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JP2000301005A - イオン交換樹脂再生排液の再利用方法 - Google Patents

イオン交換樹脂再生排液の再利用方法

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Publication number
JP2000301005A
JP2000301005A JP11113135A JP11313599A JP2000301005A JP 2000301005 A JP2000301005 A JP 2000301005A JP 11113135 A JP11113135 A JP 11113135A JP 11313599 A JP11313599 A JP 11313599A JP 2000301005 A JP2000301005 A JP 2000301005A
Authority
JP
Japan
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exchange resin
effluent
nitrate nitrogen
ion
nitrite
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Pending
Application number
JP11113135A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruo Yokota
治雄 横田
Osamu Kawaguchi
修 川口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Organo Corp
Original Assignee
Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
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Publication date
Application filed by Organo Corp, Japan Organo Co Ltd filed Critical Organo Corp
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  • Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)
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  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水中の(亜)硝酸性窒素の除去に用いられた
アニオン交換樹脂を食塩水で再生した際に発生する再生
排液中に含まれるNaNO3、NaNO2及びNaClが
環境中に放出されることを防止するとともに、再生排液
中に含まれるNaClをアニオン交換樹脂の再生に再利
用する。 【解決手段】 アニオン交換樹脂の再生排液2中の硝酸
性窒素及び亜硝酸性窒素を除去する硝酸性窒素除去処理
4と、再生排液中の硫酸イオンを除去する硫酸イオン除
去処理10とを実施した後、塩化物イオンが残留し、硝
酸性窒素、亜硝酸性窒素及び硫酸イオンが除去された処
理液14をアニオン交換樹脂の再生に利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(亜)硝酸性窒素
を吸着したアニオン交換樹脂、例えばCl形のアニオン
交換樹脂を用いて水中の(亜)硝酸性窒素(NO3 -イオ
ン及びNO2 -イオン)をイオン交換により除去した後の
アニオン交換樹脂を、食塩水を用いて再生した際に発生
する再生排液の処理に関し、さらに詳しくは、該再生排
液を処理し、その処理液を上記イオン交換樹脂の再生に
再利用する方法に関する。本発明に係るイオン交換樹脂
