JP2000334552A - 薄鋳片の連続鋳造方法 - Google Patents
薄鋳片の連続鋳造方法Info
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- JP2000334552A JP2000334552A JP11145126A JP14512699A JP2000334552A JP 2000334552 A JP2000334552 A JP 2000334552A JP 11145126 A JP11145126 A JP 11145126A JP 14512699 A JP14512699 A JP 14512699A JP 2000334552 A JP2000334552 A JP 2000334552A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】鋼、鋳造速度、二次冷却、圧下量などの操業条
件が変化しても、中心偏析のない、かつ内部割れの発生
もなく、目標とする厚みの薄鋳片を得ることができる薄
鋳片の連続鋳造方法の提供。 【解決手段】複数の圧下ロール対8を備える圧下セグメ
ント9をp個配置し、そのうち鋳造方向の最も上流側の
圧下セグメントを1番目として、k番目(1≦k<p)
から(k+m−1)番目までのm個の圧下セグメントを
用いて鋳片の未凝固部5を含む位置を圧下する連続鋳造
方法であって、圧下完了位置と凝固完了位置とが一致す
るように、最短のk番目および最小のm個を選択して圧
下し、目標とする厚みの薄鋳片を得る連続鋳造方法。
件が変化しても、中心偏析のない、かつ内部割れの発生
もなく、目標とする厚みの薄鋳片を得ることができる薄
鋳片の連続鋳造方法の提供。 【解決手段】複数の圧下ロール対8を備える圧下セグメ
ント9をp個配置し、そのうち鋳造方向の最も上流側の
圧下セグメントを1番目として、k番目(1≦k<p)
から(k+m−1)番目までのm個の圧下セグメントを
用いて鋳片の未凝固部5を含む位置を圧下する連続鋳造
方法であって、圧下完了位置と凝固完了位置とが一致す
るように、最短のk番目および最小のm個を選択して圧
下し、目標とする厚みの薄鋳片を得る連続鋳造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳片の未凝固部を
含む位置を圧下する薄鋳片の連続鋳造方法に関する。
含む位置を圧下する薄鋳片の連続鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、鋼の連続鋳造においては、関連す
る設備の建設費および鋳造工程での要員の削減等の観点
から、製品の厚みや形状により近い鋳片を得る試みが進
められている。とくに熱間圧延鋼帯を巻き取ったホット
コイルの製造においては、薄鋳片の連続鋳造方法と、こ
れに続く鋳造ライン上に配置した簡易な熱間圧延設備、
たとえば、粗圧延機を一部または全部省略したような熱
間圧延設備による圧延方法とを組み合わせた方法が実用
化されている。この簡易な熱間圧延設備の圧延用素材に
は、一般に厚み40〜60mm程度の薄鋳片が用いられ
る。
る設備の建設費および鋳造工程での要員の削減等の観点
から、製品の厚みや形状により近い鋳片を得る試みが進
められている。とくに熱間圧延鋼帯を巻き取ったホット
コイルの製造においては、薄鋳片の連続鋳造方法と、こ
れに続く鋳造ライン上に配置した簡易な熱間圧延設備、
たとえば、粗圧延機を一部または全部省略したような熱
間圧延設備による圧延方法とを組み合わせた方法が実用
化されている。この簡易な熱間圧延設備の圧延用素材に
は、一般に厚み40〜60mm程度の薄鋳片が用いられ
る。
【0003】通常用いられているような鋳型内で鋳片の
厚みがほぼ同じである鋳型を用いて、鋳型出側での鋳片
の厚みが40〜60mm程度の薄鋳片を連続鋳造するに
は、厚みが薄い分だけ、幅を広くして溶鋼が通過する断
面積を十分確保した形状の浸漬ノズルを用いる必要があ
る。しかし、浸漬ノズルの肉厚を薄くせざるを得ないた
め、鋳型内の溶融パウダなどによる溶損によって、浸漬
ノズルの寿命が短くなり、実用的でない。
厚みがほぼ同じである鋳型を用いて、鋳型出側での鋳片
の厚みが40〜60mm程度の薄鋳片を連続鋳造するに
は、厚みが薄い分だけ、幅を広くして溶鋼が通過する断
面積を十分確保した形状の浸漬ノズルを用いる必要があ
る。しかし、浸漬ノズルの肉厚を薄くせざるを得ないた
め、鋳型内の溶融パウダなどによる溶損によって、浸漬
ノズルの寿命が短くなり、実用的でない。
【0004】近年、鋳型出側での厚みが90〜100m
m程度の鋳片の未凝固部を含む位置を50mm程度の鋳
片厚みにまで圧下する方法が提案され、実用化されてい
る。
m程度の鋳片の未凝固部を含む位置を50mm程度の鋳
片厚みにまで圧下する方法が提案され、実用化されてい
る。
【0005】特開平8−90187号公報では、厚みが
100mm程度の鋳片を70mm程度の鋳片厚みにまで
圧下する方法が提案されている。この方法では、圧下領
域での各圧下ロール対の圧下量を適正値とすることによ
り、内部割れを発生させずに鋳片を圧下でき、また、鋳
片の厚みに相当する最終の圧下ロール対のロールの間隔
を固定することにより、目標の鋳片厚みに制御された圧
下後の鋳片を得ることができる。
100mm程度の鋳片を70mm程度の鋳片厚みにまで
圧下する方法が提案されている。この方法では、圧下領
域での各圧下ロール対の圧下量を適正値とすることによ
り、内部割れを発生させずに鋳片を圧下でき、また、鋳
片の厚みに相当する最終の圧下ロール対のロールの間隔
を固定することにより、目標の鋳片厚みに制御された圧
下後の鋳片を得ることができる。
【0006】しかし、この方法では、圧下位置に鋳片の
未凝固部が存在することが前提条件となっている。この
ような圧下を行うには、凝固完了位置を、最終の圧下位
置よりも、かなり鋳造方向の下流側とする必要がある。
操業条件の変化により、凝固完了位置が変化するためで
ある。したがって、このような圧下では、圧下後にも鋳
片内部に未凝固部が存在し、この未凝固部が凝固する過
程で、中心偏析が発生するという問題がある。また、操
業条件の変化などで、凝固完了位置が圧下領域にまで入
ってきた場合には、目標とする鋳片厚みに圧下できない
という問題がある。鋳片の未凝固部を含む位置を圧下す
る前提の圧下ロール対では、完全に凝固した鋳片を圧下
することは困難だからである。
未凝固部が存在することが前提条件となっている。この
ような圧下を行うには、凝固完了位置を、最終の圧下位
置よりも、かなり鋳造方向の下流側とする必要がある。
操業条件の変化により、凝固完了位置が変化するためで
ある。したがって、このような圧下では、圧下後にも鋳
片内部に未凝固部が存在し、この未凝固部が凝固する過
程で、中心偏析が発生するという問題がある。また、操
業条件の変化などで、凝固完了位置が圧下領域にまで入
