JP2000339762A - 光学情報記録媒体 - Google Patents
光学情報記録媒体Info
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- JP2000339762A JP2000339762A JP11146110A JP14611099A JP2000339762A JP 2000339762 A JP2000339762 A JP 2000339762A JP 11146110 A JP11146110 A JP 11146110A JP 14611099 A JP14611099 A JP 14611099A JP 2000339762 A JP2000339762 A JP 2000339762A
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- layer
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- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ランドとグルーブの記録感度差を解消し、繰
り返しオーバーライト耐性が高い相変化光ディスクを提
供する。 【解決手段】 ランドLとグルーブGの各記録トラック
を構成するための案内溝18が形成された基板11上
に、第1誘電体層12、第2誘電体層13、記録層1
4、第3誘電体層15、第4誘電体層16、反射層17
を順に積層した構成をとる。第1誘電体層12と第4誘
電体層16は同一材料を、第2誘電体層13と第3誘電
体層15は同一材料を用いる。さらに、第1誘電体層1
2の膜厚を案内溝18の溝深さより大きくし、第1誘電
体層12の熱伝導率を第2誘電体層13の熱伝導率より
も大きくする。これにより、ランドLでは記録層14の
熱は直上の反射層17と隣接する第4誘電体層16に放
熱され、グルーブGでは記録層14の熱は直上の反射層
17と隣接する第1誘電体層12に放熱され、ランドL
とグルーブGの放熱性が等しくなり、両者の記録感度が
同等となり、かつ繰り返しオーバーライト耐性が高い相
変化ディスクとなる。
り返しオーバーライト耐性が高い相変化光ディスクを提
供する。 【解決手段】 ランドLとグルーブGの各記録トラック
を構成するための案内溝18が形成された基板11上
に、第1誘電体層12、第2誘電体層13、記録層1
4、第3誘電体層15、第4誘電体層16、反射層17
を順に積層した構成をとる。第1誘電体層12と第4誘
電体層16は同一材料を、第2誘電体層13と第3誘電
体層15は同一材料を用いる。さらに、第1誘電体層1
2の膜厚を案内溝18の溝深さより大きくし、第1誘電
体層12の熱伝導率を第2誘電体層13の熱伝導率より
も大きくする。これにより、ランドLでは記録層14の
熱は直上の反射層17と隣接する第4誘電体層16に放
熱され、グルーブGでは記録層14の熱は直上の反射層
17と隣接する第1誘電体層12に放熱され、ランドL
とグルーブGの放熱性が等しくなり、両者の記録感度が
同等となり、かつ繰り返しオーバーライト耐性が高い相
変化ディスクとなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光の照射に
より情報の記録・再生を行う光学情報記録媒体に関し、
特に案内溝により構成される記録トラックとしての凸部
(ランド)と凹部(グルーブ)のそれぞれに対して情報
記録を行う方式の高記録密度相変化光ディスク関する。
より情報の記録・再生を行う光学情報記録媒体に関し、
特に案内溝により構成される記録トラックとしての凸部
(ランド)と凹部(グルーブ)のそれぞれに対して情報
記録を行う方式の高記録密度相変化光ディスク関する。
【0002】
【従来の技術】一般に光学情報記録媒体、特に光磁気デ
ィスクや相変化光ディスクでは、ディスク基板に設けた
同心円状又は螺旋状の案内溝により記録トラックを形成
している。近年における高密度化の要求に伴い、記録ト
ラックのトラックピッチを狭めることが進められてお
り、その一つの手法として、案内溝の凹部(グルーブ)
と、これらグルーブ間の凸部(ランド)の両方に情報を
記録するランド・グルーブ記録が知られている。しかし
ながら、このようなランド・グルーブ記録を行うと、ラ
ンドとグルーブで記録感度が異なるという問題が生じ
る。この現象は次のように説明することができる。図2
は従来の相変化光ディスクの一部の断面模式図であり、
基板21の表面に案内溝26によりグルーブGとランド
Lが形成され、その表面上に順次、下部誘電体層22、
記録層23、上部誘電体層24、反射層25が積層され
た構成とされている。そして、基板21側からレーザー
光をランドLまたはグルーブGの記録層23に照射して
記録層23を相変化させ、情報の記録を行っている。
ィスクや相変化光ディスクでは、ディスク基板に設けた
同心円状又は螺旋状の案内溝により記録トラックを形成
している。近年における高密度化の要求に伴い、記録ト
ラックのトラックピッチを狭めることが進められてお
り、その一つの手法として、案内溝の凹部(グルーブ)
と、これらグルーブ間の凸部(ランド)の両方に情報を
記録するランド・グルーブ記録が知られている。しかし
ながら、このようなランド・グルーブ記録を行うと、ラ
ンドとグルーブで記録感度が異なるという問題が生じ
る。この現象は次のように説明することができる。図2
は従来の相変化光ディスクの一部の断面模式図であり、
基板21の表面に案内溝26によりグルーブGとランド
