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JP2000208257A - 発光素子及び画像表示装置 - Google Patents

発光素子及び画像表示装置

Info

Publication number
JP2000208257A
JP2000208257A JP11005733A JP573399A JP2000208257A JP 2000208257 A JP2000208257 A JP 2000208257A JP 11005733 A JP11005733 A JP 11005733A JP 573399 A JP573399 A JP 573399A JP 2000208257 A JP2000208257 A JP 2000208257A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
ultraviolet light
light emitting
wavelength conversion
image display
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP11005733A
Other languages
English (en)
Inventor
Sakuya Tamada
作哉 玉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP11005733A priority Critical patent/JP2000208257A/ja
Publication of JP2000208257A publication Critical patent/JP2000208257A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 発光輝度を向上させる。 【解決手段】 紫外光を反射して可視光を透過する誘電
体膜3と、紫外光を放射する紫外発光EL素子10と、
紫外光を波長変換して、この紫外光の入射方向に可視光
を放射する波長変換膜9とをこの順で透明基板2上に積
層して形成する。これにより、紫外発光EL素子10か
ら誘電体膜3側に放射された紫外光が、この誘電体膜3
によって反射され、波長変換膜9に入射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外光を波長変換
して可視光を放射する発光素子に関する。また、本発明
は、可視光を放射する波長変換膜の励起エネルギ源とし
て紫外発光素子を用いる薄型の画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】画像表示装置は、例えば情報処理装置や
各種放送用受信機等と組み合わせて使用され、画像情報
や文字情報を表示する装置である。画像表示装置は、近
年、薄型化・大画面化されることが望まれており、各種
の表示方式が研究され、開発を進められている。
【0003】画像表示装置においては、薄膜型の発光素
子を用いることによって薄型化及び大画面化を実現容易
とする薄型の画像表示装置が提案されている。このよう
な薄型の画像表示装置に用いられる薄膜型の発光素子と
しては、例えば、薄膜型エレクトロルミネッセンス素子
(以下、薄膜型EL素子と称する。)がある。
【0004】薄膜型EL素子は、基板上に、第1の導電
膜と、第1の絶縁膜と、発光膜と、第2の絶縁膜と、第
2の導電膜とを順次積層した構造とされる。薄膜型EL
素子においては、母体材料中に発光中心となる元素が添
加されることによって発光膜が形成されてなり、第1の
導電膜と第2の導電膜との間に電界を印加することによ
って発光膜が発光する構成とされる。
【0005】薄膜型EL素子を用いた画像表示装置とし
ては、発光膜をZnS:Mnによって形成した薄膜型E
L素子に対して赤色と緑色とのカラーフィルタを配設
し、発光膜をSrS:CeやSrGa24:Ce等によ
って形成した薄膜型EL素子によって青色の発光を得る
ことで、画素を構成するとした提案がなされている(El
ectroluminescent Displays, Y.Ono, World Scientifi
c)。
【0006】また、同様の画像表示装置としては、Sr
S:CeとZnS:Mnとを積層形成した発光膜を備え
て白色発光する薄膜型EL素子に対して、赤色、緑色及
び青色のカラーフィルタを配設することで、画素を構成
するとした提案もなされている。
【0007】一方、画像表示装置においては、紫外光を
放射する紫外発光素子と、この紫外光を波長変換して可
視光を放射する波長変換膜とを備える発光素子によっ
て、画素を構成するとした提案がなされている。すなわ
ち、この画像表示装置においては、紫外発光素子によっ
て放射された紫外光を、波長変換素子の励起エネルギと
して利用してなる。具体的には、例えば、特開昭61−
16495号公報、特開昭63−18319号公報、
「Japanese Journal of Applied Physics, Vol.30,NO.1
0A, 1991, L1815」等に記載されているように、紫外発
光エレクトロルミネッセンス素子(以下、紫外発光EL
素子と称する。)と、蛍光体とを組み合わせることによ
って、画素が構成された画像表示装置が提案されてい
る。
【0008】また、画像表示装置においては、特開平5
−299175号公報「EL発光素子」に記載されてい
るように、波長変換層が薄膜蛍光体で形成されるととも
に、透明電極と紫外発光膜との間に形成された構成が提
案されている。これにより、画像表示装置は、透明電極
によって紫外光が吸収されることを防止し、輝度を向上
することができる。
【0009】画像表示装置は、紫外発光素子から放射さ
れた紫外光を波長変換膜によって可視光に波長変換する
構成とすることにより、発光材料の選択が容易となり、
画像情報又は文字情報を高品位に表示することができ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、画像表示装
置においては、上述したように紫外光を可視光に波長変
換する構成とした場合に、紫外発光素子から放射される
紫外光が、この紫外発光素子の両面から等しく放射され
る。このため、従来の画像表示装置においては、波長変
換膜に対して反対側の面から放射された紫外光が、波長
変換膜の励起エネルギとして有効に利用されていないと
いった問題があった。すなわち、従来の画像表示装置
は、十分な発光輝度を効率よく得ることができないとい
った問題があった。
【0011】そこで、本発明は、紫外光を反射して可視
光を透過する誘電体膜を備えることによって、紫外光の
利用効率を向上させた発光素子を提供することを目的と
する。また、本発明は、マトリクス状に配置された複数
の紫外発光素子に対して、紫外光を反射して可視光を透
過する誘電体膜を配設することによって、紫外光の利用
効率を向上させて高輝度で画像を表示する画像表示装置
を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明に係る発光素子は、少なくとも、一対の
導電膜の間に紫外発光膜を備えて紫外光を放射する紫外
発光素子と、紫外光を反射して可視光を透過する誘電体
膜と、紫外光を波長変換して可視光を放射する波長変換
膜とを備えて、これらが積層して形成され、上記誘電体
膜は、上記紫外発光膜に対して上記波長変換膜と反対側
に形成されるとともに、上記紫外発光膜から入射された
紫外光を反射して上記波長変換膜に入射させてなる。
【0013】以上のように構成された発光素子は、紫外
発光膜から誘電体膜が位置する側に放射された紫外光
を、この誘電体膜によって波長変換膜に向けて反射する
ことができる。これにより、発光素子は、紫外発光膜か
ら放射される紫外光を効率よく利用して波長変換膜の励
起エネルギとすることができる。
【0014】また、本発明に係る画像表示装置は、マト
リクス状に配置され、各々一対の電極の間に紫外発光膜
を備えて紫外光を放射する複数の紫外発光素子と、紫外
光を反射して可視光を透過する誘電体膜と、紫外光を波
長変換して可視光を放射する波長変換膜とを備えて、こ
れらが積層して形成され、上記誘電体膜は、上記紫外発
