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JP2000333693A - 配糖体より糖の遊離方法 - Google Patents

配糖体より糖の遊離方法

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Publication number
JP2000333693A
JP2000333693A JP2000074565A JP2000074565A JP2000333693A JP 2000333693 A JP2000333693 A JP 2000333693A JP 2000074565 A JP2000074565 A JP 2000074565A JP 2000074565 A JP2000074565 A JP 2000074565A JP 2000333693 A JP2000333693 A JP 2000333693A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
xylosidase
glucosidase
glycoside
enzyme
primeveroside
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000074565A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Yamamoto
繁 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Amano Enzyme Inc
Original Assignee
Amano Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Amano Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Amano Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP2000074565A priority Critical patent/JP2000333693A/ja
Publication of JP2000333693A publication Critical patent/JP2000333693A/ja
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】二糖配糖体であるβ−プリメベロシド又はその
類似体に作用して生理活性成分を生成する酵素組成物を
開発する。 【解決手段】酵素組成物(β−キシロシダーゼ及び/又
はβ−グルコシダーゼ)を配糖体(β−プリメベロシド
等)に作用せしめ、当該配糖体より単糖単位で糖を遊離
する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微生物又は植物等
より得ることができ、香気成分、色素成分又は生理活性
成分の前駆体であるβ−プリメベロシド又はその類似体
に作用して各種生理活性成分を生成させる能力を有する
酵素を有効成分として含有する酵素組成物に関する。よ
り詳細には、二糖配糖体であるβ−プリメベロシド又は
その類似体を単糖単位で切断し、生理活性成分遊離作用
を有するβ−キシロシダーゼ及び/又はβ−グルコシダ
ーゼを含有する酵素組成物を用いた用途に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、植物の香気成分であるゲラニオ
ール、リナロール、ベンジルアルコール、2−フェニル
エーテルやC13−ノルテルペノイドアルコールなどの
アルコール系香気は花、茶、果物、ワインなどの香気生
成に重要な働きをなしている。
【0003】これらの香気成分のなかで、ベンジルアル
コールや(Z)−3−ヘキセノールの香気前駆体として
はβ−D−glucopyranoside等の単糖配糖体が単離同定
されている。
【0004】最近になって、花のような香気について重
要な働きを果たすと考えられる、ゲラニオールやリナロ
ール等のアルコール系香気前駆体として二糖配糖体のβ
−primeveroside(6−O−β−D−xylopyranosyl−β
−D−glucopyranoside)あるいはその類似体の存在が
確認された。また、その他の前述した他のアルコール系
香気成分の前駆体としても二糖配糖体のβ−primeveros
ideとその類似体の存在が明らかになってきている。
【0005】さらに香気以外にも色素、薬理成分など生