Lが形成され、その表面上に順次、下部誘電体層22、
記録層23、上部誘電体層24、反射層25が積層され
た構成とされている。そして、基板21側からレーザー
光をランドLまたはグルーブGの記録層23に照射して
記録層23を相変化させ、情報の記録を行っている。
【0003】このとき、光ディスクの断面構造から判る
ように、ランドLでは放熱性の高い反射層25が溝斜面
部を介して記録層23と隣接するのに対し、グルーブG
では反射層25に対して熱伝導率が低い下部誘電体層2
2が記録層23に隣接する。このため、ランドLでは照
射されたレーザー光によるランド両端の記録層23から
反射層25への熱流H1による熱拡散が大きくなり、相
変化を実現するためにより高い記録パワーが必要とな
り、結果として記録感度が低下されることになる。これ
に対し、グルーブGでは、グルーブ両端の記録層23に
は反射層25が近接されないため、ランドのような熱拡
散は生じることはなく、記録パワーは低くてよい。すな
わち、ランドとグルーブでは記録感度が相違することに
なる。
ように、ランドLでは放熱性の高い反射層25が溝斜面
部を介して記録層23と隣接するのに対し、グルーブG
では反射層25に対して熱伝導率が低い下部誘電体層2
2が記録層23に隣接する。このため、ランドLでは照
射されたレーザー光によるランド両端の記録層23から
反射層25への熱流H1による熱拡散が大きくなり、相
変化を実現するためにより高い記録パワーが必要とな
り、結果として記録感度が低下されることになる。これ
に対し、グルーブGでは、グルーブ両端の記録層23に
は反射層25が近接されないため、ランドのような熱拡
散は生じることはなく、記録パワーは低くてよい。すな
わち、ランドとグルーブでは記録感度が相違することに
なる。
【0004】このように、ランドとグルーブとの記録感
度が異なると、同一の記録パワーでランドとグルーブの
それぞれに対して情報の記録を行ったときに、記録感度
が低いランド側において充分な相変化が行われず、記録
不良が発生する可能性がある。また、ランドとグルーブ
でそれぞれ好適な記録を実現するためには、ランドとグ
ルーブで記録パワーを変化させる必要があり、装置が複
雑になるという問題が生じる。なお、記録パワーには変
動しても許容される範囲が存在するので、ランドとグル
ーブに記録感度差があってもその差が小さければランド
とグルーブで記録パワーを変化させる必要はない。例え
ば、最適記録パワーの差がランドグルーブ間で5%以下
であれば、ランドとグルーブで同一の記録パワーを用い
ても特に問題は生じない。しかしながら、前記したよう
な従来の記録媒体では、記録パワーの差が5%を越える
ことが多く、前記したような許容範囲を越えてしまうこ
とになる。
度が異なると、同一の記録パワーでランドとグルーブの
それぞれに対して情報の記録を行ったときに、記録感度
が低いランド側において充分な相変化が行われず、記録
不良が発生する可能性がある。また、ランドとグルーブ
でそれぞれ好適な記録を実現するためには、ランドとグ
ルーブで記録パワーを変化させる必要があり、装置が複
雑になるという問題が生じる。なお、記録パワーには変
動しても許容される範囲が存在するので、ランドとグル
ーブに記録感度差があってもその差が小さければランド
とグルーブで記録パワーを変化させる必要はない。例え
ば、最適記録パワーの差がランドグルーブ間で5%以下
であれば、ランドとグルーブで同一の記録パワーを用い
ても特に問題は生じない。しかしながら、前記したよう
な従来の記録媒体では、記録パワーの差が5%を越える
ことが多く、前記したような許容範囲を越えてしまうこ
とになる。
【0005】また、相変化型光ディスクは、記録パワー
を変調することによりオーバーライトが可能である。し
かし、そのため相変化記録膜は加熱および冷却が頻繁に
繰り返されるために、熱損傷を受けやすい。熱損傷のタ
イプは大きく分けて2タイプある。その一つは、多数回
のオーバーライト時に、保護層が膨張・収縮を繰り返
し、脈動することにより記録層の膜厚の変化を引き起こ
し、記録状態が不均一になる。もう一つは、多数回のオ
ーバーライトによって、レーザー光の入射側で特に顕著
になるが、記録層へ保護層の成分が拡散していく現象が
見られる。これにより、記録膜特性に変化が生じ、記録
状態の不均一あるいは記録不能状態になってしまう。
を変調することによりオーバーライトが可能である。し
かし、そのため相変化記録膜は加熱および冷却が頻繁に
繰り返されるために、熱損傷を受けやすい。熱損傷のタ
イプは大きく分けて2タイプある。その一つは、多数回
のオーバーライト時に、保護層が膨張・収縮を繰り返
し、脈動することにより記録層の膜厚の変化を引き起こ
し、記録状態が不均一になる。もう一つは、多数回のオ
ーバーライトによって、レーザー光の入射側で特に顕著
になるが、記録層へ保護層の成分が拡散していく現象が
見られる。これにより、記録膜特性に変化が生じ、記録
状態の不均一あるいは記録不能状態になってしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のような光ディス
クにおけるランドとグルーブでの記録感度差の発生、多
数回オーバーライト時の特性劣化、という問題を解消す
るための手法として、たとえば、特開平7−13000
6号公報に記載のように、ランドとグルーブで反射層あ
るいは誘電体層あるいは記録層の膜厚を変化させる手法
が提案されている。この手法では、反射層あるいは誘電
体層の膜厚をランドとグルーブで相違させて両者の放熱
性を均等化することによりランドの記録感度を向上させ
