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JP2000239871A - 鋼材の洗浄方法 - Google Patents

鋼材の洗浄方法

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Publication number
JP2000239871A
JP2000239871A JP11043659A JP4365999A JP2000239871A JP 2000239871 A JP2000239871 A JP 2000239871A JP 11043659 A JP11043659 A JP 11043659A JP 4365999 A JP4365999 A JP 4365999A JP 2000239871 A JP2000239871 A JP 2000239871A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cleaning
steel material
weir
steel
cleaning liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11043659A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Takeishi
芳明 武石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP11043659A priority Critical patent/JP2000239871A/ja
Publication of JP2000239871A publication Critical patent/JP2000239871A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)
  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼材の洗浄が高速かつ確実におこなえる安価
な方法を提供する。 【解決手段】 洗浄液に浸漬して表面に付着した異物を
除去する鋼材の洗浄方法であって、洗浄液中の鋼材パス
ライン両側には、該パスラインとの距離が鋼材進行方向
に漸減する傾斜面を備えた堰が相対して設けられてお
り、鋼材は前記両側の堰の傾斜面間を通過して連続走行
させられる。傾斜面には洗浄液噴射用のノズルが設けら
れており、該ノズルから連続走行中の鋼材に洗浄液を噴
射すればなおよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱間圧延鋼板、冷
間圧延鋼板、表面処理鋼板、線材等の鋼材の洗浄技術に
関する。さらに詳しくは、鋼材の酸洗、脱脂、洗浄等に
適用される効率のよい洗浄技術に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼材の酸化スケールは酸洗処理により除
去される。酸洗溶液としては、一般的には5〜10重量
%の塩酸や硫酸あるいは10〜20重量%の燐酸を含有
する水溶液が用いられる。酸洗溶液には、過酸洗による
鋼材表面の肌荒れ等を防止するためにインヒビタが添加
される。除去し難いスケールには電解酸洗が施される。
これは、電気分解により発生する水素あるいは酸素によ
る酸洗液攪拌、スケール剥離、還元作用等を利用して酸
洗能率を向上させようとするものである。
【0003】鋼材に油脂、鉄粉、ごみ等が付着している
と、次工程で不めっき、塗装不良、押込み疵等が発生
し、製品品質と歩留が悪くなる。これを防止するため
