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JP2000219125A - ブレーキ装置 - Google Patents

ブレーキ装置

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Publication number
JP2000219125A
JP2000219125A JP11019861A JP1986199A JP2000219125A JP 2000219125 A JP2000219125 A JP 2000219125A JP 11019861 A JP11019861 A JP 11019861A JP 1986199 A JP1986199 A JP 1986199A JP 2000219125 A JP2000219125 A JP 2000219125A
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JP
Japan
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piston
pressure
power
chamber
valve
Prior art date
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Granted
Application number
JP11019861A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4089062B2 (ja
Inventor
Masaki Oishi
昌樹 大石
Michiji Nishii
理治 西井
Hideki Yamamoto
英幾 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP01986199A priority Critical patent/JP4089062B2/ja
Priority to DE10003522A priority patent/DE10003522B4/de
Priority to US09/493,109 priority patent/US6276136B1/en
Publication of JP2000219125A publication Critical patent/JP2000219125A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4089062B2 publication Critical patent/JP4089062B2/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T8/00Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
    • B60T8/32Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force responsive to a speed condition, e.g. acceleration or deceleration
    • B60T8/34Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force responsive to a speed condition, e.g. acceleration or deceleration having a fluid pressure regulator responsive to a speed condition
    • B60T8/48Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force responsive to a speed condition, e.g. acceleration or deceleration having a fluid pressure regulator responsive to a speed condition connecting the brake actuator to an alternative or additional source of fluid pressure, e.g. traction control systems
    • B60T8/4809Traction control, stability control, using both the wheel brakes and other automatic braking systems
    • B60T8/4827Traction control, stability control, using both the wheel brakes and other automatic braking systems in hydraulic brake systems
    • B60T8/4845Traction control, stability control, using both the wheel brakes and other automatic braking systems in hydraulic brake systems using a booster or a master cylinder for traction control
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T13/00Transmitting braking action from initiating means to ultimate brake actuator with power assistance or drive; Brake systems incorporating such transmitting means, e.g. air-pressure brake systems
    • B60T13/10Transmitting braking action from initiating means to ultimate brake actuator with power assistance or drive; Brake systems incorporating such transmitting means, e.g. air-pressure brake systems with fluid assistance, drive, or release
    • B60T13/66Electrical control in fluid-pressure brake systems
    • B60T13/68Electrical control in fluid-pressure brake systems by electrically-controlled valves
    • B60T13/686Electrical control in fluid-pressure brake systems by electrically-controlled valves in hydraulic systems or parts thereof

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Fluid Mechanics (AREA)
  • Braking Systems And Boosters (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレーキフィーリングの向上を図ったブレー
キ装置を提供すること。 【解決手段】 レギュレータ2と、備える倍力装置30
0と、マスタシリンダ3とを備えたブレーキ装置1にお
いて、油室101とリザーバ100とを連通及び遮断す
るソレノイドバルブ160と、油室101とアキュムレ
ータ200とを連通及び遮断するソレノイドバルブ15
0とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の車輪に制動
力を付与するブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のブレーキ装置は、一般的に、踏み
込み操作されるブレーキペダルと、シリンダ孔を有する
シリンダボデーと、前記シリンダ孔に前進及び後退可能
に挿入されると共にその前方側に圧力室を形成し、前記
ブレーキペダルの操作に伴って移動されるピストンとを
備えるマスタシリンダと、前記圧力室と連通可能とされ
ると共に前記ブレーキペダルの踏み込み操作による前記
ピストンの前進に伴って前記圧力室内の作動流体が流入
されることにより車輪に制動力を付与する車輪ブレーキ
と、前記車輪ブレーキに作動流体を導入可能なアキュム
レータと、を備え、前記アキュムレータにより前記車輪
ブレーキに作動流体が導入されるときには前記車輪ブレ
ーキと前記圧力室との連通が遮断され、前記アキュムレ
ータの作動時に前記ブレーキペダルが踏み込み操作され
ると前記圧力室と前記車輪ブレーキとが連通されるもの
である。
【0003】このブレーキ装置は、ブレーキペダルが踏
み込み操作されるとピストンが前進されて圧力室内のブ
レーキ液が車輪ブレーキに流入し、車輪ブレーキにより
車輪に第1の制動力が付与される通常作動と、ブレーキ
ペダルの操作とは独立的にアキュムレータが作動される
ことにより、圧力室と車輪ブレーキとの連通が遮断さ
れ、アキュムレータから車輪ブレーキに作動流体が導入
されて車輪ブレーキにより車輪に第2の制動力が付与さ
れる自動作動とを有している。
【0004】又、自動作動時においてブレーキペダルが
踏み込み操作される場合、即ち、自動作動時に踏み増し
される際には、車輪ブレーキは圧力室とも連通されて車
輪ブレーキには圧力室及びアキュムレータからの作動流
体が導入され、車輪ブレーキにより車輪には第1及び第
2の制動力が付与されることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこの従来
のブレーキ装置は、通常作動時において車輪に付与され
る制動力と略同等の大きさの制動力を、自動作動時にお
ける踏み増し時において得ようとする場合、通常作動時
に要したブレーキペダルの踏み込み量に比して、自動作
動時における踏み増し時に要するブレーキペダルの踏み
込み量の方が少なくなるものであった。
【0006】通常作動時と自動作動時における踏み増し
時とにおいて、同程度の制動力を車輪に付与しようとす
る際にブレーキペダルの踏み込み量が異なると、ブレー
キフィーリングの向上の妨げとなる虞がある。
【0007】本発明は、ブレーキフィーリングの向上を
図ったブレーキ装置を提供することを、その技術的課題
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第1の手段として、圧力源とパワー室とを連通及び
遮断する増圧バルブと、前記パワー室とリザーバとを連
通及び遮断する減圧バルブとを備え、ペダル踏力に応じ
て前記圧力源の圧力を制御するレギュレータと、前記レ
ギュレータによって制御された前記圧力源の圧力が前記
パワー室に作用することにより作動するパワーピストン
を備える倍力装置と、少なくとも一つの車両ホイールブ
レーキに連結されると共に前記倍力装置と連動するマス
タシリンダとを備えたブレーキ装置において、前記パワ
ー室と前記減圧バルブとを連通及び遮断する第1バルブ
と、前記パワー室と前記圧力源とを連通及び遮断する第
2バルブとを備えたことを特徴とするブレーキ装置を構
成した。
【0009】又、第2の手段として、踏み込み操作され
るブレーキペダルと、圧力源とパワー室とを連通及び遮
断する増圧バルブと、前記パワー室とリザーバとを連通
及び遮断する減圧バルブとを備え、ブレーキペダル踏力
に応じて前記圧力源の圧力を制御するレギュレータと、
前記ブレーキペダルと互いに連動すると共に前記レギュ
レータによって制御された前記圧力源の圧力が前記パワ
ー室に作用することにより作動するパワーピストンを備
える倍力装置と、少なくとも一つの車両ホイールブレー
キに連結されると共に前記倍力装置と連動するマスタシ
リンダと、前記パワー室と前記減圧バルブとを連通及び
遮断する第1バルブと、前記パワー室と前記圧力源とを
連通及び遮断する第2バルブとを備えたブレーキ装置を
構成した。
【0010】又、第3の手段として、踏み込み操作され
るブレーキペダルと、圧力源とパワー室とを連通及び遮
断する増圧バルブと、前記パワー室とリザーバとを連通
及び遮断する減圧バルブとを備え、ブレーキペダル踏力
に応じて前記圧力源の圧力を制御するレギュレータと、
前記ブレーキペダルと連動可能で且つ前記ブレーキペダ
ルに対して独立的に作動可能であると共に前記レギュレ
ータによって制御された前記圧力源の圧力が前記パワー
室に作用することにより作動するパワーピストンを備え
る倍力装置と、少なくとも一つの車両ホイールブレーキ
に連結されると共に前記倍力装置と連動するマスタシリ
ンダと、前記パワー室と前記減圧バルブとを連通及び遮
断する第1バルブと、前記パワー室と前記圧力源とを連
通及び遮断する第2バルブとを備えたブレーキ装置を構
成した。
【0011】好ましくは、第4の手段として、前記パワ
ーピストンは第1パワーピストンと第2パワーピストン
とを有し、ブレーキペダルの非操作時において前記第2
バルブにより前記パワー室と前記圧力源とが連通される
際には前記第2パワーピストンのみが作動されることを
特徴とする第1の手段又は第3の手段のブレーキ装置が
望ましい。
【0012】又、第5の手段として、圧力源とパワー室
とを連通及び遮断する増圧バルブと、前記パワー室とリ
ザーバとを連通及び遮断する減圧バルブとを備え、ペダ
ル踏力に応じて前記圧力源の圧力を制御するレギュレー
タと、前記レギュレータによって制御された前記圧力源
の圧力が前記パワー室に作用することにより作動するパ
ワーピストンを備える倍力装置と、少なくとも一つの車
両ホイールブレーキに連結されると共に前記倍力装置と
連動するマスタシリンダとを備えたブレーキ装置におい
て、前記マスタシリンダは前記パワーピストンと連動可
能なマスタシリンダピストンを備え、前記マスタシリン
ダピストンと前記パワーピストンとの間には通常時前記
リザーバと連通する圧力室が形成され、前記圧力室と前
記リザーバとを連通及び遮断する第1バルブと、前記圧