ている。しかしながら、ランドの記録感度を向上させた
場合、例えば、反射層の膜厚を薄くして記録感度を向上
させた場合、放熱性が低下するために書き換え可能な繰
り返し回数が低下するという問題が生じてしまう。ま
た、グルーブの記録層の膜厚を厚くしてグルーブの記録
感度を低下させる方法も記載されているが、この場合に
は、記録層の成膜後にランドの記録層をエッチングしな
ければならず、成膜工程が複雑になるとともに、光ディ
スク全面でのエッチング均一性の確保や、記録層へのエ
ッチングガスの混入などの問題を生じてしまうことにな
る。
クにおけるランドとグルーブでの記録感度差の発生、多
数回オーバーライト時の特性劣化、という問題を解消す
るための手法として、たとえば、特開平7−13000
6号公報に記載のように、ランドとグルーブで反射層あ
るいは誘電体層あるいは記録層の膜厚を変化させる手法
が提案されている。この手法では、反射層あるいは誘電
体層の膜厚をランドとグルーブで相違させて両者の放熱
性を均等化することによりランドの記録感度を向上させ
ている。しかしながら、ランドの記録感度を向上させた
場合、例えば、反射層の膜厚を薄くして記録感度を向上
させた場合、放熱性が低下するために書き換え可能な繰
り返し回数が低下するという問題が生じてしまう。ま
た、グルーブの記録層の膜厚を厚くしてグルーブの記録
感度を低下させる方法も記載されているが、この場合に
は、記録層の成膜後にランドの記録層をエッチングしな
ければならず、成膜工程が複雑になるとともに、光ディ
スク全面でのエッチング均一性の確保や、記録層へのエ
ッチングガスの混入などの問題を生じてしまうことにな
る。
【0007】また、特開平4−316888号公報で
は、熱損傷による多数回オーバーライト耐性の向上を目
的に、線膨張係数が低い誘電体層を用いることを提案し
ている。この方法は、前記保護膜の膨張・収縮による脈
動には、効果があると考えられる。しかし、記録膜を挟
んで第1誘電体層側と第2、第3誘電体層側とで熱的な
バランスが崩れてしまっている。言い換えると、第2、
第3誘電体層側では、金属反射膜へ熱が逃げやすいが、
第1誘電体層側では熱の逃げが低くなってしまう。この
ような構成では、第1誘電体層と記録層との界面におけ
る拡散が進行しやすくなり、繰り返しオーバーライト耐
性が悪くなってしまう。また、基板側の誘電体膜と記録
膜との界面に窒化物層を設けることにより、界面での拡
散を抑制する試みがされている(N. Yamada et al., Jp
n. J. Appl. Phys. Vol.37(1998)pp.2104-2110)。この
膜構成では、先程とは逆に保護膜の脈動による記録膜の
熱損傷は避けられず、やはり繰り返しオーバーライト耐
性は悪くなる。
は、熱損傷による多数回オーバーライト耐性の向上を目
的に、線膨張係数が低い誘電体層を用いることを提案し
ている。この方法は、前記保護膜の膨張・収縮による脈
動には、効果があると考えられる。しかし、記録膜を挟
んで第1誘電体層側と第2、第3誘電体層側とで熱的な
バランスが崩れてしまっている。言い換えると、第2、
第3誘電体層側では、金属反射膜へ熱が逃げやすいが、
第1誘電体層側では熱の逃げが低くなってしまう。この
ような構成では、第1誘電体層と記録層との界面におけ
る拡散が進行しやすくなり、繰り返しオーバーライト耐
性が悪くなってしまう。また、基板側の誘電体膜と記録
膜との界面に窒化物層を設けることにより、界面での拡
散を抑制する試みがされている(N. Yamada et al., Jp
n. J. Appl. Phys. Vol.37(1998)pp.2104-2110)。この
膜構成では、先程とは逆に保護膜の脈動による記録膜の
熱損傷は避けられず、やはり繰り返しオーバーライト耐
性は悪くなる。
【0008】本発明の目的は、記録層や反射層の膜厚を
ランドとグルーブで相違させることなく、ランドとグル
ーブの記録感度差を解消した相変化型光ディスク媒体を
提供することである。さらに繰り返しオーバーライト耐
性が良好で、記録容量の高密度化を実現した光学情報記
録媒体を提供することにある。
ランドとグルーブで相違させることなく、ランドとグル
ーブの記録感度差を解消した相変化型光ディスク媒体を
提供することである。さらに繰り返しオーバーライト耐
性が良好で、記録容量の高密度化を実現した光学情報記
録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の光学情報記録媒体は、光透過性の基板に案内
溝が形成され、前記基板の表面上に第1誘電体層、第2
誘電体層、レーザー光の照射により相変化を起こす記録
層、第3誘電体層、第4誘電体層及び反射層を順に積層
し、前記案内溝の凹部と凸部のそれぞれにおいて情報を
記録・消去・再生可能であり、前記第1誘電体層と前記
第4誘電体層が同一材料であり、さらに前記第2誘電体
層と前記第3誘電体層が同一材料であり、さらに前記第
1誘電体層の膜厚が、前記案内溝の深さよりも大きく、
さらに前記第1誘電体層の熱伝導率が第2誘電体層の熱
伝導率より大きいことを特徴としている。
に本発明の光学情報記録媒体は、光透過性の基板に案内
溝が形成され、前記基板の表面上に第1誘電体層、第2
誘電体層、レーザー光の照射により相変化を起こす記録
層、第3誘電体層、第4誘電体層及び反射層を順に積層
し、前記案内溝の凹部と凸部のそれぞれにおいて情報を
記録・消去・再生可能であり、前記第1誘電体層と前記
第4誘電体層が同一材料であり、さらに前記第2誘電体
層と前記第3誘電体層が同一材料であり、さらに前記第
