JP2000229341A - 射出成形機用逆止弁 - Google Patents
射出成形機用逆止弁Info
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C45/00—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
- B29C45/17—Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
- B29C45/46—Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould
- B29C45/47—Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould using screws
- B29C45/50—Axially movable screw
- B29C45/52—Non-return devices
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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- B29C2045/526—Abrasion resistant means in the screw head or non-return device
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐摩耗性材料を可及的に少なくしながら、か
つ耐食性、耐摩耗性、強度ともに最大限に強化でき、し
かも低コストの射出成形機用逆止弁を提供する。 【解決手段】 スクリュヘッド3とスクリュー軸部4の
間でスクリュ軸方向に移動可能に配設される射出成形機
用逆止弁2であって、スクリュヘッド3に接触する接触
面を形成しサーメット材からなる硬質層6と、鋼材を材
料とする基材5とを接合してなる逆止弁本体を有し、逆
止弁本体の長さに対して前記硬質層6の長さの割合を1
0〜20%とする。
つ耐食性、耐摩耗性、強度ともに最大限に強化でき、し
かも低コストの射出成形機用逆止弁を提供する。 【解決手段】 スクリュヘッド3とスクリュー軸部4の
間でスクリュ軸方向に移動可能に配設される射出成形機
用逆止弁2であって、スクリュヘッド3に接触する接触
面を形成しサーメット材からなる硬質層6と、鋼材を材
料とする基材5とを接合してなる逆止弁本体を有し、逆
止弁本体の長さに対して前記硬質層6の長さの割合を1
0〜20%とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形機のスク
リュヘッドとスクリュ軸部との間に設けられ、溶融樹脂
の逆流を防止する逆止弁に係り、特に、耐摩耗性、耐食
性および強度に優れた射出成形機用逆止弁に関する。
リュヘッドとスクリュ軸部との間に設けられ、溶融樹脂
の逆流を防止する逆止弁に係り、特に、耐摩耗性、耐食
性および強度に優れた射出成形機用逆止弁に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形機の射出装置のスクリュ、逆止
弁などの構成部品は、高温、高圧の溶融樹脂に常に接触
するため、腐食や摩耗に対する対策が重要となる。殊
に、近年はエンジニアリングプラスチック〔以下、エン
プラという〕の使用拡大に伴い、エンプラの性能向上を
目的として樹脂に添加される難燃材や無機フィラーに起
因する腐食と摩耗が大きな問題となっている。また、エ
ンプラ製品の軽量化をねらいとした薄肉化のために成形
圧力がより高圧となり、構成部品には大きな強度が要求
されるようになってきている。
弁などの構成部品は、高温、高圧の溶融樹脂に常に接触
するため、腐食や摩耗に対する対策が重要となる。殊
に、近年はエンジニアリングプラスチック〔以下、エン
プラという〕の使用拡大に伴い、エンプラの性能向上を
目的として樹脂に添加される難燃材や無機フィラーに起
因する腐食と摩耗が大きな問題となっている。また、エ
ンプラ製品の軽量化をねらいとした薄肉化のために成形
圧力がより高圧となり、構成部品には大きな強度が要求
されるようになってきている。
【0003】従来、射出成形機で用いられる部品の耐食
性、耐摩耗性を向上させるために提案された従来技術と
して、スクリューヘッド、逆止弁、スペーサの材質を耐
食性、耐摩耗性に優れたセラミックス製としたもの〔特
開昭64−24718号公報〕や、耐摩耗性の必要な部
分にセラミックスを使用したもの〔特開昭62−130
818号公報〕がある。
性、耐摩耗性を向上させるために提案された従来技術と
して、スクリューヘッド、逆止弁、スペーサの材質を耐
食性、耐摩耗性に優れたセラミックス製としたもの〔特
開昭64−24718号公報〕や、耐摩耗性の必要な部
分にセラミックスを使用したもの〔特開昭62−130
818号公報〕がある。
【0004】しかし、セラミックスは、耐食性および耐
摩耗性に優れているものの、靱性が劣る欠点があるた
め、耐摩耗性、強度をともに向上させるために、逆止弁
の耐摩耗性を必要とする側の表面に逆止弁長さの1/4
〜1/2の範囲に硬質物を10〜50重量%添加した耐
摩耗性材料層を設け、耐摩耗性および強度ともに優れた
逆止弁が提案されている〔特開平9−155938号公
報〕。
摩耗性に優れているものの、靱性が劣る欠点があるた
め、耐摩耗性、強度をともに向上させるために、逆止弁
の耐摩耗性を必要とする側の表面に逆止弁長さの1/4
〜1/2の範囲に硬質物を10〜50重量%添加した耐