光膜に対して上記波長変換膜と反対側に形成されるとと
もに、上記各紫外発光膜から入射された紫外光を反射し
て上記波長変換膜に入射させてなる。
【0015】以上のように構成された画像表示装置は、
紫外発光膜から誘電体膜が位置する側に放射された紫外
光を、この誘電体膜によって波長変換膜に向けて反射す
ることができる。これにより、画像表示装置は、紫外発
光膜から放射される紫外光を効率よく利用して波長変換
膜の励起エネルギとすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明に
おいては、先ず、図1に示すような発光素子1について
説明することとする。なお、以下の説明においては、各
部材並びにその材料、大きさ、膜厚及び成膜方法等につ
いて具体的な例を挙げるが、本発明は、以下の例に限定
されるものではない。
【0017】発光素子1は、透明基板2の一方の主面2
a上に、誘電体膜3と、第1の導電膜4と、第1の絶縁
膜5と、紫外発光膜6と、第2の絶縁膜7と、第2の導
電膜8と、波長変換膜9とがこの順で形成されており、
全体で積層構造を呈している。また、発光素子1におい
ては、第1の導電膜4と、第1の絶縁膜5と、紫外発光
膜6と、第2の絶縁膜7と、第2の導電膜8とによって
紫外発光エレクトロルミネッセンス素子10(以下、紫
外発光EL素子10と称する。)が構成されている。
【0018】発光素子1は、第1の導電膜4と第2の導
電膜8との間に電界を印加することによって紫外発光膜
6が紫外光を放射する構成とされる。また、発光素子1
においては、紫外発光膜6から放射された紫外光が波長
変換膜9に入射されることによって、この波長変換膜9
が、紫外光の入射方向に向けて可視光を放射する構成と
される。そして、発光素子1は、波長変換膜9が放射し
た可視光が、透明基板2を透過して、この透明基板2の
他方の主面2bから出射する構成とされている。すなわ
ち、発光素子1においては、透明基板2の主面2bが可
視光の発光面とされてなる。
【0019】なお、以下の説明において、紫外光とは、
波長450nm以下の電磁波のことをいう。
【0020】透明基板2は、例えば合成石英ガラス等の
透光性を有する硬質材料によって、略平板状に形成され
ている。透明基板2は、大きさ、厚み、形状等を限定さ
れるものではなく、目的に応じた所定の機械的強度を有
する厚みに形成されていればよい。
【0021】誘電体膜3は、透明基板2の主面2a上
に、薄膜状に形成されてなる。誘電体膜3は、高屈折率
層と低屈折率層とが1周期以上積層されて多層構造とさ
れてなる。高屈折率層は、例えば、HfO2(屈折率
2.30),ZnS(屈折率2.30),ZrO2(屈
折率2.20),Y23(屈折率2.10),MgO
(屈折率1.80)等のような、高い誘電率を有し、且
つ高い屈折率と透光性とを有する材料によって薄膜状に
形成されている。また、低屈折率層は、例えば、SiO
2(屈折率1.46),MgF2(屈折率1.38),L
iF(屈折率1.36)等のような、高い誘電率を有
し、且つ低い屈折率と透光性とを有する材料によって薄
膜状に形成されている。
【0022】誘電体膜3においては、高屈折率層及び低
屈折率層を構成する材料の組み合わせと、各層の層厚と
を、紫外光を反射して可視光を透過するように適宜選択
して形成されればよい。具体的には、反射させる光の波
長をλ、高屈折率層を形成する材料の屈折率をn
(H)、低屈折率層を形成する材料の屈折率をn(L)
とした場合に、高屈折率層の層厚がn(H)・λ/4、
低屈折率層の層厚がn(L)・λ/4となるように形成
される。
【0023】上述したような、多層構造とされた誘電体
膜の設計及び作製に関しては、例えば、「レンズ光学、
草川徹著、東海大学出版」、「応用光学I・II、鶴田
匡夫著、培風館」、「光学薄膜、藤原史郎著、共立出
版」等に詳説されている。
【0024】また、誘電体膜3は、電子ビーム蒸着法、
イオンプレーティング法、スパッタ法、イオンビームス
パッタ法等の各種成膜方法を用いて、高屈折率層と低屈
折率層とのそれぞれの層厚を精密に制御されて形成され
る。
【0025】誘電体膜3は、上述したように、高屈折率
層と低屈折率層との積層構造とされて、紫外光を反射し
て可視光を透過するように構成されている。したがっ
て、誘電体膜3は、紫外発光膜6から放射される紫外光
を、波長変換膜9に向けて反射することができる。ま
た、誘電体膜3は、波長変換膜9から放射される可視光
を発光面である透明基板2の主面2bに向けて透過する
ことができる。
【0026】第1の導電膜4は、例えば、In23,S
nO2,ZnO,酸化インジウム錫(ITO),酸化イ
ンジウム亜鉛(In23:Zn)等の導電性を有し、且
つ透光性を有する材料によって、薄膜状に形成されてい
る。第1の導電膜4は、透光性を有することによって、
波長変換膜9から放射される可視光を、発光面に向けて
透過させることができる。
【0027】第2の導電膜4は、例えば、真空蒸着法、
スパッタ法、反応性スパッタ法、イオンプレーティング
法、電子ビーム蒸着法等に代表される各種のPVD法に
よって形成することができる。
【0028】第1の絶縁膜5は、電気絶縁性を有する材
料によって薄膜状に形成されている。第1の絶縁膜5
は、第1の導電膜4と紫外発光膜6及び第2の導電膜8
との電気的短絡を防止する機能を有している。また、第
1の絶縁膜5は、紫外発光膜6に過大な電圧を印加した
際に微細欠陥が形成されることによる電気的短絡(ブレ
イクダウンモード)を防止するとともに、水分、酸素、
二酸化炭素等の外環境から紫外発光膜6を保護する機能
を有している。
【0029】また、第1の絶縁膜5は、例えば、SiO
2,SiN,Si34,SiON,Al23,SiAl
ON,BaTiO3,SrTiO3,Ta25,Sm
23,BaTa26,TiO2,Y23等のように、電
気絶縁性を有し、且つ大きな誘電率を有する材料によっ
て形成されることが望ましい。これにより、第1の絶縁
膜5は、紫外発光膜6との界面に蓄積される電荷量を増
大し、紫外発光膜6内の電荷移動量を増大することで、
発光輝度を向上することができる。
【0030】紫外発光膜6は、薄膜状に形成されてお
り、母体材料中に発光中心を添加して形成されている。
紫外発光膜6においては、母体材料として、例えば3B
族元素の窒化物やZn2SiO4で表される化合物が選ば
れ、発光中心として、Gd等の希土類元素及び/又は希
土類元素の化合物が選ばれる。また、紫外発光膜6は、
第1の導電膜4と第2の導電膜8との間に挟まれて形成
されており、これら第1の導電膜4と第2の導電膜8と
の間に電界を印加されることによって紫外光を放射す
る。
【0031】紫外発光膜6において、発光中心として添
加する希土類元素は、単体希土類元素であってもよい
し、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酸化物又は
窒化物等であってもよい。また、これらの混合物であっ
てもよい。
【0032】また、紫外発光膜6においては、発光中心
の添加量が10原子%を超えると、共鳴エネルギ移動等
の非輻射過程による濃度消失が生じてしまう。したがっ
て、紫外発光膜6においては、発光中心を母体材料に対
して0.1原子%〜10原子%なる割合で添加すること
が望ましい。
【0033】紫外発光膜6は、具体的には、母体材料
を、例えばBN,AlN,GaN,InN,InGaA
lN等のような3B族元素の窒化物によって形成され、
この母体材料中に発光中心として、例えばGd等の希土
類元素及び/又は希土類元素の化合物を添加されること
によって形成される。これにより、紫外発光膜6は、電
界を印加されることによって紫外光を放射することがで
きるとともに、3B族元素の窒化物が化学的に安定した
化合物であるために、強電界下や紫外線暴露下において
も、大気中の水分、酸素、二酸化炭素等によって劣化す
ることがなく、長期的に安定した輝度を維持することが
できる。
【0034】また、紫外発光膜6は、母体材料を、例え
ばZn2SiO4で表される化合物によって形成され、こ
の母体材料中に発光中心として、例えばGd等の希土類
元素及び/又は希土類元素の化合物を添加されることに
よって形成されてもよい。これにより、紫外発光膜6
は、電界を印加されることによって紫外光を放射するこ
