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JP2000167547A - 水中ウォータージェット噴出方法及び装置 - Google Patents

水中ウォータージェット噴出方法及び装置

Info

Publication number
JP2000167547A
JP2000167547A JP10349060A JP34906098A JP2000167547A JP 2000167547 A JP2000167547 A JP 2000167547A JP 10349060 A JP10349060 A JP 10349060A JP 34906098 A JP34906098 A JP 34906098A JP 2000167547 A JP2000167547 A JP 2000167547A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
jet
cavitation
jets
underwater
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10349060A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiaki Ikohagi
利明 井小萩
Jiro Higuchi
二郎 樋口
Naoki Tsuma
直樹 津間
Kazunori Sato
一教 佐藤
Tadaaki Mizoguchi
忠昭 溝口
Kazunori Fujita
一紀 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Babcock Hitachi KK filed Critical Babcock Hitachi KK
Priority to JP10349060A priority Critical patent/JP2000167547A/ja
Publication of JP2000167547A publication Critical patent/JP2000167547A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Physical Water Treatments (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで、また、システムを過度に複雑に
することなくキャビテーション作用の有効領域を拡大し
て水系環境浄化効率を向上させることが可能な水中ウォ
ータージェット噴出方法及び装置を提供する。 【解決手段】 水中に水を高速で噴射させるウォーター
ジェットによって生じるキャビテーションを利用して水
中に溶解している有害化学物質を分解し、あるいは、水
中に浮遊する細菌やプランクトンを死滅させて水系環境
を浄化する水中ウォータージェット噴出方法において、
複数の噴流3同士を水中で衝突させてキャビテーション
を伴う衝突噴流9を生成し、この衝突噴流9によって水
系環境を浄化する。なお、噴流3の衝突は正面からでも
所定の角度を持って行ってもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウォータージェッ
トに発生するキャビテーションを利用して汚濁水域や排
水の浄化を行う水中ウォータージェット噴出方法及び噴
出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高速のジェット噴流として水中で水を吹
き出すウォータージェットには、激しいキャビテーショ
ンが発生する。キャビテーションは、おびただしい数の
小さな気泡が成長と圧縮・崩壊を短時間で繰り返す現象
であって、特に気泡の崩壊時には、断熱圧縮されること
によって以下のような特異な作用を生じる。
【0003】断熱圧縮によって高温、高圧状態が現出
し、熱分解作用が生じる。
【0004】局所的に生じる高温によって、ラジカル
や過酸化水素(H22)が発生し、これによって強い酸
化作用を生じる。
【0005】気泡崩壊時に強力な衝撃圧が発生する。
【0006】このうち及びの作用によれば、ダイオ
キシン、PCB及び農薬などの環境ホルモン、あるいは
トリクロロエチレンなどの発ガン性の洗浄剤の原液もし
くは前記洗浄剤が溶けだした水に対して前記各物質の分
解処理を行うことができる。また、前記ないしの作
用によれば、大腸菌や耐塩素性原虫のような病原性菌や
アオコなどのプランクトンを死滅させることができるの
で、これらの病原菌に汚染された水源や、アオコなどの