摩耗性材料層を設け、耐摩耗性および強度ともに優れた
逆止弁が提案されている〔特開平9−155938号公
報〕。
【0005】図8は、前記特開平9−155938号公
報に開示された逆止弁を示す。図において、1はスクリ
ュ、10はスクリュ1の先端部に着脱自在に取り付けら
れるスクリュヘッド、20は、スクリュヘッド10によ
りスクリュ1の先端部に取り付けられている押金であ
る。逆止弁は、摩擦リング30と逆流防止リング40と
から構成されている。摩擦リング30は、軸方向の長さ
に対して、逆流防止リング40に接する側から1/4〜
1/2の長さdが耐摩耗材層で残りの部分が強度材料層
の2層構造となるように焼結法により形成されている。
報に開示された逆止弁を示す。図において、1はスクリ
ュ、10はスクリュ1の先端部に着脱自在に取り付けら
れるスクリュヘッド、20は、スクリュヘッド10によ
りスクリュ1の先端部に取り付けられている押金であ
る。逆止弁は、摩擦リング30と逆流防止リング40と
から構成されている。摩擦リング30は、軸方向の長さ
に対して、逆流防止リング40に接する側から1/4〜
1/2の長さdが耐摩耗材層で残りの部分が強度材料層
の2層構造となるように焼結法により形成されている。
【0006】同様に、逆流防止リング40についても、
軸方向の長さに対して、摩擦リング30に接する側から
1/4〜1/2の長さd’が耐摩耗材層で残りの部分が
強度材料層の2層構造となるように焼結法により形成さ
れている。
軸方向の長さに対して、摩擦リング30に接する側から
1/4〜1/2の長さd’が耐摩耗材層で残りの部分が
強度材料層の2層構造となるように焼結法により形成さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8の
従来の逆止弁は、高圧下でも強度をもち、耐摩耗性もす
ぐれているが、逆止弁長さの1/4以上の耐摩耗性材料
層を必要とし、多くの耐摩耗性材料を必要とするため、
コスト高を招来する欠点がある。
従来の逆止弁は、高圧下でも強度をもち、耐摩耗性もす
ぐれているが、逆止弁長さの1/4以上の耐摩耗性材料
層を必要とし、多くの耐摩耗性材料を必要とするため、
コスト高を招来する欠点がある。
【0008】そこで、本発明の目的は、前記従来技術の
有する問題点を解消し、耐摩耗性材料を可及的に少なく
しながら、かつ耐食性、耐摩耗性、強度ともに最大限に
強化でき、しかも低コストの射出成形機用逆止弁を提供
することにある。
有する問題点を解消し、耐摩耗性材料を可及的に少なく
しながら、かつ耐食性、耐摩耗性、強度ともに最大限に
強化でき、しかも低コストの射出成形機用逆止弁を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、請求項1に係る発明は、スクリュヘッドとスクリ
ュー軸部の間でスクリュ軸方向に移動可能に配設される
射出成形機用逆止弁において、前記スクリュヘッドに接
触する接触面を形成しサーメット材からなる硬質層と、
鋼材を材料とする基材とを接合してなる逆止弁本体を有
し、前記逆止弁本体の長さに対して前記硬質層の長さの
割合が10〜20%であることを特徴とするものであ
る。
めに、請求項1に係る発明は、スクリュヘッドとスクリ
ュー軸部の間でスクリュ軸方向に移動可能に配設される
射出成形機用逆止弁において、前記スクリュヘッドに接
触する接触面を形成しサーメット材からなる硬質層と、
鋼材を材料とする基材とを接合してなる逆止弁本体を有
し、前記逆止弁本体の長さに対して前記硬質層の長さの
割合が10〜20%であることを特徴とするものであ
る。
【0010】このように請求項1に係る発明では、逆止
弁本体の長さに対して硬質層の長さの割合を10〜20
%にしているが、その根拠は次のようなものである。
弁本体の長さに対して硬質層の長さの割合を10〜20
%にしているが、その根拠は次のようなものである。
【0011】破損に対する逆止弁の強度は、硬質層の形
状及び縦弾性係数に大きく関係する。これは、逆止弁の
耐摩耗性の必要な部分に硬質層を形成すると、硬質層の
形状によって、基材と硬質層との境界に発生する応力の
大きさが異なるためと考えられる。
状及び縦弾性係数に大きく関係する。これは、逆止弁の
耐摩耗性の必要な部分に硬質層を形成すると、硬質層の
形状によって、基材と硬質層との境界に発生する応力の
大きさが異なるためと考えられる。
【0012】そこで、本発明者は、逆止弁における最適
な硬質層の長さを求めるために、図2に示す解析モデル
を用いて、コンピュータにより構造解析を行った。その
構造解析にあたっては、解析モデルは逆止弁の縦断面形
状である長方形状とし、軸対称要素を使用した。図2に
おいて、Dは逆止弁の外径、Lは逆止弁の長さ、tは逆
止弁の肉厚である。硬質層の長さはlで示す。構造解析
にあたっては、境界条件として射出時に作用するのと同
等の荷重および拘束を与え、硬質層長さlを幾通りにも
変化させて最大主応力を計算した。
な硬質層の長さを求めるために、図2に示す解析モデル
を用いて、コンピュータにより構造解析を行った。その
構造解析にあたっては、解析モデルは逆止弁の縦断面形
状である長方形状とし、軸対称要素を使用した。図2に
おいて、Dは逆止弁の外径、Lは逆止弁の長さ、tは逆
止弁の肉厚である。硬質層の長さはlで示す。構造解析
にあたっては、境界条件として射出時に作用するのと同
等の荷重および拘束を与え、硬質層長さlを幾通りにも
変化させて最大主応力を計算した。
【0013】図3は、構造解析の結果をグラフにしたも
のである。本解析では、硬質層を形成するサーメットの
縦弾性係数の値を30000〜55000kgf/mm2の範
