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JP2000303000A - 抗菌・防黴・高親水性塗料 - Google Patents

抗菌・防黴・高親水性塗料

Info

Publication number
JP2000303000A
JP2000303000A JP11110580A JP11058099A JP2000303000A JP 2000303000 A JP2000303000 A JP 2000303000A JP 11110580 A JP11110580 A JP 11110580A JP 11058099 A JP11058099 A JP 11058099A JP 2000303000 A JP2000303000 A JP 2000303000A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibacterial
antifungal
test
highly hydrophilic
antimicrobial
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11110580A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomohiko Iijima
智彦 飯島
Takao Hirokado
孝雄 広門
Noboru Kinoshita
暢 木下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Osaka Cement Co Ltd filed Critical Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Priority to JP11110580A priority Critical patent/JP2000303000A/ja
Publication of JP2000303000A publication Critical patent/JP2000303000A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌性、防黴性、高親水性、耐熱性に優れ
ることは勿論のこと、塗膜強度にも優れた被膜を形成す
ることができ、しかもこの被膜を表面に有するアルミニ
ウム板等の金属板の加工に用いる金型、加工工具等を摩
耗させることがない抗菌・防黴・高親水性塗料を提供す
ることを課題とする。 【解決手段】 抗菌性金属成分と防黴性有機化合物と
の反応生成物が多孔質シリカ粒子の表面および/または
内部に固着した抗菌防黴剤と、親水性樹脂とを少なくと
も含有するか、または、抗菌性金属成分と防黴性有機化
合物との反応生成物が多孔質シリカにより内包されてい
る抗菌防黴剤と、親水性樹脂とを少なくとも含有するよ
うに構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空調用熱交換器の
フイン表面等に高度な抗菌・防黴・高親水性の被膜を形
成するのに好適な抗菌・防黴・高親水性塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、熱交換器は、ルームエアコン、
パッケージエアコン、保冷ショーケース、冷蔵庫、除湿
器等を代表として、種々の分野において利用されてい
る。この熱交換器用のフイン材としては、加工性および
熱伝導性の優れたアルミニウムまたはアルミニウム合金
が広く用いられている。
【0003】この熱交換器用フイン材の表面には、冷房
時に発生する結露が水滴となってフインの間隙に溜ま
り、通風抵抗を増大させ、熱交換効率の低下を招くた
め、この水滴の落下性を高めるため、撥水性または親水
性を付与するための表面処理を施すようになってきてい
