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JP2000178090A - 緩効性肥料およびその製造方法 - Google Patents

緩効性肥料およびその製造方法

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Publication number
JP2000178090A
JP2000178090A JP10352861A JP35286198A JP2000178090A JP 2000178090 A JP2000178090 A JP 2000178090A JP 10352861 A JP10352861 A JP 10352861A JP 35286198 A JP35286198 A JP 35286198A JP 2000178090 A JP2000178090 A JP 2000178090A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fertilizer
glycoluril
reaction
urea
glyoxal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10352861A
Other languages
English (en)
Inventor
Fujio Kato
不二雄 加藤
Hatsuo Inoue
初男 井上
Nobuyuki Sudo
信行 須藤
Shigeru Takahashi
茂 高橋
Tadashi Ishioka
忠司 石岡
Takayoshi Kaizuka
隆喜 貝塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP10352861A priority Critical patent/JP2000178090A/ja
Publication of JP2000178090A publication Critical patent/JP2000178090A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05CNITROGENOUS FERTILISERS
    • C05C9/00Fertilisers containing urea or urea compounds

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Fertilizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 グリコールウリルを含有する緩効性肥料、及
び安価でかつ容易な操作により該肥料を取得可能な方法
を提供する。 【解決手段】 グリオキザールと尿素を触媒の存在下に
反応させ、次いで中和して得られる反応生成物の、その
ものが用いられてなる肥料であり、またグリオキザール
と尿素を触媒の存在下に反応させた後、次いで該反応液
を中和して得られる反応生成物のそのものを肥料成分と
して含有させることを特徴とする上記肥料の製造方法で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、緩効性肥料および
その製造方法に関するものであり、より詳しくはグリコ
ールウリルを含有する肥料、およびこの安価な製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、米国特許第3,061,423 号等にも
記載されているように、グリコールウリル(アセチレン
尿素とも呼称される)は、下記式(1)〔化1〕
【化1】 の構造をもつ化合物であり、そしてこのものはイソブチ
リデン2尿素(IB)、クロトニリデン2尿素(CD
U)、およびウレアホルム(FN)と同等、またはそれ
を凌ぐ緩効性肥料として使用し得る、非常に有用な物質
であることが知られている。
【0003】しかしながらこのものは、 (1) 原料として、高価なグリオキザールを使用し製造す
るものであることから、製造されるグリコールウリルは
高価である。 (2) 製造課程では反応生成物の収得率が低く、また原料
物質のロスが多いため、製造コストの割高となることが
避けられない。 (3) グリコールウリルの単品を得るには、濾過、洗浄精
製、および乾燥の工程というステップを踏む必要があ
り、その製造費用が高くなる。 (4) 反応条件が酸触媒の存在下でかつ高温下の反応であ
り、特殊な反応器(例えばグラスライニング等)を必要
とするため、設備費が高い。 等という問題点があって、グリコールウリルのそのもの
は一部粉体塗装等に使用されてきたのが実情であり、一
般的な肥料として使用するには高価すぎる欠点があっ
た。
【0004】グリコールウリルの製造法に関して、例え
ば Soil Sci.Plant Nutr.,33(2)291-298,1987(Toshio S
himizu著)に、製造条件および収得率等について報告さ
