−N,N−ジメチルアミノカル
ボニル−1−(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオ
キソレン−4−イル)メチルオキシカルボニル]ピロリ
ジン−3−イルチオ}−6−[(1R)−1−ヒドロキ
シエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カ
ルボキシレート (2S,4S)−2−N,N−ジメチルアミノカルボニ
ル−4−メルカプト−1−(5−メチル−2−オキソ−
1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルオキシカルボ
ニルピロリジン719mgをアセトニトリル11mlに
溶解し、窒素気流下、p−ニトロベンジル (1R,5
S,6S)−2−ジフェニルホスホリル−6−[(1
R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン
−2−エム−3−カルボキシレート1.15gおよびジ
イソプロピルエチルアミン0.38mlを0℃にて加え
た。同温度にて1時間攪拌後、酢酸エチル200mlを
加え、飽和食塩水100mlにて洗浄し、無水芒硝にて
乾燥した。減圧下酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーにて精製し、表題化合物9
11mgを得た。
【0053】1H−NMR(CDCl3 、δppm):
1.27(3H,d),1.33(3H,d),1.7
〜2.1,2.5〜2.9(2H,m),2.17(3
H,s),2.8〜4.4(13H,m),4.6〜
5.6(5H,m),7.64,8.20(4H,A2'
2').
【0054】実施例2 (1R,5S,6S)−2−{(3S,5S)−[5−
N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−(5−メチル
−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチ
ルオキシカルボニル]ピロリジン−3−イルチオ}−6
−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカ
ルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム p−ニトロベンジル (1R,5S,6S)−2−
{(3S,5S)−[5−N,N−ジメチルアミノカル
ボニル−1−(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオ
キソレン−4−イル)メチルオキシカルボニル]ピロリ
ジン−3−イルチオ}−6−[(1R)−1−ヒドロキ
シエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カ
ルボキシレート330mgをテトラヒドロフラン17m
lおよび0.1M MOPS緩衝液(pH7.0)17
mlの混液に溶解し、10%パラジウムカーボン330
mgを添加し、室温にて16時間水素添加した。反応液
をセライト濾過し、得られた濾液をジエチルエーテルに
て洗浄し、約5mlまで減圧下濃縮した。得られた溶液
をダイアイオンHP−21(三菱化成工業製)によるク
ロマトグラフィーに付し、減圧濃縮後、凍結乾燥し、表
題化合物130mgを得た。
【0055】IR(Nujol,cm-1):3393,
1819,1767,1707,16431 H−NMR(DMSO−d6 ,δppm):1.16
(3H,d),1.4〜1.9(1H,m),2.13
(3H,s),2.82(3H,s),3.01(3
H,brs),4.5〜5.0(3H,m).
【0056】実施例3 ピバロイルオキシメチル (1R,5S,6S)−2−
{(3S,5S)−[5−N,N−ジメチルアミノカル
ボニル−1−(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオ
キソレン−4−イル)メチルオキシカルボニル]ピロリ
ジン−3−イルチオ}−6−[(1R)−1−ヒドロキ
シエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カ
ルボキシレート (1R,5S,6S)−2−{(3S,5S)−[5−
N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−(5−メチル
−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチ
ルオキシカルボニル]ピロリジン−3−イルチオ}−6
−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカ
ルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム960
mgをN,N−ジメチルホルムアミド6mlに溶解し、
5℃に冷却した。ピバロイルオキシメチルヨーダイド7
00mgを加え、同温度にて1時間、35℃にて12時
間攪拌後、酢酸エチル150mlを加え、5%食塩水1
00mlにて洗浄し、無水芒硝にて乾燥した。減圧下酢
酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーにて精製し、表題化合物350mgを得た。
【0057】IR(Nujol,cm-1):3404,
1821,1780,1715,1651.1 H−NMR(CDCl3 ,δppm):1.22(9
H,s),1.26(3H,d),1.31(3H,
d),1.6〜2.1,2.5〜2.9(2H,m),
2.17(3H,s),2.8〜4.4(13H,
m),4.80(1H,m),4.72,4.99(2
H,ABq,J=13.2Hz),5.87,5.92
(2H,ABq,J=5.5Hz).
