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JP2000160118A - 結着剤および粉体の結着方法 - Google Patents

結着剤および粉体の結着方法

Info

Publication number
JP2000160118A
JP2000160118A JP10340287A JP34028798A JP2000160118A JP 2000160118 A JP2000160118 A JP 2000160118A JP 10340287 A JP10340287 A JP 10340287A JP 34028798 A JP34028798 A JP 34028798A JP 2000160118 A JP2000160118 A JP 2000160118A
Authority
JP
Japan
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fine particles
powder
binder
weight
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10340287A
Other languages
English (en)
Inventor
Jun Hoshikawa
潤 星川
Shigeki Kobayashi
茂樹 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Fluoropolymers Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Fluoropolymers Co Ltd filed Critical Asahi Glass Fluoropolymers Co Ltd
Priority to JP10340287A priority Critical patent/JP2000160118A/ja
Publication of JP2000160118A publication Critical patent/JP2000160118A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】粉体との短時間の混練時間で粉体粒子間や粉体
と支持体との間が充分大きな結着力で結合できる結着剤
を提供する。 【解決手段】ポリテトラフルオロエチレン微粒子、水、
およびポリテトラフルオロエチレン微粒子に対して1.
5〜4.0重量%の非イオン系界面活性剤を含有する水
性分散液からなる結着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリテトラフルオロ
エチレン(以下PTFEという)微粒子を含む水性分散
液からなる結着剤およびこれを用いる粉体の結着方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】PTFE微粒子を含有する水性分散液
は、通常、テトラフルオロエチレン(以下TFEとい
う)を乳化重合して得られる平均粒径0.1〜0.5μ
mのPTFE微粒子を含む分散液に、非イオン系界面活
性剤、たとえばトライトンX100(ユニオンカーバイ
ド社製、H(CH2864 O(CH2 CH2 O)
10H、ただしC64 は本明細書を通じてフェニレン基
を示す)を添加して、PTFE微粒子濃度が30〜65
重量%、上記非イオン系界面活性剤がPTFE微粒子に
対して5〜12重量%に調整されたものである。
【0003】PTFE微粒子を粉体と機械的に混練する
とPTFE微粒子が繊維化し、得られる直径0.01μ
m以下の極めて微細な繊維は粉体同士を結着させる効果
を有することが知られている。
【0004】さらに、PTFEは熱的、化学的、電気的
に安定であることから、電池製造において、PTFE微
粒子含有水性分散液を電池用活物質粉体や炭素粉体と混
練して得られるペースト状の混練物は、シート状に加工
して、または、集電体である金網やパンチドメタルや発
泡金属シート等の多孔質シートに塗付し固定して、用い
られる。
【0005】特公昭52−22098には、二酸化マン
ガンと炭素の混合粉体にPTFE水性分散液を添加、混
練して得られた混練物を圧延し電極を作製する方法が記
載されている。また、特公昭57−39023には、水
酸化ニッケルと炭素とニッケルフレークの混合粉体に対
してPTFE水性分散液を添加、混練して得られた混練
物を集電体に充填して電極を作成する方法が記載されて
いる。
【0006】しかし、従来のPTFE水性分散液を粉体
の結着剤として用いる場合には、(1)繊維化されたP
TFE微粒子は粉体粒子間や粉体粒子と支持体との間に
高い結着力を付与できず、その結果粉体が脱落し、電極
間が短絡して製品の信頼性が低下する、(2)PTFE
微粒子と粉体の混練において、PTFE微粒子が充分に
繊維化し所定の結着力を有するまで比較的長時間を要
し、その結果生産性が低い、(3)PTFE微粒子の使
用量を低減できないため、使用するPTFEが電池容量
