JP2000264900A - 新規生理活性ペプチド - Google Patents
新規生理活性ペプチドInfo
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- val
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- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K47/00—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
- A61K47/50—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates
- A61K47/51—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent
- A61K47/54—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent the modifying agent being an organic compound
- A61K47/555—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent the modifying agent being an organic compound pre-targeting systems involving an organic compound, other than a peptide, protein or antibody, for targeting specific cells
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Abstract
(57)【要約】
【課題】細胞接着阻害活性を有する生理活性ペプチドを
提供する。 【解決手段】本発明にかかる生理活性ペプチドは、30
残基以下のアミノ酸からなる細胞接着阻害活性を有する
生理活性ペプチドであって、以下のアミノ酸配列を有す
ることを特徴とする。 Gly Leu Lys Pro Gly Val Asp X1 Thr Ile Thr X2 X3 A
la X4 (ここで、X1、X3はTyrまたはAlaを表し、X2、X4はVal
またはAlaを表す。)
提供する。 【解決手段】本発明にかかる生理活性ペプチドは、30
残基以下のアミノ酸からなる細胞接着阻害活性を有する
生理活性ペプチドであって、以下のアミノ酸配列を有す
ることを特徴とする。 Gly Leu Lys Pro Gly Val Asp X1 Thr Ile Thr X2 X3 A
la X4 (ここで、X1、X3はTyrまたはAlaを表し、X2、X4はVal
またはAlaを表す。)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細胞接着阻害活性
を有する生理活性ペプチドに関する。かかる新規生理活
性ペプチドは、癌、リウマチ等の炎症、臓器線維症等の
細胞接着因子および/または細胞接着因子に対するリガ
ンド分子が関与すると考えられている各種疾患の治療剤
として有効である。
を有する生理活性ペプチドに関する。かかる新規生理活
性ペプチドは、癌、リウマチ等の炎症、臓器線維症等の
細胞接着因子および/または細胞接着因子に対するリガ
ンド分子が関与すると考えられている各種疾患の治療剤
として有効である。
【0002】
【従来の技術】癌の治療法に関してはこれまで数多くの
試みがなされており、いくつかの癌において著明な治療
効果が得られるようになってきた。しかしながら、癌の
転移を防止する治療法に関してはいまだ確立されていな
いのが現状である。
試みがなされており、いくつかの癌において著明な治療
効果が得られるようになってきた。しかしながら、癌の
転移を防止する治療法に関してはいまだ確立されていな
いのが現状である。
【0003】癌と診断された場合の治療には外科的治
療、放射線治療、化学療法が主要なものとして挙げられ
る。患者が明らかに異常を訴えた場合、ほとんど進行癌
の状態となっていると考えられるのでその治療は容易で
はない。そのような状況をもたらすのは、一口に癌の転
移増殖に依るといっても過言ではない。患者の予後はほ
とんどこの癌の転移の程度に依って支配されている(W
elch,et al.,Intern.J.Canc
er,43,449,1989)。このような癌の転移
増殖が抑えられない限り、一度発生した癌を征圧するこ
とは極めて困難である。例えば、胃癌が進行した状況で
は、既にリンパ節や肝臓、肺、その他に転移しているこ
とが少なくない。乳癌についても同様で、進行癌では近
傍のリンパ節はもとより、骨髄や肺に転移しているとい
う事実がある。特に、上皮性の癌の場合に予後を制する
のはリンパ節転移の程度である(塚越茂、がん征圧への
化学、日本薬学会ファルマシアレビュー、No.6)。
療、放射線治療、化学療法が主要なものとして挙げられ
る。患者が明らかに異常を訴えた場合、ほとんど進行癌
の状態となっていると考えられるのでその治療は容易で
はない。そのような状況をもたらすのは、一口に癌の転
移増殖に依るといっても過言ではない。患者の予後はほ
とんどこの癌の転移の程度に依って支配されている(W
elch,et al.,Intern.J.Canc
er,43,449,1989)。このような癌の転移
増殖が抑えられない限り、一度発生した癌を征圧するこ
とは極めて困難である。例えば、胃癌が進行した状況で
は、既にリンパ節や肝臓、肺、その他に転移しているこ
とが少なくない。乳癌についても同様で、進行癌では近
傍のリンパ節はもとより、骨髄や肺に転移しているとい
う事実がある。特に、上皮性の癌の場合に予後を制する
のはリンパ節転移の程度である(塚越茂、がん征圧への
化学、日本薬学会ファルマシアレビュー、No.6)。
【0004】癌の転移は、癌細胞の原発巣からの離脱と
周辺組織への浸潤から、転移組織での増殖に至る複雑な
過程を経て成立している。また、これらの過程は癌細胞
側と宿主側の因子に影響される。前者において、原発巣
は絶えざる遺伝子変化に伴い、増殖能、薬剤感受性、免
疫原性、形態などの異なった細胞形質を示す不均一な細
胞集団から構成されており、転移能、周辺組織への浸潤
能、転移性癌細胞からの自己増殖因子の産生などの因子
が関与している。宿主側の要因としては、血液中での物
理的あるいは解剖学的条件、免疫担当細胞による防御機
構、血管内皮細胞および血小板との接着相互作用、さら
に転移周辺組織からの増殖因子の影響、などが考えられ
ている。
周辺組織への浸潤から、転移組織での増殖に至る複雑な
過程を経て成立している。また、これらの過程は癌細胞
側と宿主側の因子に影響される。前者において、原発巣
は絶えざる遺伝子変化に伴い、増殖能、薬剤感受性、免
疫原性、形態などの異なった細胞形質を示す不均一な細
胞集団から構成されており、転移能、周辺組織への浸潤
能、転移性癌細胞からの自己増殖因子の産生などの因子
が関与している。宿主側の要因としては、血液中での物
理的あるいは解剖学的条件、免疫担当細胞による防御機
構、血管内皮細胞および血小板との接着相互作用、さら
に転移周辺組織からの増殖因子の影響、などが考えられ
ている。
【0005】癌転移形成の一連の過程のなかで、癌細胞
は宿主の正常細胞や癌細胞同士、あるいは細胞外マトリ
ックスを含む種々の生体成分の影響下で、癌細胞の転移
形質の発現と調節が決定されているものと考えられてい
る。
は宿主の正常細胞や癌細胞同士、あるいは細胞外マトリ
ックスを含む種々の生体成分の影響下で、癌細胞の転移
形質の発現と調節が決定されているものと考えられてい
る。
【0006】癌細胞同士あるいは癌細胞と正常細胞との
接着には、細胞表面に発現されている細胞間接着分子が
介在し、細胞接着分子としては、カドヘリン分子群(竹
市雅俊、組織構築の分子的基礎−細胞識別におけるカド
ヘリンの役割−生化学、59、1、1987)、免疫グ
ロブリン分子群、及びセレクチン分子群(Spring
er,T.A.,Nature,346,425,19
90)などが知られている。一方、フィブロネクチン、
ラミニン、コラーゲンなどの糖蛋白質や、ヘパラン硫
酸、コンドロイチン硫酸などを結合したプロテオグリカ
ンを含む細胞外マトリックスと癌細胞の接着には、イン
テグリン分子群を含む細胞表面上の接着分子などが関与
していることが知られており、これらの細胞外マトリッ
クス分子は、癌の転移に深く関与している。
接着には、細胞表面に発現されている細胞間接着分子が
介在し、細胞接着分子としては、カドヘリン分子群(竹
市雅俊、組織構築の分子的基礎−細胞識別におけるカド
ヘリンの役割−生化学、59、1、1987)、免疫グ
ロブリン分子群、及びセレクチン分子群(Spring
er,T.A.,Nature,346,425,19
90)などが知られている。一方、フィブロネクチン、
ラミニン、コラーゲンなどの糖蛋白質や、ヘパラン硫
酸、コンドロイチン硫酸などを結合したプロテオグリカ
ンを含む細胞外マトリックスと癌細胞の接着には、イン
テグリン分子群を含む細胞表面上の接着分子などが関与
していることが知られており、これらの細胞外マトリッ
クス分子は、癌の転移に深く関与している。
【0007】細胞が腫瘍ウイルスや化学発癌剤などによ
り悪性転換すると、細胞外マトリックス分子、特にフィ
ブロネクチンの合成や細胞外への蓄積が減少すること
(Yamada,K.M.and Olden,K.,
Nature 275,179,1978)や、インテ
グリン分子の発現量の減少、あるいはフィブロネクチン
への接着性の低下が示されている(Plantefab
er,L.C. andHynes,R.O.,Cel
l 56,281,1989)。また、フィブロネクチ
ンやラミニンは癌細胞の接着、移動能を促進すること
(McCarthy,J.B.,J.Cell Bio
l.,98,1474,1984)が報告されている。