プランクトンが異常繁殖した水域の浄化を行うことが可
能なる。特に、前記環境ホルモンと病原菌などの両者に
汚染された水に対して両者ともに同時に作用するが、そ
の際、例えば凝集剤などのような特殊な薬剤は不要であ
る。
【0007】このような事象はすでに知られており、こ
れを利用して例えば図13に示すように水中でノズル1
から高速ウォータージェット(水中水噴流)3を噴出さ
せ、ノズル1から吹き出る噴流にキャビテーションを発
生させて、化学反応を促進させようとした試みも知られ
ている(Steven Ley & Carolin Low[超音波有機合成−
基礎から応用まで−Spring-Verlag, Tokyo, (1991) 岩
崎・小川訳)。なお、図中符号2は高圧水、4は噴流の
外郭、5は処理すべき周囲水をそれぞれ示す。
【0008】このような噴流3によって生じたキャビテ
ーションの挙動を図14に示す。同図において、ノズル
1から噴出する噴流3の液芯部26が符号26’に示す
ように断続的に分裂し、キャビテーションクラウド24
となって分裂するとともに、渦流15や渦キャビテーシ
ョン25を生じる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図13に示すように、
水中の高速ウォータージェットは細長い円錐形を呈し、
強力な分解作用を有するにしても、分解作用を行なうに
足る有効領域が狭いことは否めない。そこで、特殊なノ
ズル移動機構にノズルを設け、そのノズルを移動させる
ことによって有効領域を広げることはできるが、システ
ムが複雑になるとともに、コストも高くなる。
【0010】一方、噴出孔径の大きなノズルを用いて噴
射圧力を高めれば、キャビテーションの有効領域が大き
くなった水中ウォータージェットが生成されるが、高圧
ポンプを大容量化する必要があるとともに、使用電力も
多大となり、設備コスト及び運用コストが高くなる。
【0011】本発明は、このような従来技術の実情に鑑
みてなされたもので、その目的は、低コストで、また、
システムを過度に複雑にすることなくキャビテーション
作用の有効領域を拡大して水系環境浄化効率を向上させ
ることが可能な水中ウォータージェット噴出方法及びそ
の方法を実施するための装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を解決するた
め、第1の手段は、水中に水を高速で噴射させるウォー
タージェットによって生じるキャビテーションを利用し
て水中に溶解している有害化学物質を分解し、あるい
は、水中に浮遊する細菌やプランクトンを死滅させて水
系環境を浄化する水中ウォータージェット噴出方法にお
いて、複数のウォータージェット同士を水中で衝突させ
てキャビテーションを伴う衝突噴流を生成し、この衝突
噴流によって水系環境を浄化することを特徴とする。
【0013】第2の手段は、第1の手段において、前記
複数のウォータージェットの衝突角度が10度以上18
0度以下の角度に設定されていることを特徴とする。
【0014】第3の手段は、第1または第2の手段にお
いて、前記複数のウォータージェットの中心軸の交点
が、中心軸方向の衝撃圧分布の最初のピーク領域に設定
されていることを特徴とする。
【0015】第4の手段は、第1または第2の手段にお
いて、前記前記複数のウォータージェットの中心軸の交
点が、中心軸方向の衝撃圧分布の2番目のピーク領域に
設定されていることを特徴とする。
【0016】第5の手段は、第1ないし第4の手段にお
いて、前記ウォータージェットを噴出させるノズルが同
一構造であって、同一噴射条件で噴出させることを特徴
とする。
【0017】第6の手段は、水中に水を高速で噴射させ
るウォータージェットによって生じるキャビテーション
を利用して水中に溶解している有害化学物質を分解し、
あるいは、水中に浮遊する細菌やプランクトンを死滅さ
せて水系環境を浄化する水系環境浄化に使用される水中
ウォータージェット噴出装置において、処理対象水中に
浸漬され、噴出孔から噴出したウォータージェットが互
いに衝突する位置に配置された複数のノズルと、ノズル
に高圧の処理対象水を供給する高圧水供給手段と、前記
処理対象水を循環させて高圧水供給手段に導く処理対象
水循環手段とを備えていることを特徴とする。
【0018】第7の手段は、第6の手段において、前記
ノズルの位置を処理対象水中で移動させる移動手段をさ
らに備えていることを特徴とする。
【0019】このように構成すると、まず、自由噴流同
士の衝突によって衝突後の噴流が放射状に広がる。した
がって、キャビテーションの領域も同様にして放射状に
拡大する。このような放射状に広がる領域が自由噴流に
