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JP2000225384A - 廃棄物から熱溶融性プラスチックを分離する方法、廃棄物の減容処理方法及び廃棄物の加熱処理装置 - Google Patents

廃棄物から熱溶融性プラスチックを分離する方法、廃棄物の減容処理方法及び廃棄物の加熱処理装置

Info

Publication number
JP2000225384A
JP2000225384A JP11149655A JP14965599A JP2000225384A JP 2000225384 A JP2000225384 A JP 2000225384A JP 11149655 A JP11149655 A JP 11149655A JP 14965599 A JP14965599 A JP 14965599A JP 2000225384 A JP2000225384 A JP 2000225384A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waste
plastic
heating
melt
heat treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11149655A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirotomo Yasuno
博朋 安野
Tetsuo Takagi
鉄雄 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MIC Co Ltd
Original Assignee
MIC Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MIC Co Ltd filed Critical MIC Co Ltd
Priority to JP11149655A priority Critical patent/JP2000225384A/ja
Publication of JP2000225384A publication Critical patent/JP2000225384A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/30Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄物から分離したプラスチックの回収が容
易で、回収に加熱を要しない廃棄物からの熱溶融性プラ
スチックの分離方法及び熱溶融性プラスチックを含む廃
棄物の減容、消毒(殺菌)、無臭化が可能な廃棄物の加
熱処理方法並びにそのための廃棄物加熱処理装置を提供
することこと。 【解決手段】 熱溶融性プラスチックを含む廃棄物を、
仕切りで上下二室に区分けされた加熱容器の上部室に入
れ、該廃棄物を無酸素あるいは低酸素状態で加熱し、該
廃棄物中の熱溶融性プラスチックを溶融させ、溶融した
プラスチックを、溶融プラスチックを流下可能に形成さ
れた仕切りを通して加熱容器の下部室の下部に設けた水
槽に落下させ、固化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分別が実質的に不
可能な感染性プラスチック製品等の熱溶融性プラスチッ
クを含む医療用廃棄物や熱溶融性プラスチックを含む一
般廃棄物から熱溶融性プラスチックを分離するととも
に、塩化ビニル樹脂等の塩素含有樹脂を熱分解させて塩
化水素を除去することにより、熱溶融プラスチックの固
形燃料化、リサイクル、熱不溶融性廃棄物の熱分解、焼
却、埋め立て等を効率的に行えるようにする廃棄物から
の熱溶融性プラスチックの分離方法、廃棄物の加熱減容
処理方法及びそのための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】廃プラスチックは、本来は分別してリサ
イクルすることが望ましいが、分別に危険を伴う医療用
の感染性廃棄物や分別されずにプラスチックが混入した
一般の廃棄物(ゴミ)を、プラスチックと紙、繊維、そ
の他の廃棄物成分とに分離することは極めて困難であ
り、現在は、一般の廃棄物はプラスチックを含んだまま