を低下させ、または電解液をはじき電解液の浸透を妨げ
る、等の問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、粉体との短
時間の混練時間で粉体粒子間や粉体と支持体との間を充
分大きな結着力で結合できる結着剤を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、式1で表され
る非イオン系界面活性剤(以下非イオン系界面活性剤
(式1)という)および/または式2で表される非イオ
ン系界面活性剤(以下非イオン系界面活性剤(式2)と
いう)と、乳化重合により得られるPTFE微粒子と、
水とを含み、該非イオン系界面活性剤の含有量が該PT
FE微粒子に対して1.5〜4.0重量%である水性分
散液からなる結着剤を提供する。ただし、式1において
xは4〜12の実数、C64 はフェニレン基、pは5
〜20の実数を示し、式2においてyは8〜18の実
数、qは5〜20の実数、rは0〜2の実数を示す。
【0009】
【化2】 CX2X+164 O(CH2 CH2 O)p H ・・・式1 Cy2y+1O(CH2 CH2 O)q ・(C36 O)r H・・・式2
【0010】また、平均粒径が0.01〜1000μm
の粉体に、該PTFE微粒子が該粉体に対して0.1〜
10重量%となる量の上記結着剤を加え、混練する工程
を有する粉体の結着方法を提供する。
【0011】本発明の結着剤(以下水性分散液ともい
う)は、特定の非イオン系界面活性剤を特定の含有量で
含むので、混練においてPTFEは速く繊維化し、高い
結着力を示し、特に粉体の結着用途に適する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明で用いるPTFEには、T
FEの単独重合体以外に、実質的に溶融加工できない程
度の微量のクロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオ
ロプロピレン等のハロゲン化オレフィン、パーフルオロ
(アルキルビニルエーテル)等に基づく重合単位を含む
いわゆる変性PTFEも含まれる。
【0013】本発明における水性分散液は安定剤として
非イオン系界面活性剤(式1)および/または非イオン
系界面活性剤(式2)をPTFE微粒子に対して1.5
〜4.0重量%含有する。
【0014】非イオン系界面活性剤(式1)はポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル系界面活性剤であ
る。疎水基であるアルキル基のxは4〜12、好ましく
は6〜10、の実数である。xが4未満では界面活性特
性が低下し、水性分散液の機械的安定性が低下する。x
が12超では水性分散液の粘度が高くなり、長時間放置
した場合にPTFE微粒子が沈降し保存安定性が低下し
やすい。上記アルキル基は直鎖構造でもよく、分岐構造
でもよい。
【0015】親水基であるオキシエチレン基の数pは5
〜20、好ましくは7〜12、の実数である。pが5未
満では界面活性特性が低下し、水性分散液の機械的安定
性が低下する。一方、pが20超では水性分散液の粘度
が高くなり、長時間放置した場合にPTFE微粒子が沈
降し保存安定性が低下しやすい。
【0016】非イオン系界面活性剤(式1)として、具
体的には、a)H(CH2964 O(CH2 CH2
O)m H(mは9〜10)、b)H(CH286
4O(CH2 CH2 O)m H(mは9〜10)、または
C)H(CH2864 O(CH2 CH2 O)m
(mは10〜12)とH(CH2864 O(CH
2 CH2 O)m H(mは6〜8)との混合物、等が挙げ
られる。
【0017】非イオン系界面活性剤(式1)の市販品と
してトライトンXシリーズ(ユニオンカーバイド社
製)、ニッコールOPシリーズ、NPシリーズ(日光ケ
ミカル社製)等がある。非イオン系界面活性剤(式1)
を1種用いてもよく、2種以上を組合わせて用いてもよ
い。
【0018】非イオン系界面活性剤(式2)はポリオキ
シアルキレンアルキルエーテル系界面活性剤である。疎
水基であるアルキル基のyは8〜18、好ましくは10
〜16、の実数である。yが8未満では界面活性特性が
低下し、水性分散液の機械的安定性が低下する。yが1
8超では水性分散液の粘度が高くなり、長時間放置した
場合にPTFE微粒子が沈降し保存安定性が低下しやす
い。上記アルキル基が分岐構造を有すると表面張力が低
下し濡れ性が良好となるため好ましい。
【0019】親水基であるポリオキシアルキレン鎖は、
オキシエチレン基の数qが5〜20、好ましくは7〜1
2、の実数であり、オキシプロピレン基の数rが0〜2
の実数であるポリオキシアルキレン基より構成される。
qが5未満では界面活性特性が低下し、水性分散液の機
械的安定性が低下する。一方、pが20超では水性分散
液の粘度が高くなり、長時間放置した場合にPTFE微
粒子が沈降し保存安定性が低下しやすい。rは泡消え性
の点から0.5〜1.5が好ましい。
【0020】式2中の(CH2 CH2 O)q ・(C3
