[go: up one dir, main page]

JP2000327403A - 製鋼用転炉の底吹き羽口用耐火物 - Google Patents

製鋼用転炉の底吹き羽口用耐火物

Info

Publication number
JP2000327403A
JP2000327403A JP11142126A JP14212699A JP2000327403A JP 2000327403 A JP2000327403 A JP 2000327403A JP 11142126 A JP11142126 A JP 11142126A JP 14212699 A JP14212699 A JP 14212699A JP 2000327403 A JP2000327403 A JP 2000327403A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tuyere
refractory
resin
coated
converter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11142126A
Other languages
English (en)
Inventor
吉俊 ▲斉▼藤
Yoshitoshi Saito
Koji Kono
幸次 河野
Hiroshi Sakamoto
浩 坂本
Takayuki Inuzuka
孝之 犬塚
Hisashi Nakamura
壽志 中村
Hajime Kasahara
始 笠原
Masateru Nakaho
真輝 仲保
Takeshi Matsui
剛 松井
Toshihiro Suruga
俊博 駿河
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Krosaki Harima Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Krosaki Harima Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp, Krosaki Harima Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP11142126A priority Critical patent/JP2000327403A/ja
Publication of JP2000327403A publication Critical patent/JP2000327403A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱履歴に対する抵抗性の高い、製鋼用転炉の
底吹き羽口用耐火物を提供する。 【解決手段】 樹脂被覆マグネシア粒子、マグネシア、
カーボンからなることを特徴とする耐火物により、製鋼
用転炉の底吹き羽口用耐火物の長寿命化を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製鋼用転炉に精錬
反応用ガスを吹き込むための底吹き羽口に用いられる耐
火物に関する。
【0002】
【従来の技術】製鋼用転炉の羽口部耐火物としては、タ
ール含浸ドロマイトれんが、タールマグネシアれんが、
タールドロマイトなどが用いられたが、いずれも熱スポ
ーリングによる損耗が大きく長寿命化が妨げられてき
た。その後、製鋼用転炉の内張り耐火物として広く用い
られるようになった耐熱スポーリング性に優れたMgO-C
れんがが使用されるようになり、羽口部の長寿命化が活
発になった。底吹き羽口及び羽口周辺部の内張り耐火物
は損傷が激しく、この部分の寿命を左右する重要な部位
であり、一層の耐用性に優れた耐火物が要求される。
【0003】底吹き羽口用耐火物に求められる特性とし
ては、第一に耐スポーリング性が挙げられる。製鋼用転
炉の底吹き羽口は、2重管構造で、内管から酸素を、外
管から不活性ガスあるいは炭化水素ガスを吹き込む構造
となっている。例えば、吹き込み酸素の火点部の超高温
の影響で吹錬時のれんが表面温度はかなり高いのに対し
て、出鋼時には急激に冷却されるため、急熱−急冷の繰
り返しによる熱衝撃は極めて大きい。特に、稼動面近く
のガス吹き込みパイプ周辺は、ガスによる冷却のための
温度勾配が著しく急になり、れんがの損傷を促進してい
る。したがって、底吹き羽口用耐火物は、この温度差に
耐えうる高い耐スポーリング性が要求される。
【0004】第二に、酸素やその他のガスを吹き込むた
めに、強力な攪拌効果と酸化反応が生じるために、底吹
き羽口用耐火物の曝される条件は、極めて苛酷な環境と
