JP2000343841A - 熱転写シート及び記録方法 - Google Patents
熱転写シート及び記録方法Info
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- JP2000343841A JP2000343841A JP15811499A JP15811499A JP2000343841A JP 2000343841 A JP2000343841 A JP 2000343841A JP 15811499 A JP15811499 A JP 15811499A JP 15811499 A JP15811499 A JP 15811499A JP 2000343841 A JP2000343841 A JP 2000343841A
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- Japan
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- Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 記録部と非記録部とのコントラストが高く、
熱によって簡単に、記録部を消去することができる熱転
写シートを提供し、また記録された紙(被転写体)の記
録部を消去でき、紙の再使用が可能となる記録方法を提
供する。 【解決手段】 基材フィルムの上に、呈色性化合物と顕
色剤と消色剤及びバインダーを含有する熱転写着色層を
設けた熱転写シートにおいて、該熱転写着色層が被転写
体に転写された記録部で該呈色性化合物と顕色剤との相
互作用により発色状態にあり、転写記録後には該消色剤
が熱転写着色層の溶融時に、顕色剤及び呈色性化合物の
うち一方を優先的に溶解し、上記の発色を止め、消色状
態とする。但し、消去開始温度未満の温度の加熱によ
り、記録し、その後に消去開始温度以上の熱を加えるこ
とにより、記録部を消去するものである。
熱によって簡単に、記録部を消去することができる熱転
写シートを提供し、また記録された紙(被転写体)の記
録部を消去でき、紙の再使用が可能となる記録方法を提
供する。 【解決手段】 基材フィルムの上に、呈色性化合物と顕
色剤と消色剤及びバインダーを含有する熱転写着色層を
設けた熱転写シートにおいて、該熱転写着色層が被転写
体に転写された記録部で該呈色性化合物と顕色剤との相
互作用により発色状態にあり、転写記録後には該消色剤
が熱転写着色層の溶融時に、顕色剤及び呈色性化合物の
うち一方を優先的に溶解し、上記の発色を止め、消色状
態とする。但し、消去開始温度未満の温度の加熱によ
り、記録し、その後に消去開始温度以上の熱を加えるこ
とにより、記録部を消去するものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写記録した後
に、消去、修正することが可能な熱転写フィルム及び記
録方法に関する。
に、消去、修正することが可能な熱転写フィルム及び記
録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、事務機器のコンピューター化が進
む中で、各種情報のデータ量は益々増大しており、情報
の出力もそれに合わせて増加している。情報の出力はモ
ニターへのディスプレー出力や各種プリンターによる紙
へのハードコピー出力に代表さされる。しかし、ディス
プレー出力では、表示部に大規模な回路基板が必要であ
るため、携帯するには困難な点があり、またコストが高
い点等の問題がある。また、ハードコピー出力では、情
報が増加すると、記録媒体としての紙を大量に使用する
点で、紙(パルプ)の原料供給や、記録後の紙の廃棄の
点で、資源保護の観点から問題がある。また、プリンタ
ーや複写機により記録した紙を再生するには、多量の漂
白剤や水を必要とするため再生コストも高くなる。それ
に対し、消去可能なインクを用いて、紙に情報を記録
し、このインクを消去して白紙状態に戻した紙を再使用
することにより、実質的な紙の使用量を減らすことが検
討されている。
む中で、各種情報のデータ量は益々増大しており、情報
の出力もそれに合わせて増加している。情報の出力はモ
ニターへのディスプレー出力や各種プリンターによる紙
へのハードコピー出力に代表さされる。しかし、ディス
プレー出力では、表示部に大規模な回路基板が必要であ
るため、携帯するには困難な点があり、またコストが高
い点等の問題がある。また、ハードコピー出力では、情
報が増加すると、記録媒体としての紙を大量に使用する
点で、紙(パルプ)の原料供給や、記録後の紙の廃棄の
点で、資源保護の観点から問題がある。また、プリンタ
ーや複写機により記録した紙を再生するには、多量の漂
白剤や水を必要とするため再生コストも高くなる。それ
に対し、消去可能なインクを用いて、紙に情報を記録
し、このインクを消去して白紙状態に戻した紙を再使用
することにより、実質的な紙の使用量を減らすことが検
討されている。
【0003】従来より、カーボンブラックに代表される
顔料、染料等の着色剤を熱溶融性のワックスや、樹脂等
のバインダーに分散させた熱転写着色層を有する熱溶融
転写シートの印字物は、いったん記録したものは消去す
ることがほとんど出来なかった。特開平7−81236
号には、熱を加えることにより消去可能なインクが開示
されていて、そのインクはロイコ染料等の呈色性化合物
と、顕色剤と、消去作用を有する有機リン酸化合物とを
含有するものである。しかし、このような材料からなる
熱転写着色層を用いた場合、消去が不十分で元の白紙状
態の紙(被転写体)に戻すことが困難である。このため
に、消去を可能にする熱転写シートは未だ実用化されて
いないのが現状である。
顔料、染料等の着色剤を熱溶融性のワックスや、樹脂等
のバインダーに分散させた熱転写着色層を有する熱溶融
転写シートの印字物は、いったん記録したものは消去す
ることがほとんど出来なかった。特開平7−81236
号には、熱を加えることにより消去可能なインクが開示
されていて、そのインクはロイコ染料等の呈色性化合物
と、顕色剤と、消去作用を有する有機リン酸化合物とを
含有するものである。しかし、このような材料からなる
熱転写着色層を用いた場合、消去が不十分で元の白紙状
態の紙(被転写体)に戻すことが困難である。このため
に、消去を可能にする熱転写シートは未だ実用化されて
いないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、記録
部と非記録部とのコントラストが高く、熱によって簡単
に、記録部を消去することができる熱転写シートを提供
し、また記録された紙(被転写体)の記録部を消去で
き、紙の再使用が可能となる記録方法を提供するもので
ある。
部と非記録部とのコントラストが高く、熱によって簡単
に、記録部を消去することができる熱転写シートを提供
し、また記録された紙(被転写体)の記録部を消去で
き、紙の再使用が可能となる記録方法を提供するもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、基材フィルムの上に、呈色性化合物と顕
色剤と消色剤及びバインダーを含有する熱転写着色層を
設けた熱転写シートにおいて、該熱転写着色層が転写さ
れた記録部で該呈色性化合物と顕色剤との相互作用によ
り発色状態にあり、転写記録後に該消色剤が熱転写着色
層の溶融時に、顕色剤及び呈色性化合物のうち一方を優
先的に溶解し、上記の発色を止め、消色状態とするもの
で、該バインダーが消去開始温度よりも低い融点を有
し、消去開始温度以上の熱を加えることにより記録部が
消去されることを特徴とする。
に、本発明は、基材フィルムの上に、呈色性化合物と顕
色剤と消色剤及びバインダーを含有する熱転写着色層を
設けた熱転写シートにおいて、該熱転写着色層が転写さ
れた記録部で該呈色性化合物と顕色剤との相互作用によ
り発色状態にあり、転写記録後に該消色剤が熱転写着色
層の溶融時に、顕色剤及び呈色性化合物のうち一方を優
先的に溶解し、上記の発色を止め、消色状態とするもの
で、該バインダーが消去開始温度よりも低い融点を有
し、消去開始温度以上の熱を加えることにより記録部が
消去されることを特徴とする。
【0006】本発明の記録方法は、上記に記載する熱転
写シートと被転写体を用いて、消去開始温度未満の温度
