[go: up one dir, main page]

JP2000247605A - 水素透過用Pd合金膜及びその作製方法 - Google Patents

水素透過用Pd合金膜及びその作製方法

Info

Publication number
JP2000247605A
JP2000247605A JP11051715A JP5171599A JP2000247605A JP 2000247605 A JP2000247605 A JP 2000247605A JP 11051715 A JP11051715 A JP 11051715A JP 5171599 A JP5171599 A JP 5171599A JP 2000247605 A JP2000247605 A JP 2000247605A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alloy film
metal
evaporation
hydrogen permeation
porous support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11051715A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Seki
務 関
Isamu Yasuda
勇 安田
Shigeru Ito
滋 伊藤
Kazuo Akashi
和夫 明石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Gas Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Gas Co Ltd filed Critical Tokyo Gas Co Ltd
Priority to JP11051715A priority Critical patent/JP2000247605A/ja
Publication of JP2000247605A publication Critical patent/JP2000247605A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】真空蒸着装置により多孔質支持体の表面に所
望、所定の組成比に制御した水素透過用Pd合金膜を得
る。 【解決手段】多孔質支持体の表面に形成されたPdとP
dと合金化する金属とからなる水素透過用Pd合金膜で
あって、該Pd合金膜が、該多孔質支持体の表面にPd
を蒸発させる蒸発源とPdと合金化する金属を蒸発させ
る蒸発源との2つ以上の蒸発源を有する真空蒸着装置を
用いて作製されたPd合金膜であることを特徴とする水
素透過用Pd合金膜及びその作製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Pdの蒸発源とP
dと合金化する金属の蒸発源との2つ又は3つ以上の蒸
発源を有する真空蒸着装置により多孔質支持体の表面に
作製された水素透過用Pd合金膜及びその作製方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】水素ガスは不飽和結合への水素添加用、
酸水素炎用その他各種用途に供される基礎原料であり、
燃料電池用の燃料としても利用される。水素ガスの工業
的製造方法としては水の電解法、固体燃料である石炭や
コークスのガス化法、液体燃料のガス化法、気体燃料変
成法、コークス炉ガスの分離法、さらにはメタノールや
アンモニアの分解法など各種の方法が知られている。
【0003】一例として上記気体燃料変成法は通常水蒸
気改質により行われるが、得られる改質ガスには主成分
である水素のほか、副生成分としてCOやCO2、また余
剰H 2Oなどが含まれている。このような改質ガスを例
えば燃料電池にそのまま使用したのでは電池性能を阻害
してしまう。燃料電池のうち例えばPAFCで用いる水
素ガス中のCOは1%、PEFCでは100ppmが限
度であり、これらを越えると電池性能が著しく劣化す
る。
【0004】このため、それら副生成分は水素を燃料電
池へ導入する前に除去する必要がある。また、不飽和結
合への水素添加用あるいは酸水素炎用の水素は通常ボン
ベに詰めたものが使用されており、純度は5N以上が要
求されている。このような高純度の水素を得るための水
素の精製法としては各種あり得るが、その例としてPS
A法、高分子膜法、Pd膜等による水素透過膜法などが
研究されている。
【0005】これらのうち水素透過膜法では、Pd膜等
の水素透過膜が水素のみを選択的に透過させる特性を利
用するものである。水素透過膜の製造方法として幾つか
の提案がなされている。特開昭63ー294925号で
は、多数の小孔を有する耐熱性多孔体の表面にPd薄
膜、その上に銅薄膜を共に化学メッキ法により形成し、
次いで熱処理して製造している。特開平1ー16441
9号ではPd薄膜上に銀薄膜を形成する点以外は上記特
開昭63ー294925号の場合と同様である。これら