に、それらの前処理として鋼材表面の清浄化処理が施さ
れる。その方法としては、一般的には、水酸化ナトリウ
ム、珪酸ナトリウム、燐酸ナトリウム等のアルカリ性洗
浄液を使用するアルカリ洗浄方法が用いられる。洗浄液
には、界面張力を低減して付着物の濡れ性をよくし、洗
浄液の浸透、乳化、分散を促進して洗浄効率を高めるた
めに界面活性剤が添加される。金属石鹸等の不溶性スカ
ムや、金属イオン水和酸化物、炭酸塩等沈着物の発生抑
制および被洗浄材への金属イオンの電着防止を目的にキ
レート剤も添加される。
【0004】付着物が除去しにくい場合にはブラシング
や電解洗浄が併用される。仕上げ洗浄時に用いられるこ
とが多い電解洗浄は、高電気伝導度のアルカリ洗浄液中
において電極グリッド間に鋼材を通過させ、電気分解時
に発生する水素、酸素等の微細気泡の作用を利用して極
めて清浄な表面を得る方法である。これらの酸洗や洗浄
された鋼材は、さらに温水等を用いて鋼材表面に残存す
る溶液を洗い流し、水切り、乾燥される。
【0005】近年、各種鋼材の高機能化、高品質化およ
びその生産性向上などの要求の高まりにともない、上記
のような洗浄作業の完全性や高効率化が重視されるよう
になった。しかしながら鋼材を洗浄液に浸漬して洗浄す
る方法においては、洗浄作業速度を高めると洗浄が不十
分になるため、現状プロセスでは品質向上と生産性向上
の両立は困難であった。また、洗浄効率を高める方法と
して、ブラシング強化や洗浄液の濃度を高め、頻繁に新
液に更新する等の方法が考えられるが、これらの方法は
洗浄コストを高めるうえ、これらの方法によっても必ず
しも満足な洗浄結果が得られるとは限らないという問題
があった。
【0006】洗浄作業の改善方法として、特開平8−4
1667号公報、特開平8−53785号公報、特開平
8−174042号公報等には鋼材に対して洗浄液や温
水を高圧でスプレーする方法が開示されている。また、
特開平9−195075号公報、特開平9−23450
7号公報等には洗浄液中において洗浄液を鋼材に高圧で
噴射する方法が開示されている。さらに、特開平4−3
41590号公報には層流高圧酸洗溶液柱を介して鋼板
面上に強力超音波を付与して酸洗効率を向上させる方法
が開示され、特開平9−78273号公報には、鋼板を
複数個のデフレクタロールに巻き掛けて鋼板に変形を付
与し、巻き掛け部には酸液を噴射し、合わせて誘導加熱
装置により鋼板を加熱することにより酸洗速度を高める
方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら本発明者
らの研究によれば、特開平8−41667号公報、特開
平8−53785号公報、特開平8−174042号公
報等に記載されている方法では、浸漬方法に比較すると
洗浄能率は上昇するものの生産性改善代は未だ不十分で
あった。
【0008】特開平9−195075号公報および特開
平9−234507号公報で開示されている方法は、溶
液中での高速ジェットにより発生するキャビテーション
を利用するものである。しかしながらこの方法ではキャ
ビテーションは噴射ノズルの近傍にしか発生せず、所望
の効果を得るにはノズルを鋼板に近接する必要があるた
め鋼材とノズルが接触するおそれが増すという問題があ
った。また、特開平4−341590号公報あるいは特
開平9−78273号公報に開示されている方法では、
超音波発生装置や誘導加熱装置が高価であり容易には適
用できないという問題があった。
【0009】本発明の目的は、これらの問題を解決し、
鋼材の洗浄が高速かつ確実におこなえる安価な方法を提
供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】鋼材表面は、酸溶液ある