の加熱により、記録し、その後に消去開始温度以上の熱
を加えることにより、記録部を消去することを特徴とす
る。
写シートと被転写体を用いて、消去開始温度未満の温度
の加熱により、記録し、その後に消去開始温度以上の熱
を加えることにより、記録部を消去することを特徴とす
る。
【0007】
【作用】本発明は、基材フィルムの上に、呈色性化合物
と顕色剤と消色剤及びバインダーを含有する熱転写着色
層を設けた熱転写シートにおいて、該熱転写着色層が被
転写体に転写された記録部で該呈色性化合物と顕色剤と
の相互作用により発色状態にあり、転写記録後には該消
色剤が熱転写着色層の溶融時に、顕色剤及び呈色性化合
物のうち一方を優先的に溶解し、上記の発色を止め、消
色状態とする。但し、消去開始温度未満の温度の加熱に
より、記録し、その後に消去開始温度以上の熱を加える
ことにより、記録部を消去するものである。以上によ
り、記録部と非記録部とのコントラストが高く、熱によ
って簡単に、記録された紙(被転写体)の記録部を消去
でき、紙の再使用が可能となる。
と顕色剤と消色剤及びバインダーを含有する熱転写着色
層を設けた熱転写シートにおいて、該熱転写着色層が被
転写体に転写された記録部で該呈色性化合物と顕色剤と
の相互作用により発色状態にあり、転写記録後には該消
色剤が熱転写着色層の溶融時に、顕色剤及び呈色性化合
物のうち一方を優先的に溶解し、上記の発色を止め、消
色状態とする。但し、消去開始温度未満の温度の加熱に
より、記録し、その後に消去開始温度以上の熱を加える
ことにより、記録部を消去するものである。以上によ
り、記録部と非記録部とのコントラストが高く、熱によ
って簡単に、記録された紙(被転写体)の記録部を消去
でき、紙の再使用が可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態につい
て、詳述する。本発明の熱転写シートは、基材フィルム
の上に、呈色性化合物と顕色剤と消色剤及びバインダー
を含有する熱転写着色層を設けたもので、該熱転写着色
層が転写された記録部で該呈色性化合物と顕色剤との相
互作用により発色状態にあり、転写記録後に該消色剤が
熱転写着色層の溶融時に、顕色剤及び呈色性化合物のう
ち一方を優先的に溶解し、上記の発色を止め、消色状態
とするもので、該バインダーが消去開始温度よりも低い
融点を有し、消去開始温度以上の熱を加えることにより
記録部が消去される。そして、該基材フィルムの他方の
面に背面層を設けることができる。また、本発明の熱転
写シートは必要に応じて、基材フィルムと熱転写着色層
との間に剥離層を、また熱転写着色層の上に接着層を設
けることも可能である。
て、詳述する。本発明の熱転写シートは、基材フィルム
の上に、呈色性化合物と顕色剤と消色剤及びバインダー
を含有する熱転写着色層を設けたもので、該熱転写着色
層が転写された記録部で該呈色性化合物と顕色剤との相
互作用により発色状態にあり、転写記録後に該消色剤が
熱転写着色層の溶融時に、顕色剤及び呈色性化合物のう
ち一方を優先的に溶解し、上記の発色を止め、消色状態
とするもので、該バインダーが消去開始温度よりも低い
融点を有し、消去開始温度以上の熱を加えることにより
記録部が消去される。そして、該基材フィルムの他方の
面に背面層を設けることができる。また、本発明の熱転
写シートは必要に応じて、基材フィルムと熱転写着色層
との間に剥離層を、また熱転写着色層の上に接着層を設
けることも可能である。
【0009】(基材フィルム)本発明の熱転写フィルム
で用いられる基材フィルムとしては、従来の熱転写フィ
ルムに使用されているものと同じ基材フィルムをそのま
ま用いることが出来ると共に、その他のものも使用する
ことが出来、特に制限されない。好ましい基材フィルム
の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト等のポリエステル、ポリプロピレン、セロハン、ポリ
カーボネート、酢酸セルロース、トリアセチルセルロー
ス、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナ
イロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニル
アルコール、フッ素樹脂、塩化ゴム、アイオノマー等の
ように比較的耐熱性の良いプラスチック、コンデンサー
紙、パラフィン紙等の紙類、不織布等があり、又、これ
らを複合したものであってもよい。この基材フィルムの
厚さは、その強度及び熱伝導性が適切になるように材料
に応じて適宜変更することが出来るが、その厚さは、好
ましくは、例えば、2〜25μmである。
で用いられる基材フィルムとしては、従来の熱転写フィ
ルムに使用されているものと同じ基材フィルムをそのま
ま用いることが出来ると共に、その他のものも使用する
ことが出来、特に制限されない。好ましい基材フィルム
の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト等のポリエステル、ポリプロピレン、セロハン、ポリ
カーボネート、酢酸セルロース、トリアセチルセルロー
ス、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナ
イロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニル
アルコール、フッ素樹脂、塩化ゴム、アイオノマー等の
ように比較的耐熱性の良いプラスチック、コンデンサー
紙、パラフィン紙等の紙類、不織布等があり、又、これ
らを複合したものであってもよい。この基材フィルムの
厚さは、その強度及び熱伝導性が適切になるように材料
に応じて適宜変更することが出来るが、その厚さは、好
ましくは、例えば、2〜25μmである。
【0010】(熱転写着色層)本発明の熱転写フィルム
の基材フィルムの上に設ける熱転写着色層は、呈色性化
合物と顕色剤と消色剤及びバインダーを含有し、該熱転
写着色層が転写された記録部で該呈色性化合物と顕色剤
との相互作用により発色状態にあり、転写記録後に該消
色剤が熱転写着色層の溶融時に、顕色剤及び呈色性化合
物のうち一方を優先的に溶解し、上記の発色を止め、消
色状態となり、該バインダーが消去開始温度よりも低い
融点を有し、消去開始温度以上の熱を加えることにより
記録部が消去される。熱転写着色層は、呈色性化合物と
顕色剤と消色剤と及びバインダーからなり、さらに必要
に応じ分散剤、帯電防止剤など、種々の添加剤を加えた
ものでよい。
の基材フィルムの上に設ける熱転写着色層は、呈色性化
合物と顕色剤と消色剤及びバインダーを含有し、該熱転
写着色層が転写された記録部で該呈色性化合物と顕色剤
との相互作用により発色状態にあり、転写記録後に該消
色剤が熱転写着色層の溶融時に、顕色剤及び呈色性化合
物のうち一方を優先的に溶解し、上記の発色を止め、消
色状態となり、該バインダーが消去開始温度よりも低い
融点を有し、消去開始温度以上の熱を加えることにより
記録部が消去される。熱転写着色層は、呈色性化合物と
顕色剤と消色剤と及びバインダーからなり、さらに必要
に応じ分散剤、帯電防止剤など、種々の添加剤を加えた
ものでよい。
【0011】熱転写着色層の構成要素の説明を以下に行
う。呈色性化合物とは色素の前駆体であり、顕色剤とは
呈色性化合物との電子の授受等の相互作用により呈色性
化合物を着色させる化合物であり、消色剤は、溶融時に
呈色性化合物または顕色剤のいずれか一方を優先的に溶
解する性質をもつ化合物である。呈色性化合物、顕色剤
と消色剤の3成分が共存する場合、発色状態と消色状態
の2つの状態をとる。ひとつの状態は、呈色性化合物お
よび顕色剤が、消色剤の平衡溶解度を越えて存在するた
め、平衡溶解度の範囲内の呈色性化合物および顕色剤は
着色しないが、平衡溶解度を超えた分の呈色性化合物お
よび顕色剤が相互作用した結果の発色状態である。ま
た、もうひとつの状態は、消色剤が呈色性化合物または
顕色剤を平衡状態を越えて多量に取り込み、呈色性化合
物または顕色剤の相互作用が減少した結果の消色状態で
ある。
う。呈色性化合物とは色素の前駆体であり、顕色剤とは
呈色性化合物との電子の授受等の相互作用により呈色性
化合物を着色させる化合物であり、消色剤は、溶融時に
呈色性化合物または顕色剤のいずれか一方を優先的に溶
解する性質をもつ化合物である。呈色性化合物、顕色剤