力室と前記圧力源とを連通及び遮断する第2バルブとを
備えたことを特徴とするブレーキ装置を構成した。
【0013】又、第6の手段として、踏み込み操作され
るブレーキペダルと、圧力源とパワー室とを連通及び遮
断する増圧バルブと、前記パワー室とリザーバとを連通
及び遮断する減圧バルブとを備え、ブレーキペダル踏力
に応じて前記圧力源の圧力を制御するレギュレータと、
前記ブレーキペダルと互いに連動すると共に前記レギュ
レータによって制御された前記圧力源の圧力が前記パワ
ー室に作用することにより作動するパワーピストンを備
える倍力装置と、前記パワーピストンと連動可能で且つ
前記パワーピストンとは独立的に作動可能なマスタシリ
ンダピストンを備え、前記マスタシリンダピストンの作
動に応じて少なくとも一つの車両ホイールブレーキに液
圧を供給するマスタシリンダと、前記パワーピストンと
前記マスタシリンダピストンとの間に形成されると共に
通常時前記リザーバに連通される圧力室と、前記圧力室
と前記リザーバとを連通及び遮断する第1バルブと、前
記圧力室と前記圧力源とを連通及び遮断する第2バルブ
とを備えたブレーキ装置を構成した。
【0014】好ましくは、第7の手段として、前記パワ
ー室と前記減圧バルブとの間で前記第1バルブと並列に
配設されると共に前記減圧バルブ側から前記パワー室側
への流入のみを許容する一方向弁を備えたことを特徴と
する第1の手段〜第4の手段の何れか一に記載のブレー
キ装置が望ましい。
【0015】好ましくは、第8の手段として、前記第1
パワーピストンと前記第2パワーピストンとの間に油室
が形成され、前記油室が前記パワー室或いは前記リザー
バにオリフィスを介して連通されていることを特徴とす
る第4の手段のブレーキ装置が望ましい。
【0016】好ましくは、第9の手段として、前記ブレ
ーキペダルの非操作時に前記第2バルブにより前記パワ
ー室と前記圧力源とが連通されて前記第2パワーピスト
ンが作動された後において、前記ブレーキペダルの踏込
み操作に対して抵抗が付与可能とされることを特徴とす
る第4の手段のブレーキ装置が望ましい。
【0017】好ましくは、第10の手段として、前記圧
力室がリリーフ弁を介して前記パワー室に連通されるこ
とを特徴とする第5の手段又は第6の手段のブレーキ装
置が望ましい。
【0018】好ましくは、第11の手段として、前記リ
リーフ弁に直列にオリフィスが設けられていることを特
徴とする第10の手段のブレーキ装置が望ましい。
【0019】好ましくは、第12の手段として、前記第
2バルブによる前記圧力室と前記圧力源との連通に伴う
前記マスタシリンダピストンの作動を所定量に規制する
ことを特徴とする第5の手段又は第6の手段のブレーキ
装置が望ましい。
【0020】好ましくは、第13の手段として、前記第
1バルブと前記第2バルブとの内で少なくとも一方のバ
ルブがリニア制御ソレノイドバルブであることを特徴と
する第1の手段〜第12の手段の何れか一に記載のブレ
ーキ装置が望ましい。
【0021】好ましくは、第14の手段として、前記第
1バルブ及び前記第2バルブの作動を制御する制御手段
を備えたことを特徴とする第1の手段〜第13の手段の
何れか一に記載のブレーキ装置が望ましい。
【0022】好ましくは、第15の手段として、前記第
1バルブ及び前記第2バルブは、前記制御手段により車
両の状態に応じて作動されることを特徴とする第14の
手段のブレーキ装置が望ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態により
具体的に説明する。
【0024】(実施の形態1)図1は本発明の一実施の
形態である液圧ブレーキ装置1の断面である。図1に示
すように、液圧ブレーキ装置1の液圧シリンダボデー1
a内の車両前方側(図1中左側)には液圧レギュレータ
2が構成され、後方側にはマスタシリンダ3が構成され
ており、ブレーキ操作部材たるブレーキペダル4が設け
られている。
【0025】このブレーキペダル4に加えられた踏力が
マスタシリンダピストン兼パワーピストンとしてのピス
トン5を介してブレーキ作動力として伝えられ、これに
応じてマスタシリンダ3の出力液圧が、ABS(アンチ
ロックブレーキシステム)、TRC(トラクションコン
トロール)及び制動操舵制御のアクチュエータ部40を
介し、車両前方右側及び左側の車輪FR、FL、並びに
後方右側及び左側の車輪RR、RLのホイールシリンダ
(車両ホイールブレーキ)Wfr、Wfl、Wrr、W
rlに出力される。尚、ホイールシリンダWfr、Wf
lは第1液圧系統に属し、ホイールシリンダWrr、W
rlは第2液圧系統に属する。
【0026】シリンダボデー1aには段付シリンダ孔1
bが形成されており、この中にピストン5及び制御ピス
トン6が前後方向(図1中左右方向)に前進及び後退可
能に収容され、ピストン5の前方でピストン5と制御ピ
ストン6との間に圧力室7が郭成されている。ピストン
5の後方で、ピストン5とシリンダ孔1bの後方側開口
を閉塞するプラグ8との間にはパワー室9が形成されて
いる。
【0027】図2は図1のマスタシリンダ3部分の拡大
図である。図1及び図2に示すように、シリンダ孔1b
には前方(図2中左方)で開口する有底筒状のプラグ8
が液密的に配設されており、プラグ8の前端部とシリン
ダ孔1bの段差部との間には前方から後方に向かってシ
ールカップ10、リテーナ11、シールカップ12が順
に配設されている。
【0028】プラグ8の凹部及びシリンダ孔1b内にピ
ストン5が前後方向に移動可能に配設されている。ピス
トン5の本体部5aから後方に向かって延在される軸部
5bは、プラグ8の底面部に形成された孔8aを液密的
に貫通してシリンダボデー1aから突出され、ブレーキ
ペダル4に接続される。ピストン5とブレーキペダル4
とは互いに連動するものであり、ブレーキペダル4の踏
み込み操作によりピストン5は前進され、ピストン5の
前進に伴ってブレーキペダル4も作動されることにな
る。
【0029】ピストン5の本体部5aの外周部及び底面
部と、シールカップ12と、プラグ8の凹部周壁部及び
底面部とで囲まれる部分にはパワー室9が区画されてい
る。パワー室9はシールカップ10、リテーナ11、及
びシールカップ12とにより圧力室7と液密的に区画さ
れており、プラグ8に形成された径方向孔8bを介して
液圧路1hに連通されている。
【0030】ピストン5の本体部5aの前端部には前方
(図2中左方)に開口する凹部5aaが形成されてい
る。又、ピストン5の前方側外周部には、ピストン5の
径方向に延在されてピストン5の外周側空間と凹部5a
内空間とを連通する連通孔5abが形成されている。図
2に示す初期状態においては、圧力室7は、ピストン5
の凹部5aaと、連通孔5abと、リテーナ11に形成
された径方向孔11aと、シリンダボデー1aに形成さ
れた液圧路1c及びポート1dとを介してリザーバ10
0に連通されている。
【0031】ピストン5の凹部5aa内には略円盤状の
プレート5cが嵌合されており、プレート5cには前方
に延在される係合軸部5dが配設されている。
【0032】図3は図1の液圧レギュレータ2部分の拡
大図である。図1及び図3に示すように、液圧レギュレ
ータ2は制御ピストン6の移動により作動される減圧バ
ルブ機構としてのスプール弁機構21と増圧バルブ機構
としてのポペット弁機構23とを備えている。又、液圧
レギュレータ2には圧力源としてのアキュムレータ20
0が接続され、その出力パワー液圧が適宜制御されて出
力される。アキュムレータ200は電気モータによって
駆動される図示しない液圧ポンプを介して不図示のリザ
ーバに接続され、このアキュムレータ200から液圧路
1eを介して連通孔16cにパワー液圧が供給される様
に構成されている。
【0033】シリンダ孔1b内に収容される制御ピスト
ン6の外周には、前後方向(図3中左右方向)に所定距
離隔てて一対のランド部6a、6bが形成されている。
前方ランド部6aにはシールリング6aaが装着されて
おり、前方ランド部6よりも大径の後方ランド部6bに
はシールカップ6baが装着されており、制御ピストン
6はシリンダ孔1bを液密的に摺動自在とされている。
【0034】シリンダ孔1b内には、制御ピストン6の
外周部、シリンダ孔1bの周壁部、及び両ランド部6
a、6bとにより囲まれるブレーキ液供給室12が形成
されている。ブレーキ液供給室12は、シールカップ6
baにより圧力室7と液密的に分離されており、シール
カップ6aaにより後述するレギュレータ室17と液密
的に分離されている。ブレーキ液供給室12は液圧路1
f及びポート1gを介してリザーバ100に連通され
る。
【0035】制御ピストン6には、前後方向の両端部に
前方凹部6c及び後方凹部6dが形成されている。制御
ピストン6の後方部にはリテーナ13が装着され、リテ
ーナ13とプレート5cとの間にはピストン5と制御ピ
ストン6とを互いに離間する方向に付勢するスプリング
14が配設されており、リテーナ13に係合軸部5dが
係止されることにより制御ピストン6に対するピストン
5の後方(図3中右方)への移動が規制される。制御ピ
ストン6の前方凹部6cには後述するスプール15の後
端部が保持されている。
【0036】図4は図3のスプール弁機構21の拡大図
である。図3及び図4に示すように、シリンダ孔1b内
において制御ピストン6の前方(図4中左方)には円筒
状のスリーブ16が嵌着されている。スリーブ16の外
周部には複数の環状溝が形成されており、それぞれに環
状のシール部材が嵌合されている。これらの隣接するシ
ール部材間にはスリーブ16の径方向に延在される連通
孔16a、16bが形成されており、これらを介してス
リーブ16の中空部がそれぞれ液圧路1f及びポート1
g、液圧路1hに連通されている。
【0037】スリーブ16の後端面と制御ピストン6の
前端面との間にはレギュレータ室17が形成されてい
る。レギュレータ室17は液圧路1hを介してパワー室
9(図2中)に連通されている。
【0038】スリーブ16の中空部内は孔161、16
2、163、164から成る段付孔に形成されており、
最小径の孔162内は、連通孔16a、液圧路1f、及
びポート1gとを介してリザーバ100に連通されるド
レイン室18となっている。
【0039】孔161には更にスリーブ19が収容され
ており、スリーブ19の中空部内には段付孔19aが形
成されており、これに直交する径方向(図4中上下方
向)に、レギュレータ室17に連通する連通孔19bが
形成されている。スリーブ19の段付孔19aにはスプ
ール15が摺動自在に収容されている。
【0040】又、孔162にはプランジャ20が前後方
向(図4中左右方向)に摺動自在に収容されており、そ
の後端面にスプール弁機構21のスプール15の前端面
が当接するように配設されている。
【0041】そして孔163内には、円柱状に形成され
た例えばゴム製の弾性部材22が嵌合され、プランジャ
20は弾性部材22を貫通して前端部がポペット弁機構
23内に延出されている。プランジャ20の後端部と弾
性部材22との間には、環状の伝達部材24が介装され
ており、これに当接する面と反対側の弾性部材22の面
には環状の凹部が形成されている。更に、弾性部材22
の前端面にはプレートが配設されており、弾性部材22
に対してその全面に亘り均一に液圧が付与されるように
構成されている。
【0042】スプール15は、スリーブ19の段付孔1
9a内を摺動する中間部に複数のラビリンス溝が形成さ
れている。又、スプール15の後方部にはリテーナ26
が支承され、このリテーナ26は制御ピストン6の前方
凹部6c内で支承されている。そして、リテーナ26と
スリーブ19との間にはスプリング27が張架され、ス
プール15を制御ピストン6の前方凹部6cの底面に当
接するように付勢している。
【0043】スプール15のスリーブ19への嵌合部に
おいて、連通孔19bは常時レギュレータ室17に開口
し、スプール19の初期位置においてはドレン室18と
連通するが、スプール15の前進作動に応じてそのラビ
リンス溝が形成されている中間部によって流路面積が制
限され、遂には連通孔19bが遮蔽させるように構成さ
れている。
【0044】ドレン室18は、スリーブ16の連通孔1
6aと液圧路1fとポート1gとを介してリザーバ10
0に連通されている。従って、スプール15の初期位置
ではレギュレータ室17もリザーバ100と連通し、大
気圧のブレーキ液が充填されている。
【0045】図5は図3のポペット弁機構23の拡大図
である。図3及び図5に示すように、孔163内の弾性
部材22とポペット弁機構23との間にはパワー出力室
25が形成されている。パワー出力室25はスリーブ1
6の連通孔16bを介して液圧路1hに連通している。
【0046】この液圧路1hは図1から明らかなように
パワー室9に連通され、パワー室9は液圧路1hを介し
てレギュレータ室17に連通されている。換言すれば、
パワー出力室25、液圧路1h、パワー室9、及びレギ
ュレータ室17によって調圧室が構成されている。
【0047】孔164にはスリーブ28が配設されてい
る。スリーブ28は有底筒状体で、前後方向(図5中左
右方向)に中空部28aが形成されると共に、更に中空
部28aに平行にスリーブ28を貫通する連通孔28b
が形成されている。スリーブ28の底面部には前後方向
に連通孔28cが形成されており、中空部28a側に弁
座28dが形成されている。スリーブ28の外周部には
複数の環状溝が形成されており、夫々に環状のシール部
材が嵌合されている。
【0048】スリーブ28の中空部28a内には弁部材
29、フィルタ30、及びスプリング31が収容され、
中空部28aに段付円柱状のスリーブ32が嵌着される
と、スリーブ28の中空部28a内にパワー入力室33
が形成される。このパワー入力室33は連通孔28cを
介してパワー出力室25と連通し得る。
【0049】スリーブ32には前後方向に穴32aが形
成されており、この穴31aに直交する径方向に連通孔
32bが形成されている。弁部材29は、その軸部29
aがスリーブ32の穴32aに摺動自在に支持されてい
る。尚、穴32aの開口面積は弁部材29の弁座28d
への着座面積と略等しくなるように設定されている。
【0050】弁部材29はフィルタ30と共にスリーブ
28の中空部28a内に収容され、スプリング31が弁
部材29の後端部とスリーブ32との間に張設される
と、弁部材29が弁座28dに着座する方向に付勢され
る。この状態で、弁部材29の軸部29aが穴32aに
