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JP2000285336A - 積雪層監視装置及びこの装置を用いた雪崩監視システム - Google Patents

積雪層監視装置及びこの装置を用いた雪崩監視システム

Info

Publication number
JP2000285336A
JP2000285336A JP11089204A JP8920499A JP2000285336A JP 2000285336 A JP2000285336 A JP 2000285336A JP 11089204 A JP11089204 A JP 11089204A JP 8920499 A JP8920499 A JP 8920499A JP 2000285336 A JP2000285336 A JP 2000285336A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
snow layer
data
avalanche
detector
snow
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11089204A
Other languages
English (en)
Inventor
Eitaro Tayasu
榮太郎 田保
Takashi Ogawara
孝 大河原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Engineering Corp
Mitsui Bussan Plant and Project Corp
Original Assignee
Toshiba Engineering Corp
Mitsui Bussan Plant and Project Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Engineering Corp, Mitsui Bussan Plant and Project Corp filed Critical Toshiba Engineering Corp
Priority to JP11089204A priority Critical patent/JP2000285336A/ja
Publication of JP2000285336A publication Critical patent/JP2000285336A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Emergency Alarm Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】積雪層の状態を常時監視すると共に、検出器自
体に作用する撓みや曲げ応力を抑制し、また雪溶け後に
自動的に元の位置に復帰させることにある。 【解決手段】地中に埋設された杭1と、この杭1に地上
側に向けて鉛直に取付けられ、複数個の伸縮型撓み継手
3により同一軸線上に適宜の間隔を存してそれぞれ結合
された複数個の検出器2と、最上方に位置する検出器2
の上部に設けられた外気温度計8とからなり、検出器2
は、筒体と、この筒体内に設けられ積雪層の変位により
外力が加わるとその大きさ及び方向と角速度並びに傾斜
角から前記積雪層の移動量を検出する検出手段と、前記
筒体の外周に設けられ、積雪層の各深さにおける温度を
検出する積雪層温度計と、前記筒体内に設けられ前記検
出手段及び各温度計で検出されたデータを演算処理する
演算手段と、この演算手段で演算処理されたデータを伝
送する伝送手段とを備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積雪地域における積
雪層の監視し、且つ雪崩の発生の可能性又は雪崩発生の
有無とその規模を判定して雪崩の状態を監視する積雪層
監視装置及びこの装置を用いた雪崩監視システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】積雪地域においては、雪崩による災害を
事前に予知可能な雪崩監視システムの開発が急務となっ
ている。
【0003】従来、雪崩を検出する手段としては、雪崩