と消色剤の3成分が共存する場合、発色状態と消色状態
の2つの状態をとる。ひとつの状態は、呈色性化合物お
よび顕色剤が、消色剤の平衡溶解度を越えて存在するた
め、平衡溶解度の範囲内の呈色性化合物および顕色剤は
着色しないが、平衡溶解度を超えた分の呈色性化合物お
よび顕色剤が相互作用した結果の発色状態である。ま
た、もうひとつの状態は、消色剤が呈色性化合物または
顕色剤を平衡状態を越えて多量に取り込み、呈色性化合
物または顕色剤の相互作用が減少した結果の消色状態で
ある。
【0012】仮に、消色剤が、溶融時に顕色剤を優先的
に溶解する性質をもつとすると、室温では、呈色性化合
物、顕色剤、および消色剤の各相は、相分離した状態が
平衡状態に近く、この状態で、呈色性化合物と顕色剤と
が相互作用の結果、発色状態となる。この状態のもの
を、融点以上に加熱すると、顕色剤が溶融した消色剤に
優先的に溶解し、呈色性化合物と相互作用する結果、消
色状態になる。この溶融した状態にある3つの成分を急
冷すると、消色剤は、平衡溶解度を越えた量の顕色剤を
取り込んで非晶質化し、常温で無色となる。この無色の
状態は平衡状態ではないが、ガラス転移点以下であれ
ば、十分長寿命であり、ガラス転移温度以上であって
も、非晶質の状態から容易に平衡状態に移ることはな
い。
に溶解する性質をもつとすると、室温では、呈色性化合
物、顕色剤、および消色剤の各相は、相分離した状態が
平衡状態に近く、この状態で、呈色性化合物と顕色剤と
が相互作用の結果、発色状態となる。この状態のもの
を、融点以上に加熱すると、顕色剤が溶融した消色剤に
優先的に溶解し、呈色性化合物と相互作用する結果、消
色状態になる。この溶融した状態にある3つの成分を急
冷すると、消色剤は、平衡溶解度を越えた量の顕色剤を
取り込んで非晶質化し、常温で無色となる。この無色の
状態は平衡状態ではないが、ガラス転移点以下であれ
ば、十分長寿命であり、ガラス転移温度以上であって
も、非晶質の状態から容易に平衡状態に移ることはな
い。
【0013】尚、本発明の熱転写着色層は、呈色性化合
物、顕色剤と消色剤の3成分と、顔料及び/または染料
を含んでいるので、上記の発色状態時には、呈色性化合
物と顕色剤との発色の色彩と、顔料及び/または染料の
色彩の混色が現れる。但し、該呈色性化合物と顕色剤と
の発色は該顔料及び/または染料の色彩と異なってい
る。一方、熱転写着色層の消色状態時には、消色剤が該
熱転写着色層の溶融時に、顕色剤及び呈色性化合物のう
ち一方を優先的に溶解して、熱転写着色層の発色を止
め、顔料及び/または染料の色彩が出てくる。
物、顕色剤と消色剤の3成分と、顔料及び/または染料
を含んでいるので、上記の発色状態時には、呈色性化合
物と顕色剤との発色の色彩と、顔料及び/または染料の
色彩の混色が現れる。但し、該呈色性化合物と顕色剤と
の発色は該顔料及び/または染料の色彩と異なってい
る。一方、熱転写着色層の消色状態時には、消色剤が該
熱転写着色層の溶融時に、顕色剤及び呈色性化合物のう
ち一方を優先的に溶解して、熱転写着色層の発色を止
め、顔料及び/または染料の色彩が出てくる。
【0014】まず、 呈色性化合物としては、ロイコオ
ーラミン類、ジアリールフタリド類、ポリアリールカル
ビノール類、アシルオーラミン類、アリールオーラミン
類、ローダミンBラクタム類、インドリン類、スピロピ
ラン類、フルオラン類等の電子供与性有機化合物が挙げ
られる。
ーラミン類、ジアリールフタリド類、ポリアリールカル
ビノール類、アシルオーラミン類、アリールオーラミン
類、ローダミンBラクタム類、インドリン類、スピロピ
ラン類、フルオラン類等の電子供与性有機化合物が挙げ
られる。
【0015】具体的な呈色性化合物としては、クリスタ
ルバイオレットラクトン、マラカイトグリーンラクト
ン、2−アニリノ−6−(N−シクロヘキシル−N−メ
チルアミノ)−3−メチルフルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−(N−プロピルアミノ)フルオラン、
3−[4−(4−フェニルアミノフェニル)アミノフェ
ニル]アミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、2
−アニリノ−6−(N−メチル−N−イソブチルアミ
ノ)−3−メチルフルオラン、2−アニリノ−6−(ジ
ブチルアミノ)−3−メチルフルオラン、3−クロロ−
6−(シクロヘキシルアミノ)フルオラン、2−クロロ
−6−(ジエチルアミノ)フルオラン、7−(N,N−
ジベンジルアミノ)−3−(N,N−ジエチルアミノ)
フルオラン、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラ
ン−γ−(4’−ニトロアニリノ)ラクタム、3−ジエ
チルアミノベンゾ[a]−フルオラン、3−ジエチルア
ミノ−6−メチル−7−アミノフルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−7−キシリジノフルオラン、3−(4−ジエ
チルアミノ−2−エトキシェニル)−3−(1−エチル
−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリ
ド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−
エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、
3−ジエチルアミノ−7−クロロアニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3,
3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3
−イル)フタリド、3,6−ジメチルエトキシフルオラ
ン、3,6−ジエチルアミノ−6−メトキシ−7−アミ
ノフルオラン、DEPM、ATP、ETAC、2−(2
−クロロアニリノ)−6−ジブチルジノフルオラン、ク
リスタルバイオレットカルビノール、マラカイトグリー
ンカルビノール、N−(2,3−ジクロロフェニル)ロ
イコオーラミン、N−ベンゾイルオーラミン、ローダミ
ンBラクタム、N−アセチルオーラミン、N−フェニル
オーラミン、2−(フェニルイミノエタンジリデン)−
3,3−ジメチルインドリン、N,3,3−トリメチル
インドリノベンゾスビロピラン、8’−メトキシN,
3,3−トリメチルインドリノベンゾスビロピラン、3
−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3
−ジエルアミノ−6−ベンジルオキシフルオラン、1,
2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、3,6−
ジ−p−トルイジノ−5−ジメチルフルオラン、ブェニ
ルヒドラジド−γ−ラクタム、3−アミノ−5−メチル
−フルオラン等が挙げられる。これらは単独または2種
類以上選択して、混合して使用することができる。
ルバイオレットラクトン、マラカイトグリーンラクト
ン、2−アニリノ−6−(N−シクロヘキシル−N−メ
チルアミノ)−3−メチルフルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−(N−プロピルアミノ)フルオラン、
3−[4−(4−フェニルアミノフェニル)アミノフェ
ニル]アミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、2
−アニリノ−6−(N−メチル−N−イソブチルアミ
ノ)−3−メチルフルオラン、2−アニリノ−6−(ジ
ブチルアミノ)−3−メチルフルオラン、3−クロロ−
6−(シクロヘキシルアミノ)フルオラン、2−クロロ
−6−(ジエチルアミノ)フルオラン、7−(N,N−
ジベンジルアミノ)−3−(N,N−ジエチルアミノ)
フルオラン、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラ
ン−γ−(4’−ニトロアニリノ)ラクタム、3−ジエ
チルアミノベンゾ[a]−フルオラン、3−ジエチルア
ミノ−6−メチル−7−アミノフルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−7−キシリジノフルオラン、3−(4−ジエ