再生排液の再利用方法は、例えば、(亜)硝酸性窒素を
含有する河川水、海水、湖沼水、地下水等を原水として
飲料水を製造する際に用いられるイオン交換装置(陰イ
オン除去装置)の再生排液の処理に使用される。なお、
本発明においては、NO3 -イオン及びNO2 -イオンをま
とめて「(亜)硝酸性窒素」という。
【0002】
【従来の技術】河川水、海水、湖沼水、地下水等を原水
として飲料水を製造する場合、原水中の(亜)硝酸性窒
素濃度が飲用水の水質基準を超えているときには、通
常、イオン交換装置を用いて原水中の(亜)硝酸性窒素
を除去してから飲用に供している。この場合、上記イオ
ン交換装置としては、一般に、Cl形の強塩基性アニオ
ン交換樹脂を用いたものが使用されている。
【0003】前述したイオン交換装置の運転において
は、定期的あるいは(亜)硝酸性窒素の除去能力がある
程度低下した時点でイオン交換樹脂の再生処理を行う。
この場合、アニオン交換樹脂の再生処理では、再生薬液
として食塩水を用いるため、再生排液中には通水時にア
ニオン交換樹脂に吸着された原水中のNO3 -、NO2 -
SO4 2-、HCO3 -に由来するNaNO3、NaNO2
Na2SO4、NaHCO3と、再生に寄与しなかった余
剰のNaCl等が解離した状態で存在し、中でもNaN
3、NaClは多量に含まれているが、この再生排液
は特に処理を施さず、そのまま放流しているのが現状で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記再生排液
をそのまま放流した場合、環境に悪影響を与えるおそれ
がある。すなわち、再生排液中に含まれるNaNO3
NaNO2は富栄養化の点、NaClは塩害の点で問題
がある。したがって、再生排液中に含まれるNaN
3、NaNO2及びNaClを除去した後に、再生排液
を放流することが望ましい。なお、NaHCO3は比較
的少量であるため、除去しなくても特に問題は生じな
い。また、Na2SO4もNaClに比べて塩害を引き起
こす虞れは少ないので、除去しなくても特に問題は生じ
ない。
【0005】また、Cl形のアニオン交換樹脂を用いた
イオン交換装置では、イオン交換樹脂の再生に用いる食
塩の費用がランニングコストの内のかなりの部分を占め
る。したがって、イオン交換樹脂再生用の食塩の量を低
減することが望ましい。
【0006】本発明は、前述した事情に鑑みてなされた
もので、その目的は、水中の(亜)硝酸性窒素の除去に
用いられたアニオン交換樹脂を、食塩水を用いて再生し
た際に発生する再生排液の処理方法であって、再生排液
中のNaNO3、NaNO2及びNaClが環境中に放出
されることを極力防止することができるとともに、再生
排液中に含まれるNaClを上記アニオン交換樹脂の再
生に再利用することができるイオン交換樹脂再生排液の
再利用方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するため、水中の(亜)硝酸性窒素の除去に用いられ
たアニオン交換樹脂を、食塩水を用いて再生した際に発
生する再生排液を処理するに当たり、前記再生排液中の
(亜)硝酸性窒素を除去する硝酸性窒素除去処理と、前
記再生排液中の硫酸イオンを除去する硫酸イオン除去処
理とを実施した後、塩化物イオンが残留し、(亜)硝酸
性窒素及び硫酸イオンが除去された処理液を前記アニオ
ン交換樹脂の再生に利用することを特徴とするイオン交
換樹脂再生排液の再利用方法を提供する。
【0008】本発明では、硝酸性窒素除去処理によって
再生排液中に含まれるNO3 -及びNO2 -(以下、これら
をまとめて(亜)硝酸性窒素という)を除去する。ま
た、硫酸イオン除去処理によって再生排液中に含まれる
SO4 2-を除去する。その結果、上記2つの処理によ
り、Cl-を含むが、NO3 -、NO2 -及びSO4 2-は除去
された処理液が得られるので、本発明ではこの処理液中
に含まれるCl-をアニオン交換樹脂の再生に利用す
る。したがって、本発明によれば、再生排液中のNaN