対して新たに生成されるキャビテーション反応域にな
る。次いで、衝突による衝撃がトリガとなって、水中に
無数に懸濁する気泡核が、次々と連鎖的に励起され、キ
ャビテーションが活性化する。その結果としてキャビテ
ーションが活発になる。
【0020】水中自由噴流同士の衝突により水中の高速
自由噴流における中心軸上の衝撃分布は2つのピークを
有する形状となり、これらのピークを示す領域において
流体力学的な変動、すなわち、圧力変更や渦生成が最も
激しく、キャビテーションの生成及び成長が活発にな
る。そこで、ノズルに近い最初のピークを第1ピーク、
それよりも下流に生じる2番目のピークを第2ピークと
呼ぶが、これらのピーク相当する位置(以下、「スタン
ドオフ距離」と称す。)において自由噴流同士を衝突さ
せ、放射状に広がる衝突噴流を生成する。前記第1ピー
クの領域では液芯の断続的分裂が生じ、第2ピークの領
域では渦キャビテーションの成長が最も活発な領域であ
る。いずれにしても、流れの変動が最も激しくなる領域
であることがわかっている。そこで、噴流の衝突による
キャビテーションの促進には、前記第1ピークまたは第
2ピークのいずれかの領域で噴流同士を衝突させるとよ
い。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施
の形態について説明する。なお、以下の説明において、
同一と見なせる各部には同一の参照符号を付し、重複す
る説明は適宜省略する。
【0022】図1は本発明の第1の実施形態に係る水中
ウォータージェット噴出方法を実行したときの噴流の状
態を示す説明図である。同図において、この方法では、
汚染水域10の水中でノズル1を互いに対向させて配置
し、真正面からキャビテーションを伴う水中噴流3を衝
突させる。これにより、両ノズル1から噴出される噴流
3が同軸(180度)で衝突することになる。すなわ
ち、噴流中心軸13が一致した状態で衝突する。なお、
この例では、衝突点までのスタンドオフ距離、すなわ
ち、各ノズル1の出口からノズル同士の中間点までの距
離は、水中水噴流3に発生する衝撃圧力分布の第1ピー
ク11となる領域に相当する距離に設定した。正面衝突
したキャビテーションを伴う水中水噴流3は、跳ね返っ
て噴流中心軸13方向から見たときに円形に広がる衝突
放射状噴流9となる。このように第1ピーク11の領域
で衝突させる場合には、衝突するまでにキャビテーショ
ンの気泡核が十分に励起されていないので、衝突後の衝
突放射状噴流9中の乱れが激しく、キャビテーションの
発生が顕著になる。
【0023】なお、図1において、ノズル1の下方に示
したグラフは、各ノズル1についてスタンドオフ距離と
衝撃圧との関係を示し、スタンドオフ距離が短い方のピ
ークが第1ピーク11、長いほうのピークが第2ピーク
12である。
【0024】図2は第2ピーク12の領域に衝突点が位
置するようにノズル1を対向させて噴流3を衝突させた
例である。自由噴流において第2ピーク12に相当する
領域は、噴流3中のキャビテーションも広がり、また、
図14に示す渦キャビテーション25も生成するため、
衝突噴流9の放射状の広がりも大きく、渦キャビテーシ
ョン25もこの衝突噴流9内で増幅される。
【0025】図3は、図1及び図2に示したノズル1を
備えたシステム全体を示す説明図である。図3におい
て、汚染水域(浄化対象水域)10の原水は送水ポンプ
22から原水汲み上げホース23を介して汲み上げら
れ、フィードタンク21内に一度貯えられた後、プラン
ジャポンプ20への供給される。そして、プランジャポ
ンプ20によって昇圧され、三方切替弁19で所定の圧
力(例えば500kgf/cm2)に調整され、高圧ホ
ース18を通って高圧水2として汚染水域10に設置さ
れた2つのノズル1に送られる。これらのノズル1は同
一構造であって、ノズルサポート16によって図1及び
図2に示すように向かいあわせに配置され、第1ピーク
11または第2ピーク12に衝突点がくるような距離に
保持される。ノズルサポート16には、移動機構17が
設けられており、ノズル1が汚染水域をゆっくりと移動
し、所望の位置で停止させることができるようになって
いる。なお、ここには図示していないが、ノズルサポー
ト16に上下方向の移動機構もしくは長さ調整機構を設
け、深さ方向の位置を変更することができるように構成
することができることはいうまでもない。
【0026】図4はノズル1の詳細な構成を示すもの
で、激しいキャビテーションを伴う水中水噴流3を生成
するためのノズルの一例である。高圧水2は、高圧水供
給流路6を通じて導かれ、径収縮部において急速に減圧
