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JP2000275207A - 臨床用電解質測定方法 - Google Patents

臨床用電解質測定方法

Info

Publication number
JP2000275207A
JP2000275207A JP11079674A JP7967499A JP2000275207A JP 2000275207 A JP2000275207 A JP 2000275207A JP 11079674 A JP11079674 A JP 11079674A JP 7967499 A JP7967499 A JP 7967499A JP 2000275207 A JP2000275207 A JP 2000275207A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
calibration
sample
measurement
urine
clinical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11079674A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoya Imai
直也 今井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP11079674A priority Critical patent/JP2000275207A/ja
Publication of JP2000275207A publication Critical patent/JP2000275207A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実際に校正を行う前に校正実施可否判定を行
うことにより、電極や装置が安定状態で信頼性が確保さ
れる場合には検量線の更新を省略して、校正にかかる試
薬の消費量を抑制する。 【解決手段】 検体中の電解質濃度を臨床用電解質濃度
分析装置の測定部15に設けたイオン選択性電極により
自動的に測定する際に、CPU20は、前回校正時に更
新された検量線を用いて特定試料(血清低濃度校正液、
血清高濃度校正液、尿低濃度校正液、尿高濃度校正液)
を測定し、得られた測定値に基づいて今回校正を実施す
るか否かを判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に、フロー型測
定セルにナトリウム、カリウム、塩素、カルシウム等の
イオン選択電極を装着した臨床用電解質濃度分析装置を
用いて、検体中の電解質濃度を測定する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、血清や尿等の検体の電解質濃度を
測定する際には、任意の時間間隔で検体測定前に校正を
行う。この任意の時間間隔は、電極特性や装置性能等に
依存するが、近年の臨床用電解質濃度分析装置では、1
日につき1回程度が一般的である。
【0003】上記校正は、検体種別(血清、尿等)毎に
濃度の異なる2種類の校正液を用意しておき、それら2
種類の校正液を使用した測定の測定結果に基づいて検量
線(ネルンストの傾き)を更新することにより行う。そ
の際、検量線(ネルンストの傾き)の算出に必要となる
データである各校正液の起電力データは信頼性を確保す
るために複数回測定され、得られた複数の測定データの
平均値または、最小値および最大値を除外した測定デー
タの平均値等が更新に用いられる。このようにして更新
された検量線を次回の校正までの検量線(ネルンストの
傾き)とし、この検量線を用いて電解質濃度(イオン濃
度)を算出する。
【0004】上記従来技術では、イオン選択電極や臨床
用電解質濃度分析装置が経時的に不安定になるという前
提の下で、測定時にデータのドリフトが生じたりデータ
の正確性が劣化したりすることを回避するため、一定時
間間隔で検量線を更新する校正を行っている。その際、
信頼性を向上させるために各校正液について複数回の測