理活性物質の一部においても二糖配糖体β−primeveros
ideあるいはその類似体として存在していることが明ら
かになってきている。例えばソテツなどに存在するマク
ロザミンはβ−プリメベロシダーゼによって二糖単位で
切断され生理活性物質であるメチルアゾキシメタノール
が生成することが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、二糖配
糖体であるβ−プリメベロシド又はその類似体である生
理活性成分の前駆体に作用して生理活性成分遊離作用を
有する酵素は茶葉などよりわずかに確認、精製されてい
るのみである。従って、従来の茶葉などに給源が限定さ
れることなく、二糖配糖体であるβ−プリメベロシド又
はその類似体に作用して生理活性成分を生成する酵素の
開発が強く望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決すべく鋭意研究の結果、従来より知られている酵
素を含む酵素組成物が、意外にも前記二糖配糖体である
β−プリメベロシド又はその類似体に作用して生理活性
成分を生成せしめることができることを見いだし本発明
を完成した。即ち、本発明はβ−キシロシダーゼ及び/
又はβ−グルコシダーゼを用い、生理活性成分の前駆体
である二糖配糖体であるβ−プリメベロシド及び/又は
その類似体に作用させ、単糖単位で切断して生理活性成
分を遊離せしめることを特徴とする生理活性成分の遊離
法に関する。
【0008】尚、本発明において各種酵素活性測定は特
に記載しないかぎり、以下に記載する方法により求めた
値で表示する。
【0009】 β−キシロシダーゼ活性 活性の測定は自動化学分析装置(東芝社製、TBA-20R)
を用いて行った。酵素サンプル45μlと基質としてパラ
ニトロフェニル(pNP)キシロシド(シグマ社製)を2
0mMの酢酸緩衝液(pH5.5)に2mMになるように溶解せし
めたもの200μlと混合し、37℃、サイクルタイム30.0s
ecで反応させた後、炭酸ナトリウム250μlを加え412nm
の吸光度を測定した。サンプル由来のブランクの測定は
基質溶液の代わりに20mM酢酸緩衝液(pH5.5)を用いて同
様に測定した。この条件下で吸光度を1上昇させる酵素
量を1単位(1AU)とした。
【0010】 β−グルコシダーゼ活性 活性の測定は自動化学分析装置(東芝社製、TBA-20R)
を用いて行った。酵素サンプル45μlと基質としてパラ
ニトロフェニル(pNP)グルコシド(メルク社製)を2
0mMの酢酸緩衝液(pH5.5)に2mMになるように溶解せし
めたもの200μlと混合し、37℃、サイクルタイム30.0s
ecで反応させた後、炭酸ナトリウム250μlを加え412nm
の吸光度を測定した。サンプル由来のブランクの測定は
基質溶液の代わりに20mM酢酸緩衝液(pH5.5)を用いて同
様に測定した。この条件下で吸光度を1上昇させる酵素
量を1単位(1AU)とした。
【0011】次いで本発明について詳細に説明する。本
発明者らは、β−プリメベロシド又は類似する二糖配糖
体を単糖単位で切断し、アグリコン遊離作用を有する酵
素、組み合わせることによりアグリコン遊離作用を有す
る市販の酵素製剤を対象として検討した。更に、このよ
うな酵素製剤を生産する能力を有する微生物についても
スクリーニングを検討した。また、本発明の対象となる
配糖体は上述した様なβ−プリメベロシド又は類似する
二糖配糖体ばかりでなく、糖が2つより多く結合してい
る配糖体をも対象とすることができる。尚、本発明にお
いてβ−プリメベロシドに類似する二糖配糖体とは、ア
グリコン側にグルコースを有する二糖類であり、例え
ば、アピオフラノシル−β−D−グルコピラノシド、ア
ラビノフラノシル−β−D−グルコピラノシド等が挙げ
られる。
【0012】本発明の性質を有する酵素及び本発明に使
用できる酵素を生産する微生物については以下のように
してスクリーニングすることができる。即ち、菌株であ
れば適当な液体培地で培養して、酵素製品であれば適当
な緩衝液に懸濁及び/又は希釈して、pNP―プリメベロ
シド等を基質としてpNP遊離量を指標として当該産生微
生物をスクリーニングすることができる。
【0013】基質となるpNP-プリメベロシドは、例えば
pNP-グルコシド(メルク社製)とキシロオリゴ糖(和光
純薬社製)を酵素キシロシダーゼ(シグマ社製)を用い
て反応させ、pNP-グルコシドにキシロースをβ-1,6結合
で1残基転移させることにより合成できる。
【0014】市販の酵素製剤についてスクリーニングし