6 O)r 部分のオキシアルキレン鎖の連なり方は、ブロ
ックであってもランダムであってもよい。また、(C3
6O)部分の構造は、−[CH2 CH(CH3 )O]
−であっても−[CH(CH3 )CH2 O]−であって
もよく、両構造が存在していてもよい。
【0021】非イオン系界面活性剤(式2)として、具
体的には、d)H(CH213O(CH2 CH2 O)m
H(mは9〜10)、e)H(CH213O(CH2
2O)m (C36 O)H(mは9〜10)、f)H
(CH212O(CH2 CH2 O)10H、またはG)H
(CH211CH(CH3 )O(CH2 CH2 O)
10H、等が挙げられる。
【0022】非イオン系界面活性剤(式2)の市販品と
してタージトール15Sシリーズ(ユニオンカーバイド
社製)、ソフタノールシリーズ(日本触媒社製)、ライ
オノールTD2007(ライオン社製)等がある。非イ
オン系界面活性剤(式2)を1種用いてもよく、2種以
上を組み合わせて用いてもよい。
【0023】一般に、非イオン系界面活性剤は一定の分
子量分布を有するため、式1および式2で表される構造
は、平均的な構造を意味する。また、2種以上の市販の
非イオン系界面活性剤を混合使用する場合にもその平均
的な構造が本発明の範囲にあれば好適な結果が得られ
る。したがって、x、y、p、q、rの各数値は整数に
限らない。非イオン系界面活性剤(式1)および非イオ
ン系界面活性剤(式2)を混合して用いてもよい。
【0024】本発明において、非イオン系界面活性剤
(式1)および/または非イオン系界面活性剤(式2)
はPTFE微粒子に対して1.5〜4.0重量%であ
り、好ましくは2〜3.5重量%である。すなわち、非
イオン系界面活性剤(式1)、非イオン系界面活性剤
(式2)はいずれか一方のみを含有してもよく双方を含
有してもよい。双方を含有する場合には、その合計量で
1.5〜4.0重量%、好ましくは2〜3.5重量%、
含有すればよい。
【0025】少なすぎると非イオン系界面活性剤がPT
FE微粒子表面を充分に被覆できず、安定化できないた
め、水性分散液は強い撹拌等の機械的応力により微粒子
間の凝集を生じやすい。多すぎると粉体と混練するとき
にもPTFE微粒子は安定化され繊維化しにくく、繊維
化したときにも結着力が低い。
【0026】本発明におけるPTFE微粒子は、純水、
過酸化物系重合開始剤、アニオン系分散剤、および重合
安定剤である高級パラフィン等の混合物を撹拌しつつT
FEを加圧下で注入する乳化重合により得られる。
【0027】PTFE微粒子の平均粒径は0.1〜0.
5μmが好ましく、0.15〜0.4μmがより好まし
い。平均粒径が小さすぎるとPTFEの分子量が小さく
なり結着力が低下し、平均粒径が大きすぎるとPTFE
微粒子が水性分散液中で沈降し保存安定性が低下しやす
い。
【0028】PTFEの平均分子量は10万〜1億の範
囲が好ましく、100万〜2000万の範囲がより好ま
しい。平均分子量が小さすぎると結着力が低下し、平均
分子量が大きすぎると工業的に重合することが困難とな
る。PTFEの平均分子量は、示差熱分析法により求め
られる結晶化熱から、諏訪ら(J.Appl.Poly
m.Sci.,17,3253(1973))の方法を
用いて求められる。
【0029】本発明における水性分散液中のPTFE微
粒子の含有量は20〜65重量%が好ましく、50〜6
2重量%がより好ましい。含有量が少なすぎると低粘度
となりPTFE微粒子が沈降しやすく保存安定性が低下
しやすい。含有量が多すぎると高粘度となり移液や秤量
時に扱いにくくなる。
【0030】本発明における水性分散液は水を含有す
る。この水は乳化重合時の重合液に含まれる水であって
もく、また重合液の水とは別に添加される水であっても
よいが、重合液に含まれる水を利用し、必要に応じて別
に添加して調製することが簡便で好ましい。
【0031】また、水性分散液の機械的応力に対する安
定性を向上させるため、ポリエチレンオキシド、水溶性
ポリウレタン系増粘剤、カルボキシメチルセルロース系
増粘剤、ポリビニルアルコール系増粘剤、チクソトロピ
ー付与剤、塩類、水溶性溶剤、防腐剤、着色剤等を添加
してもよい。
【0032】本発明の結着剤と混練して結合させる粉体
としては水に難溶でそれ自身は特別に粒子間の結合力を
有しないため、結着剤による結合力を必要とするものが
好適である。粉体の平均粒子径は0.1〜1000μ
m、好ましくは0.1〜100μmである。粉体の形状
は、球状、棒状、フレーク状、不定形等のいずれでもよ
く特に限定されない。
【0033】粉体として具体的には、炭素、フッ化カー
ボン、二酸化マンガン、酸化銀、亜鉛、鉛化合物、ニッ
ケル化合物、カドミウム系化合物、水素吸蔵合金、リチ
ウム化合物等の電池用途における活物質粉体が挙げられ
る。また、砂、土、顔料、樹脂粉末、触媒、鉄粉、肥
料、土壌改良剤、その他広範な粉体が適用できる。粉体
として1種用いてもよく、2種以上を組合せて用いても
よい。
【0034】結着剤の添加量として、粉体に対してPT
FE微粒子が0.1〜10重量%となる量とされ、0.