る。
【0004】しかしながら、アルミニウムまたはアルミ
ニウム合金表面に撥水性または親水性を付与する塗料の
効果が十分でない場合、送風時にフインの間隙に結露し
た水滴が飛ばされ、霧が吹く現象が起きる。特に室内機
中に熱交換器を備えている空調器の場合、この水滴中に
各種の雑菌や黴が繁殖していると、室内環境を汚染し、
アレルギーや感染症の原因となる。
【0005】このため、熱交換器、特にフイン部にも抗
菌防黴処理を施すことが求められており、アルミニウム
またはアルミニウム合金表面の塗装被膜中に無機銀系抗
菌剤および/または有機系防黴剤を適量配合し、抗菌防
黴処理が施されている。
【0006】〔問題点〕従来の室内機中に抗菌防黴処理
をした熱交換器を備えている空調器では、つぎのような
問題点が生じていた。すなわち、 アルミニウムまたはアルミニウム合金製フイン表面
の塗膜の厚みは1μm程度と極めて薄いものであり、無
機銀系抗菌剤を配合した塗料を用いた場合、抗菌剤の粒
子径が 0.6〜5 μmであるため塗膜の強度を損ねる場合
がある。 さらに、前記塗料をプレコートしたアルミニウムま
たはアルミニウム合金板をフインに加工成形する場合に
は、粒子径の大きい無機銀系抗菌剤を配合していること
から加工に用いる金型、加工工具などの摩耗が激しくな
る。 また、有機系防黴剤を用いた場合、多くの製剤が溶
出ないしは揮散するため、結露した水滴とともに排水経
路へと流れ込み、プラスチック製ドレンパンの表面を変
質ないしひび割れなどの悪影響を及ぼすことがある。 さらに、このような有機系防黴剤を含む水滴が霧状
に室内に放出されることにより、揮発性有機化合物に起
因する化学物質過敏症等を生じる場合がある。 さらに、有機系防黴剤は耐熱性に欠けるため、一般
に 200〜300 ℃で実施される塗膜を形成する乾燥焼き付
け工程を経ると、有機系防黴剤の残存率が低下して防黴
性が極めて低くなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の技
術が有する問題点に鑑みてなされたものであり、その解
決のため具体的に設定された課題は、抗菌性、防黴性、
高親水性、耐熱性に優れることは勿論のこと、塗膜強度
にも優れた被膜を形成することができ、しかもこの被膜
を表面に有するアルミニウム板等の金属板の加工に用い
る金型、加工工具等を摩耗させることがない抗菌・防黴
・高親水性塗料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、以下に示
す抗菌・防黴・高親水性塗料によって、解決することが
できる。すなわち、
【0009】請求項1に係る抗菌・防黴・高親水性塗料
は、抗菌性金属成分と防黴性有機化合物との反応生成物
が多孔質シリカ粒子の表面および/または内部に固着し
た抗菌防黴剤と、親水性樹脂とを少なくとも含有するこ
とを特徴とするものであること。
【0010】または、請求項2に係る抗菌・防黴・高親
水性塗料は、抗菌性金属成分と防黴性有機化合物との反
応生成物が多孔質シリカにより内包されている抗菌防黴
剤と、親水性樹脂とを少なくとも含有することを特徴と
するものであること。
【0011】ここに、請求項3に係る抗菌・防黴・高親
水性塗料のように、前記防黴性有機化合物がイミダゾー
ル系化合物、チアゾール系化合物、N−ハロアルキルチ
オ系化合物、ピリジン系化合物、イソチアゾロン系化合
物からなる群から選ばれた少なくとも1種であることが
好ましい。
【0012】また、請求項4に係る抗菌・防黴・高親水
性塗料のように、前記抗菌防黴剤の粒子径が 0.01 〜1
μmであることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明における実施の形態
を詳細に説明する。ただし、この実施の形態は、本発明
の趣旨をより良く理解させるため具体的に説明するもの