化学メッキ法はメッキ溶液を用いる1種のウェットプロ
セスである。
【0006】これに対して、ドライプロセスによる成膜
法としては、スパッタリング法などによるPdーAg合
金膜の作製については以前から報告されている。ドライ
プロセスによる成膜法は複雑な形状品の表面に均一に成
膜でき、不純物の混入がしにくい成膜法として適用でき
るが、例えばスパッタリング法では堆積する合金膜の組
成はターゲットにより決ってしまう。一方、真空蒸着法
は蒸着物質の加熱速度をそれぞれ変えることにより、形
成される膜の組成を制御できるという特徴を持ってい
る。ところがこれまで、真空蒸着法によるPdーAg合
金膜等の報告はされていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等
は、真空蒸着法によるPdとAg等のPdと合金化する
金属との合金膜の作製について追求し検討たところ、P
d源とPdと合金化する金属源とを別々に加熱する多源
真空蒸着法により、これにより形成されるPdとPdと
合金化する金属との合金膜の組成を容易に制御でき、所
望、所定の組成比のPd合金膜を作製できることを見い
出した。
【0008】すなわち、本発明は多孔質支持体の表面に
PdとAg等のPdと合金化する金属との合金膜をPd
とPdと合金化する金属との2つ又は3つ以上の蒸発源
を有する真空蒸着装置により作製された水素透過用Pd
合金膜を提供することを目的とし、またその作製方法を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)多孔質
支持体の表面に形成されたPdとPdと合金化する金属
とからなる水素透過用Pd合金膜であって、該Pd合金
膜が、該多孔質支持体の表面にPdを蒸発させる蒸発源
とPdと合金化する金属を蒸発させる蒸発源との2つの
蒸発源を有する真空蒸着装置を用いて作製されたPd合
金膜であることを特徴とする水素透過用Pd合金膜及び
その作製方法を提供する。
【0010】本発明は、(2)多孔質支持体の表面に形
成されたPdとPdと合金化する金属とからなる水素透
過用Pd合金膜であって、該Pd合金膜が、該多孔質支
持体の表面にPdを電子ビーム加熱により蒸発させる蒸
発源とPdと合金化する金属を抵抗加熱により蒸発させ
る蒸発源との2つの蒸発源を有する真空蒸着装置を用い
て作製されたPd合金膜であることを特徴とする水素透
過用Pd合金膜及びその作製方法を提供する。
【0011】本発明は、(3)多孔質支持体の表面に形
成されたPdとPdと合金化する金属とからなる水素透
過用Pd合金膜であって、該Pd合金膜が、該多孔質支
持体の表面にPdを抵抗加熱により蒸発させる蒸発源と
Pdと合金化する金属を電子ビーム加熱により蒸発させ
る蒸発源との2つの蒸発源を有する真空蒸着装置を用い
て作製されたPd合金膜であることを特徴とする水素透
過用Pd合金膜及びその作製方法を提供する。
【0012】本発明は、(4)多孔質支持体の表面に形
成されたPdとPdと合金化する金属とからなる水素透
過用Pd合金膜であって、該Pd合金膜が、該多孔質支
持体の表面にPdを蒸発させる蒸発源と、Pdと合金化
する2種以上の金属をそれぞれ蒸発させる各蒸発源とを
有する真空蒸着装置を用いて作製されたPd合金膜であ
ることを特徴とする水素透過用Pd合金膜及びその作製
方法を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の水素透過用Pd合金膜
は、多孔質支持体上に真空蒸着法により形成される。こ
こでPdとPdと合金化する金属とをそれぞれ別個の2
つ又は3つ以上の蒸発源から蒸発させてPdとPdと合
金化する金属との合金膜として蒸着させる。Pdと合金
化する金属が1種であるときは、Pdの蒸発源とPdと
合金化する金属の蒸発源を用い、Pdと合金化する金属
が2種以上であるときは、Pdの蒸発源とPdと合金化
する2種以上の金属をそれぞれ蒸発させる各蒸発源を用
いる。
【0014】その際、蒸発源における蒸発手段として
は、電気抵抗による加熱でもよく、電子ビームによる加
熱でもよく、両者を併用してもよい。例えばPdとPd
と合金化する金属のうち一方の蒸発手段として電気抵抗
による加熱を用い、他の一方の蒸発手段として電子ビー
ムによる加熱を用いてもよい。またPdと合金化する金
属が2種以上であるときは、ともに電気抵抗による加熱
又は電子ビームによる加熱を用いてもよく、そのうちの
一部の金属の蒸発手段として電気抵抗による加熱を用
い、他の金属の蒸発手段として電子ビームによる加熱を
用いてもよい。
【0015】また、本発明においては、(1)Pdを一
定の電子ビーム電流量で加熱し、Pdと合金化する金属
の抵抗加熱電流量を変化させることにより、また(2)
Pdと合金化する金属を一定の電子ビーム電流量で加熱
し、Pdの抵抗加熱電流量を変化させることにより、P
dとPdと合金化する金属との二成分の組成比を制御し
た合金を得ることができる。すなわち、通電する各電流
量、すなわち各蒸発源からの蒸発量を制御することによ