支持されるように、スリーブ32の小径部がスリーブ2
8の中空部28aに嵌着される。
【0051】このとき、スリーブ28の前端面とスリー
ブ32の後端面との間には間隙34が形成され、孔32
aが連通孔32b及び間隙34並びにスリーブ28の連
通孔28bを介して、パワー出力室25、即ち、弁座2
8dに着座する弁部材29の頂面側に連通している。こ
れにより弁部材29に対しては両端部から軸方向に略等
しい圧力が加わることになるので、弁部材29に対する
負荷は極めて小さいものとなる。尚、弁部材29に対向
するようにプランジャ24が配置されているが、図5に
示す初期位置では弁部材29とプランジャ24の前端部
との間には若干のクリアランスが形成される。
【0052】しかして、図1〜図5に示す初期位置で
は、レギュレータ室17内はスリーブ19の連通孔19
a、19b、ドレイン室18、スリーブ16の連通孔1
6a、及び液圧路1f、そしてポート1gを介してリザ
ーバ100に連通しており、大気圧となっているが、制
御ピストン6の前進移動に伴ってスプール15が前進す
ると、スリーブ19の連通孔19bがスプール15の外
周面によって遮蔽され、代ってポペット弁機構23の弁
部材29が開弁する。
【0053】これによりアキュムレータ200のパワー
液圧が、液圧路1e、連通孔16c、図示しないスリー
ブ28に形成された内部空間28aと連通孔16cとを
連通する連通孔、パワー入力室33、弁部材29と弁座
29dとのクリアランス、連通孔28c、パワー出力室
25、連通孔16b、及び液圧路1hを介して、パワー
室9に供給され、更に液圧路1hを介してレギュレータ
室17内に供給されて各室内が増圧される。
【0054】制御ピストン6の前方ランド部6aに加わ
るレギュレータ液圧による力が後方のランド部6bに加
わるマスタシリンダ液圧による力を上回ると、制御ピス
トン6が後方に移動し、ポペット弁機構23の弁部材2
9が閉弁すると共にスプール弁機構21のスプール15
が開弁するので、レギュレータ室17及びパワー室9、
パワー出力室25並びに液圧路1h内が減圧される。こ
のような作動が繰り返されることによって、各室内が所
定の液圧に調圧される。
【0055】アキュムレータ200は更に、常閉のソレ
ノイドバルブ50(第2バルブ)を介して液圧路1h、
ひいてはパワー室9に連通されている。液圧路1h内に
はレギュレータ室17或いはスプール弁機構21からパ
ワー室9へのブレーキ液の流入のみを許容する一方向弁
70が配設されており、又、レギュレータ室17或いは
スプール弁機構21とパワー室9とは常開のソレノイド
バルブ60(第1バルブ)を介しても連通されており、
ソレノイドバルブ60と一方向弁70とは並列に配設さ
れている。両ソレノイドバルブ50、60は、ソレノイ
ドバルブ50、60への通電量が制御されることによ
り、開弁度が制御可能とされるリニア制御ソレノイドバ
ルブである。
【0056】圧力センサ80はパワー室9の圧力を検出
するものであり、車間距離センサ120は前方車両との
間の車間距離を検出する周知のセンサであり、車速セン
サ130は車両の速度を検出する周知のセンサである。
両ソレノイドバルブ50、60、圧力センサ80、車間
距離センサ120、及び車速センサ130は電子制御装
置90に電気的に接続されており、圧力センサ80、車
間距離センサ120及び車速センサ130により検出さ
れた検出結果は電子制御装置90に送信される。
【0057】図6は電子制御装置90の概略図である。
電子制御装置90は、図6に示すように、バスを介して
相互に接続されたCPU90a、ROM90b、RAM
90c、タイマ90d、入力ポート90e及び出力ポー
ト90fから成るマイクロコンピュータ90gを備えて
いる。
【0058】圧力センサ80の出力信号は増幅回路90
hを介し、車間距離センサ120の出力信号は増幅回路
90iを介し、車速センサ130の出力信号は増幅回路
90jを介してそれぞれ入力ポート90eからCPU9
0aに入力されるように構成されている。又、出力ポー
ト90fからは増幅回路90kを介してソレノイドバル
ブ50に制御信号が出力されるように構成され、増幅回
路90kを介してソレノイドバルブ60に制御信号が出
力されるように構成されている。
【0059】マイクロコンピュータ90gにおいては、
ROM90bは不図示のフローチャートプログラムを記
憶し、CPU90aは図示しないイグニッションスイッ
チが閉成されている間当該プログラムを実行し、RAM
90cは当該プログラムの実行に必要な変数データを一
時的に記憶する。
【0060】次いで液圧ブレーキ装置1の作動を説明す
る。図7は、横軸がブレーキペダル4の踏力を表し、縦
軸が前輪側ホイールシリンダWfr、Wflの油圧を表
した本実施の形態の液圧ブレーキ装置1の特性線図であ
り、図8は、横軸がブレーキペダル4の踏力を表し、縦
軸がブレーキペダル4の踏み込み量を表した本実施の形
態の液圧ブレーキ装置1の特性線図であり、図9は、横
軸がブレーキペダル4の踏み込み量を表し、縦軸が前輪
側ホイールシリンダWfr、Wflの油圧を表した本実
施の形態の液圧ブレーキ装置1の特性線図である。
【0061】図1〜図9に示すように、初期状態におい
ては、ソレノイドバルブ50は閉弁されていることから
ソレノイドバルブ50を介したアキュムレータ200と
パワー室9との連通は遮断されており、ソレノイドバル
ブ60は開弁されていることからパワー出力室25或い
はスプール弁機構21及びレギュレータ室17とパワー
室9とのソレノイドバルブ60を介した連通は許容され
ている。
【0062】不図示の車両のイグニッションスイッチが
閉成されると電子制御装置90において図示しないフロ
ーチャートに対応したプログラムの実行が開始され、マ
イクロコンピュータ90gが初期化されて各種の演算値
がクリアされる。通常ブレーキ作動として、運転者によ
り例えば踏力i1でブレーキペダル4が踏み込み操作さ
れてピストン5が押圧されると、ピストン5がシリンダ
ボデー1aに対して前進される。
【0063】ピストン5が前進されるとピストン5の連
通孔5abのピストン5外周部側開口がシールカップ1
0により遮蔽され、圧力室7とリザーバ100との連通
が遮断される。従って、ピストン5の前進に伴って圧力
室7の液圧が昇圧されることになる。
【0064】圧力室7の液圧が昇圧されることにより制
御ピストン6及びスプール15がシリンダボデー1aに
対して前進される。スプール15が前進されることによ
ってスリーブ19の連通孔19bの内周部側開口がスプ
ール15の外周部により閉塞され、レギュレータ室17
とリザーバ100との連通が遮断される。
【0065】同時に、スプール15の前進によりプラン
ジャ20ひいては弁部材29が前進されて弁部材29と
弁座28dとが離間し、アキュムレータ200からのパ
ワー液圧が液圧路1eから、連通孔16c、パワー入力
室33、弁部材29と弁座28dとの間のクリアラン
ス、連通孔28c、パワー出力室25、連通孔16b、
及び液圧路1hを介してレギュレータ室17に供給さ
れ、更に液圧路1hからソレノイドバルブ60、チェッ
クバルブ70及び連通孔8bを介してパワー室9に供給
される。
【0066】これによって、ピストン5が助勢されて更
に前進し、圧力室7内の液圧が更に昇圧されてマスタシ
リンダ液圧が液圧路1i及びアクチュエータ40を介し
てホイールシリンダWfr、Wflに出力され、ホイー
ルシリンダWfr、Wflはマスタシリンダ液圧を受け
ることにより車輪FR、FLにこの液マスタシリンダ液
圧に応じた制動力を付与する。即ち、ブレーキペダル4
の操作によるピストン5の前進に伴って車輪FR、FL
に第1の制動力が付与されることになる。
【0067】又、パワー液圧がパワー出力室25から液
圧路1j及びアクチュエータ40を介してホイールシリ
ンダWrr、Wrlに出力され、ホイールシリンダWr
r、Wrlはパワー液圧を受けることにより車輪RR、
RLにこのパワー液圧に応じた制動力を付与する。即
ち、ブレーキペダル4の操作によるピストン5の前進に
伴って車輪RR、RLに第1の制動力が付与されること
になる。
【0068】このときの前輪側ホイールシリンダWf
r、Wflに出力される液圧はPw1となる。
【0069】ブレーキペダル4の踏み込み操作が解除さ
れると、スプリング14とスプリング27との付勢力に
よりピストン5及び制御ピストン6が後方へ復帰移動さ
れる。この復帰移動において、制御ピストン6において
は、制御ピストン6とスプール15とがシリンダボデー
1aに対して一体的に後退され、スプール15の後退に
より連通孔19bのスプール15による遮蔽状態が解除
されると共に弁部材29が弁座28dに着座して連通孔
28cが閉塞される。
【0070】従って、レギュレータ室17とアキュムレ
ータ200との連通が遮断されると共にレギュレータ室
17がリザーバ100に連通され、パワー出力室25と
パワー入力室33ひいてはアキュムレータ200との連
通が遮断され、レギュレータ室17、ひいてはパワー室
9及び圧力室7の液圧が減圧されて車輪FR、FL、R
R、RLへの制動力も減少される。制御ピストン6の後
退はその前方ランド部6aがピン110に当接すること
により終了される。
【0071】ピストン5においては、ピストン5の後退
によりやがてシールカップ10による連通孔5abの遮
蔽状態が解除される。即ち、圧力室7が、連通孔5a
b、リテーナ11の連通孔11a、液圧路1c、及びポ
ート1dを介してリザーバ100に連通されることにな
る。圧力室7とリザーバ100とが連通されることから
圧力室7内の液圧が減圧され、ピストン5は係合軸部5
dがリテーナ13に係合することによりその後退を終了
する。
【0072】ピストン5の初期位置への復帰作動に伴
い、ブレーキペダル4は図示しないスプリングとピスト
ン5とにより付勢されて初期位置へと復帰する。
【0073】ブレーキペダル4の操作に伴うマスタシリ
ンダ3及びレギュレータ2の作動において、レギュレー
タ室17内のレギュレータ液圧によって制御ピストン6
に付与される力が圧力室7内のマスタシリンダ液圧によ
って制御ピストン6に付与される力より小であれば、ス
プール弁機構21のスプール15が閉弁しポペット弁機
構23の弁部材29が開弁する方向に制御ピストン6が
移動し、レギュレータ室17内及びパワー室9内の液圧
が増圧される。
【0074】制御ピストン6に付与される力の関係が上
記と逆になると、スプール弁機構21のスプール15が
開弁しポペット弁機構23の弁部材29が閉弁する方向
に制御ピストン6が移動し、レギュレータ室17及びパ
ワー室9内の液圧が減圧される。即ち、液圧レギュレー
タ2はマスタシリンダ液圧に応じてレギュレータ室17
内及びパワー室9内の液圧を増減制御しており、圧力室
7のマスタシリンダ液圧はブレーキペダル4の踏力に応
じていることから、レギュレータ2はブレーキペダル4
の踏力に応じてアキュムレータ200からパワー室9或
いはレギュレータ室17へ導入される液圧を制御するよ
うに作動する。
【0075】このような制御ピストン6の移動に伴うス
プール15の移動の繰り返しによって、制御ピストン6
に付与されるレギュレータ液圧による力とマスタシリン
ダ液圧による力とが等しくなるように制御される。そし
て、パワー出力室25内の液圧による力が弾性部材22
を介してプランジャ20に伝達されるまでは、図7の線
k1に示されるようなマスタシリンダ液圧に略比例した
ブレーキ液圧特性が得られる。
【0076】更にパワー出力室25内の液圧が増圧さ
れ、パワー出力室25に供給されるパワー液圧によって
弾性部材22の中央部が後方に変位し、プランジャ20
に当接してスプール15が後方に押圧されると、連通孔
19bの開口面積が増大する。これにより、レギュレー
タ室17内のレギュレータ液圧が減圧され、図7の線k
2に示されるようなマスタシリンダ液圧に略比例するが
ブレーキ液圧特性の増圧勾配より緩やかな増圧勾配を有
するブレーキ液圧特性が得られる。
【0077】本実施の形態の液圧ブレー装置1では、図
8に示すように、通常ブレーキ作動時におけるブレーキ
ペダル4の踏力とブレーキペダル4の踏み込み量との軌
跡は図8に示す曲線に従うことになる。即ち、ブレーキ
ペダル4の踏力がi1のときにはブレーキペダル4の踏
み込み量はSt1となり、踏力がi2のときには踏み込
み量はSt2となる。
【0078】又、図9に示すように、通常ブレーキ作動
時におけるブレーキペダル4の踏み込み量と前輪側ホイ
ールシリンダWfr、Wflの油圧との軌跡は図9に示
す曲線に従うことになる。即ち、ブレーキペダル4の踏
み込み量がSt1のときには前輪側のホイールシリンダ
Wfr、Wflの油圧はPw1となり、ブレーキペダル
4の踏み込み量がSt2のときには前輪側のホイールシ
リンダWfr、Wflの油圧はPw2となる。
【0079】例えば、車両走行中に車間距離センサ12
0が検出した検出結果である距離K1が電子制御装置9
0に出力されると、この距離K1と予め設定されていた
閾値としての所定距離Knとが電子制御装置90により
比較される。
【0080】電子制御装置90により距離K1が所定の
距離Knよりも短いと判定されると、前方車両に当方の
車両が近づき過ぎていることから前方車両との車間距離
を所定距離Kn以上とするために、電子制御装置90が
ソレノイドバルブ50、60を作動させる自動ブレーキ
作動が行われる。即ち、運転者によるブレーキペダル4
への操作が無い、換言すれば踏力の付与が無い状態で液
圧ブレーキ装置1が作動されることになる。
【0081】電子制御装置90によりソレノイドバルブ
50が作動されると、アキュムレータ200とパワー室
9とがソレノイドバルブ50を介して連通され、ソレノ
イドバルブ60が作動されることによりパワー出力室2
5、スプール弁機構21及びレギュレータ室17とパワ
ー室9との連通が遮断される。従って、アキュムレータ
200内のブレーキ液がパワー室9に流入し、パワー室
9の液圧が昇圧されることによりピストン5が前進移動
されて、上述した通常作動時の作動と略同様にして各車
輪に制動力が付与されることになる。
【0082】即ち、ブレーキペダル4の踏み込み操作と
は独立的に、アキュムレータ200のパワー液圧による
ピストン5の前進に伴って各車輪FR、FL、RR、R
Lに第2の制動力が付与されることになる。
【0083】車間距離センサ120と車速センサ130
との検出結果から電子制御装置90は前方車両との車間
距離を所定値Kn以上に良好な状態で復帰させるために
必要とされる理想減速度を演算する。この演算された理