で、特に指定のない限り、本発明を限定するものでな
い。
【0014】「第1の抗菌・防黴・高親水性塗料」この
実施の形態における第1の抗菌・防黴・高親水性塗料
は、抗菌性金属成分と防黴性有機化合物との反応生成物
が、多孔質シリカ粒子の表面および/または内部に固着
した抗菌防黴剤(以下、「第1の抗菌防黴剤」と称す
る。)と、親水性樹脂とを少なくとも含有する。
【0015】第1の抗菌・防黴・高親水性塗料中には第
1の抗菌防黴剤が含まれ、この第1の抗菌防黴剤は、抗
菌性成分と防黴性成分とを併せて有し、約 300℃程度の
耐熱性を有するため、得られる塗膜は抗菌性、防黴性の
双方に優れた効果を発揮し、耐熱性にも優れたものとな
る。更に、第1の抗菌・防黴・高親水性塗料中には水溶
性樹脂または水分散性樹脂等の親水性塗料が含まれてい
ることから高親水性が発揮される。
【0016】また、第1の抗菌防黴剤は、抗菌性金属成
分と防黴性有機化合物との反応生成物が、シリカの網目
構造中および構造端に固着したものである。そして、抗
菌性金属成分と防黴性有機化合物との反応生成物の、シ
リカの網目構造中および構造端に固着した状態は、必ず
しも明確でないが、図1、図2に示されるように、シリ
カの網目構造中および構造端に位置する珪酸基(Si−
O−)を介して結合しているものと推定される。
【0017】第1の抗菌防黴剤において、前記抗菌性金
属成分は、特に限定されるものではないが、安全性、抗
菌性等の観点から、例えば銀、銅、亜鉛等が用いられ、
特に銀が好適に用いられる。
【0018】また、前記防黴性有機化合物も、抗菌性金
属成分と反応して生成物を生成するものであれば特に限
定されるものではないが、安全性、防黴性、汎用性など
の観点から、例えば2−(4−チアゾリル)−ベンツイ
ミダゾール(以下、TBZ と略記する)等のイミダゾール
系化合物、チアゾール系化合物、N−(フルオロジクロ
ロメチルチオ)−フタルイミド等のN−ハロアルキルチ
オ系化合物、2,3,5,6−テトラクロロー4−(メ
チルスルフォニル)−ピリジン等のピリジン系化合物、
1,2−ベンツイソチアゾロン等のイソチアゾロン系化
合物等が用いられ、特に、TBZ のような、抗菌性金属成
分に対して有機配位子になり得るものが好適に用いられ
る。
【0019】また、第1の抗菌防黴剤中における前記抗
菌性金属成分と前記防黴性有機化合物との反応生成物の
含有量は、抗菌・防黴効果の発現性、抗菌・防黴効果の
持続性から 0.01 〜 20 重量%、好適には 1〜 10 重量
%であることが望ましい。もしも、0.01重量%より少な
い場合、抗菌・防黴効果の発現が不確実となり、一方、
20重量%を超えた場合、抗菌防黴成分の含有量としては
過剰となり、必要以上の原料コストの増加を招く。
【0020】そして、第1の抗菌防黴剤の粒子径は 0.0
1 〜1 μmであることが好ましい。粒子径が0.01μmよ
り小さいと、著しい二次凝集をきたし、分散が困難にな
るおそれがあり、一方、1μmより大きいと乾燥・硬化
した被膜を表面に有するアルミニウム板等の板材の加工
に用いる金型、加工工具等を摩耗させる虞がある他、塗
布基板との密着性、塗膜の平滑性、塗膜強度を損なうお
それがある。この第1の抗菌防黴剤は、例えば特願平 1
0 − 194292 号明細書記載の方法により製造することが
できる。
【0021】親水性の樹脂は、水溶性樹脂または水分散
性樹脂等、親水性の塗膜を形成し、かつ前記第1の抗菌
防黴剤を塗膜中に保持するものである。具体的にはアク
リル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド
系、エポキシ系、セルロース系、ポリエーテルポリオー
ル系等の親水性樹脂の1種または2種以上の混合系が挙
げられる。
【0022】前記第1の抗菌・防黴・高親水性塗料に
