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JP2000313065A - ライニング管およびこれを用いた既設管のライニング方法 - Google Patents

ライニング管およびこれを用いた既設管のライニング方法

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Publication number
JP2000313065A
JP2000313065A JP12305299A JP12305299A JP2000313065A JP 2000313065 A JP2000313065 A JP 2000313065A JP 12305299 A JP12305299 A JP 12305299A JP 12305299 A JP12305299 A JP 12305299A JP 2000313065 A JP2000313065 A JP 2000313065A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lining
pipe
ethylene
resin
olefin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12305299A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanari Nishimura
勝成 西村
Kenji Oki
研侍 大木
Seiji Ota
誠治 太田
Hidenari Nakahama
秀斉 仲濱
Yuji Ishii
雄二 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP12305299A priority Critical patent/JP2000313065A/ja
Publication of JP2000313065A publication Critical patent/JP2000313065A/ja
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  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 既設管内に縮径した樹脂管を通した後、樹脂
管を加熱するだけでライニングできるライニング管、及
びそれを用いて非開削で行える既設管のライニング方法
を提供する。 【解決手段】 ライニング管は、エチレンと炭素数3〜
20のα−オレフィンと非共役ポリエンよりなるエチレ
ン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム
(A)及びポリオレフィン系樹脂(B)を含む組成物か
らなる形状記憶性ゴム組成物(C)を用いて形成されて
いる。ライニング方法は、上記形状記憶性ゴム組成物
(C)を用いて既設管の内径よりもわずかに大きい外径
のライニング管を成形後、ポリオレフィン系樹脂(B)
の融点又は軟化点以上の温度に加熱して既設管に挿入で
きる形状に変形したのち冷却してその形状を保ち、既設
管に挿入したあとライニング管内にポリオレフィン系樹
脂(B)の融点又は軟化点以上の温度の流体を通して加
熱し元の形状に回復させて既設管内面に密着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼管等の腐食防止
のため管内に挿入され、また既設管の補修のため管内に
挿入されるライニング管、およびこれを用いた既設管の
ライニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にガスまたは水道用鋼管の腐食に対
する対策として、管内面を樹脂などによりライニングす
ることが行われる。特に埋設された既設管の場合、掘削
することなく、非開削でライニングすることが求めら
れ、この非開削補修工法としては、通常のライニング工
法、樹脂管を挿入したあと加熱加圧により膨張させる工
法などが用いられている。
【0003】ライニング工法は、樹脂などのライニング
剤を溶融または溶剤等に溶解して管内壁に沿って流すこ
とによりライニングする方法であるが、ライニング剤の
経時的な硬化によるひび割れや、地震等の強震動による
クラック発生など長期にわたる信頼性が低い。またライ
ニング前の管内の洗浄処理に時間がかかるため、緊急時
の応急処置のための工法としては適していない。加えて
工期が長く、施工費用が高価であるということも欠点で
ある。
【0004】樹脂管を挿入したあと加熱加圧により膨張
させる工法は、ヨーロッパで実用化されている方法であ
るが、用いる熱可塑性樹脂管が硬く、既設管のストレー
ト管やベンド管の補修は可能であるが、90度エルボ内
を折り曲げて通すことができず、曲がりの多い配管の補
修には不向きである。また、施工現場で、加熱だけでは
なく加圧装置も必要であるところから、かなり高度な施
工技術が要求されるとともに、付帯設備費が高額となる
という問題点を有していた。
【0005】そこで、本出願人により、樹脂管の本体部
に架橋度65%以上のポリエチレンで形成し比較的形状
記憶性を付与した樹脂管を用い、融点近傍の第1温度に
加熱して均一に縮径したのち冷却し、その状態を維持し
ながら軟化する第2温度まで加熱し軟化状態で既設管内
に挿入したあと第1温度まで加熱して縮径前の大きさに
復径させる方法(特開平6−114935号公報)を提
案したが、十分な復径には加圧が必要であり、さらに形
状記憶性のよいライニング管が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、既設
管内に該既設管の内径よりも小さな外径の樹脂管を通し
た後、樹脂管内に加熱した液体または気体を通し、加圧
することなく、単に加熱するだけで膨張させてライニン
グできるライニング管、およびそれを用いた非開削で行
える既設管のライニング方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るライニング
管は、エチレンと、炭素数3〜20のα−オレフィン
と、非共役ポリエンよりなるエチレン・α−オレフィン
・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)およびポリオレフ
ィン系樹脂(B)を含む組成物からなる形状記憶性ゴム
組成物(C)を用いて形成されていることを特徴として
いる。
【0008】本発明のライニング管では、前記形状記憶
性ゴム組成物(C)が、エチレン・α−オレフィン・非
共役ポリエン共重合体ゴム(A)100重量部に対し、