とができるとともに、母体材料が酸化物によって形成さ
れたことによって、大気中の水分等による特性の劣化が
生じにくい。
【0035】また、このとき、紫外発光膜6は、母体材
料中のSiのうちの一部をGeで置換し、若干の酸素欠
損を有するように形成されてもよい。すなわち、紫外発
光膜6は、母体材料が一般式Zn2Si1-xGex
4-y(0≦x≦1,0≦y<1)で表される化合物によ
って形成されてもよい。これにより、母体材料のバンド
ギャップエネルギは、5eV以上に向上する。また、G
d原子は、67/2状態から8S状態に内殻遷移する際の
エネルギ準位差が4eVである。したがって、紫外発光
膜6は、発光中心がGd原子の内殻遷移によって紫外光
を放射した際に、この紫外光を母体材料が吸収してしま
うことがない。
【0036】第2の絶縁膜7は、第1の絶縁膜5と同様
に、電気絶縁性を有する材料によって薄膜状に形成され
ている。第2の絶縁膜5は、第2の導電膜9と紫外発光
膜6及び第1の導電膜4との電気的短絡を防止するとと
もに、紫外発光膜6の保護膜としての機能を有してい
る。
【0037】また、第2の絶縁膜7は、第1の絶縁膜5
と同様に、電気絶縁性を有し、且つ大きな誘電率を有す
る材料によって形成されることが望ましい。
【0038】第2の絶縁膜7は、紫外発光膜6が形成さ
れた第1の絶縁膜5上に形成されており、紫外発光膜6
を覆うように形成されている。言い換えると、紫外発光
EL素子10は、紫外発光膜6が第1の絶縁膜5と第2
の絶縁膜7とによって完全に囲まれた、いわゆる二重絶
縁構造とされてなる。
【0039】第2の導電膜8は、In23,SnO2
F,ZnO:Al,酸化インジウム錫(ITO),酸化
インジウム亜鉛(In23:Zn)等のように、導電性
を有し、且つ透光性を有する材料によって薄膜状に形成
されている。第2の導電膜8は、透光性を有しているこ
とによって、紫外発光膜6から放射された紫外光を透過
させて波長変換膜9に入射させることができる。
【0040】波長変換膜9は、紫外光を吸収して可視光
を放射する材料によって、第2の導電膜8が形成された
第2の絶縁膜7上に薄膜状に形成されてなる。波長変換
膜9を形成する材料としては、例えば、Y22S:E
u、ZnCdS:Ag等のように赤色発光する無機蛍光
体粉末、ZnS:Cu,Al、Y2SiO5:Tb,C
e、等のように緑色発光する無機蛍光体粉末、ZnS:
Ag,Al、BaMgAl1423:Eu等のように青色
発光する無機蛍光体粉末を用いることができる。また、
波長変換膜9は、これらの無機蛍光体粉末を、例えば、
ポリビニルアルコール、ポリカーボネイト、ポリメチル
メタクリレート等の有機バインダに分散した蛍光シート
によって形成されてもよい。
【0041】また、波長変換膜9は、上述したような蛍
光体材料の他、色素レーザ媒質として一般的なローダミ
ン、クマリン等の有機色素材料によって形成されてもよ
い。
【0042】さらに、波長変換膜9は、例えば、ユーロ
ピウムトリフルオロアセトネート(EuTTA)、N、
N−ビス(2,5−ジターシャリブチルフェニル)−
3,4,9,10−ペリレンジカルボキシイミド(P
D)、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−
ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)、
トリフェニルアミン誘導体(NSD)、8−ヒドロキシ
キノリンアルミニウム(Alq3)、3−(2’−ベン
ゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリ
ン6)、2,5−ビス(5−ターシャリブチル−2−ベ
ンゾオキサゾル)チオフェン(BBOT)、アントラセ
ン等の有機色素を、例えば、ポリメチルメタクリレート
等の高分子に分散したポリマシートによって形成されて
もよい。
【0043】波長変換膜9は、「J.Appl.Phys82(8), 19
97,p.4126」に記載されているように、色素濃度が高い
場合に、色素間の共鳴エネルギ移動による消失過程が顕
著になるため、低い色素濃度で形成する。そのため、波
長変換膜9は、厚みが0.3μm未満である場合に、紫
外発光EL素子11から放射される紫外光を完全に吸収
することが困難となる。また、波長変換膜9は、厚みが
100μmを超える場合に、紫外光によって励起される
部分が紫外光の入射面表面近傍のみとなってしまい、波
長変換された可視光を効率よく放射することが困難とな
る。したがって、波長変換膜9は、0.3μm〜100
μmの厚みで形成されることが望ましい。
【0044】以上のように構成された発光素子1は、第
1の導電膜4と第2の導電膜8との間に電界を印加され
ることによって、紫外発光膜6が紫外光を放射する。そ
して、発光素子1は、紫外発光膜6から放射された紫外
光を、波長変換膜9によって可視光に波長変換し、発光
面から外方に向けて放射する。発光素子1は、以上のよ
うに動作することによって、可視光を発光する。
【0045】ところで、発光素子1において、紫外発光
膜6から放射される紫外光は、図2において矢印Aと矢
印Bとで示すように、この紫外発光膜6の波長変換膜9
側の主面6aと発光面側の主面6bとから等しく放射さ
れる。
【0046】発光素子1は、紫外発光膜6の主面6aか
ら図2中矢印Aで示すように放射された紫外光を、波長
変換膜9によって可視光に波長変換して、図2中矢印C
で示すように発光面から放射する。また、発光素子1
は、紫外発光膜6の主面6bから図2中矢印Bで示すよ
うに放射された紫外光を、誘電体膜3によって反射し
て、図2中矢印Dで示すように波長変換膜9に入射させ
る。そして、発光素子1は、誘電体膜3によって反射さ
れた紫外光を、波長変換膜9によって可視光に波長変換
して、図2中矢印Eで示すように発光面から放射する。
【0047】すなわち、発光素子1は、紫外発光膜6に
対して波長変換膜9と反対側に形成された誘電体膜3が
紫外光を反射して可視光を透過することによって、紫外
発光膜6の波長変換膜9と反対側の主面6bから放射さ
れた紫外光を反射して、波長変換膜9に入射させること
ができる。これにより、発光素子1は、紫外発光膜6の
主面6aと主面6bとから放射される紫外光を、波長変
換膜9の励起エネルギとして有効に利用することができ
る。したがって、発光素子1は、波長変換膜9から放射
される可視光の輝度を向上させることができる。言い換
えると、発光素子1は、誘電体膜3を備えることによっ
て、発光面での発光輝度を向上させることができる。
【0048】また、発光素子1は、波長変換膜9が、入
射された紫外光を可視光に波長変換し、この可視光を紫
外光の入射方向に反射して放射する構成とされているこ
とから、いわゆる反射型の発光素子とされてなる。
【0049】したがって、発光素子1は、高い発光効率
を有しており、特に、高い可視光取り出し効率を有して
いる。また、発光素子1は、波長変換素子が励起エネル
ギの入射方向と反対の方向に可視光を放射する、いわゆ
る透過型の発光素子のように、波長変換膜9からの発光
が透過減衰してしまうことがない。そのため、発光素子
1においては、波長変換膜9の発光効率が、この波長変
換膜9の物性に依存する紫外光吸収効率及び紫外・可視
光変換効率のみに規制され、波長変換膜9からの可視光
取り出し効率をほぼ1.0とみなすことができる。
【0050】また、発光素子1において、紫外発光膜6
は、その断面形状を台形状とされて、誘電体膜3が位置
する主面6b側を幅広となるように形成されることが望
ましい。具体的には、例えば、図3に示すように、紫外
発光膜6の両側端部6cがテーパ角Θ(45゜<Θ<9
0゜)を有するように形成されることが望ましい。
【0051】紫外発光膜6は、その周囲に形成される第
1の絶縁膜5及び第2の絶縁膜7等よりも高い屈折率を
示す材料によって形成されるために、これら第1の絶縁
膜5及び第2の絶縁膜7との界面での光の全反射の臨界
角が小さい。
【0052】そのため、発光素子1においては、紫外発
光膜6をコア層、第1の絶縁膜5及び第2の絶縁膜7を
クラッド層とする光導波路が形成されることになり、紫
外発光膜6から放射される紫外光が主面から効率よく放
射されない。具体的には、紫外発光膜6の屈折率が2.