た結果、ペクチナーゼG(天野製薬株式会社製、Asperg
illus pulverulentus由来)に二糖配糖体であるβ−プ
リメベロシド又はその類似体を単糖単位で切断し、生理
活性成分遊離作用を有する酵素が存在することを見い出
した。
【0015】本発明者らは、この作用にβ−キシロシダ
ーゼ及び/又はβ−グルコシダーゼが関与していること
を確認した。即ち、β−キシロシダーゼ活性により二糖
配糖体であるβ−プリメベロシドからキシロースが遊離
し、続いてβ−グルコシダーゼ活性により単糖配糖体か
らグルコースが遊離し、結果として生理活性物質が遊離
するという作用機構を確認した。
【0016】本発明においては、β−キシロシダーゼ活
性を有する酵素製剤及びβ−グルコシダーゼ活性を有す
る酵素製剤は各々別の起源から調製されたものを混合し
て使用することもできる。
【0017】また、本発明に使用できる酵素組成物を構
成するβ−キシロシダーゼやβ−グルコシダーゼは動
物、植物、微生物など何れの起源のものでも使用するこ
とができ、特に限定されない。例えば、β−キシロシダ
ーゼであれば、ペニシリウム属由来、スクミリンゴガイ
(ジャンボタニシ)由来などが知られ、β−グルコシダ
ーゼであればアンズ種子由来、ソテツ種子由来、Asperg
illus niger由来などが知られている。もちろん本発明
者が実施例などで使用している市販の酵素製剤から分離
精製したものを利用することもできる。
【0018】その混合比として、各々の活性比がβ−キ
シロシダーゼ活性:β−グルコシダーゼ活性が10:0〜
0:10、好ましくは8:2〜2:8、より好ましくは
6:4〜4:6である。また、これらの酵素組成物は順
次反応させて目的とする生理活性物質を配糖体から遊離
することもできる。しかも、本発明者らはβ−キシロシ
ダーゼやβ−グルコシダーゼは各々単独でもβ−プリメ
ベロシド又はその類似体に作用して単糖単位で切断し生
理活性成分を遊離することができることも本発明で見い
だした。
【0019】更にまた、本発明に使用できる酵素組成物
は上述したスクリーニング法により自然界から新たに求
めることも可能であり、このようにして求められた微生
物を通常の手段により培養・抽出することにより、本発
明に使用できる酵素組成物を得ることができる。また、
各種の遺伝子操作手法により本発明に使用できる酵素組
成物を生産することもできる。
【0020】即ち、本発明において利用できる生産方法
としては、β−キシロシダーゼ及び/又はβ−グルコシ
ダーゼ生産能を有する菌種の突然変異株、あるいは組換
えDNA法によりβ−キシロシダーゼ及び/又はβ−グ
ルコシダーゼを生産できるように改変された各種微生
物、或いは各種細胞、例えば酵母細胞、細菌細胞、高等
植物細胞、動物細胞等をも包含する。β−キシロシダー
ゼ及び/又はβ−グルコシダーゼ遺伝子を導入すること
で、β−キシロシダーゼ及び/又はβ−グルコシダーゼ
生産能を付与する場合にはホストとなる微生物にはβ−
キシロシダーゼ及び/又はβ−グルコシダーゼ生産能が
なくてもよい。
【0021】各種微生物などを用いてβ−キシロシダー
ゼ及び/又はβ−グルコシダーゼを製造するためには、
当該微生物の培養に適合した方法や条件を設定でき、こ
れらの方法や条件は特に限定されない。例えば、上述し
た各種菌種の培養法としては液体培養、固体培養の何れ
でも良いが、好ましくは液体培養が利用される。液体培
養としては例えば、以下のようにして行うことができ
る。
【0022】使用できる培地としては、β−キシロシダ
ーゼ及び/又はβ−グルコシダーゼを生産する微生物が
生育可能な培地であれば、如何なるものでも良い。例え
ば、グルコース、シュクロース、可溶性デンプン、グリ
セリン、デキストリン、糖蜜、有機酸等の炭素源、更に
硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、リン酸アンモニ
ウム、酢酸アンモニウム、或いは、ペプトン、酵母エキ
ス、コーンスティープリカー、カゼイン加水分解物、ふ
すま、肉エキス等の窒素源、更にカリウム塩、マグネシ
ウム塩、ナトリウム塩、リン酸塩、マンガン塩、鉄塩、
亜鉛塩等の無機塩を添加したものを用いることができ
る。更に、β−キシロシダーゼ及び/又はβ−グルコシ
ダーゼを生産蓄積せしめるために培地に各種の誘導物質
を添加することができる。
【0023】培地のpHは例えば約3〜8、好ましくは約
5〜6程度に調製し、培養温度は通常約10〜50℃、好ま
しくは約30℃程度で、1〜15日間、好ましくは4〜7日
間程度好気的条件下で培養する。培養法としては例えば