ポリオレフィン系樹脂(B)10〜50重量部を含むも
のであることが好ましい。
【0009】本発明においては、前記エチレン・α−オ
レフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)は、エチ
レン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムであるこ
とが好ましい。
【0010】また、本発明においては、前記ポリオレフ
ィン系樹脂(B)のビカット軟化点は、50℃以上、1
60℃以下であることが好ましい。本発明で好ましいポ
リオレフィン系樹脂(B)は、ポリプロピレン、ポリブ
テン、エチレン-ブテン-ターポリマー(EBT)、ポリス
チレン、ABS樹脂、エチレン-メタクリル酸共重合
体、アイオノマー樹脂から選ばれる1種以上の樹脂であ
る。
【0011】本発明のライニング管の好ましい態様で
は、前記形状記憶性ゴム組成物(C)からなる管状層の
内層側および/または外層側に、他の熱可塑性樹脂
(D)からなる管状層が積層されている。
【0012】また、本発明のライニング管の好ましい態
様では、前記形状記憶性ゴム組成物(C)からなる2つ
の管状層の中間に他の熱可塑性樹脂(D)からなる管状
層が積層されている。
【0013】さらに、本発明の好ましい態様では、ライ
ニング管が蛇腹形状をしたコルゲート管である。
【0014】本発明に係る既設管のライニング方法は、
エチレンと、炭素数3〜20のα−オレフィンと、非共
役ポリエンよりなるエチレン・α−オレフィン・非共役
ポリエン共重合体ゴム(A)およびポリオレフィン系樹
脂(B)を含む組成物からなる形状記憶性ゴム組成物
(C)を用いて、ライニングを行おうとする既設管の内
径よりもわずかに大きい外径を有するライニング管を成
形後、該ライニング管をポリオレフィン系樹脂(B)の
融点または軟化点以上の温度に加熱して既設管に挿入で
きる形状に変形させ、次いでこれをポリオレフィン系樹
脂(B)の融点または軟化点未満の温度に冷却してその
形状を保ち、この変形ライニング管を既設管に挿入した
のち、該ライニング管内にポリオレフィン系樹脂(B)
の融点または軟化点以上の温度を有する流体を通して加
熱し、ライニング管を元の形状に回復させて既設管内面
に密着させることからなる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のライニング管は、エチレ
ンと、炭素数3〜20のα−オレフィンと、非共役ポリ
エンよりなるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエ
ン共重合体ゴム(A)およびポリオレフィン系樹脂
(B)を含む組成物からなる形状記憶性ゴム組成物
(C)を用いてなる。
【0016】本発明で用いられるエチレン・α−オレフ
ィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)は、エチレン
と、炭素数3〜20のα−オレフィンと、非共役ポリエ
ンとをランダム共重合して得られるエチレン・α−オレ
フィン・非共役ポリエン共重合体ゴムである。
【0017】上記α−オレフィンは炭素数3〜20のα
−オレフィンであり、中でもプロピレン、1−ブテン、
4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテ
ン等の炭素数3〜10のα−オレフィンが好ましく、特
にプロピレン、1−ブテンが好ましく用いられる。すな
わち、本発明ではエチレン・プロピレン・非共役ポリエ
ン共重合体ゴム、エチレン・1−ブテン・非共役ポリエ
ン共重合体ゴムが好ましく用いられる。
【0018】本発明で用いられるエチレン・α−オレフ
ィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)は、エチレン
とα−オレフィンとのモル比(エチレン/α−オレフィ
ン)が60/40〜85/15、好ましくは65/35
〜80/20の範囲にあるものが望ましい。
【0019】前記非共役ポリエンとしては、環状または
鎖状の非共役ポリエンが用いられる。環状非共役ポリエ
ンとしては、たとえば5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボル
ネン、ノルボルナジエン、メチルテトラヒドロインデン
などがあげられる。また鎖状の非共役ポリエンとして
は、たとえば1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,
6−オクタジエン、8−メチル−4−エチリデン−1,
7−ノナジエン、4−エチリデン−1,7−ウンデカジ
エンなどがあげられる。これらの非共役ポリエンは、単
独または2種以上混合して用いられ、その共重合量は、
ヨウ素価表示で1〜40、好ましくは2〜35、より好
ましくは3〜30であることが望ましい。
【0020】本発明で用いられるエチレン・α−オレフ
ィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)の135℃デ
カリン(デカヒドロナフタレン)中で測定した極限粘度
〔η〕は0.8〜4dl/g、好ましくは1〜3.5d
l/g、より好ましくは1.1〜3dl/gの範囲にあ
るのが望ましい。
【0021】エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエ
ン共重合体ゴム(A)は、不飽和カルボン酸またはその
誘導体、例えば酸無水物などがグラフト共重合した変性
物であってもよい。
【0022】エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエ
ン共重合体ゴム(A)としては、エチレン・プロピレン
・非共役ジエン共重合体ゴムが最も好ましい。エチレン
・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)
は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み
合せて使用することもできる。
【0023】上記のような特性を有するエチレン・α−
オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)は、遷
移金属触媒を用いて公知の方法により調製することがで
きる。
【0024】本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂
(B)は、形状賦与樹脂として配合されるものであり、
α−オレフィンを主成分とする樹脂の場合、結晶性樹脂
であってもよいし、非晶性樹脂であってもよいが、結晶
