JP2000318602A - 列車分離検知システム及びこれを用いた鉄道車両用ブレーキ装置 - Google Patents
列車分離検知システム及びこれを用いた鉄道車両用ブレーキ装置Info
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Landscapes
- Braking Systems And Boosters (AREA)
- Valves And Accessory Devices For Braking Systems (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 列車分離の事実を正確に検知することができ
る列車分離検知システムを提供し、自動空気ブレーキ作
用部と電気指令式空気ブレーキ作用部とを併有する機関
車におけるブレーキの制御性を向上させるとともに、列
車分離時の安全性を確保する。 【解決手段】 ブレーキ管圧力に関してその減圧変化率
と、制御の目標値と実際の値との圧力差とに基づいて、
列車分離を識別して検知する。常用ブレーキ時の所定の
場合には、自動空気ブレーキの系統を遮断して、制御性
に優れた電気指令式空気ブレーキを活用し、列車分離の
検知を含む非常ブレーキ時には、自動ブレーキ作用部と
電気指令式空気ブレーキ作用部との高位優先で安全性を
確保する。
る列車分離検知システムを提供し、自動空気ブレーキ作
用部と電気指令式空気ブレーキ作用部とを併有する機関
車におけるブレーキの制御性を向上させるとともに、列
車分離時の安全性を確保する。 【解決手段】 ブレーキ管圧力に関してその減圧変化率
と、制御の目標値と実際の値との圧力差とに基づいて、
列車分離を識別して検知する。常用ブレーキ時の所定の
場合には、自動空気ブレーキの系統を遮断して、制御性
に優れた電気指令式空気ブレーキを活用し、列車分離の
検知を含む非常ブレーキ時には、自動ブレーキ作用部と
電気指令式空気ブレーキ作用部との高位優先で安全性を
確保する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、列車分離検知シス
テム及びこれを用いた鉄道車両用ブレーキ装置に関す
る。
テム及びこれを用いた鉄道車両用ブレーキ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】機関車と、これによって牽引される貨車
等とからなる列車における空気ブレーキ装置は、列車全
体に作用する自動空気ブレーキ作用部と、機関車にのみ
作用する電気指令式空気ブレーキ作用部とを備えてい
る。この自動空気ブレーキ作用部は、列車全体に引き通
されたブレーキ管内の空気圧力(以下、BP圧力とい
う。)を媒体としてブレーキ指令を各車両の制御弁に伝
達し、各ブレーキシリンダを動作させる。一方、電気指
令式空気ブレーキ作用部は、ブレーキ指令を電気信号で
直接電空変換弁に与えて、機関車のブレーキシリンダの
みを動作させる。機関車においては、これら2種類のブ
レーキ作用部からのブレーキ指令のうち、どちらか高位
(より強いブレーキ指令の方)優先でブレーキシリンダ
を動作させる。
等とからなる列車における空気ブレーキ装置は、列車全
体に作用する自動空気ブレーキ作用部と、機関車にのみ
作用する電気指令式空気ブレーキ作用部とを備えてい
る。この自動空気ブレーキ作用部は、列車全体に引き通
されたブレーキ管内の空気圧力(以下、BP圧力とい
う。)を媒体としてブレーキ指令を各車両の制御弁に伝
達し、各ブレーキシリンダを動作させる。一方、電気指
令式空気ブレーキ作用部は、ブレーキ指令を電気信号で
直接電空変換弁に与えて、機関車のブレーキシリンダの
みを動作させる。機関車においては、これら2種類のブ
レーキ作用部からのブレーキ指令のうち、どちらか高位
(より強いブレーキ指令の方)優先でブレーキシリンダ
を動作させる。
【0003】上記自動空気ブレーキ作用部によるブレー
キは、全車両に作用するため、特に、非常ブレーキとし
ての信頼性が高い。非常ブレーキが作動するのは主とし
て、運転士の操作による場合と、ATSの非常指令によ
る場合と、故障検知等による場合とであるが、以下に述
べる列車分離の場合にも非常ブレーキの状態となる。す
なわち、車両間の連結不良から列車の走行中に機関車と
貨車との間、又は、貨車同士間で列車分離が生じた場
合、ブレーキ管が分離箇所で大気に開放されるため、B
P圧力が急激に下がる。このBP圧力の低下という現象
は、ブレーキ指令器の指令信号とは関わりなく、ブレー
キ管を介して全車両に「伝達」され、その結果、非常ブ
レーキの状態となって列車が停止する。従って、列車分
離が発生した場合、列車分離という事実そのものは検知
されないが、上記自動空気ブレーキ作用部により、列車
は安全に停止する。
キは、全車両に作用するため、特に、非常ブレーキとし
ての信頼性が高い。非常ブレーキが作動するのは主とし
て、運転士の操作による場合と、ATSの非常指令によ
る場合と、故障検知等による場合とであるが、以下に述
べる列車分離の場合にも非常ブレーキの状態となる。す
なわち、車両間の連結不良から列車の走行中に機関車と
貨車との間、又は、貨車同士間で列車分離が生じた場
合、ブレーキ管が分離箇所で大気に開放されるため、B
P圧力が急激に下がる。このBP圧力の低下という現象
は、ブレーキ指令器の指令信号とは関わりなく、ブレー
キ管を介して全車両に「伝達」され、その結果、非常ブ
レーキの状態となって列車が停止する。従って、列車分
離が発生した場合、列車分離という事実そのものは検知
されないが、上記自動空気ブレーキ作用部により、列車
は安全に停止する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、自動空気ブ
レーキ作用部によるブレーキは、常用ブレーキとしては
微妙な加減が困難であり、そのため、ブレーキが効きす
ぎたり、又逆に、効きがあまい等の制御性の悪さを有し
ている。一方、上記電気指令式空気ブレーキ作用部によ
るブレーキは、自動空気ブレーキ作用部に比べて制御性
に優れている。また、電気指令式空気ブレーキは、機関
車の電動機による電気ブレーキとの協調も容易である。
従って、常用ブレーキとしては電気指令式空気ブレーキ
を十分に活用したいところである。ところが、機関車の
ブレーキは、前述のような高位優先のシステムであるこ
とにより、電気指令式空気ブレーキの制御性の良さを十
分に活用することができない。
レーキ作用部によるブレーキは、常用ブレーキとしては
微妙な加減が困難であり、そのため、ブレーキが効きす
ぎたり、又逆に、効きがあまい等の制御性の悪さを有し
ている。一方、上記電気指令式空気ブレーキ作用部によ
るブレーキは、自動空気ブレーキ作用部に比べて制御性
に優れている。また、電気指令式空気ブレーキは、機関
車の電動機による電気ブレーキとの協調も容易である。
従って、常用ブレーキとしては電気指令式空気ブレーキ
を十分に活用したいところである。ところが、機関車の
ブレーキは、前述のような高位優先のシステムであるこ
とにより、電気指令式空気ブレーキの制御性の良さを十
分に活用することができない。
【0005】一方、前述のように、列車分離の際には自
動空気ブレーキ装置が重要な役割を果たすことから、こ
のような場合には、安全上、自動空気ブレーキ装置の動
作を優先するシステムであることが必須である。ところ
が、このことは、常用ブレーキ時においては上記のよう
に、制御性の改善を妨げる要因となる。すなわち、従来
のブレーキ装置では、列車分離時の安全性を確保しつつ
ブレーキの制御性を改善することは困難であるという問
題点がある。また、そもそも、列車分離の事実そのもの
を検知することはできなかったため、列車分離が原因で
列車が非常停止した場合、運転士が原因を把握するまで
に時間がかかり、復旧が遅れるという問題点もある。
動空気ブレーキ装置が重要な役割を果たすことから、こ
のような場合には、安全上、自動空気ブレーキ装置の動
作を優先するシステムであることが必須である。ところ
が、このことは、常用ブレーキ時においては上記のよう
に、制御性の改善を妨げる要因となる。すなわち、従来
のブレーキ装置では、列車分離時の安全性を確保しつつ
ブレーキの制御性を改善することは困難であるという問
題点がある。また、そもそも、列車分離の事実そのもの
を検知することはできなかったため、列車分離が原因で
列車が非常停止した場合、運転士が原因を把握するまで
に時間がかかり、復旧が遅れるという問題点もある。
【0006】上記のような従来の問題点に鑑み、本発明
は、列車分離の事実を正確に検知することができる列車
分離検知システムを提供することを目的とする。また、
かかる列車分離検知システムを用いて、自動空気ブレー
キ作用部と電気指令式空気ブレーキ作用部とを併有する
機関車におけるブレーキの制御性を向上させるととも
に、列車分離時の安全性を確保する鉄道車両用ブレーキ
装置を提供することを目的とする。
は、列車分離の事実を正確に検知することができる列車
分離検知システムを提供することを目的とする。また、
かかる列車分離検知システムを用いて、自動空気ブレー
キ作用部と電気指令式空気ブレーキ作用部とを併有する
機関車におけるブレーキの制御性を向上させるととも
に、列車分離時の安全性を確保する鉄道車両用ブレーキ
装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の列車分離検知シ
ステムは、機関車及びこの機関車に牽引される被牽引車
によって構成される列車に引き通された自動空気ブレー
キ装置用のブレーキ管と、前記機関車に設けられ、ブレ
ーキ指令器からの指令信号に応じて前記ブレーキ管のブ
レーキ管圧力を制御するブレーキ制御手段と、前記ブレ
ーキ管圧力を検出する圧力検出手段と、前記ブレーキ指
令器に設けられ、前記圧力検出手段の出力を受けて、前
記ブレーキ管圧力の減圧変化率、及び、前記指令信号に
応じた前記ブレーキ管圧力の目標値と前記ブレーキ管圧
力の検出値との圧力差に基づいて、列車分離を検知する
列車分離検知手段とを備えたものである(請求項1)。
上記のように構成された列車分離検知システムでは、各
車両間(機関車と被牽引車、又は被牽引車同士)の連結
が外れて列車が分離すると、当該車両間におけるブレー
キ管の接続が外れて管内の空気が大気中に排出されるた
め、ブレーキ管圧力が急激に低下する。また、ブレーキ
管圧力はブレーキ制御手段の制御に逆らう形で低下し、