なる。したがって、底吹き羽口及びその周辺に使用され
る耐火物に特に要求される特性としては、高耐スポーリ
ング性、高耐酸化性及び高耐摩耗性が挙げられる。その
結果、耐熱衝撃性、機械的強度、耐酸化性、耐スラグ浸
潤性などを総合的に考慮して、C=20%前後のMgO-C れん
がが一般的に用いられている。
【0005】耐酸化性及び機械的強度の増加を目的とし
た金属(Al,Si) 添加法、還元焼成法なども行われて、長
寿命化がはかられてきている。特開昭57-5811 号公報で
は、鱗状黒鉛を含有し、有機結合材を用いて成形、硬化
させた焼成または不焼成の上底吹き転炉用耐火物を、ま
た、さらにタール含浸処理をした上底吹き転炉用耐火物
を提示している。
【0006】特開昭57-7871 号公報では、ホウ素を含む
化合物を炭素質耐火材に含有させることにより、耐酸化
性及び耐摩耗性並びに耐食性を向上させた焼成又は不焼
成、あるいは不定形耐火物とした底吹き羽口を有する転
炉用耐火物を提示している。特開昭57-32318号公報で
は、MgO-CaO 質の焼成また不焼成の羽口を有する製鋼炉
用耐火物を提示し、損耗の主要因と考えられる熱的スポ
ーリング性、耐食性の改良のためにCaO 系が有用である
ことを示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術において
は、確かに製鋼用転炉の底吹き羽口用耐火物の長寿命化
が可能となる。しかしながら、従来技術を適用するにあ
たって、新たに以下に記述するような改善すべき問題点
が判明した。鱗状黒鉛を含有し、有機結合材を用いて成
形硬化させた後に焼成または不焼成の、あるいはさらに
タール含浸処理をした耐火物では、耐酸化防止剤を加え
ない場合には、耐熱スポーリング性には優れるものの、
耐酸化性や強度の面では劣る。
【0008】耐酸化防止剤を加えると、耐酸化性や強度
の面では優れるものの、その量によっては、耐熱スポー
リング性が著しく低下することもある。また、耐酸化防
止剤の効果は高温域であり、使用環境によっては、その
効果が十分に発現しない場合もある。製鋼用転炉の羽口
用耐火物として、現在最も広く用いられている不焼成の
MgO-C れんがは、耐酸化性向上や高強度化のために、各
種の易酸化性金属などを添加し効果を得ている。不焼成
のMgO-C れんがでは、金属やホウ化物などの添加物の酸
化反応が生じる800 〜1000℃よりも高温域で強度が発現
される。また、これらの添加物の挙動により、大きな組
織変化を生じる。羽口部分の外周のMgO-C れんがは部分
的には冷却されているために、高温吹錬時には内部との
大きな温度差を生じる。そのため、内部と外部では形成
される組織や強度・弾性率も大きく異なるために、この
ことが耐熱衝撃性ひいては寿命にも悪影響を与える可能
性がある。
【0009】また、焼成による組織安定化をはかる場合
には、高温での焼成過程が必要となり、耐火物の製造コ
ストが上昇することになる。特開昭57-7871 号公報に開
示されているホウ素を含む化合物を炭素質耐火材に含有
させることにより、耐酸化性及び耐摩耗性並びに耐食性
を向上させた羽口を有する転炉用耐火物において、安定
な炭化ホウ素を形成して、強度を発現し、優れた摩耗性
が得られるようになるのは、ある温度域以上であり、そ
れよりも低い温度域では十分とはいえない。そのため
に、ガスによる冷却を受ける部位やその周辺においては
その効果は得られない。MgO-CaO 系耐火物では、スラグ
中のFe2O3 やSiO2がCaO と反応して低融点物質を生成し
て構造的スポーリングを発生する可能性がある。
【0010】そこで、本発明者らは、本発明は急熱−急
冷を繰り返す熱履歴に対する抵抗性が強く、製鋼用転炉
の底吹き羽口及びその周辺部の温度勾配が大きい実使用
環境下においても、熱スポーリング性に優れ、かつ、優
れた耐酸化性を有して溶鋼流による損傷を抑制し、ま
た、耐スラグ浸食性にも優れた底吹き羽口用耐火物につ
いて鋭意検討を進めた。
【0011】第一に、金属Alやホウ化物などの酸化防止
剤の過剰な添加は、耐火物を高弾性率化し、耐熱スポー
リング性を著しく低下させるために好ましくない。ま
た、底吹き羽口用耐火物の使用雰囲気を考えると、各種
の添加物は、添加物による強度発現効果がが十分に得ら
れる温度域よりも低温域からの、耐摩耗性を有するのに
十分な強度を発現することは困難である。
【0012】第二に、底吹き羽口用耐火物は、れんが内
部の温度勾配が急になる。不焼成のMgO-C れんがは、温
度によって生成する組織は異なるため、内部と外部に大
きな組織の違いを生じさせることになる。温度によっ