囲で5通りに変え、基材とする鋼材の縦弾性係数は21
000kgf/mm2付近の値を用いている。図3において、
縦軸では、最大主応力を逆止弁をサーメット単体で製作
したとした場合に射出時に生じる最大主応力に対する比
として表わされている。また、横軸は、逆止弁長さLに
対する硬質層長さlの比を表わしている。
のである。本解析では、硬質層を形成するサーメットの
縦弾性係数の値を30000〜55000kgf/mm2の範
囲で5通りに変え、基材とする鋼材の縦弾性係数は21
000kgf/mm2付近の値を用いている。図3において、
縦軸では、最大主応力を逆止弁をサーメット単体で製作
したとした場合に射出時に生じる最大主応力に対する比
として表わされている。また、横軸は、逆止弁長さLに
対する硬質層長さlの比を表わしている。
【0014】まず、図3からわかることは、基材には鋼
材を、硬質層にはサーメットというように異なる2種類
の材料を複合化すると、生じる最大主応力は単体材料の
場合よりも増加する傾向となることである。また、構造
解析によれば、その最大主応力の発生箇所は、硬質層接
合面の内側となった。したがって、基材に硬質層を設け
ると、耐摩耗性は向上しても最大主応力が増加しすぎる
と、硬質層との接合部分から破損し易い状況になること
がわかる。
材を、硬質層にはサーメットというように異なる2種類
の材料を複合化すると、生じる最大主応力は単体材料の
場合よりも増加する傾向となることである。また、構造
解析によれば、その最大主応力の発生箇所は、硬質層接
合面の内側となった。したがって、基材に硬質層を設け
ると、耐摩耗性は向上しても最大主応力が増加しすぎる
と、硬質層との接合部分から破損し易い状況になること
がわかる。
【0015】そこで、最大主応力の大きさが他の縦弾性
係数の場合と比べてそれほど大きくない、例えば、中位
にある硬質サーメットの縦弾性係数43000kgf/mm2
の場合についてみると、硬質層長さが83.5%で最大
主応力は最少の141%を示す。これは、硬質層の長さ
を逆止弁の長さの83.5%にすれば発生しうる最大主
応力は最少になるので、破損しにくくなることを意味し
ている。しかしながら、硬質層の材料のサーメットは、
高価な材料であるから、材料コストを押さえつつ効果を
うるためには、できるだけ硬質層の長さは短いほうがよ
い。その一方で、図3からはっきりとみてとれるよう
に、硬質層長さが10%以下の場合には、いずれの縦弾
性係数のサーメットでも、生じる最大主応力の値は増加
する傾向があり、破損し易い傾向になる。他方、硬質層
長さが20%を越えると、最大主応力は増加する傾向を
示す。たがって、縦弾性係数43000kgf/mm2の場
合、最大主応力が比較的小さく、硬質層長さが長くなら
ない最適な範囲は12.5〜20%である。
係数の場合と比べてそれほど大きくない、例えば、中位
にある硬質サーメットの縦弾性係数43000kgf/mm2
の場合についてみると、硬質層長さが83.5%で最大
主応力は最少の141%を示す。これは、硬質層の長さ
を逆止弁の長さの83.5%にすれば発生しうる最大主
応力は最少になるので、破損しにくくなることを意味し
ている。しかしながら、硬質層の材料のサーメットは、
高価な材料であるから、材料コストを押さえつつ効果を
うるためには、できるだけ硬質層の長さは短いほうがよ
い。その一方で、図3からはっきりとみてとれるよう
に、硬質層長さが10%以下の場合には、いずれの縦弾
性係数のサーメットでも、生じる最大主応力の値は増加
する傾向があり、破損し易い傾向になる。他方、硬質層
長さが20%を越えると、最大主応力は増加する傾向を
示す。たがって、縦弾性係数43000kgf/mm2の場
合、最大主応力が比較的小さく、硬質層長さが長くなら
ない最適な範囲は12.5〜20%である。
【0016】他の縦弾性係数の場合も同様であって、縦
弾性係数30000kgf/mm2の場合は、最適な硬質層長
さは12.8〜25%、縦弾性係数40000kgf/mm2
の場合は、最適な硬質層長さは12.8〜20.0%、
縦弾性係数55000kgf/mm2の場合は、最適な硬質層
長さは10.0〜18.0%である。したがって、全体
として、材料コスト高にならずに硬質層の破損を防止す
る効果を得られる硬質層長さの最適な範囲は10〜2
0.0%である。
弾性係数30000kgf/mm2の場合は、最適な硬質層長
さは12.8〜25%、縦弾性係数40000kgf/mm2
の場合は、最適な硬質層長さは12.8〜20.0%、
縦弾性係数55000kgf/mm2の場合は、最適な硬質層
長さは10.0〜18.0%である。したがって、全体
として、材料コスト高にならずに硬質層の破損を防止す
る効果を得られる硬質層長さの最適な範囲は10〜2
0.0%である。
【0017】次に、請求項2に係る発明は、スクリュヘ
ッドとスクリュー軸部の間でスクリュ軸方向に移動可能
に配設される射出成形機用逆止弁において、前記スクリ
ュヘッドに接触する接触面を形成し、Ni−B−Si−
W−WC合金〔B:0.5〜0.9重量%、Si:2.
52〜3.96重量%、W:20〜35重量%、WC:
24.2〜41.0重量%、Ni:残部〕からなる硬質
層と、鋼材を材料とする基材とを接合してなる逆止弁本
体を有し、前記逆止弁本体の長さに対して前記硬質層の
長さの割合が12.5〜20%であることを特徴とする
ものである。
ッドとスクリュー軸部の間でスクリュ軸方向に移動可能
に配設される射出成形機用逆止弁において、前記スクリ
ュヘッドに接触する接触面を形成し、Ni−B−Si−
W−WC合金〔B:0.5〜0.9重量%、Si:2.