振盪培養法、ジャーファーメンターによる好気的深部培
養法が利用できる。しかしながら、上述した各種の培養
条件などは当然のことながら、培養する対象である微生
物や細胞により適宜変更され、本発明に使用できるβ−
キシロシダーゼ及び/又はβ−グルコシダーゼが生産さ
れる条件であれば、その条件等は限定されない。
【0024】得られた培養液からβ−キシロシダーゼ又
はβ−グルコシダーゼを単離精製するには、遠心分離、
UF濃縮、塩析、イオン交換樹脂等の各種クロマトグラ
フィーを組み合わせ、常法により処理して、精製したβ
−キシロシダーゼ又はβ−グルコシダーゼを得ることが
できる。
【0025】本発明の酵素組成物はこのようにして培養
した培養液そのままでも利用できる。もちろん本培養液
は本発明の使用目的に応じてその精製度合いを適宜変更
することができる。
【0026】次いで、本発明の酵素組成物を用いた各種
の用途について述べる。本発明に使用できる酵素組成物
は、各種成分、例えば植物材料の香気、色、生理活性含
有量等を増強したり、これらの成分の抽出効率を調節す
ることに使用できる。従って、より香気の高い食物、飲
料やより香りの高いスパイスや香料、香水などの製造に
利用でき、更に前述の製造時における処理において適宜
利用することにより、好ましくない香りの早期放出にも
使用できる。また、色に関しては植物材料、食物、飲料
の色合い改善、発色、あるいは色素の製造に利用でき
る。
【0027】更には、香気成分と同様に、品質上好まし
くない色素前駆体の分解除去にも使用でき、生理活性に
関しては生薬、ハーブ、その他植物性成分の薬理成分や
有用生理活性成分の増強やあるいは好ましくない成分の
分解除去に使用できる。
【0028】即ち、各種のプリメベロシドとその類似体
である二糖配糖体成分に本発明のβ−キシロシダーゼ及
び/又はβ−グルコシダーゼを作用させることによって
前述の作用をもたらすことが可能である。
【0029】本発明の対象とするプリメベロシド又はそ
の類似体を含有する物としては、本発明に使用できるβ
−キシロシダーゼ及び/又はβ−グルコシダーゼを含む
酵素組成物の作用を受けるものであればいかなるもので
あってもよく、例えば、食品、化粧品、医薬品、医薬部
外品、農薬、飼料等であり、より具体的には各種香気を
有する食品、トイレタリー製品、木工製品や畳などの植
物性材料から作られる工業製品などの製造にも利用でき
る。
【0030】本発明の方法が好ましく利用される対象と
しては、香気成分を有する食品が挙げられる。具体的に
述べるとウーロン茶、ジャスミン茶等の製造において、
例えば「萎調」の工程で使用したり、紅茶(CTC法に
よるティーパック用紅茶など)の香気増強、ワインの香
気増強に利用できる。また、化粧品の香気保持や香水の
香気保持、医薬品における香気の改善や薬理効果の改善
にも利用できる。
【0031】更に、色素の製造においても有用である。
例えば、西洋茜からのルベリトリン酸からの染料アリザ
リンの抽出に用いることによって、従来よりも効率よく
色素の抽出を行うことができる。
【0032】本発明に使用できる酵素組成物の利用方法
としては、その対象とするものの形態によりその添加方
法、添加量、反応方法などを適宜変更することができ
る。
【0033】具体的な利用方法としては、香気前駆体を
含有する植物抽出物あるいは醗酵産物に酵素組成物を加
えてインキュベートする。その条件は、酵素組成物が香
気、色素、生理活性成分前駆体に作用し香気、色素、生
理活性成分を遊離できる条件であれば特に限定されない
が、その条件については当業者が多大な労力を費やすこ
となく設定できる。この条件の基で、当該成分濃度を上
昇させることができる。
【0034】また、本発明の酵素を植物中に存在する香
気、色素、生理活性成分濃度の上昇にも利用できる。即
ち、植物はこれら成分の前駆体を有しているため、植物
に有効量の酵素組成物を与え、当該植物中の前駆体が加
水分解できる条件下で栽培することにより植物の香気、
色素、生理活性成分を上昇させることができる。また、
本発明の酵素組成物を利用することにより、対象となる
植物中の香気、色素、生理活性成分等の生成時期を調節
することができる。
【0035】本発明による、酵素組成物を配糖体に作用
せしめ、配糖体より単糖単位で糖を遊離する方法の反応
条件は、上記反応が起こる条件であれば特に限定されな
い。反応は、水溶液状態で行っても、酢酸メチルエステ
ル、エタノール、メタノール等の有機溶媒中で行って
も、また、これらの混合溶媒中で行ってもよく、基質ま