3程度、第1の絶縁膜5及び第2の絶縁膜7の屈折率が
1.5〜2.0であり、紫外発光膜6の内部での光散乱
を考慮せずとした場合に、この紫外発光膜6の主面から
放射される紫外光が20%程度となり、残りの80%程
度の紫外光が側端部から放射されることとなる。
【0053】したがって、紫外発光膜6は、その端部が
垂直に形成された場合に、側端部から放射される紫外光
を波長変換膜9に入射させることができず、波長変換膜
9の励起エネルギとして利用されずに無駄となってしま
う。
【0054】しかしながら、発光素子1は、紫外発光膜
6の両側端部6cがテーパ角Θを有するように形成され
ることによって、図4において矢印Fで示すように、こ
の両側端部6cに向けて放射された紫外光を、図4中矢
印Gで示すように、誘電体膜3に向けて反射することが
できる。そして、発光素子1は、両側端部6cで反射さ
れた紫外光を、図4中矢印Hで示すように、誘電体膜3
が反射して波長変換膜9に入射させ、波長変換された可
視光を図4中矢印Iで示すように、発光面から放射する
ことができる。すなわち、発光素子1は、紫外発光膜6
の両側端部6cがテーパ角Θを有するように形成される
ことによって、この両側端部6cから放射された紫外光
を波長変換膜の励起エネルギとして利用することができ
る。
【0055】なお、紫外発光膜6は、両側端部6cだけ
でなく、図5に示すように、側端での全域に亘って、側
端部6dがテーパ角Θ(45゜<Θ<90゜)を有する
ように形成されてもよい。
【0056】また、発光素子1においては、波長変換膜
9を蛍光体粉末によって形成した場合に、この蛍光体粉
末の粒径が2μm程度であることが一般的である。その
ため、発光素子1においては、大きな入射角で紫外光を
波長変換膜9に入射させることが望ましい。したがっ
て、紫外発光膜6は、その側端部でのテーパ角Θを60
゜<Θ<80゜の範囲で形成されることが望ましい。こ
れにより、紫外発光膜6は、側端部から放射する紫外光
を大きな入射角で波長変換膜9に入射させることができ
る。
【0057】なお、上述した説明においては、透明基板
2の一方の主面2a上に、誘電体膜3と、第1の導電膜
4と、第1の絶縁膜5と、紫外発光膜6と、第2の絶縁
膜7と、第2の導電膜8と、波長変換膜9とが、この順
で形成されるとしたが、本発明は斯かる構成に限定され
るものではない。本発明に係る発光素子は、少なくと
も、一対の導電膜の間に紫外発光膜を備えて紫外光を放
射する紫外発光素子と、紫外光を反射して可視光を透過
する誘電体膜と、紫外光を波長変換して可視光を放射す
る波長変換膜とを備えて、これらが積層して形成されれ
ばよい。
【0058】具体的には、図6に示すような発光素子2
0のように、波長変換膜9を透明基板2の主面2b側に
形成し、誘電体膜3を第2の導電膜8上に形成してもよ
い。発光素子20は、波長変換膜9と誘電体膜3との形
成位置が異なる点を除いて、上述した発光素子1と同等
の構成とされる。したがって、以下では、発光素子20
を構成する各部の説明を省略し、図6において、発光素
子1と同じ符号を付すこととする。
【0059】発光素子20は、透明基板2の主面2a上
に紫外発光EL素子10と、誘電体膜3とがこの順で形
成され、透明基板2の主面2b上に波長変換膜9が形成
されてなる。また、発光素子20は、第2の絶縁膜7の
外方に臨む主面7a及び誘電体膜3の外方に臨む主面3
aが発光面とされる。すなわち、発光素子20において
は、紫外発光膜6から波長変換膜9側に向けて放射され
た紫外光が、透明基板2を透過して波長変換膜9に入射
されるとともに、紫外発光膜6から誘電体膜3側に向け
て放射された紫外光が、この誘電体膜3によって反射さ
れて波長変換膜9に入射される。そして、これら紫外光
は、波長変換膜9で可視光に波長変換されて発光面から
放射される。
【0060】この発光素子20においては、誘電体膜3
と第2の導電膜8とを、紫外光を反射するAl,Mo,
W,Ti,Cr,Ni等の各種金属材料によって形成さ
れてもよい。
【0061】また、図7に示すような発光素子30のよ
うに、誘電体膜3を透明基板2の主面2b側に形成して
もよい。発光素子30は、誘電体膜3の形成位置が異な
る点を除いて上述した発光素子1と同等の構成とされ
る。したがって、以下では、発光素子30を構成する各
部の説明を省略し、図7において、発光素子1と同じ符
号を付すこととする。
【0062】発光素子30は、透明基板2の主面2a上
に紫外発光EL素子10と、波長変換膜9とがこの順で
形成され、透明基板2の主面2b上に誘電体膜3が形成
されてなる。また、発光素子30は、誘電体膜3の外方
に臨む主面3aが発光面とされる。すなわち、発光素子
30においては、紫外発光膜6から波長変換膜9側に向
けて放射された紫外光が、この波長変換膜9に入射され
るとともに、紫外発光膜6から誘電体膜3側に向けて放
射された紫外光が、透明基板2を透過して誘電体膜3で
波長変換膜9側に向けて反射され、波長変換膜9に入射
される。そして、これら紫外光は、波長変換膜9で可視
光に波長変換されて発光面から放射される。
【0063】さらに、図8に示すような発光素子40の
ように、第1の絶縁膜5及び第2の絶縁膜7の代わりに
第1の蛍光体薄膜41及び第2の蛍光体薄膜42を備え
てもよい。発光素子40は、第1の絶縁膜5及び第2の
絶縁膜7と第1の蛍光体膜41及び第2の蛍光体膜42
とが異なり、波長変換膜9を備えない点を除いて上述し
た発光素子1と同等の構成とされる。したがって、以下
では、発光素子1と同一又は同等の部位についての説明
を省略し、図8において、発光素子1と同じ符号を付す
こととする。
【0064】発光素子40は、透明基板2の主面2a上
に誘電体膜3と、紫外発光EL素子10とがこの順で形
成されている。紫外発光EL素子10は、第1の導電膜
4と、第1の蛍光体薄膜41と、紫外発光膜6と、第2
の蛍光体薄膜42と、第2の導電膜8とがこの順で積層
されてなる。また、発光素子40は、透明基板2の外方
に臨む主面2bが発光面とされてなる。
【0065】第1の蛍光体薄膜41及び第2の蛍光体薄
膜42は、上述した発光素子1における第1の絶縁膜5
及び第2の絶縁膜7に相当するものであるとともに、波
長変換膜9としての機能を有するものである。すなわ
ち、発光素子40においては、紫外発光EL素子10の
一対の導電膜4,8と紫外発光膜6との間に、紫外光を
波長変換して可視光を放射する第1の蛍光体薄膜41と
第2の蛍光体薄膜42とが形成された構成とされてな
る。
【0066】第1の蛍光体薄膜41及び第2の蛍光体薄
膜42を形成する材料としては、例えば、赤色発光する
ものとして、Y22S:Eu、YVO4:Eu等を用い
ることができる。また、緑色発光するものとして、Ba
MgAl1423:Eu、Z2SiO4:MnY2SiO5
Tb,Ce等を用いたり、青色発光するものとして、B
aMgAl1423:Eu、Sr227:Eu、ZnG
24等を用いることができる。
【0067】また、発光素子40において、第2の導電
膜8は、透光性を有する必要がないので、例えば、A
l,Mo,W,Ti,Cr,Ni等の各種金属材料によ
って形成されてもよい。第2の導電膜8は、このような
金属材料によって形成されることによって、紫外発光膜
6から放射されて第2の蛍光体薄膜42を透過してきた
紫外光を反射して、再び第1の蛍光体薄膜41及び第2
の蛍光体薄膜42に入射させることができる。また、第
2の導電膜は、金属材料によって形成されることによっ
て、第1の蛍光体薄膜41及び第2の蛍光体薄膜42か
ら放射された可視光を反射して、発光面に向けて一方向
に放射させることができる。
【0068】発光素子40は、紫外発光膜6から放射さ
れた紫外光を、この紫外発光膜6の周囲に形成された第
1の蛍光体薄膜41及び第2の蛍光体薄膜42に入射す
る。そして、この紫外光は、第1の蛍光体薄膜41と第
2の蛍光体薄膜42とによって可視光に波長変換されて
発光面から放射される。また、発光素子40は、第1の
蛍光体薄膜41によって吸収されずに誘電体膜3の側に
透過してきた紫外光を、この誘電体膜3によって反射し
て、再び第1の蛍光体薄膜41及び第2の蛍光体薄膜4
2へ入射させることができる。
【0069】発光素子40は、紫外光を可視光に波長変
換する第1の蛍光体薄膜41及び第2の蛍光体薄膜42
が一対の導電膜4,8の間に形成されたことによって、
紫外光が第1の導電膜4又は第2の導電膜8を透過して
減衰してしまう前に、この紫外光を第1の蛍光体薄膜4
1及び第2の蛍光体薄膜42の励起エネルギとして利用
することができる。したがって、発光素子4は、紫外光
の利用効率を向上させることができるために、発光輝度
を向上させることができる。
【0070】なお、上述した説明においては、紫外光を
放射する紫外発光素子として、紫外発光EL素子10が
発光素子1、発光素子20、発光素子30及び発光素子
40に備えられるとしたが、本発明は斯かる構成に限定
されるものではない。上述した発光素子においては、紫
外発光素子として、紫外発光EL素子10の代わりに、
例えば、特開昭63−18319号公報及び特開平3−
207786号公報等に記載されているようなZnMg
S:Gdを紫外発光膜として用いた紫外発光素子や、
「Japanese Journal of Applied Physics, Vol.30, No.