52〜3.96重量%、W:20〜35重量%、WC:
24.2〜41.0重量%、Ni:残部〕からなる硬質
層と、鋼材を材料とする基材とを接合してなる逆止弁本
体を有し、前記逆止弁本体の長さに対して前記硬質層の
長さの割合が12.5〜20%であることを特徴とする
ものである。
【0018】この発明のように、硬質層に用いるサーメ
ットには、Ni−B−Si−W−WC合金〔B:0.5
〜0.9重量%、Si:2.52〜3.96重量%、
W:20〜35重量%、WC:24.2〜41.0重量
%、Ni:残部〕が優れている。
ットには、Ni−B−Si−W−WC合金〔B:0.5
〜0.9重量%、Si:2.52〜3.96重量%、
W:20〜35重量%、WC:24.2〜41.0重量
%、Ni:残部〕が優れている。
【0019】この硬質層に最適なサーメット材料の成分
限定根拠は次のとおりである。Wは、高温焼結時にB、
Niと反応して複ホウ化物NiW2B2を合金中に形成
し、合金の抗析力と硬度を高めるのに寄与する。この複
ホウ化物NiW2B2の生成量の増加に伴って、硬度およ
び耐摩耗性の向上がもたらされる。Wの含有量が20重
量%以上からは耐食性の向上にも効果を表わす。他方、
Wの含有量が35重量%を越えると抗析力が急激に低下
する。これは残量のNi量が減少することにより、Ni
W2B2粒子を結合する合金中の結合相が不足し、合金中
に微小空孔が形成されるためと考えられる。
限定根拠は次のとおりである。Wは、高温焼結時にB、
Niと反応して複ホウ化物NiW2B2を合金中に形成
し、合金の抗析力と硬度を高めるのに寄与する。この複
ホウ化物NiW2B2の生成量の増加に伴って、硬度およ
び耐摩耗性の向上がもたらされる。Wの含有量が20重
量%以上からは耐食性の向上にも効果を表わす。他方、
Wの含有量が35重量%を越えると抗析力が急激に低下
する。これは残量のNi量が減少することにより、Ni
W2B2粒子を結合する合金中の結合相が不足し、合金中
に微小空孔が形成されるためと考えられる。
【0020】Bは、W、Niと複ホウ化物NiW2B2を
形成する元素である。B添加量が0.5重量%以下では
複ホウ化物NiW2B2の形成が少なくなるため十分な硬
度が得られない。B添加量が大きくなるに伴い合金の硬
度が増加するが、0.9重量%を越えると抗析力が急激
に低下するようになり硬度との抗析力のバランスがくず
れる。
形成する元素である。B添加量が0.5重量%以下では
複ホウ化物NiW2B2の形成が少なくなるため十分な硬
度が得られない。B添加量が大きくなるに伴い合金の硬
度が増加するが、0.9重量%を越えると抗析力が急激
に低下するようになり硬度との抗析力のバランスがくず
れる。
【0021】Siは、合金の結合相であるNi相中に固
溶して合金を固溶強化する。Si量が少ないとその効果
は現れない。他方、NiへのSiの固溶限度は決まって
いるので、Si量が多いと結合相中に脆いNi−Si化
合物を形成し、強度が低下する。合金を固溶強化する効
果が得られるSi量の範囲は、2.52〜3.96であ
った。
溶して合金を固溶強化する。Si量が少ないとその効果
は現れない。他方、NiへのSiの固溶限度は決まって
いるので、Si量が多いと結合相中に脆いNi−Si化
合物を形成し、強度が低下する。合金を固溶強化する効
果が得られるSi量の範囲は、2.52〜3.96であ
った。
【0022】請求項3に係る発明は、スクリュヘッドと
スクリュー軸部の間でスクリュ軸方向に移動可能に配設
される射出成形機用逆止弁において、前記スクリュヘッ
ドに接触する接触面を形成し、Ni−B−Si−Mo−
WC合金〔B:1.0〜3.0重量%、Si:2〜5重
量%、Mo:10〜20重量%、WC:24.2〜4
1.0重量%、Ni:残部〕からなる硬質層と、鋼材を
材料とする基材とを接合してなる逆止弁本体を有し、前
記逆止弁本体の長さに対して前記硬質層の長さの割合が
12.5〜25重量%であることを特徴とするものであ
る。
スクリュー軸部の間でスクリュ軸方向に移動可能に配設
される射出成形機用逆止弁において、前記スクリュヘッ
ドに接触する接触面を形成し、Ni−B−Si−Mo−
WC合金〔B:1.0〜3.0重量%、Si:2〜5重
量%、Mo:10〜20重量%、WC:24.2〜4
1.0重量%、Ni:残部〕からなる硬質層と、鋼材を
材料とする基材とを接合してなる逆止弁本体を有し、前
記逆止弁本体の長さに対して前記硬質層の長さの割合が
12.5〜25重量%であることを特徴とするものであ
る。
【0023】この発明のように、硬質層に用いるサーメ
ットには、Ni−B−Si−Mo−WC合金〔B:1.
0〜3.0重量%、Si:2〜5重量%、Mo:10〜
20重量%、WC:24.2〜41.0重量%、Ni:
残部〕が優れている。
ットには、Ni−B−Si−Mo−WC合金〔B:1.