の発生し易い場所に適宜の間隔を存して複数本の支柱を
埋設し、これら各支柱の適宜高さ位置間にある抵抗を有
するワイヤを張設して常時は通電状態としておき、雪崩
によりワイヤが断線することにより変化する抵抗値を検
出し、これを基地局に有線により伝送することで雪崩の
発生を検知するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような雪
崩監視システムにおいては、広範囲に渡ってワイヤを張
設しなければならないため、多くの手間と時間がかかる
ばかりでなく、雪崩の発生箇所を特定することが難し
く、しかもその規模を予測できないという問題があっ
た。
【0005】また、積雪層の移動時に支柱自体が大きな
荷重により撓みを生じると、支柱が損傷したり、折れ曲
ったままの状態になるため、雪溶け後に人手によりその
支柱の修復や交換を行なわなければならない。
【0006】さらに、支柱自体は個々に基礎に取付けら
れていないので、雪崩が発生した場合には支柱も雪と一
緒に押し流されてしまう可能性がある。
【0007】本発明の第1の目的は、積雪層の状態を常
時監視し、雪崩の発生前に積雪層の異常を高精度に検出
して雪崩による災害の発生を防止できると共に、検出器
が雪の重みや移動してもその移動に追従した作動を可能
として、検出器自体に作用する撓みや曲げ応力を抑制で
き、また雪溶け後に自動的に元の位置に復帰させること
ができる積雪層監視装置を提供するにある。
【0008】また、本発明の第2の目的は、上記積雪層
監視装置を用いて雪崩の発生箇所とその規模の大きさを
予知することができる雪崩監視システムを提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、次のような手段より雪崩監視装置を構成す
るものである。
【0010】請求項1に対応する発明は、地中に埋設さ
れた杭と、この杭に地上側に向けて鉛直に取付けられ、
複数個の伸縮型撓み継手により同一軸線上に適宜の間隔
を存してそれぞれ結合された複数個の検出器と、最上方
に位置する検出器の上部に設けられた外気温度計とから
なり、前記検出器は、筒体と、この筒体内に設けられ積
雪層の変位により外力が加わるとその大きさ及び方向と
角速度並びに傾斜角から前記積雪層の移動量を検出する
検出手段と、前記筒体の外周に設けられ、積雪層の各深
さにおける温度を検出する積雪層温度計と、前記筒体内
に設けられ前記検出手段及び各温度計で検出されたデー
タを演算処理する演算手段と、この演算手段で演算処理
されたデータを伝送する伝送手段とを備えたものであ
る。
【0011】請求項2に対応する発明は、請求項1に対
応する発明の積雪層監視装置において、検出手段は積雪
層の変位により外力が加わるとその大きさ及び方向と検
出器自身の傾きから衝撃的加速度を検出するジャイロセ
ンサと、直交する2軸の傾き角と傾き方向を検出する2
軸の傾斜計である。
【0012】請求項3に対応する発明は、請求項1又は
請求項2に対応する発明の雪崩監視装置において、伝送
手段により伝送されるデータは、無線方式により伝送さ
れるものである。
【0013】従って、請求項1乃至請求項3に対応する
発明の雪崩監視装置にあっては、積雪層の状態を常時監
視し、雪崩の発生前に積雪層の異常を高精度に検出して
雪崩による災害の発生を防止できると共に、検出器が雪
の重みや移動による撓みや曲げ応力に十分耐えることが
可能となり、しかも雪溶け後に自動的に元の位置に復帰
させることができる。
【0014】請求項4に対応する発明は、地中に埋設さ
れた杭と、この杭に地上側に向けて鉛直に取付けられ、
複数個の伸縮型撓み継手により同一軸線上に適宜の間隔
を存してそれぞれ結合された複数個の検出器と、最上方
に位置する検出器の上部に設けられた外気温度計とから
なり、前記検出器は、筒体と、この筒体内に設けられ積
雪層の変位により外力が加わるとその大きさ及び方向と
角速度並びに傾斜角から前記積雪層の移動量を検出する
検出手段と、前記筒体の外周に設けられ、積雪層の各深
さにおける温度を検出する積雪層温度計と、前記筒体内
に設けられ前記検出手段及び各温度計で検出されたデー
タを演算処理する演算手段と、この演算手段で演算処理
されたデータを伝送する伝送手段とで構成された積雪層