焼却処分や埋め立て処分されているのが実情である。ま
た、医療用廃棄物は専門処理業者により焼却処分されて
いる。これらの廃棄物は、焼却に際してプラスチックが
急激に分解し、多量のガスを発生するため、高熱を発し
て炉の寿命を短くするだけでなく、黒煙や悪臭、ダイオ
キシンの発生等が問題となっている。また、これらの廃
棄物は無酸素熱分解法によって分解させることによりダ
イオキシンの発生を抑えることができるが、タールが発
生するという問題がある。そのために、このよう廃棄物
から熱溶融性プラスチックを分離・回収し、あるいは、
可燃性処理物を燃料として利用するために、熱溶融性プ
ラスチックを含む医療用廃棄物から熱溶融性プラスチッ
クと熱不溶融性成分とに分離する方法が提案されてい
る。
【0003】例えば、特開平8−57442号公報で
は、熱溶融性プラスチックを含む医療用廃棄物を、加熱
容器内の格子部材等で仕切られた上部で酸素遮断下に外
部から加熱して該プラスチックを溶融、流動状態とし、
この溶融プラスチックを格子部材等を通過させて該容器
の底部に設けた容器内に集め、プラスチックと非プラス
チック材料とを分離する方法が提案されている。この方
法では加熱処理後に装置全体を冷却することにより、殺
菌処理され、分別された固体プラスチックが回収され
る。加熱時に発生する臭気成分は加熱容器に接続された
アフターバーナーで燃焼させ、フィルターユニットを通
過させて大気中に放出される。
【0004】また、特開平10−168224号公報に
は、ポリエチレンを含む可燃性の一般ごみを上記の方法
と同様に無酸素状態で外部から加熱し、ポリエチレンを
溶融させて分離、回収する方法及び回収ポリエチレン等
の廃プラスチックを加熱容器中で減圧下、無酸素状態で
外部から加熱して熱分解させ、生成ガス中の凝縮性成分
を油分として回収し、油分以外のガス(例えば、塩化水
素)を中和等により無害化する方法が開示されている。
この方法においては加熱容器下部に流下する溶融ポリエ
チレンは、取り出しドレンから溶融状態で取り出され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの方法によっ
て、廃棄物中の熱溶融性プラスチックと紙、金属等の熱
不溶性成分とが容易に分離され、塩化ビニル樹脂等の塩
化水素発生源となるプラスチックは熱分解し、分離され
た熱溶融性プラスチック中には塩素を含むプラスチック
は含まれないので、分離されたプラスチックはリサイク
ル使用や、固形燃料等としても使用可能である。
【0006】しかしながら、これらの方法では以下のよ
うな問題がある。上記の前者の方法では、加熱容器と溶
融プラスチックを溜める容器とが同一のキャビネット内
に設置されているために、分離されたプラスチック成分
を取り出すために、キャビネット内の加熱容器及びプラ
スチック回収容器を同時に冷却する必要がある。引き続
いて廃棄物を加熱処理する場合には再度加熱しなければ
ならず、加熱エネルギーの無駄が多い。また、固化した
プラスチック成分は容器に固着し、容器から固化プラス
チックを取り出す作業が大変であるという問題もある。
また、後者の方法においては、溶融プラスチックの加熱
容器からの取り出しはプラスチックが溶融した状態で配
管を通しておこなうことから配管の加熱が必要であり、
配管に固着したプラスチックの除去作業に多大な労力と
時間を要するという問題がある。
【0007】従って、本発明は上記の事情に鑑みてなさ
れたものであり、本発明の目的は、上記の問題点が解決
され、廃棄物から分離したプラスチックの回収が容易
で、回収に加熱を要しない廃棄物からの熱溶融性プラス
チックの分離方法及び熱溶融性プラスチックを含む廃棄
物の減容、消毒(殺菌)、無臭化が可能な廃棄物の加熱
処理方法並びにそのための廃棄物加熱処理装置を提供す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる本発明によれば、
熱溶融性プラスチックを含む廃棄物を、仕切りで上下二
室に区分けされた加熱容器の上部室に入れ、該廃棄物を
無酸素あるいは低酸素状態で加熱して該廃棄物中の熱溶
融性プラスチックを溶融させ、該廃棄物を熱溶融性プラ
スチックと熱非溶融性廃棄物とに分離するに際し、加熱