り悪性転換すると、細胞外マトリックス分子、特にフィ
ブロネクチンの合成や細胞外への蓄積が減少すること
(Yamada,K.M.and Olden,K.,
Nature 275,179,1978)や、インテ
グリン分子の発現量の減少、あるいはフィブロネクチン
への接着性の低下が示されている(Plantefab
er,L.C. andHynes,R.O.,Cel
l 56,281,1989)。また、フィブロネクチ
ンやラミニンは癌細胞の接着、移動能を促進すること
(McCarthy,J.B.,J.Cell Bio
l.,98,1474,1984)が報告されている。
【0008】フィブロネクチンやラミニン分子はドメイ
ン構造をもち、分子内に多くの機能を分散させており、
生化学的あるいは遺伝子工学的手法により構造が明らか
にされるとともに、細胞接着部位の存在とそれに対する
レセプターも発見されている。また、フィブロネクチン
の細胞結合ドメイン内のRGD配列が細胞認識配列であ
り(Pierschbacher,M.D.,Natu
re 309,30,1984)、多くの細胞接着関連
分子中にも存在、機能し、その細胞受容体が、α5β1
インテグリンレセプターであることが同定されている
(Pytela,R.,Cell 40,191,19
85)。
ン構造をもち、分子内に多くの機能を分散させており、
生化学的あるいは遺伝子工学的手法により構造が明らか
にされるとともに、細胞接着部位の存在とそれに対する
レセプターも発見されている。また、フィブロネクチン
の細胞結合ドメイン内のRGD配列が細胞認識配列であ
り(Pierschbacher,M.D.,Natu
re 309,30,1984)、多くの細胞接着関連
分子中にも存在、機能し、その細胞受容体が、α5β1
インテグリンレセプターであることが同定されている
(Pytela,R.,Cell 40,191,19
85)。
【0009】以上のように、近年、細胞接着分子と細胞
との接着相互作用が明らかになるに従い、細胞接着に対
して拮抗的に作用するペプチドを癌の転移抑制に応用し
ようとする試みがなされている。
との接着相互作用が明らかになるに従い、細胞接着に対
して拮抗的に作用するペプチドを癌の転移抑制に応用し
ようとする試みがなされている。
【0010】Humphriesらは、フィブロネクチ
ンの接着シグナルとしてのGRGDSペプチドがメラノ
ーマ細胞の肺への実験的転移を抑制することを開示して
いる(Humphries,M.J.,Science
233,467,1986)。
ンの接着シグナルとしてのGRGDSペプチドがメラノ
ーマ細胞の肺への実験的転移を抑制することを開示して
いる(Humphries,M.J.,Science
233,467,1986)。
【0011】しかし、投与後の血中からの消失速度が速
く、また、酵素によって分解されやすい(Saiki,
I.,et al.,Jpn.J.Cancer Re
s.,84,558,1993)等、医薬品に応用され
るまでには解決すべき問題が多い。
く、また、酵素によって分解されやすい(Saiki,
I.,et al.,Jpn.J.Cancer Re
s.,84,558,1993)等、医薬品に応用され
るまでには解決すべき問題が多い。
【0012】Fukaiらは、フィブロネクチンHep
2ドメイン由来の30kDaのフラグメント(以下、H
ep2)を尿素により変成させると強い細胞接着阻害活
性を持つようになることを報告している(Fukai,
F.,et al.,Biochemica.Biop
hys.Res.Commun.,220,394,1
996)。
2ドメイン由来の30kDaのフラグメント(以下、H
ep2)を尿素により変成させると強い細胞接着阻害活
性を持つようになることを報告している(Fukai,
F.,et al.,Biochemica.Biop
hys.Res.Commun.,220,394,1
996)。
【0013】しかしながら、Hep2が有する細胞接着
活性が、どのアミノ酸配列に起因するかについては何ら
開示をしておらず、さらに、Hep2は271残基のア
ミノ酸からなるため、Hep2そのものを医薬品に応用
することは、分子量が大きすぎるため、合成及び調整が
困難であること、細胞接着阻害活性に無関係なアミノ酸
配列を含み、望ましくない生理活性が生じる可能性があ
ること等の理由により望ましくない。
活性が、どのアミノ酸配列に起因するかについては何ら
開示をしておらず、さらに、Hep2は271残基のア
ミノ酸からなるため、Hep2そのものを医薬品に応用
することは、分子量が大きすぎるため、合成及び調整が
困難であること、細胞接着阻害活性に無関係なアミノ酸
配列を含み、望ましくない生理活性が生じる可能性があ
ること等の理由により望ましくない。
【0014】以上のように、癌転移阻害物質の探索は、
癌の征圧のために必要不可欠であるが、未だ特効薬とな
るような物質が得られおらず、実用化には至っていない
のが現状である。
癌の征圧のために必要不可欠であるが、未だ特効薬とな
るような物質が得られおらず、実用化には至っていない
のが現状である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたものであり、細胞接着阻害活性を有する
新たな生理活性ペプチドを提供することを目的とする。
鑑みてなされたものであり、細胞接着阻害活性を有する
新たな生理活性ペプチドを提供することを目的とする。
【0016】さらに、これらの生理活性ペプチドを含む
ことを特徴とする癌転移抑制剤を提供することを目的と
する。
ことを特徴とする癌転移抑制剤を提供することを目的と
する。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために鋭意研究を重ねた結果、癌、炎症、及び臓器
線維化などの疾患を助長している細胞接着因子および/
またはその細胞接着因子に対するリガンド分子の作用に
対して拮抗的な作用を有する新規なペプチド、すなわ
ち、配列表の配列番号2,3、7〜9に記載のアミノ酸
配列であって、Thr Ile Thrを共通アミノ酸配列として
含むペプチドを見出すことに成功した。
するために鋭意研究を重ねた結果、癌、炎症、及び臓器
線維化などの疾患を助長している細胞接着因子および/
またはその細胞接着因子に対するリガンド分子の作用に
対して拮抗的な作用を有する新規なペプチド、すなわ
ち、配列表の配列番号2,3、7〜9に記載のアミノ酸
配列であって、Thr Ile Thrを共通アミノ酸配列として
含むペプチドを見出すことに成功した。
【0018】かかるペプチドは、Hep2に比べて短鎖
であり、尿素処理等の変性処理を施すことなしに強い細
胞接着阻害活性を有するペプチドである。
であり、尿素処理等の変性処理を施すことなしに強い細
胞接着阻害活性を有するペプチドである。
【0019】また、本発明にかかる生理活性ペプチド
は、ヒト由来フィブロネクチン蛋白のアミノ酸配列の特
定の配列にも類似するものである。
は、ヒト由来フィブロネクチン蛋白のアミノ酸配列の特
定の配列にも類似するものである。
【0020】すなわち、本発明は、好ましくは30残基
以下のアミノ酸からなる細胞接着阻害活性を有する生理
活性ペプチドであって、以下のアミノ酸配列を有するこ
とを特徴とする生理活性ペプチドに関する。 Gly Leu Lys Pro Gly Val Asp X1 Thr Ile Thr X2 X3 A
la X4 (ここで、X1、X3はTyrまたはAlaを表し、X2、X4はVal
またはAlaを表す。) また、本発明は、前記X1、X3がTyr、前記X2がVal、前記
X4がValであることを特徴とする前記記載の生理活性ペ
プチドに関する。
以下のアミノ酸からなる細胞接着阻害活性を有する生理
活性ペプチドであって、以下のアミノ酸配列を有するこ
とを特徴とする生理活性ペプチドに関する。 Gly Leu Lys Pro Gly Val Asp X1 Thr Ile Thr X2 X3 A
la X4 (ここで、X1、X3はTyrまたはAlaを表し、X2、X4はVal
またはAlaを表す。) また、本発明は、前記X1、X3がTyr、前記X2がVal、前記
X4がValであることを特徴とする前記記載の生理活性ペ
プチドに関する。
【0021】また、本発明は、前記X1がAla、前記X2がV
al、前記X3がTyr、前記X4がValであることを特徴とする
前記記載の生理活性ペプチドに関する。
al、前記X3がTyr、前記X4がValであることを特徴とする
前記記載の生理活性ペプチドに関する。
【0022】また、本発明は前記X1がTyr、前記X2がAl
a、前記X3がTyr、前記X4がValであることを特徴とする
前記記載の生理活性ペプチドに関する。
a、前記X3がTyr、前記X4がValであることを特徴とする
前記記載の生理活性ペプチドに関する。
【0023】また、本発明は、前記X1がTyr、前記X2がV
al、前記X3がAla、前記X4がValであることを特徴とする
前記記載の生理活性ペプチドに関する。
al、前記X3がAla、前記X4がValであることを特徴とする
前記記載の生理活性ペプチドに関する。
【0024】また、本発明は、前記X1がTyr、前記X2がV
al、前記X3がTyr、前記X4がAlaであることを特徴とする
前記記載の生理活性ペプチドに関する。
al、前記X3がTyr、前記X4がAlaであることを特徴とする
前記記載の生理活性ペプチドに関する。
【0025】さらに、本発明は、前記いずれか一つに記
載の生理活性ペプチドを含むことを特徴とする癌転移抑
制剤に関する。
載の生理活性ペプチドを含むことを特徴とする癌転移抑
制剤に関する。
【0026】また、本発明は、前記記載の癌転移抑制剤
であって、さらに前記生理活性ペプチドがビオチンで包
合されていることを特徴とする癌転移抑制剤に関する。
であって、さらに前記生理活性ペプチドがビオチンで包
合されていることを特徴とする癌転移抑制剤に関する。
【0027】以下本発明を発明の実施の形態に即して詳