て、組織が変質していくために、熱的なスポーリングに
よる損傷が大になる。このことが、スポーリングの発生
を引き起こす可能性がある。
【0013】第三に、低温域での強度発現を行うため
に、事前に焼成処理を行うと、そのためのエネルギーコ
ストを要するために、低コストの底吹き羽口用耐火物を
得ることが困難である。本発明は、これらの問題点を克
服し、MgO-C れんがの優れた耐熱スポーリング性を低下
させることなく、溶鋼流による損傷を抑制するために、
使用環境の全温度域で緻密な組織を有し、高強度かつ耐
スラグ浸食性に優れた製鋼用転炉の羽口用耐火物を提供
することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】製鋼用転炉の底吹き羽口
用耐火物の長寿命化を達成するために、本発明の要旨は
下記(1)〜(7)のとおりである。 (1) 樹脂被覆マグネシア粒子とカーボンを含む配合物を
成形してなることを特徴とする製鋼用転炉の底吹き羽口
用耐火物。
【0015】(2) 樹脂被覆マグネシア粒子、マグネシア
粒子及びカーボンを含む配合物を成形してなることを特
徴とする製鋼用転炉の底吹き羽口用耐火物。 (3) 前記耐火物に対して、金属を、上記カーボンに対し
て0.5 〜10重量%を添加したことを特徴とする(1) 又は
(2) 記載の製鋼用転炉の底吹き羽口用耐火物。 (4) 前記耐火物に対して、ホウ素を含む化合物を、上記
カーボンに対して0.2〜5 重量%を添加したことを特徴
とする(1) 〜(3) のいずれか1 項に記載の製鋼用転炉の
底吹き羽口用耐火物。
【0016】(5) 前記樹脂被覆マグネシア粒子として、
マグネシア粒子の粒度を1mm 以上10mm以下とすることを
特徴とする(1) 〜(4) のいずれか1項に記載の製鋼用転
炉の底吹き羽口用耐火物。 (6) 前記樹脂被覆マグネシア粒子として、被覆する樹脂
の固定炭素量を20重量%とすることを特徴とする(1) 〜
(5) のいずれか1項に記載の製鋼用転炉の製鋼用転炉の
底吹き羽口用耐火物。
【0017】(7) 前記樹脂被覆マグネシア粒子として、
マグネシア粒子100 重量部に対して、樹脂が0.5 〜2 重
量%であることを特徴とする(1) 〜(6) のいずれか1 項
に記載の製鋼用転炉の底吹き羽口用耐火物。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。樹脂被覆MgO 粒子を利用した製鋼用転炉の
底吹き羽口用耐火物では、MgO-黒鉛間の結合強度を向上
させることができ、さらにバインダーの樹脂、添加する
酸化防止剤、黒鉛、樹脂被覆MgO 粒子間に強固な組織を
形成することもできる。これは、従来例の各種の金属や
ホウ化物による強度発現効果と比べても、低い温度域か
ら得ることができ、底吹き羽口用耐火物に求められる温
度域での強度を向上させることが可能となる。さらに、
温度による強度や弾性率の変化が小さいために耐熱スポ
ーリング性にも優れる。また、これは従来と同様の黒鉛
量などで効果を得ることができるために、耐熱スポーリ
ング性の著しい低下は生じない。
【0019】被覆する樹脂としては、カーボン系耐火物
のバインダー等にも使用するノボラック及びレゾール型
フェノール樹脂を使用することができる。樹脂の被覆は
マグネシア粒子と被覆する樹脂を混練することにより行
うことができる。配合的に占める樹脂被覆マグネシアの
割合は特に限定する必要はないが、強度発現のためには
20重量%以上、また、れんがの著しい高弾性率化による
耐スポーリング性の大幅な低下を防ぐためには、60重量
%未満とすることが好ましい。
【0020】カーボンの含有量は3 〜40重量%であるこ
とが好ましい。3 重量%未満では耐熱衝撃性の低下を招
くことになり、40重量%超ではれんがの強度の低下につ
ながるからである。マグネシアは強度向上のために必要
に応じて添加するが、その含有量は20〜75重量%である
ことが好ましい。20重量%未満では、樹脂被覆マグネシ
ア粒子の割合が高くなり、れんがが高弾性率化し耐スポ
ーリング性の低下につながるからである。75重量%超で
は相対的に樹脂被覆マグネシア粒子の割合が低くなり、
高強度化などの樹脂被覆の効果が十分に得られなくなる
からである。
【0021】次に数値限定の理由について説明する。金
属の含有量がカーボンに対して0.5 重量%未満では、金
属添加による酸化防止や高温での強度発現の効果を十分
に得ることができない。一方、金属の含有量がカーボン
に対して10重量%を越えて多くなると、れんがの弾性率
が著しく上昇し、熱応力による割れが顕著になるため、