ってきた場合には、目標とする鋳片厚みに圧下できない
という問題がある。鋳片の未凝固部を含む位置を圧下す
る前提の圧下ロール対では、完全に凝固した鋳片を圧下
することは困難だからである。
【0007】特開昭61−42460号公報では、厚み
が280mm程度の鋳片を用い、凝固完了位置近傍に備
えた電磁撹拌装置を作動させて、未凝固部に等軸晶を生
成させ、かつ、1個の圧下ロール対により、鋳片の凝固
完了位置近傍の位置を24mm程度の厚みだけ圧下する
方法が提案されている。この方法は、目標の厚みの鋳片
を製造するのが目的ではなく、圧下後の鋳片の厚みには
こだわらず、圧下位置での鋳片の厚み中心部を強制的に
凝固完了させることにより、偏析成分の濃化した溶鋼を
鋳造方向の上流側に絞り出し、中心偏析の発生を防止し
た鋳片を得るための方法である。
が280mm程度の鋳片を用い、凝固完了位置近傍に備
えた電磁撹拌装置を作動させて、未凝固部に等軸晶を生
成させ、かつ、1個の圧下ロール対により、鋳片の凝固
完了位置近傍の位置を24mm程度の厚みだけ圧下する
方法が提案されている。この方法は、目標の厚みの鋳片
を製造するのが目的ではなく、圧下後の鋳片の厚みには
こだわらず、圧下位置での鋳片の厚み中心部を強制的に
凝固完了させることにより、偏析成分の濃化した溶鋼を
鋳造方向の上流側に絞り出し、中心偏析の発生を防止し
た鋳片を得るための方法である。
【0008】しかし、この方法では、中心偏析の発生は
防止できるが、圧下後の鋳片の厚みの制御は困難という
問題がある。すなわち、鋳片の圧下量は、圧下位置での
鋳片の変形抵抗と圧下ロール対による圧下力がつりあう
ことによって決まる。操業条件の変化により圧下位置で
の鋳片の変形抵抗が変化するため、圧下後の鋳片の厚み
が変化する。
防止できるが、圧下後の鋳片の厚みの制御は困難という
問題がある。すなわち、鋳片の圧下量は、圧下位置での
鋳片の変形抵抗と圧下ロール対による圧下力がつりあう
ことによって決まる。操業条件の変化により圧下位置で
の鋳片の変形抵抗が変化するため、圧下後の鋳片の厚み
が変化する。
【0009】一方、鋳片の未凝固部の位置を圧下する装
置と完全凝固した鋳片を圧下する装置を組み合わせて連
続鋳造機に組み込む方法が提案されている。内部割れを
発生させずに中心偏析の発生を防止でき、また、目標の
鋳片厚みに圧下できる。しかし、この方法では、連続鋳
造設備や建屋が過大なものとなり、実用的でないという
問題がある。
置と完全凝固した鋳片を圧下する装置を組み合わせて連
続鋳造機に組み込む方法が提案されている。内部割れを
発生させずに中心偏析の発生を防止でき、また、目標の
鋳片厚みに圧下できる。しかし、この方法では、連続鋳
造設備や建屋が過大なものとなり、実用的でないという
問題がある。
【0010】上述のように、鋳片の未凝固部を含む位置
を圧下することにより薄鋳片を得る方法において、中心
偏析や内部割れの発生を防止でき、かつ、目標とする厚
みの薄鋳片を得る方法は、実用化されていないのが現状
である。
を圧下することにより薄鋳片を得る方法において、中心
偏析や内部割れの発生を防止でき、かつ、目標とする厚
みの薄鋳片を得る方法は、実用化されていないのが現状
である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、鋳型出
側での厚みが90〜100mm程度の鋳片の未凝固部を
含む位置を圧下することにより、厚みが40〜60mm
程度の薄鋳片を得る従来の方法では、次に示すような問
題点がある。 鋳片の厚みに相当する圧下ロール対のロールの間隔を
固定する圧下方法では、内部割れを発生させずに、目標
の鋳片厚みに圧下できる。しかし、圧下後の鋳片に中心
偏析が発生する。圧下位置では、鋳片に未凝固部が存在
することが前提条件となっているため、圧下後の未凝固
部が凝固する過程で、中心偏析が発生する。また、操業
条件の変化により、圧下位置で、鋳片が凝固完了してい
る場合には、目標の鋳片厚みに圧下できない。
側での厚みが90〜100mm程度の鋳片の未凝固部を
含む位置を圧下することにより、厚みが40〜60mm
程度の薄鋳片を得る従来の方法では、次に示すような問
題点がある。 鋳片の厚みに相当する圧下ロール対のロールの間隔を
固定する圧下方法では、内部割れを発生させずに、目標
の鋳片厚みに圧下できる。しかし、圧下後の鋳片に中心
偏析が発生する。圧下位置では、鋳片に未凝固部が存在
することが前提条件となっているため、圧下後の未凝固
部が凝固する過程で、中心偏析が発生する。また、操業
条件の変化により、圧下位置で、鋳片が凝固完了してい
る場合には、目標の鋳片厚みに圧下できない。
【0012】圧下の効果によって、鋳片の未凝固部が
凝固完了する程度にまで圧下する方法では、中心偏析の
発生は防止できる。しかし、目標とする鋳片の厚みが得
られない。
凝固完了する程度にまで圧下する方法では、中心偏析の
発生は防止できる。しかし、目標とする鋳片の厚みが得
られない。
【0013】鋳片の未凝固部の位置を圧下する未凝固
圧下装置と凝固完了した鋳片を圧下する凝固後圧下装置
とを連続鋳造機に組み込む方法では、連続鋳造設備や建
屋が過大なものとなり、実用的でない。
圧下装置と凝固完了した鋳片を圧下する凝固後圧下装置
とを連続鋳造機に組み込む方法では、連続鋳造設備や建
屋が過大なものとなり、実用的でない。
【0014】本発明は、鋼、鋳造速度、鋳片の二次冷却
条件、圧下量などの連続鋳造の操業条件が変化しても、
鋳片の厚み中心部近傍に中心偏析がなく、圧下すること
による鋳片の内部割れの発生もなく、かつ、目標とする
厚みの薄鋳片を得ることができる薄鋳片の連続鋳造方法
を提供することを目的とする。
条件、圧下量などの連続鋳造の操業条件が変化しても、
鋳片の厚み中心部近傍に中心偏析がなく、圧下すること
による鋳片の内部割れの発生もなく、かつ、目標とする
厚みの薄鋳片を得ることができる薄鋳片の連続鋳造方法
を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、複数の
圧下ロール対を備える圧下セグメントをp個配置し、そ
のうち鋳造方向の最も上流側の圧下セグメントを1番目
として、k番目(1≦k<p)から(k+m−1)番目
までのm個の圧下セグメントを用いて鋳片の未凝固部を
含む位置を圧下する連続鋳造方法であって、圧下完了位
置と凝固完了位置とが一致するように、最短のk番目お
よび最小のm個を選択して圧下し、目標とする厚みの薄
鋳片を得る連続鋳造方法にある。
圧下ロール対を備える圧下セグメントをp個配置し、そ
のうち鋳造方向の最も上流側の圧下セグメントを1番目
として、k番目(1≦k<p)から(k+m−1)番目
までのm個の圧下セグメントを用いて鋳片の未凝固部を
含む位置を圧下する連続鋳造方法であって、圧下完了位
置と凝固完了位置とが一致するように、最短のk番目お
よび最小のm個を選択して圧下し、目標とする厚みの薄