性樹脂が好ましい。本発明でポリオレフィン系樹脂
(B)として用いられる結晶性樹脂としては、炭素数2
〜12のα−オレフィンの単独重合体または共重合体な
どがあげられる。
【0025】結晶性のポリオレフィン系樹脂(B)とし
ては、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン・ブテン
・ターポリマー(EBT)、エチレン・メタクリル酸共重
合体、アイオノマー樹脂が好ましい。具体的には、プロ
ピレン単独重合体、プロピレンと1種以上の炭素数2〜
12のα−オレフィンとの共重合体;1−ブテン単独重
合体、1−ブテンと1種以上の炭素数2〜12のα−オ
レフィンとの共重合体;エチレン-ブテン-ジエン共重合
体(ジエンとしては、ジシクロペンタジエン、エチリデ
ンノルボルネン、1,4-ヘキサジエンなど)などが挙げら
れる。
【0026】ここで、炭素数2〜12のα−オレフィン
としては、たとえばエチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペ
ンテン、1−オクテン、1−デセンなどがあげられる。
【0027】この重合形式は、ランダム重合、ブロック
重合の何れでも良い。ランダム共重合体の場合、少ない
方のα−オレフィン構造単位が通常40モル%以下、好
ましくは30モル%以下で含まれているα−オレフィン
共重合体が望ましい。
【0028】本発明でポリオレフィン系樹脂(B)とし
て用いられる非晶性樹脂としては、たとえばポリスチレ
ン、ABS樹脂が好ましい。具体的には、スチレンの単
独重合体、スチレンとアクリロニトリル、メタクリル酸
メチル、α-メチルスチレンなどとの共重合体;アクリ
ロニトリル構成単位を20〜35モル%、ブタジエン構
成単位を20〜30モル%、スチレン構成単位を40〜
60モル%含有するABS樹脂などが挙げられる。
【0029】本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂
(B)は、ASTM D1525で測定したビカット軟
化点(温度)が50℃以上、160℃以下であるものが
望ましい。ポリオレフィン系樹脂(B)のビカット軟化
点が上記範囲にある場合、形状安定性に優れたライニン
グ管が得られる。ポリオレフィン系樹脂(B)は1種単
独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使
用することもできる。
【0030】本発明でライニング管の成形に用いる形状
記憶性ゴム組成物(C)においては、ポリオレフィン系
樹脂(B)の粒子がエチレン・α−オレフィン・非共役
ポリエン共重合体ゴム(A)中にミクロ分散しており、
その平均分散粒子径は、通常0.1〜200μm、好ま
しくは0.1〜100μm、より好ましくは0.1〜5
0μmの範囲にあることが望ましい。なお、平均分散粒
子径は、エラストマーの切片を重金属で染色処理し、透
過型電子顕微鏡などの電子顕微鏡で撮影した写真から求
めることができる。
【0031】ポリオレフィン系樹脂(B)の分散粒子の
アスペクト比(長径/短径)は5以下、好ましくは1〜
3であるのが望ましい。アスペクト比が5以下である場
合、ポリオレフィン系樹脂(B)粒子のミクロ分散が良
好である。
【0032】本発明で用いる形状記憶性ゴム組成物
(C)の各成分の含有割合は、エチレン・α−オレフィ
ン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)100重量部に
対して、ポリオレフィン系樹脂(B)10〜50重量
部、好ましくは10〜40重量部とするのが望ましい。
このような含有割合の場合、熱による変形回復性とゴム
弾性とのバランスに優れたライニング管が得られる。
【0033】形状記憶性樹脂は、形状変形を高温で行い
その変形状態のまま冷却することにより変形された形状
を保つことができ、かつそれを再度変形を行った温度ま
で加熱することにより元の形状に回復する性質を有す
る。
【0034】本発明の形状記憶性ゴム組成物(C)の場
合、形状記憶の機構は次の様に考えられる。すなわち形
状記憶性ゴム組成物(C)に含まれるポリオレフィン系
樹脂(B)は、ゴム弾性を有するエチレン・α−オレフ
ィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)中にミクロ分
散している。この樹脂をポリオレフィン系樹脂(B)の
融点または軟化点以上の温度まで加熱して変形すると、
ポリオレフィン系樹脂(B)の分散粒子が、変化する形
状にそって、例えば球形から楕円形あるいは偏平状に変
形し、次いで冷却されるとその形状のまま固化される。
そのため、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン
共重合体ゴム(A)成分のゴム弾性により元の形状に戻
ろうとしても、変形したポリオレフィン系樹脂(B)の
分散粒子がその形状回復を妨げるので、この状態では変
形された形状が維持される。再度ポリオレフィン系樹脂
(B)の融点または軟化点以上の温度まで加熱される
と、形状の回復を妨げていたポリオレフィン系樹脂
(B)分散粒子が軟化し容易に変形するため、エチレン
・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)
成分のゴム弾性により元の形状に回復する。
【0035】本発明で用いる形状記憶性ゴム組成物
(C)は前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエ
ン共重合体ゴム(A)およびポリオレフィン系樹脂
(B)に加えて、必要に応じて他の成分、たとえば補強
材、顔料、軟化剤、充填材、加工助剤、老化防止剤、発
泡剤等の通常ゴムの製造に使用される配合剤を本発明の
目的を損わない範囲で配合することもできる。
【0036】補強材としては、代表的なものとしてポリ
アミド繊維を挙げることができる。ポリアミド繊維とし
て具体的には、ポリアミド6(ナイロン6)、ポリアミ
ド66(ナイロン66)、ポリアミド11(ナイロン1
1)、ポリアミド12(ナイロン12)、ポリアミド6
10(ナイロン610)などを原料とする繊維があげら
れる。繊維は短繊維でも長繊維でもよいが、短繊維が好
ましい。ポリアミド繊維は1種単独で使用することもで
きるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
【0037】ポリアミド繊維の配合量は、エチレン・α
−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)10
0重量部に対して20重量部以下、好ましくは3〜20