チルアミノ−2−エトキシェニル)−3−(1−エチル
−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリ
ド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−
エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、
3−ジエチルアミノ−7−クロロアニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3,
3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3
−イル)フタリド、3,6−ジメチルエトキシフルオラ
ン、3,6−ジエチルアミノ−6−メトキシ−7−アミ
ノフルオラン、DEPM、ATP、ETAC、2−(2
−クロロアニリノ)−6−ジブチルジノフルオラン、ク
リスタルバイオレットカルビノール、マラカイトグリー
ンカルビノール、N−(2,3−ジクロロフェニル)ロ
イコオーラミン、N−ベンゾイルオーラミン、ローダミ
ンBラクタム、N−アセチルオーラミン、N−フェニル
オーラミン、2−(フェニルイミノエタンジリデン)−
3,3−ジメチルインドリン、N,3,3−トリメチル
インドリノベンゾスビロピラン、8’−メトキシN,
3,3−トリメチルインドリノベンゾスビロピラン、3
−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3
−ジエルアミノ−6−ベンジルオキシフルオラン、1,
2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、3,6−
ジ−p−トルイジノ−5−ジメチルフルオラン、ブェニ
ルヒドラジド−γ−ラクタム、3−アミノ−5−メチル
−フルオラン等が挙げられる。これらは単独または2種
類以上選択して、混合して使用することができる。
【0016】本発明で用いる熱転写着色層のインキ組成
物の成分である顕色剤としては、フェノール類、フェノ
ール金属塩類、カルボン酸金属塩類、ベンゾフェノン
系、スルホン酸、スルホン酸塩、リン酸類、リン酸金属
塩類、酸性リン酸エステル類、酸性リン酸エステル金属
塩類、亜リン酸類、亜リン酸金属塩等の酸性化合物が挙
げられ、やはり、単独または2種類以上選択して、混合
して使用することができる。
物の成分である顕色剤としては、フェノール類、フェノ
ール金属塩類、カルボン酸金属塩類、ベンゾフェノン
系、スルホン酸、スルホン酸塩、リン酸類、リン酸金属
塩類、酸性リン酸エステル類、酸性リン酸エステル金属
塩類、亜リン酸類、亜リン酸金属塩等の酸性化合物が挙
げられ、やはり、単独または2種類以上選択して、混合
して使用することができる。
【0017】本発明で用いる消色剤は、非晶質状態で無
色透明であるものほどよい。このため、分子量が大き
く、重量当たりの結晶の融解エンタルピ変化が小さく、
最大結晶成長速度の小さい化合物であることが望まし
い。ステロイド骨格等、球状に近く嵩高い分子骨格を持
つものが好ましい。また消色剤に対する顕色剤の親和性
が高い方が顕色剤の溶解度が高く、例えばアルコール性
水酸基を有する化合物が適している。
色透明であるものほどよい。このため、分子量が大き
く、重量当たりの結晶の融解エンタルピ変化が小さく、
最大結晶成長速度の小さい化合物であることが望まし
い。ステロイド骨格等、球状に近く嵩高い分子骨格を持
つものが好ましい。また消色剤に対する顕色剤の親和性
が高い方が顕色剤の溶解度が高く、例えばアルコール性
水酸基を有する化合物が適している。
【0018】本発明で用いる消色剤は、消去開始温度未
満の温度の加熱では、熱転写着色層が被転写体に転写
し、呈色性化合物と顕色剤との相互作用により発色状態
にあり、その消去効果は働かない。しかし、消去開始温
度以上の熱が加えられると、消色剤が熱転写着色層の溶
融時に、顕色剤及び呈色性化合物のうち一方を優先的に
溶解し、上記の発色を止め、消色状態とさせ、記録部を
消去する。したがって、消色剤のガラス転移温度は、熱
転写着色層のバインダーの融点よりも高い。具体的に
は、消色剤のガラス転移温度は、70℃〜150℃程度
が好ましく、呈色性化合物、顕色剤と消色剤の3成分の
安定性をもたせ、消去速度を速めることができる。これ
らを満足する消色剤は(a)ステロール加工物、(b)
コール酸、リトコール酸、テストステロン、およびコル
チゾン、ならびにこれらの誘導体、および(c)1個以
上のヒドロキシル基を有する5員環以上の非芳香族系の
環状化合物である。
満の温度の加熱では、熱転写着色層が被転写体に転写
し、呈色性化合物と顕色剤との相互作用により発色状態
にあり、その消去効果は働かない。しかし、消去開始温
度以上の熱が加えられると、消色剤が熱転写着色層の溶
融時に、顕色剤及び呈色性化合物のうち一方を優先的に
溶解し、上記の発色を止め、消色状態とさせ、記録部を
消去する。したがって、消色剤のガラス転移温度は、熱
転写着色層のバインダーの融点よりも高い。具体的に
は、消色剤のガラス転移温度は、70℃〜150℃程度
が好ましく、呈色性化合物、顕色剤と消色剤の3成分の
安定性をもたせ、消去速度を速めることができる。これ
らを満足する消色剤は(a)ステロール加工物、(b)
コール酸、リトコール酸、テストステロン、およびコル
チゾン、ならびにこれらの誘導体、および(c)1個以
上のヒドロキシル基を有する5員環以上の非芳香族系の
環状化合物である。
【0019】(a)のステロール加工物としては具体的
に、コレステロール、スチグマステロール、プレグネノ
ロン、メチルアンドロステンジオール、エストラジオー
ルベンゾエート、エピアンドロステン、ステノロン、β
−シトステロール、プレグネノロンアセテート、β−コ
レステノール、5,16−プレグナジエン−3β−オー
ル−20−オン、5α−プレグネン−3β−オール−2
0−オン、5−プレグネン−3β,17−ジオール−2
0−オン 21−アセテート、5−プレグネン−3β,
17−ジオール−20−オン 17−アセテート、5−
プレグネン−3β,21−ジオール−20−オン 21
−アセテート、5−プレグネン−3β,17−ジオール
ジアセテート、ロコゲニン、チゴゲニン、エスミラゲ
ニン、ヘコゲニン、ジオスゲニンおよびその誘導体があ
る。これらは単独または2種類以上選択して、混合して
使用することができる。これらのうちで、安定な消色状
態を得るのに好適なものとして、メチルアンドロステン
ジオール、ヘコゲニン、ロコゲニン、チゴゲニン、ジオ
スゲニン、およびエスミラゲニン等がある。
に、コレステロール、スチグマステロール、プレグネノ
ロン、メチルアンドロステンジオール、エストラジオー
ルベンゾエート、エピアンドロステン、ステノロン、β
−シトステロール、プレグネノロンアセテート、β−コ
レステノール、5,16−プレグナジエン−3β−オー
ル−20−オン、5α−プレグネン−3β−オール−2
0−オン、5−プレグネン−3β,17−ジオール−2
0−オン 21−アセテート、5−プレグネン−3β,
17−ジオール−20−オン 17−アセテート、5−
プレグネン−3β,21−ジオール−20−オン 21
−アセテート、5−プレグネン−3β,17−ジオール
ジアセテート、ロコゲニン、チゴゲニン、エスミラゲ
ニン、ヘコゲニン、ジオスゲニンおよびその誘導体があ
る。これらは単独または2種類以上選択して、混合して
使用することができる。これらのうちで、安定な消色状
態を得るのに好適なものとして、メチルアンドロステン
ジオール、ヘコゲニン、ロコゲニン、チゴゲニン、ジオ
スゲニン、およびエスミラゲニン等がある。
【0020】(b)コール酸、リトコール酸、テストス
テロン、およびコルチゾン、ならびにこれらの誘導体の
具体例としては、コール酸、コール酸メチルエステル、
リトコール酸、リトコール酸メチルエステル、ヒドロキ
シコール酸、ヒドロキシコール酸メチルエステル、テス
トステロン、メチルテストステロン、11α−ヒドロキ
シメチルテストステロン、ヒドロコルチゾンが挙げられ
る。これらのうちでも特に2個以上のヒドロキシル基を
持つものが好ましい。
テロン、およびコルチゾン、ならびにこれらの誘導体の
具体例としては、コール酸、コール酸メチルエステル、
リトコール酸、リトコール酸メチルエステル、ヒドロキ