り、得られるPd合金膜の組成を制御することができ
る。また本発明においては、それら各蒸発源からの蒸発
時間、すなわち成膜時間を制御することにより、得られ
るPd合金膜の厚さを制御することができる。そしてこ
れらの点は、Pdと合金化する金属が2種以上である場
合についても同様である。
【0016】本発明において、Pdと合金化する金属と
しては、Agのほか、Au、Pt、Rh、Ru、Ir、
Ce、Y又はGdが用いられる。Pdと合金化する金属
が2種以上である水素透過用Pd合金膜の例としてはP
dとAgとAuとからなる3元合金膜などが挙げられ
る。
【0017】本発明における電気抵抗加熱は従来知られ
た手法が用いられる。また本発明で電子ビームによる加
熱に利用する電子ビームは従来知られた手法により形成
される。例えば陰極フィラメントからの熱電子放射、中
空陰極内での不活性ガスの電離、陰極表面の電子衝撃に
よる2次電子放射等で形成される電子を必要に応じて陽
極電圧により加速して用いる。
【0018】多孔質支持体(基板)としては特に限定は
ないが、好ましくはステンレス鋼製又はセラミックス製
の多孔質支持体が用いられる。多孔質支持体は例えば湾
曲面を有するなど複雑な形状であってもよい。ステンレ
ス鋼製の多孔質支持体の例としては、エッチングで孔を
あけたステンレス鋼製多孔質体やステンレス鋼粉を成形
し焼結した多孔質体が挙げられる。セラミックスにはア
ルミナ等の酸化物系、窒化珪素等の窒化物系、炭化珪素
等の炭化物系など各種あるが、これらは適宜選定して用
いられる。
【0019】本発明においては、それら多孔質支持体の
表面にPdとPdと合金化する金属とからなる水素透過
用合金膜、すなわち水素を選択的に透過する合金膜が形
成される。本発明における水素透過用Pd合金膜の膜厚
は、水素透過用Pd合金膜として必要な厚さ、すなわち
水素以外の成分が透過しないか実質上透過せず、水素の
みを選択的に透過させ得る厚さであれば特に限定はない
が、好ましくは0.1〜20μm程度の厚さに形成され
る。
【0020】本発明における蒸着時の真空の程度は、特
に限定はなく、各金属の蒸発温度と真空度とは相対関係
にあり、真空度を大きくすれば蒸発温度を下げることが
できるが、好ましくは10-4Torr程度以下、より好
ましくは10-5Torr程度以下である。本発明によれ
ば、Pd蒸発源からのPd蒸発量とPdと合金化する金
属の蒸発源からの金属蒸発量を容易に制御することがで
き、これにより所望組成比のPd合金膜が形成される。
【0021】図1は、本発明において好適に適用される
真空蒸着装置の態様例を示す図である。装置容器には真
空形成用のポンプ類や弁が配管を介して連結されてい
る。容器内には、下方部にPd蒸発源及びPdと合金化
する金属の蒸発源が配置され、上方部に基板が配置さ
れ、その間にシャッターが配置されている。Pd蒸発源
とPdと合金化する金属の蒸発源は、その一方を抵抗加
熱による加熱蒸発装置で行い、他方を電子ビームによる
加熱蒸発装置で行うようにする。図1ではPdの加熱蒸
発を電子ビームで行い、Pdと合金化する金属の例とし
てAgを抵抗加熱で行う場合を示しているが、Pdと合
金化する他の金属についても同様である。
【0022】操作に際しては、図1中メインバルブを閉
とし、油回転ポンプを作動させて装置容器内を例えば1
-2Torr程度とした後、メインバルブを開とし、油
拡散ポンプを作動させて装置容器内を例えば5×10-6
Torr程度とする。この状態で、Pdを電子ビームに
より加熱するとともに、Agを抵抗加熱により加熱し
て、それぞれ蒸発させる。これらの蒸発を継続しながら
シャッターを開いて基板面上にPdとAgを同時に堆積
させる。所望膜厚まで堆積させた後、それら加熱及び減
圧を解除する。
【0023】本発明では、以上のような装置、条件によ
り多孔質支持体の表面に直接、PdとPdと合金化する
金属とが所望組成比に制御された水素透過用Pd合金膜
が作製される。上記装置態様例は一例であるが、Pdと
Pdと合金化する金属との蒸発をそれぞれ別個の蒸発源
で行える真空蒸着装置であれば何れも使用される。ま
た、電気抵抗加熱と電子ビーム加熱を併用するのに代え
て、複数の電気抵抗加熱手段を配置してもよく、複数の
電子ビーム加熱手段を配置してもよい。
【0024】上記の点、Pdと合金化する金属として2
種以上の金属を用いる場合について同じである。この場
合には、真空蒸着装置内に蒸発源として合金を形成する
金属の数に対応した数の電気抵抗加熱、電子ビーム加熱
による蒸発源を配置する。例えばPdの蒸発用として電
子ビーム加熱手段又は電気抵抗加熱手段を配置し、Pd
と合金化する複数の金属の蒸発用としてそれぞれ電気抵
抗加熱又は電子ビーム加熱手段を配置する。また、これ
ら蒸発源に代えてスパッター法又はイオンプレーティン
グ法による蒸発源を用いてもよい。
【0025】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明がこれら実施例に限定されないこと
はもちろんである。