定を行うので、(校正液の種類)×(測定回数)分だけ
試薬を消費することになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年のイオン選択電極
および臨床用電解質濃度分析装置は、以前のものと比較
すると著しく安定するようになったが、絞正方法はほと
んど変更されておらず、最大限の信頼性を確保しようと
する余り、専ら、一定時間間隔で必ず校正を実施するた
め、それに伴う試薬消費の無駄が発生してしまう。ま
た、検体種別(例えば血清や尿)毎に要求される測定精
度や検体依頼数が相違するにも拘わらず、血清および尿
の検体の検査依瀬があれば両方に対し校正を実施する必
要が生じてしまう。さらに、一般的に血清検体の検体依
頼数の方が尿検体の検体依頼数よりも著しく多くなるた
め、例えば1日の検体穎数が少ない小中規模の病院等で
は、 1日に血清50検体および尿5検体の検体依頼があ
った場合には、尿に関して校正に消費する試薬量が実際
の検体に消費する試薬量と同等あるいはそれ以上になる
ケースも生じることとなり、コストアップを招く。
【0006】なお、プール血清のような代用可能な校正
液によって、比較的安価に校正を行う方法が特開平6−
186150号公報により提案されているが、この方法
を用いたとしても校正の回数は変わらないので、校正液
の交換や校正のための測定に伴うランニングコストを低
減することは困難である。
【0007】本発明は、実際に校正を実施する前に校正
実施可否判定を行うことにより、イオン選択電極や臨床
用電解質濃度分析装置が安定状態で信頼性を損なうおそ
れがない場合には、検量線の更新を省略して校正にかか
る試薬の消費量を抑えること目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的のため、請求項
1に係る第1発明は、検体中の電解質濃度を臨床用電解
質濃度分析装置のイオン選択性電極により自動的に測定
するに際し、前回校正時に更新された検量線を用いて特
定試料を測定し、該測定の測定結果に基づいて今回校正
を実施するか否かを判定することを特徴とする。
【0009】請求項2に係る第2発明は、前記特定試料
の測定結果に基づいて今回校正を実施しないと判定され
た場合には、当該判定の実行時刻を記憶し、該実行時刻
を表示手段に表示することを特徴とする。
【0010】請求項3に係る第3発明は、前記特定試料
の測定結果に基づいて今回校正を実施すると判定された
場合には、自動的に2種類以上の校正液を用いて各校正
液について1回以上測定を行い、該測定の測定結果に基
づいて当該検量線を更新することを特徴とする。
【0011】請求項4に係る第4発明は、前記校正を実
施するか否かの判定に用いる設定値は、当該検体に要求
される測定精度が確保されるような値となるよう、検体
種別毎に個別設定することを特徴とする。
【0012】
【作用】第1発明においては、検体中の電解質濃度を臨
床用電解質濃度分析装置のイオン選択性電極により自動
的に測定する際には、前回校正時に更新された検量線
(ネルンストの傾き)を用いて特定試料(例えば複数種
類の濃度既知の標準液)を例えば1回ずつ測定したとき
の測定結果により、イオン選択電極や臨床用電解質濃度
分析装置が安定状態であると判定された場合には、検量
線は更新されず、その検量線を用いて検体の測定が行わ
れる。
【0013】第2発明においては、前記特定試料の測定
結果に基づいて今回校正を実施しないと判定された場合
であっても、当該判定の実行時刻が記憶されて表示手段
に表示される。
【0014】第3発明においては、前記特定試料の測定
結果に基づいて今回校正を実施すると判定された場合に
は、自動的に2種類以上の校正液の各々について1回以
上測定が行われ、該測定の測定結果に基づいて当該検量
線が更新される。
【0015】第4発明においては、前記校正を実施する
か否かの判定に用いる設定値としては、例えば検体とし
て血清および尿を用いる場合には、血清に要求される測
定精度および尿に要求される測定精度が確保されるよう
に、検体種別毎に個別設定された値がそれぞれ用いられ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態