これは非常ブレーキ時の現象とは異なる。そこで、列車
分離検知手段は、ブレーキ管圧力の減圧変化率ととも
に、ブレーキ管圧力の目標値と検出値との圧力差にも基
づいて、列車分離が発生したか否かを正確に検知する。
ステムは、機関車及びこの機関車に牽引される被牽引車
によって構成される列車に引き通された自動空気ブレー
キ装置用のブレーキ管と、前記機関車に設けられ、ブレ
ーキ指令器からの指令信号に応じて前記ブレーキ管のブ
レーキ管圧力を制御するブレーキ制御手段と、前記ブレ
ーキ管圧力を検出する圧力検出手段と、前記ブレーキ指
令器に設けられ、前記圧力検出手段の出力を受けて、前
記ブレーキ管圧力の減圧変化率、及び、前記指令信号に
応じた前記ブレーキ管圧力の目標値と前記ブレーキ管圧
力の検出値との圧力差に基づいて、列車分離を検知する
列車分離検知手段とを備えたものである(請求項1)。
上記のように構成された列車分離検知システムでは、各
車両間(機関車と被牽引車、又は被牽引車同士)の連結
が外れて列車が分離すると、当該車両間におけるブレー
キ管の接続が外れて管内の空気が大気中に排出されるた
め、ブレーキ管圧力が急激に低下する。また、ブレーキ
管圧力はブレーキ制御手段の制御に逆らう形で低下し、
これは非常ブレーキ時の現象とは異なる。そこで、列車
分離検知手段は、ブレーキ管圧力の減圧変化率ととも
に、ブレーキ管圧力の目標値と検出値との圧力差にも基
づいて、列車分離が発生したか否かを正確に検知する。
【0008】前記列車分離検知システム(請求項1)に
おいて、列車分離検知手段は、前記減圧変化率が所定値
以上である状態が所定時間継続され、かつ、それから所
定時間内に、前記圧力差が所定値を超えた状態が所定時
間継続されたときに列車分離であると検知するものであ
ってもよい(請求項2)。この場合、列車分離検知手段
は、ブレーキ管圧力の減圧変化率が所定値以上である状
態が、所定時間継続されることにより、列車分離を含む
非常ブレーキの状態を検知する。また、さらに、それか
ら所定時間内に、圧力差が所定値を超えた状態が、所定
時間継続されることにより、列車分離以外の非常ブレー
キ状態を除外して、列車分離のみを検知する。
おいて、列車分離検知手段は、前記減圧変化率が所定値
以上である状態が所定時間継続され、かつ、それから所
定時間内に、前記圧力差が所定値を超えた状態が所定時
間継続されたときに列車分離であると検知するものであ
ってもよい(請求項2)。この場合、列車分離検知手段
は、ブレーキ管圧力の減圧変化率が所定値以上である状
態が、所定時間継続されることにより、列車分離を含む
非常ブレーキの状態を検知する。また、さらに、それか
ら所定時間内に、圧力差が所定値を超えた状態が、所定
時間継続されることにより、列車分離以外の非常ブレー
キ状態を除外して、列車分離のみを検知する。
【0009】前記列車分離検知システム(請求項1又は
2)において、列車分離検知手段は、ブレーキ指令器が
非常ブレーキの指令信号を認識した場合には、列車分離
の検知を無効とするものであってもよい(請求項3)。
このような列車分離検知システムにおいて、非常ブレー
キ時には、ブレーキ管と連通する吐出弁が開かれること
によって、ブレーキ管が大気に開放されるため、列車分
離の発生時と近似した状態となるが、このとき、列車分
離検知手段が列車分離の検知を無効とするため、列車分
離の検知は行われない。
2)において、列車分離検知手段は、ブレーキ指令器が
非常ブレーキの指令信号を認識した場合には、列車分離
の検知を無効とするものであってもよい(請求項3)。
このような列車分離検知システムにおいて、非常ブレー
キ時には、ブレーキ管と連通する吐出弁が開かれること
によって、ブレーキ管が大気に開放されるため、列車分
離の発生時と近似した状態となるが、このとき、列車分
離検知手段が列車分離の検知を無効とするため、列車分
離の検知は行われない。
【0010】前記列車分離検知システム(請求項1又は
2)において、列車分離検知手段は、機関車の走行速度
が所定速度未満である場合、列車分離の検知を無効とす
るものであってもよい(請求項4)。このような列車分
離検知システムにおいて、ブレーキ管圧力が0kPaの
被牽引車を併結するとき、併結後のコック開時にブレー
キ管圧力が一時的に大きく低下するため、列車分離の発
生時と近似した状態となるが、このような併結時には列
車が停止している。そこで、機関車の走行速度が所定速
度未満であることに基づいて、列車分離検知手段による
列車分離の検知を無効とすることにより、当該システム
は列車分離の検知を行わない。
2)において、列車分離検知手段は、機関車の走行速度
が所定速度未満である場合、列車分離の検知を無効とす
るものであってもよい(請求項4)。このような列車分
離検知システムにおいて、ブレーキ管圧力が0kPaの
被牽引車を併結するとき、併結後のコック開時にブレー
キ管圧力が一時的に大きく低下するため、列車分離の発
生時と近似した状態となるが、このような併結時には列
車が停止している。そこで、機関車の走行速度が所定速
度未満であることに基づいて、列車分離検知手段による
列車分離の検知を無効とすることにより、当該システム
は列車分離の検知を行わない。
【0011】前記列車分離検知システム(請求項1又は
2)において、機関車が後押し補機に設定された場合、
この機関車における列車分離検知手段は、列車分離の検
知を無効とするものであってもよい(請求項5)。この
ような列車分離検知システムにおいて、機関車が、別の
機関車に牽引される後押し補機とされた場合、非常ブレ
ーキを除いて、ブレーキ管圧力の制御が不能とされ、ブ
レーキ管圧力を制御可能な操作ハンドル(自弁ハンド
ル)が運転位置にあるものとみなされる。従って、先頭
の別の機関車(本務機)でのブレーキ管圧力の制御によ
る常用ブレーキ時、後押し補機に設定された機関車で
は、ブレーキ制御手段への指令信号に応じたブレーキ管
圧力の目標値と検出値とに圧力差を生じるため、列車分
離の発生時と近似した状態となる。そこで、このような
場合には列車分離検知手段による列車分離の検知を無効
とすることにより、当該システムは列車分離の検知を行
わない。
2)において、機関車が後押し補機に設定された場合、
この機関車における列車分離検知手段は、列車分離の検
知を無効とするものであってもよい(請求項5)。この
ような列車分離検知システムにおいて、機関車が、別の
機関車に牽引される後押し補機とされた場合、非常ブレ
ーキを除いて、ブレーキ管圧力の制御が不能とされ、ブ
レーキ管圧力を制御可能な操作ハンドル(自弁ハンド
ル)が運転位置にあるものとみなされる。従って、先頭
の別の機関車(本務機)でのブレーキ管圧力の制御によ
る常用ブレーキ時、後押し補機に設定された機関車で
は、ブレーキ制御手段への指令信号に応じたブレーキ管
圧力の目標値と検出値とに圧力差を生じるため、列車分
離の発生時と近似した状態となる。そこで、このような
場合には列車分離検知手段による列車分離の検知を無効
とすることにより、当該システムは列車分離の検知を行
わない。
【0012】前記列車分離検知システム(請求項1又は
2)において、列車分離検知手段は、ブレーキ指令器と
接続されたブレーキ設定器の操作ハンドルがユルメ位置
に操作されている場合、列車分離の検知を無効とするも
のであってもよい(請求項6)。このような列車分離検
知システムにおいて、ブレーキ管の早込め制御時には運
転席の操作ハンドル(自弁ハンドル)がユルメ位置に操
作される。このとき、ブレーキ管圧力の目標値と検出値
とに圧力差を生じるため、列車分離の発生時と近似した
状態となる。そこで、このような場合には列車分離検知
手段による列車分離の検知を無効とすることにより、当
該システムは列車分離の検知を行わない。
2)において、列車分離検知手段は、ブレーキ指令器と
接続されたブレーキ設定器の操作ハンドルがユルメ位置
に操作されている場合、列車分離の検知を無効とするも
のであってもよい(請求項6)。このような列車分離検
知システムにおいて、ブレーキ管の早込め制御時には運
転席の操作ハンドル(自弁ハンドル)がユルメ位置に操
作される。このとき、ブレーキ管圧力の目標値と検出値
とに圧力差を生じるため、列車分離の発生時と近似した
状態となる。そこで、このような場合には列車分離検知
手段による列車分離の検知を無効とすることにより、当
該システムは列車分離の検知を行わない。
【0013】また、本発明の鉄道車両用ブレーキ装置
は、機関車及びこの機関車に牽引される被牽引車に引き
通されたブレーキ管のブレーキ管圧力を制御することに
より前記機関車及び被牽引車のブレーキ力を制御する自
動空気ブレーキ作用部と、前記機関車のブレーキ力を独
立して制御可能な電気指令式空気ブレーキ作用部とを有
する鉄道車両用ブレーキ装置であって、ブレーキ指令器
からの指令信号に応じて前記ブレーキ管圧力を制御する
ブレーキ管圧制御用電空変換弁、及び、前記ブレーキ管
圧力に応じて前記機関車のブレーキシリンダへの出力圧
を制御する制御弁を有する、前記自動空気ブレーキ作用
部の制御部と、前記ブレーキ指令器からの指令信号に応
じて前記機関車のブレーキシリンダへの出力圧を直接的
に制御するブレーキシリンダ圧力制御用電空変換弁を有
する、前記電気指令式空気ブレーキ作用部の制御部と、
前記制御弁及び前記ブレーキシリンダ圧力制御用電空変
換弁の二次側に接続され、当該制御弁の出力とブレーキ
シリンダ圧力制御用電空変換弁の出力とを高位優先で前
記機関車のブレーキシリンダへ出力する中継弁と、前記
ブレーキ管圧力を検出する圧力検出手段と、前記ブレー
キ指令器に設けられ、前記ブレーキ管圧力の減圧変化
率、及び、前記ブレーキ管圧力制御用電空変換弁への指
令信号に応じた前記ブレーキ管圧力の目標値と前記ブレ
ーキ管圧力の検出値との圧力差に基づいて、列車分離を
検知して非常ブレーキの指令信号を出力する列車分離検
知手段と、前記制御弁と前記中継弁との間に設けられ、
遮断位置及び連通位置を有し、非常ブレーキの指令信号
に基づいて連通位置となり、常用ブレーキ時の所定の場
合は遮断位置となる締切電磁弁とを備えたものである
(請求項7)。
は、機関車及びこの機関車に牽引される被牽引車に引き
通されたブレーキ管のブレーキ管圧力を制御することに
より前記機関車及び被牽引車のブレーキ力を制御する自
動空気ブレーキ作用部と、前記機関車のブレーキ力を独
立して制御可能な電気指令式空気ブレーキ作用部とを有
する鉄道車両用ブレーキ装置であって、ブレーキ指令器