【0026】〈実施例1〉使用装置としては図1に示す
ような装置を使用した。図示のように、W(タングステ
ン)製のハースライナー(皿状容器)にPd薄片を入
れ、W線を狭いピッチで巻いて円錐篭状に形成しアルミ
ナでコーティングしたバスケット型フィラメント容器に
約5mに切ったAg線を入れた。基板として、ホウケイ
酸ガラス及び単結晶Si(100)を使用した。これら
の基板を15分間、アセトン中で超音波洗浄により脱脂
を行い、基板ホルダーに図示のようにセットした。基板
とPd蒸発源との距離は15cm、基板とAg蒸発源と
の距離は11cmである。
【0027】メインバルブを閉とし、油回転ポンプを作
動させて、系内すなわち容器内を10-2Torr程度と
した後、メインバルブを開とし、油拡散ポンプを作動さ
せて5×10-6Torrとした。この状態でPdを電子
ビームにより加熱するとともに(電圧=10000V、
電流量=160mA)、Agを抵抗加熱により加熱して
それぞれ蒸発させた(電圧=1.5〜25V、電流量=
17.3〜19.8A)。これらの蒸発を継続しながらシ
ャッターを開いて基板面上(図1中基板の下面)にPd
とAgを同時に堆積させた。こうして蒸着を60秒間持
続させた後、それら加熱及び減圧を解除した。
【0028】こうして作製した各生成膜の各試料につい
て、X線回折法により相の同定を行った。図2はX線回
折法の結果を示す図である。図2はホウケイ酸ガラス基
板上に形成された堆積膜の場合であるが、単結晶Si
(100)基板に形成された堆積膜ついても同様であっ
た。PdとAgは互いに同じ結晶構造を持ち、全率固溶
体を形成することが知られている。図2のとおり、生成
膜のX線回折パターンは単成分であるPd及びAgと同
じであり、そのピークはそれらの中間にある。このこと
から、生成膜はPdとAgとからなる固溶体合金である
ことが分かる。
【0029】〈実施例2〉図3はAgのみの成膜速度と
加熱電流量の関係についての試験結果である。これは図
1の装置を用い、W製のハースライナーを外して、バス
ケット型フィラメント容器に入れたAg粉末を電気抵抗
加熱により蒸発させ、基板面上に蒸着させて得た結果で
ある。図3のとおりAgの成膜速度と加熱電流量には一
定の相関関係があることが分かる。図示していないが、
この点はPdについても同様であった。このことから、
本発明では(1)Pdを一定の電子ビーム電流量で加熱
し、Ag等のPdと合金化する金属の抵抗加熱電流量を
変化させることにより、また(2)Ag等のPdと合金
化する金属を一定の電子ビーム電流量で加熱し、Pdの
抵抗加熱電流量を変化させることにより、PdとAg等
のPdと合金化する金属との二成分の組成を制御した合
金を得ることができることを示している。
【0030】〈実施例3〉本実施例は上記点を実証する
例である。実施例1と同様にしてPdとAgを同時に堆
積させた試料(膜厚約0.15μm)を作製し、ICP
発光分析法により組成の分析を行った。本実施例では、
Pdはすべての試料において電流量160mAの電子ビ
ームで加熱し、Agは表1に示す各電流量で加熱した。
表1は作製した試料のICP発光分析法による組成分析
の結果である。表1中の理論値はPdとAgとのそれぞ
れ単独の場合の成膜速度から計算したものである。
【0031】
【表 1】
【0032】表1のとおり、Pdに対してAg量が少な
い組成の合金においては理論値と差があるが、Ag量が
十数%以上の組成を持つ合金においては理論値とほぼ一
致している。このことから、本発明によれば実施例2の
ような相関関係を利用して、PdとAgとの合金膜、ま
たPdとPdと合金化する金属との合金膜の組成制御を
容易に行えることが明らかである。
【0033】〈実施例4〉実施例1と同様にして、エッ
チングで孔をあけたステンレス鋼製多孔質基板の表面に
PdーAg合金膜を作製した(膜厚約0.15μm)。
この合金膜は、実施例1で得たPdーAg合金膜と同
様、相互に固溶体化し合金化していた。
【0034】〈実施例5〉実施例1と同様にしてアルミ
ナ粉を成形し焼結して得られたアルミナ焼結体からなる
多孔質基板の表面にPdーAu合金膜を作製した(膜厚
約0.15μm)。この合金膜は、実施例1で得たPd
ーAg合金膜と同様、相互に固溶体化し合金化してい
た。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、多孔質支持体の表面に
PdとPdと合金化する金属との合金膜をPdとPdと
合金化する金属との2つ以上の蒸発源を有する真空蒸着
装置により、所望、所定の組成比に制御した水素透過用
Pd合金膜が得られる。また、真空蒸着装置はドライプ
ロセスであるため多孔質支持体が例えば湾曲面を有する
など複雑な形状であっても均一に成膜でき、また不純物
の混入がしにくいので、本発明はこれらの点でも有利で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において真空蒸着法を実施する装置態様
の一例を示す図。
【図2】実施例1で得た生成膜の試料についてのX線回