想減速度を達成するために求められる制動力を車輪F
R、FL、RR、RLに付与する為に、ソレノイドバル
ブ50に供給される電流量を制御してソレノイドバルブ
50の開弁度を制御し、パワー室9の圧力、ひいてはア
キュムレータ200からパワー室9へ供給されるパワー
液圧を調圧する圧力制御が行われる。
【0084】車間距離センサ120から出力される最新
の検出結果K2が所定距離Knと比較され、検出結果K
2が所定距離Knよりも長いと判断されると、この比較
結果から前方車両と当方の車両との間には十分な車間距
離が確保されていると判断されてソレノイドバルブ50
の作動が終了される。即ち、ソレノイドバルブ50が閉
弁されることによりソレノイドバルブ50を介したアキ
ュムレータ200とパワー室9との連通が遮断されるこ
とになる。
【0085】車間距離センサ120と車速センサ130
との検出結果から電子制御装置90は良好な状態で液圧
ブレーキ装置1の自動ブレーキ作動を解除するために必
要とされる理想加速度を演算する。この演算された理想
加速度を達成するために求められる車輪FR、FL、R
R、RLへ付与されていた制動力の減少の為に、ソレノ
イドバルブ60に供給される電流量を制御してソレノイ
ドバルブ60の開弁度を制御し、パワー室9の圧力を調
圧する圧力制御が行われる。
【0086】ソレノイドバルブ60が開弁されることに
より、パワー室9とスプール弁機構21及びレギュレー
タ室17とが連通され、スプリング14の付勢力を受け
ているピストン5が後退可能となる。従って、パワー室
9内のブレーキ液が、液圧路1hとソレノイドバルブ6
0とを介してスプール弁機構21及びレギュレータ室1
7とに流入し、パワー室9内の液圧が減圧されることか
ら、上述した通常作動の復帰作動と同様にしてスプリン
グ14の付勢力によりピストン5が初期位置へと復帰さ
れ、車輪FR、FL、RR、RLへの制動力が減少され
る。
【0087】センサ80からの検出結果に基づきパワー
室9の液圧が略ゼロになったことが電子制御装置90に
おいて判断されるとソレノイドバルブ60の作動が解除
され、液圧ブレーキ装置1は初期状態へと復帰する。
【0088】この液圧ブレーキ装置1の自動ブレーキ作
動は、運転者によるブレーキペダル4への踏力付与に代
わってアキュムレータ200によりパワー液圧をピスト
ン5に作用させることにより、ピストン5を前進移動さ
せて液圧ブレーキ装置1を作動させているものである。
【0089】即ち、自動ブレーキ作動時にアキュムレー
タ200からパワー室9に付与されるパワー圧による力
と前輪側ホイールシリンダWfr、Wfl内の油圧との
軌跡は、図7に示す曲線と略同じ曲線を描くことにな
る。従って、踏力i1と同等の液圧による力がアキュム
レータ200からパワー室9に供給されると、液圧ブレ
ーキ装置1は前輪側ホイールシリンダWfr、Wflに
おいて略Pw1の油圧を印加することになる。
【0090】又、ブレーキペダル4はピストン5と互い
に連動されていることから、自動ブレーキ作動時におい
てピストン5が前進されるとブレーキペダル4も初期位
置から移動されることになる。即ち、自動ブレーキ作動
時におけるブレーキペダル4の初期位置からの移動量と
アキュムレータ200からパワー室9に付与されるパワ
ー液圧による力との軌跡は、図8の曲線と略同じ曲線を
描くことになる。従って、踏力i1と同等の力を有する
パワー液圧による力がアキュムレータ200からパワー
室9に供給されると、ブレーキペダル4は初期位置から
略距離St1分移動されることになる。
【0091】以上のことから、自動ブレーキ作動におけ
るブレーキペダル4の初期位置からの移動量と前輪側ホ
イールシリンダWfr、Wfl内の油圧との軌跡は、図
9に示す曲線と略同じ曲線を描くことになる。従って、
自動ブレーキ作動時のブレーキペダル4の移動量がブレ
ーキペダル4の踏み込み量St1と同等となるとき、自
動ブレーキ作動時におけるホイールシリンダWfr、W
flの油圧は略Pw1となる。
【0092】液圧ブレーキ装置1の自動ブレーキ作動時
で、例えば液圧ブレーキ装置1において前輪側ホイール
シリンダWfr、Wflに付与されている液圧がPw2
の時、ピストン5の前進に伴ってブレーキペダル4は初
期位置から略距離St2分移動されている。
【0093】この状態で、例えば、制動力の増加の目的
の為に運転者によりブレーキペダル4が(i2−i1)
分の踏力でもって踏み込み操作されると、ピストン5が
シリンダボデー1aに対して前進される。ピストン5は
自動ブレーキ作動によって既に前進移動されていること
から、圧力室7とリザーバ100との連通は遮断されて
いる。従って、圧力室7内の液圧が昇圧されることにな
る。
【0094】圧力室7の液圧が昇圧されることにより、
スプール弁機構21が閉弁されるとともにポペット弁機
構23が開弁されて、アキュムレータ200とパワー室
9とが連通される。このとき、自動ブレーキ作動のため
にソレノイドバルブ60が閉弁されていることから、ア
キュムレータ200からのパワー液圧は、パワー入力室
33、パワー出力室25、液圧路1h、及びチェックバ
ルブ70を介してパワー室9に供給されることになる。
【0095】これによって、ピストン5が助勢されて更
に前進し、圧力室7内の液圧が更に昇圧され、マスタシ
リンダ液圧が液圧路1iを介してホイールシリンダWf
r、Wflに出力されると共にパワー液圧がパワー出力
室25から液圧路1jを介してホイールシリンダWr
r、Wrlに出力される。液圧を受けた各ホイールシリ
ンダWfr、Wfl、Wrr、Wrlは各車輪FR、F
L、RR、RLに液圧に応じた制動力を付与する。
【0096】換言すれば、各車輪FR、FL、RR、R
Lは、自動ブレーキ作動により第2の制動力が付与され
ている状態で、通常ブレーキ作動による第1の制動力が
更に付加されることになる。
【0097】このときピストン5に印加されている前進
力は、運転者からの踏力(i1−i2)と、踏力i2に
略等しい力を有するアキュムレータ200からのパワー
液圧による力とになることから、この作動は通常ブレー
キ作動においてブレーキペダル4に踏力i1が印加され
ている状態に略等しいものとなる。従って、前輪側ホイ
ールシリンダWfr、Wflに付与される液圧はPw1
となる。
【0098】この作動においては、ブレーキペダル4が
初期位置から距離St2分移動された位置から運転者に
より踏力(i1−i2)によって更に踏み込まれている
ことから、ブレーキペダル4は初期位置から略距離St
1分移動されることになる。即ち、通常ブレーキ作動に
おいてホイールシリンダWfr、Wflに付与される液
圧がPw1となる際に要するブレーキペダル4の踏み込
み量、即ち、初期位置からの移動量がSt1であるのに
対して、自動ブレーキ時の増し踏み作動においてホイー
ルシリンダWfr、Wflに付与される液圧がPw1と
なるのに要したブレーキペダル4の移動量もまたSt1
となる。
【0099】従って、通常ブレーキ作動時と、自動ブレ
ーキ作動時においてブレーキペダル4が操作される自動
ブレーキ時の増し踏み作動時とにおいて、ホイールシリ
ンダWfr、Wflに出力される液圧が略等しいとき、
ブレーキペダル4の踏み込み操作による停止位置は略等
しくなり、換言すれば、ブレーキペダル4の踏み込み量
或いは移動量は略等しくなり、運転者に良好な操作感覚
を与えることが可能となる。
【0100】制御ピストン6と対向し圧力室7を形成す
るピストン5の外周部にその内周部で当接するシールカ
ップ10のシール力、或いは、シールカップ10のピス
トン5との間で生じる摩擦力を適宜設定することによ
り、ピストン5のシリンダボデー1aに対する移動にお
ける摺動抵抗を変更でき、ひいては、液圧ブレーキ装置
1の入出力特性におけるヒステリシスの制御を可能と
し、良好なブレーキコントロール性を得ることができ
る。例えば、シールカップ10のシール力を減少させる
と、液圧ブレーキ装置1+の入出力特性におけるヒステ
リシスは減少される。
【0101】以上説明したように、本実施の形態の液圧
ブレーキ装置1によれば、通常ブレーキ作動時と、自動
ブレーキ作動時の増し踏み作動時とにおいて、ホイール
シリンダWfr、Wflに出力される液圧が略等しいと
きには、ブレーキペダル4の踏み込み操作による停止位
置は略等しくなり、運転者に良好な操作感覚を与えるこ
とができる。
【0102】更に、ソレノイドバルブ50がリニア制御
ソレノイドバルブであることから、パワー室9の圧力を
容易に増圧制御でき、ひいては、車両の減速度を容易に
制御できることから、液圧ブレーキ装置1の自動ブレー
キ作動時において良好な車両の制動を可能としている。
【0103】更に、ソレノイドバルブ60がリニア制御
ソレノイドバルブであることから、パワー室9の圧力を
容易に減圧制御でき、ひいては、車両の加速度を容易に
制御できることから、車両の良好な状態を保ちながら液
圧ブレーキ装置1の自動ブレーキ作動を解除することを
可能としている。
【0104】更に、チェックバルブ70を配設したこと
により、自動ブレーキ時の踏み増し時において、パワー
室9とパワー出力室25及びレギュレータ室17との連
通を簡素な構成で行うことを可能とし、コストの低減及
び組付け作業能率の向上を可能としている。
【0105】更に、ピストン5をマスタシリンダピスト
ンとパワーピストンとを兼ねる構成としたことにより部
品点数の減少を可能とし、ブレーキ装置1の構成の簡素
化及びそれに伴う組付け作業能率の向上とコストの低減
とを可能としている。
【0106】更に、ソレノイドバルブ50、60が、前
方車両との車間距離が所定値以下となる際に作動される
ように、即ち、車両の状態に応じて作動されるようにさ
れていることから、より良いソレノイドバルブ50、6
0の作動時期の設定を可能としている。
【0107】従って、ブレーキフィーリングの向上を図
った液圧ブレーキ装置1を提供することを可能としてい
る。
【0108】本実施の形態においては、ピストン5がマ
スタシリンダ2の圧力室7に作用するマスタシリンダピ
ストンとパワー室9内の液圧が作用する倍力装置のパワ
ーピストンとの両方を兼ねる構成とされているが、特に
この構成に限定されるものではなく、例えば、マスタシ
リンダピストンとパワーピストンとを夫々備えた本発明
のブレーキ装置においても同様の作用効果が得られる。
【0109】又、本実施の形態においては、ピストン5
がマスタシリンダ3を構成するマスタシリンダピストン
と倍力装置を構成するパワーピストンとを兼ねる構成と
されていることから、ブレーキ装置1において倍力装置
が簡素化された構成とされているが、特にこの構成に限
定されるものではなく、例えば、マスタシリンダと倍力
装置とを夫々備えた本発明のブレーキ装置においても同
様の作用効果が得られる。
【0110】(実施の形態2)図10は本発明の一実施
の形態の液圧ブレーキ装置のマスタシリンダ3部分の拡
大断面図である。ピストン5の構成以外は実施の形態1
と略同様であるので詳細な説明は省略する。尚、実施の
形態1と同様の部材には同符号が付してある。
【0111】プラグ8の凹部及びシリンダ孔1b内にマ
スタシリンダピストンとパワーピストンとを兼ねるピス
トン5が前後方向(図10中左右方向)に移動可能に配
設されている。ピストン5は、第1ピストン51と、第
1ピストン51の前方側(図10中左側)に配設される
第2ピストン52とを有している。
【0112】第1ピストン51の本体部51aの後部か
ら後方(図10中右方)に向かって延在される軸部51
bは、プラグ8の底面部に形成された孔8aを液密的に
貫通してシリンダボデー1aから突出され、不図示のブ
レーキペダルに接続される。第1ピストン51とブレー
キペダルとは互いに連動するように接続されており、ブ
レーキペダルが踏み込み操作されることにより第1ピス
トン51は前進され、又、第1ピストン51が前進する
ことによりブレーキペダルが作動される。
【0113】第2ピストン52は、その前方部に形成さ
れると共に前方に開口する前方凹部52aと、その後方
部に形成されると共に後方に開口する後方凹部52bと
を有している。後方凹部52bには、第1ピストン51
の本体部51aが前後方向に摺動可能に配設されてい
る。従って、第1ピストン51と第2ピストン52とは
互いに前後方向に移動可能とされている。図10に示す
初期状態においては、第1ピストン51の前端面と第2
ピストン52の後方凹部52bの底面部とは当接されて
いる。
【0114】図10に示す初期状態において、第1ピス
トン51の本体部51aの後部及び第2ピストン52の
後方凹部52bの開口周縁部と、第2ピストン52の外
周部と、シールカップ12と、プラグ8の凹部周壁部及
び底面部とで囲まれる部分には、パワー室9が区画され
ている。パワー室9はシールカップ10、リテーナ1
1、及びシールカップ12とにより圧力室7と液密的に
区画されている。
【0115】第1ピストン51の本体部51aの前端面
と、第2ピストン52の後方凹部52bの周壁部及び底
面部とにより囲まれる部分には、油室101が形成され
ている。油室101は、第1ピストン51の本体部51
aに形成された前方に開口する凹部51cと、第1ピス
トン51の本体部51aに形成されると共に凹部51c
と第1ピストン51の外周部とを連通する径方向孔51
dと、第1ピストン51の本体部外周部と第2ピストン
52の後方凹部52bの周壁部との間の空隙とを介し
て、パワー室9に連通されている。
【0116】第2ピストン52の前方側外周部には、第
2ピストン52の径方向に延在されて第2ピストン52
の外周側空間と前方凹部52a内空間とを連通する連通
孔52cが形成されている。図10に示す初期状態にお
いては、圧力室7は、第2ピストン52の前方凹部52
aと、連通孔52cと、リテーナ11に形成された径方
向孔11aと、シリンダボデー1aに形成された液圧路
1c及びポート1dとを介してリザーバに連通されてい
る。
【0117】次いで液圧ブレーキ装置の作動を説明す
る。ピストン5の構成以外は実施の形態1の液圧ブレー
キ装置と同様であるので、便宜的に図1〜9を用いて説
明する。図1〜図10に示すように、初期状態において
は、ソレノイドバルブ50は閉弁されていることからソ
レノイドバルブ50を介したアキュムレータ200とパ
ワー室9との連通は遮断されており、ソレノイドバルブ
60は開弁されていることからソレノイドバルブ60を
介したレギュレータ室17及びスプール弁機構21とパ
ワー室9との連通は許容されている。