からの指令信号に応じて前記ブレーキ管圧力を制御する
ブレーキ管圧制御用電空変換弁、及び、前記ブレーキ管
圧力に応じて前記機関車のブレーキシリンダへの出力圧
を制御する制御弁を有する、前記自動空気ブレーキ作用
部の制御部と、前記ブレーキ指令器からの指令信号に応
じて前記機関車のブレーキシリンダへの出力圧を直接的
に制御するブレーキシリンダ圧力制御用電空変換弁を有
する、前記電気指令式空気ブレーキ作用部の制御部と、
前記制御弁及び前記ブレーキシリンダ圧力制御用電空変
換弁の二次側に接続され、当該制御弁の出力とブレーキ
シリンダ圧力制御用電空変換弁の出力とを高位優先で前
記機関車のブレーキシリンダへ出力する中継弁と、前記
ブレーキ管圧力を検出する圧力検出手段と、前記ブレー
キ指令器に設けられ、前記ブレーキ管圧力の減圧変化
率、及び、前記ブレーキ管圧力制御用電空変換弁への指
令信号に応じた前記ブレーキ管圧力の目標値と前記ブレ
ーキ管圧力の検出値との圧力差に基づいて、列車分離を
検知して非常ブレーキの指令信号を出力する列車分離検
知手段と、前記制御弁と前記中継弁との間に設けられ、
遮断位置及び連通位置を有し、非常ブレーキの指令信号
に基づいて連通位置となり、常用ブレーキ時の所定の場
合は遮断位置となる締切電磁弁とを備えたものである
(請求項7)。
【0014】このように構成された鉄道車両用ブレーキ
装置では、中継弁において、ブレーキシリンダへの出力
圧は、ブレーキシリンダ圧力制御用電空変換弁の出力と
制御弁の出力との高位優先になっているが、制御弁の出
力側に設けられた締切電磁弁が、常用ブレーキ時の所定
の場合には遮断位置となり、制御弁の出力を遮断する。
従って、この場合には、ブレーキシリンダ圧力制御用電
空変換弁により、ブレーキシリンダに対する優れた制御
性(意図したとおりに正確に制御できること)を確保す
ることができる。また、列車分離検知手段は列車分離を
検知して非常ブレーキの指令信号を出力するので、この
列車分離検知の場合をも含む非常ブレーキの指令信号出
力時には、締切電磁弁を連通位置にして、制御弁の出力
を有効にすることにより非常ブレーキを優先させる。
装置では、中継弁において、ブレーキシリンダへの出力
圧は、ブレーキシリンダ圧力制御用電空変換弁の出力と
制御弁の出力との高位優先になっているが、制御弁の出
力側に設けられた締切電磁弁が、常用ブレーキ時の所定
の場合には遮断位置となり、制御弁の出力を遮断する。
従って、この場合には、ブレーキシリンダ圧力制御用電
空変換弁により、ブレーキシリンダに対する優れた制御
性(意図したとおりに正確に制御できること)を確保す
ることができる。また、列車分離検知手段は列車分離を
検知して非常ブレーキの指令信号を出力するので、この
列車分離検知の場合をも含む非常ブレーキの指令信号出
力時には、締切電磁弁を連通位置にして、制御弁の出力
を有効にすることにより非常ブレーキを優先させる。
【0015】
【発明の実施の形態】図3〜図5は、本発明の一実施形
態による列車分離検知システムを含む、鉄道車両用ブレ
ーキ装置のシステムブロック図である。当該ブレーキ装
置は、機関車、及び、この機関車によって牽引される被
牽引車(貨車等)によって構成される列車に搭載され
る。機関車は車体を2分割して2車両により構成されて
おり、そのうちの一両を1端車、他を2端車という。1
端車、2端車は共に運転席を備えており、どちらを先頭
車両としてもよい。図3〜図5の各図は同一の内容を表
しているが、紙面の都合により、図3はブレーキ指令器
1を、図4は1端車のブレーキ制御装置2を、図5は2
端車のブレーキ制御装置3を、それぞれ中心として詳し
く示したものである。なお、各図中、白抜きの太い矢印
は空圧回路を表し、それ以外の矢印は電気回路を表して
いる。なお、電気回路として図示していないが、図中の
各種電磁弁は、ブレーキ指令器1等からの指令信号を受
けて動作する。また、空気圧の発生源からの供給路部分
については、図示を省略している。
態による列車分離検知システムを含む、鉄道車両用ブレ
ーキ装置のシステムブロック図である。当該ブレーキ装
置は、機関車、及び、この機関車によって牽引される被
牽引車(貨車等)によって構成される列車に搭載され
る。機関車は車体を2分割して2車両により構成されて
おり、そのうちの一両を1端車、他を2端車という。1
端車、2端車は共に運転席を備えており、どちらを先頭
車両としてもよい。図3〜図5の各図は同一の内容を表
しているが、紙面の都合により、図3はブレーキ指令器
1を、図4は1端車のブレーキ制御装置2を、図5は2
端車のブレーキ制御装置3を、それぞれ中心として詳し
く示したものである。なお、各図中、白抜きの太い矢印
は空圧回路を表し、それ以外の矢印は電気回路を表して
いる。なお、電気回路として図示していないが、図中の
各種電磁弁は、ブレーキ指令器1等からの指令信号を受
けて動作する。また、空気圧の発生源からの供給路部分
については、図示を省略している。
【0016】図3において、当該鉄道車両用ブレーキ装
置は主として、ブレーキ指令器1、1端車のブレーキ制
御装置2、2端車のブレーキ制御装置3、1端車のブレ
ーキ設定器4、2端車のブレーキ設定器5、2端車に搭
載された表示器6及び速度発電機7、主変換制御部8、
1端車のブレーキシリンダ9、2端車のブレーキシリン
ダ10、元空気管11、並びに、機関車及び被牽引車に
よって構成される列車に引き通されたブレーキ管12を
備えている。被牽引車に引き通されたブレーキ管12に
は、そのブレーキ管圧力に応じて出力圧を制御する制御
弁を介して各車両毎にブレーキシリンダが接続されてい
る。
置は主として、ブレーキ指令器1、1端車のブレーキ制
御装置2、2端車のブレーキ制御装置3、1端車のブレ
ーキ設定器4、2端車のブレーキ設定器5、2端車に搭
載された表示器6及び速度発電機7、主変換制御部8、
1端車のブレーキシリンダ9、2端車のブレーキシリン
ダ10、元空気管11、並びに、機関車及び被牽引車に
よって構成される列車に引き通されたブレーキ管12を
備えている。被牽引車に引き通されたブレーキ管12に
は、そのブレーキ管圧力に応じて出力圧を制御する制御
弁を介して各車両毎にブレーキシリンダが接続されてい
る。
【0017】上記ブレーキ指令器1は、指令演算部10
1、ブレーキパターン発生部102、空制力演算部10
3、及び、ブレーキ管12内の空気圧力であるブレーキ
管圧力(以下、BP圧力という。)のパターンを発生す
るBPパターン発生部104を有している。指令演算部
101は、上記ブレーキ設定器4及び5からブレーキ指
令信号を受けるとともに、速度発電機7から列車の速度
信号を受ける。また、指令演算部101における諸情報
が表示器6に表示される。
1、ブレーキパターン発生部102、空制力演算部10
3、及び、ブレーキ管12内の空気圧力であるブレーキ
管圧力(以下、BP圧力という。)のパターンを発生す
るBPパターン発生部104を有している。指令演算部
101は、上記ブレーキ設定器4及び5からブレーキ指
令信号を受けるとともに、速度発電機7から列車の速度
信号を受ける。また、指令演算部101における諸情報
が表示器6に表示される。
【0018】上記ブレーキパターン発生部102は、指
令演算部101から指令を受けて、ブレーキパターンを
発生し、空制力演算部103にこれを出力する。また、
ブレーキパターン発生部102は、電制パターン信号を
主変換制御部8に送る。主変換制御部8は、これに基づ
いて電気ブレーキを制御し、電制フィードバック信号等
を空制力演算部103に出力する。空制力演算部103
は、ブレーキパターン発生部102の出力と、主変換制
御部8の出力とを受けて、ブレーキシリンダ9及び10
において発生させるべきブレーキ力に相当する空制力信
号を、ブレーキ制御装置2及び3にそれぞれ出力する。
令演算部101から指令を受けて、ブレーキパターンを
発生し、空制力演算部103にこれを出力する。また、
ブレーキパターン発生部102は、電制パターン信号を
主変換制御部8に送る。主変換制御部8は、これに基づ
いて電気ブレーキを制御し、電制フィードバック信号等
を空制力演算部103に出力する。空制力演算部103
は、ブレーキパターン発生部102の出力と、主変換制
御部8の出力とを受けて、ブレーキシリンダ9及び10
において発生させるべきブレーキ力に相当する空制力信
号を、ブレーキ制御装置2及び3にそれぞれ出力する。
【0019】上記BPパターン発生部104は、指令演
算部101から指令を受けて、ブレーキ管12に供給す
べき圧力に相当するBPパターン信号を2端車のブレー
キ制御装置3に出力する。上記ブレーキ設定器4及び5
は、自弁ハンドル4a及び5a、並びに、単弁ハンドル
4b及び5bを備えている。自弁ハンドル4a及び5a
は、ブレーキシリンダ9,10の作動圧力(以下BC圧
力という。)、BP圧力及び電気ブレーキを制御するブ
レーキ操作を行うための操作ハンドルである。一方、単
弁ハンドル4b及び5bは、BC圧力のみを制御して、
機関車のみのブレーキ操作を行うための操作ハンドルで
ある。
算部101から指令を受けて、ブレーキ管12に供給す
べき圧力に相当するBPパターン信号を2端車のブレー
キ制御装置3に出力する。上記ブレーキ設定器4及び5
は、自弁ハンドル4a及び5a、並びに、単弁ハンドル
4b及び5bを備えている。自弁ハンドル4a及び5a
は、ブレーキシリンダ9,10の作動圧力(以下BC圧
力という。)、BP圧力及び電気ブレーキを制御するブ
レーキ操作を行うための操作ハンドルである。一方、単
弁ハンドル4b及び5bは、BC圧力のみを制御して、
機関車のみのブレーキ操作を行うための操作ハンドルで
ある。
【0020】一方、図4において、1端車のブレーキ制
御装置2は、ブレーキ指令器1からの空制力信号を空気
圧に変える電空変換弁201と、BP圧力に基づいてB
C圧力を制御する制御弁としてのEA制御弁202と、
EA制御弁202の出力側に設けられ、連通位置と遮断
位置とを有する制御弁締切電磁弁203と、電空変換弁
201の出力と制御弁締切電磁弁203の出力との高位
の方の出力を優先的に通す中継弁204とを備えてい
る。また、ブレーキ制御装置2は、非常時に動作する非
常電磁弁205と、非常電磁弁205によって駆動さ
れ、ブレーキ管12に接続された非常吐出弁206とを
備えている。
御装置2は、ブレーキ指令器1からの空制力信号を空気
圧に変える電空変換弁201と、BP圧力に基づいてB
C圧力を制御する制御弁としてのEA制御弁202と、