0〜3.0重量%、Si:2〜5重量%、Mo:10〜
20重量%、WC:24.2〜41.0重量%、Ni:
残部〕が優れている。
【0024】このサーメット合金の成分限定根拠は次の
とおりである。Bは、Ni、Moと反応して、Ni
2B,Ni3B,MoB,Mo2NiB2などのホウ化物を
生成する。これらのホウ化物は合金の耐摩耗性と抗析力
を強化するが、B含有量が少ないとホウ化物の生成量が
少なくなるため十分な硬度が得られるず、多すぎると抗
析力を低下させるので、この好ましい範囲は、1.0〜
3.0重量%である。
とおりである。Bは、Ni、Moと反応して、Ni
2B,Ni3B,MoB,Mo2NiB2などのホウ化物を
生成する。これらのホウ化物は合金の耐摩耗性と抗析力
を強化するが、B含有量が少ないとホウ化物の生成量が
少なくなるため十分な硬度が得られるず、多すぎると抗
析力を低下させるので、この好ましい範囲は、1.0〜
3.0重量%である。
【0025】Siは、Bとともに合金の焼結温度を低下
させ、基材の鋼材と焼結接合する際に鋼材を劣化させる
ことなく両者を冶金的に結合させるのに効果がある。そ
の効果は、2重量%以上から現れるが、5重量%を越え
ると合金の緻密化が妨げられ急激に強度低下を来すの
で、上限は5重量%とする。
させ、基材の鋼材と焼結接合する際に鋼材を劣化させる
ことなく両者を冶金的に結合させるのに効果がある。そ
の効果は、2重量%以上から現れるが、5重量%を越え
ると合金の緻密化が妨げられ急激に強度低下を来すの
で、上限は5重量%とする。
【0026】Moは、MoB,Mo2NiB2を生成し、
合金の耐摩耗性を高め、Niを主とする結合相の耐食性
を改善する。また合金の結晶粒を微細化し抗析力を高め
る。Moの含有量が10重量%から上記の効果が顕著と
なるが、20重量%を越えると抗析力を低下させ焼結温
度を高めるので好ましくない。
合金の耐摩耗性を高め、Niを主とする結合相の耐食性
を改善する。また合金の結晶粒を微細化し抗析力を高め
る。Moの含有量が10重量%から上記の効果が顕著と
なるが、20重量%を越えると抗析力を低下させ焼結温
度を高めるので好ましくない。
【0027】WCは、合金中に微細に分散し、合金の耐
摩耗性、抗析力を高める。WCの含有量が25重量%か
らその効果が顕著となるが、35重量%を越えると、合
金中に微小空孔が多数発生して焼結不良となり、抗析力
を低下させる。
摩耗性、抗析力を高める。WCの含有量が25重量%か
らその効果が顕著となるが、35重量%を越えると、合
金中に微小空孔が多数発生して焼結不良となり、抗析力
を低下させる。
【0028】また、請求項4に係る発明は、上記いずれ
かの逆止弁において、前記逆止弁本体の肉厚に対して硬
質層の長さの割合が60〜90%であることを特徴とす
るものである。
かの逆止弁において、前記逆止弁本体の肉厚に対して硬
質層の長さの割合が60〜90%であることを特徴とす
るものである。
【0029】この発明は、逆止弁本体の長さに対する硬
質層の長さに加えて、肉厚に対する硬質の長さの最適範
囲を求めたものである。ここで、図4は、逆止弁の肉厚
tに対する硬質層長さlを変化させた場合の最大主応力
の解析結果を示すグラフである。サーメットの縦弾性係
数が43000kgf/mm2の場合で、硬質層長さl/逆止
弁長さLが16%、逆止弁外径Dの寸法を一定のものを
解析モデルとして構造解析を行ったものである。この図
4では、横軸には、逆止弁の肉厚tに対する硬質層長さ
lの比をとっている。また、縦軸では、硬質層長さl/
逆止弁長さL=16%のサーメットの縦弾性係数430
00kgf/mm2の複合逆止弁において図3の構造解析で得
た最大主応力を1として、これに対する比で最大主応力
を表わしている。
質層の長さに加えて、肉厚に対する硬質の長さの最適範
囲を求めたものである。ここで、図4は、逆止弁の肉厚
tに対する硬質層長さlを変化させた場合の最大主応力
の解析結果を示すグラフである。サーメットの縦弾性係
数が43000kgf/mm2の場合で、硬質層長さl/逆止
弁長さLが16%、逆止弁外径Dの寸法を一定のものを
解析モデルとして構造解析を行ったものである。この図
4では、横軸には、逆止弁の肉厚tに対する硬質層長さ
lの比をとっている。また、縦軸では、硬質層長さl/
逆止弁長さL=16%のサーメットの縦弾性係数430
00kgf/mm2の複合逆止弁において図3の構造解析で得
た最大主応力を1として、これに対する比で最大主応力
を表わしている。
【0030】この図4に示すように、逆止弁肉厚tを変
化させて最大主応力との関係を調べた解析結果からは、
逆止弁肉厚tを増加させると最大主応力の値を低減でき
ることがわかった。また、逆止弁肉厚tの増加は、成形
性という観点からは、硬質層成形体のL/D〔成形体高
さ/成形体外径〕が小さくなる結果、成形性が良好にな
る。その反面で、サーメット材料粉末の充填量が増加す
るため製造コストが増加する。したがって、良好な成形
性と粉末充填量の増加との調和する好適な逆止弁肉厚t
に対する硬質層長さの範囲は、60〜90%であると判
断できる。
化させて最大主応力との関係を調べた解析結果からは、
逆止弁肉厚tを増加させると最大主応力の値を低減でき
ることがわかった。また、逆止弁肉厚tの増加は、成形
性という観点からは、硬質層成形体のL/D〔成形体高
さ/成形体外径〕が小さくなる結果、成形性が良好にな
る。その反面で、サーメット材料粉末の充填量が増加す
るため製造コストが増加する。したがって、良好な成形
性と粉末充填量の増加との調和する好適な逆止弁肉厚t
に対する硬質層長さの範囲は、60〜90%であると判
断できる。
【0031】さらに、請求項5に係る発明は、前記逆止
弁本体の外径に対して前記硬質層の長さの割合が11.