鋳片を得る連続鋳造方法にある。
【0016】図1および図2は、圧下完了位置と凝固完
了位置との関係を説明するための図である。図1は、圧
下完了位置と凝固完了位置とが一致する場合、図2は、
圧下完了位置と凝固完了位置とが一致しない場合の図で
ある。
了位置との関係を説明するための図である。図1は、圧
下完了位置と凝固完了位置とが一致する場合、図2は、
圧下完了位置と凝固完了位置とが一致しない場合の図で
ある。
【0017】図1では、本発明の方法を適用して、k番
目から(k+m−1)番目までのm個の圧下セグメント
を用いて、目標の鋳片厚みになるように、合計の圧下量
がδになるように圧下したときの状況を模式的に示す。
k番目から(k+m−3)番目までの圧下セグメントは
図示していない。k番目から(k+m−1)番目までの
m個の圧下セグメントで圧下したときの圧下完了位置
は、図中に符号Aで示す位置で、(k+m−1)番目の
圧下セグメントの最終の圧下ロール対の位置に相当する
位置である。次の(k+m)番目の圧下セグメントは、
圧下は行っていない。圧下完了位置を示す符号Aは、凝
固完了位置をも示す符号である。このように、本発明の
方法では、圧下完了位置と凝固完了位置とが一致するよ
うに、鋳片を圧下する。また、圧下完了点となる(k+
m−1)番目の圧下セグメントの最終の圧下ロール対の
位置で、目標の圧下の合計量になるように圧下するの
で、圧下後の鋳片の厚みは、目標の厚みとなる。
目から(k+m−1)番目までのm個の圧下セグメント
を用いて、目標の鋳片厚みになるように、合計の圧下量
がδになるように圧下したときの状況を模式的に示す。
k番目から(k+m−3)番目までの圧下セグメントは
図示していない。k番目から(k+m−1)番目までの
m個の圧下セグメントで圧下したときの圧下完了位置
は、図中に符号Aで示す位置で、(k+m−1)番目の
圧下セグメントの最終の圧下ロール対の位置に相当する
位置である。次の(k+m)番目の圧下セグメントは、
圧下は行っていない。圧下完了位置を示す符号Aは、凝
固完了位置をも示す符号である。このように、本発明の
方法では、圧下完了位置と凝固完了位置とが一致するよ
うに、鋳片を圧下する。また、圧下完了点となる(k+
m−1)番目の圧下セグメントの最終の圧下ロール対の
位置で、目標の圧下の合計量になるように圧下するの
で、圧下後の鋳片の厚みは、目標の厚みとなる。
【0018】図2では、鋳造方向の最も上流側の1番目
の1個の圧下セグメントだけを用いて、目標の鋳片厚み
になるように、合計の圧下量がδだけ圧下したときの状
況を模式的に示す。圧下完了位置は図中に符号Bで示す
位置で、1番目の圧下セグメントの最終の圧下ロール対
の位置に相当する位置である。一方、凝固完了位置は符
号Cで示す位置で、2番目の圧下セグメントの3番目の
圧下ロール対になっている例を示す。この例では、圧下
完了位置と凝固完了位置とが一致していない状況を示
す。
の1個の圧下セグメントだけを用いて、目標の鋳片厚み
になるように、合計の圧下量がδだけ圧下したときの状
況を模式的に示す。圧下完了位置は図中に符号Bで示す
位置で、1番目の圧下セグメントの最終の圧下ロール対
の位置に相当する位置である。一方、凝固完了位置は符
号Cで示す位置で、2番目の圧下セグメントの3番目の
圧下ロール対になっている例を示す。この例では、圧下
完了位置と凝固完了位置とが一致していない状況を示
す。
【0019】本発明者らは、前述の本発明の課題を、次
のようにして解決した。 (a)中心偏析のない、かつ、圧下による内部割れの発
生もなく、目標とする厚みの薄鋳片を得ることができる
圧下方法は、圧下完了位置と凝固完了位置とを一致させ
ることにより達成できる。すなわち、圧下完了位置と凝
固完了位置とを一致させることにより、偏析成分の濃化
した溶鋼は、鋳造方向の上流側に効果的に絞り出すこと
ができる。また、厚み中心部近傍には偏析成分の濃化帯
がないので、鋳片の圧下によっても内部割れは発生しな
い。さらに、目標の圧下量を圧下したときに、圧下完了
位置と凝固完了位置とが一致することから、圧下後の鋳
片厚みは、目標の鋳片厚みとなる。
のようにして解決した。 (a)中心偏析のない、かつ、圧下による内部割れの発
生もなく、目標とする厚みの薄鋳片を得ることができる
圧下方法は、圧下完了位置と凝固完了位置とを一致させ
ることにより達成できる。すなわち、圧下完了位置と凝
固完了位置とを一致させることにより、偏析成分の濃化
した溶鋼は、鋳造方向の上流側に効果的に絞り出すこと
ができる。また、厚み中心部近傍には偏析成分の濃化帯
がないので、鋳片の圧下によっても内部割れは発生しな
い。さらに、目標の圧下量を圧下したときに、圧下完了
位置と凝固完了位置とが一致することから、圧下後の鋳
片厚みは、目標の鋳片厚みとなる。
【0020】(b)従来、圧下完了位置と凝固完了位置
とを一致させることが困難であったのは、圧下時の凝固
完了位置の推定が困難であったことによる。すなわち、
圧下時の凝固完了位置は、鋼、鋳造速度、鋳片の二次冷
却条件によって変化する以外に、合計の圧下量や圧下を
分担する各圧下セグメントの圧下の配分、すなわち、鋳
造方向での圧下量の傾斜(圧下パスライン)の程度に対
応して、鋳造方向の上流側に移動する。
とを一致させることが困難であったのは、圧下時の凝固
完了位置の推定が困難であったことによる。すなわち、
圧下時の凝固完了位置は、鋼、鋳造速度、鋳片の二次冷
却条件によって変化する以外に、合計の圧下量や圧下を
分担する各圧下セグメントの圧下の配分、すなわち、鋳
造方向での圧下量の傾斜(圧下パスライン)の程度に対
応して、鋳造方向の上流側に移動する。
【0021】圧下により、凝固完了位置が鋳造方向の上
流側に移動するのは、偏析成分の濃化している高温の溶
鋼が、鋳造方向の上流側に絞り出されることにより、凝
固が促進されるのと、デンドライトアーム間隔が減少す
ることなどによって、凝固が促進されるためである。
流側に移動するのは、偏析成分の濃化している高温の溶
鋼が、鋳造方向の上流側に絞り出されることにより、凝
固が促進されるのと、デンドライトアーム間隔が減少す
ることなどによって、凝固が促進されるためである。
【0022】(c)鋳片の未凝固部を含む位置を圧下す
るときの、凝固完了位置の正確な推定は、次のようにし
て可能となった。すなわち、材料とプロセス、vol.
9(1996)、P.78では、鋳片の未凝固部を含む
位置を圧下するときの凝固促進を考慮した凝固完了位置
の推定のための数値解析が提案されている。本発明の方
法では、この数値解析に偏析成分の濃化に伴う固相線温
度の低下を組み合わせることにより、鋼、鋳造速度、鋳
片の二次冷却条件、合計の圧下量および鋳造方向での圧
下量の傾斜(圧下パスライン)が変化するときの凝固完
了位置の正確な推定が可能となった。
るときの、凝固完了位置の正確な推定は、次のようにし
て可能となった。すなわち、材料とプロセス、vol.