(および第2実施形態)の臨床用電解質測定方法の実施
に用いる臨床用電解質濃度分析装置の概略構成を示す図
である。この臨床用電解質濃度分析装置は、例えば血清
および尿が混在する電解質の濃度を測定するようになっ
ている。
【0017】図1において、1は校正液セットテーブル
であり、この校正液セットテーブル1には、本実施形態
で用いる2種類の検体(血清および尿)のそれぞれに対
応する特定試料(血清低濃度校正液、血清高濃度校正
液、尿低濃度校正液、尿高濃度校正液)をそれぞれ収容
する校正用カップ2〜5が配置されている。これら校正
用カップ2〜5に対し、サンプルプローブ7をプローブ
移送手段6により上下方向および左右方向に相対移動さ
せるとともに軸方向に回転させることにより、各校正用
カップ内の校正液を吸引したり、吸引した校正液を希釈
管8に吐出したりすることができる。
【0018】図1において、9は内部基準液を収容する
容器であり、この容器9内の内部基準液はシリンジ10
aおよび三方弁10bより成る内部基準液吐出機構10
を駆動することにより内部基準液吐出ノズル11から希
釈管8内に吐出することができる。また、12は希釈液
を収容する容器であり、この容器12内の希釈液はシリ
ンジ11aおよび三方弁11bより成る内部基準液吐出
機構13を駆動することにより希釈液吐出ノズル14か
ら希釈管8内に吐出することができる。
【0019】図1において、15は測定部であり、この
測定部15にはナトリウム、カリウム、塩素等のイオン
選択電極(図示せず)が設けられている。上記希釈管8
内に吐出された液体は、検液吸引ポンプ16を駆動する
ことにより吸引され、図示しない廃液容器へ廃液される
ことになる。その際、測定部15を上記液体が通過する
際に、二方弁17を介して容器18から測定部15へ参
照液(以下、REF液という)が供給されるため、各イ
オン選択電極において起電力測定を行うことができる。
【0020】図1において、20は上記プローブ移送手
段6等の動作を制御するために設けられたCPU20で
ある。このCPU20には、プローブ移送手段6等の
他、表示手段としてのモニタ21と、入力手段(キーボ
ード等)22と、後述する第2実施形態で使用する試料
搬送用ターレット23とが接続されている。
【0021】次に、第1実施形態における臨床用電解質
濃度分析装置の校正実施可否判定を含む校正動作を図2
を用いて説明する。図2は第1実施形態においてCPU
20により実行される、校正実施可否判定を含む校正制
御の制御プログラムを示すフローチャートである。この
制御プログラムは、CPU20で「校正開始コマンド」
が選択されると起動する。
【0022】図2において、まず、ステップ51では、
内部基準液吐出機構10を駆動することにより容器9内
の内部基準液を内部基準液吐出ノズル11から希釈管8
内に供給し、この内部基準液を検液吸引ポンプ16を駆
動することにより測定部15まで吸引してプライムを行
う。
【0023】次のステップ52では、以下の尿高濃度校
正液による校正実施可否判定を行う。すなわちまず、サ
ンプルプローブ7をプローブ移送手段6により上下方向
および左右方向に相対移動させるとともに軸方向に回転
させることにより校正用カップ5内の尿高濃度用校正液
を吸引した後、サンプルプローブ7を希釈管8上に移動
させて上記尿高濃度用校正液を吐出し、それと同時に、
希釈液吐出機構11を駆動することにより希釈液を希釈
液吐出ノズル14から希釈管8内に吐出して希釈を行
う。次に、希釈管8内で希釈された尿高濃度用校正液を
適宜図示しない攪拌機構によって攪拌してから、検液吸
引ポンプ16により測定部15にまで吸引して保持した
後、測定部10内に設けたフローセル型のイオン選択電
極によって起電力を測定する。ここで、上記イオン選択
電極は、当該測定項目に対応する種類のものを適宜組合
わせたものを用いるものとする。次に、上記測定により
得られた起電力データをCPU20内の図示しない増幅
器で増幅し、図示しないA/D変換器でデジタルデータ
に変換した後、前回校正時に更新された検量線(ネルン
ストの傾き)を用いてその校正液濃度を示す測定値を演