耐熱スポーリング性の大幅な低下につながる。
【0022】ホウ素を含む化合物の含有量がカーボンに
対して0.2 重量%未満では、ホウ素を含む化合物添加に
よる酸化防止や高温での強度発現の効果を十分に得るこ
とができない。一方、ホウ素を含む化合物の含有量がカ
ーボンに対して5 重量%を越えて多くなると、れんがの
弾性率が著しく上昇し、熱応力による割れが顕著になる
ため、耐熱スポーリング性の大幅な低下につながる。
【0023】マグネシア粒子の粒度が1mm 未満では、ハ
ンドリングが困難になるため、樹脂をマグネシア粒子に
均一に被覆することができない。そのために、十分な強
度を得ることができない。一方、マグネシア粒子の粒度
が10mmを越えて大きくなると、れんがを成形する際に、
樹脂被覆マグネシア粒子を均一に分散することが困難に
なる。そのために、十分な耐食性を得ることができな
い。
【0024】マグネシア粒子に被覆する樹脂の固定炭素
量が15重量%未満では、マグネシア粒子周囲に緻密で強
固な組織を形成することができず、添加金属による強度
が発現するよりも低い温度域では十分な強度を得ること
ができない。それに対して、マグネシア粒子に被覆する
樹脂の固定炭素量が50重量%を越えて大きくなると、耐
火物の弾性率が著しく高くなり、耐熱スポーリング性を
低下させることになる。
【0025】マグネシア粒子に対する被覆する樹脂の量
が0.5 重量%未満では、マグネシア粒子周囲に緻密で強
固な組織を形成することができず、十分な強度向上をは
かることができない。一方、マグネシア粒子に対する被
覆する樹脂の量が2.0 重量%超では、耐火物の弾性率が
著しく高くなり、耐熱スポーリング性を低下させること
になる。
【0026】マグネシア原料及びカーボン原料について
は、本発明では特に限定しない。マグネシア原料として
は、電融のクリンカー、焼成クリンカー、天然マグネサ
イト及び海水マグネシアなどを使用することができる。
また、カーボン原料としては天然の鱗状黒鉛、土状黒
鉛、人造黒鉛、コークス、仮焼無煙炭、電極屑などを使
用することができる。
【0027】金属及びホウ化物については、本発明では
特に限定しない。金属としては、Al、Si、Al-Si 、Al-M
g などを使用することができる。ホウ化物としては、B4
C 、BN、B-O-N 系ガラスなどを使用することができる。
金属とホウ化物は、粉末の形で耐火物のなかに添加され
ることが好ましい。必要によっては本発明の効果を阻害
しない範囲内において、金属系ファイバー、高分子系フ
ァイバー、セラミック系ファイバー、ピッチ粉、バイン
ダー、酸化防止剤などを10重量%以下添加しても構わな
い。また、必要によっては本発明の効果を阻害しない範
囲内において焼成を行っても構わない。
【0028】次に、一般品質や耐食性、耐熱スポーリン
グ性について、まず、実験室レベルで鋭意検討を進め
た。また、例として270t製鋼用転炉での検討を進めた。
溶銑及び溶鋼の温度は1300〜1700℃で、CO,CO2,O2 の雰
囲気下で脱炭精錬に使用される製鋼用転炉では、雰囲気
温度も極めて高く、製鋼用転炉の底吹き羽口用耐火物
は、高い環境にある。これまでの出鋼口スリーブ耐火物
では、急熱−急冷の繰り返しの熱履歴による強度や組織
変化をのバランスをとることは困難であったが、樹脂被
覆マグネシア粒子のMgO-C れんがを適用することによ
り、これらを達成することができた。
【0029】
【実施例】以下に本発明を実施例によって説明する。た
だし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。本発明をMgO-C 質耐火物に適用し、これを製鋼用転
炉の底吹き羽口用耐火物として使用した実施例である。
【0030】表1〜3および表4〜5に示す原料組成
で、あらかじめ樹脂被覆MgO 骨材を製造し、それぞれ液
状のフェノール系バインダーを適量添加して、混練、CI
P 成形、乾燥(90 ℃×24時間) 、硬化処理(250℃×10時
間) を施して得た。被覆する樹脂には、バインダーに用
いたのと同様の液状のフェノール系のものを使用し、ミ
キサーを用いてMgO 粒子に被覆した。原料組成中のMgO
原料は電融MgO を使用し、カーボン原料は純度98%の天
然鱗片状黒鉛を使用した。
【0031】測定項目は、比重、気孔率、強度、弾性
率、耐熱スポーリング性、耐食性である。強度は溶鋼流
に対する耐摩耗性、弾性率は耐熱スポーリング性の因子
として重要である。強度は800 、1000および1400℃の3
水準の雰囲気で3 点曲げ試験法で測定した。
【0032】弾性率も800 、1000および1400℃の3 水準