監視装置を測定地点に設置し、この積雪層監視装置から
伝送される積雪層の移動量、傾斜角及び各温度データを
受信し、測定地点の各データをリアルタイムで処理して
測定地点の基準加速度値を超えたデータと基準温度を超
えたデータとを求めるデータ処理手段と、このデータ処
理手段で処理された各データをもとに雪崩発生の可能性
又は雪崩発生の有無とその規模を予知する判定手段とを
備えたものである。
【0015】従って、請求項4に対応する発明の雪崩監
視装置にあっては、積雪層監視装置を用いて雪崩の発生
箇所とその規模の大きさを事前に予知することができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。
【0017】図1は本発明による積雪層監視装置の第1
の実施の形態の構成例を示すものである。
【0018】図1において、1は地中に埋設される杭
で、この杭1には適宜の間隔を存して設けられる詳細を
後述する複数個(本例では2個)の検出器2と、これら
検出器2相互間及び最下方の検出器2と杭1との間に設
けられる伸縮型撓み継手3とをジョイント部4を介して
同一軸線上にそれぞれ結合してなる支柱5が取付けられ
ている。また、この支柱5の最上方の検出器2にはアン
テナ支持ロッド6を介してアンテナ7が取付けられると
共に、アンテナ支持ロッド6には外気温を計測する気温
計8が取付けられている。
【0019】この場合、杭1からアンテナ7までの全長
は、積雪層の深さに応じて検出器2及び伸縮型撓み継手
3の長さや個数が決定される。
【0020】上記検出器2は、図2に示すように筒体1
1内の軸方向に適宜の間隔を存して配設された複数段の
支持板14にソリッド型ジャイロセンサ12及び2軸の
傾斜計13と、駆動電源としてのバッテリ15と、ジャ
イロセンサ12及び傾斜計13より出力される検出信号
を増幅して演算する演算部16と、この演算部16で処
理された検出信号を前述したアンテナ7より図示しない
基地局に電波として送信する送信部17が適宜振分けて
それぞれ設けられる。
【0021】また、筒体11の外周面には複数個の積雪
層温度計18が軸方向に適宜の間隔を存してそれぞれ取
付けられている。
【0022】上記ジャイロセンサ12は、図3に示すよ
うに三角柱12aの各側面に3軸方向の外力を検出する
圧電素子12bがそれぞれ取付けられ、各圧電素子12
bに加速度αが加わると、その加速度に応じた大きさの
電圧を発生するものであり、この電圧は演算部16に入
力される。
【0023】なお、上記ではジャイロセンサ12の構成
として圧電素子を用いたが、半導体歪みセンサー又は光
ファイバージャイロ、或いは流体式ジャイロ、機械式ジ
ャイロ等を用いてもよい。
【0024】また、上記2軸の傾斜計13は、直交2軸
の傾斜角度を計測し、その計測信号は演算部16に入力
される。
【0025】さらに、積雪層温度計18は積雪層の深さ
における温度を検出して演算部16に入力される。
【0026】一方、伸縮型撓み継手3は、図4に示すよ
うにスプライン軸31を構成するスプライン雌軸31a
とこのスプライン雌軸31a内に挿入されて軸方向に摺
動可能なスプライン雄軸31bとを備え、スプライン雄
軸31bの結合端部は検出器側のフランジ部に取付け固
定されたカップリング32にスプリング33aを介して
弾性的に支持されると共に、ピンジョイント34により
軸方向と直交する方向に回動可能に結合されている。ま
た、スプライン雌軸31aの結合端部は上記スプライン
軸31と同一構成のスプライン軸35のスプライン雌軸
35aに設けられたフランジ部にスプリング33bを介
して弾性的に支持されると共に、スプライン雌軸35a
に設けられた接続片にピンジョイント36により、スプ
ライン雌軸35aが軸中心線を中心に回動可能に結合さ
れている。
【0027】すなわち、スプライン軸31とスプライン
軸35は、互いに直交する位置関係に存するピンジョイ
ント34,36により交差する2軸の各々の回転が伝達
可能になっている。
【0028】なお、37はスプライン軸35の周囲部を
覆うように設けられ、その一方の開口端が検出器側の筒
体に止め輪38により固定され、他方の開口端がスプラ
イン軸36のスプライン雌軸36aに止め輪38により
固定された蛇腹状の保護カバーである。