細に説明する。
細に説明する。
【0028】
【発明の実施の形態】(生理活性)本発明においては細
胞接着因子とは、細胞と細胞、あるいは細胞と細胞外構
成基質との接着に関与する因子として見出され、接着の
みならず細胞内情報伝達系への関与や個体発生、臓器形
成、創傷治癒に関わる分子群として認識されているカド
ヘリン・カテニンファミリー、インテグリンファミリ
ー、免疫グロブリンスーパーファミリー、CD44ファ
ミリー、セレクチンファミリー、シアロムチンファミリ
ー(石井良幸ら、がんの浸潤・転移 基礎研究の臨床応
用、医学書院社、207?215、1998)と同様の
作用を有するものを指す。さらに、細胞接着阻害活性と
は、かかる細胞と細胞、および/または細胞と細胞外構
成基質との接着に対する拮抗的な作用をいう。
胞接着因子とは、細胞と細胞、あるいは細胞と細胞外構
成基質との接着に関与する因子として見出され、接着の
みならず細胞内情報伝達系への関与や個体発生、臓器形
成、創傷治癒に関わる分子群として認識されているカド
ヘリン・カテニンファミリー、インテグリンファミリ
ー、免疫グロブリンスーパーファミリー、CD44ファ
ミリー、セレクチンファミリー、シアロムチンファミリ
ー(石井良幸ら、がんの浸潤・転移 基礎研究の臨床応
用、医学書院社、207?215、1998)と同様の
作用を有するものを指す。さらに、細胞接着阻害活性と
は、かかる細胞と細胞、および/または細胞と細胞外構
成基質との接着に対する拮抗的な作用をいう。
【0029】本発明の生理活性ペプチドは、これまでに
報告されてきたRGD配列を含むペプチド(Humph
ries,M.J.,et al.,Science,
233,467,1986, Komazawa,
H.,et al.,Biol.Pharm.Bul
l.,16,10,997,1993)とは全く異なっ
た配列を有しており、その細胞接着阻害活性はRGDペ
プチドが作用することが報告されているレセプター(P
ytela,R.,et al.,Cell,48,5
49,1987)を介した作用ではないことが考えられ
る。
報告されてきたRGD配列を含むペプチド(Humph
ries,M.J.,et al.,Science,
233,467,1986, Komazawa,
H.,et al.,Biol.Pharm.Bul
l.,16,10,997,1993)とは全く異なっ
た配列を有しており、その細胞接着阻害活性はRGDペ
プチドが作用することが報告されているレセプター(P
ytela,R.,et al.,Cell,48,5
49,1987)を介した作用ではないことが考えられ
る。
【0030】特開平10-147600号には、Hep
2由来のアミノ酸配列であり、少なくともTyr-Thr-Ile-
Tyr-Val-Ile-Ala-Leuを含むペプチドが抗細胞接着作用
を有し、癌転移抑制剤として有用であることが開示され
ている。しかしながら、本発明の細胞接着阻害活性を有
するペプチドとはアミノ酸配列及び作用の点で異なって
いる。
2由来のアミノ酸配列であり、少なくともTyr-Thr-Ile-
Tyr-Val-Ile-Ala-Leuを含むペプチドが抗細胞接着作用
を有し、癌転移抑制剤として有用であることが開示され
ている。しかしながら、本発明の細胞接着阻害活性を有
するペプチドとはアミノ酸配列及び作用の点で異なって
いる。
【0031】このようなアミノ酸配列の違いが驚くべき
ことに、ある特定の細胞株に対する細胞接着阻害活性に
相違を示すこととなる。
ことに、ある特定の細胞株に対する細胞接着阻害活性に
相違を示すこととなる。
【0032】すなわち、特開平10−147600号記
載のペプチドは、例えばヒトメラノーマ由来A375S
M細胞株、および、本来細胞外基質に対する接着性を示
さない(Anchorage−Independent
Cell)が、特定の処理をすることにより接着性を
有するヒト慢性骨髄性白血病由来K562細胞株、ヒト
組織球性リンパ腫由来U937細胞株、ヒトバーキット
リンパ腫由来Ramos細胞株等に対しても細胞接着阻
害活性を示す。
載のペプチドは、例えばヒトメラノーマ由来A375S
M細胞株、および、本来細胞外基質に対する接着性を示
さない(Anchorage−Independent
Cell)が、特定の処理をすることにより接着性を
有するヒト慢性骨髄性白血病由来K562細胞株、ヒト
組織球性リンパ腫由来U937細胞株、ヒトバーキット
リンパ腫由来Ramos細胞株等に対しても細胞接着阻
害活性を示す。
【0033】一方、本発明のペプチドは、ヒト慢性骨髄
性白血病由来K562細胞株、ヒト組織球性リンパ腫由
来U937細胞株、ヒトバーキットリンパ腫由来Ram
os細胞株等に対して細胞接着阻害活性を有し、ヒトメ
ラノーマ由来A375SM細胞株やヒトフィブロザルコ
ーマHT1080細胞株等に対しては細胞接着阻害活性
を示さない。
性白血病由来K562細胞株、ヒト組織球性リンパ腫由
来U937細胞株、ヒトバーキットリンパ腫由来Ram
os細胞株等に対して細胞接着阻害活性を有し、ヒトメ
ラノーマ由来A375SM細胞株やヒトフィブロザルコ
ーマHT1080細胞株等に対しては細胞接着阻害活性
を示さない。
【0034】(生理活性ペプチド)本発明にかかる生理
活性ペプチドは、好ましい数のアミノ酸配列を有し、か
つ前記細胞接着阻害活性を示すことを特徴とするもので
ある。また、本発明にかかる生理活性ペプチドはヒト由
来フィブロネクチン蛋白のアミノ酸配列の特定の位置の
配列にも類似するものである。
活性ペプチドは、好ましい数のアミノ酸配列を有し、か
つ前記細胞接着阻害活性を示すことを特徴とするもので
ある。また、本発明にかかる生理活性ペプチドはヒト由
来フィブロネクチン蛋白のアミノ酸配列の特定の位置の
配列にも類似するものである。
【0035】さらに、本発明にかかる癌転移抑制剤は、
本発明にかかる生理活性ペプチドの少なくとも一つを成
分として含むものであり、その細胞接着阻害活性に基づ
くものである。
本発明にかかる生理活性ペプチドの少なくとも一つを成
分として含むものであり、その細胞接着阻害活性に基づ
くものである。
【0036】より詳しくは、前記生理活性ペプチドは、
第1の共通のアミノ酸配列としてヒトフィブロネクチン
蛋白のアミノ酸配列の番号1575―1577でもある
配列(Thr Ile Thr)を有するものである。さらに、第
2の共通のアミノ酸配列としてヒトフィブロネクチン蛋
白のアミノ酸配列の番号1580でもある Alaが前記Th
r Ile Thrのアミノ酸配列のC末端部に2個(X2,X
3)のアミノ酸残基を介して付加され、さらに1個のア
ミノ酸(X4)が付加されているものである。かかる2
個のアミノ酸については特に制限はないが、Ala、Valま
たはTyrであることが好ましい。また、前記1個のアミ
ノ酸については特に制限はないが、AlaまたはValである
ことが好ましい。
第1の共通のアミノ酸配列としてヒトフィブロネクチン
蛋白のアミノ酸配列の番号1575―1577でもある
配列(Thr Ile Thr)を有するものである。さらに、第
2の共通のアミノ酸配列としてヒトフィブロネクチン蛋
白のアミノ酸配列の番号1580でもある Alaが前記Th
r Ile Thrのアミノ酸配列のC末端部に2個(X2,X
3)のアミノ酸残基を介して付加され、さらに1個のア
ミノ酸(X4)が付加されているものである。かかる2
個のアミノ酸については特に制限はないが、Ala、Valま
たはTyrであることが好ましい。また、前記1個のアミ
ノ酸については特に制限はないが、AlaまたはValである
ことが好ましい。
【0037】また、さらに共通のアミノ酸配列として、
ヒトフィブロネクチン蛋白のアミノ酸配列の番号156
7―1573でもあるGly Leu Lys Pro Gly Val Asp
が、さらに前記配列(Thr Ile Thr)のN末端部に1個
(X1)のアミノ酸残基を介して付加されているもので
ある。かかる1個のアミノ酸については特に制限はない
が、AlaまたはTyrであることが好ましい。
ヒトフィブロネクチン蛋白のアミノ酸配列の番号156
7―1573でもあるGly Leu Lys Pro Gly Val Asp
が、さらに前記配列(Thr Ile Thr)のN末端部に1個
(X1)のアミノ酸残基を介して付加されているもので
ある。かかる1個のアミノ酸については特に制限はない
が、AlaまたはTyrであることが好ましい。
【0038】上で説明した本発明の生理活性ペプチドの
全アミノ酸数には特に制限はないが、その合成の容易
さ、合成の効率、保存の安定性、取り扱い性等の点から
は、30残基以下が好ましく、20残基以下がより好ま
しい。また、前記共通のアミノ酸配列の位置には制限は
ない。
全アミノ酸数には特に制限はないが、その合成の容易
さ、合成の効率、保存の安定性、取り扱い性等の点から
は、30残基以下が好ましく、20残基以下がより好ま
しい。また、前記共通のアミノ酸配列の位置には制限は
ない。
【0039】さらに、本発明の生理活性ペプチドには、
細胞接着阻害活性を損なわない限り、前記3種類の共通
のアミノ酸配列に対し、1または2以上のアミノ酸をさ
らに、付加、欠失、または置換して得られるペプチドも
含むものである。
細胞接着阻害活性を損なわない限り、前記3種類の共通
のアミノ酸配列に対し、1または2以上のアミノ酸をさ
らに、付加、欠失、または置換して得られるペプチドも
含むものである。
【0040】特に、配列番号3、7、8、9に示される
ように、フィブロネクチンに関する文献(Peters
en T.E.et al.,Fibronecti
n,Academic Press,New Yor
k,1-24,1988)に示されるアミノ酸番号15
74、1578、1579、1581にも相当するアミ
ノ酸を置換することにより配列番号2の細胞接着阻害活
性と同等若しくはそれ以上の効果を得ることができる。
ように、フィブロネクチンに関する文献(Peters
en T.E.et al.,Fibronecti
