[go: up one dir, main page]

JP2000193040A - 歯付きベルトおよびこの歯付きベルトを用いた駆動伝達システム - Google Patents

歯付きベルトおよびこの歯付きベルトを用いた駆動伝達システム

Info

Publication number
JP2000193040A
JP2000193040A JP10369987A JP36998798A JP2000193040A JP 2000193040 A JP2000193040 A JP 2000193040A JP 10369987 A JP10369987 A JP 10369987A JP 36998798 A JP36998798 A JP 36998798A JP 2000193040 A JP2000193040 A JP 2000193040A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
belt
toothed belt
pulley
rubber
transmission system
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10369987A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshitaka Tamaoki
稔隆 玉置
Akinori Kaneda
明記 金田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitta Co Ltd
Original Assignee
Unitta Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitta Co Ltd filed Critical Unitta Co Ltd
Priority to JP10369987A priority Critical patent/JP2000193040A/ja
Publication of JP2000193040A publication Critical patent/JP2000193040A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 歯付きベルトとプーリとの噛合い振動を低減
し、鮮明な印刷画像を得る。 【解決手段】 プリンタ10はモータ14に回転駆動さ
れる駆動プーリ16と、従動プーリ18とを備える。こ
の2つのプーリ16、18に歯付きベルト30を所定の
張力で巻回する。歯付きベルト30にキャリッジ部12
を固定する。歯付きベルト30は硬度70JIS−Aの
クロロプレンゴムからなるベルト本体を備える。ベルト
本体の一方の面にベルト歯底部32およびベルト歯部3
4を形成し、その表面に帆布を設ける。帆布をレゾルシ
ン−ホルマリン−ラテックス液により処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばプリンタの
キャリッジを歯付きベルトを介して駆動するための駆動
伝達システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ワイヤドット方式、インクジェッ
ト方式、レーザビーム方式、およびサーマル方式等のカ
ラードットプリンタの普及に伴ってその性能の向上が求
められている。カラー印刷では、例えば1つのドットに
対して3色のインクを重ねて印刷することにより、その
ドットの色が再現される。3色のインクによる印刷部を
備えたキャリッジは無端の歯付きベルトに固定され、こ
のベルトはモータにより駆動されるプーリで捲回され
る。モータの回転駆動が歯付きベルトを介してキャリッ
ジに伝達され、キャリッジが用紙の送り方向に対して垂
直な方向に移動する際に各色のライン印刷が行われる。
即ちカラー印刷においては、インクの色数だけ、例えば
3回だけ同じ箇所をキャリッジが往復する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】鮮明な印刷画像を得る
ためには、3色分のライン印刷位置が厳密に同じである
ことが求められる。しかし、歯付きベルトとプーリとの
噛合いによって生じる振動が大きいと、その振動によっ
てキャリッジが所定の印刷位置から上下方向あるいは左
右方向にずれ、各インク色がずれた不鮮明な印刷画像に
なることが問題である。
【0004】本発明は、この様な点に鑑みてなされたも
のであり、歯付きベルトとプーリとの噛合い振動を減少
させることにより、鮮明な印刷画像を得ることが目的で
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による歯付きベル