【0118】不図示の車両のイグニッションスイッチが
閉成されると電子制御装置90において図示しないフロ
ーチャートに対応したプログラムの実行が開始され、マ
イクロコンピュータ90gが初期化されて各種の演算値
がクリアされる。通常ブレーキ作動として、運転者によ
り例えば踏力i1でブレーキペダル4が踏み込み操作さ
れて第1ピストン51が押圧されると、第1ピストン5
1がシリンダボデー1aに対して前進される。
【0119】第1ピストン51が前進されると、第1ピ
ストン51の前端面と第2ピストン52の後方凹部52
bの底面部とが当接していることから、第1ピストン5
1の前進に伴って第2ピストン52もまたシリンダボデ
ー1aに対して前進される。即ち、第1ピストン51と
第2ピストン52とは一体的に前進される。
【0120】ピストン5が前進されると第2ピストン5
2の連通孔52cのピストン5外周部側開口がシールカ
ップ10により遮蔽され、圧力室7とリザーバ100と
の連通が遮断される。従って、ピストン5の前進に伴っ
て圧力室7の液圧が昇圧されることになる。
【0121】圧力室7の液圧が昇圧されることにより制
御ピストン6及びスプール15がシリンダボデー1aに
対して前進され、スプール弁機構21が閉弁されると共
にポペット弁機構23が開弁される。従って、レギュレ
ータ室17とリザーバ100との連通が遮断され、アキ
ュムレータ200とパワー室9とが連通されることにな
る。
【0122】アキュムレータ200からパワー室9に供
給されたパワー液圧は第2ピストン52の後方凹部52
bの開口周縁部に作用して第2ピストン52を前進させ
る。この第2ピストン52の前進に伴って踏力i1を受
けている第1ピストン51も第2ピストン52と一体的
に前進することになる。
【0123】即ち、ピストン5が助勢されて更に前進さ
れ、圧力室7内の液圧が更に昇圧されてマスタシリンダ
液圧が液圧路1i及びアクチュエータ40を介してホイ
ールシリンダWfr、Wflに出力され、ホイールシリ
ンダWfr、Wflはマスタシリンダ液圧を受けること
により車輪FR、FLにこのマスタシリンダ液圧に応じ
た制動力を付与する。即ち、ブレーキペダル4の操作に
よるピストン5の前進に伴って車輪FR、FLに第1の
制動力が付与されることになる。
【0124】又、パワー液圧がパワー出力室25から液
圧路1j及びアクチュエータ40を介してホイールシリ
ンダWrr、Wrlに出力され、ホイールシリンダWr
r、Wrlはパワー液圧を受けることにより車輪RR、
RLにこのパワー液圧に応じた制動力を付与する。即
ち、ブレーキペダル4の操作によるピストン5の前進に
伴って車輪RR、RLに第1の制動力が付与されること
になる。
【0125】このときの前輪側ホイールシリンダWf
r、Wflに出力される液圧はPw1となる。
【0126】その他の通常ブレーキ作動は実施の形態1
と略同様であるので説明は省略する。
【0127】例えば、車両走行中に車間距離センサ12
0が検出した検出結果である距離K1が電子制御装置9
0に出力されると、ステップ102において、この距離
K1と予め設定されていた閾値としての所定距離Knと
が電子制御装置90により比較される。
【0128】電子制御装置90により距離K1が所定の
距離Knよりも短いと判定されると、前方車両に当方の
車両が近づき過ぎていることから前方車両との車間距離
を所定距離Kn以上とするために、電子制御装置90が
ソレノイドバルブ50、60を作動させる自動ブレーキ
作動が行われる。即ち、運転者によるブレーキペダル4
への操作が無い、換言すれば踏力の付与が無い状態で液
圧ブレーキ装置1が作動されることになる。
【0129】電子制御装置90によりソレノイドバルブ
50が作動されるとソレノイドバルブ50は開弁されて
アキュムレータ200とパワー室9とが連通され、ソレ
ノイドバルブ60が作動されることによりソレノイドバ
ルブ60は閉弁されてパワー出力室25、スプール弁機
構21及びレギュレータ室17とパワー室9との連通が
遮断される。従って、アキュムレータ200内のブレー
キ液がパワー室9に流入し、パワー室9の液圧が昇圧さ
れる。
【0130】このとき、パワー室9に流入されるパワー
液圧はマスタシリンダピストン5の第2ピストン52だ
けに作用し、第1ピストン51には運転者からの踏力が
印加されていないことから第2ピストン52だけがシリ
ンダボデー1a及び第1ピストン51に対して前進移動
されることになる。従って、第1ピストン52は初期状
態を維持することからブレーキペダル4も連動すること
なく初期状態を維持することになる。
【0131】第2ピストン52が前進されることから圧
力室7の液圧が昇圧され、上述した通常作動時の作動と
略同様にして各車輪に制動力が付与されることになる。
即ち、ブレーキペダル4の踏み込み操作とは独立的に、
アキュムレータ200のパワー液圧による第2ピストン
52の前進に伴って各車輪FR、FL、RR、RLに第
2の制動力が付与されることになる。
【0132】その他の自動ブレーキ作動は実施の形態1
と略同様であるので説明は省略する。
【0133】この液圧ブレーキ装置1の自動ブレーキ作
動は、運転者によるブレーキペダル4への踏力付与に代
わってアキュムレータ200によりパワー液圧をマスタ
シリンダピストン5の第2ピストン52に印加すること
により、第2ピストン52を前進移動させて液圧ブレー
キ装置1を作動させているものである。
【0134】即ち、自動ブレーキ作動時にアキュムレー
タ200からパワー室9に付与されるパワー液圧による
力と前輪側ホイールシリンダWfr、Wfl内の油圧と
の軌跡は、図7に示す曲線と略同じ曲線を描くことにな
る。従って、踏力i1と同等の液圧による力がアキュム
レータ200からパワー室9に供給されると、液圧ブレ
ーキ装置1は前輪側ホイールシリンダWfr、Wflに
おいて略Pw1の油圧を印加することになる。
【0135】本実施の形態のブレーキ装置1において
は、ブレーキペダル4は通常ブレーキ作動時においては
ピストン5と連動するが、自動ブレーキ作動時において
は連動されないものである。
【0136】液圧ブレーキ装置1の自動ブレーキ作動時
で、例えば液圧ブレーキ装置1において前輪側ホイール
シリンダWfr、Wflに付与されている液圧がPw2
の時、マスタシリンダピストン5の第2ピストン52の
初期状態からの移動量は、実施の形態1の液圧ブレーキ
装置1における自動ブレーキ作動時のピストン5の移動
量と略等しい。換言すれば、この第2ピストン52の前
方への移動量はブレーキペダル4が距離St2分移動し
得る距離に対応しているものである。
【0137】更に、自動ブレーキ作動時においては第2
ピストン52が第1ピストン51に対して前進されてい
ることから、シリンダボデー1aのシリンダ孔1bに
は、第1ピストン51の前方部と第2ピストン52の後
方凹部52bの周壁部部及び底面部とにより区画される
油室101が形成される。
【0138】この状態で、例えば、制動力の増加の目的
の為に運転者によりブレーキペダル4が(i2−i1)
分の踏力でもって踏み込み操作されると、ピストン5の
第1ピストン51がシリンダボデー1a及び第2ピスト
ン52に対して前進される。第1ピストン51の前進に
おいて、油室101内のブレーキ液が第1ピストン51
と第2ピストン52とにより圧縮され、第1ピストン5
1に形成されている連通孔51cと径方向孔51dとを
介してパワー室9に流入される。
【0139】径方向孔51dにはオリフィス51eが形
成されていることから、油室101からパワー室9への
ブレーキ液の流動を抑制し、ひいては、第1ピストン5
1の前進に対して抵抗を付与することになる。
【0140】第1ピストン51が第2ピストン52に当
接することにより、第1ピストン51と第2ピストン5
2とが一体的に前進を開始する。この第1ピストン51
と第2ピストン52との当接に際して、ブレーキペダル
4は運転者により略距離St2分踏み込まれることにな
る。
【0141】第1ピストン51と第2ピストン52とが
一体的に、即ち、ピストン5が前進することにより、圧
力室7の液圧が昇圧され、スプール弁機構21が閉弁さ
れるとともにポペット弁機構23が開弁されて、アキュ
ムレータ200とパワー室9とが連通される。このと
き、自動ブレーキ作動のためにソレノイドバルブ60が
閉弁されていることから、アキュムレータ200からの
パワー液圧は、パワー入力室33、パワー出力室25、
液圧路1h、及びチェックバルブ70を介してパワー室
9に供給されることになる。
【0142】これによって、ピストン5が助勢されて更
に前進し、圧力室7内の液圧が更に昇圧され、マスタシ
リンダ液圧が液圧路1iを介してホイールシリンダWf
r、Wflに出力されると共にパワー液圧がパワー出力
室25から液圧路1jを介してホイールシリンダWr
r、Wrlに出力される。液圧を受けた各ホイールシリ
ンダWfr、Wfl、Wrr、Wrlは各車輪FR、F
L、RR、RLに液圧に応じた制動力を付与する。
【0143】換言すれば、各車輪FR、FL、RR、R
Lは、自動ブレーキ作動により第2の制動力が付与され
ている状態で、通常ブレーキ作動による第1の制動力が
更に付加されることになる。
【0144】このときマスタシリンダピストン5に印加
されている前進力は、運転者からの踏力(i1−i2)
と、踏力i2に略等しいアキュムレータ200からのパ
ワー液圧による力とになることから、この作動は通常ブ
レーキ作動においてブレーキペダル4に踏力i1が印加
されている状態に略等しいものとなる。従って、前輪側
ホイールシリンダWfr、Wflに付与される液圧はP
w1となる。
【0145】この作動においては、ブレーキペダル4及
びピストン5は運転者から踏力(i1−i2)を付与さ
れていることから、第1ピストン51と第2ピストン5
2との当接後においてブレーキペダル4は略距離(St
1−St2)分踏み込まれることになる。従って、ブレ
ーキペダル4は初期位置から略距離St1分移動される
ことになる。即ち、通常ブレーキ作動においてホイール
シリンダWfr、Wflに付与される液圧がPw1とな
る際に要するブレーキペダル4の踏み込み量、即ち、初
期位置からの移動量がSt1であるのに対して、自動ブ
レーキ時の増し踏み作動においてホイールシリンダWf
r、Wflに付与される液圧がPw1となるのに要した
ブレーキペダル4の移動量もまたSt1となる。
【0146】従って、通常ブレーキ作動時と、自動ブレ
ーキ作動時においてブレーキペダル4が操作される自動
ブレーキ時の増し踏み作動時とにおいて、ホイールシリ
ンダWfr、Wflに出力される液圧が略等しいとき、
ブレーキペダル4の踏み込み操作による停止位置は略等
しくなり、換言すれば、ブレーキペダル4の踏み込み量
或いは移動量は略等しくなり、運転者に良好な操作感覚
を与えることが可能となる。
【0147】以上説明したように、本実施の形態の液圧
ブレーキ装置1によれば、自動ブレーキ作動時において
ブレーキペダル4が初期位置を保持していることから、
運転者が自動ブレーキ作動時に増し踏み操作しようとす
る場合、通常ブレーキ作動と同様の感覚でブレーキペダ
ル4を踏み込むことができ、操作感覚をより向上するこ
とを可能としている。
【0148】更に、ピストン5が第1ピストン51と第
2ピストン52とを有し、第1ピストン51とブレーキ
ペダル4とが互いに連動するように接続されていること
から、簡素な構成でもって自動ブレーキ時にブレーキペ
ダル4が初期位置に保持されることを可能とし、コスト
の低減及び組付け作業能率の向上を可能としている。
【0149】更に、自動ブレーキ作動時の増し踏み操作
時で、第1ピストン51と第2ピストン52とが当接す
るまでには、第1ピストン51の前進に対して抵抗が付
与されることから、ブレーキペダル4の踏み込み操作に
おいて運転者に適度な抵抗を付与することができ、踏み
込み操作感覚を更に向上することを可能としている。
【0150】更に、オリフィス51eを備える簡素な構
成でもって第1ピストン51の前進に対して抵抗を付与
可能としていることから、コストの低減及び組付け作業
能率の向上を可能としている。
【0151】その他の作用効果は、実施の形態1と略同
様であるので説明は省略する。
【0152】(実施の形態3)図11は本発明の一実施
の形態の液圧ブレーキ装置のマスタシリンダ3部分の拡
大断面図である。ピストン5の構成以外は実施の形態1
及び実施の形態2と略同様であるので詳細な説明は省略
する。尚、実施の形態1及び実施の形態2と同様の部材
には同符号が付してある。
【0153】図11に示すように、プラグ8の凹部及び
シリンダ孔1b内にピストン5が前後方向(図11中左
右方向)に移動可能に配設されている。ピストン5は、
第1ピストン51と、第1ピストン51の前方側(図1
1中左側)に配設される第2ピストン52とを有してい
る。
【0154】第1ピストン51の本体部51aの後部か
ら後方(図11中右方)に向かって延在される軸部51
bは、プラグ8の底面部に形成された孔8aを液密的に
貫通してシリンダボデー1aから突出され、ブレーキペ
ダルに接続される。第1ピストン51とブレーキペダル
とは互いに連動するように接続されており、ブレーキペ
ダルが踏み込み操作されることにより第1ピストン51
は前進され、第一ピストン51が前進されることにより
ブレーキペダルが作動される。
【0155】第2ピストン52は、その前方部に形成さ
れると共に前方に開口する前方凹部52aと、その後方
部に形成されると共に後方に開口する後方凹部52bと
を有している。後方凹部52bには、第1ピストン51
の本体部51aが前後方向に摺動可能に配設されてい
る。従って、第1ピストン51と第2ピストン52とは
互いに前後方向に移動可能とされている。図11に示す
初期状態においては、第1ピストン51の前端面と第2
ピストン52の後方凹部52bの底面部とは当接されて
いる。
【0156】第1ピストン51の本体部51aの後部及
び第2ピストン52の後方凹部52bの開口周縁部と、
プラグ8の凹部周壁部及び底面部とで囲まれる部分に
は、パワー室9が区画されている。パワー室9は、プラ
グ8に形成されている連通孔8dを介して液圧路1hに
連通されている。
【0157】第1ピストン51の本体部51aの前端面
及び外周部と、第2ピストン52の後方凹部52bの周
壁部及び底面部とにより囲まれる部分には、油室101
が形成されている。油室101は、第2ピストン52に
形成された径方向孔52fと、第2ピストン52の外周
部とプラグ8の周壁部との間と、プラグ8の前方側外周