加速され、噴出孔7から汚染水域10の水中に噴出す
る。この噴出孔7の先端には円錐形の拡大空胴部8が設
置されている。この拡大空胴部10の中には、不安定な
渦流が生成されるため、水中水噴流3のキャビテーショ
ンが促成される。
【0027】このようなノズル1、例えば噴出孔径1m
mφのノズル1を用いて噴射圧力をPj=500 kgf
/cm2とする場合、原水の処理量は20ton/日で
ある。第1ピーク11に相当する領域で噴流同士を衝突
させる場合、第1ピーク11のスタンドオフ距離は約1
6mmであるので、2つの同じ構造のノズル1を30m
m離して設置する。また、第2ピーク12に相当する領
域で衝突させる場合、第2ピーク12のスタンドオフ距
離が100〜120mmであるので、2つの同じ構造の
ノズル1を200〜240mm離して設置する。
【0028】図5は第1ピーク11の領域で2つの向か
いあう自由噴流同士を衝突させた場合における衝突噴流
の衝撃圧の圧力分布を示すものである。比較のために自
由噴流における圧力分布も図の下側に示した。このよう
な衝撃圧力分布は感圧フィルム法によって測定すること
ができ、この測定により、衝突噴流においても自由噴流
と同様の衝撃圧力が発生していることが分かる。なお、
衝突噴流の半径方向に対し衝撃圧が増加した後、減少す
る特性がみられるが、このように増加するのは、第1ピ
ーク11の領域で衝突させたため、未だ励起されない気
泡核が、衝突噴流3においてキャビテーションとして爆
発的に生成されたものと考えられる。
【0029】図6は第2ピーク12の領域で噴流3同士
を正面衝突させた場合における衝突噴流の半径方向の衝
撃圧分布を示す図である。第2ピーク12の領域では、
キャビテーション核の多くが励起されていることもあっ
て、第1ピーク11の領域で衝突させた場合とは異な
り、半径方向の衝撃圧分布には増加傾向はみられないも
のの、自由噴流と同様に高い衝撃圧が生じていることが
分かる。
【0030】以上のように放射状に広がる衝突噴流にお
いても、キャビテーションが十分に発達していることが
確認される。これによって、キャビテーションの威力が
半径方向にも広がるので、自由噴流のみの場合に比べて
分解処理領域が著しく拡大することが分かる。
【0031】図7は自由噴流を用いた図13に示した従
来例と本実施形態(図2ないし図4)における処理水量
とを比較したものである。ここで、縦軸における処理水
量Qは図13における処理水量Q*を基準とするため
に、この処理水量Q*で割って無次元化した。この無次
元数で比較すると、図13における処理能力はQ/Q*
=1.0であるが、図2ないし図4の例では、 Q/Q*
=3.25となっており、処理能力が格段に高くなって
いる。これは、衝突噴流9の発生に起因している。
【0032】図14を参照して説明したように、キャビ
テーションを伴う水中水噴流3は非定常性が強い。キャ
ビテーションクラウド24と呼ばれすキャビテーション
気泡の塊が周期的に伸長、収縮したり、分裂するもの
の、2つのノズル1から吹き出すキャビテーションを伴
う水中水噴流3における前記変動位相の影響が衝突噴流
に表れる。
【0033】図8は図2の構成で衝突噴流を生成させた
ときの状態を示す図で、この衝突噴流9のキャビテーシ
ョンクラウドには、くびれ状振動14が発生する。この
くびれ状振動14によって渦流15が発生するが、この
渦流15はキャビテーション気泡の衝突噴流9内への供
給や渦キャビテーションの生成などキャビテーションの
促進に関して決定的に重要な役割を果たす。
【0034】図9は2つの噴流の変動位相がずれた場合
の様相を模式的に示したものである。衝突噴流9,9’
は水中において噴流全体が「旗を振る」かのように激し
く振動する。この振動はフラップ状振動27とも称され
るが、このような振動が発生すると、キャビテーション
の及ぶ範囲が水中において著しく拡大する。
【0035】このような同位相や位相のずれによって生
じる現象は特に第2ピーク12の領域で噴流同士を衝突
させた場合に顕著であるが、いずれかに固定して生じる
わけではなく、互いに切り替わりながら前記振動が継続
される。なお、図8において、Xs2で示した距離は第2
ピーク12に対応するスタンドオフ距離である。
【0036】図10は衝突噴流9の変動によって周囲水
が噴流中に吸引(エントレン)される状態28を模式的
に示したものである。周囲水中には、多量の「未使用」
の気泡核が含まれるので、衝突噴流9に変動が生じると
いうことはキャビテーションを促進するということにつ
ながる。衝突噴流9の乱れやキャビテーションの促進は
自励振動的なことがあり、連鎖的に自己増幅する。すな