トは、ベルト本体の少なくとも一方の面に長手方向に沿
って所定間隔毎に形成された歯部と、歯部が形成された
ベルト本体の表面を覆う帆布とを備え、ベルト本体が原
料ゴムとして硬度が65ないし75JIS−Aの合成ゴ
ムを有し、帆布がレゾルシン−ホルマリン−ラテックス
液により処理が施されることを特徴としている。
【0006】歯付きベルトにおいて、隣り合う2つの歯
部の間の間隔が3mm以下であることが好ましい。原料
ゴムとして用いられる合成ゴムは、その硬度が70JI
S−Aであってもよく、また材質がクロロプレンゴムで
あってもよい。さらに歯部の側面が円弧状であることが
好ましい。
【0007】また、本発明による駆動伝達システムは、
歯付きベルトと、歯付きベルトの歯部に係合し歯部とほ
ぼ同形状の溝部が外周面に形成された駆動プーリおよび
従動プーリとを備え、歯付きベルトが駆動プーリおよび
従動プーリに巻回されることにより、駆動プーリの回転
駆動力が歯付きベルトを介して従動プーリに伝達され
る。本発明においては、歯付きベルトが、ベルト本体の
少なくとも一方の面に長手方向に沿って所定間隔毎に形
成された歯部と、歯部が形成されたベルト本体の表面を
覆う帆布とを備え、ベルト本体が原料ゴムとして硬度が
65ないし75JIS−Aの合成ゴムを有し、帆布がレ
ゾルシン−ホルマリン−ラテックス液により処理が施さ
れることが特徴とされる。
【0008】駆動伝達システムにおいて、歯付きベルト
の隣り合う2つの歯部の間の間隔が3mm以下であるこ
とが好ましい。歯付きベルトの原料ゴムとして用いられ
る合成ゴムは、その硬度が70JIS−Aであってもよ
く、材質がクロロプレンゴムであってもよい。さらに歯
付きベルトの歯部および駆動プーリおよび従動プーリの
溝部の側面が円弧状であることが好ましい。駆動プーリ
は金属により成型されることが好ましく、従動プーリは
合成樹脂により成型されることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明による駆動伝達シス
テムおよび歯付きベルトの実施形態について添付図面を
参照して説明する。
【0010】図1および図2には、本発明による一実施
形態である駆動伝達システムが適用されたプリンタが示
される。図1はプリンタのキャリッジ近傍を示す側面
図、図2はその斜視図である。プリンタ10はキャリッ
ジ部12を備え、このキャリッジ部12にはインク射出
口11aを有する印刷ヘッド11が一体的に設けられ
る。キャリッジ部12は上下2本の平行なガイド棒15
に支持され、これらのガイド棒15の軸方向、即ち矢印
A方向に移動可能である。キャリッジ部12は2本のガ
イド棒15の間に設けられた無端の歯付きベルト30に
固定部材17により固定される。
【0011】歯付きベルト30は、2つのプーリ、即ち
駆動プーリ16および従動プーリ18に巻回され、従動
プーリ18を駆動プーリ16から離間する方向に付勢す
るバネ19により一定の張力が与えられる。駆動プーリ
16および従動プーリ18は、図示しないプリンタ本体
に回転可能に支持固定される。駆動プーリ16はモータ
14により回転駆動される。
【0012】駆動プーリ16および従動プーリ18の外
周面には、それぞれプーリ歯部22およびプーリ溝部2
4が交互に形成される。一方、歯付きベルト30の一方
の面には、プーリ歯部22に対応した寸法形状のベルト
歯底部32と、プーリ溝部24に対応した寸法形状のベ
ルト歯部34とが交互に形成される。プーリ歯部22と
ベルト歯底部32、およびプーリ溝部24とベルト歯部
34とが係合することにより、歯付きベルト30は回転
する。
【0013】キャリッジ部12は歯付きベルト30の回
転と共にキャリッジ部12が駆動プーリ16および従動
プーリ18との間で往復する。このようにして、モータ
14の駆動力が歯付きベルト30を介してキャリッジ部
12に伝達され、キャリッジ部12が印刷用紙21に対
して矢印Aの方向に移動する。
【0014】図3は、歯付きベルト30の一部を示す斜
視図である。歯付きベルト30はベルト本体36を備
え、このベルト本体36の一方の面にベルト歯部34と
ベルト歯底部32とが長手方向に沿って交互に形成され
る。ベルト歯部34およびベルト歯底部32の表面には
帆布38が設けられる。この帆布38はナイロン繊維か
ら成る織布として形成される。ベルト本体36の内部に
は長手方向に延びる心線40が埋設される。複数本の心
線40はベルトの幅方向に一定の間隔をもって互いに平
行に並んでいる。
【0015】歯付きベルト30において、隣り合う2つ
のベルト歯部34の間の距離、即ち歯ピッチは、プリン
タおよびスキャナに汎用的に用いられる2mm、あるい
は1.5mmでもよい。鮮明な印刷画像を得るためには