9(1996)、P.78では、鋳片の未凝固部を含む
位置を圧下するときの凝固促進を考慮した凝固完了位置
の推定のための数値解析が提案されている。本発明の方
法では、この数値解析に偏析成分の濃化に伴う固相線温
度の低下を組み合わせることにより、鋼、鋳造速度、鋳
片の二次冷却条件、合計の圧下量および鋳造方向での圧
下量の傾斜(圧下パスライン)が変化するときの凝固完
了位置の正確な推定が可能となった。
【0023】
【発明の実施の形態】図3は、本発明の方法を実施する
ための連続鋳造装置の1例を示す図である。垂直曲げ型
の連続鋳造機を用いる例で、鋳型出側以降に垂直部があ
り、その後の湾曲部で圧下を行う例を示す。
ための連続鋳造装置の1例を示す図である。垂直曲げ型
の連続鋳造機を用いる例で、鋳型出側以降に垂直部があ
り、その後の湾曲部で圧下を行う例を示す。
【0024】浸漬ノズル1から鋳型2に溶鋼3が注入さ
れると、鋳型2内で凝固殻4が形成される。この凝固殻
4は、複数のガイドロール対7を通過する間に冷却され
て徐々に厚みを増し、未凝固部5を含む鋳片6となる。
鋳片6の未凝固部を含む位置が圧下ロール対8で構成さ
れる圧下セグメント9により圧下され、圧下された鋳片
6はピンチロール10により引き抜かれる。
れると、鋳型2内で凝固殻4が形成される。この凝固殻
4は、複数のガイドロール対7を通過する間に冷却され
て徐々に厚みを増し、未凝固部5を含む鋳片6となる。
鋳片6の未凝固部を含む位置が圧下ロール対8で構成さ
れる圧下セグメント9により圧下され、圧下された鋳片
6はピンチロール10により引き抜かれる。
【0025】本発明の方法では、鋳造方向の最も上流側
の1番目からp番目までのp個の圧下セグメントを配置
する。p個の圧下セグメントを配置する鋳造方向の長さ
の領域は、鋼、鋳造速度、鋳片の二次冷却条件、合計の
圧下量および鋳造方向での圧下量の傾斜(圧下パスライ
ン)の変化を考慮して、凝固完了位置が最も鋳造方向の
上流側になる位置および最も下流側になる位置に相当す
る間の領域とすればよい。
の1番目からp番目までのp個の圧下セグメントを配置
する。p個の圧下セグメントを配置する鋳造方向の長さ
の領域は、鋼、鋳造速度、鋳片の二次冷却条件、合計の
圧下量および鋳造方向での圧下量の傾斜(圧下パスライ
ン)の変化を考慮して、凝固完了位置が最も鋳造方向の
上流側になる位置および最も下流側になる位置に相当す
る間の領域とすればよい。
【0026】各圧下セグメントの鋳造方向での長さは、
短すぎると圧下セグメントの数が多くなり、連続鋳造機
が複雑な構造となる。また、長すぎると凝固完了位置と
圧下完了位置を一致させる目的に対して不利となること
から、約1〜2m程度がよい。圧下セグメントを配置す
る鋳造方向の長さの領域および各圧下セグメントの鋳造
方向での長さを決めれば、配置する圧下セグメントのp
個の数がきまる。各圧下セグメント内に配置する圧下ロ
ール対の数は、未凝固部を含む鋳片のバルジングを抑え
るために、4〜6個程度がよい。
短すぎると圧下セグメントの数が多くなり、連続鋳造機
が複雑な構造となる。また、長すぎると凝固完了位置と
圧下完了位置を一致させる目的に対して不利となること
から、約1〜2m程度がよい。圧下セグメントを配置す
る鋳造方向の長さの領域および各圧下セグメントの鋳造
方向での長さを決めれば、配置する圧下セグメントのp
個の数がきまる。各圧下セグメント内に配置する圧下ロ
ール対の数は、未凝固部を含む鋳片のバルジングを抑え
るために、4〜6個程度がよい。
【0027】圧下セグメントには、鋳造方向に対して圧
下量の傾斜(圧下パスライン)ができるように、たとえ
ば、図3に示すように、鋳造方向の入り側と出側の2カ
所に、圧下ロール対の鋳片の厚み方向に相当する間隔を
調整するための油圧シリンダ11を備えるのがよい。機
械式でも構わない。垂直曲げ型の場合には、油圧シリン
ダは、上部の圧下セグメントにのみ配置するのがよい。
下量の傾斜(圧下パスライン)ができるように、たとえ
ば、図3に示すように、鋳造方向の入り側と出側の2カ
所に、圧下ロール対の鋳片の厚み方向に相当する間隔を
調整するための油圧シリンダ11を備えるのがよい。機
械式でも構わない。垂直曲げ型の場合には、油圧シリン
ダは、上部の圧下セグメントにのみ配置するのがよい。
【0028】本発明の方法では、p個の圧下セグメント
のうち、鋳造方向の最も上流側の圧下セグメントを1番
目として、k番目(1≦k<p)から(k+m−1)番
目までのm個の圧下セグメントを用いて圧下し、かつ、
最短のk番目および最小のm個を選択し、圧下完了位置
と凝固完了位置とが一致するように圧下し、かつ、目標
とする圧下量δを圧下して、目標とする厚みの薄鋳片と
する。このような圧下を行うことにより、中心偏析のな
い、かつ圧下することによる鋳片の内部割れの発生もな
く、目標とする厚みの薄鋳片を得ることができる。以下
に、具体的な方法を説明する。
のうち、鋳造方向の最も上流側の圧下セグメントを1番
目として、k番目(1≦k<p)から(k+m−1)番
目までのm個の圧下セグメントを用いて圧下し、かつ、
最短のk番目および最小のm個を選択し、圧下完了位置
と凝固完了位置とが一致するように圧下し、かつ、目標
とする圧下量δを圧下して、目標とする厚みの薄鋳片と
する。このような圧下を行うことにより、中心偏析のな
い、かつ圧下することによる鋳片の内部割れの発生もな
く、目標とする厚みの薄鋳片を得ることができる。以下
に、具体的な方法を説明する。
【0029】まず、鋼、鋳造速度、鋳片の二次冷却条
件、合計の圧下量および鋳造方向での圧下量の傾斜(圧
下パスライン)の条件を決めた上で、凝固完了位置を求
めるために、偏析成分の濃化に伴う固相線温度の低下を
組み合わせたFEM数値解析(以下、単にFEM解析と
記す)を行う。
件、合計の圧下量および鋳造方向での圧下量の傾斜(圧
下パスライン)の条件を決めた上で、凝固完了位置を求
めるために、偏析成分の濃化に伴う固相線温度の低下を
組み合わせたFEM数値解析(以下、単にFEM解析と
記す)を行う。
【0030】このとき、まず、m=1、k=1からFE
M解析を始めてk=2、3、・・・として順次FEM解
析を行い、第k番目だけの1個の圧下セグメントによっ
て目標の圧下量δを圧下したときの凝固完了位置を求め
る。このとき、凝固完了位置が第k番目の圧下セグメン
トの最下流側にある圧下ロール対の位置にあるか、また
は凝固完了位置が第(k+1)番目の圧下セグメント内
にあるような最小のkを求める。
M解析を始めてk=2、3、・・・として順次FEM解
析を行い、第k番目だけの1個の圧下セグメントによっ
て目標の圧下量δを圧下したときの凝固完了位置を求め
る。このとき、凝固完了位置が第k番目の圧下セグメン
トの最下流側にある圧下ロール対の位置にあるか、また
は凝固完了位置が第(k+1)番目の圧下セグメント内
にあるような最小のkを求める。
【0031】凝固完了位置が第k番目の圧下セグメント
の最下流側にある圧下ロール対の位置にある場合には、
最短の第k番目の圧下セグメント1個で、凝固完了位置
と圧下完了位置とが一致するよう圧下パスラインが決定
されたものとする。
の最下流側にある圧下ロール対の位置にある場合には、
最短の第k番目の圧下セグメント1個で、凝固完了位置
と圧下完了位置とが一致するよう圧下パスラインが決定
されたものとする。
【0032】凝固完了位置が第k番目の圧下セグメント
の最下流側にある圧下ロール対の位置になく、第(k+
1)番目の圧下セグメント内にある場合には、第k番目
と第(k+1)番目の2個の圧下セグメントにおける圧
下量をそれぞれδ/2としてFEM解析を行う。FEM
解析の結果、凝固完了位置が第(k+1)番目の圧下セ