EA制御弁202の出力側に設けられ、連通位置と遮断
位置とを有する制御弁締切電磁弁203と、電空変換弁
201の出力と制御弁締切電磁弁203の出力との高位
の方の出力を優先的に通す中継弁204とを備えてい
る。また、ブレーキ制御装置2は、非常時に動作する非
常電磁弁205と、非常電磁弁205によって駆動さ
れ、ブレーキ管12に接続された非常吐出弁206とを
備えている。
【0021】さらに、図5において、2端車のブレーキ
制御装置3は、ブレーキ指令器1からの空制力信号を空
気圧に変える電空変換弁301と、BP圧力に基づいて
BC圧力を制御する制御弁としてのEA制御弁302
と、EA制御弁302の出力側に設けられ、連通位置と
遮断位置とを有する制御弁締切電磁弁303と、電空変
換弁301の出力と制御弁締切電磁弁303の出力との
高位の方の出力を優先的に通す中継弁304と、中継弁
304の出力を検出して検出信号をブレーキ指令器1に
送る圧力変換器305と、元空気管11の圧力を検出し
て検出信号をブレーキ指令器1に送る圧力変換器306
とを備えている。
制御装置3は、ブレーキ指令器1からの空制力信号を空
気圧に変える電空変換弁301と、BP圧力に基づいて
BC圧力を制御する制御弁としてのEA制御弁302
と、EA制御弁302の出力側に設けられ、連通位置と
遮断位置とを有する制御弁締切電磁弁303と、電空変
換弁301の出力と制御弁締切電磁弁303の出力との
高位の方の出力を優先的に通す中継弁304と、中継弁
304の出力を検出して検出信号をブレーキ指令器1に
送る圧力変換器305と、元空気管11の圧力を検出し
て検出信号をブレーキ指令器1に送る圧力変換器306
とを備えている。
【0022】また、ブレーキ制御装置3は、ブレーキ指
令器1からの空制力信号を空気圧に変える電空変換弁3
07と、この2次側に順に接続された中継弁308、B
P締切弁309及びD吐出弁310と、BP締切弁30
9を制御するBP締切電磁弁311と、非常時にD吐出
弁310を制御する非常電磁弁312と、BP圧力を検
出して検出信号をブレーキ指令器1に送る圧力変換器3
13と、絞り314を介してブレーキ管12に接続され
た空気溜315と、空気溜315を介して瞬時的な変動
を除去された圧力を検出して検出信号をブレーキ指令器
1に送る圧力変換器316とを備えている。圧力変換器
313及び316は、ブレーキ指令器1とともに、BP
圧力を検出する圧力検知手段を構成している。また、ブ
レーキ指令器1は、検出されたBP圧力の情報に基づい
て、列車の分離(機関車と被牽引車との分離、若しく
は、被牽引車同士の分離)を検知する列車分離検知手段
としての機能を有している(詳細後述)。
令器1からの空制力信号を空気圧に変える電空変換弁3
07と、この2次側に順に接続された中継弁308、B
P締切弁309及びD吐出弁310と、BP締切弁30
9を制御するBP締切電磁弁311と、非常時にD吐出
弁310を制御する非常電磁弁312と、BP圧力を検
出して検出信号をブレーキ指令器1に送る圧力変換器3
13と、絞り314を介してブレーキ管12に接続され
た空気溜315と、空気溜315を介して瞬時的な変動
を除去された圧力を検出して検出信号をブレーキ指令器
1に送る圧力変換器316とを備えている。圧力変換器
313及び316は、ブレーキ指令器1とともに、BP
圧力を検出する圧力検知手段を構成している。また、ブ
レーキ指令器1は、検出されたBP圧力の情報に基づい
て、列車の分離(機関車と被牽引車との分離、若しく
は、被牽引車同士の分離)を検知する列車分離検知手段
としての機能を有している(詳細後述)。
【0023】なお、上記電空変換弁307、中継弁30
8、BP締切弁309、D吐出弁310、BP締切電磁
弁311及び非常電磁弁312は、ブレーキ指令器1か
らの指令に応じて、BP圧力を制御するブレーキ制御手
段を構成している。また、ブレーキ管12を介して、被
牽引車の各ブレーキシリンダに至るブレーキ系統、及
び、機関車のブレーキシリンダ9及び10に至るブレー
キ系統は、上記ブレーキ制御手段と共に、機関車及び被
牽引車のブレーキ力を制御する自動空気ブレーキ作用部
を構成している。一方、機関車のみにおいて、ブレーキ
指令器1から電空変換弁201,301及び中継弁20
4,304を介してそれぞれブレーキシリンダ9及び1
0に至るブレーキ系統は、機関車のブレーキ力を独立し
て制御可能な電気指令式空気ブレーキ作用部を構成して
いる。なお、機関車はさらに、電気ブレーキを有してい
る。
8、BP締切弁309、D吐出弁310、BP締切電磁
弁311及び非常電磁弁312は、ブレーキ指令器1か
らの指令に応じて、BP圧力を制御するブレーキ制御手
段を構成している。また、ブレーキ管12を介して、被
牽引車の各ブレーキシリンダに至るブレーキ系統、及
び、機関車のブレーキシリンダ9及び10に至るブレー
キ系統は、上記ブレーキ制御手段と共に、機関車及び被
牽引車のブレーキ力を制御する自動空気ブレーキ作用部
を構成している。一方、機関車のみにおいて、ブレーキ
指令器1から電空変換弁201,301及び中継弁20
4,304を介してそれぞれブレーキシリンダ9及び1
0に至るブレーキ系統は、機関車のブレーキ力を独立し
て制御可能な電気指令式空気ブレーキ作用部を構成して
いる。なお、機関車はさらに、電気ブレーキを有してい
る。
【0024】次に、上記のように構成された鉄道車両用
ブレーキ装置における主要な動作について簡単に説明す
る。まず、自弁ハンドル4a(又は5a、以下同様。)
の操作に関して説明する。自弁ハンドル4aが「ユル
メ」位置に操作されると、BP締切電磁弁311がオン
・オフを繰り返す。このとき、電空変換弁307は、空
圧出力780kPa相当の励磁電流を与えられる。これ
により、連通と遮断とを繰り返すBP締切弁309を介
して、D吐出弁310からブレーキ管12に対して急速
に圧縮空気が込められる、いわゆる「早込メ」の状態と
なる。圧力変換器313及び316によって検出される
BP圧力が490kPaになった時点で、上記「早込
メ」が終了する。
ブレーキ装置における主要な動作について簡単に説明す
る。まず、自弁ハンドル4a(又は5a、以下同様。)
の操作に関して説明する。自弁ハンドル4aが「ユル
メ」位置に操作されると、BP締切電磁弁311がオン
・オフを繰り返す。このとき、電空変換弁307は、空
圧出力780kPa相当の励磁電流を与えられる。これ
により、連通と遮断とを繰り返すBP締切弁309を介
して、D吐出弁310からブレーキ管12に対して急速
に圧縮空気が込められる、いわゆる「早込メ」の状態と
なる。圧力変換器313及び316によって検出される
BP圧力が490kPaになった時点で、上記「早込
メ」が終了する。
【0025】自弁ハンドル4aが、運転位置に操作され
ると、BP締切電磁弁311はオンに維持され、BP締
切弁309は連通位置となる。また、電空変換弁307
は、BP圧力が490kPaを維持するように制御され
る。一方、制御弁締切電磁弁203及び303はオフ、
すなわち連通位置を維持する。
ると、BP締切電磁弁311はオンに維持され、BP締
切弁309は連通位置となる。また、電空変換弁307
は、BP圧力が490kPaを維持するように制御され
る。一方、制御弁締切電磁弁203及び303はオフ、
すなわち連通位置を維持する。
【0026】次に、自弁ハンドル4aが、常用ブレーキ
位置(ノッチ1〜8)に操作されると、電空変換弁30
7にはノッチに応じた励磁電流が供給され、この励磁電
流に応じた空圧が出力される。これにより、BP圧力
は、ノッチが大きいほど低下する。BP圧力が低下する
と、各車両のBC圧力は増大し、ブレーキがかかる。な
お、速度が一定値以上であって、機関車の電気ブレーキ
が利用できる場合は、制御弁締切電磁弁203及び30
3をオン、すなわち遮断位置にする。従って、ブレーキ
シリンダ9及び10は、それぞれ電空変換弁201及び
301を通じての電気指令式空気ブレーキとして作動す
る。電気指令式空気ブレーキは、ブレーキ管12を通じ
た自動空気ブレーキに比べると、制御性(制御の正確
さ)に優れるので、常用ブレーキとしては、電気指令式
空気ブレーキとしてのブレーキシリンダ9及び10を作
動させることが好ましい。また、これにより、電気ブレ
ーキによるブレーキ力と協調した最適な空気ブレーキに
よるブレーキ力を、ブレーキ指令器1からの指令により
発揮させることができる。
位置(ノッチ1〜8)に操作されると、電空変換弁30
7にはノッチに応じた励磁電流が供給され、この励磁電
流に応じた空圧が出力される。これにより、BP圧力
は、ノッチが大きいほど低下する。BP圧力が低下する
と、各車両のBC圧力は増大し、ブレーキがかかる。な
お、速度が一定値以上であって、機関車の電気ブレーキ
が利用できる場合は、制御弁締切電磁弁203及び30
3をオン、すなわち遮断位置にする。従って、ブレーキ
シリンダ9及び10は、それぞれ電空変換弁201及び
301を通じての電気指令式空気ブレーキとして作動す
る。電気指令式空気ブレーキは、ブレーキ管12を通じ
た自動空気ブレーキに比べると、制御性(制御の正確
さ)に優れるので、常用ブレーキとしては、電気指令式
空気ブレーキとしてのブレーキシリンダ9及び10を作
動させることが好ましい。また、これにより、電気ブレ
ーキによるブレーキ力と協調した最適な空気ブレーキに
よるブレーキ力を、ブレーキ指令器1からの指令により
発揮させることができる。
【0027】次に、自弁ハンドル4aが、非常ブレーキ
位置に操作されると、BP締切電磁弁311がオフとな
って、BP締切弁309が遮断位置となる。非常電磁弁
205及び312は、ブレーキ指令器1等から指令を受
けて、それぞれ非常吐出弁206及びD吐出弁310を
排気状態にする。これによって、BP圧力は急激に低下
してほぼ0kPaになる。従って、被牽引車のBC圧力
は最大値に達し、最大のブレーキ力が生じる。一方、機
関車の制御弁締切電磁弁203,303はオフ、すなわ
ち連通位置となる。中継弁204は、制御弁締切電磁弁
203と電空変換弁201との高位優先で出力する。同
様に、中継弁304も、制御弁締切電磁弁303と電空
変換弁301との高位優先で出力する。なお、非常ブレ
ーキは、上記の他、ATSの非常指令や、列車分離、そ
の他故障検知等により動作する。従って、非常電磁弁2
05及び312は、ブレーキ指令器1からの指令信号以
外の指令信号を受けて動作する場合もある。