シコール酸、ヒドロキシコール酸メチルエステル、テス
トステロン、メチルテストステロン、11α−ヒドロキ
シメチルテストステロン、ヒドロコルチゾンが挙げられ
る。これらのうちでも特に2個以上のヒドロキシル基を
持つものが好ましい。
【0021】(c)1個以上のヒドロキシル基を有する
5員環以上の非芳香族系の環状化合物としては、具体的
には、脂環式1価アルコール(例えばシクロドデカノー
ル)、脂環式2価アルコール(例えば1,4−シクロヘ
キサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、
1,2−シクロドデカンジオール)、糖類及びその誘導
体(例えばグルコース、サッカロース)、環状構造を有
するアルコール類(例えば、1,2:5,6−ジイソプ
ロピリデン−D−マンニトール)が挙げられる。
5員環以上の非芳香族系の環状化合物としては、具体的
には、脂環式1価アルコール(例えばシクロドデカノー
ル)、脂環式2価アルコール(例えば1,4−シクロヘ
キサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、
1,2−シクロドデカンジオール)、糖類及びその誘導
体(例えばグルコース、サッカロース)、環状構造を有
するアルコール類(例えば、1,2:5,6−ジイソプ
ロピリデン−D−マンニトール)が挙げられる。
【0022】上記において(b)の消色剤は(a)の消
色剤とくらべて溶融時の顕色剤との相溶性が非常に高
く、3成分が固化しても相分離を起こしにくい。(c)
の消色剤は、(a)の消色剤との親和性が高く、固化し
た後にも相分離を起こしにくい。
色剤とくらべて溶融時の顕色剤との相溶性が非常に高
く、3成分が固化しても相分離を起こしにくい。(c)
の消色剤は、(a)の消色剤との親和性が高く、固化し
た後にも相分離を起こしにくい。
【0023】熱転写着色層に用いるバインダーは、消去
開始温度よりも低い融点を有するもので、熱可塑性樹脂
を用いることができ、樹脂として具体的には、デンプン
類、セルロース類、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルア
ルコール類、メラミン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポ
リアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹
脂、スチレン系樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポ
リアミド、無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチ
レン−ブタジエンゴム等の熱可塑性エラストマーが挙げ
られる。特に従来より感熱接着剤として使用されている
比較的低融点、例えば50〜85℃程度の融点を有する
ものが好ましい。
開始温度よりも低い融点を有するもので、熱可塑性樹脂
を用いることができ、樹脂として具体的には、デンプン
類、セルロース類、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルア
ルコール類、メラミン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポ
リアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹
脂、スチレン系樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポ
リアミド、無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチ
レン−ブタジエンゴム等の熱可塑性エラストマーが挙げ
られる。特に従来より感熱接着剤として使用されている
比較的低融点、例えば50〜85℃程度の融点を有する
ものが好ましい。
【0024】また、バインダーとしてワックス成分を加
えることもでき、ワックスとして、例えば、マイクロク
リスタリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワ
ックス等がある。更に、フィッシャートロプシュワック
ス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨
ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャ
ンデリラワックス、ペトロラクタム、ポリエステルワッ
クス、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミ
ド等、種々のワックスが挙げられる。このなかで、特に
融点が50〜85℃程度であるものが好ましい。50℃
以下であると、保存性に問題が生じ、又85℃以上であ
ると、消去開始温度よりも、高くなったり、印字の感度
不足になる。
えることもでき、ワックスとして、例えば、マイクロク
リスタリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワ
ックス等がある。更に、フィッシャートロプシュワック
ス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨
ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャ
ンデリラワックス、ペトロラクタム、ポリエステルワッ
クス、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミ
ド等、種々のワックスが挙げられる。このなかで、特に
融点が50〜85℃程度であるものが好ましい。50℃
以下であると、保存性に問題が生じ、又85℃以上であ
ると、消去開始温度よりも、高くなったり、印字の感度
不足になる。
【0025】以上の呈色性化合物、顕色剤と消色剤の3
成分と、さらにバインダーを含有する熱転写着色層塗工
液、つまりインキ組成物の各成分の配合比は、呈色性化
合物が1重量部に対して顕色剤が0.1〜10重量部、
より好ましくは1〜2重量部である。顕色剤が0.1重
量部未満であると、発色が不十分であり、10重量部を
越えると、両者の相互作用を十分に減少させることが困
難である。消色剤は呈色性化合物1重量部に対して、1
〜200重量部であり、10〜100重量部がより好ま
しい。1重量部未満では、発色状態と消色状態との間で
の状態変化を起こさせることが困難になり、200重量
部を越えると、インクの発色が不十分となる。さらに、
バインダーは、呈色性化合物1重量部に対して、1〜1
00重量部程度の割合である。
成分と、さらにバインダーを含有する熱転写着色層塗工
液、つまりインキ組成物の各成分の配合比は、呈色性化
合物が1重量部に対して顕色剤が0.1〜10重量部、
より好ましくは1〜2重量部である。顕色剤が0.1重
量部未満であると、発色が不十分であり、10重量部を
越えると、両者の相互作用を十分に減少させることが困
難である。消色剤は呈色性化合物1重量部に対して、1
〜200重量部であり、10〜100重量部がより好ま
しい。1重量部未満では、発色状態と消色状態との間で
の状態変化を起こさせることが困難になり、200重量
部を越えると、インクの発色が不十分となる。さらに、
バインダーは、呈色性化合物1重量部に対して、1〜1
00重量部程度の割合である。
【0026】熱転写着色層用インキ組成物の溶媒は、水
であることが好ましいが有機溶剤を使用することができ
る。有機溶剤を使用するときは、界面活性剤を使用して
呈色性化合物、顕色剤、および消色剤を分散させてもよ
いが、呈色性化合物、顕色剤、および消色剤をマイクロ
カプセル化して分散させることができる。また、呈色性
化合物、顕色剤、および消色剤のインキ組成物中の割合
は、0.1〜10重量%であることが好ましく、0.1
重量%未満では、十分な印刷濃度が得にくく、10重量
%を越えると、インキ組成物の粘度が過度になって印刷
しにくくなることがある。また、溶媒中に分散された、
呈色性化合物、顕色剤、および消色剤は10μm以上の
粒子を含まないサブミクロンオーダーの粒子であること
が好ましい。熱転写着色層の厚みは、通常は、塗工量で
0.1〜20g/m2 程度の範囲で設ける。厚みが0.