10A, 1991, L1815」に記載されているようなZnF2
Gdを紫外発光膜として用いた紫外発光素子を用いても
よい。
【0071】また、紫外発光素子として、特開平9−1
53645号公報、「Japanese Journal of Applied Ph
ysics, Vol.37, 1998, L129」及び「Appl. Phys. Let
t., 67(13), 1995, p1868」等に記載されているような
InAlGaN等の3族窒化物系の発光ダイオード等を
用いてもよい。
【0072】本発明においては、紫外発光素子の構成に
限定されるものではなく、紫外発光素子として、従来か
ら一般的に用いられている他の各種の紫外光を発光する
素子を用いることができる。
【0073】次に、図9及び図10に示すような画像表
示装置50について説明する。画像表示装置50は、透
明基板51上に、誘電体膜52と、互いに略平行な第1
の電極53と、第1の絶縁膜54と、紫外発光膜55
と、第2の絶縁膜56と、第1の電極54と略直交し、
且つ互いに略平行な複数の第2の電極57と、波長変換
膜59とが、この順で積層されてなる。
【0074】画像表示装置50においては、第1の電極
53と、第1の絶縁膜54と、紫外発光膜55と、第2
の絶縁膜56と、第2の電極57とが紫外発光EL素子
59を構成している。また、画像表示装置50は、図9
に示すように、第1の電極53と第2の電極57との交
差部にそれぞれ紫外発光EL素子59が形成され、紫外
発光EL素子59がマトリクス状に複数配設された構成
とされている。
【0075】さらに、画像表示装置50は、制御部60
を備えており、この制御部60と第1の電極53及び第
2の電極57とが、それぞれ第1の配線61と第2の配
線62とによって電気的に接続されている。制御部60
は、第1の電極53と第2の電極57との間に印加する
電界を制御する。そして、画像表示装置50において
は、第1の電極53と第2の電極57との間に電界を印
加することによって、各紫外発光EL素子59が紫外光
を放射し、この紫外光を波長変換膜58が可視光に波長
変換して、透明基板51から外方に向けて出射する構成
とされている。すなわち、画像表示装置50において
は、透明基板51の外方に臨む主面51aが画像表示面
とされてなる。
【0076】画像表示装置50は、紫外発光EL素子5
9が複数個備えられてマトリクス状に配設されているこ
とによって、全体としてひとつの画像を表示することが
できる。
【0077】なお、図9においては、誘電体膜52、第
1の絶縁膜54、第2の絶縁膜56及び波長変換膜58
を図示せず、第2の電極57と第2の配線62との一部
を省略して示す。
【0078】また、画像表示装置50は、その基本的構
成を上述した発光素子1と略同等とされている。すなわ
ち、画像表示装置50において、透明基板51と、誘電
体膜52と、第1の電極53と、第1の絶縁膜54と、
紫外発光膜55と、第2の絶縁膜56と、第2の電極5
7と、波長変換膜58とは、それぞれ、発光素子1にお
ける透明基板2と、誘電体膜3と、第1の導電膜4と、
第1の絶縁膜5と、紫外発光膜6と、第2の絶縁膜7
と、第2の導電膜8と、波長変換膜9とに相当する。し
たがって、以下の説明においては、発光素子1と同一又
は同等の部材についての説明を省略することとする。
【0079】第1の電極53は、発光素子1における第
1の導電膜4と同様な材料によって短冊状に形成され、
誘電体膜52上に互いに略平行となるように複数配設さ
れている。第1の電極53は、例えば、真空蒸着法、ス
パッタ法、反応性スパッタ法、イオンプレーティング
法、電子ビーム蒸着法等に代表される各種のPVD法に
よって誘電体膜52上に形成することができる。
【0080】第2の電極57は、発光素子1における第
2の導電膜8と同様な材料によって短冊状に形成され、
第2の絶縁膜56上に互いに略平行となるように複数配
設されている。第2の電極57は、上述した第1の電極
53と同様な方法によって形成することができる。
【0081】画像表示装置50は、上述したように、互
いに略平行な複数の第1の電極53と、この第1の電極
53と略直交し、且つ互いに略平行な複数の第2の電極
57とを備えてなる。これにより、画像表示装置50
は、マトリクス状に複数配設された紫外発光EL素子5
9を独立して制御することができる。
【0082】波長変換膜58は、発光素子1における波
長変換膜9と同様の材料によって、第2の電極57上に
薄膜状に形成されてなる。また、画像表示装置50にお
いては、マトリクス状に複数配設された紫外発光EL素
子59の各列に対して、波長変換膜58が順に、赤色発
光する材料と、緑色発光する材料と、青色発光する材料
とによって形成された構造とされている。
【0083】すなわち、画像表示装置50においては、
赤色発光する材料と、緑色発光する材料と、青色発光す
る材料とによって形成された波長変換膜58がそれぞれ
配設された3つの紫外発光EL素子59を1組として画
像の基本単位(以下、画素と称する。)とされている。
画像表示装置50においては、各画素における各色の発
光輝度が調整されることによって、各画素が多色を表示
することができる。
【0084】制御部60は、第1の配線61と第2の配
線62とを介して、第1の電極53と第2の電極57と
に接続されており、各紫外発光EL素子59の発光を個
別に制御する機能を有している。画像表示装置50は、
制御部60を備えることによって、複数の紫外発光EL
素子59の発光を各々制御されて、全体としてひとつの
画像を表示することができる。
【0085】以下では、制御部60の具体的な構成の例
を示すこととする。なお、制御部60は、以下に示す例
に限定されるものではなく、上述したような機能を適宜
備えればよいことは勿論である。
【0086】制御部60は、例えば、駆動電源と、制御
回路とを備える。制御回路は、図11に示すように、制
御指示部と、この制御指示部からの信号S1〜S4に応
じて動作するスイッチング素子T1〜T4と、スイッチ
ング素子T1,T2と並列に接続されたダイオードD
3,D4と、スイッチング素子T3,T4と直列に接続
されたダイオードD3,D4とにより構成される。
【0087】斯かる制御回路においては、スイッチング
素子T1,T3及びダイオードD1が一方の端子をそれ
ぞれ駆動電源に接続されており、スイッチング素子T
2,T4及びダイオードD2が一方の端子をそれぞれ接
地されている。制御回路は、スイッチング素子T1及び
ダイオードD1の他方の端子と、スイッチング素子T2
及びダイオードD2の他方の端子とが接続されるととも
に、紫外発光EL素子59の第1の電極53に接続され
ている。また、制御回路は、ダイオードD3,D4がそ
れぞれスイッチング素子T3,T4と接続された端子と
反対側の端子同士を接続されるとともに、紫外発光EL
素子59の第2の電極57に接続されている。ダイオー
ドD1〜D4は、紫外発光EL素子59からの電荷の逆
流を防止する機能を有している。
【0088】スイッチング素子T1は、制御指示部から
の信号S1に応じて、駆動電源と第1の電極53とを接
続し、この第1の電極53に電圧を印加する。スイッチ
ング素子T2は、制御指示部からの信号S2に応じて、
第1の電極53を接地する。スイッチング素子T3は、
制御指示部からの信号S3に応じて、駆動電源と第2の
電極57とを接続し、この第2の電極57に電圧を印加
する。スイッチング素子T4は、制御指示部からの信号
S4に応じて、第2の電極57を接地する。