グメントの最下流側にある圧下ロール対の位置にある場
合には、第k番目と第(k+1)番目の2個の圧下セグ
メントによって凝固完了位置と圧下完了位置とが一致す
るよう圧下パスラインが決定されたものとする。この場
合、第k番目および第(k+1)番目の圧下セグメント
における圧下量は、それぞれδ/2である。
の最下流側にある圧下ロール対の位置になく、第(k+
1)番目の圧下セグメント内にある場合には、第k番目
と第(k+1)番目の2個の圧下セグメントにおける圧
下量をそれぞれδ/2としてFEM解析を行う。FEM
解析の結果、凝固完了位置が第(k+1)番目の圧下セ
グメントの最下流側にある圧下ロール対の位置にある場
合には、第k番目と第(k+1)番目の2個の圧下セグ
メントによって凝固完了位置と圧下完了位置とが一致す
るよう圧下パスラインが決定されたものとする。この場
合、第k番目および第(k+1)番目の圧下セグメント
における圧下量は、それぞれδ/2である。
【0033】凝固完了位置が第(k+1)番目の圧下セ
グメントの最下流側にある圧下ロール対の位置になく、
第(k+2)番目の圧下セグメント内にある場合には、
第k番目と第(k+1)番目の2個の圧下セグメントに
より凝固完了位置と圧下完了位置とが一致するよう圧下
パスラインが決定されたものとする。この場合、第k番
目および第(k+1)番目の圧下セグメントにおける圧
下量は、それぞれ(δ−ε)およびεである。なお,圧
下量εは第(k+1)番目の圧下セグメントの最下流側
にある圧下ロール対の位置で凝固完了位置と圧下完了位
置とが一致するように選ばれる量で、0<ε<δ/2の
範囲に存在する。このεの量は、第(k+1)番目の圧
下セグメントの最下流側にある圧下ロール対の位置で凝
固完了位置と圧下完了位置とが一致するまでFEM解析
を繰り返すことで決定しても良いし、また、たとえば、
第(k+1)番目の圧下セグメントにロードセルを配置
して鋳造中の圧下反力を逐次測定しておき、この圧下反
力が急激に大きくなった時点で凝固完了位置と圧下完了
位置とが一致したとみなし、圧下量εを決定すればよ
い。圧下反力が急激に大きくなることは、第(k+1)
番目の圧下セグメントでの鋳片厚みが目標とする厚みを
上回っていることを示すからである。
グメントの最下流側にある圧下ロール対の位置になく、
第(k+2)番目の圧下セグメント内にある場合には、
第k番目と第(k+1)番目の2個の圧下セグメントに
より凝固完了位置と圧下完了位置とが一致するよう圧下
パスラインが決定されたものとする。この場合、第k番
目および第(k+1)番目の圧下セグメントにおける圧
下量は、それぞれ(δ−ε)およびεである。なお,圧
下量εは第(k+1)番目の圧下セグメントの最下流側
にある圧下ロール対の位置で凝固完了位置と圧下完了位
置とが一致するように選ばれる量で、0<ε<δ/2の
範囲に存在する。このεの量は、第(k+1)番目の圧
下セグメントの最下流側にある圧下ロール対の位置で凝
固完了位置と圧下完了位置とが一致するまでFEM解析
を繰り返すことで決定しても良いし、また、たとえば、
第(k+1)番目の圧下セグメントにロードセルを配置
して鋳造中の圧下反力を逐次測定しておき、この圧下反
力が急激に大きくなった時点で凝固完了位置と圧下完了
位置とが一致したとみなし、圧下量εを決定すればよ
い。圧下反力が急激に大きくなることは、第(k+1)
番目の圧下セグメントでの鋳片厚みが目標とする厚みを
上回っていることを示すからである。
【0034】ここまで述べたような、第k番目と第(k
+1)番目の2個の圧下セグメントにおける圧下量をそ
れぞれδ/2として行ったFEM解析で、凝固完了位置
が、第(k+1)番目の圧下セグメントの最下流側にあ
る圧下ロール対の位置になく、なおかつ凝固完了位置が
第(k+2)番目の圧下セグメント内にもない場合に
は、m=1では凝固完了位置と圧下完了位置とが一致す
るように圧下パスラインが決定できないものと判断し、
m=2、k=1、2、3、・・・として前記のFEM解
析を繰り返す。m=2でも同様に圧下パスラインが決定
できない場合にはm=3、4、5、・・・として前記の
FEM解析を繰り返す。
+1)番目の2個の圧下セグメントにおける圧下量をそ
れぞれδ/2として行ったFEM解析で、凝固完了位置
が、第(k+1)番目の圧下セグメントの最下流側にあ
る圧下ロール対の位置になく、なおかつ凝固完了位置が
第(k+2)番目の圧下セグメント内にもない場合に
は、m=1では凝固完了位置と圧下完了位置とが一致す
るように圧下パスラインが決定できないものと判断し、
m=2、k=1、2、3、・・・として前記のFEM解
析を繰り返す。m=2でも同様に圧下パスラインが決定
できない場合にはm=3、4、5、・・・として前記の
FEM解析を繰り返す。
【0035】図4は、上述するような圧下パスライン決
定方法のブロック図である。
定方法のブロック図である。
【0036】上述のように、本発明の方法では、圧下完
了位置と凝固完了位置とが一致するように、最短のk番
目および最小のm個の圧下セグメント群を選択して、鋳
片の未凝固部を含む位置を圧下する。本発明の方法を、
簡単に要約すると、下記のとおりである。
了位置と凝固完了位置とが一致するように、最短のk番
目および最小のm個の圧下セグメント群を選択して、鋳
片の未凝固部を含む位置を圧下する。本発明の方法を、
簡単に要約すると、下記のとおりである。
【0037】(イ)まず、鋼、鋳造速度、鋳片の二次冷
却条件、合計の圧下量および鋳造方向での圧下量の傾斜
(圧下パスライン)の条件を決めた上で、凝固完了位置
を求めるために、偏析成分の濃化に伴う固相線温度の低
下を組み合わせたFEM数値解析(以下、単にFEM解
析と記す)を行う。このとき、m=1、k=1からFE
M解析を始める。
却条件、合計の圧下量および鋳造方向での圧下量の傾斜
(圧下パスライン)の条件を決めた上で、凝固完了位置
を求めるために、偏析成分の濃化に伴う固相線温度の低
下を組み合わせたFEM数値解析(以下、単にFEM解
析と記す)を行う。このとき、m=1、k=1からFE
M解析を始める。
【0038】(ロ)第k番目から第(k+m−1)番目
までのm個の圧下セグメントにおける圧下量をそれぞれ
α=δ/mとしてFEM解析を実施する。
までのm個の圧下セグメントにおける圧下量をそれぞれ
α=δ/mとしてFEM解析を実施する。
【0039】(ハ)凝固完了位置が第(k+m−1)番
目の圧下セグメントの最下流側にある圧下ロール対の位
置にあれば、FEM解析を終了し、圧下パスラインを決
定する。決定された圧下パスラインは、第k番目から第
(k+m−1)番目までのm個の圧下セグメントによる
圧下で、それぞれの圧下セグメントにおける圧下量はδ
/mである。
目の圧下セグメントの最下流側にある圧下ロール対の位
置にあれば、FEM解析を終了し、圧下パスラインを決
定する。決定された圧下パスラインは、第k番目から第
(k+m−1)番目までのm個の圧下セグメントによる
圧下で、それぞれの圧下セグメントにおける圧下量はδ
/mである。
【0040】(ニ)(ロ)のFEM解析で凝固完了位置
が第(k+m−1)番目の圧下セグメントの最下流側に
ある圧下ロール対の位置になく、凝固完了位置が第(k
+m)番目の圧下セグメント内にもない場合には、k=
k+1として(ロ)に戻りFEM解析を続ける。
が第(k+m−1)番目の圧下セグメントの最下流側に
ある圧下ロール対の位置になく、凝固完了位置が第(k
+m)番目の圧下セグメント内にもない場合には、k=
k+1として(ロ)に戻りFEM解析を続ける。
【0041】(ホ)(ニ)で凝固完了位置が第(k+
m)番目の圧下セグメント内にある場合には、第k番目