1g/m2 未満では、着色濃度が低く、20g/m2 を
超えると、印字時の箔切れが悪くなる。
であることが好ましいが有機溶剤を使用することができ
る。有機溶剤を使用するときは、界面活性剤を使用して
呈色性化合物、顕色剤、および消色剤を分散させてもよ
いが、呈色性化合物、顕色剤、および消色剤をマイクロ
カプセル化して分散させることができる。また、呈色性
化合物、顕色剤、および消色剤のインキ組成物中の割合
は、0.1〜10重量%であることが好ましく、0.1
重量%未満では、十分な印刷濃度が得にくく、10重量
%を越えると、インキ組成物の粘度が過度になって印刷
しにくくなることがある。また、溶媒中に分散された、
呈色性化合物、顕色剤、および消色剤は10μm以上の
粒子を含まないサブミクロンオーダーの粒子であること
が好ましい。熱転写着色層の厚みは、通常は、塗工量で
0.1〜20g/m2 程度の範囲で設ける。厚みが0.
1g/m2 未満では、着色濃度が低く、20g/m2 を
超えると、印字時の箔切れが悪くなる。
【0027】(背面層)また本発明の熱転写シートには
必要に応じて基材フィルムの裏面に背面層を設けても良
い。背面層はサーマルヘッドによる熱印加時に支持体を
高温から保護する為の層であり、言い換えれば、サーマ
ルヘッドの粘着を防止し、且つ、滑り性を良くするため
の層で、耐熱性の高い熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂のほ
か、紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂も使用可能で
ある。なお、背面層形成に好適な樹脂はフッ素樹脂、シ
リコーン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フエノ
ール樹脂、メラミン樹脂等であり、これらの樹脂を薄膜
状で使用すれば良い。又、背面層の設置によって支持体
の耐熱性を著しく向上させることが出来る為、該層の設
置によって従来は不適とされていた材料を支持体にする
ことも可能になる。この背面層は、上記のバインダー樹
脂に滑り剤、界面活性剤、無機粒子、有機粒子、顔料等
を添加したものを、好適に使用し、形成される。背面層
の厚みは、融着防止や滑性等の機能が果たせられる程度
であれば充分で、通常0.1〜3μm程度である。
必要に応じて基材フィルムの裏面に背面層を設けても良
い。背面層はサーマルヘッドによる熱印加時に支持体を
高温から保護する為の層であり、言い換えれば、サーマ
ルヘッドの粘着を防止し、且つ、滑り性を良くするため
の層で、耐熱性の高い熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂のほ
か、紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂も使用可能で
ある。なお、背面層形成に好適な樹脂はフッ素樹脂、シ
リコーン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フエノ
ール樹脂、メラミン樹脂等であり、これらの樹脂を薄膜
状で使用すれば良い。又、背面層の設置によって支持体
の耐熱性を著しく向上させることが出来る為、該層の設
置によって従来は不適とされていた材料を支持体にする
ことも可能になる。この背面層は、上記のバインダー樹
脂に滑り剤、界面活性剤、無機粒子、有機粒子、顔料等
を添加したものを、好適に使用し、形成される。背面層
の厚みは、融着防止や滑性等の機能が果たせられる程度
であれば充分で、通常0.1〜3μm程度である。
【0028】(剥離層)本発明の熱転写シートでは、基
材フィルムと熱転写着色層との間に剥離層を形成しても
よい。剥離層は、熱可塑性樹脂粒子、熱可塑性樹脂、ワ
ックスのうち少なくとも2成分を主体として構成するこ
とが好ましい。熱可塑性樹脂粒子は剥離層に凹凸を付け
て熱転写着色層との接着力(箔持ち)を上げる効果や、
印字加熱時に成膜して基材フィルムとの接着力を下げ転
写感度を上げる効果、印字物表面に成膜して擦過性を上
げる効果がある。ワックスは前記樹脂粒子のバインダー
として基材フィルムへの接着性を付与する効果や、溶融
粘度が低く、基材フィルムへの接着力も高すぎないた
め、熱転写感度を上げる効果があり、また印字物表面に
滑り性を付与して擦過性を上げる効果がある。熱可塑性
樹脂はその樹脂の接着性で前記樹脂粒子のバインダーと
して基材フィルムへの接着性を付与する効果や、熱転写
インキ層との接着力(箔持ち)を上げる効果がある。剥
離層の厚さは0.05〜10μm程度、好ましくは0.
2〜3μm程度を設けるものである。厚さが0.05μ
m未満の場合、成膜性の問題で均一なインキ層が得られ
ず、印字物の擦過性低下の原因になる。また、厚さが1
0μmを越えた場合、印字転写の際に、高エネルギーが
必要となり、消去開始温度未満の温度の加熱による転写
記録が困難となる。
材フィルムと熱転写着色層との間に剥離層を形成しても
よい。剥離層は、熱可塑性樹脂粒子、熱可塑性樹脂、ワ
ックスのうち少なくとも2成分を主体として構成するこ
とが好ましい。熱可塑性樹脂粒子は剥離層に凹凸を付け
て熱転写着色層との接着力(箔持ち)を上げる効果や、
印字加熱時に成膜して基材フィルムとの接着力を下げ転
写感度を上げる効果、印字物表面に成膜して擦過性を上
げる効果がある。ワックスは前記樹脂粒子のバインダー
として基材フィルムへの接着性を付与する効果や、溶融
粘度が低く、基材フィルムへの接着力も高すぎないた
め、熱転写感度を上げる効果があり、また印字物表面に
滑り性を付与して擦過性を上げる効果がある。熱可塑性
樹脂はその樹脂の接着性で前記樹脂粒子のバインダーと
して基材フィルムへの接着性を付与する効果や、熱転写
インキ層との接着力(箔持ち)を上げる効果がある。剥
離層の厚さは0.05〜10μm程度、好ましくは0.