【0029】従って、このような構成の伸縮型撓み継手
3を用いることにより、許容作動角が大きく、しかも軸
方向の伸縮量を大きく取ることができ、またスプリング
33a,33bにより撓みや伸縮に対する復元力を持た
せることができる。
【0030】次に上記各検出器2におけるジャイロセン
サ12、傾斜計13及び温度計18の各機能と演算部1
6の機能について図5及び図6により述べる。
【0031】図5に示すように、ジャイロセンサ12の
各圧電素子より加速度αに応じて発生する電圧が入力さ
れると、これらの電圧信号はアンプにより演算処理に適
した信号レベルに増幅され、その電圧信号から加速度を
演算により求めた後、各軸方向の加速度を同時に検出
し、これらの値から変位の方向、大きさ、衝撃力、検出
器の姿勢を判別する。そして、地球の自転に伴う加速度
をカットした後、修正した変位、加速度及び衝撃力を出
力データFaとして演算部16へ出力する。
【0032】また、2軸の傾斜計13により計測された
計測信号はアンプにより演算処理に適した信号レベルに
増幅され、その計測信号から直交する2軸の傾斜角度と
傾き方向を求め、これら各軸の傾き角度と傾き方向を出
力データFbとして演算部16へ出力する。
【0033】さらに、積雪層温度計18で検出された検
出信号はアンプにより演算処理に適した信号レベルに増
幅され、その値から積雪層の各深さにおける温度を測定
した後、積雪層中の温度が深さによってどの程度変化
(上昇)したかを判別する。大気側についても同様に実
施する。そして、積雪層の温度を出力データFcとして
演算部16へ出力する。同様に大気温度についても出力
する。
【0034】一方、演算部16にこれらジャイロセンサ
12、傾斜計13及び積雪層温度計18の各出力データ
Fa,Fb,Fcが入力されると、この演算部16では
図6に示すようにジャイロセンサ12からのデータを一
定時間毎にメモリに記憶し、そのデータからジャイロの
加速度値を積分して角度を求める。
【0035】また、2軸の傾斜計で求められた角度値と
ジャイロセンサ12で求められた角度値とを比較し、誤
差がある場合にはジャイロセンサ12の角度値を補正す
る。この補正されたジャイロセンサ12の角度値を再び
微分して加速度値を計算し、この加速度値をメモリに順
番に記憶する。さらに、ジャイロセンサ12の変位、衝
撃力、位置等の他のデータも同様にメモリに記憶する。
【0036】そして、2軸の傾斜計13のデータをジャ
イロセンサ12と同期をとり、一定時間毎にメモリに記
憶する。また、積雪層温度計18のデータをジャイロセ
ンサ12と同期をとり、一定時間毎にメモリに記憶す
る。これらメモリに蓄えられたデータを一定時間毎に送
信部17へ出力する。
【0037】このように上記構成の雪崩監視装置によれ
ば、地中に埋設される杭1に適宜の間隔を存して複数個
(本例では2個)の検出器2と、これら検出器2相互間
及び最下方の検出器2と杭1との間に設けられる伸縮型
撓み継手3とをジョイント部4を介して同一軸線上にそ
れぞれ結合して全体を一体化して取付ける構成としたの
で、積雪層の移動時に雪崩監視装置に大きな荷重が加わ
っても、各伸縮型撓み継手3により許容範囲内の角度変
化と軸方向の伸縮に対して十分追従するように作動し、
図1に2点鎖線で示すような状態に変形することで、検
出器2に作用する撓みや曲げ応力を抑制することができ
る。
【0038】このことにより、雪崩監視装置自体が雪崩
により雪と一緒に押し流されたり、検出器2の損傷や破
損を防止することができる。また、伸縮型撓み継手3
は、角度変化や軸方向に伸縮してもスプリングにより復
元する機能を持っているので、雪溶け後には自動的に元
の位置に復帰させることができる さらに、検出器は、筒体内に設けられ積雪層の変位によ
り外力が加わるとその大きさ及び方向と角速度並びに傾
斜角から積雪層の移動量を検出し、且つ外気温度計と積
雪層温度計により外気温度と積雪層の各深さにおける温
度とを検出すると共に、これらのデータを演算処理して
いるので、積雪層の状態を常時監視し、雪崩の発生前に
積雪層の異常を高精度に検出することができる。
【0039】以上は積雪層監視装置の構成について述べ
たが、次にこの積雪層監視装置により計測された各デー
タを基地局に伝送し、雪崩発生の有無とその規模を予知