の雰囲気で測定し、温度変化に伴う組織の変化を調査し
た。耐熱スポーリング性は40×40×230mm の角柱状の供
試試料の長さ方向の一端から約110mm までを1600℃の溶
銑に浸漬、水冷、空冷を繰り返す方法で行った。表中に
は剥落に至るまでの回数と表面および内部の亀裂状態の
観察結果を示す。剥落に至るまでの回数が大きく、また
亀裂の程度が、微>小>中>大のように小さい方が耐熱
スポーリング性良好と判断される。
【0033】耐食性は、高周波溶解炉内張り浸食法によ
り評価した。比較例( 従来材質) の耐食性を100(基準)
とし、指数評価した。指数値が100 より大きい場合、耐
食性が比較例1 材質より劣ると判断される。実炉試験で
の耐用性の評価については、比較例1 材質の耐用回数を
基準として耐用性の評価を行った。
【0034】表1 〜3は、本発明にある樹脂被覆MgO 原
料適用に関するものである。実施例1,2,3 および比較例
1,実施例12,13 では、本発明にある樹脂被覆MgO 原料の
適用可否、および被覆するMgO 粒子の粒度について検討
した。その結果、樹脂被覆MgO 原料を適用した実施例、
および発明(5) の規定範囲内である場合には、比較的高
強度、低弾性率で、耐食性・耐熱スポーリング性に関し
て優位にあることがわかる。
【0035】実施例1,4,5 および実施例14、15 では被覆
する樹脂の固定炭素量について検討した。その結果、実
施例14は被覆する樹脂の固定炭素量が請求項に記載され
た規定の範囲より少なく、低強度で耐食性に劣り、実施
例15は被覆する樹脂の固定炭素量が請求項に記載された
規定の範囲よりも多く、比較的高強度だが、耐熱スポー
リング性が劣り、従来例( 比較例1)よりは優れるもの
の、十分に耐用性を伸ばすことはできなかった。
【0036】実施例1,6,7 および実施例16では、MgO 原
料に対する樹脂被覆量について検討した。その結果、実
施例16に示すようにMgO 原料に対する樹脂被覆量が発明
(6)の規定範囲よりも大きい場合、比較例1 に対して、
耐熱スポーリング性が低下し、実炉試験でも従来例( 比
較例1)よりは優れるものの、十分には耐用を伸ばすこと
はできなかった。
【0037】実施例8 〜11および実施例17〜19では、ホ
ウ素を含む化合物としてB4C を採用、並びにAlと併用し
た場合での被覆する樹脂の固定炭素量、MgO 原料に対す
る樹脂被覆量について検討した。その結果、樹脂被覆Mg
O 原料に関する請求項に記載された規定の範囲外の実施
例17〜19の場合、発明(6) 又は(7) の規定を満たす実施
例8 〜11に対して、比較的低熱間強度、高弾性率を示
し、耐食性・耐熱スポーリング性は低下し、実炉試験で
は、従来例よりは優れるものの十分に耐用を伸ばすこと
ができなかった。
【0038】表4〜5は、本発明にある樹脂被覆MgO 原
料を適用したMgO-C 質耐火物に使用されるAlやホウ素を
含む化合物としてB4C の適用量に関するものである。被
覆する樹脂には、バインダーに用いたのと同様の液状の
フェノール系のものを使用し、ミキサーを用いてMgO 粒
子に被覆した。実施例1,12,13 および比較例1,実施例2
5,26,27では、本発明にある樹脂被覆MgO 原料を適用し
たMgO-C 質耐火物に使用されるAlの適用量について検討
した。その結果、発明(3) の規定範囲よりも少ない実施
例25,26 の場合には、規定を満たす場合に比べて低熱間
強度で耐食性が劣り、実炉試験でも、従来例よりは優れ
るものの、数値規定を満たす実施例1 よりは劣る結果と
なった。発明(3) の規定範囲より多い実施例27の場合
は、高熱間強度、高耐食性だが、高弾性率で耐熱スポー
リング性が劣り、実炉試験でも、従来品よりは優れるも
のの規定を満たす実施例21に劣る耐用を示した。
【0039】実施例8,22,23 および実施例28,29 では、
本発明にある樹脂被覆MgO 原料を適用したMgO-C 質耐火
物に使用されるホウ素を含む化合物としてB4C の適用量
について検討した。その結果、発明(4) の規定範囲より
少ない実施例28の場合は、低熱間強度で、耐食性が劣
り、実炉試験でも従来品よりは優れるものの、数値規定
を満たす実施例8 よりは劣る結果になった。実施例11,2
4 および実施例30,31 では、ホウ素を含む化合物として
のB4C とAlを併用した場合の適用量について検討した。
その結果、発明(3) および(4) の規定範囲外の適用量で
は、実施例に比較して全体的に品質に劣り、実施例30,3
1 は実炉試験でも、従来例よりは優れるものの数値規定