算する。その後、この測定値が校正実施可否判定の指標
となる設定値の範囲内であるか否かをCPU20により
判定し、範囲内(OK)であればステップ53に進み、
範囲外(NG)であればステップ54に進む。
【0024】ステップ53では、上記ステップ52と同
様にして尿高濃度校正液による校正実施可否判定を行
う。その際、校正用カップ4内の尿低濃度用校正液に関
する起電力測定により得られた測定値が校正実施可否判
定の指標となる設定値の範囲内(OK)であればステッ
プ55に進み、範囲外(NG)であればステップ54に
進む。
【0025】なお、上記ステップ52,53の校正実施
可否判定に用いる、2種類の検体(血清および尿)のそ
れぞれに対応する特定試料の濃度の一例を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】また、上記校正実施可否判定の指標となる
予め設定された設定値の一例を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】上記設定値は、当該検体の測定値(R1)
に要求される測定精度が確保されるような値となるよ
う、検体種別(血清、尿)毎に個別設定されているた
め、測定精度が血清よりも緩やかな尿の場合には、特に
検量線の更新が抑制され、校正にかかる試薬の消費量が
低減されることになる。なお、上記設定値は任意に変更
することができ、例えばユーザから校正にかかる試薬の
消費量の低減よりも検量線の更新を重視したいという要
求があった場合には、表示手段としてのモニタ21に設
定用画面を呼び出して、この設定用画面上で入力手段2
2によって設定値に0を入力すれば、従来のように必ず
検量線を更新することになる。
【0030】上記ステップ52,53の校正実施可否判
定で、測定値が校正実施可否判定の指標となる設定値の
範囲から外れた場合に進むステップ54では、上記ステ
ップ52,53の校正実施可否判定で使用した尿用高濃
度校正液、尿用低濃度校正液を用いて自動的にそれぞれ
1回以上測定を行い、得られた測定値に基づいて尿の検
量線(ネルンストの傾き)を更新する。
【0031】一方、上記ステップ52,53の校正実施
可否判定の両方で、測定値が校正実施可否判定の指標と
なる設定値の範囲内に納まっている場合に進むステップ
55では、CPU20によりイオン選択電極や臨床用電
解質濃度分析装置が安定状態であると判定された場合で
あることから、今回は尿用の検量線(ネルンストの傾
き)の更新は行わず、前回校正時に更新された検量線を
そのまま用いるものとする。ただし、上記校正実施可否
判定の実行時刻を臨床用電解質濃度分析装置内に記憶し
ておくとともに、この実行時刻に関するデータ(例えば
西暦年号、月、日、時刻を含むものとする)を検量線に
関するデータとともに表示手段であるモニタ21に表示
して、作業者に認識させるようにする。
【0032】次のステップ56〜59では血清に関する
校正制御を行う。この場合、ステップ56では上記ステ
ップ52で吸引する尿高濃度用校正液の代わりに血清高
濃度用校正液を吸引し、ステップ57では上記ステップ
53で吸引する尿低濃度用校正液の代わりに血清低濃度
用校正液を吸引することになるが、それ以外は上記ステ
ップ52〜55の尿に関する校正制御と同様の処理を行
うものとする。なお、上記ステップ55,59における
校正実施可否判定の実行時刻に関するデータおよび検量
線の表示の一例を表3に示す(表3中の*が付いている
ものは前回値から更新されていない)。この表示によ
り、検量線を更新した場合と更新しない場合とを区別す
ることができるとともに、最後(今回)の校正実施可否
判定の実行時刻が更新の有無に拘わらず分かるため、作
業者が次回の校正実施可否判定の時期を予測するための
目安となる。さらに、本実施形態では、分析予定の無い
曜日(例えば表3では土曜と日曜)、祝日、本末年始等
もCPU20に記憶させておいて、分析装置が校正実施
可否判定を行なわないように装置の稼動を一時休止させ
るような制御も行って、稼動のムダを無くしている。
【0033】
【表3】
【0034】以上の尿に関する校正制御および血清に関