1誘電体層の膜厚が、前記案内溝の深さよりも大きく、
さらに前記第1誘電体層の熱伝導率が第2誘電体層の熱
伝導率より大きいことを特徴としている。
【0010】また、本発明においては、前記案内溝の凹
部において前記記録層と前記第1誘電体層が隣接配置さ
れ、また案内溝の凸部において前記記録層と前記第4誘
電体層が隣接配置される。また、前記第1誘電体層の膜
厚と前記第2誘電体層の膜厚の和が50nm以上とされ
る。さらに、前記第2誘電体層としてZnS−SiO2
を用い、前記第1誘電体層として線膨張係数が3×10
-6/K以下の材料と用いる。また、前記第1誘電体層の
熱伝導率が1W/m・Kより大きいことを特徴としてい
る。
部において前記記録層と前記第1誘電体層が隣接配置さ
れ、また案内溝の凸部において前記記録層と前記第4誘
電体層が隣接配置される。また、前記第1誘電体層の膜
厚と前記第2誘電体層の膜厚の和が50nm以上とされ
る。さらに、前記第2誘電体層としてZnS−SiO2
を用い、前記第1誘電体層として線膨張係数が3×10
-6/K以下の材料と用いる。また、前記第1誘電体層の
熱伝導率が1W/m・Kより大きいことを特徴としてい
る。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。図1は本発明の実施形態の相変化光
ディスクの要部の模式断面図である。光透過性の基板1
1上に第1誘電体層12、第2誘電体層13、相変化に
より情報を記録する記録層14、第3誘電体層15、第
4の誘電体層16、反射層17を順に積層した構成とな
っている。前記基板11としては、ガラスあるいはポリ
カーボネートなどのプラスチック樹脂が用いられ、円盤
状に形成されるとともに、その上面には同心円状又は螺
旋状の案内溝18が形成され、この案内溝18の凹部の
グルーブGと凸部のランドLがそれぞれ記録トラックと
して構成され、ランド・グルーブ記録を行うように構成
される。このランド・グルーブ記録ではランドLとグル
ーブGの両方に記録を行うためにランドLとグルーブG
の幅(径方向の寸法)はほぼ等しく形成される。また、
前記案内溝18の深さは、トラッキングエラー信号の品
質確保、クロストーク低減などの観点から、情報の記
録、再生に用いるレーザー光源の波長をλとすると、波
長λにおける基板の屈折率をnとして、一般にλ/8n
〜λ/2nの範囲に設定される。
参照して説明する。図1は本発明の実施形態の相変化光
ディスクの要部の模式断面図である。光透過性の基板1
1上に第1誘電体層12、第2誘電体層13、相変化に
より情報を記録する記録層14、第3誘電体層15、第
4の誘電体層16、反射層17を順に積層した構成とな
っている。前記基板11としては、ガラスあるいはポリ
カーボネートなどのプラスチック樹脂が用いられ、円盤
状に形成されるとともに、その上面には同心円状又は螺
旋状の案内溝18が形成され、この案内溝18の凹部の
グルーブGと凸部のランドLがそれぞれ記録トラックと
して構成され、ランド・グルーブ記録を行うように構成
される。このランド・グルーブ記録ではランドLとグル
ーブGの両方に記録を行うためにランドLとグルーブG
の幅(径方向の寸法)はほぼ等しく形成される。また、
前記案内溝18の深さは、トラッキングエラー信号の品
質確保、クロストーク低減などの観点から、情報の記
録、再生に用いるレーザー光源の波長をλとすると、波
長λにおける基板の屈折率をnとして、一般にλ/8n
〜λ/2nの範囲に設定される。
【0012】前記第1誘電体層12および第4誘電体層
16としては、SiN、SiO、SiO2 、GeN、A
lN、BN、DLC(ダイアモンド状カーボン)、Ta
2 O5 、TiN、SiC、Al2 O3 等の材料やこれら
の混合物が用いられる。また、第2誘電体層13および
第3誘電体層15としてはZnSとSiO2 の混合膜
(SiO2 の混合比は、3〜45mol%)が用いられ
る。前記記録層14としてはGe2 Sb2 Te5 が、反
射層16としてはAl(アルミニウム)、Ti、Cu、
Au、Ag、Cr、Si等の材料やこれらの混合物が用
いられる。
16としては、SiN、SiO、SiO2 、GeN、A
lN、BN、DLC(ダイアモンド状カーボン)、Ta
2 O5 、TiN、SiC、Al2 O3 等の材料やこれら
の混合物が用いられる。また、第2誘電体層13および
第3誘電体層15としてはZnSとSiO2 の混合膜
(SiO2 の混合比は、3〜45mol%)が用いられ
る。前記記録層14としてはGe2 Sb2 Te5 が、反
射層16としてはAl(アルミニウム)、Ti、Cu、
Au、Ag、Cr、Si等の材料やこれらの混合物が用
いられる。
【0013】ここで、前記第1誘電体層12と前記第4
誘電体層16は前記各選択可能な材料のうちから、同一
材料が選んで選択される。また、前記第2誘電体層13
と前記第3誘電体層15も同様に同一材料で構成され
る。この場合、前記第1誘電体層12(および第4誘電
体層16)の熱伝導率は、第2誘電体層13(および第
3誘電体層15)の熱伝導率より大きいことが肝要であ
る。また、前記第1誘電体層12の膜厚は、前記案内溝
18の深さ、すなわちλ/8n〜λ/2nよりも厚く形
成される。なお、前記第1誘電体層12として用いられ
る材料は、その線膨張係数が3×10-6/K以下であ
る。また、前記第1誘電体層12と第2誘電体層13の
膜厚の和は50nm以上とする。
誘電体層16は前記各選択可能な材料のうちから、同一
材料が選んで選択される。また、前記第2誘電体層13