3%以上であることを特徴とするものである。
弁本体の外径に対して前記硬質層の長さの割合が11.
3%以上であることを特徴とするものである。
【0032】この発明は、逆止弁本体の長さに対する硬
質層の長さに加えて、逆止弁本体の外径に対する硬質の
長さの最適範囲を求めたものである。ここで、図5は、
逆止弁外径Dに対する硬質層長さlを変化させた場合の
最大主応力の解析結果を示すグラフである。この場合と
同様に、サーメットの縦弾性係数が43000kgf/mm2
の場合で、硬質層長さl/逆止弁長さLが16%で、か
つ、図4における硬質層長さl/逆止弁肉厚t=65.
2%、逆止弁内径の寸法を一定のものを解析モデルとし
て構造解析を行ったものである。この図5では、横軸に
は、逆止弁内径に対する硬質層長さlの比をとってい
る。また、縦軸では、硬質層長さl/逆止弁肉厚t=6
5.2%の複合逆止弁において図4の構造解析で得た最
大主応力を1として、これに対する比で最大主応力を表
わしている。
質層の長さに加えて、逆止弁本体の外径に対する硬質の
長さの最適範囲を求めたものである。ここで、図5は、
逆止弁外径Dに対する硬質層長さlを変化させた場合の
最大主応力の解析結果を示すグラフである。この場合と
同様に、サーメットの縦弾性係数が43000kgf/mm2
の場合で、硬質層長さl/逆止弁長さLが16%で、か
つ、図4における硬質層長さl/逆止弁肉厚t=65.
2%、逆止弁内径の寸法を一定のものを解析モデルとし
て構造解析を行ったものである。この図5では、横軸に
は、逆止弁内径に対する硬質層長さlの比をとってい
る。また、縦軸では、硬質層長さl/逆止弁肉厚t=6
5.2%の複合逆止弁において図4の構造解析で得た最
大主応力を1として、これに対する比で最大主応力を表
わしている。
【0033】この図5に示すように、逆止弁外径Dを変
化させて最大主応力との関係を調べた解析結果からは、
逆止弁外径Dを減少させると最大主応力の値を低減でき
ることがわかった。しかも、硬質層成形体の成形という
観点からは、逆止弁外径Dの減少に伴いサーメット材料
粉末の粉末充填量は減少するので、コストの低減に直結
する。したがって、逆止弁外径Dに対する硬質層長さl
の好適な範囲は、最大主応力の低減効果がみられる1
1.3%以上であると判断できる。
化させて最大主応力との関係を調べた解析結果からは、
逆止弁外径Dを減少させると最大主応力の値を低減でき
ることがわかった。しかも、硬質層成形体の成形という
観点からは、逆止弁外径Dの減少に伴いサーメット材料
粉末の粉末充填量は減少するので、コストの低減に直結
する。したがって、逆止弁外径Dに対する硬質層長さl
の好適な範囲は、最大主応力の低減効果がみられる1
1.3%以上であると判断できる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明による射出成形機用
逆止弁の一実施形態について、添付の図面を参照しなが
ら説明する。図1は、本発明の一実施形態による射出成
形機用逆止弁を示す断面図である。2は、逆止弁を示
す。この逆止弁2は、スクリュの先端部であるスクリュ
ヘッド3と、スクリュ軸部4において、スクリュ軸方向
に移動可能に配置されるものである。逆止弁2は、溶融
樹脂の計量時には、図1に示すように溶融した樹脂の圧
力によって前方に押されて、回転するスクリュヘッド3
に接触する。逆止弁2の本体は、鋼材を材料とする基材
5と、サーメットを材料とする硬質層6とからなり、硬
質層6は、スクリュヘッド3と接触する側の面を形成す
るようになっている。
逆止弁の一実施形態について、添付の図面を参照しなが
ら説明する。図1は、本発明の一実施形態による射出成
形機用逆止弁を示す断面図である。2は、逆止弁を示
す。この逆止弁2は、スクリュの先端部であるスクリュ
ヘッド3と、スクリュ軸部4において、スクリュ軸方向
に移動可能に配置されるものである。逆止弁2は、溶融
樹脂の計量時には、図1に示すように溶融した樹脂の圧
力によって前方に押されて、回転するスクリュヘッド3
に接触する。逆止弁2の本体は、鋼材を材料とする基材
5と、サーメットを材料とする硬質層6とからなり、硬
質層6は、スクリュヘッド3と接触する側の面を形成す
るようになっている。
【0035】逆止弁2の本体長さLに対する硬質層の長
さlの割合は、10〜20%であり、これにより、耐摩
耗性のみならず、射出時の高い樹脂圧力に耐え、破損し
ないように十分な強度が確保されるようになっている。
さlの割合は、10〜20%であり、これにより、耐摩
耗性のみならず、射出時の高い樹脂圧力に耐え、破損し
ないように十分な強度が確保されるようになっている。
【0036】図6は、硬質層6の成形方法を示す図であ
る。成形は、金型7、コアロッド8、上パンチ9a、下
パンチ9bを用いた1軸加圧成形法〔プレス成形法〕に
て行う。金型7の寸法は、硬質層成形体11の焼結時に
生じる収縮量および仕上げ加工時の研削代を考慮して決
定される。
る。成形は、金型7、コアロッド8、上パンチ9a、下
パンチ9bを用いた1軸加圧成形法〔プレス成形法〕に
て行う。金型7の寸法は、硬質層成形体11の焼結時に
生じる収縮量および仕上げ加工時の研削代を考慮して決
定される。
【0037】まず、金型7とコアロッド8および下パン
チ9bによって形成される空間にサーメット粉末を充填