する校正制御は、検体として尿および血清の両方が用い
られる場合には両方を実行するものとするが、尿のみが
用いられる場合あるいは血清のみが用いられる場合に
は、該当する校正制御のみを実行して不要な校正制御を
省略するものとする。そして、次のステップ60で希釈
管8内を洗浄した後、今回の制御を終了する。
【0035】本実施形態によれば、前回校正時に更新さ
れた検量線を用いた特定試料(尿、血清)の測定結果に
基づくステップ52およびステップ53、ステップ56
およびステップ57の校正実施可否判定により今回校正
を実施しないと判定された場合には、イオン選択電極や
臨床用電解質濃度分析装置が安定状態であると判定され
た場合であるため、ステップ54,58の検量線更新を
行わないから、試薬の消費量は上記ステップ52,5
3,56,57の特定試料の測定につき各1回分とな
り、校正にかかる試薬の消費量を大幅に抑制することが
できる。また、その場合には当該校正実施可否判定の実
行時刻に関するデータをモニタ21に表示するから、そ
れを見た作業者は、次回の校正実施可否判定の時期を予
測することができる。
【0036】また、本実施形態によれば、特定試料
(尿、血清)の測定結果に基づくステップ52およびス
テップ53、ステップ56およびステップ57の校正実
施可否判定により今回校正を実施すると判定された場合
には、特定試料(尿、血清)の各々に対する2種類(高
濃度、低濃度)の校正液について自動的に各1回測定が
行われ、その測定結果に基づいて当該検量線が更新され
るから、校正液セット作業および検量線(ネルンストの
傾き)更新作業が不要になり、臨床用電解質濃度分析装
置の使い勝手が向上する。
【0037】さらに、本実施形態によれば、上記校正実
施可否判定の指標となる設定値は、血清に要求される測
定精度および尿に要求される測定精度が確保されるよう
に検体種別毎に個別設定された値をそれぞれ用いるか
ら、特に尿に関する検量線の更新が抑制されることにな
り、尿の校正にかかる試薬の消費量を抑制することがで
きる。
【0038】なお、上記第1実施形態では、校正実施可
否判定に用いる特定試料と校正液とを兼用するようにし
ているが、代わりに、図1には示さない位置に2種類の
既知濃度の管理試料をセットして、その管理試料を用い
て上記と同様な校正実施可否判定を行うようにしてもよ
い。また、校正実施可否判定に用いる特定試料は2種類
に限定されるものではなく、3種類以上の特定試料を用
いてもよい。また、検量線を更新しなかった回数をCP
U20でカウントしておき、そのカウント値を表示手段
であるモニタ21に表示するようにしてもよい。また、
その際、上記カウント値が所定回数に達したら強制的に
校正を実施するようにして、校正データの管理ないしリ
フレッシュを図って、安定した高精度分析を行い得るよ
うにしてもよい。
【0039】また、上記校正実施可否判定の実行時刻に
関するデータの表示は、今回のデータに加えて前回のデ
ータも表示するようにしてもよい。また、電極の劣化を
見るために、今回を含め過去10回程度のデータを表示
するのが好ましい。また、上記校正実施可否判定の実行
時刻に関するデータの表示は、次回の校正実施可否判定
が開始されるまで継続させるようにしてもよい。また、
次回の校正が実施されるまでは、常時(または必要時に
メモリから呼出して)表示するのが好ましい。また、上
記校正実施可否判定の実行時刻に関するデータの表示に
代えて(あるいは上記校正実施可否判定の実行時刻に関
するデータの表示に加えて)、図示しないブザー等によ
り「校正を実施しなかったこと」を通報したり、あるい
は「校正を実施しなかったこと」を示すマークや色等を
モニタ21に表示して作業者に認識させるようにしても
よい。また、今回校正を実施すると判定された場合にも
上記校正実施可否判定の実行時刻に関するデータの表示
を行うようにしてもよい。
【0040】ところで、上記第1実施形態の校正実施可
否判定を含む校正制御は、一般的に作業者が検体(患者
試料)の電解質濃度測定の前に行う操作に適用されるも
のであるが、この校正制御のロジックは、実際に患者試
料の電解質濃度を測定している間のイオン選択電極や臨