わち、衝突噴流9が乱れると、渦の生成やキャビテーシ
ョン核を含む周囲水の吸引28によってキャビテーショ
ンが成長するが、このキャビテーションの成長が衝突噴
流9を更に激しく乱すことになる。このように衝突噴流
9が乱されるということはキャビテーションの作用の及
ぶ範囲が拡大するということを意味しており、処理範囲
が広がることになる。
【0037】図11及び図12に他の実施形態を示す。
この実施形態は、噴流3同士を正面からではなく斜めに
角度θを持って衝突させるように構成した例である。こ
の実施形態では、前記第2ピーク12に相当するスタン
ドオフ距離Xs2に衝突点を設定した。このように構成す
ると、衝突噴流9”は扁平に広がり、図12に示すよう
に衝突噴流9”の横幅が広がることになる。このように
扁平に広がる場合では、噴流3の表面が広がるので、キ
ャビテーションによる作用が及ぶ範囲が拡大する。さら
に、キャビテーションの気泡核を含む周囲水が衝突噴流
9”の表面から噴流3中に流入するので、キャビテーシ
ョンはさらに促進され、同時に処理水量も増加すること
になる。このように斜めに衝突させても、正面から衝突
させる場合に劣らない効果を得ることができる。なお、
前記角度θは10度から180度までの角度であれば、
十分な効果を得ることができる。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、低コス
トで、また、システムを過度に複雑にすることなくキャ
ビテーション作用の有効領域を拡大して水系環境浄化効
率を向上させることが可能になる。
【0039】さらに具体的には、本発明によれば、複数
のウォータージェット同士を水中で衝突させてキャビテ
ーションを伴う衝突噴流を生成するので、同一のポンプ
動力及び同一の噴射推量として比較した場合、キャビテ
ーションの有効域を大幅に拡大し、処理範囲を放射上に
広くすることができる。
【0040】また、本発明によれば、複数のウォーター
ジェットの衝突角度が10度以上180度以下の角度に
設定されているので、放射状に広がる衝突噴流の乱れが
周囲水を巻き込むとともに、乱れが作り出す気泡核の再
循環作用によってキャビテーションがより活性化し、処
理効率の向上を図ることができる。
【0041】また、本発明によれば、複数のウォーター
ジェットの中心軸の交点が、中心軸方向の衝撃圧分布の
最初のピーク領域に設定されているので、液芯の断続的
分裂が最も活発な領域で衝突させることになり、これに
よってキャビテーションの活性化を図ることができる。
【0042】また、本発明によれば、複数のウォーター
ジェットの中心軸の交点が、中心軸方向の衝撃圧分布の
2番目のピーク領域に設定されているので、渦キャビテ
ーションの成長が最も活発な領域で衝突させることにな
り、これによってキャビテーションの活性化を図ること
ができる。
【0043】また、本発明によれば、ウォータージェッ
トを噴出させるノズルが同一構造であって、同一噴射条
件で噴出させるので、装置の信頼性を高くすることがで
きる。
【0044】さらに、本発明によれば、処理対象となる
水域の任意の位置で有害化学物質の分解処理及び有害菌
の殺菌処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る水中ウォータージェッ
ト噴出装置の噴流を第1ピーク領域で衝突させた状態を
示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る水中ウォータージェッ
ト噴出装置の噴流を第2ピーク領域で衝突させた状態を
示す図である。
【図3】図1及び図2に示した装置を使用するシステム
の全体構成を示す系統図である。
【図4】図1及び図2に示したノズルの構成の一例を示
すモデル図である。
【図5】ウォータージェットを正面から第1ピークで衝
突させた場合の特性を示す図である。
【図6】ウォータージェットを正面から第2ピークで衝
突させた場合の特性を示す図である。
【図7】本実施形態と従来における処理水量を比較した
図である。
【図8】本発明の実施形態におけるウォータージェット
の衝突による現象とメカニズムを示す図である。
【図9】本発明の実施形態におけるウォータージェット
の衝突による現象とメカニズムを示す図である。
【図10】本発明の実施形態におけるウォータージェッ
トの衝突による現象とメカニズムを示す図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る水中ウォーター
ジェットを角度を持って衝突させたときの噴流の状態を
示す図である。
【図12】図11の例における作用を説明するための図