いはアルカリ性溶液などの洗浄液(以下、単に「洗浄
液」とも総称する)により、酸化スケール、油脂、鉄
粉、ごみ等(以下、単に「付着物」とも総称する)を濡
れさせ、あるいはその一部を溶解し、付着物内部および
付着物と鋼材との界面に洗浄液を浸透させ、鋼材への付
着力を弱くすることによって付着物が剥離除去されて清
浄になる。従って、洗浄液の付着物中への浸透と、溶解
した付着物の洗浄液中への拡散を促進すれば洗浄効率は
向上する。
【0011】本発明者等は、鋼材の洗浄効率を改善する
ために、鋼材を洗浄液に浸漬して洗浄する際の鋼材表面
の洗浄機構について詳細な研究をおこなった結果、以下
の知見を得た。
【0012】洗浄液中の鋼材表面には、酸、アルカリな
どの濃度が低く、逆に付着物の溶解濃度が高くなってい
る濃度境界層が発生する。濃度境界層が鋼材表面に発達
すると、付着物に対する洗浄液の浸透力が低下し、付着
物の溶解速度が低下するために、洗浄効率が低下する。
従って浸漬洗浄方法での洗浄効果を高めるには、前述の
濃度境界層を破壊し、洗浄液の付着物中への浸透および
付着物の洗浄液中への拡散を良好に維持する必要があ
る。
【0013】洗浄液中に浸漬されて連続走行する鋼材表
面近傍には、走行する鋼材の表面に近づくにつれて鋼材
との速度差が小さくなる随伴流領域がある。随伴流は濃
度境界層の形成に寄与しており、鋼材表面に近接して乱
流を生じさせることにより鋼材表面の濃度境界層を破壊
することができる。安価かつ容易に鋼材表面に乱流を発
生させるには、鋼材表面に近接して液の流れを阻害する
乱流促進体(以下、単に「堰」と記す)を備えさせるの
がよい。
【0014】上記堰の鋼材パスラインに対向する面(以
下、単に「堰底面」とも記す)は、パスラインとの距離
が鋼材進行方向に漸減する傾斜面とするのがよい。堰底
面にこのような傾斜を持たせることにより、連続走行す
る鋼材表面に生じる随伴流の流路が堰の出口近傍で狭く
なり、堰出口近傍での液の圧力が高くなる。
【0015】鋼材パスライン(以下、単に「パスライ
ン」とも記す)の両側に、パスラインをはさんで対象な
位置にこのような堰を設け、鋼材の両側、例えば上下面
にこの高められた圧力を作用させることにより、鋼材を
パスライン両側の堰底面間の中間位置で保持することが
できる。従って堰出口の間隔を狭くしても、いずれの堰
にも接触させることなく鋼材を連続走行させることがで
きる。すなわち、堰底面をこのような形状にすることに
より、両側の堰の出口間隔を狭くし、堰の後方に十分な
乱流を発生させることができる。
【0016】堰底面から鋼材表面に向かって洗浄液を吹
き付けることにより、鋼材表面への噴流の衝突および堰
出側での液流出速度増加等の効果により濃度境界層の破
壊促進と堰後方での乱流生成促進効果が得られ、洗浄効
率をさらに向上させることができる。
【0017】本発明はこれらの知見を基に完成されたも
のであり、その要旨は下記(1)および(2)に記載の
鋼材の洗浄方法にある。
【0018】(1)洗浄液に浸漬して表面に付着した異
物を除去する鋼材の洗浄方法であって、洗浄液中の鋼材
パスライン両側には、該パスラインとの距離が鋼材進行
方向に漸減する傾斜面を備えた堰が相対して設けられて
おり、鋼材は前記両側の堰の傾斜面間を通過して連続走
行させられることを特徴とする鋼材の洗浄方法。
【0019】(2)上記傾斜面には洗浄液噴射用のノズ
ルが設けられており、該ノズルから連続走行中の鋼材に
洗浄液を噴射させることを特徴とする上記(1)に記載
の請求項1に記載の鋼材の洗浄方法。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を、洗
