JP2000157378A - ショーケースの商品陳列棚装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ショーケースに装備した引出し式商品陳列棚を
対象に、悪戯による棚板引出しを防止し、併せて棚板の
ロック／アンロック操作の簡便化を図る。 【解決手段】ケース本体の棚支柱１０に係止支持した左
右一対のスライドレール８ａ付きの棚ブラケット８と、
左右の棚ブラケットの間にまたがって前方へ引出し可能
に案内支持した可動棚板９とで構成した引出し式商品陳
列棚７において、可動棚板を庫内への押し込み位置に係
止するストッパ手段として、ラッチ本体１２と、ラッチ
本体の前端に設けたロック爪と係合し合うキーパー１３
との２部品からなり、かつ前方からキーパーをラッチ本
体に押し当ててロック，もう一度押してアンロックとな
るプッシュ式ラッチ１１を具備し、該ラッチの本体とキ
ーパーの各部品を可動棚板と棚ブラケットに振り分けて
前方から見えず、かつ手も届かないないように棚板の補
強リブ８ｂの背後に設置する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、オープンショーケ
ース，リーチインショーケースなどを対象としたショー
ケースの庫内に装備した引出し式の商品陳列棚装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】頭記のショーケースには庫内に上下段に
並ぶ商品陳列棚を備えている。また、この棚の奥部に陳
列する商品の補給作業が楽に行えるようにすることを狙
いに、商品陳列棚を前方へ引出し可能に構成した棚装置
が実開昭６０−１８２８６５号公報などで公知である。

【０００３】ここで、多段式オープンショーケースを例
に、そのショーケースの全体構成，および従来における
引出し式商品陳列棚の構造を図３，図４に示す。まず、
図３(a),(b) において、１は断熱筐体としてなる前面開
放形のケース本体、２は庫内の商品陳列室３を取り巻い
てケース本体１の外箱と内箱との間に画成した冷気循環
ダクト、４は冷却器（冷凍機のエバポレータ）、５は庫
内ファン、６は冷凍機のコンデンシングユニットであ
り、商品陳列室３の庫内には上下段に並んで引出し式商
品陳列棚７が装備されている。

【０００４】ここで、引出し式商品陳列棚７は各段ごと
に庫内の左右両端に配した棚ブラケット８の間にまたが
って可動棚板９を載置支持した構成になり、図４に示す
ように棚ブラケット８はスライドレール８ａを備えてお
り、後端部に形成したロック爪をケース本体１の背面パ
ネル１ａ（図３参照）と並べて庫内の左右両端に立てた
棚支柱１０の角穴に差し込んで前方に突き出すように水
平姿勢に係止保持されている。一方、可動棚板９はその
上部周縁にフェンスを形成したトレー状の棚であり、同
じ段に並ぶ左右の棚ブラケット８の間にまたがってスラ
イドレール８ａの上に載置支持されている。

【０００５】かかる構成で、常時は図３(a) の実線で示
すように可動棚板９が庫内の奥に押し込んだ位置に保持
されている。一方、商品補充などに際して前方から可動
棚板９を手前に引くと、矢印Ｐで表すように可動棚板９
がスライドレール８ａに沿って鎖線位置に引き出され
る。なお、図４は可動棚板９を前方に引出した状態を表
している。

【０００６】一方、前記した引出し式の棚装置におい
て、商品収納棚７を庫内への押し込み位置に係止し、不
用意に可動棚板９が前方に移動しないようにするため
に、可動棚板９を押し込み位置にロックするストッパ手
段を設け、そのストッパ手段として棚ブラケット８に設
けた鉤形の係合部材と、可動棚板９の下面に設けたスト
ッパ片とを具備し、かつストッパ片は、可動棚板が庫内
に押し込まれた状態で前記係合部材に係合して可動棚板
の引出しを不能とするとともに、可動棚板を庫内に押し
込み収納する際に前記係合部材に係合してロックが掛か
るような案内部，および係合を解除する釈放釦を備えた
構成が特開平５−１１５３４４号公報で公知である。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記のようにショーケ
ースに引出し式商品陳列棚を装備することにより、ショ
ーケースへの商品の補充作業が楽に行えるようになる
が、一方では次記のような機能が必要となる。すなわ
ち、可動棚板を庫内への収納位置に係止するストッパ
は、悪戯による棚板の引出しを防止するためにショーケ
ースの前方からは見えない位置に隠れていること、また
ショーケースへの商品補充などで店員が棚板を引き出す
際には、簡単な操作でストッパを釈放して可動棚板を引
き出せるようにする簡易な操作性が望まれる。