は、前記第1の抗菌防黴剤が塗料固形分中 0.01 〜 10
重量%含有することが望ましい。 0.01 重量%未満だと
十分な抗菌・防黴性、及びその持続性が得られず、一
方、10重量%を超えると膜強度が低下するばかりか、前
記第1の抗菌防黴剤を必要以上配合することとなり、コ
スト高となる他、相対的に親水性樹脂の含有量が低下し
て親水性が不十分となる。
【0023】また、前記第1の抗菌・防黴・高親水性塗
料には、その他の成分として、分散性を改善するための
界面活性剤、消泡剤や、塗膜を着色するための着色剤、
乾燥状態を調節するためのアルコール、セロソルブ、ケ
トンなどの各種溶剤等を適量配合してもよい。
【0024】「第2の抗菌・防黴・高親水性塗料」第2
の抗菌・防黴・高親水性塗料としては、抗菌性金属成分
と防黴性有機化合物との反応生成物が多孔質シリカによ
り内包された抗菌防黴剤(以下、「第2の抗菌防黴剤」
と称する。)と、親水性樹脂とを少なくとも含有する。
【0025】第2の抗菌・防黴・高親水性塗料は、その
中に前記第2の抗菌防黴剤が含まれ、第2の抗菌防黴剤
は、抗菌性成分と防黴性成分とを併せて有し、約 300℃
程度の耐熱性を有するため、得られる塗膜は抗菌性、防
黴性の双方に優れた効果を発揮し、耐熱性にも優れたも
のとなる。更に、第1の抗菌・防黴・高親水性塗料中に
は水溶性樹脂、水分散性樹脂等の親水性樹脂が含まれて
いることから、高親水性が発揮される。
【0026】第2の抗菌防黴剤は、不溶性のシリカを、
抗菌性金属成分と防黴性有機化合物との反応生成物の周
囲に沈着させて、抗菌性金属成分と防黴性有機化合物と
の反応生成物をシリカからなる多数の微小な孔を有する
カプセルで包み込んだ形態を採る。
【0027】そして、第2の抗菌防黴剤の粒子径は 0.0
1 〜1 μmであることが好ましい。粒子径が 0.01 μm
より小さいと、著しい二次凝集をきたし、分散が困難に
なるおそれがあり、一方、1μmより大きいと乾燥・硬
化した被膜を表面に有するアルミニウム板等の板材の加
工に用いる金型、加工工具等を摩耗させるおそれがある
他、塗布基板との密着性、塗膜の平滑性、塗膜強度を損
なうおそれがある。
【0028】この第2の抗菌防黴剤は、例えば特願平 1
0 − 194292 号明細書記載の方法により製造することが
できる。その他、抗菌性金属成分、防黴性有機化合物、
親水性樹脂等については、第1の抗菌・防黴・高親水性
塗料に準ずればよい。
【0029】
〔実施例1〕
「第1の抗菌防黴剤の製造」TBZ 2.5gをメチルアルコ
ール 320mlに完全に溶解し、この溶液に 10 重量%硝
酸銀水溶液 10 mlを加えて、銀とTBZ との反応生成物
(以下、銀−TBZ と略記)の白色沈殿を得た。この白色
沈殿を濾別し、メチルアルコールと蒸留水にて充分洗浄
後、130 ℃にて乾燥し、乳鉢にて微粉砕した。
【0030】JIS 1号水ガラスを蒸留水を用い体積比で
1:1に希釈した珪酸ナトリウム水溶液 10 mlに、前
記銀―TBZ 0.25 g、カルボキシメチルセルロース 0.7
g、変性エチルアルコール1〜2滴を加え、5 分間、超
音波による分散処理し、引き続きマグネチックスターラ
にて完全に分散させた。別に用意した 1.5mol/lの
硫酸アンモニウム水溶液 110mlをマグネチックスター
ラで攪拌しつつ、この水溶液中に前記銀―TBZ が分散し
た前記珪酸ナトリウム水溶液を添加し、 30 ℃にて 2時
間攪拌しながら熟成し、沈殿生成物を得た。この沈殿生
成物を濾別し、蒸留水にて充分洗浄後、130 ℃にて乾燥
し、乳鉢にて解砕して第1の抗菌防黴剤を得た。
【0031】この第1の抗菌防黴剤は、銀―TBZ がシリ
カの表面および内部に固着していることが赤外線吸収ス
ペクトル法(IR)により確認され、また、シリカは多
孔質であること、および粒子径が 0.05 〜0.4 μmの微