歯ピッチは3mm以下であることが好ましい。
【0016】ベルト本体36の原料ゴムとしては、クロ
ロプレンゴム、水素添加ニトリルゴム、ウレタンゴム等
が好適に用いられるが、これらに限定されず加硫成型可
能なゴムであれば良い。またその硬度は70であること
が好ましい。なお、硬度はJIS−A硬度計により測定
された値である。
【0017】図4に示すように、ベルト歯部34は円弧
状断面を有している。同図には歯付きベルト30の寸法
形状を定義する図が示されるが、特にこの寸法形状に限
定されるものではない。また歯付きベルト30の大き
さ、歯幅および歯数は、種々の走行条件に応じて適宜定
められる。
【0018】図4に示す歯付きベルト30の形状につい
て説明する。歯付きベルト30は歯ピッチを定めるため
の基準線PLを基に設計される。ベルト歯部34は基準
線PLに垂直な中心線Yを有し、この中心線Yに対して
左右対称に形成される。隣り合う2つのベルト歯の中心
線間距離BW が歯ピッチである。基準線PLから歯底
面、即ち基準線PLに平行な歯底線Xまでの距離はBD
で示される。歯高さ、即ち歯底面から歯先面までの距離
はBH で示される。
【0019】代表して図4における中心線Yの左側の輪
郭について説明する。ベルト歯の輪郭は3つの連続する
円弧、即ち弧A1 2 と弧A2 3 と弧A3 4 とによ
り形成される。弧A1 2 は点A1 から点A2 に延びる
円弧であることを示す。弧A 1 2 は中心を点C1 とす
る半径R1 の円弧であり、弧A2 3 は中心を点C2
する半径R2 の円弧であり、弧A3 4 は中心を点C3
とする半径R3 の円弧である。
【0020】歯ピッチBW を2としたとき、歯ピッチB
W に対する距離BD 、歯高さBH 、半径R1 、R2 およ
びR3 の比はそれぞれBD =0.254、BH =0.7
5、R1 =0.15、R2 =1、R3 =0.555に定
められる。また、点C1 、C 2 およびC3 の相対位置は
それぞれC1 =(0.740,0.150)、C2
(−0.4,0)、C3 =(0,0.195)に定めら
れる。なお、これらの相対位置は歯底線Xと中心線Yと
の交点Oを原点とし、歯底線Xおよび中心線Yを2軸と
する2次元座標で示され、その値は歯ピッチBW を2と
したときの比で示される。なおこの2次元座標において
は、X軸は図の左方に行くほど、またY軸は図の下方に
行くほど数値は大きくなるものとする。
【0021】次に帆布38について説明する。帆布38
は、歯付きベルト30の長手方向に沿う伸縮性のある捲
縮加工糸と、歯付きベルト30の幅方向に沿う非伸縮性
糸とで織された平織布から形成されるが、その他の織り
布、例えば朱子織あるいは種々の変成織により得られる
織り布によって形成されてもよい。
【0022】帆布38の捲縮加工糸としては、合成繊
維、例えばナイロン繊維が捲縮加工されたものが好適に
用いられる。帆布38の非伸縮性糸としては、例えばナ
イロン繊維のフィラメント糸等が適している。このよう
に、帆布38では、歯付きベルト30の長手方向に沿っ
て伸縮性のある捲縮加工糸が用いられ、歯付きベルト3
0の幅方向に沿って非伸縮性糸が用いられる。これによ
り、帆布38には歯付きベルト30の長手方向に沿う伸
縮性が与えられる。
【0023】帆布38は、ベルト本体36のゴム成分と
の接着性を良くするために、レゾルシン−ホルマリン−
ラテックス、即ちRFL液によって処理が施される。詳
述すると、帆布38はRFL液に浸漬された後、一対の
ロールにより所定の絞り圧でディップ処理され、乾燥さ
せられる。この処理が所望の回数繰り返されることによ
り、帆布38へのRFL液の固形成分の付着量が調節さ
れる。
【0024】このようにRFL液によって処理された帆
布38は、ベルト本体36との接着が良好であり、かつ
ベルト本体36の変形を許容する柔軟性をも有する。ま
た歯付きベルト30の摩耗が防止される。
【0025】心線40には、多数本の微細径を有するフ
ィラメントを集めて撚りあわせたものが用いられる。フ
ィラメントとしては、応力に対して伸びが小さく、引張
強度が大きいガラス繊維あるいはアラミド繊維等が好適
に用いられる。各フィラメントには保護剤あるいは接着
剤であるRFL溶液による処理が施される。
【0026】ベルト本体36のゴムとの接着性を良くす
るために、心線40の最外層にはオーバーコート層が形
成される。オーバーコート層は、例えば心線40をクロ
ロスルホン化ポリエチレンのゴム溶液に浸漬した後、乾
燥することにより形成される。
【0027】以上のように、本願発明の駆動伝達システ
ムにおいては、歯付きベルト30においてクロロプレン
ゴムの硬度を従来の80から70に、即ち柔軟なゴムを
ベルト本体36のゴムとして用い、また帆布38として