するための雪崩監視システムについて説明する。
【0040】図7はこの雪崩監視システムの構成を示す
ブロック図である。
【0041】図7において、各計測側はジャイロセンサ
12、2軸の傾斜計13、外気温度計8、積雪層温度計
18、演算部16及び送信部17から構成され、基地局
側は受信部41、データ処理部42及び判定部43から
構成されている。
【0042】ここで、基地局側のデータ処理部42の機
能について図8により説明する。
【0043】データ処理部42は、図8に示すようにS
61にてジャイロセンサ12からの計測信号に対して各
ポイント及び時間毎に変位、加速度、衝撃力についてデ
ータ整理する。次いで、S62にて各ポイントに加わる
力の方向を計算してS63にて単位時間当たりの基準加
速度値と比較計算を実施し、S64にて基準加速値を超
えたデータを整理してメモリに記憶する。そして、S6
5にて基準加速度値を超えたデータにおいて、力の加わ
った方向と加速度値より傾き角を計算する。
【0044】また、2軸の傾斜計13からの計測信号に
対してS66にて各ポイント及び時間毎に傾き角と方向
についてデータ整理する。次いでS67にて単位時間当
たりの基準傾斜角値と比較計算を実施し、S68にて基
準傾斜角を超えたデータを整理してメモリに記憶する。
【0045】さらに、積雪層温度計18からの計測信号
に対してS69にて各ポイント及び時間毎に積雪層の各
深さにおける温度データを整理する。次いで、S70に
て基準温度との比較計算を実施し、S71にて基準温度
を超えたデータを整理してメモリに記憶する。そして、
S72にて外気温についても同様にデータ整理してメモ
リに記憶する。
【0046】また、判定部43はこのデータ処理部42
により処理されたデータをもとに詳細を後述する各種の
判定処理が実施され、雪崩の発生の有無とその規模を予
知し、その旨を表示するものである。
【0047】次に上記のような構成の雪崩監視システム
の作用を述べる。
【0048】いま、雪崩の可能性のある山間部などの地
中に図9に示すように雪崩が起こり易い傾斜面に沿って
複数個(本例では3個について示す)の雪崩監視装置を
適宜の距離を存してそれぞれ配し、図1に示すような状
態で埋設されているものとする。また、各雪崩監視装置
には積雪深さに応じた適宜2か所に検出器2が設けら
れ、上方の積雪層に対応する検出器2をNo.1〜N
o.3とし、下方の積雪層に対応する検出器2をNo.
3〜No.4とする。
【0049】このような状態で埋設された各雪崩監視装
置において、各測定地点の積雪層の深さに応じて各検出
器2のジャイロセンサ12、傾斜計13及び温度計18
でそれぞれ計測された信号に対して図5に示すような処
理が行われて演算部16に取込まれると、この演算部1
6では図6に示すような演算により補正された加速度
値、傾斜計13及び積雪層温度計18の各データが、そ
れぞれ送信部17よりアンテナ部7を介して基地局へ無
線により伝送される。
【0050】基地局では、各雪崩監視装置から伝送され
たデータを図7に示す受信部41により受信すると、デ
ータ処理部42ではこれらのデータを処理して図8に示
すように基準加速値を超えたデータと、基準傾斜角を超
えたデータ及び基準温度を超えたデータと地上温度のデ
ータについてそれぞれ整理し、これらのデータは判定部
43に取込まれる。
【0051】ここで、判別部43での各種の判定処理に
ついて、図10乃至図13により詳細に説明する。
【0052】図10に示すように、S91にて基準加速
値を超えたジャイロセンサ12からのデータにおいて、
力の加わった方向、傾斜角と、傾斜計13より求めた方
向、傾斜角とを比較し、S92にてジャイロセンサ12
からのデータと傾斜計13からのデータがほぼ一致して
いるか否かを判定する。そして、S92にて両データが
一致していると判定されると、S93にて積雪層温度計
18により計測された積雪層の温度データが基準値を超
えているか否かを判定する。
【0053】ここで、積雪層温度計18の積雪層のデー
タが基準値を超えていないと判定されると、S94にて
地上部での異常発生(表層雪崩)と判断し、S95にて
すべての検出器が基準値を超えているか否かを判定す
る。
【0054】そして、S95にてすべての検出器2が基