浄対象が鋼板である場合を例にして詳細に述べる。な
お、線材の場合には、堰を点対称の位置に配設する点を
除いて、鋼板などの鋼材の場合と同じである。
【0021】図1は本発明の実施例に係わる洗浄液中の
鋼板1と堰2a、2bとの位置関係を概念的に示す断面
図である。図1に示すように、パスラインを走行中の鋼
板1の上下には、パスラインに対して傾斜角度θの斜面
からなる堰底面3a、3bを有し、その厚さがtである
堰2aおよび堰2bが設けられている。
【0022】鋼板1と堰底面間の距離は、堰の入側では
大きく出側では小さい。堰出側の鋼板表面との最小間隔
はhである。図1に示すように連続走行する鋼板1は、
両側の堰底面間の中間を通過して連続走行させられる。
【0023】図3は、パスラインの上面について、洗浄
液が鋼板1に及ぼす圧力の鋼板走行方向に沿った変化を
概念的に示すグラフである。鋼板面近傍の洗浄液には、
走行する鋼材に随伴して流れる随伴流Fが生じるが、鋼
板1と堰底面3aとの間隔が堰2aの入側から出側にか
けて小さくなることにより、随伴流Fとして持ち込まれ
る洗浄液の圧力は堰の出側に向けて高くなる。パスライ
ン下面側の洗浄液にも同様の圧力変化が生じる。鋼板1
の上下両面にこのような分布の圧力が作用するので、鋼
板1は両側の堰の中間位置に保持される。従って、堰の
出口での間隔hを小さくしても堰に接触することがなく
鋼板を高速で連続走行させることができる。
【0024】堰の出口では随伴流の流路が急激に拡大す
るために堰後方では渦流が発生し、鋼板面上の圧力が著
しく変動する。この急激な圧力変動により、洗浄液の付
着物への浸透および付着物の洗浄液への拡散が促進さ
れ、洗浄効率が改善される。
【0025】図4は、本発明者が、堰の寸法形状が洗浄
液の圧力変動に及ぼす影響を調査するために使用したモ
デルの寸法を示す断面図である。堰が無い部分での水の
平均流速を鋼板通板速度と考え、種々の寸法の堰を設け
た流路に種々の流速で通水した際の堰底面3aと下壁G
間で発生する圧力増分(ΔP1 )および堰後方での最大
の圧力変動幅(△P2 )を測定した。圧力は、下壁Gに
一定の間隔で設けた直径0.5mmの圧力測定孔(いず
れも図示せず)を利用して電子式圧力計により測定し
た。
【0026】得られた測定値の内、ΔP1 は堰が無い場
合の平均動圧ρV2 /2(但し、ρ:液体密度、V:平
均流速)を基準値とし、それぞれの測定条件で得られる
測定値の基準値に対する増分が基準値の0.5%以上で
ある場合を○、0.1%以上、0.5%未満である場合
を△、0.1%未満である場合を×として評価した。
【0027】図5は、ΔP1 に対する、堰底面傾斜角θ
(°)と堰の厚さt(mm)と堰と鋼板間の最短距離h
(mm)との比h/tの影響を示すグラフである。図5
からわかるように、ΔP1 が大きくなるのは、堰底面の
傾斜角θが50゜未満で、堰の設置位置がh/tで1.
6以下である関係を満たす場合である。
【0028】θは0°でも構わないが、ΔP1 が小さく
なりすぎると堰間に鋼板を保持するのが困難であるので
θは3°以上とするのが好ましい。
【0029】堰底面の傾斜角θは、好ましくは35゜以
下、h/tは好ましくは1.4以下、さらに好ましく
は、これらの値が(35h/t+1.6θ)≦1.6×
35の関係を満足する条件範囲がよい。
【0030】図6は、△P2 に対するθとh/tの影響
を示すグラフである。△P2 も同様に、最大の圧力変動
幅が上記基準値(平均動圧ρV2 /2)の0.1%以上
である場合を○、0.05%以上、0.1%未満である
場合を△、0.05%未満である場合を×と評価した。