3、NaNO2及びNaClが環境中に放出されること
を極力防止することができるとともに、再生排液中に含
まれるNaClを上記アニオン交換樹脂の再生に再利用
することができる。
【0009】以下、本発明につきさらに詳しく説明す
る。本発明において、硝酸性窒素除去処理の種類に特に
限定はなく、生物処理法、触媒法、電気分解法等を用い
ることができるが、特に生物処理法又は触媒法が好まし
い。
【0010】生物処理法の1例としては、通性嫌気条件
(溶存酸素が実質的に存在しない条件)において、水素
供与体としての有機物の存在下で、脱窒菌(例えばPseu
domonas denitrificans等)が(亜)硝酸性窒素の結合
酸素を利用して呼吸を行い、下記式のように(亜)硝酸
性窒素を還元して窒素ガス化する脱窒法が挙げられる。
この場合、有機物としては、例えば、メタノール等のア
ルコール類、酢酸等の有機酸類、グルコース等の糖類を
用いることができる。 2NO3 - +10H+ →N2 +4H2O+2OH- 2NO2 - +6H+ →N2 +2H2O+2OH-
【0011】また、他の生物処理法としては、水素酸化
細菌(例えばParacoccus denitrificans、Micrococcus
denitrificans等)を用いた脱窒法が挙げられる。これ
は、独立栄養性の水素酸化脱窒菌を用いた水中の酸化態
窒素の除去方法であり、被処理水に水素ガスというクリ
ーンな水素供与体を添加することにより、下記式のよう
に脱窒を行うものである。 2NO3 - +5H2 →N2 +4H2O+2OH- 2NO2 - +2H2 →N2O+H2O+2OH-2O+H2 →N2 +H2
【0012】触媒法は、(亜)硝酸性窒素を還元する触
媒の存在下で(亜)硝酸性窒素と水素とを反応させて、
(亜)硝酸性窒素を除去する方法である。触媒法では、
水素ガス等を水素供与体として使用し、触媒存在下で
(亜)硝酸性窒素と水素とを反応させることにより、
(亜)硝酸性窒素を窒素ガスにまで還元して除去する。
上記触媒としては、周期律表の白金族の金属、又は白金
族の金属と銅族の金属とからなる触媒を用いることがで
き、具体的にはロジウム、パラジウム−銅、又はパラジ
ウム−銀を好適に用いることができる。この還元反応で
は下記式のごとく硝酸性窒素は亜硝酸性窒素、一酸化二
窒素を経由して窒素ガスになり、亜硝酸性窒素は一酸化
二窒素を経由して窒素ガスになる。 NO3 - +H2 →NO2 - +H2O 2NO2 - +2H2 →N2O+H2O+2OH-2O+H2 →N2 +H2
【0013】触媒法による硝酸性窒素除去処理では、よ
り具体的には、硝酸性窒素除去装置として、例えば後述
する実施例に示すように、溶存酸素を還元する触媒の存
在下で水中の溶存酸素と水素とを反応させることにより
溶存酸素を除去する1段目と、(亜)硝酸性窒素を還元
する触媒の存在下で1段目の処理水中に含まれる(亜)
硝酸性窒素と水素とを反応させることにより(亜)硝酸
性窒素を除去する2段目と、亜硝酸性窒素及び一酸化二
窒素を還元する触媒の存在下で2段目の処理水中に含ま
れる亜硝酸性窒素及び一酸化二窒素と水素とを反応させ
ることによりこれらを除去する3段目とを備えたものを
用いることができる。
【0014】前記1段目で溶存酸素を除去するのは、被
処理水中に溶存酸素が含まれていると、この溶存酸素も
硝酸性窒素と同様に還元されて水素を消費するため、硝
酸性窒素の還元反応が阻害され、中間物質である亜硝酸
性窒素及び一酸化二窒素が窒素ガスにまで還元されず、
処理液中に残存することがあるからである。この場合、
1段目で用いる溶存酸素を還元する触媒としては、周期
律表の白金族の金属を用いることができ、具体的にはパ
ラジウム、白金、ロジウム等を用いることができる。反
応は下記の通りであり、水素により酸素を還元する反応
である。 O2 - +2H2 →2H2
【0015】2段目は、前述の触媒法による工程であ
る。3段目を設けるのは、処理液中に亜硝酸性窒素や一
酸化二窒素が残存することを確実に防止するためであ