細粒子であることが走査型電子顕微鏡観察により確認さ
れた。また、この第1の抗菌防黴剤中の、銀―TBZ の含
有量を、銀はプラズマ発光分析法(ICP法)で、TBZ
量は熱分析法(TG法)による減量値から算出したとこ
ろ、銀が 1.5重量%、TBZ が 5.8重量%であった。
【0032】市販の親水性塗料(日本ペイント(株)
製、サーフコート240 )に第1の抗菌防黴剤を 1重量%
添加し、ホモジナイザーにより分散させて実施例1の抗
菌・防黴・高親水性塗料を得た。耐食加工を施していな
いアルミニウム板の表面に、この抗菌・防黴・高親水性
塗料をロールコーターを用いて塗布し、250 ℃にて 30
秒間焼き付けることにより抗菌・防黴・高親水性塗膜を
形成し試験体を作成した。
【0033】この試験体につき、抗菌性試験、防黴性
(黴抵抗性)試験、塗膜強度試験、耐変色性試験、親水
性試験および加工磨耗性試験を実施し、その結果を表1
に示した。なお、各種試験法は次のとおりである。
【0034】「抗菌性試験」前記試験体(負荷前)と、
前記試験体を 60 ℃の温水中に 10 日間浸潰しせ、その
間、1回/日の割合で温水を交換する負荷を施したもの
(負荷後)とを、共試した。抗菌率は抗菌製品技術協議
会が定めた抗菌性評価方法(フィルム密着法)に準拠し
て算出した。評価は以下のとおりとした。 ◎:滅菌率 99.9 %以上 ○:滅菌率 99 以上 99.9 %未満 ×:滅菌率 99 %未満
【0035】「防黴性(黴抵抗性)試験」ポテトデキス
トロース寒天(PDA)を培地としたシャレーの 0.5m
lの黴胞子懸濁液を滴下し、均一に塗布した。この中心
に試験体を設置し、更にこの試験体上に1mlの黴胞子
懸濁液を均一に滴下した。 27 ℃に設定したインキュベ
ーター内にて2週間培養した。評価は以下のとおりとし
た。 3:試験体表面に菌糸の発育が認められない。 2:試験体表面における菌糸の発育部分の面積は1/3
を超えない。 1:試験体表面における菌糸の発育部分の面積は1/3
を超える。
【0036】「塗膜強度試験」試験体の塗膜面を幅 5m
mにてクロスカット( 60 mm× 50 mm)し、セロハ
ンテープにて剥離を試み、100個のマス目のうち剥離せ
ず残存したマス目の数を測定した。評価は以下のとおり
とした。 ◎:残存状態 90 /100 以上 ○:残存状態 70 /100 以上 90 /100 未満 ×:残存状態 70 /100 未満
【0037】「耐変色性試験」試験体を 3%食塩水中に
400時間浸漬し、水洗の後、 60 ℃にて乾燥した。この
食塩水浸漬処理前及び処理後の色調の変色性を、カラー
アナライザイー(東京電色(株)製、TC-1800MK II)に
て測色した。評価は以下のとおりとした。なお、△Eは
色差を表す。 ◎:△E: 3 未満 ○:△E: 3 以上 10 未満 ×:△E: 10 以上
【0038】「親水性試験」試験体を水道水(流量毎分
1リットル)に 7時間浸漬した後、 80 ℃の電気オーブ
ンで 17 時間乾燥させることを1サイクルとして、 7サ
イクルまで続けて水接触角を測定した。水接触角の測定
は、試験体を水平に置き、その上に純水 5μl滴下し、
接触角計(協和界面科学(株)製、CA−Z)により測
定した。評価は以下のとおりとした。 ◎: 5°未満 ○: 5°以上 20°未満 △: 20°以上 30°未満 ×: 30°以上
【0039】「加工磨耗性試験」試験体に対し 20 万シ
ョットの成形加工後、ピアスポンチの磨耗量により評価
を行った。評価は以下の通りとした。 ◎:磨耗量 0.005mm未満 ○:磨耗量 0.005mm以上 0.010mm未満 ×:磨耗量 0.010mm以上
【0040】〔実施例2〕 「第2の抗菌防黴剤の製造」JIS 1号水ガラスを蒸留水
を用い体積比で1:1に希釈した珪酸ナトリウム水溶液
10 mlに、前記銀―TBZ 0.25g、カルボキシメチルセ