【0089】制御部60は、例えば以上のように構成さ
れてなり、複数設けられた第1の電極53及び第2の電
極57のうち、所定の第1の電極53第2の電極57と
に対して電圧を印加したり接地したりすることによっ
て、これら第1の電極53と第2の電極57との交差部
に位置する紫外発光EL素子59の発光を制御する。制
御部60は、第1の電極53と第2の電極57とを選ん
で電圧を印加したり接地したりすることによって、各紫
外発光EL素子59の発光を個別に制御することができ
る。
【0090】以上のように構成された画像表示装置50
は、制御部60が、マトリクス状に配設された複数の紫
外発光EL素子59の各々に対して印加する電界を制御
することによって、それぞれの紫外発光EL素子59が
紫外光の放射を制御されてなる。そして、画像表示装置
50においては、各紫外発光EL素子59から放射され
た紫外光が波長変換膜58に吸収されて可視光に波長変
換され、この可視光が透明基板51の主面51a側に透
過する。これにより、画像表示装置50は、全体として
ひとつの画像を表示する。
【0091】画像表示装置50は、発光素子1と同様
に、誘電体膜52が紫外発光膜55に対して波長変換膜
58と反対側に形成されているとともに、紫外光を反射
して可視光を透過することによって、紫外発光膜55か
ら放射される紫外光を、波長変換膜58の励起エネルギ
として有効に利用することができる。したがって、画像
表示装置50は、波長変換膜58から放射される可視光
の輝度を向上させることができる。言い換えると、画像
表示装置50は、誘電体膜52を備えることによって、
画像表示面での輝度を向上させることができる。
【0092】また、画像表示装置50は、発光素子1と
同様に、波長変換膜58が、入射された紫外光を可視光
に波長変換し、この可視光を紫外光の入射方向に反射し
て放射する構成とされていることから、いわゆる反射型
の画像表示装置とされてなる。したがって、画像表示装
置50は、発光素子1と同様に、高い発光効率を有して
おり、特に、高い可視光取り出し効率を有している。
【0093】また、画像表示装置50において、紫外発
光膜55は、その断面形状を台形状とされ、誘電体膜5
2が位置する側が幅広となるように形成されることが望
ましい。これにより、画像表示装置50は、発光素子1
と同様に、紫外発光膜55の端部から放射される紫外光
を波長変換膜58に入射させることができ、紫外光の利
用効率を向上させることができる。したがって、画像表
示装置50は、画像表示面での輝度がさらに向上する。
【0094】なお、上述した説明においては、画像表示
装置50が紫外光を放射する紫外発光素子として、紫外
発光EL素子59を備えるとしたが、本発明は斯かる構
成に限定されず、上述した発光素子1の場合と同様に、
各種の紫外発光素子を用いてもよい。
【0095】また、画像表示装置50は、透明基板51
上に、誘電体膜52と、第1の電極53と、第1の絶縁
膜54と、紫外発光膜55と、第2の絶縁膜56と、第
2の電極57と、波長変換膜59とが、この順で形成さ
れるとしたが、本発明は斯かる構成に限定されるもので
はない。本発明に係る画像表示装置は、マトリクス状に
配設され、各々一対の電極の間に紫外発光膜を備えて紫
外光を放射する複数の紫外発光素子と、紫外光を反射し
て可視光を透過する誘電体膜と、紫外光を波長変換して
可視光を放射する波長変換膜とを備えて、これらが積層
して形成されればよい。具体的には、例えば、上述した
発光素子20、発光素子30及び発光素子40等と同様
の積層構造とされて、紫外発光素子10がマトリクス状
に配設された構成とされてもよい。
【0096】画像表示装置50は、制御部60を備えず
に構成されてもよい。この場合に、画像表示装置50
は、他の各種装置に備えられた制御部によって紫外発光
EL素子59の動作を制御される構成とすることもでき
る。
【0097】また、画像表示装置50は、第1の電極5
3と第2の電極57とを、いわゆる単純マトリクス構造
としなくともよい。画像表示装置50においては、例え
ば、各紫外発光EL素子59の第1の電極53と第2の
電極57とを任意の電極パターンで形成してもよい。
【0098】
【実施例】<第1の実施例>以下では、上述した発光素
子1に基づいて、第1の発光素子を作製した場合の実施
例について説明する。
【0099】先ず、石英ガラス製の透明基板を用意し、
この透明基板に対して中性洗剤及び有機溶剤等で超音波
洗浄を施した。次に、この透明基板上に、RFマグネト
ロンスパッタ法によって、誘電体膜を成膜した。この成
膜工程においては、紫外光反射の設計中心波長λを31
4nmとして、高屈折率層をMgO(屈折率n(H)=
1.80)、低屈折率層をSiO2(屈折率n(L)=
1.46)によって成膜した。また、高屈折率層と低屈
折率層とは、それぞれの層厚がn(H)・λ/4,n
(L)・λ/4となるように成膜し、各々6層ずつ積層
した。
【0100】したがって、誘電体膜は、高屈折率層と低
屈折率層とが交互に積層されてなり、全体で12層の積
層構造を呈する。また、この誘電体膜の反射率を測定し
たところ、図12に示すような光学特性を示すことが確
認された。誘電体膜は、図12から分かるとおり、波長
314nmの紫外光を90%以上反射し、可視光をほぼ
全域に亘って95%以上透過することが確認された。
【0101】次に、誘電体膜上に、RFマグネトロンス
パッタ法によって、酸化インジウム錫(ITO)を材料
として第1の導電膜を膜厚100nmで成膜した。次
に、第1の導電膜上に、RFマグネトロンスパッタ法に
よって、SiO2を材料として第1の絶縁膜を膜厚30
0nmで成膜した。
【0102】次に、第1の絶縁膜上に、RFマグネトロ
ンスパッタ法によって、紫外発光膜を膜厚500nmで
成膜した。この紫外発光膜の成膜工程においては、Gd
金属チップを載置したZn2SiO4ターゲットを用いて
スパッタを行い、Zn2SiO4によって形成された母体
材料中に発光中心としてGd3+が添加された紫外発光膜
を成膜した。
【0103】また、この成膜工程においては、放電ガス
としてArを用いたが、ArとO2との混合ガスを用い
てもよい。この成膜工程においては、ArとO2との混
合ガスを用いることによって、紫外発光膜を化学量論的
組成に基づいて成膜することが容易となるが、紫外発光
膜を効率よく紫外発光させるためには酸素欠損を多少含
む状態で成膜して電荷移動量を多くすることが重要とな
る。本実施例においては、Arのみを放電ガスとして用
いることによって、紫外発光膜に対して意図的に酸素欠
損を導入し、母体材料の組成がZn2SiO4-y(0<y
<1)となるように図った。
【0104】さらに、この成膜工程においては、基板を
400℃に加熱した状態で紫外発光膜を成膜し、成膜後
に真空中で650℃の赤外線ランプ光を5分間照射する
ことによってアニール処理を施した。紫外発光膜に対し
てアニール処理を施すことによって、この紫外発光膜の
結晶性が改善することがX線回析によって確認されてい
る。また、紫外発光膜に対してアニール処理を施すこと
によって、母体材料のバンドギャップエネルギがエネル
ギ分布の両端部で減少し、紫外線透過率が向上する。
【0105】次に、紫外発光膜を略台形台状に整形し
た。この整形工程においては、先ず、紫外発光膜上に正
方形状の開口を有するマスクパターンを用い、Si34
を材料として膜厚500nmで正方形状のエッチング用
マスクを形成した。次に、反応性イオンエッチング法