床用電解質濃度分析装置の状態を確認する管理試料測定
操作にも適用することができる。この場合、上記校正制
御は校正液として希釈液を必要としない希釈済の校正液
を用いる場合にも適用可能である。このように管理試料
測定操作に適用した場合を、以下に第2実施形態として
説明する。
【0041】第2実施形態においては、図1に示す臨床
用電解質濃度分析装置において、試料搬送用ターレット
23と、該試料搬送用ターレット23上にセットされた
多数の被検試料容器24と、被検試料容器24内に収容
された試料とを用いるようにしており、上記試料には患
者試料および2種類の管理試料が含まれているものとす
る。なお、患者試料の測定中に不定期的に前記管理試料
を使用して校正実施可否判定を行う場合には、各校正液
を収容した容器2〜5のセット位置には、図示しない
が、経時的に液体の濃縮や変性を受けにくい蓋とその開
閉機構や保冷機構を設けることが望ましい。
【0042】次に、第2実施形態における臨床用電解質
濃度分析装置の校正実施可否判定を含む校正動作の概略
を説明する。なお、この動作は患者試料の測定中に割り
込んで行うものとするが、基本的には上記第1実施形態
の動作とほぼ同様である。まず、患者試料および2種類
の管理試料を収容した試料容器を含む多数の被検試料容
器24を図1の試料搬送用ターレット23にセットした
後、試料吸引位置に回転停止させた被検試料容器24か
ら管理試料を吸引して測定を1回行う動作を2回繰り返
す。次に、上記第1実施形態と同様にして、CPU20
によって各々の管理試料の測定値が校正実施可否判定の
指標となる設定値の範囲内(OK)であるか範囲外(N
G)であるかを判定する。なお、上記設定値としては、
第1実施形態で使用した表2のものを拡張して、各校正
液毎の設定値および各管理試料毎の設定値を各々設けた
ものを用いてもよい。
【0043】上記判定において、各々の管理試料の測定
値が校正実施可否判定の指標となる設定値の範囲内(O
K)である場合には、イオン選択電極や臨床用電解質濃
度分析装置が安定状態であると判定された場合であるた
め、今回は検量線(ネルンストの傾き)の更新を行わな
い。一方、各々の管理試料の測定値が校正実施可否判定
の指標となる設定値の範囲外(NG)である場合には、
予めセットされている2種類の校正液、すなわち、尿用
高濃度校正液および尿用低漫度校正液、あるいは血清用
高濃度枚正液および血清用低濃度校正液を用いて、各校
正液の起電力を1回以上測定してその測定値に基づいて
検量線(ネルンストの傾き)を更新する。このようにし
て、検量線の更新の有無に拘わらず、今回の校正実施可
否判定の実行により得られた結果に基づいて、検体中の
電解質濃度を測定する。
【0044】本実施形態によれば、上記第1実施形態と
同様の作用効果が得られる。
【0045】なお、上記第2実施形態において、各管理
試料の測定値が校正実施可否判定の指標となる表2の設
定値の範囲から外れた場合に、その外れた程度から判断
して、検量線の更新に用いる各校正液による測定の回数
を決定するようにしてもよい。その場合、例えば表4に
示すように、 各管理試料の測定値(R2)が全ての測定
項目で設定値の範囲内にある場合には検量線の更新のた
めの測定の回数を各1回とし、各管理試料の測定値(R
2)が1つの測定項目でも設定値の範囲から外れた場合
には検量線の更新のための測定の回数を各n回(例えば
n=4)ずつ測定して、得られた測定値の平均値を用い
て検量線を更新するものとする。
【0046】
【表4】
【0047】また、上記第2実施形態において、検量線
を更新した結果が異常を示す場合に、電極の劣化や特定
試料の人為的セットミス等による検量線異常の発生であ
るか否かを判定するとともに、異常と判定された場合に
は次回の校正実施可否判定時に検量線を必ず更新するよ
うなロジックとなるように図1の制御プログラムを変更
したり、あるいは、異常判定されなかった最後の検量線
を前回の検量線として認識させ、その検量線を用いて上
記図1の制御プログラムに従うようにしたロジックとし
てもよい。
【0048】さらに、上記第2実施形態ではフローセル