n,Academic Press,New Yor
k,1-24,1988)に示されるアミノ酸番号15
74、1578、1579、1581にも相当するアミ
ノ酸を置換することにより配列番号2の細胞接着阻害活
性と同等若しくはそれ以上の効果を得ることができる。
【0041】また、置換されるアミノ酸の種類について
も特に限定はされないが、上記の位置のアミノ酸をアラ
ニンに置換することにより配列番号2と同等若しくはそ
れ以上の細胞接着阻害活性を得ることができ、特に、配
列番号3に示されるペプチドは配列番号2よりも非常に
高い細胞接着阻害活性を有する。
も特に限定はされないが、上記の位置のアミノ酸をアラ
ニンに置換することにより配列番号2と同等若しくはそ
れ以上の細胞接着阻害活性を得ることができ、特に、配
列番号3に示されるペプチドは配列番号2よりも非常に
高い細胞接着阻害活性を有する。
【0042】また、本発明の生理活性ペプチドには、前
記3つの共通アミノ酸配列を複数回繰り返して結合させ
た構造を有し、かつ細胞接着阻害活性を有するものも含
まれる。
記3つの共通アミノ酸配列を複数回繰り返して結合させ
た構造を有し、かつ細胞接着阻害活性を有するものも含
まれる。
【0043】本発明の生理活性ペプチドには、上記のア
ミノ酸配列にさらに、その他の機能を付与する目的で種
々の修飾基、置換基を付加したものも含まれる。例え
ば、親水性を高める目的で、本ペプチドに親水性のアミ
ノ酸、或いは、親水基を有する物質、例えばエチレング
リコール、PEG、多糖及びその分解物等を付加するこ
とが可能である。
ミノ酸配列にさらに、その他の機能を付与する目的で種
々の修飾基、置換基を付加したものも含まれる。例え
ば、親水性を高める目的で、本ペプチドに親水性のアミ
ノ酸、或いは、親水基を有する物質、例えばエチレング
リコール、PEG、多糖及びその分解物等を付加するこ
とが可能である。
【0044】また、本発明の生理活性ペプチドは、本発
明の生理活性ペプチドに基づいて細胞接着阻害活性を有
する種々の誘導体をも含むものである。例えば、ポリエ
チレングリコール(PEG)等の高分子による修飾や直
鎖状ペプチドの環状化(Saiki,I.,et a
l.,Jpn.J.Cancer Res.,84,5
58,1993)等が挙げられる。
明の生理活性ペプチドに基づいて細胞接着阻害活性を有
する種々の誘導体をも含むものである。例えば、ポリエ
チレングリコール(PEG)等の高分子による修飾や直
鎖状ペプチドの環状化(Saiki,I.,et a
l.,Jpn.J.Cancer Res.,84,5
58,1993)等が挙げられる。
【0045】同様に、細胞接着阻害活性を損なわない限
り、本発明のペプチドを構成するアミノ酸の側鎖を、例
えば、エステル結合、エーテル結合を利用して修飾し、
本発明のペプチドを修飾することも可能である。
り、本発明のペプチドを構成するアミノ酸の側鎖を、例
えば、エステル結合、エーテル結合を利用して修飾し、
本発明のペプチドを修飾することも可能である。
【0046】また、本発明の生理活性ペプチドのアミノ
酸配列は、これら配列が有する高次構造により特定の作
用を有すると考えられるため、これらのペプチドの高次
構造を模した化合物(ペプチドミメティックス)を合成
することにより同様の効果が期待できる。
酸配列は、これら配列が有する高次構造により特定の作
用を有すると考えられるため、これらのペプチドの高次
構造を模した化合物(ペプチドミメティックス)を合成
することにより同様の効果が期待できる。
【0047】本発明の生理活性ペプチドを得るには特に
制限はなく、通常のオリゴペプチドに対する化学合成方
法、生物学的方法、遺伝子工学的方法が好ましく使用可
能である。例えば、化学合成方法としては固層合成法が
好ましく使用可能であり、得られたペプチドの精製には
通常公知のペプチド精製法(例えばカラムクロマトグラ
フ)が好ましく使用可能である。また、化学的合成に
は、市販ペプチド合成装置(ペプチドシンセサイザー)
を用いて作製するのが最も一般的である。また本発明に
かかるペプチドを遺伝子工学的に得るには特に制限はな
く公知のタンパク質発現系を使用することができる。例
えば、本発明のペプチドのアミノ酸配列をコードするD
NA配列をプラスミドベクターに挿入し大腸菌等の微生
物を形質転換することにより生産する遺伝子組み換え手
法を用いた合成法等により合成することが可能である。
より詳しくは、生理活性ペプチドをコードする遺伝子
を、例えば、DNA合成装置(DNAシンセサイザー)
により合成し、公知のプラスミドベクターに該遺伝子を
組み込み、得られた組み換えベクターを宿主となる微生
物に導入し、形質転換体を作成することにより該生理活
性ペプチドを生産することができる。ここで用いられる
プラスミドベクターはタンパク質生産用の発現ベクター
であれば特に限定なく用いることができる。また、宿主
は微生物に限定されることなく、COS細胞等の真核細
胞を用いることができる。
制限はなく、通常のオリゴペプチドに対する化学合成方
法、生物学的方法、遺伝子工学的方法が好ましく使用可
能である。例えば、化学合成方法としては固層合成法が
好ましく使用可能であり、得られたペプチドの精製には
通常公知のペプチド精製法(例えばカラムクロマトグラ
フ)が好ましく使用可能である。また、化学的合成に
は、市販ペプチド合成装置(ペプチドシンセサイザー)
を用いて作製するのが最も一般的である。また本発明に
かかるペプチドを遺伝子工学的に得るには特に制限はな
く公知のタンパク質発現系を使用することができる。例
えば、本発明のペプチドのアミノ酸配列をコードするD
NA配列をプラスミドベクターに挿入し大腸菌等の微生
物を形質転換することにより生産する遺伝子組み換え手
法を用いた合成法等により合成することが可能である。
より詳しくは、生理活性ペプチドをコードする遺伝子
を、例えば、DNA合成装置(DNAシンセサイザー)
により合成し、公知のプラスミドベクターに該遺伝子を
組み込み、得られた組み換えベクターを宿主となる微生
物に導入し、形質転換体を作成することにより該生理活
性ペプチドを生産することができる。ここで用いられる
プラスミドベクターはタンパク質生産用の発現ベクター
であれば特に限定なく用いることができる。また、宿主
は微生物に限定されることなく、COS細胞等の真核細
胞を用いることができる。
【0048】(応用)本発明の生理活性ペプチドは、本
発明の生理活性ペプチドが有する細胞接着阻害作用に基
づき、癌の転移を抑制する癌転移抑制剤として有用であ
る。
発明の生理活性ペプチドが有する細胞接着阻害作用に基
づき、癌の転移を抑制する癌転移抑制剤として有用であ
る。
【0049】また、本発明の生理活性ペプチドは、細胞
と細胞、あるいは細胞と細胞外構成基質との接着が関与
する種々の疾病の研究のための試験用試薬として有用で
あり、またそれらの疾患に対する治療剤としても有用で
ある。例えば、癌、リウマチ、喘息、アレルギー疾患、
血栓症、移植臓器拒絶反応、臓器線維症等の創傷治癒及
び炎症、潰瘍性大腸炎等の腸炎症を含む免疫性炎症及び
自己免疫疾患等に対しても有用である。
と細胞、あるいは細胞と細胞外構成基質との接着が関与
する種々の疾病の研究のための試験用試薬として有用で
あり、またそれらの疾患に対する治療剤としても有用で
ある。例えば、癌、リウマチ、喘息、アレルギー疾患、
血栓症、移植臓器拒絶反応、臓器線維症等の創傷治癒及
び炎症、潰瘍性大腸炎等の腸炎症を含む免疫性炎症及び
自己免疫疾患等に対しても有用である。
【0050】本発明の生理活性ペプチドを前記治療剤と
して投与する方法としては、直接目的とする臓器、組織
に投与する方法の他、経口または非経口に投与する方法
も用いられる。経口投与には、舌下投与を包含する。非
経口投与には、注射、例えば皮下、筋肉、静脈、動脈注
射、点滴、坐剤、塗布薬、貼付薬を含む。
して投与する方法としては、直接目的とする臓器、組織
に投与する方法の他、経口または非経口に投与する方法
も用いられる。経口投与には、舌下投与を包含する。非
経口投与には、注射、例えば皮下、筋肉、静脈、動脈注
射、点滴、坐剤、塗布薬、貼付薬を含む。
【0051】また、投与量は、年齢、投与経路、投与回
数により異なり、適宜変えることができる。この場合、
本発明の遺伝子治療用薬物の有効量と適切な希釈剤及び
薬理学的に使用し得る担体の組成物として投与される有
効量は1〜100,000μg/kg体重/日であり、
連続的にあるいは1日1回から数回に分けて、または数
日ごとに1回投与される。また、本発明の生理活性ペプ
チドには、他のペプチド(例えばビオチン)に包合され
たものも含めることができる。
数により異なり、適宜変えることができる。この場合、
本発明の遺伝子治療用薬物の有効量と適切な希釈剤及び
薬理学的に使用し得る担体の組成物として投与される有
効量は1〜100,000μg/kg体重/日であり、
連続的にあるいは1日1回から数回に分けて、または数
日ごとに1回投与される。また、本発明の生理活性ペプ
チドには、他のペプチド(例えばビオチン)に包合され
たものも含めることができる。
【0052】本発明の遺伝子治療用薬物を経口投与する
場合は、それに適用される錠剤、顆粒剤、細粒剤、散
剤、カプセル剤等は、通常それらの組成物中に含有され
る結合剤、包含剤、賦形剤、崩壊剤等を含み、内用水
剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤等の何れの状態であって
もよく、また非経口投与の場合には、安定化剤、緩衝
剤、保存剤、等張化剤等を含有し、通常単位投与量アン
プル若しくは多投与量容器またはチューブの状態で提供
される。
場合は、それに適用される錠剤、顆粒剤、細粒剤、散
剤、カプセル剤等は、通常それらの組成物中に含有され
る結合剤、包含剤、賦形剤、崩壊剤等を含み、内用水
剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤等の何れの状態であって