(RIE法)によって等方性エッチングを行い、エッチ
ング用マスクの周囲で、紫外発光膜の端部がテーパ角を
有するように整形した。その後、エッチング用マスクを
除去することによって、最終的に紫外発光膜の断面形状
が台形状となるように整形した。
【0106】次に、紫外発光膜上に、上述した第1の絶
縁膜と同様にして、第2の絶縁膜をSiO2によって膜
厚300nmで成膜した。次に、第2の絶縁膜上に、上
述した第1の導電膜と同様にして、酸化インジウム錫
(ITO)を材料として第2の導電膜を膜厚100nm
で成膜した。この第2の導電膜は、紫外発光膜を整形す
るときと同様に、正方形状の開口を有するマスクパター
ンを用いて、紫外発光膜と略同じ大きさで、且つ紫外発
光膜の直上に形成した。
【0107】次に、第1の導電膜と、第1の絶縁膜と、
紫外発光膜と、第2の絶縁膜と、第2の導電膜とによっ
て構成された紫外発光EL素子に対して、駆動波形が正
弦波で1kHzの交流電圧を、第1の導電膜と第2の導
電膜とに印加し、そのEL発光スペクトルを測定した。
その結果、300Vの印加電圧の下では、図13に示す
ように、波長314nmで強い発光ピークが確認され
た。
【0108】次に、第2の絶縁膜上に、波長変換膜を形
成した。波長変換膜は、バインダとしてのポリビニルア
ルコールを水に溶かし、界面活性剤と蛍光材料とを分散
させたものを塗布法によって100μmの厚みで形成し
て、約110℃で乾燥させた。界面活性剤としては、例
えば、株式会社ライオン製のポリティPS−1900等
のポリステレンスルホン酸ナトリウム塩を用いた。ま
た、蛍光材料としては、緑色光を放射する蛍光体粉末で
あるZnS:Cu,Alを用いた。この蛍光材料は、平
均粒径が2μmのものを用いた。
【0109】この波長変換膜の成膜工程においては、上
述した組み合わせの他に、例えば、バインダとしてのポ
リカーボネートをメチルエチルケトンに溶かし、界面活
性剤として、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエ
ステルナトリウム塩を用いてもよい。この場合は、約9
0℃で乾燥させる。
【0110】以上のように作製した第1の発光素子に対
して、紫外発光EL素子の第1の導電膜と第2の導電膜
との間に1kHzの正弦波を示す交流電圧を印加した。
この結果、第1の発光素子は、中心波長530nmであ
る緑色光を発光することが確認された。
【0111】また、この第1の発光素子と、誘電体膜を
成膜せずに作製した発光素子とに対して、250Vの印
加電圧の下でそれぞれの発光輝度を測定した。この結
果、第1の発光素子は、誘電体膜を成膜せずに作製した
発光素子と比較して、約4倍の発光輝度を示した。これ
は、第1の発光素子が誘電体膜を備えることによって、
紫外発光膜から誘電体膜側に放射された紫外光が、この
誘電体膜によって波長変換膜側に反射されたためである
と考えられる。したがって、第1の発光素子は、紫外発
光膜から放射された可視光が、効率よく波長変換膜に入
射されていることが分かる。
【0112】さらに、この第1の発光素子と、紫外発光
膜の断面形状を台形状に整形せずに作製した発光素子と
に対して、250Vの印加電圧の下でそれぞれの発光輝
度を測定した。この結果、第1の発光素子は、紫外発光
膜の断面形状を台形状に整形せずに作製した発光素子と
比較して、約2倍の発光輝度を示した。これは、第1の
発光素子の紫外発光膜が、その断面形状を台形状となる
ように整形されたことによって、この紫外発光膜の端部
から放射された紫外光が誘電体膜に向けて反射され、結
果として、効率よく波長変換膜に入射されたためである
と考えられる。
【0113】<第2の実施例>次に、上述した発光素子
40に基づいて、第2の発光素子を作製した場合の実施
例について説明する。第2の発光素子は、第1の絶縁膜
及び第2の絶縁膜の代わりに第1の蛍光体薄膜及び第2
の蛍光体薄膜が形成され、波長変換膜を備えずに形成さ
れた点で、上述した第1の発光素子と異なる。
【0114】先ず、石英ガラス製の透明基板を用意し、
この透明基板に対して中性洗剤及び有機溶剤等で超音波
洗浄を施した。次に、第1の実施例と同様にして、この
透明基板上に、誘電体膜と、第1の導電膜とを成膜し
た。
【0115】次に、第1の導電膜上に、第1の蛍光体薄
膜を成膜した。この成膜工程においては、Y22S:E
uの焼結体ターゲットを用いてRFマグネトロンスパッ
タ法により、膜厚が300nmとなるように第1の蛍光
体薄膜を成膜した。Y22S:Euは、CRTディスプ
レイの赤色発光用蛍光体として一般に使用されているも
のである。なお、この成膜工程においては、他の各種焼
結体ターゲットを用いて成膜することができるととも
に、RFマグネトロンスパッタ法によらず、例えばEB
蒸着法等の各種薄膜形成技術によって成膜することがで
きる。
【0116】次に、第1の蛍光体薄膜上に、第1の実施
例と同様にして、紫外発光膜を成膜した。次に、紫外発
光膜上に、第1の蛍光体薄膜と同様にして、第2の蛍光
体薄膜を膜厚が300nmとなるように成膜した。次
に、第2の蛍光体薄膜上に、Alを材料として、膜厚が
100nmとなるように第2の導電膜を成膜した。第2
の導電膜は、第1の実施例と同様にして、正方形状のマ
スクパターンを用いて、紫外発光膜と略同じ大きさで、
且つ紫外発光膜の直上に形成した。
【0117】以上のように作製した第2の発光素子と、
誘電体膜を成膜せずに作製した従来構造の発光素子とに
対して、250Vの印加電圧の下でそれぞれの発光輝度
を測定した。この結果、第2の発光素子は、誘電体膜を
成膜せずに作製した発光素子と比較して、約4倍の発光
輝度を示した。これは、第2の発光素子が誘電体膜を備
えることによって、紫外発光膜から放射されて第1の蛍
光体薄膜で吸収されずに透過してきた紫外光を、この誘
電体膜によって反射して、再び第1の蛍光体薄膜及び第
2の蛍光体薄膜に向けて入射されたためであると考えら
れる。したがって、第2の発光素子は、紫外発光EL素
子から放射された紫外光を、波長変換膜の励起エネルギ
として効率よく利用することができることが分かる。
【0118】<第3の実施例>次に、上述した画像表示
装置50に基づいて、画像表示装置を作製した場合の実
施例について説明する。先ず、合成石英ガラス製の透明
基板を用意し、この基板に対して中性洗剤及び有機溶剤
等で超音波洗浄を施した。次に、第1の実施例と同様に
して、透明基板の全面に対して誘電体膜を成膜した。
【0119】次に、i線露光用ポジ型フォトレジストに
よって、誘電体膜上にストライプ状のレジストパターン
を形成した。その後、酸化インジウム錫(ITO)薄膜
をRFマグネトロンスパッタ法によって薄膜状に形成し
た。そして、レジストパターンをアセトン等の有機溶剤
を用いて超音波洗浄することによって除去し、ストライ
プ状の電極パターンを形成した。酸化インジウム錫(I
TO)薄膜は、このストライプ状の電極パターンに成形
されて、最終的に第1の電極となる。
【0120】次に、第1の実施例と同様にして、第1の
電極上に、第1の絶縁膜と、紫外発光膜と、第2の絶縁
膜とを成膜した。このとき、第1の絶縁膜と第2の絶縁
膜とは、その形成面の全面に対して成膜し、紫外発光膜
は、第1の電極と、後述する第2の電極との交差部のそ
れぞれに形成し、複数の独立した紫外発光膜がマトリク
ス状に並ぶように成膜した。次に、第1の電極と同様に
して、この第1の電極と直交するように、酸化インジウ
ム錫(ITO)によって第2の電極をストライプ状の電