部に形成された径方向孔8cと、液圧路1cと、ポート
1dとを介してリザーバに連通される。
【0158】パワー室9は、第2ピストン52の後方側
凹部52bの開口部に配設されるOリングにより油室1
01と遮断され、第2ピストン52の後方側外周部に配
設されるOリングにより第2ピストン52の外周部とプ
ラグ8の凹部周壁部との間のクリアランス、ひいては、
リザーバと液密的に区画されている。
【0159】第2ピストン52の前方側外周部には、第
2ピストン52の径方向に延在されて第2ピストン52
の外周側空間と前方凹部52a内空間とを連通する連通
孔52cが形成されている。図11に示す初期状態にお
いては、圧力室7は、第2ピストン52の前方凹部52
aと、連通孔52cと、リテーナ11に形成された径方
向孔11aと、シリンダボデー1aに形成された液圧路
1c及びポート1dとを介してリザーバに連通されてい
る。
【0160】次いで液圧ブレーキ装置の作動を説明す
る。ピストン5の構成以外は実施の形態1及び実施の形
態2の液圧ブレーキ装置と略同様であるので、便宜的に
図1〜10を用いて説明する。図1〜図11に示すよう
に、初期状態においては、ソレノイドバルブ50は閉弁
されていることからソレノイドバルブ50を介したアキ
ュムレータ200とパワー室9との連通は遮断されてお
り、ソレノイドバルブ60は開弁されていることからス
プール弁機構21及びレギュレータ室17とパワー室9
とのソレノイドバルブ60を介した連通は許容されてい
る。
【0161】不図示の車両のイグニッションスイッチが
閉成されると電子制御装置90において図示しないフロ
ーチャートに対応したプログラムの実行が開始され、マ
イクロコンピュータ90gが初期化されて各種の演算値
がクリアされる。通常ブレーキ作動として、運転者によ
り例えば踏力i1でブレーキペダル4が踏み込み操作さ
れて第1ピストン51が押圧されると、第1ピストン5
1がシリンダボデー1aに対して前進される。
【0162】第1ピストン51が前進されると、第1ピ
ストン51の前端面と第2ピストン52の後方凹部52
bの底面部とが当接していること、及び第1ピストン5
1の外向フランジ部が第2ピストン52の後方凹部52
bの開口周縁部に係合していることから、第1ピストン
51の前進に伴って第2ピストン52もまたシリンダボ
デー1aに対して前進される。即ち、第1ピストン51
と第2ピストン52とは一体的に前進される。
【0163】ピストン5が前進されると第2ピストン5
2の連通孔52cのピストン5外周部側開口がシールカ
ップ10により遮蔽され、圧力室7とリザーバ100と
の連通が遮断される。従って、ピストン5の前進に伴っ
て圧力室7の液圧が昇圧されることになる。
【0164】圧力室7の液圧が昇圧されることにより制
御ピストン6及びスプール15がシリンダボデー1aに
対して前進され、スプール弁機構21が閉弁されると共
にポペット弁機構23が開弁される。従って、レギュレ
ータ室17とリザーバ100との連通が遮断され、アキ
ュムレータ200とパワー室9とが連通されることにな
る。
【0165】アキュムレータ200からパワー室9に供
給されたパワー液圧は第2ピストン52の後方凹部52
bの開口周縁部に作用して第2ピストン52を前進させ
る。この第2ピストン52の前進に伴って踏力i1を受
けている第1ピストン51も第2ピストン52と一体的
に前進することになる。
【0166】即ち、ピストン5が助勢されて更に前進さ
れ、圧力室7内の液圧が更に昇圧されてマスタシリンダ
液圧が液圧路1i及びアクチュエータ40を介してホイ
ールシリンダWfr、Wflに出力され、ホイールシリ
ンダWfr、Wflはマスタシリンダ液圧を受けること
により車輪FR、FLにこのマスタシリンダ液圧に応じ
た制動力を付与する。即ち、ブレーキペダル4の操作に
よるピストン5の前進に伴って車輪FR、FLに第1の
制動力が付与されることになる。
【0167】又、パワー液圧がパワー出力室25から液
圧路1j及びアクチュエータ40を介してホイールシリ
ンダWrr、Wrlに出力され、ホイールシリンダWr
r、Wrlはパワー液圧を受けることにより車輪RR、
RLにこのパワー液圧に応じた制動力を付与する。即
ち、ブレーキペダル4の操作によるピストン5の前進に
伴って車輪RR、RLに第1の制動力が付与されること
になる。
【0168】このときの前輪側ホイールシリンダWf
r、Wflに出力される液圧はPw1となる。
【0169】その他の通常ブレーキ作動は実施の形態1
と略同様であるので説明は省略する。
【0170】例えば、車両走行中に車間距離センサ12
0が検出した検出結果である距離K1が電子制御装置9
0に出力されると、ステップ102において、この距離
K1と予め設定されていた閾値としての所定距離Knと
が電子制御装置90により比較される。
【0171】電子制御装置90により距離K1が所定の
距離Knよりも短いと判定されると、前方車両に当方の
車両が近づき過ぎていることから前方車両との車間距離
を所定距離Kn以上とするために、電子制御装置90が
ソレノイドバルブ50、60を作動させる自動ブレーキ
作動が行われる。即ち、運転者によるブレーキペダル4
への操作が無い、換言すれば踏力の付与が無い状態で液
圧ブレーキ装置1が作動されることになる。
【0172】電子制御装置90によりソレノイドバルブ
50が作動されるとソレノイドバルブ50は開弁されて
アキュムレータ200とパワー室9とが連通され、ソレ
ノイドバルブ60が作動されることによりソレノイドバ
ルブ60は閉弁されてパワー出力室25、スプール弁機
構21及びレギュレータ室17とパワー室9との連通が
遮断される。従って、アキュムレータ200内のブレー
キ液がパワー室9に流入し、パワー室9の液圧が昇圧さ
れる。
【0173】このとき、パワー室9に流入されるパワー
液圧はマスタシリンダピストン5の第2ピストン52だ
けに作用し、第1ピストン51には運転者からの踏力が
印加されていないことから第2ピストン52だけがシリ
ンダボデー1a及び第1ピストン51に対して前進移動
されることになる。従って、第1ピストン52は初期状
態を維持することからブレーキペダル4も連動すること
なく初期状態を維持することになる。
【0174】第2ピストン52が前進されることから圧
力室7の液圧が昇圧され、上述した通常作動時の作動と
略同様にして各車輪に制動力が付与されることになる。
即ち、ブレーキペダル4の踏み込み操作とは独立的に、
アキュムレータ200のパワー液圧による第2ピストン
52の前進に伴って各車輪FR、FL、RR、RLに第
2の制動力が付与されることになる。
【0175】その他の自動ブレーキ作動は実施の形態1
と略同様であるので説明は省略する。
【0176】この液圧ブレーキ装置1の自動ブレーキ作
動は、運転者によるブレーキペダル4への踏力付与に代
わってアキュムレータ200によりパワー液圧をマスタ
シリンダピストン5の第2ピストン52に印加すること
により、第2ピストン52を前進移動させて液圧ブレー
キ装置1を作動させているものである。
【0177】即ち、自動ブレーキ作動時にアキュムレー
タ200からパワー室9に付与されるパワー液圧による
力と前輪側ホイールシリンダWfr、Wfl内の油圧と
の軌跡は、図7に示す曲線と略同じ曲線を描くことにな
る。従って、踏力i1と同等の液圧による力がアキュム
レータ200からパワー室9に供給されると、液圧ブレ
ーキ装置1は前輪側ホイールシリンダWfr、Wflに
おいて略Pw1の油圧を印加することになる。
【0178】本実施の形態のブレーキ装置1において
は、ブレーキペダル4は通常ブレーキ作動時においては
ピストン5と連動するが、自動ブレーキ作動時において
は連動されないものである。
【0179】液圧ブレーキ装置1の自動ブレーキ作動時
で、例えば液圧ブレーキ装置1において前輪側ホイール
シリンダWfr、Wflに付与されている液圧がPw2
の時、ピストン5の第2ピストン52の初期状態からの
移動量は、実施の形態1の液圧ブレーキ装置1における
自動ブレーキ作動時のピストン5の移動量と略等しい。
換言すれば、この第2ピストン52の前方への移動量は
ブレーキペダル4が距離St2分移動し得る距離に対応
しているものである。
【0180】更に、自動ブレーキ作動時においては第2
ピストン52が第1ピストン51に対して前進されてい
ることから、シリンダボデー1aのシリンダ孔1bに
は、第1ピストン51の前方部及び外周部と、第2ピス
トン52の後方凹部52bの周壁部部及び底面部とによ
り区画される油室101が形成される。
【0181】この状態で、例えば、制動力の増加の目的
の為に運転者によりブレーキペダル4が(i2−i1)
分の踏力でもって踏み込み操作されると、ピストン5の
第1ピストン51がシリンダボデー1a及び第2ピスト
ン52に対して前進される。第1ピストン51の前進に
おいて、油室101内のブレーキ液が第1ピストン51
と第2ピストン52とにより圧縮され、第2ピストン5
2に形成されている連通孔52fと、プラグ8の周壁部
と第2ピストン52の外周部との間のクリアランスと、
液圧路1dと、ポート1dとを介してリザーバ100に
流入される。
【0182】連通孔52fにはオリフィス52gが形成
されていることから、油室101からパワー室9へのブ
レーキ液の流動を抑制し、ひいては、第1ピストン51
の前進に対して抵抗を付与することになる。
【0183】第1ピストン51が第2ピストン52に当
接することにより、第1ピストン51と第2ピストン5
2とが一体的に前進を開始する。この第1ピストン51
と第2ピストン52との当接に際して、ブレーキペダル
4は運転者により略距離St2分踏み込まれることにな
る。
【0184】第1ピストン51と第2ピストン52とが
一体的に、即ち、ピストン5が前進することにより、圧
力室7の液圧が昇圧され、スプール弁機構21が閉弁さ
れるとともにポペット弁機構23が開弁されて、アキュ
ムレータ200とパワー室9とが連通される。このと
き、自動ブレーキ作動のためにソレノイドバルブ60が
閉弁されていることから、アキュムレータ200からの
パワー液圧は、パワー入力室33、パワー出力室25、
液圧路1h、及びチェックバルブ70を介してパワー室
9に供給されることになる。
【0185】これによって、ピストン5が助勢されて更
に前進し、圧力室7内の液圧が更に昇圧され、マスタシ
リンダ液圧が液圧路1iを介してホイールシリンダWf
r、Wflに出力されると共にパワー液圧がパワー出力
室25から液圧路1jを介してホイールシリンダWr
r、Wrlに出力される。液圧を受けた各ホイールシリ
ンダWfr、Wfl、Wrr、Wrlは各車輪FR、F
L、RR、RLに液圧に応じた制動力を付与する。
【0186】換言すれば、各車輪FR、FL、RR、R
Lは、自動ブレーキ作動により第2の制動力が付与され
ている状態で、通常ブレーキ作動による第1の制動力が
更に付加されることになる。
【0187】このときピストン5に印加されている前進
力は、運転者からの踏力(i1−i2)と、踏力i2に
略等しいアキュムレータ200からのパワー液圧による
力とになることから、この作動は通常ブレーキ作動にお
いてブレーキペダル4に踏力i1が印加されている状態
に略等しいものとなる。従って、前輪側ホイールシリン
ダWfr、Wflに付与される液圧はPw1となる。
【0188】この作動においては、ブレーキペダル4及
びピストン5は運転者から踏力(i1−i2)を付与さ
れていることから、第1ピストン51と第2ピストン5
2との当接後においてブレーキペダル4は略距離(St
1−St2)分踏み込まれることになる。従って、ブレ
ーキペダル4は初期位置から略距離St1分移動される
ことになる。即ち、通常ブレーキ作動においてホイール
シリンダWfr、Wflに付与される液圧がPw1とな
る際に要するブレーキペダル4の踏み込み量、即ち、初
期位置からの移動量がSt1であるのに対して、自動ブ
レーキ時の増し踏み作動においてホイールシリンダWf
r、Wflに付与される液圧がPw1となるのに要した
ブレーキペダル4の移動量もまたSt1となる。
【0189】従って、通常ブレーキ作動時と、自動ブレ
ーキ作動時においてブレーキペダル4が操作される自動
ブレーキ時の増し踏み作動時とにおいて、ホイールシリ
ンダWfr、Wflに出力される液圧が略等しいとき、
ブレーキペダル4の踏み込み操作による停止位置は略等
しくなり、換言すれば、ブレーキペダル4の踏み込み量
或いは移動量は略等しくなり、運転者に良好な操作感覚
を与えることが可能となる。
【0190】その他の作用効果は実施の形態1及び実施
の形態2と略同様であるので詳細な説明は省略する。
【0191】(実施の形態4)図12は本発明の一実施
の形態の液圧ブレーキ装置1の断面図であり、図13は
図12のマスタシリンダ3部分の拡大図である。倍力装
置300、リリーフバルブ140、及びバルブ150、
160の構成以外は実施の形態1〜実施の形態3と略同
様であるので詳細な説明は省略する。尚、実施の形態1
〜実施の形態3と同様の部材には同符号が付してある。
【0192】図12及び図13に示すように、液圧ブレ
ーキ装置1の液圧シリンダボデー1a内の車両前方側
(図12中左側)には液圧レギュレータ2が構成され、
レギュレータ2の後方側にはマスタシリンダ3が構成さ
れており、マスタシリンダ3の後方側には倍力装置30
0が構成され、ブレーキ操作部材たるブレーキペダル4
が設けられている。
【0193】プラグ8の凹部及びシリンダ孔1b内にパ
ワーピストン51及びマスタシリンダピストン52の両
ピストン5が前後方向(図12及び図13中左右方向)
に移動可能に配設されている。パワーピストン51は倍
力装置300を構成し、パワーピストン51の前方側
(図13中左側)に配設されるマスタシリンダピストン
52はマスタシリンダ3を構成している。
【0194】パワーピストン51の本体部51aの後部
から後方(図13中右方)に向かって延在される軸部5
1bは、プラグ8の底面部に形成された孔8aを液密的
に貫通してシリンダボデー1aから突出され、ブレーキ
ペダル4に接続される。ブレーキペダル4とパワーピス
トン51とは互いに連動するように接続されており、ブ
レーキペダル4が踏込み操作されることによりパワーピ
ストン51は前進され、パワーピストン51が前進され
ることによりブレーキペダル4は作動される。
【0195】マスタシリンダピストン52は、本体部5
2dの前方部に形成されると共に前方に開口する前方凹
部52aと、その後方部に形成される後方に突出する突