重量部、さらに好ましくは3〜10重量部とするのが望
ましい。
【0038】また補強材として、通常カーボンブラック
が用いられる。カーボンブラックとしては、SRF、G
PF、FEF、MAF、ISAF、SAF、FT、MT
などの各種のカーボンブラックを制限なく使用すること
ができる。カーボンブラックの配合量は、エチレン・α
−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)10
0重量部に対して300重量部以下、好ましくは80〜
200重量部とするのが望ましい。
【0039】その他の補強材としては、たとえば微粉ケ
イ酸などが適宜用いられる。これらの補強材は、エチレ
ン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム
(A)100重量部に対して、通常200重量部以下、
好ましくは150重量部以下の割合で用いるのが望まし
い。
【0040】顔料としては、公知の無機顔料(たとえば
チタンホワイト)および有機顔料(たとえばナフトール
グリーンB)などが使用できる。これらの顔料は、エチ
レン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム
(A)100重量部に対して、最大20重量部、好まし
くは最大10重量部の割合で用いるのが望ましい。
【0041】軟化剤としては、通常ゴムに用いられる軟
化剤を使用することができる。例えば、プロセスオイ
ル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスフ
ァルト、ワセリン等の石油系軟化剤;コールタール、コ
ールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;ヒマシ
油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;ト
ール油;蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ
類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステ
アリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸
またはその金属塩;ナフテン酸またはその金属石鹸;パ
イン油、ロジンまたはその誘導体;テルペン樹脂、石油
樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピ
レン等の合成高分子物質;ジオクチルフタレート、ジオ
クチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル
系可塑剤;ジイソドデシルカーボネート等の炭酸エステ
ル系可塑剤;その他マイクロクリスタリンワックス、サ
ブ(ファクチス)、液状ポリブタジエン、変性液状ポリ
ブタジエン、液状チオコール、炭化水素系合成潤滑油な
どがあげられる。
【0042】軟化剤の配合量は、エチレン・α−オレフ
ィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)100重量部
に対して200重量部以下、好ましくは50〜150重
量部とするのが望ましい。
【0043】充填材としては、たとえば軽質炭酸カルシ
ウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーなどが用い
られる。これらの充填材は、エチレン・α−オレフィン
・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)100重量部に対
して、通常200重量部以下、好ましくは150重量部
以下の割合で用いるのが望ましい。
【0044】加工助剤としては、通常のゴム加工に使用
される加工助剤を使用することができる。このような加
工助剤としては、たとえばリシノール酸、ステアリン
酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸;ステア
リン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン
酸亜鉛等の高級脂肪酸塩;リシノール酸エステル、ステ
アリン酸エステル、パルミチン酸エステル、ラウリン酸
エステル等の高級脂肪酸エステル類などがあげられる。
【0045】これらの加工助剤は、エチレン・α−オレ
フィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)100重量
部に対して、通常約10重量部以下、好ましくは約1〜
5重量部の割合で用いるのが望ましい。
【0046】老化防止剤としては、たとえばフェニルブ
チルアミン、N,N'−ジ−2−ナフチル−p−フェニ
レンジアミン等の芳香族第二アミン系安定剤;ジブチル
ヒドロキシトルエン、テトラキス[メチレン(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメー
ト]メタン等のフェノール系安定剤;ビス[2−メチル
−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−
5−t−ブチルフェニル]スルフィド等のチオエーテル
系安定剤;ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等のジ
チオカルバミン酸塩系安定剤などがあげられる。
【0047】これらの老化防止剤は、単独または2種以
上の組み合せで用いることができる。このような老化防
止剤は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共
重合体ゴム(A)100重量部に対して、通常0.1〜
5重量部、好ましくは0.5〜3重量部の割合で用いる
のが望ましい。
【0048】発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、炭酸
ナトリウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウ
ム、アジド化合物、ホウ水素化ナトリウムなどの無機系
発泡剤;アゾジカルボンアミド、アゾジカルボンアミ
ド、アゾジカルボン酸バリウム、N,N'-ジニトロペンタ
メチレンテトラミン、4,4-オキシビス(ベンゼンスルホ
ニルヒドラジン)、ジフェニルスルホン-3,3-ジスルホニ
ルヒドラジド、p-トルエンスルホニルセミカバジド、ト
リヒドラジノトリアジン、ビウレアなどの有機系発泡剤
などが挙げられる。
【0049】これらの発泡剤は、単独または2種以上の