たは酵素が固体で媒質が液体の固液不均一系の状態でも
よいが、好ましくは、水溶液状態で行う。配糖体の濃度
は、好ましくは1M程度、より好ましくは0.1M以下、最も
好ましくは4mM以下で反応に付することが好ましい。そ
れぞれの酵素の使用量は、配糖体に対して好ましくは1
質量%以上、さらに好ましくは、10質量%以上で使用す
る(好ましくは0.01〜1ユニット/mg基質、さらに
好ましくは0.1〜1ユニット/mg基質)。反応温度と
しては、好ましくは0から65℃、さらに好ましくは20か
ら65℃、最も好ましくは30から50℃であり、反応時間と
しては、好ましくは、1時間から3日間である。
【0036】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はないことはいうまでもない。
【0037】
【実施例】実施例1 ペクチナーゼG(商品名:天野製薬株式会社製、Asperg
illus pulverulentus由来)3.6kgを20mMリン酸緩衝液
(pH6.0)に溶解し17.5Lとした。硫酸アンモニウム7.0
kg(65%飽和)を加え、攪拌後遠心分離し、上清17.8L
を回収した。この上清にさらに硫酸アンモニウム3.65kg
(95%飽和)を加え、攪拌後遠心分離し、上清16.7Lを
回収した。この上清を分子量6,000カットの限外ろ過膜
で210mlに濃縮後、凍結乾燥を行った。この凍結乾燥品
について、β−キシロシダーゼ活性及びβ−グルコシダ
ーゼ活性を測定した。
【0038】その結果、β−キシロシダーゼ活性は7.12
単位/mg、β−グルコシダーゼ活性は0.12単位/mgであ
った。
【0039】上記凍結乾燥品50mgを25mM bis-Tris緩衝
液(pH7.1)10mlに溶解し、25mM bis-Tris緩衝液(pH7.
1)で平衡化した陰イオン交換 Mono-Pカラム(5×200m
m)に展開し、Polybuffer(ファルマシア社製)で溶出
し、β−キシロシダーゼの部分精製酵素標品を得た。そ
の結果、β−キシロシダーゼ活性は82.2単位/ml、β−
グルコシダーゼ活性は1.01単位/mlであった。
【0040】実施例2 ペクチナーゼG(天野製薬株式会社製、Aspergillus pu
lverulentus由来)1.2gを20mMリン酸緩衝液(pH6.0)12
mlに溶解し、遠心分離した。この上清に12mlに100%飽
和硫酸アンモニウム/20mMリン酸緩衝液(pH6.0)28ml
を加え(70%飽和)、攪拌後遠心分離し、析出する沈殿
物を回収した。この沈殿物に35%飽和硫酸アンモニウム
/20mMリン酸緩衝液(pH6.0)12mlに溶解し、遠心分離
後の上清を回収した。この上清について、β−グルコシ
ダーゼ活性及びβ−キシロシダーゼ活性を測定した。
【0041】その結果、β−グルコシダーゼ活性は66.6
単位/ml、β−キシロシダーゼ活性は2.42単位/mlであ
った。
【0042】上記上清10mlを、35%飽和硫酸アンモニウ
ム/20mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したフェニル
セファロースカラム(16×100mm)に展開し、20mMリン
酸緩衝液(pH6.0)で溶出し、β−グルコシダーゼの部
分精製酵素標品を得た。その結果、β−グルコシダーゼ
活性は24.1単位/ml、β−キシロシダーゼ活性は0.18単
位/mlであった。
【0043】実施例3 実施例1で得られた部分精製のβ−キシロシダーゼ(β
−Xyl)をβ−キシロシダーゼ活性5.0単位/mlにな
るように20mM酢酸緩衝液(pH5.5)で希釈し調製した。
更に、実施例2で得られた部分精製のβ−グルコシダー
ゼ(β−Glc)をβ−グルコシダーゼ活性5.0単位/m
lになるように20mM酢酸緩衝液(pH5.5)で希釈し調製し
た。これらの酵素溶液及びpNP-プリメベロシドを用い
て、β−キシロシダーゼ単独反応、β−グルコシダーゼ
単独反応、β−キシロシダーゼ単独反応後に各時間後に
β−グルコシダーゼを加える反応を以下のように行い、
pNP遊離量を比較した。
【0044】β−キシロシダーゼ単独反応は20mM酢酸緩
衝液(pH5.5)で10mMに調製されたpNP-プリメベロシド
溶液0.2mlと部分精製β−キシロシダーゼ0.2mlを混合
し、5分後に0.05mlサンプリングし、20mM酢酸緩衝液
(pH5.5) 0.025ml、0.5M炭酸ナトリウム0.075mlを加
え混合し420nmの吸光度を測定した(5分反応)。同じく
5分後に0.15mlサンプリングし、20mM酢酸緩衝液(pH5.