もよく、また非経口投与の場合には、安定化剤、緩衝
剤、保存剤、等張化剤等を含有し、通常単位投与量アン
プル若しくは多投与量容器またはチューブの状態で提供
される。
【0053】さらに本発明は、本発明の生理活性ペプチ
ドが有する細胞接着阻害作用を判定の指標として本発明
の生理活性ペプチドに対する拮抗剤を見いだすためのス
クリーニング方法をも含むものであり、さらに、かかる
スクリーニング方法により得られる拮抗剤をも含むもの
である。かかる拮抗剤は、細胞接着阻害作用に対する新
たな知見を与え、新規な癌等の治療剤の開発をも可能に
するものである。
ドが有する細胞接着阻害作用を判定の指標として本発明
の生理活性ペプチドに対する拮抗剤を見いだすためのス
クリーニング方法をも含むものであり、さらに、かかる
スクリーニング方法により得られる拮抗剤をも含むもの
である。かかる拮抗剤は、細胞接着阻害作用に対する新
たな知見を与え、新規な癌等の治療剤の開発をも可能に
するものである。
【0054】さらには、本発明は、本発明の生理活性ペ
プチドを抗原とする抗体をも含むものである。かかる抗
体を用いることで、細胞接着阻害作用の作用点を追跡可
能とするラベル化剤を構成することが可能となる。
プチドを抗原とする抗体をも含むものである。かかる抗
体を用いることで、細胞接着阻害作用の作用点を追跡可
能とするラベル化剤を構成することが可能となる。
【0055】以下、実施例により本発明を具体的に説明
する。ただし、本発明はこれらの実施例によりその技術
範囲が限定されるものではない。
する。ただし、本発明はこれらの実施例によりその技術
範囲が限定されるものではない。
【0056】
【実施例】実施例1 ペプチドの合成及びビオチン修飾 試験に用いた全てのペプチドは、ペプチドシンセサイザ
ー(MultiplePeptide Synthes
izer、MultiSynTec GmbH製)を用
いて合成した。また、合成されたペプチドの配列は、ペ
プチドシークエンサー(Model 476A、App
lied Biosystems製)により確認した。
ー(MultiplePeptide Synthes
izer、MultiSynTec GmbH製)を用
いて合成した。また、合成されたペプチドの配列は、ペ
プチドシークエンサー(Model 476A、App
lied Biosystems製)により確認した。
【0057】合成ペプチドの溶解性を高めるため、以下
の方法によりビオチン抱合して用いた。ペプチド1mg
を750μlのジメチルスルホキシド(DMSO)に溶
解後、50μlの200mM Carbonate B
uffer(pH8.5)を添加した。Biotin
(long arm)−NHS(VECTOR Lab
oratories Inc.製)のDMSO溶液(5
0mg/ml)を2μlさらに添加し、4℃で一晩撹拌
してペプチドのビオチン抱合を行った。
の方法によりビオチン抱合して用いた。ペプチド1mg
を750μlのジメチルスルホキシド(DMSO)に溶
解後、50μlの200mM Carbonate B
uffer(pH8.5)を添加した。Biotin
(long arm)−NHS(VECTOR Lab
oratories Inc.製)のDMSO溶液(5
0mg/ml)を2μlさらに添加し、4℃で一晩撹拌
してペプチドのビオチン抱合を行った。
【0058】未反応のBiotin(long ar
m)−NHSの活性基はエタノールアミンを最終濃度5
0mMになるように添加し、室温で1時間撹拌すること
でブロックした。抱合反応後の反応混液をSephad
ex G−15カラムに負荷し、ゲル濾過分離法により
ペプチドのビオチン抱合体を精製した。ペプチドは、B
CA Protein Assay Kit(PIER
CE社)により定量した。
m)−NHSの活性基はエタノールアミンを最終濃度5
0mMになるように添加し、室温で1時間撹拌すること
でブロックした。抱合反応後の反応混液をSephad
ex G−15カラムに負荷し、ゲル濾過分離法により
ペプチドのビオチン抱合体を精製した。ペプチドは、B
CA Protein Assay Kit(PIER
CE社)により定量した。
【0059】実施例2 Anchorage−Inde
pendent Cellに対する合成ペプチドの細胞
接着阻害活性評価 マンガンイオン(Mn2+)は、本来細胞外基質に対する
接着性を示さない細胞(Anchorage−Inde
pendent Cell)に作用してインテグリンを
活性化することが報告されている(Danen et
al.,J.Biol.Chem.,270,37,2
1612,1995, Mould et al.,
J.Biol.Chem.,270,44,2627
0,1995)。これにより、細胞はインテグリンを介
した細胞外基質への接着性を獲得する。このような実験
的な接着の誘導は、癌細胞の転移や炎症細胞の組織への
浸潤過程における細胞接着のモデルとして利用すること
が可能である。
pendent Cellに対する合成ペプチドの細胞
接着阻害活性評価 マンガンイオン(Mn2+)は、本来細胞外基質に対する
接着性を示さない細胞(Anchorage−Inde
pendent Cell)に作用してインテグリンを
活性化することが報告されている(Danen et
al.,J.Biol.Chem.,270,37,2
1612,1995, Mould et al.,
J.Biol.Chem.,270,44,2627
0,1995)。これにより、細胞はインテグリンを介
した細胞外基質への接着性を獲得する。このような実験
的な接着の誘導は、癌細胞の転移や炎症細胞の組織への
浸潤過程における細胞接着のモデルとして利用すること
が可能である。
【0060】そこで、Anchorage−Indep
endent Cellの一種であるヒト慢性骨髄性白
血病由来K562細胞、ヒト組織球性リンパ腫由来U9
37細胞、ヒトバーキットリンパ腫由来Ramos細胞
(全てAmerican Type Culture
Collection:ATCC製)をMn2+で処理し
た系により、該ペプチドの細胞接着阻害活性について評
価した。
endent Cellの一種であるヒト慢性骨髄性白
血病由来K562細胞、ヒト組織球性リンパ腫由来U9
37細胞、ヒトバーキットリンパ腫由来Ramos細胞
(全てAmerican Type Culture
Collection:ATCC製)をMn2+で処理し
た系により、該ペプチドの細胞接着阻害活性について評
価した。
【0061】0.1mMのMn2+を含むHEPES緩衝
生理食塩液に細胞濃度が2×105個/mlになるよう
に懸濁後、100μlを細胞外基質の一種であるフィブ
ロネクチン(FN:Fukaiらの方法で調製、Fuk
ai et al.,J.Biol.Chem.,26
6,8807,1991)でコートした96wellプ
レートに添加し、37℃、5%CO2下で60分間イン
キュベートした。細胞懸濁液の添加と同時に、実施例1
により合成したビオチン化ペプチド(ペプチド部分のア
ミノ酸配列は配列番号2)をペプチドの最終濃度が50
〜200μg/mlになるように加えた。比較対照群と
して、公知の細胞接着阻害活性を有するペプチド(配列
番号10:特開平10-147600号)を同様に添加
した。また、陰性対照として、ペプチドを結合していな
いビオチン単独添加群についても評価した。
生理食塩液に細胞濃度が2×105個/mlになるよう
に懸濁後、100μlを細胞外基質の一種であるフィブ
ロネクチン(FN:Fukaiらの方法で調製、Fuk
ai et al.,J.Biol.Chem.,26
6,8807,1991)でコートした96wellプ
レートに添加し、37℃、5%CO2下で60分間イン
キュベートした。細胞懸濁液の添加と同時に、実施例1
により合成したビオチン化ペプチド(ペプチド部分のア
ミノ酸配列は配列番号2)をペプチドの最終濃度が50
〜200μg/mlになるように加えた。比較対照群と
して、公知の細胞接着阻害活性を有するペプチド(配列
番号10:特開平10-147600号)を同様に添加
した。また、陰性対照として、ペプチドを結合していな
いビオチン単独添加群についても評価した。
【0062】尚、FNコートは10μg/mlに調製し
たFNリン酸緩衝溶液を100μlずつ各wellに添
加し、37℃、5%CO2、60分間インキュベートし
た後、リン酸緩衝液で3回洗うことにより行った。各w
ellの細胞を5%ホルムアルデヒド(和光純薬社製)
で固定化した後、非接着細胞を取り除き、各well中
の5つのエリアを無作為に選択し顕微鏡下で細胞をカウ
ントした。
たFNリン酸緩衝溶液を100μlずつ各wellに添
加し、37℃、5%CO2、60分間インキュベートし
た後、リン酸緩衝液で3回洗うことにより行った。各w
ellの細胞を5%ホルムアルデヒド(和光純薬社製)
で固定化した後、非接着細胞を取り除き、各well中
の5つのエリアを無作為に選択し顕微鏡下で細胞をカウ
ントした。
【0063】図1、図2、及び図3に示すように配列番
号2に示されるペプチドの細胞接着阻害効果は、公知の
細胞接着阻害ペプチド(配列番号10)とほぼ同等の活
性であることが明らかである。
号2に示されるペプチドの細胞接着阻害効果は、公知の
細胞接着阻害ペプチド(配列番号10)とほぼ同等の活
性であることが明らかである。
【0064】実施例3 Anchorage−depe
ndent Cellに対する合成ペプチドの細胞接着
阻害活性評価 Anchorage−dependent Cellで
あるヒトメラノーマA375SM細胞、及びヒトフィブ
ロザルコーマHT1080(共にATCC製)を評価に
用いた。細胞接着阻害活性の評価はFukaiらの方法
(Biochem.Biohys.Res.Commu
n.,220,394〜398,1996)に従って行
った。細胞接着阻害活性の指標として、伸展した細胞数
を計数した。
ndent Cellに対する合成ペプチドの細胞接着
阻害活性評価 Anchorage−dependent Cellで