組み合せで用いることができる。このような発泡剤は、
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴ
ム(A)100重量部に対して、通常1〜20重量部、
好ましくは2〜15重量部の割合で用いるのが望まし
い。
【0050】本発明のライニング管は、架橋樹脂で形成
されていても良く、その場合、形状記憶性ゴム組成物
(C)中には、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤などが配
合され、成形時または成形後に加熱されて架橋される。
ライニング管を形成する樹脂が架橋樹脂からなるもので
あると、形状記憶性の点で好ましい。
【0051】加硫剤としては、イオウ系化合物および有
機過酸化物などをあげることができる。イオウ系化合物
としては、たとえばイオウ、塩化イオウ、二塩化イオ
ウ、モルフォリンジスルフィド、アルキルフェノールジ
スルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジチ
オカルバミン酸セレンなどがあげられる。これらの中で
はイオウが好ましい。
【0052】イオウ系化合物は、エチレン・α−オレフ
ィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)100重量部
に対して、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.3
〜5重量部、より好ましくは0.5〜3重量部の割合で
用いるのが望ましい。
【0053】有機過酸化物としては、ジクミルペルオキ
シド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペル
オキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベ
ンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、ジ
−t−ブチルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシ
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ジブチ
ルヒドロペルオキシドなどがあげられる。これらの中で
はジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシ
ド、ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサンが好ましい。
【0054】有機過酸化物は、エチレン・α−オレフィ
ン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)100gに対し
て、通常3×10-3〜5×10-2モル、好ましくは1×
10 -3〜3×10-2モルの割合で用いられる。
【0055】加硫剤としてイオウ系化合物を使用する場
合には、加硫促進剤の併用が好ましい。加硫促進剤とし
ては、たとえば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチア
ゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−
ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N′−ジイソ
プロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2
−メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニト
ロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,
6−ジエチル−4−モルフォリノチオ)ベンゾチアゾー
ル、ジベンゾチアジル−ジスルフィド等のチアゾール系
化合物;ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジ
ン、ジオルソトリルグアニジン等のグアニジン系化合
物;アセトアルデヒド−アニリン縮合物、ブチルアルデ
ヒド−アニリン縮合物等のアルデヒドアミン系化合物;
2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系化合
物;ジエチルチオウレア、ジブチルチオウレア等のチオ
ウレア系化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィ
ド、テトラメチルチウラムジスルフィド等のチウラム系
化合物;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジ
チオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸テ
ルル等のジチオ酸塩系化合物;ジブチルキサントゲン酸
亜鉛等のザンテート系化合物;その他亜鉛華などをあげ
ることができる。
【0056】これらの加硫促進剤は、エチレン・α−オ
レフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)100重
量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜
10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部の割合で
用いるのが望ましい。
【0057】加硫剤として有機過酸化物を使用する場合
は、加硫助剤の併用が好ましい。加硫助剤としては、た
とえば、硫黄;p−キノンジオキシム等のキノンジオキ
シム系;エチレングリコールジメタクリレート、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート等の(メタ)アク
リル系化合物;ジアリルフタレート、トリアリルイソシ
アヌレート等のアリル系化合物;その他マレイミド系化
合物、ジビニルベンゼン(DVB)などがあげられる。
【0058】このような加硫助剤は、使用する有機過酸
化物1モルに対して0.5〜2モル、好ましくは均等モ
ルの割合で使用するのが望ましい。
【0059】本発明で用いる形状記憶性ゴム組成物
(C)には、前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポ
リエン共重合体ゴム(A)およびポリオレフィン系樹脂
(B)に加えて、本発明の目的を損わない範囲で、
(A)成分以外の他のゴムを配合することもできる。こ
のような他のゴムとしては、天然ゴム、スチレン・ブタ
ジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、アクリ
ルゴム、水添NBRなどがあげられる。
【0060】本発明で用いる形状記憶性ゴム組成物
(C)は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン
共重合体ゴム(A)中にポリオレフィン系樹脂(B)の
粒子をミクロ分散させることにより製造することができ
る。
【0061】ポリオレフィン系樹脂(B)の粒子をミク
ロ分散させるには、1)エチレン・α−オレフィン・非
共役ポリエン共重合体ゴム(A)およびポリオレフィン
系樹脂(B)を混合し、溶融状態で混練してポリオレフ
ィン系樹脂(B)に剪断作用(剪断力)を与える方法;
2)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合
体ゴム(A)と有機溶媒とからなるゴム混合物にポリオ
レフィン系樹脂(B)を添加し、ゴム混合物とポリオレ
フィン系樹脂(B)とを混練、脱溶媒する方法などがあ
げられる。
【0062】このような方法により、形状記憶性ゴム組
成物(C)においてポリオレフィン系樹脂(B)がミク
ロ分散した前記モルフォロジー(相形態)が達成できる
が、混練時の温度が低かったり、また剪断力エネルギー
が不足すると、ポリオレフィン系樹脂(B)の平均分散
粒子径が大きくなりやすくなり、ポリオレフィン系樹脂
(B)の平均分散粒子径が200μmを超えると、得ら
れるライニング管の強度が低下したり、あるいはポリオ
レフィン系樹脂(B)の流動性が低下し、加工性に支障
をきたす傾向がある。
【0063】本発明で用いる形状記憶性ゴム組成物
(C)の調製は、高い剪断力を与えることのできる混練
装置で行うのが好ましい。具体的には、ミキシングロー
ル、インテンシブミキサー(例えばバンバリーミキサ
ー、ニーダー等)、1軸または2軸押出機などの混練装
置を用いて行うことができるが、2軸押出機により混練
して形状記憶性ゴム組成物(C)を調製するのが好まし
い。2軸押出機により混練することにより、ポリオレフ
ィン系樹脂(B)が前記平均分散粒子径で分散した形状
記憶性ゴム組成物(C)を容易に調製することができ
る。
【0064】本発明で用いる形状記憶性ゴム組成物
(C)に、配合剤などの他の成分を添加する場合は、前
記方法によりエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエ
ン共重合体ゴム(A)中にポリオレフィン系樹脂(B)
がミクロ分散したゴム組成物を調製した後、このゴム組
成物に他の成分を添加して混練し、他の成分を含む形状
記憶性ゴム組成物(C)を調製するのが好ましい。他の
成分の配合は、ミキシングロール、インテンシブミキサ
ー(例えばバンバリーミキサー、ニーダー等)、1軸ま
たは2軸押出機などの混練装置を用いて行うことができ
る。
【0065】前記1)の方法としては、具体的には次の
ような方法が例示される。すなわち、エチレン・α−オ
レフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)およびポ
リオレフィン系樹脂(B)を二軸押出機により200〜
350℃で0.5〜1.5分間混合、混練する。この
際、ポリオレフィン系樹脂(B)がプロピレン単独重合
体である場合には、200℃の温度条件で、2軸押出機
中でプロピレン単独重合体に比エネルギーとして0.0
1kW・hr/kg以上、好ましくは0.02kW・h
r/kg以上与えるように、溶融状態で混練するのが望
ましい。次に、得られた混練物と配合剤などの他の成分
を、バンバリーミキサー等のミキサー類を用いて混練し
て本発明で用いる形状記憶性ゴム組成物(C)を調製す
る。
【0066】前記2)の方法としては、具体的には次の
ような方法が例示される。すなわち、エチレン・α−オ
レフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)100重
量部と有機溶媒3〜10重量部とからなるゴム混合物を
多段ベント式押出機の供給部から押出機内に導入すると
ともに、不活性ガス雰囲気下でポリオレフィン系樹脂
(B)を他の供給部から押出機内部に導入し、ゴム混合
物とポリオレフィン系樹脂(B)とを混練、脱溶媒す
る。その後は、前記1)と同様な方法で、配合剤などの
他の成分を混練して本発明で用いる形状記憶性ゴム組成
物(C)を調製する。
【0067】本発明のライニング管の製造は、上記の形
状記憶性ゴム組成物(C)を用いて、汎用の押出成形機
により成形できる。押出機は1軸押出機でも、2軸押出
機でも使用することができる。成形用のダイも、一般的
なチュービングダイが使用可能である。
【0068】また、ライニング管に架橋樹脂を用いる場
合、前記樹脂組成物(C)には、加硫剤、加硫助剤など
がオープンロールなどのロール類を用いて追加混合され
る。そして調整された樹脂組成物(C)を用いてチュー
ブ状の成形体を加硫してライニング管を製造する。すな
わち、加硫可能な形状記憶性ゴム組成物(C)を押出成
形などの公知の成形方法により直状のチューブに成形
し、この成形と同時または成形後に、ゴム組成物中のポ
リオレフィン系樹脂(B)の融点または軟化点以上の温
度で加硫する。
【0069】以上の様にして得られたライニング管で
は、ポリオレフィン系樹脂(B)の粒子がエチレン・α
−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)中に
ミクロ分散したモルフォロジーをしており、ポリオレフ
ィン系樹脂(B)の融点または軟化点以上の温度に加熱
して変形したあと、ポリオレフィン系樹脂(B)の融点
または軟化点未満の温度に冷却すれば、その変形形状を
保ち、再度ポリオレフィン系樹脂(B)の融点または軟
化点以上の温度に加熱するともとの形状に回復するとい
う形状記憶性に優れる。
【0070】以下、上記の形状記憶性ゴム組成物を用い
たライニング管による既設管のライニング方法について
図に基づいて説明する。
【0071】上記の形状記憶性ゴム組成物(C)を用い
て成形した、既設の鋼管の内径よりもわずかに大きな外
径を有するライニング管を、形状記憶性ゴム組成物
(C)に含まれるポリオレフィン系樹脂(B)の融点ま
たは軟化点(以下単に第1温度という)以上の温度に加
熱して縮径する。
【0072】縮径の方法には、長さ方向に延伸して外径
を小さくする(図1(2))、周方向に均一に加圧、圧縮
して外径を小さくする(図1(3))、板状に圧縮しそれ
を折りたたんで小さくする(図1(4))、U字形に折り
たたみ小さくする(図1(5))方法などを用いる。