型のイオン選択電極を用いた臨床用電解質濃度分析装置
を用いる場合について説明したが、代わりに、サンプル
プローブ7のプローブ移送手段6によって測定項目に対
応した各種の棒状電極を移送して直接試料容器24及び
校正用カップ2〜5内に浸漬した後、適宜、(洗浄液を
収容した)洗浄槽内で洗浄するようにした臨床用電解質
濃度分析装置を用いるようにしてもよい。
【0049】
【発明の効果】第1発明によれば、前回校正時に更新さ
れた検量線(ネルンストの傾き)を用いて特定試料(例
えば複数種類の濃度既知の標準液)を例えば1回ずつ測
定したときの測定結果により、イオン選択電極や臨床用
電解質濃度分析装置が安定状態であると判定された場合
には、検量線を更新しないので、校正にかかる試薬の消
費量を抑制しつつ信頼性を損なうことなく検体の電解質
濃度を分析することができる。
【0050】第2発明によれば、今回校正を実施しない
と判定された場合であっても当該判定の実行時刻が記憶
されて表示手段に表示されるので、その表示により作業
者は次回の校正実施可否判定の時期を予測することがで
きる。
【0051】第3発明によれば、今回校正を実施すると
判定された場合には、自動的に2種類以上の校正液の各
々に対する1回以上の測定および該測定の測定結果に基
づく検量線の更新が実行されるから、校正液セット作業
および検量線(ネルンストの傾き)更新作業が不要にな
る。
【0052】第4発明によれば、校正実施可否判定に用
いる設定値を当該検体に要求される測定精度が確保され
るように、検体種別毎に個別設定するから、要求される
測定精度が低い方の検体(例えば血清および尿を検体と
して用いる場合の尿)に対する検量線の更新が抑制され
ることになり、要求される測定精度が低い方の検体の校
正にかかる試薬の消費量を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1および第2実施形態の臨床用電解
質測定方法の実施に用いる臨床用電解質濃度分析装置の
概略構成を示す図である。
【図2】第1実施形態における校正実施可否判定を含む
校正制御の制御プログラムを示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1 校正液セットテーブル 2〜5 校正用カップ 6 プローブ移送手段 7 サンプルプローブ 8 希釈管 9,12,18 容器 10 内部基準液吐出機構 11 内部基準液吐出ノズル 13 内部基準液吐出機構 14 希釈液吐出ノズル 15 測定部 16 検液吸引ポンプ 17 二方弁 20 CPU 21 表示手段(モニタ) 22 入力手段(キーボード等) 23 ターレット 24 被検試料容器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検体中の電解質濃度を臨床用電解質濃度
    分析装置のイオン選択性電極により自動的に測定するに
    際し、 前回校正時に更新された検量線を用いて特定試料を測定
    し、該測定の測定結果に基づいて今回校正を実施するか
    否かを判定することを特徴とする臨床用電解質測定方
    法。
  2. 【請求項2】 前記特定試料の測定結果に基づいて今回
    校正を実施しないと判定された場合には、当該判定の実
    行時刻を記憶し、該実行時刻を表示手段に表示すること
    を特徴とする請求項1記載の臨床用電解質測定方法。
  3. 【請求項3】 前記特定試料の測定結果に基づいて今回
    校正を実施すると判定された場合には、自動的に2種類
    以上の校正液を用いて各校正液について1回以上測定を
    行い、該測定の測定結果に基づいて当該検量線を更新す
    ることを特徴とする請求項1記載の臨床用電解質測定方
    法。
  4. 【請求項4】 前記校正を実施するか否かの判定に用い
    る設定値は、当該検体に要求される測定精度が確保され
    るような値となるよう、検体種別毎に個別設定すること
    を特徴とする請求項1記載の臨床用電解質測定方法。
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