あるヒトメラノーマA375SM細胞、及びヒトフィブ
ロザルコーマHT1080(共にATCC製)を評価に
用いた。細胞接着阻害活性の評価はFukaiらの方法
(Biochem.Biohys.Res.Commu
n.,220,394〜398,1996)に従って行
った。細胞接着阻害活性の指標として、伸展した細胞数
を計数した。
【0065】0.1%Ovalbumin(和光純薬社
製)を含むDulbecco’sModified E
agle Medium(DMEM:ギブコ社製)にA
375SM細胞、あるいはHT1080細胞を2×10
5個/mlになるように調製した。この細胞懸濁液10
0μlを、細胞外基質の一種であるFN、またはビトロ
ネクチン(VN)でコートした96wellプレートに
添加し、37℃、5%CO2下で60分間インキュベー
トした。細胞懸濁液の添加と同時に、実施例1により合
成したビオチン化ペプチドをペプチドの最終濃度が50
〜200μg/mlになるように加えた。比較対照群と
して、公知の細胞接着阻害活性を有するペプチド(配列
番号10:特開平10-147600)を同様に添加し
た。尚、FN、及びVNコートは0.5μg/mlに調
製したFNまたはVNリン酸緩衝溶液を100μlずつ
各wellに添加し、37℃、5%CO2、60分間イ
ンキュベートした後、リン酸緩衝液で3回洗うことによ
り行った。各wellの細胞を5%ホルムアルデヒド
(和光純薬社製)で固定化した後、非接着細胞を取り除
き、各well中の5つのエリアを無作為に選択し顕微
鏡下で伸展した細胞をカウントした。
製)を含むDulbecco’sModified E
agle Medium(DMEM:ギブコ社製)にA
375SM細胞、あるいはHT1080細胞を2×10
5個/mlになるように調製した。この細胞懸濁液10
0μlを、細胞外基質の一種であるFN、またはビトロ
ネクチン(VN)でコートした96wellプレートに
添加し、37℃、5%CO2下で60分間インキュベー
トした。細胞懸濁液の添加と同時に、実施例1により合
成したビオチン化ペプチドをペプチドの最終濃度が50
〜200μg/mlになるように加えた。比較対照群と
して、公知の細胞接着阻害活性を有するペプチド(配列
番号10:特開平10-147600)を同様に添加し
た。尚、FN、及びVNコートは0.5μg/mlに調
製したFNまたはVNリン酸緩衝溶液を100μlずつ
各wellに添加し、37℃、5%CO2、60分間イ
ンキュベートした後、リン酸緩衝液で3回洗うことによ
り行った。各wellの細胞を5%ホルムアルデヒド
(和光純薬社製)で固定化した後、非接着細胞を取り除
き、各well中の5つのエリアを無作為に選択し顕微
鏡下で伸展した細胞をカウントした。
【0066】図4、及び図5に示すように公知の細胞接
着阻害ペプチド(配列番号10)は細胞伸展阻害作用が
あるのに対し、配列番号2に示されるペプチドは、全く
そのような作用を示さなかった。実施例4 アラニンス
キャニング法による細胞接着阻害活性に必須なアミノ酸
配列領域の同定 アラニンスキャニング法は、蛋白、ペプチドにおける生
理活性に必須のアミノ酸配列領域を同定するために用い
られる手法である(Puffer et al.,J.
Virol.,71,6541,1997, Wu a
nd Hersh,J.Biol.Chem.,27
0,49,29111,1995)。そこで、本法を用
い、該ペプチドの解析を行った。ペプチドは表1に示し
たものを実験に使用し、全てビオチン化したもの(実施
例1)を用いた。また、評価にはAnchorage−
Independent Cellの一種であるヒト慢
性骨髄性白血病由来K562細胞を用いた。
着阻害ペプチド(配列番号10)は細胞伸展阻害作用が
あるのに対し、配列番号2に示されるペプチドは、全く
そのような作用を示さなかった。実施例4 アラニンス
キャニング法による細胞接着阻害活性に必須なアミノ酸
配列領域の同定 アラニンスキャニング法は、蛋白、ペプチドにおける生
理活性に必須のアミノ酸配列領域を同定するために用い
られる手法である(Puffer et al.,J.
Virol.,71,6541,1997, Wu a
nd Hersh,J.Biol.Chem.,27
0,49,29111,1995)。そこで、本法を用
い、該ペプチドの解析を行った。ペプチドは表1に示し
たものを実験に使用し、全てビオチン化したもの(実施
例1)を用いた。また、評価にはAnchorage−
Independent Cellの一種であるヒト慢
性骨髄性白血病由来K562細胞を用いた。
【0067】 (表1) =========================================================== 配列番号:2 Gly Leu Lys Pro Gly Val Asp Tyr Thr Ile Thr Val Tyr Ala Val 配列番号:3 Gly Leu Lys Pro Gly Val Asp Ala Thr Ile Thr Val Tyr Ala Val 配列番号:4 Gly Leu Lys Pro Gly Val Asp Tyr Ala Ile Thr Val Tyr Ala Val 配列番号:5 Gly Leu Lys Pro Gly Val Asp Tyr Thr Ala Thr Val Tyr Ala Val 配列番号:6 Gly Leu Lys Pro Gly Val Asp Tyr Thr Ile Ala Val Tyr Ala Val 配列番号:7 Gly Leu Lys Pro Gly Val Asp Tyr Thr Ile Thr Ala Tyr Ala Val 配列番号:8 Gly Leu Lys Pro Gly Val Asp Tyr Thr Ile Thr Val Ala Ala Val 配列番号:9 Gly Leu Lys Pro Gly Val Asp Tyr Thr Ile Thr Val Tyr Ala Ala =========================================================== 細胞接着阻害活性の評価は、実施例2と同様に操作し
た。結果を図6に示す。
た。結果を図6に示す。
【0068】ヒト血漿フィブロネクチン由来の配列であ
る配列番号2のペプチドを添加した場合は細胞接着阻害
活性が見られた。これに対し、配列番号2に含まれる1
つのアミノ酸をアラニンで置換したペプチド(配列番号
3〜9)のうち、配列番号4、5、及び6で細胞接着阻
害活性が失われた。また、配列番号3は配列番号2より
も強い細胞接着阻害活性があった。
る配列番号2のペプチドを添加した場合は細胞接着阻害
活性が見られた。これに対し、配列番号2に含まれる1
つのアミノ酸をアラニンで置換したペプチド(配列番号
3〜9)のうち、配列番号4、5、及び6で細胞接着阻
害活性が失われた。また、配列番号3は配列番号2より
も強い細胞接着阻害活性があった。
【0069】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110>Hisamitsu Pharmaceutical Co.,Inc. <120>New biologically active peptide <130> P99HM-004 <160>12 <210>1 <211>7 <212>PRN <213>Artifical Sequence <220> <223>biologically active peptide <400>1 Thr Ile Thr Val Tyr Ala Val 5 <210>2 <211>15 <212>PRN <213>Artifical Sequence <220> <223>biologically active peptide <400>2 Gly Leu Lys Pro Gly Val Asp Tyr Thr Ile Thr Val Tyr Ala Val 5 10 15 <210>3 <211>15 <212>PRN <213>Artifical Sequence <220> <223>biologically active peptide <400>3 Gly Leu Lys Pro Gly Val Asp Ala Thr Ile Thr Val Tyr Ala Val 5 10 15 <210>4 <211>15 <212>PRN <213>Artifical Sequence <220> <223>biologically active peptide <400>4 Gly Leu Lys Pro Gly Val Asp Tyr Ala Ile Thr Val Tyr Ala Val 5 10 15 <210>5 <211>15 <212>PRN <213>Artifical Sequence <220> <223>biologically active peptide <400>5 Gly Leu Lys Pro Gly Val Asp Tyr Thr Ala Thr Val Tyr Ala Val 5 10 15 <210>6 <211>15 <212>PRN <213>Artifical Sequence <220> <223>biologically active peptide <400>6 Gly Leu Lys Pro Gly Val Asp Tyr Thr Ile Ala Val Tyr Ala Val 5 10 15 <210>7 <211>15 <212>PRN <213>Artifical Sequence <220> <223>biologically active peptide <400>7 Gly Leu Lys Pro Gly Val Asp Tyr Thr Ile Thr Ala Tyr Ala Val 5 10 15 <210>8 <211>15 <212>PRN <213>Artifical Sequence <220> <223>biologically active peptide <400>8 