2〜5重量%、がより好ましい。少なすぎると所望の結
着力が得にくく、多すぎると無駄であるほか電池用途で
は電池容量を低下させ、電解液の浸透を妨げることがあ
る。
【0035】本発明における混練とは、結着剤、粉体、
および必要に応じて粘度調整のための水等の溶媒を添加
し、撹拌等の機械的応力をかけて混練するプロセスをい
う。混練することによりPTFE微粒子が繊維化を始
め、混練物の粘度が上昇し一定値に達する。たとえば、
混練初期にはスラリ状であった混練物は、混練によりペ
ースト状またはパテ状となりチクソトロピー性を示す。
【0036】混練温度は任意であるが、20℃以上10
0℃未満がPTFE微粒子が繊維化を生じやすいため好
ましく、30〜70℃の範囲がより好ましい。混練装置
としては、水添加量が多く比較的低粘度の混練物に対し
てはプロペラ型撹拌機、イカリ型撹拌機、ミキサ、ディ
ゾルバ等の高速回転撹拌装置が適しており、水添加量が
少なく比較的高粘度または乾式に近い混練物に対しては
ニーダ、リボンブレンダ、プラネタリミキサ、ヘンシェ
ルミキサ、コンクリートミキサ等で高トルク低回転型の
混練装置が適している。混練物の粘度、撹拌速度、混練
温度等が高いほどPTFE微粒子は繊維化しやすい。
【0037】本発明における粉体の結着とは、粉体粒子
間が充分な結着力で物理的に結合する状態および/また
は粉体粒子と支持体との間が充分な結着力で物理的に結
合する状態をいう。たとえば、電池用活物質粉体と結着
剤との混練物を集電体である金網や多孔質金属板等の支
持体に塗布、または塗布した後に加圧処理した場合に、
電池用活物質粉体粒子間および電池用活物質粉体粒子と
支持体との間に高い接着力を生ずる状態をいう。また、
その他の粉体の結着の場合に、結着剤により粉体粒子間
に自己結合力が生じ、2次粒子になりやすくなる状態を
いう。
【0038】本発明の粉体の結着方法として、たとえば
電池の電極製造においては、まず電池用活物質粉末、結
着剤、および粘度調整のための水等を含む配合物を一定
時間混練する。必要に応じてカルボキシメチルセルロー
ス系増粘剤、カルボキシエチルセルロース系増粘剤、ポ
リビニルアルコール系増粘剤等の水溶性ポリマーを加え
てもよい。得られた混練物を塗布した集電体を乾燥後プ
レス処理等し、さらに切断、曲げ加工等して電池用電極
が作製される。
【0039】また、たとえば、炭素や顔料等の粉体の発
塵を防止する用途や、肥料や石灰粉末等を造粒し取り扱
いやすくする用途等において、水添加量の少ない高粘度
の混練物で粉体粒子間が結着させることにより乾燥を不
要とすることができる。
【0040】
【実施例】以下、実施例(例1〜4)および比較例(例
5〜9)により本発明をさらに詳しく説明するが、本発
明はこれらに限定されない。例1〜9における結着剤番
号、結着剤の安定性、混練物の組成と配合条件、結着性
評価結果を表1および表2に示す。また、各例で使用し
た非イオン系界面活性剤の構造を表3に示す。表1およ
び表2中のP、S、*および#は下記のとおりである。 P:ペースト状、S:スラリー状、*:6分後に凝集物
発生、#:8分後に凝集物発生。
【0041】各例における評価方法を以下に示す。 (1)PTFE濃度および界面活性剤濃度の定量:結着
剤約10gをアルミニウム製皿にとり、120℃で1時
間乾燥後の重量、および380℃で1時間焼成し界面活
性剤を熱分解させた重量から算出した。 (2)粘度:ブルックフィールド型粘度計で、スピンド
ル#1を用い、60rpm、23℃にて測定した。 (3)機械的安定性:500mlのビーカーに入れた2
00mlの結着剤を、室温下、3枚撹拌羽根を用い15
00rpmで10分間撹拌し、PTFEの凝集が生ずる
かどうかを安定性の目安とした。
【0042】(4)静置安定性:100mlのメスシリ
ンダに入れた100mlの結着剤が室温、2か月間静置
で生じた沈降層の厚みを測定した。 (5)結着性評価(密着性):電池用活物質粉末と結着
剤および水を添加し混練した後の混練物を、30×10
0mmで10メッシュのステンレス鋼金網に塗布し18
0℃で30分乾燥して電極試験片を作製し、この電極試