折法の結果を示す図。
【図3】Agの成膜速度と加熱電流量の関係についての
試験結果を示す図。
フロントページの続き (72)発明者 明石 和夫 千葉県野田市山崎2641 東京理科大学内 Fターム(参考) 4D006 GA41 MA03 MA06 MA31 MC02X MC03 NA31 PA01 PB19 PB66 PC80 4G040 FA04 FB04 FC02 FD07 FE01 4K029 AA02 AA04 AA24 BA22 BC00 BD00 CA01 DB04 DB21

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多孔質支持体の表面に形成されたPdとP
    dと合金化する金属とからなる水素透過用Pd合金膜で
    あって、該Pd合金膜が、該多孔質支持体の表面にPd
    を蒸発させる蒸発源とPdと合金化する金属を蒸発させ
    る蒸発源との2つの蒸発源を有する真空蒸着装置を用い
    て作製されたPd合金膜であることを特徴とする水素透
    過用Pd合金膜。
  2. 【請求項2】多孔質支持体の表面に形成されたPdとP
    dと合金化する金属とからなる水素透過用Pd合金膜で
    あって、該Pd合金膜が、該多孔質支持体の表面にPd
    を電子ビーム加熱により蒸発させる蒸発源とPdと合金
    化する金属を抵抗加熱により蒸発させる蒸発源との2つ
    の蒸発源を有する真空蒸着装置を用いて作製されたPd
    合金膜であることを特徴とする水素透過用Pd合金膜。
  3. 【請求項3】多孔質支持体の表面に形成されたPdとP
    dと合金化する金属とからなる水素透過用Pd合金膜で
    あって、該Pd合金膜が、該多孔質支持体の表面にPd
    を抵抗加熱により蒸発させる蒸発源とPdと合金化する
    金属を電子ビーム加熱により蒸発させる蒸発源との2つ
    の蒸発源を有する真空蒸着装置を用いて作製されたPd
    合金膜であることを特徴とする水素透過用Pd合金膜。
  4. 【請求項4】多孔質支持体の表面に形成されたPdとP
    dと合金化する金属とからなる水素透過用Pd合金膜で
    あって、該Pd合金膜が、該多孔質支持体の表面にPd
    を蒸発させる蒸発源と、Pdと合金化する2種以上の金
    属をそれぞれ蒸発させる各蒸発源とを有する真空蒸着装
    置を用いて作製されたPd合金膜であることを特徴とす
    る水素透過用Pd合金膜。
  5. 【請求項5】上記Pdと合金化する金属がAg、Au、
    Pt、Rh、Ru、Ir、Ce、Y又はGdである請求
    項1〜4の何れか1項に記載の水素透過用Pd合金膜。
  6. 【請求項6】上記多孔質支持体がステンレス鋼製又はセ
    ラミックス製の多孔質支持体である請求項1〜4の何れ
    か1項に記載の水素透過用Pd合金膜。
  7. 【請求項7】PdとPdと合金化する金属とからなる水
    素透過用Pd合金膜の作製方法であって、該Pd合金膜
    を、多孔質支持体の表面に、Pdを蒸発させる蒸発源と
    Pdと合金化する金属を蒸発させる蒸発源との2つの蒸
    発源を有する真空蒸着装置を用いて作製することを特徴
    とする水素透過用Pd合金膜の作製方法。
  8. 【請求項8】PdとPdと合金化する金属とからなる水
    素透過用Pd合金膜の作製方法であって、該Pd合金膜
    を、多孔質支持体の表面に、Pdを電子ビーム加熱によ
    り蒸発させる蒸発源とPdと合金化する金属を抵抗加熱
    により蒸発させる蒸発源との2つの蒸発源を有する真空
    蒸着装置を用いて作製することを特徴とする水素透過用
    Pd合金膜の作製方法。
  9. 【請求項9】PdとPdと合金化する金属とからなる水
    素透過用Pd合金膜の作製方法であって、該Pd合金膜
    を、多孔質支持体の表面に、Pdを抵抗加熱により蒸発
    させる蒸発源とPdと合金化する金属を電子ビーム加熱
    により蒸発させる蒸発源との2つの蒸発源を有する真空
    蒸着装置を用いて作製することを特徴とする水素透過用
    Pd合金膜の作製方法。
  10. 【請求項10】PdとPdと合金化する金属とからなる
    水素透過用Pd合金膜の作製方法であって、該Pd合金
    膜を、多孔質支持体の表面に、Pdを蒸発させる蒸発源
    と、Pdと合金化する2種以上の金属をそれぞれ蒸発さ
    せる各蒸発源とを有する真空蒸着装置を用いて作製する
    ことを特徴とする水素透過用Pd合金膜の作製方法。
  11. 【請求項11】上記Pdと合金化する金属がAg、A
    u、Pt、Rh、Ru、Ir、Ce、Y又はGdである
    請求項7〜10の何れか1項に記載の水素透過用Pd合
    金膜の作製方法。
  12. 【請求項12】請求項7〜10の何れか1項に記載の水
    素透過用Pd合金膜の作製方法において、Pdを蒸発さ
    せる蒸発源からの蒸発量と、Pdと合金化する金属又は