【0058】実施例4 ピバロイルオキシメチル (1R,5S,6S)−2−
{(3S,5S)−[5−N,N−ジメチルアミノカル
ボニル−1−(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオ
キソレン−4−イル)メチルオキシカルボニル]ピロリ
ジン−3−イルチオ}−6−[(1R)−1−ヒドロキ
シエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カ
ルボキシレート (1)(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−
5−N,N−ジメチルアミノカルボニルピロリジン−4
−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチ
ル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン
酸ナトリウム530mgをN,N−ジメチルホルムアミ
ド2.3mlに懸濁し、5℃に冷却した。ピバロイルオ
キシメチルヨーダイド819mgを加え、同温度にて1
時間攪拌後、酢酸エチル150mlを加え、5%食塩水
100mlにて洗浄し、無水芒硝にて乾燥した。減圧下
酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーにて精製し、ピバロイルオキシメチル (1
R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−5−N,N
−ジメチルアミノカルボニルピロリジン−4−イルチ
オ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−
メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート4
70mgを得た。
【0059】1H−NMR(CDCl3 ,δppm):
1.22(9H,s),1.2〜1.4(6H,m),
1.5〜1.8,2.4〜2.8(2H,m),2.9
8(3H,s),3.02(3H,s),3.0〜4.
4(8H,m),5.81,5.95(2H,ABq,
J=5.5Hz).
【0060】(2)(1)で得られた化合物497mg
を塩化メチレン5mlに溶解し、5℃に冷却した。(5
−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イ
ル)メチルオキシカルボニルクロリド231mgおよび
トリエチルアミン0.14mlを加え、同温度にて30
分間攪拌後、酢酸エチル150mlを加え、5%食塩水
100mlにて洗浄し、無水芒硝にて乾燥した。減圧下
酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーにて精製し、表題化合物140mgを得た。
【0061】実施例5 ピバロイルオキシメチル (1R,5S,6S)−2−
{(3S,5S)−[5−N,N−ジメチルアミノカル
ボニル−1−(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオ
キソレン−4−イル)メチルオキシカルボニル]ピロリ
ジン−3−イルチオ}−6−[(1R)−1−ヒドロキ
シエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カ
ルボキシレート実施例4の(1)で得られた化合物50
0mgをN,N−ジメチルホルムアミド2.5mlに溶
解し、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレ
ン−4−イル)メチル p−ニトロフェニルカーボネー
ト297mgおよびトリエチルアミン0.14mlを加
え、室温にて2時間攪拌後、酢酸エチル150mlを加
え、10%クエン酸100ml、5%重曹水100ml
および飽和食塩水100mlにて洗浄し、無水芒硝にて
乾燥した。減圧下酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーにて精製し、表題化合物3
50mgを得た。
【0062】実施例6 1−シクロヘキシルオキシカルボニルオキシエチル
(1R,5S,6S)−2−{(3S,5S)−[5−
N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−(5−メチル
−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチ
ルオキシカルボニル]ピロリジン−3−イルチオ}−6
−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカ
ルバペン−2−エム−3−カルボキシレート実施例4の
(1)と同様の方法で得られた1−シクロヘキシルオキ
シカルボニルオキシエチル (1R,5S,6S)−2
−{(3S,5S)−[5−N,N−ジメチルアミノカ
ルボニル)ピロリジン−3−イルチオ}−6−[(1
R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン
−2−エム−3−カルボキシレート2.0gを塩化メチ
レン20mlに溶解し、(5−メチル−2−オキソ−
1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルオキシカルボ
ニルクロリド830mgおよびトリエチルアミン0.5
0mlを加え、室温にて2時間攪拌後、酢酸エチル15
0mlを加え、5%食塩水100mlにて洗浄し、無水
芒硝にて乾燥した。減圧下酢酸エチルを留去し、残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、表題
化合物680mgを得た。
【0063】IR(Nujol,cm-1):3402,
1821,1759,1713,1647.1 H−NMR(CDCl3 ,δppm):1.0〜2.
1(20H,m),2.16(3H,s),2.96
(3H,s),3.06.3.09(3H,s),3.
0〜4.4(7H,m),4.5〜5.2(4H,
m),6.7〜7.0(1H,q).
【0064】実施例7 1−エトキシカルボニルオキシエチル (1R,5S,
6S)−2−{(3S,5S)−[5−N,N−ジメチ
ルアミノカルボニル−1−(5−メチル−2−オキソ−
1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルオキシカルボ
ニル]ピロリジン−3−イルチオ}−6−[(1R)−
1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−
エム−3−カルボキシレート 実施例4の(1)と同様の方法で得られた1−エトキシ
カルボニルオキシエチル (1R,5S,6S)−2−
{(3S,5S)−[5−N,N−ジメチルアミノカル
ボニル)ピロリジン−3−イルチオ}−6−[(1R)
−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2
−エム−3−カルボキシレート1.0gをN,N−ジメ
チルホルムアミド5mlに溶解し、(5−メチル−2−
オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル p
−ニトロフェニルカーボネート606mgおよびトリエ
チルアミン0.29mlを加え、室温にて2時間攪拌
後、酢酸エチル150mlを加え、5%食塩水100m
lにて洗浄し、無水芒硝にて乾燥した。減圧下酢酸エチ
ルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーにて精製し、表題化合物300mgを得た。
【0065】IR(Nujol,cm-1):3404,
1820,1758,1714,1650.1 H−NMR(CDCl3 ,δppm):1.22(3
H,t),1.27(3H,d),1.32(3H,
d),1.51(3H,d),1.6〜2.0,2.5
〜2.8(2H,m),2.16(3H,s),2.8
〜4.4(15H,m),4.5〜5.2(3H,
m),6.7〜7.0(1H,q).