験片を手指でこすって粉体の密着性を評価した。 (6)結着性評価(脱落量):上記(5)の密着性と同
じ電極試験片を、図1に示す装置を用い、電極試験片の
一端を固定し、他端に毎秒2回接触する回転体のアーム
により曲げ応力および振動を与え、1分経過後の粉体の
脱落量を求めた。この脱落量が3重量%以下であれば保
持性は良好であり、逆に5重量%以上は不良である。
【0043】[例1]乳化重合によりPTFE微粒子の
平均粒子径が0.25μm、PTFEの平均分子量が5
00万、PTFE微粒子濃度が20重量%である水性分
散液を得た。これに界面活性剤aを、PTFE微粒子に
対し8重量%の割合で添加して安定化させた後、85℃
に加熱し15時間放置する熱濃縮法により濃縮を行い、
上澄みを除去し、PTFE微粒子が62重量%、界面活
性剤aがPTFE微粒子に対して2.3重量%含有する
濃縮液を得た。この濃縮液に水およびアンモニア水を加
え、PTFE微粒子を60重量%、界面活性剤aをPT
FE微粒子に対して2.3重量%、アンモニアを200
ppm含有し、pH=9.5である結着剤1を得た。結
着剤1について粘度、機械的安定性および静置安定性を
測定した。
【0044】次に、下記の方法にて結着剤1と電池用活
物質粉末との混練物を得た。二酸化マンガン粉末(平均
粒径30μm)を1kg、炭素粉末(平均粒径5μm)
を20g、結着剤1を34g、水を500g添加してス
ラリ状としたのち、これをプラネタリミキサを用いて1
20rpmで混練した。その結果60秒後に粘度上昇が
認められ、PTFE微粒子の繊維化は良好であった。混
練3分後に混練物Aを得た。混練物Aを塗布して作製し
た電極試験片(a)の結着性評価を行った。結果を表1
に示す。
【0045】[例2]乳化重合によりPTFE微粒子の
平均粒子径が0.30μm、PTFEの平均分子量が1
500万、PTFE微粒子濃度が20重量%である水性
分散液を得た。これに界面活性剤bをPTFE微粒子に
対して8重量%の割合で添加して安定化させたのち、例
1と同様に濃縮を行い、PTFE微粒子が61重量%、
界面活性剤bがPTFE微粒子に対して2.3重量%含
有される濃縮液を得た。この濃縮液に水、界面活性剤
b、およびアンモニアを加え、PTFE微粒子を60重
量%、界面活性剤bをPTFE微粒子に対して2.5重
量%含有し、pH=9.6である結着剤2を得た。結着
剤2について例1と同様の評価を行った。これを用いて
例1と同様にして混練物Bを得た。混練物Bを塗布して
作製した電極試験片(b)の結着性評価を行った。結果
を表1に示す。
【0046】[例3]例1で用いた界面活性剤aのかわ
りに界面活性剤cを用いた以外は例1と同様にして結着
剤3を得た。これを用いて例1と同様にして混練物Cを
得たのち、作製した電極試験片(c)の結着性評価を行
った。結果を表1に示す。
【0047】[例4]例1で得られた濃縮液に対し、
水、非イオン系界面活性剤aを加え、アンモニアは加え
ず、PTFE微粒子を60重量%、界面活性剤aをPT
FE微粒子に対して3.2重量%含有し、pH=4.1
である結着剤4を得た。結着剤4について例1と同様の
評価を行った。
【0048】例1で用いた二酸化マンガン粉末を水酸化
ニッケル粉末(平均粒子径30μm)に変更し、結着剤
4の添加量を17gに変更したほかは例1と同様に混練
し、混練物Dを得たのち、作製した電極試験片(d)の
結着性評価を行った。結果を表1に示す。
【0049】[例5]PTFE微粒子を60重量%、界
面活性剤aをPTFE微粒子に対して4.5重量%含有
する結着剤5を得た。これを用いて例1と同様に混練し
たが、PTFE微粒子の繊維化は遅く、粘度上昇してペ
ースト状となるまでに約4分を要した。3分混練したも
のを混練物Eとし、10分混練したものを混練物Fとし
た。これらを例1と同様にして作製した電極試験片
(e)、(f)の結着性評価を行った。結果を表2に示
す。
【0050】[例6]PTFE微粒子を60重量%、界
面活性剤bをPTFE微粒子に対して6重量%含有する
結着剤6を得た。これを用いて例1と同様に混練した
が、PTFE微粒子の繊維化は遅く、粘度上昇してペー