から第(k+m)番目までの(m+1)個の圧下セグメ
ントにおける圧下量をそれぞれβ=δ/(m+1)とし
てFEM解析を実施する。このとき、凝固完了位置が第
(k+m)番目の圧下セグメントの最下流側にある圧下
ロール対の位置にある場合にはFEM解析を終了し、圧
下パスラインを決定する。決定された圧下パスライン
は、第k番目から第(k+m)番目までの(m+1)個
の圧下セグメントによる圧下で、それぞれの圧下セグメ
ントにおける圧下量はδ/(m+1)である。
m)番目の圧下セグメント内にある場合には、第k番目
から第(k+m)番目までの(m+1)個の圧下セグメ
ントにおける圧下量をそれぞれβ=δ/(m+1)とし
てFEM解析を実施する。このとき、凝固完了位置が第
(k+m)番目の圧下セグメントの最下流側にある圧下
ロール対の位置にある場合にはFEM解析を終了し、圧
下パスラインを決定する。決定された圧下パスライン
は、第k番目から第(k+m)番目までの(m+1)個
の圧下セグメントによる圧下で、それぞれの圧下セグメ
ントにおける圧下量はδ/(m+1)である。
【0042】(ヘ)(ホ)において、FEM解析の結果
凝固完了位置が第(k+m)番目の圧下セグメントの最
下流側にある圧下ロール対の位置になく、なおかつ凝固
完了位置が第(k+m+1)番目の圧下セグメント内に
ない場合には、m=m+1として(イ)に戻り、FEM
解析を続ける。
凝固完了位置が第(k+m)番目の圧下セグメントの最
下流側にある圧下ロール対の位置になく、なおかつ凝固
完了位置が第(k+m+1)番目の圧下セグメント内に
ない場合には、m=m+1として(イ)に戻り、FEM
解析を続ける。
【0043】(ト)(ヘ)で凝固完了位置が第(k+m
+1)番目の圧下セグメント内にある場合には、FEM
解析を終了し、圧下パスラインを決定する。決定される
圧下パスラインは、第k番目から第(k+m)番目まで
の(m+1)個の圧下セグメントによる圧下で、それぞ
れの圧下セグメントにおける圧下量は、第k番目から第
(k+m−1)番目までの圧下セグメントでは(δ−
ε)/m、第(k+m)番目の圧下セグメントではεで
ある。なお,圧下量εは第(k+m)番目の圧下セグメ
ントの最下流側にある圧下ロール対の位置で凝固完了位
置と圧下完了位置とが一致するように選ばれる量で、0
<ε<δ/(m+1)の範囲に存在する。このεの量
は、第(k+m)番目の圧下セグメントの最下流側にあ
る圧下ロール対の位置で凝固完了位置と圧下完了位置と
が一致するまでFEM解析を繰り返すことで決定しても
良いし、また、たとえば、第(k+m)番目の圧下セグ
メントにロードセルを配置して鋳造中の圧下反力を逐次
測定しておき、この圧下反力が急激に大きくなった時点
で凝固南陵位置と圧下完了位置とが一致したとみなし、
圧下量εを決定すればよい。圧下反力が急激に大きくな
ることは、第(k+m)番目の圧下セグメントでの鋳片
厚みが目標とする厚みを上回っていることを示すからで
ある。
+1)番目の圧下セグメント内にある場合には、FEM
解析を終了し、圧下パスラインを決定する。決定される
圧下パスラインは、第k番目から第(k+m)番目まで
の(m+1)個の圧下セグメントによる圧下で、それぞ
れの圧下セグメントにおける圧下量は、第k番目から第
(k+m−1)番目までの圧下セグメントでは(δ−
ε)/m、第(k+m)番目の圧下セグメントではεで
ある。なお,圧下量εは第(k+m)番目の圧下セグメ
ントの最下流側にある圧下ロール対の位置で凝固完了位
置と圧下完了位置とが一致するように選ばれる量で、0
<ε<δ/(m+1)の範囲に存在する。このεの量
は、第(k+m)番目の圧下セグメントの最下流側にあ
る圧下ロール対の位置で凝固完了位置と圧下完了位置と
が一致するまでFEM解析を繰り返すことで決定しても
良いし、また、たとえば、第(k+m)番目の圧下セグ
メントにロードセルを配置して鋳造中の圧下反力を逐次
測定しておき、この圧下反力が急激に大きくなった時点
で凝固南陵位置と圧下完了位置とが一致したとみなし、
圧下量εを決定すればよい。圧下反力が急激に大きくな
ることは、第(k+m)番目の圧下セグメントでの鋳片
厚みが目標とする厚みを上回っていることを示すからで
ある。
【0044】本発明の方法の要約は以上のとおりであ
る。また、本発明の方法では、k番目から(k+m−
1)番目までのm個の圧下セグメントの圧下量をそれぞ
れ(δ−ε)/mで一定とするのは、圧下パスライン中
の圧下量の傾斜を一定とし、鋳造中のひずみ集中を回避
することにより鋳片の内部割れの発生を防止するためで
ある。
る。また、本発明の方法では、k番目から(k+m−
1)番目までのm個の圧下セグメントの圧下量をそれぞ
れ(δ−ε)/mで一定とするのは、圧下パスライン中
の圧下量の傾斜を一定とし、鋳造中のひずみ集中を回避
することにより鋳片の内部割れの発生を防止するためで
ある。
【0045】また、kを最短の値とするのは、圧下開始
をできるだけ上流側とすることにより、鋳片の非定常部
の長さを短縮することができ、また同時に、連続鋳造機
を設計するにあたり、連続鋳造機の機長を短くすること
ができ、設備費が安くなるためである。また、最小のm
個を選択するのは、圧下セグメント数が少ないほど1つ
の圧下セグメント当たりの圧下量が大きくなり、圧下に
よる凝固完了点近傍の偏析成分の濃化した溶鋼の排出効
果がより期待できるからである本発明の方法を実施する
ときの鋳型出口の鋳片の厚みは、90〜120mmがよ
い。90mm未満では、浸漬ノズルの肉厚を厚くできな
いので、浸漬ノズルの寿命が短い。120mmを超える
場合には、後述する圧下量との関係から、熱間圧延工程
の粗圧延の一部を省略できる程度の鋳片の厚みに圧下で
きない。
をできるだけ上流側とすることにより、鋳片の非定常部
の長さを短縮することができ、また同時に、連続鋳造機
を設計するにあたり、連続鋳造機の機長を短くすること
ができ、設備費が安くなるためである。また、最小のm
個を選択するのは、圧下セグメント数が少ないほど1つ
の圧下セグメント当たりの圧下量が大きくなり、圧下に
よる凝固完了点近傍の偏析成分の濃化した溶鋼の排出効
果がより期待できるからである本発明の方法を実施する
ときの鋳型出口の鋳片の厚みは、90〜120mmがよ
い。90mm未満では、浸漬ノズルの肉厚を厚くできな
いので、浸漬ノズルの寿命が短い。120mmを超える
場合には、後述する圧下量との関係から、熱間圧延工程
の粗圧延の一部を省略できる程度の鋳片の厚みに圧下で
きない。
【0046】合計の圧下量は、鋳型出口の鋳片の厚みの
20〜50%とするのがよい。20%未満では、圧下の
効果が少ない。50%を超える場合には、圧下により鋳
片に内部割れが発生するからである。
20〜50%とするのがよい。20%未満では、圧下の
効果が少ない。50%を超える場合には、圧下により鋳
片に内部割れが発生するからである。
【0047】合計の圧下量を各圧下セグメントで分担す
るとき、最終の圧下ブロックが分担する圧下量は、目標
の圧下後の鋳片厚みの5%以上とするのがよい。5%未
満では、凝固完了位置近傍に存在する偏析成分の濃化し
た溶鋼を絞り出す効果が少なくなる。
るとき、最終の圧下ブロックが分担する圧下量は、目標
の圧下後の鋳片厚みの5%以上とするのがよい。5%未
満では、凝固完了位置近傍に存在する偏析成分の濃化し
た溶鋼を絞り出す効果が少なくなる。
【0048】鋳造する鋼は、炭素含有率が約0.2%以
下のいわゆる中炭素鋼および低炭素鋼がよい。高炭素鋼
では、圧下によって内部割れが発生しやすい。ひずみに
起因する内部割れに対する限界ひずみが小さくなり、本
発明で規定した圧下率50%の鋳造では、内部割れが発
生する場合があるからである。