2〜3μm程度を設けるものである。厚さが0.05μ
m未満の場合、成膜性の問題で均一なインキ層が得られ
ず、印字物の擦過性低下の原因になる。また、厚さが1
0μmを越えた場合、印字転写の際に、高エネルギーが
必要となり、消去開始温度未満の温度の加熱による転写
記録が困難となる。
【0029】(接着層)熱転写シートの熱転写着色層の
上に、最表面として接着層を設けることができる。接着
層としては、マイクロクリスタリンワックス、カルナバ
ワックス、パラフィンワックス等のワックス類や、エチ
レン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共
重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹
脂等の単独もしくはこれらの混合物が使用される。尚、
接着層の厚みは、0.1〜10g/m2 程度である。接
着層の厚みが少なすぎると、充分な接着力を得ることが
できず、感度不良となる。一方、接着層の厚みが多すぎ
ると、接着層を溶融させるに過大なエネルギーが必要と
なり、又、箔切れも低下して好ましくない。
上に、最表面として接着層を設けることができる。接着
層としては、マイクロクリスタリンワックス、カルナバ
ワックス、パラフィンワックス等のワックス類や、エチ
レン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共
重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹
脂等の単独もしくはこれらの混合物が使用される。尚、
接着層の厚みは、0.1〜10g/m2 程度である。接
着層の厚みが少なすぎると、充分な接着力を得ることが
できず、感度不良となる。一方、接着層の厚みが多すぎ
ると、接着層を溶融させるに過大なエネルギーが必要と
なり、又、箔切れも低下して好ましくない。
【0030】以上のように、本発明の熱転写シートにお
いて、基材フィルム上に、熱転写着色層、必要に応じて
剥離層、接着層や背面層等を形成するには、層の構成材
料を有機溶剤や水等の溶媒に溶解又は分散した塗液とし
て、従来公知のグラビアコート、グラビアリバースコー
ト、ロールコート、ナイフコート、その他多くの公知の
塗工手段によって形成することができる。また、ワック
スが主体となる層の場合は、ホットメルトコート、ホッ
トラッカーコート等の塗工手段も使用できる。
いて、基材フィルム上に、熱転写着色層、必要に応じて
剥離層、接着層や背面層等を形成するには、層の構成材
料を有機溶剤や水等の溶媒に溶解又は分散した塗液とし
て、従来公知のグラビアコート、グラビアリバースコー
ト、ロールコート、ナイフコート、その他多くの公知の
塗工手段によって形成することができる。また、ワック
スが主体となる層の場合は、ホットメルトコート、ホッ
トラッカーコート等の塗工手段も使用できる。
【0031】(被転写体)本発明で使用する被転写体の
基材は、その材質に特に制限はなく、例えば、ポリオレ
フィン系、ポリスチレン系等の合成紙;普通紙、上質
紙、PPC用紙、アート紙、軽量コート紙、コート紙、
キャストコート紙、微塗工紙、壁紙、裏打用紙、トレー
シングペーパー、合成樹脂またはエマルジョン含浸紙、
合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等の
各種紙;ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合
体、エチレン−アクリル酸共重合体、メチルペンテンポ
リマー、ポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂などの透
明あるいは不透明のプラスチック材料が用いられる。
基材は、その材質に特に制限はなく、例えば、ポリオレ
フィン系、ポリスチレン系等の合成紙;普通紙、上質
紙、PPC用紙、アート紙、軽量コート紙、コート紙、
キャストコート紙、微塗工紙、壁紙、裏打用紙、トレー
シングペーパー、合成樹脂またはエマルジョン含浸紙、
合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等の
各種紙;ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合
体、エチレン−アクリル酸共重合体、メチルペンテンポ
リマー、ポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂などの透
明あるいは不透明のプラスチック材料が用いられる。
【0032】また、これらのプラスチック材料に白色顔
料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルム、ある
いは基材内部にミクロボイドを有するシートも使用で
き、特に限定されるものではない。また、OHP(オー
バーヘッドプロジェクター)に使用する透明プラスチッ
クフィルムを被転写体の基材に用いてもよい。また、基
材を、上記材質の任意の組み合わせによる積層体として
もよい。
料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルム、ある
いは基材内部にミクロボイドを有するシートも使用で
き、特に限定されるものではない。また、OHP(オー
バーヘッドプロジェクター)に使用する透明プラスチッ
クフィルムを被転写体の基材に用いてもよい。また、基
材を、上記材質の任意の組み合わせによる積層体として
もよい。
【0033】(記録方法)本発明の記録方法は、上記で
説明した熱転写シートと被転写体を用いて、消去開始温
度未満の温度の加熱により、記録し、その後に消去開始
温度以上の熱を加えることにより、記録部を消去するも
のである。また、同一の被転写体に対し、上記の記録と
消去を繰り返し行うことができる。尚、この時の記録す
る文字、画像は、同一のものが繰り返すものではなく、
任意の文字、画像を毎回変更することができ、よって、
被転写体(紙)の再使用が可能となる。
説明した熱転写シートと被転写体を用いて、消去開始温
度未満の温度の加熱により、記録し、その後に消去開始
温度以上の熱を加えることにより、記録部を消去するも
のである。また、同一の被転写体に対し、上記の記録と
消去を繰り返し行うことができる。尚、この時の記録す
る文字、画像は、同一のものが繰り返すものではなく、
任意の文字、画像を毎回変更することができ、よって、
被転写体(紙)の再使用が可能となる。
【0034】本発明の記録方法は、消去開始温度未満の
温度を加えて、記録し、消去開始温度以上の熱を加え
て、記録部を消去するために、加熱条件が重要な要素と
なる。消去開始温度は、消色剤の種類によって変化する
が、100℃〜150℃程度である。まず、上記に説明
した熱転写シートと被転写体とを、熱転写シートの熱転
写着色層と被転写体の転写されるべき面とを重ねて、サ
ーマルヘッドによる記録やレーザー記録によって、消去
開始温度未満の温度で加熱記録を行う。次に、上記の通
り、記録された被転写体に対し、消去開始温度以上の熱
で、サーマルヘッドやレーザー、赤外光、放電等の加熱
を加えることにより、記録部を消去する。そして、消去
する箇所は、記録部の一部の局所や記録部の全面や半分
等任意に選択することができる。
温度を加えて、記録し、消去開始温度以上の熱を加え
て、記録部を消去するために、加熱条件が重要な要素と
なる。消去開始温度は、消色剤の種類によって変化する
が、100℃〜150℃程度である。まず、上記に説明
した熱転写シートと被転写体とを、熱転写シートの熱転
写着色層と被転写体の転写されるべき面とを重ねて、サ
ーマルヘッドによる記録やレーザー記録によって、消去
開始温度未満の温度で加熱記録を行う。次に、上記の通
り、記録された被転写体に対し、消去開始温度以上の熱
で、サーマルヘッドやレーザー、赤外光、放電等の加熱
を加えることにより、記録部を消去する。そして、消去
する箇所は、記録部の一部の局所や記録部の全面や半分
等任意に選択することができる。
【0035】上記のレーザー、赤外光、放電や、オーブ
ン等の加熱された気体中に放置する加熱条件では、加熱
処理する機器と被転写体の記録部が非接触であるため、
被転写体と加熱処理する機器の間に部材を介在させるこ
ともなく、被転写体に直接加熱することができる。一方
で、サーマルヘッドやサーマルバー、ヒートローラー、
アイロンによる加熱では、被転写体に対し、接触して、
加熱処理する機器であるため、被転写体と加熱処理する
機器の間に、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ
サルホン、ポリカーボネート、酢酸セルロース等のフィ
ルムや、コンデンサー紙、パラフィン紙等を介して、被
転写体の記録部側から加熱することができる。また、上
記の非接触ないし接触型の加熱において、被転写体の記
録部と反対面側から、加熱することも可能である。
ン等の加熱された気体中に放置する加熱条件では、加熱
処理する機器と被転写体の記録部が非接触であるため、
被転写体と加熱処理する機器の間に部材を介在させるこ
ともなく、被転写体に直接加熱することができる。一方
で、サーマルヘッドやサーマルバー、ヒートローラー、
アイロンによる加熱では、被転写体に対し、接触して、
加熱処理する機器であるため、被転写体と加熱処理する
機器の間に、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ
サルホン、ポリカーボネート、酢酸セルロース等のフィ
ルムや、コンデンサー紙、パラフィン紙等を介して、被
転写体の記録部側から加熱することができる。また、上
記の非接触ないし接触型の加熱において、被転写体の記
録部と反対面側から、加熱することも可能である。
【0036】
【実施例】次に実施例及び比較例をあげて、本発明を更
に具体的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは、
特に断りのない限り重量基準である。 (実施例)裏面に背面層が設けられている厚さ4.5μ
mのポリエチレンテレフタレートフィルムを基材フィル
ムとし、その基材フィルムの背面層と反対面に、パラフ