準値を超えていると判定されると、S96にて大規模の
表層雪崩が発生と判断して、S97にて非常警報を発令
する。また、S95にてすべての検出器2が基準値を超
えていないと判定されるとS98にて小規模の表層雪崩
が発生と判断して、S99にて緊急警報を指令する。
【0055】上記S93にて積雪層温度計18の積雪部
の温度データが基準値を超えていると判定されると、図
11に示すような判定処理に移る。図11に示すように
S100にて地上の気温データが基準値を超えているか
否かを判定する。
【0056】ここで、地上の気温データが基準値を超え
ていないと判定されると、S101にて積雪層内部での
異常発生と判断し、S102にてすべての検出器2が基
準値を超えているか否かを判定する。そして、S102
にてすべての検出器2が基準値を超えていると判定され
ると、S103にて大規模雪崩発生と判断して、S10
4にて非常警報を発令する。また、S102にてすべて
の検出器2が基準値を超えていないと判定されると、S
105にて上流又は下流域にて小規模雪崩発生と判断
し、S106にて緊急警報を発令すると共に、S107
にて雪崩発生範囲を表示する。
【0057】上記S100にて地上の気温データが基準
値を超えていると判定されると、S108にて気温上昇
により深層雪崩発生と判断し、S109にてすべての検
出器2が基準値を超えているか否かを判定する。そし
て、S109にてすべての検出器2が基準値を超えてい
ると判定されると、S110にて大規模深層雪崩が発生
したと判断し、S111にて非常警報を発令する。ま
た、S109にてすべての検出器2が基準値を超えてい
ないと判定されると、S112にて上流又は下流域にて
中規模の深層雪崩が発生したと判断し、S113にて緊
急警報を発令すると共に、雪崩発生範囲を表示する。
【0058】一方、図10のS92において、ジャイロ
センサ12のデータと傾斜計13のデータがほぼ一致し
ていないと判定されると、図12に示すような判定処理
に移行する。
【0059】図12において、S115にてジャイロセ
ンサ12からのデータが基準値を超え、傾斜計13のデ
ータが基準値以下になっているか否かを判定し、基準値
以下になっていなければS116にて積雪層温度計18
のデータが基準値を超えているか否を判定し、超えてい
なければS117に移行して引続き計測を実行し、超え
ていればS118にて要監視データとしてメモリに登
録、保存する。
【0060】また、上記S115にてジャイロセンサ1
2からのデータが基準値を超え、傾斜計13のデータが
基準値以下になっていると判定されると、S119にて
ジャイロセンサ12の加速度値が基準値を超えているか
否かを判定し、基準値を超えていなければS120にて
積雪層温度計18の温度データが基準値を超えているか
否かを判定し、超えていなければS121にて雪崩に発
展する可能性が少ないと判断して、S122にてメモリ
に要監視データを登録、保存する。またS120にて積
雪層度計18の積雪層の温度データが基準値を超えてい
ると判定されると、S123にて雪崩に発展する可能性
があるとして、S124にて注意警報を発令する。
【0061】上記S119において、ジャイロセンサ1
2の加速度値が基準値を超えていると判定されると、図
13に示すような判定処理に移行する。
【0062】図13において、S125にてジャイロセ
ンサ12の衝撃値が基準値を超えているか否かを判定
し、超えていなければS126にて傾斜計13の傾き方
向とジャイロセンサ12の力の方向とが一致しているか
否かを判定し、一致していなければS127にてセンサ
異常と判断する。
【0063】また、S126にて傾斜計13の傾き方向
とジャイロセンサ12の力の方向とが一致していると判
定されると、S128にてすべての検出器2が基準値を
超えているか否かを判定する。
【0064】そして、S128にてすべての検出器2が
基準値を超えていると判定されると、S129にて深層
部又は広域にて積雪層全体が移動していることを確認
し、S130にて深層部又は広域の雪崩と判断して、S
131にて緊急警報を発令する。
【0065】また、S128にてすべての検出器2が基
準値を超えていないと判定されると、S132にて上流
又は下流域で中規模な雪崩が発生と判断し、S133に