【0073】上記のいずれかの方法により縮径したあ
と、その形状のまま第1温度未満、好ましくは常温付近
まで冷却し、変形され形状を保持させる。その状態で、
例えば図2(a)の様にして既設管内に挿入する。この
際、ライニング管は充分な可撓性を有するので、90度
エルボなどの様な曲がり管にも容易に挿入できる。次い
で、ライニング管内へ第1温度以上の流体(液体、水蒸
気、空気など)を通してライニング管を加熱することに
より形状を回復させる(図2(b))。
【0074】上記の方法によれば、既設管内に樹脂管を
通した後、樹脂管内に加熱した液体または気体を通して
加熱するだけで樹脂管を膨張させて、既設管の内壁に密
着させてライニングできるので、非開削で既設管の補修
などのためのライニングが容易に行える。
【0075】本発明のライニング管は、用途に応じて、
2層以上の多層チューブで形成されていても良い。多層
チューブの構成としては、前記形状記憶性ゴム組成物
(C)からなる管状層の内層側および/または外層側
に、他の熱可塑性樹脂(D)からなる管状層が積層され
ている構成、前記形状記憶性ゴム組成物(C)からなる
2つの管状層の中間に他の熱可塑性樹脂(D)からなる
管状層が積層されている構成などが用いられる。
【0076】ここで用いられる他の熱可塑性樹脂(D)
としては、用途に応じて適宜選択することができ、例え
ば、水道管用途であれば、食品衛生上安全で耐塩素水性
のよいポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブテン、アイオノマー樹脂等が、ガ
ス管用途であれば、ガスバリアー性に優れるポリエチレ
ンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコ
ール、ポリアミド等が好ましく用いられる。これらの熱
可塑性樹脂(D)からなる管状層は、形状記憶性ゴム組
成物の形状変化に追従するために薄膜で用いるのが好ま
しい。
【0077】また、本発明のライニング管は、ゴム成分
を主成分に含み充分な柔軟性を有しているが、蛇腹状の
形状を持たせたコルゲート管とすることにより、さらに
柔軟性に優れたライニング管とすることができる。
【0078】
【発明の効果】本発明のライニング管は、形状記憶性に
優れるので、加熱により縮径したのち冷却し形状を保っ
た状態で既設管に挿入後、ライニング管内に加熱流体を
通すだけでライニング管を膨張させ既設管の内壁に密着
させることができ、非開削で既設管補修などのためのラ
イニングに好適である。また本発明のライニング管はゴ
ム成分を主成分とするので曲がりの多い配管にも容易に
挿入できる。
【0079】本発明のライニング方法によれば、経時的
なひび割れや、地震等の強震動によるクラック発生など
への耐性に優れ、長期にわたる信頼性の高いライニング
が可能となる。
【0080】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。各実
施例における使用材料は次の通りである。
【0081】《使用材料》 1)EPDM:三井化学(株)製 三井EPT−3090E
(商標)、エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノル
ボルネン共重合体、パラフィン系オイル10重量部油
展、エチレン/プロピレン(モル比)=68/32、ヨ
ウ素価=12 ・・・・・・・・(A)成分 2)ポリプロピレン:グランドポリマー(株)製J−300
(商標)、ビカット軟化点=150℃ 、融点=160℃
・・・・・・・・・(B)成分 3)ポリブテン:三井化学(株)製M2481、ビカット軟
化点=70℃ 、融点=75℃ ・・・・・・・・・(B)成分 4)EBT:三井化学(株)製K9720、ビカット軟化点
=50℃ 、融点=60℃ ・・・・・・・・・(B)成分 5)亜鉛華2種:堺化学(株)製 6)ステアリン酸:花王(株)製 7)FEFカーボンブラック:昭和キャボット(株)製ショ
ウブラックN−550(商標) 8)パラフィン系オイル:出光興産(株)製ダイアナプロセ
スオイルPW−90(商標) 9)脱泡剤:井上石灰(株)製ベスタPP(商標) 10)加硫促進剤CBS:三新化学工業(株)製サンセラー
CM(商標) 11)加硫促進剤ZnBDC:三新化学工業(株)製サンセ
ラーBZ(商標) 12)加硫促進剤TMTD:三新化学工業(株)製サンセラ
ーTT(商標) 13)加硫促進剤EU:三新化学工業(株)製サンセラー2
2(商標) 14)加硫促進剤TeEDC:三新化学工業(株)製サンセ
ラーTE(商標) 15)モルフォリン系加硫剤:三新化学工業(株)製サンフ
ェルR(商標) 16)イオウ
【0082】(実施例1) 《形状賦与樹脂含有EPDMの調製》神戸製鋼所(株)製
1.7リットルミクストロンミキサーに前記EPDMおよび
形状賦与樹脂(B)成分としてポリプロピレンを表1に
示す配合割合で加え、(B)成分のビカット軟化点より
20℃以上高い温度で約5分間混練し、EPDM中にポ
リプロピレンを均一にミクロ分散させた。その後ミキサ
ーから排出した後、自然冷却して、形状賦与樹脂含有E
PDM(B−1)を調製した。
【0083】《ゴム組成物の調製》次に、神戸製鋼所
(株)製1.7リットルミクストロンミキサーに上記で得た形
状賦与樹脂含有EPDM(B−1)に、亜鉛華2種、ス
テアリン酸、FEFカーボンブラックおよびパラフィン
系オイルを表1に示す配合割合で添加し、約7分間混練
した。その後ミキサーから排出した後、自然冷却した。
ミキサ−から排出した直後の混練物の温度は170℃と
した。この各混練物に、8インチオープンロールで前記
脱泡剤、加硫促進剤、モルフォリン系加硫剤およびイオ
ウを表1に示す配合割合で加え混練し、加硫可能なゴム
組成物(C−1)を得た。
【0084】
【表1】
【0085】《形状記憶性ゴム組成物からなるチューブ
の成形》上記の様にして得られたゴム組成物(C−1)
を、ロールからリボン状に切り出した。次いで、外径2
0mmφ、内径15mmφのダイスを取り付けた1軸の
50mmφゴム用押出機に、このリボンをフィードしな
がら押出し、HAV(熱空気加硫槽)中で、100℃で
12分、180℃で15分の条件で2段階に加硫してチ
ューブを成形した。これを温度200℃のホットエアー
に3分間さらし、長手方向に延伸して縮径したのち、2
0℃水中で冷却して賦形した。そのあと、温度200℃
のホットエアーをチューブ内に3分間通し室温まで放冷
後、形状回復率を調べた。結果を表2に示す。なお、表
中の変形率(%)は、〔成形チューブ外径/賦形チューブ
外径〕×100で求め、形状回復率(%)は、〔再加熱後
のチューブ外径/成形チューブ外径〕×100で求め
た。
【0086】