スト状となるまでに約5分を要した。10分混練して得
られた混練物Gを塗布して作製した電極試験片(g)の
結着性評価を行った。結果を表2に示す。
【0051】[例7]結着剤1の添加量を活物質粉末に
対して0.05重量%とした以外は例1と同様に混練を
行い、3分間混練して得られた混練物Hを用いて作製し
た電極試験片(h)の結着性評を行った。結果を表2に
示す。
【0052】[例8]例1で得た水性分散液に界面活性
剤aをPTFE微粒子に対し1重量%添加し、水および
アンモニアを加え、PTFE微粒子を18重量%、界面
活性剤aをPTFE微粒子に対し1重量%含有し、pH
=9.3である結着剤7を得た。結着剤7の評価結果を
表2に示す。結着剤7の界面活性剤aの濃度が低すぎる
ために機械的安定性試験において撹拌開始5分後に凝集
物を生じた。またPTFE微粒子濃度が低いためにPT
FE微粒子の沈降が速く、静置安定性が劣っていた。
【0053】[例9]例1で得た水性分散液に界面活性
剤dをPTFE微粒子に対し2.5重量%、水およびア
ンモニアを加え、PTFE微粒子を18重量%、界面活
性剤aをPTFE微粒子に対し2.5重量%含有し、p
H=9.4である結着剤8を得た。結着剤7の評価結果
を表2に示す。結着剤8は、界面活性剤dのオキシエチ
レン基数が小さすぎるためPTFE微粒子の安定化効果
が劣り、機械的安定性試験で撹拌8分後に凝集物を生じ
た。また、PTFE微粒子の濃度が低いためにPTFE
微粒子の沈降が速く、静置安定性が劣っていた。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【発明の効果】本発明の結着剤は特定の非イオン系界面
活性剤が特定量配合されるため、以下の効果を奏する。 (1)PTFE微粒子が充分に繊維化し、所定の結着力
を有するまでの混練時間を短縮できる。 (2)繊維化されたPTFE微粒子は粉体粒子間や粉体
粒子と支持体との間に高い結着力を付与し、その結果、
粉体が脱落し、電極間が短絡することによる製品の信頼
性低下を防止できる。 (3)電池の出力に直接寄与せず、電解液の浸透を妨げ
るPTFE微粒子の使用量を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における電極試験片の脱落量測定装置の
概略図。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式1で表される非イオン系界面活性剤およ
    び/または式2で表される非イオン系界面活性剤と、乳
    化重合により得られるポリテトラフルオロエチレン微粒
    子と、水とを含み、該非イオン系界面活性剤の含有量が
    該ポリテトラフルオロエチレン微粒子に対して1.5〜
    4.0重量%である水性分散液からなる結着剤。ただ
    し、式1においてxは4〜12の実数、C64 はフェ
    ニレン基、pは5〜20の実数を示し、式2においてy
    は8〜18の実数、qは5〜20の実数、rは0〜2の
    実数を示す。 【化1】 CX2X+164 O(CH2 CH2 O)p H ・・・式1 Cy2y+1O(CH2 CH2 O)q ・(C36 O)r H・・・式2
  2. 【請求項2】該ポリテトラフルオロエチレン微粒子の含
    有量が20〜65重量%である水性分散液からなる請求
    項1に記載の結着剤。
  3. 【請求項3】平均粒径が0.01〜1000μmの粉体
    に、該ポリテトラフルオロエチレン微粒子が該粉体に対
    して0.1〜10重量%となる量の請求項1に記載の結
    着剤を加え、混練する工程を有する粉体の結着方法。
  4. 【請求項4】該粉体が、炭素、フッ化カーボン、二酸化
    マンガン、酸化銀、亜鉛、鉛化合物、ニッケル化合物、
    カドミウム系化合物、水素吸蔵合金、およびリチウム化
    合物から選ばれる1種以上の粉体である請求項3に記載
    の粉体の結着方法。
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