て警戒指令を発令する。
【0066】さらに、S125にてジャイロセンサ12
の衝撃値が基準値を超えていると判定されると、S13
4にて衝撃回数が3回以上継続しているか否かを判定す
る。ここで、3回以上継続していると判定されると、S
135にて落石と判断し、3回以上継続していないと判
定されると、S136にて動物等の接触と判断する。
【0067】このように本実施の形態では、変位、加速
度及び衝撃力を検出するジャイロセンサ12、直交する
2軸の傾き角と傾き方向を検出する2軸の傾斜計13、
積雪層及び地上の温度を検出する積雪層温度計18と、
これらジャイロセンサ2の角度値を傾斜計13の角度値
に基づいて補正された加速度値、傾斜計13のデータ及
び温度データを演算処理する演算部16と、バッテリ1
5とを設けた複数個の検出器2を積雪層の深さに応じて
備えた雪崩監視装置を積雪の多い山間部等の傾斜地に複
数埋設し、これら雪崩監視装置の各検出器によりそれぞ
れ検出された各データを基地局に伝送し、基地局ではそ
の受信データをデータ処理部42によりリアルタイムで
処理して各測定ポイント毎の基準加速度値を超えたデー
タのうち、力の加わった方向と加速度値より傾き角度を
求め、基準傾斜角を超えたデータと、基準温度を超えた
データ及び地上の温度データを求め、このデータ処理部
13により処理された各データをもとに判定部43で各
種の判定処理が実施され、雪崩の発生要因とその規模に
応じてその旨を警報又は表示を行なって雪崩の発生の有
無を監視するようにしたものである。
【0068】従って、積雪層の変位を検出精度に左右さ
れずに的確に検出でき、雪崩による災害の発生を事前に
予知することができる。
【0069】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、積雪
層の状態を常時監視し、雪崩の発生前に積雪層の異常を
高精度に検出して雪崩による災害の発生を防止できると
共に、検出器が雪の重みや移動してもその移動に追従し
た作動を可能として、検出器自体に作用する撓みや曲げ
応力を抑制でき、また雪溶け後に自動的に元の位置に復
帰させることができる積雪層監視装置を提供できる。
【0070】また、本発明によれば、上記積雪層監視装
置を用いて雪崩の発生箇所とその規模の大きさを予知す
ることができる雪崩監視システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による雪崩監視装置の実施の形態を示す
全体の概略構成図。
【図2】同実施の形態における検出器を破断して示す内
部構成図。
【図3】同実施の形態における検出器内のセンサとして
設けられる圧電素子を用いたソリッド型ジャイロの構成
例を示す斜視図。
【図4】同実施の形態における伸縮型撓み継手の構成例
を示す断面図。
【図5】同実施の形態における検出器内に設けられるジ
ャイロセンサ、2軸の傾斜計及び温度計からの信号処理
機能を説明するためのブロック図。
【図6】同実施の形態における検出器内に設けられる演
算部での信号処理機能を説明するためのブロック図。
【図7】本発明の実施の形態の雪崩監視装置を用いた雪
崩監視システム全体のデータ処理系を示すブロック図。
【図8】図7のデータ処理部の機能を説明するためのブ
ロック図。
【図9】同実施の形態の雪崩監視装置が山間部の傾斜面
に沿って配置された一例を示す図。
【図10】図7の判定部での第1の判定処理を説明する
ための流れ図。
【図11】同じく判定部での第2の判定処理を説明する
ための流れ図。
【図12】同じく判定部での第3の判定処理を説明する
ための流れ図。
【図13】同じく判定部での第4の判定処理を説明する
ための流れ図。
【符号の説明】
1……杭 2……検出器 3……伸縮撓み継手 4……ジョイント部 5……支柱 6……支持ロッド 7……アンテナ部 8……外気温度計 11……筒体 12……ソリッド型ジャイロセンサ 13……2軸の傾斜計 15……バッテリ 16……演算部 17……送信部 18……積雪層温度計 41……受信部 42……データ処理部 43……判定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大河原 孝 神奈川県川崎市幸区堀川町66番2 東芝エ ンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 2F105 AA10 BB17 BB20 5C086 AA12 AA14 CA21 CA22 DA08 DA16 EA40 GA02 GA09 GA13