と前記第3誘電体層15も同様に同一材料で構成され
る。この場合、前記第1誘電体層12(および第4誘電
体層16)の熱伝導率は、第2誘電体層13(および第
3誘電体層15)の熱伝導率より大きいことが肝要であ
る。また、前記第1誘電体層12の膜厚は、前記案内溝
18の深さ、すなわちλ/8n〜λ/2nよりも厚く形
成される。なお、前記第1誘電体層12として用いられ
る材料は、その線膨張係数が3×10-6/K以下であ
る。また、前記第1誘電体層12と第2誘電体層13の
膜厚の和は50nm以上とする。
【0014】図1の相変化光ディスクに対してグルーブ
Gに記録を行う場合を考えてみる。前記したように、第
1誘電体層12の膜厚が案内溝18の深さよりも厚く形
成されているので、相変化を起こす記録層14と、熱伝
導率の高い第1誘電体層12が案内溝18の溝斜面を介
して隣接している。そのため、記録層14への情報の記
録は、基板11、第1誘電体層12、第2誘電体層13
を通して照射されるレーザー光により行われが、その際
の記録層14からの熱拡散は、同図に矢印で示すよう
に、熱流H1で示される反射層17への熱拡散の他に、
熱流H2で示される第1誘電体層12への熱拡散が加わ
ることになる。このため、グルーブGでの記録感度は、
図2に示したような熱流H1のみが支配的な従来の相変
化光ディスクに比べて低下される。一方、ランドLにお
いては、記録層14からの熱拡散は、直上の反射層17
への熱流H1と、案内溝18の溝斜面部を介して記録層
14に隣接する第4誘電体層16への熱流H2によって
行われる。ここで、第1誘電体層12と第4誘電体層1
6は同一材料であり、かつそれぞれ第2誘電体層13と
第3誘電体層15の熱伝導率より大きくされているた
め、グルーブGとランドLのそれぞれの熱拡散は同程度
となり、グルーブGのランドLに対する記録感度の差が
低減あるいは解消される。
Gに記録を行う場合を考えてみる。前記したように、第
1誘電体層12の膜厚が案内溝18の深さよりも厚く形
成されているので、相変化を起こす記録層14と、熱伝
導率の高い第1誘電体層12が案内溝18の溝斜面を介
して隣接している。そのため、記録層14への情報の記
録は、基板11、第1誘電体層12、第2誘電体層13
を通して照射されるレーザー光により行われが、その際
の記録層14からの熱拡散は、同図に矢印で示すよう
に、熱流H1で示される反射層17への熱拡散の他に、
熱流H2で示される第1誘電体層12への熱拡散が加わ
ることになる。このため、グルーブGでの記録感度は、
図2に示したような熱流H1のみが支配的な従来の相変
化光ディスクに比べて低下される。一方、ランドLにお
いては、記録層14からの熱拡散は、直上の反射層17
への熱流H1と、案内溝18の溝斜面部を介して記録層
14に隣接する第4誘電体層16への熱流H2によって
行われる。ここで、第1誘電体層12と第4誘電体層1
6は同一材料であり、かつそれぞれ第2誘電体層13と
第3誘電体層15の熱伝導率より大きくされているた
め、グルーブGとランドLのそれぞれの熱拡散は同程度
となり、グルーブGのランドLに対する記録感度の差が
低減あるいは解消される。
【0015】また、繰り返しオーバーライト耐性につい
て考えてみる。前述のように、記録層14への情報の記
録は、基板11、第1誘電体層12、第2誘電体層13
を通して照射されるレーザー光の吸収により行われる
が、その際の熱の拡散は、第1誘電体層12と第4誘電
体層16、第2誘電体層13と第3誘電体層15がそれ
ぞれ同一材料を用いて形成されているため、記録層14
の上面も下面も熱的な特性がほぼ対称となる。これによ
って、従来みられた、レーザー光の入射側の保護膜材料
が記録層14へ拡散する現象が抑制され、繰り返しオー
バーライト耐性が向上する。さらに、第1誘電体層12
および第4誘電体層16の材料が、前記したように線膨
張係数の低い材料を用いていることから、保護層が脈動
することによる記録層14の膜厚変化が抑制できるため
に、繰り返しオーバーライト耐性が向上する。さらに、
前記第1誘電体層12と前記第2誘電体層13の膜厚の
和を50nm以上とすることで、基板11に対する熱負
荷を低減でき、光ディスクの長寿命化が実現できる。さ
らに、第2誘電体層13としてZnS−SiO2 を用い
たときには、消去性能や繰り返し性能が改善される。
て考えてみる。前述のように、記録層14への情報の記
録は、基板11、第1誘電体層12、第2誘電体層13
を通して照射されるレーザー光の吸収により行われる
が、その際の熱の拡散は、第1誘電体層12と第4誘電
体層16、第2誘電体層13と第3誘電体層15がそれ
ぞれ同一材料を用いて形成されているため、記録層14
の上面も下面も熱的な特性がほぼ対称となる。これによ
って、従来みられた、レーザー光の入射側の保護膜材料
が記録層14へ拡散する現象が抑制され、繰り返しオー
バーライト耐性が向上する。さらに、第1誘電体層12
および第4誘電体層16の材料が、前記したように線膨
張係数の低い材料を用いていることから、保護層が脈動
することによる記録層14の膜厚変化が抑制できるため
に、繰り返しオーバーライト耐性が向上する。さらに、
前記第1誘電体層12と前記第2誘電体層13の膜厚の
和を50nm以上とすることで、基板11に対する熱負
荷を低減でき、光ディスクの長寿命化が実現できる。さ
らに、第2誘電体層13としてZnS−SiO2 を用い
たときには、消去性能や繰り返し性能が改善される。
【0016】
【実施例】(第1実施例)図1に示した本発明の第1の
実施形態に適用した例であり、基板11として厚さ0.