【０００８】かかる観点から先記した従来提案の棚装置
を考察すると、ストッパをショーケースの前方からは人
目に付き難い可動棚位置の下面側に設けてはいるもの
の、ストッパの釈放操作性を考慮して前方から手が届く
ように棚板の前半部に位置している。一方、多段形オー
プンショーケースのように商品陳列棚が上下段に並んで
いるショーケースでは、前方に立った人が一寸腰をかが
めるなどすると庫内の上段側に並ぶ棚の裏面が見える。
このために、ストッパを人目に付き難いように可動棚板
の下面側に設けても、釈放操作性を考慮して前方から手
の届く前部位置に配置した構成では悪戯を防ぎ切れな
い。しかも、店員がストッパを釈放操作するには体をか
がめてストッパの釈放釦の位置を目視確認した上で、庫
内に手を差し入れて釈放操作する必要があって面倒であ
る。

【０００９】本発明は上記の点に鑑みなされたものであ
り、先記した引出し式商品陳列棚を対象に前記課題を解
決し、悪戯防止機能の改善と併せて釈放操作が簡単に行
えるように可動棚板のストッパ手段を改良したショーケ
ースの商品陳列棚装置を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、ケース本体の庫内の左右両端に立
てた棚支柱に係止支持した左右一対のスライドレール付
き棚ブラケットと、左右の棚ブラケットの間にまたがり
スライドレールに沿って前方へ引出し可能に案内支持し
た可動棚板とからなるショーケースの商品陳列棚装置に
おいて、前記可動棚板を庫内への押し込み位置に係止保
持するストッパ手段として、ラッチ本体と、該ラッチ本
体の前端に設けたロック爪に係合し合うキーパーとの２
部品からなり、かつ前方からキーパーをラッチ本体に押
してロック，もう一度押してアンロックとなるプッシュ
式ラッチを備え、該ラッチの本体とキーパーの各部品を
前後に向かい合わせて可動棚板の下面側後部と棚ブラケ
ット側に振り分けて設置する（請求項１）ものとし、具
体的にはラッチのキーパーを可動棚板の下面側に突き出
した補強リブの背面に取付け、キーパーに対向してラッ
チ本体を棚ブラケットに取付け該ラッチのキーパーと本
体を前後に向かい合わせて可動棚板の下面側後部と棚ブ
ラケットに振り分けて設置する（請求項２）。

【００１１】かかる構成によれば、可動棚板を庫内への
押し込み位置に係止するラッチは、ショーケースの前方
からは全く見えず、かつ手も届かない位置に設置されて
おり、しかもラッチのロック状態では、可動棚板を前方
に引き出そうとして引っ張り力を加えてもロックが外れ
ることがなく、これにより第３者の悪戯で可動棚が前方
引き出されるおそれがない。一方、商品補充などに際し
て店員が可動棚板を前方に引き出す場合には、所望の可
動棚板を定位置から僅かに押し込むだけの簡単な操作で
ラッチがアンロックとなって棚板を引き出すことができ
る。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図
１，図２に示す実施例に基づいて説明する。なお、実施
例の図中で図３，図４に対応する同一部材には同じ符号
を付してその説明は省略する。