RFL液で処理されたものを用いることにより、駆動プ
ーリ16あるいは従動プーリ18との総合的な噛合い精
度が向上し、噛合いによって生じる振動を抑えることが
できる。従って、プリンタに本願発明の駆動伝達システ
ムを適用すれば、キャリッジ部12が所定の印刷位置か
ら上下方向あるいは左右方向にずれることなく、鮮明な
印刷画像を得ることができる。
【0028】図5は、駆動プーリ16の形状を示す図で
あって駆動プーリ16の断面を部分拡大して示す図であ
る。駆動プーリ16は例えば真鍮等の金属により成型さ
れ、図4に示す歯付きベルト30に対応した形状に成型
される。なお、従動プーリ18は駆動プーリ16と同じ
寸法形状であり、ここでは説明を省略する。従動プーリ
18はポリアセタール熱可塑性樹脂等の合成樹脂により
成型される。
【0029】駆動プーリ16の外周面にはプーリ溝部2
4およびプーリ歯部22が交互に形成され、プーリ溝部
24は歯付きベルト30のベルト歯部34とほぼ同じ寸
法形状を有し、プーリ歯部22はベルト歯底部32とほ
ぼ同じ寸法形状を有している。駆動プーリ16の寸法形
状の詳細については説明を省略するが、図5に示すプー
リ歯部22のさらに外周に示される一点鎖線PL’は、
歯付きベルト30を係合させたときの基準線PLと一致
する。この一点鎖線PL’からプーリ歯部22の先端ま
での距離PD は、例えば図4に示す歯付きベルト30の
距離BD と略等しい。また、プーリ歯部22先端からプ
ーリ溝部24最深部までの距離、即ち溝深さPH は、歯
付きベルト30の歯高さBH と略等しい。
【0030】
【実施例】以下、実施例をおよび比較例をあげて本発明
を説明する。なお、本発明はこれらの実施例により何ら
限定されるものではない。
【0031】〔実施例ベルトおよび比較例ベルト〕本発
明による歯付きベルトの実施例は実施例ベルト1として
以下に言及される。また本発明による歯付きベルトの比
較例として2つのタイプの歯付きベルトが製造され、こ
れらは比較例ベルト1および2として以下に言及され
る。
【0032】実施例ベルト1と、比較例ベルト1および
2の構成については、以下の表1に示す通りである。
【表1】
【0033】実施例ベルト:表1に示すように、実施例
ベルトにおいては、ベルト本体36の原料ゴムとして硬
度が70JIS−Aのクロロプレンゴムが用いられた。
心線40にはガラス繊維が用いられ、心線40の直径は
0.26mmとされた。帆布38にはナイロン繊維を平
織したものが用いられた。この帆布38にはラテックス
成分をクロロプレンゴムラテックスとするRFL液によ
る処理が施され、即ちRFL液に浸漬後、乾燥処理さ
れ、帆布表面にRFL層が形成された。帆布38はの厚
みは0.100mmであった。
【0034】実施例ベルトに寸法形状については、図3
に示す形状が適用され、歯ピッチは2mmに定められ
た。歯数は360歯、歯幅は6mmであった。
【0035】心線40について述べる。直径9μmのガ
ラス繊維を200本収束した糸が3本集められ、RFL
処理が施された後、一方向に撚り、即ちZ撚りあるいは
S撚りに撚りがかけられ、これが心線40とされた。
【0036】比較例ベルト1:表1に示すように、比較
例ベルト1においては、ベルト本体36の原料ゴムとし
て硬度が70JIS−Aのクロロプレンゴムが用いられ
た。心線40にはガラス繊維が用いられ、心線40の直
径は0.26mmとされた。帆布38にはナイロン繊維
が用いられた。この帆布38にはゴム糊溶液による処理
が施され、その厚みは0.136mmであった。比較例
ベルト1は、帆布処理においてRFL液のかわりにゴム
糊溶液が用いられる点を除けば、実施例ベルトと実質的
に同じものである。
【0037】比較例ベルト2:表1に示すように、比較
例ベルト2においては、ベルト本体36の原料ゴムとし
て硬度が80JIS−Aのクロロプレンゴムが用いられ
た。心線40にはガラス繊維が用いられ、心線40の直
径は0.26mmとされた。帆布38にはナイロン繊維
が用いられた。この帆布38にはゴム糊溶液による処理
が施され、その厚みは0.136mmであった。比較例
ベルト2は、クロロプレンゴムの硬度が80JIS−A
である点と、帆布処理においてRFL液のかわりにゴム
糊溶液が用いられる点とを除けば、実施例ベルトと実質
的に同じものである。
【0038】〔歯付きベルトの走行試験およびその評
価〕以上のような3種の歯付きベルト、即ち実施例ベル
トと比較例ベルト1および2とを用いて、走行試験が行
われた。
【0039】図6は走行試験装置の概略構成を示す図で
ある。走行試験装置は、駆動プーリ62および従動プー
リ64とから成り、被試験歯付きベルト61は2つのプ
ーリ62、64に所定のベルト張力で架け渡される。駆