6mmのポリカーボネートを用い、第1誘電体層12と
してSiO2 を210nmの膜厚で、第2誘電体層13
としてZnS−SiO2 を28nmの膜厚で、記録層1
4としてGe2 Sb2 Te5 を15nmの膜厚で、第3
誘電体層15としてZnS−SiO2 を28nmの膜厚
で、第4誘電体層16としてSiO2 を210nm、反
射層17としてAl−Tiを100nmの膜厚で、それ
ぞれ順次スパッタリングにより積層して光ディスクを形
成した。前記ポリカーボネート基板上に形成された案内
溝18のピッチは1.2μm、深さは60nmとした。
前記第1誘電体層12および前記第4誘電体層16を構
成するSiO2 の熱伝導率は1.4W/m・Kであり、
前記第2誘電体層13および第3誘電体層15を構成す
るZnS−SiO2 の熱伝導率0.58W/m・Kより
も充分に大きくされている。
実施形態に適用した例であり、基板11として厚さ0.
6mmのポリカーボネートを用い、第1誘電体層12と
してSiO2 を210nmの膜厚で、第2誘電体層13
としてZnS−SiO2 を28nmの膜厚で、記録層1
4としてGe2 Sb2 Te5 を15nmの膜厚で、第3
誘電体層15としてZnS−SiO2 を28nmの膜厚
で、第4誘電体層16としてSiO2 を210nm、反
射層17としてAl−Tiを100nmの膜厚で、それ
ぞれ順次スパッタリングにより積層して光ディスクを形
成した。前記ポリカーボネート基板上に形成された案内
溝18のピッチは1.2μm、深さは60nmとした。
前記第1誘電体層12および前記第4誘電体層16を構
成するSiO2 の熱伝導率は1.4W/m・Kであり、
前記第2誘電体層13および第3誘電体層15を構成す
るZnS−SiO2 の熱伝導率0.58W/m・Kより
も充分に大きくされている。
【0017】そして、この光ディスクを線速6m/sで
回転させ、波長660nm、対物レンズの開口数0.6
の光ヘッドを用いて測定を行った。ランド部及びグルー
ブ部それぞれで、1MHz、duty比=50%の信号
を記録して最適記録パワーを測定した。ここで、最適記
録パワーは1MHzの信号のキャリア成分と2次高調波
歪み成分の比が最小になるパワーと規定した。ランド部
およびグルーブ部の最適記録パワーは、それぞれ、8.
8mW、9.1mWであった。最適記録パワーの差は、
わずか0.3mWであり、約3.3%である。次に、こ
の媒体の繰り返しオーバーライト耐性をビットエラーレ
ート測定により評価した。その結果、100万回繰り返
しオーバーライトした後でも、エラーレートの劣化は見
られなかった。
回転させ、波長660nm、対物レンズの開口数0.6
の光ヘッドを用いて測定を行った。ランド部及びグルー
ブ部それぞれで、1MHz、duty比=50%の信号
を記録して最適記録パワーを測定した。ここで、最適記
録パワーは1MHzの信号のキャリア成分と2次高調波
歪み成分の比が最小になるパワーと規定した。ランド部
およびグルーブ部の最適記録パワーは、それぞれ、8.
8mW、9.1mWであった。最適記録パワーの差は、
わずか0.3mWであり、約3.3%である。次に、こ
の媒体の繰り返しオーバーライト耐性をビットエラーレ
ート測定により評価した。その結果、100万回繰り返
しオーバーライトした後でも、エラーレートの劣化は見
られなかった。
【0018】(第2実施例)図1に示した本発明の実施
形態に適用した他の例であり、基板11として厚さ0.
6mmのポリカーボネートを用い、第1誘電体層12と
してSiNを100nmの膜厚で、第2誘電体層13と
してZnS−SiO2 を14nmの膜厚で、記録層14
としてGe2 Sb2 Te5 を16nmの膜厚で、第3誘
電体層15としてZnS−SiO2 を14nmの膜厚
で、第4誘電体16としてSiNを28nmの膜厚で、
反射層17としてAl−Tiを100nmの膜厚で、そ
れぞれ順次スパッタリングにより積層して光ディスクを
形成した。前記ポリカーボネート基板11上に形成され
た案内溝18のピッチは1.2μm、深さは80nmと
した。第1誘電体層12を構成するSiNの熱伝導率は
1.6W/m・Kであり、第2誘電体層13のZnS−
SiO2 の熱電導率0.5W/m・Kよりも充分に大き
くされている。
形態に適用した他の例であり、基板11として厚さ0.
