JP2000249129A - 事務機器用六角穴付きボルト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の締付けトルクにて六角棒スパナで締め
付けられた六角穴付きボルトを取外す際に、六角棒スパ
ナ以外に十字ねじ回しでも容易に緩めることができる事
務機器用の六角穴付きボルトを提供する。 【解決手段】 六角穴付きボルトの頭部（１）の六角穴
（２）と同じ中心を有し、六角穴（２）の６個の頂点と
任意の位置に十字の先端がくるように、十字ねじ回しで
緩めることが可能な十字溝（３）を設けたことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、所定の締付けト
ルクにて六角棒スパナで締め付けられた六角穴付きボル
トを取外す際に、六角棒スパナ以外に十字ねじ回しでも
容易に緩めることができる事務機器用の六角穴付きボル
トに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より所定の締付けトルクにて六角棒
スパナで締め付けられた六角穴付きボルトを取外すに
は、締付け時に使用した六角棒スパナか専用の大きさの
六角ヘッドを有するアダプターを取り付けたメガネレン
チのような工具で取外さなければならず、ねじ回しでも
取外しができるように六角穴付きボルトの頭部に溝を追
加工した発明が特開平１１−００２２２２に開示されて
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記した従来の六角穴
付きボルトには次のような欠点があった。 イ．特開平１１−００２２２２の請求項に記載の溝は、
完成品に追加工しているため非常に硬いので加工に時間
がかかり、また加工する刃も頻繁に交換を必要とするの
でコストが大幅にかかる。さらにねじ回し用の溝を頭部
に貫通して追加工すると、溝の切り欠き部に応力が残留
し、取付け取外し時に亀裂が生じ破損する恐れがある。
ならば型に頭部を貫通する溝をあらかじめ加工する方法
にしたとしても、しかしながらその後の工程で熱処理す
る際に貫通した溝では大きな変形が生じ、規定の寸法に
ならないばかりか、追加工と同じく応力が残留し、やは
り取付け取外し時に亀裂が生じ破損する恐れがある。 ロ．六角幅が小さな六角穴付きボルトを専用の六角棒ス
パナにて緩めるには、細いので力が入れにくく、ねじれ
やすいので、交換時期が早く、また入手しにくく高価で
あるためコストがかかってしまう。 ハ．アダプターを取り付けたメガネレンチのような工具
で取外すと、専用の大きさの六角ヘッドが必要であり、
また場所をとるため少しずつしか回転できないので、ボ
ルトを取外すには時間がかかりすぎてしまう。 ニ．複写機やプリンターなどの事務機器は部品点数が多
く、多種多様なボルトにて結合されているので、修理す
る際の取付け取外しや、廃棄してリサイクルする際の大
量の取外しにいろいろな工具が必要であり、手間と時間
がかかっていた。本発明は、これらの欠点を除くために
なされたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】六角穴付きボルトの頭部
（１）の六角穴（２）と同じ中心を有し、六角穴（２）
の頂点と任意の位置に、十字ねじ回しで緩めることが可
能な十字溝（３）を設ける。本発明は、以上の構成より
なる事務機器用六角穴付きボルトである。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。 （イ）六角穴付きボルトの頭部（１）の六角穴（２）と
同じ中心を有して、六角穴（２）の６個の頂点と任意の
位置に十字の先端がくるように十字溝（３）を設ける。
任意の位置でも、取付け取外し時に十字溝（３）の破損
の心配はない。 （ロ）十字溝（３）の形状は図２の断面からわかるよう
に、六角穴（２）に対して頭部（１）の先端から傾斜角
を有するものであり、十字ねじ回しの先端部が無理なく
十字溝（３）に入る形状である。 （ハ）追加工せずに六角穴（２）と十字溝（３）を同時
に成形するために、六角穴付きボルトを型で製造する段
階で、あらかじめ型に六角穴（２）と十字溝（３）にな
る加工を施しておく。本発明は、以上の構成よりなって
いる。本発明を使用するときは、頭部（１）の十字溝
（３）に十字ねじ回しを差込み取外しを行う。多少締付
けがきつく緩みにくい場合は、にぎりの大きい十字ねじ
回しを使用するか、六角棒スパナで少し緩みを与えてお
くと緩みやすくなる。

【０００６】

【発明の効果】本発明を使用することによって、十字ね
じ回しが十字溝のためすぐに溝に入り作業性が良く使用
できる。また十字ねじ回しは、六角棒スパナやアダプタ
ーを取り付けたメガネレンチのような工具より汎用性が
あり、一般家庭においても容易に取外しができる。たと
えば家庭用の小型複写機、プリンターなどの事務機器を
廃棄処分する際には、一般家庭においても簡単に分解で
きることで、分解費用や分別する手間が省力化でき、リ
サイクルの必要条件を満たすことができる。さらに大型
事務機器で大量のボルトを取外すには、中心部に十字溝
があるので緩める際のぐらつきがなくなり、ボルトのね
じ山にかじりが起こることはほとんどなくなるため、分
解の作業効率が高まり時間とコストが大幅に節約でき
る。そのうえ取外した六角穴付きボルトは再利用が可能
である。これらのことから省資源や環境保護に役立つこ
ととなり、リサイクルのような環境に関する規格を世界
標準レベルにまで推進化することが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の平面図

【図２】本発明の断面図

【符号の説明】

１ 六角穴付きボルトの頭部 ２ 六角穴 ３ 十字溝

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 六角穴付きボルトの頭部（１）の六角穴
   （２）と同じ中心を有し、六角穴（２）の頂点と任意の
   位置に、十字ねじ回しで緩めることが可能な十字溝
   （３）を設けたことを特徴とする事務機器用六角穴付き
   ボルト。