ルロース 0.7g、変性エチルアルコール1〜2滴を添加
し、分散した分散液を、非イオン系界面活性剤を加えた
ベンゼンに添加しエマルジョン化した。別に用意した
1.5mol/lの硫酸アンモニウム水溶液 110ml中に
前記エマルジョン液をし、 30 ℃にて 2時間攪拌しなが
ら熟成し、沈殿生成物を得た。この沈殿生成物を遠心分
離して油相を除いた後、濾別し、蒸留水にて充分洗浄
後、130℃にて乾燥し、乳鉢にて解砕して第2の抗菌防
黴剤を得た。
【0041】この第2の抗菌防黴剤は、銀―TBZ がシリ
カにより内包されていることが赤外線吸収スペクトル法
(IR)により確認した。また、粒子径が 0.05 〜0.4
μmの微細カプセル粒子であることが走査型電子顕微鏡
観察により確認された。また、この第2の抗菌防黴剤中
の、銀―TBZ の含有量を、実施例1に準じて算出したと
ころ、銀が 1.7重量%、TBZ が 5.7重量%であった。
【0042】市販の親水性塗料(日本ペイント(株)
製、サーフコート240 )に前記第1の抗菌防黴剤を 1重
量%添加し、ホモジナイザーにより分散させて実施例2
の抗菌・防黴・高親水性塗料を得た。耐食加工を施して
いないアルミニウム板の表面に、この抗菌・防黴・高親
水性塗料をロールコーターを用いて塗布し、 250℃にて
30 秒間焼き付けることにより抗菌・防黴・高親水性塗
膜を形成し試験体を作成した。
【0043】この試験体につき、抗菌性試験、防黴性
(黴抵抗性)試験、塗膜強度試験、耐変色性試験、親水
性試験および加工磨耗性試験を実施例1に準じて実施
し、その結果を表1に示した。
【0044】〔実施例3〕前記親水性塗料(日本ペイン
ト(株)製、サーフコート240 )を他の親水性塗料(第
一工業製薬(株)製、エラストロ W−II)に変更した
他は実施例1に準じて試験体を作成した。この試験体に
つき、抗菌性試験、防黴性(黴抵抗性)試験、塗膜強度
試験、耐変色性試験、親水性試験および加工磨耗性試験
を実施例1に準じて実施し、その結果を表1に示した。
【0045】〔実施例4〕前記親水性塗料(日本ペイン
ト(株)製、サーフコート240 )を他の親水性塗料(第
一工業製薬(株)製、エラストロ W−II)に変更した
他は実施例1に準じて試験体を作成した。この試験体に
つき、抗菌性試験、防黴性(黴抵抗性)試験、塗膜強度
試験、耐変色性試験、親水性試験および加工磨耗性試験
を実施例2に準じて実施し、その結果を表1に示した。
【0046】〔比較例1〕第1の抗菌防黴剤を粒径 0.6
〜2.5 μmの銀ゼオライト系抗菌剤に変更した他は実施
例1に準じて試験体を作成した。この試験体につき、抗
菌性試験、防黴性(黴抵抗性)試験、塗膜強度試験、耐
変色性試験、親水性試験および加工磨耗性試験を実施例
1に準じて実施し、その結果を表1に示した。
【0047】〔比較例2〕第1の抗菌防黴剤を2−4−
チアゾリルベンズイミダゾール(TBZ )に変更した他は
実施例1に準じて試験体を作成した。この試験体につ
き、抗菌性試験、防黴性(黴抵抗性)試験、塗膜強度試
験、耐変色性試験、親水性試験および加工磨耗性試験を
実施例1に準じて実施し、その結果を表1に示した。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1に係る
抗菌・防黴・高親水性塗料では、抗菌性金属成分と防黴
性有機化合物との反応生成物が多孔質シリカ粒子の表面
および/または内部に固着した抗菌防黴剤と、親水性樹
脂とを少なくとも含有することにより、この塗料を乾燥
・硬化せしめた塗膜が、 200〜300 ℃での乾燥焼き付け
工程を経ても抗菌・防黴性を維持しており、また極めて
良好な親水性を有し、しかも基板との密着性も良く、例
えばフィンに抗菌防黴処理を施す熱交換器の抗菌・防黴
・高親水性および耐熱性が向上する。また、塗料中に含