Gly Leu Lys Pro Gly Val Asp Tyr Thr Ile Thr Val Ala Ala Val 5 10 15 <210>9 <211>15 <212>PRN <213>Artifical Sequence <220> <223>biologically active peptide <400>9 Gly Leu Lys Pro Gly Val Asp Tyr Thr Ile Thr Val Tyr Ala Ala 5 10 15 <210>10 <211>21 <212>PRN <213>Artifical Sequence <220> <223>biologically active peptide <400>10 Thr Glu Ala Thr Ile Tyr Gly Leu Glu Pro Gly Thr Glu Tyr Thr Ile 5 10 15 Tyr Val Ile Ala Leu 20 <210>11 <211>8 <212>PRN <213>Artifical Sequence <220> <223>biologically active peptide <400>11 Tyr Thr Ile Tyr Val Ile Ala Leu 5 <210>12 <211>15 <212>PRN <213>Artifical Sequence <220> <223>biologically active peptide <400>12 Gly Leu Lys Pro Gly Val Asp Xaa Thr Ile Thr Xaa Xaa Ala Xaa 5 10 15
【0070】
【発明の効果】本発明の生理活性ペプチドは、30残基
以下のアミノ酸からなる細胞接着阻害活性を有する生理
活性ペプチドであって、以下のアミノ酸配列を有するこ
とを特徴とするものである。 Gly Leu Lys Pro Gly Val Asp X1 Thr Ile Thr X2 X3 A
la Val ここで、X1、X3はTyrまたはAlaを表し、X2はValまたはA
laを表す。また本発明の癌転移抑制剤はかかる生理活性
に基づく。
以下のアミノ酸からなる細胞接着阻害活性を有する生理
活性ペプチドであって、以下のアミノ酸配列を有するこ
とを特徴とするものである。 Gly Leu Lys Pro Gly Val Asp X1 Thr Ile Thr X2 X3 A
la Val ここで、X1、X3はTyrまたはAlaを表し、X2はValまたはA
laを表す。また本発明の癌転移抑制剤はかかる生理活性
に基づく。
【図1】図1は、配列番号2に示されるペプチドの細胞
接着阻害効果は、公知の細胞接着阻害ペプチド(配列番
号10)とほぼ同等の活性であることを示す図である。
接着阻害効果は、公知の細胞接着阻害ペプチド(配列番
号10)とほぼ同等の活性であることを示す図である。
【図2】図2は、配列番号2に示されるペプチドの細胞
接着阻害効果は、公知の細胞接着阻害ペプチド(配列番
号10)とほぼ同等の活性であることを示す図である。
接着阻害効果は、公知の細胞接着阻害ペプチド(配列番
号10)とほぼ同等の活性であることを示す図である。
【図3】図3は、配列番号2に示されるペプチドの細胞
接着阻害効果は、公知の細胞接着阻害ペプチド(配列番
号10)とほぼ同等の活性であることを示す図である。
接着阻害効果は、公知の細胞接着阻害ペプチド(配列番
号10)とほぼ同等の活性であることを示す図である。
【図4】図4は、公知の細胞接着阻害ペプチド(配列番
号10)は細胞伸展阻害作用があるのに対し、配列番号
2に示されるペプチドは、全くそのような作用を示さな
いことを示す図である。
号10)は細胞伸展阻害作用があるのに対し、配列番号
2に示されるペプチドは、全くそのような作用を示さな
いことを示す図である。
【図5】図5は、公知の細胞接着阻害ペプチド(配列番
号10)は細胞伸展阻害作用があるのに対し、配列番号
2に示されるペプチドは、全くそのような作用を示さな
いことを示す図である。
号10)は細胞伸展阻害作用があるのに対し、配列番号
2に示されるペプチドは、全くそのような作用を示さな
いことを示す図である。
【図6】図6は、細胞接着阻害活性を評価した結果を示
す図である。
す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年3月14日(2000.3.1
4)
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、癌、炎症、及び
臓器線維化などの疾患を助長している細胞接着因子およ
び/またはその細胞接着因子に対するリガンド分子の作
用に対して拮抗的な作用を有する新規なペプチド、すな
わち、配列表の配列番号2,3、7〜9に記載のアミノ
酸配列であって、Thr Ile Thrを共通アミノ酸配列とし
て含むペプチドを見出すことに成功した。
解決するために鋭意研究を重ねた結果、癌、炎症、及び
臓器線維化などの疾患を助長している細胞接着因子およ
び/またはその細胞接着因子に対するリガンド分子の作
用に対して拮抗的な作用を有する新規なペプチド、すな
わち、配列表の配列番号2,3、7〜9に記載のアミノ
酸配列であって、Thr Ile Thrを共通アミノ酸配列とし
て含むペプチドを見出すことに成功した。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】
【発明の実施の形態】(生理活性)本発明においては細
胞接着因子とは、細胞と細胞、あるいは細胞と細胞外構
成基質との接着に関与する因子として見出され、接着の
みならず細胞内情報伝達系への関与や個体発生、臓器形
成、創傷治癒に関わる分子群として認識されているカド
ヘリン・カテニンファミリー、インテグリンファミリ
ー、免疫グロブリンスーパーファミリー、CD44ファ
ミリー、セレクチンファミリー、シアロムチンファミリ
ー(石井良幸ら、がんの浸潤・転移 基礎研究の臨床応
用、医学書院社、207−215、1998)と同様の
作用を有するものを指す。さらに、細胞接着阻害活性と
は、かかる細胞と細胞、および/または細胞と細胞外構
成基質との接着に対する拮抗的な作用をいう。
胞接着因子とは、細胞と細胞、あるいは細胞と細胞外構
成基質との接着に関与する因子として見出され、接着の
みならず細胞内情報伝達系への関与や個体発生、臓器形
成、創傷治癒に関わる分子群として認識されているカド
ヘリン・カテニンファミリー、インテグリンファミリ
ー、免疫グロブリンスーパーファミリー、CD44ファ
ミリー、セレクチンファミリー、シアロムチンファミリ
ー(石井良幸ら、がんの浸潤・転移 基礎研究の臨床応
用、医学書院社、207−215、1998)と同様の
作用を有するものを指す。さらに、細胞接着阻害活性と
は、かかる細胞と細胞、および/または細胞と細胞外構
成基質との接着に対する拮抗的な作用をいう。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】本発明の生理活性ペプチドを得るには特に
制限はなく、通常のオリゴペプチドに対する化学合成方
法、生物学的方法、遺伝子工学的方法が好ましく使用可
能である。例えば、化学合成方法としては固相合成法が
好ましく使用可能であり、得られたペプチドの精製には
通常公知のペプチド精製法(例えばカラムクロマトグラ
フ)が好ましく使用可能である。また、化学的合成に
は、市販ペプチド合成装置(ペプチドシンセサイザー)
を用いて作製するのが最も一般的である。また本発明に
かかるペプチドを遺伝子工学的に得るには特に制限はな
く公知のタンパク質発現系を使用することができる。例
えば、本発明のペプチドのアミノ酸配列をコードするD
NA配列をプラスミドベクターに挿入し大腸菌等の微生
物を形質転換することにより生産する遺伝子組み換え手
法を用いた合成法等により合成することが可能である。
より詳しくは、生理活性ペプチドをコードする遺伝子
を、例えば、DNA合成装置(DNAシンセサイザー)
により合成し、公知のプラスミドベクターに該遺伝子を
組み込み、得られた組み換えベクターを宿主となる微生
物に導入し、形質転換体を作成することにより該生理活
性ペプチドを生産することができる。ここで用いられる
プラスミドベクターはタンパク質生産用の発現ベクター
であれば特に限定なく用いることができる。また、宿主
は微生物に限定されることなく、COS細胞等の真核細
胞を用いることができる。
制限はなく、通常のオリゴペプチドに対する化学合成方
法、生物学的方法、遺伝子工学的方法が好ましく使用可
能である。例えば、化学合成方法としては固相合成法が
好ましく使用可能であり、得られたペプチドの精製には
通常公知のペプチド精製法(例えばカラムクロマトグラ
フ)が好ましく使用可能である。また、化学的合成に
は、市販ペプチド合成装置(ペプチドシンセサイザー)
を用いて作製するのが最も一般的である。また本発明に
かかるペプチドを遺伝子工学的に得るには特に制限はな
く公知のタンパク質発現系を使用することができる。例
えば、本発明のペプチドのアミノ酸配列をコードするD
NA配列をプラスミドベクターに挿入し大腸菌等の微生
物を形質転換することにより生産する遺伝子組み換え手
法を用いた合成法等により合成することが可能である。
より詳しくは、生理活性ペプチドをコードする遺伝子
を、例えば、DNA合成装置(DNAシンセサイザー)
により合成し、公知のプラスミドベクターに該遺伝子を
組み込み、得られた組み換えベクターを宿主となる微生
物に導入し、形質転換体を作成することにより該生理活
性ペプチドを生産することができる。ここで用いられる
プラスミドベクターはタンパク質生産用の発現ベクター
であれば特に限定なく用いることができる。また、宿主
は微生物に限定されることなく、COS細胞等の真核細
胞を用いることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】また、投与量は、年齢、投与経路、投与回
数により異なり、適宜変えることができる。この場合、