動プーリ62は一方向に回転させられ、その回転速度は
700rpmである。2つのプーリ62、64の形状は
図4に示す形状が適用され、歯数はそれぞれ20歯であ
った。駆動プーリ62は真鍮により成型され、従動プー
リ64はポリアセタール熱可塑性樹脂により成型され
た。
【0040】第1の走行試験装置では、実施例ベルト
と、比較例ベルト1および2のそれぞれについて、同一
条件下で走行試験が行われた。その走行試験の評価のた
めに、4段階のベルト張力、即ち0.5kgf、1kg
f、1.5kgf、および2.0kgfにおける回転変
動率がそれぞれ測定された。なお回転変動率は、従動プ
ーリ64の回転すべき回転数に対する変動量、即ちぶれ
量を示すものであり、駆動プーリ62の回転数に対する
割合(単位は%)で示される。また、各ベルト張力は、
駆動プーリ62に対する従動プーリ64の相対位置を変
化させることにより設定される。
【0041】第1の走行試験の結果は図7および表1の
下段に示される。実施例ベルトの回転変動率は図7にお
いて実線で示され、この実線は変化の少ない右肩上がり
の直線である。即ち実施例ベルトの回転変動率はベルト
張力の増大に略比例して増加しており、またどのベルト
張力においても0.03%以下の低い回転変動率であっ
た。
【0042】これに対し、比較例ベルト1の回転変動率
(図6において破線で示される)は、ベルト張力が0.
5kgfおよび2.0kgfにおいては実施例ベルトと
あまり変わらないが、1.0kgfにおいて0.067
%と高い値が示された。また、図6において一点鎖線で
示される比較例ベルト2の回転変動率は、1.5kgf
において最大値0.064%であった。
【0043】以上の結果から、ゴム糊溶液による帆布処
理を行った比較例ベルト1および2に比べて、RFL液
による帆布処理を行った実施例ベルトが、回転変動率が
低く抑えられることが分かる。特にベルト張力が1.0
kgf〜1.5kgfの範囲、これはプリンタ等に歯ピ
ッチ2mmの歯付きベルトを設置するときに汎用的に用
いられる値であるが、この範囲では特に回転変動率の低
減が顕著に示される。
【0044】ベルト張力がこの範囲より低い値の場合、
歯付きベルトが走行時にぶれる、即ち歯付きベルトとプ
ーリとの噛合い時に振動が大きくなるため、プリンタ等
に不適である。またベルト張力がこの範囲より高い値の
場合、駆動軸あるいは被駆動軸への負荷が増大し、取付
部分等に歪みが生じて振動が誘起される恐れがある。従
って、ベルト張力は振動低下と取付部分への低負荷とを
両立させる値であることが求められる。歯ピッチが2m
mの場合、適正なベルト張力は1.0kgf前後とされ
る。上述したように、実施例ベルトは比較例ベルト1お
よび2に比べて1.0kgf前後のベルト張力で回転変
動率が大きく低減された。
【0045】比較例ベルト2と比較すると、クロロプレ
ンゴムの硬度が低い比較例ベルト1では、回転変動率は
ある程度低減されたが、1.0kgfないし1.5kg
fの範囲で高い値を示す傾向は変わらず、この範囲では
比較例ベルト2よりさらに高い値を示した。しかし、ク
ロロプレンゴムの硬度が低く、かつRFL処理された帆
布を用いた実施例ベルトでは、特に1.0kgfないし
1.5kgfの範囲において回転変動率を飛躍的に低減
させることができた。
【0046】このように回転変動率が少ない歯付きベル
トをプリンタに使用することにより、歯付きベルトに取
付けられるキャリッジ部の振動が低減でき、キャリッジ
部が所定の印刷位置から上下方向あるいは左右方向にず
れることなく、鮮明な印刷画像を得ることができる。
【0047】
【発明の効果】本発明によると、歯付きベルトとプーリ
との噛合い振動を減少させ、鮮明な印刷画像を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による駆動伝達システムを備えたプリン
タの一部を示す図であって、キャリッジ部近傍を示す側
面図である。
【図2】図1に示すキャリッジ部の近傍を印刷用紙と共
に示す斜視図である。
【図3】本発明による歯付きベルトの実施形態を示す部
分斜視図である。
【図4】歯付きベルトの断面形状の一例を示す図であ
る。
【図5】図4に示す歯付きベルトに対応する駆動プーリ
の断面形状を示す図である。
【図6】本発明による実施例ベルトおよび比較例ベルト
1および2の走行試験を行う走行試験装置の概略図であ
る。
【図7】図6に示す走行試験装置による走行試験結果を
示すグラフである。
【符号の説明】