溶融させたプラスチックを、溶融プラスチックを流下可
能に形成された仕切りを通して加熱容器の下部室の下部
に設けた水槽に落下させ、固化させることを特徴とする
廃棄物から熱溶融性プラスチックを分離する方法及び上
記の熱溶融性プラスチックが分離された熱非溶融性廃棄
物を無酸素あるいは低酸素状態で更に加熱して熱分解さ
せることを特徴とする廃棄物の減容処理方法並びに熱溶
融性プラスチックを含む廃棄物を無酸素あるいは低酸素
状態で加熱する加熱容器とその下部に設けられた水槽と
から構成され、上記加熱容器は、溶融プラスチックが流
下可能に形成された仕切りで上下二室に区分けされ、上
部室に上記廃棄物を入れて上記状態で加熱し、上記仕切
りを通して流下する溶融プラスチックを落下及び固化さ
せる水槽が下部室の下部に設置されていることを特徴と
する廃棄物の加熱処理装置が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】次に発明の実施の形態を挙げて本
発明を更に詳細に説明する。本発明における熱溶融性プ
ラスチックを含む廃棄物からの該プラスチックの分離
は、加熱容器中の該廃棄物を無酸素下あるいは低酸素濃
度下の酸素遮断状態で加熱して熱溶融性プラスチックを
溶融させて該廃棄物から分離することは前記の提案方法
と同様であるが、分離して流下する溶融プラスチックを
加熱容器の下部に設けた水槽に落下させ、冷却固化させ
ることが特徴であり、分離したプラスチックの回収が極
めて容易である。
【0010】本発明が処理対象とする廃棄物は、加熱に
より溶融して流動化するプラスチックを含む廃棄物であ
れば特に制限されず、一般廃棄物、医療用廃棄物等が挙
げられる。又、プラスチックの種類も制限されず、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリカーボネート、エチレン−酢酸ビニル
共重合体等の結晶性を有するもの、ポリスチレン、ポリ
塩化ビニル(塩化ビニル樹脂)等の非結晶性のものが挙
げられる。
【0011】本発明においては、先ず、熱溶融性プラス
チック(以下では単にプラスチックと称することがあ
る。)を含む廃棄物を仕切りで上下2室に区分けされた
加熱容器の上部室に投入し、無酸素下あるいは低酸素濃
度下に加熱してプラスチックを溶融、流動化させる。プ
ラスチックを溶融させて流動化させるための加熱温度
は、プラスチックの種類によって相違はあるが、250
〜300℃の範囲が好ましい。溶融したプラスチックは
廃棄物中を重力で流下し、他の熱不溶融性廃棄物成分と
自然に分離する。プラスチックの分離を促進し、分離を
より確実にするために、プラスチックの分離中は加熱容
器内の温度を上記の範囲に保つことが好ましい。
【0012】その際、加熱容器内に紙や繊維質等を発火
させる濃度の酸素が存在する場合には、加熱温度を上記
の範囲に保つことは困難となる。更に、酸素濃度が高い
状態で上記の温度範囲を保持することができたとして
も、これはダイオキシンを発生させる条件を作ることに
もなるので、このような意味から加熱容器内の酸素濃度
が高いことは好ましくない。本発明における低酸素濃度
とは、プラスチックが分離された残余の廃棄物が発火し
ない濃度の酸素は存在してもよいことをいう。
【0013】加熱容器は、通常、加熱容器の外部から電
熱ヒーターやガスバーナー等で加熱される。加熱により
溶融、流動化したプラスチックは、その下部室への流下
を可能とする上下2室の仕切りを通って下部室の下部に
設けられた水槽へ落下し、冷却、固化する。必要により
仕切りを加熱することもできる。又、仕切りを通って流
下するプラスチック流を回転式カッター等で適当な大き
さに切断することによって、分離されたプラスチックを
取り扱い易い形状に固化させることもできる。仕切り
は、溶融、流動化したプラスチックが通過可能に形成さ
れておれば特に制限されず、例えば、適当な開口部を有
する仕切り板、火格子、金網等が挙げられる。
【0014】尚、上記の加熱温度においては、廃棄物中
にしばしば含まれる塩化ビニル樹脂は分解して塩化水素
を発生する。従って、廃棄物中の熱溶融性プラスチック
が紙、金属等の無機物や繊維質等の熱不溶性の廃棄物成
分と分離するに適切な時間、加熱装置を上記温度に保持