【0066】次に本発明化合物の優れた性質を明らかに
するために、以下のようにして経口吸収実験を行った。
【0067】
【実験例】実験例1(経口吸収実験) マウス(一群3匹)に本発明化合物(実施例3の化合
物)20mg/kgを経口投与し、加水分解されたカル
バペネム化合物(A)の0.25、0.5、1.0、
2.0、3.0時間後における各血漿中濃度を、HPL
C法で測定した。結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
【発明の効果】カルバペネム化合物(I)は、経口投与
による消化管吸収性に優れており、かつ幅広い菌種に対
して十分な抗菌性を示すものであり、感染症(特に、細
菌感染症)予防・治療剤として極めて有用である。当該
感染症予防・治療剤は、例えば人を含む温血動物(犬、
ネコ、牛、馬、ラット、マウス等)の細菌に起因する疾
患(例えば、化膿性疾患、呼吸器感染症、胆道感染症、
尿路感染症等)に対する予防・治療剤として用いること
ができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 〔式中、R1 は生体内で加水分解される修飾基を、R2
    およびR3 は同一または異なっていてもよく、それぞれ
    低級アルキル基を表す〕で示されるカルバペネム化合
    物。
  2. 【請求項2】 R2 およびR3 は同一または異なってい
    てもよく、それぞれ低級アルキル基である請求項1記載
    のカルバペネム化合物。
  3. 【請求項3】 R1 がピバロイルオキシメチル基である
    請求項1記載のカルバペネム化合物。
  4. 【請求項4】 R1 が1−シクロヘキシルオキシカルボ
    ニルオキシエチル基である請求項1記載のカルバペネム
    化合物。
  5. 【請求項5】 R1 が1−エトキシカルボニルオキシエ
    チル基である請求項1記載のカルバペネム化合物。
  6. 【請求項6】 ピバロイルオキシメチル (1R,5
    S,6S)−2−{(3S,5S)−[5−N,N−ジ
    メチルアミノカルボニル−1−(5−メチル−2−オキ
    ソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルオキシカ
    ルボニル]ピロリジン−3−イルチオ}−6−[(1
    R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン
    −2−エム−3−カルボキシレート、 1−シクロヘキシルオキシカルボニルオキシエチル
    (1R,5S,6S)−2−{(3S,5S)−[5−
    N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−(5−メチル
    −2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチ
    ルオキシカルボニル]ピロリジン−3−イルチオ}−6
    −[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカ
    ルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、および1
    −エトキシカルボニルオキシエチル (1R,5S,6
    S)−2−{(3S,5S)−[5−N,N−ジメチル
    アミノカルボニル−1−(5−メチル−2−オキソ−
    1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルオキシカルボ
    ニル]ピロリジン−3−イルチオ}−6−[(1R)−
    1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−
    エム−3−カルボキシレートからなる群より選ばれる請
    求項1記載のカルバペネム化合物。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の一般式(I)で示される
    カルバペネム化合物を有効成分として含有する抗菌剤。
  8. 【請求項8】 経口投与用である請求項7記載の抗菌
    剤。
  9. 【請求項9】 一般式(II) 【化2】 〔式中、R2 およびR3 は同一または異なっていてもよ
    く、それぞれ低級アルキル基を、R4 は水素原子または
    カルボキシル基の保護基を表す〕で示されるカルバペネ
    ム化合物またはその塩。
  10. 【請求項10】 p−ニトロベンジル (1R,5S,
    6S)−2−{(3S,5S)−[5−N,N−ジメチ
    ルアミノカルボニル−1−(5−メチル−2−オキソ−
    1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルオキシカルボ
    ニル]ピロリジン−3−イルチオ}−6−[(1R)−
    1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−
    エム−3−カルボキシレート、および(1R,5S,6
    S)−2−{(3S,5S)−[5−N,N−ジメチル
    アミノカルボニル−1−(5−メチル−2−オキソ−
    1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルオキシカルボ
    ニル]ピロリジン−3−イルチオ}−6−[(1R)−
    1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−
    エム−3−カルボン酸ナトリウムからなる群より選ばれ
    る請求項9記載のカルバペネム化合物。
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