る。3段目で用いる亜硝酸性窒素及び一酸化二窒素を還
元する触媒としては、前記1段目に用いるのと同じ白金
族の金属を使用することができる。反応は下記の通りで
あり、水素により亜硝酸性窒素、一酸化二窒素を還元す
る反応である。 2NO2 - +2H2 →N2O+H2O+2OH-2O+H2 →N2 +H2
【0016】本発明において、硫酸イオン除去処理の種
類に特に限定はないが、被処理水を硫酸イオンを含む部
分と塩化物イオンを含む部分とに分離するイオン分離処
理、例えばナノ濾過膜を用いた膜分離法又は電気透析法
を好適に使用することができる。
【0017】上述の膜分離法で用いるナノ濾過膜は、限
外濾過膜よりさらに孔径の小さい濾過膜であり、「ルー
ズ逆浸透膜」とも呼ばれ、2価以上のイオンの排除率が
高く、1価イオンの排除率が比較的低いという性質を有
する。すなわち、ナノ濾過膜は、通常の逆浸透膜に比べ
て塩排除率、特に1価イオンに対する塩排除率が低い膜
である。通常の逆浸透膜は例えばNaClの排除率が9
9%以上であるのに対して、ナノ濾過膜は通常10〜5
0%程度の排除率しかない。ただし、SO4 2-等の2価
イオンの排除率は例えば90%以上と高い。したがっ
て、ナノ濾過膜を用いた膜分離法によれば、再生排液を
主に硫酸イオンを含む部分と主に塩化物イオンを含む部
分とに分離することができる。ナノ濾過膜の具体例とし
ては、東レ(株)製のSU−220、SU−210、日
東電工(株)製のNTR−7250、NTR−745
0、NTR−7430、ダウケミカル社製のNF−4
5、NF−50、NF−70等を挙げることができる。
【0018】電気透析法は、カチオン交換膜とアニオン
交換膜を交互に配置し、外部から電流を流してイオン化
している物質を膜を通して移動除去する方法である。電
気透析法を実施するための装置としては、例えば、対向
配置した電極対の間に複数のカチオン交換膜とアニオン
交換膜とを交互に配列して脱塩室及び濃縮室を交互に形
成したものが挙げられる。本発明において、硫酸イオン
除去処理を電気透析法によって行う場合、上記アニオン
交換膜として1価イオン選択性のアニオン交換膜を用い
ることが好ましい。すなわち、1価イオン選択性のアニ
オン交換膜はCl-が極めて通りやすく、SO4 2-が極め
て通りにくいという性質を有するため、このアニオン交
換膜を用いた場合、脱塩室側にSO4 2-、濃縮室側にC
-を選択的に分離することができる。
【0019】本発明において、硝酸性窒素除去処理及び
硫酸イオン除去処理の順番は限られず、どちらを先に実
施してもよいが、NO3 -、NO2 -、SO4 2-及びCl-
含む再生排液を最初にナノ濾過膜を用いた膜分離法で処
理した場合には濃縮水側にNO3 -やNO2 -が少量残留
し、また、電気透析法で処理した場合にはイオン濃度が
高いために処理に要する電気代が嵩むことになるので、
あまり好ましくない。したがって、硝酸性窒素除去処理
を先、硫酸イオン除去処理を後とし、NO3 -及びNO2 -
が除去された再生排液に対して硫酸イオン除去処理を行
うのが好ましい。
【0020】本発明では、前述の硝酸性窒素除去処理及
び硫酸イオン除去処理を実施した後、塩化物イオンを含
み(亜)硝酸性窒素及び硫酸イオンが除去された処理液
をCl形のアニオン交換樹脂のイオン交換樹脂の再生に
利用する。すなわち、上記処理液を再生薬液として使用
する。この場合、処理液中の食塩濃度が不足する場合に
は、処理液に食塩を添加してから再生薬液として使用す
ればよい。なお、処理液の全部を再生薬液として使用し
てもよく、一部のみを再生薬液として使用してもよい。
【0021】また、本発明では、アニオン交換樹脂の再
生排液の全量を前述した本発明による処理に付してもよ
く、一部のみを該処理に付してもよい。すなわち、イオ
ン交換樹脂の再生工程では、一般に、通薬工程、押出工
程及び洗浄工程を順次実施する。通薬行程は、再生すべ
きイオン交換樹脂が充填されている塔内に再生薬液を供
給し、イオン交換樹脂を再生する工程である。押出工程