【００１３】まず、図１(a),(b) において、引出し式商
品陳列棚７の棚ブラケット８はその後端から突き出たロ
ック爪８ｂを棚支柱１０の角穴１０ａに差し込んで水平
姿勢に支持されている。一方、可動棚板９は上面側の周
囲にフェンス９ａを備え、裏面側には前後に並んで左右
方向に延在する断面Ｕ字形の補強リブ９ｂが形成されて
おり、左右一対の棚ブラケット８の間にまたがってその
スライドレール８ａの上に案内支持して引出し式商品陳
列棚を構成している。

【００１４】かかる構成の引出し式商品陳列棚に対し
て、可動棚板９を庫内への押し込み位置で棚ブラケット
８に係止するストッパ手段として、本発明により棚ブラ
ケット８と可動棚板９との間にプッシュ式ラッチ１１が
設置されている。このプッシュ式ラッチ１１はラッチ本
体１２とキーパー（係合突起）１３との２部品からな
り、ラッチ本体１２は同じ段に並ぶ左右の棚ブラケット
８の間に架け渡した振れ止め用横桟１４に取付け、これ
と向かい合わせにキーパー１３が可動棚板９の後部下面
側に突き出た補強リブ９ｂの背面に取付けられている。
これにより、プッシュ式ラッチ１１は補強リブ９ｂの裏
に隠れてショーケースの前方からは全く見えることはな
い。

【００１５】次に、プッシュ式ラッチ１１の詳細な構
造，および動作を図２(a) 〜(c) で説明する。すなわ
ち、ラッチ本体１２は前面が開放した有底の円筒体１２
ａの中に、先端を円筒体１２ａから突き出したスライド
駒１２ｂ，およびスライド駒１２ｂを前方に押圧する付
勢ばね１２ｃとからなり、かつスライド駒１２ｂには円
筒体１２の前面から左右に張り出すように弾性を有する
一対のロック爪（グリッパ）１２ｄを備えている。ま
た、スライド駒１２ｂの外周面には突起１２ｂ-1が突き
出しており、この突起１２ｂ-1が嵌まり合うように円筒
体１２ａの内壁面には図２(c) で示すような異形の案内
溝１２ａ-1が形成されている。

【００１６】かかる構成で、図２(a) に示すようにキー
パー１３が後退している状態では、スライド駒１２ｂが
ばね１２ｃのばね力で前方に付勢され、左右一対のロッ
ク爪１２ｄは円筒体１２ａの前方に突き出して開いてい
る。また、この状態では、突起１２ｂ-1が図２(a) の案
内溝１２ａ-1に対して待機位置Ｉに停止している。

【００１７】ここで、図２(b) のようにキーパー１３を
スライド駒１２ｂの先端に突き当てて矢印Ｐ方向に押し
込むと、スライド駒１２ｂが円筒体１２ａの中に押し込
まれるとともに、いままで開いていたロック爪１２ｄが
円筒体１２ａに拘束されて閉じ、左右からキーパー１３
を挟み込む。また、この動きで突起１２ｂ-1が案内溝１
２ａ-1の位置IIに移動する。そして、キーパー１３の押
し込みを停止すると、付勢ばね１２ｃのばね力を受けた
スライド駒１２ｂの突起１２ｂ-1が案内溝１２ａ-1に沿
って位置IIからIII に移動し、この位置に停止する。こ
れにより、キーパー１３はロック爪１２ｄに挟持された
ままこの位置から抜けないように鎖錠される。

【００１８】次に、図２(b) のロック状態からキーパー
１３に再度押し込み力を加えると、突起１２ｂ-1が案内
溝１２-1の位置III からIVに移動した後、付勢ばね１２
ｃのばね力により反転して案内溝１２ａ-1の位置IVから
当初の待機位置Ｉに復帰する。これにより、スライド駒
１２ｂ，およびロック爪１２ｄが図２(a) で示す位置に
復帰してキーパー１３のロックが釈放される。