6mmのポリカーボネートを用い、第1誘電体層12と
してSiNを100nmの膜厚で、第2誘電体層13と
してZnS−SiO2 を14nmの膜厚で、記録層14
としてGe2 Sb2 Te5 を16nmの膜厚で、第3誘
電体層15としてZnS−SiO2 を14nmの膜厚
で、第4誘電体16としてSiNを28nmの膜厚で、
反射層17としてAl−Tiを100nmの膜厚で、そ
れぞれ順次スパッタリングにより積層して光ディスクを
形成した。前記ポリカーボネート基板11上に形成され
た案内溝18のピッチは1.2μm、深さは80nmと
した。第1誘電体層12を構成するSiNの熱伝導率は
1.6W/m・Kであり、第2誘電体層13のZnS−
SiO2 の熱電導率0.5W/m・Kよりも充分に大き
くされている。
【0019】この光ディスクを線速6m/sで回転さ
せ、波長660nm、対物レンズの開口数0.6の光ヘ
ッドを用いて測定を行った。前記第1実施例と同様に、
ランド部及びグルーブ部それぞれで、1MHz、dut
y=50%の信号を記録して最適記録パワーを測定し
た。ランド部およびグルーブ部の最適記録パワーは、そ
れぞれ、8.5mW、8.6mWであった。最適記録パ
ワーの差は、わずか0.1mWであり、約1.2%であ
る。次に、この媒体の繰り返しオーバーライト耐性をビ
ットエラーレート測定により評価した。その結果、10
0万回繰り返しオーバーライトした後でも、エラーレー
トの劣化は見られなかった。
せ、波長660nm、対物レンズの開口数0.6の光ヘ
ッドを用いて測定を行った。前記第1実施例と同様に、
ランド部及びグルーブ部それぞれで、1MHz、dut
y=50%の信号を記録して最適記録パワーを測定し
た。ランド部およびグルーブ部の最適記録パワーは、そ
れぞれ、8.5mW、8.6mWであった。最適記録パ
ワーの差は、わずか0.1mWであり、約1.2%であ
る。次に、この媒体の繰り返しオーバーライト耐性をビ
ットエラーレート測定により評価した。その結果、10
0万回繰り返しオーバーライトした後でも、エラーレー
トの劣化は見られなかった。
【0020】(第3実施例)図1に示した本発明の実施
形態に適用した他の例であり、基板11として厚さ0.
6mmのポリカーボネートを用い、第1誘電体層12と
してSiO2 を250nmの膜厚で、第2誘電体層13
としてZnS−SiO2 を18nmの膜厚で、記録層1
4としてGe2 Sb2 Te5 を12nmの膜厚で、第3
誘電体層15としてZnS−SiO2 を12nmの膜厚
で、第4誘電体層16としてSiO2を18nm、反射
層17としてAl−Tiを100nmの膜厚で、それぞ
れ順次スパッタリングにより積層して光ディスクを形成
した。前記ポリカーボネート基板上に形成された案内溝
18のピッチは1.2μm、深さは60nmとした。前
記第1誘電体層12および前記第4誘電体層16を構成
するSiO2 の熱伝導率は1.4W/m・Kであり、前
記第2誘電体層13および第3誘電体層16を構成する
ZnS−SiO2 の熱伝導率0.58W/m・Kよりも
充分に大きくされている。
形態に適用した他の例であり、基板11として厚さ0.
6mmのポリカーボネートを用い、第1誘電体層12と
してSiO2 を250nmの膜厚で、第2誘電体層13
としてZnS−SiO2 を18nmの膜厚で、記録層1
4としてGe2 Sb2 Te5 を12nmの膜厚で、第3
誘電体層15としてZnS−SiO2 を12nmの膜厚
で、第4誘電体層16としてSiO2を18nm、反射
層17としてAl−Tiを100nmの膜厚で、それぞ
れ順次スパッタリングにより積層して光ディスクを形成
した。前記ポリカーボネート基板上に形成された案内溝
18のピッチは1.2μm、深さは60nmとした。前
記第1誘電体層12および前記第4誘電体層16を構成
するSiO2 の熱伝導率は1.4W/m・Kであり、前
記第2誘電体層13および第3誘電体層16を構成する
ZnS−SiO2 の熱伝導率0.58W/m・Kよりも
充分に大きくされている。
【0021】この光ディスクを線速6m/sで回転さ
せ、波長660nm、対物レンズの開口数0.6の光ヘ
ッドを用いて測定を行った。前記各実施例と同様に、ラ
ンド部及びグルーブ部それぞれで、1MHz、duty
=50%の信号を記録して最適記録パワーを測定した。
ランド部およびグルーブ部の最適記録パワーは、それぞ
れ、9.2mW、9.2mWであった。最適記録パワー
の差は、見られなかった。次に、この媒体の繰り返しオ
ーバーライト耐性をビットエラーレート測定により評価
した。その結果、100万回繰り返しオーバーライトし
た後でも、エラーレートの劣化は見られなかった。
せ、波長660nm、対物レンズの開口数0.6の光ヘ
ッドを用いて測定を行った。前記各実施例と同様に、ラ
ンド部及びグルーブ部それぞれで、1MHz、duty
=50%の信号を記録して最適記録パワーを測定した。
ランド部およびグルーブ部の最適記録パワーは、それぞ
れ、9.2mW、9.2mWであった。最適記録パワー
の差は、見られなかった。次に、この媒体の繰り返しオ
ーバーライト耐性をビットエラーレート測定により評価
した。その結果、100万回繰り返しオーバーライトし
た後でも、エラーレートの劣化は見られなかった。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、記録トラ
ックとしてのランドとグルーブを構成するための案内溝
が形成された基板に第1誘電体層、第2誘電体層、記録
層、第3誘電体層、第4誘電体層及び反射層が順に積層
されている相変化光ディスクにおいて、第1誘電体層と
第4誘電体層を同一材料で作製し、かつ第2誘電体層と
第3誘電体層を同一材料で作製し、かつ、第1誘電体層
の膜厚が案内溝の深さよりも大きく、かつ第1誘電体層
の熱伝導率を第2誘電体層の熱伝導率より大きくしてい
るので、ランドとグルーブにおける記録層からの熱拡散
を同程度にでき、ランドとグルーブの記録感度をほぼ等
しくできる。さらに、記録層を挟んで、誘電体層の材料
が対称となるため、熱的なバランスがとれる。これらに
より、ランドとグルーブで記録パワーを変化させる必要
がなく、記録・再生装置の構成を複雑化することが回避
できるとともに、ランドとグルーブで記録層や反射層の
膜厚を変化させる必要もなく、容易に製造することが可
能となり、保護膜物質の拡散によるオーバーライト耐性
の劣化を抑制できる。さらに、前記第1誘電体層と前記
第2誘電体層の膜厚の和を50nm以上とすることで、