は、上記通薬工程終了後、塔内に(亜)硝酸性窒素が除
去されたイオン交換装置の処理水を流入させて塔内に残
留している再生薬液を塔外に押し出す工程である。洗浄
工程は、上記押出工程終了後、塔内に前述したイオン交
換装置の処理水を比較的速い流速で流入させて、塔内に
残留している少量の再生薬液を完全に洗い流す工程であ
る。この場合、再生排液中の塩化物イオン、(亜)硝酸
性窒素、硫酸イオンの濃度は、最初の通薬工程及びその
次の押出工程の再生排液が最も高く、洗浄工程において
低くなる。したがって、本発明では、NaClの回収効
率、(亜)硝酸性窒素及び硫酸イオンの除去効率等の点
で、再生排液の内の塩化物イオン、(亜)硝酸性窒素、
硫酸イオンの濃度が高い部分のみを採取し、この再生排
液に対して前述した本発明による処理を実施してもよ
い。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は本発明方法の実施に用いる
再生排液処理装置の一例を示すフロー図である。図1に
おいて、2はアニオン交換樹脂の再生排液を貯留する排
液貯槽、4は触媒法による硝酸性窒素除去装置、6は排
液貯槽2と硝酸性窒素除去装置4との間の流路で再生排
液に酸を添加する酸添加装置、8は安全フィルタ、10
はナノ濾過膜を用いた膜分離装置(硫酸イオン除去装
置)、12は処理液貯槽を示す。
【0023】本例の装置によってアニオン交換樹脂の再
生排液を処理する場合、ポンプ(図示せず)等の作動に
よって排液貯槽2内の再生排液を硝酸性窒素除去装置
4、安全フィルタ8、硫酸イオン除去装置10に順次通
水する。このとき、硝酸性窒素除去装置4の手前で酸添
加装置6によって再生排液に酸を添加する。酸を添加す
るのは、次の理由による。すなわち、Cl形のアニオン
交換樹脂を用いたイオン交換装置で処理を行う河川水、
海水、湖沼水、地下水等の中には、通常、NO3 -の他に
SO4 2-やHCO3 -が含まれているので、アニオン交換
樹脂にはNO3 -と共にSO4 2-やHCO3 -も吸着され
る。したがって、この樹脂をNaClで再生すると、再
生排液中にNaHCO3が含まれることになり、再生排
液は弱アルカリ性となる。しかし、生物処理法や触媒法
による硝酸性窒素除去処理においては、アルカリ性の条
件は反応を阻害する方向なのであまり好ましくない。そ
こで、再生排液に酸を添加してpHを中性〜弱酸性に調
整するものである。この場合、酸としては、本発明では
処理液中のCl-の有効利用が図れるため、HClを用
いることが好ましい。
【0024】硝酸性窒素除去装置4では、触媒の存在下
で再生排液中に含まれる(亜)硝酸性窒素と水素とを反
応させることにより、(亜)硝酸性窒素を除去する。安
全フィルタ8は精密濾過膜を用いた膜分離装置であり、
後段のナノ濾過膜を保護するために、被処理液中の粒径
10μm程度以上の懸濁物質を除去する。硫酸イオン除
去装置10では、2価以上のイオンの排除率が高く、1
価イオンの排除率が低いというナノ濾過膜の性質によ
り、透過水14側にCl-が移行し、濃縮水16側にS
4 2-が移行する。したがって、本例の装置では、Cl-
を含有する透過水14を処理液として処理液貯槽12に
貯留し、この処理液をアニオン交換樹脂の再生薬液とし
て用いる。なお、SO4 2-を含む濃縮水16は必要に応
じ別途処理を行って放流する。
【0025】
【実験例】Cl形の強塩基性アニオン交換樹脂(アンバ
ーライト(登録商標)IRA−400)を充填したイオ
ン交換装置によって原水の処理を行った。原水として
は、硝酸性窒素濃度が約10mgN/L、硫酸イオン濃
度が約10mgSO4 2-/Lの模擬原水を用いた。ま
た、原水の通水倍量はイオン交換樹脂1L当たり800
Lとした。通常、この程度の通水倍量で上記イオン交換
樹脂は破過する。
【0026】次に、前記イオン交換装置の再生処理を行
った。再生薬液としては食塩水を用い、アニオン交換樹
脂1L当たりの食塩使用量を250gとした。再生薬液
の食塩濃度は10重量%(ナトリウムイオン濃度:3.