【表2】
【0087】(実施例2)形状賦与樹脂(B)成分とし
てポリプロピレンに代えてポリブテンを用いた以外は実
施例1と同様にして形状記憶性ゴム組成物からなるチュ
ーブを成形した。これを温度120℃のホットエアーに
2分間さらし、長手方向に延伸して縮径したのち、20
℃水中で冷却して賦形した。そのあと、温度120℃の
ホットエアーをチューブ内に2分間通し室温まで放冷
後、形状回復率を調べた。結果を表3に示す。
【0088】
【表3】
【0089】(実施例3)ゴム組成物の配合割合を表1
の様に代えた以外は実施例1と同様にして形状記憶性ゴ
ム組成物からなるチューブを成形した。これを温度80
℃の温水に30秒間さらし、長手方向に延伸して縮径し
たのち、20℃水中で冷却して賦形した。そのあと、温
度80℃の温水をチューブ内に30秒間通し室温まで放
冷後、形状回復率を調べた。結果を表4に示す。
【0090】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るライニング管の断面模式図であ
る。(1)成形後のライニング管を示す断面模式図であ
る。(2)長さ方向に延伸したライニング管を示す断面模
式図である。(3)周方向に均一に加圧、圧縮したライニ
ング管を示す断面模式図である。(4)板状に圧縮したラ
イニング管を示す模式図である。(5)U字形に折りたた
んだライニング管を示す模式図である。
【図2】本発明に係るライニング方法の手順を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 ライニング管 2 ゴム成分 3 ポリオレフィン系樹脂成分 4 鋼管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 25/06 C08L 25/06 55/00 55/00 55/02 55/02 F16L 1/00 F16L 1/00 J 55/16 55/16 // B29K 23:00 B29L 23:00 (72)発明者 太田 誠治 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 (72)発明者 仲濱 秀斉 千葉県市原市千種海岸3番地 三井化学株 式会社内 (72)発明者 石井 雄二 千葉県市原市千種海岸3番地 三井化学株 式会社内 Fターム(参考) 3H025 EA01 EB23 4F071 AA12 AA14 AA15 AA20 AA21 AA22 AA32 AA34 AA39 AA75 AA78 AA85 AE02 AE03 AH17 BB06 BB07 BC05 4F211 AA03 AA04E AA11 AA12E AA13 AA20 AA45 AG03 AG08 AH43 AL05 SA13 SC03 SD04 SH06 SJ01 SP15 SP21 4J002 BB002 BB051 BB052 BB082 BB122 BB151 BB172 BB232 BC032 BC062 BC072 BC092 BN152 BP021 FD140 FD150 GM00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンと、炭素数3〜20のα−オレ
    フィンと、非共役ポリエンよりなるエチレン・α−オレ
    フィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)およびポリ
    オレフィン系樹脂(B)を含む組成物からなる形状記憶
    性ゴム組成物(C)を用いてなるライニング管。
  2. 【請求項2】 前記形状記憶性ゴム組成物(C)は、エ
    チレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム
    (A)100重量部に対し、ポリオレフィン系樹脂
    (B)10〜50重量部を含むものである請求項1に記
    載のライニング管。
  3. 【請求項3】 前記エチレン・α−オレフィン・非共役
    ポリエン共重合体ゴム(A)が、エチレン・プロピレン
    ・非共役ジエン共重合体ゴムである請求項1または2に
    記載のライニング管。
  4. 【請求項4】 前記ポリオレフィン系樹脂(B)のビカ
    ット軟化点が、50℃以上、160℃以下である請求項
    1ないし3のいずれかに記載のライニング管。
  5. 【請求項5】 前記ポリオレフィン系樹脂(B)がポリ
    プロピレン、ポリブテン、エチレン・ブテン・ターポリ
    マー(EBT)、ポリスチレン、ABS樹脂、エチレン・
    メタクリル酸共重合体、アイオノマー樹脂から選ばれる
    1種以上の樹脂である請求項1ないし4のいずれかに記
    載のライニング管。
  6. 【請求項6】 前記形状記憶性ゴム組成物(C)からな
    る管状層の内層側および/または外層側に、他の熱可塑
    性樹脂(D)からなる管状層が積層されている請求項1
    ないし5のいずれかに記載のライニング管。
  7. 【請求項7】 前記形状記憶性ゴム組成物(C)からな
    る2つの管状層の中間に他の熱可塑性樹脂(D)からな
    る管状層が積層されている請求項1ないし5のいずれか
    に記載のライニング管。
  8. 【請求項8】 前記ライニング管が、蛇腹形状をしたコ
    ルゲート管である請求項1ないし7のいずれかに記載の
    ライニング管。
  9. 【請求項9】 エチレンと、炭素数3〜20のα−オレ
    フィンと、非共役ポリエンよりなるエチレン・α−オレ
    フィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)およびポリ
    オレフィン系樹脂(B)を含む組成物からなる形状記憶
    性ゴム組成物(C)を用いて、ライニングを行おうとす
    る既設管の内径よりもわずかに大きい外径を有するライ
    ニング管を成形後、該ライニング管をポリオレフィン系
    樹脂(B)の融点または軟化点以上の温度に加熱して既
    設管に挿入できる形状に変形させ、次いでこれをポリオ
    レフィン系樹脂(B)の融点または軟化点未満の温度に
    冷却してその形状を保ち、この変形ライニング管を既設
    管に挿入したのち、該ライニング管内にポリオレフィン
    系樹脂(B)の融点または軟化点以上の温度を有する流
    体を通して加熱し、ライニング管を元の形状に回復させ
    て既設管内面に密着させることによる既設管のライニン
    グ方法。
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