下のいわゆる中炭素鋼および低炭素鋼がよい。高炭素鋼
では、圧下によって内部割れが発生しやすい。ひずみに
起因する内部割れに対する限界ひずみが小さくなり、本
発明で規定した圧下率50%の鋳造では、内部割れが発
生する場合があるからである。
【0049】鋳造速度は、垂直曲げ型連続鋳造機の場合
には、約2m/分以上とするのがよい。2m/分未満で
は、凝固完了位置が垂直部直下の鋳片の曲げ部領域に達
するので、この曲げ部領域で鋳片を圧下するときには、
鋳片内部の凝固界面に、圧下によるひずみと曲げによる
ひずみの両方が作用するので、鋳片に内部割れが発生し
やすくなる。
には、約2m/分以上とするのがよい。2m/分未満で
は、凝固完了位置が垂直部直下の鋳片の曲げ部領域に達
するので、この曲げ部領域で鋳片を圧下するときには、
鋳片内部の凝固界面に、圧下によるひずみと曲げによる
ひずみの両方が作用するので、鋳片に内部割れが発生し
やすくなる。
【0050】図3では、垂直曲げ型の連続鋳造機の例を
示したが、本発明の方法を実施する連続鋳造機は、垂直
型、湾曲型などのいずれの型の連続鋳造機でもよい。油
圧シリンダは、垂直型連続鋳造機の場合には、鋳片の両
側に相当する圧下セグメントに配置し、鋳片の両側の圧
下量が等しくなるよう鋳片の未凝固部を含む位置を圧下
してもよい。
示したが、本発明の方法を実施する連続鋳造機は、垂直
型、湾曲型などのいずれの型の連続鋳造機でもよい。油
圧シリンダは、垂直型連続鋳造機の場合には、鋳片の両
側に相当する圧下セグメントに配置し、鋳片の両側の圧
下量が等しくなるよう鋳片の未凝固部を含む位置を圧下
してもよい。
【0051】
【実施例】図3に示す構成の連続鋳造装置を用い、表1
に示す2種類の化学組成の鋼を連続鋳造した。
に示す2種類の化学組成の鋼を連続鋳造した。
【0052】
【表1】
【0053】厚み90mmまたは100mm、幅100
0mmの断面が矩形の鋳片を鋳造し、鋳造速度を3.5
〜8m/分の間で変化させ、鋳片の未凝固部を含む位置
を30mmまたは40mm圧下した。圧下を分担する圧
下セグメントは、No.1〜No.7までの7個を配置
し、そのうち、No.5圧下セグメントは4個、No.
6圧下セグメントは3個、それ以外の圧下セグメント
は、2個の圧下ロール対を備える。各圧下セグメントの
鋳造方向の最も上流側の圧下ロール対の溶鋼メニスカス
からの距離を、後述する表2に示す。そのうち、No.
1圧下セグメントが約2.9m、No.7圧下セグメン
トが約10.5mの距離である。
0mmの断面が矩形の鋳片を鋳造し、鋳造速度を3.5
〜8m/分の間で変化させ、鋳片の未凝固部を含む位置
を30mmまたは40mm圧下した。圧下を分担する圧
下セグメントは、No.1〜No.7までの7個を配置
し、そのうち、No.5圧下セグメントは4個、No.
6圧下セグメントは3個、それ以外の圧下セグメント
は、2個の圧下ロール対を備える。各圧下セグメントの
鋳造方向の最も上流側の圧下ロール対の溶鋼メニスカス
からの距離を、後述する表2に示す。そのうち、No.
1圧下セグメントが約2.9m、No.7圧下セグメン
トが約10.5mの距離である。
【0054】鋳造試験の前に、各試験条件について、偏
析成分の濃化に伴う固相線温度の低下を組み合わせた上
で、鋳片の未凝固部を含む位置を圧下するときの凝固促
進を考慮した凝固完了位置をFEM数値解析により求め
た。
析成分の濃化に伴う固相線温度の低下を組み合わせた上
で、鋳片の未凝固部を含む位置を圧下するときの凝固促
進を考慮した凝固完了位置をFEM数値解析により求め
た。
【0055】圧下して得られた鋳片から、鋳造方向に1
00mm長さの横断面サンプルを採取した。横断面のサ
ルファプリントを実施し、中心偏析および内部割れの発
生の有無を目視で観察した。表2に、鋳造条件および試
験結果を示す。
00mm長さの横断面サンプルを採取した。横断面のサ
ルファプリントを実施し、中心偏析および内部割れの発
生の有無を目視で観察した。表2に、鋳造条件および試
験結果を示す。
【0056】
【表2】
【0057】本発明例の試験No.1および比較例の試
験No.2では、表1に示す鋼Aの低炭素鋼を用いて、
圧下量30mmの試験を行った。目標の薄鋳片の厚みは
60mmである。試験No.1では、No.1圧下セグ
メントで18mm、No.2圧下セグメントで12mm
圧下することにより、合計30mmを圧下した。一方、
試験No.2では、圧下セグメントNo.1のみで30
mmを圧下した。
験No.2では、表1に示す鋼Aの低炭素鋼を用いて、
圧下量30mmの試験を行った。目標の薄鋳片の厚みは
60mmである。試験No.1では、No.1圧下セグ
メントで18mm、No.2圧下セグメントで12mm
圧下することにより、合計30mmを圧下した。一方、
試験No.2では、圧下セグメントNo.1のみで30
mmを圧下した。
【0058】図5は、試験No.1における試験条件で
のFEM数値解析結果による溶鋼メニスカスからの距離
と圧下時の鋳片の厚みおよび凝固殻の厚みとの関係を示
す図である。図6は、試験No.2における試験条件で
の、上述する図5と同じ内容の図である。図5で示すよ
うに、試験No.1では、本発明の方法で規定する条件
の通りに、圧下完了位置と凝固完了位置とが一致してい
るのが分かる。また、図6で示すように、試験No.2
では、本発明の方法で規定する条件を外れて、圧下完了
位置と凝固完了位置とが一致していないことが分かる。
のFEM数値解析結果による溶鋼メニスカスからの距離
と圧下時の鋳片の厚みおよび凝固殻の厚みとの関係を示
す図である。図6は、試験No.2における試験条件で
の、上述する図5と同じ内容の図である。図5で示すよ
うに、試験No.1では、本発明の方法で規定する条件
の通りに、圧下完了位置と凝固完了位置とが一致してい
るのが分かる。また、図6で示すように、試験No.2
では、本発明の方法で規定する条件を外れて、圧下完了
位置と凝固完了位置とが一致していないことが分かる。
【0059】鋳片横断面のサルファプリントの結果か
ら、試験No.1では、中心偏析や内部割れは発生せ
ず、目標の厚み60mmの薄鋳片が得られた。一方、試
験No.2では、目標の厚み60mmの薄鋳片が得られ
たが、顕著な中心偏析が発生するとともに、内部割れが
発生した。
ら、試験No.1では、中心偏析や内部割れは発生せ
ず、目標の厚み60mmの薄鋳片が得られた。一方、試
験No.2では、目標の厚み60mmの薄鋳片が得られ
たが、顕著な中心偏析が発生するとともに、内部割れが
発生した。
【0060】本発明例の試験No.3および比較例の試
験No.4では、表1に示す鋼Aの低炭素鋼を用いて、
圧下量40mmの試験を行った。目標の薄鋳片の厚みは
50mmである。試験No.3では、No.2およびN
o.3の圧下セグメントでそれぞれ14mm、No.4
の圧下セグメントで12mm、合計40mm圧下した。
一方、試験No.4では、No.1の圧下セグメント
で、合計40mm圧下した。
験No.4では、表1に示す鋼Aの低炭素鋼を用いて、
圧下量40mmの試験を行った。目標の薄鋳片の厚みは
50mmである。試験No.3では、No.2およびN
o.3の圧下セグメントでそれぞれ14mm、No.4
の圧下セグメントで12mm、合計40mm圧下した。
一方、試験No.4では、No.1の圧下セグメント
で、合計40mm圧下した。
【0061】また、本発明例の試験No.5および比較
例の試験No.6では、表1に示す鋼Bの中炭素鋼を用
いて、圧下量30mmの試験を行った。目標の薄鋳片の
厚みは70mmである。試験No.5では、No.1の
圧下セグメントで16mm、No.2の圧下セグメント
で14mm、合計30mm圧下した。一方、試験No.