することにより、この間に塩化ビニル樹脂は脱塩化水
素、更には分解し、溶融、流下により分離されるプラス
チック中の塩素含有量は少なくなるので、分離したプラ
スチックのリサイクルあるいは廃棄等に好都合である。
廃棄物中に塩化ビニル樹脂あるいはその他の酸性ガスを
発生する物質が含まれている可能性がある場合には、塩
化水素ガス等の酸性ガスを適当な方法で捕捉することが
必要である。
【0015】分離された熱溶融性プラスチックは水槽か
らベルトコンベヤー等の適当な手段で加熱容器外に取り
出され、リサイクルあるいは廃棄処分、酸素遮断下の熱
分解処理、プラスチック専用焼却炉での焼却処分等に付
すことができる。一方、加熱処理された廃棄物はその中
のプラスチックが除かれることによって減容する。更に
減容するために残余の廃棄物を熱溶融性プラスチックの
分離に引き続いて無酸素又は低酸素濃度雰囲気下に熱分
解させることができる。あるいは、酸素供給下に燃焼さ
せるか、あるいは埋め立て等のこれら以外の処理に付す
こともできる。
【0016】残余の廃棄物を酸素遮断下に加熱分解させ
る場合には、通常、400〜600℃に加熱して該廃棄
物を熱分解させる。熱分解の結果、該廃棄物は炭化物と
して回収される。又、残余の廃棄物を酸素の存在下に燃
焼させる場合には発火するまで加熱して燃焼させるか、
あるいは直接該廃棄物に点火して燃焼させる。プラスチ
ック分離後の廃棄物を熱分解させる場合は勿論、廃棄物
からプラスチックを分離するために加熱処理する場合に
も、発生ガス中には前記の酸性ガス以外にも、臭気の発
生源となる若干量の有機物が含まれるので、発生ガス中
の有機物を捕捉又は熱分解してから大気中に放出するこ
とが必要である。
【0017】上記の熱溶融性プラスチックを含む廃棄物
の加熱処理に用いる装置は、処理する該廃棄物を投入、
加熱するための加熱容器、これを加熱する手段及び溶融
プラスチックを落下させる水槽とから構成される。加熱
容器は、廃棄物を加熱して廃棄物中の熱溶融性プラスチ
ックを溶融させて流動化させる際には酸素(空気)を遮
断することができるものであり、加熱容器内は溶融した
プラスチックが廃棄物中を重力で流下して廃棄物から分
離されるために、溶融プラスチックの通過が可能な仕切
りによって上下2室に仕切られており、上部室に加熱処
理される廃棄物が投入され、廃棄物中から溶融プラスチ
ックは仕切りを通過して下部室に流下する。
【0018】尚、廃棄物中に、多量の血液や体液等の水
分を多量に含む場合には、例えば、仕切り板の上方に、
円筒状の加熱容器の場合にはその直径方向の軸の周りに
回転可能に取り付けた底を有する、適当な高さの液体蒸
発用容器に廃棄物を載せ、100℃近くに加熱して水分
を蒸発させた後、この容器を回転させて廃棄物を仕切り
板上に落下させてからプラスチックを加熱溶融させた
り、あるいは仕切り板を適当な手段、例えば、開口部を
開閉可能に形成し、多量に水分を含む廃棄物を加熱容器
に仕込む場合には、水分が仕切りを通過しないように開
口部を閉じ、先ずこれらの液体を蒸発させ、次いで仕切
りの開口部を開いてプラスチックを加熱溶融させること
もできる。水分の蒸発手段はこれらの例に限定されるも
のではない。
【0019】上記の仕切りは、溶融により流動化したプ
ラスチックが下部室に流下することができるような構造
であればよく、例えば、多数の孔を開けた仕切り板、適
当なメッシュサイズの金網状仕切り板、適当な間隔を有
する火格子様の仕切り桟等が挙げられるが、これらの例
に限定されるものではない。仕切りの下方には流下する
プラスチック流を適当な長さに切断するロータリーカッ
ター等の切断手段を設置することができる。また、プラ
スチックの流下を促進するために電熱ヒーター等の加熱
手段を仕切りに設置することもできる。
【0020】加熱容器の形状も特に制限されず、例え
ば、下部室は流動化プラスチックを底部に集め易い円錐
状あるいは四角錐状に、上部室は円筒状あるいは四角筒
状等に形成されたものが挙げられる。尚、上下2室の構
成割合は特に制限されず、溶融プラスチックの流下、分
離がスムーズに行われるように構成すればよい。加熱容
器の加熱手段は、該容器を外部から加熱することができ
るものであれば特に制限されず、例えば、都市ガス、プ