9重量%、塩化物イオン濃度:6.1重量%)とした。
【0027】前記再生処理によって生じた再生排液を採
取した。この場合、高濃度のNaCl、硝酸性窒素及び
硫酸イオンを含む通薬工程及び押出工程の途中までの再
生排液を採取した。採取した再生排液中の硝酸性窒素濃
度は2100mgN/L、硫酸イオン濃度は2100m
gSO4 2-/L、ナトリウムイオン濃度は2.2重量
%、塩化物イオン濃度は3.0重量%であった。
【0028】上記再生排液を図1に示した装置によって
処理した。硝酸性窒素除去装置4では、水素供与体とし
て水素ガスを、触媒として1段目には脱窒反応を阻害す
る溶存酸素を除去するためにPd触媒を、2段目には硝
酸性窒素を還元するためにPd−Cu触媒を、3段目に
は残留している亜硝酸性窒素、一酸化二窒素を窒素ガス
にまで還元するためPd触媒を使用して、処理を行っ
た。硝酸性窒素除去装置4の処理液中の硝酸性窒素濃度
は5mgN/L、硫酸イオン濃度は2100mgSO4
2-/L、ナトリウムイオン濃度は2.2重量%、塩化物
イオン濃度は3.0重量%であった。
【0029】硫酸イオン除去装置10では、ナノ濾過膜
として東レ(株)製のSU−220を用い、水回収率を
60%として運転を行った。硫酸イオン除去装置10の
透過水(処理液)中の硝酸性窒素濃度は5mgN/L、
硫酸イオン濃度は3mgSO 4 2-/L、NaCl濃度は
5重量%であった。
【0030】上記処理液を利用して前述したイオン交換
装置のアニオン交換樹脂の再生を行った。この場合、処
理液に食塩を添加して食塩濃度を10重量%としてから
再生薬液として用いた。その結果、再生後のイオン交換
装置の硝酸性窒素除去率及び樹脂破過までの通水倍量
は、処理液を利用しなかった場合と変わらなかった。す
なわち、処理液の前述した硫酸イオン濃度であれば、処
理液を再利用しても再生効率に影響を与える程度ではな
かった。
【0031】なお、上記例では硝酸性窒素除去処理を触
媒法、硫酸イオン除去処理をナノ濾過膜を用いた膜分離
法で行ったが、硝酸性窒素除去処理を生物処理法、硫酸
イオン除去処理を電気透析法で行ってもよい。硝酸性窒
素除去処理を生物処理法で行う場合は、再生排液全量を
処理するなどして再生排液中の食塩濃度を低くすればよ
い。
【0032】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、環境に
悪影響を与えるおそれのあるイオン交換樹脂再生排液中
のNaNO3、NaNO2及びNaClが環境中に放出さ
れることを極力防止することができるとともに、上記再
生排液中に含まれるNaClをイオン交換樹脂の再生に
再利用してイオン交換装置のランニングコストの低減を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るイオン交換樹脂再生排液の再利用
方法の実施に用いる再生排液処理装置の一例を示すフロ
ー図である。
【符号の説明】
2 排液貯槽 4 硝酸性窒素除去装置 6 酸添加装置 8 安全フィルタ 10 膜分離装置 12 処理液貯槽 14 透過水 16 濃縮水
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 23/89 B01J 23/89 M C02F 1/42 C02F 1/42 B 1/44 ZAB 1/44 ZABE 1/469 3/34 101A 3/34 101 1/46 103 Fターム(参考) 4D006 GA04 GA07 GA17 HA47 KA02 KA03 KA52 KA55 KA57 KA63 KB23 KB30 KD30 KE12P KE13P MA13 MA14 MB06 PA04 PB08 PB28 PC80 4D025 AA06 AA09 AB08 AB11 BA14 DA05 DA06 4D040 BB02 BB93 4D061 DA05 DA08 DB19 DC17 EA09 EB13 4G069 AA02 BB02A BB02B BC31A BC31B BC32A BC69A BC71A BC72A BC72B CA05 CA08 CA11 EE08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中の(亜)硝酸性窒素の除去に用いら
    れたアニオン交換樹脂を、食塩水を用いて再生した際に
    発生する再生排液を処理するに当たり、前記再生排液中
    の(亜)硝酸性窒素を除去する硝酸性窒素除去処理と、
    前記再生排液中の硫酸イオンを除去する硫酸イオン除去
    処理とを実施した後、塩化物イオンが残留し、(亜)硝
    酸性窒素及び硫酸イオンが除去された処理液を前記アニ
    オン交換樹脂の再生に利用することを特徴とするイオン
    交換樹脂再生排液の再利用方法。
  2. 【請求項2】 前記硝酸性窒素除去処理を、生物処理法
    又は触媒の存在下で(亜)硝酸性窒素と水素とを反応さ
    せる触媒法によって行う請求項1に記載のイオン交換樹
    脂再生排液の再利用方法。
  3. 【請求項3】 前記硫酸イオン除去処理を、ナノ濾過膜
    を用いた膜分離法又は電気透析法によって行う請求項1
    又は2に記載のイオン交換樹脂再生排液の再利用方法。
JP11113135A 1999-04-21 1999-04-21 イオン交換樹脂再生排液の再利用方法 Pending JP2000301005A (ja)

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