である。
【図13】従来例に係るウォータージェットを使用した
例を示す図である。
【図14】図13におけるウォータージェットの挙動を
示す図である。
【符号の説明】
1 ノズル 2 高圧水 3 水中水噴流 6 高圧水供給流路 7 噴出孔 8 拡大空洞部 9 衝突放射状噴流 9’ 衝突噴流 9” 衝突噴流 10 汚染水域 11 第1ピーク 12 第2ピーク 13 噴流中心軸 28 周囲水の吸収(エントレン)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津間 直樹 宮城県仙台市青葉区片平2丁目1の1 東 北大学内 (72)発明者 佐藤 一教 広島県呉市宝町3番36号 バブコツク日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 溝口 忠昭 広島県呉市宝町3番36号 バブコツク日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 藤田 一紀 広島県呉市宝町3番36号 バブコツク日立 株式会社呉研究所内 Fターム(参考) 4D037 AA11 AB03 AB14 BA26 BB04 BB05 BB07 4D050 AA12 AB06 AB19 BB01 BC10 BD02 BD03 BD06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中に水を高速で噴射させるウォーター
    ジェットによって生じるキャビテーションを利用して水
    中に溶解している有害化学物質を分解し、あるいは、水
    中に浮遊する細菌やプランクトンを死滅させて水系環境
    を浄化する水中ウォータージェット噴出方法において、 複数のウォータージェット同士を水中で衝突させてキャ
    ビテーションを伴う衝突噴流を生成し、この衝突噴流に
    よって水系環境を浄化することを特徴とする水中ウォー
    タージェット噴出方法。
  2. 【請求項2】 前記複数のウォータージェットの衝突角
    度が10度以上180度以下の角度に設定されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の水中ウォータージェット
    噴出方法。
  3. 【請求項3】 前記複数のウォータージェットの中心軸
    の交点が、中心軸方向の衝撃圧分布の最初のピーク領域
    に設定されていることを特徴とする請求項1または2記
    載の水中ウォータージェット噴出方法。
  4. 【請求項4】 前記複数のウォータージェットの中心軸
    の交点が、中心軸方向の衝撃圧分布の2番目のピーク領
    域に設定されていることを特徴とする請求項1または2
    記載の水中ウォータージェット噴出方法。
  5. 【請求項5】 前記ウォータージェットを噴出させるノ
    ズルが同一構造であって、同一噴射条件で噴出させるこ
    とを特徴とする請求項1ないし4記載の水中ウォーター
    ジェット噴出方法。
  6. 【請求項6】 水中に水を高速で噴射させるウォーター
    ジェットによって生じるキャビテーションを利用して水
    中に溶解している有害化学物質を分解し、あるいは、水
    中に浮遊する細菌やプランクトンを死滅させて水系環境
    を浄化する水系環境浄化に使用される水中ウォータージ
    ェット噴出装置において、 処理対象水中に浸漬され、噴出孔から噴出したウォータ
    ージェットが互いに衝突する位置に配置された複数のノ
    ズルと、 ノズルに高圧の処理対象水を供給する高圧水供給手段
    と、前記処理対象水を循環させて高圧水供給手段に導く
    処理対象水循環手段と、を備えていることを特徴とする
    水中ウォータージェット噴出装置。
  7. 【請求項7】 前記ノズルの位置を処理対象水中で移動
    させる移動手段をさらに備えていることを特徴とする請
    求項6記載の水中ウォータージェット噴出装置。
JP10349060A 1998-12-08 1998-12-08 水中ウォータージェット噴出方法及び装置 Pending JP2000167547A (ja)

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JP10349060A JP2000167547A (ja) 1998-12-08 1998-12-08 水中ウォータージェット噴出方法及び装置

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