5)を0.075ml加え、反応を継続した。さらに5、15分後
に0.1mlサンプリングし、0.5M炭酸ナトリウム0.1mlを加
え混合し420nmの吸光度を測定した(10、20分反応)。
【0045】β−グルコシダーゼ単独反応は20mM酢酸緩
衝液(pH5.5)で10mMに調製されたpNP-プリメベロシド
溶液0.15mlと部分精製β−グルコシダーゼ0.15mlを混合
し、5分後に0.05mlサンプリングし、20mM酢酸緩衝液
(pH5.5) 0.025ml、0.5M炭酸ナトリウム0.075mlを加え
混合し420nmの吸光度を測定した(5分反応)。同じく
5分後に0.2mlサンプリングし、20mM酢酸緩衝液(pH5.
5)を0.1ml加え、反応を継続した。さらに5、15分後に
0.1mlサンプリングし、0.5M炭酸ナトリウム0.1mlを加え
混合し420nmの吸光度を測定した(10、20分反応)。
【0046】β−キシロシダーゼ単独反応した後にβ−
グルコシダーゼを加える反応は、β−キシロシダーゼ単
独反応5分後に0.15mlサンプリングし、部分精製β−グ
ルコシダーゼ0.075ml加え、反応を継続した。さらに
5、15分後に0.1mlサンプリングし、0.5M炭酸ナトリウ
ム0.1mlを加え混合し420nmの吸光度を測定した(10、20
分反応)。
【0047】いずれの反応についてもあらかじめ熱処理
(100℃、10分)した試料について同様の実験を行い、
ブランク値とした。その結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】表より明らかなように、β−キシロシダー
ゼ単独反応した後にβ−グルコシダーゼを加える反応に
おいて、各酵素単独よりもpNPの遊離量が増大した。こ
のことより、β−キシロシダーゼによりpNP-プリメベロ
シドがpNP-グルコシド、キシロースに分解され、β−グ
ルコシダーゼによりβ−グルコシダーゼの基質であるpN
P-グルコシドがpNP、グルコースに分解される事が確認
された。
【0050】実施例4 実施例1で得られた部分精製β−キシロシダーゼを活性
5.0単位/mlになるように20mM酢酸緩衝液(pH5.5)で希
釈し調製した。更に、実施例2で得られた部分精製β−
グルコシダーゼを活性5.0単位/mlになるように20mM酢
酸緩衝液(pH5.5)で希釈し調製した。この酵素溶液を
用いて、活性比としてβ−キシロシダーゼ活性:β−グ
ルコシダーゼ活性が、10:0、9:1、8:2、7:
3、6:4、5:5、4:6、3:7、2:8、1:
9、0:10になるように試料を調製した。
【0051】各試料0.05mlと20mM酢酸緩衝液(pH5.5)
で10mMに調製されたpNP-プリメベロシド溶液0.05mlとを
混合し、37℃、20分間インキュベートした。0.5M炭酸ナ
トリウムを0.1ml加え混合し、420nmの吸光度を測定し
た。あらかじめ熱処理(100℃、10分)した試料につい
て同様の実験を行い、ブランク値とした。その結果を表
2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】表より明らかなようにpNPの遊離量が一番
高かったβ−キシロシダーゼ活性:β−グルコシダーゼ
活性の混合比は5:5、即ち1:1の時であった。
【0054】実施例5 香り成分前駆体であるオイゲニルプリメベロシドの調整
法 山茶花の新葉約2kgを100℃、10分で熱水抽出し、抽出
液をダイアイオンHP20(三菱化学社製)をつめたカ
ラムに掛け、オイゲニルプリメベシドを吸着させた。カ
ラムをベッドボリュームの約2倍の脱イオン水、20%メ
タノールで洗浄した後、100%メタノールで吸着したオ
イゲニルプリメベロシドを回収した。回収されたオイゲ
ニルプリメベロシドを含むメタノール溶液をその後濃縮
し、オイゲニルプリメベロシドを結晶化させ、ガラスフ
ィルターにて回収した。
【0055】実施例6 実施例1、2で得られた部分精製β−キシロシダーゼ及
び部分精製β−グルコシダーゼを用いて、20mM酢酸緩衝
液(pH5.5)で希釈しβ−キシロシダーゼ活性:β−グ