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地中に埋設された杭と、この杭に地上側
    に向けて鉛直に取付けられ、複数個の伸縮型撓み継手に
    より同一軸線上に適宜の間隔を存してそれぞれ結合され
    た複数個の検出器と、最上方に位置する検出器の上部に
    設けられた外気温度計とからなり、 上記検出器は、筒体と、この筒体内に設けられ積雪層の
    変位により外力が加わるとその大きさ及び方向と角速度
    並びに傾斜角から前記積雪層の移動量を検出する検出手
    段と、前記筒体の外周に設けられ、積雪層の各深さにお
    ける温度を検出する積雪層温度計と、前記筒体内に設け
    られ前記検出手段及び各温度計で検出されたデータを演
    算処理する演算手段と、この演算手段で演算処理された
    データを伝送する伝送手段とを備えたことを特徴とする
    積雪層監視装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の積雪層監視装置におい
    て、検出手段は積雪層の変位により外力が加わるとその
    大きさ及び方向と検出器自身の傾きから衝撃的加速度を
    検出するジャイロセンサと、直交する2軸の傾き角と傾
    き方向を検出する2軸の傾斜計であることを特徴とする
    積雪層監視装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の雪崩監視装
    置において、伝送手段により伝送されるデータは、無線
    方式により伝送されることを特徴とする雪崩監視装置。
  4. 【請求項4】 地中に埋設された杭と、この杭に地上側
    に向けて鉛直に取付けられ、複数個の伸縮型撓み継手に
    より同一軸線上に適宜の間隔を存してそれぞれ結合され
    た複数個の検出器と、最上方に位置する検出器の上部に
    設けられた外気温度計とからなり、前記検出器は、筒体
    と、この筒体内に設けられ積雪層の変位により外力が加
    わるとその大きさ及び方向と角速度並びに傾斜角から前
    記積雪層の移動量を検出する検出手段と、前記筒体の外
    周に設けられ、積雪層の各深さにおける温度を検出する
    積雪層温度計と、前記筒体内に設けられ前記検出手段及
    び各温度計で検出されたデータを演算処理する演算手段
    と、この演算手段で演算処理されたデータを伝送する伝
    送手段とで構成された積雪層監視装置を測定地点に設置
    し、この積雪層監視装置から伝送される積雪層の移動
    量、傾斜角及び各温度データを受信し、測定地点の各デ
    ータをリアルタイムで処理して測定地点の基準加速度値
    を超えたデータと基準温度を超えたデータとを求めるデ
    ータ処理手段と、このデータ処理手段で処理された各デ
    ータをもとに雪崩発生の可能性又は雪崩発生の有無とそ
    の規模を予知する判定手段とを備えたことを特徴とする
    雪崩監視システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016151554A (ja) * 2015-02-19 2016-08-22 株式会社テイエルブイ センサ装置
CZ306905B6 (cs) * 2013-06-11 2017-09-06 Česká zemědělská univerzita v Praze Způsob pro stanovení vodní hodnoty sněhu sněhové vrstvy a zařízení pro provádění tohoto způsobu
JP2018195111A (ja) * 2017-05-18 2018-12-06 中央開発株式会社 斜面崩壊早期警報システム

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