する。そして、金型7の上部から上パンチ9aを挿入し
て、上下パンチ9a、9bによって約65MPaで加圧
し、硬質層成形体11を成形する。その後、金型7から
硬質層成形体11を取り出し、真空炉で4〜7Paの圧
力中で、1170℃で焼結させる。焼結後、基材5との
接合面となる部分を研削する。
チ9bによって形成される空間にサーメット粉末を充填
する。そして、金型7の上部から上パンチ9aを挿入し
て、上下パンチ9a、9bによって約65MPaで加圧
し、硬質層成形体11を成形する。その後、金型7から
硬質層成形体11を取り出し、真空炉で4〜7Paの圧
力中で、1170℃で焼結させる。焼結後、基材5との
接合面となる部分を研削する。
【0038】次いで、図7に示すように、焼成して得ら
れた硬質層6と基材5との間には、ろう材12〔好まし
くは、BNi−2〕を挟み込み、真空炉に入れて焼入れ
を行う。その後、炉内において、急冷してから、基材5
に靱性を持たせるために、焼き戻し処理を行う。最終的
に外径、内径および両端面を所定の寸法に研削加工して
逆止弁2を製作する。
れた硬質層6と基材5との間には、ろう材12〔好まし
くは、BNi−2〕を挟み込み、真空炉に入れて焼入れ
を行う。その後、炉内において、急冷してから、基材5
に靱性を持たせるために、焼き戻し処理を行う。最終的
に外径、内径および両端面を所定の寸法に研削加工して
逆止弁2を製作する。
【0039】なお、接合、焼入れ後に仕上げ加工を行っ
た後、さらに窒化処理を行うことで、硬質層6を形成す
るサーメットの性能を劣化させることなく、基材5の硬
度をHV1100〔HRC70〕程度まで上げることが
可能である。
た後、さらに窒化処理を行うことで、硬質層6を形成す
るサーメットの性能を劣化させることなく、基材5の硬
度をHV1100〔HRC70〕程度まで上げることが
可能である。
【0040】
【実施例】次に、本発明による射出成形機用逆止弁の実
施例を挙げて説明する。サーメットの材料としてNi−
B−Si−W−WC合金の粉末を前記した組成に配合
し、回転ボールミルにより混合粉砕し、その後乾燥させ
て合金粉末を作成した。また、基材5には、SKD61
を用いた。そして、上記したプレス成形工程、焼結工
程、接合工程、1070℃で30分間の焼入れ、600
℃で180分間の焼き戻し工程、仕上げ工程を経て最終
的に、硬質層長さ9mm、硬質層肉厚13.0mm、外
径79.9mmの逆止弁を製作した。
施例を挙げて説明する。サーメットの材料としてNi−
B−Si−W−WC合金の粉末を前記した組成に配合
し、回転ボールミルにより混合粉砕し、その後乾燥させ
て合金粉末を作成した。また、基材5には、SKD61
を用いた。そして、上記したプレス成形工程、焼結工
程、接合工程、1070℃で30分間の焼入れ、600
℃で180分間の焼き戻し工程、仕上げ工程を経て最終
的に、硬質層長さ9mm、硬質層肉厚13.0mm、外
径79.9mmの逆止弁を製作した。
【0041】こうして製作した逆止弁において、硬度は
硬質層においてHRC65、基材においてHRC48で
あった。表1には、硬質層の特性について行った各種試
験の結果を示す。
硬質層においてHRC65、基材においてHRC48で
あった。表1には、硬質層の特性について行った各種試
験の結果を示す。
【0042】
【表1】 ここで、耐腐食試験は、20容量%HCl溶液に浸漬
し、5時間経過後の腐食減量を測定した。耐摩耗性試験
は、大越式迅速摩耗試験機を使用し、以下の試験条件に
より比摩耗量を測定した。 摩擦速度 2.0m/sec 摩擦距離 600m 最終荷重 18.6kgf 相手材 SKD11(HRC58) 製作した逆止弁を射出成形機に組み込み運転を行ったと
ころ、従来のスクリュ材料であるSKD61製のものに
比べて、スクリュヘッドと接触する硬質層の端面の摩耗
量が1/5に減少し、また、割れなどの破損も生じなか
った。製作コストは、従来品の75%ほどで製作するこ
とができた。
し、5時間経過後の腐食減量を測定した。耐摩耗性試験
は、大越式迅速摩耗試験機を使用し、以下の試験条件に
より比摩耗量を測定した。 摩擦速度 2.0m/sec 摩擦距離 600m 最終荷重 18.6kgf 相手材 SKD11(HRC58) 製作した逆止弁を射出成形機に組み込み運転を行ったと
ころ、従来のスクリュ材料であるSKD61製のものに
比べて、スクリュヘッドと接触する硬質層の端面の摩耗
量が1/5に減少し、また、割れなどの破損も生じなか
った。製作コストは、従来品の75%ほどで製作するこ
とができた。
【0043】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、逆止弁の耐食性、耐摩耗性、強度を強化する
上で、硬質層の形状寸法を最適にすることができるの
で、耐摩耗性、耐食性、疲労強度に優れ、しかも低コス
トの逆止弁を提供することができる。
によれば、逆止弁の耐食性、耐摩耗性、強度を強化する
上で、硬質層の形状寸法を最適にすることができるの
で、耐摩耗性、耐食性、疲労強度に優れ、しかも低コス
トの逆止弁を提供することができる。
【図1】本発明による射出成形機用逆止弁の一実施形態
を示す断面図。
を示す断面図。
【図2】本発明による射出成形機用逆止弁について構造