位置に操作されると、BP締切電磁弁311がオフとな
って、BP締切弁309が遮断位置となる。非常電磁弁
205及び312は、ブレーキ指令器1等から指令を受
けて、それぞれ非常吐出弁206及びD吐出弁310を
排気状態にする。これによって、BP圧力は急激に低下
してほぼ0kPaになる。従って、被牽引車のBC圧力
は最大値に達し、最大のブレーキ力が生じる。一方、機
関車の制御弁締切電磁弁203,303はオフ、すなわ
ち連通位置となる。中継弁204は、制御弁締切電磁弁
203と電空変換弁201との高位優先で出力する。同
様に、中継弁304も、制御弁締切電磁弁303と電空
変換弁301との高位優先で出力する。なお、非常ブレ
ーキは、上記の他、ATSの非常指令や、列車分離、そ
の他故障検知等により動作する。従って、非常電磁弁2
05及び312は、ブレーキ指令器1からの指令信号以
外の指令信号を受けて動作する場合もある。
【0028】次に、単弁ハンドル4b(又は5b、以下
同様。)の操作に関して説明する。単弁ハンドル4b
は、機関車のみでのブレーキ制御や、列車全体にブレー
キが作用しているときに機関車のブレーキのみを緩める
ときに使用される。単弁ハンドル4bがブレーキ位置
(1ノッチ〜4ノッチ)に操作されると、ノッチに応じ
て電空変換弁201及び301に励磁電流が供給され、
ブレーキシリンダ9及び10に、相応のBC圧力が供給
される。なお、自弁ハンドル4aとの混合操作において
は、自弁ハンドル4aに基づくBC圧力を基準として、
これに単弁ハンドル4bのノッチ追加分のBC圧力が加
算される。
同様。)の操作に関して説明する。単弁ハンドル4b
は、機関車のみでのブレーキ制御や、列車全体にブレー
キが作用しているときに機関車のブレーキのみを緩める
ときに使用される。単弁ハンドル4bがブレーキ位置
(1ノッチ〜4ノッチ)に操作されると、ノッチに応じ
て電空変換弁201及び301に励磁電流が供給され、
ブレーキシリンダ9及び10に、相応のBC圧力が供給
される。なお、自弁ハンドル4aとの混合操作において
は、自弁ハンドル4aに基づくBC圧力を基準として、
これに単弁ハンドル4bのノッチ追加分のBC圧力が加
算される。
【0029】次に、単弁ハンドル4bが「ユルメ位置」
に操作されると、制御弁締切電磁弁203及び303が
励磁され、遮断位置となる。これにより、ブレーキシリ
ンダ9及び10は、EA制御弁202及び302からの
出力に依存しない状態となる。また、同時に、電空変換
弁201及び301への励磁電流が低下して、ブレーキ
シリンダ9及び10のBC圧力が低下する。なお、BP
圧力は変化しない。従って、被牽引車のブレーキ力が保
持されたまま、機関車のブレーキ力のみが低下する。
に操作されると、制御弁締切電磁弁203及び303が
励磁され、遮断位置となる。これにより、ブレーキシリ
ンダ9及び10は、EA制御弁202及び302からの
出力に依存しない状態となる。また、同時に、電空変換
弁201及び301への励磁電流が低下して、ブレーキ
シリンダ9及び10のBC圧力が低下する。なお、BP
圧力は変化しない。従って、被牽引車のブレーキ力が保
持されたまま、機関車のブレーキ力のみが低下する。
【0030】次に、当該機関車が、他の機関車によって
牽引される列車の最後尾に、後押し補機として接続され
た場合について説明する。この場合、図示しない列車ブ
レーキ切換スイッチが「後押し補機」位置に切り換えら
れる。そして、BP締切電磁弁311が消磁され、BP
締切弁309が遮断位置となる。従って、当該機関車か
らBP圧力を制御することはできなくなる。但し、自弁
ハンドル4aによる非常ブレーキ操作、及び、単弁ハン
ドル4bによる当該機関車単独のブレーキ及びブレーキ
弛めは可能である。
牽引される列車の最後尾に、後押し補機として接続され
た場合について説明する。この場合、図示しない列車ブ
レーキ切換スイッチが「後押し補機」位置に切り換えら
れる。そして、BP締切電磁弁311が消磁され、BP
締切弁309が遮断位置となる。従って、当該機関車か
らBP圧力を制御することはできなくなる。但し、自弁
ハンドル4aによる非常ブレーキ操作、及び、単弁ハン
ドル4bによる当該機関車単独のブレーキ及びブレーキ
弛めは可能である。
【0031】次に、列車分離(機関車と被牽引車との分
離、又は、被牽引車同士の分離)の検知について説明す
る。列車分離の検知は、前述の列車分離検知手段によっ
て行われ、これはブレーキ指令器1の指令演算部101
におけるソフトウェア処理の一環として、実行される。
図1及び図2は、列車分離検知手段によって実行される
列車分離検知処理のフローチャートである。紙面の都合
上、2枚に分けているが、両図で1つのフローチャート
を表しており、図1下部の及びが、図2上部の同一
番号部分につながっている。本ルーチンの処理は、ブレ
ーキ指令器1のメインルーチンから一定のサンプリング
期間毎に高速に実行される。
離、又は、被牽引車同士の分離)の検知について説明す
る。列車分離の検知は、前述の列車分離検知手段によっ
て行われ、これはブレーキ指令器1の指令演算部101
におけるソフトウェア処理の一環として、実行される。
図1及び図2は、列車分離検知手段によって実行される
列車分離検知処理のフローチャートである。紙面の都合
上、2枚に分けているが、両図で1つのフローチャート
を表しており、図1下部の及びが、図2上部の同一
番号部分につながっている。本ルーチンの処理は、ブレ
ーキ指令器1のメインルーチンから一定のサンプリング
期間毎に高速に実行される。
【0032】まず、ステップ101において、ブレーキ
指令器1における指令演算部101のCPU(以下単に
CPUという。)は、自弁ハンドル4aの操作等による
非常ブレーキの状態であるか否かを判断する。もし、そ
のような非常ブレーキの状態であれば、BP圧力が低下
している。これは、列車分離により、ブレーキ管12が
切り離され、大気に開放されたときの状態と近似してい
る。従って、このような非常ブレーキの状態を列車分離
と検知するのを避けるべく、CPUは、当該非常ブレー
キの状態であれば、ステップ210に進み、タイマーT
1を0とする。続いて、CPUは、タイマーT2=0
(ステップ211)、タイマーT3=0(ステップ21
2)、フラグF1=0(ステップ213)、フラグF2
=0(ステップ214)とする。こうしてCPUは、す
べてのタイマーとフラグをリセットした(既にリセット
されている場合はリセット状態の維持を意味する。)
後、メインルーチンに戻る。
指令器1における指令演算部101のCPU(以下単に
CPUという。)は、自弁ハンドル4aの操作等による
非常ブレーキの状態であるか否かを判断する。もし、そ
のような非常ブレーキの状態であれば、BP圧力が低下
している。これは、列車分離により、ブレーキ管12が
切り離され、大気に開放されたときの状態と近似してい
る。従って、このような非常ブレーキの状態を列車分離
と検知するのを避けるべく、CPUは、当該非常ブレー
キの状態であれば、ステップ210に進み、タイマーT
1を0とする。続いて、CPUは、タイマーT2=0
(ステップ211)、タイマーT3=0(ステップ21
2)、フラグF1=0(ステップ213)、フラグF2
=0(ステップ214)とする。こうしてCPUは、す
べてのタイマーとフラグをリセットした(既にリセット
されている場合はリセット状態の維持を意味する。)
後、メインルーチンに戻る。
【0033】ステップ101において非常ブレーキの状
態でなければ、CPUはステップ102に進み、自弁ハ
ンドル4aが「ユルメ」の状態であるか否かを判断す
る。ここで、イエスであれば、ブレーキ管12の早込め
制御が行われている。この場合、指令演算部101にお
けるブレーキ管12の目標値と、圧力変換器313及び
316によって検出される実際のBP圧力との差が大き
くなることがある。従って、CPUが、列車分離による
ブレーキ管12の開放と誤検知する可能性がある。そこ
で、このような誤検知を排除すべく、CPUは、ステッ
プ210〜214を実行してメインルーチンに戻る。
態でなければ、CPUはステップ102に進み、自弁ハ
ンドル4aが「ユルメ」の状態であるか否かを判断す
る。ここで、イエスであれば、ブレーキ管12の早込め
制御が行われている。この場合、指令演算部101にお
けるブレーキ管12の目標値と、圧力変換器313及び
316によって検出される実際のBP圧力との差が大き
くなることがある。従って、CPUが、列車分離による
ブレーキ管12の開放と誤検知する可能性がある。そこ
で、このような誤検知を排除すべく、CPUは、ステッ
プ210〜214を実行してメインルーチンに戻る。
【0034】一方、ステップ102でノーであれば、C
PUはステップ103に進み、後押し補機として設定さ
れた後押しモードであるか否かを判断する。ここで、イ
エスであれば、機関車が後押し補機とされている。この
場合、非常ブレーキを除いて、BP圧力の制御が不能と
され、BP圧力を制御可能な自弁ハンドル4aが運転位
置にあるものとみなされる。従って、先頭の別の機関車
(本務機)でのBP圧力の制御による常用ブレーキ時、
後押し補機に設定された機関車では、ブレーキ制御手段
への指令信号に応じたブレーキ管圧力の目標値と実際の
BP圧力とに差を生じるため、CPUが「列車分離」と
誤検知してしまう可能性がある。そこで、そこで、この
ような誤検知を排除すべく、前述の場合と同様にステッ
プ210〜214を実行してメインルーチンに戻る。
PUはステップ103に進み、後押し補機として設定さ
れた後押しモードであるか否かを判断する。ここで、イ
エスであれば、機関車が後押し補機とされている。この
場合、非常ブレーキを除いて、BP圧力の制御が不能と
され、BP圧力を制御可能な自弁ハンドル4aが運転位
置にあるものとみなされる。従って、先頭の別の機関車
(本務機)でのBP圧力の制御による常用ブレーキ時、
後押し補機に設定された機関車では、ブレーキ制御手段
への指令信号に応じたブレーキ管圧力の目標値と実際の
BP圧力とに差を生じるため、CPUが「列車分離」と
誤検知してしまう可能性がある。そこで、そこで、この
ような誤検知を排除すべく、前述の場合と同様にステッ
プ210〜214を実行してメインルーチンに戻る。
【0035】一方、ステップ103においてノーであっ
た場合、CPUはステップ104に進み、速度発電機7
からの入力に基づいて、列車の速度が時速10km未満