ロパンガス等を使用するバーナーや電熱ヒーター、電磁
誘導加熱装置等が挙げられる。
【0021】廃棄物から分離した溶融プラスチックを落
下させる水槽は、加熱容器下部室の下部に別途作製した
水槽を設置しても、加熱容器下部を直接水を張ることが
できる構造に形成してもよい。また、加熱容器下端を底
のない開放状態に形成し、この開放下端部を加熱容器と
は独立に設置した水槽に浸し、加熱容器の開放端部を水
で封じることもできる。このようにすることによって、
落下、固化したプラスチックの回収が容易となるだけで
なく、加熱容器の点検、掃除、仕切りの交換等も容易と
なり、含水率の高い廃棄物の処理においては凝縮水によ
る水面の調整も容易に行える等の利点が多く、好ましい
ものである。この場合には、加熱容器の水に浸す部分
は、該容器の他の部分とは断熱効果のあるガスケットを
介してフランジ等で固定することが好ましい。
【0022】水槽の水面と仕切りとの間隔は、近過ぎる
と溶融プラスチックが水槽に落下した時の跳ね返り水に
よって仕切りが冷却され、溶融プラスチックの落下が阻
害される場合があるので、このようなことを回避するた
めに、適当な間隔、例えば、20cm以上の間隔を開け
ることが好ましい。尚、廃棄物中に塩化ビニル樹脂等の
塩化水素ガスの発生源となるプラスチックが含まれてい
る可能性のある場合には、塩化水素を吸収する目的で水
槽中の水に炭酸カルシウム等の中和剤を添加しておくこ
とが好ましい。
【0023】硬質塩化ビニル樹脂の溶融開始温度は、通
常、200℃付近であるが、これより高温では脱塩化水
素反応により高粘度化が進み、硬質塩化ビニル樹脂は通
常仕切りから流下せずに仕切り上に残る。一方、軟質塩
化ビニル樹脂は溶融し、仕切りを流下して水槽に落下し
て沈降する場合と、高粘度化して仕切り上に残る場合が
ある。いずれの場合も、塩化水素ガスが発生する。塩化
ビル樹脂以外のプラスチックでは溶融時にはほとんど分
解しないので発生ガス量は少量である。水槽に落下し、
固化したプラスチックは、その密度によって水面に浮上
したり、沈下する。ポリエチレンやポリプロピレンは浮
上するが、通常、少量ではあるが塩化ビニル樹脂やポリ
カーボネート樹脂等は沈下する。また、仕切りの開口部
を通過して水槽に落下する金属、石膏等の無機物は沈下
し、紙片塊等は通常浮上する。
【0024】水槽に浮上したプラスチックは、水槽が加
熱容器を水封する場合には、廃棄物の加熱処理中あるい
は処理後に、水流、水車等の公知の機械的方法等によっ
て外部水面に取り出し、オーバーフローさせたり、すく
い取りやかき取り等の適当な手段によって回収すること
ができる。一方、沈降物は水槽下部にコンベヤー等を設
置することにより回収することができる。廃棄物の加熱
処理終了後、プラスチックが分離された処理物は仕切り
を外して水槽に落下させると、密度差によって金属等の
不燃物と紙、繊維等の可燃物に分離するので、例えば、
先ず、沈降物を上記と同様にしてコンベヤーにより回収
し、次いで、浮上した可燃物は水槽の水を除去した後コ
ンベヤー等により回収することができる。
【0025】廃棄物の加熱処理に際しては、前記のよう
に、廃棄物中のプラスチックを溶融、流動化させて分離
する際に、プラスチック中に塩化ビニル樹脂も含まれて
いる場合には、該樹脂が分解して塩化水素ガスを発生す
る。又、他の廃棄物成分からも加熱により若干の有機物
等が発生し臭気の原因となる。さらに、プラスチックが
除かれた廃棄物を更に酸素遮断化に加熱分解する際に
も、廃棄物成分によっては臭気源となる有機物質や酸性
ガス等が発生する可能性がある。従って、発生ガスを大
気中に放出する前に発生ガス中の酸性ガスや有機物質等
を捕捉、除去しておくことが望ましい。
【0026】そのために、本発明の加熱処理装置の上部
には、発生ガス排出口を設け、配管により発生ガス処理
装置と連結させることができる。発生ガス処理装置とし
ては、例えば、塩化水素ガス等の酸性ガスを中和除去す
るスクラバー、発生有機物等を吸着させる脱臭装置、燃
焼させる燃焼装置等が挙げられるが、これら以外の装置
も連結可能である。
【0027】例えば、塩化水素ガス等の酸性ガスは、発
生ガスを、例えば、スクラバーで炭酸カルシウム微粉末
のスラリー、石灰乳、水酸化ナトリウム等のアルカリの