10 プリンタ 12 キャリッジ部 14 モータ 16 駆動プーリ 18 従動プーリ 30 歯付きベルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J049 AA03 BF02 BH01 BH04 CA10 4F100 AG00 AK28A AK28K AK33B AK48 AN02A BA02 DD04A DG07 DG12 DG14B DH02 EJ82B GB48 JH02 JK12A JL00 JL01 YY00A

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルト本体の少なくとも一方の面に長手
    方向に沿って所定間隔毎に形成された歯部と、前記歯部
    が形成された前記ベルト本体の表面を覆う帆布とを備
    え、 前記ベルト本体が原料ゴムとして硬度が約65JIS−
    Aないし約75JIS−Aの合成ゴムを有し、前記帆布
    がレゾルシン−ホルマリン−ラテックス液により処理が
    施されることを特徴とする歯付きベルト。
  2. 【請求項2】 前記所定間隔が3mm以下であることを
    特徴とする請求項1に記載の歯付きベルト。
  3. 【請求項3】 前記合成ゴムの硬度が約70JIS−A
    であることを特徴とする請求項1に記載の歯付きベル
    ト。
  4. 【請求項4】 前記合成ゴムがクロロプレンゴムである
    ことを特徴とする請求項1に記載の歯付きベルト。
  5. 【請求項5】 前記歯部の側面が円弧状であることを特
    徴とする請求項1に記載の歯付きベルト。
  6. 【請求項6】 ベルト本体の少なくとも一方の面に長手
    方向に沿って所定間隔毎に形成された歯部と、前記歯部
    が形成された前記ベルト本体の表面を覆う帆布とを備
    え、前記ベルト本体が原料ゴムとして硬度が約65JI
    S−Aないし約75JIS−Aの合成ゴムを有し、前記
    帆布がレゾルシン−ホルマリン−ラテックス液により処
    理が施されることを特徴とする歯付きベルトと、 前記歯付きベルトの歯部に係合し前記歯部とほぼ同形状
    の溝部が、外周面に形成された駆動プーリおよび従動プ
    ーリとを備え、 前記歯付きベルトが前記駆動プーリおよび前記従動プー
    リに巻回されることにより、前記駆動プーリの回転駆動
    力が前記歯付きベルトを介して前記従動プーリに伝達さ
    れることを特徴とする駆動伝達システム。
  7. 【請求項7】 前記所定間隔が3mm以下であることを
    特徴とする請求項6に記載の駆動伝達システム。
  8. 【請求項8】 前記合成ゴムの硬度が約70JIS−A
    であることを特徴とする請求項6に記載の駆動伝達シス
    テム。
  9. 【請求項9】 前記合成ゴムがクロロプレンゴムである
    ことを特徴とする請求項6に記載の駆動伝達システム。
  10. 【請求項10】 前記歯部および前記溝部の側面が円弧
    状であることを特徴とする請求項6に記載の駆動伝達シ
    ステム。
  11. 【請求項11】 前記駆動プーリが金属により成型さ
    れ、前記従動プーリが合成樹脂により成型されることを
    特徴とする請求項6に記載の駆動伝達システム。
JP10369987A 1998-12-25 1998-12-25 歯付きベルトおよびこの歯付きベルトを用いた駆動伝達システム Pending JP2000193040A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10369987A JP2000193040A (ja) 1998-12-25 1998-12-25 歯付きベルトおよびこの歯付きベルトを用いた駆動伝達システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10369987A JP2000193040A (ja) 1998-12-25 1998-12-25 歯付きベルトおよびこの歯付きベルトを用いた駆動伝達システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000193040A true JP2000193040A (ja) 2000-07-14

Family

ID=18495800

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10369987A Pending JP2000193040A (ja) 1998-12-25 1998-12-25 歯付きベルトおよびこの歯付きベルトを用いた駆動伝達システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000193040A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015166929A1 (ja) * 2014-04-30 2015-11-05 三ツ星ベルト株式会社 歯付ベルト