であるか否かを判断する。これは、例えば、停止してい
る機関車に、BP圧力が0kPaの被牽引車を併結する
とき、併結後のコック開時にBP圧力が急激に低下し
て、CPUは「列車分離」と誤検知する可能性がある。
そこで、機関車の走行速度が時速10km未満であれ
ば、このような誤検知を排除すべく、CPUはステップ
115に進み、フラグF1がF1=1であるか否かを判
断する。フラグF1は、後述のステップ110において
セットされ、BP圧力の所定の減圧変化率が所定時間継
続したことを表す。既にフラグF1がセットされている
場合の動作は後述するとして、ここでは、初期状態、す
なわちF1=0であるとすると、ステップ115の判断
はノーとなり、CPUはステップ210〜214を実行
してメインルーチンに戻る。
た場合、CPUはステップ104に進み、速度発電機7
からの入力に基づいて、列車の速度が時速10km未満
であるか否かを判断する。これは、例えば、停止してい
る機関車に、BP圧力が0kPaの被牽引車を併結する
とき、併結後のコック開時にBP圧力が急激に低下し
て、CPUは「列車分離」と誤検知する可能性がある。
そこで、機関車の走行速度が時速10km未満であれ
ば、このような誤検知を排除すべく、CPUはステップ
115に進み、フラグF1がF1=1であるか否かを判
断する。フラグF1は、後述のステップ110において
セットされ、BP圧力の所定の減圧変化率が所定時間継
続したことを表す。既にフラグF1がセットされている
場合の動作は後述するとして、ここでは、初期状態、す
なわちF1=0であるとすると、ステップ115の判断
はノーとなり、CPUはステップ210〜214を実行
してメインルーチンに戻る。
【0036】次に、列車分離検知の中核的処理について
説明する。ステップ104において、列車の速度が時速
10km以上である場合、すなわち列車が実質的に走行
していると判断される場合、CPUはステップ105に
進み、フラグF1がセットされているか否かを判断す
る。ここで、前述の場合と同様に、初期状態ではF1=
0であるから、CPUはステップ106に進む。CPU
はここで、BP圧力の減圧変化率βBPを算出する。具
体的には、現在のBP圧力を読み取り、記憶している前
回のBP圧力から現在のBP圧力を差し引いて、その差
の値を求める。この値は、当該ステップ106の1実行
周期あたりのBP圧力変化量を表している。CPUは、
この値に基づいて、1秒あたりのBP圧力変化量を求
め、これを減圧変化率βBP[kPa/s]とする。
説明する。ステップ104において、列車の速度が時速
10km以上である場合、すなわち列車が実質的に走行
していると判断される場合、CPUはステップ105に
進み、フラグF1がセットされているか否かを判断す
る。ここで、前述の場合と同様に、初期状態ではF1=
0であるから、CPUはステップ106に進む。CPU
はここで、BP圧力の減圧変化率βBPを算出する。具
体的には、現在のBP圧力を読み取り、記憶している前
回のBP圧力から現在のBP圧力を差し引いて、その差
の値を求める。この値は、当該ステップ106の1実行
周期あたりのBP圧力変化量を表している。CPUは、
この値に基づいて、1秒あたりのBP圧力変化量を求
め、これを減圧変化率βBP[kPa/s]とする。
【0037】上記減圧変化率βBPに関して、非常ブレ
ーキ時は500kPa/s以上の値が0.4秒継続する
のに対して、列車分離時には180kPa/s以上の値
が0.8秒〜1.0秒継続する。従って、列車分離時の
数値に若干余裕をみて、180kPa/s以上の値が
0.4秒以上継続したことを条件とすれば、列車分離又
は非常ブレーキ動作であることを検知することができる
と考えられる。ステップ107〜110及び112〜1
14は、BP圧力の減圧が、所定値(180kPa/
s)以上の減圧変化率βBPで、所定時間(0.4秒)
以上継続したという事実を、列車分離検知成立の第1の
要素とするための処理である。
ーキ時は500kPa/s以上の値が0.4秒継続する
のに対して、列車分離時には180kPa/s以上の値
が0.8秒〜1.0秒継続する。従って、列車分離時の
数値に若干余裕をみて、180kPa/s以上の値が
0.4秒以上継続したことを条件とすれば、列車分離又
は非常ブレーキ動作であることを検知することができる
と考えられる。ステップ107〜110及び112〜1
14は、BP圧力の減圧が、所定値(180kPa/
s)以上の減圧変化率βBPで、所定時間(0.4秒)
以上継続したという事実を、列車分離検知成立の第1の
要素とするための処理である。
【0038】まず、ステップ107において、CPU
は、減圧変化率βBPが180kPa/s未満であるか
否かを判断し、ノーの場合、ステップ108においてタ
イマーT1(初期値0)のカウント値を増加させる。こ
のタイマーT1が0.4秒に達しない間は、CPUはス
テップ109からステップ111に進み、後続のステッ
プ(201〜207,208〜209)の処理を行う
(詳細後述)。当該列車分離検知ルーチン(図1及び図
2)が、繰り返し実行される間に、ステップ109にお
いてタイマーT1が0.4秒に達すると、CPUはフラ
グF1をセットする(ステップ110)。一方、この
「0.4秒待ち」の間に、ステップ107において減圧
変化率βBPが180kPa/s未満となったときは、
ステップ112〜114が実行され、タイマーT1、タ
イマーT3(詳細後述)及びフラグF1がそれぞれリセ
ットされる。従って、フラグF1がセットされるために
は、減圧変化率βBPが180kPa/s以上である状
態が0.4秒継続しなければならない。
は、減圧変化率βBPが180kPa/s未満であるか
否かを判断し、ノーの場合、ステップ108においてタ
イマーT1(初期値0)のカウント値を増加させる。こ
のタイマーT1が0.4秒に達しない間は、CPUはス
テップ109からステップ111に進み、後続のステッ
プ(201〜207,208〜209)の処理を行う
(詳細後述)。当該列車分離検知ルーチン(図1及び図
2)が、繰り返し実行される間に、ステップ109にお
いてタイマーT1が0.4秒に達すると、CPUはフラ
グF1をセットする(ステップ110)。一方、この
「0.4秒待ち」の間に、ステップ107において減圧
変化率βBPが180kPa/s未満となったときは、
ステップ112〜114が実行され、タイマーT1、タ
イマーT3(詳細後述)及びフラグF1がそれぞれリセ
ットされる。従って、フラグF1がセットされるために
は、減圧変化率βBPが180kPa/s以上である状
態が0.4秒継続しなければならない。
【0039】続いてCPUは、ステップ111におい
て、目標となる演算BP圧力と実際のBP圧力(圧力変
換器313及び316の検出値)との圧力差ΔBPを算
出する。非常ブレーキ動作時には、この演算BP圧力よ
り実際のBP圧力の低下が遅れるため、演算BP圧力よ
り実際のBP圧力の方が大きい。一方、列車分離時に
は、制御に逆らう形でBP圧力が低下するため、演算B
P圧力より実際のBP圧力の方が小さく、しかもその差
が大きい。列車分離時において当該差が最も小さくなる
のは、常用ブレーキの動作時に列車分離が生じた場合で
ある。例えば、列車分離時の実際のBP圧力は50kP
a程度であり、常用ブレーキの8ノッチ(最大ノッチ)
時にはBP圧力は294kPaである。従って、この場
合でも、244kPaの圧力差が生じる。そこで、この
値にさらに若干の圧力のばらつきを考慮して、圧力差Δ
BP(=演算BP圧力−実際のBP圧力)が200kP
aを超える場合には、列車分離の発生であると判断する
ことができる。また、制御媒体としての空気の応答の遅
れは、3秒とみることが妥当である。ステップ201〜
204及び208〜209は、圧力差ΔBPが、所定値
(200kPa)を超える値で、所定時間(3秒)以上
継続したという事実を、列車分離検知成立の第2の要素
とするためのものである。
て、目標となる演算BP圧力と実際のBP圧力(圧力変
換器313及び316の検出値)との圧力差ΔBPを算
出する。非常ブレーキ動作時には、この演算BP圧力よ
り実際のBP圧力の低下が遅れるため、演算BP圧力よ
り実際のBP圧力の方が大きい。一方、列車分離時に
は、制御に逆らう形でBP圧力が低下するため、演算B
P圧力より実際のBP圧力の方が小さく、しかもその差
が大きい。列車分離時において当該差が最も小さくなる
のは、常用ブレーキの動作時に列車分離が生じた場合で
ある。例えば、列車分離時の実際のBP圧力は50kP
a程度であり、常用ブレーキの8ノッチ(最大ノッチ)
時にはBP圧力は294kPaである。従って、この場
合でも、244kPaの圧力差が生じる。そこで、この
値にさらに若干の圧力のばらつきを考慮して、圧力差Δ
BP(=演算BP圧力−実際のBP圧力)が200kP
aを超える場合には、列車分離の発生であると判断する
ことができる。また、制御媒体としての空気の応答の遅
れは、3秒とみることが妥当である。ステップ201〜
204及び208〜209は、圧力差ΔBPが、所定値
(200kPa)を超える値で、所定時間(3秒)以上
継続したという事実を、列車分離検知成立の第2の要素
とするためのものである。
【0040】まず、ステップ201において、CPU
は、圧力差ΔBPが200kPaを超えるか否かを判断
し、イエスである場合、ステップ202においてタイマ
ーT2(初期値0)のカウント値を増加させる。このタ
イマーT2が3秒に達しない間は、CPUはステップ2
03からステップ205に進み、後続のステップ205
〜207の処理(詳細後述)を行う。当該列車分離検知
ルーチン(図1及び図2)が、繰り返し実行される間
に、ステップ203においてタイマーT2が3秒に達す
ると、CPUはフラグF2をセットする(ステップ20
4)。一方、この「3秒待ち」の間に、ステップ201
において圧力差ΔBPが200kPa以下となったとき
は、ステップ208及び209が実行され、タイマーT
2及びフラグF2がそれぞれリセットされる。従って、
フラグF2がセットされるためには、圧力差ΔBPが2
00kPaを超える状態が3秒継続しなければならな
い。
は、圧力差ΔBPが200kPaを超えるか否かを判断
し、イエスである場合、ステップ202においてタイマ
ーT2(初期値0)のカウント値を増加させる。このタ
イマーT2が3秒に達しない間は、CPUはステップ2
03からステップ205に進み、後続のステップ205