れている。その報告によれば、反応温度60〜80℃、反応
時間 1.5〜3時間、反応触媒としては塩酸(反応液全量
に対してHClを5〜10%濃度となるように使用)の使
用の条件設定で、さらに、未反応のグリオキザールを回
収するため、濾液を6回もリサイクルし、これによるト
ータルの収率が91%になったということが、述べられて
いる。
【0005】さらに、グリコールウリルの製造において
は、未反応の尿素、および塩酸は濾過操作ならびに洗浄
操作時に、その濾液側に排出されてロスとなるため、非
常に不経済であるという欠点もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、上記事情
に鑑み従来におけるグリコールウリルの肥料への使用の
難点を克服し得た、緩効性肥料として有用なグリコール
ウリル含有肥料を提供するものであり、さらにはこの安
価な製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、グリコー
ルウリルの従来の肥料への使用におけるコスト高の要
因、肥料の形態、および施肥形態等につき、問題点を検
討した。すなわち、(1) 現状では純グリコールウリルを
得るために、濾過・洗浄・乾燥工程が必要となってい
て、その製造コスト高の要因になっていること。肥料へ
の用途として特定した場合は、製造時にこれらの工程を
省くことができないものなのか、(2) グリオキザールと
尿素の反応過程で生成する中間生成物(例えばグリオキ
ザールモノウレイン等)は、取り除かなければ、肥料と
して害があるのか、(3) グリコールウリルの製造課程で
生ずるロス分はコストアップに直結するので、そのもの
を分離することなく肥効成分として有効利用できない
か、(4) 利用形態が液体状では不都合か、等の点に特に
着目し、鋭意研究および検討を重ねた。その結果、グリ
オキザールと尿素との反応で得られる生成物のそのもの
を、そのまま利用することが十分に可能である知見を
得、前記課題が一気に解決できることを見いだし、本発
明に到達した。
【0008】すなわち本発明は、(1) グリオキザールと
尿素を酸触媒の存在下に反応させ、次いで反応液を中和
して得られる反応生成物を含有してなる肥料であり、ま
た、(2) グリオキザールと尿素を酸触媒の存在下に反応
させた後、次いで該反応液を中和することにより得られ
る反応生成物を肥料成分として含有させることを特徴と
する、グリコールウリル含有肥料の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、グリコールウリ
ルの製造原料であるグリオキザールは、下記式(2)
〔化2〕
【化2】 で表される化合物であり、ホルマリン等に比較すると刺
激臭もなく、また毒性も少ない取扱の容易なアルデヒド
である。このものは通常、濃度が40重量%程度の水溶液
として販売されており、主な用途としては土質安定剤等
がある。
【0010】グリコールウリルの生成は、上記グリオキ
ザールの1モルと尿素2モルとが、下記式(3)〔化
3〕のように反応し、グリコールウリル1モルを生ず
る。
【化3】
【0011】そして、生成したグリコールウリルは水に
対する溶解度が低いので、通常は反応液より白色の結晶
として析出してくる。
【0012】上記、グリコールウリルの生成反応は2段
反応であって、まず1モルのグリオキザールに1モルの
尿素が付加し、グリオキザールモノウレインが生成す
る。そしてさらにこれに尿素が付加し、脱水反応により
グリコールウリルが生成する。この時、尿素濃度が低い
状況にあると、グリオキザールモノウレインは加水分解
して、ヒダントイン等の中間生成物を生成してしまうこ
とは良く知られている。
【0013】したがって、中間生成物の生成を抑え、目
的とするグリコールウリルの収得率を上げるためには、
グリオキザールに対する尿素のモル比は2以上であるこ
とが必須の条件となるが、従来に知られるグリコールウ
リルの製造方法では、過剰に仕込んだ尿素は全てロスに
なってしまうという欠点があった。しかしながら、後述
のように本発明ではこのような過剰尿素はむしろ利点と
なる。
【0014】本発明の反応において、グリオキザール
は、濃度30〜45重量%の範囲の水溶液であるものを用い
ることが好ましい。通常、グリオキザール水溶液はその
濃度の低い方がグリコールウリルへの転換率は高いが、
本発明では反応生成物を直接利用する観点から、生成物
の濃度が低くなる場合は、その分自由度が小さくなるの
で、グリオキザールの濃度としては上記した範囲が好ま
しい。
【0015】本発明のグリコールウリル含有肥料を製造
するにあたり、そのグリコールウリルを生成させる反応
においては、原料の尿素は飽和溶液で用いられることが
好ましい。飽和溶液でなくともグリコールウリルの製造
は充分可能であるが、最終製品中に残留する水分を減ら
しておく方が、反応生成物の使用の際に、その使用形態
の自由度が大きくなるからである。
【0016】この、グリコールウリル生成の一具体例を