△P2 に対しては、h/tが小さい方がよい。好ましく
は1.2以下、さらに好ましくは0.5以下がよい。h
/tは0.01以上とするのがよい。
【0031】hを過度に小さくすると通板中に鋼板が堰
と接触して鋼板に疵が生じる場合があるので、hは5m
m以上とするのがよい。さらに好ましくは10mm以上
とするのがよい。堰の厚さtは500mm以下であれば
良く、下限は20mm以上とするのがよい。
【0032】このような条件の堰を設けることにより、
付着物の鋼板との界面に対する洗浄液の浸透および溶解
した付着物の洗浄液中への拡散が促進され、洗浄効果が
改善される。
【0033】図2は、本発明に係わる堰底面にノズルを
設けた堰の例を示す断面図である。堰底面に設けるノズ
ルの形状は、円孔、楕円孔あるいは幅方向のスリット状
孔など公知の形状が適用できるが、ノズルの加工が容易
であるので円孔が好ましい。ノズル形状が円孔である場
合の幅方向でのノズルピッチは孔径の10〜20倍にす
るのがよい。洗浄液の噴射圧力は、鋼板に随伴する流れ
で形成される濃度境界層を破壊するために、鋼板速度を
基準とした動圧よりも大きい噴射圧力とするのがよい。
このため、洗浄液の噴射圧力は0.02MPa以上とす
るのがよい。さらに好ましくは0.1MPa以上であ
る。
【0034】本発明の方法は、熱間圧延鋼板、冷間圧延
鋼板、表面処理鋼板、線材等の鋼材に付着する酸化スケ
ール、油脂、鉄粉、ごみ等を除去するための各種の洗浄
工程に適用できる。
【0035】本発明の洗浄方法は、上述したように洗浄
液に浸漬された鋼材のパスライン両面に堰を設けて、こ
れにより生じる圧力変動を利用して洗浄効果を高めるこ
とにある。従って本発明の方法は、鋼材を洗浄液に浸漬
して連続走行させて洗浄する、例えば酸洗、アルカリ洗
浄、電解洗浄、温水洗浄等公知の洗浄方法に適用でき
る。
【0036】本発明の方法は、上述したような堰をパス
ライン両側に1組、または鋼材の通過方向に適度の間隔
で2組以上を連続して備えさせて洗浄することにより良
好な洗浄効果が得られる。本発明の方法は、堰のみの使
用に限定する必要はなく、堰に加えて公知の電解洗浄、
電解酸洗、超音波洗浄等との組み合わせや、ブラシン
グ、その他公知の機械的な洗浄促進手段と組み合わせて
洗浄しても一向に差し支えない。これら他の方法と組み
合わせて用いれば、洗浄作業がさらに効率的におこなえ
るという利点がある。
【0037】洗浄液の種類は洗浄目的に応じて、公知の
硫酸、塩酸、硝酸、フッ酸等の単一の酸溶液あるいはこ
れらの混酸溶液、水酸化ナトリウム、珪酸ナトリウム、
燐酸ナトリウム等のアルカリ溶液あるいは温水などから
適宜選択して用いればよい。その他の条件は特に限定す
るものではなく、公知の条件によればよい。例えば鋼板
の通板速度は20〜400m/分であればよい。鋼材浸
漬槽は横型、縦型など公知のものが使用できる。
【0038】
【実施例】(実施例1)図7は、熱間圧延鋼板を酸洗溶
液に浸漬して表面スケールを除去する連続酸洗設備の酸
洗槽6に、本発明に従って堰2a、2bを設けた状況を
概念的に示す断面図である。熱間圧延鋼板1は、酸洗槽
の入側ロール7を経て酸洗槽6の酸溶液9に浸漬され、
出側ロール8で曲げられて酸洗槽から搬出され、水洗、
中和等の装置(いずれも図示せず)に導かれる。入側ロ
ール7と出側ロール8の距離Lが32mであり、堰2
a、2bは、パスライン両側に入側ロール7から28
m、29mおよび30mの位置の3箇所に同じ寸法の堰
を配設した。堰の寸法は試験番号毎に種々変更した。酸
溶液は、8.5重量%の塩酸を含有し、温度が80℃の
塩酸溶液を使用した。
【0039】上記の設備を使用して、重量%でC:0.