極パターンで形成した。これにより、第1の電極と第2
の電極との交差部に、それぞれ紫外発光EL素子が形成
される。
【0121】次に、第2の電極が形成された第2の絶縁
膜上で、第1の電極と第2の電極との交差部に相当する
位置に、それぞれ波長変換膜を形成した。波長変換膜
は、バインダとしてポリビニルアルコールを水に溶か
し、界面活性剤と蛍光材料とを分散させたものを、パタ
ーンマスクを用いて形成した。
【0122】蛍光材料としては、赤色、緑色、青色を放
射する波長変換膜のそれぞれに対して、ZnS:Ag,
Al、ZnS:Cu,Al、Y22S:Euを用いた。
蛍光材料は、それぞれ平均粒径が2μmのものを用い
た。また、界面活性剤としては、例えば、第1の実施例
と同様に、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩を用い
た。
【0123】以上のように作製した画像表示装置に対し
て、上述した制御部60と同様の制御部を接続した。こ
の画像表示装置において、所望の第1の電極と第2の電
極とに対して電圧を印加することによって、これら第1
の電極と第2の電極との交差部に位置する紫外発光EL
素子が紫外発光し、これにより波長変換膜が可視光を放
射することが確認された。
【0124】画像表示装置は、制御部によって各々の画
素を発光させる駆動電圧及びタイミングを制御すること
によって、全体としてひとつのカラー画像を表示できる
ことが確認された。
【0125】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明に係る発
光素子は、紫外光を反射して可視光を透過する誘電体膜
を備え、この誘電体膜が紫外発光膜に対して波長変換膜
と反対側に形成されてなる。したがって、発光素子は、
紫外発光膜から放射された紫外光を誘電体膜によって反
射して波長変換膜に向けて入射させることができる。こ
れにより、発光素子は、紫外光の利用効率を向上させる
ことができ、波長変換膜から放射される可視光の発光輝
度を向上させることができる。すなわち、発光素子は、
電力消費量を増加させることなく、発光輝度を向上させ
ることができる。
【0126】また、本発明に係る画像表示装置は、紫外
光を反射して可視光を透過する誘電体膜を備え、この誘
電体膜が紫外発光膜に対して波長変換膜と反対側に形成
されるとともに、紫外発光素子がマトリクス状に配置さ
れてなる。したがって、画像表示装置は、紫外発光膜か
ら放射された紫外光を誘電体膜によって反射して波長変
換膜に向けて入射させることができる。これにより、画
像表示装置は、紫外光の利用効率を向上させることがで
き、波長変換膜から放射される可視光の発光輝度を向上
させることができる。すなわち、画像表示装置は、電力
消費量を増加させることなく、輝度の高い画像を表示す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る発光素子を示す断面図である。
【図2】同発光素子における紫外光と可視光との光路を
説明するための断面図である。
【図3】同発光素子の紫外発光膜を示す3面図である。
【図4】同発光素子における紫外光の光路を説明するた
めの断面図である。
【図5】同発光素子の他の紫外発光膜を示す3面図であ
る。
【図6】本発明に係る他の発光素子を示す断面図であ
る。
【図7】本発明に係る他の発光素子を示す断面図であ
る。
【図8】本発明に係る他の発光素子を示す断面図であ
る。
【図9】本発明に係る画像表示装置を示す平面図であ
る。
【図10】同画像表示装置を示す断面図である。
【図11】同画像表示装置における制御部を示す回路図
である。
【図12】本発明の実施例に係る発光素子における誘電
体膜の反射率を示す図である。
【図13】同発光素子における紫外発光膜のEL発光強
度を示す図である。
【符号の説明】
1 発光素子、2 透明基板、3 誘電体膜、4 第1
の導電膜、5 第1の絶縁膜、6 紫外発光膜、7 第
2の絶縁膜、8 第2の導電膜、9 波長変換膜、10
紫外発光EL素子
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/14 H05B 33/14 Z 33/24 33/24 Fターム(参考) 2H048 FA05 FA09 FA18 FA22 GA07 GA12 GA24 GA33 GA61 3K007 AB02 AB03 AB04 BA06 BB00 BB06 CA01 CA02 CB01 DA02 DA05 DB01 DB02 DC02 DC04 EA04 EC01 EC02 EC03 EC04 FA01 FA03 5C094 AA10 BA29 DA13 ED20 FB16 HA08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、一対の導電膜の間に紫外発
    光膜を備えて紫外光を放射する紫外発光素子と、紫外光
    を反射して可視光を透過する誘電体膜と、紫外光を波長
    変換して可視光を放射する波長変換膜とを備えて、これ
    らが積層して形成され、 上記誘電体膜は、上記紫外発光膜に対して上記波長変換
    膜と反対側に形成されるとともに、上記紫外発光膜から
    入射された紫外光を反射して上記波長変換膜に入射させ
    ることを特徴とする発光素子。
  2. 【請求項2】 上記誘電体膜は、高屈折率層と低屈折率
    層とが1周期以上積層された多層構造を有することを特
    徴とする請求項1記載の発光素子。
  3. 【請求項3】 上記紫外発光膜は、断面形状を台形状と
    されて、上記誘電体膜が位置する側を幅広とされたこと
    を特徴とする請求項1記載の発光素子。
  4. 【請求項4】 上記波長変換膜は、上記一対の導電膜の
    間に備えられたことを特徴とする請求項1記載の発光素
    子。
  5. 【請求項5】 上記一対の導電膜のうちの少なくとも一
    方は、透光性を有することを特徴とする請求項1記載の
    発光素子。
  6. 【請求項6】 マトリクス状に配置され、各々一対の電
    極の間に紫外発光膜を備えて紫外光を放射する複数の紫
    外発光素子と、紫外光を反射して可視光を透過する誘電
    体膜と、紫外光を波長変換して可視光を放射する波長変
    換膜とを備えて、これらが積層して形成され、 上記誘電体膜は、上記紫外発光膜に対して上記波長変換
    膜と反対側に形成されるとともに、上記各紫外発光膜か
    ら入射された紫外光を反射して上記波長変換膜に入射さ
    せることを特徴とする画像表示装置。
  7. 【請求項7】 上記一対の電極として、互いに略平行な
    複数の第1電極と、この第1電極と略直交し、且つ互い
    に略平行な複数の第2の電極とを備えることを特徴とす
    る請求項6記載の画像表示装置。
  8. 【請求項8】 上記誘電体膜は、高屈折率層と低屈折率
    層とが1周期以上積層された多層構造を有することを特
    徴とする請求項6記載の画像表示装置。
  9. 【請求項9】 上記紫外発光膜は、断面形状を台形状と
    されて、上記誘電体膜が位置する側を幅広とされたこと
    を特徴とする請求項6記載の画像表示装置。
  10. 【請求項10】 上記一対の導電膜のうちの少なくとも
    一方は、透光性を有することを特徴とする請求項6記載
    の画像表示装置。
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