水溶液と接触させて中和により除去することができる。
酸性ガスが少量の場合には、乾式でアルカリ性物質と接
触させて除去することもできる。酸性ガスの捕捉方法は
これらの方法に限定されず、他の従来公知の酸性ガスの
捕捉方法を用いることもできる。また、発生ガス中の有
機物質の除去には、例えば、上記のスクラバーで処理さ
れた発生ガスを高温に加熱あるいは自燃させて熱分解す
るか、適当な温度で触媒層を通過させて分解する方法、
活性炭等の吸着剤に吸着させる方法、発生ガスを冷却し
て有機物質を凝縮させる方法等が挙げられるが、これ以
外の方法であってもよい。
【0028】本発明では加熱処理を減圧下に行い、必要
により発生ガスを上記のように処理する場合もあること
から、発生ガス排出口をブロアー等の任意の吸引手段と
連結させることができる。
【0029】以上のようにして本発明の廃棄物の加熱処
理装置を用いることにより、熱溶融性プラスチックを含
む廃棄物(混合ゴミ)は、熱溶融性プラスチックと可燃
物と不燃物とに分離することができる。分離された熱溶
融性プラスチックは、塩化ビニル樹脂樹脂を除けばほと
んど分解していないので、組成によってはリサイクルが
可能である。また、通常の加熱処理条件では処理物は殺
菌されており、衛生的に無害化することが可能である。
また、水槽が加熱容器を水封する場合には、加熱容器の
一端は開放された構造に形成することができることか
ら、加熱による加熱容器の熱歪みを逃がすことが可能で
ある。更に、処理物の取り出し口を設ける必要もなく、
溶融プラスチックを取り出すための押出機等の設置の必
要もないために、装置の構造を著しく簡易にし、製造コ
ストを安くすることが可能である。
【0030】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。 実施例1 熱溶融性プラスチックが多く含まれている家庭から出た
不燃ごみ70リットル(4.0kg)を概略図を図1に
示す下端が水封された加熱処理装置1を用いて処理し
た。加熱処理装置1は、加熱容器2とその下端を水封す
るとともに溶融プラスチックを落下させる水封容器9と
から構成される。加熱容器2は直径30cm、内容積7
0リットル(下記の仕切り板5より上の部分)の円筒
で、その周面に設置した8KWの埋め込みヒーター(不
図示)と断熱材からなる加熱ジャケット3で外周が覆わ
れている。加熱容器2は架台4で支えられている。加熱
容器1の内部下方部にはヒーターを内蔵したパイプから
なる仕切り板5が、上端には開閉(密閉)可能な処理物
投入口6が、また、上方部には発生ガス排出口10がそ
れぞれ設けられている。加熱容器の下端は開放状態であ
り、その下方部の水封容器9中にその一部が浸される部
分7(30cm)は断熱性ガスケットを用いたフランジ
8によって加熱容器2に固定されている。水封容器9
は、直径が50cm、内容積240リットルの円筒状容
器である。水封容器9の6分目まで水を入れ、加熱容器
の下方部7の約5cmが水に漬かるように水封容器9の
設置高さを調整した。
【0031】加熱容器の発生ガス排出口10は配管1
4、14′により酸性ガススクラバー11、吸引ブロワ
ー12及び消臭炉13と連結した。スクラバー11は下
端が開放状態の円筒状容器15で、その開放下端部を中
和剤の水溶液(炭酸カルシウムの2重量%懸濁溶液)を
充填した水封容器16に浸して水封する。水封容器16
内の中和剤はポンプPuにより円筒状容器15の上方部
に設けた中和剤シャワー装置17に送られる。スクラバ
ー11で処理された発生ガスは吸引ブロワー(常圧での
吸引能力0.5m3/min)12で吸引されて消臭炉
13に送られ、ガスこん炉18で燃焼させる。
【0032】投入口6より加熱容器2内に処理物を投入
して投入口6を密閉し、ポンプPuを運転して中和剤シ
ャワー装置17を作動させ、ガスこん炉18を点火す
る。次に、吸引ブロワー12を作動させ、加熱容器2内
を水中10cmの減圧状態とし、ヒーターを作動させて
加熱容器の加熱を開始する。35分後に内温が250℃
に達した後、この温度を1時間保持し、ヒーターの作動
を停止した。1時間自然放冷した後、処理結果を確認し
た。その結果、水封容器9に落下、浮上したものはプラ
スチックの小塊が2kg、沈下したものは金属片が0.