基板に対する熱負荷を低減でき、光ディスクの長寿命化
が実現できる。さらに、第2誘電体層としてZnS−S
iO2 を用いることで、消去性能や繰り返し性能が損な
われることはない。さらに、前記第1誘電体層と前記第
4誘電体層に線膨張係数が低い材料を用いたことによ
り、保護膜の脈動による記録層膜厚の変動を抑制でき、
繰り返しオーバーライト耐性が向上できる。
ックとしてのランドとグルーブを構成するための案内溝
が形成された基板に第1誘電体層、第2誘電体層、記録
層、第3誘電体層、第4誘電体層及び反射層が順に積層
されている相変化光ディスクにおいて、第1誘電体層と
第4誘電体層を同一材料で作製し、かつ第2誘電体層と
第3誘電体層を同一材料で作製し、かつ、第1誘電体層
の膜厚が案内溝の深さよりも大きく、かつ第1誘電体層
の熱伝導率を第2誘電体層の熱伝導率より大きくしてい
るので、ランドとグルーブにおける記録層からの熱拡散
を同程度にでき、ランドとグルーブの記録感度をほぼ等
しくできる。さらに、記録層を挟んで、誘電体層の材料
が対称となるため、熱的なバランスがとれる。これらに
より、ランドとグルーブで記録パワーを変化させる必要
がなく、記録・再生装置の構成を複雑化することが回避
できるとともに、ランドとグルーブで記録層や反射層の
膜厚を変化させる必要もなく、容易に製造することが可
能となり、保護膜物質の拡散によるオーバーライト耐性
の劣化を抑制できる。さらに、前記第1誘電体層と前記
第2誘電体層の膜厚の和を50nm以上とすることで、
基板に対する熱負荷を低減でき、光ディスクの長寿命化
が実現できる。さらに、第2誘電体層としてZnS−S
iO2 を用いることで、消去性能や繰り返し性能が損な
われることはない。さらに、前記第1誘電体層と前記第
4誘電体層に線膨張係数が低い材料を用いたことによ
り、保護膜の脈動による記録層膜厚の変動を抑制でき、
繰り返しオーバーライト耐性が向上できる。
【図1】本発明の実施形態の相変化光ディスクの構成を
示す模式断面図である。
示す模式断面図である。
【図2】従来の相変化光ディスクの一例の構成を示す模
式断面図である。
式断面図である。
11 基板 12 第1誘電体層 13 第2誘電体層 14 記録層 15 第3誘電体層 16 第4誘電体層 17 反射層 18 案内溝 21 基板 22 下部誘電体層 23 記録層 24 上部誘電体層 25 反射層 26 案内溝
Claims (5)
- 【請求項1】 光透過性の基板の表面に案内溝が形成さ
れ、かつ前記基板の表面上に第1誘電体層、第2誘電体
層、レーザー光の照射により相変化を起こす記録層、第
3誘電体層、第4誘電体層及び反射層が順に積層され、
前記案内溝の凹部と凸部のそれぞれにおいて情報を記録
・消去・再生可能な光学情報記録媒体であって、前記第
1誘電体層と前記第4誘電体層が同一材料であり、前記
第2誘電体層と前記第3誘電体層が同一材料であり、前
記第1誘電体層の膜厚が前記案内溝の深さよりも大き
く、前記第1誘電体層の熱伝導率が第2誘電体層の熱伝
導率より大きいことを特徴とする光学情報記録媒体。 - 【請求項2】 前記案内溝の凹部において、前記記録層
と前記第1誘電体層が隣接配置され、前記案内溝の凸部
において前記記録層と前記第4誘電体層が隣接配置され
ることを特徴とする請求項1に記載の光学情報記録媒
体。 - 【請求項3】 前記第1誘電体層の膜厚と前記第2誘電
体層の膜厚の和が50nm以上であることを特徴とする
請求項1または2に記載の光学情報記録媒体。 - 【請求項4】 前記第2誘電体層としてZnS−SiO
2 を用い、前記第1誘電体層として線膨張係数が3×1
0-6/K以下の材料を用いることを特徴とする請求項1
乃至3のいずれかに記載の光学情報記録媒体。 - 【請求項5】 前記第2誘電体層としてZnS−SiO
2 を用い、前記第1誘電体層の熱伝導率が1W/m・K
より大きいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか
に記載の光学情報記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11146110A JP2000339762A (ja) | 1999-05-26 | 1999-05-26 | 光学情報記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11146110A JP2000339762A (ja) | 1999-05-26 | 1999-05-26 | 光学情報記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000339762A true JP2000339762A (ja) | 2000-12-08 |
Family
ID=15400388
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11146110A Pending JP2000339762A (ja) | 1999-05-26 | 1999-05-26 | 光学情報記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000339762A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003098619A1 (fr) * | 2002-04-22 | 2003-11-27 | Tdk Corporation | Support d'enregistrement optique |
CN100345198C (zh) * | 2003-12-08 | 2007-10-24 | 松下电器产业株式会社 | 光学信息记录介质以及记录条形码状标记的方法 |
-
1999
- 1999-05-26 JP JP11146110A patent/JP2000339762A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003098619A1 (fr) * | 2002-04-22 | 2003-11-27 | Tdk Corporation | Support d'enregistrement optique |
CN100345198C (zh) * | 2003-12-08 | 2007-10-24 | 松下电器产业株式会社 | 光学信息记录介质以及记录条形码状标记的方法 |
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