5〜0.6%、Mn:0.8〜1.3%を含有する、厚
さ2.6mm、幅923〜1062mmの高炭素鋼熱間
圧延鋼板を種々の通板速度で酸溶液に浸漬して酸洗し
た。酸洗後の鋼板表面を目視観察し、表面の酸化スケー
ルが十分に除去できる上限の酸洗速度を測定し、堰を設
けない従来の方法での酸洗速度を基準にして、その向上
代を調査した。表1に得られた結果を示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1からわかるように、本発明の方法を用
いると、酸洗速度は、従来の横型浸漬酸洗法に比べ数m
〜数十m/分向上した。また、通板速度を高めても鋼板
が堰に接触せず、擦り傷等の表面欠陥は発生しなかっ
た。
【0042】(実施例2)堰底面の厚さ方向の中央部
に、直径が2.5mmの噴出孔を幅方向に30mm間隔
で設けた以外は実施例1で用いたのと同一寸法の堰を、
実施例1と同一場所に3組配設した。実施例1で使用し
たのと同様の熱間圧延鋼板を、鋼板走行中に、ノズルか
ら酸洗溶液を鋼板表面に向けて、圧力0.6〜4.0M
Pa、ノズル1個あたりの噴出量10〜25リットル/分の
条件で噴出した以外は、実施例1と同様の方法で連続浸
漬酸洗し、堰を使用しない従来法と比較した場合の酸洗
速度向上代を調査した。表2に得られた結果を示す。
【0043】
【表2】
【0044】表2からわかるように、本発明の方法を用
いると、酸洗速度は、従来の横型浸漬酸洗法に比べ数〜
数十m/分向上した。また、高速通板においても、鋼板
が堰に接触せず擦り傷が発生しなかった。
【0045】
【発明の効果】本発明の方法によれば、鋼材の酸洗や脱
脂洗浄を高速かつ確実におこなうことができる。本発明
の方法は従来の洗浄設備を活用して、安価な費用で容易
に改造することで実施できるうえ、実施するに際しても
消耗品を必要としないので極めて経済性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わる洗浄液中の鋼板1と堰
2a、2bとの位置関係の概念を示す断面図である。
【図2】本発明に係わる堰底面にノズルを設けた堰の例
を示す断面図である。
【図3】パスラインの上面について、洗浄液が鋼板1に
及ぼす圧力の鋼板走行方向に沿った変化を概念的に示す
グラフである。
【図4】本発明者が堰の形状が洗浄液の圧力変動に及ぼ
す影響を調査するために使用したモデルの寸法を示す断
面図である。
【図5】ΔP1 に対する、堰底面傾斜角θ(°)と堰の
厚さt(mm)と堰と鋼板間の最短距離h(mm)との
比h/tの影響を示すグラフである。
【図6】△P2 に対するθとh/tの影響を示すグラフ
である。
【図7】熱間圧延鋼板を酸洗溶液に浸漬して表面スケー
ルを除去する連続酸洗設備の酸洗槽に、本発明に従って
堰を設けた状況を概念的に示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・・鋼板、2aおよび2b・・・・堰、3、3a
および3b・・・・堰底面、4aおよび4b・・・・ノ
ズル、5aおよび5b・・・・洗浄液、6・・・・酸洗
槽、7・・・・入側ロール、8・・・・出側ロール、9
・・・・酸溶液、F・・・・随伴流、G・・・・下壁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B201 AA08 AB13 AB42 BB04 BB24 BB82 BB92 BB96 CB01 CC01 4K053 PA02 PA12 PA14 QA01 QA04 QA07 RA07 RA15 RA16 RA17 RA19 RA22 RA25 RA27 SA04 TA02 TA03 TA12 TA16 TA18 XA22 XA45 YA04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗浄液に浸漬して表面に付着した異物を
    除去する鋼材の洗浄方法であって、洗浄液中の鋼材パス
    ライン両側には、該パスラインとの距離が鋼材進行方向
    に漸減する傾斜面を備えた堰が相対して設けられてお
    り、鋼材は前記両側の堰の傾斜面間を通過して連続走行
    させられることを特徴とする鋼材の洗浄方法。
  2. 【請求項2】 上記傾斜面には洗浄液噴射用のノズルが
    設けられており、該ノズルから連続走行中の鋼材に洗浄
    液を噴射させることを特徴とする請求項1に記載の鋼材
    の洗浄方法。
JP11043659A 1999-02-22 1999-02-22 鋼材の洗浄方法 Withdrawn JP2000239871A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005133180A (ja) * 2003-10-31 2005-05-26 Sumitomo Metal Ind Ltd 熱処理用鋼板とその製造方法
JP2006294335A (ja) * 2005-04-07 2006-10-26 Honda Motor Co Ltd 燃料電池、燃料電池の製造方法、及び燃料電池用セパレータ
KR101058186B1 (ko) * 2008-06-19 2011-08-22 주식회사 에스에프에이 평면디스플레이용 면취기

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