JP2016087970A (ja) * 2014-11-06 2016-05-23 ゲイツ・ユニッタ・アジア株式会社 ベルトの製造方法
WO2022230762A1 (ja) * 2021-04-27 2022-11-03 三ツ星ベルト株式会社 歯付ベルト及びベルト伝動機構
JP2022169451A (ja) * 2021-04-27 2022-11-09 三ツ星ベルト株式会社 歯付ベルト及びベルト伝動機構

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015166929A1 (ja) * 2014-04-30 2015-11-05 三ツ星ベルト株式会社 歯付ベルト
JP2015222121A (ja) * 2014-04-30 2015-12-10 三ツ星ベルト株式会社 歯付ベルト
CN106255842A (zh) * 2014-04-30 2016-12-21 三之星机带株式会社 齿形带
US10006519B2 (en) 2014-04-30 2018-06-26 Mitsuboshi Belting Ltd. Toothed belt
JP2016087970A (ja) * 2014-11-06 2016-05-23 ゲイツ・ユニッタ・アジア株式会社 ベルトの製造方法
WO2022230762A1 (ja) * 2021-04-27 2022-11-03 三ツ星ベルト株式会社 歯付ベルト及びベルト伝動機構
JP2022169451A (ja) * 2021-04-27 2022-11-09 三ツ星ベルト株式会社 歯付ベルト及びベルト伝動機構
JP7265060B2 (ja) 2021-04-27 2023-04-25 三ツ星ベルト株式会社 歯付ベルト及びベルト伝動機構
TWI808736B (zh) * 2021-04-27 2023-07-11 日商三星皮帶股份有限公司 齒型皮帶及皮帶傳動機構
US12247639B2 (en) 2021-04-27 2025-03-11 Mitsuboshi Belting Ltd. Toothed belt and belt transmission mechanism

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH06307500A (ja) 歯付ベルト
JP6321547B2 (ja) 歯付ベルト
US4887656A (en) Woven fabric with bias weft and tire reinforced by same
CN104428463B (zh) 包括纤维的皮带
JP3007371B2 (ja) 繊維補強ゴム製品
JP2000193040A (ja) 歯付きベルトおよびこの歯付きベルトを用いた駆動伝達システム
JPH1113840A (ja) 歯付ベルト駆動装置
JP3601987B2 (ja) プーリおよびこのプーリを用いた動力伝達システム
KR0147806B1 (ko) 섬유보강 고무제품
US5984816A (en) Toothed power transmission belt and drive system using the power transmission belt
JPH09159000A (ja) 歯付ベルト駆動装置及び歯付ベルト
US5876297A (en) Tension member for a power transmission belt having a braiding pitch to diameter ratio within a specific range to increase the flex fatigue resistance of the belt
JP2878590B2 (ja) インクリボン生地
JP4550985B2 (ja) 歯付ベルト伝動装置並びに事務用機器
JPH07180747A (ja) 歯付ベルトの駆動装置
JP3333735B2 (ja) 動力伝動ベルトへのマーク刻印方法
JPH10153243A (ja) 歯付ベルト駆動装置
JP3126937B2 (ja) マーク付き動力伝動ベルトとマーク刻印方法
JP2001063811A (ja) 樹脂ベルト
JPH094685A (ja) 歯付ベルトとプーリとの組合せ装置
JPH0811975B2 (ja) オープンエンド歯付ベルトの製造方法
JP2935960B2 (ja) 歯付ベルトとプーリとの組合せ装置
JP2000213602A (ja) 樹脂製長尺歯付ベルト及びその製造方法
JP3544762B2 (ja) インクリボン用基布
JP2500276B2 (ja) 歯付ベルト