示してみれば、 (1) まず、所定の温度に加熱された尿素飽和溶液を調製
する。 (2) 次いで、上記溶液に所定量の酸を触媒として加え、
攪拌しながら所定量のグリオキザールを添加する。 (3) 上記反応液の温度を保ちながら所定時間熟成させ、
反応を完結させる。 (4) 次いで、アルカリを添加して中和し放冷して、本発
明記載における反応生成物であるグリコールウリル含有
スラリーを得る。
【0017】本発明において、上記のようにして得られ
るグリコールウリル含有スラリーは、肥料成分としてそ
のまま使用することも可能であるが、下記の方法によっ
て、肥料としてより有効に使用することができる。すな
わち、(1) 得られたグリコールウリル含有スラリーに、
必要に応じて尿素、硫安、燐安、燐酸加里、塩化加里、
硫酸加里、苦土、ホウ素等の肥料原料を加え、所定の成
分に調整する。これに必要に応じ増粘材を加え、フロア
ブルと呼称される液状肥料とする、あるいはまた、(2)
得られたグリコールウリル含有スラリーを、化成肥料の
造粒時等、乾燥前の製造工程に直接供給することによ
り、単独で、あるいは上記(1) にも例示したような化成
肥料原料等と混合して造粒することにより、肥料粒中に
含有せしめ、そして乾燥することにより、グリコールウ
リル含有肥料を得る、等といった形態が例示できる。
【0018】ここでグリコールウリルの製造反応におい
て、尿素/グリオキザールの設定モル比は、基本的には
2以上が必要であるが、従来法では過剰な尿素はロスと
なるため、この比が2を越えてもその越え幅はできる限
り小さい方が好ましいとされてきた。しかしながら、こ
の尿素過剰率が小さい場合は反応転換率が悪くなり、場
合によってはヒダントイン等の中間生成物を生成してし
まうことになる。いずれにしても、従来法では、尿素の
ロスまたは収率の悪化が価格を押し上げ、グリコールウ
リルの肥料としての利用を大きく妨げてきた。
【0019】これに対し本発明の肥料においては、過剰
な尿素は反応終了液中にそのまま存在し、このものは速
効性の肥料として充分にその機能を果たし得るものとな
るため、過剰に入っていても何ら問題とならない。この
ため、尿素の量は充分過剰に設定される。そして尿素の
過剰率はむしろ、最終製品中に占める所望の尿素の量と
なるようにして、決定付けられるものである。
【0020】また、本発明の肥料を得る上でのグリコー
ルウリル製造反応では、尿素/グリオキザールの設定モ
ル比を2以上大きくとれることから、ヒダントイン等の
中間生成物の副生を大きく抑制することができ、結果的
に、その反応液をそのまま肥料に利用しても、肥効には
全く問題のないものを得ることができるという点も、大
きな特徴である。
【0021】しかしながら、尿素の過剰率をあまりにも
大きくしてしまうと、得られる反応生成液利用の自由度
を狭めてしまうため、通常は、尿素/グリオキザールの
モル比で2.02〜2.3 程度として反応させることが好まし
い。
【0022】尿素とグリオキザールを反応させるに際
し、反応温度は通常60〜100 ℃の範囲で可能である。60
℃未満でも反応は進むが、長時間を要するため効率的で
ない。また、 100℃を越える温度では尿素の加水分解反
応等が併発するようになるため、好ましくない。
【0023】上記反応は酸触媒の存在下で好ましく進行
させることが可能であり、該触媒として具体的には、塩
酸、硫酸、燐酸、および硝酸等の鉱酸、または蟻酸、酢
酸等の有機酸等が使用可能である。しかしながら、本発
明では反応終了後に生成液を中和し、そして肥料として
利用することから、その中和後の形態が植物に害のない
ものであるか、あるいはむしろ、肥効成分の形態となる
ものであることが好ましい。この面から本発明では反応
に用いる酸触媒として、塩酸、硫酸、燐酸、または硝酸
等といった、鉱酸類を用いるのが好ましい。
【0024】酸触媒の使用量は、用いる酸の種類にも左
右され好適な条件は異なるが、例えば塩酸を使用する場
合は通常、原料総重量(グリオキザール溶液+尿素溶液
+塩酸)の1〜20重量%(HClとして)の範囲の量
が用いられる。しかしながら、本発明においては前述の
過剰尿素と同様に、最終的には反応液が中和され、そし
て使用されるものであるため、中和後に肥料の有効成分
の一形態となる場合は、最終製品中にその成分が占める
割合を予め考慮し、触媒としてのみではなく、肥料構成
物のための原料として用い得ることが可能であることは
言うまでもない。
【0025】尿素とグリオキザールの反応に要する時間
は反応条件に左右されて一定しないが、通常は1〜5時
間の範囲である。通常、反応時間が長ければグリコール
ウリルへの転換率は高いが、好適な製造条件では2〜3
時間の範囲でグリオキザールの70〜90%程度がグリコー
ルウリルに転換し、その後の転換率の上昇はわずかなも
のとなる。また、いたずらに反応時間を長くとることは
経済的でもない。
【0026】本発明において、尿素とグリオキザールの
反応に用いられた酸触媒は、反応後アルカリにより中和