出部52eとを有している。突出部52eは、パワーピ
ストン51に形成されている前方に開口する凹部51f
に前後方向に摺動可能に配設されている。従って、パワ
ーピストン51とマスタシリンダピストン52とは互い
に前後方向に移動可能とされている。
【0196】マスタシリンダピストン52の突出部52
eには前後方向に延在されるスリット52fが形成され
ており、パワーピストン51にはこのスリット52fを
貫通するストッパとしてのピン51gが配設されてい
る。ピン51gとスリット52fの後方側壁部とが当接
することにより、パワーピストン51に対するマスタシ
リンダピストン52の前進移動が規制される。
【0197】図13に示す初期状態においては、パワー
ピストン51の凹部開口周縁部とマスタシリンダピスト
ン52の本体部52dの後端部とは当接されている。
又、パワーピストン51の本体部51aの後端部がプラ
グ8の凹部の底面部に当接されることにより、パワーピ
ストン51の後退限が規定されている。
【0198】パワーピストン51の本体部51aに形成
されたランド部51aaと、本体部51aの外周部と、
本体部51aの底面部と、プラグ8の凹部周壁部及び底
面部とで囲まれる部分にはパワー室9が区画されてい
る。パワー室9は、プラグ8に形成されている連通孔8
dを介して液圧路1hに連通されている。
【0199】パワーピストン51の本体部51aの凹部
51fの開口周縁部と、マスタシリンダピストン52の
本体部52の後端部及び外周部と、シールカップ12
と、プラグ8の周壁部とにより囲まれる部分には油室1
01(圧力室)が形成されている。油室101は、プラ
グ8の前方側外周部に形成された径方向孔8cと、液圧
路1lと、ソレノイドバルブ150と、液圧路1nとを
介してアキュムレータ200に連通可能とされ、又、径
方向孔8cと、液圧路1lと、ソレノイドバルブ160
と、液圧路1kと、ドレイン室18と、液圧路1fと、
ポート1fとを介してリザーバ100に連通可能とされ
る。
【0200】パワー室9は、パワーピストン51のラン
ド部51aaに配設されるOリングにより油室101と
液密的に遮断され、油室101は、シールカップ10、
リテーナ11、シールカップ12とにより圧力室7と液
密的に区画されている。
【0201】マスタシリンダピストン52の前方側外周
部には、マスタシリンダピストン52の径方向に延在さ
れてマスタシリンダピストン52の外周側空間と前方凹
部52a内空間とを連通する連通孔52cが形成されて
いる。図13に示す初期状態においては、圧力室7は、
マスタシリンダピストン52の前方凹部52aと、連通
孔52cと、リテーナ11に形成された径方向孔11a
と、シリンダボデー1aに形成された液圧路1c及びポ
ート1dとを介してリザーバ100に連通されている。
【0202】シリンダボデー1aには液圧路1lとパワ
ー室9とを連通する液圧路1pが形成されており、液圧
路1pには、オリフィス135と、液圧路1lからパワ
ー室9への流動のみを許容するリリーフバルブ140と
が配設されている。オリフィス135とリリーフバルブ
140とは直列に配設されている。レギュレータ室17
は液圧路1jを介してアクチュエータ40に連通されて
いる。
【0203】ソレノイドバルブ150(第2バルブ)は
常閉型バルブであり、圧力室101とアキュムレータ2
00とを連通及び遮断する。ソレノイドバルブ160
(第1バルブ)は常開型バルブであり、圧力室101と
リザーバ100とを連通及び遮断する。両バルブ15
0、160は通電量に応じて開弁度が制御されるリニア
制御バルブである。
【0204】圧力センサ170は油室101の圧力を検
出するものであり、検出結果を電子制御装置90に出力
する。バルブ150、160と、圧力センサ170とは
電子制御装置90に電気的に接続されている。
【0205】次いで液圧ブレーキ装置1の作動を説明す
る。両ピストン5の構成以外は実施の形態1〜実施の形
態3の液圧ブレーキ装置と略同様であるので、便宜的に
図3〜図9を用いて説明する。図1〜図9及び図12、
図13に示すように、初期状態においては、ソレノイド
バルブ150は閉弁されていることからアキュムレータ
200と油室101とのソレノイドバルブ150を介し
た連通は遮断されており、ソレノイドバルブ160は開
弁されていることからドレイン室18及びリザーバ10
0と油室101とのソレノイドバルブ160を介した連
通は許容されている。
【0206】不図示の車両のイグニッションスイッチが
閉成されると電子制御装置90において図示しないフロ
ーチャートに対応したプログラムの実行が開始され、マ
イクロコンピュータ90gが初期化されて各種の演算値
がクリアされる。通常ブレーキ作動として、運転者によ
り例えば踏力i1でブレーキペダル4が踏み込み操作さ
れてパワーピストン51が押圧されると、パワーピスト
ン51がシリンダボデー1aに対して前進される。
【0207】パワーピストン51が前進されることによ
りパワーピストン51に当接しているマスタシリンダピ
ストン52が前方に付勢される。即ち、パワーピストン
51とマスタシリンダピストン52とが一体的に移動さ
れる。
【0208】パワーピストン51及びマスタシリンダピ
ストン52、即ち、両ピストン5が前進されるとマスタ
シリンダピストン52の連通孔52cのマスタシリンダ
ピストン52外周部側開口がシールカップ10により遮
蔽され、圧力室7とリザーバ100との連通が遮断され
る。従って、マスタシリンダピストン52の前進に伴っ
て圧力室7の液圧が昇圧されることになる。
【0209】圧力室7の液圧が昇圧されることにより制
御ピストン6及びスプール15がシリンダボデー1aに
対して前進される。スプール15が前進されることによ
ってスリーブ19の連通孔19bの内周部側開口がスプ
ール15の外周部により閉塞され、レギュレータ室17
とリザーバ100との連通が遮断される。
【0210】同時に、スプール15の前進によりプラン
ジャ20ひいては弁部材29が前進されて弁部材29と
弁座28dとが離間し、アキュムレータ200からのパ
ワー液圧が液圧路1eから、連通孔16c、パワー入力
室33、弁部材29と弁座28dとの間のクリアラン
ス、連通孔28c、パワー出力室25、連通孔16b、
及び液圧路1hを介してレギュレータ室17に供給さ
れ、更に液圧路1hからプラグ8の連通孔8dを介して
パワー室9に供給される。
【0211】これによって、パワーピストン51が助勢
されて前進し、パワーピストン51の前進に連動してマ
スタシリンダピストン52が前進される。即ち、両ピス
トン5が助勢されて更に前進し、圧力室7内の液圧が更
に昇圧されてマスタシリンダ液圧が液圧路1i及びアク
チュエータ40を介してホイールシリンダWfr、Wf
lに出力され、ホイールシリンダWfr、Wflはマス
タシリンダ液圧を受けることにより車輪FR、FLにこ
の液マスタシリンダ液圧に応じた制動力を付与する。即
ち、ブレーキペダル4の操作による両ピストン5の前進
に伴って車輪FR、FLに第1の制動力が付与されるこ
とになる。
【0212】又、パワー液圧がパワー出力室25から液
圧路1h、レギュレータ室17、液圧路1j、及びアク
チュエータ40を介してホイールシリンダWrr、Wr
lに出力され、ホイールシリンダWrr、Wrlはパワ
ー液圧を受けることにより車輪RR、RLにこのパワー
液圧に応じた制動力を付与する。即ち、ブレーキペダル
4の操作による両ピストン5の前進に伴って車輪RR、
RLに第1の制動力が付与されることになる。
【0213】このときの前輪側ホイールシリンダWf
r、Wflに出力される液圧はPw1となる。
【0214】その他の通常ブレーキ作動は実施の形態1
〜実施の形態3と略同様であるので説明は省略する。
【0215】例えば、車両走行中に車間距離センサ12
0が検出した検出結果である距離K1が電子制御装置9
0に出力されると、この距離K1と予め設定されていた
閾値としての所定距離Knとが電子制御装置90により
比較される。
【0216】電子制御装置90により距離K1が所定の
距離Knよりも短いと判定されると、前方車両に当方の
車両が近づき過ぎていることから前方車両との車間距離
を所定距離Kn以上とするために、電子制御装置90が
ソレノイドバルブ150、160を作動させる自動ブレ
ーキ作動が行われる。即ち、運転者によるブレーキペダ
ル4への操作が無い、換言すれば踏力の付与が無い状態
で液圧ブレーキ装置1が作動されることになる。
【0217】電子制御装置90によりソレノイドバルブ
150が作動されると、アキュムレータ200と油室1
01とが連通され、ソレノイドバルブ160が作動され
ることにより油室101とドレイン室18ひいてはリザ
ーバ100との連通が遮断される。従って、アキュムレ
ータ200内のブレーキ液が油室101に流入し、油室
101内の液圧が昇圧されることによりマスタシリンダ
ピストン52がシリンダボデー1a及びパワーピストン
51に対して前進移動されて、上述した通常作動時の作
動と略同様にして各車輪に制動力が付与されることにな
る。
【0218】即ち、ブレーキペダル4の踏み込み操作と
は独立的に、アキュムレータ200のパワー液圧による
マスタシリンダピストン52の前進に伴って各車輪F
R、FL、RR、RLに第2の制動力が付与されること
になる。
【0219】車間距離センサ120と車速センサ130
との検出結果から電子制御装置90は前方車両との車間
距離を所定値Kn以上に良好な状態で復帰させるために
必要とされる理想減速度を演算する。この演算された理
想減速度を達成するために求められる制動力を車輪F
R、FL、RR、RLに付与する為に、ソレノイドバル
ブ150に供給される電流量を制御してソレノイドバル
ブ150の開弁度を制御し、油室101の圧力、ひいて
はアキュムレータ200から油室101へ供給されるパ
ワー液圧を調圧する圧力制御が行われる。
【0220】車間距離センサ120から出力される最新
の検出結果K2が所定距離Knと比較され、もし検出結
果K2が所定距離Knよりも長ければ、この比較結果か
ら前方車両と当方の車両との間には十分な車間距離が確
保されていると判断されてソレノイドバルブ50の作動
が終了される。即ち、ソレノイドバルブ50が閉弁され
ることによりアキュムレータ200と油室101との連
通が遮断されることになる。
【0221】車間距離センサ120と車速センサ130
との検出結果から電子制御装置90は良好な状態で液圧
ブレーキ装置1の自動ブレーキ作動を解除するために必
要とされる理想加速度を演算する。この演算された理想
加速度を達成するために求められる車輪FR、FL、R
R、RLへ付与されていた制動力の減少の為に、ソレノ
イドバルブ160に供給される電流量を制御してソレノ
イドバルブ60の開弁度を制御し、油室101の圧力を
調圧する圧力制御が行われる。
【0222】ソレノイドバルブ160が開弁されること
により、油室101内のブレーキ液が、液圧路1lと、
ソレノイドバルブ160と、液圧路1kと、ドレイン室
18と、液圧路1fと、ポート1gとを介してリザーバ
100に流入する。油室101内の液圧が減圧されるこ
とから、上述した通常作動の復帰作動と同様にしてスプ
リング14の付勢力によりマスタシリンダピストン52
が初期位置へと復帰され、車輪FR、FL、RR、RL
への制動力が減少される。
【0223】センサ170からの検出結果に基づき油室
101の液圧が略ゼロになったことが電子制御装置90
において判断されるとソレノイドバルブ160の作動が
解除され、液圧ブレーキ装置1は初期状態へと復帰す
る。
【0224】この液圧ブレーキ装置1の自動ブレーキ作
動は、運転者によるブレーキペダル4への踏力付与に代
わってアキュムレータ200によりパワー液圧をマスタ
シリンダピストン52に印加することにより、マスタシ
リンダピストン52を前進移動させて液圧ブレーキ装置
1を作動させているものである。
【0225】即ち、自動ブレーキ作動時にアキュムレー
タ200から油室101に付与されるパワー液圧による
力と前輪側ホイールシリンダWfr、Wfl内の油圧と
の軌跡は、図7に示す曲線と略同じ曲線を描くことにな
る。従って、踏力i1と同等の液圧による力がアキュム
レータ200から油室101に供給されると、液圧ブレ
ーキ装置1は前輪側ホイールシリンダWfr、Wflに
おいて略Pw1の油圧を印加することになる。
【0226】本実施の形態の液圧ブレーキ装置1の自動
ブレーキ作動時において、マスタシリンダピストン52
のパワーピストン51に対する前進はマスタシリンダピ
ストン52のスリット52fの後方側壁部がピン51g
に係合することにより規制されることになる。即ち、自
動ブレーキ作動時において圧力室7の最大増圧点を規定
することが可能となる。
【0227】本実施の形態のブレーキ装置1において
は、ブレーキペダル4は通常ブレーキ作動時においては
マスタシリンダピストン52と連動するが、自動ブレー
キ作動時においては連動されないものである。
【0228】液圧ブレーキ装置1の自動ブレーキ作動時
で、例えば液圧ブレーキ装置1において前輪側ホイール
シリンダWfr、Wflに付与されている液圧がPw2
の時、マスタシリンダピストン52の初期状態からの移
動量は、実施の形態1の液圧ブレーキ装置1における自
動ブレーキ作動時のピストン5の移動量と略等しい。換
言すれば、このマスタシリンダピストン52の前方への
移動量はブレーキペダル4が距離St2分移動し得る距
離に対応しているものである。
【0229】この状態で、例えば、制動力の増加の目的
の為に運転者によりブレーキペダル4が(i2−i1)
分の踏力でもって踏み込み操作されると、パワーピスト
ン51がシリンダボデー1a及びマスタシリンダピスト
ン52に対して前進される。パワーピストン51の前進
において、油室101内のブレーキ液がパワーピストン
51とマスタシリンダピストン52とにより圧縮され、
プラグ8に形成されている連通孔8cと、オリフィス1
35とリリーフバルブ140とを含む液圧路1pとを介
してパワー室9に流入される。
【0230】液圧路1pにオリフィス135が配設され
ていることから、油室101からパワー室9へのブレー
キ液の流動を抑制し、ひいては、パワーピストン51の
前進に対して抵抗を付与することになる。
【0231】パワーピストン51がマスタシリンダピス
トン52に当接することにより、パワーピストン51と
マスタシリンダピストン52とが一体的に前進を開始す
る。このパワーピストン51とマスタシリンダピストン