    Pdと合金化する2種以上の金属を蒸発させる蒸発源か
    らの蒸発量を制御することにより、得られるPd合金膜
    の組成を制御することを特徴とする水素透過用Pd合金
    膜の作製方法。
  13. 【請求項13】請求項7〜10の何れか1項に記載の水
    素透過用Pd合金膜の作製方法において、成膜時間を制
    御することにより、得られるPd合金膜の厚さを制御す
    ることを特徴とする水素透過用Pd合金膜の作製方法。
JP11051715A 1999-02-26 1999-02-26 水素透過用Pd合金膜及びその作製方法 Pending JP2000247605A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11051715A JP2000247605A (ja) 1999-02-26 1999-02-26 水素透過用Pd合金膜及びその作製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11051715A JP2000247605A (ja) 1999-02-26 1999-02-26 水素透過用Pd合金膜及びその作製方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000247605A true JP2000247605A (ja) 2000-09-12

Family

ID=12894599

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11051715A Pending JP2000247605A (ja) 1999-02-26 1999-02-26 水素透過用Pd合金膜及びその作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000247605A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002045832A1 (fr) * 2000-12-05 2002-06-13 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Structure permeable a l'hydrogene
WO2002064241A1 (fr) * 2001-02-16 2002-08-22 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Structure permeable a l'hydrogene et procede de fabrication ou de reparation de cette derniere
JP2003034506A (ja) * 2001-07-23 2003-02-07 Toyota Motor Corp 水素抽出装置
WO2015194472A1 (ja) * 2014-06-16 2015-12-23 日東電工株式会社 水素排出膜
WO2015194470A1 (ja) * 2014-06-16 2015-12-23 日東電工株式会社 水素排出膜
RU2757296C1 (ru) * 2021-02-19 2021-10-13 Федеральное государственное бюджетное учреждение науки Институт металлургии и материаловедения им. А.А. Байкова Российской академии наук (ИМЕТ РАН) Сплав на основе палладия
CN115094389A (zh) * 2022-07-11 2022-09-23 威科赛乐微电子股份有限公司 一种电子束蒸镀钯的方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002045832A1 (fr) * 2000-12-05 2002-06-13 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Structure permeable a l'hydrogene
US6641647B2 (en) 2000-12-05 2003-11-04 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Hydrogen-permeable structure and method of manufacturing the same
WO2002064241A1 (fr) * 2001-02-16 2002-08-22 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Structure permeable a l'hydrogene et procede de fabrication ou de reparation de cette derniere