される。この際に使用されるアルカリは、前述の酸触媒
の場合と同様、中和後に肥料として利用される観点か
ら、中和された後の形態が植物に害のない形態である
か、むしろ肥料の有効成分であることが好ましい。この
意味からして、本発明で中和のために使用するアルカリ
としては、アンモニアまたは水酸化カリウム等を用いる
のが好ましい。
【0027】上記中和を行う際の程度としては、その中
和後の生成液の利用形態によっても好ましい範囲が異な
るが、通常は生成液のpHが4〜7程度となるように、
アルカリが添加される。
【0028】本発明の肥料を得る上において、フロアブ
ル材として使用される場合であってかつ増粘材を使用す
る場合は、従来から使用されている一般的な増粘材が使
用可能である。例えば、ベントナイト、アタパルジャイ
ト等の粘土類、グアーガム、キサンタンガム、ローカス
トビーンガム等の天然多糖類、カルボキシメチルセルロ
ース、ポリビニールアルコール、ポリアクリルアミド、
ポリエチレングリコール、リグニンスルホン酸ナトリウ
ム、澱粉、アルギン酸ナトリウム等があげられ、これら
の2種以上が用いられても構わない。増粘材の添加量と
しては、所望の製品粘度となる量を添加すれば良いが、
通常は製品粘度で 100〜2000CP程度となるように調整
される。
【0029】
【実施例】以下、本発明の肥料およびグリコールウリル
含有肥料の製造方法を、実施例を挙げさらに詳細に説明
する。以下において、%は重量基準であり、また植害試
験で用いたポットは、 100cm2 ×7cm高さのノイバウエ
ルポットである。
【0030】製造例1〔グリコールウリル含有フロアブ
ル液肥の製造〕 1リットルのビーカーに水 180g、尿素 180g、35%塩
酸80gを入れ、ヒーター上で60℃まで加熱溶解する。溶
解が完了し、温度が60℃となったら、40%グリオキザー
ル溶液 200gを約1時間かけ、分割投入し反応させる。
反応液の温度は80℃を越えないよう制御される。反応液
を温度80℃に保ちながら、さらに2時間放置し、反応を
完結させる。これに25%アンモニア水52gを添加し、反
応液pHを 5.6とする。放冷後、グリコールウリル濃度
を測定したところ25.9%であった。次いで、上記で得ら
れた反応液の約 690gにキサンタンガム 1.8gを混合
し、攪拌機で充分分散させ、グリコールウリル25%含有
フロアブル液肥約 692gを得た(粘度1340CP(15
℃))。このフロアブル液肥は1カ月間の放置試験でも
物性の変化がなく、かつ分離等も起こすことがなく、非
常に安定したものであった。
【0031】〔植害試験〕上記製造例1で得られたフロ
アブル液肥を用い、下記条件による植害試験を実施し
た。 (1) 使用土壌;千葉県茂原市六ツ野畑土壌を使用 ・土性 砂壌土 ・pH 6.01 ・EC(電気伝導度)74.3μs/cm (2) 供試作物 ・こまつな 品種;新黒葉小松菜 (3) 施肥設計 試験区 ポット1個あたり、窒素分として製造例1で得られたフ
ロアブル液肥をそれぞれN分が 100mg、 200mg、 300m
g、および 400mgの量となるよう、さらにこれら全てに
2 5 が 200mgおよびK2 Oが 100mgとなるように施
用し、上記供試作物について、発芽および生育状況につ
き試験した。 対照区 前記の試験区におけるフロアブル液肥に代え、N分と
しては硫安を用いて行った他は全て同様に試験した。 比較区 前記の試験区におけるフロアブル液肥に代え、N分と
しては尿素を用いて行った他は全て同様に試験した。 (4) 栽培方法 ・播種 平成10年6月26日 ・間引き 平成10年7月3日 ・最終調査 平成10年7月17日 (5) 試験結果 上記試験による各々、試験区、対照区および比較区の結
果を下記〔表1〕に示す。
【0032】
【表1】 (6) 結論 上記〔表1〕より明らかなように、前記製造例1で得た
ものを使用の、グリコールウリルフロアブル施用区のこ
まつなの発芽は、対照区および比較区と比較してほぼ同
等であった。また生育にしても、対照区および比較区に
比し同等か、もしくはそれ以上であり、植害は認められ
なかった。
【0033】製造例2〔グリコールウリル含有フロアブ
ル液肥の製造〕 1リットルのビーカーに水70g、尿素 380g、35%塩酸
56gを入れ、ヒーター上で80℃まで加熱溶解する。溶解
が完了し、温度が90℃となったら、40%グリオキザール
溶液 430gを約1時間かけ、分割投入し反応させる。反
応液の温度は90℃を越えないよう制御される。反応液を
温度90℃に保ちながら、さらに2時間放置し、反応を完
結させる。これに25%アンモニア水溶液32gを添加し、
反応液pHを 5.8とする。放冷後、グリコールウリル濃
度を測定したところ39.4%であった。次いで、生成した
反応液より 490gをとり、これに尿素15g、塩化アンモ
ニウム11g、一燐安 236g、塩化加里 156g、KOH
(40%水溶液)70g、キサンタンガム 2.5gおよび水1