4では、No.1の圧下セグメントで30mm圧下し
た。
例の試験No.6では、表1に示す鋼Bの中炭素鋼を用
いて、圧下量30mmの試験を行った。目標の薄鋳片の
厚みは70mmである。試験No.5では、No.1の
圧下セグメントで16mm、No.2の圧下セグメント
で14mm、合計30mm圧下した。一方、試験No.
4では、No.1の圧下セグメントで30mm圧下し
た。
【0062】試験No.3〜No.6の試験条件でのF
EM数値解析結果は図示しないが、試験No.3および
試験No.5では、本発明の方法で規定する条件の通り
に、圧下完了位置と凝固完了位置とが一致していた。ま
た、試験No.4および試験No.6では、本発明の方
法で規定する条件を外れて、圧下完了位置と凝固完了位
置とが一致していなかった。
EM数値解析結果は図示しないが、試験No.3および
試験No.5では、本発明の方法で規定する条件の通り
に、圧下完了位置と凝固完了位置とが一致していた。ま
た、試験No.4および試験No.6では、本発明の方
法で規定する条件を外れて、圧下完了位置と凝固完了位
置とが一致していなかった。
【0063】鋳片横断面のサルファプリントの結果か
ら、試験No.3および試験No.5では、中心偏析や
内部割れは発生していなかった。試験No.3では、目
標の厚み50mmの薄鋳片が得られ、また、試験No.
5では、目標の厚み70mmの薄鋳片が得られた。一
方、試験No.4および試験No.6では、目標の厚み
の50mmまたは70mmの薄鋳片が得られたが、顕著
な中心偏析が発生するとともに、内部割れが発生した。
ら、試験No.3および試験No.5では、中心偏析や
内部割れは発生していなかった。試験No.3では、目
標の厚み50mmの薄鋳片が得られ、また、試験No.
5では、目標の厚み70mmの薄鋳片が得られた。一
方、試験No.4および試験No.6では、目標の厚み
の50mmまたは70mmの薄鋳片が得られたが、顕著
な中心偏析が発生するとともに、内部割れが発生した。
【0064】
【発明の効果】本発明の方法の適用により、鋼、鋳造速
度、鋳片の二次冷却条件、圧下量などの連続鋳造の操業
条件が変化しても、鋳片の厚み中心部近傍に中心偏析の
ない、かつ圧下することによる鋳片の内部割れの発生も
なく、目標とする厚みの薄鋳片を得ることができる。
度、鋳片の二次冷却条件、圧下量などの連続鋳造の操業
条件が変化しても、鋳片の厚み中心部近傍に中心偏析の
ない、かつ圧下することによる鋳片の内部割れの発生も
なく、目標とする厚みの薄鋳片を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧下完了位置と凝固完了位置との関係を説明す
るための図である。
るための図である。
【図2】圧下完了位置と凝固完了位置との関係を説明す
るための図である。
るための図である。
【図3】本発明の方法を実施するための連続鋳造装置の
1例を示す図である。
1例を示す図である。
【図4】本発明の方法の圧下パスライン決定方法のブロ
ック図である。
ック図である。
【図5】FEM数値解析結果による溶鋼メニスカスから
の距離と圧下時の鋳片の厚みおよび凝固殻の厚みとの関
係を示す図である。
の距離と圧下時の鋳片の厚みおよび凝固殻の厚みとの関
係を示す図である。
【図6】FEM数値解析結果による溶鋼メニスカスから
の距離と圧下時の鋳片の厚みおよび凝固殻の厚みとの関
係を示す図である。
の距離と圧下時の鋳片の厚みおよび凝固殻の厚みとの関
係を示す図である。
1:浸漬ノズル 2:鋳型 3:溶鋼 4:凝固殻 5:未凝固部 6:鋳片 7:ガイドロール対 8:圧下ロ
ール対 9:圧下セグメント 10:ピンチ
ロール 11:油圧シリンダ δ:合計
の圧下量 A:圧下完了位置および凝固完了位置 B:圧下完了位置 C:凝固完
了位置
ール対 9:圧下セグメント 10:ピンチ
ロール 11:油圧シリンダ δ:合計
の圧下量 A:圧下完了位置および凝固完了位置 B:圧下完了位置 C:凝固完
了位置
Claims (1)
- 【請求項1】複数の圧下ロール対を備える圧下セグメン
トをp個配置し、そのうち鋳造方向の最も上流側の圧下
セグメントを1番目として、k番目(1≦k<p)から
(k+m−1)番目までのm個の圧下セグメントを用い
て鋳片の未凝固部を含む位置を圧下する連続鋳造方法で
あって、圧下完了位置と凝固完了位置とが一致するよう
に、最短のk番目および最小のm個を選択して圧下し、
目標とする厚みの薄鋳片を得ることを特徴とする薄鋳片
の連続鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11145126A JP2000334552A (ja) | 1999-05-25 | 1999-05-25 | 薄鋳片の連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11145126A JP2000334552A (ja) | 1999-05-25 | 1999-05-25 | 薄鋳片の連続鋳造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000334552A true JP2000334552A (ja) | 2000-12-05 |
Family
ID=15378013
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11145126A Pending JP2000334552A (ja) | 1999-05-25 | 1999-05-25 | 薄鋳片の連続鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000334552A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002066704A (ja) * | 2000-08-22 | 2002-03-05 | Nkk Corp | 連続鋳造鋳片の凝固完了位置検出方法及び制御方法 |
JP2007518572A (ja) * | 2004-01-20 | 2007-07-12 | エス・エム・エス・デマーク・アクチエンゲゼルシャフト | 溶けた金属、特に溶けた鋼鉄材料の連続鋳造時に鋳造ストランド内の湯溜り尖端部の位置を決定するための方法及び装置 |
JP2007268546A (ja) * | 2006-03-30 | 2007-10-18 | Kobe Steel Ltd | 鋼材の製造方法 |
JP2009519134A (ja) * | 2005-12-14 | 2009-05-14 | エス・エム・エス・デマーク・アクチエンゲゼルシャフト | 薄いストリップを連続鋳造するための方法と連続鋳造装置 |
WO2009066929A2 (en) | 2007-11-19 | 2009-05-28 | Posco | Continuous cast slab and method for manufacturing the same |
KR101036320B1 (ko) * | 2011-02-08 | 2011-05-23 | 주식회사 포스코 | 연속주조주편의 제조방법 |
JP2020501913A (ja) * | 2016-12-22 | 2020-01-23 | ポスコPosco | 連続鋳造装置及び方法 |
-
1999
- 1999-05-25 JP JP11145126A patent/JP2000334552A/ja active Pending
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN101868314B (zh) * | 2007-11-19 | 2015-04-22 | Posco公司 | 连铸坯及其制造方法 |
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