を満たす実施例11,24 よりは劣る耐用となった。
【0040】本発明例は、いずれの場合も、従来例と比
較して、実炉において長寿命化を達成することができ
た。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】
【発明の効果】本発明によるマグネシア粒子に樹脂を被
覆することを特徴とする製鋼用転炉の底吹き羽口用耐火
物は、急熱−急冷の繰り返し環境における強度及び弾性
率変化を、従来よりも大幅に低減することが可能とな
り、羽口の長寿命化を達成することができる。同時に、
耐熱スポーリング性に関しても、従来品と同様のレベル
を維持することができ、長寿命化に有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 幸次 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 坂本 浩 北海道室蘭市仲町12番地 新日本製鐵株式 会社室蘭製鐵所内 (72)発明者 犬塚 孝之 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 (72)発明者 中村 壽志 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 (72)発明者 笠原 始 兵庫県姫路市広畑区富士町1番地 新日本 製鐵株式会社広畑製鐵所内 (72)発明者 仲保 真輝 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1−1 新日 本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 松井 剛 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本製 鐵株式会社大分製鐵所内 (72)発明者 駿河 俊博 福岡県北九州市八幡西区東浜町1番1号 黒崎窯業株式会社内 Fターム(参考) 4G030 AA07 AA35 AA60 AA61 BA27 GA14 PA21 4K002 AC06 BC03 BG02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂被覆マグネシア粒子とカーボンを含
    む配合物を成形してなることを特徴とする製鋼用転炉の
    底吹き羽口用耐火物。
  2. 【請求項2】 樹脂被覆マグネシア粒子、マグネシア粒
    子及びカーボンを含む配合物を成形してなることを特徴
    とする製鋼用転炉の底吹き羽口用耐火物。
  3. 【請求項3】 前記耐火物に対して、金属を、上記カー
    ボンに対して0.5 〜10重量%を添加したことを特徴とす
    る請求項1 又は2 記載の製鋼用転炉の底吹き羽口用耐火
    物。
  4. 【請求項4】 前記耐火物に対して、ホウ素を含む化合
    物を、上記カーボンに対して0.2 〜5 重量%を添加した
    ことを特徴とする請求項1 から3 までのいずれか1 項に
    記載の製鋼用転炉の底吹き羽口用耐火物。
  5. 【請求項5】 前記樹脂被覆マグネシア粒子として、マ
    グネシア粒子の粒度を1mm 以上10mm以下とすることを特
    徴とする請求項1 から4までのいずれか1項に記載の製
    鋼用転炉の底吹き羽口用耐火物。
  6. 【請求項6】 前記樹脂被覆マグネシア粒子として、被
    覆する樹脂の固定炭素量を15〜50重量%とすることを特
    徴とする請求項1 から5までのいずれか1項に記載の製
    鋼用転炉の製鋼用転炉の底吹き羽口用耐火物。
  7. 【請求項7】 前記樹脂被覆マグネシア粒子として、マ
    グネシア粒子100 重量部に対して、樹脂が0.5 〜2 重量
    %であることを特徴とする請求項1 から6 までのいずれ
    か1 項に記載の製鋼用転炉の底吹き羽口用耐火物。
JP11142126A 1999-05-21 1999-05-21 製鋼用転炉の底吹き羽口用耐火物 Withdrawn JP2000327403A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11142126A JP2000327403A (ja) 1999-05-21 1999-05-21 製鋼用転炉の底吹き羽口用耐火物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11142126A JP2000327403A (ja) 1999-05-21 1999-05-21 製鋼用転炉の底吹き羽口用耐火物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000327403A true JP2000327403A (ja) 2000-11-28