ルコシダーゼ活性=1:1の試料を調製した。即ちβ−
キシロシダーゼ活性10.0単位/ml及びβ−グルコシダー
ゼ活性10.0単位/mlの試料を調製した。
【0056】この試料の酵素溶液0.5mlと20mM酢酸緩衝
液(pH5.5)で10mMに調製されたオイゲニル-プリメベ
ロシド溶液0.5mlとを混合し、37℃でインキュベートし
た。6、24時間後のサンプルをそれぞれ回収し、熱処理
(100℃、10分)により反応停止後、内部標準物質とし
てペンタノールを加え、ガスクロマトグラフィー(島津
製作所製)に供した。その結果6、24時間共にオイゲノ
ールの検出時間にピークが確認された。また、時間の経
過と共にオイゲノール遊離量が増加していることが確認
された。
【0057】酵素溶液をあらかじめ熱処理(100℃、10
分)し、同様の実験を行ったものについては6、24時間
共にオイゲノールは検出されなかった。
【0058】官能試験(パネラー10名)により調べたと
ころ、6,24時間共にオイゲノール特有の香りが確認さ
れた。時間の経過と共にオイゲノール特有の香り増強さ
れていることが確認された。あらかじめ熱処理(100
℃、10分)したものについは、オイゲノール特有の香り
は感じられなかった
【0059】このことより、天然基質であるプリメベロ
ース配糖体についても、β−キシロシダーゼ及びβ−グ
ルコシダーゼを含む酵素組成物の作用によりアグリコン
遊離が確認された。
【0060】実施例7 実施例6で得られた酵素溶液1mlとブドウ果汁(市販
品:果汁100%、濃縮還元)1mlとを混合し37℃にて一
晩(14時間)インキュベートし、香りを調べたところ、
酵素剤の代わりに酢酸緩衝液を加えたものに比べ明らか
に香りが増強された。またこの作用は酵素溶液を100℃
で10分間加熱処理したものでは見いだせなかった。
【0061】実施例8 実施例6で得られた酵素溶液1mlと市販オレンジ果汁
(還元濃縮液)1mlとを混合し、37℃で24時間でインキ
ュベートし、香りの生成を官能試験により調べた。その
結果、オレンジ果汁の香りの増強効果が認められた。酵
素溶液を熱処理(100℃、10分)したものでは、このよ
うな効果は認められなかった。
【0062】
【発明の効果】本発明により、β−キシロシダーゼ及び
/又はβ−グルコシダーゼを含む酵素組成物は、β−プ
リメベロシド及び/又は類似する二糖配糖体を単糖単位
で切断し、アグリコン遊離作用を有することが明らかと
なり、本発明に使用できる酵素組成物は微生物を給源と
して供給することができ、各種食品、医薬品、医薬部外
品などに広く使用できる。例えば食品などにおいてその
香気、色素、生理活性成分を増強あるいは減弱すること
ができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酵素組成物を配糖体に作用せしめ、当該配
    糖体より単糖単位で糖を遊離する方法。
  2. 【請求項2】配糖体が二糖配糖体である請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】二糖配糖体がβ−プリメベロシド及び/又
    は類似する二糖配糖体である、請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】酵素組成物が微生物及び/又は植物より得
    ることができる請求項1乃至請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】酵素組成物がβ−キシロシダーゼ及び/又
    はβ−グルコシダーゼを含有してなる請求項1乃至請求
    項3記載の方法。
  6. 【請求項6】二糖配糖体が香気成分前駆体、色素成分前
    駆体又は生理活性成分前駆体である請求項1乃至請求項
    5記載の方法。
  7. 【請求項7】香気成分前駆体、色素成分前駆体又は生理
    活性成分前駆体が植物由来である請求項6記載の方法。
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