本発明の生理活性ペプチドの有効量と適切な希釈剤及び
薬理学的に使用し得る担体の組成物として投与される有
効量は1〜100,000μg/kg体重/日であり、
連続的にあるいは1日1回から数回に分けて、または数
日ごとに1回投与される。また、本発明の生理活性ペプ
チドには、他のペプチド(例えばビオチン)に包合され
たものも含めることができる。
数により異なり、適宜変えることができる。この場合、
本発明の生理活性ペプチドの有効量と適切な希釈剤及び
薬理学的に使用し得る担体の組成物として投与される有
効量は1〜100,000μg/kg体重/日であり、
連続的にあるいは1日1回から数回に分けて、または数
日ごとに1回投与される。また、本発明の生理活性ペプ
チドには、他のペプチド(例えばビオチン)に包合され
たものも含めることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】本発明の生理活性ペプチドを経口投与する
場合は、それに適用される錠剤、顆粒剤、細粒剤、散
剤、カプセル剤等は、通常それらの組成物中に含有され
る結合剤、包含剤、賦形剤、崩壊剤等を含み、内用水
剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤等の何れの状態であって
もよく、また非経口投与の場合には、安定化剤、緩衝
剤、保存剤、等張化剤等を含有し、通常単位投与量アン
プル若しくは多投与量容器またはチューブの状態で提供
される。
場合は、それに適用される錠剤、顆粒剤、細粒剤、散
剤、カプセル剤等は、通常それらの組成物中に含有され
る結合剤、包含剤、賦形剤、崩壊剤等を含み、内用水
剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤等の何れの状態であって
もよく、また非経口投与の場合には、安定化剤、緩衝
剤、保存剤、等張化剤等を含有し、通常単位投与量アン
プル若しくは多投与量容器またはチューブの状態で提供
される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正内容】
【0062】尚、FNコートは10μg/mlに調製し
たFNリン酸緩衝溶液を100μlずつ各wellに添
加し、37℃、5%CO2、60分間インキュベートし
た後、リン酸緩衝液で3回洗うことにより行った。各w
ellの細胞を5%ホルムアルデヒド(和光純薬工業株
式会社製)で固定化した後、非接着細胞を取り除き、各
well中の5つのエリアを無作為に選択し顕微鏡下で
細胞をカウントした。
たFNリン酸緩衝溶液を100μlずつ各wellに添
加し、37℃、5%CO2、60分間インキュベートし
た後、リン酸緩衝液で3回洗うことにより行った。各w
ellの細胞を5%ホルムアルデヒド(和光純薬工業株
式会社製)で固定化した後、非接着細胞を取り除き、各
well中の5つのエリアを無作為に選択し顕微鏡下で
細胞をカウントした。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正内容】
【0065】0.1%Ovalbumin(和光純薬工
業株式会社製)を含むDulbecco’s Modi
fied Eagle Medium(DMEM:GI
BCO BRL)にA375SM細胞、あるいはHT1
080細胞を2×105個/mlになるように調製し
た。この細胞懸濁液100μlを、細胞外基質の一種で
あるFN、またはビトロネクチン(VN)でコートした
96wellプレートに添加し、37℃、5%CO2下
で60分間インキュベートした。細胞懸濁液の添加と同
時に、実施例1により合成したビオチン化ペプチドをペ
プチドの最終濃度が50〜200μg/mlになるよう
に加えた。比較対照群として、公知の細胞接着阻害活性
を有するペプチド(配列番号10:特開平10-147
600)を同様に添加した。尚、FN、及びVNコート
は0.5μg/mlに調製したFNまたはVNリン酸緩
衝溶液を100μlずつ各wellに添加し、37℃、
5%CO2、60分間インキュベートした後、リン酸緩
衝液で3回洗うことにより行った。各wellの細胞を
5%ホルムアルデヒド(和光純薬工業株式会社製)で固
定化した後、非接着細胞を取り除き、各well中の5
つのエリアを無作為に選択し顕微鏡下で伸展した細胞を
カウントした。
業株式会社製)を含むDulbecco’s Modi
fied Eagle Medium(DMEM:GI
BCO BRL)にA375SM細胞、あるいはHT1
080細胞を2×105個/mlになるように調製し
た。この細胞懸濁液100μlを、細胞外基質の一種で
あるFN、またはビトロネクチン(VN)でコートした
96wellプレートに添加し、37℃、5%CO2下
で60分間インキュベートした。細胞懸濁液の添加と同
時に、実施例1により合成したビオチン化ペプチドをペ
プチドの最終濃度が50〜200μg/mlになるよう
に加えた。比較対照群として、公知の細胞接着阻害活性
を有するペプチド(配列番号10:特開平10-147
600)を同様に添加した。尚、FN、及びVNコート
は0.5μg/mlに調製したFNまたはVNリン酸緩
衝溶液を100μlずつ各wellに添加し、37℃、
5%CO2、60分間インキュベートした後、リン酸緩
衝液で3回洗うことにより行った。各wellの細胞を
5%ホルムアルデヒド(和光純薬工業株式会社製)で固
定化した後、非接着細胞を取り除き、各well中の5
つのエリアを無作為に選択し顕微鏡下で伸展した細胞を
カウントした。
フロントページの続き (72)発明者 深井 文雄 埼玉県所沢市大字山口5019−1、32−2− 307 (72)発明者 植木 正彬 東京都大田区西蒲田1−8−10 Fターム(参考) 4C084 AA01 AA07 BA01 CA59 ZB261 ZC022 4H045 AA10 BA17 CA40 DA01 EA20 FA30 GA22
Claims (8)
- 【請求項1】 30残基以下のアミノ酸からなる細胞接
着阻害活性を有する生理活性ペプチドであって、以下の
アミノ酸配列を有することを特徴とする生理活性ペプチ
ド。 Gly Leu Lys Pro Gly Val Asp X1 Thr Ile Thr X2 X3 A
la X4 ここで、X1、X3はTyrまたはAlaを表し、X2、X4はValま
たはAlaを表す。 - 【請求項2】 前記X1、X3がTyr、前記X2、X4がValであ
ることを特徴とする請求項1に記載の生理活性ペプチ
ド。 - 【請求項3】 前記X1がAla、前記X2がVal、前記X3がTy
r、前記X4がValであることを特徴とする請求項1に記載
の生理活性ペプチド。 - 【請求項4】 前記X1がTyr、前記X2がAla、前記X3がTy
r、前記X4がValであることを特徴とする請求項1に記載
の生理活性ペプチド。 - 【請求項5】 前記X1がTyr、前記X2がVal、前記X3がAl
a、前記X4がValであることを特徴とする請求項1に記載
の生理活性ペプチド。 - 【請求項6】 前記X1がTyr、前記X2がVal、前記X3がTy
r、前記X4がAlaであることを特徴とする請求項1に記載
の生理活性ペプチド。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一つに記載の生
理活性ペプチドを含むことを特徴とする癌転移抑制剤。 - 【請求項8】 請求項7に記載の癌転移抑制剤であっ
て、さらに前記生理活性ペプチドがビオチンで包合され
ていることを特徴とする癌転移抑制剤。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11070127A JP2000264900A (ja) | 1999-03-16 | 1999-03-16 | 新規生理活性ペプチド |
AT00105572T ATE245168T1 (de) | 1999-03-16 | 2000-03-16 | Peptide, die anti-zellanhaftungsaktivität aufweisen |
EP00105572A EP1036798B1 (en) | 1999-03-16 | 2000-03-16 | Peptides having anti-cell adhesion activity |
DE60003860T DE60003860T2 (de) | 1999-03-16 | 2000-03-16 | Peptide, die anti-Zellanhaftungsaktivität aufweisen |
US09/526,879 US6451971B1 (en) | 1999-03-16 | 2000-03-16 | Physiologically active peptides |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11070127A JP2000264900A (ja) | 1999-03-16 | 1999-03-16 | 新規生理活性ペプチド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000264900A true JP2000264900A (ja) | 2000-09-26 |
Family
ID=13422589
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11070127A Pending JP2000264900A (ja) | 1999-03-16 | 1999-03-16 | 新規生理活性ペプチド |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6451971B1 (ja) |
EP (1) | EP1036798B1 (ja) |
JP (1) | JP2000264900A (ja) |
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