Family

ID=15307998

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11142126A Withdrawn JP2000327403A (ja) 1999-05-21 1999-05-21 製鋼用転炉の底吹き羽口用耐火物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000327403A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009235457A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Jfe Steel Corp 転炉底吹き羽口の煉瓦構造
JP2012136723A (ja) * 2010-12-24 2012-07-19 Nippon Steel Corp 溶湯容器の炉壁構造及び溶湯容器の炉壁施工方法
CN103620332A (zh) * 2012-03-28 2014-03-05 新日铁住金株式会社 熔融金属容器的炉壁结构及熔融金属容器的炉壁施工方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009235457A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Jfe Steel Corp 転炉底吹き羽口の煉瓦構造
JP2012136723A (ja) * 2010-12-24 2012-07-19 Nippon Steel Corp 溶湯容器の炉壁構造及び溶湯容器の炉壁施工方法
CN103620332A (zh) * 2012-03-28 2014-03-05 新日铁住金株式会社 熔融金属容器的炉壁结构及熔融金属容器的炉壁施工方法
CN103620332B (zh) * 2012-03-28 2015-09-02 新日铁住金株式会社 熔融金属容器的炉壁结构及熔融金属容器的炉壁施工方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Thethwayo et al. A review of carbon-based refractory materials and their applications
JP4681456B2 (ja) 低カーボン質マグネシアカーボンれんが
JP7557328B2 (ja) Lf鍋用マグカーボンれんがの製造方法
JP2020100511A (ja) マグネシアカーボンれんがの製造方法
JPH05330904A (ja) 高耐スポーリング性マグネシア・カーボンれんが
JP6154772B2 (ja) アルミナ−炭化珪素−炭素質れんが
JP2000327403A (ja) 製鋼用転炉の底吹き羽口用耐火物
JP2012192430A (ja) アルミナ−カーボン質スライドゲートプレート
JPH08259340A (ja) マグネシア−カーボン質キャスタブル耐火物
KR0135315B1 (ko) 고강도 마그네시아-카본질 내화물
JP2000309818A (ja) 製鋼用転炉の出鋼口スリーブ耐火物
JP3865950B2 (ja) 耐火物用組成物および耐火物
JP2006021972A (ja) マグネシア−カーボンれんが
JP7350830B2 (ja) 不焼成低カーボンマグクロれんが
JP7517320B2 (ja) 溶銑予備処理容器
JPH06144939A (ja) 塩基性不定形耐火物
JP2005139062A (ja) 低カーボン不焼成れんが
JPH09328378A (ja) 炭素含有塩基性質耐火物の製造方法
JP2000335980A (ja) 黒鉛含有不定形耐火物
JPH01305849A (ja) マグネシア・カーボンれんが
JP2003171170A (ja) マグネシア−カーボンれんが
JP7626365B2 (ja) キャスタブル耐火物およびそれを用いた溶鋼鍋
KR940006422B1 (ko) 정련용 마그네시아-스피넬-카본질 내화물
JPH0777979B2 (ja) 炭素含有耐火物
JP2023102168A (ja) 溶銑容器用不焼成れんがの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060801