【００１９】次に、前記のプッシュ式ラッチ１１を装備
した引出し式商品陳列棚７の出し入れ操作について説明
する。なお、図１(a),(b) において、(a) 図は可動棚板
９を庫内への押し込位置で係止した状態，(b) 図は前方
に引出した状態を表している。すなわち、図１(a) の状
態ではプッシュ式ラッチ１１のキーパー１３が図２(b)
で述べたようにラッチ本体１２にロックされ、可動棚板
９はこの位置に係止保持されている。なお、この状態で
はショーケースの前方から可動棚板９を手前に引っ張っ
ても棚板が庫内から引き出されることはない。一方、商
品陳列棚への商品補充に際して店員が可動棚板９を若干
奥へ押し込むと、ラッチ１１のロックが釈放される（図
２(a) 参照）。したがって、図１(b) で表すように可動
棚板９を棚ブラケット８のスライドレール８ａに沿って
前方に引き出すことができる。また、商品補充の作業終
了後に可動棚板９を庫内に押し込むと、ラッチ１１がロ
ック（図２(b) 参照）状態に切り換わって図１(a) の位
置に係止支持される。

【００２０】

【発明の効果】以上述べたように、本発明の構成によれ
ば、可動棚板を庫内へ押し込んだ位置では、可動棚板の
ラッチがショーケースの前方から全く見えず、かつ手も
届かない位置に設置されており、しかもラッチのロック
状態では可動棚板を前方に引き出そうとして引っ張って
もロックが外れることがない。また、商品補充などに際
して店員が可動棚板を前方に引き出す場合には、手先を
使った特別な釈放操作を要することなく、所望の可動棚
板を定位置から僅かに押し込むだけの簡単な操作でラッ
チがアンロックとなってそのまま棚板を引き出せるな
ど、悪戯防止，並びに操作性に優れた引出し式商品陳列
棚を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例による引出し式商品陳列棚の構
成図であり、(a),(b) はそれぞれ可動棚板の押し込み，
引出し状態を表す側面図

【図２】図１におけるプッシュ式ラッチの構成，並びに
動作の説明図であり、(a),(b)はそれぞれラッチのアン
ロック，ロック状態を表した断面図、(c) はラッチの円
筒体に形成した案内溝のパターン図

【図３】本発明の実施対象とる多段形オープンショーケ
ースの構成図であり、(a) はショーケースの縦断側面
図、(b) は正面図

【図４】図３における引出し式商品陳列棚の従来構成図
であって、可動棚板の引出し状態を表した平面図

【符号の説明】

１ ケース本体 ７ 引出し式商品陳列棚 ８ 棚ブラケット ８ａ スライドレール ９ 可動棚板 ９ｂ 補強リブ １０ 棚支柱 １１ プッシュ式ラッチ １２ ラッチ本体 １２ａ ロック爪

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ケース本体の庫内の左右両端に立てた棚支
   柱に係止支持した左右一対のスライドレール付き棚ブラ
   ケットと、左右の棚ブラケットの間にまたがりスライド
   レールに沿って前方へ引出し可能に案内支持した可動棚
   板とからなるショーケースの商品陳列棚装置において、
   可動棚板を庫内への押し込み位置に係止保持するストッ
   パ手段として、ラッチ本体と、該ラッチ本体の前端に設
   けたロック爪と係合し合うキーパーとの２部品からな
   り、かつ前方からキーパーをラッチ本体に押し当ててロ
   ック，もう一度押してアンロックとなるプッシュ式ラッ
   チを備え、該ラッチの本体とキーパーの各部品を前後に
   向かい合わせて可動棚板の下面側後部と棚ブラケット側
   に振り分けて設置したことを特徴とするショーケースの
   商品陳列棚装置。
2. 【請求項２】請求項１記載の商品陳列棚装置において、
   ラッチのキーパーを可動棚板の下面側に突き出た補強リ
   ブの背面に取付け、キーパーに対向してラッチ本体を棚
   ブラケットに取付けたことを特徴とするショーケースの
   商品陳列棚装置。