ィンワックスをグラビアコート法で、乾燥状態で0.6
g/m2 の塗工量で塗工、乾燥して、剥離層を形成し
た。さらに、この剥離層の上に、下記組成の熱転写着色
層塗工液をグラビアコート法で、乾燥状態で2.0g/
m2 の塗工量で塗工、乾燥して、熱転写着色層を形成
し、実施例1の熱転写シートを作製した。
に具体的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは、
特に断りのない限り重量基準である。 (実施例)裏面に背面層が設けられている厚さ4.5μ
mのポリエチレンテレフタレートフィルムを基材フィル
ムとし、その基材フィルムの背面層と反対面に、パラフ
ィンワックスをグラビアコート法で、乾燥状態で0.6
g/m2 の塗工量で塗工、乾燥して、剥離層を形成し
た。さらに、この剥離層の上に、下記組成の熱転写着色
層塗工液をグラビアコート法で、乾燥状態で2.0g/
m2 の塗工量で塗工、乾燥して、熱転写着色層を形成
し、実施例1の熱転写シートを作製した。
【0037】熱転写着色層塗工液 呈色性化合物:ETAC 1部 顕色剤 :2,4,4′−トリヒドロキシベンゾフェノン 1部 消色剤 :ヘコゲニン 5部 バインダー :エチレン−酢酸ビニル共重合体(融点65℃) 4部 バインダー :パラフィンワックス(融点62℃) 1部 溶媒 :水 70部 界面活性剤 :ステアリン酸ナトリウム 0.1部
【0038】上記の作製した実施例の熱転写シートと、
被転写体としてミラーコート紙を用い、熱転写シートと
被転写体を重ねて、京セラ(株)製の200dpiのラ
インタイプヘッドサーマルヘッドを用いて、0.29m
J/dotのエネルギーを印加して、消去開始温度未満
の温度の加熱により、記録を行った。そして、記録され
た被転写体の記録部の一か所を、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム4.5μmを介して、0.50mJ/d
otのエネルギー、すなわち消去開始温度以上の熱を加
えた。
被転写体としてミラーコート紙を用い、熱転写シートと
被転写体を重ねて、京セラ(株)製の200dpiのラ
インタイプヘッドサーマルヘッドを用いて、0.29m
J/dotのエネルギーを印加して、消去開始温度未満
の温度の加熱により、記録を行った。そして、記録され
た被転写体の記録部の一か所を、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム4.5μmを介して、0.50mJ/d
otのエネルギー、すなわち消去開始温度以上の熱を加
えた。
【0039】(評価結果)実施例で作製した熱転写シー
トを用いて、上記の条件の加熱を行ったところ、消去開
始温度未満の温度の加熱により、記録部と非記録部との
コントラストが高い記録が行えた。また、消去開始温度
以上の熱を加えた部分は、簡単に記録部を消去すること
ができ、また、その消去部分に再度同じ熱転写シートで
上記条件で正しい文字を記録することができた。
トを用いて、上記の条件の加熱を行ったところ、消去開
始温度未満の温度の加熱により、記録部と非記録部との
コントラストが高い記録が行えた。また、消去開始温度
以上の熱を加えた部分は、簡単に記録部を消去すること
ができ、また、その消去部分に再度同じ熱転写シートで
上記条件で正しい文字を記録することができた。
【0040】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、基材フィ
ルムの上に、呈色性化合物と顕色剤と消色剤及びバイン
ダーを含有する熱転写着色層を設けた熱転写シートにお
いて、該熱転写着色層が被転写体に転写された記録部で
該呈色性化合物と顕色剤との相互作用により発色状態に
あり、転写記録後には該消色剤が熱転写着色層の溶融時
に、顕色剤及び呈色性化合物のうち一方を優先的に溶解
し、上記の発色を止め、消色状態とする。但し、消去開
始温度未満の温度の加熱により、記録し、その後に消去
開始温度以上の熱を加えることにより、記録部を消去す
るものである。以上により、記録部と非記録部とのコン
トラストが高く、熱によって簡単に、記録された紙(被
転写体)の記録部を消去でき、紙の再使用が可能とな
る。
ルムの上に、呈色性化合物と顕色剤と消色剤及びバイン
ダーを含有する熱転写着色層を設けた熱転写シートにお
いて、該熱転写着色層が被転写体に転写された記録部で
該呈色性化合物と顕色剤との相互作用により発色状態に
あり、転写記録後には該消色剤が熱転写着色層の溶融時
に、顕色剤及び呈色性化合物のうち一方を優先的に溶解
し、上記の発色を止め、消色状態とする。但し、消去開
始温度未満の温度の加熱により、記録し、その後に消去
開始温度以上の熱を加えることにより、記録部を消去す
るものである。以上により、記録部と非記録部とのコン
トラストが高く、熱によって簡単に、記録された紙(被
転写体)の記録部を消去でき、紙の再使用が可能とな
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 基材フィルムの上に、呈色性化合物と顕
色剤と消色剤及びバインダーを含有する熱転写着色層を
設けた熱転写シートにおいて、該熱転写着色層が転写さ
れた記録部で該呈色性化合物と顕色剤との相互作用によ
り発色状態にあり、転写記録後に該消色剤が熱転写着色
層の溶融時に、顕色剤及び呈色性化合物のうち一方を優
先的に溶解し、上記の発色を止め、消色状態とするもの
で、該バインダーが消去開始温度よりも低い融点を有
し、消去開始温度以上の熱を加えることにより記録部が
消去されることを特徴とする熱転写シート。 - 【請求項2】 前記の消色剤が、ステロール化合物であ
ることを特徴とする請求項1に記載する熱転写シート。 - 【請求項3】 前記の消色剤が、コール酸、リトコール
酸、テストステロン及びコルチゾン、並びにこれらの誘
導体から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とす
る請求項1に記載する熱転写シート。 - 【請求項4】 前記の消色剤が、1個以上のヒドロキシ
ル基を有する5員環状以上の非芳香族系の環状化合物で
あることを特徴とする請求項1に記載する熱転写シー
ト。 - 【請求項5】 前記の請求項1〜4のいずれかに記載す
る熱転写シートと被転写体を用いて、消去開始温度未満
の温度の加熱により、記録し、その後に消去開始温度以
上の熱を加えることにより、記録部を消去することを特
徴とする記録方法。 - 【請求項6】 前記の記録と消去を繰り返し行うことを
特徴とする請求項5に記載する記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15811499A JP2000343841A (ja) | 1999-06-04 | 1999-06-04 | 熱転写シート及び記録方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15811499A JP2000343841A (ja) | 1999-06-04 | 1999-06-04 | 熱転写シート及び記録方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000343841A true JP2000343841A (ja) | 2000-12-12 |
Family
ID=15664619
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15811499A Withdrawn JP2000343841A (ja) | 1999-06-04 | 1999-06-04 | 熱転写シート及び記録方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000343841A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003054133A (ja) * | 2001-08-20 | 2003-02-26 | Ricoh Co Ltd | 熱転写記録媒体 |
JP2020131470A (ja) * | 2019-02-14 | 2020-08-31 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写シートと中間転写媒体との組合せ、及びこれを用いて作製される印画物 |
US11945250B2 (en) | 2020-03-12 | 2024-04-02 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | Thermal transfer sheet and printed article |
-
1999
- 1999-06-04 JP JP15811499A patent/JP2000343841A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003054133A (ja) * | 2001-08-20 | 2003-02-26 | Ricoh Co Ltd | 熱転写記録媒体 |
JP2020131470A (ja) * | 2019-02-14 | 2020-08-31 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写シートと中間転写媒体との組合せ、及びこれを用いて作製される印画物 |
JP7183851B2 (ja) | 2019-02-14 | 2022-12-06 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写シートと中間転写媒体との組合せ、及びこれを用いて作製される印画物 |
US11945250B2 (en) | 2020-03-12 | 2024-04-02 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | Thermal transfer sheet and printed article |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060905 |