有されている抗菌防黴剤が微細であるため、塗膜が形成
された板材の加工に用いる金型、加工工具などの摩耗を
抑制することができる。しかして、この抗菌・防黴・高
親水性塗料は熱交換器用フイン材等に好適な抗菌・防黴
・高親水性塗膜を提供することができる。
【0050】また、請求項2に係る抗菌・防黴・高親水
性塗料では、抗菌性金属成分と防黴性有機化合物との反
応生成物が多孔質シリカにより内包されている抗菌防黴
剤と、親水性樹脂とを少なくとも含有することにより、
請求項1に係る抗菌・防黴・高親水性塗料が有する効果
に加え、球状であることから塗膜中Bの充填性に優れ、
また内包されているため、さらに耐変色性が向上する。
【0051】また、請求項3に係る抗菌・防黴・高親水
性塗料では、前記防黴性有機化合物がイミダゾール系化
合物、チアゾール系化合物、N−ハロアルキルチオ系化
合物、ピリジン系化合物、イソチアゾロン系化合物から
なる群から選ばれた少なくとも1種であることから、抗
菌防黴効果を向上させるとともに安全性および汎用性を
向上させることができる。
【0052】また、請求項4に係る抗菌・防黴・高親水
性塗料では、前記抗菌防黴剤の粒子径が 0.01 〜1 μm
であることから、親水性樹脂に対する抗菌防黴剤の分散
性が向上するとともに塗膜が形成された板材の加工に用
いる金型、加工工具などの摩耗を抑制することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における抗菌性金属成分と
防黴性有機化合物との反応生成物のシリカ網目構造への
固着モデルを示す模式図である。
【図2】本発明の実施の形態における抗菌性金属成分と
防黴性有機化合物との反応生成物のシリカ構造の珪酸塩
への固着モデルを示す模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 暢 千葉県船橋市豊富町585番地 住友大阪セ メント株式会社新規技術研究所内 Fターム(参考) 4C058 AA19 BB07 JJ03 JJ05 JJ08 4H011 AA02 AA03 BA06 BB06 BB09 BB10 BB18 BC18 BC19 DA01 DA02 DA23 DC01 DE17 DH25 4J038 BA021 CG141 DB001 DD001 DF001 DG001 DH001 EA011 HA066 HA446 JB32 JB33 JC18 KA15 MA14 PC02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抗菌性金属成分と防黴性有機化合物との反
    応生成物が多孔質シリカ粒子の表面および/または内部
    に固着した抗菌防黴剤と、親水性樹脂とを少なくとも含
    有することを特徴とする抗菌・防黴・高親水性塗料。
  2. 【請求項2】抗菌性金属成分と防黴性有機化合物との反
    応生成物が多孔質シリカにより内包されている抗菌防黴
    剤と、親水性樹脂とを少なくとも含有することを特徴と
    する抗菌・防黴・高親水性塗料。
  3. 【請求項3】前記防黴性有機化合物がイミダゾール系化
    合物、チアゾール系化合物、N−ハロアルキルチオ系化
    合物、ピリジン系化合物、イソチアゾロン系化合物から
    なる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴と
    する請求項1または2に記載の抗菌・防黴・高親水性塗
    料。
  4. 【請求項4】前記抗菌防黴剤の粒子径が 0.01 〜1 μm
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の抗菌・防黴・高親水性塗料。
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