〜207の処理(詳細後述)を行う。当該列車分離検知
ルーチン(図1及び図2)が、繰り返し実行される間
に、ステップ203においてタイマーT2が3秒に達す
ると、CPUはフラグF2をセットする(ステップ20
4)。一方、この「3秒待ち」の間に、ステップ201
において圧力差ΔBPが200kPa以下となったとき
は、ステップ208及び209が実行され、タイマーT
2及びフラグF2がそれぞれリセットされる。従って、
フラグF2がセットされるためには、圧力差ΔBPが2
00kPaを超える状態が3秒継続しなければならな
い。
【0041】次に、CPUは、ステップ205において
フラグF1がセットされているかどうか判断し、イエス
の場合はステップ206へ進み、ノーの場合はルーチン
を終了する。続いて、CPUは、ステップ206におい
てフラグF2がセットされているかどうか判断し、イエ
スの場合はステップ207へ進み、ノーの場合はルーチ
ンを終了する。従って、ステップ207の「列車分離検
知」が実行されるのは、フラグF1及びF2が共にセッ
トされている場合である。すなわち、列車分離検知成立
のための前記第1及び第2の要素がそろった場合にの
み、ステップ207が実行される。従って、誤検出の可
能性は極めて少ないといえる。
フラグF1がセットされているかどうか判断し、イエス
の場合はステップ206へ進み、ノーの場合はルーチン
を終了する。続いて、CPUは、ステップ206におい
てフラグF2がセットされているかどうか判断し、イエ
スの場合はステップ207へ進み、ノーの場合はルーチ
ンを終了する。従って、ステップ207の「列車分離検
知」が実行されるのは、フラグF1及びF2が共にセッ
トされている場合である。すなわち、列車分離検知成立
のための前記第1及び第2の要素がそろった場合にの
み、ステップ207が実行される。従って、誤検出の可
能性は極めて少ないといえる。
【0042】ステップ207においてCPUは、列車分
離検知の処理を行う。具体的には、ブレーキ指令器1か
ら非常ブレーキ指令を出力させ、列車を非常停止させ
る。また同時に、表示器6に「列車分離検知」の情報を
表示させる。これにより、列車は安全に停止し、運転士
は非常停止の原因が列車分離であることを直ちに把握す
ることができる。従って、その後の復旧処置を迅速にと
ることができる。
離検知の処理を行う。具体的には、ブレーキ指令器1か
ら非常ブレーキ指令を出力させ、列車を非常停止させ
る。また同時に、表示器6に「列車分離検知」の情報を
表示させる。これにより、列車は安全に停止し、運転士
は非常停止の原因が列車分離であることを直ちに把握す
ることができる。従って、その後の復旧処置を迅速にと
ることができる。
【0043】なお、フラグF1が一旦セットされると、
次のルーチン実行時においてはステップ105における
判断がイエスとなる。従って、CPUはステップ116
に進み、タイマーT3(初期値0)のカウント値を増加
させる。そして、タイマーT3が10秒以下である場合
はステップ117からステップ111に進み、前述のフ
ラグF2に関する処理を行う。一方、タイマーT3が1
0秒を超えると、CPUはステップ117からステップ
210〜214を実行し、すべてのタイマーT1,T2
及びT3、並びに、フラグF1及びF2がリセットされ
る。従って、フラグF1及びF2が共にセットされるた
めには、フラグF1のセットから10秒以内に、フラグ
F2がセットされることが必要である。これは、真に列
車分離が発生した場合であれば、フラグF1のセットか
らフラグF2のセットまでに要する時間が、10秒を超
えることは実質的にないからであり、これによって、誤
検出をさらに確実に防止することができる。
次のルーチン実行時においてはステップ105における
判断がイエスとなる。従って、CPUはステップ116
に進み、タイマーT3(初期値0)のカウント値を増加
させる。そして、タイマーT3が10秒以下である場合
はステップ117からステップ111に進み、前述のフ
ラグF2に関する処理を行う。一方、タイマーT3が1
0秒を超えると、CPUはステップ117からステップ
210〜214を実行し、すべてのタイマーT1,T2
及びT3、並びに、フラグF1及びF2がリセットされ
る。従って、フラグF1及びF2が共にセットされるた
めには、フラグF1のセットから10秒以内に、フラグ
F2がセットされることが必要である。これは、真に列
車分離が発生した場合であれば、フラグF1のセットか
らフラグF2のセットまでに要する時間が、10秒を超
えることは実質的にないからであり、これによって、誤
検出をさらに確実に防止することができる。
【0044】また、フラグF1が一旦セットされた後
に、列車の速度が時速10km未満に低下したときは、
CPUはステップ104から115へ進み、さらにステ
ップ116及び117を実行する。これによって、フラ
グF1のセット後、10秒間はフラグF2の成否を待つ
状態となり、引き続き列車分離の監視が行われる。従っ
て、列車が減速している場合の列車分離も捉えることが
できる。
に、列車の速度が時速10km未満に低下したときは、
CPUはステップ104から115へ進み、さらにステ
ップ116及び117を実行する。これによって、フラ
グF1のセット後、10秒間はフラグF2の成否を待つ
状態となり、引き続き列車分離の監視が行われる。従っ
て、列車が減速している場合の列車分離も捉えることが
できる。
【0045】なお、上記列車分離検知の状態は、自弁ハ
ンドル4a又は5aが「非常」位置に操作された後に
「運転」位置に操作され、実際のBP圧力が470kP
aを超え、かつ、実際のBC圧力が49kPa未満にな
ったとき、解除される。
ンドル4a又は5aが「非常」位置に操作された後に
「運転」位置に操作され、実際のBP圧力が470kP
aを超え、かつ、実際のBC圧力が49kPa未満にな
ったとき、解除される。
【0046】
【発明の効果】以上のように構成された本発明は以下の
効果を奏する。請求項1の列車分離検知システムによれ
ば、列車分離検知手段は、ブレーキ管圧力の減圧変化率
とともに、ブレーキ管圧力の目標値と検出値との圧力差
にも基づいて、列車分離が発生したか否かを正確に検知
する。従って、列車分離の検知信号を表示することが可
能になり、運転士は、非常ブレーキが作動した原因が列
車分離にあることを即座に把握して、迅速な復旧処理を
行うことができる。
効果を奏する。請求項1の列車分離検知システムによれ
ば、列車分離検知手段は、ブレーキ管圧力の減圧変化率
とともに、ブレーキ管圧力の目標値と検出値との圧力差
にも基づいて、列車分離が発生したか否かを正確に検知
する。従って、列車分離の検知信号を表示することが可
能になり、運転士は、非常ブレーキが作動した原因が列
車分離にあることを即座に把握して、迅速な復旧処理を
行うことができる。
【0047】請求項2の列車分離検知システムによれ
ば、列車分離検知手段は、ブレーキ管圧力の減圧変化率
が所定値以上である状態が、所定時間継続されることに
より、列車分離を含む非常ブレーキの状態を検知すると
ともに、それから所定時間内に、圧力差が所定値を超え
た状態が、所定時間継続されることにより、列車分離以
外の非常ブレーキ状態を除外して、列車分離のみを検知
する。従って、列車分離の発生のみを正確に検知するこ
とができる。
ば、列車分離検知手段は、ブレーキ管圧力の減圧変化率
が所定値以上である状態が、所定時間継続されることに
より、列車分離を含む非常ブレーキの状態を検知すると
ともに、それから所定時間内に、圧力差が所定値を超え
た状態が、所定時間継続されることにより、列車分離以
外の非常ブレーキ状態を除外して、列車分離のみを検知
する。従って、列車分離の発生のみを正確に検知するこ
とができる。
【0048】請求項3列車分離検知システムによれば、
ブレーキ指令器が非常ブレーキの指令信号を認識したと
き、列車分離検知手段が列車分離の検知を無効とするた
め、列車分離の検知は行われない。従って、非常ブレー
キの状態を、誤って「列車分離」と検知することはない
ので、正確に列車分離の検知を行うことができる。
ブレーキ指令器が非常ブレーキの指令信号を認識したと
き、列車分離検知手段が列車分離の検知を無効とするた
め、列車分離の検知は行われない。従って、非常ブレー
キの状態を、誤って「列車分離」と検知することはない
ので、正確に列車分離の検知を行うことができる。
【0049】請求項4の列車分離検知システムによれ
ば、ブレーキ管圧力が0kPaの被牽引車を併結すると
き、機関車の走行速度が所定速度未満であることに基づ
いて、列車分離検知手段による列車分離の検知を無効と
することにより、当該システムは列車分離の検知を行わ
ない。従って、被牽引車の併結に基づくブレーキ管圧力
の低下を、誤って「列車分離」と検知することはないの
で、正確に列車分離の検知を行うことができる。
ば、ブレーキ管圧力が0kPaの被牽引車を併結すると
き、機関車の走行速度が所定速度未満であることに基づ
いて、列車分離検知手段による列車分離の検知を無効と
することにより、当該システムは列車分離の検知を行わ
ない。従って、被牽引車の併結に基づくブレーキ管圧力
の低下を、誤って「列車分離」と検知することはないの
で、正確に列車分離の検知を行うことができる。
【0050】請求項5の列車分離検知システムによれ
ば、機関車が、別の機関車に牽引される被牽引車の最後
尾に併結された後押し補機とされた場合、列車分離検知
手段による列車分離の検知を無効とすることにより、当
該システムは列車分離の検知を行わない。従って、機関
車が後押し補機とされた場合の圧力差に基づいて、誤っ
て「列車分離」と検知することはないので、正確に列車
分離の検知を行うことができる。
ば、機関車が、別の機関車に牽引される被牽引車の最後
尾に併結された後押し補機とされた場合、列車分離検知
手段による列車分離の検知を無効とすることにより、当
該システムは列車分離の検知を行わない。従って、機関
車が後押し補機とされた場合の圧力差に基づいて、誤っ
て「列車分離」と検知することはないので、正確に列車
分離の検知を行うことができる。
【0051】請求項6の列車分離検知システムによれ
ば、運転席の操作ハンドル(自弁ハンドル)がユルメ位
置に操作されたとき、列車分離検知手段による列車分離
の検知を無効とすることにより、当該システムは列車分
離の検知を行わない。従って、ブレーキ管の早込め制御
時に、誤って「列車分離」と検知することはないので、