解析を行うためのモデル化した逆止弁を示す図。
解析を行うためのモデル化した逆止弁を示す図。
【図3】逆止弁長さに対する硬質層長さと最大主応力の
関係についての構造解析の結果を示す図。
関係についての構造解析の結果を示す図。
【図4】逆止弁肉厚に対する硬質層長さと最大主応力の
関係についての構造解析の結果を示す図。
関係についての構造解析の結果を示す図。
【図5】逆止弁外径に対する硬質層長さと最大主応力の
関係についての構造解析の結果を示す図。
関係についての構造解析の結果を示す図。
【図6】逆止弁の硬質層の成形工程の説明図。
【図7】逆止弁の基材と硬質層の接合を説明する図。
【図8】従来の射出成形機用逆止弁を示す断面図。
2 逆止弁 3 スクリューヘッド 4 スクリュ軸部 5 基材 6 硬質層
Claims (5)
- 【請求項1】スクリュヘッドとスクリュー軸部の間でス
クリュ軸方向に移動可能に配設される射出成形機用逆止
弁において、 前記スクリュヘッドに接触する接触面を形成しサーメッ
ト材からなる硬質層と、鋼材を材料とする基材とを接合
してなる逆止弁本体を有し、前記逆止弁本体の長さに対
して前記硬質層の長さの割合が10〜20%であること
を特徴とする射出成形機用逆止弁。 - 【請求項2】スクリュヘッドとスクリュー軸部の間でス
クリュ軸方向に移動可能に配設される射出成形機用逆止
弁において、 前記スクリュヘッドに接触する接触面を形成し、Ni−
B−Si−W−WC合金〔B:0.5〜0.9重量%、
Si:2.52〜3.96重量%、W:20〜35重量
%、WC:24.2〜41.0重量%、Ni:残部〕か
らなる硬質層と、 鋼材を材料とする基材とを接合してなる逆止弁本体を有
し、 前記逆止弁本体の長さに対して前記硬質層の長さの割合
が12.5〜20%であることを特徴とする射出成形機
用逆止弁。 - 【請求項3】スクリュヘッドとスクリュー軸部の間でス
クリュ軸方向に移動可能に配設される射出成形機用逆止
弁において、 前記スクリュヘッドに接触する接触面を形成し、Ni−
B−Si−Mo−WC合金〔B:1.0〜3.0重量
%、Si:2〜5重量%、Mo:10〜20重量%、W
C:24.2〜41.0重量%、Ni:残部〕からなる
硬質層と、 鋼材を材料とする基材とを接合してなる逆止弁本体を有
し、 前記逆止弁本体の長さに対して前記硬質層の長さの割合
が12.5〜20%であることを特徴とする射出成形機
用逆止弁。 - 【請求項4】前記逆止弁本体の肉厚に対して硬質層の長
さの割合が60〜90%であることを特徴とする請求項
1乃至3のいずれかの項に記載の射出成形機用逆止弁。 - 【請求項5】前記逆止弁本体の外径に対して前記硬質層
の長さの割合が11.3%以上であることを特徴とする
請求項4に記載の射出成形機用逆止弁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11031900A JP2000229341A (ja) | 1999-02-09 | 1999-02-09 | 射出成形機用逆止弁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11031900A JP2000229341A (ja) | 1999-02-09 | 1999-02-09 | 射出成形機用逆止弁 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000229341A true JP2000229341A (ja) | 2000-08-22 |
Family
ID=12343894
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11031900A Withdrawn JP2000229341A (ja) | 1999-02-09 | 1999-02-09 | 射出成形機用逆止弁 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000229341A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10210464A1 (de) * | 2002-03-09 | 2003-09-25 | Demag Ergotech Gmbh | Rückströmsperre |
-
1999
- 1999-02-09 JP JP11031900A patent/JP2000229341A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10210464A1 (de) * | 2002-03-09 | 2003-09-25 | Demag Ergotech Gmbh | Rückströmsperre |
US6857867B2 (en) | 2002-03-09 | 2005-02-22 | Demag Ergotech Gmbh | Backflow prevention device |
DE10210464B4 (de) * | 2002-03-09 | 2007-07-26 | Demag Ergotech Gmbh | Rückströmsperre |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060509 |