9.5gを加え、ジューサーにより粉砕、攪拌、混合する
ことにより、窒素(N)、燐酸(P2O5) 、加里(K2O)の
含有量がそれぞれ 12.12%、 12.55%、 12.39%である
グリコールウリル含有フロアブル液体肥料約1000gを得
た。製品粘度は約1480CP(15℃)であって、このもの
は1カ月の放置でも物性の変化がなく、かつ分離等も起
こさず安定していた。窒素のうち、グリコールウリル由
来のNは約 7.5%であった。この製造例2で得られたグ
リコールウリル含有フロアブル液肥を用い、実施例1と
同様の操作により発芽および生育の試験を「こまつな」
について行った。その結果、グリコールウリル含有フロ
アブル液肥施用区のこまつなの発芽は、対照区および比
較区と比較してほぼ同等であり、また生育にしても、対
照区および比較区に比し同等かもしくはそれ以上であ
り、植害は認められなかった。
【0034】製造例3〔グリコールウリル含有粒状化成
肥料の製造〕 1リットルのビーカーに水70g、尿素 380g、35%塩酸
56gを入れ、ヒーター上で80℃まで加熱溶解する。溶解
が完了し、温度が90℃となったら、40%グリオキザール
溶液 430gを約1時間かけ、分割投入し反応させる。反
応液の温度は90℃を越えないよう制御される。反応液を
温度90℃に保ちながら、さらに2時間放置し、反応を完
結させる。これに25%アンモニア水32gを添加し、反
応液pHを 5.8とする。放冷後、グリコールウリル濃度
を測定したところ39.4%であった。次いで、生成した母
液より 586gをとり、これに硫安 202g、一燐安 104
g、重過リン酸石灰 117g,塩化加里 227g、軽焼マグ
ネサイト27gを加え、皿型造粒機で造粒・乾燥させた。
これに、固結防止材12gを付着させ、グリコールウリル
含有粒状化成肥料約1000gを得た。組成分析より、窒素
(N)、燐酸(P2O5)、加里(K2O)、及びマグネシウム
(MgO)の含有量はそれぞれ 15.51%、 10.99%、 13.42
%、2.12%であった。窒素のうち、グリコールウリル由
来のNは約9%であった。この製造例3で得られたグリ
コールウリル含有粒状化成肥料を用い、実施例1と同様
の操作により発芽および生育の試験を「こまつな」につ
いて行った。その結果、グリコールウリル含有粒状化成
肥料施用区のこまつなの発芽は、対照区および比較区と
比較してほぼ同等であり、また、生育にしても対照区お
よび比較区に比し同等か、もしくはそれ以上であり、植
害は認められなかった。
【0035】
【発明の効果】以上の説明、さらには実施例に記載の説
明からも明らかなように、グリオキザールと尿素とを反
応させて得られる反応生成物を直接用いてなる本発明の
グリコールウリル含有肥料は、植物に対して何ら植害を
与えることのない、有用な緩効性肥料である。また本発
明の、グリコールウリル含有肥料の製造方法によれば、
極めて安価かつ容易な操作により目的の肥料を得ること
が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 茂 東京都中央区日本橋大伝馬町11番8号 三 井東圧肥料株式会社内 (72)発明者 石岡 忠司 千葉県茂原市東郷1900番地 三井化学株式 会社内 (72)発明者 貝塚 隆喜 千葉県茂原市東郷1900番地 三井化学株式 会社内 Fターム(参考) 4H061 AA01 AA02 BB16 FF02 FF08 GG28 GG29 HH03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリオキザールと尿素を酸触媒の存在下
    に反応させ、次いで反応液を中和して得られる反応生成
    物を含有してなる肥料。
  2. 【請求項2】 グリオキザールと尿素を酸触媒の存在下
    に反応させた後、次いで該反応液を中和することにより
    得られる反応生成物を肥料成分として含有させることを
    特徴とする、グリコールウリル含有肥料の製造方法。
JP10352861A 1998-12-11 1998-12-11 緩効性肥料およびその製造方法 Pending JP2000178090A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1318126A1 (de) * 2001-12-07 2003-06-11 COMPO Gesellschaft mbH & Co. KG Stickstoffhaltiges Langzeitdüngemittel

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1318126A1 (de) * 2001-12-07 2003-06-11 COMPO Gesellschaft mbH & Co. KG Stickstoffhaltiges Langzeitdüngemittel

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