3kgであり、一方、仕切り板5上に残ったものは、紙
及びガラス瓶が1.5kgであり、合計3.8kgが回
収された。プラスチックは仕切り板、紙やガラス瓶の表
面に付着して残ったものは極少量であり、ほぼ全量のプ
ラスチックは水封容器に落下した。上記の回収処理物の
容積は約5リットルであり、加熱処理による減容率は9
3%であった。
【0033】
【発明の効果】以上の本発明によれば、プラスチックを
含む廃棄物から分離したプラスチックの回収が容易であ
り、廃棄物の減容、減量、同時に消毒、無臭化が達成さ
れる廃棄物の加熱処理方法及び加熱処理装置が提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の加熱装置の一例の概略図である。
【符号の説明】
1:加熱容器処理装置 2:加熱容器 3:加熱ジャケット 4:加熱処理装置支持架台 5:上下室の仕切り桟 6:廃棄物投入口 7:加熱容器の水に漬かる部分 8:フランジ部分 9:水封容器 10:発生ガス排出口 11:スクラバー 12:吸引ブロワー 13:消臭炉 14、14′:配管 15:円筒状容器 16:水封容器 17:中和剤シャワー装置 18:ガスこん炉 T:温度計 P:圧力計 Pu:ポンプ
フロントページの続き Fターム(参考) 4D004 AA07 AA46 AA48 BA03 CA24 CA26 CA29 CA32 CA48 CB03 CB31 CB43 DA02 DA06 4F301 AC17 BA01 BA02 BA21 BA29 BE35 BF10 BF15 BF31

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱溶融性プラスチックを含む廃棄物を、
    仕切りで上下二室に区分けされた加熱容器の上部室に入
    れ、該廃棄物を無酸素あるいは低酸素状態で加熱し、該
    廃棄物中の熱溶融性プラスチックを溶融させて該廃棄物
    を熱溶融性プラスチックと熱不融性廃棄物とに分離する
    に際し、加熱溶融させたプラスチックを、溶融プラスチ
    ックを流下可能に形成された仕切りを通して加熱容器の
    下部室の下部に設けた水槽に落下させ、固化させること
    を特徴とする廃棄物から熱溶融性プラスチックを分離す
    る方法。
  2. 【請求項2】 上記の熱溶融性プラスチックが分離され
    た熱不溶融性廃棄物を無酸素あるいは低酸素状態で更に
    加熱して熱分解させることを特徴とする廃棄物の減容処
    理方法。
  3. 【請求項3】 発生ガスを吸収及び/又は分解処理する
    請求項2に記載の廃棄物の減容処理方法。
  4. 【請求項4】 熱溶融性プラスチックを含む廃棄物を無
    酸素あるいは低酸素状態で加熱する加熱容器とその下部
    に設けられた水槽とから構成され、上記加熱容器は、溶
    融プラスチックが流下可能に形成された仕切りで上下二
    室に区分けされ、上部室に上記廃棄物を入れて上記状態
    で加熱し、上記仕切りを通して流下する溶融プラスチッ
    クを落下及び固化させる水槽が下部室の下部に設置され
    ていることを特徴とする廃棄物の加熱処理装置。
  5. 【請求項5】 水槽は加熱容器下部を水封するように形
    成されている請求項4に記載の廃棄物の加熱処理装置。
  6. 【請求項6】 発生ガスを吸収及び/又は分解する装置
    と連結される請求項4に記載の廃棄物の加熱処理装置。
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