US6828037B2 (en) 2001-02-16 2004-12-07 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Hydrogen-permeable structure and method for manufacture thereof or repair thereof
JP2003034506A (ja) * 2001-07-23 2003-02-07 Toyota Motor Corp 水素抽出装置
WO2015194470A1 (ja) * 2014-06-16 2015-12-23 日東電工株式会社 水素排出膜
WO2015194472A1 (ja) * 2014-06-16 2015-12-23 日東電工株式会社 水素排出膜
JPWO2015194470A1 (ja) * 2014-06-16 2017-04-20 日東電工株式会社 水素排出膜
JPWO2015194472A1 (ja) * 2014-06-16 2017-05-25 日東電工株式会社 水素排出膜
US10439185B2 (en) 2014-06-16 2019-10-08 Nitto Denko Corporation Hydrogen-releasing film
RU2757296C1 (ru) * 2021-02-19 2021-10-13 Федеральное государственное бюджетное учреждение науки Институт металлургии и материаловедения им. А.А. Байкова Российской академии наук (ИМЕТ РАН) Сплав на основе палладия
CN115094389A (zh) * 2022-07-11 2022-09-23 威科赛乐微电子股份有限公司 一种电子束蒸镀钯的方法
CN115094389B (zh) * 2022-07-11 2023-12-29 威科赛乐微电子股份有限公司 一种电子束蒸镀钯的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6913998B2 (en) Vapor-deposited porous films for energy conversion
JP5199332B2 (ja) 水素気体分離用パラジウム合金複合膜の製造方法
WO2007149545A2 (en) Metal binary and ternary compounds produced by cathodic arc deposition
JP2001500927A (ja) 熱絶縁層を備えた構造部品、特にガスタービンの羽根並びに熱絶縁層ぜの製造方法及び装置
JP2004000970A (ja) 複合メンブランおよびその製造法
US7468093B2 (en) Multiple phase alloys and metal membranes for hydrogen separation-purification and method for preparing the alloys and the metal membranes
JPH11276866A (ja) 水素透過膜及びその作製方法
JP5268104B2 (ja) 窒化金属膜、酸化金属膜、炭化金属膜またはその複合膜の製造方法、およびその製造装置
US20040137158A1 (en) Method for preparing a noble metal surface
JP2000247605A (ja) 水素透過用Pd合金膜及びその作製方法
JP2018006300A (ja) 燃料電池用金属セパレータ及びこれを用いた燃料電池
EP0751824B1 (en) Porous metal composite body
JP3645088B2 (ja) 水素透過膜及びその作製方法
JP2016524282A (ja) 固体電解質用多重層配置構成
JPS59174508A (ja) 超硬質カ−ボン膜の製造法
JP2004174373A (ja) 水素透過合金膜、水素透過用部材及びその製造方法
JP4064774B2 (ja) 水素透過体とその製造方法
CN112176285A (zh) 一种新型碳化铌薄膜用于氢分离及其制备方法
JP2005262082A (ja) 水素分離膜、その製造方法並びに水素の分離方法
JP2001170460A (ja) 水素分離材料及びその製造方法
CN110831899A (zh) 氨生产方法和用于氨生产的装置
KR20170096806A (ko) 다공성 귀금속 박막의 제조방법 및 그로부터 제작된 다공성 귀금속 박막
JP4064662B2 (ja) 水素透過体およびその製造方法
Thomann et al. Plasma synthesis of catalytic thin films
CN113209838A (zh) 一种用于氢气分离用高温金属型复合膜及其制备方法