52との当接に際して、ブレーキペダル4は運転者によ
り略距離St2分踏み込まれることになる。
【0232】パワーピストン51とマスタシリンダピス
トン52とが一体的に、即ち、両ピストン5が前進する
ことにより、圧力室7の液圧が昇圧され、スプール弁機
構21が閉弁されるとともにポペット弁機構23が開弁
されて、アキュムレータ200とパワー室9とが連通さ
れる。
【0233】これによって、パワーピストン51ひいて
はマスタシリンダピストン52が助勢されて更に前進
し、圧力室7内の液圧が更に昇圧され、マスタシリンダ
液圧が液圧路1iを介してホイールシリンダWfr、W
flに出力されると共にパワー液圧がパワー出力室25
から液圧路1jを介してホイールシリンダWrr、Wr
lに出力される。液圧を受けた各ホイールシリンダWf
r、Wfl、Wrr、Wrlは各車輪FR、FL、R
R、RLに液圧に応じた制動力を付与する。
【0234】換言すれば、各車輪FR、FL、RR、R
Lは、自動ブレーキ作動により第2の制動力が付与され
ている状態で、通常ブレーキ作動による第1の制動力が
更に付加されることになる。
【0235】このときマスタシリンダピストン5に印加
されている前進力は、運転者からの踏力(i1−i2)
と、踏力i2に略等しいアキュムレータ200からのパ
ワー液圧による力とになることから、この作動は通常ブ
レーキ作動においてブレーキペダル4に踏力i1が印加
されている状態に略等しいものとなる。従って、前輪側
ホイールシリンダWfr、Wflに付与される液圧はP
w1となる。
【0236】この作動においては、ブレーキペダル4及
びマスタシリンダピストン5は運転者から踏力(i1−
i2)を付与されていることから、第1ピストン51と
第2ピストン52との当接後においてブレーキペダル4
は略距離(St1−St2)分踏み込まれることにな
る。従って、ブレーキペダル4は初期位置から略距離S
t1分移動されることになる。即ち、通常ブレーキ作動
においてホイールシリンダWfr、Wflに付与される
液圧がPw1となる際に要するブレーキペダル4の踏み
込み量、即ち、初期位置からの移動量がSt1であるの
に対して、自動ブレーキ時の増し踏み作動においてホイ
ールシリンダWfr、Wflに付与される液圧がPw1
となるのに要したブレーキペダル4の移動量もまたSt
1となる。
【0237】従って、通常ブレーキ作動時と、自動ブレ
ーキ作動時においてブレーキペダル4が操作される自動
ブレーキ時の増し踏み作動時とにおいて、ホイールシリ
ンダWfr、Wflに出力される液圧が略等しいとき、
ブレーキペダル4の踏み込み操作による停止位置は略等
しくなり、換言すれば、ブレーキペダル4の踏み込み量
或いは移動量は略等しくなり、運転者に良好な操作感覚
を与えることが可能となる。
【0238】以上説明したように、本実施の形態の液圧
ブレーキ装置1によれば、自動ブレーキ作動時において
はアキュムレータ200から油室101にパワー液圧を
付与することにより各車輪FR、FL、RR、RLに制
動力を付与可能としており、自動ブレーキ時の増し踏み
作動においてレギュレータ室17とパワー室9とが通常
ブレーキ作動時と同様にして連通されていることから、
実施の形態1〜実施の形態3において用いられていたチ
ェックバルブ70が不要となり、構成の簡素化及びコス
トの低減を可能としている。
【0239】更に、油室101とパワー室9とがリリー
フバルブ140により連通されていることにより、マス
タシリンダピストン52のパワーピストン51に対する
前進後において、ブレーキペダル4が踏み込み操作され
るとパワーピストン51がマスタシリンダピストン52
に対して前進可能とされ、より良い操作感覚を運転者に
与えることを可能としている。
【0240】更に、オリフィス135が配設されている
ことから、パワーピストン51のマスタシリンダピスト
ン52に対する前進に際してパワーピストン51に抵抗
を付与することが可能となり、運転者により良い操作感
覚を与えることができる。
【0241】更に、マスタシリンダピストン52の前進
量を規定可能としていることから、自動ブレーキ作動時
における圧力室7の最大増圧点を容易に設定することを
可能としている。
【0242】以上、本発明を上記実施の態様に則して説
明したが、本発明は上記態様にのみ限定されるものでは
なく、本発明の原理に準ずる各種態様を含むものであ
る。
【0243】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ブレーキフィーリングの向上を図った液圧ブレーキ装置
を提供することを可能としている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の液圧ブレーキ装置1の断面図。
【図2】図1のマスタシリンダ3部分の拡大図。
【図3】図2の液圧レギュレータ2部分の拡大図。
【図4】図3のスリーブ弁機構21部分の拡大図。
【図5】図3のポペット弁機構23部分の拡大図。
【図6】図1の電子制御装置90の概略図。
【図7】実施の形態1の液圧ブレーキ装置1の踏力とホ
イールシリンダ油圧との特性線図。
【図8】実施の形態1の液圧ブレーキ装置1の踏力とペ
ダルストロークとの特性線図。
【図9】実施の形態1の液圧ブレーキ装置1のペダルス
トロークとホイールシリンダ油圧との特性線図。
【図10】実施の形態2の液圧ブレーキ装置におけるマ
スタシリンダ3部分の断面図。
【図11】実施の形態3の液圧ブレーキ装置におけるマ
スタシリンダ3部分の断面図。
【図12】実施の形態4の液圧ブレーキ装置1の断面
図。
【図13】図12のマスタシリンダ3部分の拡大図。
【符号の説明】
1 液圧ブレーキ装置 1a シリンダボデー 1b シリンダ孔 2 レギュレータ 3 マスタシリンダ 4 ブレーキペダル 5 ピストン 6 制御ピストン 7 圧力室 9 パワー室 17 レギュレータ室 21 スプール弁機構 23 ポペット弁機構 50 第2ソレノイドバルブ 51 第1ピストン、パワーピストン 52 第2ピストン、マスタシリンダピストン 60 第1ソレノイドバルブ 70 チェックバルブ 100 リザーバ 101 油室 135 オリフィス 140 リリーフバルブ 150 ソレノイドバルブ 160 ソレノイドバルブ 200 アキュムレータ 300 倍力装置 FR、FL、RR、RL 車輪 Wfr、Wfl、Wrr、Wrl ホイールシリンダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D048 BB25 BB27 BB35 CC10 GG03 GG05 GG13 GG16 GG17 HH16 HH26 HH32 HH33 HH37 HH39 HH42 HH54 HH55 HH66 HH75 HH77 QQ07 RR01 RR06 RR17

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧力源とパワー室とを連通及び遮断する
    増圧バルブと、前記パワー室とリザーバとを連通及び遮
    断する減圧バルブとを備え、ペダル踏力に応じて前記圧
    力源の圧力を制御するレギュレータと、 前記レギュレータによって制御された前記圧力源の圧力
    が前記パワー室に作用することにより作動するパワーピ
    ストンを備える倍力装置と、 少なくとも一つの車両ホイールブレーキに連結されると
    共に前記倍力装置と連動するマスタシリンダと、 を備えたブレーキ装置において、 前記パワー室と前記減圧バルブとを連通及び遮断する第
    1バルブと、前記パワー室と前記圧力源とを連通及び遮
    断する第2バルブとを備えたことを特徴とするブレーキ
    装置。
  2. 【請求項2】 踏み込み操作されるブレーキペダルと、 圧力源とパワー室とを連通及び遮断する増圧バルブと、
    前記パワー室とリザーバとを連通及び遮断する減圧バル
    ブとを備え、ブレーキペダル踏力に応じて前記圧力源の
    圧力を制御するレギュレータと、 前記ブレーキペダルと互いに連動すると共に前記レギュ
    レータによって制御された前記圧力源の圧力が前記パワ
    ー室に作用することにより作動するパワーピストンを備
    える倍力装置と、 少なくとも一つの車両ホイールブレーキに連結されると
    共に前記倍力装置と連動するマスタシリンダと、 前記パワー室と前記減圧バルブとを連通及び遮断する第
    1バルブと、 前記パワー室と前記圧力源とを連通及び遮断する第2バ
    ルブと、 を備えたブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 踏み込み操作されるブレーキペダルと、 圧力源とパワー室とを連通及び遮断する増圧バルブと、
    前記パワー室とリザーバとを連通及び遮断する減圧バル
    ブとを備え、ブレーキペダル踏力に応じて前記圧力源の
    圧力を制御するレギュレータと、 前記ブレーキペダルと連動可能で且つ前記ブレーキペダ
    ルに対して独立的に作動可能であると共に前記レギュレ
    ータによって制御された前記圧力源の圧力が前記パワー
    室に作用することにより作動するパワーピストンを備え
    る倍力装置と、 少なくとも一つの車両ホイールブレーキに連結されると
    共に前記倍力装置と連動するマスタシリンダと、 前記パワー室と前記減圧バルブとを連通及び遮断する第
    1バルブと、 前記パワー室と前記圧力源とを連通及び遮断する第2バ
    ルブと、 を備えたブレーキ装置。
  4. 【請求項4】 前記パワーピストンは第1パワーピスト
    ンと第2パワーピストンとを有し、ブレーキペダルの非
    操作時において前記第2バルブにより前記パワー室と前
    記圧力源とが連通される際には前記第2パワーピストン
    のみが作動されることを特徴とする請求項1又は請求項
    3のブレーキ装置。
  5. 【請求項5】 圧力源とパワー室とを連通及び遮断する
    増圧バルブと、前記パワー室とリザーバとを連通及び遮
    断する減圧バルブとを備え、ペダル踏力に応じて前記圧
    力源の圧力を制御するレギュレータと、 前記レギュレータによって制御された前記圧力源の圧力
    が前記パワー室に作用することにより作動するパワーピ
    ストンを備える倍力装置と、 少なくとも一つの車両ホイールブレーキに連結されると
    共に前記倍力装置と連動するマスタシリンダと、 を備えたブレーキ装置において、 前記マスタシリンダは前記パワーピストンと連動可能な
    マスタシリンダピストンを備え、前記マスタシリンダピ
    ストンと前記パワーピストンとの間には通常時前記リザ
    ーバと連通する圧力室が形成され、前記圧力室と前記リ
    ザーバとを連通及び遮断する第1バルブと、前記圧力室
    と前記圧力源とを連通及び遮断する第2バルブとを備え
    たことを特徴とするブレーキ装置。
  6. 【請求項6】 踏み込み操作されるブレーキペダルと、 圧力源とパワー室とを連通及び遮断する増圧バルブと、
    前記パワー室とリザーバとを連通及び遮断する減圧バル
    ブとを備え、ブレーキペダル踏力に応じて前記圧力源の
    圧力を制御するレギュレータと、 前記ブレーキペダルと互いに連動すると共に前記レギュ
    レータによって制御された前記圧力源の圧力が前記パワ
    ー室に作用することにより作動するパワーピストンを備
    える倍力装置と、 前記パワーピストンと連動可能で且つ前記パワーピスト
    ンとは独立的に作動可能なマスタシリンダピストンを備
    え、前記マスタシリンダピストンの作動に応じて少なく
    とも一つの車両ホイールブレーキに液圧を供給するマス
    タシリンダと、 前記パワーピストンと前記マスタシリンダピストンとの
    間に形成されると共に通常時前記リザーバに連通される
    圧力室と、 前記圧力室と前記リザーバとを連通及び遮断する第1バ
    ルブと、 前記圧力室と前記圧力源とを連通及び遮断する第2バル
    ブと、 を備えたブレーキ装置。
  7. 【請求項7】 前記パワー室と前記減圧バルブとの間で
    前記第1バルブと並列に配設されると共に前記減圧バル
    ブ側から前記パワー室側への流入のみを許容する一方向
    弁を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れ
    か一に記載のブレーキ装置。
  8. 【請求項8】 前記第1パワーピストンと前記第2パワ
    ーピストンとの間に油室が形成され、前記油室が前記パ
    ワー室或いは前記リザーバにオリフィスを介して連通さ
    れていることを特徴とする請求項4のブレーキ装置。
  9. 【請求項9】 前記ブレーキペダルの非操作時に前記第
    2バルブにより前記パワー室と前記圧力源とが連通され
    て前記第2パワーピストンが作動された後において、前
    記ブレーキペダルの踏込み操作に対して抵抗が付与可能
    とされることを特徴とする請求項4のブレーキ装置。
  10. 【請求項10】 前記圧力室がリリーフ弁を介して前記
    パワー室に連通されることを特徴とする請求項5又は請
    求項6のブレーキ装置。
  11. 【請求項11】 前記リリーフ弁に直列にオリフィスが
    設けられていることを特徴とする請求項10のブレーキ
    装置。
  12. 【請求項12】 前記第2バルブによる前記圧力室と前
    記圧力源との連通に伴う前記マスタシリンダピストンの
    作動を所定の作動に規制することを特徴とする請求項5
    又は請求項6のブレーキ装置。
  13. 【請求項13】 前記第1バルブと前記第2バルブとの
    内で少なくとも一方のバルブがリニア制御ソレノイドバ
    ルブであることを特徴とする請求項1〜請求項12の何
    れか一に記載のブレーキ装置。
  14. 【請求項14】 前記第1バルブ及び前記第2バルブの
    作動を制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求
    項1〜請求項13の何れか一に記載のブレーキ装置。
  15. 【請求項15】 前記第1バルブ及び前記第2バルブ
    は、前記制御手段により車両の状態に応じて作動される
    ことを特徴とする請求項14のブレーキ装置。
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