正確に列車分離の検知を行うことができる。
ば、運転席の操作ハンドル(自弁ハンドル)がユルメ位
置に操作されたとき、列車分離検知手段による列車分離
の検知を無効とすることにより、当該システムは列車分
離の検知を行わない。従って、ブレーキ管の早込め制御
時に、誤って「列車分離」と検知することはないので、
正確に列車分離の検知を行うことができる。
【0052】請求項7の鉄道車両用ブレーキ装置によれ
ば、制御弁の出力側に設けられた締切電磁弁が、常用ブ
レーキ時の所定の場合には遮断位置となり、制御弁の出
力を遮断するので、他系統のブレーキシリンダ圧力制御
用電空変換弁により、ブレーキシリンダに対する優れた
制御性を確保することができる。また、列車分離検知手
段は列車分離を検知して非常ブレーキの指令信号を出力
するので、この列車分離検知の場合をも含む非常ブレー
キの指令信号出力時には、締切電磁弁を連通位置にし
て、制御弁の出力を有効にすることにより非常ブレーキ
を優先させることができる。従って、ブレーキの制御性
を向上させるとともに、列車分離時の安全性を確保する
ことができる。
ば、制御弁の出力側に設けられた締切電磁弁が、常用ブ
レーキ時の所定の場合には遮断位置となり、制御弁の出
力を遮断するので、他系統のブレーキシリンダ圧力制御
用電空変換弁により、ブレーキシリンダに対する優れた
制御性を確保することができる。また、列車分離検知手
段は列車分離を検知して非常ブレーキの指令信号を出力
するので、この列車分離検知の場合をも含む非常ブレー
キの指令信号出力時には、締切電磁弁を連通位置にし
て、制御弁の出力を有効にすることにより非常ブレーキ
を優先させることができる。従って、ブレーキの制御性
を向上させるとともに、列車分離時の安全性を確保する
ことができる。
【図1】本発明の一実施形態における列車分離検知シス
テムの列車分離検知のフローチャート(1/2)であ
る。
テムの列車分離検知のフローチャート(1/2)であ
る。
【図2】上記列車分離検知システムの列車分離検知のフ
ローチャート(2/2)である。
ローチャート(2/2)である。
【図3】本発明の一実施形態による鉄道車両用ブレーキ
装置のブロック図であり、ブレーキ指令器を中心として
示したものである。
装置のブロック図であり、ブレーキ指令器を中心として
示したものである。
【図4】図3と同一のブロック図であるが、機関車の1
端車のブレーキ制御装置を中心として示したものであ
る。
端車のブレーキ制御装置を中心として示したものであ
る。
【図5】図3と同一のブロック図であるが、機関車の2
端車のブレーキ制御装置を中心として示したものであ
る。
端車のブレーキ制御装置を中心として示したものであ
る。
1 ブレーキ指令器 2 ブレーキ制御装置(1端車) 3 ブレーキ制御装置(2端車) 4,5 ブレーキ設定器 4a,5a 自弁ハンドル 9,10 ブレーキシリンダ 12 ブレーキ管 201 電空変換弁 202 EA制御弁 203 制御弁締切電磁弁 204 中継弁 301 電空変換弁 302 EA制御弁 303 制御弁締切電磁弁 304 中継弁 307 電空変換弁 308 中継弁 309 BP締切弁 310 D吐出弁 313,316 圧力変換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D048 AA04 BB07 BB63 CC53 HH25 HH26 HH27 HH29 HH38 HH48 HH66 HH68 HH81 HH82 RR01 RR06 RR21 3D049 AA04 BB05 CC06 HH16 HH20 HH21 HH22 HH31 HH47 HH48 HH51 RR01 RR04 RR09
Claims (7)
- 【請求項1】機関車及びこの機関車に牽引される被牽引
車によって構成される列車に引き通された自動空気ブレ
ーキ装置用のブレーキ管と、 前記機関車に設けられ、ブレーキ指令器からの指令信号
に応じて前記ブレーキ管のブレーキ管圧力を制御するブ
レーキ制御手段と、 前記ブレーキ管圧力を検出する圧力検出手段と、 前記ブレーキ指令器に設けられ、前記圧力検出手段の出
力を受けて、前記ブレーキ管圧力の減圧変化率、及び、
前記指令信号に応じた前記ブレーキ管圧力の目標値と前
記ブレーキ管圧力の検出値との圧力差に基づいて、列車
分離を検知する列車分離検知手段とを備えたことを特徴
とする列車分離検知システム。 - 【請求項2】前記列車分離検知手段は、前記減圧変化率
が所定値以上である状態が所定時間継続され、かつ、そ
れから所定時間内に、前記圧力差が所定値を超えた状態
が所定時間継続されたときに列車分離であると検知する
ことを特徴とする請求項1記載の列車分離検知システ
ム。 - 【請求項3】前記列車分離検知手段は、前記ブレーキ指
令器が非常ブレーキの指令信号を認識した場合には、列
車分離の検知を無効とすることを特徴とする請求項1又
は2記載の列車分離検知システム。 - 【請求項4】前記列車分離検知手段は、前記機関車の走
行速度が所定速度未満である場合、列車分離の検知を無
効とすることを特徴とする請求項1又は2記載の列車分
離検知システム。 - 【請求項5】前記機関車が後押し補機に設定された場
合、この機関車における前記列車分離検知手段は、列車
分離の検知を無効とすることを特徴とする請求項1又は
2記載の列車分離検知システム。 - 【請求項6】前記列車分離検知手段は、前記ブレーキ指
令器と接続されたブレーキ設定器の操作ハンドルがユル
メ位置に操作されている場合、列車分離の検知を無効と
することを特徴とする請求項1又は2記載の列車分離検
知システム。 - 【請求項7】機関車及びこの機関車に牽引される被牽引
車に引き通されたブレーキ管のブレーキ管圧力を制御す
ることにより前記機関車及び被牽引車のブレーキ力を制
御する自動空気ブレーキ作用部と、前記機関車のブレー
キ力を独立して制御可能な電気指令式空気ブレーキ作用
部とを有する鉄道車両用ブレーキ装置であって、 ブレーキ指令器からの指令信号に応じて前記ブレーキ管
圧力を制御するブレーキ管圧制御用電空変換弁、及び、
前記ブレーキ管圧力に応じて前記機関車のブレーキシリ
ンダへの出力圧を制御する制御弁を有する、前記自動空
気ブレーキ作用部の制御部と、 前記ブレーキ指令器からの指令信号に応じて前記機関車
のブレーキシリンダへの出力圧を直接的に制御するブレ
ーキシリンダ圧力制御用電空変換弁を有する、前記電気
指令式空気ブレーキ作用部の制御部と、 前記制御弁及び前記ブレーキシリンダ圧力制御用電空変
換弁の二次側に接続され、当該制御弁の出力とブレーキ
シリンダ圧力制御用電空変換弁の出力とを高位優先で前
記機関車のブレーキシリンダへ出力する中継弁と、 前記ブレーキ管圧力を検出する圧力検出手段と、 前記ブレーキ指令器に設けられ、前記ブレーキ管圧力の
減圧変化率、及び、前記ブレーキ管圧力制御用電空変換
弁への指令信号に応じた前記ブレーキ管圧力の目標値と
前記ブレーキ管圧力の検出値との圧力差に基づいて、列
車分離を検知して非常ブレーキの指令信号を出力する列
車分離検知手段と、 前記制御弁と前記中継弁との間に設けられ、遮断位置及
び連通位置を有し、非常ブレーキの指令信号に基づいて
連通位置となり、常用ブレーキ時の所定の場合は遮断位
置となる締切電磁弁とを備えたことを特徴とする鉄道車
両用ブレーキ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11135795A JP2000318602A (ja) | 1999-05-17 | 1999-05-17 | 列車分離検知システム及びこれを用いた鉄道車両用ブレーキ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11135795A JP2000318602A (ja) | 1999-05-17 | 1999-05-17 | 列車分離検知システム及びこれを用いた鉄道車両用ブレーキ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000318602A true JP2000318602A (ja) | 2000-11-21 |
Family
ID=15160014
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11135795A Pending JP2000318602A (ja) | 1999-05-17 | 1999-05-17 | 列車分離検知システム及びこれを用いた鉄道車両用ブレーキ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000318602A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4762365B2 (ja) * | 2008-10-21 | 2011-08-31 | 三菱電機株式会社 | 鉄道車両用ブレーキ制御装置 |
CN110843755A (zh) * | 2019-11-19 | 2020-02-28 | 奇瑞汽车股份有限公司 | 一种估测电动汽车制动压力的方法和设备 |
CN114162107A (zh) * | 2021-12-24 | 2022-03-11 | 大秦铁路股份有限公司科学技术研究所 | 一种重载组合列车的漏泄测试方法 |
-
1999
- 1999-05-17 JP JP11135795A patent/JP2000318602A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4762365B2 (ja) * | 2008-10-21 | 2011-08-31 | 三菱電機株式会社 | 鉄道車両用ブレーキ制御装置 |
CN110843755A (zh) * | 2019-11-19 | 2020-02-28 | 奇瑞汽车股份有限公司 | 一种估测电动汽车制动压力的方法和设备 |
CN114162107A (zh) * | 2021-12-24 | 2022-03-11 | 大秦铁路股份有限公司科学技术研究所 | 一种重载组合列车的漏泄测试方法 |
CN114162107B (zh) * | 2021-12-24 | 2024-03-19 | 大秦铁路股份有限公司科学技术研究所 | 一种重载组合列车的漏泄测试方法 |
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